JP2001294123A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2001294123A
JP2001294123A JP2000113805A JP2000113805A JP2001294123A JP 2001294123 A JP2001294123 A JP 2001294123A JP 2000113805 A JP2000113805 A JP 2000113805A JP 2000113805 A JP2000113805 A JP 2000113805A JP 2001294123 A JP2001294123 A JP 2001294123A
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政実 山崎
Katsuyasu Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的障害が生じた場合であっても確実に乗
員を拘束するエネルギ吸収機構付のシートベルト装置を
提供する。 【解決手段】 車両衝突時の衝撃の大きさ及び/又は乗
員体重等により乗員に適正なエネルギ吸収を行うシート
ベルト装置において、車両衝突時における衝撃の大きさ
及び/又は乗員体重の信号(21,22)を受けてウェビング
引出し荷重を判別(23)し、複数のエネルギ吸収手段(35,
36)を備えるエネルギ吸収機構のボビンとの係合を、各
エネルギ吸収手段の全係合状態から選択的に係合を解除
する解除手段(31,32,38,39,40)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシートベルト装置に
関し、特に、衝突の際に乗員の慣性移動によるウェビン
グの圧迫を減少するようにしたエネルギ吸収機構を備え
たシートベルト装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】シートベルト装置は、車両が衝突等した
場合に、乗員をウェビングによって座席に拘束して前方
移動を防ぎ、二次衝突からの安全を図っている。このた
め、シートベルト装置のリトラクタには、衝突の際にウ
ェビングが引出されることを阻止するロック機構が設け
られている。
【0003】しかし、車両が衝突などによって急減速し
た場合、乗員には慣性力が作用し、乗員を座席前方に移
動しようとする。このとき、ロックされたウェビングが
乗員の胸部を圧迫する場合がある。これを軽減するため
に、リトラクタに基準値を越えるウェビング引出し力が
作用すると、リトラクタに内蔵されたエネルギ吸収機構
がウェビングの引出しを可能として胸部を圧迫を減ずる
ようにしている。
【0004】例えば、特開昭平11−129865号
は、個人の重量に応じてストッパ押し棒を移動すること
によって、共通の阻止部材に設けられている捩り棒及び
捩りスリープの阻止部材の停止位置が決定される。捩り
棒及び捩りスリーブへ個々に又は一緒に係合可能であ
り、2段階のエネルギ吸収荷重を可能にしている。
【0005】特開平11−286259号は、乗員の体
重が小さい場合は、トーションバーのみのねじれ抗力で
あり、乗員の体重が前記以上の場合はアクチュエータに
よりピンを移動させピンがトーションパイプ又はロック
バーと係合することにより捩り荷重を変化させるもので
ある。ピンがロックレバーと係合した場合においては、
シートベルトの送出しを停止させたものである。
【0006】国際出願WO97/49583号は、トー
ションバーの一端はプロフィールヘッドを介してベルト
巻取り装置のブロック阻止部材と結合されており、エネ
ルギ吸収調節手段としてクラッチ爪や連動ピンによる係
合等を用いるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した、特開平11
−129865号、特開平11−286259号におけ
る技術においては、乗員の体重又は衝突規模(衝突の大
きさ)に応じて選択されたトーション軸やトーションパ
イプと、これ等に係合する可動の係合部材とを組合わせ
たエネルギ吸収機構を用いている。
【0008】しかしながら、車両衝突時において、乗員
からウェビングに作用する荷重により回転するエネルギ
吸収機構の係合部にクラッチ爪やピンを係合させること
は、クラッチ爪やピンの突入タイミングにより確実に係
合させることが大変困難であった。
【0009】WO97/49583号においては、各々
のトーションバーやトーションジャケットに独立した専
用の係止爪、連動ディスクと連動ピン等、係止のための
多くの部品やエネルギ吸収機構とブロック阻止部材を結
合するプロフィールヘッドが必要であった。
【0010】よって、本発明は、エネルギ吸収機構の作
動がより確実で素早いシートベルト装置を提供すること
を目的とする。
【0011】また、本発明は、エネルギ吸収機構を選択
的に作動させるアクチュエータの駆動源である電源に衝
突などによって障害が発生した場合にも、エネルギ吸収
動作が確保されるシートベルト装置を提供することを目
的とする。
【0012】また、本発明は、比較的に少ない使用部品
で構成することの可能なエネルギ吸収機構付シートベル
ト装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のシートベルト装置は、車両の緊急時に乗員を
ウェビングによって座席に拘束するシートベルト装置に
おいて、衝突の際に乗員の移動によって生ずるウェビン
