JP4391008B2 - 4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、船舶推進用として船尾に着脱自在に取付けられる4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造に関し、特にエンジンルーム内に籠もる高温空気を排気して、エンジン出力性能の向上を図った4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
船外機エンジンにおいては、閉成されたエンジンルーム内にエンジンを収容することにより、エンジンの吸気系に水分が侵入しにくくするとともに、エンジン各部に水分がかかりにくくしている。このため、エンジンルーム内部に高温空気が籠もり易く、この高温空気により吸気温度が上がることに起因して、エンジン出力が低下する傾向があった。
【0003】
このような問題点を解決するため、従来、主としてクランク軸やフライホイールからの放熱を効果的にエンジンルーム外部に逃がす手段が、特開昭59−100093号公報や特開平8−100647号公報によって紹介されている。これらの手段は、いずれも4ストロークサイクルエンジンを搭載した船外機が対象となっており、エンジンブロック上方の動弁用のタイミングベルトのカバー部も兼ねていて、エンジン各部を水分がかかりにくいものにしていた。
【0004】
特に後者のものにおいては、クランク軸からの高温空気のみならず、換気用カバー直下のエンジン壁面からの高温空気をも該カバー手段を利用して積極的に換気することにより、エンジンルーム外部への高温空気の放出を可能にして、吸気温度の上昇を抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの手段にあっても、クランク軸に結合されるフライホイールやクランクプーリ等の径の大きな回転体の上方を覆う上カバー体と、該回転体の下部を覆う下カバー体とにより、換気ダクト部を形成する構造のため、エンジン組立手順上の制約となっていた。
【0006】
また、上カバー体は樹脂製であり、クランク軸側からカム軸側までを一体に成形してなるものであるから、成形型が大型になり、コストアップの要因となっていた。
【0007】
本願の発明は、従来の4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造が有する前記のような問題点を解決して、エンジン組立手順を制約することなく、カバー部品を小型化して、製作コストの低減を図り、しかも、十分な換気機能を有する船外機エンジンの換気用カバー構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は、前記の課題を解決した船外機エンジンの換気用カバー構造に係り、請求項1に記載された発明は、エンジンブロックから上方に突出したクランク軸およびカム軸を該エンジンブロック上方にて相互に連結するベルト伝動機構と、該ベルト伝動機構におけるクランク軸と一体のクランクプーリより上方のクランク軸部に設けられたフライホイールとを備え、エンジンカバーで画成されたエンジンルーム内に収納された4ストロークサイクル船外機エンジンにおいて、前記クランク軸の突出側の前記エンジンブロックの上方には、少なくとも前記フライホイールを直接覆うとともに下方に向かって開放するように形成された第1カバー体が配設され、前記カム軸の突出側の前記エンジンブロックの上方には、該カム軸の上方部を直接覆うとともに下方に向かって開放するように形成された第2カバー体が配設され、前記第1カバー体と前記第2カバー体とは、それらの内部空間が連通するように一体に結合され、前記フライホイールの回転領域外にて、前記第1カバー体と前記第2カバー体との一部重ね合せにより、前記内部空間に連通する外周が密閉される換気用排気ダクト部が構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載された発明では、クランク軸およびカム軸がエンジンブロックから上方に突出するバーチカル型4ストロークサイクル船外機エンジンのエンジンブロックの上方を覆う換気用カバー構造が、クランク軸の上方突出側のエンジンブロックの上方の少なくともフライホイールを覆う第1カバー体と、カム軸の上方突出側のエンジンブロックの上方部を覆う第2カバー体とから構成されているため、エンジンルーム内でバーチカル型4ストロークサイクルエンジンに上方から浸入する水分が前記ベルト伝動機構や前記フライホイールに降りかかるのが、前記第1カバー体および第2カバー体で阻止される。
【0010】
そして、前記換気用カバー構造は、前記エンジンブロック上方のベルト伝動機構やフライホイールを下方から覆う構造となっていないため、該ベルト伝動機構の各部材と該フライホイールとを前記クランク軸やカム軸から取外し、そして組付ける作業を必要とせず、前記ベルト伝動機構やフライホイールがエンジンに装着されたまま、前記第1カバー体および第2カバー体よりなる換気用カバー構造が、前記4ストロークサイクル船外機エンジンに頗る簡単にかつ容易に組付けられる。
【0011】
