JP4362743B2 - ラケットフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テニス、バトミントン、スカッシュ等の球技用のラケットフレーム、特にテニス用に好適に用いられるラケットフレームに関し、詳しくは、強度、剛性を保持しながら、打球時に生じる振動の減衰性を高め、プレーヤーの肘に生じる衝撃力を減少させて、テニス肘(所謂テニスエルボー)の発生を低減するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラケットフレームは繊維強化樹脂製が、その軽量性、高剛性、高強度、耐久性等を有する点より主流となっている。通常、ラケットフレームは炭素繊維のような高強度、高弾性率の繊維で強化された熱硬化性樹脂から一体的に成形されている。この熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂製品のラケットフレームは、剛性が高く優れたものであるが、衝撃を受けた時に振動が発生しやすく、プレーヤーにテニスエルボーを発生しやすい問題があった。
【0003】
また、マトリクス樹脂として熱可塑性樹脂を用いたラケットフレームも提供されており、該ラケットフレームは、熱可塑性樹脂のもつ靭性の高さを反映して、従来の熱硬化性樹脂製のラケットフレームでは得られなかった耐衝撃性、振動減衰性等の特性を備えている。
【0004】
しかしながら、一般に熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂と比較して、弾性率の環境依存性が大きく、ラケットフレームの使用環境により、剛性等の特性が変化しやすい欠点がある。そのため、環境依存性を想定して予め剛性、強度を高めに設定しなければならず、そのために、重量が増加する問題が発生していた。
【0005】
また、従来、振動減衰性を高めるラケットフレームとして、特開平9−122274号公報において、面内方向の一次振動の腹の部分にあたるラケットフレームのヨーク部分の面内方向の厚さを他のガット張り部(フェース部)およびスロート部よりも大きくして、振動の減衰を図るラケットフレームが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記ラケットフレームのヨーク部分の面内方向の厚さを、他のガット張り部の厚さよりも1.5〜4倍としても、面内方向の振動の減衰に寄与するだけで、面外方向の振動を減衰することは出来ない。さらに、この面内方向の厚さを増大すると、面内剛性が増加し、それに伴い面内固有振動数が増加する。その結果、面内固有振動数と面外固有振動数との差が大きくなり、ラケットの飛び性能が低下する欠点が発生する。さらに、ヨーク部分の重量密度を他のガット張り部およびスロート部よりも小さくすると、振動の腹の部分にあたるヨーク部分が振動しやすくなり、振幅が大きくなって、振動抑制効果が少ない。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、面内方向および面外方向の振動のいずれも効果的に減衰できると共に、飛び性能を低下させずに両立でき、かつ、剛性、強度が安定したラケットフレームを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1で、ガット張り部にV形状のスロート部が連続したラケットフレームにおいて、
上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部のヨーク部分に、繊維含有量を40〜70vol%とした繊維強化樹脂からなるフレームを備えると共に、ガット張り部のヨーク部分以外は熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とした繊維強化樹脂からなる筒状フレームを形成し、
上記ヨーク部分の単位長さ重量を、ガット張り部のヨーク部分以外の単位長さ当たりの重量より大きくしていることを特徴とするラケットフレームを提供している。
【0009】
上記ヨーク部分の重量を大きくする部分は、ヨーク部分の長さ方向の中央部から左右方向に少なくとも50mm以上の範囲とし、上記重量分布は0.18〜0.38g/mmの範囲とすることが好ましい。
【0010】
上記のようにヨーク部分の重量を大とするのは、ヨーク部分は、打球時にラケットフレームに発生する面内方向および面外方向の一次振動の腹(最も振幅の大きい部分)に当たるためである。振動が発生するには大きなエネルギーが必要となり、振動の腹の部分の重量を大とすると面内方向および面外方向の両方の振動が抑制されることとなる。このように、振動の腹の部分に当たるヨーク部分の重量を増加すると、ヨーク部分にはフレーム全体の振動とは異なる振動数の振動を励起して、フレーム全体の振動を抑制することができる。
