JP6143585B2 - ショーケース冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機から吐出された冷媒を複数台のショーケースの蒸発器に分配して供給し、各ショーケースを冷却するショーケース冷却装置に関するものである。
従来よりコンビニエンスストア等の店舗内には複数台のショーケースが設置されており、各ショーケースの蒸発器には店外等に設置された冷凍機の圧縮機から冷媒を分配して供給している。この場合、圧縮機にて圧縮された冷媒は同じく冷凍機に設置された凝縮器にて放熱し、凝縮した後、冷媒回路を構成する冷媒配管を経て各ショーケースに供給される。ショーケースには膨張弁と蒸発器が設置されており、冷媒は膨張弁にて絞られた後、蒸発器に流入し、そこで蒸発することでショーケースの庫内に循環される冷気を冷却するものであった(例えば、特許文献1参照)。
また、膨張弁は蒸発器を出る冷媒の過熱度が最適な規定値となるように絞り度合いを調整し、ショーケースの効率的な冷却と圧縮機への液バック防止を実現するものであるが、この膨張弁には機械式のものと電子式のもの(電動膨張弁)とが存在する。機械式膨張弁の場合は、自らに設定された規定の過熱度(規定値)となるように自立して動作し、電子式膨張弁の場合には、制御装置により目標過熱度となるように弁開度が制御されるものであった。また、各膨張弁の前段には液電磁弁が設けられ、ショーケースの庫内が十分冷却された状態ではこの液電磁弁が閉じられるものであった(電子膨張弁の場合には、それ自体が全閉状態とすることができるため、液電磁弁が設けられない場合もある)。
また、圧縮機は一般的に冷媒回路の低圧圧力に基づき、例えばその運転周波数が制御されていた。この場合、目標低圧圧力は例えば店舗内のエンタルピに基づいて各ショーケースを十分冷却することができる値に制御装置により設定され、低圧圧力がこの目標低圧圧力となるように圧縮機の運転周波数が制御されていた。尚、係る圧縮機の能力制御については運転周波数に限らず、複数台設けておいてその運転台数を切り換える場合もある。
ここで、複数台のショーケースにおける負荷(周囲温度や湿度、風の影響、陳列商品を冷却するための庫内温度制御や除霜制御等)はそれぞれ異なるため、液電磁弁の開閉(電子膨張弁の場合は弁開度)はそれらに依存することになる。一方、従来では冷媒回路の低圧圧力に基づいて圧縮機の運転周波数が制御されていたため、複数のショーケースの液電磁弁の開閉が同時若しくは略同時に行われるような状況(即ち、同期して行われる状況)、或いは、電子膨張弁の場合には弁開度の調整方向が複数の電子膨張弁において同一傾向(同一傾向とは、閉が重なる傾向で、最も顕著な場合は全閉、又は、開が重なる傾向で、最も顕著な場合は全開)となり、調整が同時若しくは略同時に行われるような状況では、低圧圧力の変動が大きくなり、その影響で圧縮機の運転周波数も変動する。即ち、ショーケースの液電磁弁の開閉により冷却負荷が変動すると、低圧圧力が変動するため、他のショーケースの冷えやすさが変化するので、動作が連鎖していく。そして、この低圧変動を抑えようと圧縮機の運転周波数が大きく変動することになる。
このように従来では低圧圧力に拘る余りに圧縮機の運転周波数が大きく変動するため、消費電力が増大する結果となっていた。また、前述したように負荷は各ショーケースにおいて異なり、一方で目標低圧圧力は全てのショーケースを十分冷却することができる値に設定されるため、冷え易いショーケース(例えば、負荷が軽いショーケース)にとっては圧縮機の能力が過剰な状況となっており、これもエネルギーロスに繋がっていた。
そこで、出願人は先にショーケースを冷え難いショーケースとその他のショーケースとに区別し、圧縮機の運転周波数を最も冷え難いショーケースの庫内温度とその設定温度の偏差に基づくPID演算で制御し、他のショーケースについては庫内温度で例えば電子膨張弁(或いは、機械式膨張弁の場合には液電磁弁)の弁開度を制御する技術を開発した。
係る制御によれば、低圧圧力で制御する場合に比して各ショーケースの液電磁弁や電子膨張弁の動作の影響を受け難くなり、圧縮機の運転状態の変動が抑制され、消費電力が低減される。そして、各ショーケースのうち最も冷え難いショーケースの冷却は確実に行われると共に、他のショーケースの庫内温度も電子膨張弁等により制御される利点がある。
特許第5053527号公報
ここで、省エネルギーは庫内冷却の最適化のためには、基本的にはショーケースの庫内温度変動を抑えることが重要であり、そのためには圧縮機の運転周波数を制御するPID演算の変動範囲を狭める必要がある。しかしながら、店内外の環境の変動(季節や一日の温度変化等)により、最適な温度帯等も異なって来る。そして、先の提案では冷えが甘くならないようにPID演算の変動範囲を拡げておくか、店の温湿度からエンタルピを算出し、全てのショーケースが十分冷える値に低圧値を設定していたが、PID演算の変動範囲を広げると、省エネルギーに反する結果となる。
一方、他のショーケースにおいては、施工要因(冷媒分流や配管長(圧損)の違い)や環境要因(エアーカーテンの乱れや日射の違い)により、それらの冷え具合が甘くなっても何ら考慮されておらず、冷却不良が発生してしまう危険性があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、圧縮機の消費電力を抑制しながら、複数台のショーケースの全てを支障無く良好に冷却することができるショーケース冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のショーケース冷却装置は、圧縮機から吐出された冷媒を複数台のショーケースに設けられた蒸発器に分配供給するものであって、各ショーケースの庫内温度をそれぞれ検出する庫内温度センサと、圧縮機の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、各ショーケースのうちの最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、圧縮機の運転周波数を制御するための操作量を算出すると共に、当該最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じ、当該冷却状態を改善する方向で、PID演算で算出する操作量の変動範囲、及び/又は、数値帯を変更する最適化制御を実行することを特徴とする。
請求項2の発明のショーケース冷却装置は、上記発明において各ショーケースの庫内への冷気の吹出温度をそれぞれ検出する吹出温度センサを備え、制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、当該ショーケースへの冷気の目標吹出温度を決定し、吹出温度センサが検出する吹出温度と目標吹出温度との偏差に基づくPID演算により、圧縮機の目標運転周波数を決定すると共に、最適化制御においては目標吹出温度を前記操作量とし、前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じて、目標吹出温度の変動範囲、及び/又は、温度帯を変更することを特徴とする。
請求項3の発明のショーケース冷却装置は、請求項1の発明において各ショーケースの蒸発器における冷媒の蒸発温度をそれぞれ検出する蒸発温度センサを備え、制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、当該ショーケースの目標蒸発温度を決定し、蒸発温度センサが検出する蒸発温度と目標蒸発温度との偏差に基づくPID演算により、圧縮機の目標運転周波数を決定すると共に、最適化制御においては目標蒸発温度を前記操作量とし、前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じて、目標蒸発温度の変動範囲、及び/又は、温度帯を変更することを特徴とする。
請求項4の発明のショーケース冷却装置は、上記各発明において制御手段は、前記最適化制御において、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度の変動範囲を狭め、及び/又は、庫内温度の平均値を設定温度に近づけることを特徴とする。
請求項5の発明のショーケース冷却装置は、上記各発明において前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標は、当該ショーケースの庫内温度と設定温度との差、該庫内温度の変動幅、蒸発温度と当該蒸発温度の所定の設定温度との差、該蒸発温度の変動幅、及び、圧縮機の運転/停止の頻度のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせであることを特徴とする。
請求項6の発明のショーケース冷却装置は、上記各発明において各ショーケースは、蒸発器に流入する冷媒を絞り、当該蒸発器から出る冷媒の過熱度を目標過熱度に調整する過熱度調整手段を備え、制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの目標過熱度を規定値として当該ショーケースの過熱度調整手段を制御し、且つ、当該ショーケースの庫内温度に基づいて圧縮機の運転を制御し、他のショーケースの庫内温度に基づいて当該ショーケースの目標過熱度を設定し、当該ショーケースの過熱度調整手段を制御すると共に、他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じ、PID演算で算出する操作量、又は、圧縮機の運転周波数を補正することを特徴とする。
請求項7の発明のショーケース冷却装置は、上記発明において前記他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標は、当該ショーケースの庫内温度と該庫内温度の設定温度との差、プルダウンに要した時間、該庫内温度の変動幅、及び、過熱度調整手段の動作状態のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせであることを特徴とする。
