JP5335346B2 - 冷却システム - Google Patents
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Description
上記冷凍機は、一般に、その内部に1個もしくは複数のコンプレッサと、コンプレッサを制御するマイコンとを筐体内に収めてパッケージ化して構成されている。そして、このマイコンが所定の動作シーケンスに基づいてコンプレッサを制御することで低温ショーケースとの間で冷凍サイクルを構成し、低温ショーケースを冷却している。
そこで、上記の低温ショーケースと冷凍機との連携を図ることで、低温ショーケースの庫内温度を庫内設定温度に維持しつつ無駄に冷やすことなどがないように冷凍機を制御することで、低温ショーケースの冷却性の維持と冷凍機の省エネ性の向上の両立を図った冷却システムが実現されている。この種の冷却システムでは、冷凍機の運転を制御する制御装置を設け、この制御装置が低温ショーケースの冷却状態に基づいて、冷凍機の低圧側の冷媒圧力である低圧側圧力に適切な値を設定して冷凍機に出力することで、低温ショーケースの冷却性を維持しつつ冷凍機の省エネ性を高めている(例えば、特許文献1参照)。
このため、圧縮機を数種の中から任意に選択して組み込み自在とされた冷凍機を備える冷却システムであっても、冷凍機にマイコンを設けなくとも低温ショーケースの冷却状態に応じて冷凍機の冷却能力を低圧側圧力設定値により制御することができるから、低温ショーケースの冷却性の維持と冷凍機の省エネ性の向上の両立が実現できる。
図1は本実施形態に係る冷却システム1の構成を模式的に示す図である。
この図に示すように、冷却システム1は、ラックシステム冷凍機3に液管たる冷媒管5a及びガス管たる冷媒管5bを介して、複数の低温ショーケース7を並列に接続して構成した冷凍回路2と、メインコントローラ(メイン制御装置)4と、コンプレッサコントローラ(圧縮機制御装置)6とを備えて構成されている。
液電磁弁19は、膨張弁15への冷媒の供給を制御するための弁であり、液電磁弁19の開閉によって冷却器17の冷却による低温ショーケース7の庫内温度が制御される。
すなわち、上記マイコン23は、庫内設定温度の上下に設定された上限温度と下限温度を記憶し、上限温度にて液電磁弁19を開き、下限温度にて閉じるON−OFF制御を実行する。係るON−OFF制御により、平均として低温ショーケース7の庫内温度が庫内設定温度に近付けられる。なお、ラックシステム冷凍機3には、低温ショーケース7の他にも例えば冷蔵/冷凍プレハブ庫等の他の負荷設備を接続しても良い。
これらのことから、低圧側圧力が低圧側圧力設定値よりも高い/低い状態、すなわち、コンプレッサ9の容量制御を行って冷却能力を調整すべき状態が上記ディレイ時間に亘り継続したときに、コンプレッサ9の容量を可変する構成とし、「安定性が良い」と判定されている場合にはディレイ時間を一定時間延長して追従性を低め、これとは逆に「安定性が悪い」と判定されている場合にはディレイ時間を一定時間短縮して追従性を高める構成としている。これにより、「安定性が良い」場合にはコンプレッサ9のオン/オフ頻度が減って省エネが図られるとともに、「安定性が悪い」場合には冷却能力の追従性が速やかに高められ低温ショーケース7の冷却状態が良好に維持されることとなる。
この図において、制御部40は、メインコントローラ4の各部を中枢的に制御する。
データベース41は運転環境条件ごとに低圧側圧力設定値を登録するものであり、データベース制御部42は当該データベース41に対する読み書きを制御する。データベース41には運転環境条件の判断の指標となる店内温度、店外温度及び時刻帯の三つの条件に基づいて上記低圧側設定値の登録箇所が分類され、複数段階に分類された離散データとして登録される。
店内温度Ti(℃):0℃〜+35℃の範囲を5deg刻みで8段階に分類(実際には1時間当たりの平均値を採用)。
店外温度To(℃):−5℃〜+40℃の範囲を5deg刻みで10段階に分類(実際には1時間当たりの平均値を採用)。
時刻帯t:1時間単位で24段階に分類。
とされ、全部で1920箇所の登録箇所が構成される。
冷却状態良否判定部47は、各低温ショーケース7の冷却状態(冷え具合)の良否を判定する。具体的には、冷却状態良否判定部47は、各低温ショーケース7から送られてくる偏差温度から一定時間(実際には1時間)当たりの平均偏差温度Te(deg)をそれぞれ算出し、全ての低温ショーケース7においてこの平均偏差温度Teが予め設定したしきい値A以上か否かで判断する。そして、全ての低温ショーケース7の平均偏差温度Teがしきい値A以上でない場合には、冷却状態の判定結果を「良」とし、1台でもしきい値A以上となっている低温ショーケース7がある場合には、冷却状態の判定結果を「否」とする。このしきい値Aは平均偏差温度Teの良否を判断するための値であり、低温ショーケース7の庫内を十分に良好な冷却状態を維持できる値に設定することになる。
