JP2004357982A - テニスラケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ストリングSを挿通する複数の筒部22とこれら複数の筒部22を連結する帯部23とを備えた剛性を有するストリング保護材21を、ラケットフレーム11のヘッド部12の外周面側の少なくとも一部に取り付けたテニスラケット10であって、ストリング保護材21とフレーム11との間の少なくとも一部に粘弾性材31を介在させていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テニスラケットに関し、特に、飛び性能と振動減衰性を共に高めるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に女性やシニア層のために、少ない力で飛び性能の高いラケットへの要望が高まっている。そのため、ラケットフレームの材料は、金属や木材ではなく、軽量で比強度が高く、設計自由度も高い繊維強化樹脂が主流となっており、通常は、炭素繊維のような高強度、高弾性率の繊維で強化された熱硬化性樹脂から成形されている。しかし、熱硬化性樹脂製のラケットフレームは、その熱硬化性樹脂の特性から打球時の衝撃で不快な振動を発生しやすく、衝撃が肘に伝わって生じるテニス肘(所謂「テニスエルボー」)の大きな原因となっている。
一方、繊維で強化された熱可塑性樹脂で成形されたラケットは、該熱可塑性樹脂の有する高い靭性を反映して、耐衝撃性、振動減衰性などの特性を備えるが、上記熱硬化性樹脂と比較して、弾性率や強度の環境依存性が大きく、剛性等の特性が変化しやすいという欠点がある。
【0003】
また、近年のテニスラケットには、スピンのかかりを良くするためにスイートエリアを拡大し、かつ、反発性も高めて、ボールの飛び性能を向上させることも要望されている。ところが、反発性を向上させるために、ラケットの重量を付加して慣性モーメントを増大させると、操作性が低下するという問題があり、フェイス面積を大きくしてガット可動範囲を大きくすると、重量増加を招き、やはり操作性が低下するという問題があり、ラケットフレームを高弾性化して面内剛性を上げると、ラケットフレームの強度が低下するという問題が生じる。
【0004】
以上のことから、軽量で、高剛性、高強度を備えることに加えて、高い振動減衰性を有し、かつ、ボールの飛び性能の高いテニスラケットが従来より求められ、同時に課題となってきた。
【0005】
これらの要望のうち、特に、ラケットフレームの剛性、強度を損なうことなく振動減衰性を高める方法として、ラケットフレームに一般的に取り付けられるストリング保護材の改良が提案されている。例えば、特開平8−107951号(特許文献1)では、ストリングから伝達する振動の吸収性を高めるために、図10(A)に示すように、ストリングが挿通される複数の筒部I1とこれら複数の筒部I1をつなぐ帯部I2からなるストリング保護材Iの該帯部I2に貫通孔I5を形成することが提案されている。また、この特開平8−107951号では、図10(B)に示すように、上記帯部I2を上下二層構成とし、上記筒部I1を有する下層I4を上層I3より軟質材料で形成することも提案されている。
【0006】
また、実公平4−15235号(特許文献2)では、図11に示すように、ストリング保護材IIを、ストリングを挿通する複数の筒部II2とこれら筒部II2をつなぐ帯部II3とからなる振動吸収部材II1と、該振動吸収部材II1の外周面を保護する別体の保護部材II4とで構成し、振動吸収部材II1をゴムまたは合成樹脂等の素材で形成して、該ストリング保護材IIでストリングの振動を吸収する構成が提案されている。
【0007】
さらに、特開2000−300698号(特許文献3)では、図12に示すように、ストリング保護材IIIを、ストリングを挿通する複数の筒部III3を帯部III4で連結した振動吸収部材III2と、該振動吸収部材III2の帯部III4の外側を覆う帯状の保護部材III1とに分けて構成し、比重1.5以上の高比重材料製の重量部材III5と振動吸収材III2とを、保護部材III1で押さえつけてラケットフレームに添装することにより、振動吸収性、面安定性、反発性を高めることが提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−107951号公報
【0009】
【特許文献2】
実公平4−15235号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2000−300698号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で示されたストリング保護材Iは、打球時に生じたストリングそのものの振動を吸収するものであり、フレームに伝わる振動を吸収する構成としては十分ではないうえ、貫通孔I5の形成によりストリング保護材Iの強度が低下するという問題がある。また、帯部I2の下層I4を軟質材料で形成したストリング保護材Iや、特許文献2に示されたストリング保護材IIのように、ストリングと直接接触する筒部I1、II1を有する部分を軟質材料で成形すると、ストリングの張架時や打球時にフレームに押し付けられて最も負荷がかかる部分の耐久性が不足することになり、破損しやすくなる問題がある。
