JP2001061999A - ラケットフレーム - Google Patents

ラケットフレーム

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JP2001061999A
JP2001061999A JP24230999A JP24230999A JP2001061999A JP 2001061999 A JP2001061999 A JP 2001061999A JP 24230999 A JP24230999 A JP 24230999A JP 24230999 A JP24230999 A JP 24230999A JP 2001061999 A JP2001061999 A JP 2001061999A
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JP
Japan
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fiber
strength
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frame
prepreg
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JP24230999A
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English (en)
Inventor
Kunio Niwa
邦夫 丹羽
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺軽量のラケットフレームにおいて、スロ
ート部からグリップ部にかけた部分に発生しやすい破損
および完全破断を抑制、防止する。 【解決手段】 繊維強化樹脂からなる中空状のフレーム
を備え、該繊維強化樹脂の強化繊維として、少なくとも
スロート部、シャフト部または/およびグリップの一部
に、比重0.8g/cm3以上2.8g/cm3以下、 引張強度2
60kgf/mm2以上450kgf/mm2以下、破断伸度2.0%
以上6.0%以下である高強度繊維を用い、該高強度繊
維を強化繊維とする繊維強化樹脂中における高強繊維含
有率を60重量%以上82重量%以下としている。高強
度繊維としてはアラミド繊維等を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス、バトミン
トン、スカッシュ等の球技に用いるスポーツ用ラケット
フレームに関し、特に、硬式テニス用のラケットフレー
ムに好適に用いられるもので、詳しくは、長尺化および
軽量化したラケットフレームにおいて強度および打球性
能を高めてフレームの破損を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】ラケットフレームは図7に示すように、
ガット張架部1、スロート部2、シャフト部3、グリッ
プ部4からなり、一般的に、スロート部2とシャフト部
3の接合部Pからシャフト部3を経てグリップ部4のシ
ャフト部側にかけた領域Xは、断面2次モーメントが低
下するため応力集中が発生し、他の部分よりは破損が生
じやすい。
【0003】また、近年、テニスラケットフレームは、
その全長を27インチ(689mm)以上とする長尺化
が進む傾向にある。これは、プレーヤーが把持するグリ
ップから打点が遠い位置になることで、打球速度が増加
させることができる利点を有するためである。しかしな
がら、ラケットフレームの重量を従来と同等とすると、
フレームが長くなることで、慣性モーメントが増加し、
振り抜きにくく、扱いにくいラケットフレームとなる。
そのため、長尺ラケットでは軽量化が図られている。
【0004】軽量化を図る場合、性能・強度の関係から
打球面を囲むガット張架部の肉厚は所要値以上とする必
要があるため、スロート部からグリップ部にかけた部分
の肉厚を大きく削減する傾向にある。このように、特
に、長尺軽量のラケットでは、スロート部からグリップ
部にかけた部分の強度が低下するため、断面2次モーメ
ントの低下と合わせて破損が発生しやすくなっている。
【0005】本発明者が、従来の通常長さ及び重量を有
するテニスラケットと、長尺軽量なテニスラケットとを
用い、実際にプレーして比較したところ、長尺軽量のラ
ケットを用いてプレーする場合、長尺の利点を生かすた
め、打点がフレームトップ側になることが多く、かつ、
軽量化しているため、通常ラケットよりもフレームの歪
み大きくなり、破損の発生率が高くなる傾向があること
を見いだした。特に、上記領域Xのスロート部、シャフ
ト部、グリップ部にかかる部分(図8に示すようにスロ
ート部のないラケットではシャフト部からグリップ部に
かけた部分)に歪みが顕著に発生していた。さらに、グ
リップ部を発泡ゴム等の緩衝材を介在させて固定し、ガ
ット張架部のトップに60m/secのスピードでボー
ルをぶつけた際の破損位置もスロート部およびグリップ
上部で、実使用の破損位置と一致していた。
【0006】また、上記試験では、スロート部からグリ
ップにかかる領域Xに破損が生じると、ガット張架部が
破損する場合と異なり、完全な破断が起こり易すかっ
た。このような完全破断が発生すると、スイングによる
慣性力があるため、ラケットは振っている方向に飛ぶこ
ととなる。
【0007】ラケットフレームにおいて破損が発生しな
いようにするには強度を高める必要があるが、従来は破
