JP4383837B2 - 金属基複合材料の製造方法及びその方法で製造された複合材料 - Google Patents

金属基複合材料の製造方法及びその方法で製造された複合材料 Download PDF

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Description

本発明は金属基複合材料の製造方法及びその製造方法で製造された金属基複合材料に関し、より詳しくは、高融点金属薄板と低融点金属薄板、例えば、Ti(チタン)箔とAl(アルミニュウム)箔とを接合したTi−Al系複合材料、或いはNi(ニッケル)箔とAl箔とを接合したNi−Al系複合材料のような金属基複合材料を製造する方法及びその方法により製造された金属基複合材料に関する。
Ti−Al系金属間化合物は低比重で高強度を有し、かつ耐酸化性に優れているため軽量耐熱構造材料として注目されている。しかしながら、どとらかと言えば脆いためこの金属間化合物が単体として実用化された例は少ない。金属間化合物を強化層として用いた金属基複合材料(MMC)は、金属間化合物の有する強度、耐熱性と金属マトリックスの有する延性を合わせ持つため、全体として新しい特性が得られる可能性がある。
一方、Ni−Al系金属間化合物は高融点を有し、かつ耐酸化性にも優れているため、高温材料としての可能性が注目されている。しかしながら、室温においては高強度ではあるがどちらかと言えば変形能に乏しく、単相材として実用化された例は少ない。そのため、その常温延性を改善するための研究が行われており、NiAlに対し、侵入型不純物濃度、焼鈍、冷却速度などのプロセッシング条件、表面状態などを適正化することにより数%の常温延性を確保した例や、Ni3Alも対してB(ホウ素)を少量添加して室温での伸びや、圧延加工性を改善した例が報告されている。
日本金属学会誌第63巻第7号(1999)838−843「Ni/NiAl積層材料のき裂進展挙動」 日本金属学会誌第64巻第11号(2000)1076−1081「Ti/Ti−Al積層材料におけるき裂進展挙動」
このようなTi−Al系金属間化合物強化型複合材料の一種である、Ti箔とAl箔とを交互に重ねて接合したTi/金属間化合物積層型複合材料すなわちTi基複合材料を製造する従来の方法としては、真空ホットプレス法を用いて行われていたが、真空チャンバ内全体を長時間加熱する必要があり、1プロセス当たり数時間を要する問題があった。また、従来法で製造した場合、複合材料中に形成される金属間化合物層として、Al3Ti層の生成を避けることができない問題がある。Al3Tiはそのもの自体が変形能に乏しいのに加え、燃焼合成反応により生成したAl3Ti層は、互いの接合力が弱い直径数ミクロンの粒子の集合体として生成する。したがって、Al3Tiは複合材料の強化層として機能しにくく、その存在は複合材料の強度の低下をもたらす。従来製造されたTi−Al系金属基複合材料の強化層中にはAl3Tiが多量に含まれ、材料の強度と伸びとは、それぞれ550MPa及び1.8%である。
一方、Ni−Al系金属間化合物強化型複合材料の一種である、Ni箔とAl箔とを交互に重ねて接合したNi/金属間化合物積層型複合材料すなわちNi基複合材料を製造する従来の方法も、真空ホットプレス法を用いて行われていたが、Ti/金属間化合物複合材料の場合と同様に、真空チャンバ内全体を長時間加熱する必要があり、1プロセス当たり数時間を要する問題があった。また複合材料の製造中に、かかる複合材料の強度の低下を招くNiAl層の生成を避けることができない問題がある。このため、かかる複合材料の更なる強靱化を図ることが望まれている。
したがって、本発明の主目的は、上記のような従来の製造方法による問題点を無くした新たな金属基複合材料の製造方法及びその製造方法で製造された金属基複合材料を提供することである。
本発明の他の目的は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法(プラズマ活性化焼結法又は放電焼結法とも呼ばれる)の原理を利用した直流パルス通電圧接法(PCHP)により、耐熱性、強度、等の物理的特性及び耐酸化性のような化学的特性の優れた金属基複合材料を短時間で製造できる製造方法及びそのような製造方法で作られた複合材料を提供することである。
本発明の別の目的は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法の原理を利用して、耐熱性、強度、等の物理的特性及び耐酸化性のような化学的特性の優れたTi基複合材料を短時間で製造できる方法及びその方法によって製造された複合材料を提供することである。
本発明の別の目的は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法の原理を利用してTi箔及びAl箔を圧接することによりAl3Tiの生成を極力少なくし、耐熱性、強度、等の物理的特性及び耐酸化性のような化学的特性の優れたTi基複合材料を短時間で製造できる方法及びその方法によって製造された複合材料を提供することである。