グ引出し荷重を判別する判別手段と、上記ウェビングを
巻取るボビンと、衝突の際に上記ウェビング引出しによ
る上記ボビンの回転を阻止可能な回転阻止手段と、上記
ボビンと上記回転阻止手段間に介在し、上記ウェビング
引出し荷重が各々に定められた値を超えると上記ボビン
の回転を許容する複数のエネルギ吸収手段と、上記ウェ
ビング引出し荷重の判別結果に基づいて、上記複数のエ
ネルギ吸収手段を全部作動状態から該判別結果に対応し
たエネルギ吸収手段を選択した選択的作動状態に移行さ
せる選択手段と、を備える。
【0014】かかる構成とすることによって、通常状態
では、全てのエネルギ吸収機構が作動するように設定さ
れているので、例えば、電源に電気的障害が発生した場
合にも、一般的なエネルギ吸収動作は確保される。ま
た、エネルギ吸収機構が解除方式のため、動いている係
合部材に係合させる構造よりも確実に切換可能である。
また、切換の際の時間的遅れ(待ち)がないのでエネル
ギ吸収機構選択の応答が早い。切換は、大エネルギ吸収
から小エネルギ荷重に切換えることにより、切換の際
に、乗員胸部への衝撃荷重が加わらないようにすること
が可能である。
【0015】好ましくは、上記引出し荷重の判別手段
は、乗員の体重を検出する体重センサと、衝突の程度を
検出する衝突センサの各出力に基づいて、判別される。
【0016】好ましくは、上記複数のエネルギ吸収手段
の各々は上記ボビン内部にボビンの軸方向に延在する捻
れ可能な部材からなり、各部材の各一端側が上記ボビン
と係合し、各他端側が上記回転阻止手段と係合するもの
であり、上記選択手段は、上記一端側及び/又は上記他
端側に介在して前記係合を解除する。
【0017】好ましくは、上記捻れ可能な部材は、上記
ボビン内部に同軸に配置された、トーション軸及びトー
ションパイプを含む。
【0018】好ましくは、上記ボビンの内周には軸方向
に延在する長手の溝が形成され、上記トーションパイプ
には上記長手の溝に対向して軸方向に延在する長手の貫
通穴が形成され、上記トーション軸には上記長手の貫通
穴に対向して軸方向に延在する長手の溝とこの溝と連続
する周方向に形成されたに周溝とが形成され、上記選択
手段は、上記ボビンの長手の溝、上記トーションパイプ
の長手の貫通穴、上記トーション軸の長手の溝にそれぞ
れ係合するロックプレートと、このロックプレートに付
勢力を与えて上記トーション軸の軸方向に移動させるア
クチュエータと、を含む。
【0019】また、本発明のリトラクタは、車両の緊急
時に乗員をウェビングによって座席に拘束するリトラク
タにおいて、衝突の際に乗員の移動によって生ずるウェ
ビング引出し荷重を判別する判別手段と、乗員を座席に
拘束するウェビングを巻取るボビンと、衝突の際に乗員
の移動によって生ずるウェビングの引出しによる上記ボ
ビンの回転を阻止せんとする回転阻止手段と、上記ボビ
ンと上記回転阻止手段間に介在し、上記ウェビング引出
し荷重が各々に定められた値を超えると上記ボビンの回
転を許容する複数のエネルギ吸収手段と、上記ウェビン
グ引出し荷重の判別結果を示す信号に基づいて、上記複
数のエネルギ吸収手段を全部作動状態から該判別結果に
対応したエネルギ吸収手段を選択した選択的作動状態に
移行させる選択手段と、を備える。
【0020】かかる構成とすることによって、リトラク
タベースに回転自在に支持されると共に一端はウェビン
グ引出し方向の回転を阻止する緊急ロック関連部材に嵌
合又は係合され、他端は係合によってボビンと一体回転
可能なエネルギ吸収機構であり、車両衝突時における衝
撃の大きさ及び/又は乗員体重等体格要因の信号を受
け、エネルギ吸収機構(具体的には、トーション軸、ト
ーションパイプ)の端部係合を選択的に解除することに
より、乗員に適正となるエネルギ吸収能力にすることが
可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】(全体構成)以下、本発明の実施
の形態について図面を参照して説明する。図22は、シ
ートベルト装置の構成を示している。乗員を座席2に拘
束するウェビング4は、その一端側がリトラクタ3によ
って巻取り収納され、他端側はアンカープレート5を介
して車体6にボルトで取付けられている。ウェビング4
はセンターピラー上部に取付けられたターンバックル8
で折返される。このウェビング4には、ウェビング4を
挿通するタングプレート7が設けられ、このタングプレ
ート7を座席2の腰部側方に支持部材10によって支持
されたバックル11と係合させることによって、シート
ベルト装着が行われる。リトラクタ3は、例えば、ウェ
ビングをボビンに巻取る巻取り収納部3a、衝突などの
際にボビンの回転軸をロックしてウェビング引出し方向
の回転を阻止するロック機構を備えるロック部3b、衝
突の際にウェビングの弛みを除くためにボビンをウェビ
ングの巻取り方向に強制的に回転させるプリテンショナ
部3c、ウェビング装着の解除の際の巻取りや装着した
ウェビングの弛みを除くための付勢力をボビンに与える
テンションを与えるスパイラルスプリング部3d、等に
よって構成される。後述するように、巻取り収納部3a
には、トーション軸、トーションパイプ等を用いた衝撃
吸収機構が設けられている。車両の図示しない、ハンド
ルやダッシュボードには、エアバッグ装置24が設けら
れる。
【0022】図23に示すように、車両には、上述した
シートベルト装置の動作を制御する制御装置23が設け
られている。座席2の底部には、乗員の体重を検出する
体重センサ21が設けられており、体重センサ21の出
