JP4368066B2 - 蒸らし機能付き抽出用フィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸らし機能付きフィルターに関し、さらに詳しくはレギュラーコーヒー粉末、紅茶、緑茶等の被抽出物の所望の成分を簡便に抽出することができる蒸らし機能付きフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からレギュラーコーヒーを簡便に抽出する方法としてドリップ式が用いられている。この方法は、フィルターをロート型保持具に装着し、コーヒー粉末を入れ、これに熱水を注いで抽出するものであり、簡便に抽出できる利点があるが、熱水の注ぎ方により、成分抽出に違いが生じ、味が変わるという欠点があった。一般に味の良い抽出をするためには、抽出初期に少量の熱水を注ぎ、コーヒー粉末を充分蒸らしてから所望の成分抽出を行うのがよいとされている。
しかし、従来のフィルターでは、被抽出物の粉末を通過させず、熱水を通過させる機能を有しているにすぎず、蒸らし機能を備えていないため、使用する人の好みにより熱水を注ぎ入れる速度や量を調整する必要があった。
このため、熱水温度や注ぎ入れる熱水量を一定にすれば、誰にでも味の良いコーヒ等を簡便に成分抽出できるフィルターが要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決し、コーヒー粉末等の被抽出物に熱水を注いで所望成分を抽出する際に、抽出初期に被抽出物を蒸らすための熱水量や蒸らし時間等を考慮することなく、必要量の熱水を一度に注ぐだけで容易に成分抽出を行うことができる蒸らし機能付きフィルターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、熱水を透過し難い特定の疎水性極細繊維不織布からなる内層と、合成繊維不織布からなる外層とを接着により積層一体化させることにより、フィルター容器内に注ぎ入れた熱水を一定時間そこに留まらせておくことができ、かつ一定時間経過後は熱水を容易に内層から外層を通過させて落下させることができることを見いだし、本発明に到達したものである。なお、本発明において、フィルターをそのまま容器状に形成するかまたは支持体を用いて容器状に形成したものを「フィルター容器」と称することがある。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0005】
(1)内層と外層を接着により積層一体化してなる通気性を有するフィルターであって、該内層は、平均繊維径0.1〜6μm、目付20〜60g/m2および厚み0.01〜1mmであり、見かけ密度0.05〜0.5g/cm 3 であり、耐水圧が2kPa以上の疎水性極細繊維不織布からなり、前記外層は合成繊維不織布からなり、該内層と外層は、ホットメルト系樹脂からなる繊維状シート接着剤により接着一体化され、その塗布量が2〜30g/m 2 であることを特徴とする蒸らし機能付き抽出用フィルター。
(2)前記外層の平均繊維径が10〜100μm、目付が10〜300g/m2および厚みが0.1〜2mmであることを特徴とする(1)に記載の蒸らし機能付き抽出用フィルター。
(3)前記蒸らし機能付きフィルターが、開口部を有する袋状または容器形状を有し、該袋状または容器形状のフィルターに熱湯を注いだ場合、該熱湯が該フィルターを通過して落下を開始するまでの時間が5〜180秒であることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の蒸らし機能付き抽出用フィルター。
【0006】
【作用】
本発明の蒸らし機能付きフィルターは、容器状に形成した場合、フィルター容器の内層として、熱水を通過しにくいが、水蒸気を通過させる、所定の耐水圧を有する特定の疎水性極細繊維不織布を用い、かつ該内層は、合成繊維不織布からなる外層と接着により積層一体化されているため、該フィルター容器内に成分抽出に必要な熱水を一度に注ぎいれても、熱水を一定時間該フィルター容器内に留めおくことができ、これによりコーヒー粉末等の被抽出物の蒸らし時間を確保することができる。また一定時間経過後は、熱水は内層から外層を通過することができるため、適正な時間で被抽出物の成分を抽出することができる。
