JP4379213B2 - 穿孔具及びファイル - Google Patents

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Description

本発明は、紙等の紙葉類に穿孔可能な穿孔具及びこの穿孔具を備えたファイルに関するものである。
従来より、雄刃とこの雄刃が嵌入可能な嵌入孔とを備え、雄刃と嵌入孔との間に用紙を挟んだ状態で雄刃を嵌入孔に嵌入することにより用紙に穿孔する穿孔具が各種考えられている。その一例として、基台に雄刃の径より大きい径を有する嵌入孔を形成するとともに、この基台に対して回動自在な可動体に雄刃を設け、この雄刃を嵌入孔に嵌入する操作に伴って、雄刃の先端部に一体に設けた刃部が用紙を突き破ることにより穿孔するものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。
特許2855569(図1及び図4等参照)
しかしながら、従来のものは、上述した通り、嵌入孔の径を雄刃の径よりも大きく設定しているため、雄刃を嵌入孔に嵌入した状態において雄刃と嵌入孔とのクリアランスが生じる。その結果、穿孔時に雄刃の刃部が用紙を押圧することにより用紙の一部、より具体的には穿孔操作によって用紙に形成される綴じ穴の縁部が雄刃と嵌入孔とのクリアランスに入り込み、穿孔作業をスムーズに行うことができないという不具合が生じ得るものである。しかも、嵌入孔は基台の肉厚方向に貫通させた孔そのものであるため、この嵌入孔が穿孔作用に積極的に寄与せず、穿孔具合(切れ味)が今ひとつ優れないという不具合もあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、雄刃の刃部に対応する刃部を雌刃に形成し、雄刃と雌刃とを嵌合させることにより穿孔作業をより的確かつスムーズに行うことができる穿孔具及びこのような穿孔具を備えたファイルを提供することにある。
すなわち、本発明に係る穿孔具の一つは、少なくとも雄刃と、当該雄刃が嵌合可能な雌刃とを具備してなり、前記雄刃と前記雌刃との間に紙等の紙葉類を挟んだ状態で前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させることにより前記紙葉類に穿孔するものであって、前記雄刃及び前記雌刃をそれぞれ硬度の異なる素材を用いて構成し、前記雄刃と前記雌刃との初回の嵌合時に、低硬度素材からなる前記雄刃が、高硬度素材からなり内周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部を形成している雌刃によって部分的に削り取られることにより、前記雄刃の外周面部に、前記雌刃の刃部に対応する概略鋸歯状の刃部を形成するように構成していることを特徴とする。
ここで「低硬度素材」とは、他方の素材に対して相対的に硬度が小さい素材を意味し、「高硬度素材」とは、他方の素材に対して相対的に硬度が大きい素材を意味する。このようなものであれば、雄刃と雌刃との初回の嵌合操作によって、両刃を構成するそれぞれの素材の硬度が異なることに起因して、低硬度素材からなる雄刃に、高硬度素材からなる雌刃に設けた刃部によって部分的に削り取られた刃部を形成するようにしているため、雄刃と雌刃とを嵌合させた際にこれら刃部同士が相互に緊密に噛み合うことで前記クリアランスが無い状態となり、これら各刃部が穿孔作用に積極的に寄与することにより、紙葉類に対する穿孔をより的確に且つスムーズに行うことができる。
しかも、前記雌刃の内周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の前記刃部を形成しているので、このような刃部を有する雌刃に雄刃を嵌合することにより、雄刃の外周面部にも概略鋸歯状の刃部が形成され、穿孔時における雄刃と雌刃との嵌合状態及び刃部同士の噛合状態をより密接なものとすることができ、穿孔作業をより好適に行うことができる。
特に、前記雄刃の径を、前記雌刃の径と略一致又は初回の嵌合操作時に前記雌刃と嵌合し得る程度の大きさに設定していれば、初回の嵌合操作時に、雄刃が雌刃に嵌合することによって雄刃に雌刃の刃部に対応する刃部を確実に形成することができる。
また、本発明に係る穿孔具の他の一つは、少なくとも雄刃と、当該雄刃が嵌合可能な雌刃とを具備してなり、前記雄刃と前記雌刃との間に紙等の紙葉類を挟んだ状態で前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させることにより前記紙葉類に穿孔するものであって、前記雄刃及び前記雌刃をそれぞれ硬度の異なる素材を用いて構成し、前記雄刃と前記雌刃との初回の嵌合時に、低硬度素材からなる前記雌刃が、高硬度素材からなり外周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部を形成している雄刃によって部分的に削り取られることにより、前記雌刃の内周面部に、前記雄刃の刃部に対応する概略鋸歯状の刃部を形成するように構成していることを特徴とする。
このようなものであっても、雄刃と雌刃との初回の嵌合操作によって、両刃を構成するそれぞれの素材の硬度が異なることに起因して、低硬度素材からなる雌刃に、高硬度素材からなる雄刃に設けた刃部によって部分的に削り取られた刃部を形成するようにしているため、雄刃と雌刃とを嵌合させた際にこれら刃部同士が相互に緊密に噛み合うことで前記クリアランスが無い状態となり、これら各刃部が穿孔作用に積極的に寄与することにより、紙葉類に対する穿孔をより的確に且つスムーズに行うことができる。
しかも、前記雄刃の外周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の前記刃部を形成しているので、このような刃部を有する雄刃に雌刃を嵌合することにより、雌刃の内周面部にも概略鋸歯状の刃部が形成され、穿孔時における雄刃と雌刃との嵌合状態及び刃部同士の噛合状態をより密接なものとすることができ、穿孔作業をより好適に行うことができる。
