JP2014136563A - 車両制御システムおよび走行状態取得装置 - Google Patents

車両制御システムおよび走行状態取得装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両制御システムの信頼性を向上させる。
【解決手段】後輪操舵ECUにおいて回転角度センサの検出値に基づいて取得された第1後輪舵角が挙動制御ECUに供給され、挙動制御ECUにおいて後輪舵角を用いて直進舵角が学習によって取得され、車両挙動制御が行われる。また、回転角度センサの断線時間が連続性保証時間以上になるとセンサ値無効化通知フラグがONとされ、直進舵角の前回値が保持されて車両挙動制御が許可される。断線時間が断線確定時間以上になると舵角初期化要求フラグがONとされ、直進舵角の学習値がクリアされ、車両挙動制御が禁止される。また、第1後輪舵角とタイロッドのストロークに基づいて取得された後輪舵角との差が大きくなると舵角初期化要求フラグがONとされ、車両挙動制御が禁止される。その結果、車両の走行安定性の低下を良好に抑制し得、車両制御システムの信頼性を向上させ得る。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両を制御する車両制御システムおよび走行状態取得装置に関するものである。
特許文献1には、前後左右の4輪の各々のブレーキのブレーキ力を制御することにより車両の挙動を制御する車両挙動制御装置と、左右後輪の舵角である後輪舵角を制御する後輪舵角制御装置とを備えた車両制御システムが記載されている。この車両制御システムにおける車両挙動制御装置においては、後輪舵角制御装置から供給される後輪舵角を用いて車両の挙動が推定され、それに基づいて車両挙動制御が行われる。しかし、後輪舵角制御装置と車両挙動制御装置との間の通信異常、後輪舵角を検出する後輪舵角検出センサの異常等の場合には、直前に供給された後輪舵角の値が保持される。それにより、異常が生じても車両挙動制御を継続して行うことができる。
特開平10−147252号公報
本発明の課題は、車両制御システムの改良であり、例えば、車両制御システムの信頼性の向上を図ることである。
課題を解決するための手段および効果
本願発明に係る車両制御システムには、(i)車両の運動状態を表す運動状態量に基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置と、(ii)運動状態量取得装置によって取得された運動状態量を表す情報である運動状態量情報を車両挙動制御装置に供給する運動状態量処理装置とが含まれる。運動状態量処理装置には、(a)運動状態量取得装置としての第1運動状態量取得装置と、(b)その第1運動状態量取得装置とは異なる第2運動状態量取得装置と、(c)第1運動状態量取得装置によって取得された第1運動状態量と第2運動状態量取得装置によって取得された第2運動状態量との比較により、第1運動状態量の信頼性が低いと判定された場合に、その第1運動状態量の信頼性が低いことを表す低信頼性情報を車両挙動制御装置によって認識可能な状態とする処理部とが含まれる。
車両挙動制御装置において、「第1運動状態量の信頼性が低いことを表す低信頼性情報」が認識された場合に、例えば、車両挙動制御に第1運動状態量が用いられないようにしたり、第1運動状態量を用いた車両挙動制御が抑制されるようにしたりすれば、車両の走行安定性の低下を良好に抑制することができ、車両制御システムの信頼性を向上させることができる。
「低信頼性情報」は、(i)第1運動状態量が実際の車両の運動状態を表していないことを表す運動状態量異常情報、(ii)第1運動状態量が車両挙動制御に用いられるのに適していないことを表す使用不適切情報、(iii)運動状態量を用いた車両挙動制御の抑制指令を表す挙動制御抑制指令等のうちの1つ以上を含むものとすることができる。挙動制御抑制指令には、車両挙動制御の開始の禁止指令、車両挙動制御の停止指令等も含まれる。車両挙動制御装置において、運動状態量異常情報、使用不適切情報に基づいて車両挙動制御が抑制されるようされている場合には、運動状態量異常情報、使用不適切情報が認識されても挙動制御抑制指令が認識されても、車両挙動制御が抑制されることになる。
「情報が車両挙動制御装置によって認識可能な状態とされる」とは、(i)車両挙動制御装置に低信頼性情報を供給すること、(ii)低信頼性情報を表すフラグを設定すること、(iii)運動状態量情報を車両挙動制御装置に供給しないこと等が該当する。(ii)に関して、フラグは車両挙動制御装置に設定されても運動状態量処理装置に設定されてもよく、いずれに設定されてもフラグの状態は車両挙動制御装置によって認識され得る。また、(iii)に関して、例えば、運動状態量情報が、信頼性が低くないと判定された場合に定期的に供給され、信頼性が低いと判定された場合に供給されないようにされた場合には、定期的に運動状態量情報が供給されない場合に、車両挙動制御装置において、運動状態量の信頼性が低いと認識される。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明について説明する。
(1)車両の運動状態を表す運動状態量に基づいて車両の挙動を制御する車両挙動制御装置と、
前記運動状態量を取得する第1運動状態量取得装置を備え、その第1運動状態量取得装置によって取得された運動状態量である第1運動状態量を表す情報を前記車両挙動制御装置に供給する運動状態量処理装置と
を含む車両制御システムであって、
前記運動状態量処理装置が、さらに、(a)前記運動状態量を取得する、前記第1運動状態量取得装置とは別の第2運動状態量取得装置と、(b)それら第1運動状態量取得装置によって取得された第1運動状態量と前記第2運動状態量取得装置によって取得された運動状態量である第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きい場合に、前記第1運動状態量の信頼性が低いことを表す情報である低信頼性情報を前記車両挙動制御装置によって認識可能な状態に処理する第1運動状態量処理部とを含むことを特徴とする車両制御システム。
例えば、第1運動状態量取得装置が、運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、そのセンサの検出値である第1運動状態関連量を累積的に処理することによって第1運動状態量を取得するものとすることができる。
第1運動状態量取得装置によって取得された第1運動状態量と、第2運動状態量取得装置によって取得された第2運動状態量とは原則としてほぼ同じ値になるはずである。しかし、第1運動状態関連量センサの断線等の異常に起因して第1運動状態関連量が供給されない期間が長くなると、第1運動状態量が車両の運動状態を表す値から大きく隔たった値となり、第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きくなる場合がある。その結果、第1運動状態量の信頼性が低いと判定され、低信頼性情報が車両挙動制御装置において認識可能な状態に処理される。
なお、第1運動状態量を制御用運動状態量と称し、第2運動状態量を監視用運動状態量と称することができる。また、第1運動状態量を理論値、第2運動状態量を実際値と考えることもできる。
(2)前記低信頼性情報が、(a)前記第1運動状態量が異常であることを表す第1運動状態量異常情報と、(b)前記第1運動状態量が無効な値であることを表す第1運動状態量無効情報と、(c)前記第1運動状態量が車両挙動制御において用いられることが不適切であることを表す使用不適切情報と、(d)前記車両挙動制御装置において前記第1運動状態量を用いた車両挙動制御の抑制指令を表す挙動制御抑制指令情報と、(e)前記車両挙動制御装置において前記第1運動状態量を用いて行われた学習により記憶された学習値の消去の要求を表す初期化要求情報とのうちの1つ以上を含む(1)項に記載の車両制御システム。
