JP4398017B2 - 測距装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラに搭載され、被写体にピント合せを行なうオートフォーカス(AF)技術を用いた測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、測距に用いられる像信号は、ラインセンサからの光電流を積分して得られるが、回路規模によって制限されたダイナミックレンジの中で、上記積分値を適当な大きさに収めるには、積分量をモニタしながら積分終了タイミングを微妙に切りかえる必要がある。
【0003】
例えば、特開昭54−051556号公報には、積分量が一定の値に達した時に積分を終了する技術が開示され、また本出願人が提案した特開平7−98428号公報で、積分量の経時変化から積分終了タイミングを予測決定する技術が開示されている。
【0004】
さらに例えば、特開昭62−148910号公報には、積分タイミングではなく、撮影画面(構図)内で分割された複数の測距領域から得られた信号を選択して測距演算する技術について開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特開昭54−051556号公報に記載される技術においては、撮影する被写体が存在する撮影画面が暗い時、測距のための積分がいつ終了するか予測できず、積分に時間が掛かりすぎて、シャッタチャンスをのがしてしまう可能性があった。
【0006】
そして特開平7−98428号公報においては、上記公報とは逆に、被写体が存在する撮影画面が明るい即ち撮影画面が高輝度であったり、強力な補助光を投射した時のように、急速に積分を終了させなければならない場合、予測演算等に時間がかかって、制御終了前に積分量が回路のダイナミックレンジを越えてしまうことがある。
【0007】
これらの積分制御の問題点を図10に示す特性図及びタイミングチャートと、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0008】
図11に示すように、積分を開始した後(ステップS31)、モニタ動作を積分値が適正なレベルになるまでくり返し実施する(ステップS32)。そして積分値が適正なレベルになったか否かを判定して(ステップS33)、適正レベルとなり終了判定された時に停止する(ステップS34)。
【0009】
この積分方式では、A/D変換してモニタする時間(tM )が終了して、判定されるのに必要な時間(TH )を考慮すると、図10に示すようなタイムチャートであらわされる。
【0010】
つまり図10に示すような、tM +TH より早い時間で適正レベルを越してしまう高輝度の撮影画面、又は強力な補助光投射時には、積分値を適正レベル以内に止めることができず、適正レベルを越していた。また、中輝度はうまくが働くが低輝度下では適正レベルに達するまでのシャッタタイムラグが長くなり、シャッタチャンスを逃してしまっていた。
【0011】
これを改善した方法として、図13に示すフローチャート及び図12に示すタイミングチャートに従った測距動作について説明する。
【0012】
この測距動作は、本積分の前に2回のプリ積分動作を行ない、本積分を行う積分時間を推測して測距演算を行うものである。
【0013】
まず、投光なしのプリ積分を開始する(ステップS41)。プリ積分を開始した後、時間のカウントを開始し(ステップS42)、図3(a)に示すように時間t1 まで積分を行い(ステップS43)、時間t1 のタイミングで積分量(A/D1 )を取り込む(ステップS44)。
【0014】
次に引き続き、積分を行い(ステップS45)、時間t2 のタイミングで積分量(A/D2 )を取り込む(ステップS46)。
【0015】
そして、得られた積分量A/D2 と積分量A/D1 を比較し、A/D2 が飽和レベルに達するほど大きいか否か判断する(ステップS47)。
【0016】
比較結果が予め定めた範囲に入るものであれば(NO)、その変化量(A/D2 −A/D1 )と、時間t1 と時間t2 の時間差Δtとに基づいて、本積分の時間tINT を求める(ステップS48)。
【0017】
これは、適正な積分レベルをVs とすると、
tINT :Vs =Δt:(A/D2 −A/D1 )
の関係より、
tINT =Δt・Vs /(A/D2 −A/D1 ) …(1)
として、本積分の時間が決められる。
【0018】
次に、この積分時間tINT は、低輝度であるほど長くなる。そのためこの積分時間tINT が撮影に支障があるほど所定時間よりも長いか否か判断し(ステップS49)、積分時間tINT が予め定めた範囲を超える時間であれば(YES)、所定の積分時間tINT1に置き換える(ステップS50)。
【0019】
そして、これまでのプリ積分により保持されている積分量をリセットして初期化し(ステップS51)、測距のための本積分を開始する(ステップS52)。
【0020】
そして設定された積分時間tINT (若しくは積分時間tINT1)に達したか否か判断する(ステップS53)。その積分時間に達したならば(YES)、本積分を停止し(ステップS54)、得られた積分量により測距演算のルーチンに移行する。
【0021】
また、ステップS57の判断において、図12(b)に示すように高輝度であったため、積分量A/D2 が大きすぎる時は(YES)、時間t1 よりも短い時間例えば、t1 /2で積分が終了するように制限して(ステップS55)、積分量が飽和してしまうことを防止している。
【0022】
従って、このような測距方式によれば、本積分に係る時間が長くなるか短くなるかがプリ測距の時に予測できるため、従来のようにシャッタチャンスを逃したり、明るすぎる被写体にピントが合わなくなるようなことはない。
【0023】
