JP4431703B2 - 金属強化繊維とチタニウム又はチタニウム系合金からなる繊維強化複合材料とその放電プラズマ焼結法(sps法)による作製方法 - Google Patents

金属強化繊維とチタニウム又はチタニウム系合金からなる繊維強化複合材料とその放電プラズマ焼結法(sps法)による作製方法 Download PDF

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本願発明は、SiC(炭化けい素)繊維等の金属強化繊維とチタニウム又はチタニウム系合金からなる繊維強化複合材料とその放電プラズマ焼結法(SPS法)による作製方法に関する。
従来繊維強化チタニウム基複合材料は、金属強化繊維とチタニウム又はチタニウム系合金をホットプレス法やHIP法により焼結して作製している。例えばチタニウム系合金(Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn)箔とSiC(炭化けい素)繊維を積層し、ホットプレス法により作製した繊維強化複合材料(例えば非特許文献1参照)、或いはチタニウム系合金(Ti−6Al−4V)箔と、SiC(炭化けい素)繊維とチタニウム系合金粉体からなるテープ予備成形体とを積層し、ホットプレス法により作製したゴルフクラブ用の繊維強化複合材料(例えば特許文献1参照)等が提案されている。
ここで、以下本願において、SiC(炭化けい素)繊維をSiC繊維と呼び、Ti−6Al−4Vを64Ti合金と呼ぶ。
特表2002−520127号公報 出井裕,「Al基およびTi基繊維強化複合材料(FRM)の特性評価に関する研究」,研究概要報告書国際交流報告書(14),財団法人天田金属加工機械技術振興財団,平成14年2月,P.88−93
従来のホットプレス法により、チタニウム系合金箔とSiC繊維とを積層して作製した繊維強化複合材料、或いはチタニウム系合金箔と、SiC繊維とチタニウム系合金粉体からなるテープ予備成形体とを積層して作製した繊維強化複合材料は、繊維とマトリックスの界面の密着性が低く界面の接合強度が低いため、繊維がマトリックスから抜け易く、繊維強化複合材料の引張強度が低くなる。
本願発明は、この点に鑑み、SiC繊維等の金属強化繊維とマトリックスとの密着性及び界面の接合強度を高くし、引張強度の高いSiC繊維等の金属強化繊維とチタニウム又はチタニウム系合金からなる繊維強化複合材料を作製し、その繊維強化複合材料を用いて作製するゴルフクラブ等の製品の強度を高くすることを目的とする。
請求項1に記載の繊維強化複合材料は、所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とチタニウムの粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層し放電プラズマ焼結法により焼結加圧60MPa以上、焼結温度800℃以上で焼結して作製したことを特徴とする。
請求項2に記載の繊維強化複合材料は、所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とTi−6Al−4V合金の粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して放電プラズマ焼結法により焼結加圧30MPa以上、焼結温度900℃以上で焼結して作製したことを特徴とする。
請求項3に記載の繊維強化複合材料は、請求項1叉は請求項2に記載の繊維強化複合材料をゴルフクラブの作製に用いることを特徴とする。
請求項4に記載の繊維強化複合材料は、請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材料を航空宇宙機器用材料の作製に用いることを特徴とする。
請求項5に記載の繊維強化複合材料の作製方法は、所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とチタニウムの粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して焼結ダイに充填し、焼結ダイの一対のパンチに焼結加圧60MPa以上の圧力をかけて圧縮し、その一対のパンチに直流パルス電流を印加して放電プラズマを発生し、焼結温度800℃以上で焼結体を作製することを特徴とする。
