JP4373934B2 - チューインガム用コーティング組成物の製造方法 - Google Patents

チューインガム用コーティング組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はチューインガムに配合される香料、甘味料、酸味料等を被覆した、チューインガム用コーティング組成物の製造方法に関する。
チューインガムは一般に、水不溶性のガムベースに香料、甘味料、酸味料等を配合して製造される。通常市販されているチューインガムは、チクル等の天然物、酢酸ビニル、エステルガム、ポリイソブチレン等の熱軟化性樹脂を適宜配合することによって形成されたガムベースが、口中の温度で適度に軟化し、長時間の咀嚼によっても一定の硬さと弾力性とを維持するように工夫されている。さらに、チューインガムはこのような特徴の他に、一定時間以上噛み続けても香味が持続していることも品質上重要な要素となっている。
しかし、現在のところ、香味の持続性には限界があり、現実には咀嚼して数分後には香味が急速に低下してしまうという問題がある。例えば、酸味料を添加したガムの場合、咀嚼後3分で約90%の酸味料が溶出してしまうことが知られている。
この香味の持続性向上を図るために、種々の方法が開示されており、例えば、一定量の粉末成分と一定量の約130°Fより高い融点をもつ溶融ワックスとを混合して湿潤配合物とし、該湿潤配合物を固化させ、該固化した配合物を粒径調整して、予め定めた粒径範囲の核成分のワックス被覆粒子を得る方法(特許文献1参照)、香味発現の本質である香味物質を被覆または溶融分散してなり、香味物質の被覆または溶融分散に供する素材が、ステロール類を主体とする物質群で構成されるチューインガム用香味組成物を得る方法(特許文献2参照)、融点55℃以上の油脂類及び/又はワックス類を溶融し、これに香料及び甘味料の混合物を添加し、均一に分散させ、これを噴霧冷却することにより香料及び甘味料の混合物のコーティング物を得る方法(特許文献3参照)、連続式造粒機を用いて、平均粒径10〜2000ミクロンの粉末乃至顆粒状の芯物質に、溶融した常温固体脂質を該芯物質に噴霧して被覆造粒せしめた後、30℃以下に冷却して得る、耐熱徐放性造粒化組成物の製造法(特許文献4参照)、常温で固体状の芯物質に、融点40℃以上の脂質粉状体を接触、付着させ、次いで融点40℃以上の溶融油脂を添加して被覆することを特徴とするコーティング粉末の製造方法(特許文献5参照)、粒状もしくは粉末状の芯物質に、溶融状態にある脂質を噴霧または滴下して一次被覆膜を形成し、得られた一次被覆粒子に融点40℃以上の脂質粉状体を接触、衝突させ、一次被覆粒子の全周囲表面に脂質粉状体を付着、被覆させて二次被覆膜を形成することを特徴とする二重被覆粒子の製造方法(特許文献6参照)などが提案されている。
しかし、上記従来技術によって得られるコーティング組成物を配合したチューインガムは、咀嚼した際の香味の持続性に関して必ずしも満足できるものではなく、更なる改善が望まれていた。
特表平2−502607号公報 特開平4−36152号公報 特開平6−269248号公報 特開2000−4858公報 特開平9−125087号公報 特開平7−87950号公報
本発明は、それをチューインガムに配合することにより咀嚼時の口中での香味の持続性が改善される、香味物質等のコーティング組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、攪拌型混合造粒機を用いて、香味等を有する芯物質、食品用乳化剤及び/又は油脂、並びにステロールを攪拌・混合しながら加熱することにより被膜の均一なコーティング組成物が得られること、更に該コーティング組成物を配合したチューインガムの咀嚼時の口中での香味の持続性が改善されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、次の〔1〕乃至〔3〕より成っている。
〔1〕下記(1)及び(2)の工程を実施することを特徴とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
(1)攪拌型混合造粒機に(a)常温で粒状又は粉末状の芯物質、(b)融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類、並びに(c)ステロールを入れ、0℃以上、50℃未満の温度で(a)、(b)及び(c)を混合する。
(2)攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温100〜160℃の温度で15〜180分間混合する。
〔2〕下記(1)、(2)及び(3)の工程を実施することを特徴とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
(1)攪拌型混合造粒機に(a)常温で粒状又は粉末状の芯物質、(b)融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類を入れ、0℃以上、50℃未満の温度で(a)及び(b)を混合する。
(2)攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温50℃以上、100℃未満の温度で10〜60分間混合する。
(3)更に(c)ステロールを加え、攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温100〜160℃の温度で15〜180分間混合する。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法で得られるコーティング組成物を粉砕することを特徴とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