また、前記4ストロークサイクル船外機エンジンの上方を全面に亘り覆う前記換気用カバー構造は、前記第1カバー体と前記第2カバー体とに2分割構造となっているため、これらのカバー体が小型化されるに伴なってこれらのカバー体の成形型は小さくなり、製造コスト低下が可能となる。
【0012】
さらに、エンジンブロックおよびその上方に配置されるベルト伝動機構で加熱された高温空気は、下方に向って開放した第1カバー体および第2カバー体によって確実に捕捉されて、外周面が密閉された排気ダクトから前記換気用カバー構造より上方へ排出され、充分な換気機能が発揮され、エンジン出力が向上する。
【0013】
さらにまた、前記フライホイールの回転領域外にて、前記第1カバー体と前記第2カバー体との一部重ね合せにより前記第1カバー体および第2カバー体の内部空間に連通する外周密閉排気ダクトが構成されたため、前記エンジンブロック上方の空間が有効に利用され、しかも、前記排気ダクトの排気性能が高い。
【0014】
また、請求項2記載のように発明を構成することにより、前記第1カバー体および第2カバー体をそれぞれ上下割の金型でもって成形することができるため、生産性の向上とコストダウンを図ることができる。
【0015】
さらに、請求項3記載のように発明を構成することにより、前記第1カバー体および第2カバー体、特に第1カバー体を上下割の抜型容易な金型でもって成形することができるため、生産性を一段と向上させ、大巾なコストダウンを達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図13に図示される本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一実施例について説明する。
【0017】
図1において、本実施例における換気用カバー構造50が適用されたエンジン2を搭載した船外機1は、同図において右側を前方、すなわち、船体側として、船尾に取り付けられている。
【0018】
この船外機1は、その下方部を覆うエクステンションケース3の上部に、アンダカバー4が連なり、このアンダカバー4の上部に、エンジンカバー5が着脱自在に取り付けられている。アンダカバー4の上方膨大部とエンジンカバー5とによって形成されるエンジンルーム6内には、クランク軸7を鉛直方向に配したエンジンブロック8と、各種エンジン補機とが収容されている。
【0019】
エンジンブロック8は、2気筒を上下に一体に連ね、クランクケース9側を前方に、シリンダヘッド10側を後方に向けて、前後方向に配置されている。なお、図1において、上下シリンダのピストン位置は、上死点、下死点が示されており、実施に当たっては、各々のピストン位置を360°とした4ストローク2気筒エンジンとされる。エンジンブロック8から上方に突出するクランク軸7の上方部には、カム駆動用クランクプーリ11、交流発電機12、リコイルスタータ13が、この順に取り付けられている。交流発電機12のロータ部12aは、フライホイールを兼用する。
【0020】
シリンダヘッド10の後方(図1において左方)のカム室14には、カム軸15が配設されており、カム室14からエンジンブロック8を貫通して上方に突出するカム軸15の上方端には、カムプーリ16が取り付けられている。そして、クランクプーリ11とカムプーリ16との間に、タイミングベルト17が張設されてベルト伝動機構が構成されており、カム軸15は、図2にて時計方向に回転するクランク軸7により2分の1の回転比で同方向に回転させられる。
【0021】
カム室14内には、また、カム軸15により駆動される動弁機構(図示されず)が配設されており、この動弁機構により、各気筒の吸気ポートおよび排気ポートを燃焼室に対して開閉する吸気弁および排気弁が駆動される。燃焼用空気は、エンジンカバー5の後方上部に形成された開口18から取り入れられる。エンジン冷却水は、エクステンションケース3の下端部から吸入される。
【0022】
以上のような構成を備えるエンジンブロック8と各種エンジン補機とからなる本船外機1のエンジン2は、エンジンブロック8の下方に配されたオイルケース19の上部に固定されて、その略全重量が、このオイルケース19により支持されている。
【0023】
オイルケース19は、アルミダイキャストにより製造され、高い剛性を有する。そして、エクステンションケース3の上端部に堅固に固定されて、支持されている。このエクステンションケース3も、アルミダイキャストにより製造され、剛性の高いものである。
【0024】
クランク軸7の下端は、駆動軸20に連結され、該駆動軸20は、エクステンションケース3内を下方に延びて、前後進切換可能なベベルギヤ・ドグクラッチ機構21を介してプロペラ軸22に連動連結されている。プロペラ軸22の先端には、プロペラ23が取り付けられている。したがって、クランク軸7の回転は、駆動軸20、ベベルギヤ・ドグクラッチ機構21、プロペラ軸22を介してプロペラ23に伝達される。
【0025】
船外機1は、詳細には図示されていないが、船尾に取り付けられるブラケット24に対して、航走時スイベル軸27を回動軸として垂直軸回りに回動自在、水平なチルト軸24a軸回りに傾動自在に取り付けられている。
【0026】
