JP4432709B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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    • B62D15/02Steering position indicators ; Steering position determination; Steering aids
    • B62D15/021Determination of steering angle
    • B62D15/0245Means or methods for determination of the central position of the steering system, e.g. straight ahead position

Description

本発明は、運転者によって回動操作される操舵ハンドルと一体的に回動する操舵軸と、同操舵軸と車両の転舵輪とを互いに連結するとともに前記操舵軸の回転運動を直線運動に変換して前記車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、前記操舵ハンドルの回動操作に対してアシスト力を付与する電動モータと、前記操舵軸の回転角を検出する操舵角センサと、同操舵角センサの検出角に応じて前記電動モータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献に示されているような学習機能つき電動パワーステアリングはよく知られている。この電動パワーステアリングは、車速条件、トルク条件および舵角条件の判定結果に基づいて、車両が直進走行しているか否かを判定するようになっている。そして、車両が直進走行していれば、設定されたサンプリング回数に従って操舵角センサから取得した出力値を平均化処理することによって、出力値の平均値を算出する。この算出した平均値は、所定数保管されている他の平均値とともに、その値の大小関係が比較されて、この比較により選択された平均値をさらに平均化処理することにより、舵角中点を表す中点出力値を決定するようになっている。
特許2970351号公報
しかしながら、上述した従来の電動パワーステアリングにおいては、車両の直進判定を操舵トルクセンサによって検出された操舵トルクがトルク条件を満たすか否かに基づいて行うため、正確な直進判定ができない可能性がある。すなわち、舵角中点がずれている状態において、例えば、電動モータによって操舵ハンドルが戻し制御された場合には、ステアリングシャフトに一体的に連結された操舵ハンドルが中立位置からずれて、車両が偏向(旋回)してしまう。このため、運転者がこの操舵ハンドルの位置ずれを修正するように操舵ハンドルを中立位置まで回動して保持した場合には、操舵トルクが常に検出されている状態となる。このことは、舵角中点のずれ量、すなわち、操舵ハンドルの中立位置からのずれ量が大きいほど検出される操舵トルクの値が大きくなり、運転者の修正によって車両が直進状態にあるにもかかわらず、車両の直進判定ができない場合がある。したがって、車両の直進判定が正確に行えない状況においては、舵角中点を正確に補正できない状態が続き、問題である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両の直進状態を正確に判定するとともに舵角中点を高精度で演算可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって回動操作される操舵ハンドルと一体的に回動する操舵軸と、同操舵軸と車両の転舵輪とを互いに連結するとともに前記操舵軸の回転運動を直線運動に変換して前記車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、前記操舵ハンドルの回動操作に対してアシスト力を付与する電動モータと、前記操舵軸の回転角を検出する操舵角センサと、同操舵角センサの検出した検出角に応じて前記電動モータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御装置を、前記転舵機構に作用する作用力を検出する作用力検出手段と、前記検出された作用力が、車両の直進状態を判定するために予め設定された基準値未満の値で所定時間継続して検出されたか否かに基づいて車両の直進状態を判定する直進状態判定手段と、前記直進状態判定手段によって車両が直進状態にあると判定されたときに、前記所定時間内に前記操舵角センサによって検出された複数の検出角の平均値を計算するとともに、同計算された平均値を用いて前記操舵角センサが前記操舵軸の回転角を検出するための基準点を表す制御舵角中点を計算する舵角中点演算手段と、前記舵角中点演算手段によって計算された制御舵角中点を更新して記憶する舵角中点記憶手段とを備えて構成し、前記直進状態判定手段が、前記舵角中点記憶手段によって記憶された前記制御舵角中点の記憶状態を確認する記憶状態確認手段と、前記記憶状態確認手段によって確認した前記制御舵角中点の記憶状態に応じて、前記所定時間を変更する所定時間変更手段とを含んで構成されることにある。この場合、前記所定時間変更手段は、前記記憶状態確認手段の確認によって前記制御舵角中点が前記舵角中点記憶手段により記憶されていないときは、前記制御舵角中点が前記舵角中点記憶手段により記憶されているときに比して前記所定時間を短く設定することができる。さらに、前記舵角中点記憶手段は、車両の駐車時において、車両に搭載されたバッテリからの電力供給状態を監視する電力供給状態監視手段によって前記バッテリからの電力供給状態が不良であると判定されると、記憶した制御舵角中点を消去することができる。
これらによれば、舵角中点がずれており、電動モータの戻し制御に対して運転者が操舵ハンドルを中立位置に戻すようにトルク(操舵トルク)を付与した状態であっても、転舵機構(例えば、ラックバー)に作用する合力に基づいて直進状態を判定することによって、正確に直進状態を判定することができる。すなわち、上記状態では、運転者が操舵軸に付与する操舵トルクと、電動モータが駆動することにより付与されて操舵トルクと略釣り合うアシストトルクとの合力が、転舵機構(ラックバー)に作用している。このため、転舵機構(ラックバー)に作用する作用力は、操舵トルクとアシストトルクとが互いに相殺されることによって小さな作用力となる。この状態において、実際に車両が直進状態にあれば、転舵輪から入力される外力(例えば、セルフアライメントトルク)は小さい値となる。したがって、転舵機構(ラックバー)に作用する作用力が、外力(セルフアライメントトルク)と釣り合う状態を考えれば、正確に車両の直進状態を判定することができる。そして、正確に判定された車両の直進状態において検出された複数の検出角(例えば、操舵角)を用いることにより、極めて正確に操舵軸の回転角を検出するための基準点すなわち制御舵角中点を計算することができる。これにより、電動モータを適切に駆動制御することができて、操舵ハンドルの回動操作に対して最適なアシスト力を付与することができる。
また、これらによれば、電動モータの駆動制御に必要な制御舵角中点の記憶状態に応じて、直進状態を判定するための所定時間を適宜変更することができる。これにより、例えば、制御舵角中点が舵角中点記憶手段に記憶されていれば、電動モータを駆動制御するための基準点が存在している。このため、所定時間変更手段は、より正確に直進状態を判定するために比較的長い所定時間を設定することができる。これにより、計算精度の高い制御舵角中点を計算することができる。一方、制御舵角中点が舵角中点記憶手段に記憶されていないまたは消去されていれば、電動モータを駆動制御するための基準点が存在しない。このため、所定時間変更手段は、所定時間を短く設定することによって、早期に制御舵角中点を計算することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記直進状態判定手段は、車両の駆動輪に発生したホイルスピンを検出するホイルスピン検出手段と、前記ホイルスピン検出手段によって前記駆動輪に発生したホイルスピンが検出されたときに、前記直進状態判定を禁止する直進状態判定禁止手段とを含んで構成されることにもある。この場合、前記ホイルスピン検出手段は、車両に生じた加速度に基づいて、前記駆動輪に発生したホイルスピンを検出するとよい。これらによれば、駆動輪にホイルスピンが発生している状態では、直進状態判定を禁止することにより、直進状態の誤判定を効果的に防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記舵角中点演算手段を、前記所定時間の経過ごとに、同所定時間内に検出された前記複数の検出角の積算値を計算するとともに同積算値を前記所定時間で除算して、前記検出された複数の検出角の平均値を表す第1舵角中点を計算する第1舵角中点計算手段と、前記第1舵角中点計算手段によって前記所定時間の経過ごとに順次計算される第1舵角中点を所定数用い、前記所定時間の経過ごとに前記所定数目までの第1舵角中点の平均値を表す第2舵角中点を順次計算する第2舵角中点計算手段と、前記第2舵角中点計算手段によって計算された第2舵角中点のうち、前記所定数目の第1舵角中点を用いて計算された第2舵角中点を前記制御舵角中点として決定する制御舵角中点決定手段とから構成したことにもある。
