JP4420419B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、過去の販売実績から販売需要を予測して運転状態を切り換える自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、カップに飲料を注出して提供・販売するカップ式飲料の自動販売機では、温飲料、冷飲料、さらには氷入りの冷飲料などを販売するため、販売可能な運転状態においては、ヒータによって湯水を沸き上げて一定の沸上温度に保ち、冷却装置によって冷水を冷却して一定の冷却温度に保ち、製氷装置によって氷を作り、さらに商品見本のパネルや広告のパネルを照明するランプを点灯させている。
【0003】
このような自動販売機が工場や事務所に設置される場合、商品の需要は出勤日の勤務時間帯に集中しており、休日や勤務時間帯外には、商品の需要はほとんどなく、このような状況でも販売可能な運転状態を維持したのでは、エネルギーの無駄な消費になっている。
【0004】
そこで、例えば、掲載特許第3066045号公報に記載されているように、過去の販売実績から販売需要を予測して、運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換えることで、エネルギーの無駄を少なくしようとする自動販売機がある。販売需要の予測は、1日の時間帯毎の販売実績を1週間分記憶しておき、前の週の同じ曜日の販売実績に基づいて、販売実績のあった時間帯を通常運転、販売実績のなかった時間帯を省エネ運転としている。また、販売需要の予測を補正するために、赤外線センサにより自動販売機の前を通過する人を検知し、環境温度センサによりエアコンの作動による環境温度の変化を検知するとともに、照度センサにより照明の点灯を検知することにより、例えば休日で、予測では販売需要がなく、省エネ運転に設定していても、省エネ運転から通常運転に自動的に切り換えて販売を許容している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、過去の販売実績から販売需要を予測して運転状態を通常運転と省エネ運転とに切り換えるので、どうしても予測が外れる場合も多い。
【0006】
販売需要の予測を補正するために、赤外線センサ、環境温度センサおよび照度センサなどの検知に基づいて省エネ運転から通常運転に自動的に切り換えて販売を許容しているが、これも予測しているだけで、実際に販売がなされるかどうかわからず、販売がなされなければ省エネ運転から通常運転に切り換えたことが無駄になってしまう。つまり、利用者の意志で販売を許容する通常運転に切り換えるのではなく、利用者の意志は反映されていない。
【0007】
また、工場や事務所でみられる光景として、利用者がいない状態にあっても自動販売機が通常運転におかれている場合があり、無駄と思いつつも通常運転のまま放置せざるを得ない状態にある。
【0008】
このように、従来の自動販売機では、予測機能が十分でなかったり、利用者や管理者の意志が反映されず、利用者にとって十分な利便性が得られていなかった。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、過去の販売実績から販売需要を予測して運転状態を切り換える場合に、より利便性の高い自動販売機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の自動販売機は、運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯と最後の時間帯を割り出し、この割り出した最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、前記運転切換手段を制御する制御手段とを具備しているものである。
【0011】
そして、時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯と最後の時間帯を割り出し、この割り出した最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定することにより、少し早い時間や少し遅い時間での販売需要にも対応可能とし、そのため、予測機能が向上し、利便性が向上する。
【0012】
請求項2記載の自動販売機は、運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、省エネ運転の時間帯が1日中である場合には前日以前の通常運転のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定し、前記運転切換手段を制御する制御手段とを具備しているものである。
【0013】
そして、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、省エネ運転の時間帯が1日中である場合には前日以前の通常運転のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定することにより、販売需要に変化にも対応可能とし、そのため、予測機能が向上し、利便性が向上する。
【0014】
