JP4910725B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却装置に関し、より詳細には、収容庫の内部温度に基づいて電磁弁を開閉させ、収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態とする冷却装置に関するものである。
例えば、商品を冷却した状態で陳列販売するショーケースでは、収容庫の内部に蒸発器が設けられ、また収容庫の外部に圧縮機、凝縮器、電磁弁および温度膨張弁が設けられており、これら蒸発器、圧縮機、凝縮器、電磁弁および温度膨張弁を配管にて順次接続することにより、封入された冷媒を循環させる冷却装置が構成されている。
このような冷却装置では、収容庫の内部温度に基づいて電磁弁をオン・オフ制御して開閉させ、収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態となるようにしている。また、圧縮機の運転は、演算された吸入冷媒圧力値(設定値)と、実際に測定された吸入冷媒の圧力測定値との偏差に基づいて次の駆動時、すなわち一旦駆動停止した後の駆動時の回転数(運転周波数)が制御されることにより行われており、しかも全ての電磁弁がオフ制御、すなわち閉成した場合に駆動停止するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3603497号公報
ところで、上述したような冷却装置では、設定値である吸入冷媒圧力値と、圧力測定値との偏差に基づいて次の駆動時の回転数が制御されて圧縮機の運転が行われているものの、例えば、圧縮機の駆動および駆動停止の周期、すなわち圧縮機の運転周期が極端に短いショートサイクル運転が発生した場合等の圧縮機の冷凍能力に対するショーケース(収容庫)の負荷が小さいときであっても、圧縮機の起動時のような過渡状態では回転数(運転周波数)が依然として高くなってしまう虞れがあった。
本発明は、上記実情に鑑みて、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さい場合に圧縮機の起動時のような過渡状態での運転周波数が過大となることを抑制し、さらに通常運転時における圧縮機の運転周波数を低く抑えることにより、省エネルギー化を図ることができる冷却装置を提供することをと目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る冷却装置は、通常運転を行う場合には、収容庫の内部温度に基づいて電磁弁を開閉させ、前記収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態とする一方、除霜運転を行う場合には、前記電磁弁を閉成させ、前記蒸発器に付着した霜を融かす冷却装置において、設定された運転周波数に従って蒸発器から吐出された冷媒の圧縮を行う圧縮機と、除霜運転の開始から次の除霜運転の開始までを1サイクルとし、現在の運転状態に係る状態量を検出することによって圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいと判断した場合に、今のサイクルで設定した圧縮機の次のサイクルにおける運転周波数上限値を、次のサイクルの前のサイクルである今のサイクルでの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷却装置は、上述した請求項1において、前記補正手段は、前記電磁弁の開成および閉成に応じて駆動および駆動停止する前記圧縮機の運転周期が予め設定された基準周期よりも小さい場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいと判断して前記上限値に補正することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る冷却装置は、上述した請求項1において、前記補正手段は、前記収容庫が設置されている室の内部および外部の少なくとも一つのエンタルピを検出し、検出したエンタルピが予め設定された基準情報に該当する場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいものとして前記基準情報に含まれる上限値に補正することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る冷却装置は、上述した請求項1において、前記補正手段は、前記収容庫が設置されている室の内部および外部の少なくとも一つの温度を検出し、検出した温度が予め設定された基準情報に該当する場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいものとして前記基準情報に含まれる上限値に補正することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機が設定された運転周波数に従って蒸発器から吐出された冷媒の圧縮を行い、補正手段が、現在の運転状態に係る状態量を検出することによって圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいと判断した場合に、設定された圧縮機の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正するので、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さい場合に圧縮機の起動時のような過渡状態での運転周波数が過大となることを抑制し、さらに通常運転時における圧縮機の運転周波数を低く抑えることにより、省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