請求項8の発明のショーケース冷却装置は、上記各発明において制御手段は、所定のオイル回収運転、及び/又は、蒸発器の除霜運転により庫内温度が設定温度近傍にある安定状態から逸脱した場合、当該庫内温度が安定状態に復帰するまでPID演算を中断すると共に、該中断期間中は中断する直前の圧縮機の運転周波数を庫内温度と設定温度との差に基づいて補正することにより、圧縮機の運転周波数を制御することを特徴とする。
請求項9の発明のショーケース冷却装置は、上記各発明において制御手段は、ショーケースのプルダウンに要した時間に基づき、次回のプルダウンに要する時間を適切な時間とする方向で圧縮機の運転周波数を補正することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機から吐出された冷媒を複数台のショーケースに設けられた蒸発器に分配供給するショーケース冷却装置において、各ショーケースの庫内温度をそれぞれ検出する庫内温度センサと、圧縮機の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、各ショーケースのうちの最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、圧縮機の運転周波数を制御するための操作量、即ち、請求項2の発明では目標吹出温度、請求項3の発明では目標蒸発温度を算出するようにしたので、低圧圧力で制御する場合に比して各ショーケースの開閉弁や膨張弁等の動作の影響を受け難くなる。
これにより、圧縮機の運転状態の変動が抑制され、消費電力が低減される。一方で、各ショーケースのうち最も冷え難いショーケースの冷却は確実に行われることになるので、他のショーケースに対する過剰な圧縮機の能力によるエネルギーロスも解消される。これらにより、圧縮機における消費電力を抑制しながら、複数台のショーケースの全てを支障無く冷却することができるようになる。
特に、前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じて当該冷却状態を改善する方向で、PID演算で算出する操作量の変動範囲、及び/又は、数値帯、即ち、請求項2の発明では目標吹出温度の変動範囲、及び/又は、温度帯、請求項3の発明では目標蒸発温度の変動範囲、及び/又は、温度帯を変更する最適化制御を実行するようにしたので、例えば、請求項4の発明の如く制御手段が、前記最適化制御において前記最も冷え難いショーケースの庫内温度の変動範囲を狭め、及び/又は、庫内温度の平均値を設定温度に近づけることで、環境条件の変動に対応しながら、最も冷え難いショーケースの庫内温度の変動を抑えて省エネ化を実現することが可能となる。
この場合、請求項5の発明の如く前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標を、当該ショーケースの庫内温度と設定温度との差、該庫内温度の変動幅、蒸発温度と当該蒸発温度の所定の設定温度との差、該蒸発温度の変動幅、及び、圧縮機の運転/停止の頻度のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせとすることで、最も冷え難いショーケースの庫内冷却の最適化制御を的確に実現することが可能となる。
また、請求項6の発明の如く各ショーケースが、蒸発器に流入する冷媒を絞り、当該蒸発器から出る冷媒の過熱度を目標過熱度に調整する過熱度調整手段を備え、制御手段が、前記最も冷え難いショーケースの目標過熱度を規定値として当該ショーケースの過熱度調整手段を制御し、且つ、当該ショーケースの庫内温度に基づいて圧縮機の運転を制御し、他のショーケースの庫内温度に基づいて当該ショーケースの目標過熱度を設定し、当該ショーケースの過熱度調整手段を制御することにより、最も冷え難いショーケースによる圧縮機の制御と他のショーケースの過熱度調整手段の制御による全てのショーケースの庫内温度制御を円滑に行うことが可能となる。
特に、このとき他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じ、PID演算で算出する操作量、又は、圧縮機の運転周波数を補正することにより、施工要因や環境要因による他のショーケースの冷却不良や冷却過剰の発生を抑制若しくは防止し、他のショーケースの良好な冷却制御を実現することが可能となる。
この場合、請求項7の発明の如く前記他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標を、当該ショーケースの庫内温度と該庫内温度の設定温度との差、プルダウンに要した時間、該庫内温度の変動幅、及び、過熱度調整手段の動作状態のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせとすることで、当該他のショーケースの庫内冷却の改善を的確に実現することが可能となる。
また、請求項8の発明の如く制御手段が、所定のオイル回収運転、及び/又は、蒸発器の除霜運転により庫内温度が設定温度近傍にある安定状態から逸脱した場合、当該庫内温度が安定状態に復帰するまでPID演算を中断すると共に、該中断期間中は中断する直前の圧縮機の運転周波数を庫内温度と設定温度との差に基づいて補正することにより、圧縮機の運転周波数を制御するようにすれば、オイル回収運転や除霜運転を行ってショーケースの冷却状態が非安定状態となっているときにPID演算を行って制御状態が大きく変動してしまう不都合を未然に回避することができるようになる。
更に、請求項9の発明の如く制御手段が、ショーケースのプルダウンに要した時間に基づき、次回のプルダウンに要する時間を適切な時間とする方向で圧縮機の運転周波数を補正するようにすれば、環境条件(要因)や施工要因でプルダウンに要した時間が長くなった場合は次回のプルダウンに要する時間を短くし、短かった場合は長くするように圧縮機の運転周波数を補正することが可能となり、プルダウン時間の最適化による冷却状態の改善と省エネ化を図ることが可能となる。
本発明を適用した実施例のショーケース冷却装置の配管構成図である。 図1のショーケース冷却装置の冷凍機内の配管構成図である。 図1のショーケース冷却装置のショーケース内の配管構成図である。 図3の場合のショーケース冷却装置の制御構成図である。 図1のショーケース冷却装置のショーケース内のもう一つの配管構成図である。 図5の場合のショーケース冷却装置の制御構成図である。 図4、図6の主制御装置による圧縮機運転周波数、液電磁弁、電子膨張弁の制御ブロック図である。 図1のショーケース冷凍装置の各ショーケースの各制御設定値の規定値を示す図である。 図1のショーケース冷却装置の目標蒸発温度の初期値を説明する図である。 図1のショーケース冷却装置の目標蒸発温度の初期値を説明するもう一つの図である。 図1のショーケース冷却装置の目標蒸発温度の初期値を説明する更にもう一つの図である。 図4、図6の主制御装置による最適化制御を説明する図である。 図1のショーケース冷却装置のショーケースのショーケースの庫内温度の変化を説明する図である。 図1のショーケース冷却装置のショーケースのショーケースの庫内温度、蒸発温度(吹出温度)の算出方法を説明する図である。 図12の最適化制御による庫内温度の変化を示す図である。 図12の最適化制御による庫内温度の変化を示すもう一つの図である。 図4、図6の主制御装置による圧縮機運転周波数の補正を説明する図である。 図4、図6の主制御装置による圧縮機運転周波数の補正を説明するもう一つの図である。 図4、図6の主制御装置によるオイル回収運転を説明する図である。 図19のオイル回収運転における庫内温度と圧縮機運転周波数の変化を示す図である。 図4、図6の主制御装置により改善されたオイル回収運転における庫内温度と圧縮機運転周波数の変化を示す図である。 図21における圧縮機運転周波数の決定方法を説明する図である。 プルダウン運転における庫内温度と圧縮機運転周波数の変化を示す図である。 図4、図6の主制御装置により改善されたプルダウン運転における庫内温度と圧縮機運転周波数の変化を示す図である。 図24における圧縮機運転周波数の決定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1の配管構成図において、実施例のショーケース冷却装置1はコンビニエンスストア(店舗)の店内2に据え付けられた複数台のショーケース3A〜3Hを冷却するものである。店外には各ショーケース3A〜3Hと冷媒配管4、5により接続された冷凍機6が設置されており、これらショーケース3A〜3Hと冷凍機6によって実施例のショーケース冷却装置1が構成されている。
尚、ショーケース3A〜3Fはオープンショーケースであり、このうちショーケース3A、3C〜3Fは庫内(陳列室)にチルド食品(商品)を陳列して販売するもので、庫内は当該チルド食品の冷却に適した比較的低い冷蔵温度帯(0℃〜+5℃)に冷却される。ショーケース3Bは庫内(陳列室)に弁当(商品)を陳列して販売するもので、庫内は弁当の冷却に適した比較的高い温度の冷蔵温度帯(+15℃〜+20℃)に冷却される。また、ショーケース3Aと3Bは上記チルド食品の陳列と弁当の陳列に切り換えて使用できるオープンショーケースである。更に、図面では示さないが、冷凍食品やアイスクリームを冷凍状態(−20℃〜−25℃)で陳列する冷凍ショーケースも設置されているものとする。
他方、ショーケース3G、3Hは透明ガラス扉を備えて店舗の壁面に設置されたウォークインと称されるクローズドタイプのショーケースであり、庫内(陳列室)に前述同様のチルド食品(商品)を陳列して販売するもので、庫内は当該チルド食品の冷却に適した比較的低い冷蔵温度帯(0℃〜+5℃)に冷却されるものである。そして、各ショーケース3A〜3Hは冷媒配管4、5により冷凍機6に対して並列に接続されている。