なお、前記従来例の特開平9−122274号公報ではヨーク部分の重量密度をヨーク部分を除くガット張り部およびスロート部の重量密度より小さいくしており、本発明とは逆となっている。
また、上記ヨーク部分の単位当たりの重量を大きくする部分では断面周長を、該ヨーク部分以外のガット張り部および上記スロート部の断面周長より大きくしていることが好ましい。
【0011】
なお、ガット張り部にV形状のスロート部が連続したラケットフレームにおいて、
上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部のヨーク部分は、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂とし、繊維含有量を40〜70vol%とした繊維強化樹脂からなるフレームで形成すると共に該フレームの外周枠に囲まれた中空部に、比重が0.3〜1.0g/cm3の樹脂、エラストマーあるいはゴムを充填している一方、
上記ガット張り部のヨーク部分以外は熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とした繊維強化樹脂からなる筒状フレームで形成し、
上記ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外のガット張り部および上記スロート部の断面周長より大きくしてもよい。
【0012】
上記のように、ヨーク部分の断面周長をガット張り部およびスロート部よりも大きくすると共に、該ヨーク部分の面外方向の厚みは20mm以上とすることが好ましい。具体的には、ヨーク部分の断面周長は64mm〜80mmで、面外方向の厚みは20mm〜28mm、面内方向の厚みを13mm〜16mmとすることが好ましい。
【0013】
上記のように、ヨーク部分の断面周長を大きくすると、面内方向および面外方向の両方の断面2次モーメントを大きくすることができる。このように、面内方向および面外方向のいずれでも振動の腹に当たるヨーク部分の面内方向の剛性および面外方向の剛性を上げることによりより、振動減衰性を高めることができる。
【0014】
ヨーク部分の断面周長を64mm〜80mmとするのは、64mmより小さいと振動減衰性に寄与できる程度まで剛性を高めることができず、また、80mmより大きいと重量が増加する問題がある。また、面外方向の厚みを20mm以上とすると、20mmより小さいと面外方向の振動抑制に効果がないためである。この面外方向の厚みを20mm〜28mm、面内方向の厚みを13mm〜16mmとしているのは、断面周長を13mm〜16mmとする範囲内において、面外方向と面内方向の両方の振動を最も効果的に抑制できる寸法範囲であることに因る。
【0015】
上記ヨーク部分に充填する充填材は、比重0.3〜1.0g/cm3 としている。この比重を0.3〜1.0g/cm3の範囲としているのは、0.3g/cm3より小さくするとヨーク重量が小さくなり、上記の振動減衰効果がえられない。また、1.0g/cm3より大きいと減衰効果はあるが、ヨーク重量が大きくなり過ぎて重くなる問題が発生する。なお、0.4〜0.7g/cm3が最適範囲である。
【0016】
さらに、上記充填材として、tan δのピーク温度(ガラス転移点)が10℃以下の樹脂、あるいはエラストマー、発泡ゴムを充填することが好ましい。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリスチレン系、エチレン酢酸ビニル共重合休、エチレンエチルアクリレート系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、エポキシ系、フェノ一ル系、フッ素系及び尿素系等の合成樹脂、さらに合成ゴム、例えば、スチレンプタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、イソプレン系、ブタジエン系、ブチル系、エチレン・プロピレン系、アクリル系、シリコーン系、チオール系及び塩素化系のゴムなどを使用することが出来、特に、温度変化による弾性率の小さい材料が好ましい。 このように、ヨーク部分の中空部に振動減衰性の良い部材を充填すると、ヨーク部材の重量を増加させることによる振動抑制作用との相乗効果により、振動をより効果的に減衰させることができる。かつ、ヨーク部分にストリングスを張架するため、ストリングスの振動を減衰させる作用もある。
【0018】