本発明の製造方法に従えば、コーティング組成物中の芯物質の含量を高くすることができるため、それを配合したチューインガムの風味に及ぼす被覆剤の影響を少なくすることができる。
本発明の製造方法により得られるコーティング組成物は、従来のコーティング組成物と比較して被覆効果が大幅に向上し、それ故、本発明になるコーティング組成物を配合したチューインガムは咀嚼時に芯物質が口中に徐々に放出され、香味が極めて長く持続する。
本発明において用いられる芯物質としては、常温(約15〜25℃)で粒状又は粉末状の物質であれば特に制限は無く、具体的には、例えば香料、甘味料、酸味料、機能性物質、ビタミン類、香辛料及び塩等が挙げられる。常温で液状の物質は、例えばアラビアガム、デキストリン又は乳糖等を溶解した水溶液に加えて混合し、又は乳化し、得られた混合液又は乳化液を、例えば噴霧乾燥等自体公知の方法を用いて粒状又は粉末状とすることにより、本発明の芯物質として用いることができる。該芯物質の形状は球形、不定形等任意の形状のものが使用でき、その平均粒子径は1〜800μm、特に5〜200μmのものが好ましい。
上記香料としては、例えばリモネン及びカンフェン等のテルペン系炭化水素、カルベオール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール及びl−メントール等のテルペン系アルコール、1−オクタノール、cis−3−ヘキセノール及びtrans−2−ヘキセノール等の脂肪族鎖式アルコール、ベンジルアルコール、アニスアルコール及びシンナミックアルコール等の芳香族アルコール、オイゲノール及びベンジルイソオイゲノール等のフェノール誘導体、シトラール及びペリラアルデヒド等のテルペン系アルデヒド等の合成香料、並びにスイートオレンジ油、ビターオレンジ油、ビターアーモンド油、シソ油、マンダリン油、レモン油、ペパーミント油、桂皮及びジンジャー等の天然物由来の香料が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記甘味料としては、例えばブドウ糖、果糖及びD−キシロース等の単糖、乳糖、砂糖、麦芽糖、トレハロース及びパラチノース等の二糖、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、水飴及びでん粉分解物等のオリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水飴、エリスリトール、パラチニトール及びキシリトール等の糖アルコール類、カンゾウ抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、モネリン及びラカンカ抽出物等の天然物由来の甘味料、並びにアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム及びスクラロース等の合成甘味料等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記酸味料としては、例えばアジピン酸、クエン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、DL−酒石酸水素ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸及びDL−リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記機能性物質としては、例えばDHA、EPA及びこれらを含有する魚油、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ボラージ油、月見草油及びシソ油等の動植物油脂及び類縁物質、オクタコサノール、γ−オリザノール、カテキン、カフェイン、カルニチン、キチン、キトサン、クエルセチン、ゴマ油抽出物、チャ抽出物、プロポリス抽出物、ルチン及びローヤルゼリー等の動植物エキス類、ルテイン、リコペン及びβ−カロテン等のカロテノイド類、L−アスパラギン酸等のアミノ酸類、ヘム鉄及びドロマイト等のミネラル類、アガリスク、アロエ、イチョウ葉、オオバコ、高麗ニンジン及び霊芝等の生薬類、スピルリナ及びクロレラ等の藻類、ビフイズス菌等の乳酸菌類並びにコラーゲン等の蛋白質及びその加水分解物等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記ビタミン類としては、例えばビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン及びピリドキサール等)、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンB12(シアノコバラミン及びコバラミン類縁化合物)、ビタミンC(L−アスコルビン酸)、ビタミンP(ヘスペリジン)等の水溶性ビタミン類及びその生理学的に許容し得る塩、並びにビタミンA(レチノール)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール及びコレカルシフェロール等)、ビタミンE(トコフェロール)、ユビデカレノン、ビタミンK(フィロキノン)等の脂溶性ビタミン及びその生理学的に許容し得る誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記香辛料としては、例えばアニス、ウコン、オレガノ、オールスパイス、カモミール、カルダモン、クミン、クレソン、クローブ、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サフラン、サンショウ、シソ、シナモン、ショウガ、スターアニス、スペアミント、セージ、セロリー、タイム、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニンニク、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ペパーミント、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー、ローレル等の乾燥粉砕物、或いは上記植物の香辛料を基原物質として、水、エタノール、二酸化炭素もしくは有機溶剤で抽出して得られたもの、又は水蒸気蒸留により得られたものが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記塩としては特に制限はなく、海水、岩塩、地下かん水または塩湖水を資源として、自体公知の製法により製造された塩類が挙げられる。
本発明において用いられる乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が含まれる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルおよびグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が含まれる。これら食品用乳化剤は、単独で用いるか、又は2種以上の混合物として用いることができる。
上記乳化剤を構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする融点50℃以上、100℃未満の脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数14〜24の飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは炭素数14〜24の飽和脂肪酸を約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上含有する飽和脂肪酸または飽和脂肪酸混合物である。
本発明において、融点50℃以上、100℃未満の乳化剤が好ましく用いられる。このような乳化剤としては、例えばグリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンジミリスチン酸エステル、グリセリンジパルミチン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジベヘン酸エステル、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセリンモノベヘン酸エステル、トリグリセリンモノミリスチン酸エステル、トリグリセリンモノパルミチン酸エステル、トリグリセリンモノステアリン酸エステル、トリグリセリンモノベヘン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステル、ソルビタントリベヘン酸エステル及びプロピレングリコールモノベヘン酸エステル等が挙げられ、好ましくはグリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル又はソルビタントリステアリン酸エステル等である。
本発明において用いられる油脂類としては、例えば油脂(トリアシルグリセライド)及びワックス等が挙げられる。
上記油脂(トリアシルグリセライド)としては、融点50℃以上、100℃未満で食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば極度硬化大豆油、極度硬化菜種油、極度硬化綿実油及び極度硬化パーム油等の植物油脂、極度硬化牛脂、極度硬化豚脂及び極度硬化魚油等の動物油脂が挙げられる。
また上記ワックスとしては、融点50℃以上、100℃未満で食用可能なワックスであれば特に制限はなく、例えばウルシロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、モクロウ及びモンタンロウ等が挙げられ、好ましくはウルシロウ又はミツロウ等である。
本発明において用いられるステロールとしては、例えば動物を基原とするコレステロール、植物を基原とするカンペステロール、シトステロール、スチグマステロール、イソフコステロール、ブラシカステロール、グラミステロール、シトロスタジェノール、オブツシホリオール、シクロオイカレノール及びシクロアルテノール、並びに菌類を基原とするエルゴステロール等が挙げられ、好ましくは一般にフィトステロールと総称される植物を基原とするステロール類である。
本発明において用いられるステロールは、遊離の状態であって、融点が約100〜160℃の範囲のものが好ましい。
尚、本発明において、融点は「基準油脂分析試験法(I)1996年版」(社団法人 日本油化学会)の[2.2.4.2_1996 融点(上昇融点)]に準じて測定される。
本発明になるチューインガム用コーティング組成物100質量%中には、常温で粒状又は粉末状の芯物質約55〜95質量%、好ましくは約65〜90質量%、融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類約0.5〜30質量%、好ましくは約1.0〜20質量%並びにステロール約3〜35質量%、好ましくは約5〜25質量%となるように調整するのが好ましい。