力は制御部23に供給される。また、車両に取付けられ
て衝突を検出する衝突センサ22の出力が制御部23に
供給される。
【0023】制御部23は、車載コンピュータであり、
体重センサ21及び衝突センサ22の出力によって乗員
の体重、減速度を判別し、乗員に作用するウェビングの
引出し荷重を計算する。この引出し荷重に応じて、後述
の第1及び第2アクチュエータ31及び32の動作をそ
れぞれ制御する。それにより、衝突の際のトーション軸
(ねじれ軸)、トーションパイプ(ねじれパイプ)を用
いた衝撃吸収機構における衝撃吸収動作を選択する。す
なわち、衝突による乗員の慣性移動によってウェビング
4に作用する引出し荷重に応じた衝撃吸収動作を可能と
する。また、制御部23は、衝突の際にプリテンショナ
25を作動させ、強制的にウェビングを巻取って弛みを
除去し、乗員を座席に拘束する。制御部23は、衝突の
衝撃が所定レベル以上の場合には、エアバック装置24
も作動させる。
【0024】かかるシートベルト装置の動作の概略を説
明する。車両が障害物に衝突すると、衝突センサ22が
衝突を検出し、制御部23はプリテンショナ3cを動作
させ、ボビンをウェビングの巻取り方向に回転させてウ
ェビング4の弛みを除去し、乗員を座席2に拘束する。
また、減速度やウェビング4の急な引出しによってロッ
ク機構3bが作動し、ボビンの回転軸の一方端側をロッ
クし、ウェビング引出し方向の回転を阻止する。なお、
ウェビング4の巻取り方向の回転は可能である。更に、
衝突の衝撃が所定値を超えると、エアバック装置24が
作動してバッグを展開する。乗員が慣性によって前方に
移動し、ウェビングに引出し力が作用する。この引出し
力が、後に詳述するように、乗員体重に基づいて設定さ
れた衝撃吸収機構の作動値を超える判断されると、ボビ
ンの回転軸部に形成されたトーション軸、トーションパ
イプ、これ等の組合わせが選択され、捻れ荷重が設定さ
れる。ウェビング4の引出しを可能とする。それによ
り、乗員が受ける荷重は緩和される。乗員が前方に移動
することによる、ハンドル等への二次衝突は、エアバッ
グによって防止される。このようにして、車両衝突の際
の乗員安全が図られる。
【0025】(実施例1)次に、第1の実施例における
衝撃吸収機構について図1乃至図11を参照して説明す
る。
【0026】図1は、リトラクタ3の正面を主に巻取り
収納部3a及びロック機構部3bを中心にして示す一部
断面図であり、説明の便宜のためプリテンショナ3c及
びスパイラルスプリング部3dは取外されている。図2
は、図1のA−A’方向における断面図である。図3
は、図1に示すリトラクタ3のスライドレバー部の左側
面を示す左側面図である。図4は、ロック機構部3bの
ラッチプレートとポールの動作を説明する説明図であ
る。図5は、アクチュエータ31が動作した状態の衝撃
吸収機構を説明する説明図である。図6は、図5のB−
B’における断面を示す断面図である。図7は、図5の
C−C’における断面を示す断面図である。図8は、図
5のD−D’における断面を示す断面図である。図9
は、アクチュエータ32が動作した状態の衝撃吸収機構
を説明する説明図である。図10は、図9のE−E’に
おける断面を示す断面図である。図11は、図9のF−
F’における断面を示す断面図である。
【0027】図1に示されるように、リトラクタベース
31は、対向する一対の側壁を有する略「コ」の字状の
形状をしており、両側壁にそれぞれ設けられた開口部が
軸受となって回転可能にボビン34を保持している。ボ
ビン34は図示しないウェビングが巻装される略筒状の
形状である。このボビン34は中空となっており、中空
内部にボビン34と同軸に配置されたトーション軸35
及びトーションパイプ36がある。トーション軸35及
びトーションパイプ36相互間には僅かな隙間が存在
し、トーションパイプ36は軸方向において移動可能で
ある。トーション軸35及びトーションパイプ36の右
端側には、軸35端部の軸中心に螺合するねじによって
上述したロック機構3bが取付けられる。トーション軸
35及びトーションパイプ36の左端側には、エネルギ
吸収機構の動作態様を選択する動作選択機構が設けられ
る。
【0028】第1のエネルギ吸収手段であるトーション
軸35の右端は多角形若しくはセレーション等を設けて
ラッチプレート37と常時一体回転するようにラッチプ
レート37に固定される。トーション軸35の左端に
は、ロックプレート38の内径に対して摺動回転可能な
軸径部分(あるいは軸外周を一巡する周溝)35a(図
11参照)と、ロックプレート38が軸長手方向に摺動
可能に上記軸径部分(周溝)35aに連続し、ロックプ
レート38と係合する1又は複数箇所の溝(軸方向溝)
35b(図8参照)が形成されている。
【0029】第2のエネルギ吸収手段であるトーション
パイプ36は、トーション軸35、ボビン34と中心位
置を共通にする同軸的配置の関係にある。トーションパ
イプ36及びトーション軸35間、トーションパイプ3
6及びボビン34間にはそれぞれ隙間が設けられ、ボビ
ン34及びトーション軸35がトーションパイプ36の
回転に影響を与えないようになされている。トーション
パイプ36の右端には、多角形若しくはセレーション等
を設け、ラッチプレート37にはこれに係合する形状が
形成される。トーションパイプ36はこのラッチプレー
ト37との係合部分36aで摺動することにより、軸方
向に移動可能である。このトーションパイプ36の移動
によって、トーションパイプ36とラッチプレート37
