JP2008265649A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操舵装置の操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを考慮して、車両の運転を易しくすること。
【解決手段】 電子制御ユニット36は、ステップS11にて各センサから検出値を入力する。ステップS12にて入力した検出値を用いて運転者の操舵特性に対する慣れ度合いを表す慣れ度数Zを決定し、ステップS13にて平均化処理した平均慣れ度数Zaを計算する。そして、ステップS14にて、平均慣れ度数Zaが所定値αよりも小さければ、運転者が操舵特性に慣れており、左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させるためにステップS15〜S17にてステアリングギア比G(i)を大きな値に変更する。一方、平均慣れ度数Zaが所定値α以上であれば、運転者が操舵特性に不慣れであり、左右前輪FW1,FW2を緩やかに転舵させるためにステップS18〜S20にてステアリングギア比G(i)を小さな値に変更する。
【選択図】 図2
【解決手段】 電子制御ユニット36は、ステップS11にて各センサから検出値を入力する。ステップS12にて入力した検出値を用いて運転者の操舵特性に対する慣れ度合いを表す慣れ度数Zを決定し、ステップS13にて平均化処理した平均慣れ度数Zaを計算する。そして、ステップS14にて、平均慣れ度数Zaが所定値αよりも小さければ、運転者が操舵特性に慣れており、左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させるためにステップS15〜S17にてステアリングギア比G(i)を大きな値に変更する。一方、平均慣れ度数Zaが所定値α以上であれば、運転者が操舵特性に不慣れであり、左右前輪FW1,FW2を緩やかに転舵させるためにステップS18〜S20にてステアリングギア比G(i)を小さな値に変更する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に応じて転舵輪を転舵するための転舵機構と、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量を変更させるために前記転舵機構の作動量を可変制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置に関する。
近年、この種の操舵装置の開発は、積極的に行なわれるようになった。例えば、下記特許文献1には、車両の走行状態に応じて操舵装置を制御するために、各時点の走行状態における運転者の運転技量を推定し、同推定した運転技量に応じて操舵装置に対する制御特性を変化させることにより、運転技量の影響が大きい車両の操舵装置を常に最適に制御する車両操舵装置の制御装置が示されている。そして、この車両操舵装置の制御装置においては、車両の旋回挙動から車両の実軌跡を求めるとともに、運転者の操作から目標軌跡を求め、実軌跡と目標軌跡との変化の積分値を所定時間単位で所定値と比較して運転者の運転技量を推定することにより、車両の走行状態によらず運転者の運転技量を常に最適に推定できるようになっている。
また、下記特許文献2〜4には、ドライバーの技量に応じて自動車の制御装置に予め設定された制御ゲインを変更するために、ドライバーの技量を正確に判定する自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置が示されている。そして、これら自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置においては、ドライバーの技量差が顕著に表れる車両の旋回走行におけるパラメータ、例えば、操舵角とヨーレートに基づいてドライバーの技量を判定し、この判定した技量に応じてベース制御ゲインを補正するための制御ゲイン補正係数を決定するようにしている。これにより、ドライバーの技量を正確に判定することができるとともに、この技量に応じて制御ゲインを適切に変更することができるようになっている。
さらに、下記特許文献5には、予測操作度が異なる運転者において、周波数の高い操舵領域での最適な操舵特性を得られるようにする車両用操舵制御装置が示されている。そして、この車両用操舵制御装置においては、運転者によるステアリング操作状態に基づき、運転者がどれだけ予測的にステアリング操作を行っているかを示す予測操作度を検出し、この予測操作度に応じて一次進み時定数を変化させるようになっている。これにより、予測操作度を小さい場合には一次進み時定数を大きく変化させ、予測操作度が大きい場合には一時進み時定数を小さく変化させることにより、運転者は、予測操作度に応じて、周波数の高い操舵領域での最適な操舵特性が得られるようになっている。
特開平7−47970号公報
特開平6−199155号公報
特開平6−199156号公報
特開平6−199157号公報
特開2003−276623号公報
ところで、一般的に、操舵ハンドルの操作量に対して機械的に決定される一定の転舵量で転舵輪を転舵させる通常の操舵装置が搭載された車両を長く運転した運転者は、操舵ハンドルの操作量に対して転舵輪の転舵量を変更可能な操舵装置(以下、転舵量可変操舵装置という)の搭載された車両に乗り換えた場合には、これら操舵装置の操舵特性の差異に対して違和感を覚える可能性が高い。すなわち、転舵量可変操舵装置においては、例えば、運転者による操舵ハンドルの操作量が小さくても、大きな転舵量で転舵輪を転舵させることができる。このことは、転舵量可変操舵装置の操舵特性を熟知した言い換えれば操舵特性に慣れた運転者にとっては、操舵ハンドルの操作量を小さくできるため、極めて良好な操作性を得ることができる。
しかし、転舵量可変操舵装置の操舵特性を熟知していない言い換えれば操舵特性に慣れていない運転者にとっては、このような転舵輪の転舵動作に対して違和感を覚える場合がある。すなわち、いくら運転技量の高い運転者であっても、通常の操舵装置における操舵特性から転舵量可変操舵装置における特有の操舵特性(転舵動作)に慣れるまでは、操舵特性に対して違和感を覚えて車両の運転が難しいと感じる可能性がある。したがって、違和感を解消するとともに運転が簡単であると感じるためには、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に慣れることが肝要である。
ところが、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に対する慣れ度合いは、これまでの車両の運転経験など個々の運転者の運転環境の差に依存して大きく異なる。具体的には、運転技量が高くて車両の運転自体に慣れている運転者にとっては、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に早く慣れる可能性が高く、車両を運転する機会が少なく運転技量が低い運転者にとっては、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に慣れるまで時間がかかる可能性が高い。したがって、転舵量可変操舵装置においては、車両を運転する運転者ごとに慣れ度合いが異なることを考慮して、全ての運転者にとって良好な操作性が得られること、言い換えれば、車両の運転が簡単になることが望まれている。
ここで、運転者の慣れ度合いを考慮するに当たっては、上記特許文献1〜5に示された各装置のように、自車両の走行挙動や運転者のステアリング操作状態に基づいて運転者の運転技量を判定し、この運転技量に基づき変化する自車両の運動状態を表すパラメータから慣れ度合いを判定することは可能かもしれない。しかし、これらの場合には、自車両の運動状態変化を表すパラメータにのみ基づいて慣れ度合いを判定する。このため、例えば、上記特許文献1に示されたように、自車両の運動状態変化を表すパラメータとして運転者によるステアリング操作状態のみを採用し、このステアリング操作状態から目標軌跡を予測して慣れ度合いを判定すると、目標軌跡の予測精度によっては必ずしも運転者の慣れ度合いを正確に判定できない場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操舵装置の操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを正確に考慮することによって、車両の運転を易しくした車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に応じて転舵輪を転舵するための転舵機構と、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量を変更させるために前記転舵機構の作動量を可変制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、前記操舵ハンドルの操作経験の差に応じて変化する所定の物理量を検出する物理量検出手段と、自車両に対して車両外に存在する物体の相対的な位置を検出する相対位置検出手段と、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量と前記相対位置検出手段によって検出された相対的な位置とに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と前記転舵輪の転舵動作との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段とで構成したことにある。
この場合、前記物理量検出手段は、運転者によって操作される前記操舵ハンドルの操作速度を検出するものであり、前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するものであり、前記慣れ度合い決定手段は、前記検出された操作速度と前記検出された相対的な距離とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定するとよい。また、前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するとともに、同検出した相対的な距離に基づいて前記物体と自車両とが接近する接近速度を検出するものであり、前記慣れ度合い決定手段は、前記相対距離検出手段によって検出された相対的な距離と接近速度とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定するとよい。さらに、前記物理量検出手段は、前記操舵ハンドルの操作に応じて変化する車両の旋回状態に関連する運動状態量を検出するものであり、前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するものであり、前記慣れ度合い決定手段は、前記検出された車両の運動状態量と前記検出された相対的な距離とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定するとよい。
