JP6207820B2 - 酸味料を含有するチューインガムの酸味の増強方法 - Google Patents
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チューインガムに、酸味を付与する方法としては、クエン酸などの酸味料を添加することが一般的である。
また、チューインガムには、スクラロースなどの高甘味度甘味料が、甘味付与の目的などで使用されている。
特許文献1には、チューインガムに、スクラロース及びソーマチンを共存させることで、チューインガムの甘味や香味を持続できることが記載されている。
また、特許文献2には、予めガムベースを、クエン酸などの酸味料、及びスクラロースなどの高甘味度甘味料の少なくとも一方と加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する工程を含む呈味持続性チューインガムの製造方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、特定濃度範囲のフマル酸(酸味料)と、フマル酸の渋味のマスキング剤としてスクラロースを含有する、酸味持続性チューインガム組成物が記載されている。
スクラロースやソーマチンが酸味をマスキングすることに関しては、特許文献4に、クエン酸を水溶液濃度で0.1〜0.3%含有する製品に、スクラロースを0.0000075〜0.003重量%の量で添加することにより、クエン酸含有製品の酸味をマスキングできることが記載され、特許文献5には、酸味を呈する食品に、アスパルテームと共に、スクラロースやソーマチンを用いて、酸味をマスキングする方法が記載されている。
項1.酸味料を含有するチューインガムに、スクラロース、ソーマチン、又はラカンカ抽出物を添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法。
項2.酸味料1質量部に対して、スクラロースを5×10−6〜1.5×10−3質量部添加することを特徴とする、項1記載のチューインガムの酸味の増強方法。
項3.酸味料1質量部に対して、ソーマチンを5×10−5〜1×10−2質量部添加することを特徴とする、項1記載のチューインガムの酸味の増強方法。
項4.酸味料1質量部に対して、ラカンカ抽出物を5×10−5〜1×10−3質量部添加することを特徴とする、項1記載のチューインガムの酸味の増強方法。
項5.酸味料がクエン酸、リンゴ酸又は酒石酸である、項1〜4のいずれかに記載のチューインガムの酸味の増強方法。
それにより、酸味料による吸湿が起こりにくく、チューインガムの表面がべたついて包装紙に付着するなどの問題が解消される。さらに、酸味料による舌への刺激を軽減することができる。
通常これらの酸味料は、チューインガム中に0.1〜5質量%添加されている。
また、本発明に用いるソーマチンは、Marantaceae科(くずうこん科)に属する多年性植物ソーマトコッカス・ダニエリ(Thaumatococcus daniellii Bentham)の種子から得られた、分子量約22000のタンパク質を主成分とする甘味物質であり、砂糖の3000〜8000倍と非常に強い甘味度を有している。
ソーマチンは、ソーマトコッカス・ダニエリの果実の仮種皮を水抽出し、精製することによって調製することができるが、簡便には、市販の製品を用いることもでき、このような製品としては、サンスイートT(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を挙げることができる。
さらに、本発明に用いるラカンカ抽出物は、中国南部の高冷地で栽培されている「学名:グロスベノリ・スウイングル(Grosvenori Swingle)」というウリ科の果実の生又は乾燥したものから、水、メタノール、エタノールなどで抽出されるもので、モグロシドVを甘味の主成分(ショ糖の約300倍の甘味)として含有するものである。
ラカンカ抽出物は、例えば、FD羅漢果濃縮エキスパウダー(三栄源エフ・エフ・アイ社製、モグロシドV15%及び7%含有品)などの市販品を使用することができる。
また、酸味料を含有するチューインガムに添加するソーマチンの量としては、酸味料1質量部に対して、5×10−5〜1×10−2質量部、好ましくは、1×10−4〜1×10−2質量部である。
さらに、酸味料を含有するチューインガムに添加するラカンカ抽出物の量としては、酸味料1質量部に対して、5×10−5〜1×10−3質量部、好ましくは、1×10−4〜1×10−3質量部である。
酸味料を含有するチューインガムに添加するスクラロースの量が、酸味料1質量部に対して、5×10−6質量部より少ないと、酸味の増強効果が十分ではなく、また、1.5×10−3質量部より多いと、逆に酸味をマスキングするため、いずれも好ましくない。
また、酸味料を含有するチューインガムに添加するソーマチンの量が、酸味料1質量部に対して、5×10−5質量部より少ないと、酸味の増強効果が十分ではなく、また、1×10−2質量部より多いと、逆に酸味をマスキングするため、いずれも好ましくない。
さらに、酸味料を含有するチューインガムに添加するラカンカ抽出物の量が、酸味料1質量部に対して、5×10−5質量部より少ないと、酸味の増強効果が十分ではなく、また、1×10−3質量部より多いと、逆に酸味をマスキングするため、いずれも好ましくない。
例えば、まず、ガムベースを40〜60℃に加熱して融解させ、そのガムベースに酸味料、スクラロース、ソーマチン、又はラカンカ抽出物、その他のチューインガムの成分を加え、チューインガムに練り込む。
なお、スクラロース、ソーマチン、及びラカンカ抽出物は、これらを2種以上併用しても良い。
スクラロース、ソーマチン、又はラカンカ抽出物を混合する方法としては、通常、上記のようにスクラロース、ソーマチン、又はラカンカ抽出物を、通常、粉末の形態でそのままガムベースに添加して、加熱しながら練り込む方法が例示されるが、ガムベースの製造時にスクラロース、ソーマチン、又はラカンカ抽出物をガムベースに加えてもよい。