また、本発明の他の特徴は、前記舵角中点演算手段を、前記所定時間の経過ごとに、同所定時間内に検出された前記複数の検出角の積算値を計算するとともに同積算値を前記所定時間で除算して、前記検出された複数の検出角の平均値を表す第1舵角中点を計算する第1舵角中点計算手段と、前記第1舵角中点計算手段によって前記所定時間の経過ごとに順次計算される第1舵角中点と所定値とに重み付けしてフィルタ処理し、同フィルタ処理した値を表す第2舵角中点を順次計算する第2舵角中点計算手段と、前記第2舵角中点計算手段によって順次計算される第2舵角中点が、所定範囲内の値として計算されたときに、同計算された第2舵角中点を制御舵角中点として決定する制御舵角中点決定手段とから構成したことにもある。
この場合、前記舵角中点演算手段は、車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、前記第2舵角中点計算手段は、前記第2舵角中点の計算に用いる前記第1舵角中点の重み付けを、前記車速検出手段によって検出された車速に応じて変更するとよい。このとき、前記第2舵角中点の計算に用いる前記第1舵角中点の重み付けは、前記検出された車速が大きくなるに伴って大きく変更されるとよい。また、前記第2舵角中点計算手段は、前記第1舵角中点計算手段によって計算された第1舵角中点の値と前記制御舵角中点決定手段によって決定された制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第1偏差量以上であるときに、前記第1偏差量以上に計算された第1舵角中点を前記第2舵角中点の計算から除外するとよい。さらに、前記制御舵角中点決定手段は、前記第1舵角中点計算手段によって計算された第1舵角中点の値と決定した制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第2偏差量以上であり、かつ、前記第2偏差量以上となる回数が所定回数連続したときには、決定した制御舵角中点を無効とするとよい。
これらによれば、舵角中点演算手段は、検出された複数の検出角(例えば、操舵角)を平均化して第1舵角中点を算出し、この第1舵角中点をさらに平均化処理またはフィルタ処理して第2舵角中点を算出することができる。このとき、フィルタ処理は、計算された第1舵角中点と所定値として例えば先回計算された第2舵角中点とに重み付けすることによって計算される。そして、この算出された第2舵角中点を用いて制御舵角中点を決定することができる。このように、平均化処理またはフィルタ処理を繰り返し実行することにより、車両の直進状態における制御舵角中点を極めて正確に計算することができる。また、第2舵角中点計算手段は、検出車速に応じて第2舵角中点の計算に用いる第1舵角中点の所定値(例えば、先回計算された第2舵角中点)に対する重み付け(係数)を変更することができる。このとき、車両の車速が増大した場合には車両が直進状態にある可能性が高くなるので、検出車速が大きいときに計算された第1舵角中点は、実際の直進状態を表す舵角中点である可能性が高くなる。このため、第2舵角中点計算手段は、検出車速が大きい場合には、第1舵角中点の重み付け(係数)を大きく変更することによって、車両の直進状態における制御舵角中点を極めて正確に計算することができる。
また、第2舵角中点計算手段は、計算された第1舵角中点の値と決定された制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第1偏差量以上となる場合には、この第1舵角中点を除外することによって、第2舵角中点の計算精度を高めることができるとともに、同第2舵角中点を用いて決定される制御舵角中点の計算精度も向上させることができる。また、このように、第2舵角中点計算手段が、第1偏差量以上となる第1舵角中点を除外することにより、例えば、操舵角センサが誤検出した検出角も効果的に排除することができて、結果として、第2舵角中点および制御舵角中点の計算精度を高めることができる。
また、制御舵角中点決定手段は、例えば、既に決定した制御舵角中点に対して、計算された第2舵角中点が所定範囲内の値として計算されたときに、同計算された第2舵角中点を新たな制御舵角中点として更新して決定することができる。これにより、制御舵角中点の頻繁な変更を防止することができ、制御舵角中点に基づいて駆動制御される電動モータを滑らかに作動させることできる。したがって、運転者は、良好なアシスト力を知覚することができる。また、制御舵角中点決定手段は、第1舵角中点の値と決定した制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第2偏差量以上であり、かつ、第2偏差量以上となる回数が所定回数(例えば、3回程度)連続したときには、決定した制御舵角中点を無効とする。これは、現在設定されている制御舵角中点が間違っている可能性が高いためであり、この場合には、決定した制御舵角中点を無効とすることにより、不適正な電動モータの駆動制御を停止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記駆動制御装置は、前記舵角中点演算手段によって計算される前記複数の操舵角の平均値と、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第3偏差量未満であるとき、または、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が更新されたときに、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が計算精度を有していると判定する舵角中点精度判定手段を備えたことにもある。また、前記駆動制御装置は、前記舵角中点精度判定手段によって前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が計算精度を有していないと判定されたときに、前記電動モータの駆動を禁止する検出角の範囲を広げて変更する禁止範囲変更手段を備えたことにもある。
これらによれば、駆動制御装置が、舵角中点精度判定手段によって判定された計算精度に応じて、電動モータの駆動を禁止する検出角の範囲を広げて変更することができる。これによっても、不適正な電動モータの駆動を防止することができ、制御舵角中点に基づいて駆動制御される電動モータの作動を適正に行うことができる。したがって、運転者は、良好なアシスト力を知覚することができる。
さらに、本発明の他の特徴は、前記駆動制御装置は、車両の旋回状態における挙動異常を検出して同検出した挙動異常を修正するための挙動制御装置が車両に搭載されているか否かを判定する搭載有無判定手段と、前記挙動制御装置が前記車両の旋回状態を検出するために決定した前記操舵軸の中立位置を、前記挙動制御装置の作動状態に基づいて、前記制御舵角中点として採用可能であるか否かを判定する採用可否判定手段と、前記採用可否判定手段によって前記操舵軸の中立位置が前記制御舵角中点として採用可能であれば、前記中立位置を前記制御舵角中点として選択する制御舵角中点選択手段とを備えたことにもある。この場合、前記採用可否判定手段は、前記挙動制御装置の作動状態が正常であるか否かに基づいて、前記挙動制御装置が決定した操舵軸の中立位置を前記制御舵角中点として採用可能であるか否かを判定するとよい。さらに、前記車両に搭載された挙動制御装置は、前記操舵軸の中立位置を車両に発生したヨーレートまたは車両に発生した横加速度に基づいて決定するとよい。
これらによれば、挙動制御装置が決定する極めて正確な操舵軸の中立位置を制御舵角中点として採用することができるため、この制御舵角中点に基づいて駆動制御される電動モータの作動を適正に行うことができる。したがって、運転者は、良好なアシスト力を知覚することができる。また、挙動制御装置の搭載有無を判断するとともに、挙動制御装置の作動状態を判定することにより、車両の仕様や挙動制御装置の作動状況に応じて、1つの制御仕様で電動モータを最適に駆動制御することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略をブロック図により示している。
この電動パワーステアリング装置は、電気制御装置(回路)10と同電気制御装置10と接続された駆動回路20とを含んで構成される駆動制御ユニット25と、駆動回路20により通電制御される直流電動モータ30とを備えている。
電動モータ30は、操舵ハンドル31の回動操作による左右前輪FW1,FW2の操舵に対してアシスト力を付与するものである。このため、電動モータ30は、減速機構32を介して操舵軸33にトルク伝達可能に取付けられていて、その回転に応じて図示省略のピニオンギアを介してラックバー34を軸線方向に駆動し、同ラックバー34にタイロッドを介して連結されている左右前輪FW1,FW2を転舵する。また、操舵軸33には、操舵ハンドル31の回転角すなわち操舵角θを検出する操舵角センサ35が組み付けられている。
次に、図1に示した電動パワーステアリング装置の電気回路の詳細について、図2を用いて説明する。電気制御装置10は、マイクロコンピュータ(CPU)11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、EEPROM14(Electrical Erasable PROM)とから構成されている。CPU11は、後述する舵角中点演算プログラムや各種データなどを記憶しておくためのメモリ11aを内蔵しており、同記憶したプログラムを実行して電気制御装置10の作動を統括的に制御する。入力インターフェース12は、バスを介してCPU11に接続されるとともに、前述した操舵角センサ35、車速センサ41、操舵トルクセンサ42と接続されている。そして、入力インターフェース12は、CPU11に対し、各センサの検出信号を供給するようになっている。