(d)の挙動制御抑制指令は、(d-1)車両挙動制御が開始され難くする開始抑制指令(車両挙動制御の開始条件が成立し難くする指令)、(d-2)車両挙動制御中において実際の車両挙動が同じで、目標車両挙動が同じであっても、制御量を小さくする制御制限指令、(d-3)車両挙動制御の開始を禁止する開始禁止指令、(d-4)挙動制御中において挙動制御を停止させる制御停止指令等のうちの1つ以上が含まれる。
(e)の初期化要求情報が認識されると、車両挙動制御装置において学習値が消去される。学習値は車両挙動制御において用いられる値であるため、学習値が消去されると車両挙動制御は行われない。「車両挙動制御が行われない」には、車両挙動制御が開始されないこと、制御中の車両挙動制御が停止させられること等が該当する。
(3)前記第1運動状態量処理部が、前記低信頼性情報を表すフラグをセットするフラグセット部と、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置に供給する低信頼性情報供給部との少なくとも一方を含む(1)項または(2)に記載の車両制御システム。
(4)前記運動状態量処理装置が、定期的に前記第1運動状態量を表す情報である第1運動状態量情報を前記車両挙動制御装置へ供給する第1運動状態量情報定期供給部を含み、
前記第1運動状態量処理部が、前記第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値が前記設定値以上である場合に、前記第1運動状態量情報定期供給部による前記第1運動状態量情報の供給を禁止する第1運動状態量情報供給禁止部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
(5)前記第1運動状態量処理部が、(a)前記第1運動状態量取得装置が異常である場合に、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値と前記設定値との大小に関係なく、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置において認識可能な状態に処理する異常時処理部と、(b)前記第1運動状態量取得装置が異常ではなく、かつ、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値が前記設定値より大きい場合に、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置において認識可能な状態に処理する否異常時処理部との少なくとも一方を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
第1運動状態量取得装置が異常である場合には、実際に第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きくなる場合と大きくならない場合とがあるが、差の絶対値が設定値より大きくなる可能性がある。
例えば、第1運動状態量が、第1運動状態関連量センサの検出値を累積して取得される場合において、第1運動状態関連量センサにおける断線(第1運動状態関連量センサとコンピュータを主体とする部分との間の信号線の断線等が該当する)時間が長くなると、第1運動状態量取得装置によって取得された第1運動状態量と実際の車両の運動状態を表す運動状態量との隔たりが大きくなる。この場合には、第1運動状態量と第2運動状態量との差が大きくなり、第1運動状態量の信頼性が低いと判定される。
「第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値と設定値との大小とは関係なく処理する」とは、第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値と設定値との比較を行うことなく処理する場合、第2運動状態量、差の絶対値が取得されることなく処理する場合等が該当する。
「異常ではない」とは、実施例において説明するが、第1運動状態量取得装置が正常である場合と、異常の可能性がある場合との少なくとも一方の場合をいう。
(6)前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、その第1運動状態関連量センサの検出値を累積的に処理して第1運動状態量を取得するものであり、
前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態関連量センサの断線時間が断線確定時間より長い場合に断線確定情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理し、前記断線時間が前記断線確定時間より短い瞬断時間より長い場合に瞬断情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理する断線処理部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
断線時間が長い場合には第1運動状態量と第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きくなる可能性が高くなる。そのため、断線確定情報は低信頼性情報の1態様であると考えることができる。
(7)前記車両挙動制御装置が、(i)前記運動状態量処理装置から供給された前記第1運動状態量と前記車両の実際の挙動とに基づいて、前記車両の挙動が予め定められた設定挙動である場合の前記第1運動状態量を第1運動状態量の学習値として記憶する第1運動状態量学習部と、(ii)その第1運動状態量学習部によって記憶された前記第1運動状態量の学習値と前記運動状態量処理装置から供給された前記第1運動状態量とに基づいて前記車両の実際の挙動を取得する第1運動状態量依拠実挙動取得部とを含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
車両の挙動が設定挙動である場合の第1運動状態量(学習値)と運動状態量処理装置から供給された第1運動状態量とに基づけば、実際の車両の挙動を取得することができる。例えば、車両挙動制御の開始条件が満たされるか否かを判定したり、実際の車両の挙動が目標挙動に近づくように制御したりすることができる。
(8)前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、その第1運動状態関連量センサの検出値を累積的に処理して第1運動状態量を取得するものであり、
前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態関連量センサの断線時間が断線確定時間より長い場合に断線確定情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理し、前記断線時間が前記断線確定時間より短い瞬断時間より長い場合に瞬断情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理する断線時処理部を含み、
前記車両挙動制御装置が、(a)前記瞬断情報を認識した場合に、前記第1運動状態量学習部において前回記憶された第1運動状態量の学習値を保持する学習値保持部と、(b)前記断線確定情報を認識した場合に、前記第1運動状態量の学習値をクリアする学習値消去部とを含む(7)項に記載の車両制御システム。
本項に記載の車両制御システムにおいては、瞬断情報が認識された場合に前回の学習値が保持されるのであり、学習が行われることがない(学習が禁止される)。第1運動状態関連量センサの断線時間が断線確定時間より短くても瞬断時間より長い場合には、第1運動状態量と実際の運動状態量とが同じでない可能性がある。そのため、第1運動状態量が学習に用いられることは望ましくないからである。しかし、瞬断情報が認識されても車両挙動制御が禁止されることがない(許可される)。そのため、瞬断情報が認識された場合に学習値がクリアされる場合に比較して、車両挙動制御が行われ得る期間を長くすることができ、車両の走行安定性の低下を良好に抑制することができる。また、車両挙動制御装置において学習値がクリアされた場合に、そのことが報知されるようにされている場合には、報知装置が作動させられる機会を少なくすることができ、乗員の煩わしさを軽減することができる。
