JP4402186B2 - シアノ安息香酸化合物の製造方法 - Google Patents

シアノ安息香酸化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式(2)で表されるシアノ安息香酸化合物の製法に関する。このシアノ安息香酸化合物は医薬、農薬、液晶、機能性高分子モノマーなどの重要な中間体である。
【0002】
【従来の技術】
シアノ安息香酸化合物の製法はいくつか知られている。ここでは代表例としてp−シアノ安息香酸の製法をあげる。
p−シアノ安息香酸は、古典的にはp−アミノ安息香酸をジアゾ化した後シアン化銅を反応させるサンドマイヤー反応により合成されている(Lucas etal.,J.Am.Chem.Soc.,51(1929)2718)。また、トルニトリルをクロム酸や過マンガン酸などの強力な試薬酸化剤で酸化し合成する方法も知られている(Levine et al.,J.Org.Chem.,24(1959)115)、(Kattwinkel et al.,Chem.Ber.,37(1904)3226)。
【0003】
最近では、一酸化炭素存在下、パラジウム−ホスフィン触媒を用い、4−クロロシアノベンゼンをカルボニル化することにより、p−シアノ安息香酸が合成できることが知られている(特開昭64−47号公報)。
本発明に関連のある先行技術として、p−トルニトリルをルテニウム化合物を酸化触媒とし、再酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用い、水と有機溶媒との二層系で相間移動触媒存在下で酸化する方法がある(Yoel et al.,J.Org.Chem.,51(1986)2880)。該報告によれば、トルニトリルから、p−シアノベンズアルデヒドを経由してp−シアノ安息香酸ができるとしている。
また、p−シアノベンズアルデヒドを酸化する方法として、酸素雰囲気下、無水酢酸、n−ブチルアルデヒド存在下、コバルト触媒を用いる方法(Punniyamurthy et al.,Tetrahedron Letters.,35(1994)2959)、酢酸溶媒中、過ホウ素酸ナトリウムを用いる方法(Norich et al.,Tetrahedron,45(1989)3299)が知られている。
【0004】
しかしこれら従来のシアノ安息香酸の製造方法においてはいくつかの問題点がある。
即ち、サンドマイヤー法は、危険なシアン化銅を必要とし、シアン化水素の遊離する酸性条件下でのp−シアノ安息香酸の単離精製は困難である。
クロム酸や過マンガン酸などの試薬酸化剤を用いた場合は、有毒な重金属廃棄物が化学量論量以上の多量生成し、有毒な重金属を含む廃液が大量にでて環境に対する問題が多い。
カルボニル化方法では、高価なパラジウムとホスフィンを用いるため経済的方法ではない。
また、ルテニウム化合物を用いる方法では、原料に対して高価なルテニウム化合物を1mol%、相間移動触媒を5mol%も必要とし、両者は必須な構成要素であるため経済的な方法ではない。
またp−シアノベンズアルデヒドの酸化による方法では、コバルト触媒による酸素酸化法、過ホウ素酸ナトリウムによる方法の何れも収率が低い。
このように、p−シアノ安息香酸は、従来知られている技術では合成が繁雑で高純度体を得るのが困難であり、また原料の入手も容易ではないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シアノ安息香酸化合物を工業的に有利な方法により高収率、高純度に製造することにあり、特に医薬中間体として有用なp−またはm−シアノ安息香酸を高純度且つ高収率な製造方法の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、一般式(1)のシアノベンズアルデヒド化合物を出発原料として、ベンゼン環上のシアノ基を損なうことなくアルデヒド基(−CHO)をカルボキシル基に変換することにより、上記目的を達成することができた。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1] 一般式(1)
【化4】
Figure 0004402186
(式中、−CHOと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CHOは−CNのメタ位あるいはパラ位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0ないし4の整数を表わす。ただしnが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)
で表されるシアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物を反応させることを特徴とする一般式(2)
【化5】
Figure 0004402186
(式中、−COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−COOHは−CNのメタ位あるいはパラ位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0ないし4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)
で表されるシアノ安息香酸化合物の製法。
[2] 次亜ハロゲン酸化合物が、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ナトリウム及び次亜ヨウ素酸カリウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記[1]に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、
[3] シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、水系溶媒中において、非プロトン性極性溶媒の存在下でおこなわせることを特徴とする上記[1]または[2]のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、
[4] 非プロトン性極性溶媒が、ジオキサン、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン及びアセトニトリルからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記[3]に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、
[5] シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、水系溶媒中において、pHを5ないし10の範囲で行うことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
[6] シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、塩基の存在下に行うことを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、
[7] 塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記[6]に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、
[8] 一般式(1)で表されるシアノベンズアルデヒド化合物が、m−シアノベンズアルデヒド、p−シアノベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒドからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法、および
【0007】