とが係合する状態(図2参照)と、係合しない状態(図
7参照)とが選択可能である。
【0030】トーションパイプ36の左端には、スライ
ドレバー39が配置されている。スライドレバー39
は、リトラクターベース33に設けられたアクチュエー
タ31に連結され、アクチュエータ31の作動に対応し
てトーションパイプ36を軸方向(図の例では右方向)
に移動する。アクチュエータ31は、シリンダ内で燃焼
ガスを発生させる方式、電磁式等を含む。トーションパ
イプ36は、アクチュエータ31の作動力以下の力では
移動しない。アクチュエータ31が作動し、スライドレ
バー39がトーションパイプ36を右方に移動した場合
には、トーションパイプ36とラッチプレート37との
係合は解除される。トーションパイプ36の回転は自由
となる。
【0031】ボビン34の左端側内周には、中心軸方向
に延在する1又は複数の溝34aが形成される。トーシ
ョンパイプ36のこれ等長手の溝34aに対向する位置
に、軸方向に延在する貫通口36bが1又は複数形成さ
れる。また、トーションパイプ36のこれ等貫通口36
bに対向するトーション軸35の位置に、軸方向に延在
する溝35bが1又は複数形成される。これ等の溝35
bはその端部において、トーション軸35を一周する溝
35aに連続する。これ等、溝34a、貫通口36b、
溝35bに囲まれる領域にロックプレート38が配置さ
れる。ロックプレート38は貫通口36bを貫通し、そ
の外方突起がボビン34内周の溝34a内に接し、その
内方突起がトーション軸35の溝35b内に接する形状
である。ロックプレート38は、ボビン34、トーショ
ンパイプ36、トーション軸35に対して軸方向長手に
移動可能であり、常にボビン34と一体に回転する。こ
のロックプレート38は、リトラクタベース33に設け
られたアクチュエータ32とスライドレバー39を介し
て連結される。アクチュエータ32は、アクチュエータ
31と同様に、ガス膨張(火薬)式、電磁式等を使用可
能である。ロックプレート38は、アクチュエータ32
の駆動力以下の力では移動せず、アクチュエータ32が
作動すると、軸方向(図の例では右方向)に移動可能で
ある。ロックプレート38が軸方向に移動し、その内方
突起がトーション軸35の溝35a内に至ると、ロック
プレート38とトーション軸35との係合が解除され、
トーション軸35とボビン間は、フリーの状態となる。
【0032】よって、アクチュエータ31及び32が作
動しない状態では、ボビン34とラッチプレート37相
互をトーション軸35及びトーションパイプ36で連結
する。アクチュエータ31のみが作動したときは、ボビ
ン34とラッチプレート37相互をトーション軸35で
連結する。アクチュエータ32のみが作動したときは、
ボビン34とラッチプレート37相互をトーションバー
36で連結する。従って、3段階の衝撃吸収力が得られ
る。
【0033】次に、シートベルト装置が車体の減速度
(あるいは加速度)、ウェビングの引出し速度を検知し
てボビンの回転を阻止する動作、エネルギ吸収機構の3
種類の荷重変更の動作について説明する。
【0034】通常状態においては、制御部23は、アク
チュエータ31及び32を作動させない。アクチュエー
タ31の非作動によって、図1及び図2に示すように、
トーション軸35とラッチプレート37は係合部37a
にて係合している。また、トーションパイプ36とラッ
チプレート37は係合部36aにて係合している。両結
合部によって、トーション軸35、トーションパイプ3
6及びラッチプレート37は一体に回転する。
【0035】また、アクチュエータ32の非作動によっ
て、ロックプレート38の位置は、図1及び図8に示す
位置にあり、ロックプレート38を介して、ボビン3
4、トーションパイプ6、トーション軸35は相互に係
合される。この結果、ボビン34とラッチプレート37
は一体回転する状態にある。
【0036】車両の衝突等によって、ロック機構3b近
傍に設けられた、図示しない加速度センサが所定値以上
の減速度を検出すると、あるいはウェビングの引出し加
速度が所定値を超えると、図4に示されるように、ロッ
ク機構3b内に設けられているポール42が時計方向に
回転する。ポール42はラッチプレート37と係合し、
ボビン34の回転がロックされ、ウェビングの引出しが
阻止される。なお、衝突を検出した制御部23がポール
42を係合させる構成であっても良い。それにより、ボ
ビンからのウェビングの繰出しがなくなり、乗員の拘束
が可能となる。
【0037】制御部23は、前述した体重センサ21に
よる体重、衝突センサ22による衝突程度等の制御デー
タに基づいて衝突の際の乗員の前方移動によるウェビン
グの引出し力を総合的に判断し、エネルギ吸収機構を制
御する。例えば、エネルギ吸収機構の設定荷重を
「小」、「中」、「大」に設定する。
【0038】例えば、制御部23は、乗員体重が軽い場
合(例えば、50kg未満)、衝突程度が軽度である場
合、乗員体重は重いが衝突程度は非常に軽いのでウェビ
ング引出し力が小さい場合等には、エネルギ吸収機構の
設定荷重を「小」、に設定する。
【0039】例えば、制御部23は、乗員体重が中程度
(例えば、50kg以上100kg未満)の場合、衝突
程度が中程度である場合、乗員体重は重いが衝突程度は
軽度であるのでウェビング引出し力は中程度でる場合等
には、エネルギ吸収機構の設定荷重を「中」、に設定す
る。
【0040】例えば、制御部23は、乗員体重が重い
(例えば、100kg以上)の場合、衝突程度が重度で
