JP4399018B1 - 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.3〜2%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.3〜5%、O:0.003〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなり、0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物が、鋼中に、1×106個/mm2以上分散していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接熱影響部(Heat Affected Zone:以下、HAZという)の靭性に優れた鋼材に関するものである。本発明の鋼材は、小入熱溶接から超大入熱溶接までの広範な溶接条件において、良好なHAZ靭性を有するので、建築、橋梁、造船、ラインパイプ、建設機械、海洋構造物、タンクなどの各種溶接鋼構造物に用いられる。
HAZにおいては、溶融線に近づくほど、溶接時の加熱温度は高くなり、特に、溶融線近傍の1400℃以上に加熱される領域では、オーステナイト(以下、γと記すことがある)が著しく粗大化してしまい、冷却後のHAZ組織が粗大化して、靭性が劣化する。この傾向は、溶接入熱量が大きくなるほど顕著である。
このような問題点を解決する手段として、特許文献1に開示されている微細なTiNを分散させた鋼材、特許文献2に開示されている微細なMgとAlからなる酸化物を内包するTiNを多量に分散させた鋼板、特許文献3に開示されている微細なアルミ含有酸化物を分散させた鋼材、特許文献4に開示されている酸素の活量を低下させる元素を添加しMg含有酸化物を多量に分散させた鋼などがある。
特開2001−20031号公報 特開2000−80436号公報 特開2004−76085号公報 特開2001−335882号公報
しかし、上記の方法は、以下の問題点がある。
特許文献1記載の鋼材では、鋼中に、円相当径0.05μm以下のTiNを、1×103個/mm2以上、円相当径0.03〜0.20μmのTiNを、1×103個/mm2以上1×105個/mm2未満分散させているが、1400℃以上の高温での滞留時間が長い大入熱溶接では、γ粒の成長抑制に寄与する微細なTiNが、鋼中に溶解・消滅してしまうため、γ粒が粗大化し、HAZ部の靭性が劣化する。
特許文献2記載の鋼板では、MgとAlとから成る酸化物を内包する0.01μm以上0.5μm未満のTiNを、10000個/mm2以上存在させている。上記鋼板は、溶接入熱量が20〜100kJ/mmの大入熱溶接において、良好なHAZ靭性を有するが、100kJ/mmを超える超大入熱溶接においては、HAZ部のγ粒成長を抑制することができず、HAZ部の靭性が低下する。
特許文献3記載の鋼材では、0.05〜0.2μmのアルミ含有酸化物を、鋼中に、10000個/mm2以上分散させており、溶接入熱量が20〜100kJ/mmの大入熱溶接において、良好なHAZ靭性を有するが、100kJ/mmを超える超大入熱溶接においては、HAZ部のγ粒成長を抑制することができず、HAZ部の靭性が低下する。
特許文献4記載の鋼では、粒子径が0.005〜0.1μmのMgO又はMg含有酸化物を核にして、酸化物を包含もしくは周辺に析出した窒化物により構成される、大きさ0.01〜2.0μmの酸化物−窒化物複合粒子を、1mm2あたり1.0×105〜1.0×108個含ませている。上記鋼は、溶接入熱量が90kJ/mmの大入熱溶接において、良好なHAZ靭性を有するが、100kJ/mmを超える超大入熱溶接においては、HAZ部のγ粒成長を抑制することができず、HAZ部の靭性が低下する。
そこで、本発明は、従来以上に酸化物を微細でかつ均一に分散させ、HAZ部のγ粒成長を抑制し、100kJ/mmを超える超大入熱溶接においても、HAZ靭性が優れた鋼材を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.3%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜2%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.3〜5%、O:0.003〜0.01%、N:0.006%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなり、0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物が、鋼中に、1×106個/mm2以上分散していることを特徴とする溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材。