また、時間t1、時間t2 は、モニタやソフトウエア上に求めたり判定したタイミングでなく、ハードタイマ等に基づき生成しているタイミングであるため、きわめて精度が高く、高速制御が可能である。
【0024】
しかし、撮影する撮影画面が夜景撮影画面のように低輝度であった場合には、本方式では積分時間を強制的に短縮しており、途中で積分を中止したようになるため、適正レベルに満たない場合も発生し、測距精度の点で問題がある。
【0025】
また、主被写体が撮影する写真画面内のどの位置に存在してもピント合わせが可能なように、複数の測距領域に分割された、所謂マルチAFがある。
【0026】
このマルチAFにおいては、積分量を制御する技術ばかりでなく、被写体を正しく判定して写真画面内のいずれの測距領域を測距するか選択する技術もまた重要である。ピントを合せるべき被写体の測距とは関係のない部分をいくら測距しても、被写体への正確なピント合せはできない。
【0027】
特開平62−148910号公報に記載されるようなコントラストを優先させるパッシブ式AFは、コントラストの低い被写体に対する測距は、正確さが低くなる。例えば、図6(a)に示すような撮影画面を撮影しようとすると、主要被写体となる人物より背景の方がコントラストが高いため、人物には焦点が合わずボケてしまう。
【0028】
そこで本発明は、被写体の背景に依存することなく、暗い夜景等の撮影場面における測距であっても、被写体の輝度差や背景の影響を排除して高速で正しく被写体の位置を決定して測距を行う測距装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、測距対像領域内の被写体像を受光して像信号を出力する積分型センサ手段と、この積分型センサ手段の少なくとも主要被写体が存在する領域の像信号レベルをモニタするモニタ手段と、被写体に向けて投光を行う投光手段と、上記積分型センサのみを作動させる第1プリ積分動作モードと、上記積分型センサと上記投光手段とを同期させて作動させる第2プリ積分動作モードと、測距情報を得るための本積分動作モードとを有し、上記第1、第2プリ積分動作モードの動作の結果得られた信号パターンを分析し、上記主要被写体とその背景の被写体を区別し、上記積分型センサ手段上における上記主要被写体が存在する領域を判定し、上記モニタ手段にその領域を設定すると共に、上記本積分動作を行い、この本積分動作時の像信号に基づいて測距演算を行う演算制御手段とを備える測距装置を提供する。
【0030】
また上記演算制御手段は、上記第1、第2プリ積分動作の結果を比較して、両者のレベル差が所定値以上ある領域を上記主要被写体が存在する領域として設定する。また上記演算制御手段は、上記設定した主要被写体が存在する領域の出力信号に基づいて、上記本積分の時間を制御する。
【0031】
このように構成された測距装置は、測距の積分を行う前に、撮影画面が低輝度であるとき投光有り、投光なしの2回のプリ積分を行い、得られたこれらのプリ積分の信号パターンを比較して、差の生じたラインセンサの一部領域を選択し、この領域の出力を重点的に測距用信号として積分して測距演算を行うことにより、主要被写体の周囲が夜景のような低輝度の撮影環境であっても主要被写体に正しくピント合せが行われる。
【0032】
さらに、被写体に対して光を投射する投光手段と被写体像を検出するための像センサを有する測距装置において、測距動作に先立って、上記投光手段を投光制御し、上記投光制御時に上記像センサによって得られた反射像信号に従って上記測距動作時の測距ポイントを特定する判定手段を有する測距装置を提供する。この測距装置により、撮影画面とほぼ同じ範囲の測距範囲を有し、測距動作に先立って、プリ発光を行い、測距ポイント即ち、ピントを合わせるべき主要被写体の撮影画面内の位置が特定され、撮影画面が複数の被写体を含む複雑な構図であった場合には、カメラを振って測距範囲に被写体を入れるように構え直す必要がなく、所望する被写体が選択できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0034】
まず、本発明による実施形態の具体的な構成を説明する前に、図6を参照して本発明に係るパッシブ式AFを用いた測距装置の原理及び概要について説明する。
【0035】
図6(a)は、写真画面4内の位置の主要被写体3を測距する例を示し、主要被写体3に向かって投光部5から測距光を投光して、その反射光を受光レンズ1a、1bで結像させた被写体3の像をラインセンサ2a、2b上にそれぞれ投影する。ラインセンサ2a、2bでは、それらの像の明暗に従って光電流(像信号6a,6b)を出力する。
【0036】
この光電流を一定時間積分を行うと、図6(b)に示す波形の像信号6a(6b)が得られる。また積分回路には、電源電圧や回路構成によって決まるダイナミックレンジがあるため、そのレンジ内に積分波形(像信号の積分量)を収める必要がある。
【0037】
例えば、時間的に若しくは信号量的に積分しすぎると多くのセンサの出力が飽和して、図6(c)に示すように像信号の情報量が少なくなってしまう。
【0038】
図6(a)の像信号6a、6bは、レンズの視差Bによって、図中のxだけ相対位置差を生じる受光レンズの焦点距離をfとすると、被写体までの距離Lは、三角測距の原理により、
L=B・f/x …(2)
の関係で求められる。
【0039】
従って、図6(d)に示すように、像信号6a、6bの位置を計算上ずらした時の像の一致度を求める精度がピント合せの誤差となってしまう。
【0040】
従って、積分量が正しくない図6(c)のような状態では、ピント精度が悪くなる。これは、三角測距に限らず像信号によるコントラスト方式にも該当する課題であった。
【0041】