【0012】
さらに、特許文献3に示すストリング保護材IIIでは、該ストリング保護材III自体の変形量を増やす構成ではないため、反発性が効果的に向上せず、ボールの飛び性能を高めることができない。また、重量部材III5の取り付けにより、部品点数が増大してしまうと共に軽量化が難しくなり操作性を低下させる問題もある。
【0013】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、軽量で、高剛性、高強度を備えながら、高い振動減衰性と高い飛び性能を両立させたテニスラケットを提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ストリングを挿通する複数の筒部とこれら複数の筒部を連結する帯部とを備えた剛性を有するストリング保護材を、ラケットフレームのヘッド部の外周面側の少なくとも一部に取り付けたテニスラケットであって、
上記ストリング保護材と上記フレームとの間の少なくとも一部に粘弾性材を介在させていることを特徴とするテニスラケットを提供している。
【0015】
このようにストリング保護材とフレームの間に粘弾性材を介在させることにより、例えば、高強度・高弾性のラケットフレームであっても、該粘弾性材がストリング振動のフレームへの伝達を抑制して、フレーム振動を効果的に減衰することができる。該粘弾性材には、弾性率の低いゴム、エストラマーあるいは樹脂が好適であり、特に、ゴム単体やカーボンブラック配合のゴム等が好ましい。
【0016】
また、上記構成では主に粘弾性材が振動減衰材として機能しており、ストリング保護材だけで振動減衰効果を得る構成ではないため、該ストリング保護材自体に、特別に弾性率の低い軟質性材料を使用する必要がなくなる。これにより、ストリングと接触する上記筒部や、該筒部を有する上記ストリング保護材自体にある程度の剛性を持たせることが可能となり、ストリング保護材の耐久性が向上するうえ、ストリング保護材にストリングが食い込むことによるラケットフレームへの応力集中を防止して、ラケットフレームの強度・耐久性も高めることができる。
なお、ストリング保護材は、上記耐久性を確保する必要上、ショアD硬度で50以上80以下、特に55以上75以下とすることが好ましい。具体的には、11ナイロン、12ナイロン、ポリエーテルブロックアミドなど、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂で成形することが好ましく、これにより、振動吸収性も有しながらある程度の剛性を備えることができる。
【0017】
さらに、粘弾性材をストリング保護材とフレームとの間に介在させることにより、粘弾性材の変形性を利用してストリング保護材も変形可能となるため、バネ効果が得られ、打球の反発性を高めることができる。
【0018】
さらにまた、上記粘弾性材は軽量であるうえ、フレーム外周面の一定箇所に装着すれば足るため、ラケットの総重量に殆ど影響を与えず、軽量化にも十分に応じることができる。
【0019】
上記粘弾性材は、上記ストリング保護材の上記筒部を挿通する穴を穿設している。
これにより、フレーム外周面に一定の長さにわたって粘弾性材を取り付けることができるうえ、ストリング保護材とフレームとの間に該粘弾性材を確実に固定することができる。
【0020】
上記粘弾性材は、周波数10Hzで測定された複素弾性率が0℃〜10℃の温度下で2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下の範囲内である。上記範囲内とするのは、2.0×107dyn/cm2未満では、ラケットフレームへの応力集中が発生し、ラケットフレームの破損が起こりやすくなり、1.0×1010dyn/cm2より大きくなると、打球時の荷重によるストリングの変形量が小さくなり、十分なバネ効果が得られず、反発性能が向上しないうえ、振動吸振器としては振動数が大きくなりすぎ、ラケットフレームの振動減衰性が低下することによる。
【0021】
上記粘弾性材は、厚みが1mm以上5mm以下の範囲内のものを用いている。これは、厚みが1mm未満であると、ラケットフレームの反発性および振動吸収性を十分に向上させることができず、5mmより厚くすると重量増加を招いて操作性が低下することに因る。
【0022】
上記ラケットフレームの打球面を時計面とみてトップ位置を12時とした場合において、1時〜2時の範囲と10時〜11時の範囲、あるいは/および、4時〜5時の範囲と7時〜8時の範囲、に当たる位置の上記フレームの外周面側に上記粘弾性材を取り付けている。
