JP4413405B2 - 個別伸縮式縦引シャッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は商店街における商店入口のシャッター,住宅の雨戸等として,建物の開口部に設置する個別伸縮式縦引シャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の個別伸縮式縦引シャッターとして本発明者は,特公平5−88343号,特開2000−145321号等を提案しており,これらによれば,個別伸縮リンクを介して横桟を上下に連結することによって個別伸縮自在としたシャッター本体を幅方向両端部のガイドレールによって昇降案内し開口面とその上方又は上方交差方向の収納部との間で該シャッター本体を伸縮開閉自在とたものとされ,前者にあっては,例えば上記横桟を単一にして一体の横桟とすることによってシャッター本体を上記開口面とその上方の収納部との間で伸縮開閉自在とし,後者にあっては,例えば上記横桟を上下に一対にしてその前後方向一端部をヒンジ連結した一対にして一体の横桟とすることによってその屈曲を可能として上記開口面とその上方交差方向の収納部との間で伸縮開閉自在としたものとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この場合,従来の巻取式の軽量シャッター,パイプシャッター等に代えて用いることができる縦引シャッターが得られるとともに,比較的コンパクトに縮小することによって収納スペースを可及的に小さくすることができるし,比較的自由に個別伸縮リンクのデザインを確保して,例えば商店街の商店毎にそれぞれデザインを異ならしめる等,デザインの多様化を促進することが可能であり,例えばアルミ押出材を用いることによって軽量なアルミ製とし,デザインに優れたシースルーの縦引シャッターを得ることが可能になる等のメリットがある。
【0004】
しかし乍ら,一方でシャッター本体が個別伸縮自在であることによって,開閉に際しての伸縮がシャッター本体の開閉力を受けた位置となるために,伸縮位置が区々となって,手動開閉のものにおいて開閉の煩雑さが生じたり,電動開閉のものにおいて開閉の伸縮がそれぞれ上下逆方向になされたりするために,例えば巻取式のパイプシャッターの開閉のように,開口面での昇降開閉をシャッター本体が伸張した状態のままで行うようにするのが必ずしも容易ではないという問題点が残されている。
【0005】
更に上記シャッター本体をある程度幅広とすることによって横桟が長尺化すると,横桟がその自重によって幅方向中間で垂下り状に撓むことがあり,特にアルミ押出材のように比較的軽量な材料を用いた際に比較的この傾向が見られる。横桟が撓むと,シャッター本体が面内方向に幾分縮むから,その結果シャッター本体とその幅方向両端部のガイドレールとの位置関係が変化して,例えばシャッター本体に設置したガイドローラーが定位置から内側に傾いて,これがガイドレールに圧接して,シャッター本体のスムーズな開閉が損われる現象を招くといった可能性が残されている。
【0006】
本発明は,個別伸縮式縦引シャッターにおける上記事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,シャッター本体の昇降開閉を開口面で伸張した状態のままでなし得るようにするとともに併せてシャッター本体を構成する横桟に発生することのある上記幅方向中間の垂下り状の撓みを確実に解消して常にスムーズな開閉を確保し得るようにした個別伸縮式縦引シャッターを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に沿って本発明は,上記シャッター本体の伸縮開閉を開口面上部において規制する伸縮規制手段を設置するようにし,これを,シャッター本体の幅方向中間位置の単一又は複数箇所において,上記横桟間に幅方向に起倒自在とした起倒リンクを起立状態に介設して,該起倒リンクによって上記横桟間の個別伸縮リンクを伸長拘束し,ガイドレールの案内により開口面でのシャッター本体を伸長した状態のまま昇降移動するようにするとともに該中間位置に介設した起立リンクによって横桟の長手方向中間位置を吊り持ち支持してその垂下り状の撓みの発生を解消するようにし且つ上記起立状態の起倒リンクに配置したガイド突起を開口面上部に設置した起倒ガイドによって強制的に回動案内して起倒リンクを幅方向に起立又は転倒させ,個別伸縮自在リンクの上記伸長拘束と解除を行ない,該起倒ガイド位置においてシャッター本体の伸縮開閉を行うように構成したものであって,即ち請求項1に記載の発明を,個別