JP4420367B2 - 竿体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体、特に、別途形成されるリールシートが周面上に固定されている竿体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿を構成する竿体において最も竿元側に位置する元竿と呼ばれる竿体は、その周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシートが設けられている。
【0003】
この元竿は、例えば、炭素繊維,ガラス繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂をシート状に加工したもの(一般に「プリプレグシート」と呼ばれる)を芯材に巻回して焼成して形成される。そして、別途合成樹脂乃至金属等で形成した筒状のリールシートに竿体を挿通させ所定の周面上に固定して製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に竿体は穂先側ほど小径化する先細り筒状体であるが、特に、元竿のリールシートを装着する部分は、その部分の強度等を十分に向上させリールシートを容易に装着可能なように大径に形成されている。即ち、元竿は全体として穂先側ほど小径化しているが、部分的に見れば、リールシート装着部分は大径テーパ部分となり、その穂先側において急テーパ部分が存在し、その穂先側において小径テーパ部分が連続するようになっている。
【0005】
このようにテーパに変化を付けるためには、芯材自体にテーパの変化を設けて、これにプリプレグを巻回して竿体を製造することになる。しかし、このように芯材に著しいテーパの変化部分が存在すると、このテーパの変化部分において巻回するプリプレグに皺が生じ易い。また、プリプレグに包含される強化繊維に折れが生じる恐れもある。そもそも応力が集中しやすいテーパの変化部分においてこのような皺が発生すると、さらにテーパの変化部分の強度を低下させることになりかねない。
【0006】
また、筒状のリールシートを元竿に装着するためには、その装着部分の外径を精密に調整してリールシートと竿体周面とを十分に合致させて固定する必要も大きい。
【0007】
本発明の課題は、テーパの変わり目部分での強度低下を抑えられる竿体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかる方法は、周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシートを有する竿体の製造方法であって、以下の工程を含むものである。
◎大径テーパ部分,大径テーパ部分の穂先側に連続して形成される急テーパ部分,及び急テーパ部分の穂先側に連続して形成される小径テーパ部分を有する芯材に繊維強化樹脂からなる第1プリプレグを巻回する工程。
◎第1プリプレグの大径テーパ部分乃至大径テーパ部分と急テーパ部分との連続部分を覆うように巻回される第2プリプレグを巻回する工程。
◎これらを焼成する工程。
◎第2プリプレグの表面を削りその外径を調整する工程。
◎別途成形した筒状のリールシートを、第2プリプレグを巻回した部分に配置し固定する工程。
◎調整する工程は、第2プリプレグの断面を真円化するとともに、第2プリプレグの外径をリールシートの内径に合致させる工程である。
【0009】
この製造方法では、まず、第1プリプレグを所定のテーパが形成された芯材に巻回することで、リールシートを取り付け可能な大径テーパ部分を有する竿体の形状をおよそ形成する。この際、芯材のテーパの変化部分、特に、大径テーパ部分と急テーパ部分との連続部分において第1プリプレグに皺が生じることが考えられるが、この大径テーパ部分と急テーパ部分との連続部分を覆うように第2プリプレグを巻回することで、このテーパ変化部分が補強される。この第2プリプレグはさらに大径テーパ部分にわたって巻回されるので、大径テーパ部分の肉厚化が可能となり大径テーパ部分の強度向上及び外径の大径化にも資することになる。また、このような第2プリプレグを別途巻回して部分的に大径化させることで「削りしろ」を形成することとなり、第2プリプレグ巻回部分の表面を削ってその外径を微調整して真円化することができ、リールシートと竿体との安定性も容易に向上させることが可能となる。
【0010】
発明2にかかる方法は、発明1の方法であって、第2プリプレグは少なくとも周方向に配向された強化繊維に合成樹脂を含浸させてなる。
この場合には第2プリプレグを所定の強化繊維に合成樹脂を含浸させたものから構成することで、部分的に外観に変化をもたせることが可能となり、また、周方向からのつぶれ強度にも優れるものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(釣竿の構成の概要)
本発明の一実施形態を採用した竿体からなる釣竿は、図1に示すように、元竿1と、元竿1の穂先側に連結される複数の竿体からなる竿体ユニット2とを有している。
【0012】
元竿1は竿元側の周面に固定されリール(図示せず)を脱着自在に固定可能なリールシート3を有している。この元竿1は、後に詳しく説明するように、炭素繊維,ガラス繊維,チタン繊維等に合成樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに巻回して焼成して得られた先細り筒状部材である。また、元竿1にはリールからの釣糸Lを元竿1内部へ導入するための釣糸導入口4が設けられ、この釣糸導入口4には釣糸Lを案内する釣糸案内ガイド5が配置されている。
【0013】
一方、竿体ユニット2は元竿1の穂先側に振出形式または並継形式で連結される先細り筒状部材である。詳しくは、複数の竿体が順次振出形式または並継形式に連結してなる複数の竿体の集合体である。この竿体ユニット2を構成する各竿体も炭素繊維,ガラス繊維等に合成樹脂を含浸させたプリプレグを巻回してなる。この竿体ユニット2を構成する竿体のうち最も穂先側に位置する竿体の穂先が倭先端にはトップガイド6が設けられている。