上記範囲に当たる位置はいずれも、縦ストリングと横ストリングが共に有効長さが短くなる部位であり、該部位に上記粘弾性材を配置することで効果的にスイートエリアを拡大することができる。また、上記部位に粘弾性材を配置すると、グリップ部15の軸線を通るセンター方向の中心軸よりも外側に重量が付加されることとなって、センター方向の慣性モーメントを増大し、中心軸回りにラケットが回転しにくくなり面安定性も向上する。
【0023】
なお、ラケットフレームのガット穴は、通常はフレームに対して垂直(即ち、フレーム幅方向)に設けられることが多く、その場合、特にフレームの1時〜2時の範囲と10時〜11時の範囲、4時〜5時の範囲と7時〜8時の範囲にあたる位置では、縦ストリングと横ストリングは共にフレームの内周面側で接触して屈折することになる。
【0024】
そこで、本発明は、ストリングを挿通する複数の筒部とこれら複数の筒部を連結する帯部とを有するストリング保護材を、ラケットフレームのヘッド部の外周面側の少なくとも一部に取り付けたテニスラケットであって、
ラケットフレームのヘッド部に穿設された複数のガット穴のうち、ガット穴に挿通される上記ストリングの張架方向と略同一の軸線方向を有するガット穴の数を50%以上としていることを特徴とするテニスラケットを提供している。
【0025】
即ち、ガット穴の50%以上は挿通されるストリングの方向に平行に設けることで、ガット穴を挿通するストリングはフレーム外側で接触することになる。(ただし、全てのガット穴をこのようにすると、縦ストリング用のガット穴と横ストリング用のガット穴がクロスする箇所が計4箇所発生するので、該箇所ではこのクロスを回避するためにそれぞれのガット穴をフレームに垂直に設ければよい。)従って、全部のガット穴をフレームに垂直に設けた場合に比して、ストリングの可動範囲がフレームの幅分大きくなり、スイートエリアを拡大することができる。
なお、ストリング方向に平行に設けられたガット穴の数は、特に全ガット穴数の70%以上、さらには85%以上とすることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットフレームに適用したものである。
【0027】
図1乃至図4は本発明の第一実施形態を示し、図2に示すように、テニスラケット10は、ラケットフレーム11の外周面側にストリング保護材21を取り付けると共に、該ストリング保護材21とラケットフレーム11との間に粘弾性材31(31a、31b、31c、31d)を4箇所で介在させてストリングSを張架している。
【0028】
ラケットフレーム11は、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、両側のスロート部13にヨーク17の両端を連結して、ヘッド部12で打球面Fを囲むガット張架部Gを形成している。ヘッド部12には、その外周に粘弾性材31とストリング保護材21を添装する溝部18が周方向に連続して形成されていると共に、図4に示すように、ストリングSを挿通する複数のガット穴19をフレーム方向に対して垂直に、即ち、フレーム11の幅方向に貫通させて設けている。
【0029】
ストリング保護材21は、図2に示すように、ストリングSを挿通する挿通孔24を貫通させた複数の筒部22と、これら複数の筒部22を内周側に突設するように連結する帯部23とからなり、11ナイロンで一体成形されている。
【0030】
粘弾性材31(31a〜31d)は、厚みを3mmとした帯形状よりなり、ストリング保護材21よりも弾性率の低いゴムで成形し、具体的には、スチレン−ブタジエンゴム100重量部と硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形され、周波数10Hzで測定された複素弾性率が0℃〜10℃のいずれの温度下でも2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下の範囲内となるように作成されている。
【0031】
粘弾性材31は、図2に示すように、ストリング保護材21の上記筒部22に対応するように複数の貫通穴32を穿設している。
また、各粘弾性材31a〜31dは、図3(A)(B)に示すように、その幅をラケットフレーム11の外周に形成された溝部18の幅に対応させており、また、図4に示すように、ラケットフレーム11の打球面Fを時計面とみてトップ位置を12時とした場合において、1時〜2時の範囲(以下「範囲A」と称す)に当たる位置に粘弾性材31aが、10時〜11時の範囲(以下「範囲B」と称す)に当たる位置に粘弾性材31bが、4時〜5時の範囲(以下「範囲C」と称す)に当たる位置に粘弾性材31cが、7時〜8時の範囲(以下「範囲D」と称す)に当たる位置に粘弾性材31dが、それぞれ配置されるようにその長さを設定している。
【0032】
