JP4394303B2 - 真空ゲート弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の真空容器間でワークを搬送するようにした真空ゲート弁に関し、特に、その搬送中のワークの温度低下を抑制するための技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば実開昭64―770号公報等に開示されるように、隣接する1対の真空容器に連通する弁箱内に弁板支持体を、その背面に軸支したガイドローラで案内しながら昇降可能に配置し、この弁板支持体の一方の真空容器側の側面に、弁箱と一方の真空容器との間の連通部を開閉する弁板を平行リンク機構を介して接離可能に支持し、弁箱内の下部に、弁板支持体の下降時に弁板に当接して弁板を支持体に対し閉じ方向に相対移動させる弁板ストッパを設け、弁箱上壁外面に、該上壁を上下方向に気密状に貫通するピストンロッドを有するシリンダを取り付けて、そのピストンロッドの下端部を弁箱内の弁板支持体に連結し、シリンダの伸縮作動により弁板支持体を弁箱内で昇降移動させて弁板を開閉させ、シリンダの収縮作動により弁板支持体を上昇させたときには、その弁板支持体と共に弁板を上昇させて弁箱の真空容器との連通部を開き、両真空容器同士を連通させる一方、シリンダの伸長動作により弁板支持体を下降させたときには、その途中で、弁板支持体と共に下降する弁板を弁板ストッパに当接させて平行リンク機構により弁板支持体から離隔させ、この離隔により弁板を弁箱と真空容器との連通部の周りに押し付けて両真空容器同士の連通を遮断するようにした真空ゲート弁は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、基板等のワークに蒸着等の多数種類の成膜処理を連続して施す場合、上記のような真空ゲート弁に接続されている複数の真空容器の各内部でワークを加熱手段で加熱保持した状態で蒸着等の成膜をすることが行われている。すなわち、真空ゲート弁により密閉された一方の真空容器内にワークを搬入し、そのワークを真空容器内に設けられたヒータ等により加熱しかつ所定の設定温度に維持した状態で成膜する。その成膜が終わると、真空ゲート弁を開き、ワークを真空ゲート弁の内部を通過させて他方の真空容器へ移動させる。そして、真空ゲート弁を閉じた後、この他方の真空容器内で同様にワークを加熱保持した状態で次の成膜処理を行う。
【0004】
しかし、上記真空ゲート弁の内部には、通常、ワークの熱損失を防ぐための対策は何等されていない。このため、一方の真空容器から真空ゲート弁の内部を通過させて他方の真空ゲート弁へ加熱されたワークを移動させる場合、そのゲート弁内部を通過する間にワークの温度が低下してしまうのは避けられず、次の成膜処理でワークを目的の温度に加熱するのに大きなエネルギーが必要となる。
【0005】
例えば、真空ゲート弁の内部にヒータ等の加熱手段を設けて真空ゲート弁を通過するワークを加熱するようにしてもよいが、構造が非常に複雑となり製造コストが大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように真空容器間で真空ゲート弁等を介してワークを搬送するようにした真空ゲート弁について、その装置構造に改良を加えることで、真空容器間を搬送中のワークの温度低下を簡単な構造により可及的に抑制しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、複数の真空容器間を連通又は連通遮断するように開閉する真空ゲート弁が対象である。そして、開弁時に上記複数の真空容器同士を連通すると共にワークが通過する連通路が形成される弁箱を備え、上記連通路は、該連通路の内部空間に露出する壁面の全体が、上記ワークから放射される輻射熱を反射する輻射熱反射面に形成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、真空空間における熱伝導では空気中のように対流による熱伝導がないので、加熱されたワークの温度低下の主たる原因は輻射による熱伝導である。従って、上記請求項1の構成によって、真空ゲート弁の内部の輻射熱反射面がワークから放射される輻射熱を反射して再びワークへ入射させるので、ワークの温度低下を効果的に抑制することができる。
【0009】