また、前記操舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対して前記転舵輪が緩やかに転舵動作する操舵特性に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記操舵ハンドルの操作に対して前記転舵輪が速やかに転舵動作する操舵特性に変更するとよい。そして、この場合、前記操舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比を小さくして前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が緩やかになる操舵特性に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比を大きくして前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が速やかになる操舵特性に変更するとよい。
これらによれば、操舵ハンドルの操作量に対して転舵輪の転舵量を変更できる操舵装置を運転する場合、この操舵装置の操舵ハンドルを操作した経験の差、より具体的には、この操舵装置の搭載された車両を運転した経験の差に応じて変化する物理量(例えば、操舵ハンドルの操作速度や、横加速度、ヨーレートなどの車両の運動状態量など)と、自車両に対して車両外に存在する物体の相対的な位置(例えば、物体までの距離や接近速度など)とに基づいて、操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することができる。このように、自車両と車両外に存在する物体との相対的な位置関係を考慮することにより、運転者による操舵ハンドルの操作に起因する車両の挙動を正確に把握することができ、より正確に運転者の慣れ度合いを決定することができる。
そして、この決定した慣れ度合いに応じて操舵特性を変更することができる。すなわち、例えば、運転者が操舵特性に対して不慣れであれば、例えば、操舵ハンドルの操作量に対する転舵輪の転舵量の比を小さくして、操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が緩やかに転舵動作する操舵特性に変更することができ、運転者が操舵特性に対して慣れていてば、例えば、操舵ハンドルの操作量に対する転舵輪の転舵量の比を小さくして、操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が速やかに転舵動作する操舵特性に変更することができる。そして、この変更した操舵特性に基づいて転舵機構の作動量を適宜変更し、同転舵機構の作動を制御することができる。したがって、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて適切な操舵特性を設定することができ、運転者は簡単に車両を運転することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記操舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに応じて、運転者による前記操舵ハンドルの操作範囲により異なる変化特性を有する操舵特性に変更することにもある。
この場合、前記変更される操舵特性は、運転者による前記操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が緩やかに転舵動作する第1変化特性と運転者による前記操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が速やかに転舵動作する第2変化特性とを有しており、前記操舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を変更するとよい。
また、この場合、前記操舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を大きな範囲に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を小さな範囲に変更するとよい。
これらによれば、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて、運転者による操舵ハンドルの操作範囲により異なる変化特性、具体的には、操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が緩やかに転舵動作する第1変化特性と転舵輪が速やかに転舵する第2変化特性とを有する操舵特性に変更することができる。そして、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて、転舵輪を緩やかに転舵動作させることができる第1変化特性が適用される操舵ハンドルの操作範囲を大きくしたり小さくしたりして変更することもできる。
これにより、通常の操舵装置から乗り換えた場合であっても、運転者は、第1変化特性によって、違和感を覚えることなく極めて簡単に車両を運転することができる。また、運転者は、第2変化特性によって転舵輪を速やかに転舵させることもできる。このため、第1変化特性が適用される範囲外では、操舵ハンドルの操作に対して転舵輪を速やかに転舵させることができるため、操舵ハンドルの操作量を小さくすることができる。したがって、操舵特性に慣れていない運転者であっても、操舵ハンドルの操作量を小さくした良好な操作性を得ることができる。また、第1変化特性が適用される範囲は、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて変更することができるため、例えば、運転者が操舵特性に慣れるほど、第1変化特性が適用される範囲が狭くなる、言い換えれば、転舵輪をより速やかに転舵動作させる第2変化特性が適用される範囲が大きくなるため、良好な操作性を得ることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態および第2実施形態に係る共通の転舵量可変操舵装置としてのステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置を概略的に示している。
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態および第2実施形態に係る共通の転舵量可変操舵装置としてのステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下端は電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ13に接続されている。反力アクチュエータ13は、運転者の操舵ハンドル11の回動操作に対して反力を付与する。
また、この操舵装置は、電動モータおよび減速機構からなる転舵アクチュエータ21を備えている。この転舵アクチュエータ21による転舵力は、転舵出力軸22、ピニオンギア23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。この構成により、転舵アクチュエータ21からの回転力は転舵出力軸22を介してピニオンギア23に伝達され、ピニオンギア23の回転によりラックバー24が軸線方向に変位して、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
次に、これらの反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、操舵角センサ31、転舵角センサ32、車速センサ33および距離センサ34を備えている。
操舵角センサ31は、操舵入力軸12に組み付けられていて、操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ32は、転舵出力軸22に組み付けられていて、転舵出力軸22の中立位置からの回転角を検出して実転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。ここで、本明細書において、中立位置とは、車両が直進状態を維持するための操舵ハンドル11、操舵入力軸12、転舵出力軸22および左右前輪FW1,FW2の作動位置をいう。そして、操舵角θおよび転舵角δは、中立位置を「0」とし、左方向の回転角を正の値で表すとともに、右方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。
車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。距離センサ34は、車両の前端部(例えば、バンパーなど)に組み付けられていて、例えば、音または光などの発射および反射に基づいて車両と障害物との間の距離を検出し、同検出した距離を距離Lとして出力する。
これらのセンサ31〜34は、電子制御ユニット35に接続されている。電子制御ユニット35は、CPU、EEPROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、後述するプログラムを含む各種プログラムの実行により、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動をそれぞれ制御する。電子制御ユニット35の出力側には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を駆動するための駆動回路36,37がそれぞれ接続されている。駆動回路36,37内には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流値を検出するための電流検出器36a,37aが設けられている。電流検出器36a,37aによって検出された駆動電流値は、両電動モータの駆動を制御するために、電子制御ユニット35にフィードバックされている。
次に、上記のように構成したステアバイワイヤ方式の操舵装置、より詳しくは、操舵入力軸12の回転に対して転舵出力軸22を相対的に回転可能な操舵装置の動作について説明する。一般的に、操舵入力軸と転舵出力軸とが相対回転しない通常の操舵装置の操作経験の長い運転者がステアバイワイヤ方式の操舵装置を操作する場合、ステアバイワイヤ方式の操舵装置における操舵ハンドルの操作に対する転舵輪の転舵動作の特性を表す操舵特性に慣れる必要がある。すなわち、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、運転者による操舵ハンドルの操作量を小さくして車両を旋回させるために、操舵ハンドルの操作量に対する転舵輪の転舵量が適宜変更可能とされている。このため、運転者は、例えば、通常の操舵装置が搭載された車両からステアバイワイヤ方式の操舵装置が搭載された車両に乗り換えた場合では、操舵特性が異なるため、運転者はステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れる必要がある。