一方、断線時間が長くなり、第1運動状態量情報が表す運動状態量と実際の運動状態量との差が大きくなると、車両挙動制御が行われることによってかえって車両の走行安定性が低下するおそれがある。また、第1運動状態量情報が表す運動状態量と実際の運動状態量との差が小さくても、これらの隔たりを長時間許容して車両挙動制御が行われると、車両の実際の挙動に影響が及び、望ましくない。それに対して、断線時間が断線確定時間以上になった場合に、断線確定情報が認識可能とされて、学習値が消去されて、車両挙動制御が行われないようにすれば、不適切な車両挙動制御が行われることに起因する走行安定性の低下を良好に抑制することができ、車両制御システムの信頼性の向上を図ることができる。
以上の事情から、瞬断時間は、例えば、断線状態から回復する可能性がある時間であり、第1運動状態量が実際の運動状態量との誤差を含む可能性がある時間とすることができる。断線確定時間は、断線状態から回復する可能性が低い時間であり、第1運動状態量と第2運動状態量との差が大きくなる可能性がある時間とすることができ、第1運動状態量の信頼性が低いと判定される可能性がある時間とすることができる。また、第1運動状態量が含む誤差により(学習値の前回値が保持されることにより)車両挙動に影響が及ぶ時間とすることもできる。
(9)前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、その第1運動状態関連量センサの検出値を累積的に処理して第1運動状態量を取得するものであり、
前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態関連量センサの断線時間が断線確定時間より短い瞬断時間より長い場合に瞬断情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理する断線時処理部を含み、
前記車両挙動制御装置が、前記瞬断情報を認識した場合に、前記運動状態量処理装置から直前に供給された第1運動状態量を保持する第1運動状態量保持部を含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
車両挙動制御装置において、第1運動状態量が学習に用いられることは不可欠ではない。第1運動状態量が学習に用いられることなく、車両挙動制御に用いられる場合において、その第1運動状態量が保持されるようにすることができる。
(10)前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、
前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態量取得装置が異常ではなく、かつ、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値が前記設定値より大きい場合に、前記第1運動状態関連量センサの断線確定時間より短い断線が複数回起きたと判定する複数瞬断判定部を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
第1運動状態量が第1運動状態関連量センサの検出値を累積的に処理して取得される値である場合には、第1運動状態量取得装置が異常でなくても、第1運動状態関連量センサの比較的短い時間の断線(例えば、0時間より長く断線確定時間より短い断線)が複数回起きると、第1運動状態量が実際の運動状態量から大きく隔たった値となる可能性がある。
(11)当該車両制御システムが、アクチュエータの作動により前記車両に設けられた左右後輪の舵角を制御する後輪舵角制御装置を含み、
前記第1運動状態量取得装置が、前記アクチュエータの作動量に関連する作動量関連値を検出するアクチュエータ作動量関連値検出部を備え、そのアクチュエータ作動量関連値検出部の検出値に基づいて前記第1運動状態量としての前記左右後輪の舵角である第1後輪舵角を取得する第1後輪舵角取得装置である(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
(12)前記後輪舵角制御装置が、(i)前記左右後輪に連結されたタイロッドと、(ii)前記アクチュエータとしての電動モータの回転を前記タイロッドの軸方向の移動に変換する運動変換機構とを含み、
前記アクチュエータ作動量関連値検出部が、前記電動モータの回転に伴って周期的に変化する信号を出力する回転信号出力部を含み、
前記第1後輪舵角取得装置が、前記回転信号出力部によって出力された信号を累積的に処理することにより前記電動モータの基準位置からの回転角度を取得して、前記タイロッドの前記軸方向の移動量を取得して、前記第1後輪舵角を取得するモータ回転角度依拠後輪舵角取得部を含む(11)項に記載の車両制御システム。
(13)前記後輪舵角制御装置が、(i)前記左右後輪に連結されたタイロッドと、(ii)前記アクチュエータの作動により前記タイロッドを軸方向に移動させる機構とを含み、
前記第2運動状態量取得装置が、前記タイロッドの前記軸方向の移動量を取得するタイロッド移動量検出部を備え、そのタイロッド移動量検出部によって検出された前記タイロッドの移動量に基づいて前記第2運動状態量としての前記左右後輪の舵角を取得する第2後輪舵角取得装置である(11)項または(12)項に記載の車両制御システム。
(14)前記車両挙動制御装置が、実際の車両の挙動を検出する車両挙動検出部を備え、その車両挙動検出部によって前記車両が直進走行状態にあると検出された場合に、前記後輪舵角制御装置から供給された前記第1後輪舵角を表す情報を取得して、前記車両が直進走行状態にある場合の後輪舵角である直進舵角を学習により取得する直進舵角学習部を含む(11)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の車両制御システム。
(15)車両の運動状態を表す運動状態量に基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置と、
前記運動状態量を取得する第1運動状態量取得装置と、
前記運動状態量を取得する、前記第1運動状態量取得装置とは別の第2運動状態量取得装置と
を含む車両制御システムであって、
前記車両挙動制御装置を、前記第1運動状態量取得装置によって取得された前記運動状態量である第1運動状態量と前記第2運動状態量取得装置によって取得された前記運動状態量である第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きい場合に、前記車両挙動制御を行わないものとしたことを特徴とする車両制御システム。
本項に記載の車両制御システムには、(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(16)車両の運動状態に関連する運動状態関連量を検出する運動状態関連量検出部を備え、その運動状態関連量検出部によって検出された運動状態関連量に基づいて前記運動状態を表す運動状態量を取得する運動状態量取得装置と
その運動状態量取得装置によって取得された運動状態量を処理して、基準運動状態量を取得する運動状態量処理部を備え、少なくとも前記基準運動状態量に基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置と
を含み、前記車両挙動制御装置を、前記運動状態関連量検出部の断線状態が断線確定時間以上続いた場合に、前記車両挙動の制御を行わず、前記運動状態関連量検出部の断線状態が前記断線確定時間より短い瞬断時間以上続いた場合に、前記運動状態量の処理を行わないで、前記基準運動状態量の前回値を保持するものとしたことを特徴とする車両制御システム。
運動状態量の処理を、例えば、運動状態量を用いて行われる学習等とし、基準運動状態量を、学習により得られた値(学習値)とすることができる。
本項に記載の車両制御システムには、(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(17)車両の左右後輪の転舵角度である後輪舵角を取得する後輪舵角取得装置と、
その後輪舵角取得装置によって取得された後輪舵角に基づいて、前記車両が直進走行状態にある場合の後輪舵角である直進舵角を学習により取得する直進舵角取得装置と
を含む走行状態取得装置であって、
前記直進舵角取得装置が、前記後輪舵角取得装置が異常である可能性がある場合に、前回の学習により取得された前記直進舵角を保持する前回値保持部を含むことを特徴とする走行状態取得装置。
本項に記載の走行状態取得装置には、(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
本発明の実施例1に係る車両制御システム全体と示す概念図である。 上記車両制御システムに含まれる後輪舵角制御装置を示す概念図である。 上記後輪舵角制御装置に含まれるレゾルバの出力信号を示す図である。 上記後輪舵角制御装置に含まれる後輪操舵ECUの記憶部に記憶された(a)後輪舵角供給プログラムを表すフローチャートである。(b)断線によるフラグ設定プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶されたセンサ値によるフラグ設定プログラムを表すフローチャートである。 上記車両制御システムに含まれる車両挙動制御装置の挙動制御ECUの記憶部に記憶された後輪舵角処理プログラムを表すフローチャートである。 上記プログラムが実行された場合の車両制御システムの作動を表す図(タイムチャート)である。
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態である車両制御システムについて図面に基づいて詳細に説明する。車両制御システムには後輪舵角制御装置と車両挙動制御装置とが含まれ、後輪舵角制御装置には運動状態量処理装置が含まれ、後輪舵角制御装置から車両挙動制御装置に、運動状態量としての後輪舵角が供給される。車両挙動制御装置において、後輪舵角に基づいて車両挙動制御が行われるのであり、横すべりを抑制して、車両の走行安定化が図られる。また、本実施形態に係る車両制御システムには走行状態取得装置が含まれる。なお、運動状態量処理装置、車両挙動制御装置、運動状態量等は本実施形態における場合に限定されない。
図1に示すように、本車両において、運転者によって操作されるステアリングホイール10が前輪操舵機構12を介して左右前輪14FL,FRに連携させられる。前輪操舵機構12は、パワーアシスト機能付きのものであり、ステアリングホイール10に加えられた操作力を大きくしてタイロッド16を介して左右前輪14FL,FRに伝達するものである。左右前輪14FL,FRは、ステアリングホイール10の操作に起因して前輪操舵機構12によって転舵させられる。
左右後輪20RL,RRは、後輪操舵機構22を介して連携させられる。後輪操舵機構22は、図2に模式的に示すように、後輪操舵アクチュエータとしての電動モータ24および減速機25、運動変換機構26、左右後輪20RL,RRに連携させられたタイロッド28等を含む。減速機25は、減速比(入力軸の回転数/出力軸の回転数)が大きいものである。後輪操舵アクチュエータの出力軸である回転軸が運動変換機構26に入力され、運動変換機構26において、タイロッド28の軸線L方向(車両の幅方向)の直線移動に変換させられる。後輪操舵アクチュエータにより運動変換機構26を介してタイロッド28が軸線L方向に移動させられ、左右後輪20RL,RRが転舵させられる。
後輪操舵機構22は、コンピュータを主体とする後輪操舵ECU(図1,2において、DRSECUと記載した)30からの指令に基づいて作動させられる。後輪操舵ECU30には、電動モータ24の回転に伴って変動する信号を出力する回転角度センサ(レゾルバ)32、タイロッド28の軸線L方向の中立位置からのストロークを検出するストロークセンサ34が接続されるとともに、電動モータ24が図示しない駆動回路を介して接続される。
回転角度センサ32の出力信号が累積的に処理されることにより電動モータ24の基準位置からの回転角度が取得され、タイロッド28の中立位置からのストロークが取得され、後輪20RL,RRの転舵角度(以下、後輪舵角δrと略称する)が取得される。タイロッド28の中立位置は、後輪舵角δrが0である場合の位置であり、タイロッド28が中立位置にある場合の電動モータ24の位置が基準位置である。左右後輪20RL,RRの舵角δrが0の位置は、車両の構造等で決まり、前後方向に平行な姿勢にあるとは限らない。以下、回転角度センサ32の検出値に基づいて取得された後輪舵角を第1運動状態量としての第1後輪舵角δr1と称する。
また、ストロークセンサ34によって検出されたタイロッド28のストロークによれば、後輪20RL,RRの転舵角度δrを取得することができる。ストロークセンサ34の検出値に基づいて取得される後輪舵角を第2後輪舵角δr2と称する。本実施例においては、第2後輪舵角δr2より第1後輪舵角δr1の方が精度が高い。
なお、後輪操舵機構22、後輪操舵ECU30、各センサ32,34,36等により後輪舵角制御装置が構成される。
また、回転角度センサ32、後輪操舵ECU30、電動モータ24等はバッテリ40から供給された電力により作動可能とされている。
本実施例における車両制御システムには車両挙動制御装置50が設けられる。車両挙動制御装置50は、車両の左右前輪14FL,FR,左右後輪20RL,RRにそれぞれ設けられ、車輪の回転を抑制するブレーキ52FL,FR,RL,RRのブレーキ力を個別に制御することにより、車輪14FL,FR,20RL,RRの横すべりを抑制して、車両の挙動を安定化するビークルスタビリティ制御装置である。車両挙動制御装置50は、コンピュータを主体とする挙動制御ECU(図1においてVSCECUと記載した)54、挙動制御ECU54に接続されたステアリングホイール10の操舵角度を検出する操舵角センサ60、車両に作用する横方向の加速度を検出する横Gセンサ62、前後左右の各輪14FL,FR,20RL,RRの回転速度をそれぞれ検出する車輪速度センサ64、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ66、報知装置68、各輪のブレーキ52FL,FR,RL,RRのブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ力制御装置70FL,FR,RL,RR等を含む。報知装置68は、車両挙動制御が行われないこと(車両挙動制御が禁止されたこと)を報知するものであり、例えば、ディスプレイ、ランプ、音声出力装置等のうちの1つ以上を含むものとすることができる。
挙動制御ECU54には後輪操舵ECU30から第1後輪舵角δr1を表す情報(後輪舵角情報)が供給される。
挙動制御ECU54において、横Gセンサ62の検出値、ヨーレイトセンサ66の検出値、車輪速度センサ64によって検出された各車輪14FL,FR,20RL,RRの各々の回転速度等に基づいて車両挙動が検出されるが、車両挙動が直進走行状態にあると検出された場合の、操舵角センサ60によって検出された操舵角θ、後輪操舵ECU30から供給された第1後輪舵角δr1が記憶される。すなわち、車両が直進走行状態にある場合の操舵角θ、第1後輪舵角δr1が学習により適宜取得されて、記憶されるのであり、更新される。