特に、前記雌刃の径を、前記雄刃の径と略一致又は初回の嵌合操作時に前記雄刃と嵌合し得る程度の大きさに設定していれば、初回の嵌合操作時に、雌刃が雄刃に嵌合することによって雌刃に雄刃の刃部に対応する刃部を確実に形成することができる。
この穿孔具をポップアップ式のものとする場合には、前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、この可動体を前記基台に対して前記雄刃と前記雌刃との嵌合又は嵌合解除方向と同一方向に進退動作させることにより前記可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成すればよい。
一方、穿孔具を回動式のものとする場合には、前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体と、前記基台と前記可動体との間に位置するヒンジ部とを具備してなり、このヒンジ部を介して前記可動体を回動させることによりこの可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成すればよい。この場合、前記基台と前記可動体とを連結する接続部を設け、この接続部を前記基台及び前記可動体よりも薄肉に設定することにより前記ヒンジ部として機能させれば、ヒンジ部を簡単な構成を採用して形成することができ好適である。
さらに、前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、前記基台に前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を一以上設けるとともに、前記可動体に他方を前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方に対応するように一以上設け、前記基台と前記可動体との間に、前記可動体を前記基台に近付ける操作に伴い前記雄刃と前記雌刃との嵌合よりも優先して係合することにより穿孔時における前記基台と前記可動体との相対位置を位置決めする係合手段を設けていれば、係合手段により穿孔時に基台と可動体との相対位置が位置ずれすることを防止することができ、雄刃と雌刃とを確実に嵌合させることができる。特に、雄刃及び雌刃をそれぞれ基台又は可動体に所定距離離間させて二以上設けた態様においては穿孔する箇所が複数となり、それぞれの穿孔箇所において雄刃と雌刃との嵌合に時差が生じ易い。そのような場合に係合手段により予め穿孔時に基台と可動体との相対位置の位置決めしておくことは有用である。
係合手段の具体的な実施態様としては、前記基台又は前記可動体の何れか一方に設けた凸部と、他方に設けられ前記凸部が係合可能な凹部とを用いて構成したものが挙げられる。
穿孔時における基台と可動体との相対位置をより確実に位置決めするためには、前記係合手段を複数設ければよい。
また、前記可動体を相対移動させて前記基台に所定距離近付けた際に、前記雄刃と前記雌刃との嵌合よりも優先して前記紙葉類に当接し、前記可動体をさらに前記基台に近付ける方向へ相対移動させる操作に伴って前記紙葉類を押圧することにより穿孔時において前記紙葉類を固定する押圧手段を前記可動体に設ければ、この押圧手段により、穿孔時に雄刃と雌刃との嵌合深さが深くなるにつれて雄刃と雌刃との間に挟んだ紙葉類が嵌合方向に引き摺り込まれることを防止することができる。
特に、押圧手段が、前記可動体に設けた前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方の周縁部近傍に設けた弾性部材であれば、可動体を基台に所定距離近付けた場合に紙葉類に当接した弾性部材は、可動体をさらに基台に近付ける方向へ相対移動させる操作に伴って弾性変形しながら紙葉類を押圧するため、穿孔作業に何ら支障を来たすことがなく好適である。
弾性部材を簡単且つ安価に製造するには、弾性部材をウレタン素材を用いて形成すればよい。
前記高硬度素材の一例としては、金属素材が挙げられるとともに、前記低硬度素材の一例としては、合成樹脂素材が挙げられる。
また、少なくとも前記雄刃が、前記基台又は前記可動体と一体成形したものであれば、部品点数の削減及びコストの削減に資する。
また、上記構成を有する穿孔具を備えたファイルとしては、穿孔具と、紙等の紙葉類を保持し得る表紙体とを具備してなり、穿孔具を前記表紙体の一部に設けたものが挙げられる。
特に、前記表紙体が、少なくとも表表紙と、この表表紙と対向し得る裏表紙とを具備するものであり、前記穿孔具が、前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、少なくとも前記基台を、前記表表紙又は前記裏表紙の内面側における縁部近傍に設けていれば、紙葉類を保持するというファイル本来の機能を損なうことなく、好適に穿孔操作も行うことができる。より具体的には、前記基台と前記可動体との間に位置するヒンジ部とを具備してなり、このヒンジ部を介して前記可動体を回動させることによりこの可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成するとともに、前記可動体を、前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させた嵌合状態において前記表表紙又は前記裏表紙の内面側における縁部近傍に位置し且つ前記雄刃と前記雌刃との嵌合を解除した状態において前記表表紙又は前記裏表紙の領域外に位置するように設定していることが好ましい。
また、前記基台を配設した前記表表紙又は前記裏表紙の内面部に、穿孔する前記紙葉類の載置箇所を位置決めする位置決め手段を設けていれば、この位置決め手段により、表紙体に対する紙葉類の載置箇所を位置決めするとともに、基台に対する紙葉類の位置をも位置決めすることが可能となり、紙葉類の所定箇所に確実に穿孔することができる。
