JP2001277252A - キャビティ形成金型の製造方法、キャビティ形成金型および樹脂成型品 - Google Patents

キャビティ形成金型の製造方法、キャビティ形成金型および樹脂成型品

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JP2001277252A JP2000092717A JP2000092717A JP2001277252A JP 2001277252 A JP2001277252 A JP 2001277252A JP 2000092717 A JP2000092717 A JP 2000092717A JP 2000092717 A JP2000092717 A JP 2000092717A JP 2001277252 A JP2001277252 A JP 2001277252A
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Fumitake Nishiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無電解ニッケル−リンめっきを行なわなくて
もダイヤモンドバイト切削加工などの機械加工を高い精
度で行なえるようにすることにより、製造コストを低減
でき、かつ、歩留まりの向上を図ることのできる樹脂成
型用のキャビティ形成金型の製造方法、キャビティ形成
金型および樹脂成型品を提供すること。 【解決手段】 キャビティ形成金型4の製造方法におい
て、その原形40のうち、キャビティ形成面44など後
でダイヤモンドバイト切削を行なう部分については、ニ
ッケル−リンの焼結体15で構成する。このとき、焼結
体15と母材41との境界部分では、放電プラズマ焼結
するのに用いたニッケル−リン系の焼結用粉末10、お
よび母材41を構成する鉄系の焼結粉末44の成分比を
連続的に変えることにより、焼結体15と母材41とを
傾斜接合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法、キャビティ形成金型、およ
びこのキャビティ形成金型を用いて成型された樹脂成型
品に関するものである。さらに詳しくは、キャビティ形
成金型の原形を形成するための技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチック非球面レンズなどといった
超精密部品を成型するための金型において、成型品とし
ての樹脂が注入される空間をキャビティという。このキ
ャビティは、成型品の品質を支配するので、寸法などに
高い精度が求められる。このため、キャビティを形成す
る金型(キャビティ形成金型)の製造方法においては、
図11を参照して以下に説明するように、ダイヤモンド
バイト切削により仕上げ加工が行われる。
【0003】キャビティ形成金型を製造するには、従
来、図11に示すように、まず、第1の工程ST51に
おいて、SKD61などといった2%〜5%のクロムを
含む鋼材からなる母材61を準備した後、第2の工程S
T52において、20〜200μmの誤差範囲で粗加工
して原形62を形成する。次に、第3の工程ST53に
おいて焼き入れ、焼き戻しを行なう。
【0004】次に、第4の工程ST54において、原形
62のうち、少なくともキャビティを形成する面に対し
て無電解ニッケル−リンめっきを行ない、膜厚が100
μm〜200μmの厚いニッケルーリンめっき層63を
形成した後、第5の工程ST55において、温度が30
0〜400℃の熱処理を行い、ニッケルーリンめっき層
63の応力を除去するとともに、硬度(HRC)を50
〜54とする。
【0005】次に、第6の工程ST56において、原形
62の全体に砥石による外径加工を行なって基準面を形
成した後、第7の工程ST57において、ニッケルーリ
ンめっき層63に対してダイヤモンドバイト切削による
粗形状加工を行う。しかる後に、第8の工程ST58に
おいて、キャビティ形成面64のニッケルーリンめっき
層63に対してダイヤモンドバイト切削による仕上げ加
工を行い、キャビティ形成金型60を仕上げる。ここ
で、ダイヤモンドバイト切削加工で削られる深さは、5
0〜100μmの範囲であるため、ニッケル−リンめっ
き層63については、少なくとも100μm〜200μ
mの膜厚が必要である。
【0006】このような製造方法において、鋼材に対し
てダイヤモンドバイト切削加工を直接、行なう方法で
は、高い加工精度を得ることができないが、ニッケル−
リンめっき層63は、表層が非結晶(アモルファス)状
態であるため、結晶化している部分をダイヤモンドバイ
ト切削加工する場合と違って、結晶粒界に起因する段差
が発生しないなど、高い精度で加工することができる。
特に、リン濃度を10〜15%に設定したニッケル−リ
ンの無電解めっきによれば、ダイモンドバイト切削加工
に必要な硬度および靭性が得られるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無電解
ニッケル−リンめっきは、図12を参照して以下に説明
するように、かなり手間のかかる処理である。すなわ
ち、図12に示すように、無電解ニッケル−リンめっき
工程では、まず、原形62に対して超音波洗浄、マスキ
ング66、ストライク処理を行なった後、めっき槽67
内でめっき処理を行い、しかる後に、洗浄してから熱処
理工程ST53に回送する必要がある。
【0008】このため、従来の製造方法は、製造コスト
が高く、かつ、金型の製作期間も長いという問題点があ
る。特に、ダイヤモンドバイト切削を行なう深さからみ
て、無電解ニッケル−リンめっき層63としては、厚さ
が100〜200μmもの厚い膜が必要であるため、こ
の点からいっても、製造コストが高い。また、このよう
