JP2005047449A - シートベルトのリトラクター装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】近年のニーズに対応し、エネルギー吸収特性を容易に最適化できるシートベルトのリトラクター装置を提供する。
【解決手段】リトラクター装置1は、シートベルト3を巻き取るスプール4と、捩れ変形可能な材料で構成されたトーションバー5と、スプール4の少なくともベルト引出方向の回転を阻止するロック機構7と、スプール4の軸端部の内周側に配置されたリング19と、塑性変形可能なプレート部材20とが備えられている。プレート部材20は、一端側部分20aが、リング19の略円盤形状の外周部に適宜の手法で強固に固定され、他端側部分20bは、スプール4の大径円筒部4bの内周部に離脱可能に係止されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シートベルトのウェビングを巻き取るシートベルトのリトラクター装置に係わり、特に、異常時にシートベルトをロックして乗員の移動を拘束する際に乗員に加わる慣性エネルギーを吸収するEA機構を有するシートベルトのリトラクタ装置に関する。
車両の座席に設けられるシートベルト装置は、車両の衝突時に生じる加速度による乗員の急激な移動を拘束し、乗員の身体の安全を図る装置として不可欠な装置である。
このシートベルト装置は、一般に、ウェビング(ベルト)と、リトラクター装置と、バックル装置等とから構成される。
リトラクター装置は、ウェビングを巻取部材(ボビン、スプール)に巻回してバネ力により内部に引き込むとともに、衝撃が作用する衝突時にはウェビングの巻取部材からの引き出しをロックし、このロックされたウェビングにより前方に急激に移動する乗員の身体を拘束する。ところが、このように乗員の前方への移動が急激に拘束されると、乗員の胸部等には拘束された反作用による衝撃力がウェビングを介して作用する。この乗員へ加わる衝撃力を緩和するために、ロック直後にウェビングに一定以上の繰り出し抵抗をかけながらウェビングの所定引張荷重を保持し、その状態のままウェビングを所定長さだけ繰り出すようにして、これによって乗員に作用する衝突エネルギーを吸収する(Energy Absorption;以下適宜、「EA」という)手法が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、ウェビングを巻き回すスプールの内部にシャフトを相対回転可能に配置するとともに、シャフトの回転を阻止することでウェビングの引き出しをロック可能なロック機構を設け、さらにスプールの内周部とシャフト外周部との間に塑性変形可能なエネルギ吸収部材(EAプレート)を配置している。そして、緊急時にロック機構によりシャフトが回転不能にロックされる際、慣性力により前方に移動しようとする乗員を拘束するウェビングの張力が、ウェビングを巻き回すスプールのシャフトに対するウェビング引き出し方向の相対回転力となり、この相対回転力がある一定値以上となると、EAプレートが塑性変形を起こしつつシャフトの外周にウェビング引き出し方向に巻き付けられていき、このときの塑性変形抵抗によって衝突エネルギーを吸収していく。これにより、ロック機構が効いているにもかかわらず、スプールは徐々に回転して、ウェビングにある一定以上の張力がかかりながらウェビングが繰り出され、ウェビングと乗員の身体の間に作用する力を緩和するようになっている。
特許2875505号公報(段落番号53〜60、図6及び図7)
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
一般に、衝突時の衝撃は車両それぞれの構造によって異なる。したがって、乗員の身体を十分に保護する為には、車両構造等の差異に応じて、例えばエネルギー吸収機構が作動開始する設定荷重(=エネルギー吸収荷重:エネルギー吸収を開始するウェビング張力)や衝撃吸収時の変形量(=ウェビングの伸出ストローク)等、エネルギー吸収特性を最適化する必要がある。この結果、リトラクター装置全体として、エネルギー吸収特性を変化できる柔軟性や設計自由度の高さが要求されるようになってきつつある。
上記従来技術では、EAプレートにより吸収できる衝撃エネルギーを変化させることについて特に配慮されず、そのための具体的構成や主要について何ら開示されていない。この結果、上記のエネルギー吸収特性の最適化のニーズに対応することが困難であった。
本発明の目的は、近年のニーズに対応し、エネルギー吸収特性を容易に最適化できるシートベルトのリトラクター装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、シートベルトを巻き取るための回転可能な略円筒部材と、この略円筒部材の内周側に設けられ、軸方向一方側が前記略円筒部材と一体回転可能に接続される捩れ変形可能な軸部材と、前記略円筒部材の軸端部の内周側に配置され、前記軸部材の軸方向他方側の外周部と一体回転可能に接続されたプレート取り付け部材と、このプレート取り付け部材のシートベルト引き出し方向の回転を阻止可能なロック機構と、一端側が前記プレート取り付け部材の外周部に固定され、他端側が前記略円筒部材の前記軸端部の内周部に係止される塑性変形可能なプレート部材とを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、第2の発明は、シートベルトを巻き