伸縮リンクを介して横桟を上下に連結することによって個別伸縮自在としたシャッター本体を幅方向両端部のガイドレールによって昇降案内して開口面とその上方又は上方交差方向の収納部との間で該シャッター本体を伸縮開閉自在とするとともに該シャッター本体の伸縮を開口面上部で行なう伸縮規制手段を備えた縦引シャッターであって,上記伸縮規制手段を,上記シャッター本体における幅方向中間位置において上記横桟間に起立介設して上記個別伸縮リンクを伸張拘束し且つ上記横桟をその長手方向中間で吊り持ちする起倒リンクと,該起倒リンクの長手方向所定位置に前方又は後方に向けて配置したガイド突起と,該ガイド突起を幅方向に回動案内することによって上記起倒リンクを幅方向に強制起倒して上記シャッター本体の下降通過又は上昇通過に際して上記伸張拘束を行い又はその解除を行なうように開口面上部に設置した起倒ガイドとを備えて構成してなることを特徴とする個別伸縮式縦引シャッターとしたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記伸縮規制手段を可及的簡易な構造とし,起倒リンクの起立状態を確実に確保し,その個別伸縮リンクの伸張拘束と横桟の吊り持ち支持の安定性を向上するように,これを,上記起倒リンクを正面L字状,逆L字状等の長手方向一端部に折曲係合片を備えて構成し,該一端部の折曲係合片を上下一方の横桟に配置した長手方向リンクガイドにスライド自在に係合配置するとともに他端部を上下他方の横桟に回動自在に軸着することによって上記起倒リンクの起立状態の介設を行ってなることを特徴とする請求項1に記載の個別伸縮式縦引シャッターとしたものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記起倒ガイドによる起倒リンクの伸張拘束とその解除を可及的にスムーズ且つ確実になし得るものとするように,これを,上記ガイド突起の配置位置を,上記起倒リンクにおける上記長手方向一端部の折曲係合片近傍の位置としてなることを特徴とする請求項2に記載の個別伸縮式縦引シャッターとしたものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,起倒ガイドによるガイド突起の回動案内に際して音を発生したりすることなく,回動案内を可及的スムーズ且つ確実になし得るものとするように,これを,上記起倒ガイドによるガイド突起の回動案内を,ガイド突起に設置した転動体又は滑動体を介して行なってなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の個別伸縮式縦引シャッターとしたものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,シャッター本体の上記開口面の伸張状態の昇降移動を電動又は手動によって可及的簡易且つ確実に行なう好ましい形態のシャッターとするように,これを,上記シャッター本体下端をその幅方向両端部において吊り支持したワイヤー,チェーン等の昇降用吊り部材と,該幅方向両端部の昇降用吊り部材を巻取自在の同軸又は個別の回転軸と,該回転軸を電動操作又は手動操作する駆動手段を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の個別伸縮式縦引シャッターとしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは,例えばアルミ押出材を用いてアルミ製として構成した縦引シャッターであり,該縦引シャッターAは,個別伸縮リンク3を介して横桟2を上下に連結することによって個別伸縮自在としたシャッター本体1を幅方向両端部のガイドレール17によって昇降案内して開口面とその上方又は上方交差方向の収納部,本例にあっては開口面上方の収納部16との間で該シャッター本体1を伸縮開閉自在とした個別伸縮式のものとしてある。
【0013】
本例においてシャッター本体1は,建物開口面の幅に応じた長さの長尺にして,開口面の高さに応じて多数とした横桟2を,その長手方向に複数,例えば所定間隔に多数の個別伸縮リンク3を介設して上下に連結することによって開口面を覆うように構成してあり,このとき横桟2は前後面をC乃至湾曲コ字状とした断面略H字状のものとし,また個別伸縮リンク3はそれぞれ一対にして略X字状に配置したリンクバーを用いて形成し,上下に隣接する横桟2に対してリンクバーの長手方向一端を一方の横桟2に回動自在に軸支し,他端を他方の横桟2のリンクガイド4にスライド自在に係合することによって,それぞれ上下に隣接する横桟2間で個別にして単独に伸縮するものとしてある。
