JPH10203308A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JPH10203308A
JPH10203308A JP9007046A JP704697A JPH10203308A JP H10203308 A JPH10203308 A JP H10203308A JP 9007046 A JP9007046 A JP 9007046A JP 704697 A JP704697 A JP 704697A JP H10203308 A JPH10203308 A JP H10203308A
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webbing
energy
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギ吸収式のウエビング巻取装置
におけるシートベルトウエビングの引き出し荷重が滑ら
かに変化する状態、又は滑らかでフラットに推移する状
態でエネルギ吸収動作を実行可能とする。 【解決手段】 フレーム30に対し回動可能に支受さ
れたシートベルトウエビング32巻装用のスプール34
に対し、回動可能となる回動部材44をフレーム30に
回動可能に支受し、スプール34と、主シャフト44と
の相対回転の際、空間の内周部62と、この空間内の軸
外周部64との間にエネルギ吸収部材58を塑性変形し
てエネルギを吸収しながら、これらの一方から他方へ巻
きうつされるよう配置すると共に、その巻回の軸の方向
に沿った各部所の幅寸法を変化させ、各部所でのエネル
ギ吸収量を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルトウエ
ビングの引き出しを阻止するときに、ウエビングの引き
出しを許容してエネルギを吸収することができるウエビ
ング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエビング巻取装置では、スプールのウ
エビング引出方向の回転が車両急減速時にロックされ
て、ウエビングの引き出しが阻止される。従来このよう
にウエビングの引き出しが阻止された際、このシートベ
ルトウエビングの引き出しを除々に許容し、このシート
ベルトウエビングを装着した乗員から受けるエネルギを
吸収するウエビング巻取装置が、図14〜図16に例示
する如く実開昭50−100218号にエネルギー吸収
式シートベルトリトラクタとして提案されている。この
リトラクタでは、ベルト巻取りシャフト12の軸方向延
長上の位置に、一方向作動ギヤ13aと一体のケース1
3bを有するギヤ部13が配置されている。
【0003】このケース13b内には、一端がベルト巻
取りシャフト12に固着され、他端がケース13bに固
着したエネルギ吸収用の帯状鉄板14が、ベルト巻取り
シャフト12を包囲する如く、ロール状に収納されてい
る。
【0004】そして、所定値以上の加速度が感知センサ
で感知されると、ソレノイド17への通電が遮断され、
リターンスプリング16の付勢力によって、ラチェット
15が一方向作動ギヤ13aに係合し、これと一体のケ
ース13bの回動を制止する。
【0005】すると、シートベルトウエビング10に加
わった荷重はベルト巻取りシャフト12を介して鉄板1
4に加わり、この鉄板14を塑性変形しながらこのベル
ト巻取りシャフト12を回動し、図15に示す状態から
図16に示す状態に移行する。このとき、シートベルト
ウエビング10に働く荷重を受けた鉄板14は、そのU
字状の折曲部14aを塑性変形しながら矢印B方向へ移
動させつつケース13b側に巻回していた部分が、ベル
ト巻取りシャフト12側に巻回する。すなわち、この鉄
板14の塑性変形動作によって、ベルト巻取シャフト1
2を回動して除々にシートベルトウエビング10を図1
4の矢印Aと逆方向へ引き出す動作をしながら、シート
ベルトウエビング10に負荷されるエネルギを吸収す
る。
【0006】上述のようなウエビング巻取装置では、ベ
ルト巻取りシャフト12の軸方向に並べてギヤ部13が
配置されているため、このウエビング巻取装置全体がベ
ルト巻取りシャフト12の軸方向に場所をとり、大形化
してしまう。
【0007】また、鉄板14がエネルギを吸収する動作
