JP4423516B2 - 対象物検知センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は人や物体などの対象物が接近(密着を含む)したことを検知する対象物検知センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレの便座に使用者が着座したことを検知する赤外線式の着座センサを例にとって、従来技術を説明する。実開昭63−45888号公報には、着座センサとして光センサ部を便座に設ける技術が開示されている。この技術のように、着座センサとして光センサ部を設ける場合には、便座の後端部を揺動可能に保持するカバーに検知窓を形成する。この検知窓は便座の後端部側に位置しており、便座に着座する使用者に対向するように形成されている。そして検知窓にフィルタ部を取り付け、フィルタ部に接近させた状態で光センサ部を配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的には、使用者が便座に着座する際には、便座の後端部まで含めて着座せず、便座の後端部側つまり検知窓からある程度離れて便座に着座する。この場合、検知窓と使用者との間の距離が確保されるため、上記した着座センサは使用者の着座を良好に検知することができる。
【0004】
しかし使用者によっては、例えば過剰に肥満したタイプの使用者のように、便座の後端部側に配置されている検知窓に使用者が密着する状態で、便座に着座することがある。この場合、検知窓(光センサ部)と使用者との間の距離が足らず、使用者が着座しているにも関わらず、着座を検知できないおそれがある。
【0005】
このような場合であっても検知性能を向上するためには、光センサ部と使用者との間の距離を確保すべく、カバーに取り付けたフィルタ部から、光センサ部をある程度遠ざけた状態で光センサ部を配置する方策が考えられる。
【0006】
上記のようにフィルタ部から光センサ部を遠ざけた状態で光センサ部をカバーに取り付けると、上記したように使用者が検知窓に密着した場合における検知性能は向上する。しかし検査光である赤外線が使用者で反射するのではなく、使用者以外のカバーの内面で反射することが往々にしてある。検査光である赤外線が拡散性を有するため、拡散した赤外線がカバーに入射してしまうからである。そのためカバーの形状の如何によっては、カバーの内面に入射した赤外線が反射し、その反射光が受光部で受光されてしまい、誤検知の要因となるおそれがある。即ち、使用者が着座していないにもかかわらず、使用者が着座していると誤検知してしまうおそれがある。カバーでの反射を抑えるためカバーの形状を変更する方策も考えられるが、カバーの形状の選択の自由度が制約され、機能部品やデザイン部品等では好ましくない。
【0007】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、対象物と光センサ部との間の距離を確保し、検知窓に密着している対象物であっても良好に検知できるようにし、更に、発光部からの光の拡散に起因する誤検知を抑制するのに有利な対象物検知センサを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象物検知センサは、対象物を検知するための検知窓をもつ基部に装着される対象物検知センサであって、
基部の検知窓から距離を隔てて対象物から遠ざかる側に配置され、基部の検知窓との間に発光用空間を形成する発光部と基部の検知窓との間に受光用空間を形成する受光部を備えたケースを有する光センサ部と、
発光用空間のうちの少なくとも受光用空間と反対側を包囲する形状をなしており且つ発光用空間と受光用空間とを連通させつつ、光センサ部と基部の検知窓との間に介在し、光センサ部の発光部から発光した光に対して遮光性を有し、光センサ部の発光部から発光した光が基部の検知窓の周囲で反射することを抑える遮光部材と、
光波長選択機能をもつ共に基部の検知窓に取り付けられるフィルタ部を有するフィルタ部材とを具備しており、
光センサ部のケースは、一対の第1の係合突起と、一対の第1の係合突起に対してケースを介して反対側に配置された一対の第2の係合突起と、固定用の第3の係合突起とを有しており、
遮光部材は、光センサ部のケースに形成されている一対の第1の係合突起がそれぞれ嵌合して位置決めされる第1の係合溝を有しており、
フィルタ部材は、光センサ部のケースに形成されている一対の第2の係合突起がそれぞれ嵌合して位置決めされる第2係合溝と、光センサ部のケースの第3の係合突起が嵌まる固定用の係合孔とを有しており、
