JP4410219B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、文字画像などのエッジ部に対し、1画素毎に当該画素の露光量を変調するパルス幅変調(PWM)による1画素周期のPWM制御を用いて先鋭化を図り、写真画像などの中間調の部分(非エッジ部)に対し、2画素を1つの単位領域として、領域毎に画素の露光量を変調する2画素周期のPWM制御を用いて平滑化を図る技術が開示されている。
ここでγ補正とは、原稿画像(入力画像)の階調が忠実に出力画像で再現されるように階調を補正する技術である。具体的には、入力画像と出力画像の階調は、理想的には正比例の関係にあるべきであるが、実際には感光体ドラムの感光特性、設置環境の変動等の要因により比例せず、本来の正比例の直線からずれた曲線を示す。そこで、ずれた曲線と逆特性を示す曲線をγ曲線として求め、求めたγ曲線から本来の直線とのずれがなくなるように階調値を補正するものである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、階調再現性のさらなる向上を図ることが可能な画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的としている。
ここで、前記非エッジパターンは、複数の第1パッチからなり、各第1パッチは、それぞれ階調値が異なり第1の大きさの面積を有し、前記エッジパターンは、複数の第2パッチからなり、各第2パッチは、それぞれ階調値が異なり前記第1の大きさよりも小さい第2の面積を有することを特徴とする。
また、前記基準パターン形成手段は、前記第1パッチと第2パッチとが交互に隣接して並ぶように当該第1パッチと第2パッチとを前記像担持体上に形成することを特徴とする。
ここで、前記基準パターン形成手段は、前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第1パッチと第2パッチの両方の階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする。
さらに、前記基準パターン形成手段は、各第1パッチの階調値が全て同じであり、前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第2パッチの階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする。
また、前記像担持体上に作像された潜像を現像する現像部を備え、前記第2パッチの副走査方向における幅deが、前記像担持体と現像部との間の距離Ds未満である、または前記像担持体と現像部とが対向する現像位置において現像時に現像剤が当該像担持体と現像部間を移動可能な領域を現像領域としたとき、当該現像領域の副走査方向長さ未満であることを特徴とする。
さらに、前記第2パッチの副走査方向における幅deが、前記第1パッチの副走査方向における幅d未満であるとすることもできる。
また、さらに、前記第2パッチの副走査方向における幅deが、前記エッジ部の再現に用いられる階調再現方法により再現処理され得る画像領域の副走査方向の最大幅よりも小さいとしても良い。
本発明は、像担持体上に形成される画像に含まれる、異なる属性の画像部分を、異なる階調再現方法を用いて再現する画像形成装置における画像形成方法であって、前記像担持体上に、属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法を用いて基準パターンを形成する基準パターン形成ステップと、形成された基準パターンの濃度を検出する検出ステップと、属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法により形成された基準パターンの濃度検出結果に応じて当該属性の画像部分の階調を補正するための補正条件を設定する補正条件設定ステップと、属性毎に、当該属性の画像部分に対し設定された補正条件に応じて、その階調を補正する階調補正ステップと、を含むステップを実行し、前記異なる属性には、エッジ部と非エッジ部とが含まれ、前記基準パターン形成ステップは、前記基準パターンとして、前記エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いてエッジパターンを形成し、前記非エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いて非エッジパターンを形成することを特徴とする。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ1は、画像プロセス部10、給送部20、定着部30および制御部50などを備えており、ネットワーク、ここではLANに接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてプリントジョブを実行するものである。