ある場合、乗員体重は中程度であるが衝突程度は表に大
きいため、衝突の際の乗員移動によるウェビング引出し
力が大である場合等には、エネルギ吸収機構の設定荷重
を「大」に設定する。
【0041】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「小」と判断すると、アクチュエータ31を作動させ
る。アクチュエータ31が作動すると、トーションパイ
プ36は、軸方向(右方向)に移動し、図1の位置から
図の5に示す位置に移動する。この状態では、トーショ
ンパイプ35右端部の係合部36aはラッチプレート3
7から係合を解除され、ボビン34とラッチプレート3
7間はトーション軸35のみによって連結されている。
従って、衝突の乗員移動によるウェビング引出し力(エ
ネルギ吸収機構の引出し荷重)は、トーション軸35の
捻り荷重となる。
【0042】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「中」と判断すると、アクチュエータ32を作動させ
る。アクチュエータ32が作動すると、ロックプレート
38はトーション軸35の軸方向の溝35bを右方向に
移動し、周溝35aに移動する。これにより、ロックプ
レート38とトーション軸35の係合が解除され、ボビ
ン34とロックプレート37間はトーションパイプ36
のみによって連結されている。従って、衝突の乗員移動
によるウェビング引出し力(エネルギ吸収機構の引出し
荷重)は、トーションパイプ36の捻り荷重となる。
【0043】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「大」と判断すると、アクチュエータ31及び32を
作動させない。両アクチュエータが作動しないと、図1
に示されるように、ボビン34とロックプレート37間
はトーション軸35及びトーションパイプ36によって
連結されている。従って、衝突の乗員移動によるウェビ
ング引出し力(エネルギ吸収機構の引出し荷重)は、ト
ーション軸35及びトーションパイプ36の捻り荷重と
なる。
【0044】このように、第1の実施例によれば、ボビ
ン34とトーション軸35、トーションパイプ36とラ
ッチプレート37が、それぞれ係合されている状態か
ら、ウェビング引出し荷重に応じて、係合解除せず(引
出し荷重「大」)、ボビン34とトーション軸35の左
端側の係合解除(引出し荷重「中」)、トーションパイ
プ36とラッチプレートの右端側の係合解除(引出し荷
重「小」)、を選択する。
【0045】(実施例2)本発明の第2の実施例につい
て図12乃至図16を参照して説明する。図12は、第
2の実施例のエネルギ吸収機構の通常状態を説明する図
である。図13は、図12のG−G’における断面図で
ある。図14は、図12のスライドレバーを左方から見
た図である。図15は、図12のH−H’における断面
図である。図16は、エネルギ吸収機構のエネルギ吸収
荷重「小」状態を説明する図である。図17は、図16
のI−I’における断面を示す断面図である。図18
は、エネルギ吸収機構のエネルギ吸収荷重「中」状態を
説明する図である。図19は、図18のJ−J’におけ
る断面を示す断面図である。各図において、第1の実施
例と対応する部分には同一の符号を付している。
【0046】上述した、第1の実施例では、トーション
パイプ36とラッチプレート37間の係合、トーション
軸35とロックプレート38間の係合のいずれかを解除
する構成としているが、第2の実施例では、トーション
軸35及びトーションパイプ36はいずれもラッチプレ
ート37と軸の右端側で係合(嵌合)したままの状態で
あり、左端側のロックプレート38の位置によって、ボ
ビン34とトーション軸35及びトーションパイプ36
両方との係合、ボビン34とトーション軸35との係
合、ボビン34とトーションパイプ36との係合、を選
択する構成としている。また、第2の実施例では、リト
ラクタベース33に設けられたアクチュエータ51は、
スライドレバー39を介してロックプレート38を左方
向又は右方向の両方向に移動可能である。
【0047】図12に示されるように、リトラクタベー
ス31は、対向する一対の側壁を有する略「コ」の字状
の形状をしており、両側壁にそれぞれ設けられた開口部
が軸受となって回転可能にボビン34を保持している。
ボビン34は図示しないウェビングが巻装される略筒状
の形状である。このボビン34は中空となっており、中
空内部にボビン34と同軸に配置されたトーション軸3
5及びトーションパイプ36がある。トーション軸35
及びトーションパイプ36相互間には僅かな隙間が存在
し、トーションパイプ36とトーション軸35とは別個
に捻れることが可能である。トーションパイプ36は第
1の実施例とは異なり、軸方向において移動することは
ない。トーション軸35及びトーションパイプ36の右
端側には、軸35端部の軸中心に螺合するねじによって
上述したロック機構3bが取付けられる。トーション軸
35及びトーションパイプ36の左端側には、エネルギ
吸収機構の動作態様を選択する動作選択機構が設けられ
る。
【0048】第1のエネルギ吸収手段であるトーション
軸35の右端は多角形若しくはセレーション等を設けて
ラッチプレート37と常時一体回転するようにラッチプ
レート37に固定される(図13参照)。トーション軸
35の左端には、ボビン34と係合して一体回転するロ
ックプレート38の内径に対して摺動回転可能な軸径部
分(あるいは軸外周を一巡する周溝)35a(図19参