しかしながら、このステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れる度合い(以下、慣れ度合いという)は、運転者によって異なる。このため、電子制御ユニット35は、運転者の慣れ度合いを考慮してステアバイワイヤ方式の操舵特性を適宜変更するために、図2に示す操舵特性変更プログラムを実行する。以下、この操舵特性変更プログラムを具体的に説明する。
電子制御ユニット35は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操舵特性変更プログラムを所定の短時間の経過ごとに繰り返し実行する。すなわち、電子制御ユニット35は、ステップS10にて、操舵特性変更プログラムの実行を開始し、ステップS11にて、各センサ31〜34によって検出されたそれぞれの検出値を入力する。そして、電子制御ユニット35は、各検出値を入力すると、ステップS12に進む。
ステップS12においては、電子制御ユニット35は、車両が運転者による操舵ハンドル11の回動操作に起因して旋回状態にあるときに、乗車した運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いを表す慣れ度数Zを決定する。なお、以下の説明においては、慣れ度数Zは、乗車した運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているほど小さな値に決定され、運転者が操舵特性に不慣れなほど大きな値に決定されるものとして説明する。
ところで、この第1実施形態においては、電子制御ユニット35は、運転者が操舵ハンドル11を回動操作して車両を旋回させたときの自車両と自車両外に存在する物体との間の相対的な物理量、具体的には、旋回走行する自車両と旋回内側に存在する障害物との間の相対的な距離に基づいて慣れ度数Zを決定する。ここで、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れな運転者ほど操舵角速度dθ/dtが大きく距離Lが小さくなる傾向がある。
したがって、電子制御ユニット35は、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した操舵角θの時間変化量すなわち操舵角速度dθ/dtを計算する。そして、電子制御ユニット35は、計算した操舵角速度dθ/dtと距離センサ34から入力した旋回内側に存在する障害物までの距離Lとによって表される点(以下、旋回操作特性点という)が、運転者の慣れ度数Zを決定するために予め設定されてEEPROM内の所定記憶位置に記憶された図3に示す領域判定マップ上のどの領域に属するかを判定する。
ここで、領域判定マップは、操舵角速度dθ/dtの大きさと距離Lの大きさとに応じて、4つの領域に分割されている。すなわち、領域判定マップにおける領域aは、運転者による操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtが小さくかつ旋回内側に存在する障害物までの距離Lが大きく確保される領域である。このため、電子制御ユニット35は、旋回操作特性点がこの領域aに属するときには、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていると判定し、慣れ度数Zを、例えば、「1」に決定する。
また、領域判定マップにおける領域bは、運転者による操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtが比較的小さくかつ旋回内側に存在する障害物までの距離Lが比較的大きく確保される領域である。このため、電子制御ユニット35は、旋回操作特性点がこの領域bに属するときには、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に比較的慣れていると判定し、慣れ度数Zを、例えば、「2」に決定する。また、領域判定マップにおける領域cは、運転者による操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtが大きくかつ旋回内側に存在する障害物までの距離Lが小さくなる領域である。このため、電子制御ユニット35は、旋回操作特性点がこの領域cに属するときには、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていないと判定し、慣れ度数Zを、例えば、「3」に決定する。
さらに、領域判定マップにおける領域dは、操舵角速度dθ/dtの大きさに関わらず、自車両と旋回内側に存在する障害物との間の距離Lが領域cにおける距離Lよりも小さくなる領域である。このため、電子制御ユニット35は、旋回操作特性点がこの領域dに属するときには、自車両と障害物との衝突を防止するために、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じた更なる車両の旋回を抑制する自動衝突回避処理の実行が必要と判定し、慣れ度数Zを、例えば、「4」に決定する。なお、自動衝突回避処理については、本発明と直接関係しないためその説明を省略するが、例えば、自動衝突回避処理を実行することにより、電子制御ユニット35は、反力アクチュエータ13を制御してそれ以上の操舵ハンドル11の回動操作を抑制するために付与される反力を大きくしたり、転舵アクチュエータ21を制御して左右前輪FW1,FW2の転舵動作を一時的に中止したり、車両の車速を一時的に小さくしたりして、自車両と障害物との衝突を自動的に回避する。
そして、電子制御ユニット35は、現在の車両の旋回状況における慣れ度数Zを決定すると、同決定した慣れ度数Zを、例えば、RAM内の所定記憶位置に一時的に記憶する。そして、電子制御ユニット35は、慣れ度数Zを記憶すると、ステップS13に進む。
ステップS13においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS12にて一時的に記憶した慣れ度数Zおよび前回までのプログラムの実行により記憶した慣れ度数を含む過去n個の慣れ度数Z1,Z2,…,Znを平均化処理して、平均慣れ度数Zaを計算する。すなわち、電子制御ユニット35は、例えば、下記式1に従って平均慣れ度数Zaを計算する。
Za=(Z1+Z2+…+Zn)/n …式1
ここで、前記式1に従って計算される平均慣れ度数Zaも、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているほど小さな平均値として計算され、運転者が操舵特性に不慣れなほど大きな平均値として計算されることはいうまでもない。そして、電子制御ユニット35は、平均慣れ度数Zaを計算すると、ステップS14に進む。
Za=(Z1+Z2+…+Zn)/n …式1
ここで、前記式1に従って計算される平均慣れ度数Zaも、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているほど小さな平均値として計算され、運転者が操舵特性に不慣れなほど大きな平均値として計算されることはいうまでもない。そして、電子制御ユニット35は、平均慣れ度数Zaを計算すると、ステップS14に進む。
ステップS14においては、電子制御ユニット35は、例えば、上述した実験に基づいて、乗車した運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れまたは不慣れを判定するために予め設定された所定値αに比して、前記ステップS13にて計算した平均慣れ度数Zaの値が小さいか、言い換えれば、運転者が操舵特性に慣れているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット35は、平均慣れ度数Zaの値が所定値αよりも小さければ、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に対してある程度慣れているため、「Yes」と判定してステップS15に進む。
ステップS15においては、電子制御ユニット35は、運転者によって回動操作された操舵ハンドル11の操舵角θに対する左右前輪FW1,FW2の転舵角δの比(以下、この比をステアリングギア比G(i)という)を、下記式2に従って計算する。
G(i)=β×G(i-1) …式2
ただし、前記式2中のβは、「1」よりも大きく設定される所定の係数である。また、前記式2中のG(i-1)は、前回の操舵特性変更プログラムの実行によって計算されたステアリングギア比を表す。このように、前記式2に従って計算されるステアリングギア比G(i)は、前回計算されたステアリングギア比G(i-1)に「1」よりも大きな係数βを乗算して計算されるため、ステップS15が実行されるごとに大きな値となる。そして、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を計算すると、ステップS16に進む。
G(i)=β×G(i-1) …式2
ただし、前記式2中のβは、「1」よりも大きく設定される所定の係数である。また、前記式2中のG(i-1)は、前回の操舵特性変更プログラムの実行によって計算されたステアリングギア比を表す。このように、前記式2に従って計算されるステアリングギア比G(i)は、前回計算されたステアリングギア比G(i-1)に「1」よりも大きな係数βを乗算して計算されるため、ステップS15が実行されるごとに大きな値となる。そして、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を計算すると、ステップS16に進む。
ステップS16においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS15にて計算したステアリングギア比G(i)がステアリングギア比の上限値として予め設定された最大値Gmax以上であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS15の計算処理により増加するステアリングギア比G(i)が最大値Gmax未満であれば、「No」と判定してステップS21に進む。一方、電子制御ユニット35は、増加したステアリングギア比G(i)が最大値Gmax以上であれば、「Yes」と判定してステップS17に進む。ステップS17においては、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を最大値Gmaxに設定してステップS21に進む。
