《第1の実施形態》
まず、図1を用いて、本発明が適用される店舗管理システムの全体構成を説明する。
この図に示す店舗管理システム1は、コンビニエンスストアなどの本部などに設置される中央管理設備2と、各コンビニエンスストアに各々、配置される店舗設備3と、これら各店舗設備3と中央管理設備2とを接続する地域IP(Internet Protocol)網4、インターネット網5とを備え、各コンビニエンスストアに設けられた各店舗設備3の使用電力を削減しつつ、各店舗設備3に入力された在庫情報、チケット予約要求、残高確認要求などを各店舗設備3→地域IP網4→インターネット網5→中央管理設備2なる経路で中央管理設備2に供給して集中管理する。
中央管理設備2は、インターネット網5を介して供給された在庫情報、チケット予約要求、残高確認要求など取り込んで、各コンビニエンスストアの在庫管理、チケット予約処理、残高確認処理などを行うセンタサーバ装置6と、インターネット網5を介して閲覧要求が供給されたとき、センタサーバ装置6に格納されている各情報のうち、閲覧可能範囲内の情報を閲覧するクライアントPC(Personal Computer:パソコン)装置7とを備えている。
また、各店舗設備3は各々、店舗内の照明を行う照明設備8と、店舗内の空調を行う空調設備9と、店舗内にある食品の冷凍/冷蔵を行う冷凍/冷蔵設備10と、店舗内にある商品の在庫管理、チケット予約などを行う情報設備11と、屋外にある各機器の管理を行う屋外設備12と、店舗内にある照明設備8〜情報設備11、店舗外にある屋外設備12などを総合的に管理する管理設備13とを備えている。
照明設備8は、各エリアの明るさ、温度、相対湿度を各々、計測して、管理設備13を構成している制御LAN(Local Area Network:構内エリアネットワーク)14上に送出する処理、制御LAN14を介して供給される調光指令に基づき、電源ケーブルを介して供給された電源電圧を電力変換し、指定された周波数、電圧値の電源電圧を生成する複数のあかりセンサ付き調光装置15と、各エリア毎に配置され、各あかりセンサ付き調光装置15から出力される電源電圧に応じた明るさで点灯して、店舗内の各エリアを各々、照明する複数の照明器具16とを備えている。
また、空調設備9は、店舗内の指定された場所に取り付けられ、店舗内の温度、湿度を計測して、制御装置17を介し、制御LAN14上に送出する店内温湿度計18と、店舗内の各エリアに配置され、温度、相対湿度を計測しながら、各エリアの空調を行う複数の室内機、店舗外に配置され、各室内機によって集められた冷気、または熱気を外気中に放出する複数の室外機によって構成される複数の空調機(図示は省略する)と、各エリアに配置され、設定された温度設定値を出力して、各空調機の各室内機から送出される空気の温度を制御する複数のリモコン装置19と、各室内機によって計測された温度、相対湿度を制御LAN14上に送出しながら、制御LAN14を介して供給される空調指令に基づき、各リモコン装置19に温度設定値をセットする複数の空調機制御装置20と備えている。
また、冷凍/冷蔵設備10は、店舗内に配置され、店舗内で食品の冷凍、冷蔵を行うリーチン・ショーケース21と、各リーチン・ショーケース21から出力される庫内温度計測値などを制御LAN14上に送出しながら、制御LAN14を介して供給される冷凍/冷蔵指令に基づき、各リーチン・ショーケース21内に設けられた各電磁弁コイル22などを制御して、各リーチン・ショーケース21内の温度を制御する複数の要冷庫制御装置23と、屋外に設置され、各要冷庫制御装置23から出力される周波数指示指令、電圧値指示指令などに基づき、インバータを制御して、圧縮機に冷媒圧縮動作を行わせながら、凝縮器に放熱動作を行わせ、各リーチン・ショーケース21内を冷蔵、または冷凍する複数の冷凍機24とを備えている。
この場合、各リーチン・ショーケース21は各々、正面、裏面などに開閉自在な透明扉を持つ矩形状のケース本体27と、ケース本体27内に配置され、ケース本体27内の温度を計測して、計測結果を要冷機制御装置23に供給する庫内温度計28と、ケース本体27内に配置され、除霜指令が供給されているとき、発熱して、霜を融解する除霜ヒータ25と、ケース本体27内に配置され、除霜ヒータ25が動作しているとき、点灯して除霜中であることを表示する除霜ランプ29と、ケース本体27内に配置され、除霜ヒータ25が動作して、ケース本体27内の温度が所定温度を超えたとき、これを検知して、要冷機制御装置23に除霜ヒータ停止指令を供給する除霜復帰サーモセンサ30と、ケース本体27内に配置され、防露指令が供給されているとき、発熱して、結露を防止する防露ヒータ26と、要冷機制御装置23から供給される弁開指令、弁閉指令に基づき、電磁弁をオン/オフして、冷媒の通過、非通過を制御する電磁弁コイル22とを備えている。
また、情報設備11は店舗内にある商品の在庫数などが入力されたとき、これを取り込んで在庫管理情報を作成し、情報LAN31上に送出する在庫管理装置32と、情報LAN31を使用して、チケットの予約、銀行のATM処理などを行う電子ビジネス端末装置33とを備えている。
また、屋外設備12は、屋外に設置され、屋外の明るさを計測して、計測結果を制御LAN14上に送出する屋外照度計34と、屋外に設置され、点灯指令が供給されているとき、ランプを点灯して、看板を照明する看板照明器具35と、屋外に設置され、店舗外の温度を計測する屋外温度計36と、店舗内に設置され、屋外温度計36から出力される屋外温度情報を取り込んで、制御LAN14上に送出しながら、制御LAN14を介して供給される看板照明オン/オフ指令に基づき、看板照明器具35を点灯、または消灯する制御装置17とを備えている。
また、管理設備13は、地域IP網4に接続され、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)パケットなどを送受信して、中央管理設備2と管理情報、制御情報などの授受を行うADSLモデム装置37と、ADSLモデム装置37に接続され、VPN(Virtual Private Network:仮想私設網)を用いて秘匿性を確保しながら、TCP/IPパケットなどの行き先を振り分けるVPNルータ装置38と、店舗内に敷設されたイーサネット(登録商標)ケーブルなどによって構成され、在庫管理装置32、電子ビジネス端末装置33などを接続する情報LAN31と、店舗内に敷設されたイーサネットケーブルなどによって構成され、各空調機制御装置20、各あかりセンサ付き調光装置15、屋外照度計36、各要冷機制御装置23、制御装置17を接続する制御LAN14と、制御LAN14と情報LAN31とをWAN(Wide Area Network:広域エリアネットワーク)側となるVPNルータ装置38に接続するハブ装置(HUB)39と、制御LAN14に接続され、各空調機制御装置20、各あかりセンサ付き調光装置15、屋外照度計34、各要冷機制御装置23、制御装置17などから出力される情報に基づき、店舗内にある照明設備8〜情報設備11、店舗外にある屋外設備12などのレイアウト、設定情報、動作状況などを総合的に表示するとともに、各空調機制御装置20、各あかりセンサ付き調光装置15、屋外照度計34、各要冷機制御装置23、制御装置17などを総合的に管理して、店舗内にある照明設備8〜情報設備11、店舗外にある屋外設備12などの使用電力を削減する店舗サーバ装置40とを備えている。