熱可塑性樹脂は振動減衰性に優れているため、ヨーク部分のフレームを熱可塑性樹脂で成形すると、振動減衰性をさらに高めることができる。しかも、繊維含有率を40〜70vol%としているため、剛性を高めることができ、この点からも振動減衰性に寄与することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
本発明の実施形態のラケットフレームは、図1に示すテニス用のラケットフレームからなる。該ラケットフレームは、流線型断面のラケットで、フェイス面Sを囲むガット張り部1にスロート部2の左右両側部2a、2bが連続し、これら左右両側部が合体してシャフト部3、およびグリップ部4と連続する。上記スロート部2のV字状となる左右両側部2a、2bに挟まれた部分のガット張り部にヨーク部分5となる。このヨーク部分5を除いた部分は、長尺な連続した筒状フレームから成形され、ヨーク部分5が別フレームをガット張り部1に連結した構成となっている。
【0021】
上記ラケットフレームはヨーク部分5も含めて、マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を用い、強化繊維として炭素繊維を用いたプリプレグシートを、加熱加圧して筒形状に成形している。
【0022】
上記ヨーク部分5を除くガット張り部1およびスロート部2の左右両側部2a、2bの断面形状は同一で、八角形状とし、本実施形態では、面外方向の厚さL1を22mm、面内方向の厚さL2を13〜14mmとし、ヨーク部分5を除くガット張り部1の断面周長が最も大きい部分はガット張り部1のトップ部分1aで、断面周長を59mmとしている。また、ヨーク部分5を除くガット張り部1の単位長さ重量は0.14g/mmとしている。なお、ガット張り部1に囲まれたフエース面積は105in2としている。
【0023】
上記ヨーク部分5の断面四角形状とし、その断面周長を、他のガット張り部1およびスロート部2の左右両側部2a、2bの断面周長よりも大きく設定し、本実施形態では67mmとしている。かつ、該ヨーク部分5では、その面外方向の厚さL1’を20mm以上で、本実施形態では22mmとし、面内方向の厚さL2’を14mmとしている。
【0024】
また、ヨーク部分5は、他の部分と同様に、上記繊維強化熱硬化性樹脂で四角枠形状の外枠5aを構成し、繊維含有量は40〜70vol%として剛性を高めている。また、該外枠5aの内部に充填材5bを充填している。該充填材5bとしては、比重が0.3〜1.0g/cm3で、tan δのピーク温度(ガラス転移点)が10℃以下の樹脂、エラストマーあるいはゴムを充填している。
【0025】
上記ヨーク部分5は、外枠5aのみからなる場合および外枠5aに充填材5bを充填した場合のいずれの場合も、単位長さ当たりの重量は0.18〜0.38g/mmとしており、ヨーク部分5を除く他のガット張り部分およびスロート部の単位長さ当たりの重量を大きくしている。
【0026】
本実施形態では、ヨーク部分5の充填材5bとして軟質発泡ウレタンを用いている。即ち、ナイロンチューブにポリスチリレンを充填したものを外枠5aに挿入し、成形時に発泡させることで内圧を付加している。成形後に、外枠5aにガット孔をあけ、該ガット孔からキシレンを注入してポリスチレンを溶解して取り出し、溶融したウレタンを注入し、その後、発泡させて充填材5bとして軟質発泡ウレタンを充填している。
【0027】
他の実施形態では、図3に示すように、ヨーク部分5を中央部5−1と左右両側部5−2とに分割し、中央部5−1では、その外枠5aを繊維強化熱可塑性樹脂で成形した後、中空部にエラストマーからなる充填材5bを充填している。この中央部5−1の両端に繊維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシートの積層材を巻き付け、ヨーク部分以外のガット張り部1およびスロート部2等のフレームとなる繊維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシートと一体成形して、両側部5−2を形成している。この場合、中央部5−1は50mm以上とし、その単位長さ当たりの重量を他の部分よりも大きくして、0.18〜0.38g/mmの範囲に設定し、かつ、断面周長を他の部分よりも大きくして、この実施形態では67mmとしている。
【0028】
(実施例1)