オイルケース19は、その中央部に油溜め部28を有する。この油溜め部28には、常時所定範囲内の量のオイルが貯留されていて、オイルポンプ29によりストレーナ30、吸込管31を介して吸い上げられ、加圧されたオイルは、オイルフィルタ(図示されず)で濾過されて、エンジン2の各摺動部に供給される。そして、各摺動部を潤滑した後の戻り油は、流下もしくは落下しつつ、この油溜め部28に還流する。オイルポンプ29のロータは、カム軸15の下方端に連結されていて、オイルポンプ29は、カム軸15により回転駆動される。
【0027】
オイルケース19の中央部の油溜め部28の前方(図1において右方)には、下方に開口して駆動軸20が挿通される空洞部32が形成されている。また、油溜め部28の後方(図1において左方)には、エンジン冷却系を構成する給水管33cと冷却排水路33d とが上下方向に設けられている。33aは給水ポンプ、33bは水中に開口する給水口をそれぞれ示す。さらに、この冷却排水路33d の後方には、エンジン排気ガス用の通路34が形成されている。排気ガスは、この通路34を出て、エクステンションケース3内の通路を下方に流れて、船外機1の下方に設けられた排出口より水中に排出される。
【0028】
オイルケース19の上方側縁に沿って外方に張り出した鍔部38には、アンダカバー4の内壁面から延びる仕切り壁39の内周縁が当接していて、この仕切り壁39とオイルケース19の鍔部38とにより、船外機1内の空間が、上方のエンジンルーム6と、それより下方のアンダカバー4の下方狭窄部とオイルケース19の外壁面とに囲まれエクステンションケース3の上端に至る空間とに仕切られている。
【0029】
クランク軸7が上方に突出する側のエンジンブロック8の上方には、交流発電機12、リコイルスタータ13を覆い、下方に向かって開放するようにして、第1カバー体60が設けられている。この第1カバー体60の下縁は、クランクプーリ11を覆う位置まで垂下している。
【0030】
また、カム軸15が上方に突出する側のエンジンブロック8の上方には、カムプーリ16を覆い、下方に向かって開放するようにして、第2カバー体80が設けられている。これら第1カバー体60と第2カバー体80とは、それらの内部空間が連通するようにして、一体に連結接続されて、本実施例における換気用カバー構造50を構成している。この換気用カバー構造50は、タイミングベルト17の全体を覆い、該第1カバー体60および第2カバー体80はFRP(繊維強化合成樹脂)製で、金型により成形されている。
【0031】
なお、該第1カバー体60および第2カバー体80はダイキャス法により成形された軽合金製であってもよい。
【0032】
この換気用カバー構造50は、第1カバー体60と第2カバー体80との少なくともいずれか一方のカバー体(本実施例においては、第2カバー体80)に、タイミングベルト17より上方であって、かつ、フライホイール(交流発電機12のロータ部)12aの回転領域外に底部を有するようにして、排気ダクト部90を備えている。
【0033】
以下、この換気用カバー構造50について、さらに詳細に説明する。
先ず、第1カバー体60の構造について、図3ないし図7を参照しつつ、説明する。
第1カバー体60は、図3ないし図5に図示されるように、大略円形の帽子形状をしており、その後方(図3において左方)の周壁部分は、平面視で大略8分の3円弧に相当する点aと点cとの間が、図6に図示されるように、該第1カバー体60の深さの略3分の1ないし3分の2の高さにわたって切除されて、後方に開口されている。すなわち、点aと点cとの間のうち、点c寄り3分の1の点bと点a間においては第1カバー体60の深さの略3分の1、点bと点c間においては第1カバー体60の深さの略3分の2の高さにわたって切除されて、後方に開口されている(図4ないし図7参照)。
【0034】
そして、このようにして形成された周壁開口に、後述する第2カバー体80との接続部をなす延設部61が一体成形により連設されている。この延設部61は、背面視前記した周壁開口に丁度合致する形状をなし(図6、図7参照)、点bと点a間の開口上縁と側縁に連なる低段部61aと、点bと点c間の開口上縁と両側縁に連なる高段部61bとからなっている。これら低段部61aと高段部61bとの各後縁は、進行方向に対して左右方向(図3において上下方向)に面一に揃えられている。
【0035】
低段部61aの上面は平坦面をなし、その中央部には、第1カバー体60をエンジンブロック8に固定するためのボルト挿通用孔69が形成され、また、このボルト挿通用孔69を挟んで左右2個所には、後述する第2カバー体80との係合用爪62が、それぞれ下方に向けて突出形成されている(図6、図7参照)。
【0036】
高段部61bは、その外方側壁の下半部が後縁から点cの手前の点dに至るまでの長さにわたって切除されており(図4参照)、この切除部においては、高段部61bの側壁の上下巾は等しく、そこに逆U字状の通路Aが形成されている。この通路Aを画成する両側壁の下縁には、後述する第2カバー体80との係合用爪63が複数個下方に向けて突出形成されている。すなわち、通路Aを画成する外方側璧の下縁には3個、内方側壁の下縁には2個の係合用爪63が、それぞれ突出形成されている。
【0037】
