JP2001163179A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2001163179A
JP2001163179A JP35180799A JP35180799A JP2001163179A JP 2001163179 A JP2001163179 A JP 2001163179A JP 35180799 A JP35180799 A JP 35180799A JP 35180799 A JP35180799 A JP 35180799A JP 2001163179 A JP2001163179 A JP 2001163179A
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Yasuo Ito
保雄 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両衝突の際に、乗員に加わるベルト荷重が
増えないようにしつつ、乗員の移動を抑制することがで
きるシートベルト装置を提供する。 【解決手段】 ウェビング(70)の弛みを除くプリテンシ
ョナ(600)、所定荷重を超えるとウェビングを繰出すエ
ネルギ吸収機構(100)、及びウェビング締付けタングプ
レート(505)を組合わせて、エネルギ吸収機構が作動し
てウェビングが繰出されても、乗員の腰部が前方に移動
することをウェビング締付けタングプレート(505)で防
止するので乗員の上半身への荷重の増加を減じつつ、下
半身の二次衝突を防止することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は車両衝突の際に乗員
を座席に拘束して乗員の安全を図るシートベルト装置に
関する。
【従来の技術】車両には、衝突の際の乗員保護などを目
的としてシートベルト装置が設けられている。シートベ
ルト装置は、ウェビング(シートベルト)をたすきがけ
にして乗員を座席に拘束する3点式が一般的であり、車
両衝突の際の乗員移動量を減じ、乗員への傷害軽減やハ
ンドルやインパネなどの車室内構造物との二次衝突を防
止せんとする。このウェビングには、衝突時の乗員の慣
性移動によって大きい荷重が加わる。この荷重は乗員の
胸部への荷重となる。そこで、ウェビング張力が一定の
荷重を超えると、ベルト巻取装置に巻かれているウェビ
ングを繰出して、乗員胸部への荷重を低下させるエネル
ギ吸収機構(EA)を設けている。例えば、特開平9−
277904号には、エネルギ吸収機構としてトーショ
ンバーを用いた例が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】この場合、ウェビング
張力を適宜に緩和させると共に、乗員の衝突方向(通常
は、前方)の移動を抑制できればより好ましい。よっ
て、本発明は、車両衝突の際に、乗員に加わる荷重が増
えないようにしつつ、乗員の移動を抑制することができ
るようにしたシートベルト装置を提供することを目的と
する。また、本発明は、車両衝突の際に乗員の移動によ
って上半身に加わるウェビング荷重を抑制しつつ、下半
身の移動を抑制することができるようにしたシートベル
ト装置を提供することを目的とする。また、本発明は、
車両衝突の際にウェビングを強制的に巻上げてウェビン
グの弛みを除いて乗員を座席に拘束し、乗員に加わる荷
重が所定値を超えると、上半身に加わる荷重をクランプ
機構などによって緩和しつつ、下半身(特に腰部)の移
動を防止するようにしたシートベルト装置を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のシートベルト装置は、乗員をウェビングに
よって座席に拘束するシートベルト装置において、一端
が固定されたウェビングの他端側を巻取るベルト巻取り
装置と、上記ウェビングに挿通し、上記座席の腰部近傍
に位置するバックルと連結することにより、乗員へのシ
ートベルト装着を行うタングプレートと、上記乗員の移
動に伴って上記ウェビングを上記タングプレートにおい
て挟止(又は挟持)する挟止(挟持)機構と、車両の衝
突検出に対応して上記ウェビングの弛みを除く緊急引込
み装置と、上記ウェビングに印加される引出し荷重が所
定値を超えると上記ベルト巻取り装置から上記ウェビン
グの伸び出しを許容するエネルギ吸収機構と、を備え
る。かかる構成によれば、車両が衝突すると、緊急引込
み装置(各種プリテンショナ)によってウェビングの弛
みを除いて乗員を座席に拘束し、乗員の2次衝突を防止
する。拘束された乗員が衝突によって前方に慣性移動し
てウェビングにより所定値を超える荷重を受けると、エ
ネルギ吸収機構がウェビングを繰出し、ウェビング荷重
及び乗員胸部への荷重の増加を抑制する。また、乗員が
前方に移動するとタングプレートの挟止機構がウェビン
グをタングプレートに挟止(挟持)し、乗員の腰部の移
動を抑止する。それにより、車両衝突に伴う乗員の車内
での2次衝突の防止と、乗員を拘束するウェビング荷重
の増大の抑制とが図られる 上記挟止(あるいは挟持)機構は、例えば、ウェビング
との摩擦によって移動可能な第1の挟止体と、上記ウェ
ビングを間にして上記第1の挟止体とは反対側に設けら
れた第2の挟止体と、を備え、上記ウェビングを第1の
方向に引張った際に、上記第1の挟止体と第2の挟止体
とで上記ウェビングを挟止し、上記ウェビングを第2の
方向に引張った際に、上記挟止を解除する。好ましく
は、上記挟止機構付タングプレートと、エネルギ吸収機
構及びクランプ機構付ベルト巻取装置と、バックル側緊
急引込み装置(プリテンショナ)とが設けられる。好ま
しくは、上記挟止機構付タングプレートと、エネルギ吸
収機構及び緊急引込み装置(プリテンショナ)付ベルト
巻取装置とが設けられる。好ましくは、上記挟止機構付
タングプレートと、上記エネルギ吸収機構付ベルト巻取
装置と、バックル側緊急引込装置とが設けられる。好ま
しくは、上記挟止機構付タングプレートと、上記エネル
ギ吸収機構付ベルト巻取り装置と、ラップ部側緊急引込
装置とが設けられる。好ましくは、上記エネルギ吸収機
構はエネルギ吸収部材としてトーションバー(捻れ軸)
を含む。好ましくは、上記緊急引込み装置は、ベルト巻
取装置、バックル部あるいはベルトを固定するアンカー
部に設けられ、(例えば、火薬点火による)ガス発生式
である。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
シートベルト装置について図面を参照して説明する。図
1は、本発明のシートベルト装置の第1の実施形態を示
している。図1(a)は、シートベルト装置の正面図、
同(b)は、その側面図である。両図において、座席5
01の左側方下部には、後述のバックルプリテンショナ
600が配置され、座席501の右側方下部(車両のB
ピラー下部)には、ベルト巻取装置100が配置され
る。ベルト巻取装置100には、後述するように、車両
等の加速度あるいはウェビング70の車両等に対する相
対運動によってウェビングをロックする緊急ロック機
構、ウェビングクランプ機構、エネルギ吸収機構、ウェ
ビング巻取り機構などが設けられている。例えば、座席
501の下部に、バックルプリテンショナ600を起動
させる電気的衝突診断回路(ECU)510が配置され
る。電気的衝突診断回路510は、減速度センサ(ある
いは加速度センサ)とこの出力を弁別する電気回路(コ
ンピュータシステム)とからなる。該電気回路は、例え
ば、減速度センサの減速度出力からノイズフィルタによ
ってノイズを除去し、第1の積分回路によって速度信号
に変換する。この速度信号を第2の積分回路によって変
位信号に変換し、変位信号のレベルと比較基準値をレベ
ル比較器で比較する。減速度出力が規定の減速度を越え
ると、駆動回路によって点火信号を発生し、これをバッ
クルプリテンショナ600に与える。バックルプリテン
ショナ600は、バックル506を介してウェビング7