な厚いめっき層63を形成すると、めっき層63に気泡
が入り込みやすく、かつ、熱処理を行なったときにめっ
き層63に剥がれや歪みが発生しやすい。その結果、高
い精度でダイヤモンド切削加工を行なえず、歩留まりが
低下するという問題点もある。さらに、めっき処理で
は、めっき液68の組成などといっためっき条件の管理
に多大な費用が発生するとともに、クロム13%鋼の表
面には無電解めっきが行なえないなど母材の材質が制限
されるという問題点もある。
【0009】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
無電解ニッケル−リンめっきを行なわなくてもダイヤモ
ンドバイト切削加工などの機械加工を高い精度で行なえ
るようにすることにより、製造コストを低減でき、か
つ、歩留まりの向上を図ることのできる樹脂成型用のキ
ャビティ形成金型の製造方法、この方法で製造したキャ
ビティ形成金型、およびこのキャビティ形成金型で成型
した成型品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、樹脂成型用のキャビティ形成金型を形
成するための原形を形成する原形形成工程と、前記原形
に対して機械加工を施して前記キャビティ形成金型を仕
上げる機械加工工程とを有する樹脂成型用のキャビティ
形成金型の製造方法において、前記原形形成工程では、
パルス通電加圧焼結法を用いて、ニッケル−リンを含む
焼結用粉末に対してパルス通電および/または直流電流
を通電することにより、前記原形に対して前記機械加工
を施す部分の少なくとも一部を形成することを特徴とす
るキャビティ形成金型の製造方法。
【0011】本発明において、前記パルス通電加圧焼結
法は、たとえば、放電プラズマ焼結法、放電焼結法、プ
ラズマ活性化焼結法のうちのいずれかの焼結法である。
【0012】本発明において、前記原形に対して前記機
械加工を施す部分とは、たとえば、前記キャビティ形成
金型のキャビティ形成面である。
【0013】本発明では、キャビティ形成金型のキャビ
ティ形成面などといった部分については、無電解めっき
ではなく、ニッケル−リンを含む焼結用粉末に対するパ
ルス通電加圧焼結法により形成し、このような焼結部分
に対して、機械加工を施す。従って、無電解めっきを行
なわなくても、機械加工が可能な厚いニッケル−リンの
部分を短時間で形成できるので、製造コストを低減する
ことができるとともに、金型の製作期間を短縮できる。
また、めっき処理と違って、パルス通電加圧焼結法は加
圧下で行なうので、焼結体では大きな気泡が入り込むこ
とがなく、かつ、熱処理を行なったときにめっき層に剥
がれや歪みが発生するということもないので、歩留まり
も向上する。さらに、無電解めっきと違って、条件管理
が容易で、かつ、母材の材質が制限されることもない。
それ故、キャビティ形成金型の製造コストを低減でき、
かつ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0014】本発明において、前記原形形成工程では、
たとえば、ニッケル−リンを含む焼結用粉末に対するパ
ルス通電加圧焼結法により形成した焼結体と、該焼結体
とは異なる材料からなる母材とを接合し、前記機械加工
工程では、前記焼結体により構成された部分をダイヤモ
ンドバイトにより切削する。
【0015】本発明において、前記原形を形成するにあ
たっては、パルス通電加圧焼結法に用いるパンチのプレ
ス面に所定の凹凸を形成しておくことにより前記焼結体
に対して前記パンチの凹凸を転写しておくことが好まし
い。このように構成すると、原形に対して機械加工を行
なわなくても、必要な凹凸を原形に予め形成しておける
ので、機械加工時間を短縮できる。
【0016】本発明において、前記原形形成工程では、
前記焼結体と前記母材との間にニッケル−リンを含む焼
結用粉末を配置し、この焼結用粉末に対するパルス通電
加圧焼結法により前記焼結体と前記母材とを接合して前
記原形を形成してもよい。
【0017】この場合に、前記焼結体と前記母材との間
に配置した焼結用粉末では、前記焼結体の側から前記母
材の側に向かってニッケル−リン成分が減少している一
方、前記母材の側から前記焼結体の側に向かっては当該
母材と共通する成分が増加していることが好ましい。こ
のように構成すると、ニッケル−リンの焼結体と母材と
の間に配置した焼結用粉末は、焼結後、焼結体および母
材のいずれに対しても強い力で接合するので、焼結後、
母材から焼結体が剥げ落ちるということがない。
【0018】本発明において、前記原形形成工程では、
母材に隣接するようにニッケルーリンを含む焼結用粉末
を配置し、この状態で前記焼結用粉末に対してパルス通
電加圧焼結法を行なうことにより焼結体と前記母材とが
接合した構成の前記原形を形成してもよい。
【0019】この場合にも、前記原形を形成するにあた
っては、パルス通電加圧焼結法に用いるパンチのプレス
面に所定の凹凸を形成しておくことにより前記焼結体に
対して前記パンチの凹凸を転写することが好ましい。こ
のように構成すると、原形に対して機械加工を行なわな
くても、必要な凹凸を原形に予め形成しておけるので、
機械加工時間を短縮できる。
【0020】また、本発明においても、前記焼結用粉末
のうち、母材に隣接する部分では、前記母材から離れた
方から該母材の側に向かってニッケル−リン成分が減少
している一方、前記母材の側から前記焼結体の側に向か
っては当該母材と共通する成分が増加していることが好
ましい。このように構成すると、ニッケル−リンの焼結
体と母材との間に配置した焼結用粉末は、焼結後、焼結
体および母材のいずれに対しても強い力で接合するの
で、母材から焼結体が剥げ落ちるということがない。