本発明の更に別の目的は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法の原理を利用して、耐熱性、強度、等の物理的特性及び耐酸化性のような化学的特性の優れたNi基複合材料を短時間で製造できる方法及びその方法によって製造された複合材料を提供することである。
本発明の更に別の目的は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法の原理を利用してNi箔及びAl箔を圧接することによりNiAlの生成を極力少なくし、耐熱性、強度、等の物理的特性及び耐酸化性のような化学的特性の優れたNi基複合材料を短時間で製造できる方法及びその方法によって製造された複合材料を提供することである。
本発明によれば、高融点金属薄板及び低融点金属薄板とを接合してなる金属基複合材料の製造方法において、それぞれ所定の厚さを有する高融点金属薄板及び低融点金属薄板をそれぞれ複数枚交互に重ね合わせてプリフォーム体を作成し、前記プリフォーム体を、所定の圧力を加えた状態で、かつ前記高融点金属の融点より低くかつ高融点金属の融点の90%の温度より低く低融点金属の融点の120%の温度より高い温度範囲で恒温保持するように所定の時間の間、所定の電圧及び電流の直流パルス電流又は直流パルス電流と直流電流の重畳電流を流し、前記高融点金属薄板間に存在する前記低融点金属薄板を前記高融点金属と前記低融点金属との緻密な金属間化合物にさせて前記高融点金属薄板を互いに接合することを特徴とする金属基複合材料の製造方法が提供される。本発明において、高融点金属とは、例えばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)等の融点が1200℃以上で1900℃以下の金属を言い、低融点金属とは、例えばアルミニュウム(Al)、マグネシウム等の融点が700℃以下の金属を言う。また、高融点金属及び低融点金属は互いに反応し合って化合物をつくる性質を有することも必要である。
なお、本発明において、プリフォーム体の温度の測定はプリフォーム体が装入されているダイの温度を測定することによって間接的に行っているので、前記及び下記の温度範囲における温度はダイで測定した間接的温度とする。
前記金属基複合材料の製造方法において、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であっても良い。
前記金属基複合材料の製造方法において、前記高融点金属薄板が厚さ10μmないし500μmのTi箔であり、前記低融点金属薄板が厚さ1μmないし50μmのAl箔であり、前記温度範囲が792℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であってもよい。この場合、前記Al箔の厚さが1μm以上20μm以下であり、前記温度範囲が792℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であっても、或いは前記Al箔の厚さが20μmを超え50μm以下であり、前記温度範囲が900℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaでり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であってもよい。
更にまた、上記金属基複合材料の製造方法において、前記高融点金属薄板が厚さ10μmないし500μmのNi箔であり、前記低融点金属薄板が厚さ1μmないし50μmのAl箔であり、前記温度範囲が792℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaでり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であってもよい。この場合において、前記Al箔の厚さが1μm以上20μm以下であり、前記温度範囲が792℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaでり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲でであっても、或いは前記Alの厚さが20μmを超え50μm以下であり、前記温度範囲が900℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaでり、恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であってもよい。
また、本発明によれば、それぞれ複数枚の高融点金属薄板と低融点金属薄板とを交互に重ね合わせて前記方法で製造した金属基複合材料であって、隣り合う前記高融点金属薄板が、前記高融点金属と前記低融点金属との緻密な金属間化合物を介在させて接合されている金属基複合材料が、それぞれ複数枚のTi箔とAl箔とを交互に重ね合わせて前記方法で製造されたTi基複合材料であって、隣り合う前記Ti箔が、前記Tiと前記Alとの緻密な金属間化合物を介在させて接合されているTi基複合材料が、或いはそれぞれ複数枚のNi箔とAl箔とを交互に重ね合わせて前記方法で製造されたNi基複合材料であって、隣り合う前記Ni箔が、前記Niと前記Alとの緻密な金属間化合物を介在させて接合されているNi基複合材料が提供される
