JP2013036102A - 大入熱溶接用鋼材 - Google Patents

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Abstract

【課題】造船、建築、土木等の各種構造物で使用される鋼材、特に溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接に適した鋼材を提供する。
【解決手段】鋼成分組成がmass%でC:0.03〜0.10%、Si:0.50%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.04〜0.08%以下、S:0.0005〜0.0040%、Al:0.003%以下、Nb:0.003〜0.04%、Ti:0.010〜0.080%、Cr:1.0%以下、N:0.0020〜0.0100%、O:0.0030〜0.0120%、必要に応じてB、Cu、Ni、Mo、V、Ca、Mg、Zr、REMの一種または二種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼中の、粒径1μm以下のTi酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物の個数密度が300個/mm以上で、溶接入熱量300kJ/cm超えのボンド近傍の熱影響部組織における旧オーステナイト粒径が150μm以下である鋼材。
【選択図】なし

Description

本発明は、造船、建築、土木等の各種構造物で使用される鋼材、特に溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接に適した鋼材に関する。
造船、建築、土木等の分野で使用される鋼材は、一般に、溶接接合により所望の形状の構造物に仕上げられる。これらの構造物においては、安全性の観点から、使用される鋼材の母材靱性はもちろんのこと、溶接部の靱性に優れることが要請されている。
一方で、これら構造物や船舶はますます大型化し、使用される鋼材の高強度化・厚肉化に伴い、溶接施工にはサブマージアーク溶接、エレクトロガスアーク溶接およびエレクトロスラグ溶接などの高能率な大入熱溶接が適用されるようになってきた。例えば、大型コンテナ船の場合、ハッチコーミング部分は降伏強度460N/mm級高強度鋼鈑で板厚が50mm以上となり、立向きエレクトロガスアーク溶接で300〜500kJ/cm以上で1パス溶接される。
このような大入熱溶接でも溶接熱影響部(熱影響部、HAZということもある)の靱性(HAZ靭性ということもある)を確保するため、これまでにも多くの対策が提案されてきた。
例えば、TiNの微細分散によるオーステナイト粒の粗大化抑制やフェライト変態核としての作用を利用する技術はすでに実用化され、Tiの酸化物を分散させて、オーステナイト粒の粗大化を抑制することも提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
しかしながら、TiNを主体に利用する技術では、TiNが溶解する温度域に加熱される溶接熱影響部においてはTiが有する上記のオーステナイト粒粗大化抑制効果がなくなり、さらには地の組織が固溶Tiおよび固溶Nにより脆化して靱性が著しく低下するという問題があった。
また、Ti酸化物を利用する技術では、Alを無添加とし、微量のTiを添加することにより、Ti酸化物を分散させて熱影響部靭性を改善するが、Ti酸化物を均一微細に分散させることが困難で、現在に至るまで解決されていない。
特開昭57−51243号公報 特開平7−278738号公報 特開平6−293935号公報
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、Ti酸化物、Tiを含む酸化物含有介在物を鋼中に数多く微細分散させ、微細酸化物によるピニング効果によりオーステナイト粒の粗大化を抑制し、溶接熱影響部のHAZ靭性を向上させた、溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接で優れたHAZ靭性を備える大入熱溶接用鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、降伏強度が460N/mmの高強度鋼を対象に、溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接熱影響部での靭性を向上させるべく鋭意検討を行い、その結果、1.HAZ靭性を向上させる旧オーステナイト粒の粗大化抑制には、Ti酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物によるオーステナイト粒のピニングの併用が効果的であり、2.その効果を十分に発揮するためにはTi酸化物および/またはTi含有酸化物を300個/mm以上に微細分散させる必要があり、3.そのためには鋼中P濃度を高めることが有効であることを見出した。本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は、
1.鋼成分組成が、C:0.03〜0.10mass%、Si:0.50mass%以下、Mn:1.0〜2.5mass%、P:0.04〜0.08mass%以下、S:0.0005〜0.0040mass%、Al:0.003mass%以下、Nb:0.003〜0.04mass%、Ti:0.010〜0.080mass%、Cr:1.0mass%以下、O:0.0030〜0.0120mass%、N:0.0020〜0.0100mass%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼中の、粒径1μm以下のTi酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物の個数密度が300個/mm以上で、溶接入熱量300kJ/cm超えのボンド近傍の熱影響部組織における旧オーステナイト粒径が150μm以下であることを特徴とする大入熱溶接用鋼材。