そして、電子ビジネス端末装置33が操作されて、チケットの予約要求、ATM機能を用いた残高確認要求、払い出し要求などが入力されたとき、電子ビジネス端末装置33によって、チケット予約要求パケット、残高確認要求パケット、払い出し要求パケットが生成されて、電子ビジネス端末装置33→情報LAN31→ハブ装置39→VPNルータ装置38→ADSLモデム装置37→地域IP網4→インターネット網5→センタサーバ装置6なる経路でセンタサーバ装置6に供給され、チケットの予約処理、ATM機能を用いた残高確認処理、払い出し可否判断処理などが行われた後、センタサーバ装置6→インターネット網5→地域IP網4→ADSLモデム装置37→VPNルータ装置38→ハブ装置39→情報LAN31→電子ビジネス端末装置33なる経路で電子ビジネス端末装置33に処理結果が供給され、チケットの発券処理、残高表示処理、払い出し処理などが行われる。
また、在庫管理装置32が操作されて、商品の在庫数などが入力されたとき、これが取り込まれ、在庫管理情報が作成されるとともに、在庫管理装置32→情報LAN31→ハブ装置39→VPNルータ装置38→ADSLモデム装置37→地域IP網4→インターネット網5→センタサーバ装置6なる経路でセンタサーバ装置6に在庫管理情報が供給され、在庫管理が行われる。
また、これらの各動作と並行し、各あかりセンサ付き調光装置15によって、各エリアの明るさ、温度、相対湿度などが各々、計測され、これらの各計測結果が各あかりセンサ付き調光装置15→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給されるとともに、屋外照度計34によって、屋外の明るさが計測され、計測結果を屋外照度計34→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給される。さらに、屋外温度計36、店内温湿度計18によって、屋外の気温、店舗内の気温が各々、計測され、これらの各計測結果が制御装置17→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給され、店舗サーバ装置40のCRT上に、図2に示すように、実際の店舗レイアウトに対応するように構成された店舗サーバ表示画面41が表示される。これによって、店長や店員などは、店舗内の湿度、温度、各エリアの照度(明るさ)、屋外の照度、温度などを把握することができる。
そして、これら各エリアの照度(明るさ)、屋外の照度と、コンビニエンスストアなどの本部からの管理情報で指定された設定照度とに基づき、店舗サーバ装置40によって、各エリアの明るさを指定された明るさにするのに必要な調光指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各あかりセンサ付き調光装置15なる経路で各あかりセンサ付き調光装置15に供給され、各照明器具16が指定された明るさで点灯され、店舗内が照明される。また、看板照明器具35のオン/オフが必要かどうかが判定され、判定結果が店舗サーバ装置40→制御LAN14→制御装置17なる経路で制御装置17に供給され、看板照明器具35が点灯、または消灯される。
また、これらの各動作と並行し、屋外の温度、店舗内の温度、店舗内の各エリアの温度、相対湿度などと、コンビニエンスストアなどの本部からの管理情報などで指定された店舗内の設定温度とに基づき、店舗サーバ装置40によって、各エリアの温度を指定された温度にするのに必要な空調指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各空調機制御装置20なる経路で各空調機制御装置20に供給されて、各リモコン装置にセットされている各温度設定値が調整され、各空調機の各室内機から送出される空気の温度が調整される。
また、これらの各動作と並行し、各要冷庫制御装置23によって、各リーチン・ショーケース21の庫内温度計28から出力される庫内温度計測値などを取り込まれ、各要冷庫制御装置23→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給され、店舗サーバ表示画面41上に各リーチン・ショーケース21の庫内温度などが表示される。
また、これらの各動作と並行し、各リーチン・ショーケース21の庫内温度、店舗内の温度、各エリアの温度、相対湿度、コンビニエンスストアなどの本部からの管理情報などで指定された各リーチン・ショーケース21の設定庫内温度などに基づき、店舗サーバ装置40によって、冷凍/冷蔵指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各要冷庫制御装置23なる経路で各要冷庫制御装置23に供給され、各リーチン・ショーケース21内が指定された温度にされる。また、各リーチン・ショーケース21の庫内温度などが霜取り条件を満たしているとき、店舗サーバ装置40によって、これが検知され、店舗サーバ表示画面41上に除霜中かどうかが表示され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各要冷庫制御装置23なる経路で各要冷庫制御装置23に供給され、各冷凍機24、各リーチン・ショーケース21内の電磁弁コイル23、除霜ヒータ26などが制御されて除霜が行われる。
また、各リーチン・ショーケース21の庫内温度などが防露ヒータ通電条件を満たしているとき、店舗サーバ装置40によって、これが検知され、防露ヒータ通電開始指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各要冷庫制御装置23なる経路で各要冷庫制御装置23に供給され、防露ヒータ26の通電が制御され、防露が行われる。