さらに、内部を通過するワークの温度低下を抑制する目的でヒータ等の加熱手段を別途設ける必要がなく、簡単な構成によりワークの熱損失を抑制できるので、コストの低減を図ることができるものとなる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の真空ゲート弁において、上記真空容器の開口と略平行な方向に沿って開弁位置及び閉弁位置の間を移動可能な弁板支持体と、上記弁板支持体に接離可能に支持され、弁板支持体の閉弁位置で上記弁板支持体に対し接離して上記真空容器の開口を開閉する弁板とを備えることを特徴とする。このことにより、望ましい真空ゲート弁を具体化することができる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の真空ゲート弁において、上記輻射熱反射面が鏡面状のものとする。
【0012】
また、請求項4の発明では、上記輻射熱反射面の表面あらさRがR<25Sを満足していることを特徴とする。
【0013】
仮に、表面あらさRがR≧25Sである場合には、ワークが放射する輻射熱を充分な強度で反射させることができない。従って、上記請求項4の構成によって、望ましい輻射熱反射面を具体的に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図6〜図8は本発明の実施形態を示し、1は前側に位置する第1真空容器、2は第1真空容器1の後側に隣接する第2真空容器であって、各真空容器1,2はそれぞれ互いに対向配置された略矩形状の開口3,4を有する。そして、この真空容器1,2の内部には、格納された基板等のワークWを加熱保持するためのヒータ等の加熱手段が設けられており、各真空容器1,2内でワークWを所定の設定温度に保持した状態で蒸着等の多種類の成膜ができるようになされている。
【0015】
そして、両真空容器1,2間には両真空容器1,2の内部空間(真空空間)同士を連通又は連通遮断するための真空ゲート弁5が配設されている。この真空ゲート弁5は、両真空容器1,2間に気密状に挟まれた薄厚矩形状の弁箱6を備え、この弁箱6の前壁(図7及び図8で左側壁)の下部には上記第1真空容器1の開口3に対応する前側連通口7が、また後壁(図7及び図8で右側壁)の下部には第2真空容器2の開口4に対応する後側連通口8がそれぞれ開口されており、この連通口7,8を介して弁箱6内の真空空間が各真空容器1,2と連通している(以降、図7及び図8において左右方向を前後方向、また紙面に垂直な方向を左右方向とする)。
【0016】
上記弁箱6内の上部には、アクチュエータとしてのエアシリンダ31が配設されている。すなわち、弁箱6の上部壁面に締結固定されたシリンダ台19に載置された状態で配置固定されている。このエアシリンダ31は、シリンダボディから下方に突出して直線運動をする円筒状のピストンロッド31aを有している。
【0017】
一方、弁箱6の上壁面には、ピストンロッド31aと略同じ径を有する開口が貫通形成されており、さらに、この開口の上側には開口に連続しかつ略同じ径のガイド孔を有する案内支持部51が固着されている。そして、ピストンロッド31aは、案内支持部51に気密状態で案内されて、上記弁箱6の開口及び案内支持部51のガイド孔を通って弁箱6内部へ延びるようになされている。
【0018】
そして、ピストンロッド31aの下端部には、底面部とこの底面部から下方に延びる突出部11aとを有するクレビス11が鉛直面内で揺動可能に軸支されている。そして、このクレビス11の突出部11aに、上記弁箱6下部の連通口7,8よりも若干大きくかつ弁箱6内の後側(第2真空容器2側)にオフセット配置した弁板支持体15が連結されている。
【0019】
このようにして、シリンダ31の伸縮作動によりピストンロッド31aを昇降させることにより、弁板支持体15及び後述の弁板34を昇降させる。すなわち、シリンダ31を収縮作動させたときには、弁板支持体15及び弁板34を上昇させ、ゲート弁5を開弁状態とする一方、シリンダ31を伸長作動させたときには、弁板支持体15及び弁板34を下降させ、ゲート弁5を閉弁状態とする。
【0020】
