JP4387696B2 - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置及び該装置における制御方法に関し、特に複数のレーザビームを用いて異なる色画像を形成する画像形成装置における制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真方式を用いた画像形成装置においては、画像信号によって変調されたレーザビームがスキャナの回転する多面鏡(以降、ポリゴンミラーと称する)によって反射され、感光体上を走査することによって画像形成を行う方式が一般的である。感光体の形状としてはドラム状のものが多用され、感光ドラムとも呼ばれている。
【0003】
この方式をカラーレーザプリンタに応用する場合には、使用する複数の色、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)それぞれの画像を重ね合わせることにより、シート状の記録媒体上にカラー画像が形成される。
【0004】
このような画像の重ね合わせを達成するための構成としては、次のようなものが知られている。
【0005】
第1の構成としては、1つの感光ドラムを用いる構成であり、第1の色画像信号を帯電させた感光ドラム上に走査して潜像を作り、第1の色の現像剤を付着させて可視化させ、これを記録紙に転写して第1の色画像を形成する。その後、感光ドラムをクリーニングして、第2の色画像信号を感光ドラム上に走査して潜像を作り、以下第1の色画像と同様にして第2の色画像を形成する。この場合、現像剤としては第2の色の現像剤を使用する。同様の処理を繰り返して、第3及び第4の色画像を形成する。このようにして1つの感光ドラムを用いて記録紙に4色の色画像を重ねあわせることによってカラー画像の記録を行う。
【0006】
第2の構成としては、使用する色の種類数に対応した数の感光ドラムを用いる構成であり、それぞれの色画像信号に対応する感光ドラム上に潜像を作り、それぞれ異なる色の現像剤により可視化させた後、記録紙に各色の画像を順次転写してカラー画像を形成する。このような構成では、1つの画像信号に対して、レーザ、スキャナ、レーザの画像書き出しタイミングを検知するためのBD(beam detect)センサ、感光ドラムをそれぞれ1つ備えるのが一般的であり、従って、レーザ、スキャナ、感光ドラム及びBDセンサのセットが使用する色の数だけ必要である。
【0007】
第1の構成は、帯電−露光−現像−転写−クリーニングの一連の電子写真プロセスを、カラー画像の形成に使用する色毎に順番に時系列的に行う必要があり、1枚のカラー画像を形成するのに時間がかかるという問題がある。
【0008】
一方、第2の構成は、第1の構成に対して短時間でカラー画像を形成できるが、上述のように、レーザ、スキャナ、感光ドラム、及びBDセンサのセットを、カラー画像の形成に使用する色の数と同数備える必要があるので、装置が大型化し、高価になるという問題がある。
【0009】
どちらの構成においても、各色の画像を重ねあわせてるため、各色の画像位置が合わないと、いわゆる色ずれが発生する。特に後者の構成においては、異なったスキャナや感光ドラムを用いてそれぞれの色画像を形成するため、色毎のレジストレーションを合わせるのが難しい。そのため、色毎のレジストレーション合わせを行うために、例えば、中間転写ベルト(Intermediate Transfer belt:ITBと略する)や静電転写ベルト(Electrostatic Transportation belt:ETBと略する)上にレジスト検知用画像パターンを形成し、これをレジスト検知センサで読み取って、画像の書き出し位置等にフィードバックすることによって画像形成位置の補正を行う手法が用いられている。
【0010】
レジスト検知センサは、ITBまたはETB上に形成されたレジスト検知用画像パターンを光源で照射し、反射光を受光センサで読み取るように構成され、レジスト検知用パターンが通過したときの受光センサの出力信号の時間的な強度変化に基づいて、電気的な処理で位置ずれ情報を出力する。
【0011】
通常、レーザプリンタで画像形成時間を短縮するためには、スキャナの回転速度を上げるのが一般的である。一般的なレーザプリンタのスキャナの回転速度は、20000rpm以上の高速回転である。更にスキャナに使用されるミラーは多面鏡であるポリゴンミラーであり、偏向角度の誤差がレーザビームの光路長によって感光ドラム上での位置変動を生ずるため、スキャナに使用するポリゴンミラーは各面の倒れ誤差を非常に小さくする必要があり、又高速回転による振動を少なくする必要もある。
【0012】
従って、ポリゴンミラーを安定して高速回転させるためにモータが大型となり、またミラー各面の倒れ誤差を小さくするために、スキャナ製造工程において精密な加工精度が要求される。このため、製造の歩留まりが悪化しスキャナは非常に高価なものとなってしまう。
【0013】
以上の様なスキャナを複数個備えたカラーレーザプリンタはサイズが大型となり、高価なものとなってしまう。
【0014】
そこでコストダウンを図るために、複数の色に対してスキャナを共通に用いる構成(例えば、特許文献1参照)や、スキャナを共通にすると共に、複数の光源のうち、1つの光源に対してのみBDセンサを設けるようにした構成(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0015】
上記特許文献2に記載された構成について簡単に説明すると、複数の光源からの光は、ポリゴンミラーの異なる面に並列に入射されて対応する感光体上を走査する構成となっており、ポリゴンミラーの回転位相差(角度差)が予め分かっていることから、BDセンサを設けた光源のBD信号からそれ以外の光源のタイミングを推測する。
【0016】
【特許文献1】
特公平4−51829号公報
【特許文献2】
特開平4−313776号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記で示した2つの特許文献のうち、特許文献1に示された構成おいては、ポリゴンミラー及びスキャナモータを共通化している。しかしながら、BDセンサについては、使用するそれぞれに設ける必要があるので、その分のコストアップは避けられない。
【0018】
また、特許文献2に示された構成においては、BDセンサをも共通化しているためコストダウンは実現できる。しかしながら、BDセンサのない光源のBDに関しては、ポリゴンミラーの回転位相差すなわち面分割精度が正確であることを前提にしている。すなわち、予めわかっている回転位相差に基づいて、BDセンサの設けられたレーザのBD信号から、BDセンサの設けられてないレーザの走査位置を推測する。
【0019】
複数色に対して共通のスキャナを用いる構成の例を、図15及び図16を参照して説明する。図15は、従来のスキャナユニットにおけるレーザ、ポリゴンミラー及びBDセンサの位置関係を示す図であり、図16は、図15に示したスキャナユニットの各信号の状態を示すタイミングチャートである。
【0020】
図15において、第1のレーザLD1(101)の走査経路上にはBDセンサ106が存在する。BDセンサ106からの出力信号をBD1とすると、図16に1601及び1602で示すように、BD1の検出タイミングから、所定タイミング(例えばtc)後に画像の書き出しを開始することにより、正しい位置に画像が形成される。一方、第2のレーザLD2(102)の走査経路上にもBDセンサ701が存在すると仮定すると、同様に図16に1603及び1604で示すように、BD2(BDセンサ701からのBD信号)の検出タイミングからtc後に、画像の書き出しを開始することにより、正しい位置に画像が形成される。