このように、この実施形態では、店舗内外に敷設された制御LAN14によって、店舗内の照明を行う照明設備8から出力される各計測結果と、店舗内の空調を行う空調設備9から出力される各計測結果と、店舗内にある食品の冷凍/冷蔵を行う冷凍/冷蔵設備10から出力される各計測結果と、屋外にある各機器の管理を行う屋外設備12から出力される各計測結果とが店舗サーバ装置40に供給されて、店舗サーバ表示画面41上に、店舗外の温度、店舗外の明るさ、店舗内の温度、店舗内の湿度、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度などが一括表示されるようにしているので、店舗サーバ表示画面41を一瞥するだけで、店舗側の店長や従業員が店舗設備の状態を把握でき、チェーン店本部により指示された適切な温度であるかが容易に理解でき、店舗内の温度、湿度、保冷している食品の温度管理状態などを最適な状態に保持することができる。
これにより、オン/オフ制御などを用いている従来からの冷蔵用のリーチン・ショーケース、冷凍用のリーチン・ショーケース、空調機などの電源部分に対し、インバータ化するなどの大幅な変更を行うことなく、これらを各リーチン・ショーケース21、空調機などとして使用したときにも、店舗側の店長、従業員に店舗設備の運転内容を細かく把握して、自動運転時にも、また手動運転時にも、店舗設備の電力消費量を削減しながら、店舗内の温度、湿度、保冷している食品の温度管理状態などを最適な状態に保持することができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態における店舗管理システム1では、店舗サーバ装置40に図3の模式図に示すように各冷凍機24、空調機、あかり、環境に分類される管理情報を持たせて、店舗設備の配置、構成を把握し易くするとともに、次に述べる手順で、冷凍/冷蔵設備10を制御し、消費電力を低減する。
まず、図4のフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、時計機能で得られた現在時刻と、管理情報に定義された除霜時刻とが比較されて、除霜時刻になっているかどうかがチェックされ、除霜時刻であるとき(ステップS1,S2)、該当冷凍機24に対する全リーチン・ショーケース21の電磁弁に対する閉指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で除霜時刻になった冷凍機24に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該冷凍機24に対応する全リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされるとともに、除霜ヒータ25の電源が入れられ、除霜状態にされる(ステップS3,S4)。
この後、店舗サーバ装置40によって、所定の除霜時間が経過したかどうかがチェックされ、所定の除霜時間が経過したとき、該当冷凍機24に対する全リーチン・ショーケース21の電磁弁に対する開指令が生成され、店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で除霜解除時刻になった冷凍機24に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該冷凍機24に対応する全リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされるとともに、除霜ヒータ25の電源が切られて、除霜状態が解除される(ステップS5〜S7)。
また、所定の除霜時間が経過する前に、除霜状態にした各リーチン・ショーケース21内の除霜復帰サーモセンサ30から除霜復帰信号が出力されたとき、これがリーチン・ショーケース21内の除霜復帰サーモセンサ30→要冷機制御装置23→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給される。そして、店舗サーバ装置40によって、リーチン・ショーケース21の除霜が完了したと判定されて、除霜復帰信号を出したリーチン・ショーケース21の電磁弁に対する開指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で除霜復帰信号を出した要冷機制御装置23に供給されて、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にしられるとともに、除霜ヒータ25の電源が切られて、除霜状態が解除される(ステップS8〜S10)。
また、上述した制御と並行し、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度計28によって得られた庫内温度情報が各リーチン・ショーケース21内の庫内温度計28→要冷機制御装置23→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で店舗サーバ装置40に供給されて、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度が適切な温度になっているかどうかがチェックされる。
この際、各リーチン・ショーケース21内の庫内設定温度が高温基準温度に設定されていれば、店内温度計18によって得られた店内温度に応じて予め設定された温度範囲、例えば店内温度が“21℃”から“22℃”の間であれば、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度が図5の表、図6に示すグラフに示すように、基準温度“十17℃”、下限温度“十15℃”、上限温度“十19℃”の温度範囲内に入っているかどうかがチェックされる。また、各リーチン・ショーケース21内の庫内設定温度が中温基準温度に設定されていれば、店内温度計18によって得られた店内温度に応じて予め設定された温度範囲、例えば店内温度が“21℃”から“22℃”の間であれば、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度が図5の表、図6に示すグラフに示すように、基準温度“十8℃”、下限温度“十6℃”、上限温度“十10℃”の温度範囲内に入っているかどうかがチェックされる。また、各リーチン・ショーケース21内の庫内設定温度が低温基準温度に設定されていれば、店内温度計18によって得られた店内温度に応じて予め設定された温度範囲、例えば店内温度が“21℃”から“22℃”の間であれば、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度が図5の表、図6に示すグラフに示すように、基準温度“−22℃”、下限温度“−24℃”、上限温度“−20℃”の温度範囲内に入っているかどうかがチェックされる。
そして、庫内温度が上限温度を超えているリーチン・ショーケース21があれば、店舗サーバ装置40によって、このリーチン・ショーケース21の電磁弁に対する開指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされる(ステップS11,S12)。
