JPH11222637A - リン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法および複合体 - Google Patents

リン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法および複合体

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JPH11222637A
JPH11222637A JP10027861A JP2786198A JPH11222637A JP H11222637 A JPH11222637 A JP H11222637A JP 10027861 A JP10027861 A JP 10027861A JP 2786198 A JP2786198 A JP 2786198A JP H11222637 A JPH11222637 A JP H11222637A
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calcium phosphate
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sintering
mixed powder
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JP10027861A
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Tsuneo Hiraide
恒男 平出
Yukio Kubota
幸雄 久保田
Shotaro Miyake
正太郎 三宅
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Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度、高靱性、耐摩耗性、耐食性等に優れ、
かつ均質で強度に偏りがないリン酸カルシウム系セラミ
ックスと金属の複合体を得るための簡易かつ高効率の接
合方法を提供する。 【解決手段】本発明のリン酸カルシウム系セラミックス
と金属の複合体の製造方法は、リン酸カルシウム系セラ
ミックス材料と金属材料とを含む混合粉体を調製する工
程と、前記混合粉体を焼結する工程とを有する。前記混
合粉体は金属材料を5〜95wt%含むものであることが
好ましい。また、金属材料は生態適合性を有するものが
好ましく、リン酸カルシウム系セラミックス材料として
はハイドロキシアパタイトが好ましい。焼結方法は、放
電プラズマ焼結法が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、リン酸カルシウム
系セラミックスと金属の複合体の製造方法および複合体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは近年急速に技術革新が進
み、セラミックスの有する絶縁性、強誘電性、圧電性、
半導性、 磁性等を利用した素子が開発されている。
【0003】セラミックスの中でもリン酸カルシウム系
セラミックス(例えばハイドロキシアパタイト)は、骨
の無機成分の構造に似ているため優れた生体適合性を有
し、バイオセラミックス(生体材料)として応用されて
いる。
【0004】しかし、リン酸カルシウム系セラミックス
は機械的強度、靱性等が十分ではなく、アパタイト単独
で、人工歯根や骨充填材、歯科用セメント等として用い
られるが、その使用には限界があった。
【0005】そこで、機械的強度、靱性等をも十分に兼
ね備えるバイオセラミックスを得るために、強靱で成形
性に優れる金属の表面にコーティングしたり、光重合性
樹脂に混合するなど、異種材料と複合化する方法が提案
されている。
【0006】しかし、いずれも製造工程が煩雑で、また
時間を要するものであり、十分な強度、靱性等を備えた
リン酸カルシウム系セラミックスを容易かつ短時間で製
造する方法はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解決し、高強度、高靱性、耐摩耗性、
耐食性等に優れ、かつ均質で強度に偏りがないリン酸カ
ルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法およ
び複合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0009】(1) リン酸カルシウム系セラミックス
と金属の複合体の製造方法において、リン酸カルシウム
系セラミックス材料と金属材料とを含む混合粉体を調製
する工程と、前記混合粉体を焼結する工程とを有するこ
とを特徴とするリン酸カルシウム系セラミックスと金属
の複合体の製造方法。
【0010】(2) 前記混合粉体は前記金属材料を5
〜95wt%含むものである上記(1)に記載のリン酸カ
ルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
【0011】(3) 前記金属材料はd−ブロック元素
またはこれを主とする合金である上記(1)または
(2)に記載のリン酸カルシウム系セラミックスと金属
の複合体の製造方法。
【0012】(4) 前記金属材料は融点が900℃以
上である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のリ
ン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方
法。
【0013】(5) 前記金属材料はCr、Fe、C
o、Cu、Mo、Ag、Au、Niからなる群より選択