また、前記ステップS14において、電子制御ユニット35は、平均慣れ度数Zaの値が所定値α以上であれば、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に対して不慣れであるため、「No」と判定してステップS18に進む。
ステップS18においては、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を、下記式3に従って計算する。
G(i)=γ×G(i-1) …式3
ただし、前記式3中のγは、「1」よりも小さく設定される所定の係数である。また、前記式3中のG(i-1)は、前回の操舵特性変更プログラムの実行によって計算されたステアリングギア比を表す。このように、前記式3に従って計算されるステアリングギア比G(i)は、前回計算されたステアリングギア比G(i-1)に「1」よりも小さな係数γを乗算して計算されるため、ステップS18が実行されるごとに小さな値となる。そして、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を計算すると、ステップS19に進む。
G(i)=γ×G(i-1) …式3
ただし、前記式3中のγは、「1」よりも小さく設定される所定の係数である。また、前記式3中のG(i-1)は、前回の操舵特性変更プログラムの実行によって計算されたステアリングギア比を表す。このように、前記式3に従って計算されるステアリングギア比G(i)は、前回計算されたステアリングギア比G(i-1)に「1」よりも小さな係数γを乗算して計算されるため、ステップS18が実行されるごとに小さな値となる。そして、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を計算すると、ステップS19に進む。
ステップS19においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS18にて計算したステアリングギア比G(i)がステアリングギア比の下限値として予め設定された最小値Gmin以下であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS18の計算処理により減少するステアリングギア比G(i)が最小値Gminよりも大きければ、「No」と判定してステップS21に進む。一方、電子制御ユニット35は、減少したステアリングギア比G(i)が最小値Gmin以下であれば、「Yes」と判定してステップS20に進む。ステップS20においては、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比G(i)を最小値Gminに設定してステップS21に進む。
ステップS21においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS15,S17,S18またはステップS20にて決定したステアリングギア比G(i)を用いた下記式4に従って目標転舵角δhを計算する。
δh=K・G(i)・θ …式4
ただし、前記式4中のKは、前記ステップS11にて車速センサ33から入力した検出車速Vに応じて変化する車速係数であり、図4に示すように、検出車速Vが小さい範囲内で「1」よりも大きく、検出車速Vが大きい範囲内で「1」よりも小さく、検出車速Vの増加に伴って「1」を挟んで非線形に減少する特性を有している。また、前記式4中のθは、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θである。
δh=K・G(i)・θ …式4
ただし、前記式4中のKは、前記ステップS11にて車速センサ33から入力した検出車速Vに応じて変化する車速係数であり、図4に示すように、検出車速Vが小さい範囲内で「1」よりも大きく、検出車速Vが大きい範囲内で「1」よりも小さく、検出車速Vの増加に伴って「1」を挟んで非線形に減少する特性を有している。また、前記式4中のθは、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θである。
そして、このようにステアリングギア比G(i)を用いて目標転舵角δhを計算することにより、運転者によるステアバイワイヤ方式の操舵特性の慣れ度合いに応じて、左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。
具体的に説明すると、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者すなわち平均慣れ度数Zaが所定値αよりも小さい場合には、ステアリングギア比G(i)は大きな値となるように計算される。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作より詳しくは検出操舵角θの変化に対して前記式4に従って計算される目標転舵角δhの値は、操舵特性に不慣れな場合に比して相対的に大きく計算される。これにより、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者である場合には、例えば、低速域において小さな操舵ハンドル11の回動操作量で車両を容易に旋回させることができる。また、中・高速域においては、車速係数Kの変化特性により、操舵ハンドル11の回動操作に対して車両を緩やかに旋回させることができる。
一方、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れな運転者すなわち平均慣れ度数Zaが所定値α以上である場合には、ステアリングギア比G(i)は小さな値となるように計算される。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作より詳しくは検出操舵角θの変化に対して前記式4に従って計算される目標転舵角δdの値は、操舵特性に慣れている場合に比して相対的に小さく計算される。これにより、左右前輪FW1,FW2を緩やかに転舵させることができ、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていない運転者であっても、容易に車両を旋回させることができる。そして、電子制御ユニット35は、目標転舵角δhを計算すると、ステップS22に進む。
ステップS22においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS21にて計算した目標転舵角δhに基づいて転舵アクチュエータ21の作動を制御する。具体的に説明すると、電子制御ユニット35は、転舵角センサ32によって検出された実転舵角δを入力し、転舵出力軸22が目標転舵角δhに回転するように、転舵アクチュエータ21内の電動モータの回転をフィードバック制御する。このとき、電子制御ユニット35は、駆動回路37内に設けられた電流検出器37aから転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流値を入力し、同電動モータに転舵力に対応した大きさの駆動電流が適切に流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。
これにより、転舵出力軸22に一体的に組み付けられたピニオンギア23が回転し、このピニオンギア23の回転によってラックバー24が軸線方向に変位する。そして、このラックバー24の軸線方向への変位により、左右前輪FW1,FW2は目標転舵角δhに対応して転舵される。
一方、電子制御ユニット35は、反力アクチュエータ13の作動を制御することによって、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して所定の反力を付与する。ここで、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、上述したように、操舵ハンドル11と左右前輪FW1,FW2、言い換えれば、操舵入力軸12と転舵出力軸22との機械的な連結が解除されている。このため、運転者による操舵ハンドル11の回動操作範囲は、反力アクチュエータ13の作動によって付与される反力によって規制される。
すなわち、左右前輪FW1,FW2は、システム上、その転舵範囲は予め決定されている。そして、運転者による操舵ハンドル11の回動操作範囲は、基本的に、左右前輪FW1,FW2の転舵範囲のうちの最大転舵位置(最大転舵角δmax)に対応して設定される。このため、電子制御ユニット35は、操舵ハンドル11の回動操作範囲のうち、左右前輪FW1,FW2の最大転舵角δに対応する操舵ハンドル11の最大回動操作位置(最大操舵角θmax)で、最大の反力が付与されるように反力アクチュエータ13の作動を制御する。
ところで、上述したように、乗車した運転者の平均慣れ度数Zaに応じて、ステアリングギア比G(i)は異なる。このため、平均慣れ度数Zaの値が小さくてステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者は、例えば、低速走行時において、大きなステアリングギア比G(i)によって左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。このため、操舵特性に慣れた運転者は、操舵ハンドル11の回動操作量を小さくして左右前輪FW1,FW2を最大転舵角δまで転舵させることができる。一方、平均慣れ度数Zaの値が大きくてステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていない運転者は、小さなステアリングギア比G(i)によって左右前輪FW1,FW2を転舵させることになる。このため、操舵特性に慣れていない運転者は、操舵特性に慣れている運転者に比して操舵ハンドル11をより多く回動操作することにより、左右前輪FW1,FW2を最大転舵角δまで転舵させることができる。すなわち、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に対して、慣れている運転者と慣れていない運転者とでは、操舵ハンドル11の回動操作範囲が異なる。
したがって、電子制御ユニット35は、運転者ごとに異なる操舵ハンドル11の回動操作範囲に対応して適切な反力を付与できるように反力アクチュエータ13の作動を制御する。具体的には、電子制御ユニット35は、前記式4を変形した下記式5に従って、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ不慣れを反映した最大操舵角θmaxを計算する。
θmax=δmax/(K・G(i)) …式5