[9] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする一般式(2)
【化6】
Figure 0004402186
(式中、−COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−COOHは−CNのメタ位あるいはパラ位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0ないし4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)
で表されるシアノ安息香酸化合物、を開発することにより上記の目的を達成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるシアノ安息香酸化合物の製造方法は、シアノベンズアルデヒド化合物及び次亜ハロゲン酸化合物を、溶媒として水または水と非プロトン性極性溶媒とともに反応容器に仕込み、撹拌下に所定の温度で、所定の時間反応させることにより行われる。
原材料の仕込みおよび反応は常圧下又は加圧下で行うことができる。好ましくは常圧下で行なう。反応器としてはガラス、耐酸金属容器などを使用する。
【0009】
本反応で用いられるシアノベンズアルデヒド化合物について説明する。
無置換のシアノベンズアルデヒド化合物は、m−シアノベンズアルデヒドまたはp−シアノベンズアルデヒドであり、それぞれイソフタロニトリルおよびテレフタロニトリルの一つのニトリル基の還元反応(特開昭49−85041)で得られるm−シアノベンジルアミンまたはp−シアノベンジルアミンのソムレ(Sommelet)反応などの酸化的脱アミノ化反応で容易かつ大量に合成できる。
【0010】
次にハロゲンで置換されたハロゲン化シアノベンズアルデヒド化合物について説明する。3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒドなどの塩素化シアノベンズアルデヒド化合物は、イソフタロニトリルまたはテレフタロニトリルを塩素化し、次いで該テトラクロロイソフタロニトリルまたはテトラクロロテレフタロニトリルの、一つのニトリル基を還元し、該還元反応で得られる3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンジルアミンまたは4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンジルアミンを酸化的脱アミノ化反応にかけることにより容易かつ大量に合成できる。
【0011】
フッ素化シアノベンズアルデヒド化合物は、前記テトラクロロイソフタロニトリルまたはテトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化フタロニトリル化合物のフッ素化反応で得られるテトラフルオロイソフタロニトリルまたはテトラフルオロテレフタロニトリルなどのフッ素化フタロニトリル化合物のニトリル基のうち、その一つのニトリル基の還元反応で得られる3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンジルアミンまたは4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアミンなどのシアノフルオロベンジルアミン化合物の酸化的脱アミノ化反応で容易かつ大量に合成できる。
【0012】
本発明のシアノ安息香酸化合物の製造方法においては、アルデヒド基の酸化において次亜ハロゲン酸化合物を使用する。
該反応において次亜ハロゲン酸またはその化合物は酸性、中性、塩基性の比較的広いpHの範囲で用いることができるが、反応溶液のpHが低すぎると次亜ハロゲン酸化合物の反応に関与しない分解が顕著となり、反応完結までの次亜ハロゲン酸化合物の原単位が悪くなり、pHが高すぎるとシアノベンズアルデヒド化合物あるいは反応により生成したシアノ安息香酸化合物のニトリル基が分解する副反応が併発し易く、シアノ安息香酸化合物の純度が低くなるので、pHを5ないし10が望ましい。反応に際し、次亜ハロゲン酸化合物は反応開始時に一括で加えてもよいが、反応が急激におこり副反応を併発する恐れがあるので、通常5分ないし10時間かけて添加することが好ましい。
【0013】
本発明のシアノ安息香酸化合物の製造に用いることができる次亜ハロゲン酸化合物としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸などの次亜ハロゲン酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ナトリウム、次亜ヨウ素酸カリウム、などの次亜ハロゲン酸塩などがある。
本発明の反応に使用する次亜ハロゲン酸化合物の量は、シアノベンズアルデヒド化合物に対してモル比で1ないし5が好ましい。
【0014】
本発明の製造方法においては、シアノベンズアルデヒド化合物が酸化されるにつれてシアノ安息香酸化合物が生成し、析出し始める。概ね反応液のpHが4以下ではシアノ安息香酸化合物が急激に大量に析出し、攪拌が困難になったり、析出したシアノ安息香酸化合物中に未反応のシアノベンズアルデヒド化合物が取り込まれて反応が完結しにくいなどの問題がある。
かかる場合には反応系に塩基を加え、シアノ安息香酸化合物を塩として反応溶液に溶解させ、反応系を均一溶液にして反応をおこなうと効率よく反応を進行させることができる。塩基ははじめに必要量を一括で加えてもよいし、反応の進行にあわせてシアノ安息香酸化合物が析出しないように継続的に加えてもよい。
【0015】
本発明のシアノ安息香酸化合物の製造において用いることができる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の重炭酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのおよびアルカリ土類金属の金属酸化物を用いることができる。
上記において使用する塩基の量は、共存する次亜塩素酸化合物の種類と量によるが、次亜塩素酸化合物に含まれる塩基と反応に加える塩基の合計量としてはシアノベンズアルデヒド化合物と当モル量以上であり、反応中に反応系のpHが5ないし10に維持できる量とする。
【0016】
本発明の方法は水性の溶液中で反応をおこなうことができる。溶媒に水を使用した時にシアノベンズアルデヒド化合物の溶解度が低い場合には非プロトン性極性溶媒を共存させると、反応を効率よくおこなうことができる。
この反応で用いることができる非プロトン性極性溶媒としては、ジオキサン、ジグライムなどのエーテル系、ジメチルホルムアミドなどのアミド系、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含イオウ系、アセトニトリルなどのニトリル系である。
本反応で使用する非プロトン性極性溶媒の量は、少なくともシアノベンズアルデヒド化合物の1(重量部)に対し、0.1(重量部)を要し、水と混合する量の範囲で使用することができる。好適には、シアノベンズアルデヒド化合物の1(重量部)に対し0.3〜3(重量部)である。
【0017】
反応温度は低すぎると反応速度が遅く、高すぎるとニトリル基が分解してしまうので、望ましくは10ないし80℃であり、さらに望ましくは30ないし50℃である。本反応の反応時間は、pH、溶媒の組成などによるが、10分ないし12時間が好適である。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。得られたシアノ安息香酸化合物の純度は高速液体クロマトグラフにより測定した。
Figure 0004402186
【0019】
(実施例1)