そして、上記弁板支持体15を弁箱6内で昇降案内する複数種類の案内用ローラ22,24,26が設けられている。すなわち、図5に示すように、弁板支持体15の左右側部にはそれぞれ水平左右方向の軸心を持ったローラ軸21,21が突出して取付固定され、この各ローラ軸21には、弁箱6の前後壁内面間の間隔よりも若干小さい外径を有しかつ弁箱6の連通孔7,8の左右両側の前後壁内面上を転動する前後ガイドローラ22が回転可能に支持されている。
【0021】
また、図1、図2及び図4〜図6に示す如く、上記弁板支持体15の第2真空容器2側(図7で右側)である後側面の上下端部にはそれぞれ切り欠き部50,50,…が、例えば6つずつ設けられている。この上端部の切り欠き部50,50は、上及び後方向に開口する一方、下端部の切り欠き部50,50は、下及び後方向に開口している。そして、これら切り欠き部50,50,…には、それぞれ水平左右方向に延びるローラ軸23,23,…が上下に略対応して左右方向に並んだ状態で取付固定され、この各ローラ軸23には弁箱6の後壁内面上を転動可能な後側ガイドローラ24が支持されている。
【0022】
さらに、図4及び図5に示す如く、弁板支持体15の左右側部の上下端部にはそれぞれ水平前後方向の軸心を持つローラ軸25,25,…(一方のみを示す)が取付固定され、この各ローラ軸25に弁箱6の左右側壁内面上を転動するサイドローラ26が回転可能に支持されている。そして、これらガイドローラ22,24及びサイドローラ26により弁板支持体15が弁箱6内で前後方向及び左右方向に殆ど位置ずれすることなく昇降するようになっている。
【0023】
このようにして、弁板支持体15は、弁箱6内でガイド機構としての前後ガイドローラ22、後側ガイドローラ24、及びサイドローラ26により案内されて、第1及び第2真空容器1,2の各開口と略平行な方向に沿って開弁位置及び閉弁位置の間を移動可能とされている。
【0024】
上記弁板支持体15の前側面(図7で左側面)には弁板支持体15と略同じ大きさ(弁箱6下部の前側連通口7よりも若干大)の弁板34が対なるリンクを有する平行リンク機構44,44,…を介して接離可能に支持されている。この弁板34は、弁板支持体15の閉弁位置で弁板支持体15に対し接離して、第1真空容器1の開口3つまり弁箱6の前側連通口7を開閉して第1及び第2真空容器1,2同士を連通又は連通遮断させるものである。そして、その弁板34の前側面外周部には、例えばバイトン等からなるリング状のシール部材35が取付固定されており、弁板34が第1真空容器1の開口3を閉じたときに、弁板34と、その開口3周りの壁部、つまり、連通口7周りの弁箱6の前壁内面との間で圧縮されて弁板34及び壁部間をシールするようになされている。
【0025】
上記平行リンク機構44,44,…は、弁板34及び弁板支持体15の間に設けられて上記弁板支持体15の閉弁位置で弁板34及び弁板支持体15が互いに接離するように支持しており、この弁板34及び弁板支持体15が接触することによって真空ゲート弁5が開弁する一方、離隔することによって閉弁するように構成されている。
【0026】
すなわち、図1〜図3にも示すように、弁板支持体15には、弁板支持体15を前後方向に貫通する複数の開口部16,16,…がそれぞれ略左右方向に並んだ状態で形成されている。そして、この各開口部16内に円筒状のリンク軸47が弁板支持体15の移動方向と直交する水平左右方向が軸心方向となるように配設されており、リンク45の後端部(弁板支持体15側の端部)が、このリンク軸47の軸心回りに揺動可能に軸支されている。
【0027】
また、弁板34の後側面には上記弁板支持体15の各開口部16に略対応して凹部36が形成されている。そして、この各凹部36内に円筒状のリンク軸46が水平左右方向が軸心方向となるように配設されており、上記各リンク45の前端部(弁板34側の端部)がこのリンク軸46の軸心周りに揺動可能に軸支されている。そして、上記上下に対応する1対のリンク45,45で平行リンク機構44,44,…が構成されており、この平行リンク機構44,44,…を介して弁板34が弁板支持体15の前側面(第1の真空容器1側の側面)に接離可能に支持されている。
【0028】