ただし、前記式5中のδmaxはシステム上決定される左右前輪FW1,FW2の最大転舵角である。また、前記式5中のKは上述した車速係数を表し、G(i)は前記ステップS15,S17,S18またはステップS20における処理によって決定されるステアリングギア比である。
θmax=δmax/(K・G(i)) …式5
ただし、前記式5中のδmaxはシステム上決定される左右前輪FW1,FW2の最大転舵角である。また、前記式5中のKは上述した車速係数を表し、G(i)は前記ステップS15,S17,S18またはステップS20における処理によって決定されるステアリングギア比である。
そして、電子制御ユニット35は、計算した最大操舵角θmaxに操舵ハンドル11が回動操作されたときに所定の最大反力が付与できるように、予め設定された操舵角θと反力の所定の関係に基づいて反力を決定し、反力アクチュエータ13の作動を制御する。ここで、所定の関係としては、例えば、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θに対して、付与される反力が比例関数的、指数関数的あるいはべき乗関数的に変化する関係を採用するとよい。
具体的に説明すると、電子制御ユニット35は、駆動回路36内に設けられた電流検出器36aから反力アクチュエータ13内の電動モータに流れる駆動電流値を入力し、同電動モータに決定した反力に対応した駆動電流が流れるように駆動回路36をフィードバック制御する。この反力アクチュエータ13内の電動モータの駆動制御により、同電動モータは、操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11に所定の反力を付与する。
そして、電子制御ユニット35は、ステップS22にて反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御すると、ステップS23に進む。ステップS23においては、電子制御ユニット35は、操舵特性変更プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、電子制御ユニット35は、ふたたび、ステップS10にて、操舵特性変更プログラムの実行を開始し、乗車した運転者の慣れ度数Zおよび平均慣れ度数Zaを決定するとともに、決定した平均慣れ度数Zaに応じて、ステアリングギア比G(i)を決定して反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を作動させる。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2の転舵量を変更可能なステアバイワイヤ方式の操舵装置を運転する場合、操舵ハンドル11を回動操作した経験の差、より具体的には、ステアバイワイヤ方式の操舵装置の搭載された車両を運転した経験の差に応じて変化する操舵角速度dθ/dtと、自車両に対して車両外に存在する障害物の相対的な距離Lとに基づいて、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する運転者の慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)すなわち慣れ度合いを決定することができる。このように、自車両と車両外に存在する障害物との相対的な位置関係を考慮することにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に起因する車両の挙動を正確に把握することができ、より正確に運転者の慣れ度合いを決定することができる。
そして、この決定した運転者の慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じてステアリングギア比G(i)を変更することによって、適切に操舵特性を変更することができる。すなわち、例えば、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に対して不慣れであれば、操舵ハンドル11の操作に対して転舵輪を緩やかに転舵動作させるためにステアリングギア比G(i)を小さく変更して操舵特性を変更することができる。また、運転者が操舵特性に対して慣れていてば、操舵ハンドル11の操作に対して転舵輪を速やかに転舵動作させるためにステアリングギア比G(i)を大きく変更して操舵特性に変更することができる。そして、この変更したステアリングギア比G(i)に基づいて左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。したがって、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて適切な操舵特性を設定することができ、運転者は簡単に車両を運転することができる。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態を説明する。上記第1実施形態においては、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて、ステアリングギア比G(i)を変更して運転者が容易に車両を運転できるように実施した。これにより、例えば、通常の操舵装置の操作経験の長い運転者がステアバイワイヤ方式の操舵装置の搭載された車両に乗り換えた場合であっても、違和感なく車両を旋回走行させることができ、操舵特性に慣れるに従ってステアバイワイヤ方式の優れた操作性を享受することができるようにした。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。上記第1実施形態においては、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて、ステアリングギア比G(i)を変更して運転者が容易に車両を運転できるように実施した。これにより、例えば、通常の操舵装置の操作経験の長い運転者がステアバイワイヤ方式の操舵装置の搭載された車両に乗り換えた場合であっても、違和感なく車両を旋回走行させることができ、操舵特性に慣れるに従ってステアバイワイヤ方式の優れた操作性を享受することができるようにした。
ところが、上述したように、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れておらず、ステアリングギア比G(i)を小さく変更した場合には、操舵ハンドル11の回動操作範囲が広がる。これにより、操舵特性に慣れていない運転者は、例えば、車庫入れする状況など、左右前輪FW1,FW2を大きく転舵させる状況において、操舵ハンドル11をより多く回動操作する必要がある。したがって、操舵特性に慣れていない運転者は、違和感なく車両を旋回させることができるものの、操舵ハンドル11の回動操作量を小さくして左右前輪FW1,FW2を大きく転舵させるというステアバイワイヤ方式の優れた操作性を十分に享受できないことが想定される。このため、この第2実施形態においては、操舵特性に慣れていない運転者であっても、ステアバイワイヤ方式の優れた操作性を享受できるように、ステアバイワイヤ方式の操舵特性を適宜変更する。以下、この第2実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分については、同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、電子制御ユニット35は、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いを考慮してステアバイワイヤ方式の操舵特性を適宜変更するために、図5に示す操舵特性変更プログラムを実行する。すなわち、電子制御ユニット35は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操舵特性変更プログラムを所定の短時間の経過ごとに繰り返し実行する。
具体的には、電子制御ユニット35は、この第2実施形態における操舵特性変更プログラムの実行をステップS50にて開始し、ステップS51にて各センサ31〜34によって検出されたそれぞれの検出値を入力する。そして、電子制御ユニット35は、各検出値を入力すると、上記第1実施形態におけるステップS12およびステップS13の各処理と同様に、ステップS52およびステップS53の各処理を実行する。これにより、電子制御ユニット35は、ステップS52にて慣れ度数Zを決定し、ステップS53にて決定した慣れ度数Zを用いて平均慣れ度数Zaを計算する。このように、平均慣れ度数Zaを計算すると、電子制御ユニット35は、ステップS54に進む。
ステップS54においては、電子制御ユニット35は、操舵ハンドル11を中立位置から回動操作したときに、後述する第1ゲインN1が適用される範囲(以下、この範囲を第1ゲイン操舵角範囲Xという)を決定する。以下、この第1ゲイン操舵角範囲Xの決定について詳細に説明する。
一般的に、通常の操舵装置が搭載された車両からステアバイワイヤ方式の操舵装置が搭載された車両に乗り換えた場合、運転者は、中立位置から操舵ハンドル11を回動操作したときの左右前輪FW1,FW2の転舵動作(以下、この転舵動作を初期転舵動作という)に違和感を覚えやすい。すなわち、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、上述したように、操舵ハンドル11の回動操作量を小さくして左右前輪FW1,FW2を大きく転舵させるため、通常の操舵装置の場合に比して操舵ハンドル11の回動操作に対して速やかに左右前輪FW1,FW2が転舵動作する。
このため、運転者が通常の操舵装置における操舵ハンドルの回動操作と同様に操舵ハンドル11を回動操作して、特に、左右前輪FW1,FW2が初期転舵動作した場合には、通常の操舵装置における転舵輪の転舵動作よりも左右前輪FW1,FW2が速やかに転舵動作するために感覚的なずれを顕著に知覚する。これにより、操舵特性に不慣れな運転者は、特に、左右前輪FW1,FW2の初期転舵動作に対して違和感を覚えやすい。
そして、左右前輪FW1,FW2の初期転舵動作に対する違和感を覚える操舵ハンドル11の回動操作範囲は、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて変化する。すなわち、操舵特性に慣れている運転者は違和感を覚える操舵ハンドル11の回動操作範囲が小さくなる傾向にあり、操舵特性に慣れていない運転者は違和感を覚える操舵ハンドル11の回動操作範囲が大きくなる傾向にある。