【0014】
本例においてガイドレール17は,建物開口面の両側端に対向して,例えば床面から開口面上方に天井裏の収納部16を形成するように天井スラブ下方位置までそれぞれ直立して配置した対向一対にして上記シャッター本体1に突設した転動体7を受け入れてこれを上下に転動案内するものとしてあり,本例にあって該ガイドレール17は,これを建物開口面の壁面にこれを埋込設置するか,壁面の室外側に外付け設置することによってその直立した配置を行ってあり,このときガイドレール17はその前後方向中央位置にガイド溝を形成して該ガイド溝によって,上記各横桟2の長手方向両端から突設した突出軸6の先端にこれに交差するように設置した転動体,本例にあっては例えば合成樹脂製のガイドローラー7を受け入れてこれを上下方向に案内するようにしてある。
【0015】
従って本例のシャッター本体1は,各横桟2間においてその長手方向に複数設置した個別伸縮リンク3が長手方向に同時に,高さ方向に個別に伸縮することによって個別伸縮自在のものとなり,これを上記ガイドレール17により案内することによって開口面とその上方の収納部16との間で伸縮開閉するものとしてある。
【0016】
このとき縦引シャッターAは,そのシャッター本体1下端をその幅方向両端部において吊り支持したワイヤー,チェーン等の昇降用吊り部材8と,該幅方向両端部の昇降用吊り部材8を巻取自在の同軸又は個別の回転軸10と,該回転軸10を電動操作又は手動操作する駆動手段を備えたものとし,これを昇降開閉手段として上記シャッター本体1を昇降開閉するものとしてあり,本例にあって該昇降開閉手段をなす上記昇降用吊り部材8は,これをワイヤーとして,シャッター本体1の最下端に配置した接地用の横桟2の長手方向両端に一端を連結する一方,他端を本例にあって同軸とした上記回転軸10に固定設置した巻取プーリー12に連結し,横桟2からの上記昇降用吊り部材8を上記ガイドレール17におけるガイド溝の外側のスペースを通して,その状態位置から単一乃至複数の方向転換用等のプーリー11を介して回転軸10の上記巻取プーリー12に至るようにしてあり,これによって例えば図示省略のスイッチを操作することによって駆動手段のモーター14を駆動させて,シャッター本体1の開閉を行なうようにしてある。
【0017】
このように構成した縦引シャッターAは,更に上記シャッター本体1の伸縮を開口面上部で行なう伸縮規制手段を備えたものとしてあり,該伸縮規制手段は,これを,上記シャッター本体1における幅方向中間位置において上記横桟2間に起立介設して上記個別伸縮リンク3を伸張拘束し且つ上記横桟2をその長手方向中間で吊り持ちする起倒リンク20と,該起倒リンク20の長手方向所定位置に前方又は後方に向けて配置したガイド突起23と,該ガイド突起23を幅方向に回動案内することによって上記起倒リンク20を幅方向に強制起倒して上記シャッター本体1の下降通過又は上昇通過に際して上記伸張拘束を行い又はその解除を行なうように開口面上部に設置した起倒ガイド25とを備えて構成したものとしてある。
【0018】
伸縮規制手段は,シャッター本体1の幅方向に単一又は所定間隔に複数設置するものとしてあり,本例において該伸縮規制手段は,これを例えばシャッター本体1を幅方向に3等分する各1/3幅位置に2箇所に配置してある。
【0019】
起倒リンク20は,シャッター本体1の上下に隣接する横桟2間に起立介設することによって,該横桟2間を連結する,本例において上記長手方向に複数とした上記個別伸縮リンク3の伸張拘束を行なって,シャッター本体1を伸張状態に維持する拘束リンクと,上位の横桟2に対して下位の横桟2を長手方向中間位置で吊り持ちして,その垂下りの撓みを防止して,下位の横桟2,即ち最上端を除く横桟2をシャッター本体1の伸張状態でそれぞれ可及的水平に支持する吊り持ち支持杆を兼用するものとしてあり,該起倒リンク20は,シャッター本体1を開成するに際して,開口面上部の起倒ガイド25によって,これを上方に向けて通過する起倒リンク20のガイド突起23を幅方向に回動案内し該起倒リンク20を幅方向に強制的に転倒して,上記個別伸縮リンク3の伸張拘束を解除することによって,各横桟2間の個別伸縮リンク3の縮小を可能としてシャッター本体1の縮小開成を可能とする一方,シャッター本体1を閉成するに際して,上記起倒ガイド25を下方に向けて通過する起倒リンク20のガイド突起23を,上記と逆に幅方向に強制起立して横桟2間に起立状態とすることによって,上記個別伸縮リンク3の伸張拘束と横桟2の吊り持ちによるシャッター本体1の伸張閉成を行なうようにしてあり,これによってシャッター本体1の開閉に際して開口面上部の起倒ガイド25を伸縮規制の位置として,該位置を基準にその上方におけるシャッター本体1の縮小と収納部16への縮小状態の収納を行い,またその下方におけるシャッター本体1の伸張と開口面における伸張状態の昇降移動を行なうようにしてある。
