JP4502584B2 - 冷却システムの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスーパーマーケットなどに設置される低温ショーケースと該低温ショーケースに冷媒を供給する冷凍機から構成される冷却システムの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より冷凍・冷蔵ショーケースなどの低温ショーケースは、スーパーマーケットなどの店内に複数台設置され、食品を冷凍若しくは冷蔵しながら陳列販売することに供されている。この場合、各低温ショーケースの蒸発器には店外(機械室など)に設置された冷凍機から冷媒が循環供給されるものであった。この場合、店舗によっては低温ショーケースと冷凍機とで異なるメーカーの製品が使用され、冷却システムの冷媒回路が構成される場合もある。
【0003】
一方、近年では係るスーパーマーケットなどの店舗においても、環境問題への取り組みやエネルギーコストの削減の観点から、冷却システムにおける消費電力を削減する対策が重視されている。係る消費電力の削減のためには、低温ショーケースや冷凍機そのものの運転効率を改善することも重要であるが、低温ショーケースと冷凍機を含めた冷却システム全体として各機器の連携の上に消費電力の削減を図ることも可能である。
【0004】
そこで、例えば特開平9−217974号公報では、インバータタイプの冷凍機を対象とし、冷媒回路の低圧側圧力設定値とそれに基づきインバータ周波数の設定を行って消費電力を削減する提案が成されている。この低圧側圧力設定値は、冷凍機の圧縮機を停止・運転させるための値であり、一般的には夏場の最も冷却能力が要求される状況に適した設定値とされている。従って、冬場などの如く、高い冷却能力が要求されない状況では、冷却能力を下げて消費電力の削減を図ることが可能である。一方、消費電力の削減を重視して冷却能力を下げ過ぎると、今度は低温ショーケースの冷却状態が悪化するため、低温ショーケースの庫内の冷却状態と冷凍機の消費電力量とはトレードオフの関係にある。
【0005】
これを実現するためには、冷却能力を下げても陳列食品の冷却不良を招かないよう、現在の冷却能力に余裕があることを判定する必要がある。そのため、前記公報では低温ショーケースの運転率を基本的な評価指標として用い、冷却システム全体の余裕冷却能力を評価していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低温ショーケースの冷却能力は当該低温ショーケースの運転環境に大きく影響を受ける。即ち、冷却システム全体の冷却能力は低温ショーケースと冷凍機の性能に依存し、固定であるが、低温ショーケースの庫内の冷却状態は、当該低温ショーケースや冷凍機の周辺の気温などに影響され、絶えず変動する。従って、冷却システム全体の余裕冷却能力を判定するためには、運転環境から受ける影響を考慮して庫内の冷却状態を見極める必要がある。
【0007】
この場合、前記公報における運転率も、低温ショーケースの庫内温度を設定値に維持する際に、冷却能力にどの程度の余裕があるかを判断する指標となり得るものであるが、必ずしも直接的とは云えない。また、運転率のみを判断指標とした場合には、上述の如く運転率は運転環境から影響を受けることから、迅速且つきめ細かな制御を行って効果的な消費電力の削減を達成するためには不十分と云わざるを得ない。
【0008】
また、前記公報に記載の発明においては冷凍機に対して冷媒回路の低圧側圧力設定値とインバータ周波数が出力されるが、冷凍機はそれ自体で収集する情報(各センサーからの情報)も含めて制御されるため、低温ショーケース側からの情報のみによる低圧側圧力設定値の調整で、冷凍機の消費電力の削減に確実に繋がるという保証はなく、上述した運転環境によっては逆に消費電力量が上昇する場合もあり得る。
【0009】
この問題は冷凍機に低圧側圧力設定値を出力するにあたって冷凍機側の運転状態や制御の状態が把握できないことに起因するものであるが、低温ショーケースと冷凍機とで別々のメーカーのものが使用される実状を勘案すれば、冷凍機側からの多種多様な情報を低圧側圧力設定値の決定に参酌することは実用的ではない。