された少なくとも1種の金属または該金属を主とする合
金である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のリ
ン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方
法。
【0014】(6) 前記金属材料は生体適合性を有す
るものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載
のリン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製
造方法。
【0015】(7) 前記リン酸カルシウム系セラミッ
クス材料はハイドロキシアパタイトである上記(1)な
いし(6)のいずれかに記載のリン酸カルシウム系セラ
ミックスと金属の複合体の製造方法。
【0016】(8) 前記焼結は放電プラズマ焼結であ
る上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のリン酸カ
ルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
【0017】(9) 前記放電プラズマ焼結において焼
結温度が800〜1200℃である上記(8)に記載の
リン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造
方法。
【0018】(10) 上記(1)ないし(9)のいずれ
かに記載の接合方法により接合されたことを特徴とする
リン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリン酸カルシウム
系セラミックスと金属の複合体の製造方法を添付図面に
示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0020】本発明のリン酸カルシウム系セラミックス
と金属の複合体の製造方法は、リン酸カルシウム系セラ
ミックス材料と金属材料とを含む混合粉体を調製する工
程と、該混合粉体を焼結する工程とを有することを特徴
とする。
【0021】これにより、生体適合性および高強度、高
靱性、耐摩耗性等を兼ね備えるリン酸カルシウム系セラ
ミックスと金属の複合焼結体を製造することができる。
【0022】前記混合粉体は、その混合割合について特
に限定するものではないが、金属材料を5〜95wt%含
むものであることが好ましく、10〜90wt%がより好
ましい。金属材料の含有率が5wt%未満の場合、リン酸
カルシウム系セラミックスに強度、靱性を効果的に付与
することができず、一方、95wt%を超える場合、リン
酸カルシウム系セラミックス材料の割合が小さくなり、
生体適合性等のリン酸カルシウム系セラミックスの特性
が損なわれるおそれがある。
【0023】金属材料は、d−ブロック元素またはこれ
を主とする合金であることが好ましく、Cr、Fe、C
o、Cu、Mo、Ag、Au、Niからなる群より選択
された少なくとも1種の金属または該金属を主とする合
金が特に好ましい。
【0024】これらの金属材料は、強度、靱性に優れ、
リン酸カルシウム系セラミックス材料と均質な複合体を
より容易に形成することができる。
【0025】なお、金属材料は純金属または合金である
場合の他、例えば金属の酸化物、炭化物、窒化物等の金
属化合物であってもよい。合金としては、クロムニッケ
ル鋼であるステンレススチール(SUS)等が挙げられ
る。
【0026】また、金属材料は、融点が900℃以上の
ものが好ましい。これによりリン酸カルシウム系セラミ
ックスの最適条件で焼結しても金属が過焼結状態等の焼
結不良とならず、目的形状を維持し、高強度、高靱性等
をもつ複合体をより容易に作製することができる。
【0027】さらに、金属材料は生体適合性を有するも
のが好ましい。特に、後述するバイオセラミックスであ
るハイドロキシアパタイトのようなリン酸カルシウム系
セラミックス等と組み合わせることにより、複合体を医
療材料等として応用することが可能となる。
【0028】リン酸カルシウム系セラミックス材料は特
に限定されないが、なかでもハイドロキシアパタイト
(HAp)が特に好ましい。ハイドロキシアパタイトは
生体適合性材料として、人工骨、人工歯根等多くの用途
に応用することができる。
【0029】混合粉体の調製は、リン酸カルシウム系セ
ラミックス材料および金属材料を各々秤量して乳鉢です
りつぶし混合する方法、あるいは成形型30に投入する
工程において、単一のリン酸カルシウム系セラミックス
材料および金属材料を混合しながら成形型30内に投入
する方法であってもよい。その他、混合機を使用するこ
ともできる。混合機としては、例えばボールミル、ロッ
ドミル、ダブルコートブレンダ、V型混合機等が挙げら
れる。
【0030】上記のようにして調製されたリン酸カルシ
ウム系セラミックス材料と金属材料とを含む混合粉体
は、焼結されて複合体を形成する。焼結方法は特に限定
されず、例えば放電プラズマ焼結法、ホットプレス、熱
間静水圧プレス等いかなる方法でもよいが、なかでも放
電プラズマ焼結法が好ましい。
【0031】放電プラズマ焼結法は、圧粉体粒子間隙に
直接パルス状の電気エネルギーを投入し、火花放電によ
り瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱拡散
・電界拡散等へ効果的に応用することで、ホットプレス
法等に比べ簡単な操作で、昇温、保持時間を含め、5〜
20分程度の短時間の焼結あるいは焼結接合を可能とす
る。また、通常、困難とされる多孔質焼結を容易に行う
ことができ、生体材料として適した複合体を製造するこ
とができる。
【0032】以下、本発明の一例として放電プラズマ焼