車速センサ41は、車両の車速Vを検出して出力するものである。操舵トルクセンサ42は、運転者の操舵ハンドル31の回動操作に伴って操舵軸33に付与される操舵トルクTを検出して出力するものである。そして、各センサ35,41,42は、入力インターフェース12に対し、それぞれの検出信号を供給するようになっている。
出力インターフェース13は、バスを介してCPU11に接続されるとともに、駆動回路20および常開(ノーマリー・オープン)型のリレー21に接続されていて、CPU11からの指令に基づきこれらの導通状態を変更する信号を送出するようになっている。EEPROM14は、車両のバッテリ50からの電源の供給を受けない状態においてもデータを記憶・保存する記憶手段であり、バスを介してCPU11と接続されていて、同CPU11から供給されるデータ(例えば、後述する制御舵角中点を表すデータなど)を保持するとともに、CPU11の要求に応じて保持しているデータを同CPU11に供給するようになっている。
駆動回路20は、ゲートが出力インターフェース13にそれぞれ接続されたMOSFETからなる4個のスイッチング素子Tr1〜Tr4と、2つの抵抗20a,20bとを備えている。抵抗20aの一端は、バッテリ50の電源ラインLに上流側端子が接続されたリレー21の下流側端子に接続されていて、同抵抗20aの他端はスイッチング素子Tr1,Tr2の各ソースに接続されている。スイッチング素子Tr1,Tr2のドレインは、スイッチング素子Tr3,Tr4のソースにそれぞれ接続され、同スイッチング素子Tr3,Tr4のドレインは抵抗20bを介して接地されている。また、スイッチング素子Tr1とTr3との間は電動モータ30の一側に接続され、スイッチング素子Tr2とTr4との間は電動モータ30の他側に接続されている。なお、電動モータ30の両端は入力インターフェース12に接続されていて、これにより、CPU11が電動モータ30のモータ端子間電圧Vtを入力するようになっている。また、抵抗20bの両端も入力インターフェース12に接続されていて、CPU11が同抵抗20bの両端電圧を検出することで、電動モータ30のモータ電流値IMOTRを検出し得るようになっている。
以上の構成により、駆動回路20(すなわち、電動モータ30)はリレー21がオン(閉成)したときにバッテリ50から電源の供給を受け得る状態となる。そして、スイッチング素子Tr1,Tr4が選択的に導通状態(オン状態)とされたときには、電動モータ30に所定の方向のモータ電流値IMOTRが印加されて同モータ30は右回転する。一方、スイッチング素子Tr2,Tr3が選択的に導通状態とされたときには、電動モータ30に前記所定の方向と反対方向のモータ電流値IMOTRが印加されて同モータ30は左回転する。また、リレー21がオフ(開成)したときには、電動モータ30の電源供給経路が遮断され、同モータ30への通電は停止する。
また、バッテリ50の電源ラインLには、操舵角センサ35および運転者によりオン(閉成)状態またはオフ(開成)状態に切り替えられるイグニッションスイッチ22の一端が接続されている。イグニッションスイッチ22の他端はダイオードD1を介してCPU11、入力インターフェース12および出力インターフェース13が接続されている。また、ダイオードD1の下流は、リレー21の下流側から前記ダイオードD1の下流側へ向かう電流のみを許容するダイオードD2を介してリレー21の下流側端子と接続されており、リレー21がオン状態とされたときは、イグニッションスイッチ22の状態にかかわらず、CPU11、入力インターフェース12、出力インターフェース13およびEEPROM14にリレー21を介して電力が供給されるようになっている。なお、本明細書における以下の説明においては、リレー21が常にオン状態とされているものとして説明する。
次に、上記のように構成した電動パワーステアリング装置の作動について詳細に説明する。まず、運転者がイグニッションスイッチ22をオフ状態からオン状態へと変更すると、CPU11は、図3に示す始動直後チェックプログラムの実行を、ステップS10にて開始する。CPU11は、ステップS10においてプログラムの実行を開始すると、ステップS11にてバッテリ50による電力供給状態を確認する。すなわち、CPU11は、例えば、バッテリ50の電圧を検出して出力する電圧センサ(図示省略)からの検出信号を入力して、現在のバッテリ50の作動状態(例えば、起電力など)を確認する。
また、CPU11は、バッテリ50の脱着履歴も確認する。具体的に説明すると、上述したように、イグニッションスイッチ22の状態にかかわらず、操舵角センサ35には、バッテリ50から電力が常に供給されている。この状態から、例えば、交換等により、バッテリ50が取り外される(脱される)と操舵角センサ35への電力供給が中断される。このとき、操舵角センサ35は、電力供給が中断されたことを表す中断情報を、例えば、同センサ35に設けられた図示しない不揮発性メモリなどに一時的に記憶しておく。そして、再びバッテリ50が接続される(着される)と、操舵角センサ35は、入力インターフェース12を介して、CPU11に前記記憶した中断情報を出力する。これにより、CPU11は、バッテリ50が脱着されたか否かを確認することができる。
そして、CPU11は、ステップS11にて、バッテリ50の作動状態が良好であり、また、脱着履歴がなければ、電力の供給状態が良好であるため、「Yes」と判定して、ステップS12に進む。このように、電力の供給状態が良好であれば、先回の走行終了時すなわちイグニッションスイッチ22がオフ状態とされてから今回の走行開始時すなわちイグニッションスイッチ22がオン状態とされるまで(以下、この状態を駐車状態という)、バッテリ50は継続して適正に電力を供給している。ステップS12においては、CPU11は、先回の走行時において、後述する舵角中点演算プログラムの実行により演算した制御舵角中点であって、EEPROM14に記憶された制御舵角中点を読み出す。ここで、駐車状態においても、EEPROM14にはバッテリ50から継続して適正に電力が供給されているため、制御舵角中点はある程度の信頼性を有して記憶されている。このため、CPU11は、EEPROM14から読み出した先回の走行時に設定されていた制御舵角中点(以下、先回制御舵角中点という)を暫定的に今回の走行開始初期の制御舵角中点として設定して、ステップS13に進む。ここで、制御舵角中点は、操舵角センサ35が操舵角θを検出するときの基準点であって、操舵軸33の回動位置で表されるものである。なお、CPU11は、以下、制御舵角中点を新たに設定するごとに、同設定した制御舵角中点を図示省略のRAMに一時的に記憶する。ステップS13においては、CPU11は、制御舵角中点が設定されたか否かを表す舵角中点設定フラグFRGを、制御舵角中点が設定されたことを表す「1」に設定する。そして、CPU11は、ステップS16にて、始動直後チェックプログラムの実行を終了する。
なお、始動直後チェックプログラムの実行により、舵角中点設定フラグFRGが「1」に設定された状態においては、上述したように、暫定的に先回制御舵角中点が今回の走行開始初期の制御舵角中点として設定されている。しかしながら、先回の車両の状態(例えば、乗員数や積載状態など)と今回の車両の状態とが異なる場合には、CPU11が暫定的に設定した先回制御舵角中点は、今回の車両の状態において適正でない可能性がある。したがって、CPU11は、車両の走行開始初期においては、図4に示す操舵角−モータ電流値特性のうち、破線で表す特性(以下、通常特性という)ではなく、実線で表す特性(以下、初期特性という)に従って、操舵角θに応じたモータ電流値IMOTRを決定し、電動モータ30による回転力(アシスト力)を制御する。
この初期特性に基づくアシスト力の制御は、図4に示すように、操舵角θが通常特性における所定の第1操舵角θ1の絶対値よりも大きな第2操舵角θ2を超えると、電動モータ30に所定のモータ電流値IMOTRを印加するようになっている。言い換えれば、CPU11が検出操舵角θに応じて電動モータ30にモータ電流値IMOTRを印加しない範囲(以下、この範囲を不感帯という)を、通常制御の場合に比して大きく(広く)設定し、操舵角θが第2所定操舵角θ2となるまでモータ電流値IMOTRを印加しない。これにより、先回制御舵角中点が適正でなく、操舵ハンドル31の中立位置に若干量のズレが生じており、運転者が操舵ハンドル31の回動位置を適宜調整したときであっても、モータ電流値IMOTRは「0」に保たれるようになっている。これにより、電動モータ30が操舵軸33に対して、検出操舵角θに応じたアシスト力を付与することが禁止されて、運転者は違和感を覚えることがない。
一方、前記ステップS11にて、CPU11は、バッテリ50の作動状態が不良、または、作動状態が良好であっても脱着履歴があれば、バッテリ50の電力供給状態が不良であり、「No」と判定して、ステップS14に進む。このように、バッテリ50の電力供給状態が不良である場合には、駐車状態において、バッテリ50が継続して適正に電力を供給していない可能性が高い。これにより、EEPROM14に記憶されている制御舵角中点は、信頼性の低い状態で記憶されていることになる。したがって、CPU11は、ステップS14にて、EEPROM14に記憶されている制御舵角中点をクリアしてステップS15に進む。ステップS15においては、CPU11は、舵角中点設定フラグFRGを、制御舵角中点が設定されていないことを表す「0」に設定する。そして、CPU11は、ステップS16にて、始動直後チェックプログラムの実行を終了する。
次に、今回の走行における適正な制御舵角中点を演算する舵角中点演算プログラムについて詳細に説明する。図5は、CPU11が所定時間の経過ごとに繰り返し実行する舵角中点演算プログラムの各ステップを示したものである。