取るための回転可能な略円筒部材と、この略円筒部材の内周側に略円筒部材と相対回転可能に設けられた軸部材と、この軸部材のシートベルト引き出し方向の回転を阻止するロック機構と、前記略円筒部材と前記軸部材とが互いに相対回転するときに、その相対回転が伝達されその回転力により塑性変形するように配置されたプレート部材とを有するシートベルトのリトラクター装置において、前記軸部材は、軸方向一方側が前記略円筒部材と一体回転可能に接続され、かつ捩れ変形可能に構成されており、前記略円筒部材の軸端部の内周側において、前記軸部材の軸方向他方側の外周部と一体回転可能にプレート取り付け部材が接続され、前記プレート部材は、一端側が前記プレート取り付け部材の外周部に固定されるとともに、他端側が前記略円筒部材の前記軸端部の内周部に係止されることを特徴とする。
本願第1及び第2発明においては、シートベルトを巻き取るための略円筒部材の内周側に捩れ変形可能な軸部材を配置し、さらに軸部材の外周部に一体回転可能に接続したプレート取り付け部材の外周部と略円筒部材の軸端部の内周部との間に、塑性変形可能なプレート部材を配置している。
緊急時において、ロック機構によりプレート取り付け部材のシートベルト引き出し方向の回転が阻止されると、慣性力により前方に移動しようとする乗員を拘束するシートベルト(ウェビング)の張力が、略円筒部材の軸部材に対するウェビング引き出し方向の相対回転力となる。ここで、本願第1及び第2発明では軸部材が捩れ変形可能であることから、例えば上記相対回転がある一定以上となると、まず軸部材が上記相対回転に基づく捩れ力によって塑性変形を起こし、このときの塑性変形抵抗によって衝突エネルギーを吸収していく。またこの動作とともに、相対回転するプレート取り付け部材と略円筒部材との間に設けたプレート部材が塑性変形を起こしつつ例えばプレート取り付け部材の外周にウェビング引き出し方向に巻き付けられていき、このときの塑性変形抵抗によってもさらに衝突エネルギーを吸収していく。以上のようにして、本願第1及び第2発明では、軸部材の塑性変形とプレート部材の塑性変形との両方でエネルギー吸収機構として機能し、全体のエネルギー吸収荷重は、軸部材が捩り変形を起こすときのエネルギー吸収荷重とプレート部材がプレート取り付け部材の外周に巻き付くときのエネルギー吸収荷重との和となる。
このとき、軸部材の材質、太さ等を変化させることによって軸部材によるエネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を変化させることもできるが、特に、プレート部材についてはさらに容易にそのエネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を変化させることが可能である。すなわち、(a)プレート取り付け部材外周部の外径と略円筒部材軸端部内周部の内径との間に形成される環状空間の径方向寸法を大きくする(または小さくする)ことで荷重を小さくする(または大きくする)ことが可能であり、また(b)プレート部材の板厚を大きくする(または小さくする)ことで荷重を大きくする(または小さくする)ことが可能であり、(c)プレート部材他端側の略円筒部材軸端部内周部における係止位置を周方向に変化させることで、巻き付き時の相対回転ストローク特性を変化させ、これによって荷重特性を変化させることができる。
ここで、スプールの内周部とシャフト外周部との間にEAプレートを設ける従来構造において、EAプレートに関し上記のような手法を用いて荷重を変化させようとした場合、実際上その適用は困難である。
すなわち、上記従来構造では、シャフトの軸方向中央側の外周部に直接EAプレートを取り付ける構造であってシャフトとスプールとの間の限られたきわめて狭い空間にEAプレートを配置するようになっていることから、上記(a)のようにシャフト外径とスプール内径との間の環状空間の径方向寸法を大きくすることは困難である。これに対し、本願第1及び第2発明においては、前述のように、軸部材そのものでなく、軸部材の軸方向他方側の外周部に別途設けたプレート取り付け部材の外周部にプレート部材の一端側を固定し、またプレート部材の他端側は、軸方向中央側でなく略円筒部材の軸端部の内周部に係止されることから、例えばプレート取り付け部材の外径を比較的自由に大小させることで、軸部材の径とは別個独立して上記環状空間の径方向寸法を容易に変化させることができる。
また、上記従来構造では、上記のように環状空間自体をあまり大きくできないという制約上、上記(b)のようにEAプレートの板厚を大きくできる余地が少ない(狭い空間で板厚を大きくすると塑性変形しながらの巻き付き自体が困難となる)。これに対し、本願第1及び第2発明においては、上述のように環状空間の径方向寸法を自由に設定できるので、プレート部材の板厚を大きくすることも容易に可能である。
さらに、上記従来構造では、スプールの軸方向中央側においてその内周部にEAプレートを係止させているが、スプールの軸方向中央側はウェビングの巻き取りを行う部分であるため、スプールの周方向一部分の領域にはウェビング端部の係止構造が設けられている(公報図6参照)。このため、上記(c)のようにEAプレートのスプール内周部における係止位置を周方向に変化させようとしても、上記ウェビング端部の係止構造の設置領域以外の部分にしか設定できないという制約が生じる。これに対し、本願第1及び第2発明においては、前述のように略円筒部材の軸端部側にプレート部材を係止させる構造であるので、ウェビング係止構造とは軸方向に異なる位置となり、上記のような周方向位置の制約なく自由に設定することができる。