【0021】
2つのレーザ101及び102のポリゴンミラーに対する位置関係が完全に対称的で、かつ、ポリゴンミラー103が各面の交差角度が90度で横断面が正方形となる理想的な形状であれば、BDセンサ106と701とは全く同じタイミングでBD信号を出力するため、BDセンサとしては一方の106だけを用いればよいこととなる。
【0022】
しかしながら、実際にはポリゴンミラーの各鏡面の面分割精度を全て同じにする(すなわち、各面の交差角度を90度にする)ことは不可能であり、図12に示すように、必ず誤差αが存在する。なお、αは通常、数十から数百秒程度の角度である。
【0023】
次に、このようなポリゴンミラーを使用した時のBD周期がどのようになるかを説明する。
【0024】
図15に示すようなポリゴンミラー103の各面を▲1▼から▲4▼とし、レーザ101から出力されたレーザビームがポリゴンミラー103によって反射され、BDセンサ106に入射したときのBD信号の周期を毎回測定する。図13は、このようにして測定したBD周期の例を示すグラフである。図13において、t1−2はポリゴンミラーの▲1▼面でBDを検知してから▲2▼面でBDを検知するまでの時間を示し、t2−3、t3−4、t4−1もそれぞれ同様な時間を示している。Δt1はt1−2と平均BD周期(1回転の4分の1)との差を示し、Δt2、Δt3、Δt4もそれぞれ同様な差を示している。
【0025】
図14は、理想的なBD周期と実際のBD周期とを時間を横軸にとって表したグラフである。ポリゴンミラーの▲1▼面で検知したBDを基準にして、図の上側に理想的なポリゴンミラーのBD周期、下が実際のポリゴンミラーのBD周期を示している。図示されたように、t1−2は理想の周期に対し、Δt1だけ周期が短い。また、t2−3は理想のBD周期に対し、Δt2だけ周期が長い。累積した誤差は、Δt1+Δt2となる。ここで、Δt1は負、Δt2は正である。このようにして、ポリゴンミラーが1回転すると、累積した誤差の合計は、Δt1+Δt2+Δt3+Δt4となる。これはゼロと等しくなる。実際のポリゴンミラーを使用した時のBD周期の特性は以上のようになる。
【0026】
レーザ毎にBDセンサを備える構成では、ポリゴンミラーの各面に対してBDを検知するため、ポリゴンミラー各面の誤差は影響せず、画像の書き出し位置がずれることはない。しかしながら、図15に示した構成のように、2つのレーザを1つのポリゴンミラーで同時に走査し、一方のレーザに対してのみBDセンサを配置し、他方のレーザのBD検知はBDセンサのあるレーザのBD信号に基づいて検知するような構成をとると、図13や図14に示したような各面でのBD周期のずれが影響し、BDのあるレーザの走査面とBDのないレーザの走査面との書き出しタイミングが合わず、書き出し位置ずれとなって現れてしまう。
【0027】
これを避けるためには、ポリゴンミラーの面分割誤差を書き出し位置ずれが生じない程度まで小さくすればよい。しかしながら、ポリゴンミラーの面分割精度を現状以上とするには、より一層高度な精密加工技術が必要となる。これは製造の歩留まりを悪化させ、製造コストを増大させてしまう。
【0028】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、電子写真方式に従って画像を形成する画像形成装置におけるBDセンサの数を減らしつつ、各色の画像の位置合わせ精度を向上させて高品位な画像の形成を可能とすることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一態様としての画像形成装置は、回転する回転多面鏡に一の発光素子からのレーザビームを入射するとともに、該入射に並行して、前記回転多面鏡における前記一の発光素子からのレーザビームが入射されている面とは異なる面に複数の発光素子からの夫々のレーザビームを入射し、前記回転多面鏡による前記一の発光素子及び前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームの走査により、前記一の発光素子及び前記複数の発光素子の夫々に対応する像担持体に静電潜像を形成し、前記像担持体の夫々に形成された静電潜像にトナー像を可視化させ、該可視化されたトナー像に基づき画像形成を行う画像形成装置であって、前記一の発光素子に対応して設けられ、前記回転多面鏡により走査される前記一の発光素子からのレーザビームを検出する検出手段と、前記検出手段による検出に応じて、前記一の発光素子からのレーザビームにより前記像担持体に主走査方向の静電潜像を書き込むタイミングを決めるための水平同期信号を生成する信号生成手段と、前記検出手段により前記回転多面鏡の各面によって走査される前記一の発光素子からのレーザビームが順次検出されることに基づくレーザビーム検出の間隔を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された間隔と、前記検出手段による前記一の発光素子からのレーザビームの検出と、に基づき、前記一の発光素子からのレーザビームの前記回転多面鏡への入射と並行して入射がなされる前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームにより対応する前記像担持体に静電潜像を書き込む前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを、前記複数の発光素子からの前記回転多面鏡により走査されるレーザビームを検出することなく決定するタイミング決定手段とを備える。
【0030】
また、上記目的を達成する本発明の別の態様としての画像形成装置の制御方法は、回転する回転多面鏡に一の発光素子からのレーザビームを入射するとともに、該入射に並行して、前記回転多面鏡における前記一の発光素子からのレーザビームが入射されている面とは異なる面に複数の発光素子からの夫々のレーザビームを入射し、前記回転多面鏡による前記一の発光素子及び前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームの走査により、前記一の発光素子及び前記複数の発光素子の夫々に対応する像担持体に静電潜像を形成し、前記像担持体の夫々に形成された静電潜像にトナー像を可視化させ、該可視化されたトナー像に基づき画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、前記一の発光素子に対応して設けられた検出手段を用いて、前記回転多面鏡により走査される前記一の発光素子からのレーザビームを検出する検出ステップと、前記検出ステップによる検出に応じて、前記一の発光素子からのレーザビームにより前記像担持体に主走査方向の静電潜像を書き込むタイミングを決めるための水平同期信号を生成する信号生成ステップと、前記検出ステップにおいて前記回転多面鏡の各面によって走査される前記一の発光素子からのレーザビームが順次検出されることに基づくレーザビーム検出の間隔を測定する測定ステップと、前記測定ステップにおいて測定された間隔と、前記一の発光素子からのレーザビームの検出と、に基づき、前記一の発光素子からのレーザビームの前記回転多面鏡への入射と並行して入射がなされる前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームにより、対応する前記像担持体に静電潜像を書き込む前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを、前記複数の発光素子からの前記回転多面鏡により走査されるレーザビームを検出することなく決定するタイミング決定ステップとを含む。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