光センサ部のケースの一対の第1の係合突起が遮光部材の第1の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされると共に、光センサ部のケースの一対の第2の係合突起がフィルタ部材の第2の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされることにより、光センサ部の光軸の姿勢が位置決めされ、且つ、位置決めされた状態で光センサ部の第3の係合突起とフィルタ部材の係合孔とが互いに係合する1箇所の係合箇所で、光センサ部、遮光部材およびフィルタ部材の三者が一体に組み付けられていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の対象物検知センサによれば、光センサ部は、光を発光して受光できるものであればよく、光の波長領域は特に限定されず、可視光でも非可視光でも良い。非可視光としては赤外線が代表的なものである。赤外線であれば可視光の影響を避け得る。従って光センサ部の発光部は例えば赤外線LED、赤外線電球とすることができる。更に発光部は半導体レーザ素子、可視光LEDとすることもできる。受光部は例えばPSD素子(Position Sensitive Device)、フォトトランジスタ、フォトダイオードなどを採用することができる。
【0010】
光センサ部と基部の検知窓との間には、光センサ部の発光部から発光した光に対して遮光性を有する遮光部材が設けられている。そのため、光センサ部の発光部からの光が拡散しようとしても、拡散は遮光部材で遮られる。よって、光センサ部の発光部から発光した光が検知窓の周囲に入射しそこで反射することは、抑制される。故に、検知窓の周囲での反射に起因する誤検知を未然に防止するのに有利となる。
【0011】
本発明によれば、光センサ部のケースの位置決め用の一対の第1の係合突起が遮光部材の位置決め用の第1の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされると共に、光センサ部のケースの位置決め用の一対の第2の係合突起がフィルタ部材の位置決め用の第2の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされる。これにより光センサ部の光軸の姿勢が位置決めされる。
【0012】
本発明によれば、上記したように光センサ部の光軸の姿勢が位置決めされた状態で、光センサ部のケースの固定用の第3の係合突起とフィルタ部材の固定用の係合孔とが互いに係合する1箇所の係合箇所で、光センサ部、遮光部材およびフィルタ部材の三者が固定されて一体に組み付けられている。
【0013】
本発明の対象物検知センサの好ましい態様によれば、基部は、便座を揺動可能に支持するカバーであり、検知窓は便座に対向している構成を採用することができる。これにより使用者が便座に着座したことを検知できる。
【0014】
本発明の対象物検知センサによれば、遮光部材は発光用空間及び受光用空間の双方を包囲する筒形状をなしている。このようにすれば、光センサ部の発光部から発光された光が発光側において予想外に拡散することが効果的に抑制される。また、受光側において、予想外の外乱光を光センサ部の受光部が受光することが効果的に抑えられる。故に、誤検知防止性が一層向上する。
【0015】
本発明の対象物検知センサの好ましい態様によれば、フィルタ部材は、基部の検知窓に取り付けられるフィルタ部と、フィルタ部と一体的に設けられ光センサ部を検知窓から遠ざけて保持する保持筒部とで形成されている構成を採用することができる。この場合には、光波長選択機能を奏するフィルタ部材の保持筒部を有効利用して、光センサ部を基部の検知窓から遠ざけることができる。
【0016】
このように本発明の対象物検知センサは、光センサ部、遮光部材、フィルタ部材という複数の部品を組み付けて形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は組み付けた状態を一部断面にして表す平面図を示し、図2は分解した状態の平面図を示す。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の対象物検知センサ1は、人や物体などの対象物Mの近接を検知するための検知窓20をもつ基部2に取り付けられるものである。基部2は、図1に示す断面と直交する断面においては、やや円弧を帯びて曲成されている。
【0020】