そして、例えば、学習値である操舵角θ*、第1後輪舵角δr1*と、実際に検出された横G、車速、ヨーレイトγ、操舵角θおよび後輪操舵ECU54から供給された第1後輪舵角δr1等とに基づいて車両の実際の旋回挙動が求められ、挙動制御の開始条件が成立するか否かが判定されたり、実際の旋回挙動が目標挙動に近づくように制御されたりする。以下、本明細書において、第1後輪舵角の学習値δr1*を直進舵角と称する場合がある。
回転角度センサ32の出力信号の一例を図3に示す。本実施例において用いられる回転角度センサ32としてのレゾルバは、電動モータ24の1回転を、4×360°の電気角度で分解可能なものであり、励磁電流(励磁信号と称する場合もある)、sin相、cos相の信号が出力される。図2に示す4本のラインは、それぞれ、励磁信号、sin相、cos相の信号の信号線、およびGRDである。励磁電流は印加した交流電圧に起因して生じる電流である。本実施例においては、sin相の信号、cos相の信号が読み込まれ、これらから求められたarctanの値およびsin相とcos相との少なくとも一方の変化状態とを累積的に処理して、電動モータ24の基準位置からの回転角度が取得される。
一方、sin相の信号線とcos相の信号線とのいずれか一方が断線して一方の信号が供給されなくなると、arctanの値を求めることができず、電動モータ24の回転角度を正確に求めることができない場合がある。また、電動モータ24が回転しても、その回転を検出することができないため、断線後回復しても(接続状態に戻っても)、回転角度センサ32の出力信号から検出された電動モータ24の回転角度(以下、単に回転角度センサ32によって検出された電動モータ24の回転角度と称する場合がある)によって検出された回転角度と実際の電動モータ24の回転角度との間の隔たりが生じ、連続性がなくなる場合がある。さらに、回転角度センサ32によって検出された電動モータ24の回転角度に基づいて取得された後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が大きくなる場合もある。
以上の事情から、sin相の信号線とcos相の信号線とのいずれか一方が断線して、一方の信号が供給されなくなる時間(以下、単に断線時間と略称する場合がある。また、「sin相の信号線とcos相の信号線とのいずれか一方が断線して、一方の信号が供給されなくなる状態」を断線状態と称する場合がある)が、sin相、cos相の1周期に相当する時間{以下、本実施例においては、電動モータ24が最大回転速度で回転した場合のsin相、cos相の1周期に相当する時間を連続性保証時間(Td)と称する}より短い場合、すなわち、0時間より長く連続性保証時間Tdより短い時間の間、断線状態が継続した後に回復した場合には、他方の値、変化等に基づいて電動モータ24の回転角度を取得することができる。そのため、断線時間が連続性保証時間Tdより短い場合には、回復後、回転角度センサ32によって検出された回転角度と電動モータ24の実際の回転角度とはほぼ同じであると考えることができる。換言すれば、断線前と回復した後とで、回転角度センサ32によって検出された回転角度の連続性がほぼ保持されるのであり、断線に起因する第1後輪舵角δr1への影響は殆どないと考えられる。この場合には、回転角度センサ32は正常であるとみなされる。
断線時間が連続性保証時間Td以上になると、回転角度センサ32によって検出された回転角度と実際の電動モータ24の回転角度との間に誤差が生じる可能性がある。しかし、レゾルバ32は、電動モータ24の1回転を電気角度360°×4で検出するものであること、電動モータ24の回転は減速機25によって減速されて運動変換機構26に出力されること等を考慮すると、断線時間が短い場合には、第1後輪舵角δr1への影響は小さいと考えられる。そこで、本実施例において、断線時間が連続性保証時間Td以上である場合に、瞬断であると判定され、回転角度センサ32が異常の可能性がある(疑似異常)と判定される。また、センサ値無効化通知フラグがONとされる。センサ値無効化通知フラグは、瞬断が生じたことを表す情報であると考えたり、第1後輪舵角δr1が実際の後輪舵角δrとは異なる可能性があることを表す情報であると考えたり、第1後輪舵角δr1が直進舵角の学習に用いられるのに適していないことを表す情報(学習禁止情報、前回の学習値の保持指令を表す情報)であると考えたりすること等ができる。
断線時間が断線確定時間Tf以上になると、断線が確定され、回転角度センサ32が異常であると判定される。断線確定時間Tfは、例えば、断線から回復する可能性が低い時間としたり、回転角度センサ32によって検出された回転角度と実際の電動モータ24の回転角度との差が大きくなり、第1後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が大きくなる可能性がある時間としたりすること等ができる。また、舵角初期化要求フラグがONとされる。舵角初期化要求フラグは、断線が確定したことを表す情報であると考えたり、第1後輪舵角δr1の信頼性が低いこと(第1後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が大きい可能性があること)を表す情報であると考えたり、後述するように、その時点において保持されている前回の学習値δr1(n−1)*を消去して新たに学習をして直線舵角を取得する指令を表す情報であると考えたりすることができる。すなわち、第1後輪舵角δr1と学習値δr1(n−1)*が取得された場合の回転角度との間に連続性がないため、実際の車両挙動を正確に取得することが困難となり、車両挙動制御を良好に行うことが困難となる可能性がある。そのため、第1後輪舵角の学習値δr1(n−1)*を消去して、新たに学習して学習値を取得することが望ましい状態にあるのである。
そして、挙動制御ECU54において、センサ値無効化通知フラグがONであることが認識されると、その時点において記憶されている直進舵角(直進舵角の前回値)、すなわち、前回の学習において取得された第1後輪舵角の学習値δr1(n−1)*が保持される一方、車両挙動制御が許可される。車両挙動制御前においては、直進舵角の前回値δr1(n−1)*と後輪操舵ECU30から供給された第1後輪舵角δr1とに基づいて開始条件が成立するか否かが判定され、車両挙動制御中において直進舵角の前回値δr1(n−1)*を用いて、各輪14FL,FR、20RL,RRのブレーキ力が個別に制御される。
舵角初期化要求フラグがONであることが認識されると、その時点において保持されている直進舵角の前回値δr1(n−1)*がクリアされる。その結果、車両挙動制御が行われないことになる。制御前においては、車両挙動制御が開始されず、制御中において車両挙動制御が停止させられる。そして、直進舵角の学習を行う必要があるのであるが、第1後輪舵角δr1の信頼性が低いため、学習をすることもできず、その後、車両挙動制御は行われないことになる。
なお、断線状態が続くと、センサ値無効化通知フラグがONとなり、その後、舵角初期化要求フラグがONとされるため、制御中においては、直進舵角の前回値δr1(n−1)*に基づく車両挙動制御が継続して行われた後に、車両挙動制御が停止させられる。換言すれば、断線確定時間は、直進舵角の前回値δr1(n−1)*に基づく車両挙動制御が長時間行われることに起因して車両挙動への影響が大きくなる時間、換言すれば、直進舵角の前回値δr1*に基づく車両挙動制御が行われるより、車両挙動制御が停止させられる方が望ましい時間であると考えることもできる。
それに対して、瞬断(連続性保証時間より長く、断線確定時間より短い時間の断線)の回数が増えると、電動モータ24の回転角度を正確に取得することができなくなる可能性がある。電動モータ24の回転角度は回転角度センサ32の検出値を累積的に処理して求められるため、sin相やcos相の信号が供給されない断線時間が累積して長くなると、回転角度センサ32によって検出された回転角度と実際の電動モータ24の回転角度との差が大きくなり、実際の後輪舵角δrと第1後輪舵角δr1との差が大きくなる可能性がある。しかし、瞬断の回数が多くなっても、回転角度センサ32が異常であると判定されないため、挙動制御ECU54において、車両挙動制御において後輪操舵ECU30から供給された第1後輪舵角δr1が継続して用いられて学習等が行われる。