を行う際、内径の大きなケース13b側に3重に巻回さ
れたものから外径の小さなベルト巻取りシャフト12側
へ3重以上の多数回巻回されることになるため、ベルト
巻取りシャフト12に巻装された鉄板14部分の外周面
部と、ケース13b側へ巻回された鉄板14の内周面部
との間隔が段々と狭くなり、折曲部14aの曲率半径が
除々に小さくなる。このため、鉄板14がエネルギ吸収
のための塑性変形動作を開始し、ベルト巻取りシャフト
12が回動し、シートベルトウエビング10が引き出さ
れる長さが増すに従って、このシートベルトウエビング
10を引き出す荷重が増加してしまう。
【0008】また、ベルト巻取りシャフト12に鉄板1
4が1周巻回され、さらにこの上に鉄板14が巻き付け
られるとき、折曲部14aの曲率半径が急激に鉄板14
の厚さだけ減るので、このときシートベルトウエビング
10を引き出す荷重が不連続に増加する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、エネルギ吸収式のウエビング巻取装置におけるシ
ートベルトウエビングの引き出し荷重が滑らかに変化す
る状態、又は略一定の状態でエネルギ吸収動作を行える
ようにしたウエビング巻取装置を新たに提供することを
目的とする。また、その他の目的として、装置全体を小
形化することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ウエビング巻取り装置は、フレームに対し回動可能に支
受された、シートベルトウエビング巻装用のスプール
と、前記スプールと相対的に回動可能となるよう、前記
フレームに対し回動可能に支受された回動部材と、前記
スプールと、前記回動部材との相対回転の際、前記スプ
ールと一体に回動する側の部材部分で周囲を囲まれた内
周部と、前記主シャフトと一体に回動する側の部材部分
の外周面部との間の空間内で、塑性変形してエネルギを
吸収しながら、これらの一方から他方へ巻きうつされる
よう配置されるとともに、その巻回の軸の方向に沿った
各部所の幅寸法を変化させ、各部所でのエネルギ吸収量
を変化させるよう形成されたエネルギ吸収部材と、を有
することを特徴とする。
【0011】上述のように構成することにより、エネル
ギ吸収動作の際のエネルギ吸収量の推移のパターンを所
望通り適宜変更することができる。
【0012】本発明の請求項2記載のウエビング巻取り
装置は、フレームに軸支された主シャフトと、前記主シ
ャフトの回りに回動可能に支受された、シートベルトウ
エビング巻装用のスプールと、前記スプールと一体に回
動する側の部材部分で周囲を囲まれた内周部と、前記主
シャフトと一体に回動する側の部材部分の外周面部との
間に、前記スプールと前記主シャフトとの相対回転時に
塑性変形してエネルギを吸収するよう配置されたエネル
ギ吸収部材と、を有するウエビング巻取装置であって、
前記エネルギ吸収部材が、その一端を前記スプール側の
渦巻き線状内周部に滑らかな渦巻き線状となって巻装
し、その中間を湾曲部を作るよう折り返し、その他端を
前記主シャフト側の渦巻き線状外周面部に滑らかな渦巻
き線状に巻装可能なよう取り付けられ、前記スプールと
前記主シャフトとの相対回転に従って前記エネルギ吸収
部材が前記主シャフト側の外周面部に滑らかな渦巻き線
状となって巻装されていくときの前記湾曲部の曲率半径
が滑らかに変化するよう構成されたことを特徴とする。
【0013】上述のように構成することにより、エネル
ギ吸収部材は、渦巻き線状に巻装された状態となり、エ
ネルギ吸収部材の各位置で湾曲部の曲率半径を連続的に
推移させられるから、エネルギ吸収荷重を滑らかに変化
させることができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載のウ
エビング巻取装置において、前記スプール側の内周部
を、一周で前記エネルギ吸収部材の肉厚分だけその半径
を拡大する渦巻き線状に形成し、前記主シャフト側の外
周面部を、一周で前記エネルギ吸収部材の肉厚分だけそ
の半径を拡大する渦巻き線状に形成したことを特徴とす
る。
【0015】上述のように構成することにより、エネル
ギ吸収部材は、渦巻き線状の溝内周部と、渦巻き線状の
外周面部とに、それぞれ渦巻き線状に巻装された状態な