すなわち、フィルターの容器内に注がれた熱水は、該フィルターの内層が所定の耐水圧を有する疎水性極細繊維からなるため、該フィルター容器内に一旦貯留されるが、その間に水蒸気は内層を通過して外層内部に侵入し、ここで結露する。結露水は時間の経過とともに増大して外層内に広がり保持されるが、一部の結露水が、外層と接着により積層一体化されている内層の繊維間隙の毛細管現象により内層に吸い上げられ、フィルター容器内に貯留されている熱水と接触する。この接触により接触部分の内層の耐水圧が低下し、この部分からフィルター容器内の熱水が内層および外層を通過して落下を開始する。時間の経過により吸い上げられる結露水の量が増大し、これにより、内層の耐水圧が低下した面積が拡大し、フィルター内からの熱水の透過量も増大し、抽出を完了する。
【0007】
図1(A) 〜(C) に本発明の蒸らし機能付きフィルター容器(以下、フィルターと称する)を用いた成分抽出時の抽出状況を示した。(A) は、蒸らし機能付きフィルター1の内層側に熱水5が注ぎ入れられた時の状態説明図であり、注ぎ入れられた熱水5はフィルター1内に一時的に貯留される。(B) は時間の経過とともにフィルター1の外層表面に結露水が水滴2となって現れ、ついに落下滴3となって落下する状態説明図である。フィルター1内に熱水5が貯留されている間、熱水5の水蒸気がフィルター1を構成する内層を通過し、外層の繊維間隙で結露し、その内部に保持されるが、結露水の一部が外層と接着により積層一体化されている内層の繊維間隙の毛細管現象により吸い上げられ、フィルター内に貯留されている熱水5と接触する。これにより熱水5と接触した部分の内層の耐水圧が低下し、その部分からフィルター内の熱水5が内層および外層を通過し、外層表面に水滴2となって出現し、落下滴3が落下する。時間の経過に伴い、耐圧性が低下した内層の面積が増大し、フィルター内の熱水は、(C) に示すように水滴群4となって落下する。
【0008】
本発明におけるフィルターの蒸らし機能は、上記したように、内層による熱水の貯留機能、内層の毛細管現象による結露水の吸上げ機能および外層による結露水の保持機能とによって得られるが、これらの機能を同時に得るためには、内層と外層が接着により積層一体化されていることが必要である。内層と外層が接着により積層一体化されていない場合には、内層を通過した水蒸気は内層と外層の間および外層内で結露するが、内層と外層の間に空気層が存在するため、内層の繊維間隙による毛細管現象が発現せず、従って、内層の耐水圧を低下させることができず、フィルター内の熱水が内層および外層を通過することができない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における蒸らし機能付きフィルターは、疎水性極細繊維不織布からなる内層と、合成繊維不織布からなる外層とをこれらの不織布の通気性を確保した状態で接着させ、積層一体化させることにより得られる。
本発明において、内層には疎水性極細繊維不織布が用いられる。この疎水性極細繊維不織布としては、成分抽出用の熱水をフィルター内に一定時間貯留させ、かつ水蒸気の透過性を確保する点から、耐水圧が2kPa以上、好ましくは2.5〜100kPaであり、かつ平均繊維径が0.1〜6μm、好ましくは0.5〜4μm、目付が5〜100g/m2 、好ましくは20〜60g/m2 および厚みが0.05〜1mm、好ましくは0.08〜0.5mmであることが必要である。
【0010】
疎水性極細繊維不織布の耐水圧が2kPa未満では、抽出用熱水を一度にフィルターに注ぎ入れると、熱水が内層を通過し易くなり、蒸らし時間を確保することができない。抽出用熱水の量は、既存のカップの容量に応じ、一般には1 50〜200cc程度であるが、該不織布の耐水圧が2kPa以上であれば60〜100℃の抽出用熱水を一度に注ぎ入れても内層を通過して漏れ出ることはない。また疎水性極細繊維不織布の平均繊維径が0.1μm未満、目付が100g/m2 を超え、さらに厚みが1mmを超えると、耐水圧は大きくなるが、水蒸気の透過性や通気性が低下し、一定時間後に発現される毛細管現象による熱水の透過性が低下する。また平均繊維径が6μmを超え、目付が5g/m2 未満で、厚みが0.05mm未満では、耐水圧が小さくなり、熱水の透過性がよくなり過ぎて熱水を一時的に貯留することができなくなる。