【0020】
本例において上記起倒リンク20は,これを,正面L字状,逆L字状等の長手方向一端部に折曲係合片21を備えて構成し,該一端部の折曲係合片21を上下一方の横桟に配置した長手方向リンクガイド4にスライド自在に係合配置するとともに他端部を上下他方の横桟2に回動自在に軸着することによって上記起倒リンク20の起立状態の介設を行ったものとしてあり,このとき本例の起倒リンク20は,その上記折曲係合片21を上端に突出するように配置した正面逆L字状にして本体部分を断面コ字状のものとするように金属板を折曲して形成したものとし,上記折曲係合片21を,これに設置した転動体又は滑動体,本例にあってはガイドローラー22による転動体を介して上下のうち上方の横桟2に,該折曲係合片21,特にその転動体又は滑動体部分を可動軸とするように該横桟2の長手方向に添うように配置した,上記個別伸縮リンク3と共用するリンクガイド4にスライド自在に係合,特に外れを防止するようにスライド自在に嵌合する一方,下端を上下のうち下方の横桟2に,これを固定軸とするように回動自在に固定して,その軸着を行なったものとしてあり,これによって起倒リンク20における折曲係合片21と軸着位置とを幅方向に幾分変位して上下の横桟2に対して起立状態に介設するようにし,幅方向に位置が規制される上下の横桟2に対してその起立状態を安定して維持可能としてあり,これによって伸縮規制手段を可及的に簡易な構造として,起倒リンク20の起立状態を確実に確保し,その個別伸縮リンク3の伸張拘束と横桟2の長手方向中間の吊り持ち支持の安定性を向上確保するようにしてある。
【0021】
本例においてガイド突起23は各起倒リンク20に,前後方向,本例にあっては背面側に向けて突設することによって配置してあり,このとき該ガイド突起23は,その配置位置を,上記起倒リンク20における上記長手方向一端部の折曲係合片21近傍の位置としてあり,上記上端に折曲係合片21を設置した本例の起倒リンク20にあっては本体部分の上端乃至その近傍位置にこれを配置してあり,これによって起倒リンク20が上記起倒ガイド25位置に到達したとき,速やかにその転倒を行ってシャッター本体1を可及的コンパクトに縮小して収納部16の収納を小スペースでなし得るようにしてある。
【0022】
本例のガイド突起23は,これを起倒リンク20に対して,例えばネジ止め等の固定手段を介してこれに交差するように後方に向けて突出して設置した短寸の突出バーによるものとしてあり,このとき該ガイド突起23の先端側には転動体又は滑動体を設置してあり,これによって上記起倒ガイド20によるガイド突起23の回動案内を,該ガイド突起23に設置した転動体又は滑動体,本例にあってはガイドローラー24とした転動体を介して行なったものとしてあり,これによって突起ガイド23と起倒ガイド25間の抵抗を可及的に小さくし,ガイド突起23のスムーズな回動案内を行ない,これにより起倒リンク20のスムーズな起倒を行なうようにしてある。
【0023】
本例において起倒ガイド25は,上記起倒リンク20のガイド突起23を回動案内することによって,上記起倒ガイド25の開口面上部位置で軸着部分を回動中心として折曲係合片21を上位の横桟2に対して転倒方向又は起立方向にスライドして起倒リンク20を起倒するように,起倒リンク20のガイド突起23を受止してその幅方向に向けた回動を行なう受止用にしてガイド突起23を交差して幅方向に上向きに傾斜した上位の受止ガイドレール部26と,該受止ガイドレール部26によって受止めたガイド突起23を幅方向上方に回動案内して起倒リンク20を水平乃至略水平位置まで誘導する幅方向上向きに傾斜した下位の傾斜ガイドレール部27とを備えたものとしてあり,本例の起倒ガイド25は,上記上位の受止ガイドレール部26を短尺とし,下位の傾斜ガイドレール部27を該下位位置から上方に一連に連続する長尺とするそれぞれ別部材とした2本のレール部材から構成してこれを開口面上部に上記転動体又は滑動体の,本例にあってガイドローラー24とした転動体を受け入れる案内溝を起倒リンク20の上記ガイド突起23が上下に通過する上部位置に開口するように配置したものとしてある。
【0024】