運転者によってイグニッションスイッチ22がオフ状態からオン状態に変更されると、CPU11は、上述した始動直後チェックプログラムを実行した後、所定のタイミングにて図5の舵角中点演算プログラムの実行をステップS20にて開始する。そして、CPU11は、ステップS21において、現在車両が直進状態であるか否かを判定するための直進状態判定ルーチンを実行する。
この直進状態判定ルーチンは、図6に示すように、その実行がステップS100にて開始される。そして、CPU11は、車速センサ41により検出された車速Vを入力し、ステップS110にて、現在車両にホイルスピンが発生しているか否かを判定する。このホイルスピンの発生判定においては、CPU11は、入力した車速Vから計算した加速度に基づいてホイルスピンの発生を判定する。具体的に説明すると、CPU11は、現在の車両の加速度を、例えば、車速Vの時間微分により計算する。そして、計算した加速度が予め設定された変化量で一定時間以上継続する条件(以下、この条件をホイルスピン判定条件という)を満たしている場合には、CPU11は現在車両にホイルスピンが発生していると判定する。
このステップS110の判定処理において、前記計算した加速度がホイルスピン判定条件を満たしている限り、CPU11は、繰り返し「Yes」と判定し、前記計算した加速度がホイルスピン判定条件を満たさなくなるまで繰り返しステップS110を実行する。このように、車両にホイルスピンが発生しているときには、繰り返しステップS110を実行することにより、後述する直進状態判定における検出操舵角θの誤検出を効果的に低減することができる。すなわち、車両にホイルスピンが発生している状態においては、運転者が車両の走行状態を安定させるために操舵ハンドル31を左右に回動操作する場合がある。しかしながら、この回動操作は、発生したホイルスピンによって実際に車両が直進走行していない状態で行われる可能性が高い。このため、ホイルスピン発生状態における検出操舵角θを直進状態判定に反映させると、正確な直進状態判定ができない可能性がある。これに対して、車両にホイルスピン発生状態での直進状態判定処理の実行を禁止することにより、極めて正確に車両の直進状態を判定することができる。
前記ステップS110の判定処理にて、車両にホイルスピンが発生していなければ、CPU11は、「No」と判定してステップS120に進む。ステップS120においては、CPU11は、上述した始動直後チェックプログラムの実行により設定した舵角中点設定フラグFRGが「0」であるか否かを判定する。すなわち、CPU11は、舵角中点設定フラグFRGが「0」、言い換えれば、現時点で制御舵角中点が設定されていない状態であれば、「Yes」と判定してステップS130に進む。ステップS130においては、CPU11は、暫定的であっても、早急に制御舵角中点を設定するために、後述する車両が直進状態であるか否かを判定するための条件(以下、直進状態判定条件という)が継続して成立すべき時間を短く設定する(以下、この短く設定される時間を暫定直進状態判定時間という)。そして、CPU11は、暫定直進状態判定時間を設定した後、ステップS150に進む。
一方、前記ステップS120の判定処理により、舵角中点設定フラグFRGが「1」に設定されていれば、CPU11は「No」と判定してステップS140に進む。ステップS140においては、CPU11は、暫定的に設定した制御舵角中点の精度を高めるために、直進状態判定条件が継続して成立すべき時間を長く設定する(以下、この長く設定される時間を通常直進状態判定時間という)。そして、CPU11、通常直進状態判定時間を設定した後、ステップS150に進む。
ステップS150においては、CPU11は、直進状態判定条件に基づいて車両が直進状態にあるか否かを判定する。この直進状態の判定について以下に詳細に説明する。直進状態判定条件は、操舵角センサ35により検出された操舵角θの変化量が所定の小さな変化量αdeg以内であること、車速センサ41により検出された車速Vが所定の車速βKm/h以上であること、さらに、ラックバー34に作用する作用力としての軸力Fが所定の小さな範囲±γNm以内であることの3つの条件から構成されている。そして、これら3つの条件の成立すなわち直進状態判定条件の成立が前記ステップS130にて設定された暫定直進状態判定時間または前記ステップS140にて設定された通常直進状態判定時間継続したときに、CPU11は、車両が直進状態であると判定する。
具体的に説明すると、CPU11は、操舵角センサ35から、入力インターフェース12を介して、現在の操舵軸33の回転角である検出操舵角θを入力する。また、CPU11は、車速センサ41から、入力インターフェース12を介して、現在の検出車速Vを入力する。また、CPU11は、操舵トルクセンサ42から、入力インターフェース12を介して、現在操舵軸33に作用している操舵トルクMTを入力する。さらに、CPU11は、入力インターフェース12を介して、電動モータ30のモータ端子間電圧Vtを入力するとともに、駆動回路20の抵抗20bの両端電圧を検出することによって、電動モータ30のモータ電流値IMOTRを検出する。この検出した電動モータ30のモータ電流値IMOTRに基づいて、CPU11は、電動モータ30が発生するアシストトルクATを計算する。そして、CPU11は、操舵トルクMTおよびアシストトルクATを合算することによって、左右前輪FW1,FW2から入力される外力(セルフアライメントトルク)と釣り合う合力としてのラックバー34の軸力Fを計算する。
そして、CPU11は、入力した操舵角θ、車速Vおよび計算した軸力Fと上記直進状態判定条件を構成する3つの条件とをそれぞれ比較し、直進状態判定条件が成立しているか否かを確認する。すなわち、CPU11は、入力した検出操舵角θに基づいて計算される操舵角の変化量(偏差)が所定の小さな変化量αdeg以内か、入力した検出車速Vが所定の車速βKm/h以上か、さらに、計算した軸力Fが所定の小さな範囲±γNm以内かを確認する。そして、前記各値が直進状態判定条件を満たしていれば、CPU11は、直進状態判定条件が暫定直進状態判定時間または通常直進状態判定時間継続して成立するか否かを判定する。この判定に基づき、直進状態判定条件が暫定直進状態判定時間または通常直進状態判定時間継続して成立していれば、CPU11は「Yes」と判定してステップS160に進み、本ルーチンの実行を終了する。一方で、直進状態判定条件が暫定直進状態判定時間または通常直進状態判定時間以上継続して成立していなければ、CPU11は「No」と判定し、ふたたび、前記ステップS110〜前記ステップS140までの各ステップを実行する。そして、ステップS150にて「Yes」と判定するまで、上記各ステップの処理を繰り返し実行する。
ふたたび、図5に示す舵角中点演算プログラムの説明に戻り、CPU11は、前記ステップS21の直進状態判定ルーチンの実行後、ステップS22にて、舵角中点演算ルーチンを実行する。この舵角中点演算ルーチンは、図7に示すように、その実行がステップS200にて開始される。そして、CPU11は、車速センサ41から検出された車速Vを入力し、ステップS205にて、舵角中点設定フラグFRGが「1」に設定されているか否かを判定する。すなわち、CPU11は、舵角中点設定フラグFRGが「1」に設定されていれば、「Yes」と判定してステップS210に進む。ステップS210においては、CPU11は、下記式1に従って通常直進状態判定時間内に操舵角センサ35によって検出された操舵角θの平均値すなわち第1舵角中点としての瞬時舵角中点を算出する。
瞬時舵角中点=通常直進状態判定時間内に検出された操舵角θの積算値/通常直進状態判定時間 …式1
そして、CPU11は、車両が直進状態であると判定している間、通常直進状態判定時間ごとに瞬時舵角中点を計算し続け、同計算した複数の瞬時舵角中点を図示省略のRAMに一時的に順次記憶する。
そして、CPU11は、前記ステップS210にて瞬時舵角中点を算出すると、続くステップS215にて、算出した瞬時舵角中点の値と現在設定されている制御舵角中点の値とを比較し、これら各値の偏差が所定の偏差量λ未満であるか否かを判定する。すなわち、CPU11は、前記ステップS210にて算出した瞬時舵角中点の値と現在設定されている制御舵角中点の値との偏差が所定の偏差量λ未満であれば、「Yes」と判定して、ステップS220に進む。
ステップS220においては、CPU11は、前記ステップS210にて算出した瞬時舵角中点をフィルタ処理した舵角中点すなわち第2舵角中点としてのなまし舵角中点を算出する。以下、このなまし舵角中点の算出について詳細に説明する。車両においては、車速Vの小さい低速走行時に比して車速Vの大きい高速走行時の方が直進状態を維持しやすくなる。すなわち、車速Vの増大に伴い、セルフアライニングトルクの作用によって、左右前輪FW1,FW2が直進位置に保たれやすくなり、車両は直進状態に維持されやすくなる。その結果として、前記ステップS210にて前記式1に従って計算される瞬時舵角中点間の偏差が小さくなり、算出される瞬時舵角中点の信頼性が向上する。
したがって、CPU11は、車速センサ41から入力した車速Vに応じて、前記式1に従って計算した瞬時舵角中点と先回の舵角中点演算ルーチン実行時に算出したなまし舵角中点(以下、先回なまし舵角中点という)との重み付け(係数)を変更してフィルタ処理し、今回のなまし舵角中点を計算する。すなわち、CPU11は、車速センサ41から入力した車速Vが所定の車速Vo未満であれば下記式2に従ってなまし舵角中点を計算し、車速Vが所定の車速Vo以上であれば下記式3に従って計算する。
なまし舵角中点={先回なまし舵角中点×(j−1)+今回の瞬時舵角中点}/j …式2