そこで、本実施例においては、常時、回転角度センサ32の検出値に基づいて取得された第1後輪舵角δr1とストロークセンサ34の検出値に基づいて取得された第2後輪舵角δr2とが比較される。そして、これらの差の絶対値が異常判定しきい値δth以上の状態が、異常判定時間Tδth以上継続した場合には、第1後輪舵角δr1の信頼性が低いとされて、舵角初期化要求フラグがONとされる。
|δr1−δr2|≧δth
異常判定しきい値δthは、回転角度センサ32、ストロークセンサ34の誤差に応じた値と異常であるとみなし得る差の値(第1後輪舵角δr1の信頼性が低いとみなし得る差の値)との和に基づいて決まる大きさとされる。この意味において、第2後輪舵角δr2は監視用舵角と称することができる。
換言すれば、センサ値の比較結果に基づいて舵角初期化要求フラグがONとされるのは、回転角度センサ32が正常である場合、あるいは、異常の可能性があると判定された場合であり、異常であると判定された場合ではない。断線が確定して、回転角度センサ32が異常であると判定された場合には、そのことを理由に舵角初期化要求フラグがONとされるため、センサ値の比較結果に基づいて舵角初期化要求フラグをONとする必要性が低いのである。
後輪操舵ECU30において、図4(a)のフローチャートで表される後輪舵角情報供給プログラムは予め定められた設定時間毎に実行である。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップにおいても同様とする)において、センサ値(sin相の信号およびcos相の信号)が読み込まれ、S2において、電動モータ24の回転角度が求められ、回転角度に基づいて第1後輪舵角δr1が求められる。そして、S3において、第1後輪舵角δr1を表す情報である後輪舵角情報が挙動制御ECU54に供給される。後輪舵角情報が定期的に挙動制御ECU54に供給されるのである。
後輪操舵ECU30において、図4(b)のフローチャートで表される断線によるフラグ設定プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S11において、バッテリ40が正常であるか否か、回転角度センサ32、ストロークセンサ34に断線以外の異常がないかどうかが判定される(以下、バッテリ等が正常であるかどうか判定されると称する)。バッテリ等が正常である場合には、S12において、sin相の信号とcos相の信号とが読み込まれ、S13において、各々についてオフセット値が取得され、正常範囲内にあるかどうかが判定される(本実施例において、sin相の信号のオフセット値が取得される場合について説明する。cos相の信号についても同様である)。オフセット値とは、sin相の荷重平均値Sと予め定められた荷重平均の標準値S0との差であり、オフセット値が正常範囲内にあるか否か、すなわち、差の絶対値が断線判定しきい値Sth以下であるどうかが判定される。
|S−S0|≦Sth
上述の差の絶対値が断線判定しきい値Sth以下である場合には、オフセット値が正常範囲内にある、すなわち、断線でないと判定されるが、差の絶対値が断線判定しきい値Sthより大きい場合には、オフセット値が正常範囲内にない、すなわち、断線状態にある(sin相の信号が後輪操舵ECU30に供給されない)と判定される。
断線状態にないと判定された場合には、S14においてセンサ値無効化通知フラグ、舵角初期化要求フラグがOFFとされ、断線状態にあると判定された場合には、S15、S16において、断線状態が断線確定時間Tf以上続いたか否か、連続性保証時間Td以上続いたか否かが判定される。連続性保証時間Tdが経過する前は、フラグがセットされることはない。
それに対して、断線状態が連続性保証時間Td以上続いた場合には、S17において、センサ値無効化通知フラグがONとされ、断線確定時間Tf以上続いた場合には、S18において、舵角初期化要求フラグがONとされる。
なお、舵角初期化要求フラグがONとされた場合にセンサ値無効化通知フラグがOFFとされても、OFFにされなくてもよい。
後輪操舵ECU30において、図5のフローチャートで表されるセンサ値によるフラグ設定プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S21において、バッテリ等が正常であるかどうかが判定される。バッテリ等が正常である場合には、S22において、ストロークセンサ34の検出値が読み込まれ、ストロークセンサ34の検出値に基づいて第2後輪舵角δr2が求められる。また、S23において、S2において取得された第1後輪舵角δr1が読み込まれる。
そして、S24において、これらの差が正常範囲内にあるかどうか、すなわち、第1後輪舵角δr1と第2後輪舵角δr2との差の絶対値|δr1−δr2|が異常判定しきい値δth以下であるかどうかが判定される。そして、差の絶対値が正常範囲内にない場合には、S25において、正常範囲内にない状態(差の絶対値が異常判定しきい値より大きい状態)が異常判定時間Tδth以上続いたか否かが判定される。差の絶対値が異常判定しきい値δthより大きい状態が異常判定時間Tδth以上続いた場合には、S26において、舵角初期化要求フラグがONであるかどうかが判定される。舵角初期化要求フラグがOFFである場合には、S27において舵角初期化要求フラグがONとされる。
断線に起因して舵角初期化要求フラグがすでにONである場合には、本プログラムの実行により舵角初期化要求フラグをONにする必要がないからである。
なお、S26は、S25より前に実行されるようにすることもできる。
挙動制御ECU54において、図6のフローチャートで表される後輪舵角処理プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S31において、舵角初期化要求フラグがONであるか否か、S32において、センサ値無効化通知フラグがONであるか否かが判定される。
いずれのフラグもOFFである場合には、回転角度センサ32は異常ではないため、S33において、後輪操舵ECU30から供給された第1後輪舵角δr1が異常でないとして処理される。供給された第1後輪舵角δr1に基づいて直進舵角の学習が行われ、車両挙動制御に関して第1後輪舵角δr1、学習値δr1(n)*等が用いられる。制御前においては開始条件が成立するか否かが判定され、制御中においては車両挙動制御が行われる。なお、図7(a)に示すように、断線時間が連続性保証時間Tdより短い場合には、電動モータ24の回転角度の連続性が保証され得るため、回転角度センサ32は正常である(異常でない)と判定される。
それに対して、舵角初期化要求フラグがOFFでセンサ値無効化通知フラグがONである場合には、S32の判定がYESとなり、S34において、第1後輪舵角の前回の学習値δr1(n−1)*が保持される。そして、車両挙動制御において直進舵角の前回値δr1(n−1)*が用いられる。直進舵角の前回値δr1(n−1)*と供給された第1後輪舵角δr1(誤差を含む可能性がある)とに基づいて、制御中においては車両挙動制御が継続して行われるのであり、制御前において開始条件が満たされるか否かが判定される。
舵角初期化要求フラグがONである場合には、S31の判定がYESとなり、S35において、保持されていた第1後輪舵角δr1の前回の学習値δr1(n−1)*がクリアされ、S36において、車両挙動制御が行われないことが報知される。
なお、S34,35においては、供給された第1後輪舵角δr1を用いて直進舵角の学習は行われない。