【0021】このような方法で製造したキャビティ形成
金型は、安価でかつ製作期間が短いので、樹脂成型品の
コストおよび製造期間の短縮を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。なお、本発明の各実施の形態を説明す
る前に、各実施の形態で共通な構成(パルス通電加圧焼
結技術/放電プラズマ焼結技術および樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の構成)を説明しておく。
【0023】[放電プラズマ焼結技術]本発明で行なう
放電プラズマ焼結について説明する。プラズマを利用し
て焼結を行なうプラズマ焼結法のうち、熱プラズマ焼結
法では、真空容器中で5000〜20000℃のプラズ
マの火炎中で連続かつ定常的な超高温プラズマを発生さ
せて無加圧焼結を行なう。これに対して、本発明で行な
う放電プラズマ焼結法では、図1を参照して以下に説明
するように、数10〜300kHz程度の周波数のON
−OFF直流パルス大電流を印加することにより粒子間
隙に生じるアーク放電に以降する直前の過渡アーク放電
現象による放電プラズマ、放電衝撃圧力などによる粒子
表面の浄化活性化作用、および電場に生じる電界拡散効
果やジュール熱による熱拡散効果などを利用して加圧下
で行なう。
【0024】図1は、放電プラズマ焼結法の原理を示す
説明図である。
【0025】図1に示すように、放電プラズマ焼結装置
30では、グラファイト製の円筒状のダイ31の上下に
棒状の上パンチ32および下パンチ33が配置され、こ
れらの上パンチ32および下パンチ33は、真空、不活
性ガスあるいは大気中で焼結できるような雰囲気制御機
構305を有するチャンバー39の内部に配置されてい
る。このチャンバー39は、上下動可能な状態にフレー
ム(図示せず)に支持され、流体シリンダ(図示せず)
によって開閉することができる。これらの上パンチ32
および下パンチ33に対しては加圧機構36が構成さ
れ、この加圧機構36は、上パンチ32および下パンチ
33を介して、ダイ31の中に充填した焼結用粉末を加
圧する。上パンチ32および下パンチ33に対しては上
電極34および下電極35が接続しており、これらの上
電極34および下電極35に対しては焼結用電源37が
構成されている。また、放電プラズマ焼結装置30に
は、焼結用電源37および加圧機構36を制御する制御
装置38が構成され、この制御装置38には、位置計測
機構301および温度計測機構302から計測結果が入
力されるようになっている。また、制御装置38は、冷
却通路341、351が上電極34および下電極35内
を通過する冷却系303を備える水冷却機構304を制
御するとともに、雰囲気制御機構305も制御してい
る。
【0026】このような放電プラズマ焼結装置30を用
いて、焼結を行なうには、まず、ニッケル粉末11をボ
ールミル21で微細化した後、ミル22でニッケル分粉
末11と、赤リンなどのリン粉末12とを混合して焼結
用粉末10を得る。
【0027】次に、グラファイト製の円筒状のダイ31
の中にニッケル粉末11とリン粉末12とを混合した焼
結用粉末10を充填する。この状態で、焼結用粉末10
は、棒状の上パンチ32と下パンチ33との間で圧縮さ
れる。
【0028】次に、真空中で上パンチ32および下パン
チ33の各々に接続する上電極34および下電極35の
間にパルス通電を行い、加熱、温度保持および冷却を行
なう。これらの操作のうち、加熱は、たとえば、0.1
V〜5Vで約1000〜約8000Aのパルス通電を1
0分間、行なう。その結果、温度は約800℃〜約12
00℃となる。この際に、上電極34−上パンチ32−
焼結用粉末10−下パンチ33−下電極35からなる第
1の通電経路、上電極34−上パンチ32−ダイ31−
下パンチ33−下電極35からなる第2の通電経路、お
よび上電極34−上パンチ32−焼結用粉末10/ダイ
31界面−下パンチ33−下電極35からなる第3の通
電経路を流れるパルス電流を適正に制御することによっ
て、焼結用粉末10が適正に焼結して焼結体15となっ
ていくとともに、少し遅れてダイ31およびパンチ3
2、33がジュール加熱され、焼結体15が保温され
る。このとき、温度を保持する時間は約10分間〜約3
0分間であり、冷却は約30分間である。このような条
件で焼結が完了するまでの総所要時間は約2時間であ
る。
【0029】しかる後に、ダイ31およびパンチ32、
33の間から焼結体15を取り出す。
【0030】このような放電プラズマ焼結法では、ニッ
ケル粉末11の粒径やリン粉末12の配合比を変えるこ
とにより各種の焼結体15が得られる。たとえば、粒径
が20μmのニッケル粉末11に対して赤リン(リン粉
末10)が13重量%含まれる焼結用粉末10を焼結さ
せた焼結体15、粒径が20μmのニッケル粉末11に
対して赤リン(リン粉末10)が20重量%含まれる焼
結用粉末10を焼結させた焼結体15、粒径が1μmの
ニッケル粉末11に対して赤リン(リン粉末10)が1
3重量%含まれる焼結用粉末10を焼結させた焼結体1
5、粒径が0.1μmのニッケル粉末11に対して赤リ
ン(リン粉末10)が13重量%含まれる焼結用粉末1
0を焼結させた焼結体15などが得られる。
【0031】また、このような放電プラズマ焼結法によ
れば、ニッケル−リンの焼結体単体を得ることができる
他に、ニッケル−リンの焼結体15と鋼材などからなる
母材とをそれらの間にニッケル−リンの焼結用粉末10
が挟まれるような状態でダイ31とパンチ32、33と
の間に充填して放電プラズマ焼結を行なうと、ニッケル
−リンの焼結体15と鋼材からなる母材とを接合するこ
とができる。また、鋼材からなる母材とニッケル−リン
の焼結用粉末10とを一緒にダイ31とパンチ32、3