対象物検知センサ1は、基部2の検知窓20から距離を隔てて対象物Mから遠ざかる側に配置された光センサ部3と、光センサ部3と基部2の検知窓20との間に介在する遮光部材4とを備えており、更に、検知窓20に取り付けられたフィルタ部材5を備えている。
【0021】
検知窓20は、検知窓20への対象物Mの近接(密着を含む)の有無を検知するための開口であり、基部2のうち対象物Mが接近する位置に対象物Mに対向するように形成されている。
【0022】
光センサ部3は、検査光として機能する非可視光である赤外線を検知窓20に透過させて検知窓20の外方に放出する発光部30と、検知窓20の外方に位置する対象物Mで反射した赤外線を検知窓20を介して受光する受光部31とを備えている。光センサ部3の発光部30は具体的には赤外線LEDで形成されている。受光部31は具体的にPSD素子で形成されている。
【0023】
光センサ部3は、三角測量法を利用して対象物Mの有無を検知するため、対象物Mと光センサ部3との距離をある程度必要とする。従って検知窓20をもつ基部2と発光部30との間には、発光用空間33が形成されている。また、検知窓20をもつ基部2と受光部31との間には、受光用空間34が形成されている。
【0024】
遮光部材4は光センサ部3とは別部品であり、光センサ部3の発光部30から放出された赤外線が検知窓20の周囲の基部2で反射することを抑えるためのものである。従って、遮光部材4は、光センサ部3の発光部30から発光した赤外線に対して遮光性を有する遮光材料(例えば黒色ポリカーボネイト)で形成されている。遮光部材4は、発光用空間33及び受光用空間34の双方を外側から包囲している。更に遮光部材4は光センサ部3の発光部30及び受光部31をも外側から包囲し、光センサ部3に対する遮光性を一層高めている。
【0025】
図2に示すように、遮光部材4の一端4a側には逃げ部40が形成されている。遮光部材4の他端4b側には、U形状の第1の係合溝42a,42b(図2において破線で図示)が形成されている。第1の係合溝42a,42bは遮光部材4の軸長方向に沿って延設されており、軸長方向の他端4bで開口している
図2に示すように、光センサ部3は、発光部30及び受光部31を保持するケース36と、ケース36に一体的に設けられた傾斜部37とを備えている。光センサ部3は、小ピン形状の第1の係合突起38a,38b(図2において破線で図示),小ピン形状の第2の係合突起38e,38f(図2において実線で図示)と、第3の係合突起38d(図2において実線で図示)とをもつ。
【0026】
図2に示すように、フィルタ部材5は光センサ部3及び遮光部材4とは別部品である。フィルタ部材5は、検知窓20に取り付けられる四角形状をなすフィルタ部50と、フィルタ部50と一体的に検知窓20から遠ざかる方向につまり矢印C方向に延設された四角形状の保持筒部51とを備えている。フィルタ部50は所望の赤外線の光波長を選択して透過させる選択機能をもつため、赤外線を透過する材料で形成されている必要がある。保持筒部51はフィルタ部50と同じ材料でフィルタ部50と共に一体成形されているため、フィルタ部50と同様に赤外線に対する透過性をもつ。なお、フィルタ部50は大きな曲率半径をもつ円弧で三次元的に曲成されており、また、レンズ性を抑制すべく厚みが実質的に均一とされている。
【0027】
フィルタ部材5の保持筒部51は、径方向につまり矢印A1,A2方向に弾性変形可能な複数個の弾性腕部52と、スリット溝53wで区画され保持筒部51の軸長方向に延設された舌片53と、U字形状の第2の係合溝54e,54f(図2において実線で図示)と、四角形状の係合孔55(図2において実線で図示)とをもつ。第2の係合溝54e,54fは保持筒部51の軸長方向に沿って延設されており、軸長方向の他端51bで開口している。スリット溝53wはフィルタ部材5の軸長方向に沿って延設されている。なお各弾性腕部52の先端部には係止爪52kが形成されている。
【0028】
組み付けに際しては、光センサ部3と遮光部材4とフィルタ部材5とを一体的に取り付ける。この場合図2から理解できるように、光センサ部3の第1の係合突起38aが遮光部材4の第1の係合溝42aに嵌まり、第1の係合突起38bが遮光部材4の第1の係合溝42bに嵌まる。また、光センサ部3の第3の係合突起38dがフィルタ部材5の係合孔55に嵌まると共に、光センサ部3の第2の係合突起38eがフィルタ部材5の第2の係合溝54eに嵌まり、第2の係合突起38fがフィルタ部材5の第2の係合溝54fに嵌まる。これにより三者は一体化する。
【0029】
