JP4402422B2 - 軸筒とクリップとの係止構造 - Google Patents
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Description
このようにクリップが一体に形成されている場合、内筒部、特に軸筒と係止される螺合部の寸法管理をしっかり行っておけば、内筒部の螺合終了時に、内筒部は軸筒に対して所定位置に停止するようになるため、クリップを軸筒に対して一定位置に配置することが可能となる。
これは、クリップには、弾性、耐折れ性、印刷性、色表示性などの性能が要求され、内筒部には、強度(螺合の場合はネジ強度)、外観などの性能から要求され、それぞれに求められる性能が異なるからであり、それぞれに最適な性能を付与したクリップと内筒部とを組み合わせることで、デザインや機能を高めることが可能となるからである。このような理由から、クリップと内筒部とは別部品であることが望ましい。
しかし、例えばクリップと内筒部とを別部品とし、これらを組み合わせたような場合には、それぞれに長手方向の寸法誤差が生じているため、これらの誤差の蓄積により、クリップを軸筒に係止したときに、クリップが予定していた位置からずれてしまうおそれがある。特に、デザイン上クリップの位置を一定位置にしたい場合などは、特に不都合となる。
軸筒とは、その内部にリフィールを収納したり、シャープペンシルである場合は、シャープペンシルの内部機構を収納したりする部材を指す。また、これらに限られず、筆記先端をカバーするキャップなども含まれる。なお、リフィールは一般的にインクを収納するインク収納管と、インク収納管の先端に取り付けられる筆記チップとからなる。なお、インクの後端に接するように不揮発性であって、ペースト状、グリース状のフォロアーを設けることもできる。
クリップ本体の係止部と、軸筒の後端縁との間に隙間を形成するようにしたため、クリップの係止部が軸筒に当接しない。このため、クリップ本体の係止部に長手方向の寸法ばらつきが存在していたとしても、このばらつきが内筒の回転の大小に影響を与えないため、クリップを所定の位置に配置することが可能となる。
本手段は、前記第1の手段をより具体化したものであり内筒の外周面に軸筒と当接する当接部を形成しておき、この当接部を軸筒に当接することで、クリップ本体の係止部と軸筒の後端縁との間に、隙間を形成したものである。
内筒の当接部が軸筒に当接する箇所は、軸筒の後端縁でもいいし、例えば軸筒の内部に段部を形成し、この段部に当接させるようにしてもよい。即ち、必ずしも軸筒の後端縁のみに限られない。
例えば、デザイン上に理由によりグリップ部に凸部が形成される場合がある。また、軸筒内部のインク残量を把握するため、軸筒のグリップ部に透明若しくは半透明のレンズ状凸部を形成する場合もある。このような態様においてユーザーがグリップ部を把持する場合、握りやすさの観点から、この凸部を外して把持されることが想定される。具体的には、人差し指と親指との間に凸部を位置させることが多いと考えられる。この場合に、クリップの延長線上に凸部を位置させておけば、凸部を避けて握ることで、クリップも筆記の邪魔ではない位置に配置されることになる。この結果、良好な把持感を与えることが可能となる。
このノック式筆記具は、軸筒10の内部にリフィール30が収納されるとともに、リフィール30の先端付近に設けた段部と軸筒10の先端との間にコイルスプリング40が設けられており、常にリフィール30が後方へ付勢された状態となっている。軸筒10の後端に突出したノック部材50を押圧をすると、ノック部材50と連動する回転子60によりリフィール30の後端が前方に押され先端に設けられた筆記チップ31が軸筒10の先端から突出する。再度、ノック部材を押圧すると、コイルスプリング40によりリフィール30は後方へ付勢され軸筒10の内部に収納される。
詳細な図示は行わないが、リフィール30はインク収納管32と、インク収納管32の先端に設けられた筆記チップ31とからなる。インク収納管32の内部には、インクと加圧ガスとが収納されており、加圧ガスによりインクを押し出すような構造となっている。
軟質材82の材質としては、例えばシリコンゴム、ニトリルゴム(NBR)などのゴムや、オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系、ナイロン系など各種エラストマーが挙げられる。
前記凸部81は半透明の凸状のレンズ形状となっており、半透明で形成されたインク収納管32内部のインク残量が視認しやすいようになっている。
軸筒10の後端には、クリップ20が設けられており、クリップ20のクリップ片22と軸筒10の外周面との間で、衣服のポケットやノートなどの被狭持物を挟み込むようになっている。
軸筒10の後端には、後方から内筒70が挿入され、軸筒10の内壁に形成された雌ネジ部13に内筒70の外周面に形成された雄ねじ部77が螺合係合している。