【0011】
極細繊維不織布を構成する繊維径、繊維量(目付)、厚み(みかけ密度)を上記範囲で適宜選択することにより、被抽出物に適した適切な蒸らし時間に調節することができる。内層の繊維径が大きく、目付、厚みが小さいと、水蒸気の透過性が大となり、結露水の増加が速くなり、蒸らし機能が低下する。一方、繊維径が小さく、目付、厚みが大きくなると、水蒸気の透過性が少なくなるため、結露水の増加が遅くなり、蒸らし機能時間が長くなる。
なお、極細繊維不織布のみかけ密度は0.05〜0.5g/cm3 の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜0.4g/cm3 である。
【0012】
本発明に用いられる疎水性極細繊維不織布は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの溶融ポリマーを高圧ガス流と共に、紡糸ノズルから噴射させるメルトブロー法により、またはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマーを有機溶媒に溶解させて高温高圧の溶液とし、これを紡糸ノズルで減圧させて有機溶剤を爆発的に気化させるフラッシュ紡糸法により得ることができる。
【0013】
本発明において、外層には合成繊維不織布が用いられる。この外層は、前記極細繊維不織布からなる内層に上記抽出用熱水の重さに耐えうる強度を付与する補強材としての役割と、後述するように内層を通過した水蒸気を結露させ、これをその内部に保持させる役割を有する。この外層に用いられる合成繊維不織布は、水蒸気の結露水を保持させる点から、内層の繊維径や目付よりも大きい方が好ましい。具体的は合成繊維不織布の平均繊維径は10〜100μm、目付は1 0〜3 00g/m2 、厚みは0.1〜2mmが好ましく、より好ましくはそれぞれ12〜60μm、15〜70g/m2 、0.2〜1mmである。
外層の平均繊維径が10μm未満では繊維間隙が小さくなり、結露水を保持する能力が向上することができるが、強度が不足し易く、また100μmを超えると強度は充分であるが、繊維間隙が大きくなり、結露水の保持能力が低下し、外層内部への結露水の広がり性が不足する。また目付が10g/m2 未満、厚みが0.1mm未満では、繊維間隙が大きくなり、結露水の保持量が不足し易く、目付が300g/m2 を超え、厚みが2mmを超えると熱水の透過性が不足しやすくなる。
【0014】
外層に用いられる合成繊維不織布としては特に制限されず、例えば、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレンとポリプロピレン複合繊維、ポリエチレンとポリエステルの複合繊維、熱融着繊維、接着性繊維などの短繊維や長繊維が用いられ、これらは二種以上を混合しまたは積層して用いることができる。不織布の製造には公知のスパンボンド法、ニードルパンチ法、サーマルボンド法、ウオーターパンチ法などのいずれを採用してもよい。
【0015】
本発明における蒸らし機能付きフィルターは、上記内層と外層とを接着により積層一体化することにより得られる。内層と外層が接着により積層一体化されていない場合には、内層を通過した水蒸気は内層と外層の間および外層内で結露するが、内層と外層の間に空気層が存在するため、内層の繊維間隙による毛細管現象が発現せず、従って、内層の耐水圧を低下させることができず、フィルター内の熱水が内層および外層を通過することができない。内層と外層を積層一体化することにより、極細繊維不織布からなる内層の強度をさらに補強することができる。
【0016】
内層と外層を積層一体化する方法には、不織布の通気性が阻害されなければ特に制限はない。例えば、溶剤系接着剤、水系接着剤、ホットメルト系樹脂接着材などを公知のグラビヤロール法やキスロール法により、また粒子状の接着剤を均等に分散させた液を塗布し、加熱して接着する方法などにより行うことができる。加熱接着は熱エンボス加工により部分的に熱接着させてもよい。これらのうち、繊維状シートのホットメルト系樹脂接着剤を内層と外層の間に挟んで加熱、加圧する方法が好ましい。繊維状シートの接着剤は、例えば、エチレンー酢酸ビニール系共重合樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリエステル樹脂などのホットメルト系樹脂を公知のメルトブロー方式でノズルから溶融状態で押し出し、加熱空気により噴射、開繊して積層することにより得られる。