図3は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態であるカラーレーザプリンタ(以下、単にレーザプリンタとも称する)の構成を示す断面図であり、201はレーザプリンタ、202はホストコンピュータを示している。本実施形態はいわゆる4ドラム方式のカラーレーザプリンタであり、4色(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:BK)の画像を重ねあわせたカラー画像を形成するために各色に対応した4つの画像形成部を備えている。
【0039】
画像形成部は、像担持体としての感光ドラム301〜304を有するトナーカートリッジ207〜210と、画像露光用光源としてのレーザビームを発生させる素子であるレーザダイオードを有するスキャナユニット205、206とからなる。このように、本実施形態は、トナーカートリッジを4色それぞれに対応して有しているが、スキャナユニットに関しては、イエロー及びマゼンタの2色に対して206、シアン及びブラックに対して205の2つのスキャナユニットが設けられているのが特徴である。このスキャナユニット205及び206に関しては後で詳しく説明する。
【0040】
本実施形態における、画像形成の一連のプロセスを説明する。本実施形態のレーザプリンタ201は、ホストコンピュータ202から画像データを受信すると、ビデオコントローラ203で受信した画像データをビットマップデータに展開し、画像形成用のビデオ信号を生成する。ビデオコントローラ203とエンジンコントローラ204とはシリアル通信を行い、互いに情報を送受信する。ビデオ信号はエンジンコントローラ204に送信され、エンジンコントローラ204はビデオ信号に応じてスキャナユニット205と206内のレーザダイオード(不図示)を駆動し、トナーカートリッジ207〜210内の感光ドラム301〜304上にそれぞれ画像を形成する。なお、301〜304の感光ドラムのうち、301はブラック、302はシアン、303はマゼンタ、304はイエローの画像の形成に利用される。
【0041】
これら4つの感光ドラムは、中間転写ベルト211に接しており、各色の感光ドラム上に形成された画像が中間転写ベルト211上に転写されて順次重ね合わされていくことにより、カラー画像が形成される。各色の画像は、まず最初にイエロー(Y)の画像が中間転写ベルト211に転写され、その上に、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の順に転写され、カラー画像が形成される。
【0042】
一方、感光ドラム301は、図示しないドラムモータによって一定速度で回転駆動される。感光ドラム301は帯電ローラ305によって表面を一様に帯電され、この表面をビデオコントローラで作成されたビデオ信号で変調されたレーザビームが走査することで、目には見えない静電潜像が形成される。静電潜像は各トナーカートリッジに設けられた現像器309〜312によってトナー像として可視化される。
【0043】
また、カセット314内の記録紙は給紙ローラ316によって、レジストローラ319まで給紙され、該レジストローラ319の駆動タイミングによって、中間転写ベルト211上の画像に同期して記録紙が搬送される。そして、カラー画像は転写ローラ318によって中間転写ベルトITB211から記録紙に転写される。(2次転写)画像が転写された記録紙は定着器313で、熱と圧力によって、画像が定着された後、プリンタの上部、排紙トレイ317に排出される。
【0044】
また、中間転写ベルト211上の画像のレジスト位置をモニタするレジスト検知センサ212が設けられている。このセンサは、中間転写ベルト211上に形成された各色の画像の位置を読み取り、ビデオコントローラ203あるいはエンジンコントローラ204にそのデータをフィードバックすることにより各色の画像レジスト位置を調整し、色ずれを防止するためのものである。
【0045】
図1は、図3におけるスキャナユニット205及び206の構成を詳細に示した図である。なお、205と206は同一構成である為、シアン及びブラック用のスキャナユニット205の構成について説明する。
【0046】
図1において、101および102はレーザダイオードであり、エンジンコントローラ204で生成されたビデオ信号によって、感光ドラム301及び302上をそれぞれ走査するレーザを発光する。便宜上、101を第1のレーザダイオード(LD1)、102を第2のレーザダイオード(LD2)と称する。103は回転多面鏡としてのポリゴンミラーであり、図示しないモータによって図中の矢印Aの方向に一定速度で回転され、レーザダイオードLD1及びLD2からのビームを反射して走査光とする。上述のモータは、エンジンコントローラ204から速度制御信号として加速信号と減速信号とを受信し一定速度になるように制御されポリゴンミラー103を回転させる。
【0047】
106は、レーザダイオードLD1の走査路上にあって、水平同期信号を生成する為に、レーザビームが入射されると信号を発生する光センサであり、BD(beam detect)センサと呼ぶ。なお、BDセンサはレーザダイオードLD1の走査経路上にのみ設けられており、他方のレーザダイオードLD2の走査経路上には設けられていない。
【0048】
レーザダイオードLD1から発せられたレーザビームは、ポリゴンミラー103により反射された後、折り返しミラー104でさらに反射されて感光ドラム301上を右から左方向に走査する。
【0049】
なお、実際にはレーザビームの経路には、感光ドラム上に焦点をあわせる為、あるいはレーザビームを拡散光から平行光に変換する為に、不図示の各種レンズ郡が設けられている。
【0050】
通常、ビデオコントローラ203は、BDセンサ106の出力信号を検知してから所定時間後に、ビデオ信号をエンジンコントローラ204に対して送信する。これにより、感光ドラム上のレーザビームによる画像の主走査の書き出し位置が常に一致するように制御される。
【0051】
一方、レーザダイオードLD2についても、レーザダイオードLD1と同様にして感光ドラム302上に静電潜像を形成する。
【0052】
なお、BDの検知に関して、レーザダイオード102の走査経路上にはBDセンサは存在しないので、レーザダイオードLD2用のBD信号はエンジンコントローラ204が生成する。以下の説明では、このBDセンサを有していないレーザ側の水平同期信号を擬似/BD信号と呼ぶことにする。この信号の生成方法の詳細については後で説明する。
【0053】
このようにして、BDセンサ106を有している側のレーザダイオードLD1によるブラック(BK)の色画像が感光ドラム301上に、また、BDセンサ106を有していない側のレーザダイオードLD2によるシアン(C)の色画像が感光ドラム302上に形成される。本例では、ブラック(BK)側はBDセンサを有していて、シアン(C)側はBDセンサを有していないが、これとは逆に、ブラック(BK)側はBDセンサを有していなく、シアン(C)側はBDセンサを有している構成でも良い。
【0054】
スキャナユニット205と同様な構成であるスキャナユニット206については、感光ドラム303上にマゼンタ(M)、感光ドラム304上にイエロー(Y)の色画像がそれぞれ形成される。ここで、イエロー(Y)側はBDセンサを有していなく、マゼンタ(M)側はBDセンサを有しているが、これとは逆に、マゼンタ(M)側はBDセンサを有していなく、イエロー(Y)側はBDセンサを有している構成でも良い。