結によるリン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合
体の製造方法を説明する。
【0033】図1に、放電プラズマ焼結装置2の全体構
成を示す。成形型30およびパンチ32、34は真空ポ
ンプ26を備えた真空チャンバー25内に収容されてい
る。空気中では、酸素、窒素、水等が金属材料やリン酸
カルシウム系セラミックス材料に悪影響を及ぼす可能性
があるため、焼結に先立ち、予め真空チャンバー25内
を減圧し焼結時も減圧下で行うのが好ましい。また、同
様の理由から不活性ガス中で焼結を行うことが好まし
い。
【0034】放電プラズマ焼結装置2の制御部20は、
パルス電圧を発生させる焼結用電源22、混合粉体10
を加圧する加圧駆動機構24、真空チャンバー25内の
脱気を行う真空ポンプ26を駆動制御するものである。
【0035】制御部20は、成形型30に設けられた熱
電対(図示せず)により検出される混合粉体10の温度
が、予め設定された昇温曲線に一致するように焼結用電
源22を制御する。なお、パンチ32、34は、加圧駆
動機構24により昇降駆動される上下一対の加圧ラム4
2、44に各々固定されており、加圧ラム42、44内
に設けられた給電端子(図示せず)により焼結用電源2
2と接続されている。
【0036】このように構成された放電プラズマ焼結装
置2によって、混合粉体10を所定の押圧力で加圧する
ととともにパルス電圧を印可する。混合粉体10を10
0〜2000kgf/cm2 の押圧力で加圧することにより、
混合粉体10の粉同士の隙間が密着し、混合粉体10に
通電することが可能になる。
【0037】図2は、混合粉体10を加圧・加熱する放
電プラズマ焼結装置2の要部を示す概略図である。放電
プラズマ焼結装置2は、混合粉体の圧縮・焼結等に用い
られるものであり、混合粉体等の被加工物を圧縮すると
ともに、当該被加工物にパルス電圧を印可して加熱する
ものである。
【0038】まず、図に示すように混合粉体10を成形
型30に投入する。成形型30への装填工程において、
上記の各粉体を装填する毎に予備加圧を行ってもよい。
【0039】次に、上下一対のパンチ(押圧子)32、
34により加圧し、加圧下で放電プラズマ焼結を行う。
【0040】成形型30およびパンチ32、34は導電
性のカーボンで形成されており、後述の焼結用電源によ
り発生したパルス電流が、成形型30およびパンチ3
2、34を介して混合粉体10に流れるよう構成されて
いる。
【0041】また、パンチ32、34と成形型30の内
周との間には、クッション材として導電性を有するカー
ボンペーパー36が介在している。これによりパンチ3
2、34は、成形型30の内周に食いつくことなく円滑
に摺動することができる。また、混合粉体中の金属材料
は、成形型30あるいはパンチ32のカーボンと反応す
るおそれがあるため、カーボンペーパー36を介在させ
ることにより、前記金属材料が内壁面に固着するのを防
止することができる。
【0042】焼結時の圧力は100〜2000kgf/cm2
程度が好ましく、200〜700kgf/cm2 程度がより好
ましい。焼結時の圧力が低過ぎると接合体1の緻密性が
不十分となるおそれがあり、一方、圧力が高すぎると成
形型30の耐圧性が問題となる。
【0043】図3に、混合粉体10に印可されるパルス
電圧の一例を示す。パルス電圧は直流電圧のオン/オフ
パターンからなるパルスであり、1回のオン/オフが1
パルスtを構成する。なお、1回のオン/オフにおい
て、オン状態の持続時間t1 とオフ状態の持続時間t0
との比は、1:1〜12:1であることが好ましく、例
えば、6:1であることが好ましい。このようなパルス
電圧の印可により、混合粉体10自身のジュール熱によ
って急速に加熱される。
【0044】図4に、混合粉体10の昇温曲線の一例を
示す。混合粉体10のピーク温度T(保持温度または焼
結温度)は、リン酸カルシウム系セラミックス材料とし
てハイドロキシアパタイトを用いる場合、800〜12
00℃が好ましい。焼結温度が低過ぎると十分な強度お
よび靱性等を得ることができない場合があり、焼結温度
が高過ぎると複合体にクラックが生じるおそれがある。
さらに、焼結温度をこの範囲とすることにより、リン酸
カルシウム系セラミックス材料の分解を防止しつつ、十
分に緻密な焼結が可能となる。
【0045】また、上記と同様の理由により、焼結温度
での保持時間は5〜15分程度が好ましい。
【0046】放電プラズマ焼結は、パルス電圧を印可す
ることにより行うことが好ましい。これにより、混合粉
体10の粉体間(例えば、リン酸カルシウム系セラミッ
クスの粉体と金属の粉体との境界)において放電現象や
電界拡散効果が生じて、リン酸カルシウム系セラミック
ス、金属材料の各粉体表面の溶融と拡散が促進される。
この粒子表面の溶融および拡散の促進によって、上記の
粉体間部分での固相拡散が促進される。
【0047】特に、金属材料が展延性に優れる場合、粉
体間において固相拡散し易く、接合力の向上を図ること
ができる。
【0048】ピーク温度T(焼結温度)で所定時間保持
した後、徐冷し、成形型30から焼結体を取り出して、
本発明の複合体を得ることができる。
【0049】以上説明したように、本実施形態のリン酸
カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法
は、混合粉体10を加圧しつつパルス電圧を印可するこ
とによって混合粉体10をジュール熱により急速に加熱
するとともに、混合粉体10において構成材料間の境界
における放電現象および電界拡散効果を利用して金属粉
表面の溶融を促進し、これにより当該表面における固相
拡散を促進することによって、短時間かつ低温での接合