3との間に充填して放電プラズマ焼結を行なうと、鋼材
からなる母材にニッケル−リンの焼結体15が接合され
たものを形成することができる。さらに、母材との接合
を行なう際に、母材の近くに位置するニッケル−リンの
焼結材料において、母材から離れた位置から母材の側に
向かってニッケル−リンの配合比を連続的に低下させて
いくとともに、母材と共通する成分の比率を連続的に高
めていき、その代わりに、母材から離れるに伴なって母
材と共通する成分の配合比を連続的に低下させていくと
ともに、ニッケル−リンの配合比を連続的に高めていく
こともでき、このような条件下で放電プラズマ焼結を行
なうと、組成が急激に変化する界面が形成されない傾斜
接合構造を実現できるので、鋼材からなる母材とニッケ
ル−リンの焼結体とが強固に接合されたものを形成でき
る。
【0032】[キャビティ形成金型の構成例]図2は、
樹脂成型機においてキャビティを構成するキャビティ形
成金型の構成例を示す説明図である。図3(A)、
(B)は、キャビティ形成金型の一構成例を示す側面
図、および図3(A)のA−A′線における断面図であ
る。
【0033】本発明では、前記した放電プラズマ焼結法
を用いて、図2に示すキャビティ形成金型を製造する。
図2において、樹脂成型機1において、キャビティ形成
金型4は、2つで一対のキャビティ2を形成する。樹脂
成型機1では、キャビティ2に対してスプルー5、ラン
ナー6およびゲート7を介して樹脂を充填することによ
り、プラスチックレンズなどといったプラスチック成型
品を成型し、その後、一対のキャビティ形成金型4を離
間させ、エジェクタピン8によって、成型品を取り出
す。
【0034】このようなキャビティ形成金型4は、本形
態では、たとえば、図3(A)、(B)に示す構造を有
している。図3(A)、(B)において、キャビティ形
成金型4は、たとえば、円柱状の母材41は鋼材などか
ら形成され、この母材41に連結する部分42におい
て、その端面にはキャビティを形成するように凹んだキ
ャビティ形成面44が形成されている。
【0035】ここで、先端部分42の根元部分46は、
後述する各実施形態ごとに構成が相違するが、いずれの
形態においても、キャビティ形成面44を備える最先端
部分45は、ニッケル−リンの焼結体から形成されてい
る。また、キャビティ形成面44の寸法精度などは、成
型品質を支配する性格上、いずれの形態においても、キ
ャビティ形成面44にはダイヤモンドバイト切削による
仕上げ加工が施されている。
【0036】なお、図3(A)、(B)に示すキャビテ
ィ形成金型4では、母材41の内部に2本の流路41
1、412が形成され、これらの流路411、412
は、環状流路413で連通している。このため、流路4
11、412に対して冷却水などを循環させることによ
り、キャビティ内の温度を制御することができる。
【0037】[実施の形態1]図4は、本発明の実施の
形態1に係る樹脂成型用のキャビティ形成金型の製造方
法を示す工程図である。
【0038】図4に示すように、本形態では、原形形成
工程において、まず、鋼材からなる母材41(図3を参
照)のブランク410、ニッケル粉末11およびリン粉
末12を準備し、ニッケル粉末11を微細化した後、リ
ン粉末12を混合して、焼結用粉末10を得る。
【0039】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内にニッケル−リンの焼結用粉末
10を充填し、この状態で放電プラズマ焼結を行なう。
この焼結によって得た焼結体15によって、図3(A)
を参照して説明したキャビティ形成金型4の最先端部分
45を形成する。一方、母材ブランク410を粗形状に
加工する。
【0040】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内に、母材ブランク410、ニッ
ケル−リンの焼結用粉末10、およびニッケル−リンの
焼結体15からなる先端部分45を配置し、この状態で
放電プラズマ焼結を行なう。
【0041】その結果、母材41と、ニッケル−リンの
焼結体15からなる最先端部分45とは、ニッケル−リ
ンの焼結用粉末10の焼結によって接合され、キャビテ
ィ形成金型4の原形40が形成される。
【0042】次に、原形40に対して温度が300〜4
00℃の熱処理を行なう。
【0043】次に、機械加工工程を行なう。この機械加
工工程では、まず、砥石を用いた研削加工により原形4
0に対して外径加工を行い、原形40の形状をキャビテ
ィ形成金型4の形状に近いものとする。
【0044】次に、原形40のうち、ニッケル−リンの
焼結体15からなる最先端部分45などに対してダイヤ
モンドバイト切削によって粗形状加工を行い、キャビテ
ィ形成面44を形成する。
【0045】しかる後に、原形40の最先端部分45の
うち、キャビティ形成面44に対してダイヤモンドバイ
ト切削によって仕上げ加工を行なって、キャビティ形成
金型4を仕上げる。
【0046】このように、本形態では、キャビティ形成
金型4のキャビティ形成面44などを備える最先端部分
45については、無電解めっきではなく、ニッケル−リ
ンを含む焼結用粉末10に対する放電プラズマ焼結によ
り形成し、このような焼結部分(焼結体15)に対し
て、ダイヤモンドバイト切削によって仕上げ加工(機械
加工)を施す。従って、手間のかかる無電解めっきを行
なわなくても、放電プラズマ焼結によって、ダイヤモン
ドバイト切削を行なう場所にニッケル−リンで構成され
た部分を分厚く、かつ、短時間で形成できるので、製造
コストを低減することができ、かつ、金型の製作期間を
大幅に短縮できる。また、めっき処理と違って、放電プ
ラズマ焼結法は加圧下で行なうので、ニッケル−リンで
構成された最先端部分45には気泡が入り込むことがな