請求項6に記載の繊維強化複合材料の作製方法は、繊維強化複合材料の作製方法所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とTi−6Al−4V合金の粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して焼結ダイに充填し、焼結ダイの一対のパンチに焼結加圧30MPa以上の圧力をかけて圧縮し、その一対のパンチに直流パルス電流を印加して放電プラズマを発生し、焼結温度900℃以上で焼結体を作製することを特徴とする。
本願発明は、SiC繊維等の金属強化繊維とチタニウムの粉体又はチタニウム系合金の粉体を用いて、放電プラズマ焼結法によって繊維強化複合材料を作製することにより、その粉体がSiC繊維等の金属強化繊維の周囲に均一に分散し、その粉体とSiC繊維等の金属強化繊維が緻密に強固に接合するため、従来の同じ種類のチタニュウム又はチタニウム系合金を用いて作製した繊維強化複合材料よりも、引張強度やヤング率の高い繊維強化複合材料を作製できる。また本願発明の繊維強化複合材料は、高い耐熱性を有する。また本願発明の繊維強化複合材料は、SiC繊維等の金属強化繊維の高い耐摩耗性と、SiC繊維等の金属強化繊維とマトリックスの高い密着性及び界面の高い接合強度とが相俟って高い耐摩耗性を有する。また本願発明の繊維強化複合材料は、高い耐熱性を有している。したがって本願発明により、チタニウム又はチタニウム系合金の利用範囲を拡大することができる。
また本願発明によるチタニウム又は64Ti合金等のチタニウム系合金の繊維強化複合材料は強度が高いから、この繊維強化複合材料を用いてゴルフクラブのヘッドを作製すると、ヘッドの肉厚を薄くすることができ、より軽いヘッドを作製できる。またヘッドのフェイス部分にこの繊維強化複合材料を採用した場合には、フェイス部分を薄くできるから、その分打球面の面積を大きくすることができ、打球方向の安定したゴルフクラブを作製できる。64Ti合金以外のチタニウム系合金の繊維強化複合材料についても同様である。
64Ti合金は、航空宇宙機器用材料として多用されているが、64Ti合金の使用温度は500〜600℃が限度である。本願発明の繊維強化複合材料は、高温での強度低下が少なく、800℃においても、繊維強化複合材料の引張強度は64Ti合金の室温時の強度に匹敵している。また本願発明の繊維強化複合材料は、比強度が高い。したがって、本願発明の繊維強化複合材料は、ジェットエンジン、ロケットエンジン等に使用する耐熱材料としての応用が可能であり、航空宇宙機器用材料に適している。64Ti合金以外のチタニウム系合金の繊維強化複合材料についても同様である。
本願発明の実施の形態は、SiC繊維とチタニウム又はチタニウム系合金の粉体を用い、それらを放電プラズマ焼結法によって焼結し、繊維強化複合材料を作製する。
図1は、本願発明の実施の形態に用いた放電プラズマ焼結装置の概要を示す。
図1において、11は真空チャンバー、12は焼結ダイ、131,132は上部パンチ,下部パンチ、151,152は上部パンチ電極,下部パンチ電極、14は焼結材料、16は焼結電源、17は加圧装置である。なお焼結電源16及び加圧装置17は、制御装置(図示せず)により、焼結条件等が設定される。
繊維強化複合材料の作製には、まず焼結材料14のSiC繊維とマトリックスを、交互に夫々複数層積層して焼結ダイ12に充填する。焼結材料14を焼結ダイ12に充填すると、加圧装置17によりパンチ電極151,152、及びパンチ131,132にX1方向の圧力をかけて焼結材料14を圧縮する。この状態でパンチ電極151,152に直流のON,OFFパルス電流を印加すると、ON時に高温の放電プラズマが発生し、瞬時に発生するプラズマの高エネルギーが熱拡散と電界拡散によりSiC繊維とマトリックスの粉体中を高速で分散して、SiC繊維とマトリックスを焼結する。その際直流パルス電流は、ON,OFFを繰返すためマトリックスの粒子の成長は少なく、微細な組織が生成する。またマトリックスは、粉体であるから所定の間隔で配列されたSiC繊維の周囲に均一に分散し、かつSiC繊維とマトリックスは、放電プラズマの放電衝撃圧力により表面がスパッタされるため、それらは緻密に強固に接合し、高い密着性と界面の高い接合強度が得られる。