作像部2Yは、矢印A方向に回転駆動される感光体ドラム3、帯電ローラ4、露光部5、現像部6、一次転写ローラ7、クリーニング部8などからなる。他の作像部2M〜2Kについても同様の構成になっており、同図では、符号を省略している。
給送部20は、シートSを収容する給紙カセット21と、給紙カセット21内のシートSを1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ22と、繰り出されたシートSを搬送する搬送ローラ対23と、二次転写位置121にシートSを送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対24と、二次転写ローラ25などを備えている。
具体的には、作像部2Y〜2Kごとに、矢印A方向に回転する感光体ドラム3が帯電ローラ4により一様に帯電され、帯電された感光体ドラム3の表面が露光部5より露光されて静電潜像が形成され、形成された静電潜像は、現像部6によって現像剤としてのトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。現像された各色トナー像は、各一次転写ローラ7による静電力の作用により感光体ドラム3から中間転写ベルト11上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。
一方、中間転写ベルト11上の各色トナー像の移動タイミングに合わせて、給送部20からは、タイミングローラ対24を介してシートSが給送されて来ており、そのシートSは、回転する中間転写ベルト11と二次転写ローラ25の間に挟まれて搬送され、二次転写位置121において静電力により中間転写ベルト11上の各色トナー像がシートS上に二次転写される。
トナーパターン検出センサ15は、発光素子151と受光素子152を備える公知の反射型の光学センサである。ここでは、後述のように補正条件設定用の基準パターンとして、非エッジパターン61およびエッジパターン62(図5、図6)が中間転写ベルト11上に形成されるようになっており、この基準パターンが形成されると、発光素子151から当該基準パターンに向けて光を発し、その反射光を受光素子152で受光して、受光量に応じた電気信号に変換する。変換された信号は、基準パターンの濃度を示す信号として制御部50に送られる。
同図に示すように、制御部50は、主な構成要素として、CPU51、通信インターフェース(I/F)部52、画像処理部53、露光制御部54、ROM55およびRAM56を備えている。
通信I/F部52は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
露光制御部54は、デジタル画像信号に基づき露光部5の露光量制御を行う。
CPU51は、ROM55から必要なプログラムを読み出して、画像プロセス部10等の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。
また、所定のタイミング、例えば電源投入時などに、基準パターンを中間転写ベルト11上に形成し、形成された基準パターンの濃度の検出結果から階調補正に用いるためのγ曲線を生成させる処理などを実行する。
図3は、中間調処理部530の構成を示す図である。
同図に示すように、中間調処理部530は、主な構成要素として、前処理部531、エッジ判定部532、階調補正部533、階調再現部534、非エッジ用γ曲線生成部535、非エッジ用γ曲線格納部536、エッジ用γ曲線生成部537、エッジ用γ曲線格納部538およびパターンデータ格納部539などを備える。
エッジ判定部532は、画素毎に当該画素がエッジ部に相当する画素(以下、「エッジ画素」という。)であるか否かを判定し、その判定結果を階調補正部533と階調再現部534に送る。エッジ判定の方法としては、公知の方法、例えば注目画素とその周辺画素に微分フィルタをかけて2次微分を算出し、その算出値の大小からエッジ画素か否かを判定する方法をとることができる。
非エッジγ補正部5331は、非エッジ用γ曲線格納部536に格納されている各色用の非エッジ用γ曲線(図7(a)の曲線72参照)を読み出し、色毎に、読み出した非エッジ用γ曲線を用いて、前処理部531から送られて来る各画素の階調データのうち、エッジと判定されなかった非エッジ画素の階調データにγ補正を施す。
階調再現部534は、非エッジ階調再現部5341とエッジ階調再現部5342を備える。
具体的には、エッジ画素でないと判定された所定数の非エッジ画素のうち、例えば縦16画素×横16画素からなる256個の非エッジ画素を1つのブロックとして、ブロック毎に、所定のディザマトリクスをかけ、各画素について露光する画素と露光しない画素の組み合わせを決める。