請求項1ないし8に記載された本発明によれば、脆く或いは延性に乏しい金属間化合物の生成を阻止した金属基複合材料を短時間で製造できる。また、請求項3ないし5に記載された発明によれば、Al3Tiを殆ど或いは全く含まないTi/金属間化合物積層型複合材料を、かつ請求項6ないし8に記載の発明によればNiAlを殆ど或いは全く含まないNi/金属間化合物積層型複合材料を、短時間で製造できる。更に、変形したこれらの金属の箔を用いることによって、任意の形状の製品を直接製造できる。用いる金属箔の厚さ比を選択することによって、使用目的に応じた機械的特性を得ることができる。
発明の実施の形態
以下本発明の実施の形態について、2種の金属箔を接合して製造する場合について説明する。
まず、所望の厚さを有する高融点金属からなる金属箔と、低融点金属からなる金属箔とを、それぞれ複数枚用意する。これらの高融点金属箔及び低融点金属箔を、図1[A]に示されるように、高融点金属箔1と低融点金属箔2とが交互に配置されるように積層し、プリフォーム体(金属箔を単に積み重ねただけの状態)3を形成する。本発明において、高融点金属とは、例えばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)等の融点が1200℃以上で1900℃以下の金属を言い、低融点金属とは、例えばアルミニュウム(Al)、マグネシウム等の融点が700℃以下の金属を言う。また、高融点金属及び低融点金属は互いに反応し合って化合物をつくる性質を有することも必要である。
このように形成されたプリフォーム体3を、図2[B]及び[C]に示される円筒状のグラファイト(又は導電性セラミック)製のダイ5内で上下のパンチ6及び7の間に装入する。この場合、ダイが円筒状で内面形状が円形であるのに対してプリフォーム体の平面形状が四角形であるので、公知の分割式のジグ8をダイ5内に装着してダイ内の空間の平面形状をプリフォーム体の形状に合わせてある。このようにしてプリフォーム体3が装入されたダイ5及びパンチ6,7を、図2[A]に示されるように、パルス通電加圧接合装置10の真空チャンバ11内で一対の通電加圧電極12及び13の間に、パンチ6及び7の外端が通電加圧電極12及び13の対応する端部にそれぞれ接触するように、セットする。このパルス通電加圧接合装置10は、放電プラズマ焼結法又はパルス通電加圧焼結法(プラズマ活性化焼結法又は放電焼結法とも呼ばれる)の原理を応用した加圧接合装置であるが、市販の放電プラズマ焼結装置(例えば住友石炭鉱業(株)製、Dr. Sinter)を使用してもよい。セットした後、真空チャンバ11内を所定の真空度の雰囲気に保ち、パルス通電加圧接合装置10の加圧装置15により一対の通電加圧電極12、13を介してプリフォーム体3を所定の範囲の圧力を加えた状態の下で、電源装置16から通電電極に所定の電圧、電流の直流パルス電流(直流電流と直流パルス電流との重畳電流でもよい)を流す。
上記所定の真空状態とは、好ましくは、100Pa以下の真空度、より好ましくは、10Pa以下の真空度を言う。また、所定の圧力とは、接合すべき金属の種類によっても異なるが、好ましくは1kPaないし100MPa、より好ましくは、2.5kPaないし50MPaである。その理由は圧力が上記範囲より低いと成形後の圧接製品に未接合部分が残存することとなるからであり、また高すぎるとカーボン(グラファイト)又は導電性セラミックのダイの破損、もしくは、材料のパンチとダイとの間の隙間への侵入が起こるからである。
更に、直流電圧は、好ましくは0.1Vないし10.0Vであり、直流パルス電流は、金属の種類及びプリフォーム体の厚さ並びにプリフォーム体の圧接に必要な昇温速度によって異なるが、好ましくは1Aないし30000A、より好ましくは50Aないし25000Aである。その理由は、その電流値が上記範囲より低すぎると放電不十分による、材料中の未接合部分の残存が発生することとなるからであり、高すぎると材料製造中の部分的溶融によるポアの材料中への残存を来すこととなるからである。
上記のように直流パルス電流を流すと、プリフォーム体3は昇温し始める。温度が所定の値になったら、その温度(恒温保持温度)を所定の時間(恒温保持時間)保持するように、通電加圧電極を通して流すパルス電流を調節する。プリフォーム体の温度はプリフォーム体に近接して設けた温度センサによって測定しても、公知の間接的に測定する温度センサでもよい。