このようにした状態で、検知センサ1を基部2の検知窓20の外側から内側に向けてつまり図1に示す矢印B1方向に検知窓20内に装入する。装入の際には、弾性腕部52が内径方向つまり矢印A1方向に向けて逃げ部40に弾性変形するため、装入操作は容易となる。
【0030】
装入した状態では、図1に示すように、フィルタ部50の外縁部50hが検知窓20の周囲の段部20hに係止すると共に、弾性腕部52が外径方向つまり矢印A2方向に弾性復帰するため、基部2の検知窓20に検知センサ1を抜け止め状態で装着することができる。検知センサ1は基部2の内面2m側に装着されている。なお、この状態では光センサ部3の先端部は基部2の内面2mよりも約LAぶん奥方に後退している。
【0031】
上記のように検知センサ1を基部2に装着した状態では、図1に示すように、フィルタ部材5の保持筒部51の内部に遮光部材4及び光センサ部3が保持されている。遮光部材4は光センサ部3と検知窓20との間に介在しており、遮光部材4の一端4aは検知窓20に到達してフィルタ部50に接近し、遮光性を確保している。またフィルタ部材5の保持筒部51の他端51bは、遮光部材4の他端4bよりも、検知窓20から遠ざかる方向に位置している。これにより遮光部材4を確実に保持するようにしている。
【0032】
また上記のように検知センサ1を基部2に装着した状態では、遮光部材4の他端4b側の周壁4mはフィルタ部材5の保持筒部51の内壁面51iに密着し、これにより遮光部材4はがたつかないように保持されている。また図1に示すように、フィルタ部材5に保持されている光センサ部3の第3の係合突起38dは遮光部材4の他端4bに対面係止し、ストッパとして機能するため、遮光部材4の抜け止めが図られている。
【0033】
また上記したように検知センサ1を基部2に装着した状態では、図1に示すように、発光用空間33と受光用空間34とを互いに連通させつつ、遮光部材4は発光用空間33及び受光用空間34の双方を包囲している。更に遮光部材4は、光センサ部3の発光部30及び受光部31の双方の外側を包囲している。
【0034】
検知の際には、光センサ部3の発光部30から赤外線が放出され、その赤外線は検知窓20、つまりフィルタ部50を透過して基部2の外方に進行する。検知窓20の外側付近に対象物Mが存在する場合には、赤外線は対象物Mで反射する。反射した赤外線は検知窓20つまりフィルタ部50、更に受光用空間34を透過し、光センサ部3の受光部31で受光される。受光部31の信号は図略の制御装置に入力される。これにより制御装置は対象物Mが検知窓20つまりフィルタ部50に接近していることを検知する。
【0035】
換言すると、対象物Mが検知窓20から離れて位置M1に存在している場合、発光部30から放出された赤外線P1が位置M1の対象物Mに当たって反射し、その反射した赤外線P2は受光部31に到達して受光される。これにより位置M1の対象物Mを検知することができる。
【0036】
また、光センサ部3を検知窓20から遠ざけると共に、発光用空間33と受光用空間34とを互いに連通させている本実施形態においては、対象物Mが検知窓20のフィルタ部50に密着するように位置M2に存在している場合であっても、発光部30から放出された赤外線P3がフィルタ部50を透過した直後に、位置M2の対象物Mに当たって反射し、その反射した赤外線P4は受光部31に到達して受光される。これによりフィルタ部50に密着している状態の対象物Mであっても、検知することができる。
【0037】
以上の説明から理解できるように本実施形態においては、光センサ部3は基部2の検知窓20から遠ざかる方向に配置され、基部2の検知窓20と光センサ部3との間に距離が確保されており、更に、発光用空間33と受光用空間34とが互いに連通している。そのため、対象物Mが基部2の検知窓20から離れている場合には勿論のこと、対象物Mが検知窓20のフィルタ部50に密着している場合であっても、対象物Mを良好に検知することができる。
【0038】
なお本発明者が行った試験によれば、対象物Mが検知窓20のフィルタ部50に密着した場合には、従来品では誤検知率は約40〜50%であったが、本実施形態では誤検知はほとんどみられなかった。
【0039】
さらに本実施形態においては、光センサ部3の発光用空間33は遮光部材4で包囲されているため、光センサ部3を検知窓20から遠ざけている場合であっても、発光側において赤外線が遮光部材4の外側に拡散されることを防止することができる。よって発光部30から放出された赤外線が基部2の内面2mで反射されることを防止することができ、ひいては、この反射に起因する誤検知を防止することができる。このように基部2での赤外線の反射を抑え得るため、基部2の形状の選択の自由度を拡大できる。