く、かつ、熱処理を行なったときにめっき層に剥がれや
歪みが発生するということもないので、歩留まりも向上
する。さらに、無電解めっきと違って、条件管理が容易
で、かつ、母材41の材質が制限されることもない。そ
れ故、キャビティ形成金型4の製造コストを低減でき、
かつ、歩留まりの向上を図ることができる。また、焼結
体15において粉末間に微細な隙間を十分、確保してお
けば、樹脂成型時のガス抜き機能を付与することもでき
る。
【0047】[実施の形態2]図5は、本発明の実施の
形態2に係る樹脂成型用のキャビティ形成金型の製造方
法を示す工程図である。
【0048】図5に示すように、本形態では、原形形成
工程において、まず、鋼材からなる母材ブランク41
0、母材41(図3を参照)と共通の成分からなる鉄系
の焼結用粉末44、ニッケル粉末11およびリン粉末1
2を準備し、ニッケル粉末11を微細化した後、リン粉
末12を混合して、焼結用粉末10を得る。
【0049】次に、実施の形態1と同様、図1を参照し
て説明したダイ31およびパンチ32、33内にニッケ
ル−リンの焼結用粉末10を充填し、この状態で放電プ
ラズマ焼結を行なう。この焼結によって得た焼結体15
によって、図3(A)を参照して説明したキャビティ形
成金型4の最先端部分45を形成する。一方、母材ブラ
ンク410を粗形状に加工する。
【0050】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内に、母材ブランク410、鉄系
の焼結用粉末44、ニッケル−リンの焼結用粉末10、
およびニッケル−リンの焼結体15からなる最先端部分
45を配置し、この状態で放電プラズマ焼結を行なう。
このとき、母材ブランク410と焼結体15の間におい
て、母材と共通の成分からなる鉄系の焼結用粉末44
と、ニッケル−リンの焼結用粉末10との境界部分で
は、粉末同士が混ざって、母材ブランク410から離れ
た位置から母材ブランク410に向かってはニッケル−
リンの焼結用粉末10が減少する一方、鉄系の焼結用粉
末44が増大する状態となる。言い換えると、母材ブラ
ンク410の側から離れる程、ニッケル−リンの焼結用
粉末10が増大する一方、鉄系の焼結用粉末44が減少
した状態となる。
【0051】その結果、母材41と、ニッケル−リンの
焼結体15からなる最先端部分45とは、鉄系の焼結用
粉末44およびニッケル−リンの焼結用粉末10の焼結
によって接合され、キャビティ形成金型4の原形40が
形成される。また、母材41と最先端部分45との接合
部分では、母材ブランク410から離れた位置から母材
ブランク410に向かってはニッケル−リンの焼結用粉
末10が減少する一方、鉄系の焼結用粉末44が増大す
る傾斜接合構造となる。
【0052】次に、原形40に対して熱処理を行なう。
【0053】次に、機械加工工程を行なう。この機械加
工工程では、まず、砥石を用いて原形40に外径加工を
行い、原形40の形状をキャビティ形成金型4の形状に
近いものとする。次に、原形40のうち、ニッケル−リ
ンの焼結体15からなる最先端部分45などに対してダ
イヤモンドバイト切削によって粗形状加工を行ない、キ
ャビティ形成面44を形成する。しかる後に、原形40
の最先端部分45のうち、キャビティ形成面44に対し
てダイヤモンドバイト切削によって仕上げ加工を行なっ
て、キャビティ形成金型4を仕上げる。
【0054】このように、本形態でも、手間のかかる無
電解めっきを行なわなくても、放電プラズマ焼結によっ
て、ダイヤモンドバイト切削を行なう場所にニッケル−
リンで構成された部分を形成できるので、製造コストを
低減することができ、かつ、金型の製作期間を大幅に短
縮できるなど、実施の形態1と同様な効果を得ることが
できる。また、鋼材からなる母材41と、ニッケル−リ
ンの焼結体15(最先端部分45)とは、傾斜接合構造
になっているので、母材41と焼結体15との接合強度
が高い。
【0055】[実施の形態3]図6は、本発明の実施の
形態3に係る樹脂成型用のキャビティ形成金型の製造方
法を示す工程図である。
【0056】図6に示すように、本形態では、原形形成
工程において、まず、鋼材からなる母材ブランク41
0、ニッケル粉末11およびリン粉末12を準備し、ニ
ッケル粉末11を微細化した後、リン粉末12を混合し
て、焼結用粉末10を得る。
【0057】次に、母材ブランク410を粗形状に加工
する。
【0058】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内に、母材ブランク410および
ニッケル−リンの焼結用粉末10を配置し、この状態で
放電プラズマ焼結を行なう。その結果、母材41と、ニ
ッケル−リンの焼結体15からなる先端部分42とが焼
結によって一体化したキャビティ形成金型4の原形40
が形成される。
【0059】次に、原形40に対して熱処理を行なう。
【0060】次に、機械加工工程を行なう。この機械加
工工程では、まず、砥石を用いて原形40に外径加工を
行い、原形40の形状をキャビティ形成金型4の形状に
近いものとする。次に、原形40のうち、ニッケル−リ
ンの焼結体15からなる先端部分42などに対してダイ
ヤモンドバイト切削によって粗形状加工を行ない、キャ
ビティ形成面44を形成する。しかる後に、原形40の
先端部分42のうち、キャビティ形成面44に対してダ
イヤモンドバイト切削によって仕上げ加工を行なって、
キャビティ形成金型4を仕上げる。
【0061】このように、本形態でも、手間のかかる無
電解めっきを行なわなくても、放電プラズマ焼結によっ
て、ダイヤモンドバイト切削を行なう場所にニッケル−
リンで構成された部分を形成できるので、製造コストを
低減することができ、かつ、金型の製作期間を大幅に短
