JPH1190898A - 紙用穴あけ機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、多数の紙に同時に穴を開け、なおか
つ穴あけ時における紙ゴミの散乱が防止される紙用穴あ
け機を提供することを目的とする。 【解決手段】穴あけ刃に、紙乗せ台に対向した先端周面
に形成された先端鋭角部、先端鋭角部に囲まれて開口す
る貫通部であって、かつ貫通部内の先端部と後端部の中
間に段部を備えた貫通部を有するとともに、紙乗せ台に
穴あけ用刃の貫通部へ挿入可能な中押し部を有し、貫通
部の後端開口部に対応した紙屑収納部を設置した紙用穴
あけ機を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、書類等の紙に穴を
開けるための紙用穴あけ機に関し、特に、穴あけ時にお
いて紙ゴミの散乱が防止される紙用穴あけ機に関する。

【０００２】

【従来の技術】紙用穴あけ機、いわゆるパンチは紙に穴
を開け、紙を綴じてファイリングするのに用いられる。
紙用穴あけ機を図３に示す。紙乗せ台１にレバー２がつ
いた支柱３、紙４を位置決めするための位置決め治具５
が設置され、紙４の穴あけを行う位置に穴あけ用穴１１
が形成されている。支柱３には穴あけ用穴１１に対向し
た穴明け刃７が設置されている。紙４は位置決め治具５
と支柱３の端で位置決めされ、紙乗せ台１に置かれ、そ
の穴あけ箇所は穴あけ用穴１１と穴あけ刃７の間に挟ま
れる。レバー２を動かすことで穴あけ刃７は押し下げら
れ、穴あけ用穴１１に挿入される。この結果、紙４は切
断され穴が穿たれる。

【０００３】ここで、従来の紙用穴あけ機の穴あけ刃７
付近の構造を図４に示す。図４は図３における穴あけ刃
７の軸に沿った断面（図３のＡ−Ａ）を表す。穴明け刃
７の先端に開口部を有する空洞７２があり、開口部の周
囲に先端鋭角部７１が形成されている。この先端鋭角部
７１は例えば円筒状である。穴あけ刃７が押し下げられ
ることで先端鋭角部７１が紙４に押し付けられ紙４を押
し切り穴を穿つ。ここで、穴明け刃７に空洞７２がある
ことで先端鋭角部７１の厚みを薄く保ち、多数の紙を重
ねて同時に押し切るのに有用な役割をなしている。そし
て、穴明け刃７を穴あけ用穴１１に挿入することで、切
断された紙は紙乗せ台１内の紙屑収納部１２に押し込ま
れ収納される。このようにして、従来の紙用穴あけ機は
多数の紙を重ねた書類に穴を開け、しかも紙ゴミが周囲
に飛ばないように構成されている。

【０００４】しかし、実際に使用してみると、従来の穴
あけ機ではときに紙ゴミが散乱しがちであり、作業場を
汚す原因となっていた。即ち、穴明け刃７にある空洞７
２に切断後の紙ゴミが詰まることが多く、穴明け刃７を
持ち上げたときにこの紙ゴミが飛びだして周囲に散らば
りがちである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明は、一度に多数の紙に穴を開け、なおかつ穴
あけ時における紙ゴミの散乱が防止される紙用穴あけ機
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願第一の発明は、穴あ
け刃に、紙乗せ台に対向した先端周面に形成された先端
鋭角部、先端鋭角部に囲まれて開口する貫通部であっ
て、かつ貫通部内の先端部と後端部の中間に段部を備え
た貫通部を有するとともに、紙乗せ台に穴あけ刃の貫通
部へ挿入可能な中押し部を有し、貫通部の後端開口部に
対応した紙屑収納部を設置した紙用穴あけ機を構成す
る。また、本願第二の発明は、これに加えて貫通部内の
後端部がテーパーをなす紙用穴あけ機を構成する。