図2は図1のうちの冷凍機6内の配管構成を示している。冷凍機6には、モータ7Mによって駆動される圧縮機7と、凝縮器8と、凝縮器用送風機9と、低圧圧力センサ11を含む各種センサ等が設けられている。そして、圧縮機7の吐出配管7D(高圧側)に凝縮器8の入口配管8Aが接続され、凝縮器8の出口配管8Bが店内2に向かう冷媒配管4に接続される。また、圧縮機7の吸込配管7S(低圧側)に店内2からの冷媒配管5が接続される。そして、凝縮器用送風機9は運転されて凝縮器8を空冷する。また、低圧圧力センサ11は圧縮機7の吸込配管7Sの冷媒圧力を検出するように設けられる。
(1)過熱度調整手段として液電磁弁と機械式膨張弁を使用した場合
一方、図3は図1のうちの各ショーケース3A〜3H内の配管構成を示している。この実施例のショーケース3A〜3Hには開閉弁としての液電磁弁12と、機械式膨張弁13と、蒸発器14と、冷気循環用送風機16と、庫内温度センサ17、吹出温度センサ18、吸込温度センサ19を含む各主センサ等が設けられている。尚、前記液電磁弁12と機械式膨張弁13がこの実施例における過熱度調整手段を構成する。
そして、液電磁弁12の出口に膨張弁13が接続され、膨張弁13の出口に蒸発器14が接続され、液電磁弁12の入口配管12Aが冷媒配管4に接続され、蒸発器14の出口配管14Aが冷媒配管5に接続される。前述したように各ショーケース3A〜3H内の液電磁弁12、膨張弁13及び蒸発器14の直列回路は、冷媒配管4、5間に並列に接続される。
冷気循環用送風機16は庫内21の冷気を吸い込んで蒸発器14と熱交換させ、庫内21に吹き出すことにより、庫内21を前述した冷蔵温度帯に冷却する。また、庫内温度センサ17は庫内21の温度(庫内温度)を検出し、吹出温度センサ18は庫内21に吹き出される冷気の温度(吹出温度)を検出し、吸込温度センサ19は庫内21から冷気循環用送風機16に吸い込まれる冷気の温度(吸込温度)を検出するように設けられる。
このような配管構成により、冷凍機6の圧縮機7、凝縮器8と、ショーケース3A〜3Hの膨張弁13、蒸発器14は周知の冷媒回路22を構成する。実施例の冷凍機6の圧縮機7のモータ7Mはその運転周波数が制御される。この圧縮機7が運転されると、圧縮されて高温高圧となったガス冷媒が凝縮器8に流入し、そこで凝縮器用送風機9により空冷されて凝縮する。凝縮器8で凝縮した冷媒(液冷媒)は、冷媒配管4を経て店内2に至り、そこから各ショーケース3A〜3Hに分配供給される。
各ショーケース3A〜3Hに流入した液冷媒は液電磁弁12を経て膨張弁13に至り、そこで絞られて減圧され、蒸発器14に流入する。蒸発器14に流入した冷媒はそこで蒸発し、そのときに生じる吸熱作用で冷却効果を発揮する。そして、蒸発器14を出た冷媒は冷媒配管5を経て冷凍機6に戻り、圧縮機7に吸い込まれる循環を繰り返す。
この実施例の機械式膨張弁13は、蒸発器14の出口配管14Aの温度に応じて伸縮するベローズ(図示せず)の作用によりその絞り度合いを自立して制御し、蒸発器14から出る冷媒の過熱度を予め設定された規定値(液バックしない値。例えば10Kの固定過熱度。下限値は5K)に調整するものである。それにより、蒸発器14への冷媒供給を調整し、圧縮機7への液バックを防止する。
次に、図4はショーケース冷却装置1の制御構成を示している。各図において23は主制御装置である。この主制御装置23は店舗の管理室等に設置されて冷凍機6及び各ショーケース3A〜3Hの運転を集中制御するものである。冷凍機6及び各ショーケース3A〜3Hにも冷凍機制御装置24、ショーケース制御装置26がそれぞれ設けられ、それらは通信線27により主制御装置23に接続されている。主制御装置23、冷凍機制御装置24、ショーケース制御装置26は何れもマイクロコンピュータから構成されており、これらが実施例のショーケース冷却装置1の制御手段を構成する。
各ショーケース制御装置26には例えば101〜108までの個別の識別番号(ID)が付与され、冷凍機制御装置24には301の識別番号(ID)が付与されている。主制御装置23はこれらのIDで各ショーケース制御装置26、冷凍機制御装置24を識別し、各ショーケース制御装置26からは当該ショーケース3A〜3Hの庫内温度や吹出温度、吸込温度に関するデータ等を受信する。そして、主制御装置23からは各ショーケース3A〜3Hのショーケース制御装置26に液電磁弁12の開閉指示に関するデータ等が送信されると共に、冷凍機6の冷凍機制御装置24には目標低圧圧力や圧縮機7の目標運転周波数等の目標値指示に関するデータ等が送信される。
また、主制御装置23には温度/湿度センサ28が接続されている。この温度/湿度センサ28は店内2の温度/湿度を検出する。主制御装置23は温度/湿度センサ28が検出した店内2の温度/湿度データに基づいて店内2のエンタルピを算出し、冷媒回路22の目標低圧圧力を設定する。但し、この目標低圧圧力は店内エンタルピに限らず、他の方法で決定してもよく、予め決定した固定値でもよい。
尚、この目標低圧圧力は、全てのショーケース3A〜3Hを十分冷却可能な値に設定されるものである。また、主制御装置23では各ショーケース3A〜3Hの庫内温度の設定温度を入力可能とされ、各ショーケース3A〜3Hの庫内温度等のデータも確認可能とされており、これにより、主制御装置23を用いた店舗におけるショーケース3A〜3Hの集中管理を実現している。
上記の如き構成で、次にこの実施例の場合のショーケース冷却装置1の基本的な動作を説明する。先ず、主制御装置23は各ショーケース制御装置26から受信した庫内温度(庫内温度センサ17が検出)を常時監視しており、各ショーケース3A〜3Hの庫内温度の設定温度と比較して、それらの冷え具合を監視している。そして、各ショーケース3A〜3Hのうち、最も冷え難いショーケースを判別している。
例えば、他のショーケースに比してショーケース3G、3Hの液電磁弁12が継続して開放されているにも拘わらず、その庫内温度が設定温度になるまでの長時間を要し、或いは、庫内温度が設定温度以上となる状態が長く続いている場合等には、主制御装置23がショーケース3G、3Hを最も冷え難いショーケースとして決定する。尚、このように二台のショーケースに限らず、一台のショーケースの場合もある。
このようにショーケース3G、3Hを最も冷え難いショーケースとして決定された場合、主制御装置23はショーケース3G、3Hのショーケース制御装置26に指示を送信して液電磁弁12を100%開放状態とする。これにより、ショーケース3G、3Hの蒸発器14には膨張弁13で絞られた液冷媒が常時供給される状態となる(稼働率100%)。また、主制御装置23はショーケース3G、3Hの庫内温度に基づいて冷凍機6の圧縮機7(モータ7M)の運転周波数(停止を含む)を制御し、ショーケース3G、3Hの庫内温度を設定温度に制御する。
その場合の具体的な制御方式を図7に基づいて説明する。先ず、主制御装置23はショーケース3G、3Hの庫内温度センサ17が検出する庫内温度と設定温度(目標値)とを比較し、それらの偏差e1をPID演算部31でPID演算することでこの場合の操作量としての目標吹出温度を決定する。次に、このショーケース3G、3Hの吹出温度センサ18が検出する吹出温度と目標吹出温度とを比較し、それらの偏差e2をPID演算部32でPID演算することで圧縮機7の目標運転周波数(操作量)を決定する。
決定された目標運転周波数は主制御装置23から冷凍機6の冷凍機制御装置24に指示される。冷凍機制御装置24は受信した目標運運転周波数となるように圧縮機7(モータ7M)の運転周波数を制御する。ここで、圧縮機7の運転周波数の変更により蒸発器14における冷却効果が変化した場合、ショーケース3G、3Hの庫内温度の変化は緩やかであるが、吹出温度の変化は急峻となる。そのため、実施例のように変化が緩やかな庫内温度と変化が急峻な吹出温度とを層別してPID演算部31、32にてそれぞれのPID演算を行えば、圧縮機7からショーケース3G、3Hの蒸発器への冷媒供給のタイムラグが少なくなる。
一方、ショーケース3G、3Hよりも冷え易い他のショーケース3A〜3Fについて主制御装置23は、各ショーケース3A〜3Fの庫内温度センサ17が検出する庫内温度と設定温度に基づいて目標過熱度を決定する。この目標過熱度の決定に際しても、主制御装置23は同様に図7のPID演算を行う。但し、この場合のPID演算部32の操作量となるものは当該ショーケース3A〜3Fの目標過熱度となる。即ち、庫内温度が設定温度よりも高い場合には目標過熱度は小さくなり、低い場合には大きくなる。
主制御装置23は決定した目標過熱度と膨張弁13の過熱度の既定値(固定過熱度の10K)とに基づき、各ショーケース3A〜3Fの液電磁弁12の開閉率を演算して算出する。例えば、ショーケース3Bの目標過熱度が12.5Kであった場合、液電磁弁12の開閉率(即ち、稼働率)は80%となる。主制御装置23は決定した各ショーケース3A〜3Fに関する開閉率に基づいて液電磁弁12の開閉に関する指示を各ショーケース制御装置26に送信する。ショーケース制御装置26は受信した開閉指示に基づいて液電磁弁12を開閉(オンオフ)することで、ショーケース3A〜3Fの庫内温度を設定温度に制御する。
このように、主制御装置23が各ショーケース3A〜3Hのうちの最も冷え難いショーケースの庫内温度に基づいて圧縮機7の運転を制御するようにしたので、低圧圧力で制御する場合に比して各ショーケース3A〜3Hの液電磁弁12の動作の影響を受け難くなる。これにより、圧縮機7の運転状態の変動が抑制され、消費電力が低減される。一方で、各ショーケース3A〜3Hのうち最も冷え難いショーケース(実施例では3G、3H)の冷却は確実に行われることになるので、他のショーケース(実施例では3A〜3F)に対する過剰な圧縮機7の能力によるエネルギーロスも解消される。これらにより、圧縮機7における消費電力を抑制しながら、複数台のショーケース3A〜3Hの全てを支障無く冷却することができるようになる。