ここで放電プラズマ焼結装置は、住友石炭鉱業社製装置(DR.SINTER SPS3.20MK−IV)を用い、SiC繊維は、米国Specialty Materials社製のSCS−6(連続繊維)を用いた。
1層のSiC繊維は、直径約150μmの繊維を間隔約150μmで平行に配列してあり、各繊維は炭素の芯線の周囲にSiCを蒸着してある。マトリックスは、チタニウム(Ti)の粉体と64Ti合金の粉体を用い、チタニウム粉体は、粒径が約45〜100μmのものを用い、64Ti合金粉体は、粒径が約35〜55μmのものを用いた。SiC繊維は、4層積層し、繊維の長手方向が1層毎に直交するように積層した。なおそれらの粉体の粒径は、前記粒径に限らず他の粒径でもよいし、超微粉体(ナノサイズ)でもよい。
また焼結条件は、直流パルス電流のON・OFF周期(1周期)3.3msec、ON/OFF比12/2、昇温速度200℃/分、充填加圧20MPa、保持時間15分、炉冷に設定し、焼結温度と焼結加圧を後述する値に設定して、真空中で焼結した。
マトリックスは、チタニウム(純Ti)である。
焼結温度は、600,700,800,900,1000,1100℃、焼結加圧は、30,60,75MPaに設定した。
図2は、焼結体の焼結温度に対する相対密度を示し、焼結体が、チタニウムのみからなる場合の特性である。焼結加圧は、30,60MPaの場合である。
焼結体の相対密度は、焼結加圧が60MPaの場合は焼結温度800℃で100%になり、焼結加圧が30MPaの場合は焼結温度1000℃で100%になる。
図3は、焼結体の焼結温度に対する引張強度を示し、焼結体がSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の場合と、焼結体がチタニウム(純Ti)のみからなる場合の特性である。焼結加圧は、60,75MPa、SiC繊維含有率Vfは、21.5%の場合である。
繊維強化複合材料の引張強度は、焼結加圧が60MPaの場合、焼結温度が800℃のとき最高になり、1000℃まで略同じであるが、1000℃を越すと低下する。焼結加圧が75MPaの場合、焼結温度が800〜900℃のとき最高になり、900℃を越すと低下する。一方チタニウムのみからなる焼結体の引張強度は、焼結加圧が75MPaの場合、焼結温度が1100℃のとき最高になり、焼結加圧が60MPaの場合、焼結温度が1000℃のとき最高になる。
従来のチタニウムの引張強度は、550MPa(JIS3種)程度であるから、SiC繊維とチタニウム粉体を放電プラズマ焼結法によって焼結し複合化することにより、引張強度を飛躍的に高くすることができる。
本実施例は、SiC繊維とチタニウム粉体を用いて、放電プラズマ焼結法によって焼結するため、チタニウム粉体の粒子がSiC繊維の周囲に均一に分散し、かつ放電プラズマのスパッタ作用により、SiC繊維とチタニウム粉体が緻密に接合して、密着性が高くなり界面の接合強度が高くなるために引張強度が高くなると考えられる。
図4は、焼結体のSiC繊維の含有率に対する引張強度を示し、焼結体がSiC繊維/チタニウムからなる場合の繊維強化複合材料の特性である。焼結温度は、800℃、焼結加圧は、60MPaの場合である。
図の理論値は、次の複合材料の強度の複合側より算出した。
σc=Vfσf+(1−Vf)σm
ただし、σcは複合材料の引張強さ、σfは繊維の引張強さ、σm:マトリックスの引張強さ、Vfは繊維の体積含有率である。
繊維強化複合材料の引張強度は、SiC繊維の含有率が20%を越すとほとんど増加しなくなり、理論値との差が大きくなる。これは、SiC繊維の含有率が20%を超えると、SiC繊維の間隔が小さくなる、或いは繊維同士が接触するため、SiC繊維の周囲にマトリックスの粒子が十分に分散できなくなることによるものと考えられる。
図5は、焼結体の焼結温度に対するヤング率を示し、焼結体が、SiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の場合の特性である。焼結加圧は、60,75MPa、SiC繊維含有率Vfは、21.5%の場合である。
チタニウムのヤング率は、106GPa程度(JIS第1,2種)であるから、SiC繊維とチタニウム粉体を放電プラズマ焼結法によって焼結することにより、ヤング率を高くすることができる。なおSiC繊維のヤング率は、400GPa程度である。