以下、添付図面を適宜参照しながら本発明に係る冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷却装置の構成を概念的に示した概念図である。ここで例示する冷却装置は、収容庫10の内部に収納した商品を冷却した状態で陳列販売するオープンショーケース11に適用するもので、複数のオープンショーケース11にそれぞれ蒸発器12、温度膨張弁13および電磁弁14を個別に備える一方、オープンショーケース11の外部に冷凍機を構成する凝縮器15および圧縮機16をそれぞれ1つずつ備えている。
温度膨張弁13は、凝縮器15から吐出された液冷媒を断熱膨張して蒸発器12に供給するためのものである。本実施の形態1では、蒸発器12の出口側の冷媒温度と、蒸発器12の入口側の冷媒温度との差として定義される過熱度に基づき開度を変更し、通過する冷媒の流量を調節することのできる温度膨張弁13を適用している。より具体的には、温度膨張弁13は、過熱度が大きい場合には開度が大きくなる一方、過熱度が小さい場合には開度が小さくなるものである。
電磁弁14は、温度膨張弁13の上流域に配設してあり、後述するショーケースコントローラ20から指令が与えられることによりオン・オフ制御されて、すなわち開閉動作して凝縮器15から温度膨張弁13への冷媒の供給を遮断または許容するものである。
圧縮機16は、蒸発器12から吐出された低温低圧のガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒として凝縮器15に与えるためのものである。本実施の形態1では、後述するメインコントローラ30から指令が与えられることにより吸入圧力を変更することのできるインバータ圧縮機を適用している。
この冷却装置では、凝縮器15および圧縮機16に対してそれぞれのオープンショーケース11に設けた蒸発器12、温度膨張弁13および電磁弁14が並列となる態様で冷媒供給管路17で接続することにより冷凍サイクルが構成してある。すなわち、この冷却装置では、圧縮機16から吐出された高温高圧のガス冷媒が凝縮器15において凝縮して(放熱して)高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、各収容庫10の温度膨張弁13に電磁弁14を介して分岐供給され、断熱膨張されて低温低圧の気液2相冷媒となって収容庫10の蒸発器12に供給される。蒸発器12に供給された低温低圧の気液2相冷媒は、送風ファン(図示せず)によって供給された収容庫10の内部空気と熱交換し、蒸発して(吸熱して)低温低圧のガス冷媒となることにより収容庫10の冷却を行う。蒸発器12を経た低温低圧のガス冷媒は、オープンショーケース11の外部において合流し、圧縮機16に吸入される。ここで、蒸発器12は、収容庫10を冷却するために冷媒を流し続けると、霜が付着して熱交換が阻害されるため、ある一定時間(例えば6時間)おきに電磁弁14を閉じて霜を融かす除霜運転をしている。霜が融けたと判断したら電磁弁14を開いて、通常運転に移行して冷媒を流し、収容庫10の冷却を行う。この除霜運転の開始から、次の除霜運転の開始までを1サイクルとしている。
個々のオープンショーケース11において、収容庫10の内部であり、かつ蒸発器12を通過した空気が吹き出される個所には、内部温度センサ18が設けてある。内部温度センサ18は、収容庫10の内部温度を検出するものである。本実施の形態1では、蒸発器12を通過して冷却され、収容庫10の内部に吹き出される空気(以下、吹出空気ともいう)の温度を内部温度して検出するものを適用している。このように吹出空気の温度を内部温度として検出することにより、収容庫10の内部に収納される商品の多寡による影響を受けにくいこと、冷凍サイクルにおける冷媒の流れの制御に基づく温度変化が最も先行して現れること等々の利点がある。ここで、内部温度は、吹出空気の温度ではなく、収容庫10の内部に設けられる庫内温度センサにより検出される温度としても構わないし、あるいは収容庫10の内部の背面に設けられる背面温度センサや吸込口に設けられている吸込温度センサ、吹出口に設けられている吹出温度センサ等から求めた平均空気温度(庫内温度)としても構わない。