前記位置決め手段を簡単に形成するには、位置決め手段を、前記基台を配設した前記表表紙又は前記裏表紙の内面側の縁部に沿って隆起させた枠部を利用して構成すればよい。
前記表表紙又は前記裏表紙に、前記穿孔具により所定箇所に綴じ穴が形成された前記紙葉類を前記綴じ穴を介して綴じ得る綴じ具を設け、前記枠部が、前記綴じ具に綴じられる前記紙葉類に略対応する形状をなすものであれば、穿孔具によって穿孔した紙葉類を綴じ具を用いて綴じることができるとともに、穿孔する紙葉類の載置位置を直感的に把握することができ、実用性に優れたものになる。
加えて、前記基台が、前記表表紙又は前記裏表紙における所定部位そのものを利用して形成したものであれば、基台を表紙体と別個に設ける態様と比較して構造の簡素化、及び部品点数の削減を有効に図ることができる。
また、前記穿孔具が、前記表紙体と一体成形したものであれば、コストの削減に資する。
以上説明したように本発明によれば、雄刃と雌刃との初回の嵌合によって、各刃にそれぞれ刃部が形成され、しかも、低硬度素材からなる一方の刃に形成される刃部が、雄刃と雌刃との初回の嵌合時に高硬度素材からなる他方の刃が有する刃部によって部分的に削り取られたものであるため、これら刃部同士が相互に緊密に噛合する関係となり、これら各刃部が穿孔作用に積極的に寄与することによって、紙葉類に対する穿孔をより的確に且つスムーズに行うことができる。
しかも、前記雌刃の内周面部又は雄刃の外周面部のうち高硬度素材からなる側にその周方向に沿って概略鋸歯状の前記刃部を形成しているので、このような刃部を有する雌刃又は雄刃の一方に他方を嵌合することにより、前記雌刃の内周面部又は雄刃の外周面部のうち低硬度素材からなるにも概略鋸歯状の刃部が形成され、穿孔時における雄刃と雌刃との嵌合状態及び刃部同士の噛合状態をより密接なものとすることができ、穿孔作業をより好適に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2等に示した本実施形態におけるファイルFは、用紙Pなどの紙葉類を綴じ込むために使用されるものであり、表紙体Hと、表紙体Hに設けた綴じ具Tと、用紙Pに穿孔する穿孔具Sとを主たる構成要素としている。
表紙体Hは、一対の表表紙H1及び裏表紙H2と、これら表表紙H1及び裏表紙H2の間に位置する背表紙H3とを一体に成形した例えば合成樹脂素材からなるものである。この表紙体Hは、背表紙H3と表表紙H1との境界部分、及び背表紙H3と裏表紙H2との境界部分にそれぞれヒンジ部として機能する薄肉部H4を設け、これら薄肉部H4を利用して表表紙H1と裏表紙H2とが対向し得るように表表紙H1及び裏表紙H2をそれぞれ背表紙H3に対して谷折りに折畳可能に構成されている。表表紙H1及び裏表紙H2は、このファイルFが保持可能な用紙Pの規格、例えばA4規格やB5規格等所定の規格より若干大きい概略相似形状をなし、本実施形態においては、裏表紙H2の所定箇所に綴じ具Tを取り付けている。なお、以下の説明においては、各表紙H1、H2、H3の長手方向に沿った縁部を側縁部とし、各表紙H1、H2、H3の長手方向に直交する方向に沿った縁部を上縁部及び下縁部とするとともに、表表紙H1及び裏表紙H2をそれぞれ背表紙H3に対して谷折りに折り畳んだ状態において、内面側に位置する部位を内面部とし、外面側に位置する部位を外面部とする。
綴じ具Tは、先端部同士が係合可能な一対のリング片T1a、T1bからなるリング部T1と、各リング片T1a、T1bの基端部を支持するベースT2とを備えたものであり、適宜の操作によりリング片T1a、T1bの先端部同士を係合させてなる閉塞姿勢と、リング片T1a、T1bの先端部同士の係合状態を解除して先端部同士を所定間隔離間させてなる開成姿勢との間でリング片T1a、T1b同士を相対移動可能に構成したものである。なお、本実施形態においては、リング部T1をベースT2の長手方向に沿って離間させた所定の2箇所に設けている。なお、綴じ具Tとして、既知の構成を有する種々の態様を採用してもよく、また、綴じ具Tを裏表紙H2に取り付けた態様を示しているが、斯かる綴じ具Tは表表紙H1や背表紙H3に取り付けて使用することができるのはいうまでもない。
穿孔具Sは、図3、図4等に示すように、表表紙H1の側縁部のうち前記薄肉部H4を設けていない側の側縁部近傍に設けた雌刃21と、この雌刃21に嵌合可能な雄刃11とを備えたものであり、本実施形態では雄刃11を表表紙H1に対して回動可能な可動体1に設けている。以下の説明において、「表表紙H1の側縁部のうち前記薄肉部H4を設けていない側の側縁部」を「表表紙H1の一方の側縁部」と称す。可動体1は、表表紙H1の一方の側縁部の長手方向略中央部位に、薄肉に設定された接続部3を介して分離不能に設けた略矩形状をなすものであり、この接続部3をヒンジ部として機能させることにより、表表紙H1の一方の側縁部近傍領域に略重合する重合位置(Q)(図1参照)と表表紙H1の領域外に位置する開放位置(R)(図2、図3参照)との間で表表紙H1に対して接離可能に回動するように設定してある。ここで、可動体1及び接続部3は、例えば合成樹脂素材からなり表紙体Hと一体成形されたものである。しかして、重合位置(Q)において表表紙H1と対面し得る可動体1の内面部に、内面部の面方向と直交する方向に向かって突出させてなる前記雄刃11を設けている。本実施形態においては、雄刃11を可動体1の長手方向に沿って離間させた所定の2箇所に設けており、雄刃11、11間の離間距離を、前記綴じ具Tのリング部T1、T1間の離間距離に対応させている。各雄刃11は可動体1と一体に成形された概略円筒状のものであり、各雄刃11の外周縁部近傍に例えばウレタン素材からなる概略円環状の弾性部材4を配設している。弾性部材4は、その中心部に形成した挿入孔41に雄刃11を挿入し接着剤等により可動体1の内面部に固着されており、この固着状態において雄刃11の突出寸法と弾性部材4の肉厚寸法が略同一となるように設定している。