このことに基づき、電子制御ユニット35は、ステップS54にて、操舵ハンドル11の中立位置から左右の回動操作方向に対して、図6に概略的に示すように、より小さく設定される第1ゲインN1が適用される第1ゲイン操舵角範囲Xを平均慣れ度数Zaに基づいて決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS53にて計算した平均慣れ度数Zaと第1ゲイン操舵角範囲Xとの関係を表す図7に示す変換マップを用いて、第1ゲイン操舵角範囲Xを決定する。ここで、図7の変換マップは、平均慣れ度数Zaの増大すなわち運転者が操舵特性に不慣れであればあるほど第1ゲイン操舵角範囲Xが広くなり、平均慣れ度数Zaの減少すなわち運転者が操舵特性に慣れれば慣れるほど第1ゲイン操舵角範囲Xが狭くなる変化特性を有している。そして、電子制御ユニット35は、計算した平均慣れ度数Zaに対応する第1ゲイン操舵角範囲Xを決定すると、ステップS55に進む。
ステップS55においては、電子制御ユニット35は、図6に示すように、第1ゲイン操舵角範囲X以内で適用される第1ゲインN1を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図8に示す変換マップを用いて、前記決定された第1ゲイン操舵角範囲Xに対する第1ゲインN1を決定する。ここで、図8の変換マップは、第1ゲイン操舵角範囲Xの増大に伴って、第1ゲインN1が予め設定された下限第1ゲインN1sに向けて減少する変化特性を有している。また、図8の変換マップは、第1ゲイン操舵角範囲Xの減少に伴って、第1ゲインN1がシステム上予め設定されたオリジナルゲインN0まで増大する変化特性を有している。なお、第1ゲインN1は、第1ゲイン操舵角範囲X以内で操舵ハンドル11が回動操作されたときのステアリングギア比Gに対応するものである。このように、第1ゲインN1を決定すると、電子制御ユニット35はステップS56に進む。
ステップS56においては、電子制御ユニット35は、図6に示すように、第1ゲイン操舵角範囲X外で適用されて、第1ゲインN1よりも大きな第2ゲインN2を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図9に示す変換マップを用いて、前記決定された第1ゲイン操舵角範囲Xに対する第2ゲインN2を決定する。これにより、第2ゲインN2は、図6に示すように、第1ゲイン操舵角範囲Xの境界にて第1ゲインN1と連続的に接続される。ここで、図9の変換マップは、第1ゲイン操舵角範囲Xの増大に伴って、第2ゲインN2が予め設定された下限第2ゲインN2sに向けて減少する変化特性を有している。また、図9の変換マップは、第1ゲイン操舵角範囲Xの減少に伴って、第2ゲインN2がシステム上予め設定されたオリジナルゲインN0まで増大する変化特性を有している。なお、第2ゲインN2は、第1ゲイン操舵角範囲X外で操舵ハンドル11が回動操作されたときのステアリングギア比Gに対応するものである。このように、第2ゲインN2を決定すると、電子制御ユニット35はステップS57に進む。
ステップS57においては、電子制御ユニット35は、左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δhを計算するためのステアリングギア比Gを決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS51にて入力した検出操舵角θに基づき、操舵ハンドル11が第1ゲイン操舵角範囲X以内で回動操作されていれば、第1ゲインN1をステアリングギア比Gとして決定する。一方、操舵ハンドル11が第1ゲイン操舵角範囲X外で回動操作されていれば、第2ゲインN2をステアリングギア比Gとして決定する。そして、電子制御ユニット35は、ステアリングギア比Gを決定すると、ステップS58に進む。
ステップS58においては、電子制御ユニット35は、上述した第1実施形態における前記式4と同様の下記式6に従って目標転舵角δhを計算する。
δh=K・G・θ …式6
ここで、前記式6中のKも、前記式4と同様に、前記ステップS51にて車速センサ33から入力した検出車速Vに応じて変化する車速係数である。また、前記式6中のθも、前記式4と同様に、前記ステップS51にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θである。そして、このように目標転舵角δhを計算すると、電子制御ユニット35はステップS59に進む。
δh=K・G・θ …式6
ここで、前記式6中のKも、前記式4と同様に、前記ステップS51にて車速センサ33から入力した検出車速Vに応じて変化する車速係数である。また、前記式6中のθも、前記式4と同様に、前記ステップS51にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θである。そして、このように目標転舵角δhを計算すると、電子制御ユニット35はステップS59に進む。
ステップS59においては、電子制御ユニット35は、上述した第1実施形態におけるステップS22と同様に、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する。また、ステップS60にて、電子制御ユニット35は、操舵特性変更プログラムの実行を終了する。そして、所定の短時間の経過後、電子制御ユニット35は、ふたたび、ステップS50にて、操舵特性変更プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いすなわち慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて、運転者による操舵ハンドル11の操作範囲により異なる変化特性、具体的には、操舵ハンドル11の操作に対して左右前輪FW1,FW2が緩やかに転舵動作する第1ゲインとしての第1ゲインN1と左右前輪FW1,FW2が速やかに転舵する第2変化特性としての第2ゲインN2とを有する操舵特性に変更することができる。また、運転者の慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて、第1ゲインN1が適用される操舵ハンドルの操作範囲としての第1ゲイン操舵角範囲Xを大きくしたり小さくしたりして変更することもできる。
これにより、通常の操舵装置からステアバイワイヤ方式の操舵装置に乗り換えた場合であっても、運転者は、第1ゲインN1によって極めて簡単に車両を運転することができる。また、運転者は、第2ゲインN2によって左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させることもできる。このため、第1ゲイン操舵角範囲X外では、操舵ハンドル11の操作に対して左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させることができるため、操舵ハンドル11の操作量を小さくすることができる。したがって、操舵特性に慣れていない運転者であっても、操舵ハンドル11の操作量を小さくした良好な操作性を得ることができる。また、第1ゲイン操舵角範囲Xは、運転者の慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて変更することができるため、例えば、運転者が操舵特性に慣れるほど、第1ゲイン操舵角範囲Xが狭くなる、言い換えれば、第2ゲインN2が適用される範囲が大きくなるため、良好な操作性を得ることができる。
次に、上記第2実施形態の変形例を説明する。上記第2実施形態においては、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて操舵ハンドル11の回動操作範囲としての第1ゲイン操舵角範囲Xを決定するとともに第1ゲインN1および第2ゲインN2を決定した。そして、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量すなわち操舵角θの大きさに応じて、第1ゲインN1または第2ゲインN2をステアリングギア比Gとして決定して目標転舵角δhを計算するように実施した。これに対して、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて変化する操舵ハンドル11の回動操作に伴う操舵角速度dθ/dtを反映して目標転舵角δhを計算することも可能である。以下、この変形例を詳細に説明するが、上記第2実施形態と同一部分については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この変形例においては、電子制御ユニット35は、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いを考慮してステアバイワイヤ方式の操舵特性を適宜変更するために、図10に示す操舵特性変更プログラムを実行する。すなわち、電子制御ユニット35は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操舵特性変更プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
具体的には、電子制御ユニット35は、この変形例における操舵特性変更プログラムの実行をステップS100にて開始し、ステップS101にて各センサ31〜34によって検出されたそれぞれの検出値を入力する。そして、電子制御ユニット35は、各検出値を入力すると、上記第2実施形態におけるステップS53およびステップS53の各処理と同様に、ステップS102およびステップS103の各処理を実行する。これにより、電子制御ユニット35は、ステップS102にて慣れ度数Zを決定し、ステップS103にて決定した慣れ度数Zを用いて平均慣れ度数Zaを計算する。このように、平均慣れ度数Zaを計算すると、電子制御ユニット35は、ステップS104に進む。
ステップS104においては、電子制御ユニット35は、後述する目標転舵角δhの計算に際して運転者の慣れ度合いを反映させるために、前記ステップS103にて計算した平均慣れ度数Zaに対応する第1転舵ゲインT1を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図11に示す変換マップを用いて、前記計算した平均慣れ度数Zaに対する第1転舵ゲインT1を決定する。ここで、図11の変換マップは、平均慣れ度数Zaの増大に伴って、言い換えれば、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていないほど増大する変化特性を有している。そして、電子制御ユニット35は、第1転舵ゲインT1を決定すると、ステップS105に進む。
ステップS105においては、電子制御ユニット35は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に伴う操舵角速度dθ/dtに応じて変化し、同操舵角速度dθ/dtを後述の目標転舵角δhに反映させるための第2転舵ゲインT2を決定する。以下、この第2転舵ゲインT2の決定について詳細に説明する。