図7(b)に示すように、センサ値無効化通知フラグがONである場合には挙動制御ECU54において、直進舵角の前回値δr1(n−1)*が保持され、車両挙動制御が許可される(車両挙動制御が実行されていた場合には、継続して行われる)が、断線状態が続いている場合には、後輪操舵ECU30から供給される第1後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が大きくなる可能性がある。また、第1後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が小さくても、長時間ずれが許容された状態で車両挙動制御が継続して行われることは望ましくない。それに対して、断線状態が断線確定時間Tf以上継続すると、舵角初期化要求フラグがセットされて、車両挙動制御が行われないようにされる。その結果、車両の走行安定性の低下を良好に抑制することができるのであり、車両制御システムの信頼性を向上させることができる。この意味において、断線確定時間は、直線舵角の学習値が前回値δr1(n−1)*に保持されることに起因して車両の走行安定性が低下するおそれがある時間と考えることもできる。
また、センサ値無効化通知フラグがONにされた場合に車両挙動制御が禁止されるようにされている場合に比較して、車両挙動制御が行われる機会を多くすることができる。さらに、センサ値無効化通知フラグがONとされても、報知装置28が作動させられることがないため、音が発生したり、異常情報がディスプレイに表示されたりする回数を減らすことができる。その結果、本実施例の車両制御システムにおいては、車両の走行安定性の低下を良好に抑制することができ、乗員への煩わしさを軽減させることができる。
一方、図7(c)に示すように、回転角度センサ32の瞬断が複数回起きた場合、すなわち、断線状態が断線確定時間以上続かない場合には、センサ値無効化通知フラグがONとされても、舵角初期化要求フラグがONとされることがなく、挙動制御ECU54において車両挙動制御が許可される。また、断線状態が連続性保証時間Td以上続いた後に、回復して正常な状態に戻されると、挙動制御ECU54において、学習が行われ、直進舵角δr1*が更新されて、その後、通常の車両挙動制御が許可される。しかし、瞬断が複数回生じると、回転角度センサ32によって検出された電動モータ24の回転角度と実際の電動モータ24の回転角度との差が大きくなる可能性があり、回転角度センサ32の検出値に基づく第1後輪舵角δr1と実際の後輪舵角δrとの差が大きくなる可能性がある。それに対して、本実施例においては、第1後輪舵角δt1とストロークセンサ34の検出値に基づく第2後輪舵角δr2との差の絶対値が異常判定しきい値より大きくなると、回転角度センサ32が異常でない場合であっても舵角初期化要求フラグがONとされ、車両挙動制御が行われないようにされる。その結果、実際の後輪舵角δrとの誤差が大きい第1後輪舵角δr1に基づく制御が行われることを良好に回避することができ、不適切な車両挙動制御が行われることを良好に防止することができる。それにより、車両制御システムの信頼性を向上させることができる。
なお、本実施例においては、断線状態が連続性保証時間以上続いた場合にセンサ値無効化通知フラグがONとされ、断線確定時間以上続いた場合に舵角初期化要求フラグがONとされるようにされていたが、フラグがONとされるのではなく、センサ値無効化通知情報、舵角初期化要求情報が、後輪操舵ECU30から挙動制御ECU54に供給されるようにすることもできる。
また、センサ値無効化通知情報、舵角初期化要求情報ではなく、前回値保持指令(学習停止指令)、車両挙動制御禁止指令等が供給されるようにすることもできる。
さらに、車両挙動制御装置50において、供給される後輪舵角情報に基づいて学習が行われて直進舵角が取得されるようにされていたが、直進舵角の学習が行われることは不可欠ではない。供給された後輪舵角等に基づいて実際の車両挙動を推定して、車両挙動制御が行われるようにすることもできる。
また、車両の運動状態量が後輪舵角とされたが、それに限らない。
さらに、車両挙動制御装置においては、前後左右の各車輪のブレーキのブレーキ力が制御されたが、ブレーキ力の制御に限らない。
本実施例においては、第1運動状態関連量センサとしての回転角度センサ32および後輪操舵ECU30の回転角度センサ32の出力値に基づいて電動モータ24の回転角度を取得して第1運動状態量としての第1後輪舵角δr1を取得する部分等により第1運動状態量取得装置、第1後輪舵角取得装置が構成される。また、第2運動状態関連量センサとしてのストロークセンサ34および後輪操舵ECU30のタイロッド28のストロークに基づいて第2運動状態量としての第2後輪舵角δr2を取得する部分等により第2運動状態量取得装置、第2後輪舵角取得装置が構成される。
これら第1運動状態量取得装置、第2運動状態量取得装置と前記後輪操舵ECU30の図4(a)のフローチャートで表される後輪舵角情報供給プログラム、図4(b)のフローチャートで表される断線によるフラグ設定プログラム、図5のフローチャートで表される偏差によるフラグ設定プログラムを記憶する部分、実行する部分等により運動状態量処理装置が構成される。運動状態量処理装置のうち、図5のフローチャートで表される偏差によるフラグ設定プログラムを記憶する部分、実行する部分等により第1運動状態量処理部、複数瞬断判定部が構成され、そのうちのS27を記憶する部分、実行する部分等により低信頼性情報供給部が構成される。第1運動状態量処理部は否異常時処理部でもある。また、運動状態量処理装置のうち、図4のフローチャートで表される断線によりフラグ設定プログラムのS18を記憶する部分、実行する部分等により異常時処理部が構成され、S17,18を記憶する部分、実行する部分等により断線処理部が構成される。
一方、挙動制御ECU54の図6のフローチャートで表される後輪舵角処理プログラムのS33を記憶する部分、実行する部分等により第1運動状態量学習部が構成され、S34を記憶する部分、実行する部分等により学習値保持部が構成され、S35を記憶する部分、実行する部分等により学習値消去部が構成される。また、第1運動状態量学習部は直進舵角取得装置でもある。さらに、第1運動状態量学習部、第1後輪舵角取得装置等により走行状態取得装置が構成される。
その他、本発明は、前記に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の制御、改良を施した態様で実施することができる。
10:ステアリングホイール 22:後輪操舵機構 24:電動モータ 26:運動変換機構 28:タイロッド 30:後輪操舵ECU 32:回転角度センサ 34:ストロークセンサ 50:車両挙動制御装置 54:挙動制御ECU 60:操舵角センサ 62:横Gセンサ 64:車輪速度センサ 66::ヨーレイトセンサ 68:報知装置

Claims (12)

  1. 車両の運動状態を表す運動状態量に基づいて車両の挙動を制御する車両挙動制御装置と、
    前記運動状態量を取得する第1運動状態量取得装置を備え、その第1運動状態量取得装置によって取得された運動状態量である第1運動状態量を表す情報を前記車両挙動制御装置に供給する運動状態量処理装置と
    を含む車両制御システムであって、
    前記運動状態量処理装置が、さらに、(a)前記運動状態量を取得する、前記第1運動状態量取得装置とは別の第2運動状態量取得装置と、(b)それら第1運動状態量取得装置によって取得された第1運動状態量と前記第2運動状態量取得装置によって取得された運動状態量である第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きい場合に、前記第1運動状態量の信頼性が低いことを表す情報である低信頼性情報を前記車両挙動制御装置によって認識可能な状態に処理する第1運動状態量処理部とを含むことを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記低信頼性情報が、(a)前記第1運動状態量が異常であることを表す第1運動状態量異常情報と、(b)前記第1運動状態量を用いた車両挙動制御の抑制指令を表す挙動制御抑制指令情報と、(c)前記車両挙動制御装置において前記第1運動状態量を用いて行われた学習により記憶された学習値の消去の要求を表す初期化要求情報とのうちの1つ以上を含み、