ので、エネルギ吸収部材の端部の各位置でも湾曲部の曲
率半径を連続的に推移させられるので、エネルギ吸収荷
重を滑らかに変化させることができ、エネルギ吸収荷重
の段階的変化を回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るエネル
ギ吸収機構としてのいわゆるフォースリミッタ付のウエ
ビング巻取装置が図1〜図13に示されている。図1に
ウエビング巻取装置の要部縦断面を示すように、この装
置本体フレーム30の一対の側板部30a、30bの間
に渡って、ウエビング32を巻装するスプール34と、
回動部材である主シャフト44とが配置されている。
【0017】このスプール34は、略円筒状の胴部36
の両端部に、それぞれフランジ38を一体に設けて形成
されている。図1、図3及び図4に示すように胴部36
には、その一部に円弧状の通し溝40が穿設されて円弧
状の副胴部42が形成されており、この通し溝40にウ
エビング32の端部を通して、この端部を輪を作るよう
にウエビング32の端部近くに固着することにより、こ
のウエビング32の基端をスプール34に取り付ける。
図4に示すようにスプール34に取り付けられたウエビ
ング32は、スプール34が回動することにより図3に
示す如く、ウエビング32の端部が副胴部42に係止さ
れた状態で、胴部36及び副胴部42の外周面側に巻装
される。
【0018】このスプール34の中空内部には、主シャ
フト44が挿通して配置されている。この主シャフト4
4における軸部44aの一方の端部にはロック機構部用
のロック用頭部46が締結され、他方の端部にはプリロ
ーダ機構部用の係止頭部48が締結されている。
【0019】図1に示すように、このロック用頭部46
は、その先端側46Aが2股に分かれたコ字形状に形成
され、図5にも示すようにその基端部を螺子50によっ
て、スプール34に対し回動可能で、このスプール34
の軸線方向へ引き抜かれないように締結されている。こ
のロック用頭部46は、フレーム30の一方の側板部3
0a側に配置された一般に用いられているロック機構部
(図示省略)に関連して動作するよう装着され、このロ
ック機構部が所定値以上の車両加速度を検知して作動す
ることにより、ロック用頭部46のウエビング32の引
き出し方向回転を制止し、又はウエビング32が急速に
引き出されたとき、ウエビング32の引き出し方向回転
を制止するよう構成されている。また、加速度が消失
し、又はウエビング32の急激な引き出し動作が停止し
た後、ロック機構部によるロック用頭部46の回動制止
動作が解除されるよう構成されている。
【0020】図1、及び図7に示すように、プリローダ
機構部用の係止頭部48は、略円柱状に形成され、その
外周面部に複数のリブ52が突設され、その中央部には
セレーション穴54が穿設されている。この係止頭部4
8は、主シャフト44の軸部44aの端部に設けたセレ
ーション突部56に回動不能に嵌合されて配置されてい
る。
【0021】また、係止頭部48は、フレーム30の他
方の側板部30b側に配置された図示しないプリローダ
機構部に関連して動作可能に配置されている。このプリ
ローダ機構部は、一般に用いられているものであって、
所定値以上の加速度を検知して作動することにより、係
止頭部48を把持して、これをウエビング32の巻き取
り方向へ回動し、ウエビング32をスプール34に所定
長さ巻き取って、加速度が加わった際にウエビング32
が、シートベルトウエビング32の装着者に緩みなく装
着するよう構成されている。
【0022】図1、及び図3に示すように、スプール3
4と主シャフト44との間には、エネルギ吸収部材58
が装着されている。このエネルギ吸収部材58は、その
平面に展開した形状が図2に示すよう形成されている。
エネルギ吸収部材58は、塑性変形し易い金属、例えば
軟鋼、黄銅又はアルミニュウム等の金属製厚肉平板材を
折曲形成して構成されている。すなわち、エネルギ吸収
部材58は、本実施の形態では、矩形長板材の一方の長
手方向側部を、その一端から他端にかけて段階的に幅寸
法が除々に縮まるように形成されている。例えば、この
エネルギ吸収部材58を、その最長幅L7をもつ端部か
ら区分点N1までの間を主シャフト44との係合部と
し、区分点N1から区分点N2までの間隔を一番短い間