粘弾性材31(31a〜31d)とストリング保護材21をラケットフレーム11のガット張架部Gに添装するときは、まず、ストリング保護材21の筒部22のうち、ラケットフレーム11の範囲A〜範囲Dに対応する各位置の筒部22を、粘弾性材31a〜31dの貫通穴32にそれぞれ挿通して、図3(A)に示すように、ストリング保護材21の所定位置の内周側に各粘弾性材31a〜31dを取り付ける。次に、粘弾性材31a〜31dを取り付けたストリング保護材21の全筒部22を、ラケットフレーム11のガット穴19に挿通することにより、図3(B)に示すように、各粘弾性材31a〜31dをフレーム11の上記溝部18に埋設した状態で該フレーム11とストリング保護材21の間に介在させ、最後に、ストリングSを縦横に張架している。
【0033】
上記構成のテニスラケット10では、フレーム11とストリング保護材21との間に介在させた粘弾性材31がストリング保護材21よりも弾性率の低いゴム製であるため、粘弾性材31によって、打球時に発生するストリング振動のフレーム11への伝達を効果的に減衰し吸収することができると共に、粘弾性材31の変形性を利用してストリング保護材21も変形可能となり、ボールの反発性を高めて飛び性能を向上させることができる。また、粘弾性材31の配置位置を、ストリングSの有効長さが縦横共に短くなる範囲A、範囲B、範囲C、範囲Dに当たる位置とすることにより、ラケット10の軽量性を維持しながら、効果的にスイートエリアを拡大することができ、かつ、センター方向の慣性モーメントを増加させて面安定性も向上させることができる。
さらに、ストリングSと直接接触するストリング保護材21は11ナイロン製とし、ある程度の振動減衰性を有しながらも必要な剛性も備えることができ、ストリング保護材21の耐久性、さらにはフレーム11の耐久性も高めることができる。
【0034】
図5は本発明の第二実施形態を示し、本実施形態では粘弾性材31(31a、31b)の配置位置をラケットフレーム11の範囲Aと範囲Bに当たる位置の2箇所としている。
また、図6は本発明の第三実施形態を示し、本実施形態では粘弾性材31(31c、31d)の配置位置をラケットフレーム11の範囲Cと範囲Dに当たる位置の2箇所としている。
上記いずれの実施形態においても、粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム100重量部、カーボンブラック40重量部、硫黄1.5重量部を配合した加硫成形されたゴムにより成形され、周波数10Hzで測定された複素弾性率が0℃〜10℃のいずれの温度下でも2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下の範囲内となるように作成されている。
他の構成は上記第一実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
上記のように、ガット張架部Gの2箇所にのみ粘弾性材31a、31b(31c、31d)を配置し、かつ、粘弾性材31a、31b(31c、31d)をカーボンブラック配合のゴムで成形した場合でも、粘弾性材31a、31b(31c、31d)がストリング振動を吸収し、フレーム11の振動を十分に減衰することができる。また、粘弾性材31a、31b(31c、31d)のバネ効果により反発性も得ることができ、かつ、スイートエリアを拡大することもできる。さらに、粘弾性材31の配置箇所を2箇所に絞ることにより、ラケット重量を軽量化でき、操作性を一層高めることができる。
【0036】
図7は本発明の第四実施形態を示し、ガット穴19をストリングSと平行に形成している点を除き、上記第一実施形態と同一構成としている。ただし、ガット張架部Gのうち、全てのガット穴19をストリングと平行に設けようとすると、縦用ガット穴と横用ガット穴が交差してしまうクロス箇所Ga、Gb、Gc、Gdが発生するので、これらクロス箇所Ga〜Gdでは、ガット穴19a、19bをフレーム方向に垂直に形成している。
【0037】
上記構成では、ストリングSは、クロス箇所Ga〜Gdを除き、ガット穴19の外縁、即ち、フレーム11の外縁に接触して屈折するため、打球面Fの可動領域は、ガット穴19をフレーム方向に垂直に設けた場合に比してフレーム11の幅分だけ拡大する。従って、スイートエリアが拡大して操作性が向上すると共に、反発性も高めることができる。
【0038】
【実施例】
以下の表1に示すとおり、粘弾性材の材料、厚み、複素弾性率、配置位置を異ならせた実施例1〜7と比較例1〜4を作製し、テニスラケットの反発係数、高反発領域、振動減衰性について測定し、実打テストも行った。
なお、表1中の複素弾性率は、レオロジ製のDVE−V4を使用して、以下の条件下で測定した数値のうち温度5°で測定した数値を代表して示しているが、実施例1〜実施例7と比較例4については、0°〜10°のいずれの温度下でも複素弾性率が2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2の範囲内となっていた。
試料:幅5mm×長さ30mm×厚み2mm
試料における変形部位の長さ:20mm(長さ30mmのうち両端5mmを挟持)
初期歪み:10%(2mm)
振幅:12μm
周波数10Hz
モード:引張モード