昇温速度は接合する金属の種類によって異なるが、好ましくは、0.1K/sないし8.3K/s、より好ましくは、0.5K/sないし2.5K/s、また、上記恒温温度は、接合する金属の種類によって異なるが、好ましくは、高融点金属の融点の90%の温度より低く低融点金属の融点の120%の温度より高い温度範囲、より好ましくは、高融点金属の融点の90%の温度より低く低融点金属の融点の135%の温度より高い温度範囲である。その理由は、温度がこの範囲を外れると、もろい金属間化合物層の材料中での生成、もしくは、金属間化合物全体の消失による合金化が生じるからである。また、恒温保持時間も接合する金属の材質、各金属箔の厚さ、プリフォーム体の厚さによって異なるが、好ましくは、10秒ないし120分、より好ましくは1分ないし60分である。その理由は、時間がこの範囲を外れると、未接合部分の残存、もろい金属間化合物の残存、もしくは、金属間化合物全体の消失による合金化が生じるからである。
また、高融点金属がTiであり低融点金属がAlの場合には、真空度、圧力、昇温速度は前記の範囲でよいが、恒温温度範囲は、好ましくは792℃ないし1494℃であり、より好ましくは926℃ないし1099℃である。更に高融点金属がNiであり低融点金属がAlの場合には、真空度、圧力、昇温速度は前記の範囲でよいが、恒温温度範囲は、好ましくは792℃ないし1305℃であり、より好ましくは1050℃ないし1199℃である。
接合が完了した後、通電を停止し、加圧装置による加圧を解除する。
上記パルス通電圧接は次のような過程を経て進行し、最終製品である金属基複合材料が得られる。すなわち、図1[B]に示されるように、プリフォーム体が加熱されて低融点金属が溶融し、高融点金属との界面で燃焼合成反応が開始する。次に高融点金属箔1間に、図1[C]に示されるように、多孔質な金属間化合物が形成される。その後、図1[D]加圧下でのパルス電流の通電により高融点金属箔の層と金属間化合物の層との接合及び金属間化合物の層の緻密化が進行する。そして、図1[E]本発明の金属基複合材料が得られる。
厚さ40μmのTi(99.5at%)箔14枚と、厚さ12μmのAl(99.93at%)箔13枚を用意し、これらTi箔及びAl箔を交互に重ね合わせてプリフォーム体を形成した。なお、プリフォーム体とは、この明細書の説明においては、単に積み重ねた或いは重ね合わせただけの状態を言う。このプリフォーム体の寸法は、長さが65mm、幅が20mm、厚さが約0.7mmであった。このプリフォーム体を汎用型グラファイトダイ中にセットし、放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業(株)製SPS 1020)を用いて、昇温速度1.7K/s、恒温保持時間600秒(s)、真空度2Paの条件でパルス通電圧接を行った。この場合、恒温保持温度は900℃(1173K)、1000℃(1273K)及び1100℃(1373K)の3通りの条件で行った。測温はK型熱電対をグラファイトダイ内に挿入し、試料体側面から5mmの位置のダイ温度を測定することによって行った。加圧力はTi箔の隙間から溶融Alの流出を避けるため、室温から恒温保持温度までの昇温過程では2.7kPaとし、試料温度が恒温保持温度に達した後の恒温保持過程では32MPaとした。また、パルス通電の電圧は2.5Vで、昇温時における直流パルス電流は2000A、恒温保持中の電流は1400Aであった。
上記Ti箔及びAl箔のプリフォーム体のパルス通電圧接は、前述と同様に、次のような過程を経て進行し、最終製品である金属基複合材料が得られる。すなわち、プリフォーム体が加熱されてAlが溶融し、Tiとの界面で燃焼合成反応が開始する。次にTi箔1間に、図1[C]に示されるのと同様に、多孔質な金属間化合物が形成される。その後、図1[D]に示されるのと同様に、加圧下でのパルス電流の通電によりTi箔の層と金属間化合物の層との接合及び金属間化合物の層の緻密化が進行する。そして、本発明の金属基複合材料が得られる。
厚さ40μmのTi(99.5at%)箔12枚と、厚さ24μmのAl(99.93at%)箔11枚を用意し、これらTi箔及びAl箔を交互に重ね合わせてプリフォーム体を形成した。このプリフォーム体の寸法も、長さが65mm、幅が20mm、厚さが約0.7mmであった。このプリフォーム体を前記実施例1と全く同じ条件でパルス通電圧接をおこなった。この場合においてもパルス通電の電圧は2.5Vで、昇温時における直流パルス電流は2000A、恒温保持中の電流は1400Aであった。
上記のようにして製造した複合材料について、SEMとEPMAによる組織観察、及び引張試験による機械的性質の評価をについて以下で説明する。
厚さ40μmのTi箔と、厚さ12μmのAl箔とから製造したTi/金属間化合物複合材料すなわちTi基複合材料(以下TCOMP12)、及び厚さ40μmのTi箔と、厚さ24μmのAl箔とから製造したTi/金属間化合物複合材料すなわちTi基複合材料(以下TCOMP24)のSEMによる組織観察の結果を示すと図3及び図4に示されるようになる。いずれの複合材料もTiマトリックス層と強化層が交互に積層した構造を有しており、恒温保持温度900℃で製造した場合と、1000℃で製造した場合に複合材料中に形成される強化層の厚さはほぼ同じであった。これに対して、恒温保持温度1100℃で製造した場合は、TCOMP24に形成される強化層は極めて薄くなりTCOMP12においては、強化層は形成されなかった。