隔とし、これより区分点N2から区分点N3までの間隔
を長くし、さらにこれより区分点N3から区分点N4ま
での間隔を長くするといったように、区分点N4と区分
点N5との間隔、区分点N5と区分点N6との間隔を段
階的に広げるよう設定する。
【0023】なお、区分点N6と最短幅L1をもつ端部
との間部分はスプール34との係合部として設定されて
いる。
【0024】また、エネルギ吸収部材58の端部N0に
おける幅方向の形状について見ると、その両端及び各区
分点での幅L1〜L7を、幅L7から幅L1にかけて段
階的に短くなるよう設定し、かつ各区分点を変曲点とす
る如く、相隣接する両端角と角区分点間を直線で結んだ
形状とされている。
【0025】さらに、スプール34と主シャフト44と
を相対回転させる荷重をほぼ一定にし、又は所望の荷重
変化となるようにするため、エネルギ吸収部材58の端
部N0、最短幅L1をもつ端部から各区分点N1〜N6
までの距離、及び各幅L1〜L7を、後述するように、
スプール34と主シャフト44との間に装着されたエネ
ルギ吸収部材58のU字状湾曲部60の曲率半径Rの変
化に応じ、適宜変更して設定する。
【0026】上述の如く形成したエネルギ吸収部材58
をスプール34と主シャフト44とに装着するため、図
1及び図3に示すように、スプール34の筒内周面部に
は、最短幅L1をもつ端部近くの平面形状に対応し、1
周のピッチがフォースリミットプレート58の肉厚に相
当するうず巻線状の溝である溝内周部62が穿設されて
いる。また、主シャフト44には、その軸部44aに、
1周のピッチがエネルギ吸収部材58の肉厚に相当する
断面うず巻線状の外周面部64が形成されている。さら
に、この軸部44aの外周面部64の最短半径の部分に
は、半径方向と平行になるように、エネルギ吸収部材5
8の最長幅L7をもつ端部を嵌め付ける断面コ字状の係
着溝66が、軸部44aの軸線方向に延びるよう穿設さ
れている。
【0027】図3に示すように、エネルギ吸収部材58
は、その最短幅L1の端辺を、スプール34の溝内周部
62の端に隙間なく押し当て、この溝内周部62に沿っ
て滑らかな渦巻き線状に巻装され、その区分点N1近く
の部位でU字状に屈曲された湾曲部60で折り返され、
その最長幅L7をもつ端部を係着溝66に嵌め、外周面
部64のうず巻線における半径が除々に大きくなる方向
にかけて滑らかな渦巻き線状に巻装可能なように巻き始
められるよう配置されている。
【0028】図1に示すように、主シャフト44におけ
るエネルギ吸収部材58とロック用頭部46との間位置
には、スプール34と主シャフト44との間に相対回転
数制限機溝部が装着されている。
【0029】図1、及び図4にも示すように、この相対
回転数制限機構部を構成するため、スプール34のロッ
ク機構部側の筒内周部には、セレーション穴68が穿設
されている。また、セレーション穴68の位置に対応し
た主シャフト44の対応部分は、軸部44aより太径の
丸軸に形成され、その外周面部には、左螺子の送り溝7
0がロック用頭部46の端面46a位置まで形成されて
いる。
【0030】そして、セレーション穴68と、送り溝7
0との間には、制止用部材72が装着されている。この
制止用部材72は、略円環状でその外周面の略半周の部
分に渡ってセレーション穴68にセレーション結合して
主シャフト44の軸方向に摺動自在となるセレーション
外周部74が形成されている。また、制止用部材72の
円孔内周面部には、送り溝70の左螺子に螺合する螺子
溝76が穿設されている。
【0031】制止用部材72は、送り溝70の軸部44
a側端部に螺挿されるとともに、セレーション穴68に
セレーション結合されて配置され、制止された主シャフ
ト44に対し、スプール34がウエビング32の引き出
し方向へ回動されると、これと一体となって回動し、送
り溝70上を送られて、制止用部材72が約4.32回
転されたときにロック用頭部46の端面46aに当接
し、主シャフト44の軸線回りの回動、及びその軸線方
向への移動動作が制止される。すると、主シャフト44
に対し制止用部材72を介してスプール34のウエビン
グ32引き出し方向への回動動作が制止されるよう構成
されている。
【0032】なお、図3に示すように、スプール34の
外周面部におけるウエビング32の端を結合した部分が