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1〜10および比較例1のいずれのラケットフレーム11も、繊維強化熱硬化性樹脂で成形した中空形状とし、厚み24mm、幅12mmの断面形状とし、打球面Fの面積が110平方インチである同一形状とし、フレーム重量およびフレームバランスは表1に示すとおり設定した。
詳細には、ラケットフレームカーボン繊維を強化繊維とした繊維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシート(CFプリプレグ(東レT300、700、800、M46J))を、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル(φ14.5)上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は0°、22°、30°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って該積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cm2の空気圧を付加し、加圧保持し、加熱加圧成形により作成した。
また、実施例1〜10および比較例1のいずれも、ストリング保護材21は11ナイロンで成形したものを用いた。
【0041】
(実施例1)
粘弾性材31の材料、厚み、複素弾性率、配置位置、およびガット穴19の方向は、いずれも上記第一実施形態と同一とした。即ち、該粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、厚さは3mmとし、上記条件下で測定された複素弾性率を5.07E+07dyn/cm2とし、配置位置は上記範囲A〜範囲Dの4箇所とした。また、ガット穴19はフレーム11の方向に垂直に形成し、ラケット10の重量は251gとした。
【0042】
(実施例2)
粘弾性材31を、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と、カーボンブラック40重量部と、硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、上記条件下で測定された複素弾性率を3.86E+08dyn/cm2としたが、その他の点では実施例1と同一構成とした。
【0043】
(実施例3)
粘弾性材31の材料、厚み、複素弾性率、配置位置、およびガット穴19の方向は、いずれも第二実施形態と同一とした。即ち、該粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と、カーボンブラック40重量部と、硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、厚さは3mmとし、上記条件下で測定された複素弾性率を3.86E+08dyn/cm2とし、配置位置は範囲Aと範囲Bの2箇所とした。また、ガット穴19はフレーム11の方向に垂直に形成し、ラケット10の重量を248gとした。
【0044】
(実施例4)
粘弾性材31の材料、厚み、複素弾性率、配置位置、およびガット穴19の方向は、いずれも第三実施形態と同一とした。即ち、該粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と、カーボンブラック40重量部と、硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、厚さは3mmとし、上記条件下で測定された複素弾性率を3.86E+08dyn/cm2とし、配置位置は範囲Cと範囲Dの2箇所とした。また、ガット穴19はフレーム11の方向に垂直に形成し、ラケット10の重量を248gとした。
【0045】
(実施例5)
粘弾性材31の厚みを1mmとし、ラケット10の重量を246gとしたが、他の点では実施例2と同一構成とした。
【0046】
(実施例6)
粘弾性材31をポリアミドエストラマー(ATOCHEM社の「PEBAX5533」)で作成し、上記条件下で測定された複素弾性率を2.72E+09dyn/cm2としたが、その他の点では実施例1と同一構成とした。
【0047】
(実施例7)
粘弾性材31の材料、厚み、複素弾性率、配置位置、およびガット穴19の方向は、いずれも上記第四実施形態と同一とした。即ち、ガット穴19は、ストリングSに平行に形成し、粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、厚さは3mmとし、上記条件下で測定された複素弾性率を5.07E+07dyn/cm2とし、配置位置は範囲A〜範囲Dの4箇所とし、ラケット10の重量は251gとした。
【0048】
(実施例8)
粘弾性材31をシリコンゴムで成形し、上記条件下で測定された複素弾性率を1.41E+07dyn/cm2と低く設定した。その他の点では実施例1と同一構成とし、即ち、粘弾性材31の配置位置は範囲A〜範囲Dの4箇所とし、該粘弾性材31の厚みは3mmとし、ガット穴19はフレーム11の方向に垂直方向に形成し、ラケット10の重量は251gとした。