なまし舵角中点={先回なまし舵角中点×(k−1)+今回の瞬時舵角中点}/k …式3
ただし、前記式2中のjと前記式3中のkは予め設定された正の整数であり、j>kとなる関係が成立するものとする。そして、CPU11は、前記式2または式3に従って計算した今回のなまし舵角中点をRAMに一時的に記憶してステップS260に進み、舵角中点演算ルーチンの実行を終了する。
一方、CPU11は、前記ステップS215にて、前記ステップS210にて算出した瞬時舵角中点の値と現在設定されている制御舵角中点の値との偏差が所定の偏差量λ以上であれば、「No」と判定して、ステップS225に進む。ステップS225においては、CPU11は、前記ステップS210にて算出した瞬時舵角中点の値と現在設定されている制御舵角中点の値との偏差が所定の偏差量λ以上に異なった回数が連続して所定回数(例えば、3回)となったか否かを判定する。すなわち、CPU11は、偏差が所定の偏差量λ以上に異なった回数が連続して所定回数となっていれば、現在設定されている制御舵角中点が誤っている可能性があるため、「Yes」と判定してステップS230に進む。
ステップS230においては、CPU11は、RAMに記憶されている現在の制御舵角中点およびなまし舵角中点をクリアして無効にする。これは、上述したように、算出された瞬時舵角中点の値と現在の制御舵角中点の値との偏差が所定の偏差量λ以上に異なる回数が所定回数連続していれば、現在設定されている制御舵角中点が誤っている可能性が高い。このため、CPU11は、現在設定されている制御舵角中点に基づく電動モータ30の制御を中止すべく、RAMに記憶されている現在の制御舵角中点をクリアして無効とする。また、現在の制御舵角中点を無効とした場合には、後述するように、暫定直進状態判定時間内の瞬時舵角中点を用いてなまし舵角中点を算出し、早期に制御舵角中点を設定する必要がある。このため、CPU11は、RAMに記憶されているなまし舵角中点(詳しくは、通常直進状態判定時間内の瞬時舵角中点を用いて算出したなまし舵角中点)をクリアして無効とする。そして、CPU11は、RAMに記憶されている現在の制御舵角中点およびなまし舵角中点をクリア処理すると、ステップS235に進む。ステップS235においては、CPU11は、前記ステップS230にて現在設定されている制御舵角中点がクリアしたことに伴い、舵角中点設定フラグFRGを値を「0」に設定し、ステップS260にて舵角中点演算ルーチンの実行を終了する。
また、CPU11は、前記ステップS225にて、偏差が所定の偏差量λ以上に異なった回数が連続して所定回数となっていなければ、「No」と判定し、ステップS260にて舵角中点演算ルーチンの実行を終了する。この場合には、例えば、車両がバンク路を走行している場合など、前記ステップS210にて算出された瞬時舵角中点が誤っている可能性がある。このため、CPU11は、算出した瞬時舵角中点の値が現在設定されている制御舵角中点に対して所定の偏差量λ以上異なっている場合には、この瞬時舵角中点をなまし舵角中点の計算に採用せず、舵角中点演算ルーチンの実行を終了する。このように、瞬時舵角中点を除外することによって、なまし舵角中点の計算精度を高めることができる。また、後述するように、なまし舵角中点を用いて更新される制御舵角中点の計算精度も向上させることができる。さらに、所定の偏差量λ以上となる瞬時舵角中点を除外することにより、例えば、操舵角センサ35が誤検出した操舵角θも効果的に排除することができて、結果として、なまし舵角中点および制御舵角中点の計算精度を高めることができる。
また、前記ステップS205にて、舵角中点設定フラグFRGが「0」に設定されていれば、CPU11は「No」と判定して、ステップS240に進む。ステップS240においては、CPU11は、下記式4に従って暫定直進状態判定時間内に操舵角センサ35によって検出された操舵角θの平均値すなわち第1舵角中点としての瞬時舵角中点を算出する。
瞬時舵角中点=暫定直進状態判定時間内に検出された操舵角θの積算値/暫定直進状態判定時間 …式4
そして、CPU11は、車両が直進状態であると判定している間、暫定直進状態判定時間ごとに瞬時舵角中点を計算し続け、同計算した複数の瞬時舵角中点をRAMに一時的に順次記憶する。
そして、CPU11は、前記ステップS240にて瞬時舵角中点を算出すると、続くステップS245にて、算出した瞬時舵角中点を用いて、第2舵角中点としてのなまし舵角中点を計算する。以下、この暫定直進状態判定時間内の瞬時舵角中点を用いたなまし舵角中点の算出について詳細に説明する。この場合、CPU11は、下記式5に従って暫定直進状態判定時間内の瞬時舵角中点をフィルタ処理(平均化処理)することによってなまし舵角中点を計算する。
なまし舵角中点={先回計算したなまし舵角中点×(瞬時舵角中点の算出回数m−1)+今回の瞬時舵角中点}/瞬時舵角中点の算出回数m …式5
ただし、前記式5中のmは予め設定された正の整数である。
ここで、前記式5に従って計算されるなまし舵角中点について、図8を用いて具体的に説明する。図8は、瞬時舵角中点、なまし舵角中点および制御舵角中点の推移を概略的に示している。今、前記式5中の算出回数mが、例えば、m=5に設定されているとすれば、CPU11は、前記式4に従って計算された瞬時舵角中点s1〜s5を用い、前記式5に従ってなまし舵角中点n1〜n5を計算する。
具体的に説明すると、CPU11は、前記ステップS240にて、RAMに一時的に記憶した瞬時舵角中点s1を用いて、前記式5に従ってなまし舵角中点n1を計算する。この場合においては、瞬時舵角中点s1の算出回数mは「1」であるため、なまし舵角中点n1=瞬時舵角中点s1が成立する。同様にして、車両が引き続き直進状態にあれば、CPU11は、前記式4に従って、瞬時舵角中点s2を計算してRAMに一時的に記憶する。そして、CPU11は、この瞬時舵角中点s2を用いて、前記式5に従ってなまし舵角中点n2を計算する。この場合においては、先回計算したなまし舵角中点はなまし舵角中点n1であり、瞬時舵角中点s2の算出回数mは「2」であり、これらを用いてなまし舵角中点n2が計算される。さらに、CPU11は、前記式4に従って、瞬時舵角中点s3を計算してRAMに一時的に記憶する。そして、CPU11は、この瞬時舵角中点s3を用いて、前記式5に従ってなまし舵角中点n3を計算する。この場合においては、先回計算したなまし舵角中点はなまし舵角中点n2であり、瞬時舵角中点s3の算出回数mは「3」であり、これらを用いてなまし舵角中点n3が計算される。同様にして、CPU11は、なまし舵角中点s5まで計算する。
このように計算されるなまし舵角中点は、前記式5に示すように、先回計算したなまし舵角中点と現在の瞬時舵角中点とを平均化して計算されるため、平均化処理回数(言い換えれば算出回数mに対応)に応じて計算精度を高めることができる。より具体的に示せば、なまし舵角中点n1の値に比してなまし舵角中点n5の値の方が、現在の車両の状態における実際の舵角中点により近いすなわち精度の高い値として計算されている。
前記ステップS245のなまし舵角中点算出処理後、ステップS250に進み、CPU11は、前記ステップS245で計算した複数のなまし舵角中点のうち、算出回数m回目に計算したなまし舵角中点を制御舵角中点として設定する。すなわち、CPU11は、上述したように、算出回数m=5と設定されていれば、図8に示すように、CPU11は、なまし舵角中点s5を制御舵角中点E1として設定する。このように、舵角中点設定フラグFRGが「0」に設定されている状態、すなわち、未だ制御舵角中点が設定されていない状態で設定される制御舵角中点は、暫定直進状態判定時間の瞬時舵角中点に基づいて計算される。この場合、設定される制御舵角中点は、車両が短い時間直進状態にあるときに計算されるため、その精度が通常直進状態判定時間の瞬時舵角中点に基づいて計算された制御舵角中点の精度に比して若干劣ることになる。しかしながら、暫定直進状態判定時間の瞬時舵角中点に基づいて制御舵角中点を計算することにより、早期に制御舵角中点を設定することができる。したがって、早期に電動モータ30による適切なアシスト力を操舵軸33に付与することができる。
ここで、上述したように、車両においては、低速走行時に比して高速走行時の方が直進状態を維持しやすくなる。このため、設定されている制御舵角中点をクリアして無効とした場合には、CPU11は、制御舵角中点をクリアしたときの車速Vに応じて、前記ステップS245において前記式5中のmの値を小さく設定してなまし舵角中点を計算することもできる。例えば、図8に示すように、瞬時舵角中点s6が計算される直前に、これまで設定されていた制御舵角中点E1をクリアしたとすると、CPU11は、前記ステップS245にて、前記式5中の瞬時舵角中点の算出回数mよりも少ない算出回数(例えば、m=3)を設定し、なまし舵角中点n6〜n8を計算する。そして、CPU11は、前記ステップS250にて、計算したなまし舵角中点n8を新たな制御舵角中点E2として設定する。
前記ステップS250の制御舵角中点設定処理後、CPU11は、ステップS255に進み、舵角中点設定フラグFRGを「1」に設定する。そして、CPU11は、ステップS260にて、舵角中点演算ルーチンの実行を終了する。