図6は、焼結体の使用温度(試験温度)に対する引張強度の変化を示し、焼結体がSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の場合と、焼結体がチタニウムのみからなる場合の特性である。繊維強化複合材料のSiC繊維の含有率Vfは、30%の場合である。
焼結体の引張強度は、使用温度が高くなると焼結体が繊維強化複合材料の場合も、焼結体がチタニウムのみからなる場合もともに低くなるが、繊維強化複合材料の引張強度は、使用温度が高くなってもチタニウムのみからなる焼結体よりも依然として高く、800℃においても略800MPaを保持し、チタニュウムの常温の引張強度よりも高い引張強度を保持している。即ち繊維強化複合材料の引張強度は、使用温度が高くなってもSiC繊維の優れた高温強度の効果が失われずに保たれている。
ここで図10と図11により、本実施例と従来の繊維強化複合材料の引張試験片の破断面のSEM写真について説明する。
図10は、本実施例のSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の写真で、図10(a)は室温における写真であり、図10(b)は800℃における写真である。図10(a)の室温における破断面を見ると、繊維はマトリックスから抜けることなく切断し、かつマトリックスは、繊維の周囲に均一に隙間なく分散して繊維とマトリックスとが、緻密に強固に接合していることが分かる。また図10(b)の800℃における破断面を見ると、800℃においても、繊維はマトリックスから抜けることなく切断し、かつマトリックスと繊維の間には、ほとんど隙間を生じることなく緻密に強固に接合していることが分かる。
一方図11は、SiC繊維とTi−15V−3Cr−3Al−3Sn箔とを、ホットプレス法により焼結して作製した、従来の繊維強化複合材料の800℃における写真である。図11の破断面を見ると、繊維はマトリックスから抜けかけた状態で切断し、かつマトリックスと繊維の間には隙間が生じている。
このように本実施例のSiC繊維とチタニウムからなる繊維強化複合材料は、高温においても従来のホットプレス法によって作成した繊維強化複合材料よりも高い引張強度を保持している。
マトリックスは、64Ti合金である。
焼結温度は、800,900,1000℃、焼結加圧は、30,60MPaに設定した。
図7は、焼結体の焼結温度に対する相対密度を示し、焼結体が64Ti合金のみからなる場合の特性である。焼結加圧は、30,60MPaの場合である。
焼結体の相対密度は、焼結加圧が30,60MPaの場合ともに焼結温度が900℃で略100%になる。
図8は、焼結体の焼結温度に対する引張強度を示し、焼結体がSiC繊維/64Ti合金からなる繊維強化複合材料の場合と64Ti合金のみからなる場合の特性である。焼結加圧は、30,60MPa、繊維強化複合材料のSiC繊維の含有率Vfは、23.5%の場合である。
繊維強化複合材料の引張強度は、焼結加圧が30,60MPaの場合ともに焼結温度が900℃のとき最高になる。一方64Ti合金のみからなる焼結体の引張強度は、焼結加圧が60MPaの場合、焼結温度が800℃のとき最高になり、900〜1000℃のときやや低下する。焼結加圧が30MPaの場合、焼結温度が900〜1000℃とき最高になる。
マトリックスの64Ti合金の引張強度は、960MPa程度であるから、SiC繊維と64Ti合金粉体を放電プラズマ焼結法によって焼結することにより、引張強度を飛躍的に高くすることができる。
因みに従来のSiC繊維とTi−15V−3Cr−3Al−3Sn箔とをホットプレス法によって作製した繊維強化複合材料の引張強度は、最高1375MPa程度(焼結温度730℃、焼結加圧60MPaのとき)であるが、本願発明のSiC繊維/64Ti合金の繊維強化複合材料の引張強度は、その数値よりも相当高くなる。Ti−15V−3Cr−3Al−3Snと64Ti合金の引張強度は、略同じ1171MPa程度であるから、繊維強化複合材料の引張強度は、放電プラズマ焼結法よって繊維強化複合材料を作製することによりホットプレス法によって作製する場合よりも高くすることができる。