また、図7に示すような主要被写体(人物)3aが暗く、背景に明るい光(照明灯等)3bが入り込んでいる夜景の撮影画面では、測距により得られた像信号6aのパターンは、背景の光の近傍部分のコントラストが高く、主要被写体3aのコントラストが低くなる。そのため、従来の測距装置では、この背景光3bのコントラストを用いて測距を行なってしまい、主要被写体3aにはピントが合わなかった。
【0042】
本発明では、図8(図7)に示すようにスイッチ群9c、スイッチ選択切換部9b及び判定信号形成部9a等によって構成されるモニタ部9を用いて、積分量を把握して積分制御を行なうための信号を生成し、その信号に基づき、積分量をコントロールする演算制御部(CPU)10による測距処理に背景の光の影響を受けないようにしている。但し、積分回路は図示していない。
【0043】
具体的には、スイッチ群9cのSW1とSW2をオフすれば、積分用モニタの判定信号形成回路9aに、背景の光による信号が入力されない。つまり、スイッチ群9cのうち、どのSWをオン・オフするかが重要であり、センサアレイ2aのうち主要被写体3aを検出しているラインセンサ部分のみの信号を用いて、積分制御から測距演算までを行なえば、背景の影響を排除し、主要被写体3aがピンボケになることを防止することができる。
【0044】
本発明では、そのスイッチ選択のために、図8に示すように、投光部5により投射された光による反射光位置判定を行う。
【0045】
つまり、測距用の積分に先立って、投光部5を発光させた場合と発光させない場合について、プリ積分を行なう。それらを比較して反射信号光によって像信号が変化した所に主要被写体3aがあるものと考える。
【0046】
これは、背景3bに比べて、主要被写体(人物)3aの方が近くにいるので、主要被写体3aからの反射光は、背景からの反射光よりもはるかに大きい値が入射する。
【0047】
従って、発光なしの像パターンと発光ありの像パターンとを比較して、出力変化が大きいラインセンサの一部領域のみから検出した像信号を用いて積分制御や測距演算を行なえば、正しく主要被写体3aの位置を検出し、この被写体までの測距ができる。
【0048】
図9に示すフローチャートを参照して、本発明における測距演算処理について説明する。
【0049】
まず、測距のための本積分を開始する前に、図7に示すように、投光部5を発光させないで、投光なしの像パターンの像信号6aを得るためのプリ積分を行う(ステップS1)。次に、図8に示すように、投光部5を発光させて投光ありの像パターンの像信号6cを得るためのプリ積分を行う(ステップS2)。
【0050】
これら2回のプリ積分によって得られた像信号6aと像信号6cのパターンを比較して、変化の大きいラインセンサの領域を選択する(ステップS3)。前述したように変化の差が大きいラインセンサの領域は、主要被写体3aからの反射光を受け取っている部分である。
【0051】
この変化の大きいラインセンサ領域の選択は、前述したラインセンサに複数接続されたスイッチにより行われ、これらのスイッチは、切替部9bによりオン・オフ制御される。
【0052】
選択されたラインセンサ領域から積分信号を得るように積分制御する(ステップS4)。そして積分により得られた像信号を用いて、CPU10により測距演算を行なう(ステップS5)。
【0053】
このように主要被写体に照準されたラインセンサ領域のみから得られた積分信号を測距演算すれば、背景に影響されることがなく主要被写体にピント合せを行うことができる。
【0054】
図1には、本発明による第1の実施形態に係る測距装置について具体的に説明する。
【0055】
本実施形態の測距装置は、大別すると、パッシブ式オートフォーカス部(以下、AF部と称する)11と、ワンチップマイコン等からなる演算制御部(CPU)12と、被写体に投光する投光部13と、撮影レンズ15のピント合わせを行う合焦部14とで構成される。
【0056】
AF部11は、前述した受光レンズ1a、1b及びラインセンサ2a、2bを備え、ラインセンサ2a、2bからの出力をそれぞれ積分する積分回路16と、積分回路16からの積分結果又はラインセンサ出力をリアルタイムでモニタするモニタ17と、積分結果をディジタル値に変換するA/D変換部18とで構成される。尚、A/D変換部18は、演算制御部12内に内蔵されてもよい。
【0057】
演算制御部12は、図示しないカメラ全体のシーケンスを制御し、撮影者が操作するスイッチ19の設定状態から測距開始のタイミングや撮影開始のタイミングを判定する。
【0058】
この演算制御部12は、A/D変換部18によりディジタル値に変換された2つの像信号(図6(a)に示した6a,6b)のズレ量等を計算し、(2)式に従って、ピント合せ位置を求める演算処理部20と、モニタ出力によって積分状態を判定する判定部21と、カウンタ等で所定のタイミングが作る時間切換部22により構成される。
【0059】
合焦部14は、演算制御部12によって求められたピント合せ信号に基づき、撮影レンズ15を移動して、ピント合せを行うためのドライバや位置エンコーダ等により構成される。
【0060】
投光部13は、被写体に補助光を投光するために発光するストロボ23と、これを制御する投光制御回路24とで構成される。尚、本実施形態では、露出を決めたるための輝度センサ25も備えている。
【0061】
次にこのように構成された実施形態の測距動作について説明する。
【0062】
本実施形態では、図7に示すような主に主要被写体の周囲が夜景等の撮影場面を想定し、背景のコントラストによって誤測距が起こりやすい場面を考える。
【0063】
この撮影において、被写体が低輝度であるか否かを判断するためには、図1に示した輝度センサ25を用いて判定する。低輝度以外では主要被写体である人物からも十分なコントラストが得られると考え、図13に示したフローチャートをそのまま採用できる。
【0064】