ふたたび、図5に示す舵角中点演算プログラムの説明に戻り、CPU11は、前記ステップS22の舵角中点演算ルーチンの実行後、ステップS23にて、舵角中点精度判定ルーチンを実行する。この舵角中点精度判定ルーチンは、図9に示すように、その実行がステップS300にて開始される。そして、CPU11は、ステップS310にて、精度判定条件に基づいて、前記舵角中点演算ルーチンの実行により設定した制御舵角中点が精度を有しているか否かを判定する。ここで、精度判定条件は、現在設定されている制御舵角中点の値と前記式1に従って計算された瞬時舵角中点の値との偏差が所定の偏差量μ未満であること、後述するように先回制御舵角中点が更新されたか否かの2つの条件から構成されている。なお、所定の偏差量μは、上述した所定の偏差量λに比して小さな値に設定されるものである。
そして、これら2つのうちのいずれかの条件すなわち精度判定条件が成立していれば、現在設定されている制御舵角中点がより実際の舵角中点に近い状態すなわち精度を有しているため、「Yes」と判定してステップS320に進む。なお、後述する舵角中点補正ルーチンの実行により制御舵角中点が補正された場合には、CPU11は、補正された制御舵角中点が精度を有していると判定する。ステップS320においては、CPU11は、図4に示した操舵角−モータ電流値特性を通常特性に設定して、検出操舵角θに対する不感帯を狭く(詳しくは図4の±θ1で決定される不感帯に)設定する。すなわち、精度判定条件が成立している状態では、制御舵角中点は実際に車両を直進させるための舵角中点により近い値となっている。したがって、CPU11は、操舵角−モータ電流値特性を通常特性に設定することにより不感帯を狭くし、電動モータ30が、運転者による操舵ハンドル31の回動操作に対して、最適かつ的確なアシスト力を付与できるようにする。そして、CPU11は、前記ステップS320の設定処理後、ステップS340に進み、舵角中点精度判定ルーチンの実行を終了する。
一方、CPU11は、前記ステップS310にて、例えば、走行に伴って車両の状態が変化し、精度判定条件が成立していなければ、「No」と判定してステップS330に進む。ステップS330においては、CPU11は、操舵角−モータ電流値特性を初期特性に設定して、検出操舵角θに対する不感帯を広く(詳しくは、図4の±θ2で決定される不感帯に)設定する。すなわち、走行に伴って車両の状態が変化して、精度判定条件が成立していない状態で、操舵角−モータ電流値特性が通常特性に設定されたままでは、現在設定している制御舵角中点と実際の舵角中点とのズレ量が大きいために操舵ハンドル31に無用なアシスト力が付与される可能性がある。このため、CPU11は、ステップS330にて、操舵角−モータ電流値特性を初期特性に設定することにより不感帯を広くする。前記ステップS330の設定処理後、ステップS340にて、舵角中点精度判定ルーチンの実行を終了する。
ふたたび、図5の舵角中点演算プログラムの説明に戻り、CPU11は、前記ステップS23の舵角中点判定ルーチンの実行後、ステップS24にて、舵角中点補正ルーチンを実行する。この舵角中点判定ルーチンは、図10に示すように、その実行がステップS400にて開始される。そして、ステップS410にて、CPU11は、現在設定されている制御舵角中点の値と算出されたなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲(例えば、上述した所定の偏差量μ以上で所定の偏差量λ未満の範囲)内にあるか否かを判定する。
すなわち、CPU11は、現在設定されている制御舵角中点の値と今回算出したなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲内にあれば「Yes」と判定してステップS420に進む。そして、CPU11は、ステップS420にて、今回算出したなまし舵角中点を新たな制御舵角中点として更新して設定する。このように、現在の制御舵角中点の値と今回算出したなまし舵角中点値との偏差が所定範囲内にあるとき、言い換えれば、現在の制御舵角中点の値に対して算出されたなまし舵角中点の値が所定範囲内でずれているときには、算出されたなまし舵角中点の方が車両を直進させるための実際の舵角中点に近い値となっている。具体的に説明すると、前記式2または式3に従って計算されるなまし舵角中点は、長い時間すなわち通常直進状態判定時間で車両が直進状態にあるときに算出される。このため、算出されるなまし舵角中点は、より実際の車両の直進状態を反映した値すなわち信頼性の高い値として計算される。したがって、CPU11は、現在の制御舵角中点の値と算出されたなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲内の値となった場合には、今回算出されたなまし舵角中点を新たな制御舵角中点として更新して設定する。
なお、暫定直進状態判定時間内の瞬時舵角中点を用いて前記式5に従って算出されるなまし舵角中点は、上述したように、早期に制御舵角中点を設定するために算出されるものである。この場合、このなまし舵角中点に基づいて制御舵角中点が設定されれば、舵角中点設定フラグFRGが「1」に設定されるため、次回以降の舵角中点補正ルーチン実行時には、通常直進状態判定時間におけるなまし舵角中点が算出されるようになる。したがって、この場合も、上記のように、CPU11は、前記ステップS410にて、現在設定されている制御舵角中点の値と今回算出したなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲内にあれば「Yes」と判定してステップS420に進む。そして、CPU11は、ステップS420にて、今回算出したなまし舵角中点を新たな制御舵角中点として更新して設定する。
一方、CPU11は、前記ステップS410にて、現在設定されている制御舵角中点の値と今回算出したなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲内になければ、「No」と判定してステップS430に進み、舵角中点補正ルーチンの実行を終了する。この場合においては、前記偏差が所定範囲の下限値(例えば、所定の偏差量μ)未満の値となっている。すなわち、前記偏差が所定範囲の上限値(例えば、所定の偏差量λ)以上の値となる場合は、前記式2または式3から明らかなように、少なくとも算出される瞬時舵角中点の値が、例えば、所定の偏差量λ以上の値とならなければならない。しかしながら、この値を有する瞬時舵角中点が算出された場合には、上述した舵角中点演算ルーチンで説明したように、今回のなまし舵角中点の算出には採用されないため、現在の制御舵角中点の値と今回算出したなまし舵角中点の値との偏差が所定範囲の上限を超える場合はない。したがって、CPU11が前記ステップS410にて「No」と判定するときには、前記偏差が所定範囲の下限値未満の値となっている場合である。この場合には、現在の制御舵角中点が高い精度を有して設定されており、更新して変更する必要がないため、CPU11は、ステップS430にて舵角中点補正ルーチンの実行を終了する。
このように、現在の制御舵角中点の精度に基づいて、同制御舵角中点の更新の要否を考慮することによって、制御舵角中点の頻繁な変更を防止することができる。したがって、制御舵角中点に基づいて駆動制御される電動モータ30を滑らかに作動させることができ、運転者は、良好なアシスト力を知覚することができる。
このように、舵角中点補正ルーチンの実行を終了すると、CPU11は、図5に示す舵角中点演算プログラムにおいて、ステップS25に進み、同プログラムの実行を一旦終了し、所定の短い時間の経過後、CPU11は、ふたたび、舵角中点演算プログラムの実行を開始する。そして、運転者によってイグニッションスイッチ22がオン状態からオフ状態に変更されると、CPU11は、最終的に設定していた制御舵角中点をEEPROM14に記憶する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、舵角中点がずれており、電動モータ30の戻し制御に対して運転者が操舵ハンドル31を中立位置に戻すように操舵トルクを付与した状態であっても、ラックバー34に作用する作用力としての軸力F基づいて直進状態を判定することができる。これにより、車両の直進状態を正確に判定することができる。すなわち、上記状態では、運転者が操舵軸33に付与する操舵トルクと、電動モータ30が駆動することにより付与されて操舵トルクと略釣り合うアシストトルクとの合力が、ラックバー34に軸力Fとして作用している。このため、ラックバー34に作用する軸力Fは、操舵トルクとアシストトルクとが互いに相殺されることによって小さな作用力となる。この状態において、実際に車両が直進状態にあれば、左右前輪FW1,FW2から入力されるセルフアライメントトルクは小さい値となる。したがって、ラックバー34に作用する軸力Fが、セルフアライメントトルクと釣り合う状態を考えれば、確実に車両の直進状態を判定することができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、操舵角センサ35から出力される操舵角θを用いて制御舵角中点を決定するに当たり、始動直後にて、操舵角−モータ電流値特性の不感帯を広く設定し、瞬時舵角中点、なまし舵角中点を計算して制御舵角中点の精度を高めてから、操舵角−モータ電流値特性の不感帯を狭く設定するように実施した。これに対し、加速度センサやヨーレートセンサなど車両の運動状態量を検出する手段を有して、車両の運動挙動を適宜修正する挙動制御装置、例えば、VSC(Vehicle Stability Control)などが車両に搭載されている場合には、この挙動制御装置が決定する操舵軸33の中立位置を制御舵角中点として採用することもできる。以下、この第2実施形態について説明する。なお、挙動制御装置の構成および作動については、本発明と直接関係しないため、その詳細な説明を省略する。