以上説明したように、本願第1及び第2発明によれば、例えばプレート取り付け部材外径と略円筒部材内径との間の環状空間の径方向寸法、プレート部材の板厚、プレート部材の略円筒部材軸端部内周部における係止位置等を変化させることで、エネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を容易に変化させることが可能である。これにより、軸部材と略円筒部材とのエネルギー吸収分担態様の組み合わせと併せ、リトラクター装置全体によるエネルギー吸収特性を容易に変化させることができる。したがって、近年のニーズに対応して車両構造等の差異に応じてエネルギー吸収特性を容易に最適化し、乗員の身体を十分に保護することができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、前記略円筒部材は、前記シートベルトの巻き取りを行う本体円筒部と、この本体円筒部より大きな外径を備えた前記軸端部としての大径円筒部とを備え、前記プレート取り付け部材は、略円盤状の形状を備えており、前記プレート部材は、前記一端側が前記プレート取り付け部材の前記略円盤状形状の外周部に固定されると共に、他端側が前記大径円筒部の内周部に係止されていることを特徴とする。
本発明においては、プレート部材を係止配置するための環状空間を形成するにあたり、略円筒部材の軸端部を大径円筒部としてその内周側において略円盤状のプレート取り付け部材の外周部との間に環状空間を形成する構造とすることにより、プレート取り付け部材及びプレート部材の配置箇所以外の部分の径方向寸法の増大を防止し、装置全体をコンパクトに構成することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、前記プレート部材の前記他端側は、前記略円筒部材が前記プレート取り付け部材と相対回転を開始した後の所定の時期において前記大径円筒部より離脱するように、前記大径円筒部の前記内周部に係止されていることを特徴とする。
これにより、当該所定の時期においてプレート部材が大径円筒部より離脱した後はプレート部材による衝突エネルギー吸収がなくなるので、例えば軸部材の捩れ変形によるエネルギー吸収域を比較的広く設定することによって、上記所定の時期以降については軸部材の塑性変形によってのみエネルギー吸収を行うように設定することが可能となる。この結果、さらに自由自在にリトラクター装置全体による衝撃エネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を変化させて設定することができる。
また、上記のようにして終盤のエネルギー吸収荷重の大きさを小さくすることは、以下のような意義もある。
すなわち、近年の車両は、緊急時に膨出して乗員の身体を受け止め身体保護を行うSRSエアバッグシステムが装備され、シートベルト装置との協働で乗員の安全性を向上させるように図られている。このようなSRSエアバッグシステムを備えた場合には、SRSエアバッグシステムの効果を安全かつ最大限に引き出すために、例えば、乗員が膨張したエアバックに接触するまでの衝突初期には大きなエネルギー吸収荷重を確保して乗員の移動を最小限に抑え、エアバッグが乗員を拘束しはじめた衝突後期はエネルギー吸収荷重を下げてエアバッグに乗員の保護を委ねるといった協働分担が行われることがある。
本発明では前述のように衝突後期のエネルギー吸収荷重の大きさを小さくするので、上記SRSエアバッグシステムとの役割分担に適しており、衝突後期において大きな荷重によってシートベルトから乗員に必要以上の過大な拘束力が加わるのを防止することができる。
第5の発明は、上記第3の発明において、前記略円盤状形状を備えた前記プレート取り付け部材は、その半径が他の部分より小さく、前記プレート部材が前記大径円筒部との距離をそれ以前より大きくするように巻き付いていく小径巻き付き部を備えることを特徴とする。
本発明においては、プレート部材がプレート取り付け部材の外周に巻き付いていく際、小径巻き付き部に巻き付くときには小径巻き付き部に巻き付く前に比べて大径円筒部との距離が大きくなる。これにより、エネルギー吸収荷重の大きさを、それまでよりも低くすることができる。
第6の発明は、上記第3の発明において、 前記プレート部材は、前記他端側に、その板幅が他の部分より小さい狭幅部を備えることを特徴とする。
狭幅部においてはプレート部材の強度が他の部分より小さくなることにより、プレート部材が一端側から順次塑性変形してプレート取り付け部材の外周に巻き付いていく際、終盤に他端側の狭幅部が塑性変形するときにはそれ以前に比べて塑性変形のために必要な荷重が小さくなる。これにより、エネルギー吸収荷重の大きさを、それまでよりも低くすることができる。
本発明によれば、リトラクター装置全体によるエネルギー吸収特性を容易に変化させることができる。したがって、近年のニーズに対応して車両構造等の差異に応じてエネルギー吸収特性を容易に最適化し、乗員の身体を十分に保護することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のシートベルトのリトラクター装置の全体概略構造を表す縦断面図である。