照)と、ロックプレート38が軸長手方向に摺動可能に
上記軸径部分(周溝)35aに連続し、ロックプレート
38と係合する1又は複数箇所の溝(軸方向溝)35b
(図15参照)が形成されている。
【0049】第2のエネルギ吸収手段であるトーション
パイプ36は、トーション軸35、ボビン34と軸中心
位置を共通にする同軸的配置の関係にある。トーション
パイプ36及びトーション軸35間、トーションパイプ
36及びボビン34間にはそれぞれ隙間が設けられ、ボ
ビン34及びトーション軸35がトーションパイプ36
の回転(捻れ)に影響を与えないようになされている。
トーションパイプ36の右端は、断面形状が多角形(図
示の例では、6角形)に形成され、あるいはセレーショ
ン等が設けられる。このパイプ右端部の内径側は、トー
ション軸35の右端部外径に嵌合され、外径側はラッチ
プレート37に嵌合されてラッチプレート37と結合さ
れる(図13参照)。なお、トーションパイプ36の右
端部がラッチプレート37と結合していれば良く、トー
ション軸35に嵌合することは必須ではない。
【0050】ボビン34の左端側内周には、中心軸方向
に延在する1又は複数の溝34aが形成される。トーシ
ョンパイプ36のこれ等長手の溝34aに対向する位置
に、軸方向に延在する貫通口36bが1又は複数形成さ
れる。トーションパイプ36のこれ等貫通口36bに対
向するトーション軸35の位置に、軸方向に延在する溝
35bが1又は複数形成される。これ等の溝35bはそ
の端部において、トーション軸35を一周する溝35a
に連続する。ボビン34内周の軸方向に延在の溝34a
及びトーション軸35の軸方向に延在する溝35bは、
トーションパイプ36の左端部よりも外方にまで延在し
ている。これ等、溝34a、貫通口36b、溝35bに
囲まれる領域に、径方向に延在する複数の貫通部材38
aとこれ等を周方向において連結する環状体(あるいは
筒状体)38dとを含むロックプレート38が配置され
る。トーションパイプ36の端面位置は、ロックプレー
ト38がリトラクタベース33の外側方向に(図の左
側)に移動したときに、ロックプレート38との係合が
外れるように定められている。
【0051】貫通部材38aはトーションパイプ36の
貫通口36bを貫通し、貫通部材38aの外方突起38
bがボビン34内周の溝34a内に接し、貫通部材38
aの内方突起38cがトーション軸35の溝35b内に
接する形状である(図15参照)。これ等複数の貫通部
材38aを環状体(あるいは筒状体)38dが連結して
いる。環状体38dは、スライドレバー39に回転可能
に係合している。なお、外方突起38bは、ロックプレ
ート38の外径を多角形、セレーション等の係合構造と
することによって置換え可能である。
【0052】ロックプレート38は、ボビン34、トー
ションパイプ36、トーション軸35に対してそれ等の
軸方向において正方向又は逆方向(図の左方向又は右方
向)に移動可能であり、常にボビン34とは一体に回転
する。このロックプレート38は、リトラクタベース3
3に設けられたアクチュエータ51とスライドレバー3
9を介して連結される。アクチュエータ51は、既述し
たアクチュエータ31あるいは32と同様に、ガス膨張
(火薬)式、電磁式等を使用可能である。
【0053】ロックプレート38は、アクチュエータ3
2の駆動力以下の力では移動せず、通常は、図12の位
置に存在し、ボビン34、トーションパイプ36、トー
ション軸35相互間を係合している。通常位置を保つた
めの部材を更に設けることとしても良い。
【0054】前述したように、アクチュエータが作動し
ない状態では、ボビン34と、トーションパイプ36及
びトーション軸35とが係合している。この状態では、
ボビン34とラッチプレート37間の捻れ荷重(ウェビ
ング引出し荷重)は、トーション軸35及びトーション
パイプ36によって決定される。
【0055】アクチュエータ51が作動し、ロックプレ
ート38を図の右方向に移動した場合、ロックプレート
38の内方突起38cがトーション軸35の長溝35b
から周溝35aに移動し、ロックプレート38とトーシ
ョン軸35との係合が解除され、ボビン34とトーショ
ンパイプ36が連結する。この状態では、ボビン34と
ラッチプレート37間の捻れ荷重は、トーションパイプ
36によって決定される。
【0056】また、アクチュエータ51が作動し、ロッ
クプレート38を図の左方向に移動した場合、ロックプ
レート38の貫通部材38aがトーションパイプ36左
端部の貫通穴36bの外方に外れ、ロックプレート38
とトーションパイプ36との係合が解除され、ボビン3
4とトーション軸35が連結する。この状態では、ボビ
ン34とラッチプレート37間の捻れ荷重は、トーショ
ンパイプ36によって決定される。このようにして、3
段階のウェビング引出し荷重(衝撃吸収力)が得られ
る。
【0057】次に、第2の実施例の制御動作について説
明する。通常状態においては、制御部23は、アクチュ
エータ51を作動させない。アクチュエータ51の非作
動によって、ロックプレート38の位置は、図12及び
図15に示す位置にあり、ロックプレート38を介し
て、ボビン34、トーションパイプ6、トーション軸3
5は相互に係合される。この結果、ボビン34とラッチ
プレート37は一体回転する状態にある。
【0058】車両の衝突等によって、ロック機構3b近
傍に設けられた、図示しない加速度センサが所定値以上
の減速度を検出すると、あるいはウェビングの引出し加