また、可動体1の内面部における長手方向略中央部位に、他の領域より可動体1の外面部側へ窪ませてなる凹陥部12を形成してある。この凹陥部12は、雄刃11間の所定部位に形成されたものであり、雄刃11と同一方向に突出させてなる凸部12aを所定距離離間させた2箇所に有する。各凸部12aは、可動体1と一体成形された概略円柱状のものであり、後述する表表紙H1の延出部23に形成した凹部23aに係合し得るように構成している。また、各凸部12aは、各雄刃11よりも接続部3に近い側に位置し、その先端位置が雄刃11の先端位置と略同一又は雄刃11の先端位置より若干低くなるように設定してある。加えて、可動体1の外面部には、可動体1を重合位置(Q)に位置付けた場合に、後述する表表紙H1の枠部H5に設けた係合爪H71が係合可能な凹段部13を上縁部及び下縁部にそれぞれ形成している。
一方、雌刃21は、前述した通り、表表紙H1の一方の側縁部近傍に取り付けられたものであり、具体的には、表表紙H1のうち、可動体1を前記重合位置(Q)に位置付けた際に可動体1に設けた各弾性部材4と重合し得る部位に取り付けられている。なお、以下の説明において、表表紙H1のうち、可動体1を重合位置(Q)に位置付けた場合に可動体1と対向し得る領域(図3及び図4において2点鎖線で示す領域)を「基台領域2」と称す。この基台領域2は本発明の「基台」に略相当するものであり、本実施形態では基台領域2に雌刃21を取り付けている。そして基台領域2における雌刃21の取付部位に、概略切頭円錐形状に隆起させてなる隆起部22を表表紙H1と一体に成形し、各隆起部22の中心部に肉厚方向に貫通する貫通孔22aを形成してある(図4(a)参照)。この貫通孔22aの径を、雄刃11の径より僅かに大きく設定している。雌刃21は、例えば薄板状の金属素材をプレス加工等によって隆起部22の形状に対応する概略切頭円錐形状にしたものであり、中心部に肉厚方向に貫通し且つ雄刃11が挿入可能な内周面部21aを形成している。この内周面部21aは、その径を雄刃11の径と略同一又は雄刃11と嵌合し得る程度に雄刃11より若干小さく設定され、その周方向に沿って概略鋸歯状の刃部21bを一体に形成してある。
ここで、雌刃21を表表紙H1の一方の側縁部近傍、すなわち基台領域2に取り付ける手順について図4を参照して説明する。先ず、雌刃21を可動体1の雄刃11に嵌合する。具体的には、雌刃21の切頭円錐凸面21cを可動体1側に位置させた状態で雌刃21を雄刃11に近付ける(同図(a))。この時点では、雄刃11は横断面形状が略真円状をなしている。そして、雌刃21の内周面部21aに雄刃11を嵌入させるように雌刃21を押圧することにより、雌刃21の内周面部21aの径を雄刃11の径と略同一又は雄刃11と嵌合し得る程度に雄刃11より若干小さく設定しているため、合成樹脂素材からなる雄刃11の外周面部11aが、金属素材からなる雌刃21の内周面部21aに形成した略鋸歯状の刃部21bによって部分的に削り取られ、雄刃11の外周面部11aに、内周面部21aの刃部21bに略対応する略鋸歯状の刃部11bが形成される(同図(b))。次いで、可動体1を開放位置(R)から重合位置(Q)に回動させる操作によって、雄刃11が基台領域2に設けた隆起部22の貫通孔22aに入り込むとともに雌刃21の切頭円錐凹面21dが隆起部22に重合する(同図(c))。これにより、予め雌刃21の頭円錐凹面21dに塗布した両面テープ又は接着剤等により各雌刃21が各隆起部22をそれぞれ被覆し得る位置に固着される。そして、可動体1を重合位置(Q)から開放位置(R)へ回動させると、雌刃21が基台領域2に取外不能に取り付けられ且つ雌刃21の内周面部21aと隆起部22の貫通孔22aとが連通した状態となる(同図(d))。このようにして雄刃11と雌刃21との初回の嵌合操作により、雄刃11に刃部11bを形成する。なお、雄刃11の外周縁部近傍に設けた弾性部材4は、雌刃21を可動体1側に押圧する操作に伴って可動体1と雌刃21との間に挟まれた状態で弾性変形するとともに、可動体1を重合位置(Q)から開放位置(R)へ回動させた場合に、弾性復帰して元の形状に復元する。
他方、表表紙H1及び裏表紙H2の内面部には、縁部に沿って隆起させてなる枠部H5を形成している。特に、表表紙H1の枠部H5のうち、可動体1が位置する側の側縁部における全部位、並びにこの側縁部に連続する上縁部及び下縁部の所定部位に位置する枠部H5を他の枠部H5よりさらに厚肉に設定し、これら厚肉部位により略コ字状の紙当たり部H6を形成している(図1及び図2参照)。この紙当たり部H6は、ファイルFに収容する用紙Pの規格に略対応する形状をなし、穿孔する用紙Pの一方の側縁部並びにこの側縁部側の上縁部及び下縁部を紙当たり部H6に当接又は近接させることにより表紙体Hに対する用紙Pの載置位置を位置決め可能に設定している。このように、枠部H5を利用して設けた紙当たり部H6が、穿孔する用紙Pの載置箇所を位置決めする位置決め手段としての役割を担う。さらに、表表紙H1の一方の側縁部の略中央部位、つまり基台領域2には、紙当たり部H6の頂面から他方の側縁部に向かって延出した延出部23を一体に設けている。この延出部23は、可動体1に形成した凹陥部12に略対応した形状を有する薄板状のものであり、可動体1を重合位置(Q)に位置付けた際に凹陥部12に嵌まり込むように設定してある。そして、この延出部23に、重合位置(Q)において可動体1の凹陥部12に設けた各凸部12aがそれぞれ係合可能な凹部23aを形成している。なお、これら凹部23aは凸部12aに対応して形成したものであるため、前述した凸部12aと雄刃11との関係と同様に、各凹部23aが各雌刃21よりも接続部3に近い側に位置する。しかも、延出部23を雌刃21の先端部よりも表表紙H1の内面部から高い位置に設定している。