【0055】
次に、擬似BD信号の生成方法について、図2のブロック図を用いて説明する。
【0056】
エンジンコントローラ204内部には、ASIC402とCPU403が備えられていて、ASIC402とCPU403はアドレス/データバスで接続されている。また、クロックジェネレータIC208が備えられている。このASIC402は、擬似/BD信号を生成する回路を備え、主走査書き出し位置タイミングを検知する為にレーザ発光を制御する為のレーザ制御信号A(206)及びレーザ制御信号B(207)を生成している。
【0057】
BDセンサ106からの水平同期信号である/BD信号401は、エンジンコントローラ204内のASIC404とビデオコントローラ203に入力される。クロックジェネレータIC208は、クロックCLK722から/BD信号401に同期したクロックsyncCLK209を生成する。
【0058】
図17は、クロックCLK722から/BD信号401に同期したクロックsyncCLK209を生成する様子を示すタイミングチャートである。まず、ASIC402は/BD信号401を受信し、BD周期をsyncCLK209でカウントして算出し、そのBD周期を利用してCPU403は擬似/BD信号の補正値を計算し、アドレスデータバスを通して、ASIC402にその補正値を入力する。そして、ASIC402は、その補正値から/BD401からの遅延量を算出し、syncCLK209とその補正値から/BD401を遅延させ、擬似/BD信号404を生成する。
【0059】
ビデオコントローラ203は、BDセンサ106からの出力である/BD信号401と、ASIC402で生成された擬似/BD信号404を受信する。また、BDセンサ106が検知してからある所定タイミングでビデオコントローラ203から画像データVDO1・VDO2が、スキャナ205のLD1(101)とLD2(102)へ出力される。その画像データVDO1・VDO2に基づいて、上述のように画像が形成されて記録紙に印刷される。
【0060】
また、色ずれを防止する為に、レジスト検知センサ212で、中間転写ベルト211に形成された、BDセンサが有る側の色とBDセンサが無い側の色の画像の位置を読み取り、画像のレジスト位置を調整する。
【0061】
次に、ポリゴンミラー103の4面それぞれに対する補正値の計算方法と擬似/BD信号の生成方法について、図5のタイミングチャートと図10のポリゴンミラーとレーザとBDセンサの位置関係を示す図を用いて説明する。
【0062】
図10に示すように、ポリゴンミラー103の各面をA、B、C、Dとする。ASIC402によって算出されたポリゴンミラー103の各面の/BD信号401の周期(以下、単にBD周期とも称する)が、図5に示すように、A面がxa、B面がxb、C面がxc、D面がxdであり、4つの面のうち、B面のBD周期xbが最も短いと想定する。
【0063】
ここで、BD周期が最も短いB面を基準面とし、各面の擬似/BD信号の補正値として、/BD信号を使用する面のBD周期から最も短いB面のBD周期を減算した値を使用する。これは、図10に示されたように、/BD信号を使用している面と、擬似/BD信号を使用している面とが異なるためであり、例えば、/BD信号をA面に対して使用しているときは、擬似/BD信号はB面に対して使用される。また、補正値はポリゴンミラーに依存し経時変化はほとんど無いので、/BD信号に基づいた書き出しタイミングは一定である。
【0064】
よって、各面の擬似/BD信号の補正値は、
A面の/BD信号に対応するB面の擬似/BD信号の補正値は、
(A面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xa−xb
B面の/BD信号側に対応するC面の擬似/BD信号の補正値は、
(B面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xb−xb=0
C面の/BD信号側に対応するD面の擬似/BD信号の補正値は、
(C面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xc−xb
D面の/BD信号側に対応するA面の擬似/BD信号の補正値は、
(D面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xd−xa
となる。
【0065】
これらの補正値を使用して、A面の/BD信号からB面の擬似/BD信号を生成する際には、/BD信号から(xa−xb)クロックだけ遅らせた擬似/BD信号を生成して出力する。同様に、B面の/BD信号からC面の擬似/BD信号を生成する際には、補正値が0なので、/BD信号そのものを擬似/BD信号として出力する。C面の/BD信号からD面の擬似/BD信号を生成する際には、補正値がxc−xbなので、/BD信号から(xc−xb)クロックだけ遅らせた擬似/BD信号を生成して出力する。D面の/BD信号からA面の擬似/BD信号を生成する際には、補正値がxd−xaなので、/BD信号から(xd−xa)クロックだけ遅らせた擬似/BD信号を生成して出力する。図5には、このようにして/BD信号401から生成された、擬似/BD信号404の例を示した。
【0066】
次に、ASIC402の内部の回路構成とその動作について、図7のブロック図を参照して説明する。
【0067】
図示されたように、本実施形態のASIC402は、2bitカウンタ701、17bitカウンタ707、4つの22bit加算器708〜711、5bitシフタ712、4つの17bitレジスタ713〜716、5bitカウンタ717、4つの8bitレジスタ718〜721、8bitカウンタ724を備えている。
【0068】
各部の動作を説明すると、まず、2bitカウンタ701にはスキャナユニット205のBDセンサ106から出力される/BD信号401と、CPU403とASIC402のアドレスデータバスADDRESSDATABUS723の信号ラインを介して、擬似/BD信号の生成を開始させる為の制御信号poristart702が入力される。/BD信号から、ポリゴンミラー103のどの面をレーザが照射しているかがわかるように、2bitカウンタ701の、00→01→11→10→00と循環的に変化する4つのカウンタ値をそれぞれの面に対応させる。例えば、カウンタ値(DATA)が00の時をA面とすると、01の時はB面、11の時はC面、10の時はD面にそれぞれ対応する。そして、図4に示すタイミングチャートのように、2bitカウンタ701の出力信号のうち、A面のBD周期を測定している時は、信号sela703、B面のBD周期を測定している時は、信号selb704、C面のBD周期を測定している時は、信号selc705、D面のBD周期を測定している時は、信号seld706が、それぞれHighレベルになる。
【0069】
次に、17bitカウンタ707により、syncCLK209のクロック数がカウントされる。sela703、selb704、selc705、seld706のいずれかがHighレベルとなった時に、それぞれのポリゴンミラー103の面のBD周期のカウント値を示すDATA信号が、対応する22bit加算器708、709、710、711に入力されて32回ずつ加算される。そして、32回の加算の合計値を32で除算して1周期の平均値を計算する為に、その加算の合計値を示すDATA01、DATA10、DATA11、DATA10の各信号を5bitシフタ712によって5bit下位にシフトし、上位5ビットを削除する。
【0070】