実施例1はヨーク部分5の外枠5a内に発泡ゴムからなる充填材5bを充填した。即ち、発泡ゴムからなる充填材5bをナイロンチューブ内に挿入した。炭素繊維を強化繊維とし、熱硬化性のエポキシ樹脂をマトリクス樹脂としたCFプリプレグシート(東レ製T800、P2053−12、レジンコンテント30%)を積層したものを、上記ナイロンチューブの外周面に被覆し、加熱加圧して、ヨーク部分5を成形した。ヨーク部分5以外のフレームは、φ14.5mmのマンドレルに被せた66ナイロンチューブの外周に、CFプリプレグシート(東レ製T800、P2053−12、レジンコンテント30%)の積層体を巻き付けた。上記プリプレグシートの強化繊維の繊維角度は、0度、22度、30度、90度として積層した。積層後、マンドレルから抜き出して、レイアップを形成した。このレイアップの重量は180gであった。該レイアップと上記ヨーク部分以外のフレーム部分とを成形金型内のキヤビティ内に挿入し、加熱加圧して、ヨーク部分および他のフレーム部分とを一体化してラケットフレームを成形した。
【0029】
成形したラケットフレームは208gで、ヨーク部分5は断面四角形状で、その面内方向の厚みは14mm、面外方向の厚みは22mm、断面周長は67mm、単位長さ重量は0.27g/mmであった。また、ガット張り部の最大断面周長のトップ部は断面周長が59mm、面内方向の厚みは22mm、面外方向の厚みは13〜15mm、単位長さ重量は0.14g/mmであった。
【0030】
(実施例2)
ヨーク部分5の外枠5aを繊維強化RIMナイロンで成形した。他の構成は実施例1と同一とした。成形したラケットフレームの重量は197gであり、ヨーク部分の単位長さ重量は0.36g/mmであった。ヨーク部分およびガット張り部のトップ部の断面周長は実施例1と同一であり、該トップ部の単位当たり重量も実施例1と同一であった。
【0031】
(実施例3)
ヨーク部分5の充填材5bとして発泡ポリスチレンを高密度に充填した。それ以外の構成は実施例1と同一とした。なお、ポリスチレンはキシレンで溶解後、軟質の発泡ウレタンを充填した。発泡体の比重は0.35g/cm3であった。 成形したラケットフレームの重量は195gであり、ヨーク部分の単位長さ重量は0.25g/mmであった。ヨーク部分およびガット張り部のトップ部の断面周長は実施例1と同一であり、該トップ部の単位当たり重量も実施例1と同一であった。
【0032】
(実施例4)
キシレンで発泡ポリスチレンを溶解後、軟質発泡ウレタンを充填していないこと以外は実施例3と同様とした。
【0033】
(比較例1)
ヨーク部分5の充填材5bとして、は実施例3と同様に、発泡ポリスチレンを高密度に充填した。発泡体の比重は0.19g/cm3であった。 しかしながら、断面形状を楕円形状とし、面内方向の厚みを20mm、面外方向の厚みを12mmとし、断面周長を52mmとした。該ヨーク部分の単位長さ重量は0.12g/mmであった。他の構成は実施例3と同様とした。成形したラケットフレームの重量は194gであり、トップ部の断面周長、及び単位長さ重量は実施例3と同一であった。
【0034】
(実施例5)
比較例1と形状は同一で、ヨーク部の単位長さ重量が0.23であること以外は比較例1と同様である。ただし、単位長さ重量を増加するため、ヨーク部のCFプリプレグシートを増加した。
【0035】
上記実施例1〜5および比較例1のラケットフレームから形成したテニスラケットについて、面外固有振動数、面外振動減衰率、面内固有振動数、面内振動減衰率、反発係数について評価試験を行った。
【0036】
ラケットの固有振動数及びその減衰比の測定方法を図4に示す。 ヨーク部分の中央に加速度ビックアップ30を取り付け、 テニスラケットのトップ部を紐で吊るして、加速度ピックアップと反対面で、かつ、ヨーク部の付け根位置をインパクトハンマー31で加振した。インパクトハンマー31に取り付けたフォースピックアップ32で計測した入力振動(F) と加速度ピックアップ30で計測した応答振動(α)をアンプ33を介して周波数解析装置34( ヒューレットパッカード製 ダイミックシグナルアナライザーHP3562A)により解析した。
【0037】
上記解析で周波数領域での伝達関数を求めて、ラケットフレームの面外1次振動数,面内1次振動数を得た。減衰比 (ζ) は下記の式によって求めた。
【0038】
ζ= (1/2)× (Δω/ωn)
T0=Tn/√2
【0039】
上記評価試験はそれぞれ3回行った。その結果の平均値を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1より明らかなように、実施例1〜5では面外固有振動数は144〜160で、面外振動減衰率は0.59〜0.91%とであるのに対して、比較例1では面外固有振動数は136で、面外振動減衰率は0.39%で、実施例の方が減衰性能が高いことが確認できた。また、面内固有振動数は実施例1〜5が348〜393で、面内振動減衰率は0.69〜1.04%であるのに対して、比較例1では面内固有振動数は389で面内振動減衰率は0.62%で、実施例の方が減衰性能が高いことが確認できた。