一般的に、通常の操舵装置においては、運転者による操舵ハンドルの回動操作速度に応じた転舵速度で転舵輪が転舵動作する転舵応答性を有する。すなわち、通常の操舵装置を操作する運転者は、例えば、転舵輪を大きく転舵させる場合、操舵ハンドルを素早く回動操作することにより転舵輪を速やかに転舵させる。このような操舵特性を有する通常の操舵装置が搭載された車両からステアバイワイヤ方式の操舵装置の搭載された車両に乗り換えた場合、運転者は、ステアバイワイヤ方式における操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtに対する左右前輪FW1,FW2の転舵応答性に違和感を覚えやすい。
すなわち、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、上述したように、操舵ハンドル11の回動操作に応じて速やかに左右前輪FW1,FW2が転舵する。このため、運転者が、通常の操舵装置における操舵ハンドルの回動操作と同様に操舵ハンドル11を素早く回動操作した場合には、通常の操舵装置における転舵輪の転舵応答性よりも左右前輪FW1,FW2が速やかに応答して転舵動作する。このために、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていない運転者ほど、感覚的なずれを顕著に知覚して違和感を覚えやすい。
このことに基づき、電子制御ユニット35は、ステップS105にて、操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtに応じて変化する第2転舵ゲインT2を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS101にて入力した検出操舵角θの時間変化量を操舵角速度dθ/dtとして計算する。そして、電子制御ユニット35は、この計算した操舵角速度dθ/dtと第2転舵ゲインT2との関係を表す図12に示す変換マップを用いて、第2転舵ゲインT2を決定する。ここで、図12の変換マップについて説明しておく。
上述したように、ステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていない運転者は、操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtが大きくなる傾向にある。また、操舵特性に慣れていない運転者は、操舵ハンドル11を回動操作するときの操舵角速度dθ/dtがバラつく傾向にもある。一方、運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れるに従って、操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtは小さくなり、また、操舵角速度dθ/dtのバラつきも小さくなる傾向にある。このため、図12に示す変換マップは、運転者の操舵特性に対する慣れ度合い、言い換えれば、前記ステップS103にて計算した平均慣れ度数Zaの値に基づき、運転者が不慣れであるほど、広い変化範囲に対応して操舵角速度dθ/dtをより大きな第2転舵ゲインT2に変換し、運転者が慣れるほど、狭い変化範囲に対応して操舵角速度dθ/dtをより小さな第2転舵ゲインT2に変換する変換特性を有する。そして、電子制御ユニット35は、このような変換特性を有する変換マップに基づいて、計算した平均慣れ度数Zaに対応する第2転舵ゲインT2を決定すると、ステップS106に進む。なお、この変形例においては、図12における変換特性を線形的に変化させるようにして実施するが、非線形的に変化させるように実施することも可能である。
ステップS106においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS104にて決定した第1転舵ゲインT1と前記ステップS105にて決定した第2転舵ゲインT2とを用いた下記式7に従って、目標転舵角δhを計算する。
δh=δu−T1・T2・( dθ/dt) …式7
ただし、前記式7中のδuは、例えば、上記第2実施形態において図6を用いて説明したオリジナルゲインN0をステアリングギア比Gとし、前記式6に従って計算される基準目標転舵角である。
δh=δu−T1・T2・( dθ/dt) …式7
ただし、前記式7中のδuは、例えば、上記第2実施形態において図6を用いて説明したオリジナルゲインN0をステアリングギア比Gとし、前記式6に従って計算される基準目標転舵角である。
このように、前記式7に従って目標転舵角δhを計算することにより、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いを考慮しつつ、操舵ハンドル11の回動操作量を適宜小さくすることができる。すなわち、運転者が操舵特性に対して未だ不慣れであれば、平均慣れ度数Zaの値が大きくなるため、第1転舵ゲインT1の値が大きくなる。また、平均慣れ度数Zaの値が大きいときには、操舵角速度dθ/dtに対する第2転舵ゲインT2の値も大きくなる。この結果、前記式7に従って計算される目標転舵角δhは、基準目標転舵角δuに比して小さく計算されるため、操舵特性に不慣れな運転者であっても違和感を覚えにくく車両を容易に旋回させることができる。一方、このような操舵特性に不慣れな運転者であっても、基準目標転舵角δuから値(T1・T2・(dθ/dt))を減じて目標転舵角δhが計算されることから、左右前輪FW1,FW2を最大転舵角δmaxまで転舵させるために必要な操舵ハンドル11の回動操作量を小さくすることができる。
そして、このように目標転舵角δhを計算すると、電子制御ユニット35はステップS107に進む。ステップS107においては、電子制御ユニット35は、上述した第2実施形態におけるステップS59と同様に、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する。また、ステップS108にて、電子制御ユニット35は、操舵特性変更プログラムの実行を終了する。そして、所定の短時間の経過後、電子制御ユニット35は、ふたたび、ステップS100にて、操舵特性変更プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、この変形例においては、慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて第1転舵ゲインT1および第2転舵ゲインT2を変更することができ、基準目標転舵角δuから値(T1・T2・(dθ/dt))を減じて目標転舵角δhを計算することができる。したがって、この変形例においても、操舵ハンドル11の操作量を小さくすることができるため、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明の実施にあたっては、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、図3に示した領域判定マップを用いて、操舵角速度dθ/dtと距離Lとによって表される旋回操作特性点が属する領域a〜領域dを判定するように実施した。しかしながら、この場合、例えば、図13に示すように、自車両と旋回内側に存在する障害物までの距離Lの大きさとこの障害物に対して自車両が相対的に接近するときの接近速度dL/dtの大きさとに応じて、4つの領域a〜領域dに分割した領域判定マップを用いることもできる。なお、4つの領域a〜領域dは、図3に示した領域判定マップの領域a〜領域dと同様に、領域aは運転者がステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れている領域を表し、領域bは運転者が操舵特性に比較的慣れている領域を表し、領域cは運転者が操舵特性に慣れていない領域を表し、領域dは自動衝突回避処理の実行が必要な領域を表す。
そして、この場合においては、電子制御ユニット35は、距離Lと接近速度dL/dtとによって表される旋回操作特性点が属する領域a〜領域dを判定し、判定した領域a〜領域dに応じて慣れ度数Zを決定する。これによっても、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じて走行(旋回)する自車両と自車両外に存在する障害物との相対的な位置関係を考慮することができるため、運転者のステアバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いを正確に判定することができる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、運転者の操舵ハンドル11の回動操作経験の差に応じて変化する物理量として、操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtを採用して実施した。しかし、運転者の操舵ハンドル11の回動操作経験の差に応じて変化する物理量であれば、例えば、車両に作用する横加速度、ヨーレートあるいは旋回曲率などを採用して実施することも可能である。この場合においては、車両に横加速度を検出する横加速度センサ、ヨーレートを検出するヨーレートセンサあるいは旋回曲率を検出する旋回曲率センサなどが設けられており、電子制御ユニット35は、これらのセンサによって検出される各検出値と、距離センサ34によって検出される距離Lとに基づいて運転者の慣れ度数Zを決定することができる。なお、この場合においては、例えば、横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率が大きくかつ距離Lが小さくなるほど運転者はステアバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れであり、横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率が小さくかつ距離Lが大きくなるほど運転者はステアバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていると判定するとよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、操舵入力軸12と転舵出力軸22とが相対回転可能、言い換えれば、操舵ハンドル11の回動操作量に対する左右前輪FW1,FW2の転舵量を変更可能な操舵装置としてステアバイワイヤ方式の操舵装置を用い、慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)の大きさに応じて操舵特性を適宜変更するように実施した。しかし、操舵ハンドル11の回動操作量に対する左右前輪FW1,FW2の転舵量を変更可能な操舵装置として、例えば、伝達比可変方式の操舵装置の操舵特性を慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて適宜変更することも可能である。