挙動制御装置60は、図1にて破線で示すように、車両に発生する車両前後方向の加速度および車両左右方向の加速度を検出する加速度センサ61と、車両の旋回時に発生する重心軸周りのヨーレートを検出するヨーレートセンサ62を備えていて、これらセンサ61,62からの検出値に基づいて、車両の運動挙動状態、例えば、車両が直進状態であるかまたは旋回状態であるか、あるいは、旋回状態にてスピンやドリフトアウトが発生するか否かを極めて正確に判別する。そして、挙動制御装置60は、例えば、スピンやドリフトアウトなど車両に挙動異常が発生する可能性が高い場合には、左右前後の車輪に制動力を付与して車両の挙動を安定化させる。このように、挙動制御装置60は、正確に車両の運動挙動状態を判別する必要があるため、操舵軸33の中立位置、言い換えれば、操舵角センサ35の基準点を極めて高い精度で決定するようになっている。
そして、この挙動制御装置60が車両に搭載されている場合には、同装置60が決定する高い精度の基準点を制御舵角中点として利用することにより、始動直後から前述した不感帯を狭く設定することが可能である。さらに、挙動制御装置60によって決定される操舵角センサ35の基準点は、その精度が高いために、例えば、上記第1実施形態で説明したような制御舵角中点を補正する必要がない。ところで、この挙動制御装置60は、車種によって予め搭載されていたり、予め搭載されていない車種であっても別途搭載可能であったりする。特に、別途搭載可能な車種の場合には、挙動制御装置60が搭載されている場合と同装置60が搭載されていない場合とにおいて、個々の車両に対して、上記第1実施形態で説明した舵角中点演算プログラムを実行するか否かを設定する必要があり煩雑である。また、挙動制御装置60が搭載されている場合であっても、例えば、同装置60に異常が発生した場合には、上記第1実施形態で説明した舵角中点演算プログラムを実行する必要がある。
このため、車両に挙動制御装置60が搭載されているか否かにかかわらず、図11に示す舵角中点選択プログラムを予めCPU11のメモリ11aに記憶しておくことによって、上記問題を解決することができる。以下、図11を用いて、舵角中点選択プログラムを詳細に説明する。
この舵角中点選択プログラムは、イグニッションスイッチ22がオン状態とされた後、CPU11がステップS30にてその実行を開始する。そして、ステップS31にて、CPU11は、上記第1実施形態と同様の始動直後チェックプログラムを実行する。この始動直後チェックプログラムの実行後、CPU11は、ステップS32にて、挙動制御装置60が車両に搭載されているか否かを判定する。すなわち、CPU11は、例えば、多重通信線を介して、挙動制御装置60の作動を統括的に制御するCPU63から出力される信号(以下、この信号をVSC信号という)を取得する。これにより、CPU11は、車両に挙動制御装置60が搭載されているか否かを判定する。そして、挙動制御装置60が車両に搭載されていれば、CPU11は「Yes」と判定してステップS33に進む。ステップS33においては、CPU11は、挙動制御装置60が正常であるか否かを判定する。すなわち、CPU11は、CPU63からのVSC信号によって表される挙動制御装置60の作動状態情報に基づいて、挙動制御装置60が正常であるか否かを判定する。挙動制御装置60が正常に作動していれば、CPU11は「Yes」と判定してステップS34に進む。
ステップS34においては、CPU11は、操舵角−モータ電流値特性の不感帯を狭くすなわち通常特性に設定する。これは、挙動制御装置60が車両に搭載されており、かつ、正常に作動しているため、挙動制御装置60が決定する操舵角センサ35の基準点すなわち制御舵角中点の精度は極めて高い。したがって、CPU11は、操舵角−モータ電流値特性を通常特性に設定することにより不感帯を始動直後から狭く設定し、同特性に従って電動モータ30を作動制御し、最適なアシスト力を操舵軸33に付与する。
一方、前記ステップS32の判定処理によって車両に挙動制御装置60が搭載されていない、または、前記ステップS33の判定処理によって挙動制御装置60が正常に作動していないと判定すると、CPU11は、前記ステップS32または前記ステップS33にて「No」と判定してステップS35に進む。ステップS35においては、CPU11は、操舵角−モータ電流値特性を初期特性に設定し、始動直後における不感帯を広く設定する。この場合には、上述した第1実施形態と同様に、制御舵角中点の精度が高くないため、言い換えれば、挙動制御装置60から精度の高い制御舵角中点が得られないため、始動直後における不感帯を広く設定する。そして、CPU11は、ステップS36において、上述した第1実施形態と同様に、舵角中点演算プログラムを実行する。
そして、CPU11は、舵角中点演算プログラムの実行後、ステップS37に進み、イグニッションスイッチ22がオン状態であるか否かを判定する。すなわち、イグニッションスイッチ22がオン状態であれば、CPU11は「Yes」と判定して、ふたたび、前記ステップS32の判定処理を実行し、以降の各ステップを実行する。このように、イグニッションスイッチ22がオン状態の間、繰り返しステップS32以降の各ステップを繰り返し実行することにより、例えば、走行中に挙動制御装置60に異常が発生した場合には、ステップS35以降の処理を実行することによって、車両を安全に走行させることができる。一方、イグニッションスイッチ22がオフ状態であれば、CPU11は「No」と判定してステップS38に進み、舵角中点選択プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が期待できるとともに、挙動制御装置60の搭載、非搭載にかかわらず、舵角中点選択プログラムを実行することができる。これにより、挙動制御装置60が搭載され、かつ、正常に作動している状況では、極めて精度の高い制御舵角中点を利用することができて、始動直後から好適なアシスト力を操舵軸33に付与することができる。したがって、運転者は、良好な操舵フィーリングを知覚することができる。また、挙動制御装置60が故障した場合、特に、車両が走行中に挙動制御装置60が故障した場合であっても、上記第1実施形態と同様に舵角中点演算プログラムを実行することにより、車両を安全に走行させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1および第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1および第2実施形態においては、転舵機構として操舵軸33に組み付けられたピニオンギアおよび同ピニオンギアと歯合するラックバー34を採用して実施した。しかし、これに代えて、例えば、転舵機構をボールねじとボールナットで構成して実施することも可能である。これによっても、上記第1および第2実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記第1および第2実施形態においては、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクMTと、モータ電流値IMOTRに基づいて計算された電動モータ30のアシストトルクATを合算することによって、左右前輪FW1,FW2から入力される外力(セルフアライメントトルク)に釣り合うラックバー34の軸力Fを計算するように実施した。これに対して、ラックバー34の軸力Fを直接検出する軸力センサを設けて実施することも可能である。この場合、軸力センサは、操舵ハンドル31を介して操舵軸33に付与される操舵トルクによりラックバー34に作用する作用力と、電動モータ30の駆動によるアシストトルクによってラックバー34に作用する作用力との合力を、ラックバー34の軸力Fとして検出する。これによっても、上記第1および第2実施形態と同様の効果が期待できる。
さらに、上記第1および第2実施形態においては、電動モータ30が、減速機構32を介して、操舵軸33にトルクを伝達するように構成して実施した。しかしながら、電動モータ30が、減速機構32を介して、直接ラックバー34にトルクを伝達するように構成して実施可能であることは言うまでもない。
本発明の第1および第2実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置の概略図である。 図1の駆動制御ユニットを概略的に表すブロック図である。 図2のCPUによって実行される始動直後チェックプログラムを表すフローチャートである。 電動モータを駆動制御するための操舵角−モータ電流値特性を表すグラフである。 図2のCPUによって実行される舵角中点演算プログラムを表すフローチャートである。 図2のCPUによって実行される直進状態判定ルーチンを表すフローチャートである。 図2のCPUによって実行される舵角中点演算ルーチンを表すフローチャートである。 瞬時舵角中点、なまし舵角中点および制御舵角中点の計算および決定を説明するための図である。 図2のCPUによって実行される舵角中点精度判定ルーチンを表すフローチャートである。 図2のCPUによって実行される舵角中点補正ルーチンを表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係り、図2のCPUによって実行される舵角中点選択プログラムを表すフローチャートである。
符号の説明
10…電気制御装置、11…CPU、14…EEPROM、20…駆動回路、25…駆動制御ユニット、30…電動モータ、31…操舵ハンドル、33…操舵軸、34…ラックバー、35…操舵角センサ、41…車速センサ、42…操舵トルクセンサ、50…バッテリ、60…挙動制御装置、FW1,FW2…左右前輪

Claims (16)