巻装する部位には、この外周面部を若干切除した逃げ凹
部78が形成され、ウエビング32の結合端部の上に巻
装される部分がより真円に近い状態で巻回されるように
構成されている。
【0033】次に、上述のように構成された本実施の形
態に係るウエビング巻取装置の作用、及び動作について
説明する。このウエビング巻取装置から引き出されたシ
ートベルトウエビング32を被装着者が装着した状態
で、このウエビング巻取装置におけるプリローダ機構部
で所定値以上の加速度を検出すると、このプリローダ機
溝部が作動して、係止頭部48を把持し、主シャフト4
4、制止用部材72、及びスプール34を回動すること
により、ウエビング32を所要長さ巻き込んで、ウエビ
ング32を被装着者に緩みなく装着した状態となる。
【0034】この状態において、同じく加速度を検知し
たロック機構部が作動し、ロック用頭部46を制止する
ことにより主シャフト44のウエビング引出し方向の回
動を制止した状態とする。
【0035】次に、上述の状態でウエビング32に所定
値以上の引張り荷重が加わると、この引張り荷重がスプ
ール34を回動する荷重となって、エネルギ吸収部材5
8と、主シャフト44とに負荷される。このとき、主シ
ャフト44は、そのウエビング32の引き出し方向の回
動を制止されているので、エネルギ吸収部材58が塑性
変形して、このウエビング32を除々に引き出しなが
ら、ウエビング32に加わるエネルギーを吸収する。す
なわち、エネルギ吸収部材58は、その最長幅L7の端
部が主シャフト44に固定されているので、この近くの
位置にある湾曲部60をその最短幅L1側に移動させな
がら、スプール34が図3の矢印C方向に回動する動作
に従って主シャフト44の外周面部64の上に巻装され
図3、図8、図9、図10、図11、図12の中間状態
を順次経て図13のエネルギ吸収動作完了状態に至る。
【0036】この図3、図8〜図13に示す一連の動作
の際、固定された主シャフト44の回りをスプール34
が回動することになるので、このスプール34とセレー
ション結合している制止用部材72もスプール34と一
体的に、主シャフト44のねじ溝である送り溝70上を
回動してロック用頭部46方向へ進む。そして、図13
に示すエネルギ吸収動作完了状態では、制止用部材72
がロック用頭部46の端面46aに当り、それ以上前進
不能となって、主シャフト44と制止用部材72との相
対回転が制止され、主シャフト44と、制止用部材72
と、スプール34とが一体となってウエビング32の引
き出し方向への回動動作が制止される。よって、エネル
ギ吸収部材58は、図13の状態からさらに回動し、そ
の端部が溝内周部62から外れ、湾曲部60を形成しな
くなる状態に至ることはなく、図3の状態から所定回転
数回動後の図13の状態で、上述した制止用部材72の
作用により、確実に制止される。
【0037】また、上述した図3、図8〜図13に示し
たエネルギ吸収動作中エネルギ吸収荷重(ウエビング3
2を引き出す荷重)が略一定でエネルギ吸収荷重が急激
に変化せず、その荷重の変化があっても滑らかな変化と
なるように設定してある。このエネルギ吸収荷重は、湾
曲部60の曲率半径Rに反比例し、エネルギ吸収部材5
8の横幅に比例するので、この関係を利用して、具体的
形状が設定されている。
【0038】例えば、図2に示すエネルギ吸収部材58
では、L1を24.6ミリメートル、L2を26.1ミ
リメートル、L3を27.6ミリメートル、L4を28
ミリメートル、L5を30.7ミリメートル、L6を3
2.2ミリメートル、L7を35ミリメートルとする。
【0039】また、M0を102.46ミリメートル、
M1を92.18ミリメートル、M2を82.88ミリ
メートル、M3を67.67ミリメートル、M4を5
1.03ミリメートル、M5を32.82ミリメート
ル、M6を13.19ミリメートルとする。
【0040】これとともに、エネルギ吸収部材58がエ
ネルギ吸収動作開始前の図3に示す初期状態では、湾曲
部60の曲率半径Rが1.61ミリメートルとされてい
る。次に、図に一点鎖線で示したスプール基準位置線8
0が図3の初期位置から矢印C方向に0.52回転回動
した図8に示す状態では、Rが1.48ミリメートルと
なり、1.32回転した図9に示す状態では、Rが1.