図中15は,開口面上方に設置し,上記収納部16を被覆するとともに上記回転軸10,方向転換等のプーリー11,起倒ガイド25等を適宜に固定してこれらを収納するようしたシャッターケース,5は上記起倒リンク20における折曲係合片21をスライド自在に配置した横桟2のリンクガイド4に設置して上記折曲係合片21を横桟2長手方向の定位置に停止受止するようにしたストッパー,9は本例において上記本体部分を断面コ字状としたことによって起倒リンク20,特にその本体部分の背面溝部内に挿通して,伸縮規制手段位置に応じて回転軸10の長手方向中間位置に固定設置した中間巻取プーリー11に巻取自在として,上記幅方向両端部の昇降用吊り部材8とともに上記昇降開閉手段をなすように上記駆動手段による同軸の巻取を行なってシャッター本体1をその幅方向中間位置で昇降し,シャッター本体1の昇降開閉を安定するように設置し,同じく最下端の接地用の横桟2の長手方向中間に一端を連結し,上記中間巻取プーリー11に他端を連結した,本例にあって同様にワイヤーとした昇降用中間吊り部材を示す。
【0025】
図示した例は以上のとおりとしたが,シャッター本体を前後方向一端部をヒンジ連結した上下に一対にして一体の横桟を用いて構成することによってその開口面交差方向への屈曲を可能としてこれを上部に湾曲部を介して側面逆L字状としたガイドレールにより案内して開口面とその上方交差方向に配置した収納部との間で伸縮開閉自在とした縦引シャッターとすること,個別伸縮リンクを上記X字状のものとともに又はこれに代えてI字状のものとすること,この場合を含めて個別伸縮リンクのスライド自在側の横桟に上記起立リンクと同様にストッパーを設置することによってその伸縮をスムーズに行なうようにすること,個別伸縮リンクを上記のように上下に同一位置とし又は上下に千鳥状等シャッター本体において幅方向に位置を同一とし又は変位するように配置すること,同様に伸縮規制手段をなす起立リンク の位置を幅方向に同一として上下に一連に連続するようにし又は幅方向交互にする等して上下に変位するように配置し,後者の場合に上記起倒ガイドを該変位位置に合わせて開口面上部に設置するようにすること,上記起倒リンクをL字状として,上記横桟間に上下を逆にして介設し,これに合わせてガイド突起,起倒ガイドを同様に配置すること,起倒リンクの横桟間起立状態の介設を,上記折曲係合片の横桟への係合に代えて,起倒リンクに,例えばT字状のスライド突起を設置し,該スライド突起を横桟に設置した,例えばC字ガイドのリンクガイドにスライド自在に嵌合して行なうようにすること,転動体をベアリングとすること,滑動体を用いるときこれを合成樹脂製のスラシとすること,起倒ガイドを例えば断面コ字状の一体のものとしてこれを構成すること,起倒リンクを,起立状態の介設とガイド突起を介した起倒ガイドによる起倒と収納を妨げない限り,正面S字状,Z字状等適宜の形状とし,また装飾部材を付加する等これを装飾要素として使用すること,伸縮規制手段をシャッター本体の幅方向に単一のものとして設置すること,上記昇降用吊り部材を用いるときこれをチェーン,樹脂ワイヤー等とすること,吊り部材を用いた上記昇降開閉手段に代えて,ガイドレールとシャッター本体最下端の横桟にラックピニオンを介設し,該ラックピニオンを昇降開閉の要素として昇降開閉手段を構成すること等,本発明の実施に当ってシャッター本体,横桟,個別伸縮リンク,ガイドレール,起倒リンク,ガイド突起,起倒ガイド,必要に応じて用いる転動体,滑動体,昇降開閉手段等の各具体的材質,形状,構造,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態ものとすることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,シャッター本体の伸縮開閉を開口面上部において規制する伸縮規制手段を設置し,シャッター本体の幅方向中間位置の単一又は複数箇所において,上記横桟間に幅方向に起倒自在とした起倒リンクを起立状態に介設して,該起倒リンクによって上記横桟間の個別伸縮リンクを伸長拘束し,ガイドレールの案内により開口面でのシャッター本体を伸長した状態のまま昇降移動するようにするとともに該中間位置に介設した起立リンクによって横桟の長手方向中間位置を吊り持ち支持し且つ上記起立状態の起倒リンクに配置したガイド突起を開口面上部に設置した起倒ガイドによって強制的に回動案内して起倒リンクを幅方向に起立又は転倒させ,個別伸縮自在リンクの上記伸長拘束と解除を行ない,該起倒ガイド位置においてシャッター本体の伸縮開閉を行うようにすることによって,シャッター本体の昇降開閉を開口面で伸張した状態のままでなし得るようにするとともに併せてシャッター本体を構成する横桟