なお、低温ショーケース7が備える液電磁弁19の開閉、及び、冷却状態良否判定部47の判定結果は、上記偏差温度に連動していることから、これら液電磁弁19の開閉頻度及び良否の時間的変動(所定時間内に良否の間を所定回数以上遷移したか否か)に基づいて低温ショーケース7の冷却状態の安定性を判定しても良い。
詳述すると、ラックシステム冷凍機3においては、コンプレッサ9の機種(容量)や台数が設置時に決定されることから、コンプレッサコントローラ6に、これらのコンプレッサ9の容量制御を規定したプログラムを予め組み込むことはできない。そこで本実施例では、ラックシステム冷凍機3に組み込まれているコンプレッサ9に対する容量制御に要する情報が制御設定としてメインコントローラ4に入力される構成とし、そして上記通信線24を介して通信によりコンプレッサコントローラ6に入力している。
制御ルールは、容量制御時にコンプレッサ9の各々をどのように制御するかを規定したものであり、この図に示すように、制御ルールには、コンプレッサ9の各々のオン/オフと、総出力との対応関係が規定されており、総出力が低い方から順に、コンプレッサ9の各々のオン/オフの組み合わせにステップNo1、ステップNo2・・・と番号が付されている。すなわち、容量制御において総出力を下げる場合には、そのときの各コンプレッサ9のオン/オフの組に対応するステップNoよりも小さなステップNoを選択し、その選択したステップNoで規定された通りに各コンプレッサ9をオン/オフさせれば総出力を下げることができ、これとは逆に、総出力を上げる場合には、より大きなステップNoを選択して、その選択したステップNoで規定された通りに各コンプレッサ9をオン/オフさせれば総出力が上げることができる。
この図において、制御部60は、コンプレッサコントローラ6の各部を中枢的に制御するとともに、ラックシステム冷凍機3に組み込まれているコンプレッサ9の各々のオン/オフを制御するコンプレッサ制御信号を生成するものであり、例えばマイコンを備えて構成されている。コントローラ通信部61は、メインコントローラ4との間で通信線24を介して通信し、上記制御設定や低圧側圧力設定値、ディレイ時間を受信する。制御設定記憶部62は上記制御設定を記憶する。低圧側圧力センサ入力部63は、ラックシステム冷凍機3に設けた低圧側圧力センサ26から低圧側圧力の検出値が入力される。制御部60は、低圧側圧力の検出値と低圧側圧力設定値を比較し、低圧側圧力の検出値が上記ディレイ時間に亘り継続して低圧側圧力設定値を超えた又は回った場合に、上記制御設定の容量制御ルールにしたがってラックシステム冷凍機3の容量を変更する。
図6は、メインコントローラ4の動作をコンプレッサコントローラ6の動作とともに示すフローチャートである。
冷却システム1の設置当初においては、制御設定が不明であるため、サービスマン等によってコンプレッサ9の構成に基づく制御設定がメインコントローラ4に入力され(ステップS1)、この制御設定がコンプレッサコントローラ6に送信される(ステップS2)。係る制御設定はコンプレッサコントローラ6に受信され(ステップS10)、当該コンプレッサコントローラ6の制御設定記憶部62に保持される。その後、コンプレッサ9の電源がオンされて運転可能状態とされる。
低圧側圧力設定値可変・学習処理は、運転環境条件の変動に応じて低圧側圧力設定値を可変するとともに、低温ショーケース7の冷却状態の良否に基づいて最適な低圧側圧力設定値を学習する処理である。そして、この処理においては、可変された低圧側圧力設定値がメインコントローラ4から送信され、係る低圧側圧力設定値がコンプレッサコントローラ6に受信されて容量制御に反映される。
ディレイ時間可変処理は、低温ショーケース7の冷却状態の安定性に応じてディレイ時間を可変する処理であり、この処理において可変されたディレイ時間がメインコントローラ4から送信され、係るディレイ時間がコンプレッサコントローラ6に受信されて容量制御に反映される。
図7は、低圧側圧力設定値可変・学習処理のフローチャートである。
メインコントローラ4は、先ず、メインコントローラ4は、店内温度Ti、店外温度To及び時刻帯tからなる運転環境条件をそれぞれ取得し(ステップS20)、運転環境条件に変化があったか否かを判定する(ステップS21)。上述の通り、店内温度Ti及び店外温度Toは5deg刻み、時刻帯tは1時間単位でそれぞれ離散化されており、店内温度Ti、店外温度To及び時刻帯tのいずれかの変化幅が離散化の範囲を超えている場合に、運転環境条件に変化があったものと判定される。
このような処理により、季節の移り変わりを通じて年間運転されることで、同一の運転環境条件について次第に実測から得られる、省電力効果の高い低圧側圧力設定値がデータベース41に登録されて行く。