シフトされた各カウント値は、対応する17bitレジスタ713、714、715、716にそれぞれ格納される。5bitカウンタ717によって、それぞれのポリゴンミラー103のBD周期を32回分加算したことを検知すると、BD周期の加算を終了させる信号poriend718が出力される。上述のように、このとき17bitレジスタ713、714、715、716にはBD周期の平均値が格納されており、poriend718が出力されると、ADDRESSDATABUS723を介してそれぞれの32回分のBD周期の平均値xa、xb、xc、xdをCPUが読み取ることが出来る。また、poriend718もADDRESSDATABUS723を使用してCPU403が読むことが出来るので、このporiend718が出力されるのを検知したら、CPU403はBD周期の平均値xa、xb、xc、xdを読み出す。
【0071】
次に、CPU403は、上記のBD周期の平均値xa、xb、xc、xdからポリゴンミラー各面に対応した補正値xas、xbs、xcs、xdsを上述の式に従って算出し、ADDRESSDATABUS723を介して、ASIC402の8bitレジスタ718、719、720、721の対応した補正値xas、xbs、xcs、xdsをそれぞれ入力する。2bitカウンタ701から出力される信号sela703、selb704、selc705、又はseld706によっていずれかの8bitレジスタが選択され、選択された8bitレジスタに格納されている補正値xas’、xbs’、xcs’、xd’のいずれかが8bitカウンタ724に入力され、syncCLK209のカウント数に従って擬似/BD信号404がビデオコントローラ203に出力される。
【0072】
本実施形態では、ポリゴンミラー103の各面のBD周期の32回分の平均から補正値を計算したが、平均周期の算出基準となる周期の数は、この限りではない。例えば、各面のBD周期を64回加算して平均周期を算出する場合には、6bit下位にシフトし上位5bitを削除すればよい。
【0073】
以上説明した一連の動作におけるCPU403及びASIC402における処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
最初に、CPU403はスキャナモータの回転駆動をASIC402に対して指示する(ステップS601)。次に、CPU403はASIC402に対し、BD周期測定の開始を指示する(ステップS602)。これに応じて、ASIC402はポリゴンミラーの各面のBD周期を所定数(32回)加算し(ステップS603)、ポリゴンミラーの各面のBD周期の平均値を算出する。各面のBD周期が測定されると、ASIC402はCPU403に対してBD周期測定終了信号poriendを出力する。
【0075】
BD周期測定終了信号poriendが出力された(trueになった)のを確認した後(ステップS604)、CPU403は、ASIC402が測定したポリゴンミラーの各面のBD周期の平均値xa,xb,xc,xdを読み込む(ステップS605)。次に、読み込み回数を示す変数nをインクリメントし(ステップS606)、nが3以上であるか否かを判定し(ステップS607)、nが3以上であれば各補正値xas、xbs、xcs、xdsを算出し(ステップS608)、nが2以下であれば、BD周期を再度測定する為に、ステップS602に戻り以降の処理を繰り返す。
【0076】
次に、CPU403は、(n)回目に測定したBD周期に基づいて算出した補正値xas(n),xbs(n),xcs(n),xds(n)と、(n−1)回目に測定したBD周期に基づいて算出した前回の補正値xas(n−1),xbs(n−1),xcs(n−1),xds(n−1)と、(n−2)回目に測定したBD周期に基づいて算出した前々回の補正値xas(n−2),xbs(n−2),xcs(n−2),xds(n−2)を下記に示すように比較する(ステップS609)。全ての条件を満たせば(全ての式が正しい)、補正値xas(n),xbs(n),xcs(n),xds(n)をASIC402の補正レジスタにセットする(ステップS610)。1つでも条件を満たさなければ、今回求めた補正値を無効とすべく、今回の補正値(n)を前回求めた補正値(n−1)で置き換え、前回求めた補正値(n−1)を前々回の補正値(n−2)で置き換える(ステップS611)。その後、ステップS602に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0077】
ここで、ステップS609における条件式は、
|xas(n)−xas(n−1)|≦α
|xbs(n)−xbs(n−1)|≦α
|xcs(n)−xc(n−1)|≦α
|xds(n)−xd(n−1)|≦α
|xas(n−1)−xas(n−2)|≦α
|xbs(n−1)−xbs(n−2)|≦α
|xcs(n−1)−xcs(n−2)|≦α
|xds(n−1)−xds(n−2)|≦α
|xas(n−2)−xas(n)|≦α
|xbs(n−2)−xbs(n)|≦α
|xcs(n−2)−xcs(n)|≦α
|xds(n−2)−xds(n)|≦α
である。なお、これらの条件式におけるαは任意の値である。
【0078】
以上の処理により、ASIC402から擬似/BD信号404が出力される。
【0079】
以上、説明したように本実施形態によれば、2つの色に対して共通のスキャナを用いる構成において、ポリゴンミラーの各面のBD周期を測定し、そのBD周期の差に基づいてBDセンサがない色のBD信号(擬似BD信号)を生成するようにしたので、BDセンサの数を減らしつつ、ポリゴンミラーの面分割誤差を小さくせずに各色の画像の位置合わせ精度を向上させて高品位な画像の形成が可能となる。
【0080】
(第2の実施形態)
以下、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態について説明する。以下の説明では、上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0081】
図9は、本実施形態に係る画像形成装置としてのカラーレーザプリンタ(以下、単にレーザプリンタと称する)の構成を示す断面図である。また、図8は、図9におけるスキャナユニット905の構成を詳細に示した図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる主な点は、スキャナユニットは1つであり、1つのポリゴンミラー809を使用して4色の画像の形成を行うことである。すなわち、本実施形態では4つの色に対して共通のスキャナを使用する。
【0082】
画像形成部は、像担持体としての感光ドラム301〜304を有するトナーカートリッジ207〜210と、画像露光用光源としてのレーザビームを発生させる素子であるレーザダイオードを有するスキャナユニット905とからなる。このように、本実施形態は、トナーカートリッジを4色それぞれ対応して有しているが、スキャナユニットに関しては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対して共通の1つのスキャナユニット905のみを有するのが特徴である。
【0083】
次に、このスキャナユニット905に関しては第1の実施形態と異なる点を詳しく説明する。
【0084】
図8において、801、802、803、804はレーザダイオードであり、エンジンコントローラ204で生成されたビデオ信号によって、感光ドラム805、806、807、808上をそれぞれ走査するレーザを発光する。便宜上、801を第1のレーザダイオード(LD1)、802を第2のレーザダイオード(LD2)、803を第3のレーザダイオード(LD3)、804を第4のレーザダイオード(LD4)と称する。809は回転多面鏡としてのポリゴンミラーであり、図示しないモータによって図中の矢印Aの方向に一定速度で回転され、レーザダイオードLD1、LD2、LD3およびLD4からのビームを反射して走査光とする。上述のモータは、エンジンコントローラ204から速度制御信号として加速信号と減速信号とを受信し一定速度になるように制御されポリゴンミラー809を回転させる。