第1カバー体60の延設部61を除いた本体部64には、また、延設部61と反対側にリコイルスタータ13の操作用把手部40の設置部65が突出形成されている。リコイルスタータ13は、本体部64の裏面の中央ボス部にボルト66により離脱不能、回転自在に取り付けられる。
【0038】
設置部65の左右両側には、第1カバー体60をエンジンブロック8に固定するためのボルト挿通用孔69がそれぞれ形成されている。したがって、第1カバー体60は、延設部61に形成されたボルト挿通用孔69と本体部64に形成されたこれら2個のボルト挿通用孔69との3個所の位置において、エンジンブロック8にボルトにより締着、固定される。各ボルト挿通用孔69の位置から本体部64の中心に指向して、一対のリブ71が本体部64の外壁面に形成されている。
【0039】
第1カバー体60の本体部64から延設部61に移行する直前の左方(図3において上方)側壁には、図示されないスタータモータと直結する駆動歯車を収容するための膨出部67が突出形成されている。この膨出部67の下方の本体部64の周壁下縁は、膨出部67の幅を周方向両側に越えて切り欠かれ、そこに導風用開口68が形成されている。
【0040】
次に、第2カバー体80の構造について、図8ないし図10を参照しつつ、説明する。
第2カバー体80は、図8および図9に図示されるように、平面視U字状の周壁を有し偏平なカバー構造をなす本体部81と、該本体部81の平坦な天井壁81aの右方(図8において下方)拡張部上に外周壁が密閉状態に一体に形成された排気ダクト部90と、後述する第1カバー体60との接続部をなす延設部82とからなっている。天井壁81aの右方拡張部は、天井壁81aより第1カバー体60の板厚分だけ低い位置にある。平面視U字状の周壁の開口側は、第2カバー体80の開口部となっている。
【0041】
排気ダクト部90の形成位置は、後述するように、第1カバー体60と第2カバー体80とが一体連結されてエンジン2の上部に被せられたとき、フライホイール12aの回転領域外にあって、図1に図示されるように、かつ、エンジンカバー5の後方上部に形成された燃焼用空気取入れ用開口18(隔壁93aの向こう側)および該開口18に隔壁93aを介して隣接して設けられた高温空気排気用開口93の下方の空きスペースとなる位置である。
【0042】
排気ダクト部90は、横断面形状が略正方形の外周密閉水平通路部91と、該外周密閉水平通路部91の奥端に直角に連通する外周密閉垂直通路部92とからなっている。外周密閉垂直通路部92の上方端部は、横断面形状が略矩形の外周密閉高温空気排気用開口93に開口している(図1参照)。
【0043】
外周密閉水平通路部91の前端は、横断面形状略正方形の上辺と両側辺との寸法がやや拡大されて、そこに鉤状の係合部91aが形成されている。本体部81の前縁に沿い、かつ、平面視で外周密閉水平通路部91の前端の鉤状係合部91aを含み、その前方に広がるようにして、第1カバー体60との接続部をなす延設部82が一体成形により形成されている。
【0044】
この延設部82は、図8および図9に図示されるように、水平面部83と、本体部81の平面視U字状の周壁の一方端縁(図9において右方端縁)に続く側部垂直面部84とからなる。本体部81が延設部82に連なる部分には、第1カバー体60の板厚分だけの段差が形成されている。
【0045】
水平面部83は、図8に図示されるように、略平面視L字状をなし、この平面視L字状の短辺側水平面部83bは、幅広で、平面視において外周密閉水平通路部91の前端の鉤状係合部91aを含み、長辺側水平面部83aの内側縁から外側縁に向い第1カバー体60の円筒状本体部64に沿って欠除されて前方に細長く伸びていて、第2カバー体80が後述するように第1カバー体60に一体に連結されたとき、第1カバー体60の高段部61bの両側壁の底部に丁度接合するようになっている。したがって、高段部61bの逆U字状の通路Aは、この短辺側水平面部83bにより蓋をされて、横断面形状が略正方の外周密閉排気ダクトが構成されている。
【0046】
この短辺側水平面部83bには、また、外周密閉水平通路部91の前端部の両側縁より前方に列をなして、外方側に3個、内方側に2個の係合用孔88がそれぞれ形成されている。これらの係合用孔88は、第1カバー体60の2列に配設された合計5個の係合用爪63とそれぞれ係合し合う。
【0047】
延設部82の水平面部83の略平面視L字状の長辺側水平面部83aは、天井壁81aより第1カバー体60の板厚分だけ低い位置にあって、天井壁81aの前縁に沿って細長く伸び、その中央部には凹部86が形成され、この凹部86を挟んで両側に、第1カバー体60の係合用爪62と係合し合う係合用孔87がそれぞれ形成されている。凹部86は、第1カバー体60の背面視低段部61aの上面中央部に形成されたボルト挿通用孔69に挿通されるボルトを避けている。
【0048】
本体部81の平面視U字状の周囲壁の他方端縁(図9において左方端縁、図8において下方端縁)には、もう1つの側部垂直面部85が一体に延設されていて、先端が欠除された短辺側水平面部83bの内方短辺に沿って前方に伸びているが、この側部垂直面部85は、第1カバー体60との接続部を構成しない。この側部垂直面部85は、第2カバー体80の内部を流れてその開口部から排気ダクト部90に向かう高温空気、および後述するように、蓋をされた高段部61bの通路Aの下方から第1カバー体60の内部に流入し、そこから排気ダクト部90に向かう高温空気をそれぞれ誘導する。