また逆に、庫内温度が下限温度を下回るリーチン・ショーケース21があれば、店舗サーバ装置40によって、このリーチン・ショーケース21の電磁弁に対する閉指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされる(ステップS13,S14)。
また、これらの動作と並行し、同一の冷凍機24に接続された全リーチン・ショーケース21の庫内温度が基準温度、例えば店内温度が“21℃”から“22℃”の間にあり、高温基準温度が設定されていれば、店舗サーバ装置40によって、基準温度“十17℃”以下であるかどうかがチェックされ、基準温度“十17℃”以下であれば、この冷凍機24に接続された全リーチン・ショーケース21の電磁弁に対する閉指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該全リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該全リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされる。
この後、同一の冷凍機24に接続された全リーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度、例えば店内温度が“21℃”から“22℃”の間にあり、高温基準温度が設定されていれば、店舗サーバ装置40によって、上限温度“十19℃”を超えているかどうかがチェックされ、基準温度“十19℃”を超えていれば、この冷凍機40に接続された全リーチン・ショーケース21の電磁弁に対する開指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該全リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該全リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされる(ステップS16〜S20)。
このように、この実施形態では、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21の庫内温度を一括して管理し、各リーチン・ショーケース21の温度設定を高温基準温度、中温基準温度、低温基準温度のいれずに設定されているときでも、店舗内温度に応じて、基準温度、上限温度、下限温度を変化して、最適化するとともに、同一の冷凍機24に接続された全リーチン・ショーケース21の庫内温度が基準温度以下であるとき、全リーチン・ショーケース21の電磁弁を閉状態にするようにしているので、店舗内の気温変化に対応して、各リーチン・ショーケース21内の庫内温度を最適化して、各リーチン・ショーケース21の開閉頻度が多い場合にも、庫内温度を管理情報で指定された温度を超えないようにすることができるとともに、各リーチン・ショーケース21の各電磁弁を同期して、全ての電磁弁を閉状態にしている時間を長くすることができる。
これにより、冷凍機24として、シングル冷凍機を使用した場合は、停止時間分の省エネを実現することができ、またインバータ冷凍機を使用した場合には、低負荷時の運転期間を短くするとともに、停止時間の増大による省エネを実現して、冷凍/冷蔵設備10で消費される電力を大幅に削減することができる。
また、この実施形態では、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21の除霜開始時期、終了時期を一括して管理するようにしているので、従来から使用されていた冷凍機の除霜回路に設けられたタイマ回路による、通常/除霜の判断の切り換え機能を使用しているときに発生していた問題、すなわち各リーチン・ショーケース21がバラバラに除霜開始を行うことにより、各冷凍機24の停止時間が短くなるという問題を解決することができる。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態を説明する。この実施形態では、冷凍/冷蔵設備10の防露制御を特徴としている。
まず、図7のフローチャート、図8のフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、各あかりセンサ付き調光装置15で得られた各エリア毎の温度と、各エリア毎の湿度とに基づいて、露点温度が求められて、通電パターン(X分運転/Y分停止)が選択される(ステップS21,S22)。各リーチン・ショーケース21のうち、予め設定された防露ヒータ通電条件、例えば庫内温度が所定温度以下であるという防露ヒータ通電条件が満たされているリーチン・ショーケース21があるとき、防露ヒータ通電開始指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、通電パターン選択処理で選択された通電パターン(オン/オフパターン)で、当該リーチン・ショーケース21に設けられた防露ヒータ26の通電が開始される(ステップS21〜S23)。
この後、前回の防露処理が終了して、タイマ停止を示す“flg=0”がセットされているとき、店舗サーバ装置40によって、当該リーチン・ショーケース21に設けられた防露ヒータ26が通電された状態で、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされ、除霜ヒータ25が通電されているかどうかがチェックされ、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされて、除霜ヒータ25が通電されているとき、図9に示す“条件1”が満たされていると判定されて、“flg=1”がセットされ、タイマの計時動作が開始される(ステップS31,S32)。
そして、タイマが動作していることを示す“flg=1”がセットされているとき、店舗サーバ装置40によって、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされて、除露ヒータ25の通電が停止されているかどうかがチェックされ、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされて、除露ヒータ25の通電が停止しているとき、図9に示す“条件2”が満たされていると判定されて、“flg=2”がセットされるとともに、防露ヒータ26の通電停止指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、当該リーチン・ショーケース21の防露ヒータ26の通電が停止され、庫内温度の上昇が抑制される(ステップS33,S34)。