図1において、このリトラクター装置1は、フレーム2と、シートベルト3を巻き取るスプール(略円筒部材)4と、捩れ変形可能な材料で構成されたトーションバー5(軸部材)と、緊急時に発生する大きな車両減速度を感知して作動する減速度感知手段6と、スプール4の少なくともベルト引出方向の回転を阻止するロック機構7と、スパイラルスブリング(図示せず)を備えたスプリング手段8と、緊急時に作動しベルト巻取りトルクを発生するプリテンショナー9と、プリテンショナー9のシートベルト巻き取りトルクをスプール4に伝達するブッシュ10とを有している。
ロック機構7は、パウル11を揺動可能に保持するロッキングベース12と、ロックギヤ13とを備えている。ロックギヤ13は、公知の構成で足りるため詳細な構造の図示は省略するが、通常時はトーションバー5と一体回転する一方、緊急時は減速度感知手段6の作動で停止してトーションバー5との間に相対回転差を発生させ、これによってパウル11をフレーム2の側壁の内歯14に係合させる。この結果、ロッキングベース12(言い換えればスプール4)のシートベルト引出方向の回転が阻止されるようになっている。なお、このとき、詳細な図示を省略するが、シートベルト3の急激な引出し時にも、ロック機構7のロッキングベース12がロックギヤ13に対してシートベルト引出し方向に相対回転するようになっており、これによって上記と同様にしてシートベルト3の引き出しが阻止されるようになっている。
トーションバー5は、スプール4の内周側(詳細には径方向中心側)に軸方向に貫通するように遊嵌配置されている。またこのトーションバー5は、その軸方向一方側(図1の左側)に位置しスプール4の軸方向他方側と相対回転不能に係合するトルク伝達部(第2トルク伝達部)15と、その軸方向他方側(図1の右側)に位置しロッキングベース12と相対回転不能に係合される(言い換えればロッキングベース12に一体回転可能に支持される)トルク伝達部(第1トルク伝達部)16とを備えており、スプール4とロック機構7とを回転的に連結する機能を果たす。
スプール4は、シートベルト3の巻き取りを行う本体円筒部4aと、この本体円筒部3aより大きな外径を備えた大径円筒部4bとを備えており、フレーム2の両側壁間に回転可能に支持されている。またスプール4は、スプリング手段8のスパイラルスプリングのばね力によリ、ブッシュ17、トーションバー5、トーションバー5の第2トルク伝達部15、及びブッシュ10を介して常時シートベルト巻取方向に付勢されている。このような構造の結果、トーションバー5の軸方向一方側(図1の左側)はスプール4と一体回転可能に接続されている。また、プリテンショナー9の作動時には、プリテンショナー9で発生したベルト巻取りトルクがブッシュ10を介してスプール4に伝達され、これによりスプール4はシートベルト3を所定量巻き取るようになっている。
なお、スプール4とロッキングベース12の軸部12aとの間には、環状の相対回転ロック部材18が配設されている。この相対回転ロック部材18は、内周面に雌ねじ(図示せず)が形成されてロッキングベース軸部12aに形成された雄ねじ(図示せず)に螺合されるとともに、スプール4の軸方向孔に相対回転不能にかつ軸方向移動可能に嵌合されている。そして、スプール4がロッキングベース12に対してベルト引き出し方向に相対回転すると、相対回転ロック部材18がスプール4と一体回転して図1中右方に移動するようになっている。
ここで、本実施形態の最も大きな特徴として、スプール4の図1における右側軸端部の内周側に配置されたリング19(プレート取り付け部材)と、塑性変形可能なプレート部材20とが備えられている。
リング19は、略円盤形状を備えており、その径方向中心側をトーションバー5に軸方向に貫通されるように遊嵌配置されている。またこのリング19は、図1の右側(ロッキングプレート12側)に設けた係合凹部19aが、ロッキングプレート12の図1中左側に設けた係合凸部12aと係合することにより、ロッキングプレート12を介し、トーションバー5の軸方向他方側外周部と一体回転可能に接続されている。
図2は、プレート部材20の詳細取り付け構造を表す図1中II−II断面による横断面図である。図3は、プレート部材20を上記取り付け状態において抽出して示す斜視図である。
これら図2及び図3において、プレート部材20は、上記取り付け状態において、一端側部分20a(リング19及びスプール4の径方向内側)が、リング19の略円盤形状の外周部に適宜の手法で強固に固定されている。一方、他端側部分20b(リング19及びスプール4の径方向外側)は、スプール4の大径円筒部4bの内周部に(詳細にはこの例では内周から外周へと貫通するように)離脱可能(詳細は後述)に係止されている。そして、一端側部分20aと他端側部分20bとの間に位置する中間部分20cは、図示の初期状態(後述のようにエネルギー吸収作動状態となる前の状態)では、一端側部分20aからリング19の外周側に沿うようにシートベルト3巻き出し方向(図2中反時計回り)に延設される外周延設部(図2中P1部)を形成した後、リング19の外径とスプール大径円筒部4bの内径との間に形成された径方向寸法Aの環状空間Sで180°向きを変えて折り返す曲折部(図2中P2部)を形成する。向きを変えた後は、シートベルト3巻き取り方向(図2中時計回り)にスプール大径円筒部4bの内周面に沿うように延設される内周延設部(図2中P3部)を形成して、この例では、軸中心を挟んで一端側部分20aのほぼ正反対側(周方向になす角度が約180°)に位置する他端側部分20bに至るようになっている。