(2)さらに、質量%で、Cu:0.3%〜2%、Ni:0.3%〜2%のいずれか1種以上を含有することを特徴とする(1)記載の溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材。
本発明の鋼材を用いると、溶接入熱量が100kJ/mmを超える超大入熱溶接を行っても、HAZ部の靭性が劣化しないので、高効率な大入熱溶接を行うことができる。
本発明者らは、HAZ部の靭性向上のため、鋼中に、高温で熱的に安定な微細な酸化物を多量に分散させる条件について鋭意検討した。その結果、溶鋼中のAl濃度を高めて、酸素の活量を低下させ、酸素濃度を高めた溶鋼を凝固させると、鋼中に、微細なアルミナが多量に分散することを見出した。以下に、詳細に説明する。
溶鋼に脱酸元素を添加して脱酸した際に生成する酸化物は、溶鋼中での元素の拡散が速いため、容易に成長し、0.1μm未満の微細なままの状態を保持することは困難である。さらに、酸化物同士の凝集・合体も容易に起こるため、脱酸生成酸化物は、粗大な酸化物になり易い。
そこで、溶鋼中では、酸化物をほとんど生成させず、溶鋼が凝固している途中、又は、凝固後に、鋼中に酸化物を生成させることに着目し、酸化物の生成と併行して、溶鋼の凝固も進行させ、酸化物の凝固による成長を抑制することにより、微細な酸化物を、鋼中に分散させることを検討した。
微細な酸化物を多量に分散させるためには、溶鋼が凝固する直前の脱酸元素と酸素の濃度の両方を高めておくことが必要になる。ところで、溶鋼中の酸素濃度は、溶鋼中の脱酸元素の濃度の増加とともに、一旦、低下した後、上昇することが知られている(例えば、一瀬英爾:鉄と鋼、77(1991)、p.197)。この現象を利用すれば、脱酸元素と酸素の両方の濃度を、同時に高くすることが可能となる。
この脱酸元素と酸素の両方の濃度を高めた溶鋼を凝固させたところ、温度低下による脱酸生成物の溶解度積の低下と、残溶鋼への溶質元素の濃化が生じ、酸化物が晶出したが、この晶出した酸化物は、成長や凝集・合体が生じる間もなく凝固した鋼に取り込まれるため、極めて微細な酸化物を、鋼中に分散させることができることを新たに見出した。
具体的には、表1に基づき、鋼中のAl濃度を種々変更し、微細なアルミ含有酸化物個数を調査した結果、溶鋼中のAl濃度を0.3質量%以上に高くすると、凝固後の鋼中のアルミ含有酸化物個数が著しく増加することが明らかになった。この時、生成するアルミ含有酸化物の円相当径は、0.005〜0.05μmであり、単位面積あたりの個数は、106個/mm2以上であることが判明した。
次に、本発明の鋼の化学組成を限定した理由を説明する。(以降、%は質量%を意味する。)
C:0.3%以下
Cは、鋼における母材強度を向上させる基本的な元素として欠かせないが、0.3%を超える過剰の添加では、鋼材の靭性や溶接性の低下を招くため、その上限を0.3%とする。下限は0を含まない。
Si:0.5%以下
Siは、母材の強度の確保に必要な元素であるが、0.5%を超えると、HAZ靭性を低下させるため、0.5%を上限とする。下限は0を含まない。
Mn:0.3〜2%
Mnは、母材の強度および靭性の確保に必要な元素であり、0.3%以上の添加が必要である。一方、2%を超えると、HAZ靭性が著しく低下するので、2%以下とする。
P:0.03%以下
Pは、鋼の靭性に影響を与える元素であり、0.03%を超えて含有すると鋼材の靭性が著しく低下するため、0.03%以下とする。下限は0%を含む。
S:0.03%以下
Sは、鋼の靭性に影響を与える元素であり、0.03%を超えて含有すると鋼材の靭性が著しく低下するため、0.03%以下とする。下限は0%を含む。
Al:0.3〜5%
Alは、本発明において最も重要な元素である。Alを0.3%以上にすることで、溶鋼中の酸素濃度を増加させ、凝固後の鋼中の微細なアルミ含有酸化物の個数を増大させることができる。一方、5%を超えて過剰に添加しても、微細アルミ含有酸化物の増加効果は飽和し、不経済であるだけでなく、靭性の低下をもたらす。したがって、Alは、0.3〜5%とする。好ましくは、1.8〜4.8%である。
O:0.003〜0.01%