【0040】
加えて本実施形態においては、図1に示すように、遮光部材4は発光用空間33の他に受光用空間34の外側をも覆っているため、受光側においても、対象物Mとは異なる物体によって反射した赤外線が受光部31で受光されることを防止することができる。
【0041】
本実施形態においては、図2に示すように、遮光部材4の第1の係合溝42a,42bは軸長方向に沿って延設されており、フィルタ部材5の第2の係合溝54e,54fも軸長方向に沿って延設されている。そのため光センサ部3のケース36の第1の係合突起38a,38bを遮光部材4の第1の係合溝42a,42bに嵌めると共に、光センサ部3のケース36の第2の係合突起38e,38fをフィルタ部材5の第2の係合溝54e,54fに嵌めれば、光センサ部3の光軸が正しい姿勢となるように光センサ部3を良好に且つ簡便に位置決めすることができる。
【0042】
また本実施形態では、フィルタ部材5は、基部2の検知窓20に取り付けられるフィルタ部50と、フィルタ部50と一体的に成形された保持筒部51とで形成されている。保持筒部51はフィルタ部材5の軸長方向に沿って対象物Mから遠ざかる方向に延設されている。故に、赤外線領域の波長を選択する機能をもつフィルタ部材5を有効利用して、光センサ部3を基部2の検知窓20から遠ざけて保持でき、これにより検知窓20と光センサ部3との間の距離を確保することができる。
【0043】
なお、光センサ部3を検知窓20から更に遠ざけたい場合には、軸長が長い保持筒部51をもつフィルタ部材5を採用すれば良い。
【0044】
更に本実施形態においては、光センサ部3、遮光部材4、フィルタ部材5がそれぞれ別部品とされているため、対象物Mの種類に適合するように光センサ部3の仕様を変更したい場合には、光センサ部3のみを交換すればよく、遮光部材4、フィルタ部材5の共通化を図ることができる。
【0045】
(他の実施形態)
図3は他の実施形態を示す。この実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。但しこの実施形態では、発光用空間33と受光用空間34との間を所定距離Lで仕切る遮光壁部49が遮光部材4に一体的に成形されている。従って遮光壁部49は遮光性をもつ材料で形成されている。
【0046】
遮光壁部49は遮光部材4と同一材料で遮光部材4と一体的に形成されているため、赤外線の透過を遮る機能をもつ。図3に示すように、遮光壁部49は光センサ部3側に寄せられているため、検知窓20側つまりフィルタ部50側では発光用空間33と受光用空間34とは連通している。
【0047】
このように検知窓20側において発光用空間33と受光用空間34とが連通しておれば、位置M2の対象物Mがフィルタ部50に密着しているときであっても、発光部30から放出された赤外線P3を対象物Mで反射させ、その反射光である赤外線P4を受光部31で受光することができる。
【0048】
ユニットバスなどのように結露を生成し易い雰囲気で対象物検知センサ1が使用される場合には、フィルタ部50に結露が生じることが往々にしてある。この場合には、フィルタ部50に付着した水滴で赤外線が反射することがある。この場合には、遮光壁部49の長さLを適宜調整すれば、フィルタ部50に付着した水滴で反射した赤外線が受光部31に進入することを抑制するのに有利となる。
【0049】
なお、遮光壁部49の長さLを増加した場合には、フィルタ部50に付着した水滴に起因する誤検知を防止できるが、その反面、フィルタ部50に密着している対象物Mを検知する検知性能がやや低下する。このことを考慮して、遮光壁部49の長さLを選択することが好ましい。例えば、フィルタ部50で結露し易い雰囲気において対象物検知センサ1が使用される場合には、遮光壁部49の長さLを増加する。また、フィルタ部50で結露しにくい雰囲気において対象物検知センサ1が使用される場合には、遮光壁部49の長さLを短くしたり、遮光壁部49を廃止したりできる。また、この遮光壁部49は、フィルタ部表面のほこり等の汚れや、傷に対しても同様の効果をもつことができる。
【0050】
図4は別の他の実施形態を示す。この実施形態は前記した図1に示す実施形態と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。但しこの実施形態では、遮光部材4Bは前記した遮光部材4を2分割した一方の形態をなしており、発光用空間33及び光センサ部3の発光部30を外側から包囲するが、受光用空間34を直接的には包囲しない。
【0051】