0を瞬間的に引き込んでウェビング70の弛みをとり、
車両衝突などの緊急時に乗員503を座席501に拘束
する。ベルト巻取装置100は、余分なウェビング70
を巻き取って収納する。このベルト巻取装置100は、
後述するクランプ機構を備え、急な減速の際にウェビン
グ70を直接挟持することによってウェビング70の引
き出しを抑制し、バックルプリテンショナ600による
弛み除去効果を高める。ウェビング70の一端側は、ベ
ルト巻取装置(リトラクタ)100の図示しないボビン
に取り付けられて巻回される。ウェビング70の他端側
は、乗員503の肩上方に位置する、車両のBピラー上
部に取り付けられたスルー部(上部スリップガイド)5
08を経てBピラー下部に配置されたアンカープレート
(下部取り付け部)509に取り付けられている。スル
ー部508とアンカープレート509との間のウェビン
グ70には、ウェビング70を挿通し、移動自在なタン
グプレート505が設けられている。このタングプレー
ト505には、後述のウェビング挟止機構が設けられて
いる。それにより、腰回りのウェビング70が弛むのを
防止する。乗員503は、座席501に着座した後、ウ
ェビング70をベルト巻取り装置100から引出し、タ
ングプレート505をバックル506に挿入し、連結し
てウェビング70を装着する。これにより、ウェビング
70は、乗員503の右肩口から左腰部を経て右腰部に
至り、乗員503を座席501に拘束する。かかる構成
のシートベルト装置の動作の概略を説明する。車両緊急
時、バックル506部のプリテンショナ600の動作に
よって、挟止体フリーの状態のタングプレート505か
らショルダスルー508を介したベルト巻取装置100
まで、及びアンカープレート部509からタングプレー
ト505まで(腰部)のウェビング70を緊張させる。
乗員が慣性により前方に移動し、ウェビング張力が一定
の荷重を超えると、ベルト巻取装置100に巻かれてい
るウェビング70がエネルギ吸収機構によって伸び出
す。タングプレート505を介してウェビング70は、
乗員の腰部が前方に移動することによって、弛む方向に
移動しようとするが、タングプレート505の挟止機構
が作動してウェビング70を挟持し、弛みを防止する。
その結果、エネルギ吸収機構が動作してウェビング張力
が緩和しても乗員の腰部の前方移動が抑制される。ウェ
ビング挟止機構付タングプレート505の一例について
図面を参照して説明する。図2は、タングプレート50
5の平面図、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図
であって、ウェビングを挟止した状態を示す図、図4
は、図2のIII−III線に沿った断面図であって、シート
ベルトの挟止を解除した状態を示す図である。タングプ
レート505は、後に詳述するが、図2乃至図4に示す
ように、ウェビング70を挿通させる開口部505iが
形成された側とは反対側が、図5のバックル506に係
合するようになっている。バックル506にはバックル
プリテンショナ600のワイヤが接続される。乗員50
3がシート501に着座した後、手動操作によってタン
グプレート505をバックル506に係合させることに
より、乗員503の腰と肩は3点で支持される。タング
プレート505は、ウェビング70を挿通させる開口部
505i、挟止体505cの回動を許容するベルト開口
部505g及びバックル506と係合するための開口部
505aが形成されたプレート505bと、ウェビング
70が巻き掛けられる回動可能な第1の挟止体505c
と、ウェビング70を間にして第1の挟止体505cと
は反対側に設けられた第2の挟止体505dと、第1の
挟止体505cを軸止する軸受部505eと、これらを
収容するカバー505fと、を備えて構成されている。
第1の挟止体505cは、例えばスチール製等の回転軸
505hを備え、この回転軸505hの両端は軸受部5
05eによって回動可能に軸支されており、巻き掛けら
れたウェビング70との摩擦力によって回動する。この
構成を備えたベルト締め付けタング505は、図4に示
す状態の際に、ウェビング70に矢印X方向に引っ張り
力が働くと、第1の挟止体505cの外周面505jと
ウェビング70との間に生じた摩擦力により、第1の挟
止体505cを矢印X方向に回動させる。この回動によ
って、第1の挟止体505cは、第2の挟止体505d
との間隔を狭くして、ウェビング70を第2の挟止体5
05dと共働して挟み、図3に示すように、ウェビング
70を挟止する(クランプする)。このため、ウェビン
グ70を矢印X方向にそれ以上引っ張っても、ウェビン
グ70は、第1の挟止体505c及び第2の挟止体50
5dの間を通過して動くことはない。従って、乗員50
3の腰部は、座席501に確実に拘束される。なお、こ
の回動は、ストッパ505kが、プレート505bに当
接することによって停止する。このウェビング70が挟
止された状態(図3参照)で、ウェビング70に矢印Y
方向(図3及び図4参照)、すなわちウェビング巻取り
装置100が配置されている側に引っ張り力が働くと、
第1の挟止体505cの外周面505jとウェビング7
0との間に生じた摩擦力により、第1の挟止体505c
は矢印Y方向に回動する。この回動によって、第1の挟
止体505cは、第2の挟止体505dとの間隔を広く
して、ウェビング70の挟止を解除する。この回動は、
ストッパ505lが、プレート505bに当接すること
によって停止する。図5は、バックルプリテンショナ6
00の構成例を示している。プリテンショナ600は、
ケース601、シリンダ602、ベース603、ガス発
生器604、キャップ605、プーリ608、ワイヤ6
09、ピストン612、等によって構成される。ケース
601は、ガス発生器604を収納する収納部601a
と筒状のガス燃焼室601bとを有する。ガス発生器6
04は、例えば、点火信号に応じて火薬を燃焼させて膨
張ガスを発生する。また、燃焼室601bの右側壁(筒
の底部)中央部には、後述のケーブル609を通す貫通
口601dが開口している。筒状のシリンダ602の右
端部の外周にはねじ山が形成される。このねじ山を燃焼
室601bの開口部601cのねじ溝に螺合させて、シ
リンダ602をケース601の燃焼室601bに連結さ
せて取り付ける。シリンダ602の内側には、ピストン
612が配置される。ピストン612は、シリンダに接
触する円筒部612a、円錐台状の傾斜面部612b、
円筒状のストッパ部612cによって構成される。円筒
部612aの外周には環状に溝が形成され、この溝にシ
リンダ内壁に密着してガス漏れを防止するOリング(シ
ール部材)612dが設けられる。シリンダ内壁と傾斜
面部612b間の空間には、鋼球のボール612eが複
数個配置される。このボール612eは後述するように
ピストンを図の左方向にのみ移動可能とするクラッチと
して機能する。燃焼室601bの右側壁には、ベース6
03がボルトによって螺着される。ベース603には、
回転自在なプーリ608が設けられている。ワイヤ(ワ
イヤロープ)609は、シリンダ602、ピストン61
2、燃焼室601b、ベース603、プーリ608を経
て略J字状に配置され、プーリ608によって移動方向
を変える。ワイヤ609の上端はバックル506に連結
されている。ワイヤ609の他端は、ピストン612を
貫通してシリンダ内に露出する。この露出部分にかしめ
部材610が取り付けられる。かしめ部材610の端部
はピストンに当接する。これにより、ピストンが左に移
動するとワイヤ609も左に移動し、バックル506を
引き込む。このように構成された、バックルプリテンシ
ョナの動作について説明する。まず、車両が衝突して急
激な減速度が生じると、これを減速度(あるいは加速
度)センサが検出する。この減速度が車載コンピュータ
に与えられると、衝突を判別し、ガス発生器604に点
火信号が供給される。ガス発生器604は火薬に点火