請求項3記載の自動販売機は、運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、省エネ運転する日を設定する年間タイマと、省エネ運転する曜日を設定する週間タイマと、前記記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、前記年間タイマによる設定、前記週間タイマによる設定、および記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく設定の順に優先した運転状態に前記運転切換手段を制御する制御手段とを具備しているものである。
【0015】
そして、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、年間タイマによる設定、週間タイマによる設定、および記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく設定の順に優先した運転状態に制御することにより、自動販売機の設置者の意志を優先的に反映して運転状態を切り換えることが可能となり、利便性が向上する。
【0016】
請求項4記載の自動販売機は、請求項1ないし3いずれか記載の自動販売機において、運転状態を表示する表示手段を備えているものである。
【0017】
そして、表示手段により運転状態を表示することにより、現在の運転状態や運転状態の切り換えを確認可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図2に自動販売機を示し、この自動販売機は、カップに飲料を注出して提供・販売するカップ式飲料自動販売機で、前面を開口した販売機本体11、およびこの販売機本体11の前面に開閉可能に設けられる扉体12を有している。
【0020】
扉体12の略中央部には販売口扉13によって開閉される販売口14が形成され、販売口14より上部側には、飲料の種類を表示したカードなどを展示する複数の商品展示部15およびこれら各商品展示部15の下側に飲料を選択する選択ボタン16が配設されているとともに、表示手段としての表示部17、硬貨投入口18および返却レバー19などを有する操作部20が配設され、この操作部20の下方に釣銭や返却硬貨が払い出される返却口21が形成されている。扉体12の販売口14から上部側の領域には、内側から電照されるパネル22で覆われている。
【0021】
表示部17は、投入金額、および釣銭切れなどを表示する他、販売(通常運転)、休止、および省エネ運転(お休み)などの運転状態を表示する。図中の17aは省エネ運転中であることを表示する表示部である。
【0022】
次に、図1に自動販売機の構成図を示し、31は自動販売機を制御する制御手段で、この制御手段31には、選択ボタン16、表示部17、操作部20、貨幣処理部32が接続され、さらに、運転切換手段33を介して湯水供給装置34、冷水供給装置35、照明装置36が接続され、さらに、飲料提供装置37が接続されている。
【0023】
貨幣処理部32は、硬貨投入口18に投入された硬貨を受け入れて処理するとともに、釣銭や返却硬貨を返却口21に払い出す。湯水供給装置34は、湯タンクに給水される飲料水をヒータで所定の温度に沸き上げて保温する。冷水供給装置35は、冷却機で冷却水を冷却し、この冷却水中に、飲料水が通過する冷却コイルを配置することにより、飲料水の注出時に冷却コイルを通じて冷却水と飲料水とが熱交換し、飲料水を冷却して注出する。照明装置36は、扉体12のパネル22の内側に配置される蛍光灯などのランプを備え、パネル22を内側から照明する。
【0024】
飲料提供装置37は、カップに飲料を注出して販売口14に提供するもので、例えばレギュラーコーヒーの場合には、コーヒー豆を挽き、挽いたコーヒー粉と湯水とを抽出器で混合してコーヒー液を濾過抽出し、濾過抽出されたコーヒー液をカップに注出し、また、インスタントコーヒーの場合には、カップに粉末原料および湯水を入れて撹拌混合する。
【0025】
運転切換手段33は、自動販売機の運転状態を飲料の販売が可能な通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換えるもので、通常運転では、湯水供給装置34により湯タンク内の湯水温度を例えば95℃に保ち、冷水供給装置35により冷却コイル内の冷水温度を所定の冷水温度に保ち、照明装置36によりランプを点灯して照明し、また、省エネ運転では、湯水供給装置34により湯タンク内の湯水温度を食品衛生法で規定された温蔵下限温度である63℃以上に保ちながら通常運転時より低い例えば67℃に保ち、冷水供給装置35により冷却コイル内の冷水温度を食品衛生法で規定された冷蔵上限温度である10℃以下に保ちながら通常運転時より高い温度に保ち、照明装置36によりランプを消灯する。
【0026】
制御手段31には、記憶手段38およびタイマ39が接続されている。記憶手段38は、所定期間、例えば3週間分の時間帯毎の販売実績、つまり飲料の販売が有ったか無かったかを記憶し、更新していく。タイマ39は、省エネ運転する日を年間で設定する年間タイマ40、および省エネ運転する曜日を週間で設定する週間タイマ41を備えている。