また、図1,図2及び図4に示すように、上記弁板34の前側面における左右側部下端にはそれぞれ水平左右方向に延びるローラ軸38,38が取付固定され、この各ローラ軸38にはストッパローラとしての弁板前ローラ39が回転可能に支承されている。また、弁箱6の前壁内面における左右側部の下端には、弁板34が弁箱6の前側連通口7を閉じた閉弁状態にあるときの上記各弁板前ローラ39に対応して有底の凹部6bが形成されており、弁板34が前側連通口7を開いた状態では、弁板前ローラ39は前側連通口7の左右両側の前壁内面上を転動するが、閉じた状態では、弁板前ローラ39が弁箱6の凹部6b内にその底面から浮いた状態で落ち込むようになっている。
【0029】
そして、上記弁箱6内の下部には上記各弁板前ローラ39の真下位置にそれぞれ当接部材40,40が左右方向に並んだ状態で取り付けられている。この各当接部材40はブロック状のもので、弁板支持体15が下降端位置近傍まで下降したときに弁板34詳しくは弁板前ローラ39に当接して弁板34の下降移動を停止させ、その後の弁板支持体15の下降移動に伴い、弁板34を平行リンク機構44,44,…によって弁板支持体15から離隔する前方向つまり閉じ方向に相対移動させるように案内する。尚、この弁板前ローラ39に代え、各当接部材40に、弁板34に当接して転動するストッパローラを軸支するようにしてもよい。
【0030】
また、図1及び図5にも示すように、弁板支持体15の閉弁位置を調節してシール部材35の圧縮量を調整する調整手段13を備えている。具体的には、弁箱6内側底部に、ブロック状の支持部材12が固着して設けられており、この支持部材12の上面に複数の板材を弁板支持体15の移動方向に積層して一体化される積層部材としての調整手段13が載置されている。さらに、この調整手段13の上面に弁板支持体15の閉弁位置でこの弁板支持体15に当接するストッパ14が設けられていて、調整手段13を介して支持部材12にボルト10により締結固定されている。つまり、調整手段13は、ストッパ14に固定されている。また、支持部材12、調整手段13及びストッパ14は、それぞれ例えばステンレス鋼等からなる。このようにして、調整手段13は、支持部材12とストッパ14との間に挟まれる板材の枚数を変更することにより、弁板支持体15のストッパ14との当接位置を変更するようになされている。
【0031】
そして、本発明の特徴として、開弁時に真空容器1,2間を搬送されるように真空ゲート弁5の内部を通過するワークWに対向する周囲面、つまり真空ゲート弁5内部の内壁面に、ワークWから放射される輻射熱を反射する鏡面状の輻射熱反射面Aが設けられている。具体的には、輻射熱反射面Aは、その表面あらさRがR<25Sを満足するようになされている。
【0032】
尚、JIS規格でも示されるように、表面あらさを最大高さRmaxによって指示するときは、標準数列(0.05,0.1,0.2,0.4,0.8,1.6,3.2,6.3,12.5,25,50,100,200,400)の数値を用いるようにしており、本発明で記載しているように、表面あらさRを最大高さRmaxの許せる最大値によって指示する場合、上記標準数列の数値の後にSを付けて表す。このとき、最大高さRmaxの最大値表示としての25Sは、0μmRmax≦25S≦25μmRmaxを意味する。
【0033】
すなわち、図1、図2、図4、図7及び図8に太線で示すように、真空ゲート弁5が開弁状態のときに、隣接する真空容器1,2内部の真空空間同士を連通する連通路30が、弁箱6の前後及び左右方向の内壁面と、支持部材12及び調整手段13の側壁面と、及びストッパ14の壁面と、当接部材40の壁面と、弁板34の下端面及び下端部側面と、弁板支持体15の下端面と、弁箱6の連通口7,8の内周面とにより区画されてなり、この連通路30の内壁面が輻射熱反射面Aとなるようになされている。
【0034】
換言すれば、上記のように開弁時に区画される連通路30について、その内部の空間としての連通空間に露出する壁面が鏡面状の輻射熱反射面Aとされている。
【0035】
次に、上記実施形態の作動について説明する。まず、図7にも示すように、真空ゲート弁5が閉じられて密閉された第1真空容器1の内部の真空空間で、ワークWに対して例えば蒸着等の成膜を行う。このとき、ワークWを高温に維持する必要があるので、第1真空容器1内に設けられているヒータによりワークWが所定温度になるように加熱保持する。
【0036】