し、燃焼ガスが瞬時に発生する。燃焼室601bで膨張
したガスは圧力を増し、図の左方向にピストン612を
押し出す。ピストン612には、かしめ部材610が係
止しているので、ワイヤ609も左に移動する。ワイヤ
609はプーリ608を介してバックル506に連結さ
れているので、バックル506、従って、ウェビング7
0に係合するタングプレート505を下方に引き込み、
ウェビングの弛みをとって乗員を座席に拘束する。ピス
トン612に設けられたクラッチ機構は、ピストン61
2が左方に移動するとき、ボール612eがピストンの
傾斜面を下るように右側に移動するので、ボールは傾斜
面とシリンダ内壁との間で自由に回転し、ピストン61
2の移動を妨げない。一方、ピストン612が右方に移
動すると、ボール612eは傾斜面612bを上って傾
斜面612bとシリンダ内壁間に噛み込まれる。くさび
効果によってピストンはロックされ、ピストン612の
戻り、すなわち、図の右方向への移動は防止される。そ
の結果、乗員の座席への拘束が維持されるように作用す
る。次に、クランプ機構付きベルト巻取装置100の一
例について説明する。クランプ機構付きベルト巻取装置
は、例えば、特開平10−6922号公報や、特開平7
−285416号等に開示されている。これ等の装置で
は、車両緊急時に、ウェビングが巻回された巻き取り軸
のウェビング引き出し方向の回転をロック手段によって
ロックする緊急ロック機構と、この緊急ロック機構に連
動して移動可能なクランプ部材が、巻取装置の巻き取り
軸に巻装されたウェビングの引き出し部を挟持すること
によって巻取装置からのウェビングの伸び出しを阻止す
ると共に、ウェビングに所定値以上の荷重が作用したと
きには、ウェビング挟持を解除するように構成されたク
ランプ機構と、巻き取り軸とロック手段との間に介在さ
れ、ウェビングに作用する荷重が所定値以上となった際
には、軸周りに捩れて巻き取り軸をウェビング伸び出し
方向へ回転させる捩り棒(トーションバー)とを備え
る。クランプ機構及びトーションバーは、エネルギー吸
収機構を構成する。図6乃至図18は、クランプ機構付
きベルト巻取装置の例を説明する説明図である。なお、
以下においては、その作動を中心に説明を進める。図6
及び図7は本発明に係るクランプ付巻取装置100の分
解斜視図であり、図8は図7に示したラッチプレート2
5の拡大斜視図であり、図9及び図10は図6及び図7
に示したクランプ付巻取装置100の正面縦断面図及び
一部破断側面図である。クランプ付巻取装置100は、
対向する一対のベース側板1a,1bとこれらベース側
板1a,1b同士を連結するベース背板1cとを備えた
金属板製の巻取装置ベース1と、該巻取装置ベース1に
回転可能に取付けられると共に少なくとも一端にラッチ
プレート25が取付けられた捩じり棒であるトーション
バー28と、車両緊急時にラッチプレート25のウェビ
ング引出し方向の回転を阻止する緊急ロック機構300
と、ウェビング70が巻装されると共にトーションバー
28の他端側に一体回転するように取付けられる円筒状
の巻取軸であるボビン2と、ラッチプレート25とボビ
ン2の対向部分に配設されてボビン2の所定角度以上の
ウェビング伸び出し方向の回転を阻止する回転規制手段
30と、トーションバー28の他端に連結されてボビン
2をウェビング巻取り方向に常時付勢する公知の巻取り
バネ装置5とを備える(図9参照)。ボビン2は、トー
ションバー28と共にエネルギー吸収機構を構成してお
り、アルミニウム合金あるいは鋼と樹脂とを組み合わせ
た略円筒形とされ、ウェビング70が巻回される胴部に
は、ウェビング70の端部を挿通させて保持するため
に、径方向に貫通するスリット開口2aが設けられてい
る。ボビン2の軸方向両端部には、嵌合穴34及び遊嵌
穴35が各々貫通形成されている。又、嵌合穴34が形
成された巻取りバネ装置5側のボビン2の端部には、ベ
ース側板1aのシャフト貫通穴に嵌挿されるスリーブ3
が冠着されている。更に、遊嵌穴35が形成された緊急
ロック機構300側のボビン2の端部に形成された凹部
には、剪断ピン32と枢軸ピン33とが突設されてお
り、ストッパー31及び円環状のカムリング20と共に
回転規制手段30を構成している。ストッパー31は、
貫通孔31bを挿通する枢軸ピン33により揺動自在に
軸支されている。そして、その揺動端側の係止部31a
が、ラッチプレート25の内側面に突設されたボス部2
9のストッパー係合部29a(図8参照)に係合するこ
とにより、該ストッパー31はラッチプレート25に対
するボビン2のウェビング伸び出し方向への所定角度以
上の回転を阻止することができる。また、ストッパー3
1の揺動端側に突設された係合突起31cが、後述する
カムリング20のカム溝22に係合しており、ストッパ
ー31は該カム溝22によりストッパー係合部29aと
係合する方向に揺動させられる。カムリング20の内側
面には、その内周縁に沿った有底溝とされたカム溝22
が刻設されており、外側面には周方向に沿ってC字形状
の有底溝とされたガイド溝21が刻設されている。そし
て、該カムリング20は、上記ボス部29の回りを回転
可能に配置される。ガイド溝21は、ガイド溝21の初
期端部21Aから終端部21Bに至る距離がカムリング
20の外周距離の略2分の1となるように設定されてい
るが、該ガイド溝21の設定距離は、適宜選択すること
ができる(図15参照)。又、ガド溝21が刻設された
カムリング20に対向するラッチプレート25の内側面
には、図8に示すように、該ガイド溝21の内壁面に沿
って摺動可能な係止突起26が突設されている。そこ
で、係止突起26は、ガイド溝21の全域でカムリング
20に対して相対移動自在である。即ち、カムリング2
0はラッチプレート25に対して略180度相対回転可
能である。剪断ピン32は、ラッチプレート25のボス
部29に穿設された係止孔27に嵌合しており、該ラッ
チプレート25のボビン2に対する相対回転を規制して
いる。そして、これらボビン2とラッチプレート25と
の間に所定以上の捩じり力が作用すると、該剪断ピン3
2が剪断されてボビン2をラッチプレート25に対して
相対回転可能とする。トーションバー28の軸方向両端
部には、ラッチプレート25の角穴25bに圧入嵌合で
きる大きさに設定された角柱状部28aと、ボビン2の
嵌合穴34及びスリーブ3の角穴3aに圧入嵌合できる
大きさに設定された角柱状部28bとが形成される。そ
して、トーションバー28の両端部は、各々、後述する
センサーカバー61の軸支部61aとべース側板1aの
シャフト貫通穴に嵌挿されたスリーブ3とによって回転
自在に軸支される。なお、スリーブ3は、ベース側板1
aとの間に嵌挿されたリング状の軸受けブッシュ55を
介して軸支され、トーションバー28のベース側板1b
側の端部は、軸支ピン36を介して軸支される。尚、本
実施形態においては、角柱状部28a,28bと角穴2
5b,3a,34とは六角形状とされているが、これに
限定されるものではない。ラッチプレート25の外側に
は、緊急ロック機構300を車両緊急時に作動させるロ
ック作動手段としてのラッチカップ40が、該ラッチプ
レート25に対して相対回転可能に配設されている。即
ち、ボビン2とラッチプレート25の間には、トーショ
ンバー28を主体とするエネルギー吸収機構200が構
成されており、緊急ロック機構300によりウェビング
の引出しが阻止された状態で、ボビン2とラッチプレー
ト25との間に所定以上の荷重(ボビン2を回転させる
方向)が負荷されたときには、剪断ピン32が剪断され
た後、トーションバー28が自身の軸回りに捩じれて所
定のトルクのもとでボビン2を回転させることができる
ので、緊急ロック機構300によってラッチプレート2
5のウェビング引出し方向の回転が阻止されているにも
係わらず、所定のウェビング張力下で所定量のウェビン
グの引出しが可能となり、乗員の身体に作用する衝突エ
ネルギーを変形仕事として吸収することができる。図9