【0010】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷却システムにおける消費電力をより効果的に削減できる制御装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の制御装置は、低温ショーケースとこの低温ショーケースに冷媒を供給する冷凍機とから構成される冷却システムにおいて、低温ショーケースの庫内温度目標値に対する偏差温度に基づいて作成された低温ショーケースの庫内の冷却状態の良否に関する判定結果データと、冷凍機の消費電力量に基づいて作成された冷凍機の運転状態に関する効果実績データと、少なくとも店内温度、店外温度及び時刻を含む運転環境条件に関する環境条件データとに基づいて、冷凍機の運転を制御する制御データを生成すると共に、店内温度、店外温度及び時刻の組み合わせで得られる環境条件別の登録箇所を有し、各登録箇所に制御データ、判定結果データ及び効果実績データを登録することでデータベースを構築することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明の冷却システムの制御装置は上記に加えて、現時点での店内温度及び店外温度が以後も継続するものと仮定し、当該環境条件に対応するデータベースの登録箇所の制御データを、現時点での判定結果データ及び効果実績データに応じて書き換え、出力することを特徴とする。
【0013】
本発明では、低温ショーケースの庫内の冷却状態の良否に加えて、冷凍機の運転状態の効果実績と運転環境条件を考慮して冷凍機の運転を制御するので、冷凍機の消費電力を削減するために、より迅速且つきめ細かな制御が可能となる。これにより、低温ショーケースの庫内の冷却を維持するために必要最小限の冷却能力を確保しながら、冷却システム全体として効果的な消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0014】
特に、運転率では無く低温ショーケースの庫内の偏差温度を冷却状態の判定指標として判定結果データとし、且つ、冷凍機の消費電力量を制御効果の指標として効果実績データとすることにより、一層シンプルで直接的な判断が可能となる。更に、運転環境条件として店内温度、店外温度及び時刻を用いることで、季節の他、店舗の開店や閉店、照明の点消灯、商品の補充やナイトカバーの設置などの作業状況及び顧客の来店状況などに的確に対応可能となる。
【0015】
また、係る環境条件別に制御データ、判定結果データ及び効果実績データを登録してデータベースを構築し、現時点での環境条件が以後も継続するものと仮定し、その環境条件の制御データを判定結果データ及び効果実績データに応じて書き換え、出力することで、運転環境の推移を予測し、それに迅速に追従したきめ細かい制御が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する実施例としての低温ショーケース1の縦断側面図、図2は低温ショーケース1が据え付けられたスーパーマーケットの冷却システムRSの配管構成を説明する図、図3は本発明の冷却システムRSの制御ブロック図である。
【0017】
実施例の低温ショーケース1は縦型オープンショーケースであり、断面略コ字状の断熱壁32と、据え付け現場においてこの断熱壁32の両側に取り付けられる側板(図示せず)とから構成されている。断熱壁32の内側にはそれぞれ間隔を存して外層仕切板34と内層仕切板36が取り付けられており、断熱壁32と外層仕切板34間が外層ダクト37、内外層仕切板36、34間が内層ダクト38とされ、内層仕切板36の内側が貯蔵室39(庫内)とされている。
【0018】
この貯蔵室39内には複数段の棚41・・が架設されると共に、各棚41・・の下面前部と貯蔵室39の天井部、及び、庇37内には蛍光灯40・・が取り付けられている。貯蔵室39の底部にはデックパン42が取り付けられ、このデックパン42の下方は前記両ダクト37、38に連通した底部ダクト43とされている。そして、この底部ダクト43内には送風機45を内蔵したファンケース44が設置される。また、貯蔵室39の背方に位置する内層ダクト38内の下部には蒸発器46が縦設されている。
【0019】
貯蔵室39の前面開口部51の上縁には外層吐出口52と内層吐出口53が前後に並設されており、外層吐出口52は外層ダクト37に内層吐出口53は内層ダクト38にそれぞれ連通している。また、開口部51の下縁には吸込口54が形成され、前記底部ダクト43に連通している。
【0020】
そして、前記ファンケース44内の送風機45が運転されると、底部ダクト43内の空気は後方の内外層ダクト37、38に向けて吹き出され、外層ダクト37においてはそのまま吹き上げられると共に、内層ダクト38においては蒸発器46と熱交換した後吹き上げられ、開口部51上縁の内外層吐出口52、53から、下縁の吸込口54に向けてそれぞれ吹き出される。