図2および図3は、それぞれ本発明の実施の形態1における冷却装置の制御系を示すブロック図である。これら図2および図3にも示すように、冷却装置は、その制御系としてショーケースコントローラ20およびメインコントローラ30を備えている。図1からも明らかなように、本実施の形態1では、それぞれのオープンショーケース11に個別のショーケースコントローラ20が設けてある一方、複数のオープンショーケース11で共通となる唯一のメインコントローラ30が設けてある。
ショーケースコントローラ20は、内部温度センサ18の検出した収容庫10の内部温度(吹出温度)に基づいて電磁弁14をオン・オフ制御して開閉させるもので、目標値設定記憶部21と電磁弁駆動処理部22とを備えている。
目標値設定記憶部21は、収容庫10の目標温度を予め設定し、かつこれを記憶するものである。本実施の形態1では、収容庫10の目標温度としてその上限値および下限値がそれぞれ設定してある。電磁弁駆動処理部22は、それぞれの内部温度センサ18の検出結果と、収容庫10の目標温度との比較結果に基づいて各電磁弁14をオン・オフ制御、すなわち開成または閉成を設定するものである。
またショーケースコントローラ20は、メインコントローラ30との間で通信可能となっており、電磁弁14のオン・オフ(開閉)に関する電磁弁運転信号をメインコントローラ30に与えるものである。
メインコントローラ30は、冷却装置の動作を統括的に制御するものであり、特に冷凍機(圧縮機16)の動作を制御するものである。このようなメインコントローラ30は、本発明に特に関連するものとして、回転数調節手段31と回転数補正手段32とを備えている。これら回転数調節手段31と回転数補正手段32とは相互に通信可能なものである。
回転数調節手段31は、圧縮機16の回転数(運転周波数)を調節するためのものであり、電磁弁運転率演算部311、圧力設定値演算部312および回転数設定部313を備えて構成してある。
電磁弁運転率演算部311は、一定時間毎にその前の一定時間に対する各電磁弁14のオン時間(開成時間)の割合である電磁弁運転率を演算するものである。ここで、一定時間とは、除霜運転が開始してから、次の除霜運転が開始されるまでの1サイクルの時間を意味している。
圧力設定値演算部312は、電磁弁運転率演算部311を通じて演算された電磁弁運転率に基づいて上記圧縮機16の吸入冷媒圧力に対する次の一定時間に係る圧力設定値を演算(更新)するものである。より詳細には、図4に示すようなデータに従い圧力設定値を演算する。ここで、図4に示すデータは、圧力設定値を演算するための経験則であり、これにより圧力設定値演算部312は、(1)少なくとも1台の電磁弁14の電磁弁運転率が90%以上なら冷凍能力が不足と判断して、圧力設定値を例えば0.01MPaだけ下げ(更新し)て冷凍能力を増加させる、(2)全ての電磁弁14の電磁弁運転率が40〜90%なら冷凍能力は適当と判断して、圧力設定値をそのまま維持する、(3)全ての電磁弁14の電磁弁運転率が90%以下で、かつ少なくとも1台の電磁弁14の電磁弁運転率が40%以下なら冷凍能力が過剰と判断して、圧力設定値を例えば0.01MPaだけ上げ(更新し)て、冷凍能力を減少させるようにしている。
回転数設定部313は、圧力設定値演算部312を通じて演算された圧力設定値と、圧力センサ19により検出された吸入冷媒の圧力値(圧力測定値)との偏差に基づいて、圧縮機16に対して次の一定時間、すなわち次の駆動時における回転数を設定するものである。ここで、圧力センサ19は、図1に示すように、圧縮機16の吸入側に配設してあり、圧縮機16の吸入冷媒の圧力を検出するものである。この圧力センサ19は、検出した圧力値(圧力測定値)を検出信号としてメインコントローラ30に与えるものである。
また、回転数設定部313は、上記回転数の設定とは別個に、全ての電磁弁14がオフとなった場合(閉成した場合)には圧縮機16に対して駆動停止指令を出力する一方、少なくとも1つの電磁弁14がオンとなった場合(開成した場合)には圧縮機16に対して設定した回転数で駆動指令を出力するものである。このように回転数設定部313より駆動停止指令および駆動指令が与えられた圧縮機16は、駆動停止および駆動を行うことになる。この回転数設定部313で設定された回転数や出力された各指令については、回転数補正手段32に与えられることになる。
回転数補正手段32は、圧縮機16の回転数(運転周波数)を補正するためのものであり、圧縮機運転周期演算部321、状態判定部322、情報記憶部323および回転数補正処理部324を備えて構成してある。
圧縮機運転周期演算部321は、回転数調節手段31を構成する回転数設定部313が与える駆動指令および駆動停止指令に基づいて、圧縮機16の運転周期(オン・オフ周期)を演算するものである。
状態判定部322は、圧縮機運転周期演算部321を通じて演算された圧縮機16の運転周期と、情報記憶部323に記憶されている基準周期とを比較して、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいか否かを判定するものである。
情報記憶部323は、種々の情報を記憶するためのものであり、上記状態判定部322の判定基準となる基準周期(例えば5分等)に関する情報や、回転数補正処理部324を通じて補正処理を行う際に必要となる補正情報を記憶するものである。