反射促進部材7は前記した遮光部材4を2分割した他方の形態をなしており、遮光部材4とは異なる材料で形成されており、受光用空間34を直接包囲する。
【0052】
図4に示す実施形態においては、遮光部材4Bと反射促進部材7とで筒形状を構成し、発光用空間33と受光用空間34とを互いに連通するように包囲している。そのため前述同様に、フィルタ部50に密着している対象物Mであっても、その対象物Mを良好に検知することができる。
【0053】
(適用形態)
図5及び図6は適用形態を示す。図5及び図6に示すように、本適用形態は、局部洗浄機能を有するシャワートイレ用の便座装置8に適用した場合である。便座装置8は、便器装置の後部に取り付けられる樹脂製のカバー80と、カバー80に揺動可能に支持された便座81と、カバー80に揺動可能に支持された便蓋82とを備えている。
【0054】
カバー80は基部として機能するものであり、制御装置などの電装品を内蔵する。カバー80には検知窓20が形成されている。検知窓20は、便座82に着座する使用者M5に指向するように、便座82に対向して形成されている。検知窓20はフィルタ部50で閉じられており、便器を使用する際または清掃する際の水密性が確保されている。よってカバー80内に保持されている検知センサ1の耐久性の向上に貢献できる。
【0055】
図5に示すように、検知センサ1はカバー80の内部において検知窓20に対向して配置されている。光センサ部3から放出された赤外線は検知窓20つまりフィルタ部50を透過し、便座81に着座している使用者M5で反射し、再び検知窓20つまりフィルタ部50を透過し光センサ部3で受光される。この結果、使用者M5が便座81に着座したことを制御装置は検知することができる。従って検知センサ1は便座装置8における着座センサとして機能できる。なお、P6は光センサ部3による検知範囲を示す。
【0056】
本適用形態は便座装置8の着座センサとして適用した場合であるが、これに限られるものではない。例えば人の存在を検知するものに限らず、ワークや物品などの他の対象物の存在を検知する対象物検知センサに適用することもできる。
【0057】
そのほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものでなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できるものである。
【0058】
(付記)
上記した記載及び図面から次の技術的思想も把握することができる。
・各請求項に記載の対象物検知センサは着座センサであり、基部は便座装置のカバーであることを特徴とする。便座に使用者が着座したことを良好に検知できる。
・各請求項において光センサ部は赤外線センサであることを特徴とする対象物検知センサ。可視光に影響されることを防止できる。
・対象物が検知窓に密着していることを検知する密着センサであることを特徴とする各請求項にかかる対象物検知センサ。
・発光用空間及び受光用空間は少なくとも検知窓側で連通していることを特徴とする各請求項にかかる対象物検知センサ。対象物が検知窓に密着しているときでも、対象物を検知できる。
・光センサ部は遮光部材の抜け止めを行うストッパを備えていることを特徴とする各請求項にかかる対象物検知センサ。
・使用者が着座する便座と、便座を揺動可能に保持するカバーとをもつトイレ用便座装置であって、カバーは、使用者を検知するための検知窓をもち、
検知窓から距離を隔てて対象物から遠ざかる側に配置され、カバーの検知窓との間に発光用空間を形成する発光部とカバーの検知窓との間に受光用空間を形成する受光部を備えた光センサ部と、
発光用空間及び受光用空間のうちの少なくとも発光用空間を覆うように且つ発光用空間と受光用空間とを連通させつつ、光センサ部とカバーの検知窓との間に介在し、光センサ部の発光部から発光した光に対して遮光性を有し、光センサ部の発光部から発光した光がカバーの検知窓の周囲で反射することを抑える遮光部材とを具備していることを特徴とするトイレ用便座装置。
【0059】
便座に着座している使用者が検知窓から離れている場合は勿論のこと、使用者が検知窓に密着している場合であっても、使用者を良好に検知することができる
更に遮光部材により光の拡散を防止できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の対象物検知センサによれば、基部の検知窓から光センサ部を遠ざけているため、対象物が検知窓から離れている場合は勿論のこと、対象物が検知窓に密着している場合であっても、対象物を良好に検知することができる。
【0061】