【0049】
第2カバー体80は、その本体部81の後方左右2個所に、ボルト挿通用孔89を有している。第2カバー体80は、後述するようにして第1カバー体60と一体に連結されて後、少なくともこれら2個のボルト挿通用孔89の位置において、シリンダヘッドカバー25の上縁左右2個所に設けられた係止突起25aがこれらのボルト挿通用孔89に貫通、嵌合することにより、シリンダヘッドカバー25に係止される(図1参照)。あるいは、シリンダヘッドカバー25に代えて、エンジンブロック8にボルトにより締着されてもよい。ボルト挿通用孔89は、いずれも本体部81から放射方向に延びるブラケットの先端部に形成されている。
【0050】
以上のようにして構成される第1カバー体60と第2カバー体80とは、図11に図示されるように、それらの周壁開口部が対向させられて、第1カバー体60の延設部61の内側に第2カバー体80の延設部82が当接される。そして、第1カバー体60の2個の係合用爪62が第2カバー体80の2個の係合用孔87に係合させられ、また、第1カバー体60の2列配列で合計5個の係合用爪63が第2カバー体80の同じく2列配列で合計5個の係合用孔88とそれぞれ係合させられることにより、これら両カバー体60、80が離脱不能に一体に連結、接続される。
【0051】
この状態において、第1カバー体60の延設部61の後縁は、第2カバー体80の本体部81と延設部82との段部に当接している。また、第1カバー体60の高段部61bの後縁内方折曲部70(図3参照)は、第2カバー体80の排気ダクト部90の外周密閉水平通路部91の前端鉤状係合部91aに外方から係合している(図2参照)。
【0052】
このようにして一体に組み立てられた換気用カバー構造50は、第1カバー体60の3個のボルト挿通用孔69および第2カバー体80の同じく2個のボルト挿通用孔89の位置において、エンジンブロック8にボルトにより締着されて取り付けられる。
【0053】
本実施例における換気用カバー構造50は、前記のように構成されているので、次のような作用、効果を奏することができる。
換気用カバー構造50を構成する第1カバー体60は、エンジンブロック8の上方のクランク軸7の突出部に設けられたクランクプーリ11、交流発電機12、フライホイール12a、リコイルスタータ13を覆い、下方に向かって開放するようにして設けられ、また、換気用カバー構造50を構成する第2カバー体80は、エンジンブロック8の上方のカム軸15の突出部に設けられたカムプーリ16を覆い、下方に向かって開放するようにして設けられ、これら第1カバー体60と第2カバー体80とは、それらの内部空間が連通するようにして、一体に連結され、かつ、第2カバー体80には、タイミングベルト17より上方であって、かつ、フライホイール12aの回転領域外に底部を有するようにして、排気ダクト部90が設けられている。
【0054】
この結果、クランクプーリ11、カムプーリ16、タイミングベルト17、交流発電機12、フライホイール12a、リコイルスタータ13等の回転体により加熱された高温空気は、第1カバー体60および第2カバー体80によって確実に捕捉され図2において時計方向に回転駆動されるフライホイール12aや同方向に回送されるタイミングベルト17付近の高温空気がこれらと同方向に流れて、排気ダクト部90に誘導され、そこから高温空気排気用開口93を経て外部に排出される。また、エンジンブロック8の側壁により加熱された高温空気も、下方に向かって開放する第1カバー体60および第2カバー体80によって確実に捕捉されて、同様にして外部に排出されるので、十分な換気機能を発揮することができて、エンジン出力を向上させることができる。
【0055】
また、これらのカバー体60、80は、いずれも下方に向かって開放するようにして設けられるので、エンジンブロック8の上方に配置されることになるクランクプーリ11、カムプーリ16、タイミングベルト17、交流発電機12、フライホイール12a、リコイルスタータ13等の回転体を下方から覆うことがなく、換気用カバー構造50の組付けが、これらの回転体部品を順次組み付けていくことになる船外機エンジン2の組立手順を制約することがない。
【0056】
また、樹脂製部品である換気用カバー構造50が第1カバー体60と第2カバー体80とから構成されているので、これらの各カバー体60、80の成形型を小型化することができ、換気用カバー構造50の製作コストを低減することができる。
【0057】
さらに、排気ダクト部90は、第2カバー体80に、タイミングベルト17より上方であって、かつ、フライホイール12aの回転領域外に底部を有するようにして設けられているので、燃焼用空気取入れ用開口18および高温空気排気用開口93の下方の空きスペースを有効に利用して排気ダクト部90を設けることができる。
【0058】
さらにまた、第1カバー体60と第2カバー体80との一体連結は、第1カバー体60に設けられた複数の係合用爪62、63と第2カバー体80に設けられた複数の係合用孔87、88との係合により行なわれるので、その組立は容易である。