回転数補正処理部324は、状態判定部322を通じて圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判定された場合に、情報記憶部323に記憶されている補正情報に基づき、上記回転数設定部313で設定された回転数を補正するものである。より詳細には、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正するものである。補正された回転数に関する情報は、回転数調節手段31に与えられる。この場合、回転数設定部313は、当該回転数補正処理部324により補正された回転数で次の駆動時に圧縮機16に駆動指令を出力することになる。
図5は、図1および図2に示したショーケースコントローラが実施する電磁弁制御処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図5を参照しながら、冷却装置の動作について説明する。
まず、図5に示す電磁弁制御処理においてショーケースコントローラ20は、内部温度センサ18を通じてそれぞれのオープンショーケース11における収容庫10の内部温度を検出し(ステップS101)、検出した内部温度が目標値設定記憶部21に記憶された目標温度の上限値を超えているか否かを判断する(ステップS102)。
いずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度上限値を超えている場合(ステップS102:YES)、ショーケースコントローラ20は、該当するオープンショーケース11の電磁弁14をオン制御して(開動作させて)温度膨張弁13(蒸発器12)に対して冷媒の供給を許容し(ステップS103)、その後に手順をリターンさせる。この結果、該当するオープンショーケース11の収容庫10が冷却され、その内部温度が目標温度上限値以下となるように推移することになる。
ステップS102において、いずれかのオープンショーケース11においても収容庫10の内部温度が目標温度上限値以下であった場合(ステップS102:NO)、ショーケースコントローラ20は、次いでいずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標値設定記憶部21に記憶された目標温度の下限値を下回っているか否かを判断する(ステップS104)。
いずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度下限値を下回っている場合(ステップS104:NO)、ショーケースコントローラ20は、該当するオープンショーケース11の電磁弁14をオフ制御して(閉動作させて)温度膨張弁13(蒸発器12)に対する冷媒の供給を停止させ(ステップS105)、その後に手順をリターンさせる。この結果、該当するオープンショーケース11において収容庫10の内部空気と蒸発器12との間の熱交換が抑制され、その内部温度が目標温度下限値以上となるように推移することになる。
ステップS104においていずれかのオープンショーケース11においても収容庫10の内部温度が目標温度下限値以上であった場合(ステップS104:NO)、つまり収容庫10の内部温度が目標温度上限値以下、かつ目標温度下限値以上(以下、「目標温度範囲」という)である場合、ショーケースコントローラ20は、電磁弁14の状態を維持して今回の処理を収容し、手順をリターンさせる。
以下、所定のサイクルタイムで電磁弁制御処理を繰り返し実施することにより、全てのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度範囲に維持されることになる。
図6および図7は、それぞれメインコントローラが実施する処理の内容を示すフローチャートであり、図6は、メインコントローラを構成する回転数調節手段が実施する圧縮機回転数設定処理の内容を示し、図7は、メインコントローラを構成する回転数補正手段が実施する圧縮機回転数補正処理の内容を示すものである。以下、これら図6および図7を参照しながら、冷却装置の動作についてさらに説明する。
図6に示す圧縮機回転数設定処理においてメインコントローラ30の回転数調節手段31は、各ショーケースコントローラ20から電磁弁運転信号を与えられた場合に(ステップS201:YES)、電磁弁運転率演算部311を通じて電磁弁運転率を演算し(ステップS202)、その後圧力設定値演算部312を通じて圧縮機16の吸入冷媒圧力に対する次の一定時間に係る圧力設定値を演算する(ステップS203)。
圧力設定値を演算した回転数調節手段31は、圧力センサ19より吸入冷媒の圧力が検出された場合に(ステップS204:YES)、回転数設定部313を通じて、圧力設定値と、吸入冷媒の圧力測定値との偏差に基づいて、圧縮機16に対して次の一定時間、すなわち次の駆動時における回転数を設定して(ステップS205)、今回の処理を終了し手順をリターンさせる。