2.上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、Mo:0.4mass%以下、V:0.10mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする1に記載の大入熱溶接用鋼材。
3.上記成分組成に加えてさらにCa:0.0003〜0.0030mass%、Mg:0.0002〜0.0020mass%、Zr:0.001〜0.02mass%、REM:0.001〜0.02mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする1または2記載の大入熱溶接用鋼材。
本発明によれば、300kJ/cmを超える大入熱溶接を行っても優れた溶接熱影響部靱性を有する鋼材が得られるので、サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接、エレクトロスラグ溶接などの大入熱溶接により施工される大型の構造物の品質向上に寄与するところ大である。
本発明では、成分組成とミクロ組織を規定する。
[成分組成]
C:0.03〜0.10mass%
C量は、構造用鋼として必要な強度を得るために0.03mass%以上が必要であるが、一方、0.10mass%を超えると溶接時のHAZ部で島状マルテンサイトの生成量が増加し靭性が劣化するため、0.03〜0.10mass%とする。
Si:0.50mass%以下
Siは、0.50mass%を超えると、母材靱性と大入熱溶接熱影響部の靱性を劣化させるため、0.50mass%以下とする。Siは脱酸作用があり、鋼材の強度を向上させるため、0.02mass%以上を含有させることが好ましい。
Mn:1.0〜2.5mass%
Mnは母材の強度を確保するために必要な元素であり、その効果を発揮させるためには1.0mass%以上含有させる。しかし、2.5mass%を超えると溶接部の靱性を劣化させるようになるため、1.0〜2.5mass%とする。
P:0.04〜0.08mass%以下
Pは本発明において重要な元素で、溶接ボンド部近傍のオーステナイト粒の成長を抑制する1μm以下のTi酸化物および/または当該Ti酸化物を含有した介在物(窒化物、硫化物)の個数密度を確保するため、鋼中の含有量を0.04mass%以上とする。一方、Pを0.08mass%を超えて含有すると鋼材の靱性が劣化するため、0.08mass%以下とする。
本発明者等はTi脱酸系成分組成を基本成分系とし、鋼中P含有量を変化させた供試鋼を用いて溶鋼中のP濃度と凝固時に生成する微細な酸化物個数の関係を調査した。その結果、溶鋼中のP濃度を増加させると、凝固時に生成する酸化物個数が著しく増加し、大入熱溶接時において当該酸化物によるピニングの効果が働き、溶接ボンド部近傍のオーステナイト粒の成長が抑制される結果を得た。その理由は以下のように推測される。
Al濃度が低くTi脱酸になるような条件においては、凝固前における溶鋼中の溶存酸素が高い状態にある。その場合、凝固時において樹枝状晶のミクロ偏析部においてTi酸化物を主体とした酸化物が生成するが、ミクロ偏析部では凝固時の平衡分配係数が小さいC、P、Sの濃度が上昇する。
ミクロ偏析部のP濃度は鋼のP濃度に対して、凝固速度、冷却速度の影響を受けて変化するものの、約5倍〜20倍に増加するので、ミクロ偏析部における液相の表面張力が低下し、ミクロ偏析部の液相部においてTi酸化物を主体とした酸化物は微細に析出するようになる。
鋼中のS濃度を増加させても、Pと同様にミクロ偏析部の濃度が増加し、ミクロ偏析部の液相の表面張力を低下させるが、S濃度が増加した場合、ミクロ偏析部でMnSなど硫化物が生成するため表面張力が低下しにくくなるので、鋼中のP濃度を増加させることがミクロ偏析部の液相の表面張力を低下し、生成する介在物径を微細にすることに対して最も有効に働く。
S:0.0005〜0.0040mass%
Sは、MnSあるいはCaSを生成するために0.0005mass%以上を必要とするが、一方、0.0040mass%を超えると母材の靱性を劣化させるため、0.0005〜0.0040mass%とする。
Al:0.003mass%以下
Alは本発明において不可避的不純物で、Ti酸化物、Ti含有酸化物を生成させ、凝固時に微細に酸化物を分散させるため、極力含有しないようにするが、0.003mass%までなら含有してもよい。
Nb:0.003〜0.04mass%以下
Nbは、母材の強度・靱性および継手の強度を確保するのに有効な元素であるが、0.003mass%未満ではその効果が小さい。一方、0.04mass%を超えて含有すると溶接熱影響部の靱性が劣化する。望ましくは0.02mass%以下とする。
Ti:0.010〜0.080mass%
本発明においてTiは脱酸のために0.010mass%以上を添加し、凝固時の二次脱酸生成物であるTi酸化物、Ti含有複合酸化物を分散させ、さらにTiNの析出により、溶接熱影響部でのオーステナイト粒の粗大化を抑制する。また、TiNはフェライト変態核となって靱性を向上させる。0.010mass%に満たないとその効果が少なく、一方、0.080mass%を超えると凝固前の鋼中溶存酸素濃度の低下によるTi酸化物量の減少、TiN粒子の粗大化によって期待する効果が得られなくなるため、0.010〜0.080mass%とする。