例えば、64番目の階調値を表す場合には、露光する画素と露光しない画素がパターン611で示す位置関係になるように決められる。また、128番目の階調値を表す場合にはパターン612、192番目の階調値を表す場合にはパターン613で示す位置関係になるように決められる。
一方、エッジ階調再現部5342は、色毎に、γ補正後のエッジ部の階調データを、1画素周期のPWM制御で再現するためのデータに変換する処理を行う。具体的には、エッジと判定されたエッジ画素を、1画素毎に露光量を変調する処理を行うものである。以下、1画素周期のPWM制御による再現方法を「1ドットPWM法」という。
同図に示すように、例えば64番目の階調値を表す場合には、パターン621のように各画素の露光時間が1/4程度とされる。また、128番目の階調値を表す場合には、パターン622のように1/2程度、192番目の階調値を表す場合にはパターン623のように3/4程度とされる。
階調再現部534は、各画素について露光量を示すデータへの変換を行うと、そのデータを露光制御部54に送る。露光制御部54は、各色について、画素毎に、その露光量を示すデータに基づく露光量で感光体ドラム3が露光されるように、露光部5の発光量を制御する。
パターンデータ格納部539には、γ曲線の生成のための、基準パターンのデータが格納されている。
各パッチPは、その副走査方向における幅dが約5〔mm〕であり、相互に階調が異なっており、同図では、P1からP8に移るに連れて段階的に濃くなる例を示している。例えば、256階調の場合、階調値をP1=32、P2=64・・P7=224、P8=256などとすることができる。
また、エッジパターン62は、図6に示すように8個のパッチ(第2のパッチ)PE1、PE2・・・PE8からなる。なお、同図は、図1の矢印C方向から中間転写ベルト11を見たときの平面図である。
各パッチPEは、その副走査方向における幅deが約1〔mm〕であり、相互に階調が異なっている。同図では、PE1からPE8に移るに連れて段階的に濃くなる例を示している。階調値は、非エッジパターン61と同じとしても良いし、異なるとしても良い。
すなわち、パッチを幅広にして面積を大きくすると、いわゆる(a)エッジ強調効果、(b)エッジ部の掃き寄せ、(c)エッジ部のかすれといった現象により、パッチのエッジと中央の間に階調差が生じることが多くなる。
上記のようにγ補正は、原稿画像と出力画像の階調を一致させる目的で行うものなので、γ補正に用いるγ曲線は、実際に出力される画像に近いトナーによる基準パターンをテストパッチとして形成し、その濃度の検出結果から生成することが望ましく、そうであればパッチの幅としては、実際の文字に近い数ミリ以下の狭いものを用いた方が階調再現性をより向上できるからである。このパッチPEの幅は、エッジ強調効果等による画像への影響の大きさ等から決めることができる。この点については、後述することとする。
具体的には、ある色について、例えば濃度検出結果から入力画像の階調値と実際の出力画像の階調値との関係が、装置周辺環境(温湿度等)、現像特性や転写特性等の変動の影響から、図7(a)に示す曲線70のようになり、目標を示す正比例の直線(破線)からずれている場合には、入力画像(原稿画像)の階調値と実際の出力画像の階調値とが一致するように、曲線70を曲線72のように補正して、補正した曲線72を非エッジ用γ曲線として生成するものである。この意味で、非エッジ用γ曲線は、非エッジ領域の画像部分の階調を補正するための第1の補正条件といえ、非エッジ用γ曲線生成部535は、第1の補正条件を設定する設定手段として機能する。
一方、エッジ用γ曲線生成部537は、中間転写ベルト11上に形成されたエッジパターン62の濃度の検出結果に応じて、各色用のエッジ用γ曲線を生成する。この生成方法は、非エッジパターン61の場合と同様である。
図8は、制御部50において実行されるγ曲線生成処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず色毎に非エッジパターン61を、階調再現としてのディザ法を用いて中間転写ベルト11上に形成させる(ステップS11)。具体的には、非エッジ階調再現部5341が、パターンデータ格納部539に格納されている非エッジパターン61のデータを読み出し、読み出したデータにディザ法による階調再現処理を施し(ディザ法に基づく露光量を示すデータに変換し)、色毎に順次露光制御部54に送る。
次に、各色の非エッジパターン61の濃度を検出する(ステップS12)。ここでは、中間転写ベルト11の回転により各色の非エッジパターン61がトナーパターン検出センサ15の下方の位置を通過する際に、トナーパターン検出センサ15により検出された検出信号を濃度信号として受信して、非エッジ用γ曲線生成部535に送る。