ところで、図には示していないが、回転数調節手段31の回転数設定部313は、上記回転数の設定とは別個に、全ての電磁弁14がオフとなった場合(閉成した場合)には圧縮機16に対して駆動停止指令を出力する一方、少なくとも1つの電磁弁14がオンとなった場合(開成した場合)には圧縮機16に対して設定した回転数で駆動指令を出力する。このように回転数設定部313より駆動停止指令および駆動指令が与えられた圧縮機16は、駆動停止および駆動を行う。ここで、回転数設定部313で設定された回転数や出力された各指令については、回転数補正手段32に与えられる。
図7に示す圧縮機回転数補正処理においてメインコントローラ30の回転数補正手段32は、回転数調節手段31より駆動指令および駆動停止指令を与えられた場合に(ステップS301)、圧縮機運転周期演算部321を通じて、圧縮機16の運転周期(オン・オフ周期)を演算する(ステップS302)。
圧縮機16の運転周期を演算した回転数補正手段32は、状態判定部322を通じて、圧縮機16の運転周期と、情報記憶部323に記憶されている基準周期とを比較して、運転周期が基準周期を下回っているか否かを判定する(ステップS303)。ここで、運転周期が基準周期を下回っている場合には(ステップS303:YES)、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判断し、回転数補正手段32は、回転数補正処理部324を通じて、情報記憶部323に記憶されている補正情報に基づき、上記回転数設定部313で設定された回転数を補正する(ステップS304)。より詳細には、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正する。例えば、回転数設定部313で設定された回転数が80Hzであった場合には、上限値を50Hzに補正する。そして、このように補正に関する情報が回転数調節手段31に与えられる。上記ステップS304の処理をした後今回の処理を終了して手順をリターンさせる。
上記ステップS303において運転周期が基準周期を下回っていない場合には(ステップS303:NO)、上記補正処理を行わずに今回の処理を終了して手順をリターンさせる。
このように本実施の形態1の冷却装置によれば、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判断した場合に、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正するので、次の駆動時、特に起動時のような過渡状態において圧縮機16の回転数が必要以上に過大となることを抑制でき、さらに通常運転時における圧縮機の運転周波数を必要以上に過大となることを抑制でき、その結果、省エネルギー化を図ることができる。
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2である冷却装置の構成を概念的に示した概念図であり、図9は、本発明の実施の形態2における冷却装置の制御系を示すブロック図である。尚、上述した実施の形態1と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで例示する冷却装置は、収容庫10の内部に収納した商品を冷却した状態で陳列販売するオープンショーケース11に適用するもので、複数のオープンショーケース11にそれぞれ蒸発器12、温度膨張弁13および電磁弁14を個別に備える一方、オープンショーケース11の外部に冷凍機を構成する凝縮器15および圧縮機16をそれぞれ1つずつ備えているとともに、ショーケースコントローラ20およびメインコントローラ40を備えている。つまり、本実施の形態2における冷却装置は、上述した実施の形態1における冷却装置と比してメインコントローラ40が異なるだけである。また、複数のオープンショーケース11が配設された店舗(室)1の内部には店内温湿度センサ2が設けられている一方、店舗1の外部には店外温湿度センサ3が設けられている。店内温湿度センサ2は、店内の温度および湿度を検出するものであり、店外温湿度センサ3は、店外の温度および湿度を検出するものである。
メインコントローラ40は、冷却装置の動作を統括的に制御するものであり、特に冷凍機(圧縮機16)の動作を制御するものである。このようなメインコントローラ40は、本発明に特に関連するものとして、回転数調節手段31と回転数補正手段42とを備えている。これら回転数調節手段31と回転数補正手段42とは相互に通信可能なものである。
回転数補正手段42は、圧縮機16の回転数(運転周波数)を補正するためのものであり、エンタルピ演算部421、比較部422、情報記憶部423および回転数補正処理部424を備えて構成してある。
エンタルピ演算部421は、店内温湿度センサ2および店外温湿度センサ3のそれぞれから与えられる温度および湿度の各データから店内エンタルピおよび店外エンタルピをそれぞれ演算するものである。
比較部422は、エンタルピ演算部421を通じて演算された店内エンタルピおよび店外エンタルピと、情報記憶部423に記憶されている基準情報とを比較するものである。かかる比較の結果、店内エンタルピおよび店外エンタルピが基準情報に含まれている場合には、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいと判断するようにしてある。