本実施例は、SiC繊維と64Ti合金粉体を用いて、放電プラズマ焼結法によって焼結するため、64Ti合金粉体の粒子がSiC繊維の周囲に均一に分散し、かつ放電プラズマのスパッタ作用により、SiC繊維と64Ti合金粉体が緻密に接合して、密着性が高くなり界面の接合強度が高くなるために引張強度が高くなると考えられる。
図9は、焼結体の焼結温度に対するヤング率を示し、焼結体がSiC繊維/64Ti合金からなる繊維強化複合材料の場合の特性である。焼結加圧は、30,60MPa、繊維強化複合材料のSiC繊維の含有率Vfは、23.5%の場合である。
焼結体のヤング率は,焼結加圧が60MPaの場合、焼結温度が800〜1000℃のとき最高になり、焼結加圧が30MPaの場合、焼結温度が900〜1000℃のとき最高になる。64Ti合金のヤング率は、100GPa程度であるから、SiC繊維と64Ti合金粉体を放電プラズマ焼結法によって焼結することによりヤング率を高くすることができる。
本実施例の繊維強化複合材料の引張強度は、焼結温度900℃、焼結加圧60MPaで焼結したとき1699MPaになり、そのヤング率は、焼結温度900〜1000℃、焼結加圧60MPaで焼結したとき170〜176GPaとなり、従来の64Ti合金の繊維強化複合材料では得られなかった高い引張強度やヤング率を得ることができる。そして本実施例の繊維強化複合材料は、実施例1のSiC繊維とチタニウムからなる繊維強化複合材料の場合と同様に高温においても高い引張強度を保持している。また本発明の繊維強化複合材料は、SiC繊維の高い耐摩耗性と、繊維とマトリックスの高い密着性及び界面の高い接合強度とが相俟って高い耐摩耗性を有している。したがって本願の発明は、チタニウム系合金の中でも利用頻度の高い64Ti合金の利用範囲をさらに広くすることができる。
本実施例の64Ti合金の繊維強化複合材料は、比強度が高いから、この繊維強化複合材料を用いてゴルフクラブのヘッドを作製すると、ヘッドの肉厚を薄くすることができ、より軽いヘッドを作製できる。またヘッドのフェイス部分にこの繊維強化複合材料を採用した場合には、フェイス部分を薄くできるから、その分打球面の面積を大きくすることができ、打球方向の安定したゴルフクラブを作製することができる。
本実施例の64Ti合金の繊維強化複合材料は、比強度が高く、高温強度、耐熱性、耐磨耗性、耐食性も高いから、機体や翼、ジェットエンジンやロケットエンジン等の航空宇宙機器用材料に適している。64Ti合金は、航空宇宙機器用材料として多用されているが、使用温度は500〜600℃が限度である。本実施例の繊維強化複合材料は、実施例1のSiC繊維とチタニウムからなる繊維強化複合材料の場合と同様に、高温での強度低下が少なく、800℃においても、64Ti合金の室温時の引張強度に匹敵する引張強度を有している。したがって、本願発明の繊維強化複合材料は、ジェットエンジン、ロケットエンジン等に使用する耐熱材料としての応用が可能である。
実施例1,2は、マトリックスにチタニウムと64Ti合金を用いた例について説明したが、64Ti合金以外のチタニウム系合金、例えば、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2Sn−6V、Ti−3Al−2.5V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Cr−4Mo、Ti−3Al−10V−2Fe、Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−4Mo−8V−6Cr−4Zr−3Al、Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn等にいても、本願の発明を適用できる。
実施例1,2は、金属強化繊維としてSiC繊維を用いた例について説明したが、金属強化繊維は、SiC繊維に限らず、アルミナ、ボロン、窒化けい素、グラファイト、炭化チタン等の繊維であってもよい。
また本願発明により作製した繊維強化複合材料は、ゴルフクラブ、航空宇宙機器に限らず、自動車、自転車等の輸送機器、超伝導用機器、医用インプラント等のように高い強度、耐食性、耐磨耗性等が要求される分野の材料に適している。