【0085】
本実施形態では、BDセンサ106はレーザダイオードLD1の走査経路上にのみ設けられており、他のレーザダイオードLD2、LD3、LD4の走査経路上には設けられていない。
【0086】
レーザダイオードLD1から発せられたレーザビームは、ポリゴンミラー809により反射された後、折り返しミラー810でさらに反射されて感光ドラム805上を右から左方向に走査して静電潜像を形成する。一方、レーザダイオードLD2についても、レーザダイオードLD1と同様に、感光ドラム806上を走査して静電潜像を形成する。また、LD3及びLD4についても、レーザダイオードLD1と同様に、感光ドラム807及び808上をそれぞれ走査して静電潜像を形成する。
【0087】
なお、BDの検知に関して、レーザダイオードLD2用のBD信号、レーザダイオードLD3用のBD信号およびLD4用のBD信号は、エンジンコントローラ204が生成する。生成方法の詳細については後で説明する。
【0088】
このようにして、BDセンサ106を有しているレーザダイオードLD1によるブラック(BK)の色画像が感光ドラム805上に、また、BDセンサ106を有していないレーザダイオードLD2、LD3及びLD4によるシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の色画像が、感光ドラム806、807及び808上にそれぞれ形成される。
【0089】
なお、本実施形態ではブラック(BK)に対してのみBDセンサを有する構成であるが、別の1つの色(シアン、マゼンタ、イエローのいずれか)に対してのみBDセンサを有する構成としてもよい。
【0090】
本実施形態における擬似BD信号の生成方法については、第1の実施形態と同様である。
【0091】
図19は、本実施形態のASIC402の内部の回路構成を図7と同様に示すブロック図である。ASICにおいて第1の実施形態と異なる点は、擬似/BD信号を生成する回路として、シアン(C)用擬似/BD生成回路1901、マゼンタ(M)用擬似/BD生成回路1902、イエロー(Y)用擬似/BD生成回路1903の3つの擬似/BD生成回路がある点である。
【0092】
次に、ポリゴンミラー809の4面それぞれに対する補正値の計算方法と擬似/BD信号の生成方法について、図18のタイミングチャートと図11のポリゴンミラーとレーザとBDセンサの位置関係を示す図を用いて説明する。
【0093】
図11に示すように、ポリゴンミラー809の各面をA、B、C、Dとする。ASIC402によって算出されたポリゴンミラー809の各面の/BD信号401の周期(以下、単にBD周期とも称する)が、図18に示すように、A面がxa、B面がxb、C面がxc、D面がxdであり、4つの面のうち、B面のBD周期xbが最も短いと想定する。
【0094】
ここで、BD周期が最も短いB面を基準面とし、各面の擬似/BD信号の補正値として、/BD信号を使用する面のBD周期から最も短いB面のBD周期を減算した値を使用する。これは、図11に示されたように、/BD信号を使用している面と、擬似/BD信号を使用している面とが異なるためであり、例えば、ブラック用の/BD信号をA面に対して使用しているときは、イエロー用の擬似/BD信号はB面、マゼンタ用の擬似/BD信号はC面、シアン用の擬似/BD信号はD面に対してそれぞれ使用される。また、補正値はポリゴンミラーに依存し経時変化はほとんど無いので、/BD信号に基づいた書き出しタイミングは一定である。
【0095】
例として、イエロー(Y)用の擬似BD信号1903の補正値の計算方法を以下に示す。
【0096】
/BD信号401側のA面に対応するイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のB面の補正値は、
(A面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xa−xb
となる。
【0097】
/BD信号401側のB面に対応するイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のC面の補正値は、
(B面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xb−xb=0
となる。
【0098】
/BD信号401側のC面に対応するイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のD面の補正値は、
(C面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xc−xb
となる。
【0099】
/BD信号401側のD面に対応するイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のA面の補正値は、
(D面のBD信号の周期)−(一番短いBD周期)=xd−xa
となる。
【0100】
よって、A面の/BD信号401からイエロー(Y)用擬似/BD信号を生成する際には、/BD信号401から(xa−xb)クロックだけ遅らせたイエロー(Y)用擬似/BD信号1903を生成して出力する。
【0101】
B面の/BD信号401からイエロー(Y)用擬似/BD信号を生成する際には、/BD信号401そのものをイエロー(Y)用擬似/BD信号1903として出力する。
【0102】
C面の/BD信号401からイエロー(Y)用擬似/BD信号を生成する際には、/BD信号401から(xc−xb)クロックだけ遅らせたイエロー(Y)用擬似/BD信号1903を生成して出力する。
【0103】
D面の/BD信号401からイエロー(Y)用擬似/BD信号を生成する際には、/BD信号401から(xd−xa)クロックだけ遅らせたイエロー(Y)用擬似/BD信号1903を生成して出力する。
【0104】
以上のようにして、図18に示すように、各面の/BD信号401から、対応するイエロー(Y)用擬似/BD信号1903が生成される。
【0105】
次に、マゼンタ(M)用の擬似/BD信号1902の補正値の計算方法を以下に示す。
【0106】
イエロー(Y)用擬似/BD信号1903のB面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のC面との時間差は、0であり、
/BD信号401のA面とイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のB面との補正値は、xa−xbであるので、/BD信号401側のA面に対応するマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902のC面の補正値は、
0+xa−xb=xa−xb
となる。
【0107】
イエロー(Y)用擬似/BD信号1903のC面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のD面との時間差は、xc−xbであり、/BD信号401のB面とイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のC面との補正値は、0であるので、/BD信号401側のB面に対応するマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902のD面の補正値は、