情報記憶部423は、種々の情報を記憶するためのものであり、図10に示すような上記比較部422の判定基準となる基準情報を記憶するものである。かかる基準情報では、店内エンタルピおよび店外エンタルピのそれぞれに関連づけられて回転数(運転周波数[Hz])の上限値が設定されている。
回転数補正処理部424は、比較部422を通じて基準情報に演算された店内エンタルピおよび店外エンタルピが含まれているものと判定された場合に、上記回転数設定部313で設定された回転数を基準情報に含まれる上限値に補正するものである。より詳細には、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正するものである。補正された回転数に関する情報は、回転数調節手段31に与えられる。この場合、回転数設定部313は、当該回転数補正処理部424により補正された回転数で次の駆動時に圧縮機16に駆動指令を出力することになる。
図11は、メインコントローラを構成する回転数補正手段42が実施する圧縮機回転数補正処理の内容を示すフローチャートである。以下、かかる図11を参照しながら、冷却装置の動作について説明する。尚、本実施の形態2における冷却装置が、上述した実施の形態1におけるショーケースコントローラ20および回転数調節手段31が実施する電磁弁制御処理(図5参照)および圧縮機回転数設定処理(図6参照)を行うことについての説明は割愛する。
図11に示す圧縮機回転数補正処理においてメインコントローラ40の回転数補正手段42は、店内温湿度センサ2および店外温湿度センサ3を通じて、店内温度および湿度、並びに店外温度および湿度を検出し(ステップS401)、エンタルピ演算部421を通じて店内エンタルピおよび店外エンタルピをそれぞれ演算する(ステップS402)。
店内エンタルピおよび店外エンタルピを演算した回転数補正手段42は、比較部422を通じて、店内エンタルピおよび店外エンタルピと、情報記憶部423に記憶されている基準情報とを比較する(ステップS403)。かかる比較の結果、店内エンタルピおよび店外エンタルピが基準情報に含まれている場合には、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいと判断する一方(ステップS404:YES)、店内エンタルピおよび店外エンタルピの少なくとも一方が基準情報に含まれていない場合には、圧縮機16冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものではないと判断して(ステップS404:NO)、後述する処理を実施することなく今回の処理を終了して手順をリターンさせる。
上記ステップS404において圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいと判断した場合には、回転数補正手段42は、回転数補正処理部424を通じて、上記回転数設定部313で設定された回転数を基準情報に含まれる上限値に補正する(ステップS405)。より詳細には、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次のサイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正する。例えば、回転数設定部313で設定された回転数が80Hzであり、かつ店内エンタルピが35kJkg[DA]で、店外エンタルピが32kJkg[DA]である場合には、当該基準情報に従いこれらに関連づけられた設定された50Hzを上限値として補正する。そして、このように補正に関する情報が回転数調節手段31に与えられる。上記ステップS405の処理をした後今回の処理を終了して手順をリターンさせる。
このように本実施の形態2の冷却装置によれば、圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判断した場合に、回転数設定部313で設定された圧縮機16の次の駆動時サイクルにおける運転周波数上限値を前のサイクルの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正するので、次の駆動時、特に起動時のような過渡状態において圧縮機16の回転数が必要以上に過大となることを抑制でき、さらに通常運転時における圧縮機の運転周波数を必要以上に過大となることを抑制でき、その結果、省エネルギー化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されずに種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態2では、店内エンタルピおよび店外エンタルピを演算して圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判断していたが、本発明では、店内エンタルピおよび店外エンタルピの少なくとも一方を演算して判断しても構わない。また、エンタルピを演算することは必ずしも必須ではなく、店内温度および店外温度の少なくとも一方を演算して圧縮機16の冷凍能力に対する収容庫10の負荷が小さいものと判断しても構わない。さらに、高温高圧の液冷媒を断熱膨張して低温低圧の気液2相冷媒とする手段、また冷媒の流量を調節するための手段として温度膨張弁を例に説明したが、必ずしも温度膨張弁である必要はなく、温度膨張弁の代わりに電子膨張弁を用いても構わない。