から理解されるように、トーションバー28、ラッチプ
レート25、ボビン2、カムリング20及びスリーブ3
が、巻取装置ベース1に組付けられた状態では、トーシ
ョンバー28の軸方向両端部における角柱状部28aと
角柱状部28bは、上記角穴25b,3a,34にそれ
ぞれ圧入嵌合されているので、通常使用状態において
は、ボビン2はラッチプレート25と一体的に回動す
る。尚、ラッチプレート25は、予めトーションバー2
8と一体に構成されても良い。緊急ロック機構300
は、ラッチプレート25と、係合歯25aに係合するこ
とによりラッチプレート25のウェビング引き出し方向
(図8矢印X1 方向)の回転を抑止するポール11とか
ら成るロック手段を有する。そして、トーションバー2
8の一端側には、車両緊急時にロック手段を作動させる
公知のロック作動手段が配設されており、車両緊急時に
ポール11の係止部11aをラッチプレート25の係合
歯25aに係合させる。ラッチプレート25の外方に突
出されたトーションバー28の一部には、貫通孔9cを
挿通されたテンションプレート9と、内歯40aを有す
るラッチカップ40とが遊嵌されている。なお、ラッチ
カップ40に形成されたスプリングハンガ40bとテン
ションプレート9に形成されたスプリングハンガ9aと
にはリターンスプリング41が装着され、ラッチカップ
40は矢印X2 方向に回動する付勢力が作用されている
(図10参照)。そして、ラッチカップ40の外側に位
置するトーションバー28には、上記ロック作動手段を
構成するロック部材51及び慣性部材52が配置されて
おり、衝突等の緊急時にウェビング70にテンションが
かかり、ボビン2に所定以上の衝撃的なウェビング引き
出し方向(矢印X1 方向)の回動力が作用されると、ラ
ッチカップ40をリターンスプリング41の付勢力に抗
して矢印X1 方向へ回動する。ポール11は、ポールピ
ン10を介してラッチプレート25から係脱可能にベー
ス側板1b外方に軸支されている。該ポールピン10
は、対向する各ベース側板1a,1bに穿設された貫通
孔45及び長穴46を挿通して橋架されており、貫通孔
45との係合部を中心として外方端側軸部10aが揺動
可能となっている。また、上記ポールピンの外方端側軸
部10aには、テンションプレート9の揺動端部に形成
された貫通孔9bが嵌挿される。そこで、ポール11
は、長穴46に沿って揺動回転中心を変位することがで
きる。そして、ポール11にはポールガイド突起11b
が突設され、ポールガイド突起11bはラッチカップ4
0の外周部に突出形成されているポールガイド孔40c
に挿入される。更に、これらロック手段及びロック作動
手段から成る緊急ロック機構300を覆うベース側板1
bの外側に配設されたセンサーカバー61には、その中
心部に軸支ピン36を介してトーションバー2を回転自
在に軸支する軸支部34bが設けられ、該軸支部34b
の底面はトーションバー2の軸線方向の位置決め面とさ
れている。ベース側板1bの下部には車体加速度感知手
段60が配設されている。巻取装置ベース1の内側上方
には、ウェビング70を直接挾持することによってウェ
ビングの引き出しを阻止するクランプ機構400が設け
られている。クランプ機構400は、巻取装置ベース1
のベース背板1c上の定位置に固定して設けられたロア
ープレート4と、ウェビング70に押し当てる多数の係
止突起6cを備えたクランプ部材6と、クランプ部材6
を保持して緊急時にクランプ部材6を移動動作させるク
ランプレバー7と、クランプレバー7がクランプ部材6
を移動させるときにクランプ部材6がウェビング70を
適正に挾持するようにクランプ部材6の移動位置を規制
するクランプ規制部材であるアッパープレート12及び
ガイドプレート14と、該アッパープレート12を巻取
装置ベース1のベース側板1a,1bに固定している保
持手段であるアッパーステー13などから構成されてい
る。クランプ部材6は、ウェビング70に押しつけられ
る押え面には、係止突起6cが配列され、また、後端部
側には、クランプレバー7によって支持される軸部6a
と、ガイドプレート14のガイド部14aに案内される
係合部6eとが設けられている。クランプレバー7は、
巻取装置ベース1の一対のベース側板1a,1b間に架
設された軸17を中心に揺動自在に支持されており、そ
の先端部7aにおいてクランプ部材6の軸部6aを保持
している。そして、クランプレバー7は、前述した緊急
ロック機構300と連動動作するもので、緊急ロック機
構300がボビン2のウェビング引き出し方向の回転を
阻止する緊急時には、テンションプレート9及びレバー
部材8を介して図8中矢印Y方向に揺動することによ
り、クランプ部材6をウェビング70に押し付けて、ウ
ェビング70の伸び出しを阻止する。また、クランプレ
バー7は、通常は、ウェビング70にクランプ部材6が
接触しないように、アッパープレート12の背面12d
側に配設されたリターンスプリング15によって、矢印
Yとは逆向きに付勢されている。アッパープレート12
は、巻取装置ベース1のベース側板1a,1bに形成し
た案内溝71によってウェビング70の引き出し方向に
沿って移動自在に支持されている。一方、U字プレート
13は、金属板の折り曲げ加工により所定形状に成形さ
れたもので、ベース側板1a,1bにねじ止めにより固
定される側壁部13aと、側壁部13aに連続するとと
もに縦断面がU字状に湾曲した形状を成した塑性変形用
板部13bと、この塑性変形用板部13bの一端側に位
置してアッパープレート12にねじ止めされるプレート
支持部13cとを備えた構成とされている。塑性変形用
板部13bは、ウェビング70に作用する張力が増加し
て、クランプ部材6およびアッパープレート12を介し
てプレート支持部13cに作用する荷重が所定値に達し
たとき、その時のウェビング引き出し方向の荷重で塑性
変形が生じるように、U字状の湾曲部の曲率半径等の形
状や寸法、材質が選定されたものである。次に、上記ク
ランプ付巻取装置100の作動について図18を更に参
照して説明する。まず、通常使用時においては、緊急ロ
ック機構300が非作動状態であり、該巻取装置100
はウェビング70を巻取りバネ装置5の付勢力で巻取り
可能であると共に、バネ力に抗してウェビング70を引
出し自在となっている。また、図10及び図11に示す
ように、リターンスプリング15のばね力等によりクラ
ンプ部材6は、ウェビング70から離間した状態に保た
れている。しかし、車両衝突等による急激な減速が作用
する緊急時には、加速度センサの出力によってECU5
10から点火信号がバックルプリテンショナ600に与
えられ、バックルプリテンショナ600が作動する。バ
ックル506及びバックル506と係合しているタング
プレート505が引込まれ、タングプレート505に挿
通するウェビング70の弛みが除去されると共にウェビ
ング70が巻取装置100から急速に引出されるように
作用する。これによって、ボビン2の回転を拘束する緊
急ロック機構300が作動し、ポール11の係止部11
aをラッチプレート25の係合歯25aに係合させて該
ラッチプレート25のウェビング引出し方向の回転を阻
止する。この状態で、更に、ウェビング70に引出し方
向の張力が作用すると、ポール11を支持しているポー
ルピン10が貫通しているテンションプレート9は、図
10中X1方向に回動し始める。この回動により当該テ
ンションプレート9と係合しているレバー部材8はY方
向に、同じくレバー部材8の突起と穴7cで係合してい
るクランプレバー7も軸17のまわりを矢印Y方向に回
動して、クランプ部材6をアッパープレート12の摺接
面12aに沿って押し出して、図12に示すように、ク
ランプ部材6の係止突起6cをウェビング70に押し付
けてウェビング70を挟持し、巻締りによるウェビング
70の伸び出しを阻止するクランプ機構400が作動す
る。この結果、ウェビングの巻締り分の引出しが阻止さ