を可能にするものである。
【0050】以上、本発明のリン酸カルシウム系セラミ
ックスと金属の複合体の製造方法を図示の各実施例につ
いて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、例えば、混合粉体は焼結助剤等の添加剤等を含む
ものでもよい。
【0051】
【実施例】次に、本発明のリン酸カルシウム系セラミッ
クスと金属との複合体の製造方法の具体的実施例につい
て説明する。
【0052】1.複合体の作製 (実施例1)
【0053】混合粉体に含まれるリン酸カルシウム系セ
ラミックス(HAp)材料、金属材料の重量および金属
粉体の含有率を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】まず、図2に示すようなSPS装置用の成
形型30(導電性カーボン製)に、各材料を乳鉢を用い
て混合、表1に示す混合粉体10を充填した。
【0056】次に、住友石炭鉱業(株)製SPS−51
0L放電プラズマ焼結装置を用い、真空中にて上下から
300kgf/cm2 の加圧を行い、パルス電圧(パルス条件
−12:2)を印可して圧縮通電系を加熱し、800
℃、5分間保持して焼結、加熱一体化し複合体を作製し
た。
【0057】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0058】(実施例2)混合粉体中の金属をCu粉体
(350mesh以下)に代え、その含有率を50%とした
以外は実施例1と同様にして複合体を作製した。
【0059】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0060】(実施例3)混合粉体中の金属をAu粉体
(平均粒径4μm以下)に代え、その含有率を10%と
した以外は実施例1と同様の混合粉体を作製した。
【0061】次に、焼結温度を950℃とした以外は実
施例1と同様にして焼結、加熱一体化し複合体を作製し
た。
【0062】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0063】(実施例4)混合粉体中の金属をCo粉体
(平均粒径5μm)に代え、その含有率を30%とした
以外は実施例3と同様にして複合体を作製した。
【0064】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0065】(実施例5)混合粉体中の金属をNi粉体
(350mesh以下)に代え、その含有率を80%とした
以外は実施例3と同様にして複合体を作製した。
【0066】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0067】(実施例6)混合粉体中の金属をFe粉体
(100mesh以下)に代え、その含有率を90%とした
以外は実施例3と同様にして複合体を作製した。
【0068】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0069】(実施例7)混合粉体中の金属をCr粉体
(250mesh以下)に代え、その含有率を60%とした
以外は実施例1と同様の混合粉体を作製した。
【0070】次に、焼結温度を1100℃とした以外は
実施例1と同様にして焼結、加熱一体化し複合体を作製
した。
【0071】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0072】(実施例8)混合粉体中の金属をMo粉体
(平均粒径3μm)に代え、その含有率を40%とした
以外は実施例1と同様の混合粉体を作製した。
【0073】次に、焼結温度を1200℃とした以外は
実施例1と同様にして焼結、加熱一体化し複合体を作製
した。
【0074】混合粉体の組成および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0075】(実施例9〜12)混合粉体中の金属をSU
S316L 粉体(100mesh以下)に代え、その含有率を1
0〜80%と変化させた以外は実施例3と同様にして複
合体を作製した。
【0076】各実施例の混合粉体の組成および焼結条件
(焼結温度、焼成時間、加圧力)を表1に示す。
【0077】(実施例13〜22)混合粉末中の金属を
Ti粉体(325mesh以下)に代え、その含有率を6%
〜90%と変化させた以外は実施例3と同様にして複合
体を作製した。
【0078】各実施例の混合粉体の組成および焼結条件
(焼結温度、焼成時間、加圧力)を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】(比較例1)金属を含まないHAp粉体
(6.0g)のみを使用し、焼結温度を800℃とした
以外は、上記実施例と同様にして焼結体を作製した。
【0081】HAp粉体重量および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表2に示す。
【0082】(比較例2)金属を含まないHAp粉体
(6.0g)のみを使用し、焼結温度を1200℃とし
た以外は、上記実施例と同様にして焼結体を作製した。
【0083】HAp粉体重量および焼結条件(焼結温
度、焼成時間、加圧力)を表2に示す。
【0084】(比較例3)焼結温度を700℃とした以
外は、実施例2と同様にして複合体を作製した。
【0085】金属粉体重量、含有率および焼結条件(焼
結温度、焼成時間、加圧力)を表2に示す。
【0086】2.複合体(焼結体)の強度の評価 実施例1〜22および比較例1〜3で作製した複合体
(焼結体)について3点曲げ強度を測定した。
【0087】なお、強度は、スパン1.7cmの3点曲げ
試験を行い、その測定値から以下の計算式(I)により