また、図13に示したルーチンでは、2回のプリ積分の際に、センサアレイの全センサから出力されたセンサデータを演算制御部に読み込んで比較処理する必要があった。そのため、センサデータの転送にかかる時間だけでなく、すべてのデータに渡って差分比較するための時間を要している。
【0065】
そこで本実施形態では、図3(b)に示すように、センサアレイ2aを構成するセンサのうち、代表的な位置の3個のセンサを選び、これらのみを使用して2回のプリ積分時の比較を行なうようにして、演算の複雑さや時間がかかるという問題を回避している。
【0066】
但し、センサアレイ2aの端部のセンサまで、検出範囲を広げると、投光なしの1回目のプリ積分と、投光ありの2回めのプリ積分において、例えば、撮影画面の周辺位置で最も手前に物が配置されていた撮影画面であった場合に、その物の位置を検出するセンサ領域からのセンサデータtのパターンが最も大きく変化する。そのため、その物を主要被写体としてピントが合ってしまう。しかし、主要被写体を撮影画面の端に位置させることは、一般的には考えづらい。
【0067】
そこで、図3(b)に示すセンサアレイ2aのうちモニタ信号を出す左側センサL及び右側センサRは、撮影画面の周辺部は検出しない位置に設定する。
【0068】
パノラマ切替機能付きカメラやズームレンズ付カメラのように撮影範囲が変化するカメラにおいては、図5に示すように、画角切換部26とモニタセンサ切換部27を設けて、切り換えた撮影画面に応じて、演算処理部20が検出するセンサ領域の位置を適宜切りかえて設定するようにしてもよい。
【0069】
次に図2に示したフローチャートを参照して、図1に示した構成の第1の実施形態の測距動作について説明する。
【0070】
まず、撮影する被写体を含む撮影画面が低輝度か否か判断する(ステップS11)。この判断で低輝度でなかった場合(NO)、高輝度若しくは中輝度と想定できるので、投光なしでプリ積分が行い、本積分の積分時間を算出できるため、前述した図13において説明したルーチンを用いて、積分時間を求める(ステップS12)。
【0071】
このプリ積分を行う際、毎回投光してもよいが本実施形態では、低輝度の場合のみ投光を行い、中輝度及び高輝度の場合には、投光せずにプリ積分を実施する方式とした。これは、プリ積分のたびに投光を行っているとエネルギーを無駄に使用することとなり、電池の消耗の点から考えて選択的に投光を行っている。
【0072】
上記ステップS11の判断で低輝度であった場合(YES)、まず投光をせずに1回目の積分を開始する(ステップS13)。
【0073】
そして、予め定めたプリ積分時間t1 の積分を行い(ステップS14)、中央センサCで得られたプリ積分量(A/DC1)を演算処理部20に取り込み(ステップS15)、次いでその両側の左側センサL及び右側センサRからの大きい値側のプリ積分量(A/DRL1)をそれぞれ取り込む(ステップS16)。これらの周辺のセンサのプリ積分量は、左側センサLと、右側センサRのうち、大きな積分結果をアナログ回路で選択を行う。
【0074】
演算処理部20は、これらのプリ積分量を内蔵するメモリに記憶した後、これまでの蓄積されたセンサのプリ積分量をリセットする(ステップS17)。
【0075】
次に投光を行い2回目の積分を開始する(ステップS18)。
【0076】
予め定めたプリ積分時間t1 の積分を行い(ステップS19)、中央センサCで得られたプリ積分量(A/DC2)を演算処理部20に取り込み(ステップS20)、次いでその両側の左側センサL及び右側センサRからの大きい値側のプリ積分量(A/DRL2)をそれぞれ取り込む(ステップS21)。
【0077】
このようにして得られた4つのプリ積分量を用いて、投光の有無によって積分量のパターンが変化した箇所のセンサ領域を選択する。このセンサ領域の選択により、図7に示したような撮影画面で背景光に影響さずに、中央の主要被写体3aが測距できることとなる。
【0078】
そこで、A/DC2−A/DC1>A/DRL2−A/DRL1 …(3)
を判断する(ステップS22)。
【0079】
この判断で、A/DC2−A/DC1の方が大きい場合(YES)、図7に示すように画面中央の近い位置に主要被写体(人物)がいると考えて、プリ積分量A/DC2に基づき、本積分を実施する時間を決定する(ステップS23)。このプリ積分量A/DC2は、時間t1 の積分時間で、0レベルからA/DC2レベルまで達したことから、予め定めた適正レベルVS に達するには、前述した(1)式を変形させて、
tINT =t1 ・VS /(A/DC2) …(4)
時間だけ本積分を行なえばよい。
【0080】
この時、撮影画面の輝度により投光の効果が決められるので、本積分においても前述したように、高輝度及び中輝度では投光せず、低輝度の際に投光する投光制御を伴い、補助光を照射する。
【0081】
つまり、本実施形態では、プリ積分時の発光の有無によって、本積分時の補助光の効果を前もって予測する作用もある。この時の積分の様子を図3(a)に示す。
【0082】
そして本積分を実施する前に、これまでプリ積分の実施によりラインセンサに蓄積した電荷量をリセットして初期化する(ステップS24)。その後、本積分を実施して(ステップS25)、その結果に基づき測距演算を行う。
【0083】
また上記ステップS21の判断で、A/DC2−A/DC1の方が小さかった場合(NO)、投光なしの時の中央センサ領域のプリ積分量(A/DC1)と周辺センサ領域のプリ積分量(A/DRL1 )とを比較し(ステップS26)、より積分量の大きい方により、積分制御を行なう(ステップS27,S28)。
【0084】
この時の本積分の時間は、(4)式と同様に、A/DC1、A/DRL1 より求められるが、本積分時間を決定したステップS23の場合とは異なり、単にA/DRL2 によって本積分の時間を決めることはしていない。
【0085】