【0021】
これによって、貯蔵室39の開口部51には内側の冷気エアーカーテンとそれを保護する外側のエアーカーテンとが形成され、開口部51からの外気の侵入が阻止若しくは抑制されると共に、内側の冷気エアーカーテンの一部が貯蔵室39内に循環して貯蔵室39内は冷却される。尚、閉店時にはこの開口部51は図示しないナイトカバーにて塞がれることになる。
【0022】
そして、これらの冷気などは吸込口54から底部ダクト43に帰還し、送風機45に再び吸い込まれることになる。また、蒸発器46には霜取りヒータ67が取り付けられており、発熱して蒸発器46の着霜を融解するものである。
【0023】
次に、図2において、1a・・で示すのは青果(商品)を収納陳列する低温ショーケース(青果用冷蔵ケース)であり、三台並設されている。また、1b・・・で示すのは鮮魚(商品)を収納陳列する低温ショーケース(鮮魚用氷温ケース)であり、五台並設されている。
【0024】
各低温ショーケース1a・・、1b・・・はスーパーマーケットの店内の壁面に沿って図2に示す如く据え付けられる。一方、11、12は店外に構成された機械室13内に設置(別置)された別置型の冷蔵用冷凍機及び氷温用冷凍機であり、これら低温ショーケース1a・・・、1b・・・及び冷凍機11、12によって本発明の冷却システムRSが構成される。
【0025】
各冷凍機11、12は図示しない圧縮機や凝縮器によりそれぞれ構成されており、低温ショーケース1a(冷蔵ケース)・・の蒸発器46・・の入口側はそれぞれ電磁弁14及び膨張弁16を介して冷蔵用冷凍機11の液冷媒配管17に並列接続されると共に、蒸発器46の出口側はそれぞれ冷蔵用冷凍機11のガス冷媒配管18に並列接続されている。
【0026】
また、低温ショーケース1b(氷温ケース)・・・の蒸発器46・・・の入口側はそれぞれ電磁弁19及び膨張弁21を介して氷温用冷凍機12の液冷媒配管22に並列接続されると共に、蒸発器46の出口側はそれぞれ氷温用冷凍機12のガス冷媒配管23に並列接続されている。
【0027】
各低温ショーケース1a、1bの制御装置は貯蔵室39内若しくはそこに吹き出される冷気の温度に基づいて電磁弁14、19を開閉制御し、蒸発器46に冷媒を供給して貯蔵室39内を冷却する。即ち、貯蔵室39の温度の目標値(設定温度)の上下に上限温度と下限温度を設定し、上限温度にて電磁弁14、19を開き、下限温度にて閉じるON−OFF制御を実行する。これにより、平均として貯蔵室39(庫内)の温度を目標値に近付けるものであるが、冷却能力や周囲の環境によって目標値と実際の貯蔵室39の温度の間には偏差温度が生じる。
【0028】
一方、各冷凍機11、12の圧縮機は何れかの電磁弁14、19が開いている場合には運転されるが、全ての低温ショーケース1a・・、或いは、1b・・において電磁弁14或いは19が閉じられた場合には、停止される。この場合、具体的には冷媒回路の低圧側圧力設定値を用い、各冷凍機11、12の制御装置は、全ての電磁弁14或いは19が閉じられたことで冷媒回路の低圧側の圧力がこの低圧側圧力設定値に低下した場合に圧縮機を停止する。そして、何れかの低温ショーケース1a或いは1bの電磁弁14或いは19が開放され、低圧側の圧力が低圧側圧力設定値より高くなれば(この場合には所定のヒステリシスが設けられる)、再び圧縮機を起動することになる。
【0029】
次に、図3を用いて本発明に係る冷却システムRSの消費電力を削減するための制御装置(以下、コントローラと称する)10の動作について説明する。コントローラ10は後述するデータベース15が構築されるメモリと時計機能(20で示す)を有する汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、各低温ショーケース1a・・・と冷凍機11との間、及び、各低温ショーケース1b・・・と冷凍機12との間にそれぞれ介設されてデータの授受を行う。
【0030】
この場合、各コントローラ10、10には各低温ショーケース1a・・・、1b・・・から上述した貯蔵室39(庫内)の偏差温度と店内温度がそれぞれ入力される。また、冷凍機11、12からは店外温度がそれぞれ入力される。そして、各コントローラ10、10からは冷凍機11、12に低圧側圧力設定値が制御データとしてそれぞれ出力されることになる。