そして、第1真空容器1内での成膜が終了した後に真空ゲート弁5を開く。すなわち、図1,図6で実線及び図7に示す閉弁状態にある真空ゲート弁5を開くときには、シリンダ31の収縮作動によってピストンロッド31aを、案内支持部51により気密状に案内された状態で上昇移動させる。このことで、ピストンロッド31a下端にクレビス11を介して連結されている弁板支持体15がガイドローラ22,24により前後方向に、またサイドローラ26により左右方向にそれぞれ移動規制されて案内されながら弁箱6内を上昇する。この弁板支持体15の上昇により、弁箱6と第1真空容器1との間の連通部つまり前側連通口7を気密状に閉じていた弁板34が平行リンク機構44,44,…により引き上げられて、その前側連通口7が開かれる。
【0037】
そして、上記シリンダ31の収縮ストロークエンド近傍で、図2,図6で仮想線及び図8に示すように弁板支持体15により弁板34が下端部を弁箱6の連通口7,8の上端位置に略一致させるように移動して、両真空容器1,2の内部空間同士が弁箱6内を介して連通状態となる。このとき、ワークWを第1真空容器1から真空ゲート弁5の内部を通過して第2真空容器2へ搬送させる。そして、第2真空容器2への搬送が完了した後に真空ゲート弁5を閉じる。
【0038】
上記開弁状態から逆にゲート弁5を閉じるときには、シリンダ31の伸長作動によりピストンロッド31aを下降させる。このことで、弁板支持体15が、ガイドローラ22,24及びサイドローラ26により移動規制されて案内されながら弁板34と共に弁箱6内を下降する。そして、弁板支持体15の下降端位置近傍で弁板34下端の上記各弁板前ローラ39がストッパ40に当接すると、弁板34のそれ以上の下降移動が停止され、弁板支持体15のさらなる下降移動により弁板34が今度は平行リンク機構44,44,…における各リンク45の立上がり動作により弁板支持体15から離隔するように前側に移動案内される。
【0039】
図6で実線及び図7に示すように、弁板支持体15の下端部がストッパ14の上面近傍に達すると、弁板に設けられているシール部材35が、弁箱6と第1真空容器1との間の連通部つまり弁箱6の前側連通口7の周りの壁面に接触する。そして、ガイドローラ22,24により後側面を移動規制されている弁板支持体15がさらに下降することにより、弁板34は弁板支持体15によりリンク45,45,…を介して前側に押される。そして、シール部材35の圧縮量が増大される。
【0040】
そして、弁板支持体15の下端部がストッパ14の上面に当接して弁板支持体15が閉弁位置に達することによりこの弁板支持体15の下降が止まって、シール部材35に所定の圧縮量を付与した状態で、両真空容器1,2の内部空間同士の連通が弁板34によって気密シール状態で遮断される。
【0041】
その後、気密状態とされた第2真空容器2の内部の真空空間で、ワークWを目的の温度に保持した状態で次の蒸着等の成膜を行う。
【0042】
そのとき、真空空間における熱伝導では空気中のように対流による熱伝導がないので、加熱されたワークWの温度低下の主たる原因は輻射による熱伝導である。従って、真空容器1,2間の連通路30、つまり真空ゲート弁5内部の輻射熱反射面AがワークWから放射される輻射熱を反射して再びワークWへ入射させるので、ワークWの温度低下を効果的に抑制することができる。
【0043】
また、輻射熱反射面Aの表面あらさRをR<25Sとすることにより、ワークWから放射される輻射熱を充分な強度で反射させることができる。
【0044】
さらに、連通路30たる真空ゲート弁5内部を通過するワークWの温度低下を抑制する目的でヒータ等の加熱手段を別途設ける必要がなく、簡単な構成により熱損失を抑制できるので、加熱手段を備えるものに比べてコストの低減を図ることができる。
【0045】
尚、本実施形態では、隣接する真空容器の間に設けられた真空装置が真空ゲート弁である場合について説明したが、本発明は真空ゲート弁に限らず、両真空容器に連通する連通路を有するその他の真空装置についても同様に適用することができる。
【0046】
また、連通路30を区画する壁面をそれぞれ輻射熱反射面Aとするようにしたが、これに限らず、開弁時に連通路30に露出しない弁箱6等の壁面についても輻射熱反射面Aとなるようにしてもよく、また、開弁時に連通路30に露出する壁面の一部が輻射熱反射面Aとなるようにしてもよいが、ワークWの温度低下を効果的に抑制するためには、連通路30に露出する壁面の全てを輻射熱反射面Aとすることが望ましい。