以上のように、本発明に係る冷却装置は、オープンショーケースの収容庫の冷却に有用である。
本発明の実施の形態1である冷却装置の構成を概念的に示した概念図である。 本発明の実施の形態1における冷却装置の制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における冷却装置の制御系を示すブロック図である。 圧力設定値の更新における圧力設定値/電磁弁運転率対応図である。 図1および図2に示したショーケースコントローラが実施する電磁弁制御処理の内容を示すフローチャートである。 メインコントローラを構成する回転数調節手段が実施する圧縮機回転数設定処理の内容を示すフローチャートである。 メインコントローラを構成する回転数補正手段が実施する圧縮回転数補正処理の内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2である冷却装置の構成を概念的に示した概念図である。 本発明の実施の形態2における冷却装置の制御系を示すブロック図である。 情報記憶部に記憶される基準情報を示す図表である。 メインコントローラを構成する回転数補正手段が実施する圧縮回転数補正処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 店舗
2 店内温湿度センサ
3 店外温湿度センサ
10 収容庫
11 オープンショーケース
12 蒸発器
13 温度膨張弁
14 電磁弁
15 凝縮器
16 圧縮機
17 冷媒供給管路
18 内部温度センサ
19 圧力センサ
20 ショーケースコントローラ
21 目標値設定記憶部
22 電磁弁駆動処理部
30 メインコントローラ
31 回転数調節手段
311 電磁弁運転率演算部
312 圧力設定値演算部
313 回転数設定部
32 回転数補正手段
321 圧縮機運転周期演算部
322 状態判定部
323 情報記憶部
324 回転数補正処理部
42 回転数補正手段
421 エンタルピ演算部
422 比較部
423 情報記憶部
424 回転数補正処理部

Claims (4)

  1. 通常運転を行う場合には、収容庫の内部温度に基づいて電磁弁を開閉させ、前記収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態とする一方、除霜運転を行う場合には、前記電磁弁を閉成させ、前記蒸発器に付着した霜を融かす冷却装置において、
    設定された運転周波数に従って蒸発器から吐出された冷媒の圧縮を行う圧縮機と、
    除霜運転の開始から次の除霜運転の開始までを1サイクルとし、現在の運転状態に係る状態量を検出することによって圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいと判断した場合に、今のサイクルで設定した圧縮機の次のサイクルにおける運転周波数上限値を、次のサイクルの前のサイクルである今のサイクルでの運転周波数上限値よりも小さい値を上限値として補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記補正手段は、前記電磁弁の開成および閉成に応じて駆動および駆動停止する前記圧縮機の運転周期が予め設定された基準周期よりも小さい場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいと判断して前記上限値に補正することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記補正手段は、前記収容庫が設置されている室の内部および外部の少なくとも一つのエンタルピを検出し、検出したエンタルピが予め設定された基準情報に該当する場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいものとして前記基準情報に含まれる上限値に補正することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記補正手段は、前記収容庫が設置されている室の内部および外部の少なくとも一つの温度を検出し、検出した温度が予め設定された基準情報に該当する場合に、圧縮機の冷凍能力に対する収容庫の負荷が小さいものとして前記基準情報に含まれる上限値に補正することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
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