本発明になるチューインガム用コーティング組成物は、攪拌型混合造粒機を使用して製造される。以下に、好ましいコーティング組成物の製造方法を例示する。例えば、攪拌型混合造粒機に常温で粒状又は粉末状の芯物質、融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類、並びにステロールを入れ、0℃以上、50℃未満の温度で混合する。次に攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温約100〜160℃の温度で、好ましくは使用したステロールの軟化点以上、160℃以下の温度で、約15〜180分間混合することにより製造される。
又、本発明になるコーティング組成物は、攪拌型混合造粒機に常温で粒状又は粉末状の芯物質、融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類を入れ、0℃以上、50℃未満の温度で混合し、次に攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温50℃以上、100℃未満の温度で、好ましくは使用した乳化剤及び/又は油脂類の融点以上、100℃未満の温度で、約10〜60分間混合する。更にステロールを加え、攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温100〜160℃の温度で、好ましくは使用したステロールの軟化点以上、160℃以下の温度で、約15〜180分間混合することにより製造されても良い。
上記攪拌型混合造粒機としては、攪拌・混合羽根と造粒羽根を併せ持った混合造粒機であれば特に制限はなく、例えば、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)、ハイフレックスグラル(深江パウテック社製)、グラニュレーター(奈良機械製作所社製)、バーチカル・グラニュレーター(パウレック社製)等が挙げられる。
上記製造方法において、乳化剤及び/又は油脂類、並びにステロールは固体のまま配合するのが好ましいが、それぞれの融点以上に加熱して溶融し液体の状態で配合しても良い。
本発明の製法に従って製造されるコーティング組成物は、更に、粉砕処理されることが好ましい。コーティング組成物を粉砕処理するための装置としては特に限定されず、例えばカッターミル、ハンマーミル又はボールミル等の粗粉砕機、ファインインパクトミル(ホソカワミクロン社製)、スーパースクリーンミル(奈良機械製作所社製)等の微粉砕機、アトマイザー(パウレック社製)、カウンタージェットミル(ホソカワミクロン社製)等の超微粉砕機等を用いることができる。粉砕処理後、得られた粉砕物を必要に応じて篩い分けし目的とする粒子形のものを得ても良い。粉砕処理されたコーティング組成物の平均粒子径は、好ましくは5〜1000μm、より好ましくは10〜300μmである。
本発明になるコーティング組成物を配合したチューインガムは、自体公知の方法により製造される。例えば、一般的な板ガムは、チクル、酢酸ビニル樹脂、エステルガム、ポリイソブチレン及び炭酸カルシウム等を含むガムベース、砂糖、液糖、水あめ等の糖原料、水、グリセリン等の軟化剤及び香料等に本発明になるコーティング組成物を加えて混練し、得られた柔らかい塊をローラーで板状に伸ばし、次に定められた大きさに切断して包装することにより調製される。
以下に、実施例、試験例等を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
ハイフレックスグラル(型式:HF−GS−2J型,内容量2L;深江パウテック社製)にクエン酸(無水)粉末(食品添加物;昭和化工社製;標準篩16メッシュ篩別品)435g、パーム極度硬化油(横関油脂工業社製;融点59℃)10g、ステロール(商品名:理研植物ステロール;理研ビタミン社製;融点129℃)50g及びリン酸三カルシウム(食品添加物;太平化学工業社製)5gを仕込み、室温にて、主軸回転数500rpm、副軸回転数1500rpmの条件で5分間攪拌し、混合した。攪拌を続けながら、ジャケット内に蒸気を通して槽内を加熱し、内容物の品温が125±5℃に達温後、その温度を保ったまま約15分間混合した。
内容物を取り出し室温まで冷却し、得られた粒状のコーティング組成物の一部(約200g)を小型粉砕機(型式:SM−2型;アズワン社製)により粉砕し、粉砕物を篩い分け(26メッシュ:目開き600μm)して大きな粒子を除き、粉末状のクエン酸コーティング組成物(試料1)約180gを得た。該クエン酸コーティング組成物の平均粒子径は約100〜150μmであった。
[実施例2]
ハイフレックスグラル(型式:HF−GS−2J型,内容量2L;深江パウテック社製)にクエン酸(無水)粉末(食品添加物;昭和化工社製;標準篩16メッシュ篩別品)435g、グリセリンモノベヘン酸エステル(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製;融点71℃)10g及びリン酸三カルシウム(食品添加物;太平化学工業社製)5gを仕込み、室温にて、主軸回転数500rpm、副軸回転数1500rpmの条件で5分間攪拌し、混合した。攪拌を続けながら、ジャケット内に95℃の熱湯を通して槽内を加熱し、内容物の品温が85±5℃に達温後、その温度を保ったまま約10分間混合した。次に、容器内にステロール(商品名:理研植物ステロール;理研ビタミン社製;融点129℃)50gを加え、更に攪拌を続けながら、ジャケット内に蒸気を通して槽内を加熱し、内容物の品温が125±5℃に達温後、その温度を保ったまま約15分間混合した。
