JP4392646B2 - テンション装置と力制限器を有する安全ベルトシステム - Google Patents

テンション装置と力制限器を有する安全ベルトシステム Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、車両又はベルト帯に感応して制御可能なロック装置、及び安全ベルトバックル、及び安全ベルトシステムに挿入されて動後に存在するベルトのゆるみをなくすテンション装置、及び締付けられた乗客の前方移動によって安全ベルトに及ぼされる力を制限するため継続的に作用する力制限装置を有する、安全ベルトシステムに関する。
【0002】
安全ベルト巻き付けローラに付属のテンション装置を有するロック装置としてドイツ連邦共和国特許出願公開第1913448号明細書に記載された安全ベルト巻き付けローラは、従来の技術の属し;公知の装置においてベルト軸に、通常の走行動作の際にロック可能でありかつ所定の危険な車両減速度の生じた際に起動されるプリテンションばねがテンション装置として付属しており、その際、ベルト軸に付属のプリテンションばねの端部は、危険の場合に起動可能なテンションクラッチによってベルト軸に噛み合うので、プリテンションばねは、テンション方向へのベルト軸へのベルト帯ゆるみを巻き付けることを引起こす。
【0003】
テンション過程に続いて生じる係止の場合に、締付けられた乗客の体が、乗客に作用する加速又は現速力に基づいて“ベルトに当たる”と、不利な様式でかなりの力が生じるので、ベルト帯による支援によって傷付く危険が存在する。この状況を避けるために、類概念によるかつドイツ連邦共和国特許出願公開第1913448号明細書により公知の安全ベルト巻き付けローラにおいて、すでに定常的に有効な力制限装置が設けられており、この力制限装置は、テンション運動に続いて生じるベルト帯負荷の際に、ベルト帯の引出し方向におけるベルト軸の回転によって制限されたベルト帯引出しを可能にする。
【0004】
安全ベルトシステムの公知の構成には、重大な事故の際にゆるく装着された安全ベルトに関連して生じることがあるようなテンション過程と力制限過程の時間的な重なりの際に、すでにテンション過程の間に、力制限装置の応答に、したがって力制限装置の調節された前方移動行程の消耗に、したがってテンション装置の巻き付け行程の相殺に至ることがあるという欠点が結び付いている。すなわちベルト帯の巻き付け方向に有効なテンション過程の間にすでに締付けられた乗客の早期の前方移動によってベルト引出し方向における安全ベルトの大きな負荷が生じると、力制限装置がすでに応答し、かつテンション装置によって引起こされるベルト引き込みと同時に相応するベルト帯引出しを可能にするように大きな負荷が、安全ベルトに構成されることがある。
【0005】
それ故に本発明の課題は、初めに挙げたような安全ベルトシステムにおいて、テンション過程と力制限過程の重畳を避けることにある。
【0006】
この課題の解決策は、本発明の有利な構成及び変形も含めて、この明細書に含まれる特許請求の範囲の内容から明らかである。
【0007】
本発明は、その基本思想において、所定の期間の経過の後に、テンション装置の駆動を能動的に遮断する時間制御された装置が設けられていることを考慮している。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4331027号明細書によれば、安全ベルト巻き付けローラ、これに連結されたテンション装置及び力制限装置を有する安全ベルトシステムが公知であり、ここにおいて適当な処置により、力制限装置がテンション運動の終了後にしか有効にならないことを保証するようにし、その際、力制限装置は、自己係止ベルト巻き付けローラの通常のロック特性の際に遮断されており、かつテンション運動によって初めて機能準備にセットされる。それによりテンション装置の活性化がまだ起動されない事故の際に、力制限装置が接続されず、したがって有効にならないことが保証されるようにする。なぜならこのような場合、乗客の制限された前方移動も許容されないからである。ベルトが体にぴったりと接している際にだけ、このような前方移動が許容されるようにし、このことは、力制限装置がテンション運動の終了の後に初めて接続されることを意味する。このような安全ベルトシステムにおいてもテンション過程と力制限過程の重畳は排除されるが、このことは、ベルト巻き付けローラと力制限装置との間のクラッチの投入を前提とし、かつこのことは、製造及び組立において高価であるだけでなく、このように設けられたクラッチの誤動作の欠点も伴う。
【0009】