本発明の対象物検知センサによれば、光センサ部と基部との間には、光センサ部の発光部から発光した光に対して遮光性を有する遮光部材が設けられている。そのため、上記したように基部の検知窓から光センサ部を遠ざけているにも関わらず、光センサ部の発光部から発光した光が拡散することを抑えることができ、従って、発光部から発光した光が基部の検知窓の周囲で反射することは、抑制される。故に、検知窓の周囲での反射に起因する誤検知を未然に防止するのに有利となり、検知の信頼性が向上する。
【0062】
本発明の対象物検知センサの組み付けに際しては、光センサ部と遮光部材とフィルタ部材とを一体的に取り付ける。この場合、光センサ部のケースに設けられている一対の第1の係合突起が遮光部材の第1の係合溝にそれぞれ嵌まり位置決めされる。また、光センサ部のケースに設けられている一対の第2の係合突起がフィルタ部材の第2の係合溝にそれぞれ嵌まり位置決めされる。これにより、三者、すなわち、光センサ部と遮光部材とフィルタ部材とは一体化される。この場合、光センサ部の光軸が正しい姿勢となるように光センサ部は良好に且つ簡便に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係り、対象物検知センサを組み付けた状態を一部断面にして示す平面図である。
【図2】実施形態に係り、対象物検知センサを分解した状態の平面図である。
【図3】他の実施形態に係り、対象物検知センサを組み付けた状態を一部断面にして示す平面図である。
【図4】別の他の実施形態に係り、遮光部材と反射促進部材との平面図である。
【図5】適用形態に係り、対象物検知センサを内蔵した便座装置の平面図である。
【図6】適用形態に係り、対象物検知センサを内蔵した便座装置の側面図である。
【符号の説明】
図中、1は対象物検知センサ、2は基部、20は検知窓、3は光センサ部、30は発光部、31は受光部、33は発光用空間、34は受光用空間、4及び4Bは遮光部材、5はフィルタ部材、50はフィルタ部、51は保持筒部、8は便器装置、80はカバー(基部)、Mは対象物を示す。
Claims (2)
- 対象物を検知するための検知窓をもつ基部に装着される対象物検知センサであって、
前記基部の前記検知窓から距離を隔てて前記対象物から遠ざかる側に配置され、前記基部の前記検知窓との間に発光用空間を形成する発光部と前記基部の前記検知窓との間に受光用空間を形成する受光部を備えたケースを有する光センサ部と、
前記発光用空間のうちの少なくとも前記受光用空間と反対側を包囲する形状をなしており且つ前記発光用空間と前記受光用空間とを連通させつつ、前記光センサ部と前記基部の前記検知窓との間に介在し、前記光センサ部の前記発光部から発光した光に対して遮光性を有し、前記光センサ部の前記発光部から発光した光が前記基部の検知窓の周囲で反射することを抑える遮光部材と、
光波長選択機能をもつ共に前記基部の前記検知窓に取り付けられるフィルタ部を有するフィルタ部材とを具備しており、
前記光センサ部の前記ケースは、一対の第1の係合突起と、前記一対の第1の係合突起に対して前記ケースを介して反対側に配置された一対の第2の係合突起と、固定用の第3の係合突起とを有しており、
前記遮光部材は、前記光センサ部の前記ケースに形成されている一対の第1の係合突起がそれぞれ嵌合して位置決めされる第1の係合溝を有しており、
前記フィルタ部材は、前記光センサ部の前記ケースに形成されている一対の第2の係合突起がそれぞれ嵌合して位置決めされる第2係合溝と、前記光センサ部の第3の係合突起が嵌まる固定用の係合孔とを有しており、
前記光センサ部の前記ケースの前記一対の第1の係合突起が前記遮光部材の第1の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされると共に、前記光センサ部の前記ケースの前記一対の前記第2の係合突起が前記フィルタ部材の前記第2の係合溝とそれぞれ嵌合して位置決めされることにより、前記光センサ部(3)の光軸の姿勢が位置決めされ、且つ、前記位置決めされた状態で前記光センサ部の前記第3の係合突起と前記フィルタ部材の前記係合孔とが互いに係合する1箇所の係合箇所で、前記光センサ部、前記遮光部材および前記フィルタ部材の三者が一体に組み付けられていることを特徴とする対象物検知センサ。 - 請求項1において、前記基部は、トイレ用便座装置における便座を支持するカバーであり、前記検知窓は前記便座に対向していることを特徴とする対象物検知センサ。
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