以上のように構成した本実施形態のリトラクター装置1の動作を以下に説明する。
(I)通常時
まずシートベルト非装着時には、スプリング手段8の付勢力で、シートベルト3は完全に巻き取られている。そして、装着のためシートベルト3を通常の速度で引き出すと、スプール4がシートベルト引出し方向に回転し、シートベルト3はスムーズに引き出される。引き出したシートベルト3に摺動自在に設けた図示しないタングが車体に設けたバックル装置のバックル(図示せず)に挿入係止された後、余分に引き出されたシートベルト3がスプリング手段8の付勢力でスプール4に巻き取られ、シートベルト3は乗員に圧迫感を与えない程度にフイットされる。
(II)緊急時
緊急時においては、まず、プリテンショナー9が発生したシートベルト巻取りトルクがスプール4に伝達され、スプール4はシートベルト3を所定量巻き取り、乗員を迅速に拘束する。一方、緊急時に発生する大きな車両減速度によって減速度感知手段6が作動してロックギヤ13のシートベルト引出し方向の回転が阻止され、ロック機構7のパウル11が回動して、フレーム2の側壁の内歯14に係合する。すると、ロッキングベース12及びトーションバー5のシートベルト引出し方向の回転が阻止されるので、慣性力により前方に移動しようとする乗員を拘束するシートベルト3の張力が、スプール4のトーションバー5に対するシートベルト引き出し方向の相対回転力となり、トーションバー5が捩られれつつスプール4のみがシートベルト引出し方向に相対回転する。
これ以後、相対回転がある一定以上となると、まずトーションバー5が上記相対回転に基づく捩れ力によって塑性変形を起こし、このときの塑性変形抵抗によって衝突エネルギーを吸収していく。またこの動作に伴い、ロッキングベース12とともに回転するリング19とこれに対し相対回転するスプール4との間に設けたプレート部材20が塑性変形を起こしつつ、リング19の外周にシートベルト引き出し方向に巻き付けられていき、このときの塑性変形抵抗によってもさらに衝突エネルギーを吸収していく。
図4はこのときの挙動を表す図(但し理解の容易のためにトーションバー5の捩れ回転変位の図示は省略している)であり、図示するように、上記したスプール4のトーションバー5に対する相対回転(図中反時計回り)によるプレート部材20の巻き付けの進行とともに、一端側部分20aからリング19の外周側に沿うようにシートベルト3巻き出し方向に形成される外周延設部(P1部)の長さが伸び、環状空間Sで折り返す曲折部(P2部)の位置が先の図2よりもシートベルト巻き出し方向に移動している。言い換えれば最も大きな塑性変形を行う部分が順次シートベルト巻き出し方向に移動して行っていることになる。またこれに対応して、シートベルト3巻き取り方向にスプール大径円筒部4bの内周面に沿う内周延設部(P3部)の長さは短くなり、一端側部分20aと他端側部分20bとが周方向になす角度が小さくなっている。
図5は、さらに相対回転が進んだ状態を表す図(同様にトーションバー5の捩れ回転変位の図示は省略)である。図示のように、スプール4のトーションバー5に対する相対回転(図中反時計回り)によるプレート部材20の巻き付けの進行によって、一端側部分20aからリング19の外周側に沿うようにシートベルト3巻き出し方向に形成される外周延設部(P1部)の長さがさらに伸び、ついには他端側部分20bのスプール大径円筒部4bの内周部への係合が外れ大径円筒部4bから離脱して自由端部(P4部)が生じている(曲折部P2部と内周延設部P3部は消滅)。
以上のようにして、本実施形態では、スプール4によるトーションバー5を捩りながらのシートベルト引出し方向への相対回転において、トーションバー5の塑性変形とプレート部材20の塑性変形との両方でエネルギー吸収機構(EA機構)として機能し、全体のエネルギー吸収荷重は、トーションバー5が捩り変形を起こすときのエネルギー吸収荷重とプレート部材20がプレート取り付け部材の外周に巻き付くときのエネルギー吸収荷重との和となる。そして、トーションバー5の塑性変形時の捩りトルク及びプレート部材20の塑性変形によって、乗員の衝撃エネルギが吸収緩和され、シートベルト3に加えられる荷重が制限される。
図6は、上記のようにしてエネルギー吸収を行うときのトーションバー5及びプレート部材20から構成されるEA機構の制限荷重(以下適宜、「EA荷重」という)の挙動を表した図である。横軸には、スプール4のロッキングベース12に対する相対回転のストロークをとって表している。
図6において、EA荷重の値はスプール4のロッキングベース12に対する相対回転のストロークが0のときに0であり、その後前述の相対回転が始まってストロークが大きくなり始めると前述したようにまずトーションバー5の捩れによるEA荷重が比例的に大きくなる。その後、ストロークが増大しある大きさになると(図6中の点a)、前述したようにトーションバー5の捩れに加えてプレート部材20の塑性変形が開始される。これにより、全体のEA荷重は、トーションバー5によるEA荷重分(図6中NTで示す)とプレート部材20によるEA荷重分(図6中NPで示す)との和になる。さらにストロークが増大するとそれら合計のリトラクター装置1全体のEA荷重の値がある値以上増大しなくなり(図6中の点b)、以降、ストロークが増大してもEA荷重は一定値を維持する(図6中の点b〜点c)。先に図4に示した状態がこの状態に相当する。