れ、かつ、バックル506がバックルプリテンショナ6
00の作動によって引込まれるので、ウェビング70の
弛みが除去され、乗員が座席に拘束される。次に、乗員
の前方への移動が始り、移動荷重がウェビング70を引
出すように作用する。上記ウェビングのクランプによる
ウェビング引出し(伸び出し)の阻止によって、ウェビ
ング70に作用する張力が徐々に増加し、それによって
アッパーステー13に作用する荷重が前述の所定値に達
したときには、その時のウェビング引き出し方向の力
で、塑性変形用板部13bのU字状の湾曲部の近辺に曲
げ(塑性変形)が生じることによって、プレート支持部
13cのウェビング伸び出し方向への移動が可能にな
る。上記塑性変形用板部13bの湾曲部近辺の変形位置
は、プレート支持部13cの移動に応じて塑性変形用板
部13b上を変位し、結局、図13に示すように、U字
状の湾曲部が徐々に移動した如き形態で、プレート支持
部13bのウェビング伸び出し方向への移動を許容す
る。このプレート支持部13bのウェビング伸び出し方
向への移動は、アッパープレート12およびクランプ部
材6のウェビング伸び出し方向への移動となり、これに
よって、ウェビング70の伸び出しが実現され、ウェビ
ング70に作用する運動エネルギーが伸び出した分量に
応じて塑性変形用板部13bに吸収されて、ウェビング
から乗員の身体に作用する衝撃等が軽減される。そし
て、図13に示すように、アッパーステー13の塑性変
形が完了した状態では、クランプ部材6の係止突起6c
は、ロアープレート4に装備されたベルト逃がし凹部4
aによって、ウェビング70との係合が外れた状態にな
る。そして、クランプ部材6によるウェビング挾持の解
除後は、巻取装置からのウェビング70の伸び出しが始
まり、ボビン2にはウェビング引出し方向の張力が作用
する。そこで、ウェビング70の一端が係止されたボビ
ン2が回転し始め、ラッチプレート25との間に所定以
上の荷重が負荷されたときには、剪断ピン32が剪断さ
れた後、回転をロックされたラッチプレート25に一端
部を連結されたトーションバー28が自身の軸回りに捩
じれて所定のトルクのもとでボビン2を回転させるの
で、該トーションバー2は自身の軸回りに捩じれること
で運動エネルギーをさらに吸収できる。さらに望ましく
は、例えば捩じれ変形時のウェビング張力がほぼ一定に
保たれるようシーションバーを設定(径及び強度)する
ことにより、その捩じれ変形過程においてより効果的な
運動エネルギー消費ができる。更に、回転規制手段30
により、ボビン2の所定角度以上のウェビング伸び出し
方向の回転が阻止されているので、車両緊急時等にトー
ションバー2が必要以上に捩じれる荷重が負荷された場
合にも、ウェビング70の伸び出し量が適正な量に規制
される結果、巻取装置の安全性が向上される。ここで、
図15乃至図17に基づき、上記回転規制手段30の作
動について説明する。図15に示したように、ウェビン
グ挾持解除後の初期位置においては、ボビン2に突設さ
れた剪断ピン32がラッチプレート25のボス部29に
穿設された係止孔27に嵌合しており、ボビン2は該ラ
ッチプレート25に対する相対回転を規制されている。
又、ラッチプレート25の係止突起26は、ガイド溝2
1の初期端部21Aに位置している。そして、ボビン2
とラッチプレート25との間に所定以上の荷重が負荷さ
れて剪断ピン32が剪断されると、トーションバー2が
捩じり変形し、ガイド溝21の長さ(1/2回転)に相
当する角度、ボビン2がラッチプレート25に対して図
中の矢印X1 方向へ回転されると共に係止突起26がガ
イド溝21内を摺動して相対的に矢印X2 方向へ移動す
る。そこで、図16に示したように、係止突起26がガ
イド溝21の終端部21Bに達する。そして、ボビン2
が図中の矢印X1 方向へ更に回転されると、係止突起2
6により終端部21Bを押圧付勢されたカムリング20
は、係止突起26と共に矢印X2 方向へ回転する。カム
リング20がボビン2に対して相対的に矢印X2 方向へ
回転することにより、カムリング20のカム溝22に係
合突起31cが係合しているストッパー31は、図17
に示すように、係止部31aがボス部29のストッパー
係合部29aと係合する方向に揺動させられる。ボビン
2に突設された枢軸ピン33に軸支されたストッパー3
1がストッパー係合部29aと係合することにより、ボ
ビン2はラッチプレート25に対するウェビング伸び出
し方向への所定角度以上の回転を阻止される。即ち、上
記回転規制手段30は、ガイド溝21の長さに対応し
て、ボビン2のウェビング伸び出し方向への回転規制角
度が設定されるので、例えば、普通乗用車や大型車両
等、車両の種類や走行性能等に対応させて、最も適正な
回転規制角度の設定が容易であり、より的確な車両の安
全性を確保することができる。更に、本発明は上記実施
形態の如き緊急ロック機構300の構成に限らず、他の
ロック手段やロック作動手段を備えた緊急ロック機構を
有するクランプ付巻取装置に応用することも可能であ
る。この実施の形態によれば、車両が衝突すると、急激
な減速度が生じ、バックルプリテンショナ600が作動
する。これにより、バックル506及び該バックル50
6と係合しているタングプレート505が引込まれる。
従って、タングプレート505に挿通されたウェビング
70がフリーの挟止機構を通って引込まれ、ウェビング
70の弛みが除去される。更に、加速度感知装置60の
作動あるいはバックルプリテンショナ600の作動によ
るウェビング70の急な引き締め、即ち、ウェビング巻
取り装置100からのウェビング70の急な引出しによ
って緊急ロック機構300も作動する。緊急ロック機構
300が作動すると、クランプ部材6が移動し、ウェビ
ング70を噛み込む。これにより、ウェビング70が直
接挟持されて、ウェビング70の巻締り分の引き出しが
阻止される。このように、ベルト巻取装置100からの
ウェビングの引出しが阻止され、かつ、バックル506
が引込まれることにより、ウェビングの弛みが除去さ
れ、乗員が座席501に拘束(保護)される(図1
2)。次に、乗員に急激な減速度が加わることによって
乗員を前方に移動させる力がウェビング70に作用す
る。クランプ部材6がウェビング70に噛み込んだ状態
で、乗員を前方に移動させる力によりウェビング70に
大きな張力が加わると、塑性変型用板部13bが変型
し、クランプ部材6がウェビング70と共に矢印方向に
移動する(図13)。クランプ部材6の歯がロアプレー
ト4の切り欠き部に移動すると、ウェビング70の張力
によってクランプ部材6の歯が折られる。逃し凹部4a
によってウェビング70との係合が外れ、ウェビング挟
持解除となる。すると、ボビン2側にウェビング70の
張力が伝わる。シャフト28が所定荷重でねじれること
によってウェビング70が伸び出す(図14)。このと
き、タングプレート505の挟止機構がウェビング70
を挟止しているので(図3の状態)、肩から腰にかけて
ウェビング70には相対的に弛みが生じるが、腰回りの
ウェビング70は弛まない。このようなクランプ動作に
よって乗員の初期拘束性を向上し、また、所定の設定荷
重を維持しながら、ウェビング70の伸び出しを許容す
る。ウェビング70の引き出しを許容することによって
ベルト荷重が一定レベル以上に上昇しないのでウェビン
グ70が拘束する乗員への胸部荷重を低減可能である。
乗員の腰部は腰回りのウェビング70によって弛みなく
座席203に固定され、下半身の移動は防止される。ク
ランプ付き巻取装置100では、巻取装置出口付近にて
ウェビング70を直接クランプし、ウェビング70の伸
び出し量を限りなくゼロに近づける方法を採用している
ので、バックルプリテンショナと組合わせた場合では、
ベルト巻取り装置側に設置されたときのプリテンショナ
特有の「巻締まり時間」に関しては無視することができ
る。クランプ機構400が作動し、ウェビング70を完
全に挟持するまでの必要ストロークは僅かながら存在す