次いで、当該リーチン・ショーケース21の防露ヒータ26の通電停止を示す“flg=2”がセットされているとき、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされて、除露ヒータ25の通電が停止されているかどうかがチェックされ、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされて、除露ヒータ25の通電が停止しているとき、図9に示す“条件3”が満たされていると判定されて、“flg=0”がセットされるとともに、防露ヒータ通電開始指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、通電パターン選択処理で選択された通電パターン(オン/オフパターン)で、当該リーチン・ショーケース21に設けられた防露ヒータの通電が再開される(ステップS35,S36)。
また、タイマの計時動作が開始された後、“条件3”が満たされないときには、タイマがタイムアップした時点で、店舗サーバ装置40によって、“flg=0”がセットされるとともに、防露ヒータ通電開始指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で当該リーチン・ショーケース21に対応する要冷機制御装置23に供給されて、通電パターン選択処理で選択された通電パターン(オン/オフパターン)で、当該リーチン・ショーケース21に設けられた防露ヒータ26の通電が再開される(ステップS37〜S42)。
このように、この実施形態では、当該リーチン・ショーケース21に設けられた防露ヒータ26の通電を行っている間に、当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされて、除霜ヒータ25が通電されたとき、タイマによる計時動作を開始し、この後当該リーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態にされて、除霜ヒータ25の通電が停止したとき、店舗サーバ装置40によって、防露ヒータ26の通電停止指令を生成して、当該リーチン・ショーケース21の防露ヒータ26の通電を停止し、庫内温度の上昇を抑制するようにしているので、当該リーチン・ショーケース21の除霜が終了して、除霜ヒータ25がオフ状態にされ、電磁弁が開状態にされているとき、リーチンの結露を防止している防露ヒータ26をオフ状態にして、庫内温度が上昇するのを抑制することができる。
これにより、夏場のように、屋外、店内温度が高く、“条件1”を満たしてから、“条件3”を満たすまでに2時間以上、かかる場合にも、各リーチン・ショーケース21の庫内温度がチェーン店本部により指示された適切な温度を越えないようにすることができる。
また、この実施形態では、店内温度/湿度から露点温度を求め、露点温度に応じた通電パターン(X分運転/Y分停止)に基づき、防露ヒータ26を断続的に通電するとともに、除霜制御時に、庫内温度が基準温度になるまで、防露ヒータ26を停止するようにしているので、防露ヒータ26への通電時間を短くして、省エネを実現することができる。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態を説明する。この実施形態では、空調設備9の空調制御を特徴としている。
まず、図10に示すフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、店内温湿度計18→制御装置17→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で供給される店舗内の温度情報、湿度情報と、各空調機の室内機→各空調機制御装置20→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で供給される各室内機部分の温度、相対湿度が取り込まれて、次式に示す演算式で、正規化される。
〔数1〕
TA=Ta/30 …(1)
TR=Tr/30 …(2)
RH=Rh/80 …(3)
RHA=Rha/80 …(4)
但し、Ta:空調機での取得温度
TA:空調機での取得温度の正規化値
Tr:店舗内温度
TR:店舗内温度の正規化値
Rh:店舗内湿度
RH:店舗内湿度の正規化値
Rha:相対湿度
RHA:相対湿度の正規化値
この後、店舗サーバ装置40によって、一般的な計算方法の応用式となる次式が用いられて、店舗内の温度を基にした第1PMV値“PMV1”と、空調機の取得した温度、相対湿度を基にした第2PMV値“PMV2”とが算出される。
〔数2〕
PMV1=a0+a1・TA+a2・TR+a3・RH
+a4・TR・TR+a5・TR・RH+a6・TR・RH …(5)
PMV2=a0+a1・TA+a2・TR
+a3・RHA+a4・TA・TR
+a5・TA・RHA+a6・TR・RHA …(6)
但し、a0:環境パラメータ
a1:環境パラメータ
a2:環境パラメータ
a3:環境パラメータ
a4:環境パラメータ
a5:環境パラメータ
a6:環境パラメータ
次いで、店舗サーバ装置40によって、次式に示すように、店舗内の温度を基にした第1PMV値“PMV1”と、空調機の取得した温度、相対湿度を基にした第2PMV値“PMV2”とが加算されて、総合PMV値“PMV”が算出される。
〔数3〕
PMV=ψ(t)PMV1+(1一ψ(t))PMV2 …(7)
但し、ψ(t):時間重み係数
この際、各空調機の各室内機に温度センサ、相対湿度センサなどが設けられていない場合など、各空調機側から現在の温度情報を取得できない場合、時間重み係数“ψ(t)”が“1”にされて、店舗内奥に設置された店内温湿度計の温度情報、湿度情報のみから総合PMV値“PMV”が求められる。また、各室内機から現在の温度情報などを取得できる場合でも、各室内機が設置されている場所によって、現在の温度情報が異なることから、各室内機毎に総合PMV値“PMV”が求められて、店舗内の、どのポイントおいても、買い物に来た顧客に、快適となる条件が作り出される(ステップS51、S52)。
この後、店舗サーバ装置40によって、ハードディスクなどに格納された管理情報の中から、チェーン店本部により指示された管理情報が読み出されて、現在、指示されている運転モードが冷房運転、暖房運転、その他の運転のうち、どの運転を指示しているかがチェックされる。
そして、暖房運転が指示されているとき、店舗サーバ装置40によって、管理情報で指定された現在の目標PMV値と、前記(7)式で得られた現在の総合PMV値“PMV”とが比較され、総合PMV値“PMV”が目標PMV値より大きいとき、設定温度が“−1℃”だけ下げられ、また総合PMV値“PMV”が目標PMV値より小さいとき、現在の設定温度と、管理情報で指定された目標温度とが比較され、現在の設定温度が目標温度より低いとき、設定温度が“+1℃”だけ上げられ、また現在の設定温度が目標温度より高いとき、設定温度が“−1℃”だけ下げられる(ステップS53〜S59)。