鋼中のOは、微細な酸化物を多量に生成させる上で重要な元素である。上記のように、Alと結びつき、アルミ含有酸化物を形成することで、γ粒の微細化に寄与する。この効果は、0.003%以上の場合に発現する。Oが0.01%を超えると、鋼中に粗大な酸化物が生成するので、鋼板の靭性が低下する。したがって、Oは、0.003〜0.01%とする。好ましくは、0.005〜0.009%である。
N:0.006%以下
鋼中のNが、0.006%超となると、鋼中に粗大なAlNが生成し、鋼材の靭性を劣化させるので、0.006%以下とする。下限は0%を含む。
さらに、鋼材の靭性を向上させるためには、Cu、Niのいずれか1種以上を添加することが好ましい。
Cu:0.3〜2%
鋼中のCuは、鋼材の靭性を向上させる。その効果は、0.3%以上で発現する。2%を超えて含有させても、その効果は飽和する。したがって、Cuは、0.3〜2%とする。
Ni:0.3〜2%
鋼中のNiは、鋼材の靭性を向上させる。その効果は、0.3%以上で発現する。2%を超えて含有させても、その効果は飽和する。したがって、Niは、0.3〜2%とする。
上記の組成は、鋳造を開始するまでの溶鋼段階で、常法により調整することで実現することができる。
例えば、Alは、主として、転炉出鋼時、又は、二次精錬工程で、Al又はAl含有合金を溶鋼に添加することで、鋼に含有させることができる。Oは、鉄鉱石等の酸素含有物質を溶鋼中に添加することや、酸素ガスを溶鋼中に吹き込んだり、溶鋼表面に吹き付けることによって、鋼中に含有させることができる。
次に、微細なアルミ含有酸化物の生成量について述べる。
図1は、表1に示す鋼を用いて、1400℃で60s間保持した場合のγ粒に及ぼす0.005μm以上0.05μm以下のアルミ含有酸化物の個数の影響を示している。ここで、微細なアルミ含有酸化物の大きさを0.005μm以上0.05μm以下としたのは、0.005μm未満および0.05μm超のアルミ含有酸化物は、その数が極端に少なく、γ粒成長抑制には寄与しないと考えられるためである。
ちなみに、上記の加熱条件(1400℃で60s間保持)は、板厚80mmの鋼材を、約100kJ/mmの溶接入熱量でエレクトロスラグ溶接した時の溶融線近傍HAZに相当する。
図1から、アルミ含有酸化物の個数が1×106個/mm2 未満の場合には、γ粒径が60μmを超えて大きくなると、HAZ組織が十分に微細化されないことがわかる。また、別途調査により、γ粒径が60μmを超えると、100kJ/mmを超える超大入熱量溶接においては、良好なHAZ靭性は得られないことを確認した。
従って、100kJ/mmを超える超大入熱量溶接においてもHAZ靭性が優れた鋼材を得るためには、0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物が、鋼中に、1×106個/mm2以上分散していることが必要である。好ましくは、1.8×106個/mm2以上である。
また、本発明鋼は、鉄鋼業の製鋼工程において、本発明の範囲内の所定の化学成分に調整し、連続鋳造を行い、鋳片を再加熱した後に、厚板圧延によって、形状と母材材質を付与することで製造される。連続鋳造鋳片のサイズは、特に問わない。必要に応じ、鋼材に各種の熱処理を施して、母材の材質を制御することも行われる。鋳片を再加熱することなく、ホットチャージ圧延することも可能である。
本発明で規定した酸化物の分散状態は、例えば、以下にような方法で、定量的に測定される。
0.005μm以上0.05μm以下のアルミ含有酸化物の分散状態は、母材鋼材の任意の場所から抽出レプリカ試料を作製し、これを、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、10000〜50000倍の倍率で、少なくとも1000μm2以上の面積にわたって観察し、対象となる大きさの析出物の個数を測定し、単位面積当たりの個数に換算する。
このとき、アルミ含有酸化物の同定は、TEMに付属のエネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析と、TEMによる電子線回折像の結晶構造解析によって行われる。
このような同定を、測定するすべての析出物に対して行うことが煩雑な場合、簡易的に、次の手順を用いてもよい。
まず、対象となる大きさの析出物の個数を、上記の要領で測定する。次に、このような方法で個数を測定した析出物のうち、少なくとも10個以上について、上記の要領で同定を行い、アルミ含有酸化物が存在している割合を算出する。析出物は、無作為に、少なくとも10個程度選択して同定を行い、アルミ含有酸化物が存在している割合を算出すれば、代表性のある値となることを確認している。