本願発明の繊維強化複合材料の作製に用いる放電プラズマ焼結装置の構成図である。 本願発明により作製したチタニウムの焼結体の焼結温度に対する密度の関係を示す図である。 本願発明により作製したチタニウムの焼結体と、SiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の焼結温度に対する引張強度の関係を示す図である。 本願発明により作製したSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料のSiC繊維の含有率と引張強度の関係を示す図である。 本願発明により作製したSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の焼結温度に対するヤング率の関係を示す図である。 本願発明により作製したチタニウムの焼結体と、SiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の使用温度に対する引張強度の変化を示す図である。 本願発明により作製した64Ti合金の焼結体の焼結温度に対する密度の関係を示す図である。 本願発明により作製した64Ti合金の焼結体と、SiC繊維/64Ti合金からなる繊維強化複合材料の焼結温度に対する引張強度の関係を示す図である。 本願発明により作製したSiC繊維/64Ti合金からなる繊維強化複合材料の焼結温度に対するヤング率の関係を示す図である。 本願発明により作製したSiC繊維/チタニウムからなる繊維強化複合材料の破断面のSEM写真である。 一方図11は、従来のSiC繊維とTi−15V−3Cr−3Al−3Sn箔とを、ホットプレス法により焼結して作製した繊維強化複合材料の破断面の写真である。
符号の説明
11 真空チャンバー
12 焼結ダイス
131,132 上部パンチ,下部パンチ
14 焼結材料
151,152 上部パンチ電極,下部パンチ電極
16 焼結電源
17 加圧装置
X1 加圧方向

Claims (6)

  1. 所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とチタニウムの粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層し放電プラズマ焼結法により焼結加圧60MPa以上、焼結温度800℃以上で焼結して作製した繊維強化複合材料。
  2. 所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とTi−6Al−4V合金の粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して放電プラズマ焼結法により焼結加圧30MPa以上、焼結温度900℃以上で焼結して作製した繊維強化複合材料。
  3. ゴルフクラブの作製に用いる請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材料。
  4. 航空宇宙機器用材料の作製に用いる請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材料。
  5. 所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とチタニウムの粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して焼結ダイに充填し、焼結ダイの一対のパンチに焼結加圧60MPa以上の圧力をかけて圧縮し、その一対のパンチに直流パルス電流を印加して放電プラズマを発生し、焼結温度800℃以上で焼結体を作製する繊維強化複合材料の作製方法。
  6. 所定の間隔で平行に配置した連続SiC(炭化けい素)繊維とTi−6Al−4V合金の粉体とを交互に夫々複数層積層し、連続SiC(炭化けい素)繊維の層は連続SiC(炭化けい素)繊維の長手方向が一層毎に直交するように積層して焼結ダイに充填し、焼結ダイの一対のパンチに焼結加圧30MPa以上の圧力をかけて圧縮し、その一対のパンチに直流パルス電流を印加して放電プラズマを発生し、焼結温度900℃以上で焼結体を作製する繊維強化複合材料の作製方法。
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