【0031】
次に、係るコントローラ10の具体的な動作を説明する。尚、以後は低温ショーケース1a・・・と冷凍機11の間に介設されたコントローラ10について説明するが、低温ショーケース1b・・・と冷凍機12の間のコントローラ10も同様であるものとする。
【0032】
先ず、コントローラ10のメモリ内には前述したデータベース15が構築される。このデータベース15には運転環境条件の判断の指標となる前記店内温度、店外温度及び時刻帯の三つの条件に基づいてデータの登録箇所が分類され、複数段階に分類された離散データとして登録される。この場合の離散化のルールは、
店内温度Ti(℃):0℃〜+35℃の範囲を5deg刻みで8段階に分類(実際には1時間当たりの平均値を採用)。
店外温度To(℃):−5℃〜+40℃の範囲を5deg刻みで10段階に分類(実際には1時間当たりの平均値を採用)。
時刻帯t:1時間単位で24段階に分類。
とされ、全部で1920箇所の登録箇所が構成される。
【0033】
前記店内温度や店外温度は自然環境に影響される運転環境条件である。また、低温ショーケース1aの冷却状態は係る自然環境だけでなく、店員や顧客による食品の出し入れ頻度、閉店時における省エネ目的の照明消灯、ナイトカバーでの閉塞などが影響するが、係る状況は時刻帯で判断することが可能となる。尚、後述する偏差温度の平均値の算出及び消費電力量の積算に関しては、算出(積算)開始時刻が含まれている時点をその時刻帯とする。例えば、午後3時40分〜4時40分までの60分間の偏差温度から平均偏差温度を算出し、或いは、消費電力量を積算する際には時刻帯は午後3時として扱うことになる。また、店内温度が0℃より低い場合には0℃として、また、+35℃より高い場合には+35℃として扱うものとし、店外温度が−5℃より低い場合には−5℃として、また、+40℃より高い場合には+40℃として扱うものとする。
【0034】
そして、コントローラ10はデータベース15の各登録箇所に制御データとしての冷凍機11の低圧側圧力設定値Ps(PaG)と、低温ショーケース1aの貯蔵室39の冷却状態の判定結果のデータ(判定結果データ)、及び、冷凍機11が運転した結果に伴う消費電力量のデータ(効果実績データ)が図4の如く登録される。
【0035】
この冷却状態の判定は、各低温ショーケース1a・・から送られてくる偏差温度から一定時間(実際には1時間)当たりの平均偏差温度Te(deg)をそれぞれ算出し、全ての低温ショーケース1aにおいてこの平均偏差温度Teが予め設定したしきい値A以上か否かで決定する。そして、コントローラ10に接続されている全ての低温ショーケース1a・・・の平均偏差温度Teがしきい値A以上でない場合には、冷却状態の判定結果のデータ(判定結果データ)は「良」とし、1台でもしきい値A以上となっている低温ショーケース1aがある場合には、冷却状態の判定結果のデータ(判定結果データ)は「否」としてその店内温度、店外温度及び時刻帯の登録箇所に登録される。
【0036】
このしきい値Aは平均偏差温度Teの良否を判断するための値であり、低温ショーケース1aの貯蔵室39内を十分に良好な冷却状態を維持できる値に設定することになる。
【0037】
上記消費電力量(効果実績データ)は、冷凍機11から送られてくる消費電力の実測値を一定時間(実際には1時間)積算して算出する。この消費電力量(効果実績データ)も、その店内温度、店外温度及び時刻帯の登録箇所に登録される。
【0038】
以上の構成で、次に実際の制御の実施例を説明する。コントローラ10は前述したデータベース15に基づいて冷凍機11の低圧側圧力設定値を調整する。この冷凍機11の低圧側圧力設定値の調整は所定の周期で実行するものであるが、以後は1時間周期で調整する例を説明する。
【0039】
先ず、データベース15の全登録箇所には、制御データである低圧側圧力設定値Psの初期値としてデフォルト値を予め登録しておく。従って、低温ショーケース1a・・と冷凍機11がスーパーマーケットに設置された当初は、低圧側圧力設定値Psはデフォルト値に設定される。尚、このデフォルト値は夏季の最も冷却能力が必要とされる環境の値とされており、以後の消費電力を削減する目的で行われる低圧側圧力設定値Psの調整は、当該デフォルト値よりも高くする方向で行われ、係る調整によってデフォルト値よりも低くなることはない。
【0040】