その点において本発明は、有利なように継続的に有効な力制限装置においてテンション過程と力制限過程の重畳を避けることを目的にしている。本発明は、ベルト巻き付けローラとテンション装置の共同作用に限定されるわけではなく、あらゆる様式のテンション装置において、したがって例えば錠テンショナにおいても、かつあらゆる様式に力制限装置において、したがって例えば安全ベルト自体に投入された力制限装置においても、テンション装置の駆動が所定の期間の後に無効になるという点において、使用可能である。したがってテンション過程の間に締付けられた乗客の考えられる早期の前方移動の際にも、力制限装置の応答に対して微妙な力が安全ベルトシステムにおいて生じることがないほど早期に、テンション装置の駆動の遮断が行なわれる。
【0010】
本発明の実施例によれば、所定の期間に関する時間測定が、車両に配置されたエアバッグ又はテンション装置を起動するために利用されるように、それ自体周知の安全ベルトシステムの構成部分を制御するために使われる中央センサによって活性化されことが考慮されており;それによりテンション装置の駆動は、駆動装置の点火時点、テンション行程、ベルトゆるみのようにベルトテンションにとって有効なあらゆるパラメータに無関係に、ほぼ6ないし12ミリ秒の所定の期間の後に不活性化するので、事故発生のそれに続く時間の間に、力制限装置は、妨害されることなくその作用を始めることができる。したがって車両の中央センサによって検出される事故発生の始めが目的とされ、かつこのことは、力制限装置の力レベルが低く調節されている際に、とくに有利である。
【0011】
本発明の実施例によれば、所定の期間に関する時間測定が、テンション装置の起動によって−例えば生じたガス圧力又は適当な駆動手段の運動によって−活性化されることを考慮することができる。
【0012】
本発明は、1つの構成において、テンション装置の駆動の遮断のための所定の期間が、可変に調節可能であるという考えも含んでいる。このようにして本発明の実施例による所定の期間の調節は、次この間のそれぞれの車両タイプの変形特性に依存して、所定の期間の調節のための影響量であることができ;所定の期間の予備調節を、なお事故発生の間に、例えば事故の重大さ又は舵取りハンドル又は計器パネルまでの座席の間隔のように、検出される事故条件に依存して別のパラメータとして変更し又は整合することが、同様に可能である。
【0013】
不活性化のための所定の期間に達すると、本発明の実施例によれば、駆動の突然のゆるみを介してテンション装置の駆動の遮断を行なうことができる。そのためにテンション装置の駆動によって発生される駆動ガスを通す管が、所定の期間の経過の後に開くことができる弁を介して閉じるゆるみ開口を有することを考慮することができる。本発明の実施例によれば、弁は、テンション装置の駆動の遮断のための所定の期間に相当する燃焼期間を有しかつ花火技術的な材料からなる栓からなることができ、又は弁が、管のゆるみ開口を閉じる弁蓋からなり、その際、弁蓋が、外部の力の作用によってゆるみ開口から取り除き可能であることを考慮することができる。
【0014】
本発明の代替構成において、安全ベルトシステム内のベルトテンションを行なうアセンブリーに対するテンション装置の駆動の間に力作用の突然の中断を介して、テンション装置の駆動の遮断が行なわれるを考慮することができる。
【0015】
本発明の実施例により、とりわけドイツ連邦共和国特許出願公開第4331027号明細書に記載されたように、テンション装置が、つめクラッチによってロック装置のベルト軸に連結可能であるかぎり、軸とテンション装置との間に設けられたクラッチが、操作部材によって付属の対向部分に噛み合うことができ、かつ所定の期間の経過後に噛み合いから外れた位置に戻ることができることを考慮することができる。
【0016】
例えばPCT第WO95/27638号明細書に開示されたように、テンション装置が、その駆動によって加速される質量部材によって、ロック装置のベルト軸に配置されたピニオンに作用する、安全ベルトシステムの構成において、ベルト軸とピニオンが、少なくとも1つのつめによって互いに噛み合って保持されており、かつつめが、所定の期間の経過後に付属の操作部材を介してピニオンとの噛み合いから外れるようにすることができることを考慮することができる。
【0017】
本発明の実施例により、弁蓋の運動、又はテンション装置の駆動からベルトテンションを行なうアセンブリーへの力作用の中断が考慮されているかぎり、本発明の代替実施例によれば、そのために外部から加えるべき力は、適当な駆動要素によって、機械的に、電気的に又は花火技術的に加えることができ、その際、これらの駆動要素は、時間制御によって動作させられる。
【0018】
本発明の実施例が図面に示されており、次にこれについて説明する。
【0019】