生成された各色の非エッジ用γ曲線のデータを非エッジ用γ曲線格納部536に格納させ、非エッジ用γ曲線を更新する(ステップS14)。更新された非エッジ用γ曲線は、これ以降の、実際のプリント出力の際に非エッジγ補正部5331により読み出され、非エッジ部のγ補正に用いられる。なお、濃度の検出が終わると、中間転写ベルト11上に形成された非エッジパターン61は、クリーナ16(図1)により中間転写ベルト11から除去(清掃)される。このことは、後述のエッジパターン62について同様である。
そして、各色のエッジパターン62の濃度を検出する(ステップS16)。この方法は、非エッジパターン61の場合と同様である。
生成された各色のエッジ用γ曲線のデータをエッジ用γ曲線格納部538に格納させ、エッジ用γ曲線を更新して(ステップS18)、当該処理を終了する。更新されたエッジ用γ曲線は、これ以降の、実際のプリント出力の際にエッジγ補正部5332により読み出され、エッジ部のγ補正に用いられる。
図9(a)は、原稿画像(入力画像)において、下地ハーフとライン部の境界80を挟んだ両側の、破線で囲まれる領域81がエッジ部と判定され、それ以外が非エッジ部と判定された場合の例を示している。
このように良好な階調再現性を実現できるのは、エッジ部と非エッジ部とで別々の専用のγ曲線を用いてγ補正を行っているからである。すなわち、本実施の形態の場合、上記のように非エッジ部については非エッジ用γ曲線72がγ補正により用いられる。
非エッジ用γ曲線72は、非エッジ部の階調値D1をD7に補正してプリント出力を行えば、階調値D1に相当する濃度の画像が実際に得られるとして生成される補正曲線なので、階調値D1をD7に変換した上でプリント出力を行うことで、実際の出力画像の濃度を階調値D1に相当する濃度により近くできることになり、図9(b)の出力画像の階調値の例に示すように入力画像に極めて近い画像を得ることができる。
一方、エッジ部についてはエッジ用γ曲線73がγ補正により用いられる。
例えば、下地ハーフにおいてエッジ部と判定された領域84の階調値D1は、図7(b)に示すようにD7´に変換されることになる。
このことは、ライン部についても同様である。すなわち、エッジ部と判定された領域86の階調値D2をエッジ用γ曲線73によりD8´に変換することで、実際の出力画像の濃度を階調値D2に相当する濃度により近くできることになる。
これに対し、1つのγ曲線、例えば72だけを用いてエッジ部と非エッジ部の両方のγ補正を行う場合(従来に相当)、非エッジ部と判定された領域82、83については階調が入力画像と略等しくなることが考えられるが、エッジ部については図9(c)、図9(d)に示すように階調再現性が劣化することになってしまう。
本実施の形態では、ライン部においてエッジ部と判定された領域91の階調値D3が、エッジ用γ曲線73によりD9´に変換され、実際の出力画像の濃度を階調値D3に相当する濃度により近くできることになり、ライン部における非エッジ部と判定された領域92との間で階調差も生じ難い。
従って、非エッジ用γ曲線72を用いた場合の出力画像における領域91の濃度は、図10(c)に示すように本来の階調値D3に相当する濃度よりも濃くなり、ライン部における領域92との間で縁取りがあるような画像になって、階調再現性が劣化してしまうものである。
さらに、非エッジパターン61のパッチの幅dよりも小さくされる。非エッジパターン61は、中間調画像の階調補正用に用いられるので、エッジパターン61とは逆に、ある程度の大きさ、上記では5〔mm〕にして、エッジ強調等の影響を受けていない中央部の濃度を検出してγ曲線を生成することが望ましいからである。エッジパターン62のパッチの幅deとしては、これらの内のいずれかの条件を満たすものが用いられる。
具体的には、中間転写ベルト11上における濃度検出領域の副走査方向の幅を、非エッジパターン61用の検出センサについて第1の幅、エッジパターン62用の検出センサについて、第1よりも小さい第2の幅のものを用いるとすることができる。エッジパターン62のパッチPEの幅deが、非エッジパターン61のパッチPの幅dよりも狭いので、エッジパターン62用の検出センサについては、濃度検出領域の副走査方向の幅を狭くした方が、幅の狭いパッチの、エッジによる立ち上がり濃度をより精度良く検出できるからである。
なお、濃度検出領域の幅をトナーパターンの種類に応じて変えることができれば、2つの異なる検出センサを用いる構成に限られない。例えば、検出センサの受光口(開口)の幅(スリット幅)を可変できるものを用いれば、1つの検出センサで済ませられる。この場合、スリット幅としては、例えばエッジパターン62のパッチPEの幅deに対し、0.95〜0.05倍とすることが考えられる。
さらに検出精度を向上させる構成として、例えばトナーパターンの種類に応じて検出センサの発光素子からの光の波長や光量を変えたり、受光感度を高くして細かい濃淡を精度良く検出したりすることも可能である。