  1. 運転者によって回動操作される操舵ハンドルと一体的に回動する操舵軸と、同操舵軸と車両の転舵輪とを互いに連結するとともに前記操舵軸の回転運動を直線運動に変換して前記車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、前記操舵ハンドルの回動操作に対してアシスト力を付与する電動モータと、前記操舵軸の回転角を検出する操舵角センサと、同操舵角センサの検出した検出角に応じて前記電動モータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御装置を、
    前記転舵機構に作用する作用力を検出する作用力検出手段と、
    前記検出された作用力が、車両の直進状態を判定するために予め設定された基準値未満の値で所定時間継続して検出されたか否かに基づいて車両の直進状態を判定する直進状態判定手段と、
    前記直進状態判定手段によって車両が直進状態にあると判定されたときに、前記所定時間内に前記操舵角センサによって検出された複数の検出角の平均値を計算するとともに、同計算された平均値を用いて前記操舵角センサが前記操舵軸の回転角を検出するための基準点を表す制御舵角中点を計算する舵角中点演算手段と、
    前記舵角中点演算手段によって計算された制御舵角中点を更新して記憶する舵角中点記憶手段とを備えて構成し
    前記直進状態判定手段が、
    前記舵角中点記憶手段によって記憶された前記制御舵角中点の記憶状態を確認する記憶状態確認手段と、
    前記記憶状態確認手段によって確認した前記制御舵角中点の記憶状態に応じて、前記所定時間を変更する所定時間変更手段とを含んで構成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記所定時間変更手段は、
    前記記憶状態確認手段の確認によって前記制御舵角中点が前記舵角中点記憶手段により記憶されていないときは、前記制御舵角中点が前記舵角中点記憶手段により記憶されているときに比して前記所定時間を短く設定する請求項に記載した電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記直進状態判定手段は、
    車両の駆動輪に発生したホイルスピンを検出するホイルスピン検出手段と、
    前記ホイルスピン検出手段によって前記駆動輪に発生したホイルスピンが検出されたときに、前記直進状態判定を禁止する直進状態判定禁止手段とを含んで構成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 前記ホイルスピン検出手段は、
    車両に生じた加速度に基づいて、前記駆動輪に発生したホイルスピンを検出する請求項に記載した電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記舵角中点演算手段を、
    前記所定時間の経過ごとに、同所定時間内に検出された前記複数の検出角の積算値を計算するとともに同積算値を前記所定時間で除算して、前記検出された複数の検出角の平均値を表す第1舵角中点を計算する第1舵角中点計算手段と、
    前記第1舵角中点計算手段によって前記所定時間の経過ごとに順次計算される第1舵角中点を所定数用い、前記所定時間の経過ごとに前記所定数目までの第1舵角中点の平均値を表す第2舵角中点を順次計算する第2舵角中点計算手段と、
    前記第2舵角中点計算手段によって計算された第2舵角中点のうち、前記所定数目の第1舵角中点を用いて計算された第2舵角中点を前記制御舵角中点として決定する制御舵角中点決定手段とから構成したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記舵角中点演算手段を、
    前記所定時間の経過ごとに、同所定時間内に検出された前記複数の検出角の積算値を計算するとともに同積算値を前記所定時間で除算して、前記検出された複数の検出角の平均値を表す第1舵角中点を計算する第1舵角中点計算手段と、
    前記第1舵角中点計算手段によって前記所定時間の経過ごとに順次計算される第1舵角中点と所定値とに重み付けしてフィルタ処理し、同フィルタ処理した値を表す第2舵角中点を順次計算する第2舵角中点計算手段と、
    前記第2舵角中点計算手段によって順次計算される第2舵角中点が、所定範囲内の値として計算されたときに、同計算された第2舵角中点を制御舵角中点として決定する制御舵角中点決定手段とから構成したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記舵角中点演算手段は、車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、
    前記第2舵角中点計算手段は、
    前記第2舵角中点の計算に用いる前記第1舵角中点の重み付けを、前記車速検出手段によって検出された車速に応じて変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 前記第2舵角中点の計算に用いる前記第1舵角中点の重み付けは、
    前記検出された車速が大きくなるに伴って大きく変更される請求項に記載した電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記第2舵角中点計算手段は、
    前記第1舵角中点計算手段によって計算された第1舵角中点の値と前記制御舵角中点決定手段によって決定された制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第1偏差量以上であるときに、前記第1偏差量以上に計算された第1舵角中点を前記第2舵角中点の計算から除外することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記制御舵角中点決定手段は、
    前記第1舵角中点計算手段によって計算された第1舵角中点の値と決定した制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第2偏差量以上であり、かつ、前記第2偏差量以上となる回数が所定回数連続したときには、決定した制御舵角中点を無効とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御装置は、
    前記舵角中点演算手段によって計算される前記複数の操舵角の平均値と、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点の値との偏差が予め設定された第3偏差量未満であるとき、または、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が更新されたときに、前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が計算精度を有していると判定する舵角中点精度判定手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  12. 請求項11に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御装置は、
    前記舵角中点精度判定手段によって前記舵角中点記憶手段に記憶された制御舵角中点が計算精度を有していないと判定されたときに、前記電動モータの駆動を禁止する検出角の範囲を広げて変更する禁止範囲変更手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  13. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御装置は、
    車両の駐車時にて、車両に搭載されたバッテリからの電力供給状態を監視する電力供給状態監視手段を備えており、
    前記舵角中点記憶手段は、
    前記電力供給状態監視手段によって前記バッテリからの電力供給状態が不良であると判定されると、記憶した制御舵角中点を消去することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  14. 請求項1に記載した電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御装置は、
    車両の旋回状態における挙動異常を検出して同検出した挙動異常を修正するための挙動制御装置が車両に搭載されているか否かを判定する搭載有無判定手段と、
    前記挙動制御装置が前記車両の旋回状態を検出するために決定した前記操舵軸の中立位置を、前記挙動制御装置の作動状態に基づいて、前記制御舵角中点として採用可能であるか否かを判定する採用可否判定手段と、
    前記採用可否判定手段によって前記操舵軸の中立位置が前記制御舵角中点として採用可能であれば、前記中立位置を前記制御舵角中点として選択する制御舵角中点選択手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  15. 前記採用可否判定手段は、
    前記挙動制御装置の作動状態が正常であるか否かに基づいて、前記挙動制御装置が決定した操舵軸の中立位置を前記制御舵角中点として採用可能であるか否かを判定する請求項14に記載した電動パワーステアリング装置。
  16. 前記車両に搭載された挙動制御装置は、
    前記操舵軸の中立位置を車両に発生したヨーレートまたは車両に発生した横加速度に基づいて決定する請求項14に記載した電動パワーステアリング装置。
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