それは、図4に示したような撮影画面内の近距離に、花瓶や王冠等の光沢面を有する物体があり、右側センサRまたは左側センサLにプリ積分際に投光した時の光が入射して悪影響があるのを防止するためである。
【0086】
従って、図4に示す撮影画面でも、図7に示す撮影画面でも、主要被写体となる人物に正しくピントを合わせることができる。
【0087】
以上説明したように本実施例によれば、プリ積分の際に取り込むラインセンサ領域を制限し、且つ、画面周囲の取り込むセンサ領域の位置を撮影画面の大きさ(画角)に連動させるようにしたので、高速で画面内に位置する被写体の輝度差や背景の状態にかかわわらず、主要被写体にピント合せを行うことができる。
【0088】
以上、説明したように、本実施形態によれば、画面内のどの位置に被写体がいても瞬時にピント合わせができるカメラを提供できる。この測距の位置は、ファインダーで確認できるので、ユーザは、安心して撮影に専念できる。
【0089】
次に本発明による第2の実施形態に係る測距装置について説明する。
【0090】
前述した第1の実施形態では、ラインセンサを用いた構成例について説明したが、本発明の測距装置の考え方をエリアセンサに適用した高性能の測距装置を設計することも可能である。
【0091】
図14(b)に示すように、ラインセンサによる測距範囲28は、カメラの撮影画面30に対し、中央部横並びの狭い範囲でしかなかった。これに対して、エリアセンサは、ラインセンサを2次元的に配置した構成と同様なので、撮影画面30とほぼ同じ測距範囲29まで測距エリアを広げることができる。
【0092】
従って、図14(a)に示すような構図で撮影したい場合、従来の測距装置では、まず測距時に、測距範囲内(画面中心)に主要被写体を入れて、レリーズボタン半押して測距した後、その半押し状態を保持したままカメラを構えなおして、撮影したい構図に移動させた後、レリーズボタンをさらに押し込み露光する、所謂フォーカスロック動作という2段階動作による露光を行っていた。
【0093】
しかし、この動作は、撮影前の予備動作に手間が掛かることや、動きのある被写体では所望する構図にしている間にシャッタチャンスを逃してしまうなど、即写性に欠けていた。
【0094】
ここで、エリアセンサを用いて測距可能範囲を広くすれば、図14(a)に示すような撮影画面においても画面端に位置する主要被写体を測距することが可能となる。
【0095】
しかし、このように画面端の被写体を測距できる技術を用いたとしても、実施する場合には、測距可能ポイントが増加した分だけ、主要被写体が撮影画面内のどこにいるかを検出する技術が重要となる。
【0096】
これらの測距ポイントが極端に増加した場合、これらの測距ポイントに対して順次調べると処理に時間がかかり、フォーカスロックより長い時間が必要となってしまう。これでは逆効果であり、エリアセンサがラインセンサより高価である分だけデメリットが大きい。
【0097】
そこで図15を参照して、第2の実施形態における高速に主要被写体位置を検出する測距装置の概念について説明する。
【0098】
まず、カメラは図15(a)に示すように、測距を行うに先立って、撮影画面内に相当する画角で広く発光する。この時、被写体の距離に応じて、反射信号光がエリアセンサに入射する反射光のエリアセンサ上の分布を等価的に図示すると図15(b)に示すようになる。
【0099】
これは、煩雑な背景からは、その距離が遠いゆえに反射信号光はほとんど返ってこない。しかし、人物や手前の花などからは、距離が比較的近いゆえに反射信号光が返って来るので、エリアセンサ上のパターンは、図15(b)に示すように、きわめて単純化されたものとなる。
【0100】
このほぼ2値化されたパターン信号をカメラの演算制御部が所定のパターン判定シーケンスによって演算制御すれば、撮影画面内のどの位置に主要被写体が存在するかを判定することができる。
【0101】
この考えは、前述した図8、図9において説明したのと同様のもので、この位置判定に従って、図15(c)に示すように、測距ポイントを特定した測距を行なえば、瞬時に主要被写体が撮影画面内のどこに存在しても、その位置にピント合せができるオートフォーカス(AF)技術が実現できる。
【0102】
この時の測距方式としては、改めて測距用光を投射する所謂アクティブ方式による測距でも、測距用光を投射しないパッシブ方式の測距でも、その時の状況に応じて切りかえればよい。
【0103】
図16には、この第2の実施形態における概念的な構成を示し説明する。
【0104】
図16(a)は、被写体31をプリ発光により被写体位置を検出する方式の測距を行う構成例を示している。
【0105】
まず、投光部32における投光制御回路33の制御によりストロボ34から補助光を被写体31に投光し、その反射信号光は、2つの受光レンズ35a,35bへ入射して、それぞれ2つのエリアセンサ36a,36bに入射する。
【0106】
これらのエリアセンサ36a,36bは、被写体像を受像して光電変換し、それらの出力はA/D変換回路37でA/D変換されて、各画素のディジタル値が演算制御部38に入力される。
【0107】
また、これらのエリアセンサ36a,36bには、定常光除去回路39が接続されており、演算制御部38の制御により、撮影画面から定常的に入射する直流的な光の信号は除去され、ストロボ34からのパルス光(補助光)のみが出力信号として得られるようになっている。
【0108】
従って、定常光除去回路39を作動させた状態で、反射信号光をエリアセンサ36a,36b上に受光させると、その受光面には図16(b)に示すような黒の部分からなる像を結ぶことになる。このようなエリアセンサ上に結像された像のパターンの分析は、演算制御部38に組み込まれたソフトウエアによって行い、例えば像パターンが人間の形であると判定されれば、これを主要被写体と考えることができる。