また、管理情報によって、冷房運転が指示されているとき、店舗サーバ装置40によって、管理情報で指定された現在の目標PMV値と、前記(7)式で得られた現在の総合PMV値“PMV”とが比較され、総合PMV値“PMV”が目標PMV値より小さいとき、設定温度が“+1℃”だけ上げられ、また総合PMV値“PMV”が目標PMV値より大きいとき、現在の設定温度と、管理情報で指定された目標温度とが比較され、現在の設定温度が目標温度より低いとき、設定温度が“+1℃”だけ上げられ、また現在の設定温度が目標温度より高いとき、設定温度が“−1℃”だけ下げられる(ステップS60、S61,S57〜S59)。
次いで、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21の庫内温度に対して、各空調機の設定温度が最良かどうかがチェックされ、各リーチン・ショーケース21の庫内温度に応じて、各空調機の設定温度が最適化された後、店舗サーバ装置40→制御LAN14→各空調機制御装置20→各リモコン装置19なる経路で各リモコン装置19に設定温度が供給されて、セットされる。
また、上述した動作と並行し、店内温湿度計18で得られた店舗内の温度と、店内の湿度とに基づき、店舗サーバ装置40によって、露点温度が算出されるとともに、図11(a)に示す冷房運転時のパラメータ表、図11(b)に示す暖房運転時のパラメータ表、図11(c)に示すその他の運転時のパラメータ表が使用されて、現在の露点温度に対する運転パターンが選択される(ステップS63〜S65)。
そして、店舗サーバ装置40によって、運転パターンに応じた運転指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→各空調機制御装置20→各リモコン装置19なる経路で各リモコン装置19に供給されて、各空調機の運転が継続される。
この後、運転パターンで指定された運転時間が経過したとき、店舗サーバ装置40によって、停止指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→各空調機制御装置20→各リモコン装置19なる経路で各リモコン装置19に供給されて、各空調機の運転が停止される。
そして、運転パターンで指定された停止時間が経過したとき、店舗サーバ装置40によって、運転指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→各空調機制御装置20→各リモコン装置19なる経路で各リモコン装置19に供給されて、各空調機の運転が再開される(ステップS66〜S68)。
このように、この実施形態では、店舗内の温度を基にした第1PMV値“PMV1”と、空調機の取得した温度、相対湿度を基にした第2PMV値“PMV2”とを加算して得られた現在の総合PMV値“PMV”と、管理情報で指定された現在の目標PMV値とを比較するとともに、比較結果に基づき、各空調機毎に設定温度を“±1℃”単位で、修正するようにしているので、従来、店員の感覚によって、設定温度を手動設定しているときに比べ、店舗内が必要以上に暖められたり、冷やされすぎられないようにして、店舗内にいる顧客を快適な状態にすることができる。
また、この実施形態では、店内温湿度計18で得られた店舗内の温度と、店内の湿度とに基づき、露点温度を算出するとともに、冷房運転時のパラメータ表、暖房運転時のパラメータ表、その他の運転時のパラメータ表を使用して、露点温度に対応する最適な運転パターンを選択し、各空調機を暖房→送風→暖房、または冷房→送風→冷房なる順序、間欠運転するようにしているので、室外機のヒートサイクル/冷凍サイクルを一定期間停止して、省エネを実現することができる。
この際、運転停止直後の短期間であれば、室外機の運転を停止しても、各室内機などに残った冷媒にて、各室内機から暖かい空気、または冷たい空気を吹き出することができることから、各空調機を一定時間、停止しているときでも、店舗内の空調を継続することができる。
《第5の実施形態》
次に、第5の実施形態について説明する。この実施形態では、冷凍/冷蔵設備10と、空調設備9との協調制御を特徴としている。
まず、図12に示すフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、予め設定されている一定周期、例えば1時間に1回程度の割合で、予め設定されている一定間隔、例えば10分間だけ、全てのリーチン・ショーケース21が順次、選択されて、これらの各リーチン・ショーケース21を制御している各要冷機制御装置23→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で各リーチン・ショーケース21側の動作状況情報が取り込まれて、除霜中かどうかがチェックされ、除霜中以外のときにおける、電磁弁閉時間が計測される(ステップS71〜S77)。
この後、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21毎に、今回の情報収集処理で得られた各電磁弁閉時間と、前回の情報収集処理で収集され、ハードディスクなどに格納されている各電磁弁閉時間とが各々、比較されて、これらの差が判定値“C”以上であるかどうかがチェックされ、判定値“C”以上の差があるリーチン・ショーケース21に対し、このリーチン・ショーケース21の近傍に設置された室内機に対応する空調機の設定温度が“−1℃”だけ、下げられ、また判定値“C”以上の差がないリーチン・ショーケースに対し、このリーチン・ショーケース21の近傍に設置された室内機に対応する空調機の設定温度がそのまま維持される(ステップS78〜S84)。
このように、この実施形態では、1時間に1回程度の割合で、全てのリーチン・ショーケース21の電磁弁閉時間を計測し、前回の電磁弁閉時間に判定値“C”を加えた時間より、今回の電磁弁閉時間が長くなっているリーチン・ショーケース21の近傍に設置された室内機を持つ空調機の設定温度を“−1℃”だけ、下げするようにしているので、リーチン・ショーケース21側の冷凍機に比べて、冷却能力が大きい空調機側の室外機を使用して、空調機の室内機の近傍に配置されたリーチン・ショーケース21の庫内温度を下げ、店舗全体の電力消費を削減することができる。
《第6の実施形態》
次に、第6の実施形態について説明する。この実施形態では、冷凍/冷蔵設備10の冷凍機制御を特徴としている。
まず、図13に示すフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21を制御している各要冷機制御装置23→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21側の動作状況情報が取り込まれて、各リーチン・ショーケース21の電磁弁が閉状態にされているかどうかがチェックされ、各リーチン・ショーケース21の電磁弁が全て閉状態にされているとき、冷凍機停止条件が成立していると判断される(ステップS91,S92,S98)。