複合材料中に形成される各層の構造と組成を更に詳細に検討するために、Ti層と強化層との界面において、EPMAによる組織観察と成分分析を行った。図3及び図4中に示した箇所の成分分析結果は表1及び2にそれぞれ示されている。
図3に示すように、恒温保持温度900℃で製造したTCOMP12中に形成される強化層はAl3Ti層(1)、富Al(以下Al−richと呼ぶ)のAl−Ti層(2)、TiAl層(3)及びTi3Al層(4)の4種類の層からなる多層構造を有していたことが解る。これに対して、恒温保持温度1000℃で製造したTCOMP12中に形成される強化層は、Al−richのAl−Ti層(7)、TiAl層(8)及びTi3Al層(9)の3種類の層で構成されており、900℃で製造した場合には形成されたAl3Ti層は1000℃で製造した場合には消失し、逆に、Al−richのAl−Ti層とTiAl層の厚さが増した。また、900℃及び1000℃で製造したTCOMP12においてTiマトリックス中のAlの含有量が強化層中心部から同一距離で比較すると(図4中の5と10及び6と11)、明らかに、1000℃で製造したTCOMP12のTiマトリックス中のAl含有量が高かった。更に高温の恒温保持温度1100℃で製造したTCOMP12では強化層は形成されず、材料全体が約21at%のAlを有するTi−Al合金単相(12)となった。1100℃で製造した場合、目的とする複合材料は得られなかった訳であるが、別の観点からみれば、この結果はTi箔とAl箔とを交互に積層したプリフォーム体を、PCHPを用いて直接合金化できる可能性を示している。
TCOMP24においても、図4に示すように、恒温保持温度900℃で製造した場合には多数の粒子からなるAl3Ti層(1)、Al−richのAl−Ti層(3)、TiAl層(4)及びTi3Al層(5)の4種類の層からなる強化層が形成されることが解る。なお、Al3Ti層は、若干のAl−richのAl−Ti合金粒子(2)を含有していた。1000℃で製造した場合、強化層の構成は変わらないが、Al3Ti層(8)の厚さが減少し、逆に、Al−richのAl−Ti層(9)とTiAl層(10)の厚さが増した。但し、Al3Ti層を構成する粒子同士の接合は若干改善されていた。1100℃で製造された場合、大部分の強化層が消失し、形成される強化層は、TiAl層のみとなる。また、Tiマトリックス中のAl含有量は、TCOMP12と同様、恒温保持温度の上昇と共に増加した。
上記組織観察の結果から以下の事が導き出せる。
TCOMP12については、900℃で製造した場合、形成されるAl3Tiの平均厚さは2.5μmであり、1000℃で製造した場合、形成されるAl3Tiの平均厚さは0μmすなわち未形成である。
一方、TCOMP24については、900℃で製造した場合、形成されるAl3Tiの平均厚さは20.0μmであり、1000℃で製造した場合、形成されるAl3Tiの平均厚さは8.5μmである。
積層材料中に形成されるAl3Ti層の厚さと成形温度には直線的関係があり、成形温度の上昇と共に、直線的にAl3Ti層の厚さは減少する。厚さ減少率△T/△Kは、0.115(μm/K)である。
したがって、TCOMP12中に形成されるAl3Ti層は、900℃で製造した場合厚さが2.5μmであるから、926℃(1199K)以上で製造すれば、形成されない。
また、TCOMP24中に形成されるAl3Tiは、900℃で製造した場合20.0μmで1000℃で製造した場合8.5μmであるから、1074℃(1347K)以上で成形すればAl3Ti層は形成されないことになる。
TCOMP12及びTCOMP24に対して、室温にて引張試験を行った。得られた応力―歪み曲線を示すと図5及び図6に示されるようにはる。
900℃で製造したTCOMP12の引張強度及び伸びは、それぞれ677MPa及び3.44%であった。これに対して、1000℃で製造したTCOMP12の引張強度と伸びは、それぞれ810MPa及び3.64%であり、強度及び伸び共に900℃で製造したTCOMP12のそれらを上回った。しかし、更に高温の1100℃で製造したTCOMP12の場合、引張強度及び伸び共に著しく低下し、それぞれ486MPa及び0.4%となり、破壊は弾性限度内で起こった。
一方、TCOMP24の場合、複合材料製造の温度の上昇と共に、引張強度に大きな変化は見られないものの、伸びが著しく低下した。このことは、表2に示したように、複合材料製造温度の増加と共にTiマトリックス中のAlの含有量が著しく増加するために、引張変形時に強化層内に生じた亀裂の進展をTiマトリックスが十分抑制できなくなるためと考えられる。