但し、デフォルト値より高い値の場合には冷凍機11側の運転事情により、低圧側圧力設定値Psを高くし過ぎると逆に消費電力が増える場合や、調整量が未だ不十分で消費電力の削減効果が出ない場合もあり得る。そこで、低圧側圧力設定値Psによる効果実績を確認するために、前述した消費電力量(効果実績データ)を実測して用いる。
【0041】
一方、低温ショーケース1a・・・の貯蔵室39の冷却状態の良否判定結果に関する判定結果データ、即ち、前述した平均偏差温度Teの良否判定のデータと、冷凍機の運転状態に関する効果実績データ、即ち、前述した冷凍機11の消費電力量は初期値登録をしない。即ち、低温ショーケース1a・・・と冷凍機11の運転が開始された後、季節の移り変わりを通じて年間運転されることで、次第に実測から得られる判定結果データ及び効果実績データが登録されて行くことになる。
【0042】
ここで、前述した運転環境条件のうち、店内温度Tiと店外温度Toは1時間程度では大きく変化することのない指標と云える。そこで、コントローラ10の実際の制御では、過去1時間での店内温度Tiと店外温度Toが以後の1時間でも継続するものと仮定して、係る店内温度Ti、店外温度Toであって1時間後に相当する登録箇所のデータの登録状況をチェックする。
【0043】
そして、当該登録箇所(以下、D1と云う)に冷却状態の判定結果(判定結果データ)及び消費電力量(効果実績データ)が登録されていない場合は、当該時間帯(1時間後の時間帯)の運転用として低圧側圧力設定値Psをデフォルト値とし、当該登録箇所D1に制御データとして登録すると共に、当該制御データを冷凍機11に出力する。冷凍機11ではコントローラ10から送信された低圧側圧力設定値Psに基づいて前述の如く圧縮機の起動・停止を制御することになる。
【0044】
尚、当該時刻帯(1時間後の時刻帯)での実際の運転によって得られた冷却状態の判定結果(判定結果データ)及び消費電力量(効果実績データ)は、当該時刻帯における実際の店内温度Ti及び店外温度To(及び当該時刻帯)に対応するデータベース15の登録箇所に登録されることになる。
【0045】
他方、前記登録箇所D1に冷却状態の判定結果(判定結果データ)及び消費電力量(効果実績データ)が登録されている場合は当該判定結果の良否及び消費電力量の変化に応じて制御は異なる。即ち、コントローラ10は登録箇所D1に「否」の判定結果が登録されている場合には、低圧側圧力設定値Psを当該登録箇所D1に登録された値のまま、或いは、登録された低圧側圧力設定値Psがデフォルト値よりも高い値となっている場合には一定値(PaG)低下させた値とし、当該値を制御データとして冷凍機11に出力する。冷凍機11ではコントローラ10から送信された低圧側圧力設定値Psに基づいて前述の如く圧縮機の停止と起動を制御するが、その際、低圧側圧力設定値Psは低い値とされることにより、圧縮機が起動・停止される低圧側圧力設定値Psが低くなり、その分、冷却能力が向上する。
【0046】
即ち、同じ店内温度Ti、店外温度Toで、次の1時間の時刻帯に対応するデータベース15の登録箇所に、当該運転環境にて前回運転した結果の冷却状態が良くなく、判定結果が「否」として登録されている場合には、冷凍機11の冷却能力を維持或いは向上させて低温ショーケース1a・・の貯蔵室39の冷却状態を改善する。
【0047】
逆に、登録箇所D1に「良」の判定結果が登録されている場合、コントローラ10は冷却能力に余裕があると判断し、低圧側圧力設定値Psを当該登録箇所D1に登録された値よりも一定値(PaG)上げた値とし、当該値を制御データとして冷凍機11に出力する。冷凍機11ではコントローラ10から送信された低圧側圧力設定値Psに基づいて前述の如く圧縮機の停止と起動を制御するが、その際、低圧側圧力設定値Psは高い値とされることにより、圧縮機が起動・停止される低圧側圧力設定値Psが高くなり、その分、冷却能力が低下すると共に、消費電力も削減されるようになる。
【0048】
即ち、同じ店内温度Ti、店外温度Toで、次の1時間の時刻帯に対応するデータベース15の登録箇所に、当該運転環境にて前回運転した結果の冷却状態が良く、判定結果が「良」として登録されている場合には、冷凍機11の冷却能力に余裕があるものと判断して当該冷却能力を低下させ、低温ショーケース1a・・の貯蔵室39の冷却状態を維持しながら、冷凍機11の消費電力を削減する。
【0049】
