JP2000014833A - ラケットフレーム - Google Patents

ラケットフレーム

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JP2000014833A
JP2000014833A JP10189469A JP18946998A JP2000014833A JP 2000014833 A JP2000014833 A JP 2000014833A JP 10189469 A JP10189469 A JP 10189469A JP 18946998 A JP18946998 A JP 18946998A JP 2000014833 A JP2000014833 A JP 2000014833A
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racket frame
frame
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Sadahiko Sasaki
貞彦 佐々木
Kunio Niwa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面内振動と面外振動の両方を効果的に抑制す
る。 【解決手段】 スロート部2の左右両側部に挟まれるガ
ット張り部1のヨーク部分5を、ガット張り部のヨーク
部分以外の単位長さ当たりの重量より大きくしている。
あるいは、ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外
のガット張り部および上記スロート部の断面周長より大
きくしている。このヨーク部分には繊維強化樹脂からな
る中空状の外周枠内部に、比重0.3〜1.0g/cm3
の充填材を充填している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス、バトミン
トン、スカッシュ等の球技用のラケットフレーム、特に
テニス用に好適に用いられるラケットフレームに関し、
詳しくは、強度、剛性を保持しながら、打球時に生じる
振動の減衰性を高め、プレーヤーの肘に生じる衝撃力を
減少させて、テニス肘(所謂テニスエルボー)の発生を
低減するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラケットフレームは繊維強化樹脂
製が、その軽量性、高剛性、高強度、耐久性等を有する
点より主流となっている。通常、ラケットフレームは炭
素繊維のような高強度、高弾性率の繊維で強化された熱
硬化性樹脂から一体的に成形されている。この熱硬化性
樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂製品のラケッ
トフレームは、剛性が高く優れたものであるが、衝撃を
受けた時に振動が発生しやすく、プレーヤーにテニスエ
ルボーを発生しやすい問題があった。
【0003】また、マトリクス樹脂として熱可塑性樹脂
を用いたラケットフレームも提供されており、該ラケッ
トフレームは、熱可塑性樹脂のもつ靭性の高さを反映し
て、従来の熱硬化性樹脂製のラケットフレームでは得ら
れなかった耐衝撃性、振動減衰性等の特性を備えてい
る。
【0004】しかしながら、一般に熱可塑性樹脂は熱硬
化性樹脂と比較して、弾性率の環境依存性が大きく、ラ
ケットフレームの使用環境により、剛性等の特性が変化
しやすい欠点がある。そのため、環境依存性を想定して
予め剛性、強度を高めに設定しなければならず、そのた
めに、重量が増加する問題が発生していた。
【0005】また、従来、振動減衰性を高めるラケット
フレームとして、特開平9−122274号公報におい
て、面内方向の一次振動の腹の部分にあたるラケットフ
レームのヨーク部分の面内方向の厚さを他のガット張り
部(フェース部)およびスロート部よりも大きくして、
振動の減衰を図るラケットフレームが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ラケットフレーム
のヨーク部分の面内方向の厚さを、他のガット張り部の
厚さよりも1.5〜4倍としても、面内方向の振動の減
衰に寄与するだけで、面外方向の振動を減衰することは
出来ない。さらに、この面内方向の厚さを増大すると、
面内剛性が増加し、それに伴い面内固有振動数が増加す
る。その結果、面内固有振動数と面外固有振動数との差
が大きくなり、ラケットの飛び性能が低下する欠点が発
生する。さらに、ヨーク部分の重量密度を他のガット張
り部およびスロート部よりも小さくすると、振動の腹の
部分にあたるヨーク部分が振動しやすくなり、振幅が大
きくなって、振動抑制効果が少ない。
【0007】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、面内方向および面外方向の振動のいずれも効果的
に減衰できると共に、飛び性能を低下させずに両立で