その際、図面は、本発明の実現に関与する安全ベルトシステムの構成要素に関してのみ本発明を例として示しており;安全ベルトシステムの別のアセンブリーとこれらの構成要素の共同作用に関しては、すでに挙げた刊行物、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4331027号明細書又はPCT第WO95/27638号明細書の開示内容を参照されたい。
【0020】
図1において、管10が、テンション装置の花火技術的な駆動装置の構成部分として示されているかぎり、この管10は、駆動装置の遮断を実現するために、駆動エネルギーの突然のゆるみを可能にするゆるみ開口11を有し、このゆるみ開口は、テンション過程を行なうために栓12によって閉じられており、この栓は、他方において栓12を収容するハウジングを形成する管空間13内に保持されている。管空間13は、追加的に出口開口15を有する。栓12は、花火技術的な材料からなり、かつその燃焼時間がそれを介してテンション装置が有効になるようにする所定の期間に相当するように構成されている。テンション装置の起動によって、管10内に流れる熱いガスは、ゆるみ開口11を介して、花火技術的な材料からなる栓12に作用し、かつこれを点火するので、栓12の燃焼に至る。燃焼の完了後に、ゆるみ開口11は空いているので、さらに流れる駆動ガスは、ゆるみ開口11及び管空間13における出口開口15を介して放出され、したがってテンション装置への駆動エネルギーの伝達のためにはもはや利用されない。
【0021】
図2に別の実施例が示されており、ここでは弁蓋16が、ゆるみ開口11を閉じており、かつ管空間13に支持された保持棒17によって保持されている。保持棒17に矢印18の方向に外部から力が及ぼされると、弁蓋16は、ゆるみ開口11から取り除かれ、かつこれを管10からの駆動ガスのゆるみに関して空ける。その際、外部から加えるべき力は、機械的、電気的又は花火技術的に及ぼすことができ、その際、相応して作用する適当な駆動要素は、詳細に図示されていない時間制御部によってテンション装置の作用時間の制限に関して機能させられる。このようにして例えば花火技術的な要素は、保持棒17を打ち落とすことができ、その際、花火技術的な要素は、中央センサから制御される。
【0022】
図3は、例えばベルト軸19において軸線21の回りにおいて揺動可能に支持されたつめ20が、ベルト軸19とケーブル円板との間において互いに噛み合うまで半径方向外方に制御可能であることによって、例えばケーブル円板を有する線テンショナとして形成されたテンション装置が、ベルト巻き付けローラの軸19に連結可能である構成について、本発明の基本的な適用を示している。半径方向外方揺動運動は、能動的に制御可能な操作部材22によって引起こされ、このことは、所定の期間に達した後にテンション装置をいつ遮断するようにするかのためにも利用される。
【0023】
PCT第WO95/27683号明細書の模範によりテンション装置が、それぞれ駆動される質量部材28によってベルト軸19に結合されたピニオン23に作用し、かつそれによりベルト軸19が、巻き付け方向に回転する場合にも、ピニオンを相応して配置されたつめ20によってベルト軸19に連結することが考慮できるので、テンション装置を遮断するために操作部材22を介して能動的につめ20が、ピニオン23との噛み合いから外れるようにされ、したがってテンション装置は、所定の期間に達した後にそれ以上有効にならない。
【0024】
図4に、ベルト巻付けローラを有するPCT第WO95/27638号明細書の開示内容に作用するテンション装置が示されており、ここでは駆動管29内に配置された質量球28が、相応して発生される駆動ガスを介して加速され、かつベルト軸19に結合されたピニオン23に噛み合うようになり、かつこれを駆動する。PCT第WO95/27638号明細書により公知のこのような構成において、本発明は、次のようにして実現することができる。すなわち駆動管29は、図1及び2について説明した実施例の模範にしたがって、テンション運動の期間の間にまず閉じたゆるみ開口11を備え、又は図3について説明した実施例の模範にしたがって、ベルト軸19とピニオン23との間の結合部の範囲に相応して制御可能なつめ20が配置されている。
【0025】
前記の説明、特許請求の範囲、要約書及び図面に開示されたこの書類の対象の特徴は、個別的にかつ相互の任意の組合せにおいて、その種々の構成における本発明の実現にとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遮断のための装置を有するテンション装置の駆動装置の構成部分を示す略図である。
【図2】 別の構成における図1の対象の図である。
【図3】 テンション装置の駆動装置を遮断する装置を示す概略的な側面図である。
【図4】 テンション駆動装置とベルト巻付けローラにおける遮断装置の対応の具体的な構成を示す図である。