xc−xb+0=xc−xb
となる。
【0108】
イエロー(Y)用擬似/BD信号1903のD面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のA面の時間差は、xd−xbであり、/BD信号401のC面とイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のD面との補正値は、xc−xbであるので、/BD信号401側のC面に対応するマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902のA面の補正値は、
xc−xb+xd−xb=xc+xd−2xb
となる。
【0109】
イエロー(Y)用擬似/BD信号1903のA面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のB面の時間差は、xa−xbであり、/BD信号401のD面とイエロー(Y)用擬似/BD信号1903のA面との補正値は、xd−xbであるので、/BD信号401側のD面に対応するマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902のB面の補正値は、
xa−xb+xd−xb=xa+xd−2xb
となる。
【0110】
よって、A面の/BD信号401からマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成する際には、/BD信号401から(xa−xb)クロックだけ遅らせたマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成して出力する。
【0111】
B面の/BD信号401からマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成する際には、/BD信号401から(xc−xb)クロックだけ遅らせたマゼンタ(M)用擬似/BD1902を生成して出力する。
【0112】
C面の/BD信号401からマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成する際には、/BD信号401から(xc+xd−2xb)クロックだけ遅らせたマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成して出力する。
【0113】
D面の/BD信号401からマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成する際には、/BD信号401から(xa+xd−2xb)クロックだけ遅らせたマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902を生成して出力する。
【0114】
以上のようにして、図18に示すように、各面の/BD信号401から、対応するマゼンタ(M)用擬似/BD信号1902が生成される。
【0115】
また、シアン(C)用の擬似/BD信号1901の補正値の計算方法を以下に示す。
【0116】
マゼンタ(M)用擬似/BD1902のC面とシアン(C)用擬似/BD信号1901のD面との時間差は、xc−xbであり、/BD信号401のA面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のC面との補正値は、xa−xbであるので、/BD信号401側のA面に対応するシアン(C)用擬似/BD信号1901のD面の補正値は、
xc−xb+xa−xb=xa+xc−2xb
となる。
【0117】
マゼンタ(M)用擬似/BD1902のD面とシアン(C)用擬似/BD信号1901のA面との時間差は、xd−xbであり、/BD信号401のB面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のD面との補正値は、xc−xbであるので、/BD信号401側のB面に対応するシアン(C)用擬似/BD信号1901のA面の補正値は、
xd−xb+xc−xb=xc+xd−2xb
となる。
【0118】
マゼンタ(M)用擬似/BD1902のA面とシアン(C)用擬似/BD信号1901のB面との時間差は、xa−xbであり、/BD信号401のC面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のA面との補正値は、xc+xd−2xbであるので、/BD信号401側のC面に対応するシアン(C)用擬似/BD信号1901のB面の補正値は、
xa−xb+xc+xd−2xb=xa+xc+xd−3xb
となる。
【0119】
マゼンタ(M)用擬似/BD1902のB面とシアン(C)用擬似/BD信号1901のC面との時間差は、0であり、/BD信号401のD面とマゼンタ(M)用擬似/BD1902のB面との補正値は、xa+xd−2xbであるので、/BD信号401側のD面に対応するシアン(C)用擬似/BD信号1901のC面の補正値は、
0+xa+xd−2xb=xa+xd−2xb
となる。
【0120】
よって、A面の/BD信号401からシアン(C)用擬似/BD信号1901そ生成する際には、/BD信号401から(xa+xc−2xb)クロック遅らせたシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成して出力する。
【0121】
B面の/BD信号401からシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成する際には、/BD信号401から(xc+xd−2xb)クロック遅らせたシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成し、出力する。
【0122】
C面の/BD信号401からシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成する際には、/BD信号401から(xa+xc+xd−3xb)クロック遅らせたシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成し、出力する。
【0123】
D面の/BD信号401からシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成する際には、/BD信号401から(xa+xd−2xb)クロック遅らせたシアン(C)用擬似/BD信号1901を生成し、出力する。
【0124】
以上のようにして、図18に示すように、各面の/BD信号401から、対応するシアン(C)用擬似/BD信号1901が生成される。
【0125】
以上、説明したように本実施形態によれば、4つの色に対して共通のスキャナを用いる構成において、ポリゴンミラーの各面のBD周期を測定し、そのBD周期の差に基づいてBDセンサがない色のBD信号(擬似BD信号)を生成するようにしたので、BDセンサの数を減らしつつ、ポリゴンミラーの面分割誤差を小さくせずに各色の画像の位置合わせ精度を向上させて高品位な画像の形成が可能となる。
【0126】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、例えば、カラーレーザプリンタのように、4つのレーザ発生手段と像担持体とが必要な構成において、回転多面鏡とレーザ検出手段との数を減らした場合においても、回転多面鏡の面分割誤差を小さくせずに各色の画像の位置合わせ精度を向上させて高品位な画像の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるスキャナユニットの構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の制御構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の構成を示す断面図である。