【0049】
(実施例9)
粘弾性材31を11ナイロンで成形し、上記条件下で測定された複素弾性率を1.45E+10dyn/cm2と高く設定した。その他の点では上記実施例8と同一構成とした。
【0050】
(実施例10)
粘弾性材31の厚みを6mmとし、ラケット重量を257gと重く設定した。その他の点では実施例2と同一構成とし、即ち、粘弾性材31は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)100重量部と硫黄1.5重量部とを配合した加硫成形されたゴムにより成形し、上記条件下で測定された複素弾性率を3.86EE+08dyn/cm2とし、配置位置は上記範囲A〜範囲Dの4箇所とし、ガット穴19はフレーム11の方向に垂直方向に形成した。
【0051】
(比較例1)
ラケットフレーム11とストリング保護材21との間のいずれの箇所にも粘弾性材31を介在させないテニスラケットとした。
【0052】
(最大反発係数、高反発領域の測定)
反発係数は、図8に示すように、実施例および比較例のテニスラケットに、ガットを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。このような方法で最大反発係数および反発係数が0.38以上の高反発領域を測定した。
【0053】
(面外1次振動減衰率の測定)
各実施例および比較例のラケットフレームを図9(A)に示すようにヘッド部12の上端を紐51で吊り上げ、ヘッド部12とスロート部13との一方の連続点に加速度ピックアップ計53をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、図9(B)に示すように、ヘッド部12とスロート部13の他方の連続点をインパクトハンマー55で加振した。インパクトハンマー55に取り付けられたフォースピックアップ計で計測した入力振動(F)と加速度ピックアップ計53で計測した応答振動(α)をアンプ56A、56Bを介して周波数解析装置57(ヒューレットパッカード社製、ダイナミックシングルアナライザーHP3562A)に入力して解析した。解析で得た周波数領域での伝達関数を求め、テニスラケットの振動数を得た。振動減衰比(ζ)は下式より求め、面外1次振動減衰率とした。各実施例および比較例のラケットフレームについて測定された平均値を上記表1に示す。
【0054】
ζ=(1/2)×(Δω/ωn)
To=Tn×√2
【0055】
(面外2次振動減衰率の測定)
ラケットフレームを図9(C)に示すようにヘッド部12上端を紐51で吊り下げ、スロート部13とシャフト部14との連続点に加速度ピックアップ計53をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、加速度ピックアップ計53の裏側のフレームをインパクトハンマー55で加振した。そして、面外1次振動減衰率と同等の方法で減衰率を算出し、面外2次振動減衰率とした。各実施例および比較例のラケットフレームについて測定された平均値を上記表1に示す。
【0056】
(実打評価)
ラケットのスイートエリア、飛び、振動についてアンケート調査を行った。5点満点で(点が多い程、飛びは良く、スイートエリアは広く、振動は無いと評価)一般プレーヤー50名の採点結果の平均値を表1に示す。
【0057】
表1から確認できるように、実施例1〜10のテニスラケットは、いずれも比較例1に比べて面外1次、2次振動減衰率、最大反発係数が高く、高反発領域も広く、実打評価の結果もこれらを裏付けて、スイートエリアが広く、振動が少なく、飛びが良いという評価が得られた。
また、実施例1と実施例7を比較すると、ガット穴をストリングに平行に形成したラケットの方が、フレーム方向に垂直に形成したラケットに比して、反発性が高く、スイートエリアも広くなることが分かった。
【0058】
一方、粘弾性材を全く装着しなかった比較例1は、振動減衰率、反発性がいずれも低く、スイートエリアも狭いことが分かった。また、粘弾性材の複素弾性率が低い実施例8と複素弾性率が高い実施例9は、上記実施例1〜7、10に比べると、いずれも振動減衰率、反発係数が低くなり、スイートエリアも狭くなる傾向にあるという結果が得られた。粘弾性材を厚くした実施例10は、実施例2と比較すると、反発係数が高く高反発領域も広くなっているが、振動減衰率はむしろ低いことが分かった。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、打球時に発生するストリング振動を粘弾性材が吸収し、フレーム振動を抑制することができると共に、ストリングと直接接触するストリング保護材は、該粘弾性材の介在により、フレームの振動減衰性に影響を与えることなく、打球時の荷重に耐える必要な剛性を備えて耐久性を高めることできる。また、ストリング保護材は、粘弾性材の変形性を利用してバネ効果が得られるため、ボールの反発性も高めることができる。従って、高強度、高剛性のラケットフレームであっても、振動減衰性と高い飛び性能を備えることができる。