【0059】
本実施例において、船外機エンジン2は、クランク軸7の突出部のフライホイール12aより上方部位に設けられたリコイルスタータ13を備え、その換気用カバー構造50は、該リコイルスタータ13をも覆うようにされたが、船外機エンジン2は、リコイルスタータ13を備えない場合もある。
【0060】
図1ないし図13に図示された実施例では、第1カバー体60の高段部61bと第2カバー体80の短辺側水平面部83bとで外周が密閉された排気ダクトの下流側に、第2カバー体80の外周密閉排気ダクト部90が接続されていたが、図14ないし図17に図示されるような排気ダクト構造となっていてもよい。
すなわち、図15に図示されるように、第1カバー体60における高段部61bの後縁(左端)に鉛直に起立する底壁が欠けた垂直通路部61cが構成され、図16に図示するように、第2カバー体80における短辺側水平面部83bの後縁が垂直通路部61cの前後巾よりも僅かに長く後方へ延長され、外周密閉水平通路部91および外周密閉垂直通路部92が除去され、垂直通路部61cの後壁下縁に係合用爪63が付設され、短辺側水平面部83bの後縁に係合用孔88が形成されている。
【0061】
図14ないし図17に図示の実施例でも、フライホイール12aの回転領域外にて、第1カバー体60および第2カバー体80の内部空間に連通する外周密封ダクトが構成され、図1ないし図13に図示の実施例と同様な効果が得られる。
【0062】
また、図18ないし図19に図示される本願の請求項1および請求項3に記載された発明の実施例のように、排気ダクト構造を構成してもよい。
【0063】
図18ないし図19に図示の実施例では、第1カバー体60の高段部61bの内側壁61dと頂壁61eとが、低壁部61aよりも後方へ延長し、該内側壁61dの延長後部に垂直に延長した垂直内側壁94aが形成されるとともに、前記頂壁61eの後端に垂直に起立した垂直前壁94bが形成され、前記高段部61bの外側壁61fの下部が欠除されている。
【0064】
また、第2カバー体80の本体部水平壁81aと、水平面部83の短辺側水平面部83bの外側縁より上方へ垂直に外側壁95aが形成されるとともに、該外側壁95aの後端に垂直後壁95bが形成され、該外側壁95aの上部には、延設部82の水平面部83と同様な段差のある垂直面部95cが形成されており、該垂直面部95cに第1カバー体60の外側壁61fが重ねられ、該外側壁61fの下縁に設けられた係合用爪96が第2カバー体80の垂直面部95の係合用孔97に係合されるようになっている。
【0065】
さらに、前記垂直内側壁94aの後端縁と垂直前壁94bの外側縁とにも段差部が形成されている。
【0066】
図18ないし図19に図示の実施例では、第1カバー体60の高段部61bの内側壁61aおよび頂壁61eと、第2カバー体80の水平壁81a、短辺側水平面部83bおよび外側壁95aとで高温空気水平通路部Bが形成されるとともに、第1カバー体60の垂直内側壁94a、垂直前壁94bと第2カバー体80の垂直後壁95bとで高温空気垂直通路(図示されず)が形成されているので、第1カバー体60および第2カバー体80下方で捕集された高温空気は、これら高温空気水平通路Bと高温空気垂直通路とから高温空気排気用開口93を介して外気へ円滑に排出される。
【0067】
また、この実施例では、外周密閉排気ダクトは、その部位の下方および外側方が開放された第1カバー体60と、その部位の上方および内側方が開放された第2カバー体80とで構成されるため、第1カバー体60と第2カバー体80の成形のための金型は、それぞれ上下割り金型で足り、製造工程が単純化されて大巾なコストダウンが可能となる。
【0068】
さらに、図20ないし図24に図示するように、オイルケース19を構成してもよい。
オイルケース19は、その中央部に油溜め部28を有する本体部25と、該本体部25の上方の一側縁から前方(図21および図22において右方)斜め上に伸びる支持台のように広がった形状の拡張部26とからなっている。
【0069】
拡張部26は、エンジン2の重量の一部を支持するとともに、スイベル軸27(図20参照)の上方端の支持部を提供している。
【0070】
油溜め部28は、上方が開口して、図20および図21において図面と直交する方向に細長く、図22に示すように、下半部において、この細長さが略半分近くに窄められた、深い偏平カップ形状を呈している。
【0071】
オイルケース19の油溜め部28の上縁に近く、その右側壁(図21において手前側壁)には、図21および図22に図示されるように、油溜め部28内に貯留されるオイルのレベルを検視することができる窓100を構成するための開口101が形成されている。
【0072】
この開口101は、油溜め部28の内部に開口する比較的小径の内側開口部101aと、この内側開口部101aに連なり、アンダカバー4の下方狭窄部に面して開口する比較的大径の外側開口部101bとからなっている。
【0073】