き、かつ、剛性、強度が安定したラケットフレームを提
供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1で、ガット張り部にV形状のス
ロート部が連続したラケットフレームにおいて、上記ス
ロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部のヨーク
部分を、ガット張り部のヨーク部分以外の単位長さ当た
りの重量より大きくしていることを特徴とするラケット
フレームを提供している。
【0009】上記ヨーク部分の重量を大きくする部分
は、ヨーク部分の長さ方向の中央部から左右方向に少な
くとも50mm以上の範囲とし、上記重量分布は0.1
8〜0.38g/mmの範囲とすることが好ましい。
【0010】上記のようにヨーク部分の重量を大とする
のは、ヨーク部分は、打球時にラケットフレームに発生
する面内方向および面外方向の一次振動の腹(最も振幅
の大きい部分)に当たるためである。振動が発生するに
は大きなエネルギーが必要となり、振動の腹の部分の重
量を大とすると面内方向および面外方向の両方の振動が
抑制されることとなる。このように、振動の腹の部分に
当たるヨーク部分の重量を増加すると、ヨーク部分には
フレーム全体の振動とは異なる振動数の振動を励起し
て、フレーム全体の振動を抑制することができる。な
お、前記従来例の特開平9−122274号公報ではヨ
ーク部分の重量密度をヨーク部分を除くガット張り部お
よびスロート部の重量密度より小さいくしており、本発
明とは逆となっている。
【0011】また、本発明は、請求項2で、ガット張り
部にV形状のスロート部が連続したラケットフレームに
おいて、上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット
張り部のヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外の
ガット張り部および上記スロート部の断面周長より大き
くしていることを特徴とするラケットフレームを提供し
ている。
【0012】上記のように、ヨーク部分の断面周長をガ
ット張り部およびスロート部よりも大きくすると共に、
該ヨーク部分の面外方向の厚みは20mm以上とするこ
とが好ましい。具体的には、ヨーク部分の断面周長は6
4mm〜80mmで、面外方向の厚みは20mm〜28
mm、面内方向の厚みを13mm〜16mmとすること
が好ましい。
【0013】上記のように、ヨーク部分の断面周長を大
きくすると、面内方向および面外方向の両方の断面2次
モーメントを大きくすることができる。このように、面
内方向および面外方向のいずれでも振動の腹に当たるヨ
ーク部分の面内方向の剛性および面外方向の剛性を上げ
ることによりより、振動減衰性を高めることができる。
【0014】ヨーク部分の断面周長を64mm〜80m
mとするのは、64mmより小さいと振動減衰性に寄与
できる程度まで剛性を高めることができず、また、80
mmより大きいと重量が増加する問題がある。また、面
外方向の厚みを20mm以上とすると、20mmより小
さいと面外方向の振動抑制に効果がないためである。こ
の面外方向の厚みを20mm〜28mm、面内方向の厚
みを13mm〜16mmとしているのは、断面周長を1
3mm〜16mmとする範囲内において、面外方向と面
内方向の両方の振動を最も効果的に抑制できる寸法範囲
であることに因る。
【0015】上記請求項1および請求項2のいずれのラ
ケットフレームにおいても、上記ヨーク部分は繊維強化
樹脂からなる中空状の外周枠内部に、比重0.3〜1.
0g/cm3の充填材を充填することが好ましい。この比
重を0.3〜1.0g/cm3の範囲としているのは、0.
3g/cm3より小さくするとヨーク重量が小さくなり、上
記の振動減衰効果がえられない。 また、1.0g/cm3
より大きいと減衰効果はあるが、 ヨーク重量が大きくな
り過ぎて重くなる問題が発生する。 なお、 0.4〜0.
7g/cm3が最適範囲である。
【0016】さらに、上記充填材として、tan δの
ピーク温度(ガラス転移点)が10℃以下の樹脂、ある
いはエラストマー、発泡ゴムを充填することが好まし
い。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン系、ポ
リアミド系、ポリスチレン系、エチレン酢酸ビニル共重
合休、エチレンエチルアクリレート系、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、エポキシ系、フェノ一ル系、フッ
素系及び尿素系等の合成樹脂、さらに合成ゴム、例え
ば、スチレンプタジエン系、ニトリル系、クロロプレン
系、イソプレン系、ブタジエン系、ブチル系、エチレン
・プロピレン系、アクリル系、シリコーン系、チオール
系及び塩素化系のゴムなどを使用することが出来、特
に、温度変化による弾性率の小さい材料が好ましい。
このように、ヨーク部分の中空部に振動減衰性の良い部