特に、この実施例のように膨張弁13として機械式膨張弁を採用している場合には、主制御装置23が、最も冷え難いショーケース(実施例では3G、3H)の庫内温度に基づいて圧縮機7の運転を制御すると共に、他のショーケース(実施例では3A〜3F)の庫内温度に基づいて当該ショーケースの目標過熱度を設定し、この目標過熱度と規定値(固定過熱度)に基づいて液電磁弁12の開閉率を算出して開閉することにより、最も冷え難いショーケースによる圧縮機7の制御と他のショーケースの液電磁弁12の制御による全てのショーケース3A〜3Hの庫内温度制御を円滑に行うことが可能となる。これにより、前述した温度/湿度センサ28による店内エンタルピに基づいた目標低圧圧力の設定制御が不要となる効果もある。
尚、前述した如く主制御装置23は、各ショーケース3A〜3Hの冷却状態を常に監視し、そのうち最も冷え難いショーケースを判別している。そして、現在その庫内温度に基づいて圧縮機7の運転周波数を制御しているショーケース3G、3Hより冷え難い他のショーケースが存在する場合は、当該他のショーケースを最も冷え難いショーケースに決定し、その庫内温度に基づいて圧縮機7の運転を制御する状態に切り換える。これにより、各ショーケース3A〜3Hの陳列商品(負荷)の量や環境の変化等によって最も冷え難いショーケースに入れ替わりが生じた場合にも、支障無く運転状態を切り換えることが可能となる。
但し、主制御装置23は上記のような最も冷え難いショーケースの判別を、各ショーケース3A〜3Hの庫内温度が安定しているときのみ実行する。即ち、各ショーケース3A〜3Hの除霜(一日に4回実行)中やプルダウン運転中には係る最も冷え難いショーケースの判別を行なわず、除霜前の制御状態を維持する。これにより、誤判定の発生を回避する。
(2)過熱度調整手段として電子式膨張弁を使用した場合
次に、ショーケース3A〜3Hの膨張弁として例えばステッピングモータで動作する電子式膨張弁(電動膨張弁)を使用した場合の制御について説明する。図5はその場合のショーケース3A〜3H内の配管構成図、図6は制御構成図である。尚、各図において図3、図4と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。
この場合、各ショーケース3A〜3Hには機械式膨張弁の代わりに電子式膨張弁(電動膨張弁)33が採用されている。この電子式膨張弁33がこの実施例における過熱度調整手段となる。また、蒸発器の入口配管14Bと出口配管14Aにはそれぞれ蒸発器入口温度センサ36、蒸発器出口温度センサ37が設けられ、蒸発器14に入る冷媒の温度と蒸発器14から出る冷媒の温度を検出する。そして、それらの出力はショーケース制御装置26を介して主制御装置23に送信され、それらの温度差から主制御装置23は蒸発器14の過熱度を算出する。また、膨張弁33の弁開度はショーケース制御装置26を介して主制御装置23により制御される構成とされている。
次に、この実施例の場合の基本的な動作を説明する。この場合も主制御装置23は各ショーケース制御装置26から受信した庫内温度(庫内温度センサ17が検出)を常時監視しており、各ショーケース3A〜3Hの庫内温度の設定温度と比較して、それらの冷え具合を監視している。そして、各ショーケース3A〜3Hのうち、最も冷え難いショーケースを判別している。例えば、他のショーケースに比してショーケース3G、3Hの膨張弁33の弁開度が継続して大きい状態であるにも拘わらず、その庫内温度が設定温度になるまで長時間を要し、或いは、庫内温度が設定温度以上となる状態が長く続いている場合等には、主制御装置23がショーケース3G、3Hを最も冷え難いショーケースとして決定する。尚、このように二台のショーケースに限らず、一台のショーケースの場合もある。
このようにショーケース3G、3Hを最も冷え難いショーケースとして決定された場合、主制御装置23はショーケース3G、3Hのショーケース制御装置26に指示を送信して膨張弁33の弁開度を、蒸発器14の過熱度が規定値(例えば10K)となるように制御する。また、主制御装置23はショーケース3G、3Hの庫内温度に基づいて冷凍機6の圧縮機7(モータ7M)の運転周波数(停止を含む)を制御する。その場合の具体的な制御方式は図7と同様である。これにより、ショーケース3G、3Hの庫内温度を設定温度に制御する。
一方、ショーケース3G、3Hよりも冷え易い他のショーケース3A〜3Fについて主制御装置23は、各ショーケース3A〜3Fの庫内温度センサ17が検出する庫内温度と設定温度に基づいて目標過熱度を決定する。この目標過熱度の決定に際しても、主制御装置23は同様に図7のPID演算を行う。但し、この場合のPID演算部32の操作量となるものは当該ショーケース3A〜3Fの目標過熱度となる。即ち、庫内温度が設定温度よりも高い場合には目標過熱度は小さくなり、低い場合には大きくなる。
主制御装置23は各ショーケース3A〜3Fの蒸発器14の過熱度が、決定した目標過熱度となるように膨張弁33の目標弁開度を決定する。主制御装置23は決定した各ショーケース3A〜3Fに関する目標弁開度に基づいて膨張弁33の弁開度に関する指示を各ショーケース制御装置26に送信する。ショーケース制御装置26は受信した目標弁開度に基づいて膨張弁33の弁開度を制御する。尚、液電磁弁12は開放状態とする。これにより、ショーケース3A〜3Fの庫内温度を設定温度に制御する。また、実施例では膨張弁33の前段に液電磁弁12を設けているが、電子膨張弁である膨張弁33は全閉も可能であるので、制御追従性によっては液電磁弁12は削除しても良い。更に、複数の膨張弁33が全閉となった状態からそれらが開放されるときには、そのタイミングが異なるように制御することで、前述同様に圧縮機7の運転状態の変動を抑制することができる。
このように、この実施例の如くショーケース3A〜3Hが膨張弁として電子膨張弁33を採用している場合には、主制御装置23が、最も冷え難いショーケース3G、3Hの目標過熱度を規定値として当該ショーケース3G、3Hの膨張弁33の弁開度を制御し、且つ、当該ショーケース3G、3Hの庫内温度に基づいて圧縮機7の運転を制御すると共に、他のショーケース3A〜3Fの庫内温度に基づいて当該ショーケース3A〜3Fの目標過熱度を設定し、当該ショーケース3A〜3Fの膨張弁33の弁開度を制御することにより、最も冷え難いショーケース3G、3Hによる圧縮機7の制御と他のショーケース3A〜3Fの膨張弁33の制御による全てのショーケース3A〜3Hの庫内温度制御を円滑に行うことが可能となる。
(3)主制御装置23による最も冷え難いショーケース3G、3Hの冷却の最適化制御
次に、上記各実施例で主制御装置23が行う前記最も冷え難いショーケース3G、3Hの冷却の最適化制御について、図8〜図16を参照して説明する。図8には図1の各ショーケース3A〜3Hの各制御設定値の規定値を示す。前述した如くショーケース3A、3Bはチルドと弁当の温度帯で切換使用可能とされており、チルドの場合の設定温度の既定値は+5℃、弁当の場合の設定温度の既定値は+18℃である。
(3−1)各既定値及び初期値
各ショーケース3A〜3Hの蒸発器14における冷媒の過熱度の既定値である過熱度制御基本値、過熱度制御の上限値、過熱度制御の下限値は、チルドの場合はそれぞれ10K、15K、5Kであり、弁当の場合はそれぞれ15K、20K、10Kとされている。また、ウォークインショーケースであるショーケース3G、3Hは冷え難いため、実際には過熱度5Kで固定される。
次に、図9は主制御装置23が決定する蒸発器14における冷媒の目標蒸発温度の初期値の一例を示している。この場合は季節で初期値を決定するもので、夏期(カレンダ日付6月16日〜9月15日、店外温度(外気温度)+28℃)の目標蒸発温度の初期値は、前記電子膨張弁33を用いた場合には−4.0℃〜−3.0℃、前記液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合には−7.0℃〜−6.0℃とされ、冬期(カレンダ日付12月16日〜3月15日、店外温度+8℃)の目標蒸発温度の初期値は、前記電子膨張弁33を用いた場合には−0.0℃〜+1.0℃、前記液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合には−3.0℃〜−2.0℃とされる。
また、それ以外の中間期(カレンダ日付3月16日〜6月15日、9月16日〜12月15日、店外温度+18℃)の目標蒸発温度の初期値は、前記電子膨張弁33を用いた場合には−2.0℃〜−1.0℃、前記液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合には−5.0℃〜−4.0℃とされる。即ち、液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いる場合には蒸発温度を低めに設定する。
尚、目標蒸発温度の初期値の決定方法についてはこれ以外に、図10に示すように直線近似で数式化したものから店外温度に基づいて求めても良い。この場合、L1が電子膨張弁33を用いた場合、L2が液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合となる。
また、それ以外にも図11に示すように店外温度と目標蒸発温度のデータテーブルを作成しておいて、店外温度に基づき、データテーブルから目標蒸発温度を抽出するようにしてもよい。この場合、例えば店外温度+29℃のときは、電子膨張弁33を用いた場合は−4.0℃〜−3.0℃、液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合は−7.0℃〜−6.0℃が抽出され、店外温度+18℃のときは、電子膨張弁33を用いた場合は−2.0℃〜−1.0℃、液電磁弁12と機械式膨張弁13を用いた場合は−5.0℃〜−4.0℃が抽出されることになる。