【0027】
そして、制御手段31は、記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて通常運転の時間帯および省エネ運転の時間帯を設定する学習機能、年間タイマ40、週間タイマ41および学習機能で時間帯毎に設定された運転状態に運転切換手段33を切換制御する運転状態設定手段の機能、外部の切換操作手段42による切換操作によって運転状態を切り換える機能を有している。
【0028】
本実施の形態では、制御手段31で設定された運転状態での運転中に、外部からの切換操作によって運転状態を切り換えさせる切換操作手段42は、運転状態を省エネ運転から通常運転に切り換えさせる切換操作手段42であり、この切換操作手段42としては商品を選択する選択ボタン16が兼用される。
【0029】
制御手段31は、記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転に設定する機能、切換操作手段42で運転状態の切換操作があった場合に、所定時間だけ運転状態を切り換えるとともに所定時間が経過したら制御手段31で設定された運転状態での運転に切り換える機能、記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて省エネ運転の時間帯が1日中であると判断した場合、前日以前の販売実績のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定する機能、通常運転の最後の時間帯に販売があった場合に通常運転を所定時間だけ延長する機能、年間タイマ40による設定、週間タイマ41による設定、記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく学習機能による設定の順に優先して運転状態を制御する機能を有している。
【0030】
記憶手段38は、販売実績の有、無を記憶するとともに、切換操作手段42で運転状態の切換操作があった場合に販売実績として記憶する機能を有している。
【0031】
次に、図3に、自動販売機の年間タイマ40、週間タイマ41および学習機能と運転状態との関係を示す。
【0032】
学習機能は、通常運転および省エネ運転に切り換わる他、学習機能のオフにも設定でき、また、週間タイマ41は、曜日毎でかつ時間帯毎に、販売および休止を設定できるとともに、週間タイマ41のオフにも設定でき、また、年間タイマ40は、省エネ運転する日を設定できるとともに、年間タイマ40のオフにも設定できる。これらの設定は、自動販売機内に配設される管理者用の操作部で可能とする。
【0033】
運転状態(運転モード)は、上述したように、年間タイマ40、週間タイマ41、学習機能の順に定められた優先順位に基づいて、通常運転と省エネ運転とが設定される。年間タイマ40が省エネ運転の場合には省エネ運転が設定される。年間タイマ40がオフの場合には週間タイマ41の設定が優先され、つまり、週間タイマ41が販売の場合には通常運転が設定され、休止の場合には省エネ運転が設定される。年間タイマ40に加えて週間タイマ41もオフの場合には学習機能で設定され、つまり、学習機能で通常運転の場合には通常運転が設定され、省エネ運転の場合には省エネ運転が設定される。年間タイマ40、週間タイマ41および学習機能の全てがオフの場合には通常運転が連続設定される。
【0034】
学習機能が働くのは、年間タイマ40がオフの場合に限られる。
【0035】
切換操作手段42の操作で省エネ運転から通常運転への切り換え、つまり目覚まし機能が有効なのは、週間タイマ41が販売またはオフでかつ省エネ運転に設定される場合に限られ、休止の場合には無効とされる。図には有効な場合を○で示し、無効な場合を●で示す。
【0036】
次に、図4に、自動販売機の時間帯毎の運転状態、販売実績および販売需要の予測の一例を示し、図5のフローチャートを参照して自動販売機の運転状態の切換動作を説明する。
【0037】
4月3日に学習機能をリセットすることにより、通常運転を開始し、そのリセット日の販売実績は記憶手段38に記憶せず、翌日から曜日毎でかつ時間帯毎に3週間分の販売実績を記憶手段38に記憶し蓄積する(ステップ1)。図4には、通常運転する時間帯を網かけで表示し、省エネ運転する時間帯を白抜きで表示し、販売実績があった時間帯に*の印を表示する。
【0038】
3週間分の販売実績データが蓄積された次の日から、つまり4月25日から学習機能に基づいて運転状態を設定する。4月25日の運転状態を設定する場合には、販売実績データ1(4月4日),8(4月11日),15(4月18日)に基づき、販売のあった最初と最後の時間帯を割り出し、これらの時間帯に前後1時間を加算した時間帯を通常運転の時間帯に設定し、それ以外の時間帯を省エネ運転の時間帯に設定する(ステップ2)。つまり、最初の時間帯は販売実績データ8(4月11日)の2時台があり、最後の時間帯は販売実績データ8(4月11日)の19時台があり、これら時間帯に前後1時間を加算した1時台から20時台までの時間帯を通常運転の時間帯に設定し、それ以外の21時台から24時台の時間帯を省エネ運転の時間帯に設定する。
【0039】