【0042】
反発係数の測定は、実施例1〜5および比較例1のテニスラケットにストリングスを縦糸551b×横糸501bで張り、各ラケットのグリップ部を柔らかく固定し、そのフェイス部に打ち出し機から打ち出したボールを40m/secの入射速度で衝突させ、ボールの最大反発係数を測定した。
【0043】
上記反発係数の測定結果を上記表1に示す。表1より明らかなように、実施例1〜5は0.41〜0.43であったのに対して、比較例1は0.39で、本実施例の方が反発係数が大きく、ボールの飛び性能が良いことが確認できた。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、打球時にラケットフレームに発生する面内方向および面外方向の一次振動の腹にあたるヨーク部分の単位長さ当たりの重量を最大としているため、面内方向および面外方向の両方の振動を抑制することが出来る。かつ、この振動の腹の部分に当たるヨーク部分の重量を増加すると、ヨーク部分にはフレーム全体の振動とは異なる振動数の振動を励起して、フレーム全体の振動を抑制することができる。
【0045】
また、ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外のガット張り部および上記スロート部の断面周長より大きくすると、面内方向および面外方向の両方の断面2次モーメントを大きくなり、ヨーク部分の面内方向の剛性および面外方向の剛性が大となって、振動減衰性を高めることができる。
【0046】
さらに、ヨーク部分は繊維強化樹脂からなる中空状の外周枠内部に、比重0.3〜1.0g/cm3で、かつ、発泡ゴム、発泡ゴム等の振動減衰性の良い充填材を充填すると、ヨーク部材の重量あるいは断面周長を増加させることによる振動抑制作用との相乗効果により、振動をより効果的に減衰させることができ、かつ、ヨーク部分にストリングスが直接的に張架されるため、ストリングスの振動を減衰させることもできる。
【0047】
さらにまた、ヨーク部分を、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂として繊維含有率を40〜70vol%とした繊維強化樹脂でフレームを形成すると、熱可塑性樹脂は振動減衰性に優れているため、振動減衰性をさらに高めることができる。しかも、繊維含有率を40〜70vol%としているため、剛性を高めることができ、この点からも振動減衰性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のラケットフレームを示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 他の実施形態を示す断面図である。
【図4】 振動測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガット張り部
2 スロート部
3 シャフト部
4 グリップ部
5 ヨーク部分
5a 外枠
5b 充填材
Claims (3)
- ガット張り部にV形状のスロート部が連続したラケットフレームにおいて、
上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部のヨーク部分に、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂とし、繊維含有量を40〜70vol%とした繊維強化樹脂からなるフレームを備えると共に、ガット張り部のヨーク部分以外は熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とした繊維強化樹脂製からなる筒状フレームで形成し、
上記ヨーク部分の単位長さ重量を、ガット張り部のヨーク部分以外の単位長さ当たりの重量より大きくしていることを特徴とするラケットフレーム。 - 上記ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外のガット張り部および上記スロート部の断面周長より大きくしている請求項1に記載のラケットフレーム。
- 上記ヨーク部分は上記フレームの外周枠部に囲まれた中空部に、比重が0.3〜1.0g/cm3の樹脂、エラストマーあるいはゴムを充填している請求項1または請求項2に記載のラケットフレーム。
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