【０００７】

【発明の実施の形態】本願発明の実施例を図１に示す。
これは図４と対応し、図３のＡ−Ａで切断した断面を表
す。全体の外見上では従来の紙用穴あけ機と特に異なる
ところはないので、全体図は省略する。穴明け刃７には
その先端で開口し、かつ先端側貫通部７３、後端側貫通
部７４、これらを区切る段部７５からなる貫通部が設け
られている。そして、穴明け刃７の先端の開口部の周囲
に先端鋭角部７１が形成されている。穴明け刃７はここ
では円筒状としているが、紙に開ける穴の形状に応じて
適宜他の形状、例えば中空角柱状であっても差し支えな
い。後端側貫通部７４の開口部は紙屑収納部８と空間的
に繋がっている。図１では穴明け刃７と紙屑収納部８は
一体的に形成されているが、要は後端側貫通部７４の開
口部が紙屑収納部８と空間的に繋がっていればよいので
あって、例えば穴明け刃７はレバー２によって移動可能
とし、一方紙屑収納部８は支柱３に取り付け固定しレバ
ー２の動きと連動しないようにすることもできる。紙乗
せ台１には穴明け刃７の先端を挿入できる穴あけ用穴１
１、穴あけ用穴１１の内部には穴明け刃７の貫通部に段
部７５まで挿入可能な中押し部１３が備えられている。

【０００８】レバー３の操作によって穴明け刃７が押し
下げられ、先端鋭角部７１は紙４を押し切り、穴が穿た
れる。穴明け刃７に貫通部を有することで、先端鋭角部
７１を薄くし、一度に多数の紙に穴を穿つことを可能と
している（穿孔力が大きい）。ここで、図１では判りや
すさのために段部７５を誇張して画いてあるが、後述の
ように実際には段部７５の幅を極めて小さくすることが
できる。このため、段部７５があることで、先端鋭角部
７１が厚くなり穿孔力が低下することは問題とはならな
い。また、段部７５を穴あけ刃７の後端部にずらすこと
で、先端鋭角部７１を薄くし穿孔力を上げることも可能
である。穴明け刃７を押し下げて、穴あけ用穴１１に挿
入された状態を図２に示す。このとき、中押し部１３は
段部７５を超えて貫通部に挿入される。この結果、押し
切られた紙ゴミ４１は貫通部を通して、段部７５を越え
紙屑収納部８に送り込まれる。一方、段部７５があるこ
とで紙ゴミ４１が逆流し穴明け刃７の貫通部から飛散す
ることが防止される。この効果を奏するためには段部７
５の幅が必ずしも大きい必要はない。要は紙を引っかけ
て逆流を防ぐ段差があれば良いのである。

【０００９】なお、後端側貫通部７４には後端にゆくに
従い広くなるようにテーパーを持たせている。これは紙
ゴミ４１を速やかに紙屑収納部８へ送り、かつ逆流しな
いことに寄与する。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明は穴明け刃に貫通部
を有することで多数の紙の押し切りを可能とし、穴明け
刃の貫通部に段部を、紙乗せ台に貫通部と対応した中押
し部をそれぞれ設けることで切断後の紙ゴミを確実に紙
屑収納部へ送り込み、逆流することを防止している。本
発明に係る紙穴あけ機は、多数の紙に同時に穴を開け、
なおかつ穴あけ時における紙ゴミの散乱が防止される効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面図である。

【図２】図１の実施例において穴あけ刃を押し下げたと
きの状態を示す断面図である。

【図３】紙用穴あけ機の全体を示す斜視図である。

【図４】従来の紙用穴あけ機を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 紙乗せ台 １１ 穴あけ用穴 １２ 紙屑収納部 １３ 中押し部 ２ レバー ３ 支柱 ４ 紙 ４１ 紙ゴミ ５ 治具 ７ 穴明け刃 ７１ 先端鋭角部 ７２ 空洞 ７３ 先端側貫通部 ７４ 後端側貫通部 ７５ 段部 ８ 紙屑収納部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙をのせるための紙乗せ台、この紙乗せ台
   の面に対して垂直な方向に移動可能な穴あけ刃を有する
   紙用穴あけ機において、 穴あけ刃が、 紙乗せ台に対向する先端周面に形成された先端鋭角部、 及び先端鋭角部に囲まれて開口する貫通部であって、か
   つ貫通部内の先端部と後端部の中間に段部を備えた貫通
   部を有し、 紙乗せ台に穴あけ刃の貫通部へ挿入可能な中押し部を有
   し、 貫通部後端の開口部と空間的に繋がった紙屑収納部を設
   置したことを特徴とする紙用穴あけ機
2. 【請求項２】請求項１に記載の紙用穴あけ機において、 貫通部内の後端部がテーパーをなすことを特徴とする紙
   用穴あけ機