現在時刻が4月25日になり、設定された運転状態が1日中省エネ運転でなければ(ステップ3)、現在時刻が省エネ運転の時間帯かどうか確認し(ステップ4)、通常運転の時間帯であれば通常運転する(ステップ5)。通常運転を開始してから、湯水供給装置34の湯水温度および冷水供給装置35の冷水温度が販売可能とする所定温度に達すれば、表示部17で販売中であることを表示し、飲料の販売が許容される。
【0040】
通常運転の時間帯のうちの最後の時間帯に販売がなく(ステップ6)、現在時刻が省エネ運転の時間帯になったら、省エネ運転に切り換える(ステップ7)。
【0041】
通常運転の時間帯のうちの最後の時間帯に販売があった場合には、通常運転を1時間延長する(ステップ8)。つまり、4月25日の設定では、通常運転は20時台までであるが、20時台に販売があれば、21時台まで通常運転を延長する。さらに、延長した21時台以降の時間帯にも販売があれば、さらに1時間ずつ延長する。
【0042】
通常運転を延長した場合でも1日が経過する前に(ステップ9)、現在時刻が省エネ運転の時間帯になったら、省エネ運転に切り換える。
【0043】
省エネ運転中は、表示部17で省エネ運転中であることを表示し、利用者による通常運転への要求があるか(ステップ10)、1日が経過するのに待機する。例えば、4月28日の場合、通常運転が14時台で終わり、15時台から省エネ運転に切り換わっているが、利用者が飲料の販売を要望して18時台に切換操作手段42である選択ボタン16を押すことにより、強制的に例えば20時台までの2時間を通常運転の時間帯に設定して切り換える(ステップ11)。なお、4月30日の15時台にも切換操作手段42である選択ボタン16を押された場合を示す。
【0044】
通常運転に切り換えてから、湯水供給装置34の湯水温度および冷水供給装置35の冷水温度が販売可能とする所定温度に達すれば、表示部17で販売中であることを表示し、飲料の販売が許容される。この切換操作手段42による通常運転への切換操作は、販売実績として記憶手段38に記憶する。
【0045】
強制的に通常運転に切り換えた場合にも、最後の時間帯に販売があれば通常運転を1時間延長する。強制的に通常運転に切り換えた場合でも1日が経過する前に、現在時刻が省エネ運転の時間帯になったら、省エネ運転に切り換える。
【0046】
1日が経過したら、3週間前の販売実績データに代えて、その日の販売実績データを記憶手段38に記録更新する(ステップ12)。
【0047】
また、例えば4月30日の運転状態を設定する場合、販売実績データ6(4月9日),13(4月16日),20(4月23日)に基づくが、いずれの日も販売がなかったため、1日中の時間帯を省エネ運転の時間帯に設定することになる。
【0048】
このような場合、前日以前の通常運転のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定する(ステップ13)。つまり、前日の4月29日は5時台から通常運転を開始しているため、4月30日には5時台から2時間だけ通常運転する。この通常運転の最後の時間帯に販売があれば(ステップ14)、通常運転を1時間延長し(ステップ15)、通常運転が完了したら、通常運転を解除する(ステップ16)。
【0049】
以上のように構成することにより、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0050】
すなわち、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出すとともに最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定するので、少し早い時間や少し遅い時間での販売需要にも対応でき、そのため、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0051】
さらに、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、省エネ運転の時間帯が1日中である場合には前日以前の販売実績のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定するので、販売需要に変化にも対応でき、そのため、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0052】
さらに、時間帯毎の販売実績に基づいて通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の最後の時間帯に販売があった場合に通常運転を所定時間だけ延長させるので、通常運転の最後の時間帯以降における販売需要にも対応でき、そのため、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0053】
また、利用者や管理者などの意志を反映して運転状態を切り換えることができ、利便性を向上できる。
【0054】