算出した。
【0088】 強度(σf )[kgf/cm2 ] =(8×P×L)/(π×d3 )・・・(I)
【0089】P・・・破壊荷重[kgf ] L・・・スパン[cm] d・・・供試体(複合体)直径[cm]
【0090】結果を表1および表2に示す。以上の結果
から、実施例1〜22で得られた複合体は、いずれも全
体として均質に焼結形成されたものであった。また、緻
密性に優れクラック等が生じない強固なものであった。
【0091】さらに混合粉体に含まれる金属が同じであ
れば、その含有率が高くなるにしたがって、より強度の
高い複合体が得られた。したがって、金属の含有率の選
択により、目的に応じた物性をもつ複合体を得られるこ
とがわかった。
【0092】比較例1および2は金属を含まないHAp
の焼結体である。比較例1の焼結体は強度が低いもので
あった。比較例2の焼結体は、クラックが発生して崩壊
した。また、比較例3の複合体は、焼結温度が低すぎた
るため、実施例2の複合体に比べ、強度に劣るものであ
った。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のリン酸カル
シウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法によれ
ば、簡易な方法で高い強度、靱性を有するリン酸カルシ
ウム系セラミックスを短時間で製造できる。
【0094】また、本発明の方法により得られた複合体
は緻密に成形され、強度に優れるため、従来、二物質を
接着していた部品の代替や、強度と靱性を併せ持つ生体
材料等への応用等、多様な用途を広く展開することがで
きる。さらに、金属の含有量および焼結温度等の製造条
件を制御することにより、強度および靱性の高い複合体
を作製することが可能である。またリン酸カルシウム系
セラミックスを含む複合体は生体材料として広い用途が
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ焼結装置の全体図を示す
概略図である。
【図2】図1に示す放電プラズマ焼結装置の要部を示す
概略図である。
【図3】積層体に印加されるパルス電圧の一例を示す概
略図である。
【図4】本発明の接合方法における昇温曲線の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】
2 放電プラズマ焼結装置 10 混合粉体 20 制御部 22 焼結用電源 24 加圧駆動機構 25 真空チャンバー 30 成形型 32 パンチ(押圧子) 34 パンチ(押圧子) 36 カーボンペーパー 42 加圧ラム 44 加圧ラム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸カルシウム系セラミックスと金属
    の複合体の製造方法において、 リン酸カルシウム系セラミックス材料と金属材料とを含
    む混合粉体を調製する工程と、 前記混合粉体を焼結する工程とを有することを特徴とす
    るリン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合粉体は前記金属材料を5〜95
    wt%含むものである請求項1に記載のリン酸カルシウム
    系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属材料はd−ブロック元素または
    これを主とする合金である請求項1または2に記載のリ
    ン酸カルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記金属材料は融点が900℃以上であ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のリン酸カルシウ
    ム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属材料はCr、Fe、Co、C
    u、Mo、Ag、Au、Niからなる群より選択された
    少なくとも1種の金属または該金属を主とする合金であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のリン酸カルシウ
    ム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属材料は生体適合性を有するもの
    である請求項1ないし5のいずれかに記載のリン酸カル
    シウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記リン酸カルシウム系セラミックス材
    料はハイドロキシアパタイトである請求項1ないし6の
    いずれかに記載のリン酸カルシウム系セラミックスと金
    属の複合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結は放電プラズマ焼結である請求
    項1ないし7のいずれかに記載のリン酸カルシウム系セ
    ラミックスと金属の複合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記放電プラズマ焼結において焼結温度
    が800〜1200℃である請求項8に記載のリン酸カ
    ルシウム系セラミックスと金属の複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項1ないし9のいずれかに記
    載の接合方法により接合されたことを特徴とするリン酸
    カルシウム系セラミックスと金属の複合体。
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