【0014】
この釣竿では、リールからの釣糸Lは釣糸導入口4より下竿1内部へ導入され順次穂先側の竿体へ導かれて竿体ユニット2の穂先側先端のトップガイド6から外部へ導出される。
【0015】
(元竿1の構造及び製法)
元竿1は穂先側ほど順次小径化する先細り筒状部材である。より詳しくは、部分毎に異なるテーパを有しており、これを模式的に示すと図2に示すように、竿元側の大径テーパ部分X,大径テーパ部分Xの穂先側に連続して形成される急テーパ部分Y,急テーパ部分Yの穂先側に連続して形成される小径テーパ部分Zというように先細りテーパに変化が付けられている。そして、この竿元側の大径テーパ部分Xと急テーパ部分Yとの連続部分から竿元側にかけて筒状のリールシート3が配置され固定されることになる。
【0016】
この元竿1は、以下のようにして製造される。
まず、図3に示すように、穂先側ほど順次小径化する先細りテーパを設けつつ、段階的に異なるテーパ(大径テーパ部分・急テーパ部分・小径テーパ部分)が設けられたマンドレル(芯材)100を用意する。必要に応じてその周面に離型材を塗布した上で、炭素繊維等の強化繊維を一方向に引き揃えた上にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させたシート状の第1プリプレグP1を巻回する。必要に応じて第1プリプレグP1は複数回乃至複数巻回される。この状態では、マンドレル100のテーパの変化部分、特に、大径テーパ部分と急テーパ部分との変化部分においては、第1プリプレグP1に皺が発生しやすい(図4(a)参照)。
【0017】
そこで、続いて第1プリプレグP1の大径テーパ部分乃至大径テーパ部分と急テーパ部分との連続部分を覆うように第2プリプレグP2を巻回する(図4(a)〜(b)参照)。このように第2プリプレグP2を急テーパ部分の竿元側の一部も覆うように巻回することで、大径部分の大径化がさらに促されると共に、大径部分がやや穂先側に延伸される(マンドレルの急テーパ部分の一部も完成後大径部分となる)ことになる。
【0018】
その後、さらにこれらの外周にポリプロピレン等からなる保護用のテープを圧をかけながら巻回し、これらを炉内において焼成する。保護用テープを剥離して表面研磨等による表面加工を施し、特に、第2プリプレグP2巻回部分に関しては断面が真円化してリールシート3の内径に合致するように加工を施した後、別途成形した筒状のリールシート3を第2プリプレグP2を巻回した部分に配置し固定する。
【0019】
以上のようにして、大径テーパ部分X,大径テーパ部分Xの穂先側に連続して形成される急テーパ部分Y,急テーパ部分Yの穂先側に連続して形成される小径テーパ部分Zを有する元竿を製造する。このように第2プリプレグP2の外周にリールシート3を配置することで、第2プリプレグP2とリールシート3とが第1プリプレグP1の皺を覆うようになり、このテーパ変化部分が補強される。また、この第2プリプレグP2は大径テーパ部分にわたって巻回されるので、大径テーパ部分の強度向上及び外径の大径化にも資することになる。そして、この第2プリプレグP2が「削りしろ」となってリールシート3装着時の密着性・安定性にも優れることになる。
【0020】
[他の実施形態]
(a)竿体を製造するにあたっては、単一の強化繊維から第1プリプレグP1を用いて製造する必要はなく、炭素繊維プリプレグとガラス繊維プリプレグ等を随時組み合わせながら製造してもよい。
(b)第2プリプレグP2としては、上記実施形態において用いたようなシート状のものに限定されるものではなく、図5に示すようにテープ状に加工されたプリプレグを第2プリプレグP2として用いることもできる。このプリプレグとしては、周方向に炭素繊維等の強化繊維が配向されたものに合成樹脂を含浸させたものを用いると強度的にも好ましい。また、その他、強化繊維を織物状に織り込んだものに合成樹脂を含浸させたものを用いてもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る製造方法では、テーパの変わり目部分での強度低下を防止でき、耐久性に優れる竿体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1の元竿1の模式図。
【図3】元竿1の製造工程の初期段階を示す図。
【図4】元竿1の製造工程を示す図。
【図5】本発明の他の実施形態を採用した元竿の製造工程を示した図。
【符号の説明】
1 元竿
100 マンドレル
P1 第1プリプレグ
P2 第2プリプレグ
Claims (2)
- 周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシートを有する竿体の製造方法であって、
大径テーパ部分,前記大径テーパ部分の穂先側に連続して形成される急テーパ部分,及び前記急テーパ部分の穂先側に連続して形成される小径テーパ部分を有する芯材に繊維強化樹脂からなる第1プリプレグを巻回する工程と、
前記第1プリプレグの大径テーパ部分乃至大径テーパ部分と急テーパ部分との連続部分を覆うように巻回される第2プリプレグを巻回する工程と、
これらを焼成する工程と、
前記第2プリプレグの表面を削りその外径を調整する工程と、
別途成形した筒状のリールシートを、前記第2プリプレグを巻回した部分に配置し固定する工程とを含み、
前記調整する工程は、前記第2プリプレグの断面を真円化するとともに、前記第2プリプレグの外径を前記リールシートの内径に合致させる工程である
ことを特徴とする竿体の製造方法。 - 前記第2プリプレグは少なくとも周方向に配向された強化繊維に合成樹脂を含浸させてなる、請求項1に記載の竿体の製造方法。
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