その結果、接続部3を支点に可動体1を開放位置(R)から重合位置(Q)に回動させた場合、雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して、凹陥部12の凸部12aと延出部23の凹部23aとが係合し、可動体1と基台領域2との相対位置が位置決めされる。このように一の凸部12aと一の凹部23aとによって穿孔時における可動体1と基台領域2との相対位置を位置決めする本発明の係合手段を構成しており、本実施形態では係合手段を2箇所に設けている。また、枠部H5を利用してなる紙当たり部H6には、可動体1を重合位置(Q)に位置付けた場合に、可動体1の外面部に形成した凹段部13に係合可能な係合爪H71を設けている。この係合爪H71は、重合位置(Q)に位置付けた可動体1の側縁部のうち接続部3が位置する側の側縁部の上縁及び下縁にそれぞれ近接し得るように紙当たり部H6に設けた一対の突起部H7に一体成形したものであり、より具体的には各突起部H7の先端から他方の突起部H7に向かって所定寸法突出させた舌片状をなすものである。しかして各係合爪H71は、可動体1を開放位置(R)から重合位置(Q)へ回動させる操作に伴って可動体1の上縁部及び下縁部と当接して経過的に弾性変形して撓むとともに、可動体1が重合位置(Q)に位置した場合、すなわち可動体1が係合爪H71を乗り越えた場合に弾性復帰して可動体1に形成した凹段部13に係合し得るように設定されている。また、重合位置(Q)にある可動体1を開放位置(R)へ回動させる操作によって、係合爪H71と凹段部13との係合状態が解除されるように設定している。つまり、係合爪H71と凹段部13とを用いて重合位置(Q)にある可動体1が不意に開放位置(R)に回動することを防止するストッパ手段を構成している。
次に、このような構成を有する穿孔具S及びファイルFの使用方法及びその作用について図5を参照して説明する。なお、図5は図3におけるA−A線断面図である。
先ず、可動体1を開放位置(R)にした状態で、穿孔する用紙Pの一側縁部並びにこの側縁部に連続する上縁部及び下縁部を、表表紙H1に設けた紙当たり部H6に当接又は近接させ、表表紙H1に対する用紙Pの載置位置を位置決めする(同図(a))。この場合、雌刃21は用紙Pの裏面側に位置し、基台領域2に設けた延出部23は用紙Pの表面側に位置する。次いで開放位置(R)にある可動体1を重合位置(Q)に回動させる操作に伴い、雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して雄刃11の周縁部に設けた弾性部材4が用紙Pの表面に当接する(同図(b))。さらに可動体1を同一方向へ回動させる操作により、雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して可動体1の凸部12aと延出部23の凹部23aとが係合して可動体1と基台領域2との相対位置が位置決めされるとともに、用紙Pを挟んで可動体1と雌刃21との間に位置する弾性部材4が弾性変形しながら用紙Pを押圧して雄刃11に対する用紙Pの位置を固定する(同図(c))。そして弾性部材4によって用紙Pを固定した状態で可動体1をさらに基台領域2に近付ける方向へ押圧することにより、雄刃11の刃部11bが用紙Pに食い込み雌刃21の刃部21bと緊密に噛合し、雌刃21の内周面部21aを通過した雄刃11が隆起部22の貫通孔22aに嵌まり込み用紙Pに穿孔する(同図(d))。この際、弾性部材4によって用紙Pを押圧して固定しているため、穿孔時に雄刃11の刃部11bが用紙Pに食い込む動作に連動して用紙Pが刃部11bの食い込み方向に引き摺り込まれることを防止している。このように、弾性部材4が、可動体1を相対移動させて基台領域2に所定距離近付けた際に、雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して用紙Pに当接し、可動体1をさらに基台領域2に近付ける方向へ相対移動させる操作に伴って用紙Pを押圧することにより穿孔時において用紙Pを固定する押圧手段としての役割を担う。そして、可動体1を重合位置(Q)から開放位置(R)へ回動させることにより、弾性部材4が弾性復帰して元の形状に復元する。以上の手順を経て、雄刃11の刃部11bと雌刃21の刃部21bとの嵌合により用紙Pの所定箇所に綴じ穴が形成され、これら綴じ穴を利用して前記綴じ具Tに綴じ込むがことができる。なお、穿孔の際に生じる穿孔くずPaは、雌刃21の内周面部21aに連通する貫通孔22aから排出されるように構成している。また、穿孔操作後、可動体1を重合位置(Q)から開放位置(R)へ回動する際、綴じ穴が形成された用紙Pの一側縁部側が可動体1の回動動作に連動して表表紙H1から浮き上がり得るが、用紙Pの一側縁部側が表表紙H1から所定距離浮き上がった位置で延出部23と当接し、それ以上の浮き上がりが防止される。このように、延出部23が、穿孔後の用紙Pの浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段としても機能する。また、穿孔具Sを使用しない場合には、可動体1を重合位置(Q)に位置させておき、可動体1に形成した凹段部13と表紙体Hの一側縁部に設けた係合爪H71とを係合させて、可動体1が重合位置(Q)から開放位置(R)へ不意に回動することを防止しておけばよい。