さらにストロークが増大して前述したようにプレート部材他端側部分20bのスプール大径円筒部4bへの係合が外れ離脱すると(先の図5参照)、プレート部材20によるEA荷重が消滅してリトラクター装置1全体のEA荷重はトーションバー5によるEA荷重分NTのみに戻るため急落し(図6中の点c→点d)、これ以降はストロークが増大してもEA荷重はその低下した値で略一定となる(図6中の点dより右側)。
なお、このとき、本実施形態では、前述の相対回転ロック部材18によって上記のストロークには上限値を設けている。すなわち、ロッキングベース12に対するスプール4のベルト引出し方向の相対回転につれて、相対回転ロック部材18が図1において軸方向右方へ移動する。そして、相対回転ロック部材18がロッキングベース12の雄ねじの終わリまで移動するとそれ以上軸方向右方へは移動できないので回転がロックされロッキングベース12に対して相対回転しなくなる。この結果、スプール4もロッキングベース12に対して相対回転しなくなる。つまリ、スプール4のベルト引出し方向の回転がロックされ。シートベルト3は引き出されなくなり、乗員はシートベルト3によって慣性移動が阻止されて保護されるのである。
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得る。
(1)エネルギー吸収特性の最適化
本実施形態によれば、リトラクター装置1全体によるエネルギー吸収特性を容易に変化させることができ、近年のニーズに対応して車両構造等の差異に応じてエネルギー吸収特性を容易に最適化できる。以下、この効果を図7〜図9を用いて詳細に説明する。
前述したように、本実施形態のリトラクター装置1では、スプール4によるトーションバー5を捩りながらのシートベルト引出し方向への相対回転において、全体のエネルギー吸収荷重は、トーションバー5が捩り変形を起こすときのエネルギー吸収荷重とプレート部材20がプレート取り付け部材の外周に巻き付くときのエネルギー吸収荷重との和となる。
このとき、トーションバー5の材質、太さ等を変化させることによってトーションバー5によるエネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を変化させることもできるが、特に、プレート部材20についてはさらに容易にそのエネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域を変化させることが可能である。その手法を順を追って説明する。
(A)環状空間Sの径方向寸法設定
前述したスプールの内周部とシャフト外周部との間にEAプレートを設ける従来構造では、シャフトの軸方向中央側の外周部に直接EAプレートを取り付ける構造であってシャフトとスプールとの間の限られたきわめて狭い空間にEAプレートを配置するようになっていることから、例えばシャフト外径とスプール内径との間の環状空間の径方向寸法を大きくすることは困難である。
これに対し、本実施形態のリトラクター装置1では、トーションバー5そのものでなく、トーションバー5の軸方向他方側の外周部に別途設けたリング19の外周部にプレート部材一端側部分20aを固定し、またプレート部材他端側部分20bは、軸方向中央側でなくスプール4の軸端部に位置する大径円筒部4bに係止される。これにより、リング19の外径を比較的自由に増減させる(なおスプール大径円筒部4bの内径を増減させてもよいことはいうまでもない)ことで、トーションバー5の径とは別個独立して、上記環状空間Sの径方向寸法Aを容易に変化させることができる。例えば、環状空間Sの径方向寸法Aを大きくする(または小さくする、以下かっこ内対応関係同じ)ことにより、上記相対回転によってプレート部材20を塑性変形させていくときの環状空間Sで折り返す曲折部(P2部)の曲率を大きくする(または小さくする)ことができるので、EA荷重を小さくする(または大きくする)ことが容易に可能である。
図7は、上記環状空間Sの径方向寸法Aの設定の一例を表す図であり前述の図2に対応する図である。図2と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図7に示すように、この例では、リング19は、その半径が他の部分より小さくなる凹部形状(または軸方向全寸法にわたって小径としてもよい)の小径巻き付き部19Aを備えている。小径巻き付き部19Aは、プレート部材20が巻き付いて行くにつれて、スプール大径円筒部4bとの距離がそれ以前より大きくなるため、EA荷重の大きさをそれまでよりも低くすることができる。
図8は、この場合のEA荷重の挙動を表した図であり、前述の図6に対応する図である。図6と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図8において、EA荷重の値は、プレート部材20が小径巻き付き部19Aに巻き付く前は図6と同様である(原点0→点a→点b→点c′)。ストロークが増大してプレート部材20が小径巻き付き部19Aに入り込み始め(点c′)小径巻き付き部19Aに巻きついて行くと、ストロークが増大しプレート部材20が巻き付いて行くにつれてスプール大径円筒部4bとの距離がAよりも大きい値に斬増していく(図7中のA′で示す)。このため、上記相対回転によってプレート部材20を塑性変形させていくときの曲折部(P2部)の曲率を徐々に大きくすることができるので、EA荷重を徐々に小さくすることができる(図8中の点c′以降)。最終的には、プレート材他端側部分20bのスプール大径円筒部4bへの係合が外れた点dの状態に至る。