内容物を取り出し室温まで冷却し、得られた粒状のコーティング組成物の一部(約200g)を小型粉砕機(型式:SM−2型;アズワン社製)により粉砕し、粉砕物を篩い分け(26メッシュ:目開き600μm)して大きな粒子を除き、粉末状のクエン酸コーティング組成物(試料2)約180gを得た。該クエン酸コーティング組成物の平均粒子径は約100〜150μmであった。
[比較例1]
流動層造粒乾燥機(型式:WSG−5;大川原製作所社製)を使用し、クエン酸(無水)粉末(食品添加物;昭和化工社製;標準篩16メッシュ篩別品)435gを流動させながら、パーム極度硬化油(横関油脂工業社製;融点59℃)10gとステロール(商品名:理研植物ステロール;理研ビタミン社製;融点129℃)50gを混合し、溶融した溶解液にリン酸三カルシウム(食品添加物;太平化学工業社製)5gを分散させた油性の混合液を噴霧し、粒状のコーティング組成物を作製した。
次に、得られた粒状のコーティング組成物の一部(約200g)を小型粉砕機(型式:SM−2型;アズワン社製)により粉砕し、粉砕物を篩い分け(26メッシュ:目開き600μm)して大きな粒子を除き、粉末状のクエン酸コーティング組成物(試料3)約180gを得た。該クエン酸コーティング組成物の平均粒子径は約100〜150μmであった。
[試験例1]
実施例1〜2及び比較例1で得たクエン酸のコーティング組成物(試料1〜3)について溶出試験を行い、クエン酸の溶出量(mg)を測定した。次に、試料中のクエン酸(無水物)の含有量を87質量%と仮定して、クエン酸の溶出率(質量%)を求めた。結果を表1に示した。
〈試験方法〉
200mL容ビーカーに精製水(25℃)を100mL入れ、スリーワンモーター(型式:FLB−600,3枚プロペラ翼(φ3.8cm)使用;HEIDON社製)にて400rpmで攪拌する。コーティング組成物(試料1〜3)1.0gを精密に量り、水面に静かに投入し、5分間攪拌後、定性ろ紙(商品名:No.2;アドバンテック東洋社製)を用いて吸引ろ過し、試験溶液とした。
各試験溶液を1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し(指示薬 フェノールフタレイン試液2滴)、その滴定量B(mL)から次式によりクエン酸(無水物換算)の溶出量(mg)及びクエン酸の溶出率(質量%)を求めた。
Figure 0004373934
Figure 0004373934
Figure 0004373934
表1の結果から、実施例で得られたコーティング組成物(試料1〜2)では溶出率が低く、そのことから被覆が均一に行われていることが分かる。
[実施例3]
実施例1〜2及び比較例1で得たクエン酸のコーティング組成物(試料1〜3)を配合したチューインガムを作製し、得られたチューインガムを咀嚼した時の口中での酸味の持続性を評価した。
〈チューインガムの作製方法〉
表2に示した各原料を、卓上型ニーダー(型式:PN−1型;入江商会社製)にて約80℃で30分間混練し、得られた塊をローラーで板状に伸ばし、次に一枚の大きさを72×19×1.9mmに切断して板ガムを得た。
Figure 0004373934
〈咀嚼試験〉
板ガム1枚を口中で咀嚼し、噛み始めから酸味を感じなくなるまでの時間を測定した。結果を表3に示した。
Figure 0004373934
表3の結果から、実施例で得られたコーティング組成物(試料1〜2)を配合したチューインガムは、比較例で得られたコーティング組成物(試料3)を配合したチューインガムに比べて、咀嚼時の口中での酸味が顕著に持続することが明らかである。

Claims (3)

  1. 下記(1)及び(2)の工程を実施することを特徴とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
    (1)攪拌型混合造粒機にチューインガム用コーティング組成物100質量%中(a)常温で粒状又は粉末状の芯物質を55〜95質量%、(b)融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類を0.5〜30質量%、並びに(c)ステロールを3〜35質量%入れ、0℃以上、50℃未満の温度で(a)、(b)及び(c)を混合する。
    (2)攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温100〜160℃の温度で15〜180分間混合する。
  2. 下記(1)、(2)及び(3)の工程を実施することを特徴とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
    (1)攪拌型混合造粒機にチューインガム用コーティング組成物100質量%中(a)常温で粒状又は粉末状の芯物質を55〜95質量%、(b)融点50℃以上、100℃未満の乳化剤及び/又は油脂類を0.5〜30質量%入れ、0℃以上、50℃未満の温度で(a)及び(b)を混合する。
    (2)攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温50℃以上、100℃未満の温度で10〜60分間混合する。
    (3)更にチューインガム用コーティング組成物100質量%中(c)ステロールを3〜35質量%加え、攪拌を続けながら槽内を加熱し、内容物の品温100〜160℃の温度で15〜180分間混合する。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られるコーティング組成物を粉砕することを特徴
    とするチューインガム用コーティング組成物の製造方法。
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