るが、クランプ機構400は低荷重(100N以下)で
作動しロックするため、バックルプリテンショナ600
の作動開始直後にロックを完了出来る。本発明の第2の
実施形態について図19乃至図21を参照して説明す
る。図19において図1と対応する部分には、同一符号
を付し、かかる部分の説明は省略する。図19に示す第
2の実施形態では、プリテンショナを内蔵するベルト巻
取装置700とウェビング挟止機構付タングプレート5
05とを使用している。タングプレート505と係合す
るバックル506はバックルアンカー511によって座
席501あるいは車体502に固定される。ベルト巻取
装置700のプリテンショナはECU510によって車
両衝突などの重大な場合に点火駆動される。この構成の
動作の概略は、ベルト巻取装置700に内蔵されたプリ
テンショナが作動すると、ショルダスルー部508から
挟止体がフリーの状態のタングプレート505を介して
腰部までのウェビングを緊張させる。乗員が前方に移動
し、ウェビング張力が一定の荷重を超えると、ベルト巻
取装置700に巻取られているウェビング70がエネル
ギ吸収機構によって伸び出す。タングプレート505を
経由するウェビング70は乗員の腰部が前方に移動する
ことによって弛む方向に移動しようとするがタングプレ
ートの挟止機構が作動してウェビングを挟み、弛みを阻
止する。その結果、乗員の上半身への荷重の増加を抑制
しつつ、腰部の移動が抑えられる。図20は、プリテン
ショナ内蔵式ベルト巻取装置をその軸方向側面(図21
のXX−XX方向)から見た状態を概略的に示す説明図
であり、図21は、図20に示すリトラクタのXXI−
XXI方向(プリテンショナ部)における断面図であ
る。図20及び図21に示すように、第2の実施形態に
係るシートベルト装置におけるベルト巻取装置700
は、ウェビング(図示せず)を巻き取るベルト巻取り装
置本体Cと、このベルト巻取り装置本体Cの軸方向の一
端部に設けられた緊急ロック機構Dと、もう一端部に順
次設けられたプリテンショナB及び巻き取りばね装置A
を備える。ベルト巻取り装置本体Cは、ウェビングを巻
き取りまたは引き出し自在な巻き取りリール722を備
える。巻き取りリール722は、その巻取軸であるベル
ト巻取りシャフト724に連結された巻取りバネ装置A
によりウェビングが巻き取られる方向に常時付勢されて
いる。さらに、ウェビングが所定値以上の加速度で引き
出されようとすると、リトラクタシャフト724の軸方
向一端に連結している緊急ロック機構Dが作動し、リト
ラクタシャフト724の回転が阻止され、ウェビングが
引き出されないように構成されている。なお、リトラク
タシャフト724の巻き取りリール722部は前述した
ねじりシャフト724aとされており、緊急ロック機構
Dの動作後過大な力が加わるとねじりシャフト724a
がねじられて塑性変形し、このシャフト724aの図中
左方でスリーブ744aを介して相対回転不能に連結さ
れた巻取りリール722がウェビング引出し方向に回転
可能となるようになされている。プリテンショナBのケ
ーシングは、ハウジング726に蓋体としてプレート7
28を気密に嵌め込むことにより形成している。このケ
ーシングには、車両の衝突時等急な減速が発生したとき
に、ウェビングを強制的に巻き取って、該ウェビングの
弛みを瞬時に解消するための機構が内蔵されている。以
下、この機構の構成を動作と共に説明する。まず、乗員
が車両に乗り、着座してウェビング70を装着した初期
状態では、プリテンショナBは、図21に示す初期状態
にある。この初期状態の場合、プレート744bの突起
部とスリーブ744aは離間しているので、クラッチ装
置744はプリテンショナBには何ら関与せず、巻き取
りバネ装置Aにより、ウェビングが引き出され、また、
巻き取り自在になっている。この初期状態において、車
両に衝突時等の急激な速度減が生じたとする。これによ
り、圧力印加装置732は瞬時に加圧ガスを発生し、こ
の加圧ガスが圧力室730に放出される。これにより、
押出し部材742に下方から急激な押圧力が作用し、転
動体736の列全体が移動通路738aから上方に向か
って瞬時のうちに押し出される。この押し出しの力は初
期状態において転動体列を押えている引張り媒体740
の力に優る。転動体列は、引張り媒体740の移動通路
横断部の中間部を押しながら周回通路738bへと移動
する。すなわち、転動体列が動き易い直線通路738a
での直進運動から周回通路738bでの円周起動に沿っ
た周回運動に変わる。このとき引張り媒体740は、そ
の一端がクラッチ744のプーリー744cの外周に固
定され、他端はプーリー744cに1回以上巻回した上
でクランプ746に固定されている。このため、周回運
動に移行した転動体列により押された引張り媒体740
は、その押された分、すなわち転動体列の移動距離の2
倍の長さ分だけクラッチ外側の引張り媒体部分を引き込
む。これにより、クラッチ744のプーリー744cが
その引き込み量に対応した角度だけ回転する。つまり、
引張り媒体740は、いわゆる「つるべ」方式で2倍の
増速作用を発揮し、クラッチ外周となるプーリー744
cをその増速状態で反時計方向に回転させる。これによ
り、プーリー744cとプレート744bとにズレが生
じ、プーリー744c内周の複数のカム面がそれぞれプ
レート744bの複数の突起部を変形して内方に押出
し、突起部はスリーブ744aに噛込まれ、クラッチ装
置744が噛み合う。これにより、引張り媒体740で
代表される増速機構(即ちプリテンショナーB)とリト
ラクタシャフト724とが結合し、クラッチ装置744
の回転と一体にリトラクタシャフト724も反時計方向
に回転する。転動体列の周回運動が進むにつれて、引張
り媒体740による引き込み量も多くなり、リトラクタ
シャフト724の回転は一気に進む。リトラクタシャフ
ト724の回転トルクによって、リトラクタシャフト7
24と嵌合されたウェビングの巻き取りリール722が
強制的に回転し、ウェビングが極めて短時間の内に巻き
取られる。それにより、ウェビング70の弛みが除か
れ、乗員503は座席503に拘束される。衝突による
減速度あるいはウェビング70の急な移動によって緊急
ロック機構Dは作動し、ウェビングの引出しを阻止する
が、ウェビングの巻取りは可能である。ウェビングの巻
取が終り、その後、衝突時の乗員の慣性移動によりウェ
ビング70が引出されると巻取りリール722がウェビ
ング引出し方向に回転させられる。この回転がスリーブ
744aを介してリトラクタシャフト724に伝達さ
れ、今度は該シャフト724は引出し方向に回転する。
このとき、図20におけるシャフト724右側の緊急ロ
ック機構Dによってウェビング引出し方向の回転を阻止
しているので、前述したように、ウェビング荷重がある
値を超えると、ねじりシャフト724aがねじられ塑性
変型する。リトラクタシャフト724がウェビング引出
し方向に回転すると、リトラクタシャフト724に結合
しているプーリー744cが逆方向に回転して、引張り
媒体をプーリー744cの外周に巻上げ(巻付け)、引
張り媒体740を介して転動体を初期位置方向に押戻
す。転動体736が、転動体736の初期位置よりも更
に押戻されると、転動体736によってクランプ746
に与えられていた付勢力がなくなるため、クランプの上
端側が移動可能となり、クランプの解除状態となる。引
張り媒体740の一端がクランプから外れると、クラッ
チ744の回転を制限するものがなくなり、クラッチ7
44に結合したリトラクタシャフト724の更なる回転
が許容される。従って、シートベルト装置は、過大な加
速度を検出すると、ウェビングを短時間で締め上げて乗
員を座席に拘束し、その後、ウェビング締め上げを解除
する。また、挟止機構付のタングプレート505は、乗
員が前方に移動しようとすると挟止機構が動作してウェ
ビングを挟持して、乗員の腰回りのウェビングの弛みを