また、低圧側圧力設定値がデータベース41に登録されていない場合(ステップS31:NO)、メインコントローラ4は、店内温度Tiと店外温度Toは1分間程度では大きく変化することのないとみなし、直前(1分前)の低圧側圧力設定値と同じ値を設定し(ステップS33)、上述したステップS28、S30にてコンプレッサコントローラ6への出力及び一時記憶を行う。
図8は、ディレイ時間可変処理のフローチャートである。
メインコントローラ4は、先ず、全ての低温ショーケース7から庫内温度と庫内設定温度の偏差温度を取得し(ステップS40)、それぞれの低温ショーケース7の冷却状態を判定する(ステップS41)。この冷却状態の判定においては、上述の通り、各低温ショーケース7の冷却状態の安定性が判定され、全ての低温ショーケース7において冷却状態の安定性が良い場合には「安定性が良い」と判定され、1つでも冷却状態の安定性の悪い低温ショーケース7がある場合には「安定性が悪い」と判定される。
メインコントローラ4は、低温ショーケース7の冷却状態に基づいて、このようにしてディレイ時間を決定すると、このディレイ時間をコンプレッサコントローラ6に送信する(ステップS45)。
図9は、上記容量制御のフローチャートである。
この図に示すように、コンプレッサコントローラ6は、ラックシステム冷凍機3の低圧側圧力センサ26から一定時間ごとに低圧側圧力を取得し(ステップS50)、低圧側圧力設定値と比較する(ステップS51)。低圧側圧力が低圧側圧力設定値を超えラックシステム冷凍機3の冷却能力が不足している場合(ステップS51:YES)、この状態が上述のディレイ時間に亘り継続したか否かを判定する(ステップS52)。そして、継続していなければ(ステップS52:NO)、コンプレッサ9の無駄なオン/オフを回避すべく処理手順をステップS50に戻し、継続している場合には(ステップS52:YES)、冷却能力を上げて低温ショーケース7の冷却性を維持すべく容量制御ルールのステップNOを「1」つ上げ(ステップS53)、この容量制御ルールに基づくコンプレッサ制御信号を生成してコンプレッサ9に出力する(ステップS54)。
例えば、上述した実施形態では、容量固定型のコンプレッサ9を複数台設けてラックシステム冷凍機3を構成したが、これに限らず、コンプレッサ9の台数を1台とし、当該コンプレッサ9をオン/オフさせることで冷却能力を制御してもよい。
また、複数台の容量固定型のコンプレッサ9により容量を制御する構成に限らず、容量可変型のインバータコンプレッサを組み込んでラックシステム冷凍機を構成し、当該インバータコンプレッサをインバータ制御することで容量を制御する構成としてもよい。この場合、インバータ制御の制御ルールが制御設定として用いられる。
2 冷凍回路
3 ラックシステム冷凍機(冷凍機)
4 メインコントローラ(メイン制御装置)
5a、5b 冷媒管
6 コンプレッサコントローラ(圧縮機制御装置)
7 低温ショーケース
9 コンプレッサ
11 コンデンサ
13 コンデンサファン
21 庫内温度センサ
22 店内温度センサ
26 低圧側圧力センサ
41 データベース
50 制御設定入力部
61 コントローラ通信部(受信手段)
62 制御設定記憶部
Claims (2)
- 接続される複数の低温ショーケースの冷却に必要となる最大冷却能力に合わせて、任意の数種の圧縮機の中から任意の数、及び数種の圧縮機がユーザによって選択されて組み合わされるラックシステム冷凍機を有し、当該ラックシステム冷凍機に、前記低温ショーケースの各々を冷媒管を介して並列に接続して構成した冷却システムにおいて、
前記低温ショーケースの各々の冷却状態に基づいて前記ラックシステム冷凍機の低圧側の冷媒圧力の設定値である低圧側圧力設定値を設定して出力するメイン制御装置と、
前記ラックシステム冷凍機に組み合されている圧縮機に対する容量制御に要する制御設定を入力する手段、前記メイン制御装置から前記低圧側圧力設定値を受信する受信手段、及び、前記低圧側圧力設定値に対する低圧側の冷媒圧力の大小と前記制御設定とに基づいて前記圧縮機の容量制御による前記ラックシステム冷凍機の総出力の制御を行う制御信号を出力する制御信号出力部を有し、前記ラックシステム冷凍機、及び前記メイン制御装置と別体に設けられた圧縮機制御装置と、
を設け、
前記圧縮機制御装置は、
前記低温ショーケースの庫内温度の時間的変動に基づく安定性に応じた長さに設定されたディレイ時間に亘って、前記低圧側の冷媒圧力が前記低圧側圧力設定値を超えた状態、或いは、下回った状態が継続したときに前記圧縮機の容量制御を行う
ことを特徴とする冷却システム。 - 前記冷却システムの運転環境を規定する運転環境条件ごとに最適な前記低圧側圧力設定値を学習し、該学習の結果を登録するデータベースを備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
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