Cr:1.0mass%以下
Crは、母材の強度向上に必要な元素であるが、1.0mass%を超えると、溶接性を劣化させて溶接法の選択に制約が生じることがあるため、1.0mass%、より好ましくは0.5mass%以下とする。母材強度を向上させるためには少なくとも0.02mass%含有させることが好ましい。
O:0.0030〜0.0120mass%
Oは、微細酸化物を確保するために必要で、300個/mm以上の酸化物含有介在物の個数密度にするため0.0030mass%以上、望ましくは0.0035mass%以上、を含有させることが必要であるが、0.0120mass%を超えて含有させると粗大介在物が生成し、靭性の低下を招くため、0.0030〜0.0120mass%とする。
N:0.0020〜0.0100mass%
Nは、TiNに必要な元素で鋼中に含有されるが、0.0020mass%未満の含有では十分なTiN量が得られず、一方、0.0100mass%を超えると、TiNが溶解する領域での固溶N量の増加によって靱性が著しく低下するため、0.0020〜0.0100mass%、好ましくは0.0020〜0.0080mass%とする。
以上が基本成分組成であるが、本発明では、さらに強度向上などの機能を有するB、Cu、Ni、Mo、Vから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含有させることができる。
B:0.0003〜0.0025mass%
Bは、溶接熱影響部でBNを生成して、固溶Nを低減するとともにフェライト変態核として作用する元素である。このような効果を得るには0.0003mass%以上必要であるが、0.0025mass%を超えて添加すると焼入れ性が増して靱性が劣化するので、添加する場合は、0.0003〜0.0025mass%とする。
Cu:1.0mass%以下
Cuは、母材の高強度化に有効な元素であるが、多量に添加すると靱性に悪影響を与えるために添加する場合は、上限を1.0mass%とする。
Ni:1.0mass%以下
Niは、母材の高強度化に有効な元素であるが、多量に添加すると靱性に悪影響を与えるために添加する場合は、上限を1.0mass%とする。
Mo:0.4mass%以下
Moは、母材の高強度化に有効な元素であるが、多量に添加すると靱性に悪影響を与えるために添加する場合は、上限を0.4mass%とする。望ましくは0.1mass%以下である。
V:0.03mass%以下
Vは、母材の強度・靱性の向上およびVNを形成してフェライト生成核として作用するが、0.03mass%を超えると靱性の低下を招くようになるため添加する場合は、0.03mass%以下、望ましくは0.02mass%以下とする。
また本発明では、さらにCa、Mg、Zr、REMから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含有させることができる。
Ca:0.0003〜0.0030mass%
Caは、Sの固定、酸硫化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.0003mass%以上の含有が必要で、一方、0.0030mass%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有させる場合は、0.0003〜0.0030mass%とする。
Mg:0.0002〜0.0020mass%
Mgは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.0002mass%以上の含有が必要で、一方、0.0020mass%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有させる場合は、0.0002〜0.0020mass%とする。
Zr:0.001〜0.02mass%
Zrは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.001mass%以上の含有が必要で、一方、0.02mass%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有させる場合は、0.001〜0.02mass%とする。
REM:0.001〜0.02mass%
REMは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.001mass%以上の含有が必要で、一方、0.02mass%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有させる場合は、0.001〜0.02mass%とする。
[ミクロ組織]
本発明では、鋼中の、粒径1μm以下のTi酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物の個数密度を300個/mm以上とする。鋼中のTi酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物が粒径1μm超えでは、オーステナイトのピニングに寄与しないため、粒径1μm以下とする。粒径は最大粒径とし、光学顕微鏡で観察可能な0.2μm以上とする。
Ti酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物の個数密度が300個/mm未満では、オーステナイトのピニングに寄与しないため、300個/mm以上とする。
また、溶接入熱量300kJ/cm超えで溶接された際のボンド部近傍の熱影響部組織における旧オーステナイト粒径を150μm以下とする。ボンド部近傍の熱影響部組織における旧オーステナイト粒径が150μm超えでは、優れた靭性が得られないため、150μm以下とする。