この場合、例えば、慣れ度数Z(平均慣れ度数Za)に応じて、伝達比可変機構によって操舵入力軸12の回転量に対する転舵出力軸12の回転量の比すなわち伝達比としてステアリングギア比を連続的に変更することにより、運転者の伝達比可変方式の操舵装置に対する慣れ度合いに応じて操舵特性を適宜変更することができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式以外の他方式を採用する操舵装置であっても、運転者が違和感を覚えることなく運転することができる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、乗車する運転者を特定することなく実施した。しかし、乗車する運転者を特定することにより、運転者ごとの慣れ度合いに応じてステアバイワイヤの操舵特性を適切に変更することもできる。すなわち、この場合には、電子制御ユニット35が、例えば、運転者が所持する電子キー(スマートキー)やイグニッションキーに登録された個人特定情報あるいは運転者による個人を特定するための情報入力操作に基づいて、乗車した運転者を特定する。一方、電子制御ユニット35は、車両の走行後においてイグニッションスイッチがオフ状態とされると、上述した操舵特性変更プログラムの実行により計算した平均慣れ度数Zaを特定した運転者を表す情報と関連付けて、例えば、EEPROMの所定記憶位置に記憶する。
これにより、次回(今回)の車両走行時において、電子制御ユニット35は、運転者を特定するとともに同特定した運転者に対応する前回走行時までの平均慣れ度数ZaをEEPROMから読み出すことができる。そして、電子制御ユニット35は、今回の走行で実行する操舵特性変更プログラムにおいて、前回走行時までの平均慣れ度数Zaを含んで新たに平均慣れ度数Zaを計算することにより、特定した運転者が過去の走行によって習得した慣れ度合いをも考慮することができる。これにより、より適切に運転者の慣れ度合いに応じてステアバイワイヤ方式の操舵特性を変更することができる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、車両を旋回させるために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
さらに、上記第1実施形態、第2実施形態および変形例においては、転舵アクチュエータ21を用いて転舵出力軸22を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかし、これに代えて、転舵アクチュエータ21を用いてラックバー24をリニアに変位させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、21…転舵アクチュエータ、22…転舵出力軸、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34…距離センサ、35…電子制御ユニット
Claims (9)
- 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に応じて転舵輪を転舵するための転舵機構と、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量を変更させるために前記転舵機構の作動量を可変制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、
前記操舵ハンドルの操作経験の差に応じて変化する所定の物理量を検出する物理量検出手段と、
自車両に対して車両外に存在する物体の相対的な位置を検出する相対位置検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量と前記相対位置検出手段によって検出された相対的な位置とに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と前記転舵輪の転舵動作との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、
前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記物理量検出手段は、運転者によって操作される前記操舵ハンドルの操作速度を検出するものであり、
前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するものであり、
前記慣れ度合い決定手段は、
前記検出された操作速度と前記検出された相対的な距離とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するとともに、同検出した相対的な距離に基づいて前記物体と自車両とが接近する接近速度を検出するものであり、
前記慣れ度合い決定手段は、
前記相対距離検出手段によって検出された相対的な距離と接近速度とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記物理量検出手段は、前記操舵ハンドルの操作に応じて変化する車両の旋回状態に関連する運動状態量を検出するものであり、
前記相対位置検出手段は、前記車両外に存在する物体と自車両との間の相対的な距離を検出するものであり、
前記慣れ度合い決定手段は、
前記検出された車両の運動状態量と前記検出された相対的な距離とに基づいて、前記操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記操舵特性変更手段は、
前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対して前記転舵輪が緩やかに転舵動作する操舵特性に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記操舵ハンドルの操作に対して前記転舵輪が速やかに転舵動作する操舵特性に変更することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項5に記載した車両の操舵装置において、
前記操舵特性変更手段は、
前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比を小さくして前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が緩やかになる操舵特性に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比を大きくして前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が速やかになる操舵特性に変更することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記操舵特性変更手段は、
前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに応じて、運転者による前記操舵ハンドルの操作範囲により異なる変化特性を有する操舵特性に変更することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項7に記載した車両の操舵装置において、
前記変更される操舵特性は、
運転者による前記操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が緩やかに転舵動作する第1変化特性と運転者による前記操舵ハンドルの操作に対して転舵輪が速やかに転舵動作する第2変化特性とを有しており、
前記操舵特性変更手段は、
前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を変更することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項8に記載した車両の操舵装置において、
前記操舵特性変更手段は、
前記慣れ度合い決定手段によって決定された運転者の慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に不慣れであるほど、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を大きな範囲に変更し、運転者が前記操舵特性に慣れているほど、前記第1変化特性を適用する前記操舵ハンドルの操作範囲を小さな範囲に変更することを特徴とする車両の操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007113938A JP2008265649A (ja) | 2007-04-24 | 2007-04-24 | 車両の操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007113938A JP2008265649A (ja) | 2007-04-24 | 2007-04-24 | 車両の操舵装置 |
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JP2008265649A true JP2008265649A (ja) | 2008-11-06 |
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ID=40045752
Family Applications (1)
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JP2007113938A Pending JP2008265649A (ja) | 2007-04-24 | 2007-04-24 | 車両の操舵装置 |
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JP (1) | JP2008265649A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009012829A1 (de) | 2008-03-07 | 2009-09-10 | DAITO DOBOKU, Ltd., Kisarazu | Vorrichtung zum Klassieren, Fördern und Entwässern von Sand |
-
2007
- 2007-04-24 JP JP2007113938A patent/JP2008265649A/ja active Pending
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