厚さ50μmのNi(99.7at%)箔12枚と、厚さ12μmのAl(99.98at%)箔11枚を用意し、これらNi箔及びAl箔を交互に重ね合わせてプリフォーム体を形成した。なお、プリフォーム体とは、この明細書の説明においては、単に積み重ねた或いは重ね合わせただけの状態を言う。このプリフォーム体の寸法は、長さが65mm、幅が20mm、厚さが0.7mmであった。このプリフォーム体を汎用型グラファイトダイ中にセットし、前記実施例1及び2と同様に、放電プラズマ焼結装置(SPS 1020)を用いて、同じ条件、すなわち昇温速度1.7K/s、恒温保持時間600秒(s)、真空度2Paの条件でパルス通電圧接を行った。この場合、恒温保持温度は800℃(1073K)、900℃(1173K)、1000℃(1273K)及び1100℃(1373K)の4通りの条件で行った。測温はK型熱電対をカーボンダイに挿入し、試料体側面から5mmの位置のダイ温度を測定することによって行った。加圧力はNi箔の隙間から溶融Alの流出を避けるため、室温から恒温保持温度までの昇温過程では2.7kPaとし、試料温度が恒温保持温度に達した後の恒温保持過程では32MPaとした。また、パルス通電の電圧は2.5Vで、昇温時における直流パルス電流は2000A、恒温保持中の電流は1400Aであった。
上記Ni箔及びAl箔のプリフォーム体のパルス通電圧接は、前述と同様に、次のような過程を経て進行し、最終製品である金属基複合材料が得られる。すなわち、プリフォーム体が加熱されてAlが溶融し、Niとの界面で燃焼合成反応が開始する。次にNi箔1間に、図1の[C]に示されるのと同様に、多孔質な金属間化合物が形成される。その後、図1の[D]に示されるのと同様に、加圧下でのパルス電流の通電によりNi箔の層と金属間化合物の層との接合及び金属間化合物の層の緻密化が進行する。そして、本発明の金属基複合材料が得られる。
厚さ50μmのNi(99.7at%)箔10枚と、厚さ24μmのAl(99.98at%)箔9枚を用意し、これらNi箔及びAl箔を交互に重ね合わせてプリフォーム体を形成した。なお、プリフォーム体とは、この明細書の説明においては、単に積み重ねた或いは重ね合わせただけの状態を言う。このプリフォーム体の寸法は、長さが65mm、幅が20mm、厚さが約0.7mmであった。このプリフォーム体を前記実施例3と全く同じ条件でパルス通電圧接をおこなった。また、パルス通電の電圧は2.5Vで、昇温時における直流パルス電流は2000A、恒温保持中の電流は1400Aであった。
上記のようにして製造したNi基複合材料すなわちNi/金属間化合物積層型複合材料について、SEMとEPMAによる組織観察、及び引張試験による機械的性質の評価について以下で説明する。
厚さ50μmのNi箔と、厚さ12μmのAl箔とから製造したNi/金属間化合物複合材料すなわちNi基複合材料(以下NCOMP12)、及び厚さ50μmのNi箔と、厚さ24μmのAl箔とから製造したNi/金属間化合物複合材料すなわちNi基複合材料(以下NCOMP24)のSEMによる組織観察の結果を示すと図7及び図8に示されるようになる。
図7にNCOMP12のSEMによる組織観察結果が示されている。いずれの高温保持時間で製造した場合においても、その組織は、強化層(図7のa、b、c、d中の濃い灰色部分)とNi層(図7のa、b、c、d中の淡い灰色部分)が交互に積層した構造を有している。また、高い恒温保持温度で製造するほど複合材料中に占めるNiマトリックス層の体積分率は、減少する傾向が見られる。
TCOMP12中に形成される各層の構造と組成を更に詳細に検討するために、EPMAによる成分分析を行った。図7のe、f、g、h中に示した21箇所の組成分析結果が表3に示されている。いずれの成形温度で製造した場合においても、複合材料中に残留するAlは存在せず、Ni箔間に積層されたAl箔の全てが強化層の形成に消費されたことが確認された。また、強化層中に形成される富Ni(以下Ni−richと呼ぶ)のNi−Al合金層(2、7、8、12、16)の厚さは成形温度の上昇と共に増大した。1000℃以下の恒温保持温度で製造した場合、形成される金属管化合物層は、NiAl層(1、6、11)、Ni−richのNi−Al合金層(2、7、8、12)及びNi3Al層(3、9、13)の3種類の層から構成されている。なお、恒温保持温度900℃で製造した場合は、NiAl層(6)は、若干のNi−richのNi−Al合金粒子(7)を含んでいた。1000℃以下の温度で製造した場合に形成されるNiAl層中には、試料作成時に発生したと思われるボアの存在が認められる。また、NiAl層は多数の粒子から形成されており、中心部においては粒子の接合界面が明瞭に観察される。この事実は、NiAl層が複合材料の強化層として寄与しにくい事を示唆している。これに対し、1100℃で製造した場合、NiAl層は消失し、強化層を構成するのはNi−richのNi−Al合金層(16)及びNi3Al層(17、18)の2種類の層のみとなる。また、Ni3Al層はNi−richのNi−Al合金層の外側のみならず内側においてもネットワーク状に形成されている。また、1100℃で製造した複合材料の強化層近傍のNiマトリックス(19、20、21)中には、1000℃以下の温度で成形した場合と比較して、多量のAlの固溶が認められる。
図8にNCOMP24のSEMによる組織観察結果が示されている。いずれの高温保持時間で製造した場合においても、その組織は、強化層(図8のa、b、c、d中の濃い灰色部分)とNi層(図8のa、b、c、d中の淡い灰色部分)が交互に積層した構造を有している。また、高い恒温保持温度で製造するほど複合材料中に占めるNiマトリックス層の体積分率は、減少する傾向が見られる。