ボンド部近傍の熱影響部とは、ボンド部から500μm以内の範囲の熱影響部を指す。ボンド近傍の熱影響部の旧オーステナイト粒径は、溶接部の断面を研磨・エッチングし、光学顕微鏡で観察することで確認することができる。なお、ボンド部近傍の熱影響部の組織は、島状マルテンサイトやアシキュラーフェライトやベイナイトを主とし、フェライトやパーライトなどが含まれる組織である。
本発明に係る大入熱溶接用鋼材は、Ti酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物を鋼中に微細分散させるため、溶鋼をTi脱酸して、以下のように製造することが可能である。まず高炉から出銑した溶銑を溶銑予備処理にて(溶銑鍋、トーピードカー、または、転炉)脱P処理、脱S処理を行った後、転炉で精錬して脱炭、脱Pを行う。
その後、炉下、2次精錬での合金添加、Ti合金添加にて脱酸を行い、連続鋳造または造塊−分塊工程を経て鋼片とする。得られた鋼片を再加熱し、熱間圧延後放冷するか、あるいは、また、前記熱間圧延後に、加速冷却、直接焼入れ−焼戻し、再加熱焼入れ−焼戻し、再加熱焼準−焼戻しなどの工程で製造する。熱間圧延後の冷却方法は所望する特性に応じて適宜選定する。以下、本発明の作用効果を実施例を用いて具体的に説明する。
150kgの高周波誘導溶解炉にて、種々の組成の鋼を溶製し、供試鋼を製造した。溶鋼中のC、P、S調整後、主要元素であるMn、Si、Cr、Ni、Cu、Vを添加した後、Tiにより溶鋼を脱酸した。その後にNb、Bなど添加した後に、Zr、REM、Ca、Mを添加した。
なお、N濃度を増加させる際には窒化Cr、窒化Mnにて調整を行った。得られた溶鋼を厚さ100mmの水冷鋳型に鋳造して鋼塊とした後、熱間圧延により厚さ50mmのスラブとし、1150℃に2時間加熱後、熱間圧延で板厚中心温度で850℃において30mmに仕上げた後、板厚中心で8℃/secの冷却速度で加速冷却した。8℃/secの冷却速度は、60mmの板厚の1/4位置の冷却速度に相当する。
得られた鋼板の一部からミクロ観察用の試料を採取し、圧延方向に対して垂直な横断面を、EPMAを用いて1000倍で観察し(観察視野面積は300mmに相当)、最大径が0.2μm以上、1μm以下の介在物について定性分析を行い、Tiと酸素を含有した介在物(窒化物、硫化物を含む)をTi酸化物、Tiを含む酸化物含有介在物としてその個数を数えて、個数密度(個/mm)を求めた。
また、鋼板の一部を500℃で10分焼き戻した後、溶接熱サイクル後の特性を測定するため、幅80mm×長さ80mm×厚み15mmの試験片を採取し、1450℃に加熱後800〜500℃を270secで冷却(エレクトロガス溶接での入熱量400kJ/cmのボンド部近傍の溶接熱影響部に相当)する再現溶接熱サイクルを付与し、靱性を2mmVノッチシャルピー試験にて評価した。vTrs(℃)が−50℃以下を本発明範囲内とする。
再現溶接熱影響部における旧オーステナイト粒径は、ナイタールエッチングによりミクロ組織を現出したのち、5箇所について光学顕微鏡の100倍で撮影したそれぞれの写真における旧オーステナイト粒径をトレースし、画像解析によりその平均値を求め、5箇所についての平均値を旧オーステナイト粒径とした。
表1に、供試鋼の化学成分、1μm以下のTi酸化物、Tiを含む酸化物含有介在物(表中、介在物個数(個/mm))、旧オーステナイト粒径(表中、旧γ粒径)、再現溶接熱影響部の靱性(表中、vTrs(℃))を示す。
表1から、発明例(No.1〜12)ではいずれも旧オーステナイト粒径が150μm以下となっており、vTrs(℃)がー55℃以下と良好な再現溶接熱影響部靱性が得られた。これに対し、比較例(No.13〜26)では化学成分が本発明範囲外で、旧オーステナイト粒径および/または、Ti酸化物、Tiを含む酸化物含有介在物の個数が本発明範囲外でvTrs(℃)がー30℃以上と再現溶接熱影響部の靱性が劣っている。

Claims (3)

  1. 鋼成分組成が、C:0.03〜0.10mass%、Si:0.50mass%以下、Mn:1.0〜2.5mass%、P:0.04〜0.08mass%以下、S:0.0005〜0.0040mass%、Al:0.003mass%以下、Nb:0.003〜0.04mass%、Ti:0.010〜0.080mass%、Cr:1.0mass%以下、O:0.0030〜0.0120mass%、N:0.0020〜0.0100mass%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼中の、粒径1μm以下のTi酸化物および/またはTiを含む酸化物含有介在物の個数密度が300個/mm以上で、溶接入熱量300kJ/cm超えのボンド近傍の熱影響部組織における旧オーステナイト粒径が150μm以下であることを特徴とする大入熱溶接用鋼材。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、Mo:0.4mass%以下、V:0.10mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の大入熱溶接用鋼材。
  3. 上記成分組成に加えてさらにCa:0.0003〜0.0030mass%、Mg:0.0002〜0.0020mass%、Zr:0.001〜0.02mass%、REM:0.001〜0.02mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の大入熱溶接用鋼材。
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