(B)プレート部材20の板厚設定
前述した従来構造では、上記のように環状空間自体をあまり大きくできないという制約上、例えばEAプレートの板厚を大きくできる余地が少ない(狭い空間で板厚を大きくすると塑性変形しながらの巻き付き自体が困難となる)。
これに対し、本実施形態のリトラクター装置1では、上記(A)で述べたように環状空間Sの径方向寸法Aを自由に設定できるので、プレート部材20の板厚を大きくし剛性を強めることでEA荷重を大きくすることも、板厚を小さくし剛性を弱めることでEA荷重を小さくすることも、容易に可能である。
なお、この板厚設定による剛性制御と同様の手法として、プレート部材20の幅方向寸法の設定がある。図9はそのようなプレート部材20の幅方向寸法Wを変化させた場合を示しており、この例では、プレート部材20は、他端側部分20bの近傍に、板幅方向寸法W′が他の部分の寸法Wより小さい狭幅部20Aを備えている(これに対応して他端側部分20bの板幅方向寸法も小さくなっている)。狭幅部20Aにおいてはプレート部材20の強度が他の部分より小さくなることにより、プレート部材20が一端側から先の図4に示したように順次塑性変形してリング19の外周に巻き付いていく際、終盤に狭幅部20Aが塑性変形するときにはそれ以前に比べて塑性変形のために必要な荷重が小さくなる。これにより、EA荷重の大きさを、それまでよりも低くすることができる。
特に、この例では、図示のように狭幅部20Aにおいては、板幅方向寸法W′は他端側部分20bに向かって徐々に斬減している。これにより、例えばEA荷重特性を、先に述べた図8のように設定する(この場合図8中の点c′〜点dが狭幅部20Aに相当する)ことができる。
(C)プレート部材他端側部分20bの係止位置設定
前述した従来構造では、スプールの軸方向中央側においてその内周部にEAプレートを係止させているが、スプールの軸方向中央側はウェビングの巻き取りを行う部分であるため、スプールの周方向一部分の領域にはウェビング端部の係止構造が設けられている(公報図6参照)。このため、例えばEAプレートのスプール内周部における係止位置を周方向に変化させようとしても、上記ウェビング端部の係止構造の設置領域以外の部分にしか設定できないという制約が生じる。
これに対し、本実施形態のリトラクター装置1では、前述のようにスプール4の軸端部側の大径円筒部4bにプレート部材20を係止させる構造であるので、ウェビング係止位置とは軸方向に異なる位置となり、上記のような周方向位置の制約なく自由に設定することができる。したがって、例えばプレート部材他端側部分20bの係止位置を図2中の矢印ア側にずらすことで巻き付き時の上記ストロークを小さくして先の図6や図8に示したエネルギ吸収域(横軸)を狭くしたり、逆にプレート部材他端側部分20bの係止位置を図2中の矢印イ側にずらすことで巻き付き時の上記ストロークを大きくしてエネルギ吸収域を広くしたりして、EA荷重特性を変化させることができる。
以上説明したように、本実施形態のリトラクター装置1によれば、上記(A)〜(C)のようにしてEA荷重の大きさやエネルギー吸収域を容易に変化させることが可能である。これにより、トーションバー5とスプール4とのエネルギー吸収分担態様の組み合わせと併せ、リトラクター装置1全体によるエネルギー吸収特性を容易に変化させることができる。したがって、近年のニーズに対応して車両構造等の差異に応じてエネルギー吸収特性を容易に最適化し、乗員の身体を十分に保護することができる。
なお、上記(A)〜(C)の手法に加えプレート部材20の材質を変化させれば、さらに自由にエネルギー吸収特性を変化させることができることはいうまでもない。
(2)プレート部材20の係止離脱による効果
本実施形態のリトラクタ装置1によれば、図5を用いて前述したように、衝突後期においてプレート部材他端側部分20bが大径円筒部4bより離脱し、その後はプレート部材20による衝突エネルギー吸収がなくなる。この結果、図6に示したように、それ以降についてはトーションバー5の塑性変形によってのみエネルギー吸収を行うように設定することが可能となる。したがって、上記(1)の効果に加え、この意味でもリトラクター装置全体1による衝撃エネルギー吸収荷重の大きさやエネルギー吸収域をさらに自由自在に変化させて設定するでき、さらに柔軟に最適化を図ることができる。
また、上記のようにして終盤のエネルギー吸収荷重の大きさを小さくすることは、以下のような意義もある。
すなわち、近年の車両は、緊急時に膨出して乗員の身体を受け止め身体保護を行うSRSエアバッグシステムが装備され、シートベルト装置との協働で乗員の安全性を向上させるように図られている。このようなSRSエアバッグシステムを備えた場合には、SRSエアバッグシステムの効果を安全かつ最大限に引き出すために、例えば、乗員が膨張したエアバックに接触するまでの衝突初期には大きなエネルギー吸収荷重を確保して乗員の移動を最小限に抑え、エアバッグが乗員を拘束しはじめた衝突後期はエネルギー吸収荷重を下げてエアバッグに乗員の保護を委ねるといった協働分担が行われることがある。
本実施形態では、前述のように衝突後期のエネルギー吸収荷重の大きさを小さくするので、上記SRSエアバッグシステムとの役割分担に適しており、衝突後期において大きな荷重によってシートベルト3から乗員に必要以上の過大な拘束力が加わるのを防止することができる。
(3)その他