【図4】ASIC内部のポリゴンミラー面位置を示す信号のタイミングチャートである。
【図5】第1の実施形態での擬似/BD信号生成方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第1の実施形態でのCPUの処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態のASICの回路構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態におけるスキャナユニットの構成を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態の構成を示す断面図である。
【図10】第1の実施形態のポリゴンミラーとレーザとBDセンサの位置関係を示す図である。
【図11】第2の実施形態のポリゴンミラーとレーザとBDセンサの位置関係を示す図である。
【図12】ポリゴンミラーの各鏡面の面分割誤差を説明する図である。
【図13】BD周期の例を示すグラフである。
【図14】理想的なBD周期と実際のBD周期とを時間を横軸にとって表したグラフである。
【図15】従来のスキャナユニットにおけるレーザ、ポリゴンミラー及びBDセンサの位置関係を示す図である。
【図16】図15に示したスキャナユニットの各信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図17】第1の実施形態でクロックから/BD信号401に同期したクロックを生成する様子を示すタイミングチャートである。
【図18】第2の実施形態での擬似/BD信号生成方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】第2の実施形態のASICの回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 レーザダイオード
102 レーザダイオード
103 ポリゴンミラー
106 BDセンサ
203 ビデオコントローラ
204 エンジンコントローラ
211 中間転写ベルト
212 レジスト検出センサ
301 感光ドラム
302 感光ドラム
Claims (4)
- 回転する回転多面鏡に一の発光素子からのレーザビームを入射するとともに、該入射に並行して、前記回転多面鏡における前記一の発光素子からのレーザビームが入射されている面とは異なる面に複数の発光素子からの夫々のレーザビームを入射し、前記回転多面鏡による前記一の発光素子及び前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームの走査により、前記一の発光素子及び前記複数の発光素子の夫々に対応する像担持体に静電潜像を形成し、前記像担持体の夫々に形成された静電潜像にトナー像を可視化させ、該可視化されたトナー像に基づき画像形成を行う画像形成装置であって、
前記一の発光素子に対応して設けられ、前記回転多面鏡により走査される前記一の発光素子からのレーザビームを検出する検出手段と、
前記検出手段による検出に応じて、前記一の発光素子からのレーザビームにより前記像担持体に主走査方向の静電潜像を書き込むタイミングを決めるための水平同期信号を生成する信号生成手段と、
前記検出手段により前記回転多面鏡の各面によって走査される前記一の発光素子からのレーザビームが順次検出されることに基づくレーザビーム検出の間隔を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された間隔と、前記検出手段による前記一の発光素子からのレーザビームの検出と、に基づき、前記一の発光素子からのレーザビームの前記回転多面鏡への入射と並行して入射がなされる前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームにより対応する前記像担持体に静電潜像を書き込む前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを、前記複数の発光素子からの前記回転多面鏡により走査されるレーザビームを検出することなく決定するタイミング決定手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記回転多面鏡はN面の鏡面を有し、
前記タイミング決定手段は、前記回転多面鏡の回転に応じて前記一の発光素子からのレーザビームが入射される面がN−1回変更される場合に、各面毎に異なる前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 回転する回転多面鏡に一の発光素子からのレーザビームを入射するとともに、該入射に並行して、前記回転多面鏡における前記一の発光素子からのレーザビームが入射されている面とは異なる面に複数の発光素子からの夫々のレーザビームを入射し、前記回転多面鏡による前記一の発光素子及び前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームの走査により、前記一の発光素子及び前記複数の発光素子の夫々に対応する像担持体に静電潜像を形成し、前記像担持体の夫々に形成された静電潜像にトナー像を可視化させ、該可視化されたトナー像に基づき画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、
前記一の発光素子に対応して設けられた検出手段を用いて、前記回転多面鏡により走査される前記一の発光素子からのレーザビームを検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる検出に応じて、前記一の発光素子からのレーザビームにより前記像担持体に主走査方向の静電潜像を書き込むタイミングを決めるための水平同期信号を生成する信号生成ステップと、
前記検出ステップにおいて前記回転多面鏡の各面によって走査される前記一の発光素子からのレーザビームが順次検出されることに基づくレーザビーム検出の間隔を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて測定された間隔と、前記一の発光素子からのレーザビームの検出と、に基づき、前記一の発光素子からのレーザビームの前記回転多面鏡への入射と並行して入射がなされる前記複数の発光素子からの夫々のレーザビームにより、対応する前記像担持体に静電潜像を書き込む前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを、前記複数の発光素子からの前記回転多面鏡により走査されるレーザビームを検出することなく決定するタイミング決定ステップと
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。 - 前記回転多面鏡はN面の鏡面を有し、
前記タイミング決定ステップは、前記回転多面鏡の回転に応じて前記一の発光素子からのレーザビームが入射される面がN−1回変更される場合に、各面毎に異なる前記複数の発光素子夫々におけるタイミングを決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置の制御方法。
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