(3−2)最も冷え難いショーケース3G、3Hの冷却の最適化制御
主制御装置23は以上のように各既定値及び初期値を設定して前述した各実施例の制御を開始するものであるが、制御を開始した後は、図12に示す判定方法に基づいて最も冷え難いショーケース3G、3Hの冷却の最適化制御を実行する。図12の条件I〜条件IVは、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却状態を示す指標である(尚、図12の各条件は、全て用いなくとも、それらの何れか、又は、組み合わせでもよい)。即ち、条件Iはショーケース3G、3Hの庫内温度とその設定温度との差分(庫内温度−設定温度)であり、差分が+1.0K以上のときは庫内温度は「高い」、+1.0K未満−1.0K以上のときは庫内温度は「適温」、−1.0K未満のときは庫内温度は「低い」と判定する。
ここで、各ショーケース3A〜3Hの庫内温度センサ17が検出する庫内温度は除霜(温度上昇)−プルダウン運転(温度低下)−安定状態(サイクル運転)に渡って図13に示すような変化を示す(図13では例えば四台分を示している)。前述したように除霜は一日に4回行われるので、この除霜から次回の除霜までの6時間が1周期となる。
また、最も冷え難いショーケース3G、3Hのサイクル運転中(安定状態)、庫内温度や蒸発器入口温度センサ36が検出する蒸発器14の冷媒の蒸発温度、吹出温度センサ18が検出する冷気の吹出温度は、一つの庫内に蒸発器14が一つある場合では図14の上段に示すように平均と最大値、最小値が決められる。図12の条件Iでの庫内温度はこのうちの平均を用いる。但し、一つの庫内に蒸発器14が二つある場合の蒸発温度や吹出温度は、図14の中段に示すように平均と最大値(高い方)、最小値(低い方)が決められる。
尚、図14の下段は冷え易い他のショーケース3A〜3Fのサイクル運転中(安定状態)の庫内温度、蒸発温度、吹出温度の平均と最大値、最小値の決定方法を示しており、各ショーケース3A〜3Fのうちの最も高いものが最大値、最も低いものが最小値、全ての平均値が平均とされるものとする。
次に、図12の条件IIは庫内温度の変動幅であり、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度の最大値−最小値で算出される。そして、庫内温度の変動幅が1.0K以上のときは「大きい」、変動幅が1.0K未満のときには「小さい」と判定する。
次に、図12の条件IIIは蒸発温度の差分であり、最も冷え難いショーケース3G、3Hの蒸発温度とその設定温度(目標蒸発温度)の差分(蒸発温度−設定温度)で算出される。そして、蒸発温度の差分が1.0K以上のときは蒸発温度は「高い」、+1.0K未満−1.0K以上のときは蒸発温度は「適温」、−1.0K未満のときは蒸発温度は「低い」と判定する。
次に、図12の条件IVは蒸発温度の変動幅であり、最も冷え難いショーケース3G、3Hの蒸発温度の最大値−最小値で算出される。そして、蒸発温度の変動幅が2.0K以上のときは「大きい」、変動幅が2.0K未満のときには「小さい」と判定する。
そして、主制御装置23は前記1周期中のプルダウン運転後の安定状態において測定された庫内温度や蒸発温度等に基づき、これら条件I〜IVの判断を行う。この判断項目iは冷却状態であり、不足/適度/過剰の三段階で判断する。判断項目iiは圧縮機7の運転/停止の断続動作であり、多い/あり/まれ/なしの四段階で判断する。判断項目iiiは制御状態であり、安定/変動の二種類で判断する。判断項目ivは変動影響であり、大/中/小の三段階で判断する。この判断結果に基づいて、次回の1周期での図7のPID演算部31でのPID演算で算出する目標吹出温度(操作量:PID値)の上限と下限を変更する。
例えば、最も冷え難いショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「高い」、条件IIの庫内温度変動幅が「大きい」、条件IIIの蒸発温度差分が「高い」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「不足」、判断項目iiの断続動作が「多い」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「大」であり、「温度帯高い」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−1.0Kし(1.0K下げる)、下限も−1.0Kする(1.0K下げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が高く、庫内温度の変動幅も大きく、蒸発温度も高く、蒸発温度の変動幅も大きい場合、温度帯が高く、温度帯の範囲は広いと判断する。そして、この場合は温度帯が高いことが問題であるので、商品の品質劣化を防止するため、目標吹出温度の温度帯を1.0K低下(大きく平行移動)させる。これにより、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却能力を大きく増大させて庫内温度を低下させ、設定温度に近づけて商品の品質劣化の防止を図る。この様子が図15に示される。図15の左側の1周期で測定した庫内温度や蒸発温度に基づき、次回の1周期における庫内温度の温度帯が低下(平行移動)していることが分かる。
一方、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「不足」、判断項目iiの断続動作が「あり」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「中」であり、「温度帯下限が高い」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を維持、下限も−1.0Kする(1.0K下げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が高く、庫内温度の変動幅も大きく、蒸発温度も高く、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯の下限が高く、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の上限を維持したまま、下限を1.0K低下(範囲を下に大きく拡大)させる。これにより、吹出温度がより低下するように変動範囲を拡大することで、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却不足状態を改善する。
また、ショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「高い」、条件IIの庫内温度変動幅が「小さい」、条件IIIの蒸発温度差分が「高い」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「不足」、判断項目iiの断続動作が「まれ」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯高い」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−0.5Kし(0.5K下げる)、下限も−0.5Kする(0.5K下げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が高く、庫内温度の変動幅は小さく、蒸発温度が高く、蒸発温度の変動幅が大きい場合、温度帯が高く、温度帯の範囲も広いと判断するが、この場合は変動影響が小さいので前述よりは小さく目標吹出温度の温度帯を0.5K低下(小さく平行移動)させる。これにより、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却能力を増大させ、庫内温度を低下させて設定温度に近づけ、商品の品質劣化防止を図る。
また、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「不足」、判断項目iiの断続動作が「なし」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯下限が高い」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を維持、下限を−0.5Kする(0.5K下げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が高く、庫内温度の変動幅が小さく、蒸発温度が高く、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯の下限が高く、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の上限を維持したまま、下限をこの場合は前述より小さく0.5K低下(従って範囲は下に小さく拡大)させる。これにより、吹出温度がより小さく低下するように変動範囲を小さく拡大することで、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却不足状態を改善する。