41ミリメートルとなり、2.12回転した図10に示
す状態では、Rが1.29ミリメートルとなり、2.9
5回転した図11に示す状態では、Rが1.27ミリメ
ートルとなり、3.78回転した図12に示す状態で
は、Rが1.2ミリメートルとなり、4.32回転した
図13に示す状態では、Rが1.13ミリメートルとな
るよう、エネルギ吸収部材58の板厚、溝内周部62と
外周面部64との半径等の形状が決定されている。
【0041】上述の如く形成されたウエビング巻取装置
では、エネルギ吸収動作によって、スプール34が4.
32回転し、エネルギ吸収量(エネルギ吸収動作による
ウエビング32の引き出し量)を593ミリメートルに
することができる。
【0042】このように、エネルギ吸収動作中、ウエビ
ング32が引き出されスプール34が回動するのに従っ
て湾曲部60の曲率半径が小さくなるので、エネルギ吸
収部材58の幅を順次狭くして、エネルギ吸収荷重のフ
ラット化を図っている。さらに、エネルギ吸収部材58
の各部分での幅を適宜変更して構成することにより、エ
ネルギ吸収動作の際のエネルギ吸収荷重の推移のパター
ンを所望通り適宜変更することができる。
【0043】また、エネルギ吸収部材58は、渦巻き線
状の溝内周部62と、渦巻き線状の外周面部64とに、
それぞれ渦巻き線状に巻装された状態なので、エネルギ
吸収部材58の端部の各位置でも湾曲部60の曲率半径
を連続的に推移させられるので、エネルギ吸収荷重を滑
らかに変化させることができ、エネルギ吸収荷重の段階
的変化を回避できる。なお、溝内周部62と、外周面部
64との構造は、上述した実施の形態の構成に限定され
るものではなく、エネルギ吸収部材58を渦巻き線状に
巻装できるものであれば、いかなる構造をもとり得るこ
とは勿論である。
【0044】また、本実施の形態では、スプール34に
ウエビング32の端部を固定する構造を、副胴部42を
用いた構造とすることにより、胴部36に筒穴状に形成
する溝内周部62を大きくし、エネルギ吸収部材58の
大きな収納スペースを確保するようにしている。よっ
て、スプール34内にエネルギ吸収機構を収容して、ウ
エビング巻取装置全体を小型化できる。
【0045】さらに、主シャフト44を、スプール34
の筒穴内に通し、螺子50を締結することにより両者を
組み付けられるようにしたので、組立製造作業を容易に
できる。
【0046】なお、前述した相対回転数制限機構部は、
スプール34と主シャフト44との相対回転数が一定回
転数以上とならないように制限できるものであれば、種
々の構成を取り得る。さらに、エネルギ吸収部材58の
幅Lと、各区間の長さMは、他の構成との関連で適宜設
定できる。
【0047】また、本実施の形態では、エネルギ吸収部
材58をスプール34と主シャフト44との間に配置し
た構成について説明したが、幅Lを変えたエネルギ吸収
部材58を図14〜図16に示した従来のリトラクタに
おけるスプールのシャフト12と、このシャフト12に
対し相対的に回動可能となるようフレームに支受された
回動部材としてのギヤ部13のケース13bとの間に配
置して用いることもできる。さらに、主シャフト44側
に巻装したエネルギ吸収部材58を、エネルギ吸収動作
によって、スプール34の溝内周部62側へ巻きうつす
ように構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】本発明のウエビング巻取装置は、エネル
ギ吸収式のウエビング巻取装置におけるシートベルトウ
エビングの引き出し荷重が滑らかに変化する状態、又は
滑らかでフラットに推移する状態でエネルギ吸収動作を
行えるという優れた効果を有する。加えて、装置全体を
小形化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を示
す要部縦断面図である。
【図2】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を示
すエネルギ吸収部材部分を取り出して示す展開図であ
る。
【図3】図1のIII − III線による切断部端面図であ
る。
【図4】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を示
すスプールへウエビングの端部を取り付ける構造を示す
図1のIII − III線断面に対応する要部断面図である。
【図5】図1のV−V線による切断部端面図である。
【図6】図1のVI−VI線による切断部端面図である。
【図7】図1のVII − VII線による切断部端面図であ
る。
【図8】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を示
すフォークリミッタ動作によりスプールが0.52回転
した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部端
面図である。
【図9】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を示
すフォークリミッタ動作によりスプールが1.32回転
した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部端
面図である。