【0047】
また、弁板34に設けられているシール部材35の圧縮量を調整するための調整手段13を弁箱6内部に配設するようにしたが、本発明は何等これに限定されるものではなく、このような調整手段13を特に設けないようにしてもよい。
【0048】
−参考例−
次に、本実施形態の参考例について説明する。上記実施形態では、複数の真空容器1,2の間に設けられる真空ゲート弁5について説明したが、本発明は、複数の真空容器と、これら真空容器の各内部の真空空間同士を連通し、真空容器間で搬送されるワークが通過する連通路とを備える真空装置についても適用することができる。
【0049】
すなわち、例えば図8において、第1及び第2真空容器1,2の間に、真空ゲート弁5ではなく、真空容器1,2の開口3,4に連通する筒状の連通路(図示省略)を配設するようにして、この連通路を通過するワークに対向する周囲面に、ワークから放射される輻射熱を反射する輻射熱反射面を設けるようにしてもよい。
【0050】
このようにすることにより、ヒータ等の加熱手段を設けることなく、簡単な構成によって複数の真空容器の間に設けられた連通路を通過するワークの熱損失を可及的に低減することができる。
【0051】
尚、この変形例においても、連通路の少なくとも一部に輻射熱反射面を設けるようにすればよいが、ワークに対向する連通路内部の周囲面における全ての面を輻射熱反射面とすることが望ましい。さらに、複数の真空容器1,2の内部のワークに対向する周囲面が輻射熱反射面Aを有するようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、複数の真空容器間を連通又は連通遮断するように開閉する真空ゲート弁に対して、開弁時に形成された連通路の内部空間に露出する壁面の全体を、ワークから放射される輻射熱を反射する輻射熱反射面に形成することにより、ワークから放射される輻射熱を反射して再びそのワークへ入射させてワークの温度低下を効果的に抑制することができるとともに、簡単な構成としてコストの低減を図ることができる。
【0053】
請求項3の発明によると、輻射熱反射面を鏡面状のものとする。また、請求項4の発明によると、輻射熱反射面の表面あらさRがR<25Sを満足することにより、望ましい輻射熱反射面を具体的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 閉弁状態の真空ゲート弁の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】 開弁状態の真空ゲート弁の要部を拡大して示す図1相当図である。
【図3】 図5におけるIII−III線断面図である。
【図4】 図5におけるIV−IV線断面図である。
【図5】 閉弁状態の真空ゲート弁の要部を示す一部断面図である。
【図6】 閉弁状態の真空ゲート弁の概観を示す正面図である。
【図7】 閉弁状態の真空ゲート弁の概観を示す側面図である。
【図8】 開弁状態の真空ゲート弁を示す図7相当図である。
【符号の説明】
A 輻射熱反射面
R 輻射熱反射面の表面あらさ
W ワーク
1,2 真空容器
3,4 開口
5 真空ゲート弁(真空装置)
15 弁板支持体
30 連通路
34 弁板
Claims (4)
- 複数の真空容器間を連通又は連通遮断するように開閉する真空ゲート弁であって、
開弁時に上記複数の真空容器同士を連通すると共にワークが通過する連通路が形成される弁箱を備え、
上記連通路は、該連通路の内部空間に露出する壁面の全体が、上記ワークから放射される輻射熱を反射する輻射熱反射面に形成されていることを特徴とする真空ゲート弁。 - 上記真空容器の開口と略平行な方向に沿って開弁位置及び閉弁位置の間を移動可能な弁板支持体と、
上記弁板支持体に接離可能に支持され、弁板支持体の閉弁位置で上記弁板支持体に対し接離して上記真空容器の開口を開閉する弁板とを備えることを特徴とする請求項1の真空ゲート弁。 - 請求項1又は2の真空ゲート弁において、
上記輻射熱反射面は鏡面状のものであることを特徴とする真空ゲート弁。 - 請求項1又は2の真空ゲート弁において、
上記輻射熱反射面の表面あらさRがR<25Sを満足していることを特徴とする真空ゲート弁。
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