材を充填すると、ヨーク部材の重量を増加させることに
よる振動抑制作用との相乗効果により、振動をより効果
的に減衰させることができる。かつ、ヨーク部分にスト
リングスを張架するため、ストリングスの振動を減衰さ
せる作用もある。
【0017】上記ヨーク部分は熱可塑性樹脂をマトリク
ス樹脂として繊維含有率を40〜70vol%とした繊
維強化樹脂でフレームを形成すると共に、ヨーク部分以
外は熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とした繊維強化樹脂
でフレームを形成してもよい。
【0018】熱可塑性樹脂は振動減衰性に優れているた
め、ヨーク部分のフレームを熱可塑性樹脂で成形する
と、振動減衰性をさらに高めることができる。しかも、
繊維含有率を40〜70vol%としているため、剛性
を高めることができ、この点からも振動減衰性に寄与す
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0020】本発明の実施形態のラケットフレームは、
図1に示すテニス用のラケットフレームからなる。該ラ
ケットフレームは、流線型断面のラケットで、フェイス
面Sを囲むガット張り部1にスロート部2の左右両側部
2a、2bが連続し、これら左右両側部が合体してシャ
フト部3、およびグリップ部4と連続する。上記スロー
ト部2のV字状となる左右両側部2a、2bに挟まれた
部分のガット張り部にヨーク部分5となる。このヨーク
部分5を除いた部分は、長尺な連続した筒状フレームか
ら成形され、ヨーク部分5が別フレームをガット張り部
1に連結した構成となっている。
【0021】上記ラケットフレームはヨーク部分5も含
めて、マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂のエポキシ樹
脂を用い、強化繊維として炭素繊維を用いたプリプレグ
シートを、加熱加圧して筒形状に成形している。
【0022】上記ヨーク部分5を除くガット張り部1お
よびスロート部2の左右両側部2a、2bの断面形状は
同一で、八角形状とし、本実施形態では、面外方向の厚
さL1を22mm、面内方向の厚さL2を13〜14m
mとし、ヨーク部分5を除くガット張り部1の断面周長
が最も大きい部分はガット張り部1のトップ部分1a
で、断面周長を59mmとしている。また、ヨーク部分
5を除くガット張り部1の単位長さ重量は0.14g/
mmとしている。なお、ガット張り部1に囲まれたフエ
ース面積は105in2としている。
【0023】上記ヨーク部分5の断面四角形状とし、そ
の断面周長を、他のガット張り部1およびスロート部2
の左右両側部2a、2bの断面周長よりも大きく設定
し、本実施形態では67mmとしている。かつ、該ヨー
ク部分5では、その面外方向の厚さL1’を20mm以
上で、本実施形態では22mmとし、面内方向の厚さL
2’を14mmとしている。
【0024】また、ヨーク部分5は、他の部分と同様
に、上記繊維強化熱硬化性樹脂で四角枠形状の外枠5a
を構成し、繊維含有量は40〜70vol%として剛性
を高めている。また、該外枠5aの内部に充填材5bを
充填している。該充填材5bとしては、比重が0.3〜
1.0g/cm3で、tan δのピーク温度(ガラス転移
点)が10℃以下の樹脂、エラストマーあるいはゴムを
充填している。
【0025】上記ヨーク部分5は、外枠5aのみからな
る場合および外枠5aに充填材5bを充填した場合のい
ずれの場合も、単位長さ当たりの重量は0.18〜0.
38g/mmとしており、ヨーク部分5を除く他のガッ
ト張り部分およびスロート部の単位長さ当たりの重量を
大きくしている。
【0026】本実施形態では、ヨーク部分5の充填材5
bとして軟質発泡ウレタンを用いている。即ち、ナイロ
ンチューブにポリスチリレンを充填したものを外枠5a
に挿入し、成形時に発泡させることで内圧を付加してい
る。成形後に、外枠5aにガット孔をあけ、該ガット孔
からキシレンを注入してポリスチレンを溶解して取り出
し、溶融したウレタンを注入し、その後、発泡させて充
填材5bとして軟質発泡ウレタンを充填している。
【0027】他の実施形態では、図3に示すように、ヨ
ーク部分5を中央部5−1と左右両側部5−2とに分割
し、中央部5−1では、その外枠5aを繊維強化熱可塑
性樹脂で成形した後、中空部にエラストマーからなる充
填材5bを充填している。この中央部5−1の両端に繊
維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシートの積層材を巻き
付け、ヨーク部分以外のガット張り部1およびスロート
部2等のフレームとなる繊維強化熱硬化性樹脂のプリプ
レグシートと一体成形して、両側部5−2を形成してい
る。この場合、中央部5−1は50mm以上とし、その
単位長さ当たりの重量を他の部分よりも大きくして、
0.18〜0.38g/mmの範囲に設定し、かつ、断
面周長を他の部分よりも大きくして、この実施形態では