Claims (16)

  1. 両又はベルト帯に感応して制御可能なロック装置、及び安全ベルトバックル、及び安全ベルトシステムに挿入されて動後に存在するベルトのゆるみをなくすテンション装置、及び締付けられた乗客の前方移動によって安全ベルトに及ぼされる力を制限するため継続的に作用する力制限装置を有する、安全ベルトシステムにおいて、事故の場合行われるテンション装置(10;29)の起動から所定の期間の経過後にテンション装置(10;2)の駆動を停止するための時間制御され装置(12,16,22)が設けられ、それによりテンション装置の駆動の停止後、テンション装置により妨げられることなく力制限装置が作用し、テンション過程中に締付けられた乗客の早期の前方移動の場合にも、力制限装置を反応させる力が安全ベルトシステムに生じないことを特徴とする、安全ベルトシステム。
  2. 所定の期間に関する時間測定が、安全ベルトシステムの構成部分としてのエアバッグ又はテンション装置の起動のために利用される中央センサによって行われることを特徴とする、請求項1に記載の安全ベルトシステム。
  3. 所定の期間に関する時間測定が、テンション装置の起動によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の安全ベルトシステム。
  4. テンション装置(10;20)の駆動停止の前の所定の期間が、可変に調節可能であることを特徴とする、請求項1ないし3の1つに記載の安全ベルトシステム。
  5. 事故の際それぞれの車両タイプに固有の変形特性が、所定の期間の調節影響を及ぼすことを特徴とする、請求項4に記載の安全ベルトシステム。
  6. 事故発生の際検出される事故の状況が、所定の期間の調節影響を及ぼすことを特徴とする、請求項4又は5に記載の安全ベルトシステム。
  7. 駆動エネルギーの突然の低下を介してテンション装置の駆動(10;20)の停止が行なわれることを特徴とする、請求項1ないし6の1つに記載の安全ベルト装置。
  8. 火薬により駆動されるテンション装置を有する安全ベルトにおいて、テンション装置の駆動によって発生される駆動ガスを通す管(10)が、所定の期間の経過の後に開くことができる弁(12,16)を介して閉じられるゆるみ開口(11)を有することを特徴とする、請求項7に記載の安全ベルトシステム。
  9. 弁が、テンション装置の駆動の停止のための所定の期間に相当する燃焼期間を有しかつ火薬からなる栓(12)からなることを特徴とする、請求項8に記載の安全ベルトシステム。
  10. 弁が、管(10)のゆるみ開口(11)を閉じる弁蓋(16)からなり、弁蓋(16)が、外部の力の作用によってゆるみ開口(11)から取り除き可能であることを特徴とする、請求項8に記載の安全ベルトシステム。
  11. テンション装置の駆動部(20)とベルトの緊張に関係する他の装置との間の力の流れの突然の中断を介して、テンション装置の駆動(20)の停止が行なわれることを特徴とする、請求項1ないし7の1つに記載の安全ベルトシステム。
  12. テンション装置が、つめクラッチによって、ベルトの緊張に関係する装置としてのロック装置のベルト軸に連結可能である、安全ベルトシステムにおいて、ベルト軸とテンション装置との間に設けられたつめクラッチが、操作部材(22)によってベルト軸及びテンション装置に付属の対向部分に噛み合うことができ、かつ所定の期間の経過後に、噛み合いから外れた位置に戻ることができることを特徴とする、請求項11に記載の安全ベルトシステム。
  13. テンション装置が、その駆動によって加速される質量部材によって、ロック装置のベルト軸に配置されたピニオンに作用する、安全ベルトシステムにおいて、ベルト軸(25)とピニオン(26)が、少なくとも1つのつめ(20)によって互いに噛み合って保持されており、かつつめ(20)が、所定の期間の経過後に付属の操作部材(22)を介してピニオン(26)との噛み合いから外れるようにすることができることを特徴とする、請求項11に記載の安全ベルトシステム。
  14. 弁蓋(16)を取り除く又は操作部材(22)に作用する力が、機械的に及ぼされることを特徴とする、請求項10,12又は13の1つに記載の安全ベルトシステム。
  15. 弁蓋(16)を取り除く又は操作部材(22)に作用する力が、電気的に及ぼされることを特徴とする、請求項10,12又は13の1つに記載の安全ベルトシステム。
  16. 弁蓋(16)を取り除く又は操作部材(22)に作用する力が、火薬によって生じることを特徴とする、請求項10,12又は13の1つに記載の安全ベルトシステム。
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