すなわち、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、年間タイマ40による設定、週間タイマ41による設定、および記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく学習機能による設定の順に優先した運転状態に制御するので、自動販売機の設置者の意志を優先的に反映して運転状態を切り換えることができ、利便性を向上できる。
【0055】
さらに、時間帯毎の販売実績に基づいて通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、設定された運転状態に切り換えるとともに、この設定された運転状態での運転中に、切換操作手段42による外部からの切換操作によって運転状態を省エネ運転から通常運転へ、または通常運転から省エネ運転へ切り換えさせることができるので、利用者や管理者などの意志を反映して運転状態を切り換えることができ、利便性を向上できる。
【0056】
また、運転状態を省エネ運転から通常運転に切り換える切換操作手段42が飲料を選択する選択ボタン16であるので、利用者により簡単に切り換えることができる。
【0057】
また、制御手段31により、記憶手段38に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転に設定するので、販売需要の変化に対応できる。
【0058】
また、切換操作手段42で運転状態の切換操作があった場合に、記憶手段38に販売実績として記憶するので、次の運転状態の設定に反映できる。
【0059】
また、制御手段31により、切換操作手段42で運転状態の切換操作があった場合に、所定時間だけ運転状態を切り換えるとともに所定時間が経過したら制御手段31で設定された運転状態での運転に切り換えるので、切り換えた運転状態のまま継続して運転することがなく、制御手段31の制御による適切な運転状態に戻すことができる。
【0060】
さらに、表示部17により運転状態を表示するので、現在の運転状態や運転状態の切り換えを容易に確認できる。
【0061】
次に、図6に他の実施の形態を示し、運転状態を省エネ運転から通常運転に切り換えるのに加えて、通常運転から省エネ運転にも切り換えるように構成する。
【0062】
制御手段31によって切換制御される切換スイッチ51、自動販売機の外部から操作可能とする切換操作手段42としての外部スイッチ52を備え、切換スイッチ51の切り換えに連動して外部スイッチ52が切り換えられるもので、切換スイッチ51が接点aに接続されれば外部スイッチ52が接点cに接続されて、運転切換手段33の通常運転用の端子部Aに信号が入り、通常運転が実行され、また、切換スイッチ51が接点bに接続されれば外部スイッチ52が接点dに接続されて、運転切換手段33の省エネ運転用の端子部Bに信号が入り、省エネ運転が実行される。
【0063】
外部スイッチ52は、例えば飲料の販売に係わらず、特定の利用者や管理者のみが操作可能とする隠しスイッチなどで、それら特定の利用者や管理人による外部からの操作で切換スイッチ51とは別に単独で切換可能とし、切換スイッチ51が接点aに、外部スイッチ52が接点cにそれぞれ接続されて運転切換手段33の通常運転用の端子部Aに信号が入っている通常運転中において、外部スイッチ52を接点d側に切り換えることにより、運転切換手段33の省エネ運転用の端子部Bに信号が入り、省エネ運転に切り換えられ、また、切換スイッチ51が接点bに、外部スイッチ52が接点dにそれぞれ接続されて運転切換手段33の省エネ運転用の端子部Bに信号が入っている省エネ運転中において、外部スイッチ52を接点d側に切り換えることにより、運転切換手段33の通常運転用の端子部Aに信号が入り、通常運転に切り換えられる。
【0064】
そして、例えば、学習機能に基づく販売需要の予測により通常運転がなされている日に、その日の自動販売機の利用がないような場合には、特定の利用者や管理人によって通常運転から省エネ運転へ強制的に切り換えることができる。
【0065】
したがって、制御手段31により、時間帯毎の販売実績に基づいて通常運転の時間帯および省エネ運転の時間帯を設定し、時間帯毎に設定された運転状態に切り換えるとともに、この制御手段31で設定された運転状態での運転中に、切換操作手段42による外部からの切換操作によって運転状態を省エネ運転から通常運転へ、通常運転から省エネ運転へ切り換えさせることができるので、利用者や管理者などの意志を反映して運転状態を切り換えることができ、利便性の高い自動販売機を提供できる。
【0066】
さらに、切換操作手段42を、商品の販売に係わらず特定の利用者や管理者のみが操作可能とする隠しスイッチなどの特定の外部スイッチ52で構成すれば、特定の利用者や管理者のみにより切り換えることができ、一般の利用者による誤操作などを防止できる。
【0067】
なお、外部スイッチ52により通常運転から省エネ運転へ切り換えた場合には、その日の運転状態を省エネ運転で継続してもよいし、また、所定時間後に制御手段31で設定された運転状態での運転に切り換えるようにしてもよい。
【0068】