NCOMP24中に形成される各層の構造と組成を更に詳細に検討するために、EPMAによる成分分析を行った。図8のe、f、g、h中に示した21箇所の組成分析結果が表4に示されている。いずれの成形温度で製造した場合においても、複合材料中に残留するAlは存在せず、Ni箔間に積層されたAl箔の全てが強化層の形成に消費されたことが確認された。また、強化層中に形成される富Ni(以下Ni−richと呼ぶ)のNi−Al合金層(2、7、12、16)の厚さは成形温度の上昇と共に増大した。1000℃以下の恒温保持温度で製造した場合、形成される金属管化合物層は、NiAl層(1、6、11)、Ni−richのNi−Al合金層(2、7、12)及びNi3Al層(3、8、13)の3種類の層から構成されている。1000℃以下の温度で製造した場合に形成されるNiAl層中には、試料作成時に発生したと思われるボアの存在が認められる。また、NiAl層は多数の粒子から形成されており、中心部においては粒子の接合界面が明瞭に観察される。この事実は、NiAl層が複合材料の強化層として寄与しにくい事を示唆している。これに対し、1100℃で製造した場合、NiAl層は消失し、強化層を構成するのはNi−richのNi−Al合金層(16)及びNi3Al層(17、18)の2種類の層のみとなる。また、Ni3Al層はNi−richのNi−Al合金層の外側のみならず内側においてもネットワーク状に形成されている。また、1100℃で製造した複合材料の強化層近傍のNiマトリックス(19、20、21)中には、1000℃以下の温度で成形した場合と比較して、多量のAlの固溶が認められる。
次に、上記NCOMP12及びNCOMP24の室温における引張試験及びそれによって得られた応力―歪み曲線を図9及び図10にそれぞれ示す。
図9において、恒温保持温度800℃で製造した複合材料の引張強度及び伸びは、それぞれ265MPa及び1.92%であった。800℃〜1000℃の温度範囲では、恒温保持温度の上昇と共に強度は上昇し逆に伸びは低下した。これは前述の組織観察結果から明らかなように、恒温保持温度の上昇と共に強化層の厚さが増大し、Niマトリックス層が薄くなるためと考えられる。これに対して1100℃で製造した複合材料の引張強度及び伸びはそれぞれ500MPa及び3.8%に達した。
1100℃で製造した場合に認められるこの機械的性質の改善については、主として以下の二つの理由によるものと推察される。一つには、成形時に既にボアを含有し、また、接合力がやや弱い粒子の集合体と考えられるNiAl層が1100℃での製造では形成されないことである。他の一つは、1100℃で製造した場合,Niマトリックス中の強化層との接合界面近傍には多量のAlの固溶が認められるものの、接合界面近傍から中心部に向かって組成の傾斜が認められ、Ni層の中心部では延性が確保されているためと考えられる。
図10において、恒温保持温度800℃で製造した複合材料の引張強度及び伸びは、それぞれ230MPa及び1.25%であった。800℃〜1000℃の温度範囲では、恒温保持温度の上昇と共に強度は上昇し逆に伸びは低下した。これは前述の組織観察結果から明らかなように、恒温保持温度の上昇と共に強化層の厚さが増大し、Niマトリックス層が薄くなるためと考えられる。これに対して1100℃で製造した複合材料の引張強度及び伸びはそれぞれ450MPa及び1.7%に達した。
1100℃で製造した場合に認められるこの機械的性質の改善については、主として以下の二つの理由によるものと推察される。一つには、成形時に既にボアを含有し、また、接合力がやや弱い粒子の集合体と考えられるNiAl層が1100℃での製造では形成されないことである。他の一つは、1100℃で製造した場合,Niマトリックス中の強化層との接合界面近傍には多量のAlの固溶が認められるものの、接合界面近傍から中心部に向かって組成の傾斜が認められ、Ni層の中心部では延性が確保されているためと考えられる。
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドの製造、オルタネータ(発電機)用ハウジングの製造、或いはベーン式コンプレッサー用部品、例えばハウジング、ローター、ベーン等の製造に利用可能である。
本発明の金属基複合材料の圧接過程を説明する図である 本発明の金属基複合材料の圧接方法を実施するパルス通電加圧接合装置の概略説明図である。 Ti基複合材料(TCOMP12)の組織を示す、SEMによる写真である。 Ti基複合材料(TCOMP24)の組織を示す、SEMによる写真である。 Ti基複合材料(TCOMP12)の応力−歪み線図である。 Ti基複合材料(TCOMP24)の応力−歪み線図である。 Ni基複合材料(NCOMP12)の組織を示す、SEMによる写真である。 Ni基複合材料(NCOMP24)の組織を示す、SEMによる写真である。 Ni基複合材料(NCOMP12)の応力−歪み線図である。 Ni基複合材料(NCOMP24)の応力−歪み線図である。