防止するので、ウェビングは肩から腰にかけてのみ相対
的に弛む。その結果、乗員の前方への移動を腰回りのウ
ェビングと肩から腰にかけての相対的に弛んだウェビン
グで防止しつつ、上半身に大きい荷重が加わることを回
避可能となる。これは、乗員の安全と自由の確保の点で
具合がよい。なお、プリテンショナの構成は上述のもの
に限られない。例えば、特開平9−164912号に示
されるような、ラックアンドピニオン式のプリテンショ
ナであっても良い。図22は、本発明のシートベルト装
置の第3の実施形態を示している。同図において図1と
対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は
省略する。この例では、緊急ロック機構とエネルギ吸収
機構を備えるベルト巻取装置800と、バックルプリテ
ンショナ600と、挟止機構付タングプレート505と
を用いている。挟止機構付タングプレート505及びバ
ックルプリテンショナ600は、既に説明している。ベ
ルト巻取装置800については後述する。かかる構成に
よるシートベルト装置の動作を概略的に説明する。バッ
クルプリテンショナ600の作動によって、(挟止機構
がフリー状態の)タングプレート505からショルダス
ルー508を介してベルト巻取装置800まで、及びア
ンカープレート部509からタングプレート505まで
のウェビング70が緊張される。乗員が前方に移動し、
ウェビング張力が一定の荷重を超えると、エネルギ吸収
機構が作動してベルト巻取装置800に巻回されている
ウェビング70が伸び出す。タングプレート505を経
由したウェビング70は、乗員の腰部が前方に移動する
ことによって弛む方向に移動しようとするが、乗員の移
動により挟止機構が作動して挟持され、腰回りのウェビ
ングの弛みが防止される。その結果、乗員の腰部の移動
が抑制される。図23は、ベルト巻取装置800を概略
的に説明する説明図であり、図20におけるプリテンシ
ョナBを除いた構成となっている。すなわち、捻れシャ
フト724aの左端に巻取りばね装置Aが取付けられ、
同シャフトの右端に緊急ロック機構Dが取付けられてい
る。捻れシャフト724aにはスリーブ744aを介し
てウェビング70を巻取るリール722が取付けられ
る。乗員が挟止機構付タングプレート505をバックル
506に係止してウェビング70を装着すると、スパイ
ラルスプリングを用いた巻取りばね装置Aによって余分
のウェビング70がベルト巻取り部Cのリール722に
巻取られる。次に、図22を参照してこのシートベルト
装置の動作を説明する。車両が衝突すると、減速度によ
って衝突を検出したECU510はバックルプリテンシ
ョナ600に点火信号を供給する。これによってプリテ
ンショナ600が作動し、バックル506介してウェビ
ング70が引込まれる。このウェビング70の急な引出
し、あるいは衝突による衝撃を検出すると、緊急ロック
機構Dが作動し、シャフト724の一端側をロックして
リール722の回転を阻止し、ウェビング70がベルト
巻取装置800から引出されるのを防止する。更に、乗
員が慣性移動してウェビング70に大きい荷重が加わ
り、所定値を超えると、シャフト724aが捻れてリー
ル722を回転させ、ウェビング70が引出される。こ
れにより、乗員の上半身への荷重負担の増加が抑制され
る。この場合も、乗員の腰回りのウェビング70はタン
グプレート505の挟止機構によって弛みが防止され、
座席に拘束されている。従って、乗員の移動を防止しつ
つ、乗員の胸部へのベルト荷重の増加を回避可能とな
る。図24は、本発明のシートベルト装置の第4の実施
形態を説明する。同図において、図22と対応する部分
には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。こ
の例では、緊急ロック機構とエネルギ吸収機構を備える
ベルト巻取装置800と、ラップアウタプリテンショナ
900と、挟止機構付タングプレート505とを用いて
いる。挟止機構付タングプレート505及びベルト巻取
装置800は、既に説明しているので、ラップアウタプ
リテンショナ900の一例について簡単に説明する。こ
の構成によるシートベルト装置の動作を概略的に説明す
る。ラップアウタプリテンショナ900の作動によっ
て、腰回りのウェビング70、挟止機構がフリー状態の
タングプレート505からショルダスルー508を介し
てベルト巻取り装置800までのウェビング70が緊張
する。乗員が前方に慣性移動し、ウェビング張力が一定
の荷重を超えると、ベルト巻取装置800に巻回されて
いるウェビング70がエネルギ吸収機構の動作によって
繰出される。タングプレート505を介したウェビング
70は乗員の腰部が前方に移動することによって弛む方
向に移動しようとするが、タングプレート505の挟止
機構が作動してウェビング70を挟持し、ウェビング7
0の動きを抑制する。その結果、ウェビング70の繰出
しによる乗員の上半身への荷重の減少を図りつつ、腰部
の移動を抑制して二次衝突を回避することが可能とな
る。図25乃至図27は、ラップアウタプリテンショナ
900を概略的に説明する断面図である。図25は、ラ
ップアウタプリテンショナ900の平面図、図26は、
図25におけるXXVI−XXVI方向における断面図、図27
は、動作状態を説明する図である。ラップアウタプリテ
ンショナ900は、大別して、ベース921、スライダ
922、マニホールド923、ガス発生器924、キャ
ップ925等によって構成される。ベース921は、例
えば、断面四角形のパイプの一端(左端)側がテーパ部
を介して平坦に形成され、他端(右端)側が、テーパ部
を介して2つの平坦部921cに形成されてなる。な
お、円筒形に限定されるものではなく、角筒状でも良
い。ベース921の左端の平坦部には、ラップアウタプ
リテンショナ900を車両のホデーパネルに固定するア
ンカーボルトを通す穴921aが設けられる。ベース9
21中央の角筒部921b内には、角筒部921b内を
該筒の中心軸方向に滑動(摺動)するスライダ922が
設けられる。角筒部921bの上面には後述のアンカー
ボルト922bの移動を可能とするべく、中心軸方向に
延在する長手の窓921dが開口する。スライダ922
は、外形が角柱状で、上記中心軸方向に長手の部材であ
る。スライダ922の右方端近傍には傾斜面922eが
形成され、この傾斜面922eとベース921内側との
相互間には、コロ922dが設けられる。この傾斜面9
22eとコロ922dは、スライダ922の左方への移
動を可能にするが右方への移動を妨げる。スライダ92
2の右側面の中央には、円筒状の穴(シリンダ)922
aが角筒部921bの軸方向に形成されている。スライ
ダ922の左端側には、ウェビング70の一端を固定す
るアンカープレート509がアンカーボルト922bに
よって取り付けられる。アンカーボルト922bは、ベ
ース921上面の窓921dとアンカーボルト922b
との隙間を確保するスペーサ922cを介してスライダ
922のねじ溝922fに螺着され、スライダ922の
動きを妨げない。ベース921右端の平坦部921c内
には、マニホールドケース923が取り付けられる。マ
ニホールドケース923は円筒状のノズル部923a
と、ガス発生器924を収納するロート状の傾斜面を有
する収納部923bとを含む。ノズル部923aはスラ
イダ922のシリンダ922a内に挿入される。ノズル
部923aの左方の先端部外周には、環状の溝が形成さ
れ、該溝内にOリングのシール923cが配設される。
シール923cはシリンダ922aとノズル部923a
との気密を確保し、スライダ922が移動する際のガス
漏れを防止する。マニホールドケース923の収納部9
23b内には、該収納部の外周に形成されたねじ山と螺
合するキャップ925によってガス発生器924が取り
付けられる。キャップ925の外周にはつば925aが
形成されている。ガス発生器924を組み込んだマニホ