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、非エッジパターン61とエッジパターン62とを別々にタイミングをずらして中間転写ベルト11上に形成するとしたが、本実施の形態では、図11に示すようにエッジ用γ曲線の生成のためのパッチPEと非エッジ用γ曲線の生成のためのパッチPとが、人の目で見たときに重なっているかのように交互に隣接してなる基準パターン63または64が色毎に形成される構成になっており、この点が第1の実施の形態と異なっている。以下、説明の都合上、第1の実施の形態と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
パッチPE1〜PE8の階調値は、相互に異なり、またパッチP1〜P8の階調値も相互に異なっている。同図では、その階調値が図5、図6に示すものと同じになっている例を示している。
一方、図11(b)に示す基準パターン64は、パッチPE8、P1、PE7、P2・・P7、PE1、P8の順に配置されてなる。ここで、パッチPE1〜PE8、パッチP1〜P8の階調値は、基準パターン63と同じである。パッチPEは、階調値が一方端から他方端に移るにつれて高から低へ変化し、パッチPは、低から高へ変化しているので、基準パターン64は、両パッチの階調値の低から高への変化が逆方向になっているパターンということができる。
同図に示すように、変数nの値を「1」に設定する(ステップS21)。そして、パッチPE1の階調値を示すデータをパターンデータ格納部539から読み出す(ステップS22)。
続いて、パッチP1の階調値を示すデータをパターンデータ格納部539から読み出す(ステップS24)。読み出した階調値を示すデータに基づきディザ法を用いてパッチP1を中間転写ベルト11上に形成させる(ステップS25)。その際、パッチP1は、中間転写ベルト11上のパッチPE1の副走査方向に隣接する位置に形成されるように、その形成タイミングが制御される。
パッチPE2の階調値を示すデータをパターンデータ格納部539から読み出し(ステップS27)、パッチPE2を、1ドットPWM法を用いて中間転写ベルト11上のパッチP1の副走査方向に隣接する位置に形成させる(ステップS28)。
変数nの値が「8」であるか否かを判断する(ステップS31)。ここで、「8」ではないことを判断すると(ステップS31で「NO」)、ステップS26に戻る。
ステップS31で、変数n=8が判断されるまで、ステップS26〜S31の処理を繰り返し行う。これにより、パッチPE4、P4・・PE8、P8が隣接した状態で中間転写ベルト11上に形成される。ステップS31で、変数n=1であることを判断すると、当該処理を終了する。
基準パターン63、64は、非エッジγ曲線生成用のパターンと、エッジγ曲線生成用のパターンとを合体して1つのものにしたようなものなので、別々にパターンを形成する構成に比べて、基準パターン全体の副走査方向長さを短くでき、もって基準パターンの形成および検出に要する時間を短縮できる。
すなわち、例えば基準パターン64の場合、パッチPE6を見ると、パッチPE6は、パッチP2とパッチP3に挟まれている。パッチP2、P3は、パッチPE6よりも淡い中間調の画像である。パッチPE6を文字の線分、パッチP2を背景として、これを中間調の背景に濃い文字が記載されている入力画像の例とすると、このような入力画像を実際に出力したときの出力特性に応じたエッジ用γ曲線が生成されることになる。
図13(a)に示す基準パターン65は、3つの部分パターン651、652、653からなり、部分パターン651〜653が副走査方向に所定間隔をおいて中間転写ベルト11上に形成される。
ここで部分パターン651は、副走査方向にパッチPE1、P1、PE1、P2・・PE1、P8の順に、各パッチが隣接して配置されてなる。ここで、パッチPE1は、全て同じ階調値であり、パッチPは、階調値が一方端から他方端に移るにつれて低から高へ変化している。
部分パターン653は、パッチPE8、P1、PE8、P2・・PE8、P8の順に、各パッチが隣接して配置されてなる。パッチPE8は、全て同じ階調値であり、パッチPE4よりも階調値が高い。パッチPは、部分パターン651のパッチPと同じである。
すなわち、部分パターン651〜653は、パッチPが同じ階調を示すものであり、パッチPEの階調値が部分パターン651で「低」、部分パターン652で「中」、部分パターン653で「高」になっている。
従って、例えば階調値が低い(低濃度の)文字、中程度の文字、高い(高濃度の)文字が中間調の背景に記載されている入力画像を想定し、部分パターン651を低階調値の文字、部分パターン652を中階調値の文字、部分パターン653を高階調値の文字の再現性を向上させるためのエッジ用γ曲線生成用のパターンとして、3つの部分パターン651〜653を形成し、形成された3つの部分パターンから別々にエッジ用γ曲線を生成し、中間調の背景にパッチPE1に相当する低階調値の文字が記載されている画像の出力時には、エッジ部と判定された領域に対し、部分パターン651から生成されたエッジ用γ曲線を用いてγ補正を行えば、より実際の出力特性に応じたγ補正を行うことができ、階調再現性の向上を図ることができる。