p−シアノベンズアルデヒド13.1gと水50gを混合攪拌しながら、13重量%濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液150gを室温で2時間かけて滴下し、その後さらに1時間攪拌した。次いで尿素3g加え20分攪拌し、更に98重量%濃度の硫酸8g、水150gを加えた。
析出した結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸12.1g(収率82%)を得た。高速液体クロマトグラフの分析により得られたp−シアノ安息香酸の純度は95%以上であった。
【0020】
(実施例2)
p−シアノベンズアルデヒド26.2g、アセトニトリル26g、炭酸ナトリウム10.5g及び水100gを混合攪拌しながら13.5重量%濃度の次亜塩素酸ソーダの水溶液210gを反応系内温を50℃以下に保ちつつ1時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。次いで尿素3.6g加え20分攪拌し、更に98重量%濃度の硫酸12g、水300gを加えた。
析出した結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸27.6g(収率94%)を得た。純度は98%以上であった。
【0021】
(実施例3)
p−シアノベンズアルデヒド26.2g、アセトニトリル26g、炭酸水素ナトリウム17.6gと水100gを混合攪拌した。pH=9に調整した13.5重量%濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液210gを反応系内温を40℃に保ちながら1時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。次いで尿素3.6g加え20分攪拌し、更に98重量%濃度の硫酸12g、水300gを加えた。
析出した結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸28.8g(収率98%)を得た。純度は99%以上であった。
【0022】
(実施例4)
m−シアノベンズアルデヒド26.2g、ジオキサン40g、炭酸水素ナトリウム17.6gと水100gを混合攪拌した。pH=9に調整した13.5重量%濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液210gを反応系内温を50℃以下に保ちながら1時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。次いで尿素3.6g加え20分攪拌し、更に98重量%濃度の硫酸12g、水300gを加えた。
析出した結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸27g(収率92%)を得た。純度は98%以上であった。
【0023】
(実施例5)
m−シアノベンズアルデヒド26.2g、ジメチルホルムアミド18gと水70gを混合攪拌した。13重量%濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液220gを反応系内温を35ないし45℃に保ち2時間かけて滴下し、同時に反応溶液のpHが7ないし8になるようにpHコントローラー付き滴下ロートを用いて水酸化ナトリウム溶液を滴下した。次いで尿素3.6g加え20分攪拌し、更に98重量%濃度の硫酸12g、水300gを加えた。
析出した結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸26.5g(収率90%)を得た。純度は98%以上であった。
【発明の効果】
本発明のシアノ安息香酸化合物の製造方法による時は、まず原料のシアノベンズアルデヒド化合物が容易に大量にかつ安価に入手可能である。また反応条件は簡便である上、反応にはシアン化水素などの発生の危険などのある危険な化合物を使用する必要はなく、無触媒で高価な触媒なども必要がない上、反応の排出物は安全かつクリーンで、環境を汚染するような重金属含有物などの副生もない。更に得られるシアノ安息香酸化合物は高純度でありまたその生成物が高収率で得られる特徴があり、生産単位を大きくすることが容易で極めて優れたシアノ安息香酸化合物の製造方法である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004402186
    (式中、−CHOと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CHOは−CNのメタ位あるいはパラ位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0ないし4の整数を表わす。ただしnが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)
    で表されるシアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物を無触媒で反応させることを特徴とする一般式(2)
    Figure 0004402186
    (式中、−COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−COOHは−CNのメタ位あるいはパラ位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0ないし4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)
    で表されるシアノ安息香酸化合物の製法。
  2. 次亜ハロゲン酸化合物が、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ナトリウム及び次亜ヨウ素酸カリウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  3. シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、水系溶媒中において、非プロトン性極性溶媒の存在下でおこなわせることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  4. 非プロトン性極性溶媒が、ジオキサン、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン及びアセトニトリルからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項3に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  5. シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、水系溶媒中において、pHを5ないし10の範囲で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  6. シアノベンズアルデヒド化合物と次亜ハロゲン酸化合物の反応を、塩基の存在下に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  7. 塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項6に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  8. 一般式(1)で表されるシアノベンズアルデヒド化合物が、m−シアノベンズアルデヒド、p−シアノベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒドからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
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