【0060】
さらに、上記粘弾性材を、ラケットフレームの1時〜2時の範囲と10時〜11時の範囲、あるいは/および、4時〜5時の範囲と7時〜8時の範囲に当たる位置に絞って装着することにより、フレームの重量が増大するのを抑えながらも、効果的にスイートエリアを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るテニスラケットの正面図である。
【図2】図1に示すテニスラケットの要部を示す分解斜視図である。
【図3】(A)(B)は図1に示すテニスラケットのフレームへのストリング保護材と粘弾性材の取付手順を示す断面図である。
【図4】図1に示すテニスラケットのガット張架部を示す正面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るテニスラケットのヘッド部を示す正面図である。
【図6】本発明の第三実施形態に係るテニスラケットのヘッド部を示す正面図である。
【図7】本発明の第四実施形態に係るテニスラケットのガット張架部を示す正面図である。
【図8】テニスラケットの反発係数の測定方法を示す概略図である。
【図9】(A)(B)(C)はラケットフレームの振動減衰率の測定方法を示す概略図である。
【図10】(A)(B)は従来例を示す図である。
【図11】他の従来例を示す図である。
【図12】他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
10 テニスラケット
11 ラケットフレーム
12 ヘッド部
19 ガット穴
21 ストリング保護材
22 筒部
31(31a〜31d) 粘弾性材
F 打球面
G ガット張架部
S ストリング
Claims (6)
- ストリングを挿通する複数の筒部とこれら複数の筒部を連結する帯部とを備えた剛性を有するストリング保護材を、ラケットフレームのヘッド部の外周面側の少なくとも一部に取り付けたテニスラケットであって、
上記ストリング保護材と上記フレームとの間の少なくとも一部に粘弾性材を介在させていることを特徴とするテニスラケット。 - 上記粘弾性材は、上記ストリング保護材の上記筒部を挿通する穴を穿設している請求項1に記載のテニスラケット。
- 上記粘弾性材は、周波数10Hzで測定された複素弾性率が0℃〜10℃の温度下で2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下の範囲内である請求項1または請求項2に記載のテニスラケット。
- 上記粘弾性材は、厚みが1mm以上5mm以下の範囲内である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテニスラケット。
- 上記ラケットフレームの打球面を時計面とみてトップ位置を12時とした場合において、1時〜2時の範囲と10時〜11時の範囲、あるいは/および、4時〜5時の範囲と7時〜8時の範囲、に当たる位置の上記フレームの外周面側に上記粘弾性材を取り付けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテニスラケット。
- ストリングを挿通する複数の筒部とこれら複数の筒部を連結する帯部とを有するストリング保護材を、ラケットフレームのヘッド部の外周面側の少なくとも一部に取り付けたテニスラケットであって、
ラケットフレームのヘッド部に穿設された複数のガット穴のうち、ガット穴に挿通される上記ストリングの張架方向と略同一の軸線方向を有するガット穴の数を50%以上としていることを特徴とするテニスラケット。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012517873A (ja) * | 2009-02-19 | 2012-08-09 | バボラ ヴイエス | 衝撃吸収手段を含むテニスラケット |
JP2013208240A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mizuno Corp | ガット保護体およびラケットフレーム |
JP2014171524A (ja) * | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Yonex Co Ltd | ラケット、及び、グロメット |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160736A patent/JP2004357982A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012517873A (ja) * | 2009-02-19 | 2012-08-09 | バボラ ヴイエス | 衝撃吸収手段を含むテニスラケット |
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