図13(b)に示す基準パターン66は、3つの部分パターン661、662、663からなる。
部分パターン661は、副走査方向にパッチPE1、P1、PE2、P1・・PE8、P1の順に、各パッチが隣接して配置されてなる。ここで、パッチP1は、全て同じ階調値であり、パッチPEは、階調値が一方端から他方端に移るにつれて低から高へ変化している。すなわち、上記部分パターン651のパッチPとパッチPEの階調の関係が逆転した状態になっている。このことは他の部分パターン662、663について同様である。
一方、部分パターン663は、パッチPE1、P8、PE2、P8・・PE8、P8の順に、各パッチが隣接して配置されてなる。パッチP8は、全て同じ階調値であり、パッチP4よりも階調値が高い。パッチPEは、部分パターン661のパッチPEと同じである。
以上のことから基準パターンとしては、隣接するパッチPとPEの階調値の組み合わせを多くすることが階調再現性の向上という点から好ましいといえるが、組み合わせを多くするということは、それだけパッチの形成個数が増えることになる。パッチの形成個数が増えるということは、検出に要する時間や形成に要するトナー消費量が増えることにつながるので、階調再現性とトナー消費量等を比較考慮した上で、最適な形成個数等が実験等から予め決められることになる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、エッジ(第1の属性)と非エッジ(第2の属性)の画像に対し、異なる階調再現方法を用いるとしたが、第1と第2の属性は、これらに限られない。例えば、第1の属性の画像を写真、第2の属性をグラフや図形とすることができる。写真の場合、例えば2画素周期のPWM法を用いて中間調の再現を重視し、グラフ等の場合、例えばディザ法を用いて非エッジ部の再現を重視する構成をとることが考えられる。
さらに、例えばディザ法だけを用いるとすることもできる。この場合、第1の属性の画像については、第1の係数を有するディザマトリクスが用いられ、第2の属性の画像については、第1とは異なる第2の係数を有するディザマトリクスを用いられる。誤差拡散法の場合でも同様に係数が異なる誤差拡散マトリクスを用いることで実現できる。また、スクリーン処理法でも当該スクリーン線数が属性に応じて切り換えられる。
(4)上記実施の形態では、本発明の画像形成装置をタンデム型のデジタルカラープリンタに適用した例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、画像の属性ごとに異なる階調再現方法により、感光体や中間転写体などの像担持体に画像を形成する画像形成装置であり、各階調再現方法を用いて基準パターンを形成し、形成された基準パターンの濃度検出結果から、各属性の画像の階調を補正するための補正条件を、階調再現方法ごとに別々に設定する画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
10 画像プロセス部
11 中間転写ベルト
15 トナーパターン検出センサ
50 制御部
51 CPU
61、610 非エッジパターン
62 エッジパターン
63、64、65、66 基準パターン
72 非エッジ用γ曲線
73 エッジ用γ曲線
530 中間調処理部
535 非エッジ用γ曲線生成部
536 エッジ用γ曲線生成部
539 パターンデータ格納部
5331 非エッジγ補正部
5332 エッジγ補正部
5341 非エッジ階調再現部
5342 エッジ階調再現部
P、PE パッチ
Claims (12)
- 像担持体上に形成される画像に含まれる、異なる属性の画像部分を、異なる階調再現方法を用いて再現する画像形成装置であって、
前記像担持体上に、属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法を用いて基準パターンを形成する基準パターン形成手段と、
形成された基準パターンの濃度を検出する検出手段と、
属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法により形成された基準パターンの濃度検出結果に応じて当該属性の画像部分の階調を補正するための補正条件を設定する補正条件設定手段と、
属性毎に、当該属性の画像部分に対し設定された補正条件に応じて、その階調を補正する階調補正手段と、
を備え、
前記異なる属性には、エッジ部と非エッジ部とが含まれ、
前記基準パターン形成手段は、