また、最も冷え難いショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「適温」、条件IIの庫内温度変動幅が「大きい」、条件IIIの蒸発温度差分が「適温」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「適度」、判断項目iiの断続動作が「あり」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「中」であり、「温度帯不明」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−1.0Kし(1.0K下げる)、下限は+1.0Kする(1.0K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が適温で、庫内温度の変動幅は大きく、蒸発温度も適温で、蒸発温度の変動幅も大きい場合、温度帯不明、温度帯の範囲は広いと判断して目標吹出温度の変動範囲を2.0K狭める(大きく狭める)。これにより、目標吹出温度の変動範囲を大きく狭め、ショーケース3G、3Hの庫内の温度変動の縮小を図る。この様子が図16に示される。図16の左側の1周期で測定した庫内温度や蒸発温度に基づき、次回の1周期における庫内温度の変動が狭められている(変動範囲縮小)していることが分かる。
一方、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「適度」、判断項目iiの断続動作が「まれ」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯適温」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−0.5K(0.5K下げる)し、下限は+0.5Kする(0.5K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が適温で、庫内温度の変動幅は大きく、蒸発温度も適温で、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯は適温で、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の変動範囲を1.0K狭める(小さく狭める)。これにより、目標吹出温度の変動範囲を小さく狭め、ショーケース3G、3Hの庫内の温度変動の縮小を図る。
また、ショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「適温」、条件IIの庫内温度変動幅が「小さい」、条件IIIの蒸発温度差分が「適温」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「適度」、判断項目iiの断続動作が「なし」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯適温」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−0.5K(0.5K下げる)し、下限は+0.5Kする(0.5K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が適温で、庫内温度の変動幅は小さく、蒸発温度も適温で、蒸発温度の変動幅は大きい場合も、温度帯は適温で、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の変動範囲を1.0K狭める(小さく狭める)。これにより、目標吹出温度の変動範囲を小さく狭め、ショーケース3G、3Hの庫内の温度変動の縮小を図る。
また、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「適度」、判断項目iiの断続動作が「なし」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯適温」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を−0.1K(0.1K下げる)し、下限は+0.1Kする(0.1K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が適温で、庫内温度の変動幅は小さく、蒸発温度も適温で、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯は適温で、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の変動範囲を0.2K狭める(少許狭める)。これにより、目標吹出温度の変動範囲を少許狭め、ショーケース3G、3Hの庫内の温度変動の縮小を図る。
このように、庫内温度の差分の判断が「適温」であるときは、主制御装置23は目標吹出温度(操作量)の変動範囲を狭くする方向で最適化制御を実行することにより、庫内温度の変動による消費電力の増大を防止する方向で制御する。
また、最も冷え難いショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「低い」、条件IIの庫内温度変動幅が「大きい」、条件IIIの蒸発温度差分が「低い」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「過剰」、判断項目iiの断続動作が「多い」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「大」であり、「温度帯低い」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を+1.0Kし(1.0K上げる)、下限も+1.0Kする(1.0K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が低く、庫内温度の変動幅が大きく、蒸発温度も低く、蒸発温度の変動幅も大きい場合、温度帯が低く、温度帯の範囲が広いと判断して目標吹出温度の温度帯を1.0K上昇(大きく平行移動)させる。この場合は庫内が過剰に冷却されているので、商品品質の維持と消費電力削減の目的で目標吹出温度の温度帯を大きく上昇させる。これにより、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却能力を大きく減少させて庫内温度を上昇させ、設定温度に近づけて冷却過剰状態の解消を図る。
一方、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「過剰」、判断項目iiの断続動作が「あり」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「中」であり、「温度帯上限が低い」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を+1.0Kし(1.0K上げる)、下限は維持する。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が低く、庫内温度の変動幅が大きく、蒸発温度も低く、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯の上限が低く、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の下限を維持したまま、上限を1.0K上昇(従って範囲は上に大きく拡大)させる。これにより、吹出温度がより上昇するように変動範囲を拡大し、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却過剰状態を改善する。
また、ショーケース3G、3Hにおいて、条件Iの庫内温度差分が「低い」、条件IIの庫内温度変動幅が「小さい」、条件IIIの蒸発温度差分が「低い」、条件IVの蒸発温度変動幅が「大きい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「過剰」、判断項目iiの断続動作が「まれ」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯低い」、「温度帯の範囲広い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の上限を+0.5Kし(0.5K上げる)、下限も+0.5Kする(0.5K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が低い、庫内温度の変動幅は小さく、蒸発温度も低い、蒸発温度の変動幅が大きい場合、温度帯が低く、温度帯の範囲も広いと判断するが、この場合は変動影響が小さいので前述よりは小さく目標吹出温度の温度帯を0.5K上昇(小さく平行移動)させる。これにより、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却能力を減少させて庫内温度を上昇させ、設定温度に近づけて冷却過剰状態を解消する。
また、条件I、II、IIIが上記と同じで条件IVの蒸発温度変動幅が「小さい」場合、主制御装置23は判断項目iの冷却状態が「過剰」、判断項目iiの断続動作が「なし」、判断項目iiiは安定状態、判断項目ivの変動影響は「小」であり、「温度帯上限が低い」、「温度帯の範囲狭い」と判断し、目標吹出温度(操作量)の下限を維持、上限を+0.5Kする(0.5K上げる)。
即ち、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が低く、庫内温度の変動幅が小さく、蒸発温度も低く、蒸発温度の変動幅は小さい場合、温度帯の上限が低く、温度帯の範囲が狭いと判断して目標吹出温度の下限を維持したまま、上限をこの場合は前述より小さく0.5K上昇(従って範囲は小さく拡大)させる。これにより、吹出温度がより小さく上昇するように変動範囲を小さく拡大することで、ショーケース3G、3Hの庫内の冷却過剰状態を改善する。