そして、初めに測定した析出物の個数に、この割合を掛け合わせる。鋼中の炭化物が、以上のTEM観察を邪魔する場合、500℃以下の熱処理によって炭化物を凝集・粗大化させ、対象となる複合析出物の観察を容易にすることができる。
γ粒の成長を抑制する酸化物は、アルミと酸素を主成分とするが、スラグや耐火物から微量混入するMg、Ca、Zr、Tiなどが含まれる場合がある。これらの元素が含まれる場合も、γ粒の成長抑制効果は同等である。なお、通常、アルミ含有酸化物中のアルミ濃度と酸素濃度は、それぞれ、40%程度以上である。
表1に示す化学成分を有する鋼塊を真空溶解炉を用いて溶製した。次に、1200℃で1時間の加熱を行い、厚みを120mmから30mmまで、熱間圧延した。その鋼板に、溶接を行い、入熱が100kJ/mmの超大入熱の再現熱サイクルおよび10kJ/mmの小入熱の再現熱サイクルを付与し、−40℃でシャルピー試験を行い、吸収エネルギーvE(−40℃)を求めた。
そこで、超大入熱の再現熱サイクルを付与した鋼板と、小入熱の再現熱サイクルを付与した鋼板において、HAZ靭性を比較するために、入熱が100kJ/mm相当と10kJ/mm相当の再現熱サイクルを付与した試験片のシャルピー吸収エネルギーvE(40℃)の差△vE(−40℃)を求めた。
No.1〜No.3は、本発明例である。0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物の個数が、1×106個/mm2以上分散しており、これらの鋼材において、△vE(−40℃)は、高々9kJ/mmであり、入熱が100kJ/mmの超大入熱溶接においても、入熱が10kJ/mmの小入熱靭性と同程度の靭性が確保されている。
No.4〜No.8も、本発明例である。0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物の個数が、1×106個/mm2以上分散しており、これらの鋼材において、△vE(−40℃)は、高々9kJ/mmであり、入熱が100kJ/mmの超大入熱溶接においても、入熱が10kJ/mmの小入熱靭性と同程度の靭性が確保されている。
No.9〜No.13は、比較例である。No.9〜No.11は、Alが、本発明の範囲よりも低すぎるため、0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物の個数が、1×106個/mm2未満であり、△vE(−40℃)が、本発明鋼に比べて大きい。すなわち、超大入熱時の靭性劣化が著しい。
また、No.12〜No.13は、Alが、本発明の範囲よりも高すぎるものである。0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物の個数は、本発明の要件を満たしているものの、靭性を劣化させるAlが、本発明の範囲を超えて過剰になっており、このために、超大入熱溶接HAZ靭性の劣化が大きくなったと考えられる。
Figure 0004399018
加熱γ粒径に及ぼす0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物の個数の影響を示す図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.3%以下、
    Si:0.5%以下、
    Mn:0.3〜2%、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下、
    Al:0.3〜5%、
    O:0.003〜0.01%、
    N:0.006%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなり、0.005〜0.05μmのアルミ含有酸化物が、鋼中に、1×106個/mm2以上分散していることを特徴とする溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材。
  2. さらに、質量%で、
    Cu:0.3%〜2%、
    Ni:0.3%〜2%
    のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材。
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