また、上記においてコントローラ10は現時点で実測した消費電力量とデータベース15の登録箇所D1に登録されている過去の消費電力量とを比較し、消費電力量が見込み通りに下がったか否かを評価する。そして、消費電力量が過去と同じ、若しくは、下がった場合には、登録箇所D1の消費電力量と低圧側圧力設定値Psを、新たに実測した消費電力量と上述のように冷凍機11に制御データとして出力した低圧側圧力設定値Psに書き換え、更新する。更に、消費電力量が上がった場合には、逆効果であったものと判断して消費電力量と低圧側圧力設定値Psを更新しない。
【0050】
係る制御により、冷却システムRSの冷却能力に余裕があると判断される場合には、冷凍機11の冷却能力を下げて消費電力を削減する方向に制御する。そして、実際の削減効果を評価しながら、低温ショーケース1a・・・の貯蔵室39の平均偏差温度Teはしきい値A付近に維持されることになる。
【0051】
尚、実施例で示した運転環境条件はそれに限定されるものでは無い。また、実施例では制御データとして冷凍機の低圧側圧力設定値を調整したが、これも限定されるものでは無く、冷却システムの冷却能力と消費電力に関係する制御ファクターであれば対象となり得る。更に、実施例では1時間周期で低圧側圧力設定値を調整したが、それに限らず、1分、10分、30分、1時間30分、2時間周期など使用状況に応じて適宜選択可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、低温ショーケースの庫内の冷却状態の良否に加えて、冷凍機の運転状態の効果実績と運転環境条件を考慮して冷凍機の運転を制御するので、冷凍機の消費電力を削減するために、より迅速且つきめ細かな制御が可能となる。これにより、低温ショーケースの庫内の冷却を維持するために必要最小限の冷却能力を確保しながら、冷却システム全体として効果的な消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0053】
特に、運転率では無く低温ショーケースの庫内の偏差温度を冷却状態の判定指標として判定結果データとし、且つ、冷凍機の消費電力量を制御効果の指標として効果実績データとすることにより、一層シンプルで直接的な判断が可能となる。更に、運転環境条件として店内温度、店外温度及び時刻を用いることで、季節の他、店舗の開店や閉店、照明の点消灯、商品の補充やナイトカバーの設置などの作業状況及び顧客の来店状況などに的確に対応可能となる。
【0054】
また、係る環境条件別に制御データ、判定結果データ及び効果実績データを登録してデータベースを構築し、現時点での環境条件が以後も継続するものと仮定し、その環境条件の制御データを判定結果データ及び効果実績データに応じて書き換え、出力することで、運転環境の推移を予測し、それに迅速に追従したきめ細かい制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した冷却システムを構成する低温ショーケースの一実施例の縦断側面図である。
【図2】 図1の低温ショーケースが据え付けられたスーパーマーケットの配管構成を説明する図である。
【図3】 本発明の冷却システムの制御ブロック図である。
【図4】 本発明の冷却システムのコントローラのデータベースを説明する図である。
【符号の説明】
1a、1b 低温ショーケース
10 コントローラ(制御装置)
11、12 冷凍機
14、19 電磁弁
15 データベース
Claims (2)
- 低温ショーケースと該低温ショーケースに冷媒を供給する冷凍機とから構成される冷却システムにおいて、
前記低温ショーケースの庫内温度目標値に対する偏差温度に基づいて作成された前記低温ショーケースの庫内の冷却状態の良否に関する判定結果データと、前記冷凍機の消費電力量に基づいて作成された前記冷凍機の運転状態に関する効果実績データと、少なくとも店内温度、店外温度及び時刻を含む運転環境条件に関する環境条件データとに基づいて、前記冷凍機の運転を制御する制御データを生成すると共に、
前記店内温度、店外温度及び時刻の組み合わせで得られる環境条件別の登録箇所を有し、各登録箇所に前記制御データ、判定結果データ及び効果実績データを登録することでデータベースを構築することを特徴とする冷却システムの制御装置。 - 現時点での前記店内温度及び店外温度が以後も継続するものと仮定し、当該環境条件に対応する前記データベースの登録箇所の前記制御データを、現時点での前記判定結果データ及び効果実績データに応じて書き換え、出力することを特徴とする請求項1の冷却システムの制御装置。
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