【0017】
接着剤の量は、フィルターの取扱い時に内層と外層が剥がれなければよく、接着力および熱水の透過性等の点から2〜30g/m2 が好ましく、より好ましくは4〜10g/m2 である。
なお、強度の弱い極細繊維不織布からなる内層の表面を補強するため、内層の上部に補強材を積層して3層構造としてもよい。
【0018】
本発明における蒸らし機能付きフィルターは、例えば、接着材や熱シールにより平袋、ガセット状、スタンデングパウチ状などに加工して、またはフィルム、紙、プラスチックなどからなる袋状物、円筒状物などの底部に取り付けて、または容器形状に一体成形して使用されるが、これらに限定されるものではない。レギュラーコーヒー粉末、紅茶、緑茶、薬草などの被抽出物を抽出する場合には、特に開口部を有する袋状に加工して、または容器形状に一体成形して用いるのが好ましい。この場合の袋または容器の容量は、所定の成分抽出ができる熱水を一度に、または数回に別けて注ぎ入れることができる容量とするのが好ましい。
【0019】
本発明のフィルターを製造するには、通常、熱プレス成形加工で深さ10〜150mmの容器形状に形成される。熱プレス成形加工は、上記内層と外層を接着により積層一体化したフィルターを温度80〜230℃に加熱し、または凹凸金型、凸金型などを加熱し、加圧して行われる。該フィルターの成形加工性は、成形加工温度で、伸び易く、伸長加工により破れないことが必要である。このため、一体成形する際のフィルターは、加熱温度での破断伸度が50%以上であるのが好ましく、より好ましくは70〜400%である。
また成形された容器の底部に被抽出物を充填し、該被抽出物が外部にでないように紙や不織布でシールしてもよい。
【0020】
さらに本発明において、開口部を有する袋状または容器形状を有する蒸らし機能付きフィルターに熱水を注いだ場合、該熱水が該フィルターを通過して落下を開始するまでの時間、すなわち蒸らし時間が5〜180秒、好ましくは10〜120秒、より好ましくは15〜90秒であることが好ましい。蒸らし時間が5秒未満では、抽出された液の味が薄すぎ、一方、180秒を超えると熱水と被抽出物との接触時間が多すぎて抽出される成分が多くなり味が濃く、また得られる液の温度が低くなるなどの問題が生じる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、例中の特性の測定は以下の方法で行った。
(1) 目付 :JIS-L-1906に準じて測定し、単位面積当たりの質量で表す。
(2) 平均繊維径:顕微鏡方法で測定する。
(3) 厚み :JIS-L-1906に準じて測定する。
(4) 破断伸度:JIS-L-1906に準じて加熱雰囲気で測定する。
(5) 通気性 :JIS-L-1906フラジュール形法で測定する。
【0022】
参考実施例1、5、実施例2〜4
公知のメルトブロー方式により表1に示す平均繊維径、目付および厚みを有するプロピレン極細繊維不織布をそれぞれ製造して内層とし、また公知のスパンボンド方式により表1に示す平均繊維径、目付および厚みを有するポリプロピレン長繊維不織布をそれぞれ製造して外層とした。上記内層と外層をホットメルト系樹脂で接着してフィルター材を得た。
接着は公知のメルトブロー方式でポリプロピレン系共重合樹脂を目付5g/m2 の塗布量となるように繊維シート状に積層させて加熱加圧して行った。口径60mmおよび深さ80mmのガラス容器の低部に上記フィルター材を取り付けて本発明のフィルターとした。この抽出器内にレギュラーコーヒー粉末を8g入れ、90℃の熱水170ccを一度に注ぎ入れて抽出を行った。
フィルターに熱水を注いでから熱水がフィルターを落下しはじめるまでの時間(蒸らし時間)および熱水が落下を開始してから終了するまでの時間(抽出時間)を測定した。その結果を表1に示したが、熱水を一度に注ぎ入れて美味しいコーヒーが抽出できた。また内層および外層の平均繊維径、目付、厚み、耐水圧を適宜選定することにより、蒸らし時間および抽出時間の調整が可能であることがわかった。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例6