このように、本実施形態に係る穿孔具Sは、雄刃11を合成樹脂素材を用いて構成するとともに、雌刃21を金属素材を用いて構成し、雄刃11と雌刃21との初回の嵌合時に、刃部21bを有する雌刃21によって雄刃11が部分的に削り取られることにより、雄刃11に、雌刃21の刃部21bに対応する刃部11bを形成するように構成しているため、雄刃11と雌刃21とを嵌合させた際に、これら刃部11b、21b同士が相互にクリアランスの無い状態で噛み合い、各刃部11b、21bが穿孔作用に積極的に寄与することにより、用紙Pに対する穿孔を的確に且つスムーズに行うことができる。しかも、一の雄刃11に形成される刃部11bは、この一の雄刃11に嵌合する一の雌刃21の刃部21bに対応して形成されるものであるため、一の雄刃11の刃部11bと一の雌刃21の刃部21bとが相対的に密接に関連付けられ、両刃部11b、21bを隙間なく緊密に噛み合わせることができ、確実な穿孔作業を実現することができる。加えて、雄刃11の径を、雌刃21の径と略一致又は初回の嵌合操作時に前記雌刃21と嵌合し得る程度に雄刃11より若干小さく設定しているため、初回の嵌合操作時に、雄刃11を雌刃21に嵌合させることによって雄刃11に雌刃21の刃部21bに対応する刃部11bを確実に形成することができる。特に、雌刃21の内周面部21aにその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部21bを形成しているため、このような刃部21bを有する雌刃21に雄刃11を嵌合することにより、雄刃11の外周面部11aにも概略鋸歯状の刃部11bが形成され、穿孔時における刃部11b、21b同士の噛合状態及び雄刃11と雌刃21との嵌合状態及び刃部11b、21b同士の噛合状態をより密接なものとすることができ、穿孔作業をより好適に行うことができる。
また、可動体1に凸部12aを設けるとともに、基台領域2に凸部12aが係合可能な凹部23aを設け、これら凸部12aと凹部23aとが可動体1を基台領域2に近付ける操作に伴い雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して係合することにより穿孔時における基台領域2と可動体1との相対位置を位置決めする係合手段として機能するため、穿孔時に基台領域2と可動体1との相対位置が位置ずれすることを簡単な構成を用いて防止することができ、雄刃11と雌刃21とを確実に嵌合させることができる。特に、本実施形態では、所定距離離間した2箇所において雄刃11と雌刃21とがそれぞれ嵌合する態様を採用しているため、それぞれの穿孔箇所における雄刃11と雌刃21との嵌合に時間差が生じ、何れか一方の雄刃11と雌刃21との嵌合をスムーズに行うことができない場合が生じ得るが、このような場合に凸部12aと凹部23aとの係合により予め穿孔時の基台領域2と可動体1との相対位置を位置決めしておくことにより、基台領域2に設けた雌刃21と、可動体1に設けた雄刃11との相対位置も位置決めされ、各雄刃11と各雌刃21との嵌合を安定した状態で行うことができ、好適である。しかも、一の凸部12aと一の凹部23aとを用いてなる前記係合手段を複数設けているため、穿孔時における基台領域2と可動体1との相対位置をより確実に位置決めすることができる。
また、可動体1を相対移動させて基台領域2に所定距離近付けた際に、雄刃11と雌刃21との嵌合よりも優先して用紙Pに当接し、可動体1をさらに基台領域2に近付ける方向へ相対移動させる操作に伴って用紙Pを押圧することにより穿孔時において用紙Pを固定する押圧手段として機能する弾性部材4を可動体1に設けているため、この弾性部材4により、穿孔時に雄刃11と雌刃21との嵌合深さが深くなるにつれて雄刃11と雌刃21との間に挟んだ用紙Pが嵌合方向に引き摺り込まれることを防止することができる。特に、弾性部材4を可動体1に設けた雄刃11の周縁部近傍に設けているため、雄刃11の周縁部で生じ易い上記不具合、すなわち用紙Pが雄刃11と雌刃21との嵌合方向に引き摺り込まれるという不具合を有効に解消することができるとともに、穿孔作業に何ら支障を来たすことがなく好適である。さらに、弾性部材4をウレタン素材を用いて形成しているため、弾性部材4を簡単且つ安価に製造することができる。
加えて、少なくとも雄刃11が、可動体1と一体成形したものであるため、雄刃11が可動体1とは別体のものである態様と比較して、部品点数の削減及びコストの削減を有効に図ることができる。
また、本実施形態に係るファイルFは、上記のような構成を有する穿孔具Sを備え、特に基台領域2を、表表紙H11の内面側における縁部近傍に設けるとともに、可動体1を、雄刃11と雌刃21とを嵌合させた嵌合状態(重合位置(Q))において表表紙H11の内面側における縁部近傍に位置し且つ前記雄刃11と前記雌刃21との嵌合を解除した状態(開放位置(R))において表表紙H11の領域外に位置するように設定しているため、ファイルFに設けた穿孔具Sによっても用紙Pを保持するというファイルF本来の機能を何ら損なうことなく、好適に穿孔作業を行うことができる。
特に、基台領域2を形成した表表紙H11の内面部に、穿孔する用紙Pの載置箇所を位置決めする位置決め手段としての役割を担う紙当たり部H6を設けているため、この紙当たり部H6に用紙Pの縁部を当接または近接することにより、表紙体Hに対する用紙Pの載置箇所を位置決めと、基台領域2に対する用紙Pの位置とを一度に行うことができ、用紙Pの所定箇所に確実に穿孔することができる。しかも、この紙当たり部H6が、基台領域2を有する表表紙H11の内面側の縁部に沿って隆起させた枠部H5を利用したものであるため、比較的簡単に形成することができる。
加えて、枠部H5が、綴じ具Tに綴じられる用紙Pに略対応する形状をなすものであるため、穿孔具Sによって穿孔した用紙Pを綴じ具Tを用いて綴じることができるとともに、穿孔する用紙Pの載置位置を直感的に把握することができ、実用性に優れたものになる。さらに、基台領域2が、表表紙H11における所定部位そのものを利用して形成したものであるので、構造の簡素化、及び部品点数の削減を有効に図ることができる。また、穿孔具Sが、表紙体Hと一体成形したものであるため、製造容易性に優れ、コストの削減にも資する。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、雌刃を金属性素材を用いて構成し、雄刃を合成樹脂素材を用いて構成したが、金属性素材及び合成樹脂素素材はそれぞれ本発明の「高硬度素材」、「低硬度素材」の一例であり、「高硬度素材」は、他方の素材との関係において相対的に硬度が大きい素材であればよく、「低硬度素材」は、他方の素材との関係において相対的に硬度が小さい素材であればよく、この関係が保たれる範囲内であれば各素材の組み合わせは適宜変更しても構わない。例えば、高硬度素材として硬質合成樹脂素材を採用し、低高度素材として軟質合成樹脂素材を採用した組み合わせであってもよい。