符号の説明
1 高融点金属箔 2 低融点金属箔
3 プリフォーム体

Claims (8)

  1. 高融点金属薄板及び低融点金属薄板とを接合してなる金属基複合材料の製造方法において、
    それぞれ所定の厚さを有する高融点金属薄板及び低融点金属薄板をそれぞれ複数枚交互に重ね合わせてプリフォーム体を作成し、
    前記プリフォーム体を、所定の圧力を加えた状態で、かつ前記高融点金属の融点より低くかつ高融点金属の融点の90%の温度より低く低融点金属の融点の120%の温度より高い温度範囲で恒温保持するように所定の時間の間、所定の電圧及び電流の直流パルス電流又は直流パルス電流と直流電流の重畳電流を流し、前記高融点金属薄板間に存在する前記低融点金属薄板を、燃焼合成反応により前記高融点金属と前記低融点金属との金属間化合物にさせて前記高融点金属薄板を互いに接合し、
    前記高融点金属薄板が厚さ10μmないし500μmのTi箔であり、前記低融点金属薄板が厚さ1μmないし50μmのAl箔であり、
    前記温度範囲が792℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であり、
    前記金属間化合物は、Al Tiを含まない、ことを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  2. 請求項に記載の金属基複合材料の製造方法において、
    前記Al箔の厚さが1μm以上20μm以下であり、
    前記温度範囲が792℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であることを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  3. 請求項に記載の金属基複合材料の製造方法において、
    前記Al箔の厚さが20μmを超え50μm以下であり、
    前記温度範囲が900℃ないし1494℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であることを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  4. 高融点金属薄板及び低融点金属薄板とを接合してなる金属基複合材料の製造方法において、
    それぞれ所定の厚さを有する高融点金属薄板及び低融点金属薄板をそれぞれ複数枚交互に重ね合わせてプリフォーム体を作成し、
    前記プリフォーム体を、所定の圧力を加えた状態で、かつ前記高融点金属の融点より低くかつ高融点金属の融点の90%の温度より低く低融点金属の融点の120%の温度より高い温度範囲で恒温保持するように所定の時間の間、所定の電圧及び電流の直流パルス電流又は直流パルス電流と直流電流の重畳電流を流し、前記高融点金属薄板間に存在する前記低融点金属薄板を、燃焼合成反応により前記高融点金属と前記低融点金属との金属間化合物にさせて前記高融点金属薄板を互いに接合し、
    前記高融点金属薄板が厚さ10μmないし500μmのNi箔であり、前記低融点金属薄板が厚さ1μmないし50μmのAl箔であり、
    前記温度範囲が792℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であり、
    前記金属間化合物は、NiAlを含まない、ことを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  5. 請求項に記載の金属基複合材料の製造方法において、
    前記Al箔の厚さが1μm以上20μm以下であり、
    前記温度範囲が792℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であることを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  6. 請求項に記載の金属基複合材料の製造方法において、
    前記Alの厚さが20μmを超え50μm以下であり、
    前記温度範囲が900℃ないし1305℃であり、圧力の範囲が1kPaないし100MPaであり、
    恒温保持時間が10秒ないし60分の範囲であることを特徴とする金属基複合材料の製造方法。
  7. それぞれ複数枚のTi箔とAl箔とを交互に重ね合わせて前記請求項1ないし3の何れかに記載の方法で製造されたTi基複合材料であって、隣り合う前記Ti箔が、前記Tiと前記Alとの前記金属間化合物を介在させて接合されているTi基複合材料。
  8. それぞれ複数枚のNi箔とAl箔とを交互に重ね合わせて前記請求項4ないし6の何れかに記載の方法で製造されたNi基複合材料であって、隣り合う前記Ni箔が、前記Niと前記Alとの前記金属間化合物を介在させて接合されているNi基複合材料。
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