67mmとしている。
【0028】(実施例1)実施例1はヨーク部分5の外
枠5a内に発泡ゴムからなる充填材5bを充填した。即
ち、発泡ゴムからなる充填材5bをナイロンチューブ内
に挿入した。炭素繊維を強化繊維とし、熱硬化性のエポ
キシ樹脂をマトリクス樹脂としたCFプリプレグシート
(東レ製T800、P2053−12、レジンコンテン
ト30%)を積層したものを、上記ナイロンチューブの
外周面に被覆し、加熱加圧して、ヨーク部分5を成形し
た。ヨーク部分5以外のフレームは、φ14.5mmの
マンドレルに被せた66ナイロンチューブの外周に、C
Fプリプレグシート(東レ製T800、P2053−1
2、レジンコンテント30%)の積層体を巻き付けた。
上記プリプレグシートの強化繊維の繊維角度は、0度、
22度、30度、90度として積層した。積層後、マン
ドレルから抜き出して、レイアップを形成した。このレ
イアップの重量は180gであった。該レイアップと上
記ヨーク部分以外のフレーム部分とを成形金型内のキヤ
ビティ内に挿入し、加熱加圧して、ヨーク部分および他
のフレーム部分とを一体化してラケットフレームを成形
した。
【0029】成形したラケットフレームは208gで、
ヨーク部分5は断面四角形状で、その面内方向の厚みは
14mm、面外方向の厚みは22mm、断面周長は67
mm、単位長さ重量は0.27g/mmであった。ま
た、ガット張り部の最大断面周長のトップ部は断面周長
が59mm、面内方向の厚みは22mm、面外方向の厚
みは13〜15mm、単位長さ重量は0.14g/mm
であった。
【0030】(実施例2)ヨーク部分5の外枠5aを繊
維強化RIMナイロンで成形した。他の構成は実施例1
と同一とした。成形したラケットフレームの重量は19
7gであり、ヨーク部分の単位長さ重量は0.36g/
mmであった。ヨーク部分およびガット張り部のトップ
部の断面周長は実施例1と同一であり、該トップ部の単
位当たり重量も実施例1と同一であった。
【0031】(実施例3)ヨーク部分5の充填材5bと
して発泡ポリスチレンを高密度に充填した。それ以外の
構成は実施例1と同一とした。なお、ポリスチレンはキ
シレンで溶解後、軟質の発泡ウレタンを充填した。発泡
体の比重は0.35g/cm3であった。 成形したラケッ
トフレームの重量は195gであり、ヨーク部分の単位
長さ重量は0.25g/mmであった。ヨーク部分およ
びガット張り部のトップ部の断面周長は実施例1と同一
であり、該トップ部の単位当たり重量も実施例1と同一
であった。
【0032】(実施例4)キシレンで発泡ポリスチレンを
溶解後、軟質発泡ウレタンを充填していないこと以外は
実施例3と同様とした。
【0033】(比較例1)ヨーク部分5の充填材5bと
して、は実施例3と同様に、発泡ポリスチレンを高密度
に充填した。発泡体の比重は0.19g/cm3であった。
しかしながら、断面形状を楕円形状とし、面内方向の
厚みを20mm、面外方向の厚みを12mmとし、断面
周長を52mmとした。該ヨーク部分の単位長さ重量は
0.12g/mmであった。他の構成は実施例3と同様
とした。成形したラケットフレームの重量は194gで
あり、トップ部の断面周長、及び単位長さ重量は実施例
3と同一であった。
【0034】(実施例5)比較例1と形状は同一で、ヨ
ーク部の単位長さ重量が0.23であること以外は比較
例1と同様である。ただし、単位長さ重量を増加するた
め、ヨーク部のCFプリプレグシートを増加した。
【0035】上記実施例1〜5および比較例1のラケッ
トフレームから形成したテニスラケットについて、面外
固有振動数、面外振動減衰率、面内固有振動数、面内振
動減衰率、反発係数について評価試験を行った。
【0036】ラケットの固有振動数及びその減衰比の測
定方法を図4に示す。 ヨーク部分の中央に加速度ビック
アップ30を取り付け、 テニスラケットのトップ部を紐
で吊るして、加速度ピックアップと反対面で、かつ、ヨ
ーク部の付け根位置をインパクトハンマー31で加振し
た。インパクトハンマー31に取り付けたフォースピッ
クアップ32で計測した入力振動(F) と加速度ピッ
クアップ30で計測した応答振動(α)をアンプ33を
介して周波数解析装置34( ヒューレットパッカード製
ダイミックシグナルアナライザーHP3562A)に
より解析した。
【0037】上記解析で周波数領域での伝達関数を求め
て、ラケットフレームの面外1次振動数,面内1次振動
数を得た。減衰比 (ζ) は下記の式によって求めた。
【0038】ζ= (1/2)× (Δω/ωn) T0=Tn/√2
【0039】上記評価試験はそれぞれ3回行った。その
結果の平均値を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1より明らかなように、実施例1〜5で
は面外固有振動数は144〜160で、面外振動減衰率
は0.59〜0.91%とであるのに対して、比較例1
では面外固有振動数は136で、面外振動減衰率は0.