このように主制御装置23は最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内の冷却状態を示す指標(条件I〜IV)に応じてショーケース3G、3Hの庫内の冷却状態を改善する方向で、PID演算部31でのPID演算で算出する目標吹出温度(操作量)の変動範囲や温度帯(数値帯)を変更する最適化制御を実行する。そして、主制御装置23はこの最適化制御において最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度の変動範囲を狭め、庫内温度(平均値)を設定温度(設定値)に近づけることにより、ショーケース3G、3Hの冷却状態を改善するので、店内外の環境条件の変動に対応しながら、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度の変動を抑えて省エネ化を実現することが可能となる。
特に、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内の冷却状態を示す指標として、庫内温度と設定温度(設定値)との差、庫内温度の変動幅、蒸発温度と当該蒸発温度の設定温度(設定値)との差、該蒸発温度の変動幅、及び、圧縮機7の運転/停止の頻度を採用しているので、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内冷却の最適化制御を的確に実現することが可能となる。
(4)主制御装置23による他のショーケース3A〜3Fによる圧縮機7の運転周波数の補正
次に、図17及び図18を参照しながら、主制御装置23による圧縮機7の目標運転周波数の補正制御について説明する。主制御装置23は前述した各実施例の制御と最も冷え難いショーケース3G、3Hの冷却の最適化制御を実行しているが、それに加えて、他のショーケース3A〜3F(冷え易いショーケース)の庫内の冷却状態を示す指標に応じて、これらショーケース3A〜3Fの冷却状態を改善する方向で、PID演算部32でPID演算される圧縮機7の目標運転周波数(操作量)に補正を加える。
具体的には、図17の左側に示すようにショーケース3A〜3Fの除霜運転後のプルダウン運転完了までの時間や、図17の右側に示すようにショーケース3A〜3Fの庫内温度と設定温度との差が、この実施例における庫内の冷却状態を示す指標となる。また、主制御装置23は、このプルダウン運転完了までの時間(変化量)と圧縮機7の目標運転周波数の補正量との関係を示すテーブル(図18の左側)と、庫内温度と設定温度との差と圧縮機7の目標運転周波数の補正量との関係を示すテーブル(図18の右側)を保有している。
(4−1)プルダウンに要した時間による補正
そして、主制御装置23は、各ショーケース3A〜3Fのプルダウン運転完了までの時間が前回より例えば2min遅くなった場合、次回の1周期でのプルダウン運転中にPID演算部32で算出された目標運転周波数に+2Hzする。即ち、プルダウン運転での圧縮機7の運転周波数を2Hz上げる補正を加える。逆に、プルダウン運転完了までの時間が2min早くなった場合、次の1周期でのプルダウン運転中の目標運転周波数に−2Hzし、圧縮機7の運転周波数を2Hz下げる補正を加える。
即ち、プルダウン運転が長いときは施工要因や環境要因(環境条件)で、ショーケース3A〜3Fの庫内の冷却状態が悪化(不足)していると判断して、次回のプルダウン運転中の圧縮機7の運転周波数を上げ、短かったときは逆に冷却過剰の方向に悪化していると判断して、次回のプルダウン運転中の圧縮機7の運転周波数を下げる。これにより、プルダウン時間は適切な時間に補正・維持されていくことになる。
(4−2)サイクル運転における補正
また、主制御装置23は、各ショーケース3A〜3Fのサイクル運転中(安定状態)の庫内温度(図14の下段のように1周期でのサイクル運転中の平均で決定)と設定温度との差が例えば1.0Kであった場合、次の1周期でのサイクル運転中にPID演算部32で算出された目標運転周波数に+2Hzする。即ち、サイクル運転での圧縮機7の運転周波数を2Hz上げる補正を加える。逆に、庫内温度と設定温度との差が−1.0Kであった場合、次の1周期でのサイクル運転中の目標運転周波数に−2Hzし、圧縮機7の運転周波数を2Hz下げる補正を加える。
即ち、庫内温度が設定温度より高く差が大きいときは施工要因や環境要因で、ショーケース3A〜3Fの庫内の冷却状態が悪化(不足)していると判断して、次回のサイクル運転中の圧縮機7の運転周波数を上げ、庫内温度が設定温度より低く差が大きいときは逆に冷却過剰の方向に悪化していると判断して、次回のサイクル運転中の圧縮機7の運転周波数を下げる。
このように、主制御装置23は他のショーケース3A〜3Fの庫内の冷却状態を示す指標(庫内温度と設定温度との差、プルダウン運転完了までの時間)に応じて、これらショーケース3A〜3Fの冷却状態を改善する方向で、PID演算部32で算出する圧縮機7の目標運転周波数(操作量)を補正するので、施工要因や環境要因による他のショーケース3A〜3Fの冷却不良や冷却過剰の発生を抑制若しくは防止し、他のショーケース3A〜3Fの良好な冷却制御を実現することが可能となる。
また、主制御装置23は他のショーケース3A〜3Fのプルダウン運転に要した時間に基づき、次回のプルダウン運転に要する時間を適切な時間とする方向で圧縮機7の目標運転周波数を補正するので、プルダウン時間の最適化による冷却状態の改善と省エネ化を図ることが可能となる。ここで、実施例では他のショーケース3A〜3Fのプルダウン運転に要した時間で圧縮機7の目標運転周波数を補正するようにしたが、最も冷え難いショーケース3G、3Hのプルダウン運転に要した時間で行っても良い。
尚、この実施例では他のショーケース3A〜3Fの庫内の冷却状態を示す指標として、当該ショーケース3A〜3Fの庫内温度と設定温度との差、及び、プルダウン時間を採り上げたが、それらの代わりに、或いは、それらに組み合わせて、庫内温度の変動幅や、液電磁弁12及び電子式膨張弁33の動作状態を採用してもよく、それによって、他のショーケース3A〜3Fの庫内冷却の改善を的確に実現することが可能となる。
また、実施例ではPID演算部32で算出された操作量である圧縮機7の目標運転周波数を補正するようにしたが、PID演算部31で算出された目標吹出温度(操作量)に、ショーケース3A〜Fの冷却状態を改善する方向で、補正を加えるようにしてもよい。
(5)オイル回収運転時の制御
ここで、主制御装置23は約1時間(図19に星印で示すタイミング)に1回オイル回収運転を実行する。このオイル回収運転とは、冷媒回路22中に流出した圧縮機7のオイルを当該圧縮機7に回収する運転であり、その方法は、先ず圧縮機7を一旦停止させ、液電磁弁12や電子式膨張弁33を開き、冷媒回路22内の圧力が上がったところで、圧縮機7を高い運転周波数(例えば69Hz等)で所定時間運転し、勢いでオイルを圧縮機7に戻すものである。
このオイル回収運転では、運転周波数の指示値に追従することなく、圧縮機7を所定時間停止してから高い運転周波数で所定時間運転するため、その間にも前述したPID演算部31、32によるPID演算を行うと、運転周波数の指示値が蓄積されることにより、オイル回収運転後の圧縮機7の運転周波数と庫内温度が図20に示すように大きく変動してしまうことになる。
そこで、主制御装置23はこのオイル回収運転中に、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が安定状態から逸脱した時点で、上記PID演算部31、32によるPID演算を中断する。この場合、主制御装置23は庫内温度が設定温度の上下所定範囲内(例えば、設定温度プラスマイナス2K等。即ち、設定温度の近傍)にある場合に安定状態とし、それより上下に逸脱した時点でPID演算を中断する。尚、冷凍機6からオイル回収運転中という情報が入手できれば、その情報を入手した時点でPID演算を中段してもよい。
そして、この中断期間中に主制御装置23は、中断する直前の圧縮機7の運転周波数を基礎として、現在の運転周波数を図22に示すテーブルに基づいて補正することで、圧縮機7の目標運転周波数を決定する。即ち、中断した直後、庫内温度が設定温度より高く、その差が例えば1.0Kであるとき、主制御装置23は現在の圧縮機7の運転周波数(最初は中断する直前の運転周波数)に例えば+4Hzする。逆に庫内温度が設定温度より低く、その差が−1.0Kであるときは、運転周波数に例えば−4Hzする。
即ち、現在の庫内温度が設定温度より高いときは圧縮機7の運転周波数を上昇させ、低いときは低下させる補正を行っていくとで、図21に示すように庫内温度を設定温度に早期に落ち着かせる。そして、前記安定状態の範囲内でサイクル運転するようになったところで安定状態に復帰と判断し、PID演算を再開するものである。
(6)プルダウン運転時の制御
また、除霜運転ではショーケース3G、3Hの庫内温度も上昇するため、その後のプルダウン運転中に前述したPID演算部31、32によるPID演算を行うと、前述したオイル回収運転と同様に運転周波数の指示値が蓄積されることにより、プルダウン運転後の圧縮機7の運転周波数と庫内温度が図23に示すように大きく変動してしまうことになる。
そこで、主制御装置23はこのプルダウン運転中に、最も冷え難いショーケース3G、3Hの庫内温度が前述した安定状態から逸脱した時点で、上記PID演算部31、32によるPID演算を中断するようにしても良い。
そして、係る中断期間中に主制御装置23は、中断する直前の圧縮機7の運転周波数を基礎として、現在の運転周波数を図25に示すテーブルに基づいて補正することで、圧縮機7の目標運転周波数を決定する。即ち、中断した直後、庫内温度が設定温度より高く、その差が例えば1.0Kであるとき、主制御装置23は現在の圧縮機7の運転周波数(最初は中断する直前の運転周波数)に例えば+4Hzする。逆に庫内温度が設定温度より低く、その差が−1.0Kであるときは、運転周波数に例えば−4Hzする。