公知のメルトブロー方式によりプロピレン極細繊維不織布(平均繊維径1.6μm、目付20g/m2 、厚み0.16mm、耐水圧5.0kPa、110℃の破断伸度120%)を製造してフィルターの内層とした。また公知のスパンボンド方式によりポリエステル長繊維不織布(平均繊維径28μm、目付250g/m2 、厚み0.63mm、110℃の破断伸度240%)を製造して同じフィルターの外層とした。上記内層と外層をポリプロピレン系共重合樹脂のホットメルト接着剤を用いて塗布量6g/m2 で接着し、その後、熱プレス成形加工で一体成形して容器形状のフィルターを得た。熱プレス成形加工は、口径80mm、底径60mm、深さ50mmの容器状凹凸金型を加熱し(温度110℃)、加圧して行った。
このフィルターを用いて実施例1と同様にしてコーヒー成分の抽出を行ったところ蒸らし時間は47秒で、成分抽出時間は85秒であり、抽出に必要なの熱水を一度に注いでも美味しいコーヒーを抽出することができた。
【0025】
実施例7
平均繊維径15μm、目付20g/m2 、厚み0・17mmおよび通気性320cc/cm2 /secのポリプロピレン長繊維不織布を上層および下層とし、これらの間に、平均繊維径3.2μm、目付40g/m2 、厚み0.37mmおよび耐水圧4.6kPaのポリプロピレン極細繊維不織布を積層し、温度130℃の凸部を有するエンボスロールと平滑ロールの一対ロール間を通させて熱エンボス加工により3層の不織布を接着させて蒸らし機能フィルター材を得た。
得られたフィルター材を、直径100mmの半円状の平袋形状に熱シール加工してフィルターとした。このフィルターを、底に穴の開いたプラスチック製のドリッパーに装着し、レギュラーコーヒーを8g入れ、熱水170ccを注いで成分抽出を行った。蒸らし時間は43秒、成分抽出時間は61秒であり、抽出に必要な熱水を一度に注いでも美味しいコーヒーを抽出することができた。
【0026】
比較例1
実施例4において、内層と外層を接着しなかった以外は実施例4と同様にしてフィルターを作り、コーヒー成分の抽出を行ったが、フィルターから熱水が透過せず、コーヒーの成分抽出をすることができなかった。
【0027】
【発明の効果】
請求項1〜4の蒸らし機能付きフィルターによれば、水蒸気を通過し、熱水を透過しない特定の疎水性極細繊維不織布からなる内層と合成繊維不織布からなる外層を積層一体化しているため、レギュラーコーヒー粉末、紅茶、緑茶、薬草などの成分を抽出する際に、必要な抽出用熱水を一度に注いでも、一定の蒸らし時間を確保でき、簡便に、かつ安定して成分抽出を行うことができる。
本発明の蒸らし機能付きフィルターは、蒸らしを必要とする成分抽出に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸らし機能付きフィルターを用いた成分抽出時の抽出状況を示す図。
【符号の説明】
1…蒸らし機能付きフィルター、2…水滴、3…落下滴、4…水滴群、5…熱水。
Claims (3)
- 内層と外層を接着により積層一体化してなる通気性を有するフィルターであって、該内層は、平均繊維径0.1〜6μm、目付20〜60g/m2および厚み0.01〜1mmであり、見かけ密度0.05〜0.5g/cm 3 であり、耐水圧が2kPa以上の疎水性極細繊維不織布からなり、前記外層は合成繊維不織布からなり、該内層と外層は、ホットメルト系樹脂からなる繊維状シート接着剤により接着一体化され、その塗布量が2〜30g/m 2 であることを特徴とする蒸らし機能付き抽出用フィルター。
- 前記外層の平均繊維径が10〜100μm、目付が10〜300g/m2および厚みが0.1〜2mmであることを特徴とする請求項1に記載の蒸らし機能付き抽出用フィルター。
- 前記蒸らし機能付きフィルターが、開口部を有する袋状または容器形状を有し、該袋状または容器形状のフィルターに熱湯を注いだ場合、該熱湯が該フィルターを通過して落下を開始するまでの時間が5〜180秒であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の蒸らし機能付き抽出用フィルター。
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