に発生することのある上記幅方向中間の垂下り状の撓みを確実に解消して常にスムーズな開閉を確保し得るようにした個別伸縮式縦引シャッターを提供することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記伸縮規制手段を可及的簡易な構造とし,起倒リンクの起立状態を確実に確保し,その個別伸縮リンクの伸張拘束と横桟の吊り持ち支持の安定性を向上するものとすることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記起倒ガイドによる起倒リンクの伸張拘束とその解除を可及的にスムーズ且つ確実になし得るものとすることができる。
【0029】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,起倒ガイドによるガイド突起の回動案内に際して音を発生したりすることなく,回動案内を可及的スムーズ且つ確実になし得るものとすることができる。
【0030】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,シャッター本体の上記開口面の伸張状態の昇降移動を電動又は手動によって可及的簡易且つ確実に行なう好ましい形態のシャッターとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦引シャッターの正面図である。
【図2】縦引シャッターの縦断面図である。
【図3】シャッター本体の収納状態を示す縦引シャッターの拡大縦断面図である。
【図4】シャッター本体とガイドレールの関係を示す拡大横断面図である。
【図5】シャッター本体と起倒ガイドによる伸縮の状態を示す拡大背面図である。
【図6】図5の伸縮の状態における横桟と起倒リンクの関係を示すシャッター本体の拡大縦断面図である。
【図7】縦引シャッター上方の横断面図である。
【図8】起倒リンクの斜視図である。
【符号の説明】
A 縦引シャッター
1 シャッター本体
2 横桟
3 個別伸縮リンク
8 吊りワイヤー
10 回転軸
11 方向転換プーリー
16 収納部
17 ガイドレール
20 起倒リンク
21 折曲係合片
23 ガイド突起
25 起倒ガイド
Claims (5)
- 個別伸縮リンクを介して横桟を上下に連結することによって個別伸縮自在としたシャッター本体を幅方向両端部のガイドレールによって昇降案内して開口面とその上方又は上方交差方向の収納部との間で該シャッター本体を伸縮開閉自在とするとともに該シャッター本体の伸縮を開口面上部で行なう伸縮規制手段を備えた縦引シャッターであって,上記伸縮規制手段を,上記シャッター本体における幅方向中間位置において上記横桟間に起立介設して上記個別伸縮リンクを伸張拘束し且つ上記横桟をその長手方向中間で吊り持ちする起倒リンクと,該起倒リンクの長手方向所定位置に前方又は後方に向けて配置したガイド突起と,該ガイド突起を幅方向に回動案内することによって上記起倒リンクを幅方向に強制起倒して上記シャッター本体の下降通過又は上昇通過に際して上記伸張拘束を行い又はその解除を行なうように開口面上部に設置した起倒ガイドとを備えて構成してなることを特徴とする個別伸縮式縦引シャッター。
- 上記起倒リンクを正面L字状,逆L字状等の長手方向一端部に折曲係合片を備えて構成し,該一端部の折曲係合片を上下一方の横桟に配置した長手方向リンクガイドにスライド自在に係合配置するとともに他端部を上下他方の横桟に回動自在に軸着することによって上記起倒リンクの起立状態の介設を行ってなることを特徴とする請求項1に記載の個別伸縮式縦引シャッター。
- 上記ガイド突起の配置位置を,上記起倒リンクにおける上記長手方向一端部の折曲係合片近傍の位置としてなることを特徴とする請求項2に記載の個別伸縮式縦引シャッター。
- 上記起倒ガイドによるガイド突起の回動案内を,ガイド突起に設置した転動体又は滑動体を介して行なってなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の個別伸縮式縦引シャッター。
- 上記シャッター本体下端をその幅方向両端部において吊り支持したワイヤー,チェーン等の昇降用吊り部材と,該幅方向両端部の昇降用吊り部材を巻取自在の同軸又は個別の回転軸と,該回転軸を電動操作又は手動操作する駆動手段を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の個別伸縮式縦引シャッター。
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