縮できるなど、実施の形態1と同様な効果を得ることが
できる。
【0062】[実施の形態4]図7は、本発明の実施の
形態4に係る樹脂成型用のキャビティ形成金型の製造方
法を示す工程図である。
【0063】図7に示すように、本形態では、原形形成
工程において、まず、鋼材からなる母材ブランク41
0、母材と共通の成分からなる鉄系の焼結用粉末44、
ニッケル粉末11およびリン粉末12を準備し、ニッケ
ル粉末11を微細化した後、リン粉末12を混合して、
焼結用粉末10を得る。
【0064】次に、母材ブランク410を粗形状に加工
する。
【0065】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内に、母材ブランク410、母材
と共通の成分からなる鉄系の焼結用粉末44、およびニ
ッケル−リンの焼結用粉末10を配置し、この状態で放
電プラズマ焼結を行なう。このとき、母材と共通の成分
からなる鉄系の焼結用粉末44と、ニッケル−リンの焼
結用粉末10との境界部分では、粉末同士が混ざって、
母材ブランク410から離れた位置から母材ブランク4
10に向かってニッケル−リンの焼結用粉末10が減少
する一方、鉄系の焼結用粉末44が増大する状態とな
る。
【0066】その結果、母材41と焼結体15からなる
先端部分42とが焼結によって一体化したキャビティ形
成金型4の原形40が形成される。また、焼結体15の
母材ブランク410に接する部分では、母材ブランク4
1から離れた位置から母材ブランクに向かってニッケル
−リン成分が減少する一方、鉄系成分が増大する傾斜接
合構造になっている。
【0067】次に、原形40に対して熱処理を行なう。
【0068】次に、機械加工工程を行なう。この機械加
工工程では、まず、砥石を用いて原形40に外径加工を
行い、原形40の形状をキャビティ形成金型4の形状に
近いものとする。次に、原形40のうち、ニッケル−リ
ンの焼結体15からなる先端部分42などに対してダイ
ヤモンドバイト切削によって粗形状加工を行ない、キャ
ビティ形成面44を形成する。しかる後に、原形40の
先端部分42のうち、キャビティ形成面44に対してダ
イヤモンドバイト切削によって仕上げ加工を行なって、
キャビティ形成金型4を仕上げる。
【0069】このように、本形態でも、手間のかかる無
電解めっきを行なわなくても、放電プラズマ焼結によっ
て、ダイヤモンドバイト切削を行なう場所にニッケル−
リンで構成された部分を形成できるので、製造コストを
低減することができ、かつ、金型の製作期間を大幅に短
縮できるなど、実施の形態1と同様な効果を得ることが
できる。また、鋼材からなる母材41と、ニッケル−リ
ンの焼結体15(先端部分42)とは、傾斜接合構造に
なっているので、母材41と焼結体15との接合強度が
高い。
【0070】[実施の形態5]キャビティ形成金型4の
構造によっては、母材41の側についても焼結によって
形成してもよく、その一例を、図8を参照して説明す
る。
【0071】図8は、本発明の実施の形態5に係る樹脂
成型用のキャビティ形成金型の製造方法を示す工程図で
ある。
【0072】図8に示すように、本形態では、まず、鉄
系の焼結用粉末44、ニッケル粉末11およびリン粉末
12を準備し、ニッケル粉末11を微細化した後、リン
粉末12を混合して、焼結用粉末10を得る。
【0073】次に、図1を参照して説明したダイ31お
よびパンチ32、33内に、鉄系の焼結用粉末44およ
びニッケル−リンの焼結用粉末10を充填し、この状態
で放電プラズマ焼結を行なう。このとき、鉄系の焼結用
粉末44と、ニッケル−リンの焼結用粉末10との境界
部分では、粉末同士が混ざって、母材となるべき側から
離れた位置から母材の側に向かってニッケル−リンの焼
結用粉末10が減少する一方、鉄系の焼結用粉末44が
増大する状態となる。
【0074】その結果、鉄系の焼結体からなる母材41
と、ニッケル−リンの焼結体15からなる先端部分42
とが焼結によって一体化したキャビティ形成金型4の原
形40が形成される。ここで、母材41と焼結体15と
の境界部分では、母材41から離れた位置から母材41
に向かってニッケル−リン成分が減少する一方、鉄系成
分が増大する傾斜接合構造となる。
【0075】次に、原形40に対して熱処理を行なう。
【0076】次に、機械加工工程を行なう。この機械加
工工程では、まず、砥石を用いて原形40に外径加工を
行い、原形40の形状をキャビティ形成金型4の形状に
近いものとする。次に、原形40のうち、ニッケル−リ
ンの焼結体15からなる先端部分42などに対してダイ
ヤモンドバイト切削によって粗形状加工を行ない、キャ
ビティ形成面44を形成する。しかる後に、原形40の
先端部分42のうち、キャビティ形成面44に対してダ
イヤモンドバイト切削によって仕上げ加工を行なって、
キャビティ形成金型4を仕上げる。
【0077】このように、本形態でも、手間のかかる無
電解めっきを行なわなくても、放電プラズマ焼結によっ
て、ダイヤモンドバイト切削を行なう場所にニッケル−
リンで構成された部分を形成できるので、製造コストを
低減することができ、かつ、金型の製作期間を大幅に短
縮できるなど、実施の形態1と同様な効果を得ることが
できる。また、鋼材からなる母材41と、ニッケル−リ
ンの焼結体15(先端部分42)とは、傾斜接合構造に
なっているので、母材41と焼結体15との接合強度が
高い。
【0078】[その他の実施の形態]図9および図10
はそれぞれ、本発明のその他の実施の形態に係る樹脂成
型用のキャビティ形成金型の製造方法を示す工程図であ
る。
【0079】上記のいずれの実施の形態1、2、3、
4、5においても、原形40を形成した後、最初のダイ
ヤモンドバイト切削加工によって、キャビティ形成面4