【0109】
図17に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態の測距装置による測距について説明する。
【0110】
まず、測距を実施するに先立って、投光部32における投光制御回路33の制御によりストロボ34をプリ発光させて、被写体31に補助光を投光し、その反射信号光をエリアセンサ36a,36bに入射する。その時、定常光除去回路39を作動させて、エリアセンサ36a,36bに結像した反射信号光から定常光を除去して反射信号光の像信号のみを取り出す(ステップS61)。
【0111】
そして、A/D変換回路37でA/D変換された像信号を演算制御部38に入力して、ソフトウエアによってエリアセンサ36a,36b上に結像された像パターンの分析を行う(ステップS62)。
【0112】
この分析された像パターンが人物の形状等であり、主要被写体か否かを判定する(ステップS63)。この判定で、像パターンが主要被写体と判定できなかった、即ち主要被写体の位置が特定できなかった場合には(NO)、輝度情報等を加味して、アクティブ方式、またはパッシブ方式を選択した後、被写体の存在確率の高い画面中央部を重点的に測距する(ステップS64)。
【0113】
そして演算制御部38が予め記憶される音声信号パターンの中から、主要被写体の位置が特定できない、及び撮影画面の中央部を測距する旨のパターンを選択して、音声発生部40から音声(音声パターン1)によりユーザに知らせる(ステップS65)。
【0114】
一方、上記ステップS3の判定で、像パターンが主要被写体と判定された場合(YES)、像パターンを形成する像信号(光信号)の強弱及び十分なコントラストか否かにより、測距をアクティブ方式で行うかパッシブ方式で行うかを判別(ステップS66)。
【0115】
この判定で、像信号(光信号)により充分なコントラストが得られない場合には(YES)、アクティブ方式による測距を行う。従って、再度、投光部32から測距用光を被写体31に照射して、定常光除去回路39を作動させて、エリアセンサ36a,36bに結像した反射信号光から定常光を除去して反射信号光の像信号のみを取り出す(ステップS67)。そして、プリ発光により求められた主要被写体位置に対して、重点的にアクティブ方式の測距を行なう(ステップS68)。
【0116】
そして、上記音声信号パターンの中から主要被写体の位置が特定され、及びアクティブ方式の測距を選択して、音声発生部40から音声(音声パターン3)によりユーザに知らせて(ステップS69)、リターンする。
【0117】
一方、上記ステップS66の判定で像信号が弱いと判断された場合には(NO)、すでに求められた主要被写体位置の像信号を重点的に用いたパッシブ方式による測距を行なう(ステップS70)。そして、上記音声信号パターンの中から、主要被写体の位置が特定され、及びアクティブ方式の測距を選択して、音声発生部40から音声(音声パターン2)によりユーザに知らせて(ステップS71)、リターンする。
【0118】
これらの測距方式、又は主要被写体の判別の可否に従って、演算制御部38が音声信号を選択して、ユーザに知らせることにより、撮影条件等がわかりやすく、安心感のある測距ができる。
【0119】
よって本実施形態によれば、アクティブ方式とパッシブ方式を単にハイブリッド的に組み合わせたのではなく、2つの方式を用いて主要被写体位置検知までを高精度で行うことができる。
【0120】
次に、この実施形態の変形例について説明する。
【0121】
前述した実施形態のように、単純に音声パターンを選択して、音声による告知を行うだけではなく、ファインダ内の表示を変えてもよい。
【0122】
この変形例は、ファインダ42内のLCD43の透過率を変更するマトリクスLCDドライバ41と、図18(a)に示すように、演算処理部43に制御により撮影範囲を変化させるための画角切換部45と、フォーカスロックスイッチ(1stレリーズスイッチ)46の信号を受け付ける入力ポート47と、処理を行うためのソフトウエアやデータを記憶するメモリ44とで構成される。
【0123】
このような構成により、演算制御部38に内蔵されるマトリクスLCDドライバ41は、LCD43の透過率を測距結果によって、切り変えて、表示することにより、さらにユーザにわかりやすくすることができる。
【0124】
例えば、図18(b)に示すように、LCDドライバ41が被写体像を図16(b)に対応する像パターンで透過部分を決定して、コモン(COM)、セグメント(SEG)の選択信号を制御すれば、図19に示すように、ファインダ内でカメラがピント合せしようとしている領域をモニタすることができる。ここでは、像パターンに合わせて、透過エリアを決め、その他のエリアは透過率を落とすような制御をした例を示している。
【0125】
また、図20に示すように、測距ポイントを十字のクロス部分で表示してもよい。これには、測距ポイントの座標を示す軸をX、Y方向に延ばした形でファインダ内LCDを非透過とすればよい。
【0126】
このような表示をファインダで確認することによって、ユーザは、カメラが順調に作動しているかを知ることができる。
【0127】
もしも、カメラが間違った表示をするような時には、主要被写体の検出も間違っていると考えられるため、その時は改めて、図14(a)に示すようなフォーカスロック動作を行うことによって、測距をやり直せるようにしてもよい。
【0128】
この場合、図18(a)に示すように設けられたフォーカスロックスイッチ46をユーザが操作する。また、測距ポイントと、ファインダ画面とを対応づけするために、演算処理部43は、測距結果や、画角切換部45による操作時の画角に基づき、対応づけ演算を行ない、その結果をLCD表示に反映させる。
【0129】