    前記第1運動状態量処理部が、前記低信頼性情報を表すフラグをセットするフラグセット部と、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置に供給する低信頼性情報供給部との少なくとも一方を含む請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記第1運動状態量処理部が、(a)前記第1運動状態量取得装置が異常である場合に、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値と前記設定値との大小に関係なく、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置において認識可能な状態に処理する異常時処理部と、(b)前記第1運動状態量取得装置が異常ではなく、かつ、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値が前記設定値より大きい場合に、前記低信頼性情報を前記車両挙動制御装置において認識可能な状態に処理する否異常時処理部とを含む請求項1または2に記載の車両制御システム。
  4. 前記車両挙動制御装置が、前記運動状態量処理装置から供給された前記第1運動状態量と前記車両の実際の挙動とに基づいて、前記車両の挙動が予め定められた設定挙動である場合の前記第1運動状態量を第1運動状態量の学習値として記憶する第1運動状態量学習部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  5. 前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、その第1運動状態関連量センサの検出値を累積的に処理して第1運動状態量を取得するものであり、
    前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態関連量センサの断線時間が断線確定時間より長い場合に断線確定情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理し、前記断線時間が前記断線確定時間より短い瞬断時間より長い場合に瞬断情報を前記車両挙動制御装置に認識可能な状態に処理する断線処理部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  6. 前記車両挙動制御装置が、(a)前記運動状態量処理装置から供給された前記第1運動状態量と前記車両の実際の挙動とに基づいて、前記車両の挙動が予め定められた設定挙動である場合の前記第1運動状態量を第1運動状態量の学習値として記憶する第1運動状態量学習部と、(b)前記瞬断情報を認識した場合に、前記第1運動状態量学習部において記憶された第1運動状態量の学習値の前回値を保持する学習値保持部と、(c)前記断線確定情報を認識した場合に、前記第1運動状態量学習部において記憶された第1運動状態量の学習値を消去する学習値消去部とを含む請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記第1運動状態量取得装置が、前記運動状態量に関連する第1運動状態関連量を検出する第1運動状態関連量センサを備え、
    前記運動状態量処理装置が、前記第1運動状態量取得装置が正常であって、かつ、前記第1運動状態量と前記第2運動状態量との差の絶対値が前記設定値より大きい場合に、前記第1運動状態関連量センサの断線確定時間より短い断線が複数回起きたと判定する複数瞬断判定部を含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  8. 当該車両制御システムが、(i)前記車両の左右後輪に連結されたタイロッドと、(ii)アクチュエータとしての電動モータの回転を前記タイロッドの軸方向の移動に変換する運動変換機構とを備えた後輪舵角制御装置を含み、
    前記第1運動状態量取得装置が、前記電動モータの回転に伴って周期的に変化する信号を出力する回転信号出力部を備え、その回転信号出力部によって出力された信号を累積的に処理することにより前記電動モータの基準位置からの回転角度を取得して、前記タイロッドの前記軸方向の移動量を取得して、前記第1運動状態量としての前記左右後輪の転舵角度である第1後輪舵角を取得する第1後輪舵角取得装置である請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  9. 当該車両制御システムが、(i)前記車両の左右後輪に連結されたタイロッドと、(ii)アクチュエータとしての電動モータの回転を前記タイロッドの軸方向の移動に変換する運動変換機構とを備えた後輪舵角制御装置を含み、
    前記第2運動状態量取得装置が、前記タイロッドの前記軸方向の移動量を取得するタイロッド移動量検出部を含み、そのタイロッド移動量検出部によって検出された前記タイロッドの移動量に基づいて前記第2運動状態量としての前記左右後輪の舵角を取得する第2後輪舵角取得装置である請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  10. 車両の運動状態を表す運動状態量に基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置と、
    前記運動状態量を取得する第1運動状態量取得装置と、
    前記運動状態量を取得する、前記第1運動状態量取得装置とは別の第2運動状態量取得装置と
    を含む車両制御システムであって、
    前記車両挙動制御装置を、前記第1運動状態量取得装置によって取得された前記運動状態量である第1運動状態量と前記第2運動状態量取得装置によって取得された前記運動状態量である第2運動状態量との差の絶対値が設定値より大きい場合に、前記車両挙動の制御を行わないものとしたことを特徴とする車両制御システム。
  11. 車両の運動状態に関連する運動状態関連量を検出する運動状態関連量検出部を備え、その運動状態関連量検出部によって検出された運動状態関連量に基づいて前記運動状態を表す運動状態量を取得する運動状態量取得装置と
    その運動状態量取得装置によって取得された運動状態量を処理して、基準運動状態量を取得する運動状態量処理部を備え、少なくともその運動状態量処理部によって得られた前記基準運動状態量に基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置と
    を含み、前記車両挙動制御装置を、前記運動状態関連量検出部の断線状態が断線確定時間以上続いた場合に、前記車両挙動の制御を行わず、前記運動状態関連量検出部の断線状態が前記断線確定時間より短い瞬断時間以上続いた場合に、前記運動状態量の処理を行わないで、前記基準運動状態量の前回値を保持するものとしたことを特徴とする車両制御システム。
  12. 車両の左右後輪の転舵角度である後輪舵角を取得する後輪舵角取得装置と、
    その後輪舵角取得装置によって取得された後輪舵角に基づいて、前記車両が直進走行状態にある場合の後輪舵角である直進舵角を学習により取得する直進舵角取得装置と
    を含む走行状態取得装置であって、
    前記直進舵角取得装置が、前記後輪舵角取得装置が異常である可能性がある場合に、前回の学習により取得された前記直進舵角を保持する前回値保持部を含むことを特徴とする走行状態取得装置。
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