4となる凹部を形成したが、図9に示すように、キャビ
ティ形成金型4の最先端部分45を構成する焼結体15
を放電プラズマ焼結によって形成する際に、この放電プ
ラズマ焼結に用いるパンチ32(あるいはパンチ33)
のプレス面に凹凸を形成しておき、この凹凸を焼結体1
5に転写することによって、焼結体15にキャビティ形
成面44となる凹部を形成してもよい。
【0080】なお、その他の工程は、図4を参照して説
明した実施の形態1と略同様であるため、説明を省略す
るが、本形態では、焼結体15を形成する際にキャビテ
ィ形成面44となる凹部を形成するので、原形40に対
するダイヤモンドバイト切削加工によって、キャビティ
形成面44となる凹部を形成する必要がなく、外径加工
後、そのままダイヤモンドバイト切削加工によって、キ
ャビティ形成面44に対する仕上げ加工を行なうことが
できる。従って、製造工程数を減らすことができるの
で、製造コストを低減することができる。
【0081】また、このようなパンチ32(あるいはパ
ンチ33)の凹凸を焼結体に転写するという構成は、図
10に示すように、図7を参照して説明した実施の形態
4などに適用してもよい。すなわち、実施の形態4で
も、放電プラズマ焼結法によって原形40を形成した
後、最初のダイヤモンドバイト切削加工によって、キャ
ビティ形成面44となる凹部を形成したが、図10に示
すように、キャビティ形成金型4の先端部分42を放電
プラズマ焼結によって形成する際に、この放電プラズマ
焼結に用いるパンチ32(あるいはパンチ33)のプレ
ス面に凹凸を形成しておき、この凹凸を焼結体15に転
写することによって、焼結体15にキャビティ形成面4
4となる凹部を形成してもよい。
【0082】なお、その他の工程は、図7を参照して説
明した実施の形態4と略同様であるため、説明を省略す
るが、本形態では、焼結体15を形成する際にキャビテ
ィ形成面44となる凹部を形成するので、原形40に対
するダイヤモンドバイト切削加工によって、キャビティ
形成面44となる凹部を形成する必要がなく、外径加工
後、そのままダイヤモンドバイト切削加工によって、キ
ャビティ形成面44に対する仕上げ加工を行なうことが
できる。従って、製造工程数を減らすことができるの
で、製造コストを低減することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、キャ
ビティ形成金型のキャビティ形成面などといった部分に
ついては、無電解めっきではなく、ニッケル−リンを含
む焼結用粉末に対するパルス通電加圧焼結法により形成
し、このような焼結部分に対して、機械加工を施す。従
って、無電解めっきを行なわなくても、機械加工を施す
のに十分な深さのニッケル−リン部分を短時間で形成で
きるので、製造コストを低減することができるととも
に、金型の製作期間を短縮できる。また、めっき処理と
違って、パルス通電加圧焼結法は加圧下で行なうので、
焼結体では大きな気泡が入り込むことがなく、かつ、熱
処理を行なったときにめっき層に剥がれや歪みが発生す
るということもないので、歩留まりも向上する。さら
に、無電解めっきと違って、条件管理が容易で、かつ、
母材の材質が制限されることもない。それ故、キャビテ
ィ形成金型の製造コストを低減でき、かつ、歩留まりの
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電プラズマ焼結法の原理を示す説明図であ
る。
【図2】樹脂成型機においてキャビティを構成するキャ
ビティ形成金型の構成例を示す説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、キャビティ形成金
型の一構成例を示す側面図、および図3(A)のA−
A′線における断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る樹脂成型用のキャ
ビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明のその他の実施の形態に係る樹脂成型用
のキャビティ形成金型の製造方法を示す工程図である。
【図10】本発明の別のその他の実施の形態に係る樹脂
成型用のキャビティ形成金型の製造方法を示す工程図で
ある。
【図11】従来の樹脂成型用のキャビティ形成金型の製
造方法を示す工程図である。
【図12】従来の樹脂成型用のキャビティ形成金型の製
造工程のうち、無電解ニッケル−リンめっきの様子を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂成型機 2 キャビティ 4 キャビティ形成金型 5 スプルー 6 ランナー 7 ゲート 8 エジェクタピン 10 ニッケル−リンの焼結用粉末 11 ニッケル粉末 12 リン粉末 15 焼結体 30 プラズマ放電焼結装置 41 母材 42 先端部分 44 キャビティ形成面 45 最先端部分 44 母材と共通の成分からなる焼結用粉末 46 先端部分の根元部分 410 母材ブランク 411、412 流路 413 環状流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591021671 日新工機株式会社 長野県茅野市米沢2104番1 (72)発明者 宮坂 和久 長野県諏訪市中洲4750番地11 諏訪熱工業 株式会社内 (72)発明者 宮坂 好人 長野県諏訪市中洲4750番地11 諏訪熱工業 株式会社内 (72)発明者 唐沢 均 長野県諏訪市中洲4750番地11 諏訪熱工業 株式会社内 (72)発明者 渕田 忠正 長野県諏訪市中洲4750番地11 諏訪熱工業 株式会社内 (72)発明者 西山 文毅 長野県諏訪市中洲4750番地11 諏訪熱工業 株式会社内 (72)発明者 山本 