そして、これら内側および外側開口部101a,101bに液密に嵌合し合う小径部と大径部とを有する透明プラグ102(図23、図24参照)が、開口101を液密に閉じる。透明プラグ102の小径部の内部は、油溜め部28内に連通する油室103とされており、この油室103と油溜め部28内とを連通させるために、油室103を画成する内面壁104には、円孔105a,105bが上下にそれぞれ形成されている。透明プラグ102の大径部内には、透明板体106が液密に装着されていて、この透明板体106により、油室103を画成する外面壁が構成されている。
【0074】
透明プラグ102が開口101を液密に閉じた後、図示されないクリップが外側開口部101bの外側内周面に形成された環状凹溝111に嵌着されて、透明プラグ102の抜け出しが防止される。
【0075】
油室103内に流入する油溜め部28内のオイルは、透明板体106を通して検視される。したがって、油溜め部28内のオイルのレベルの検視は、透明板体106を通して油室43内のオイルのレベルを検視することによって行なわれる。
【0076】
透明板体106の外面には、油溜め部28内に貯留されるオイルの最小許容量の最大値を示すラインと「UPPER」の表示および最小許容量の最小値を示すラインと「LOWER」の表示とがなされている。
【0077】
油溜め部28の窓100に対応させて、アンダカバー4の下方狭窄部には、該窓100に対応する位置に、該窓100を覗いて見ることができる開口107が形成されている(図22参照)。アンダカバー4は、開口107から内側に向かって延びる短筒状の壁107aを備えている。窓100が油溜め部28の上縁に近く、比較的高い位置にあるので、アンダカバー4の開口107も、アンダカバー4自体の中寄りに開口するが、薄肉の開口部が周囲の壁107aにより補強されることになり、エンジン振動によるアンダカバー4のビビリ音の発生が抑制される。船外機1の使用者は、この開口107を通して窓100を見ることができ、この窓100を観察することによって、油溜め部28内のオイルのレベルを検視することができる。
【0078】
このようにして油溜め部28内のオイルのレベルを検視した結果、そのレベルが、前記した「UPPER」のラインと「LOWER」のラインとの間にあれば、オイルを補給する必要はないが、「LOWER」のラインより低下しておれば、オイルを補給することになる。オイルの補給に際しては、例えば、エンジン2のヘッドカバーに設けられた給油口110から行なう。
【0079】
オイルケース19の油溜め部28の下縁に近く、その右側壁(図21において手前側壁)には、窓100の真下からわずかにずれた位置に、図21および図22に図示されるように、油溜め部28内に貯留されるオイルを抜くことができるオイル排出口108が形成されている。
【0080】
そして、アンダカバー4の下方狭窄部には、このオイル排出口108に対応する位置に開口109が形成されていて、オイル排出口108の先端は、この開口109に嵌入して、わずかに突出しているので、オイル排出口108を閉塞するプラグ(図示されず)の脱着をアンダカバー4の外部から自在に行なうことができる。
【0081】
本実施例は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
本実施例における船外機1のエンジン2の潤滑オイル検視装置は、エンジンブロック8の下面に設けられるオイルケース19の油溜め部28の側壁に、該油溜め部28に溜まったオイルのレベル検視用窓100が形成され、アンダカバー4の下方狭窄部には、該窓100に対応する位置に、該窓100を覗いて見ることができる開口107が形成されている。
【0082】
この結果、潤滑オイルの残量の検視は、油溜め部28内に溜まったオイルのレベルを、アンダカバー4の外部から、該アンダカバー4に形成された開口107およびオイルケース19の油溜め部28の側壁に形成された窓100を通して検視することにより行なうことができるので、エンジンカバー5を開閉する必要もなく、その検視作業がきわめて簡単になる。
【0083】
また、アンダカバー4に形成された開口107は、アンダカバー4の下方狭窄部に形成されているので、この部分とオイルケース19の油溜め部28の側壁とは近接しており、開口107から窓100を見るのに、望遠機能や光束ガイド機能等を有する延長部材は必要とされない。この結果、部品点数を削減して、コストを低減することができる。
【0084】
また、アンダカバー4は、窓100に対応する位置に、該アンダカバー4に形成される開口107から内側に向かって延びる壁107aを有しているので、アンダカバー4の剛性が確保される。これにより、エンジン振動によるアンダカバー4のビビリ音の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1に記載された発明の一実施例における換気用カバー構造が適用されたエンジンを搭載した船外機の縦断面図であって、一部を側面視して示す図である。
【図2】同換気用カバー構造の平面図である。
【図3】同換気用カバー構造を構成する第1カバー体の平面図である。
【図4】図3の右側面図である。
【図5】図3のV−V線矢視断面図である。
【図6】図3のX方向矢視図である。
【図7】図2のVII−VII線矢視断面図である。
【図8】同換気用カバー構造を構成する第2カバー体の平面図である。
【図9】図8の右側面図である。
【図10】図8のX−X線矢視断面図である。