また、他の実施態様としては、雄刃を高硬度素材を用いて構成するとともに、雌刃を低硬度素材を用いて構成し、雌刃の径を、雄刃の径と略一致又は初回の嵌合操作時に雄刃と嵌合し得る程度に雄刃の径より若干小さく設定したものが挙げられる。このようなものであれば、雄刃と雌刃との初回の嵌合時に、雌刃に、雄刃に設けた刃部によって部分的に削り取られた刃部が形成され、これら刃部同士が穿孔作用に積極的に寄与し、穿孔作業をスムーズに行うことができる。この場合、雄刃の外周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部を形成していることが好ましい。これにより、このような刃部を有する雄刃を雌刃に嵌合することにより、雌刃の内周面部にも概略鋸歯状の刃部が形成され、上記実施形態と同様に、穿孔時における刃部同士の噛合状態及び雄刃と雌刃との嵌合状態及び刃部同士の噛合状態をより密接なものとすることができ、穿孔作業をより好適に行うことができる。
また、上記実施形態は、雄刃を可動体に設けるとともに、雌刃を基台領域(基台)に設けた態様であるが、これとは逆に、雄刃を基台領域(基台)に設けるとともに、雌刃を可動体に設けてもよい。なお、上記実施形態においては、本発明の基台に相当する基台領域が表紙体の一部に一体に形成されたものを示しているが、表紙体とは別部材の基台を用いても構わない。
また、ヒンジ部を介して可動体を回動させることにより可動体と基台とを相互に接離可能に構成した態様に限らず、例えば、雄刃又は雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し基台に対して接離可能な可動体とを備えてなり、この可動体を基台に対して雄刃と雌刃との嵌合又は嵌合解除方向と同一方向に進退動作させることにより可動体と基台とを相互に接離可能に構成したいわゆるポップアップ式の態様を採用してもよい。これらポップアップ式のものとしては、例えば一枚或いは比較的少ない枚数の紙葉類の穿孔に適した事務用穿孔具や、多数枚の紙葉類に一度に穿孔可能な大型穿孔具等が挙げられる。
また、雄刃と雌刃の個数を適宜増減することにより、一穴用穿孔具、或いは3穴以上の多数穴用穿孔具としても勿論構わない。
さらに、雄刃と雌刃との嵌合よりも優先して係合することにより穿孔時における基台と可動体との相対位置を位置決めする係合手段を1箇所にのみ設けてもよく、或いは3以上の複数箇所に設けても構わない。また、係合手段を構成する凸部を基台に設け、凹部を可動体に設けても上述した同様の効果を得ることができる。また、係合手段を、基台又は可動体の何れか一方に設けた係合爪と、他方に設けられ係合爪が係合可能な係合孔とを用いて構成してもよい。
また、押圧手段として機能する弾性部材はクッション性を有するものであれば、ウレタン素材に限らず他の素材を用いて構成しても構わない。また、弾性部材を可動体のうち雄刃又は雌刃が設けられた部位以外の略全域に設けてもよい。
また、紙葉類を保持するファイルの機能、又は綴じ具の機能を損なわない条件下であれば、穿孔具をファイルの裏表紙或いは背表紙に設けても構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る穿孔具を備えたファイルの全体斜視図。 同全体斜視図。 図2の要部拡大図。 作用説明図。 作用説明図。
符号の説明
F…ファイル
H…表紙体
H1…表表紙
H5…枠部
T…綴じ具
S…穿孔具
P…枝葉類(用紙)
1…可動体
11…雄刃
11a…外周面部
11b…刃部
12a…凸部
2…基台領域(基台)
21…雌刃
21a…内周面部
21b…刃部
23a…凹部
3…接続部
4…弾性部材

Claims (24)

  1. 少なくとも雄刃と、当該雄刃が嵌合可能な雌刃とを具備してなり、前記雄刃と前記雌刃との間に紙等の紙葉類を挟んだ状態で前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させることにより前記紙葉類に穿孔する穿孔具であって、
    前記雄刃及び前記雌刃をそれぞれ硬度の異なる素材を用いて構成し、
    前記雄刃と前記雌刃との初回の嵌合時に、低硬度素材からなる前記雄刃が、高硬度素材からなり内周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部を形成している雌刃によって部分的に削り取られることにより、前記雄刃の外周面部に、前記雌刃の刃部に対応する概略鋸歯状の刃部を形成するように構成していることを特徴とする穿孔具。
  2. 少なくとも雄刃と、当該雄刃が嵌合可能な雌刃とを具備してなり、前記雄刃と前記雌刃との間に紙等の紙葉類を挟んだ状態で前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させることにより前記紙葉類に穿孔する穿孔具であって、
    前記雄刃及び前記雌刃をそれぞれ硬度の異なる素材を用いて構成し、
    前記雄刃と前記雌刃との初回の嵌合時に、低硬度素材からなる前記雌刃が、高硬度素材からなり外周面部にその周方向に沿って概略鋸歯状の刃部を形成している雄刃によって部分的に削り取られることにより、前記雌刃の内周面部に、前記雄刃の刃部に対応する概略鋸歯状の刃部を形成するように構成していることを特徴とする穿孔具。
  3. 前記雄刃の径を、前記雌刃の径と略一致又は初回の嵌合時に前記雌刃と嵌合し得る程度の大きさに設定している請求項1記載の穿孔具。