即ち、現在の庫内温度が設定温度より高いときは圧縮機7の運転周波数を上昇させ、低いときは低下させる補正を行っていくとで、図24に示すように庫内温度を設定温度に早期に落ち着かせる。そして、前記安定状態の範囲内でサイクル運転するようになったところで安定状態に復帰と判断し、PID演算を再開するものである。
このように、主制御装置23がオイル回収運転や除霜運転により庫内温度が設定温度近傍にある安定状態から逸脱した場合、当該庫内温度が安定状態に復帰するまでPID演算を中断すると共に、この中断期間中は中断する直前の値を庫内温度と設定温度との差に基づいて補正することにより、圧縮機の運転周波数を制御するようにしたので、オイル回収運転や除霜運転を行ってショーケース3G、3Hの冷却状態が非安定状態となっているときにPID演算を行って制御状態が大きく変動してしまう不都合を未然に回避することができるようになる。
尚、上記各実施例では主制御装置23が各液電磁弁12や膨張弁33の制御指示を各ショーケース3A〜3Hに送信して制御する方式で説明したが、それに限らず、主制御装置23は最も冷え難いショーケースの決定を行い、決定したショーケースに対して当該ショーケースが最も冷え難いショーケースであることを指示し、該ショーケースの庫内温度に基づいて圧縮機7の運転周波数を制御すると共に、各ショーケースに目標過熱度を送信し、各ショーケースにおける液電磁弁12や膨張弁33の実際の制御については、各ショーケースのショーケース制御装置26が実行するようにしてもよい。
また、実施例では全てのショーケース3A〜3Hにおいて機械式膨張弁13を用いた場合と、電子式膨張弁33を用いた場合とで説明したが、それらが混在する場合にも本発明は有効である。その場合には、機械式膨張弁13を用いた最も冷え難いショーケースについては液電磁弁12を開放し、電子式膨張弁33を用いた最も冷え難いショーケースについては目標過熱度を規定値として当該膨張弁33の弁開度を制御する指示を当該ショーケースのショーケース制御装置26に送信する。また、冷凍機6の圧縮機7はそれらの庫内温度で制御するようにし、機械式膨張弁13を用いた他の冷え易いショーケースについては液電磁弁12の開閉率を、電子式膨張弁33を用いた他の冷え易いショーケースについては目標過熱度をそれぞれ主制御装置23が演算し、各ショーケース制御装置26に対して指示するようにすればよい。
更に、上記実施例ではPID演算部31が庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により目標吹出温度(操作量)を決定し、PID演算部32が吹出温度センサ18が検出する吹出温度と目標吹出温度との偏差に基づくPID演算により圧縮機7の目標運転周波数や蒸発器14から出る冷媒の目標過熱度を決定するようにしたが、変化が急峻であるという意味では蒸発器14の温度も採用できるので、係る吹出温度によらず、蒸発器14の温度を検出する温度センサ(図5の蒸発器入口温度センサ36等)を設け、PID演算部31により庫内温度と設定温度で目標蒸発器温度を決定し、蒸発器14の温度センサが検出する蒸発器14の温度と目標蒸発器温度に基づいてPID演算を行い、目標運転周波数や目標過熱度を決定するようにしてもよい。
更にまた、実施例では圧縮機7の目標運転周波数と蒸発器14から出る冷媒の目標過熱度の双方を図7の制御で決定するようにしたが、それに限らず、目標過熱度か目標運転周波数の何れか一方を図7の制御で決定し、他方は庫内温度と設定温度との偏差に基づく通常のPID演算にて決定するようにしてもよい。特に、請求項1の発明では庫内温度と設定温度との偏差に基づく係る通常のPID演算によって圧縮機7の目標運転周波数(操作量)を決定するものも含まれる。
また、実施例では機械式膨張弁や電子式膨張弁を用いた冷媒回路に本発明を適用したが、請求項6、請求項7以外の発明ではそれに限らず、キャピラリチューブで蒸発器に流入する冷媒を絞る場合にも有効である。
1 ショーケース冷却装置
3A〜3H ショーケース
4、5 冷媒配管
6 冷凍機
7 圧縮機
8 凝縮器
12 液電磁弁(開閉弁)
13、33 膨張弁
14 蒸発器
17 庫内温度センサ
17 吹出温度センサ
23 主制御装置(制御手段)
24 冷凍機制御装置(制御手段)
26 ショーケース制御装置(制御手段)
31、32 PID演算部

Claims (9)

  1. 圧縮機から吐出された冷媒を複数台のショーケースに設けられた蒸発器に分配供給するショーケース冷却装置において、
    前記各ショーケースの庫内温度をそれぞれ検出する庫内温度センサと、
    前記圧縮機の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記各ショーケースのうちの最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、前記圧縮機の運転周波数を制御するための操作量を算出すると共に、
    当該最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じ、当該冷却状態を改善する方向で、前記PID演算で算出する操作量の変動範囲、及び/又は、数値帯を変更する最適化制御を実行することを特徴とするショーケース冷却装置。
  2. 前記各ショーケースの庫内への冷気の吹出温度をそれぞれ検出する吹出温度センサを備え、
    前記制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、当該ショーケースへの冷気の目標吹出温度を決定し、
    前記吹出温度センサが検出する前記吹出温度と前記目標吹出温度との偏差に基づくPID演算により、前記圧縮機の目標運転周波数を決定すると共に、
    前記最適化制御においては前記目標吹出温度を前記操作量とし、前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じて、前記目標吹出温度の変動範囲、及び/又は、温度帯を変更することを特徴とする請求項1に記載のショーケース冷却装置。
  3. 前記各ショーケースの蒸発器における冷媒の蒸発温度をそれぞれ検出する蒸発温度センサを備え、
    前記制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度と当該庫内温度の設定温度との偏差に基づくPID演算により、当該ショーケースの目標蒸発温度を決定し、
    前記蒸発温度センサが検出する前記蒸発温度と前記目標蒸発温度との偏差に基づくPID演算により、前記圧縮機の目標運転周波数を決定すると共に、
    前記最適化制御においては前記目標蒸発温度を前記操作量とし、前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じて、前記目標蒸発温度の変動範囲、及び/又は、温度帯を変更することを特徴とする請求項1に記載のショーケース冷却装置。
  4. 前記制御手段は、前記最適化制御において、前記最も冷え難いショーケースの庫内温度の変動範囲を狭め、及び/又は、庫内温度の平均値を前記設定温度に近づけることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のショーケース冷却装置。
  5. 前記最も冷え難いショーケースの庫内の冷却状態を示す指標は、当該ショーケースの庫内温度と前記設定温度との差、該庫内温度の変動幅、前記蒸発温度と当該蒸発温度の所定の設定温度との差、該蒸発温度の変動幅、及び、前記圧縮機の運転/停止の頻度のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のショーケース冷却装置。
  6. 前記各ショーケースは、前記蒸発器に流入する冷媒を絞り、当該蒸発器から出る冷媒の過熱度を目標過熱度に調整する過熱度調整手段を備え、
    前記制御手段は、前記最も冷え難いショーケースの目標過熱度を規定値として当該ショーケースの過熱度調整手段を制御し、且つ、当該ショーケースの庫内温度に基づいて前記圧縮機の運転を制御し、
    他の前記ショーケースの庫内温度に基づいて当該ショーケースの目標過熱度を設定し、当該ショーケースの過熱度調整手段を制御すると共に、
    前記他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標に応じ、前記PID演算で算出する操作量、又は、前記圧縮機の運転周波数を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載のショーケース冷却装置。
  7. 前記他のショーケースの庫内の冷却状態を示す指標は、当該ショーケースの庫内温度と該庫内温度の設定温度との差、プルダウンに要した時間、該庫内温度の変動幅、及び、前記過熱度調整手段の動作状態のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項6に記載のショーケース冷却装置。
  8. 前記制御手段は、所定のオイル回収運転、及び/又は、前記蒸発器の除霜運転により前記庫内温度が前記設定温度近傍にある安定状態から逸脱した場合、当該庫内温度が安定状態に復帰するまで前記PID演算を中断すると共に、
    該中断期間中は中断する直前の前記圧縮機の運転周波数を前記庫内温度と設定温度との差に基づいて補正することにより、前記圧縮機の運転周波数を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちの何れかに記載のショーケース冷却装置。
  9. 前記制御手段は、前記ショーケースのプルダウンに要した時間に基づき、次回のプルダウンに要する時間を適切な時間とする方向で前記圧縮機の運転周波数を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載のショーケース冷却装置。
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