また、全電磁弁のいずれかが閉状態にされていないときでも、高温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁だけが開状態にされ、このリーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度以下であるとき、店舗サーバ装置40によって、冷凍機停止条件が成立していると判断される(ステップS93,S97)。
また、中温基準温度、または低温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁が1つでも、閉状態にされてないとき、あるいは高温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度を超えているとき、店舗サーバ装置40によって、冷凍機停止条件が不成立であると判断される(ステップS94〜S96)。
この後、店舗サーバ装置40によって、ハードディスクなどに格納している管理情報が参照されて、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24に対するポンプアウト時間(冷凍機24の性能によって決まるポンプアウト時間)が“0”であるかどうかがチェックされ、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24に対するポンプアウト時間が“0”でないとき、ポンプアウト時間の計時動作が開始されるとともに、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21のうち、高温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21があるかどうかがチェックされ、高温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21があるとき、このリーチン・ショーケース21の電磁弁に対する弁閉指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で要冷機制御装置23に供給され、高温基準温度に設定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁が強制的に閉状態にされる。
次いで、ポンプアウト時間が経過し、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21の冷媒管内から蒸気冷媒が無くなった時点で、店舗サーバ装置40によって、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21の庫内温度がチェックされ、中温基準温度、低温基準温度に設定された各リーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度以下であるとき、冷凍機停止指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で要冷機制御装置23に供給され、冷凍機停止条件が成立している冷凍機24が規定時間だけ、停止される。
また、中温基準温度、低温基準温度に設定された各リーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度を超えているとき、店舗サーバ装置40によって、庫内温度制御を継続する必要があると判定されて、強制的に開状態にした電磁弁に対する弁開指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→要冷機制御装置23なる経路で要冷機制御装置23に供給されて、強制的に電磁弁を閉状態にしたリーチン・ショーケース21の電磁弁が開状態に戻されるとともに、上述した冷凍機停止指令の生成がスキップされて、冷凍機24の運転が継続される(ステップS99〜S106)。
このように、この実施形態では、冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21の電磁弁が全て閉状態にされているとき、あるいは高温基準温度が指定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁のみが開状態にされるとともに、このリーチン・ショーケース21の庫内温度が上限温度以下であるとき、冷凍機停止条件が成立していると判断し、高温基準温度が指定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁を強制的に閉状態にするとともに、冷凍機停止条件が成立している状態で、中温基準温度、低温基準温度に指定されたリーチン・ショーケースの庫内温度が一定時間(タイムアウト時間)以上、上限温度以下であるとき、冷凍機停止指令を生成して、規定時間だけ冷凍機24を停止するようにしているので、冷凍機24に接続された各リーチン・ショーケース21の庫内温度を下げる必要性が小さいとき、冷凍機24を一時停止して、店舗全体の電力消費を削減することができる。
この際、一時的に停止された冷凍機24に接続されている各リーチン・ショーケース21のうち、高温基準温度に指定されたリーチン・ショーケース21の電磁弁を強制的に閉状態にしているが、このリーチン・ショーケース21の庫内温度が店舗内の気温とほぼ同一にされていることから、冷凍機24を一時停止しても、高温基準温度に指定されたリーチン・ショーケース21内の食品などに悪影響を与えることは無い。
また、この実施形態では、冷凍機24として、一般的に使用されているオン/オフ制御方式の冷凍機を使用するようしているが、周波数範囲として、“20Hz”〜“80Hz”の周波数範囲を持つ、一般的なインバータ制御方式の冷凍機を使用しているときには、冷凍機停止条件が成立したとき、周波数を最低の“20Hz”程度まで下げて、消費電力を削減するようにしても良い。
《第7の実施形態》
次に、第7の実施形態について説明する。この実施形態は、照明設備8、屋外設備12の照明器具制御を特徴としている。
まず、図14に示すフローチャートに示すように、店舗サーバ装置40によって、各あかりセンサ付き調光装置15→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で各あかりセンサ付き調光装置15で計測された各照度情報が取り込まれて、店舗内の入口部分、店舗内の真ん中部分、店舗内の奥壁部分の明るさを示す各エリアの現在照度と、ハードディスクなどに格納されている管理情報で示された各エリアの目標照度とが各々、比較される。