  4. 前記雌刃の径を、前記雄刃の径と略一致又は初回の嵌合時に前記雄刃と嵌合し得る程度の大きさに設定している請求項2記載の穿孔具。
  5. 前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、当該可動体を前記基台に対して前記雄刃と前記雌刃との嵌合又は嵌合解除方向と同一方向に進退動作させることにより前記可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成している請求項1、2、3又は4記載の穿孔具。
  6. 前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体と、前記基台と前記可動体との間に位置するヒンジ部とを具備してなり、当該ヒンジ部を介して前記可動体を回動させることにより当該可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成している請求項1、2、3又は4記載の穿孔具。
  7. 前記基台と前記可動体とを連結する接続部を設け、当該接続部を前記基台及び前記可動体よりも薄肉に設定することにより前記ヒンジ部として機能させている請求項6記載の穿孔具。
  8. 前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、前記基台に前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を一以上設けるとともに、前記可動体に他方を前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方に対応するように一以上設け、前記基台と前記可動体との間に、前記可動体を前記基台に近付ける操作に伴い前記雄刃と前記雌刃との嵌合よりも優先して係合することにより穿孔時における前記基台と前記可動体との相対位置を位置決めする係合手段を設けている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の穿孔具。
  9. 前記係合手段が、前記基台又は前記可動体の何れか一方に設けた凸部と、他方に設けられ前記凸部が係合可能な凹部とを用いて構成したものである請求項8記載の穿孔具。
  10. 前記係合手段を複数設けている請求項8又は9記載の穿孔具。
  11. 前記可動体を相対移動させて前記基台に所定距離近付けた際に、前記雄刃と前記雌刃との嵌合よりも優先して前記紙葉類に当接し、前記可動体をさらに前記基台に近付ける方向へ相対移動させる操作に伴って前記紙葉類を押圧することにより穿孔時において前記紙葉類を固定する押圧手段を前記可動体に設けている請求項5、6、7、8、9又は10記載の穿孔具。
  12. 前記押圧手段が、前記可動体に設けた前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方の周縁部近傍に設けた弾性部材である請求項11記載の穿孔具。
  13. 前記弾性部材が、ウレタン素材を用いて形成したものである請求項12記載の穿孔具。
  14. 前記高硬度素材が、金属素材である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の穿孔具。
  15. 前記低硬度素材が、合成樹脂素材である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載の穿孔具。
  16. 少なくとも前記雄刃が、前記基台又は前記可動体と一体成形したものである請求項5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の穿孔具。
  17. 請求項1乃至16いずれかに記載の穿孔具と、紙等の紙葉類を保持し得る表紙体とを具備してなり、前記穿孔具を前記表紙体の一部に設けていることを特徴とするファイル。
  18. 前記表紙体が、少なくとも表表紙と、該表表紙と対向し得る裏表紙とを具備するものであり、前記穿孔具が、前記雄刃又は前記雌刃の何れか一方を配置した基台と、他方を配置し前記基台に対して接離可能な可動体とを具備してなり、少なくとも前記基台を、前記表表紙又は前記裏表紙の内面側における縁部近傍に設けている請求項17記載のファイル。
  19. 前記基台と前記可動体との間に位置するヒンジ部とを具備してなり、当該ヒンジ部を介して前記可動体を回動させることにより当該可動体と前記基台とを相互に接離可能に構成するとともに、前記可動体を、前記雄刃と前記雌刃とを嵌合させた嵌合状態において前記表表紙又は前記裏表紙の内面側における縁部近傍に位置し且つ前記雄刃と前記雌刃との嵌合を解除した状態において前記表表紙又は前記裏表紙の領域外に位置するように設定している請求項18記載のファイル。
  20. 前記基台を配設した前記表表紙又は前記裏表紙の内面部に、穿孔する前記紙葉類の載置箇所を位置決めする位置決め手段を設けている請求項18又は19記載のファイル。
  21. 前記位置決め手段が、前記基台を配設した前記表表紙又は前記裏表紙の内面側の縁部に沿って隆起させた枠部を利用したものである請求項20記載のファイル。
  22. 前記表表紙又は前記裏表紙に、前記穿孔具により所定箇所に綴じ穴が形成された前記紙葉類を前記綴じ穴を介して綴じ得る綴じ具を設け、前記枠部が、前記綴じ具に綴じられる前記紙葉類に略対応する形状をなすものである請求項21記載のファイル。
  23. 前記基台が、前記表表紙又は前記裏表紙における所定部位そのものを利用して形成したものである請求項19、20、21又は22記載のファイル。
  24. 前記穿孔具が、前記表紙体と一体成形したものである請求項17、18、19、20、21、22又は23記載のファイル。
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