速度が所定値を超えると、図4に示されるように、ロッ
ク機構3b内に設けられているポール42が時計方向に
回転する。ポール42はラッチプレート37と係合し、
ボビン34の回転がロックされ、ウェビングの引出しが
阻止される。なお、衝突を検出した制御部23がポール
42を強制的に係合させる構成であっても良い。それに
より、ボビン34からのウェビングの繰出しがなくな
り、乗員の拘束が可能となる。
【0059】制御部23は、前述した体重センサ21に
よる体重、衝突センサ22による衝突程度等の制御デー
タに基づいて衝突の際の乗員の前方移動によるウェビン
グの引出し力を総合的に判断し、エネルギ吸収機構を制
御する。例えば、エネルギ吸収機構の設定荷重を
「小」、「中」、「大」に設定する。
【0060】例えば、制御部23は、乗員体重が軽い場
合(例えば、50kg未満)、衝突程度が軽度である場
合、乗員体重は重いが衝突程度は非常に軽いのでウェビ
ング引出し力が小さい場合等には、エネルギ吸収機構の
設定荷重を「小」、に設定する。
【0061】例えば、制御部23は、乗員体重が中程度
(例えば、50kg以上100kg未満)の場合、衝突
程度が中程度である場合、乗員体重は重いが衝突程度は
軽度であるのでウェビング引出し力は中程度でる場合等
には、エネルギ吸収機構の設定荷重を「中」、に設定す
る。
【0062】例えば、制御部23は、乗員体重が重い
(例えば、100kg以上)の場合、衝突程度が重度で
ある場合、乗員体重は中程度であるが衝突程度は表に大
きいため、衝突の際の乗員移動によるウェビング引出し
力が大である場合等には、エネルギ吸収機構の設定荷重
を「大」に設定する。
【0063】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「小」と判断すると、アクチュエータ51を、左方に
作動させる。アクチュエータ51が左方に作動すると、
ロックプレート38は、トーション軸35の軸方向の溝
35bを左方向に移動する。ロックプレート38は、図
12の通常位置から図16に示す位置に移動する。この
状態では、トーションパイプ36の左端部の貫通穴36
bからロックプレート38が外れ、トーションパイプ3
6とロックプレート38との係合をが解除される。ボビ
ン34とラッチプレート37間はトーション軸35のみ
によって連結されている。従って、衝突の乗員移動によ
るウェビング引出し力(エネルギ吸収機構の引出し荷
重)は、トーション軸35の捻り荷重となる。
【0064】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「中」と判断すると、アクチュエータ51を右方向に
作動させる。アクチュエータ51が右方向に作動する
と、ロックプレート38はトーション軸35の軸方向の
溝35bを右方向に移動し、周溝35aに移動する。こ
れにより、ロックプレート38とトーション軸35の係
合が解除され、ボビン34とロックプレート37間はト
ーションパイプ36のみによって連結される。従って、
衝突の乗員移動によるウェビング引出し力(エネルギ吸
収機構の引出し荷重)は、トーションパイプ36の捻り
荷重となる。
【0065】制御部23がエネルギ吸収機構の設定荷重
を「大」と判断すると、アクチュエータ51を作動させ
ない。両アクチュエータが作動しないと、図12に示さ
れるように、ボビン34とロックプレート37間はトー
ション軸35及びトーションパイプ36によって連結さ
れている。従って、衝突の乗員移動によるウェビング引
出し力(エネルギ吸収機構の引出し荷重)は、トーショ
ン軸35及びトーションパイプ36の捻り荷重となる。
【0066】このように、第2の実施例によれば、ボビ
ン34とトーション軸35、ボビン34とトーションパ
イプ36が、それぞれ係合されている状態から、ウェビ
ング引出し荷重に応じて、係合解除せず(引出し荷重
「大」)、ボビン34とトーション軸35の係合解除
(引出し荷重「中」)、ボビン34とトーションパイプ
36の係合解除(引出し荷重「小」)、を選択する。
【0067】(実施例3)本発明の第3の実施例につい
て説明する。この実施例では、ロック機構3bに内歯付
のラッチプレートを用いている。図20は、内歯形のラ
ッチプレートを用いたロック機構を備えるエネルギ吸収
機構の例を示している。図21は、図20のK−K’方
向において内歯形のロッキング機構を説明する説明図で
ある。他の構成及び動作は図12乃至図17と同様であ
るので、対応する部分には同一符号を付して説明を省略
する。
【0068】図21に示されるように、フレーム33に
ロッキングベース43が取付けられ、ロック機構3bが
設けられている。このロック機構3b内のラッチプレー
ト37の内周に歯山(内歯)が形成されている。所定値
以上の減速度(あるいは加速度)及び/又はウェビング
の引出し加速度が所定値を超えると、ポール42が反時
計方向に回転し、ラッチプレート37の内歯に突き当
る。ラッチプレート37がウェビングの巻取り方向(時
計回り方向)に回転する場合には、ポールと内歯とは係
合しないが、ラッチプレート37がウェビングの引出し
方向(反時計回り方向)に回転する場合には、ポール4
2と内歯とが係合し、ボビン34の回転を阻止するよう
に作用する。前述したように、制御部23は、乗員体重
及び減速度等からウェビングの引出し荷重を計算し、該
荷重の「大」、「中」、「小」に応じてアクチュエータ
51を作動させ、ロックプレート38の位置を制御す
る。この位置によって、ボビン34とトーション軸35