そして、店舗サーバ装置40によって、各エリアの現在照度を各エリアの目標照度に一致するのに必要な調光指示指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→各あかりセンサ付き調光装置15なる経路で各あかりセンサ付き調光装置15に供給されて、各照明器具16の明るさが調光制御される(ステップS111,S112,S129〜S133)。
また、この動作と並行し、店舗サーバ装置40によって、予め指定されている周期、例えば1時間に1回程度の周期で、10分間または60分間にわたり、1分間隔で、屋外照度計34→制御LAN14→店舗サーバ装置40なる経路で屋外照度計34で計測された屋外照度情報が取り込まれて、屋外照度情報で示される屋外照度が移動平均化され、10分間または60分間の平均屋外照度が算出される。この場合、日中の時間帯では、10分間の照度移動平均算出、日没時間帯や日の出時間帯では、60分間の移動平均を使ってチェックするようにしている。これは、日没時間や日の出時間帯では照度がばらつくため、10分間の移動平均で制御すると、灯りがついたり、消えたりすることがあり、これを防止するためである。
この後、店舗サーバ装置40によって、内部時計、内部カレンダなどが参照されて、現在時刻が日の出時間帯(例えば、3時以降)か、日没時間帯(例えば、15時以降)かどうかがチェックされ、現在時刻が日没時間帯であれば、60分タイマがオフされる(ステップS114,S115)。そして、ハードディスクなどに格納された管理情報で定義される看板電源オン照度と、平均屋外照度とが比較され、平均屋外照度が看板電源オン照度以下であるとき、看板電源オン指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→制御装置17なる経路で制御装置17に供給され、屋外に設置されている看板照明器具35の電源がオンされる(ステップS116,S117)。その後、60分タイマがオンされる(ステップS118)。
また、店舗サーバ装置40によって、内部時計、内部カレンダなどが参照されて、現在時刻が日の出時間帯か、日没時間帯かどうかがチェックされたとき、現在時刻が日の出時間帯であれば、60分タイマがオフされる(ステップS119,S120)。そして、ハードディスクなどに格納された管理情報で定義される看板電源オフ照度と、平均屋外照度とが比較され、平均屋外照度が看板電源オフ照度以上であるとき、看板電源オフ指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→制御装置17なる経路で制御装置17に供給され、屋外に設置されている看板照明器具35の電源がオフされる(ステップS121,122)。その後、60分タイマがオンされる(ステップS123)。
また、店舗サーバ装置40によって、内部時計、内部カレンダなどが参照されて、現在時刻が日の出時間帯か、日没時間帯かどうかがチェックされたとき、現在時刻が日の出時間帯から日没時間帯との間であれば、ハードディスクなどに格納された管理情報で定義される看板電源オン/オフ照度と、平均屋外照度とが比較され、平均屋外照度が看板電源オン/オフ照度以下であるとき、看板電源オン指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→制御装置17なる経路で制御装置17に供給され、屋外に設置されている看板照明器具35の電源がオンされ、また平均屋外照度が看板電源オン/オフ照度以上であるとき、看板電源オフ指令が生成され、これが店舗サーバ装置40→制御LAN14→制御装置17なる経路で制御装置17に供給され、屋外に設置されている看板照明器具35の電源がオフされる(ステップS124〜S128)。
このように、この実施形態では、店舗内に設置されたあかりセンサ付き調光装置15によって、店舗内の照度を計測し、計測動作で得られた店舗内の各エリアの現在照度が管理情報で指定された各エリアの目標照度となるように、店舗サーバ装置40によって、各あかりセンサ付き調光装置15を制御するようにしているので、適切な照度にて、照明器具16を運用することができるとともに、消し忘れ、明るくしすぎなど、必要以上の運用を防止することにより、店舗全体の電力消費を削減することができる。また、営業戦略上の理由などで店舗の照度を変更したいとき、管理情報の目標照度を変更するだけで、容易に明るさを変更することができる。
また、この実施形態では、屋外照度計34によって、屋外の照度を検出し、店舗サーバ装置40によって、太陽光以外の複数の光源からの外乱も考慮しながら、一定時間の移動平均値を定期的に算出し、現在時刻が日の出/日の入り時刻なのかを判定し、日の出時刻以降で管理情報に定義された一定の照度があるとき、看板照明器具35の電源をオフし、日没時刻以降で管理情報に定義された照度以下であるとき、看板照明器具35の電源をオンするようにしているので、屋外の明るさに応じて、看板照明器具35の電源を自動的にオン/オフして、店舗全体の電力消費を削減することができる。
《他の実施形態》
また、上述した実施形態では、各リーチン・ショーケース21内に、霜取り用の除霜ヒータ25、結露防止の防露ヒータ26、除霜復帰サーモセンサ30を設けて、各リーチン・ショーケース21の除霜などを行うようにしているが、店舗サーバ装置40によって、各リーチン・ショーケース21の電磁弁を開閉して、除霜などを行うようにしても良い。
これにより、図15に示すように各リーチン・ショーケース21、および冷凍機24として、圧縮機、凝縮器、膨張弁、電磁弁、アキュームレータ、およびこれらを接続する冷媒管、圧縮機の電源の冷凍サイクル機構のみを配置しただけのリーチン・ショーケースを使用することができ、従来の冷凍機24に存在した除霜回路、警報回路といった電子回路を不要にすることができるのみならず、もっと簡単な構成のリーチン・ショーケースの使用を可能にして、コスト削減を図ることができる。
1:店舗管理システム、2:中央管理設備、3:店舗設備、4:地域IP網、5:インターネット網、6:センタサーバ装置、7:クライアントPC装置、8:照明設備、9:空調設備、10:冷凍/冷蔵設備、11:情報設備、12:屋外設備、13:管理設備、14:制御LAN、15:あかりセンサ付き調光装置、16:照明器具、17:制御装置、18:店内温湿度計、19:リモコン装置、20:空調機制御装置、21:リーチン・ショーケース、22:電磁弁コイル、23:要冷庫制御装置、24:冷凍機、25:除霜、26:防露ヒータ、27:ケース本体、28:庫内温度計、28:除霜ヒータ、29:除霜ランプ、30:除霜復帰サーモセンサ、31:情報LAN、32:在庫管理装置、33:電子ビジネス端末装置、34:屋外照度計、35:看板照明器具、36:屋外温度計、37:ADSLモデム装置、38:VPNルータ装置、39:ハブ装置、40:店舗サーバ装置、41:店舗サーバ表示画面。