【図10】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を
示すフォークリミッタ動作によりスプールが2.12回
転した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部
端面図である。
【図11】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を
示すフォークリミッタ動作によりスプールが2.95回
転した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部
端面図である。
【図12】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を
示すフォークリミッタ動作によりスプールが3.78回
転した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部
端面図である。
【図13】本発明のウエビング巻取装置の実施の形態を
示すフォークリミッタ動作によりスプールが4.32回
転した状態を示す図1のIII − III線に対応する切断部
端面図である。
【図14】従来のエネルギ吸収式シートベルトリトラク
タの要部を示す正面図である。
【図15】図14のXV−XV線による断面図である。
【図16】エネルギ吸収動作中における図14のXV−XV
線に対応する断面図である。
【符号の説明】
30 フレーム 32 ウエビング 34 スプール 36 胴部 40 通し溝 42 副胴部 44 主シャフト (回動部材) 44a 軸部 46a 端面 48 係止頭部 50 螺子 54 セレーション穴 56 セレーション突部 58 エネルギ吸収部材 60 湾曲部 62 構内周部 (空間内周部) 64 外周面部 (軸外周部) 66 係着溝 68 セレーション穴 70 送り溝 72 制止用部材 74 セレーション外周部 76 螺子溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに対し回動可能に支受された、
    シートベルトウエビング巻装用のスプールと、 前記スプールと相対的に回動可能となるよう、前記フレ
    ームに対し回動可能に支受された回動部材と、 前記スプールと、前記回動部材との相対回転の際、前記
    スプールと一体に回動する側の部材部分で周囲を囲まれ
    た内周部と、前記主シャフトと一体に回動する側の部材
    部分の外周面部との間の空間内で、塑性変形してエネル
    ギを吸収しながら、これらの一方から他方へ巻きうつさ
    れるよう配置されるとともに、その巻回の軸の方向に沿
    った各部所の幅寸法を変化させ、各部所でのエネルギ吸
    収量を変化させるよう形成されたエネルギ吸収部材と、 を有することを特徴とするウエビング巻取り装置。
  2. 【請求項2】 フレームに軸支された主シャフトと、 前記主シャフトの回りに回動可能に支受された、シート
    ベルトウエビング巻装用のスプールと、 前記スプールと一体に回動する側の部材部分で周囲を囲
    まれた内周部と、前記主シャフトと一体に回動する側の
    部材部分の外周面部との間に、前記スプールと前記主シ
    ャフトとの相対回転時に塑性変形してエネルギを吸収す
    るよう配置されたエネルギ吸収部材と、を有するウエビ
    ング巻取装置であって、 前記エネルギ吸収部材が、その一端を前記スプール側の
    渦巻き線状内周部に滑らかな渦巻き線状となって巻装
    し、その中間を湾曲部を作るよう折り返し、その他端を
    前記主シャフト側の渦巻き線状外周面部に滑らかな渦巻
    き線状に巻装可能なよう取り付けられ、前記スプールと
    前記主シャフトとの相対回転に従って前記エネルギ吸収
    部材が前記主シャフト側の外周面部に滑らかな渦巻き線
    状となって巻装されていくときの前記湾曲部の曲率半径
    が滑らかに変化するよう構成されたことを特徴とするウ
    エビング巻取装置。
  3. 【請求項3】 前記スプール側の内周部を、一周で前記
    エネルギ吸収部材の肉厚分だけその半径を拡大する渦巻
    き線状に形成し、前記主シャフト側の外周面部を、一周
    で前記エネルギ吸収部材の肉厚分だけその半径を拡大す
    る渦巻き線状に形成したことを特徴とする請求項2記載
    のウエビング巻取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005047449A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Takata Corp シートベルトのリトラクター装置
KR100737671B1 (ko) * 2006-04-14 2007-07-09 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 Ocb 모드 액정표시장치
KR100923057B1 (ko) * 2008-06-03 2009-10-22 한일이화주식회사 카고스크린용 홀딩바

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