また、切換スイッチ51および外部スイッチ52に加えて、全運転をオンオフする運転スイッチも具備したスイッチ構成に形成してもよい。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、カップ式飲料自動販売機について説明したが、これに限られるものではなく、缶入り飲料やビン入り飲料の自動販売機や、その他の商品を販売する自動販売機にも適用でき、同様の作用効果が得られる。そして、食品衛生法などの制約がない場合には、省エネ運転としては全運転を停止する場合をも含まれる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の自動販売機によれば、時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯と最後の時間帯を割り出し、この割り出した最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定するので、少し早い時間や少し遅い時間での販売需要にも対応でき、そのため、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0071】
請求項2記載の自動販売機によれば、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、省エネ運転の時間帯が1日中である場合には前日以前の通常運転のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定するので、販売需要に変化にも対応でき、そのため、予測機能が向上し、利便性を向上できる。
【0072】
請求項3記載の自動販売機によれば、時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、年間タイマによる設定、週間タイマによる設定、および記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく設定の順に優先した運転状態に制御するので、自動販売機の設置者の意志を優先的に反映して運転状態を切り換えることができ、利便性を向上できる。
【0073】
請求項4記載の自動販売機によれば、請求項1ないし3いずれか記載の自動販売機の効果に加えて、表示手段により運転状態を表示するので、現在の運転状態を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す自動販売機の構成図である。
【図2】 同上自動販売機の正面図である。
【図3】 同上自動販売機の年間タイマ、週間タイマおよび学習機能と運転状態との関係を示す説明図である。
【図4】 同上自動販売機の時間帯毎の運転状態、販売実績および販売需要の予測の一例を示す説明図である。
【図5】 同上自動販売機の運転状態の切換動作を説明するフローチャートである。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す運転状態の切換回路の回路図である。
【符号の説明】
17 表示手段としての表示部
31 制御手段
33 運転切換手段
38 記憶手段
40 年間タイマ
41 週間タイマ
Claims (4)
- 運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、
所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて販売のあった最初の時間帯と最後の時間帯を割り出し、この割り出した最初の時間帯の前と最後の時間帯の後に所定時間を加えた時間帯を通常運転の時間帯に設定し、かつ、通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、前記運転切換手段を制御する制御手段と
を具備していることを特徴とする自動販売機。 - 運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、
所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、省エネ運転の時間帯が1日中である場合には前日以前の通常運転のある日における通常運転の開始時間帯と同じ時間帯より所定時間だけ通常運転を設定し、前記運転切換手段を制御する制御手段と
を具備していることを特徴とする自動販売機。 - 運転状態を通常運転とこの通常運転よりエネルギー消費の少ない省エネ運転とに切り換える運転切換手段と、
所定期間の時間帯毎の販売実績を記憶する記憶手段と、
省エネ運転する日を設定する年間タイマと、
省エネ運転する曜日を設定する週間タイマと、
前記記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づいて、通常運転の時間帯を割り出して設定するとともに通常運転の時間帯以外を省エネ運転の時間帯に設定し、かつ、前記年間タイマによる設定、前記週間タイマによる設定、および記憶手段に記憶された時間帯毎の販売実績に基づく設定の順に優先した運転状態に前記運転切換手段を制御する制御手段と
を具備していることを特徴とする自動販売機。 - 運転状態を表示する表示手段を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の自動販売機。
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