次に本発明による第3の実施形態に係る測距装置について説明する。
【0130】
図21は、本発明の測距装置を一眼レフレックスカメラに適用した構成例を示す断面図である。
【0131】
撮影レンズ51を通過した被写体からの光束は、メインミラー53により反射又は透過される。このメインミラー53で反射された光束はファインダ54に導かれ、メインミラー53を透過した光束はサブミラー55で反射されてカメラボディ56の下部に設けられた焦点検出部57に導かれる。
【0132】
カメラボディ56には、ストロボ装置58が設けられ、焦点検出時の補助光の投光手段として機能する。またファインダ54内には、LCD59が配置され、図示しない演算制御部の制御により撮影画面内の合焦した位置を表示し、ファインダ54から確認できるようにしている。
【0133】
この焦点検出部57は、位相差検出方式により焦点を検出するものであり、撮影レンズ51を通過した光束を絞り込む視野マスク(Sマスク)60と、赤外カットフィルタ61と、光束を集めるためのコンデンサレンズ(Cレンズ)62と、光束を全反射する全反射ミラー63と、光束を制限する瞳マスク64と、エリアセンサ65と、光束をエリアセンサ65上に再結像させる再結像レンズ(Sレンズ)66とから構成される。
【0134】
図22には前述した焦点検出部57の斜視図を示す。この構成において、瞳マスク64の後方には、図示しない被写体からの光束を通すためのSレンズ67が設けられている。
【0135】
演算制御部(CPU)71はエリアセンサ65及びストロボ装置72の動作制御を行う。エリアセンサ65の積分動作を開始させ、必要に応じてストロボ装置72を発光させて発光時又は、非発光時のセンサデータを得る。演算制御部71はエリアセンサ65からセンサデータを読出し主要被写体検出、焦点検出演算等を行う。また、演算制御部(CPU)71は、後述する次候補スイッチ73が設けられている。
【0136】
図23は、第3の実施形態である一眼レフレックスカメラの外観図である。 本発明を応用したカメラであっても、図24に示すような撮影画面においては画面構成が煩雑であるため、どれを主要被写体とするか判断できない場合がある。基本的には図24(a)に示すように、中央に存在する人物の形のパターンを優先すれば、高い確率でOKとなるが、条件によっては、間違って図24(b)に示す酒瓶にピントが行ってしまったり、あるいは撮影者が、実は図24(c)に示す周辺の人物にピントを合せたい場合もある。
【0137】
このような場面では、カメラに設けられた次候補スイッチ73の操作によって、次のピント合せ候補を演算制御部71で判断して、ファインダ54内のLCD59で候補に指示表示して、ユーザーにわかるようにすれば、多くの不満は、解消される。また、このようにして、一眼レフレックスカメラに応用すれば、ピントが合っているか否かを撮影画面上で判別できるため、ユーザーにはさらにピント位置の確認が容易となり失敗のない撮影を実現できる。
【0138】
以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0139】
(1) 被写体の像パターンに応じた光信号を積分する積分手段と、
上記積分手段の積分量が適正レベルであるかをモニタするモニタ手段と、
上記積分量をモニタする領域を設定するモニタ領域設定手段と、
上記被写体に補助的に光を投射する投光手段と、
上記積分手段の出力に基いて上記被写体までの距離を求める測距演算を行う演算制御手段と、
を具備した測距装置であって、
上記投光動作を行わず、上記積分動作を行う第1プリ積分モードと、
上記投光動作と同期して上記積分動作を行う第2プリ積分モードと、
を備え、
上記第1,第2プリ積分モードの動作結果に応じて、上記演算制御手段が上記モニタ領域を選択して積分制御を行う本積分を実行するようにしたことを特徴とする測距装置。
【0140】
(2) 上記演算制御手段は、上記本積分時に、上記第1,第2プリ積分モードの動作結果の大きな領域を選択し、上記モニタ領域設定手段を制御することを特徴とする上記(1)記載の測距装置。
【0141】
(3) 上記設定された領域の像信号を用いて測距演算することを特徴とする上記(1)記載の測距装置。
【0142】
(4) 上記第1,第2プリ積分モードの積分時間は、上記本積分の積分時間よりも短く設定されていることを特徴とする上記(1)記載の測距装置。
【0143】
(5) 上記積分モニタ用センサを画角に連動させるようにしたことを特徴とする上記(1)記載の測距装置。
【0144】
(6) 測距対像領域の中央部および周辺部にある複数の被写体像を受光してそれぞれの像信号を出力する積分型センサ手段と、
この積分型センサ手段の所定領域の像信号レベルのみをモニタするモニタ手段と、
被写体に向けて投光を行う投光手段と、
上記積分型センサのみを作動させる第1プリ積分動作モードと、上記積分型センサと上記投光手段とを同期させて作動させる第2プリ積分動作モードと、測距情報を得るための本積分動作モードとを有し、上記第,第2プリ積分動作モードの動作結果に基いて上記所定領域を設定すると共に、上記本積分動作を行い、この本積分動作時の像信号に基いて被写体までの距離を演算する演算制御手段と
を具備したことを特徴とする測距装置。
【0145】
(7) 上記演算制御手段は、上記第1,第2プリ積分結果より、上記中央部の変化量と上記周辺部の変化量とをそれぞれ比較して、中央部の変化量が周辺部の変化量よりも大なるときは、中央部を上記所定領域として設定することを特徴とする上記(6)記載の測距装置。
とにより、主要被写体の周囲が夜景のような低輝度の撮影環境であっても主要被写体に正しくピント合せが行われる。