潤一 長野県長野市若里1−18−1 長野県工業 試験場内 (72)発明者 矢島 洋一 長野県長野市若里1−18−1 長野県工業 試験場内 (72)発明者 古畑 肇 長野県長野市若里1−18−1 長野県工業 試験場内 (72)発明者 鴇田 正雄 東京都港区西新橋3丁目20番4号 住友石 炭鉱業株式会社内 (72)発明者 宮本 真一 東京都港区西新橋3丁目20番4号 住友石 炭鉱業株式会社内 (72)発明者 谷 雅人 東京都港区西新橋3丁目20番4号 住友石 炭鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH74 AH75 AJ02 CA30 CB01 CD02 CD16 CD18 CD22 CD30 CK11 CL01 4K018 AA07 EA22 FA01 JA27 JA29 JA34 JA38 JA40 KA18

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成型用のキャビティ形成金型を形成
    するための原形を形成する原形形成工程と、前記原形に
    対して機械加工を施して前記キャビティ形成金型を仕上
    げる機械加工工程とを有する樹脂成型用のキャビティ形
    成金型の製造方法において、 前記原形形成工程では、パルス通電加圧焼結法を用い
    て、ニッケル−リンを含む焼結用粉末に対してパルス通
    電および/または直流電流を通電することにより、前記
    原形に対して前記機械加工を施す部分の少なくとも一部
    を形成することを特徴とするキャビティ形成金型の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記パルス通電加圧
    焼結法は、放電プラズマ焼結法、放電焼結法、プラズマ
    活性化焼結法のうちのいずれかの焼結法であることを特
    徴とするキャビティ形成金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記機械加
    工工程で前記原形に対して前記機械加工を施す部分は、
    キャビティ形成金型のキャビティ形成面であることを特
    徴とするキャビティ形成金型の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記原形形成工程では、ニッケル−リンを含む焼結用粉
    末に対するパルス通電加圧焼結法により形成した焼結体
    と、該焼結体とは異なる材料からなる母材とを接合し、 前記機械加工工程では、前記焼結体により構成された部
    分をダイヤモンドバイトにより切削することを特徴とす
    るキャビティ形成金型の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記原形を形成する
    にあたっては、パルス通電加圧焼結法に用いるパンチの
    プレス面に所定の凹凸を形成しておくことにより前記焼
    結体に対して前記パンチの凹凸を転写しておくことを特
    徴とするキャビティ形成金型の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記原形形
    成工程では、前記焼結体と前記母材との間にニッケル−
    リンを含む焼結用粉末を配置し、この焼結用粉末に対す
    るパルス通電加圧焼結法により前記焼結体と前記母材と
    を接合することを特徴とするキャビティ形成金型の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記焼結体と前記母
    材との間に配置した焼結用粉末では、前記焼結体の側か
    ら前記母材の側に向かってニッケル−リン成分が減少し
    ている一方、前記母材の側から前記焼結体の側に向かっ
    ては当該母材と共通する成分が増加していることを特徴
    とする傾斜組成構造を備えたキャビティ形成金型の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記原形形成工程では、母材に隣接するようにニッケル
    ーリンを含む焼結用粉末を配置し、この状態で前記焼結
    用粉末に対してパルス通電加圧焼結法を行なうことによ
    り焼結体と前記母材とが接合した構成の前記原形を形成
    することを特徴とするキャビティ形成金型の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記原形を形成する
    にあたっては、パルス通電加圧焼結法に用いるパンチの
    プレス面に所定の凹凸を形成しておくことにより前記焼
    結体に対して前記パンチの凹凸を転写することを特徴と
    するキャビティ形成金型の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、前記焼結
    用粉末のうち、母材に隣接する部分では、前記母材から
    離れた方から該母材の側に向かってニッケル−リン成分
    が減少している一方、前記母材の側から前記焼結体の側
    に向かっては当該母材と共通する成分が増加しているこ
    とを特徴とする傾斜組成構造を備えたキャビティ形成金
    型の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに規定
    する方法で製造されたことを特徴とするキャビティ形成
    金型。
  12. 【請求項12】 請求項11に規定するキャビティ形成
    金型を用いて成型されたことを特徴とする樹脂成型品。
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