及びトーションパイプ36との係合、ボビン34とトー
ションパイプ36との係合、ボビン34とトーション軸
35との係合が選択される。それにより、ボビン34及
びラッチプレート37間に作用する捻れ荷重が設定され
る。このように、ロック機構3bは、種々の構成を採用
可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシートベ
ルト装置によれば、通常状態において、全てのエネルギ
吸収機構が作動し得る状態にあるので、例えば、電気的
障害によってアクチュエータが作動しない場合において
も、確実に乗員を拘束し、乗員の慣性移動によって生ず
るウェビング荷重により所定量ウェビングを繰出して乗
員への圧迫を減少することが可能である。
【0070】エネルギ吸収機構の切換(あるいは選択)
手段が全係合状態から部分的に解除する方式であるた
め、動いている係合部材に係合する構造よりも確実に切
換可能である。また、切換時における係合可能位置、例
えば、ピンと穴の位置の一致や、一致するまでの時間を
待つ必要がないので動作時間差が生じない。
【0071】大エネルギ吸収荷重から小エネルギ吸収荷
重に切換えるようにしているので、切換時に乗員の胸部
に大きな衝撃荷重が加わらない。
【0072】エネルギ吸収機構を車体の加減速速度及び
ウェビングの引出し速度を感知してウェビング引出し方
向にボビンの回転を阻止する部材に直接係合させている
ことにより、エネルギ吸収機構とブロック阻止部材を結
合する部品など、余分な部品が不要となり、より安いコ
ストで小スペースのリトラクタを提供することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施例のエネルギ吸収機構(通
常状態、ウェビング引出し荷重大)を説明するリトラク
タの断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A’方向における断面図で
ある。
【図3】図3は、図1に示すリトラクタのスライドレバ
ー部の左側面を示す左側面図である。
【図4】図4は、ロック機構部3bのラッチプレートと
ポールの動作を説明する説明図である。
【図5】図5は、アクチュエータ31が動作した状態の
衝撃吸収機構(ウェビング引出し荷重小)を説明する説
明図である。
【図6】図6は、図5のB−B’における断面を示す断
面図である。
【図7】図7は、図5のC−C’における断面を示す断
面図である。
【図8】図8は、図5のD−D’における断面を示す断
面図である。
【図9】図9は、アクチュエータ32が動作した状態の
衝撃吸収機構(ウェビング引出し荷重中)を説明する説
明図である。
【図10】図10は、図9のE−E’における断面を示
す断面図である。
【図11】図11は、図9のF−F’における断面を示
す断面図である。
【図12】図12は、第2の実施例のエネルギ吸収機構
(通常状態、ウェビング引出し荷重大)を説明する図で
ある。
【図13】図13は、図12のG−G’における断面図
である。
【図14】図14は、図12のスライドレバーを左方か
ら見た図である。
【図15】図15は、図12のH−H’における断面図
である。
【図16】図16は、エネルギ吸収機構のエネルギ吸収
荷重「小」状態を説明する図である。
【図17】図17は、図16のI−I’における断面を
示す断面図である。
【図18】図18は、エネルギ吸収機構のエネルギ吸収
荷重「中」状態を説明する図である。
【図19】図19は、図18のJ−J’における断面を
示す断面図である。
【図20】図20は、ロック機構3bを内歯付ラッチプ
レートを用いて構成した例を示す説明図である。
【図21】図21は、ロック機構3bを右側面から見た
例を示す説明図である。
【図22】図22は、シートベルト装置を説明する説明
図である。
【図23】図23は、シートベルト装置の制御系を説明
するブロック図である。
【符号の説明】
3 リトラクタ 21 体重センサ 22 衝突センサ 23 制御部 31,32,51 アクチュエータ 34 ボビン 35 トーション軸 36 トーションパイプ 37 ラッチプレート 38 ロックプレート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の緊急時に乗員をウェビングによって
    座席に拘束するシートベルト装置であって、 衝突の際に乗員の移動によって生ずるウェビング引出し
    荷重を判別する判別手段と、 前記ウェビングを巻取るボビンと、 衝突の際に前記ウェビング引出しによる前記ボビンの回
    転を阻止可能な回転阻止手段と、 前記ボビンと前記回転阻止手段間に介在し、前記ウェビ
    ング引出し荷重が各々に定められた値を超えると前記ボ
    ビンの回転を許容する複数のエネルギ吸収手段と、 前記ウェビング引出し荷重の判別結果に基づいて、前記
    複数のエネルギ吸収手段を全部作動状態から該判別結果
    に対応したエネルギ吸収手段を選択した選択的作動状態
    に移行させる選択手段と、 を備えることを特徴とするシートベルト装置。
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JP2015506872A (ja) * 2012-01-31 2015-03-05 アルジュナ インドレスワラン ラジャシンハム 車両乗員支持部

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