さらに、被写体に対して光を投射する投光手段と被写体像を検出するための像センサを有する測距装置において、測距動作に先立って、上記投光手段を投光制御し、上記投光制御時に上記像センサによって得られた反射像信号に従って上記測距動作時の測距ポイントを特定する判定手段を有する測距装置を提供する。この測距装置により、撮影画面とほぼ同じ範囲の測距範囲を有し、測距動作に先立って、プリ発光を行い、測距ポイント即ち、ピントを合わせるべき主要被写体の撮影画面内の位置が特定され、撮影画面が複数の被写体を含む複雑な構図であった場合には、カメラを振って測距範囲に被写体を入れるように構え直す必要がなく、所望する被写体が選択できる。
【0146】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、被写体の背景が暗い夜景等の撮影場面における測距であっても、被写体の輝度差や背景の影響を排除した正しく測距を行う測距装置を提供することができる。
【0147】
また、本発明の測距装置にラインセンサを用いて、撮影画面とほぼ同じ範囲の測距範囲とした時に、測距動作に先立って、プリ発光を行い、ピントを合わせるべき主要被写体の撮影画面内の位置を特定することにより、フォーカスロック動作による2段階動作による露光操作をすることなく、即写性に優れている。また、撮影画面が複数の被写体を含む複雑な構図であった場合には、カメラを構えたまま、容易な操作で所望する被写体を選択でき、カメラを振って測距範囲に被写体を入れるように構え直す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態に係る測距装置について具体的に説明するための構成図である。。
【図2】図1に示した構成の実施形態の測距動作について説明するためのフローチャートである。
【図3】第1の実施形態における積分を説明するためのタイミングチャートと、ラインセンサのうちのプリ積分を行うセンサ領域とを示す図である。
【図4】撮影画面の一例を示す図である。
【図5】画角に応じたセンサ領域を選択するための構成例を示す図である。
【図6】撮影画面の一例を示す図と、ラインセンサによる積分量のパターンを示す図である。
【図7】本発明の測距装置における投光なしのプリ積分について説明するための図である。
【図8】本発明の測距装置における投光ありのプリ積分について説明するための図である。
【図9】本発明の測距装置による測距動作の概略を説明するためのフローチャートである。
【図10】従来の測距の問題点を説明するための撮影画面の輝度により積分量と積分完了の判定の関係について示した図である。
【図11】従来の測距における積分について説明するためのタイミングチャートである。
【図12】従来の積分方法における積分量とタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図13】図11に示した従来の積分方法を改善した従来技術の積分方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】第2の実施形態の測距装置において、センサによる測距範囲の比較とフォーカスロックによる測距について説明するための図である。
【図15】第2の実施形態における主要被写体位置を検出する測距装置の概念について説明するための図である。
【図16】第2の実施形態における測距装置の概念的な構成を示す図である。
【図17】第2の実施形態の測距装置による測距について説明するためのフローチャートである。
【図18】第2の実施形態の測距装置の変形例について説明するための図である。
【図19】撮影画面内の測距ポイントを透過エリアで表示する例である。
【図20】撮影画面内の測距ポイントを十字のクロス部分で表示する例である。
【図21】本発明による第3の実施形態に係る測距装置を一眼レフレックスカメラに適用した構成例を示す図である。
【図22】図22に示した焦点検出部を斜め上からみた外観を示す図である。
【図23】第3の実施形態である一眼レフレックスカメラの外観図である。
【図24】本発明の測距装置を搭載したカメラにより撮影する構図でピントを合わせる被写体を切り換える例について説明するための図である。
【符号の説明】
1a、1b…受光レンズ
2a、2b…ラインセンサ
11…パッシブ式オートフォーカス部(AF部)
12…演算制御部
13…投光部
14…合焦部
15…撮影レンズ
16…積分回路
17…モニタ
18…A/D変換部
19…スイッチ
20…演算処理部
21…判定部
22…時間切換部
23…ストロボ
24…投光制御回路
25…輝度センサ
Claims (3)
- 測距対像領域内の被写体像を受光して像信号を出力する積分型センサ手段と、
この積分型センサ手段の少なくとも主要被写体が存在する領域の像信号レベルをモニタするモニタ手段と、
被写体に向けて投光を行う投光手段と、
上記積分型センサのみを作動させる第1プリ積分動作モードと、上記積分型センサと上記投光手段とを同期させて作動させる第2プリ積分動作モードと、測距情報を得るための本積分動作モードとを有し、上記第1、第2プリ積分動作モードの動作の結果得られた信号パターンを分析し、上記主要被写体とその背景の被写体を区別し、上記積分型センサ手段上における上記主要被写体が存在する領域を判定し、上記モニタ手段にその領域を設定すると共に、上記本積分動作を行い、この本積分動作時の像信号に基づいて測距演算を行う演算制御手段と、を具備したことを特徴とする測距装置。 - 上記演算制御手段は、上記第1、第2プリ積分動作の結果を比較して、両者のレベル差が所定値以上ある領域を上記主要被写体が存在する領域として設定することを特徴とする請求項1記載の測距装置。
- 上記演算制御手段は、上記設定した主要被写体が存在する領域の出力信号に基づいて、上記本積分の時間を制御することを特徴とする請求項1記載の測距装置。
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