前記内筒70の外周面の後端には後方フランジ部74、後方フランジ部の前方には前方フランジ部73が設けられている。この後方フランジ部74と前方フランジ部73との間にクリップ本体21の係止部24が前後方向に移動が規制され係止される。クリップ本体21の後方には、図5に示すように、内径が小さくなった箇所が設けられており、この縮径した箇所が内筒70の外周面との係止部24となっている。この係止部24が後方フランジ部74と前方フランジ部73との間に位置することで、クリップ本体21が前方へ移動しようとした際には、係止部24の前方に形成された段部25が前方フランジ部73に当接することで移動が規制され、クリップ本体21が後方へ移動しようとした際には、係止部24の後端縁が後方フランジ部74に当接することで、クリップ本体21の後方への移動が規制される。
なお、縦リブ75の側面には、係止突起72が設けられており、この係止突起72が凹溝23の側面に当接することで、クリップ本体21のガタツキが防止されている。前方フランジ部73の前方には、雄ねじ部77が設けられており、この雄ねじ部77が軸筒10の内周面に形成された雌ネジ部13に螺合係合する。
このような構成としない場合(クリップ本体21の係止部24を軸筒10の後端縁12に当接させる場合)、例えば、クリップ本体21の長手方向の寸法が所定寸法より長いと、内筒70を軸筒10に係止しようとした場合、内筒70と軸筒10との螺合量が不十分になり、クリップ片22が所定位置の手前に配置されてしまうことになる。一方、クリップ本体21の長手方向の寸法が所定寸法より短いと、内筒70と軸筒10との螺合量が多くなり、クリップ片22が所定位置を過ぎた場所に配置されてしまうことになる。
更に、当接部は本実施形態のように縦リブ75の先端とする必要もなく、例えば、散点状の突起とすることもできる。また、内筒70の外周面に設けた前方フランジ部73のように環状に形成されている突起を当接部とすることもできる。
図6に示すように、内筒70の内周面には、長手方向に形成された内筒突条93と、この突条93間に形成された内筒カム溝91と、内筒突条93の先端に形成された内筒カム面92とが形成されている。軸筒10内には、図1にも示したようにコイルスプリング40が内蔵され、リフィール30が軸筒10の後端側に付勢された状態で前後動可能に収容されている。
図7に示すように、回転子60には、内筒70の内周面に形成された内筒カム溝91に挿入される長手方向に形成された回転子突条61と、内筒70の内筒カム面92に係合する回転子突条61の後端に形成された回転子カム面62とが形成されている。
図8に示すように、ノック部材50には、内筒70の内筒カム溝91に挿入される周方向に所定の間隔をおいて形成されたノック部材突起51と、回転子60の回転子カム面62に係合するノック部材カム面52とが形成されている。
本図のように、クリップ片22の延長線上に凸部81を形成しておけば、凸部81を除いて把持をすることで、クリップ片22も筆記の邪魔にならない位置となる。
11 軸筒段部
12 後端縁
13 雌ネジ部
14 拡径部
20 クリップ
21 クリップ本体
22 クリップ片
23 凹溝
24 係止部
25 段部
30 リフィール
31 筆記チップ
32 インク収納管
40 コイルスプリング
50 ノック部材
60 回転子
61 回転子突条
62 回転子カム面
70 内筒
71 突出部
72 係止突起
73 前方フランジ部
74 後方フランジ部
75 縦リブ
76 貫通部
77 雄ねじ部
80 グリップ部
81 凸部
82 軟質材
83 貫通孔
90 隙間
91 内筒カム溝
92 内筒カム面
93 内筒突条
Claims (3)
- 軸筒と、該軸筒の後端側に設けられたクリップとの係止構造であって、
前記クリップは、軸筒との間で被狭持物を挟み込むクリップ片と、該クリップ片が設けられたクリップ本体とからなり、
上記軸筒の後端には、内筒が螺合により係合され、
前記内筒には、前記クリップ本体の係止部が回転不可能に係止されるとともに、
軸筒と内筒との螺合終了時に、前記クリップ本体の係止部と、軸筒の後端縁との間に隙間を形成したことを特徴とする軸筒とクリップとの係止構造。 - 前記クリップ本体の係止部の前方であって内筒の外周面には、軸筒と当接する当接部が形成され、軸筒と内筒との螺合終了時に、該当接部が軸筒に当接し、該当接部によりクリップ本体の係止部と軸筒の後端縁との間に隙間を形成したことを特徴とする請求項1記載の軸筒とクリップとの係止構造。
- 前記軸筒の一部には、ユーザーにより把持されるグリップ部が設けられ、該グリップ部には、外方へ突出した凸部が形成され、前記クリップ片の延長線上に該凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の軸筒とクリップとの係止構造。
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