ールドケース923をベース921に挿入した後、同時
にマニホールドケース923のノズル部923aをスラ
イダ922のシリンダ922aに挿入する。つば925
aをベース921の穴921dに挿入し、ベース921
の平坦部921cをかしめる。これによって、マニホー
ルドケース923がベース921に固定される。次に、
図27を参照してラップアウタプリテンショナ900の
動作について説明する。同図は、プリテンショナ20が
作動した場合のスライダ922の動きを示している。ガ
ス発生部924にECU510から図示しない点火信号
が供給されると、図示しないプラグによって火薬が点火
され、膨張ガスが発生する。このガスは、マニホールド
923の膨張室を通り、ノズル923a先端の開口部か
らスライダのシリンダ922aの底部に突き当たる。シ
ール923cによってシリンダ922a及びマニホール
ド923間は密閉されているので、膨張ガスは、シリン
ダを押し出し、スライダ922を左方に移動させる。こ
れにより、アンカーボルト922bが移動する。このボ
ルトの移動は、アンカープレートを車両後方に向かって
移動させ、ウェビング70を締め上げ(引き込む)、乗
員を拘束するように作用する。スライダ922が左方へ
移動した後、右方に戻ろうとするとスライダ922の傾
斜面922eによってコロ922dが傾斜面22eとベ
ース内面921bの間にくい込むように作用し、スライ
ダ922の戻りを防止する。このように、本発明の実施
の形態によれば、車両が衝突すると、各種プリテンショ
ナによってウェビングの弛みを除いて乗員を座席に拘束
し、乗員の2次衝突を防止する。拘束された状態から乗
員が前方に慣性移動して所定ウェビング荷重を超えると
エネルギ吸収機構がウェビングを繰出し、乗員へのウェ
ビング荷重の増加を抑制する。また、乗員が前方に移動
すると挟止機構付のタングプレートがウェビングをタン
グプレートに挟止(挟持)し、乗員の腰部の移動を抑止
する。従って、車両衝突に伴う乗員の車内の2次衝突の
防止と、乗員を拘束するウェビング荷重の増大の抑制と
が図られて好都合である。なお、プリテンショナには、
各種構成のものを使用可能であり、上述した実施例のプ
リテンショナに限定されるものではない。例えば、電動
モータであっても良い。配置場所も、ベルト巻取装置、
バックル部、アンカー部に限られない。エネルギ吸収機
構として捻れ軸を用いた例を説明したが、エネルギ吸収
機構はこの構成に限定されるものではなく、他のエネル
ギ吸収機構であってもよい。
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシートベ
ルト装置は、衝突の際にウェビングの弛みを除いて乗員
を座席に拘束するプリテンショナ、拘束された状態から
乗員が前方に慣性移動して所定ウェビング荷重を超える
とウェビングを繰出すエネルギ吸収機構、及び乗員が前
方に移動するとウェビングをタングプレートに挟止(挟
持)するウェビング締付けタングプレートを組合わせて
使用するので、乗員を効果的に座席に拘束することが可
能である。また、エネルギ吸収機構が作動してウェビン
グが繰出されても、乗員の腰部が前方に移動することを
防止するので、乗員の上半身へのウェビング荷重の増加
を抑制しつつ、下半身の二次衝突を防止することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシートベルト装置の第1の実
施形態を説明する説明図であり、同図(a)は正面図、
同図(b)は側面図である。
【図2】図2は、挟止機構付タングプレートを説明する
平面図である。
【図3】図3は、挟止機構付タングプレートのロック状
態を説明する断面図である。
【図4】図4は、挟止機構付タングプレートのフリー状
態を説明する断面図である。
【図5】図5は、バックルプリテンショナの例を説明す
る一部断面図である。
【図6】図6は、本発明に係るクランプ付巻取装置の分
解斜視図の一部である。
【図7】図7は、図6に示したクランプ付巻取装置の残
り部分の分解斜視図である。
【図8】図8は、図7に示したラッチプレート25の拡
大斜視図である。
【図9】図9は、図6及び図7に示したクランプ付巻取
装置の正面縦断面図である。
【図10】図10は、図6及び図7に示したクランプ付
巻取装置の一部破断側面図である。
【図11】図11は、図6に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図12】図12は、図6に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図13】図13は、図6に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図14】図14は、図6に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図15】図15は、図7に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【図16】図16は、図7に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【図17】図17は、図7に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【図18】図18は、エネルギ吸収機構及びクランプ機
構付ベルト巻取装置におけるベルト荷重の変化を説明す
るグラフである。
【図19】図19は、本発明のシートベルト装置の第2
の実施形態を説明する説明図であり、同図(a)は正面
図、同図(b)は側面図である。
【図20】図20は、エネルギ吸収機構、プリテンショ
ナを備えるベルト巻取装置の例を説明する説明図であ
る。
【図21】図21は、図20におけるプリテンショナを
説明する断面図である。
【図22】図22は、本発明のシートベルト装置の第3
の実施形態を説明する説明図であり、同図(a)は正面
図、同図(b)は側面図である。
【図23】図23は、エネルギ吸収機構を備えるベルト
巻取装置の例を説明する説明図である。
【図24】図24は、本発明のシートベルト装置の第4
の実施形態を説明する説明図であり、同図(a)は正面
図、同図(b)は側面図である。
【図25】図25は、ラップアウタプリテンショナの例
を説明する一部断面で示す平面図である。
【図26】図26は、ラップアウタプリテンショナの例
を説明する断面図である。
【図27】図27は、ラップアウタプリテンショナの動
作状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
70 ウェビング 100,700,800 ベルト巻取装置(リトラク
タ) 501 座席 502 車体 505 挟止機構付タングプレート 510 衝突診断回路(ECU) 600,900,B プリテンショナ(緊急引込み装
置) 400 クランプ機構 300,D 緊急ロック機構(ELR)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗員をウェビングによって座席に拘束する
    シートベルト装置であって、 一端が固定されたウェビングの他端側を巻取るベルト巻
    取り装置と、 前記ウェビングに挿通し、前記座席の腰部近傍に位置す
    るバックルと連結することにより、乗員へのシートベル
    ト装着を行うタングプレートと、 前記乗員の移動に伴って前記ウェビングを前記タングプ
    レートにおいて挟止する挟止機構と、 車両の衝突検出に対応して前記ウェビングの弛みを除く
    緊急引込み装置と、 前記ウェビングに印加される引出し荷重が所定値を超え
    ると前記ベルト巻取り装置から前記ウェビングの伸び出
    しを許容するエネルギ吸収機構と、 を備えるシートベルト装置。
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