本実施形態のリトラクタ装置1においては、上記(1)による効果を得るためにプレート部材20を係止配置する環状空間Sを形成するにあたり、スプール4の軸端部を大径円筒部4bとして、その内周側において略円盤状のリング19の外周部との間に環状空間Sを形成する構造としている。これにより、リング19及びプレート部材20の配置箇所以外の部分の径方向寸法の増大を防止し、装置全体をコンパクトに構成することができる。
本発明の一実施形態によるシートベルトのリトラクター装置の全体概略構造を表す縦断面図である。 プレート部材の詳細取り付け構造を表す図1中II−II断面による横断面図である。 プレート部材を取り付け状態において抽出して示す斜視図である。 スプールとトーションバーとの相対回転によりプレート部材が塑性変形を起こしつつ衝突エネルギーを吸収していくときの挙動を表す図である。 スプールとトーションバーとの相対回転がさらに進みプレート部材がスプールから離脱したときの挙動を表す図である。 トーションバー及びプレート部材からなるEA機構が衝突エネルギー吸収を行うときのEA荷重の挙動を表した図である。 スプール大径円筒部とリングとの間の環状空間の径方向寸法Aの設定の一例を表す図である。 図7に示した例においてトーションバー及びプレート部材からなるEA機構が衝突エネルギー吸収を行うときのEA荷重の挙動を表した図である。 プレート部材の幅方向設定の一例を表す図である。
符号の説明
1 リトラクター装置
3 シートベルト
4 スプール(略円筒部材)
4a 本体円筒部
4b 大径円筒部
5 トーションバー(軸部材)
7 ロック機構
19 リング(プレート取り付け部材)
19A 小径巻き付け部
20 プレート部材
20A 狭幅部
20a 一端側部分
20b 他端側部分

Claims (6)

  1. シートベルトを巻き取るための回転可能な略円筒部材と、
    この略円筒部材の内周側に設けられ、軸方向一方側が前記略円筒部材と一体回転可能に接続される捩れ変形可能な軸部材と、
    前記略円筒部材の軸端部の内周側に配置され、前記軸部材の軸方向他方側の外周部と一体回転可能に接続されたプレート取り付け部材と、
    このプレート取り付け部材のシートベルト引き出し方向の回転を阻止可能なロック機構と、
    一端側が前記プレート取り付け部材の外周部に固定され、他端側が前記略円筒部材の前記軸端部の内周部に係止される塑性変形可能なプレート部材とを有することを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
  2. シートベルトを巻き取るための回転可能な略円筒部材と、
    この略円筒部材の内周側に略円筒部材と相対回転可能に設けられた軸部材と、
    この軸部材のシートベルト引き出し方向の回転を阻止するロック機構と、
    前記略円筒部材と前記軸部材とが互いに相対回転するときに、その相対回転が伝達されその回転力により塑性変形するように配置されたプレート部材とを有するシートベルトのリトラクター装置において、
    前記軸部材は、軸方向一方側が前記略円筒部材と一体回転可能に接続され、かつ捩れ変形可能に構成されており、
    前記略円筒部材の軸端部の内周側において、前記軸部材の軸方向他方側の外周部と一体回転可能にプレート取り付け部材が接続され、
    前記プレート部材は、一端側が前記プレート取り付け部材の外周部に固定されるとともに、他端側が前記略円筒部材の前記軸端部の内周部に係止されることを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
  3. 請求項1又は2記載のシートベルトのリトラクター装置において、
    前記略円筒部材は、前記シートベルトの巻き取りを行う本体円筒部と、この本体円筒部より大きな外径を備えた前記軸端部としての大径円筒部とを備え、
    前記プレート取り付け部材は、略円盤状の形状を備えており、
    前記プレート部材は、前記一端側が前記プレート取り付け部材の前記略円盤状形状の外周部に固定されると共に、他端側が前記大径円筒部の内周部に係止されていることを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
  4. 請求項3記載のシートベルトのリトラクター装置において、
    前記プレート部材の前記他端側は、前記略円筒部材が前記プレート取り付け部材と相対回転を開始した後の所定の時期において前記大径円筒部より離脱するように、前記大径円筒部の前記内周部に係止されていることを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
  5. 請求項3記載のシートベルトのリトラクター装置において、
    前記略円盤状形状を備えた前記プレート取り付け部材は、その半径が他の部分より小さく、前記プレート部材が前記大径円筒部との距離をそれ以前より大きくするように巻き付いていく小径巻き付き部を備えることを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
  6. 請求項3記載のシートベルトのリトラクター装置において、
    前記プレート部材は、前記他端側に、その板幅が他の部分より小さい狭幅部を備えることを特徴とするシートベルトのリトラクター装置。
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