39%で、実施例の方が減衰性能が高いことが確認でき
た。また、面内固有振動数は実施例1〜5が348〜3
93で、面内振動減衰率は0.69〜1.04%である
のに対して、比較例1では面内固有振動数は389で面
内振動減衰率は0.62%で、実施例の方が減衰性能が
高いことが確認できた。
【0042】反発係数の測定は、実施例1〜5および比
較例1のテニスラケットにストリングスを縦糸551b
×横糸501bで張り、各ラケットのグリップ部を柔ら
かく固定し、そのフェイス部に打ち出し機から打ち出し
たボールを40m/secの入射速度で衝突させ、ボー
ルの最大反発係数を測定した。
【0043】上記反発係数の測定結果を上記表1に示
す。表1より明らかなように、実施例1〜5は0.41
〜0.43であったのに対して、比較例1は0.39
で、本実施例の方が反発係数が大きく、ボールの飛び性
能が良いことが確認できた。
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、打球時にラケットフレームに発生する面内方
向および面外方向の一次振動の腹にあたるヨーク部分の
単位長さ当たりの重量を最大としているため、面内方向
および面外方向の両方の振動を抑制することが出来る。
かつ、この振動の腹の部分に当たるヨーク部分の重量を
増加すると、ヨーク部分にはフレーム全体の振動とは異
なる振動数の振動を励起して、フレーム全体の振動を抑
制することができる。
【0045】また、ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク
部分以外のガット張り部および上記スロート部の断面周
長より大きくすると、面内方向および面外方向の両方の
断面2次モーメントを大きくなり、ヨーク部分の面内方
向の剛性および面外方向の剛性が大となって、振動減衰
性を高めることができる。
【0046】さらに、ヨーク部分は繊維強化樹脂からな
る中空状の外周枠内部に、比重0.3〜1.0g/cm3
で、かつ、発泡ゴム、発泡ゴム等の振動減衰性の良い充
填材を充填すると、ヨーク部材の重量あるいは断面周長
を増加させることによる振動抑制作用との相乗効果によ
り、振動をより効果的に減衰させることができ、かつ、
ヨーク部分にストリングスが直接的に張架されるため、
ストリングスの振動を減衰させることもできる。
【0047】さらにまた、ヨーク部分を、熱可塑性樹脂
をマトリクス樹脂として繊維含有率を40〜70vol
%とした繊維強化樹脂でフレームを形成すると、熱可塑
性樹脂は振動減衰性に優れているため、振動減衰性をさ
らに高めることができる。しかも、繊維含有率を40〜
70vol%としているため、剛性を高めることがで
き、この点からも振動減衰性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のラケットフレームを示す
平面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 他の実施形態を示す断面図である。
【図4】 振動測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガット張り部 2 スロート部 3 シャフト部 4 グリップ部 5 ヨーク部分 5a 外枠 5b 充填材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガット張り部にV形状のスロート部が連
    続したラケットフレームにおいて、 上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部の
    ヨーク部分の単位長さ重量を、ガット張り部のヨーク部
    分以外の単位長さ当たりの重量より大きくしていること
    を特徴とするラケットフレーム。
  2. 【請求項2】 ガット張り部にV形状のスロート部が連
    続したラケットフレームにおいて、 上記スロート部の左右両側部に挟まれるガット張り部の
    ヨーク部分の断面周長を、該ヨーク部分以外のガット張
    り部および上記スロート部の断面周長より大きくしてい
    ることを特徴とするラケットフレーム。
  3. 【請求項3】 上記ヨーク部分は繊維強化樹脂からなる
    中空状の外周枠内部に、比重が0.3〜1.0g/cm3
    の樹脂、エラストマーあるいはゴムを充填している請求
    項1または請求項2に記載のラケットフレーム。
  4. 【請求項4】 上記ヨーク部分は熱可塑性樹脂をマトリ
    クス樹脂として繊維含有量を40〜70vol%とした
    繊維強化樹脂でフレームを形成すると共に、ヨーク部分
    以外は熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とした繊維強化樹
    脂でフレームを形成している請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載のラケットフレーム。
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Cited By (3)

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