【図11】同換気用カバー構造の分解組立図である。
【図12】図2のXII−XII線矢視断面図である。
【図13】図2の分解斜視図である。
【図14】他の実施例の換気用カバー構造の平面図である。
【図15】同換気用カバー構造を構成する第1カバー体の平面図である。
【図16】同換気用カバー構造を構成する第2カバー体の平面図である。
【図17】図14のXVII−XVII線矢視断面図である。
【図18】さらに他の実施例の分解斜視図である。
【図19】図18の分解斜視図に示された実施例を組立てた状態のXIX−XIX線矢視断面図である。
【図20】さらに他の実施例の船外機の右側面図であって、カバーの一部を取除いて断面にして示した図面である。
【図21】オイルケースの側面図である。
【図22】図19のXXI−XXI線矢視断面図である。
【図23】レベル検視用窓の開口部を塞ぐプラグの正面図である。
【図24】図22のXXII−XXII線矢視断面図である。
【符号の説明】
1…船外機、2…エンジン、3…エクステンションケース、4…アンダカバー、5…エンジンカバー、6…エンジンルーム、7…クランク軸、8…エンジンブロック、9…クランクケース、10…シリンダヘッド、11…クランクプーリ、12…交流発電機、12a…ロータ部(フライホイール)、13…リコイルスタータ、14…カム室、15…カム軸、16…カムプーリ、17…タイミングベルト、18…空気取入れ用開口、19…オイルケース、20…駆動軸、21…ベベルギヤ・ドグクラッチ機構、22…プロペラ軸、23…プロペラ、24…ブラケット、24a…チルト軸、25…シリンダヘッドカバー、25a…係止突起、27…スイベル軸、28…油溜め部、29…オイルポンプ、30…ストレーナ、31…吸込管、32…空洞部、33a…給水ポンプ、33b…給水口、33c…給水管、33d…冷却排水路、34…排気ガス用通路、38…鍔部、39…仕切り壁、40…把手部、50…換気用カバー構造、60…第1カバー体、61…延設部、61a…低段部、61b…高段部、61c…垂直通路部、62,63…係合用爪、64…本体部、65…リコイルスタータ操作部設置部、66…ボルト、67…高段膨出部、68…導風用開口、69…ボルト挿通用孔、70…内方折曲部、71…リブ、80…第2カバー体、81…本体部、81a…天井壁、82…延設部、83…水平面部、83a…長辺側水平面部、83b…短辺側水平面部、84、85…側部垂直面部、86…凹部、87、88…係合用孔、89…ボルト挿通用孔、90…排気ダクト部、91…水平通路部、91a…鉤状係合部、92…外周密閉垂直通路部、93…高温空気排気用開口、93a…隔壁
100…窓、101…開口、101a…内側開口、101b…外側開口、102…透明プラグ、103…油室、104…外壁面、105…円孔、106…透明板体、107…開口、108…オイル排出口、109…開口、110…給油口、111…環状凹溝。
Claims (3)
- エンジンブロックから上方に突出したクランク軸およびカム軸を該エンジンブロック上方にて相互に連結するベルト伝動機構と、該ベルト伝動機構におけるクランク軸と一体のクランクプーリより上方のクランク軸部に設けられたフライホイールとを備え、エンジンカバーで画成されたエンジンルーム内に収納された4ストロークサイクル船外機エンジンにおいて、
前記クランク軸の突出側の前記エンジンブロックの上方には、少なくとも前記フライホイールを直接覆うとともに下方に向かって開放するように形成された第1カバー体が配設され、
前記カム軸の突出側の前記エンジンブロックの上方には、該カム軸の上方部を直接覆うとともに下方に向かって開放するように形成された第2カバー体が配設され、
前記第1カバー体と前記第2カバー体とは、それらの内部空間が連通するように一体に結合され、
前記フライホイールの回転領域外にて、前記第1カバー体と前記第2カバー体との一部重ね合せにより、前記内部空間に連通する外周が密閉される換気用排気ダクト部が構成されたことを特徴とする4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造。 - 前記フライホイールの回転領域外にて、前記第1カバー体に上方へ盛り上った逆チャンネル状壁部が形成され、該逆チャンネル状壁部の下方空間が前記第2カバー体で密閉されて、外周が密閉される前記排気ダクトが形成されたことを特徴とする請求項1記載の4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造。
- 前記フライホイールの回転領域外にて、前記第1カバー体には、低段水平壁より上方へ起立した内側壁と、該内側壁の頂部から水平に延びた高段頂壁とが形成され、前記第2カバー体には、前記第1カバー体の低段水平壁に当接して前記第1カバー体の高段頂壁直下の方へ水平に延びた低段底壁と、該低段底壁の外側縁から上方へ折曲された外側壁とが形成され、前記第1カバー体の内側壁および高段頂壁と、前記第2カバー体の低段底壁および外側壁とで、外周が密閉される前記排気ダクトが形成されたことを特徴とする請求項1記載の4ストロークサイクル船外機エンジンの換気用カバー構造。
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