前記基準パターンとして、前記エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いてエッジパターンを形成し、前記非エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いて非エッジパターンを形成することを特徴とする画像形成装置。 - 前記非エッジパターンは、複数の第1パッチからなり、
各第1パッチは、それぞれ階調値が異なり第1の大きさの面積を有し、
前記エッジパターンは、複数の第2パッチからなり、
各第2パッチは、それぞれ階調値が異なり前記第1の大きさよりも小さい第2の面積を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記基準パターン形成手段は、
前記第1パッチと第2パッチとが交互に隣接して並ぶように当該第1パッチと第2パッチとを前記像担持体上に形成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記基準パターン形成手段は、
前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第1パッチと第2パッチの両方の階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記基準パターン形成手段は、
前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第1パッチの階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わり、前記第2パッチの階調値が他方端から一方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記基準パターン形成手段は、
各第1パッチの階調値が全て同じであり、前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第2パッチの階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記基準パターン形成手段は、
各第2パッチの階調値が全て同じであり、前記第1パッチと第2パッチとが並ぶ方向において、前記第1パッチの階調値が一方端から他方端に向けて順次低から高へと変わるように、各第1パッチと第2パッチとを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体上に作像された潜像を現像する現像部を備え、
前記第2パッチの副走査方向における幅deが、
前記像担持体と現像部との間の距離Ds未満である、または前記像担持体と現像部とが対向する現像位置において現像時に現像剤が当該像担持体と現像部間を移動可能な領域を現像領域としたとき、当該現像領域の副走査方向長さ未満であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第2パッチの副走査方向における幅deが、2〔mm〕未満であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第2パッチの副走査方向における幅deが、前記第1パッチの副走査方向における幅d未満であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第2パッチの副走査方向における幅deが、前記エッジ部の再現に用いられる階調再現方法により再現処理され得る画像領域の副走査方向の最大幅よりも小さいことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 像担持体上に形成される画像に含まれる、異なる属性の画像部分を、異なる階調再現方法を用いて再現する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記像担持体上に、属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法を用いて基準パターンを形成する基準パターン形成ステップと、
形成された基準パターンの濃度を検出する検出ステップと、
属性毎に、当該属性の画像部分の再現に用いられる階調再現方法により形成された基準パターンの濃度検出結果に応じて当該属性の画像部分の階調を補正するための補正条件を設定する補正条件設定ステップと、
属性毎に、当該属性の画像部分に対し設定された補正条件に応じて、その階調を補正する階調補正ステップと、
を含むステップを実行し、
前記異なる属性には、エッジ部と非エッジ部とが含まれ、
前記基準パターン形成ステップは、
前記基準パターンとして、前記エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いてエッジパターンを形成し、前記非エッジ部の再現に用いられる階調再現方法を用いて非エッジパターンを形成することを特徴とする画像形成方法。
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