糖類としては、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、還元パラチノース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール等)を挙げることができる。
高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム等が挙げられる。
なお、以下の記載において、「部」は質量部を示す。
下記の表1及び表2の処方配合に従い、ガムベースにそれ以外の原料を練り込み、成型してチューインガムを製造した。
スクラロース無添加のコントロールと比べて、次の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表2に示した。
○:酸味が増強された △:酸味がやや増強された ×:酸味の増強効果なし
一方、スクラロース添加量5×10−3部では、酸味のマスキング効果が認められた。
表1のスクラロースに代えて、ソーマチンを表3のように添加量を変えて添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造した。
実施例1と同一の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表3に示した。
一方、ソーマチン添加量4×10−2部では、酸味のマスキング効果が認められた。
表1の処方において、スクラロース5×10−5部と、クエン酸を表4のように添加量を変えて添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造した。
実施例1と同一の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表4に示した。
表1の処方のスクラロースに代えて、各種高甘味度甘味料を表5のように、スクラロース0.0015部添加と同じ甘味になるような量を添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造した。
実施例1と同一の基準で酸味の増強効果を評価して、結果を表5に示した。
注2:レバウディオJ-100(守田化学工業株式会社、レバウディオサイドAを95%含有製剤)
スクラロース、ソーマチン以外の高甘味度甘味料では、スクラロース及びソーマチンで酸味の増強効果がある添加量と同等の甘味での添加量では、酸味の増強効果が認められなかった。
表1の処方のクエン酸に代えて、リンゴ酸3部を使用し、スクラロースを5×10−5部添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造したところ、酸味の増強効果が認められた。
表1の処方のクエン酸に代えて、リンゴ酸3部を使用し、スクラロースをソーマチン5×10−3部に代えて添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造したところ、酸味の増強効果が認められたが、その効果は実施例5よりもやや弱かった。
表1の処方のクエン酸に代えて、酒石酸2.5部を使用し、スクラロースを5×10−5部添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造したところ、酸味の増強効果が認められた。
表1の処方のクエン酸に代えて、酒石酸2.5部を使用し、スクラロースをソーマチン5×10−3部に代えて添加して、実施例1と同様にしてチューインガムを製造したところ、酸味の増強効果が認められたが、その効果は実施例7よりもやや弱かった。
下記の表6及び表7の処方配合に従い、ガムベースにそれ以外の原料を練り込み、成型してチューインガムを製造した。
ラカンカ抽出物無添加のコントロールと比べて、次の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表7に示した。
○:酸味が増強された △:酸味がやや増強された ×:酸味の増強効果なし
表6の処方のクエン酸に代えて、リンゴ酸3部を使用し、ラカンカ抽出物(注3)を表8のように添加量を変えて添加して、実施例9と同様にしてチューインガムを製造した。
実施例9と同一の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表8に示した。
表6の処方のクエン酸に代えて、酒石酸2.5部(ガムベース97.5部)を使用し、ラカンカ抽出物(注3)を表9のように添加量を変えて添加して、実施例9と同様にしてチューインガムを製造した。
実施例9と同一の基準で酸味の増強効果を評価し、結果を表9に示した。
Claims (3)
- 酸味料を含有するチューインガムに、スクラロースを添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法であって、酸味料1質量部に対して、スクラロースを8.33×10 −6 〜1.33×10 −3 質量部添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法。
- 酸味料を含有するチューインガムに、ソーマチンを添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法であって、酸味料1質量部に対して、ソーマチンを1.0×10 −4 〜1.0×10 −2 質量部添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法。
- 酸味料を含有するチューインガムに、ラカンカ抽出物を添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法であって、酸味料1質量部に対して、ラカンカ抽出物を1.67×10 −5 〜4.0×10 −3 質量部添加することを特徴とする、チューインガムの酸味の増強方法。
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