損が発生しやすいスロート部からグリップにかけた部分
を部分的に補強しているラケットフレームは提供されて
いない。なお、特開平3−219822号公報におい
て、繊維強化樹脂からなる釣竿、ゴルフクラブシャフ
ト、ラケット等において、高強度繊維(カーボン繊維、
アラミド繊維、ガラス繊維)を強化繊維とし、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂等をマトリクス樹脂としたプリ
プレグを巻装して成形したものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案されているラケット、ゴルフクラブシャフト等の部材
は、部材全体を高強度繊維を樹脂に含浸したプリプレグ
で形成しているため、重量が増加し、軽量化の要請に応
ことができない。高弾性カーボン繊維と呼ばれるもの
は、その強度が低い傾向にあり、また、高強度カーボン
繊維もあるが、カーボン繊維の破断伸度は基本的に低
く、大きな変位には追従できないため、大きな変形が起
きる部分では、強度が低い問題があった。かつ、破損し
やすいシャフト側のグリップ部分(以下、グリップ上部
と称す)からスロート部にかけた上記領域Xを特に補強
しているものでないため、他の部分と比較よりも上記領
域Xが破損しやすい問題は解消されていない。
【0009】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、破損が発生しやすいスロート部からグリップにか
けて、強度を高めて破損を抑制し、かつ、万一破損が発
生した場合でも完全な切断が発生しないようにすること
を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、繊維強化樹脂からなる中空状のフレーム
を備え、該繊維強化樹脂の強化繊維として、少なくとも
スロート部、シャフト部または/およびグリップの一部
に、比重0.8g/cm3以上2.8g/cm3以下、 引張強度2
60kgf/mm2以上450kgf/mm2以下、破断伸度2.0%
以上6.0%以下である高強度繊維を用い、該高強度繊
維を強化繊維とする繊維強化樹脂中における高強繊維含
有率を60重量%以上82重量%以下としているケット
フレームを提供している。
【0011】上記のように、引張強度が高く、破断伸度
が大きい高強度繊維を、フレームの他の部分と比較して
破損が発生し易いスロート部、シャフト部あるいは/お
よびグリップ部に部分的に配置すると、これら破壊が発
生し易い箇所を効果的に補強することができ、破損の発
生を抑制することができる。また、これらの引張強度が
高く破断伸度が大きい高強度繊維は切創抵抗も大きく容
易に切断されない。通常、繊維強化樹脂製のラケットフ
レームは、強化繊維として主にカーボン繊維が使用され
ているが、このカーボン繊維よりも上記高強度繊維は破
断伸度および引張強度が共に大きいため切創抵抗も大き
い。よって、スロート部からグリップ上部の箇所で破損
が発生しても、切創抵抗が大きい高強度繊維により完全
に切断することが防止できる。
【0012】上記高強度繊維の比重0.8g/cm3以上
2.8g/cm3以下としているのは、0.8g/cm3未満とな
ると繊維の引張強度が低下する一方、2.8g/cm3を越
えると、一般点に破断伸度が低下すると共に重量が大き
くなるためである。また、引張強度260kgf/mm2以上
450kgf/mm2以下としているのは、260kgf/mm2未満
になると、破損が生じた時に直ぐに完全に破断が生じる
ことを抑制できなかったためであり、上限の450kgf/
mm2は現在ではこれ以上の引張強度のものが提供されて
いないためである。破断伸度2.0%以上6.0%以下
としているのは、2.0%未満となると破損が生じた時
に直ぐに完全に破断が生じることを抑制できなかったた
めであり、上限の6.0%は現在ではこれ以上の引張強
度のものが提供されていないためである。
【0013】さらに、高強度繊維を強化繊維とする繊維
強化樹脂中の繊維含有率(繊維重量/繊維重量+樹脂重
量)を、上記のように、60重量%以上82重量%以下
としており、より好ましくは、62〜75重量%として
いる。上記60重量%以上82重量%以下に設定してい
るのは、60重量%未満であると、マトリクス樹脂の寄
与が大きくなり繊維の持つ高い切創抵抗や高い引張強度
が有効活用されないためである。また、82重量%より
多くなると、成形後の繊維強化樹脂表面が平滑でなく、
パテ等により補修する必要が生じるためである。
【0014】上記高強度繊維としては、アラミド繊維を
含む芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル繊維、超高
重合度ポリエチレン繊維、高強度ポリビニルアルコール
繊維等が好適に用いられる。具体的には、デュポン東レ
(株)製のKEVLAR、帝人(株)製のTachno
ra、クラレ(株)製のベクラン、三井石油化学(株)
製のテクミロン、東洋紡(株)製のダイニーマー等が好
適に用いられる。
【0015】上記高強度繊維のアラミド繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、超高重合度ポリエチレン繊維と、従来主
として用いられているカーボン繊維の物性値を下記の表
1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1中の上段に示すドライファイバー物性
値は、繊維のみの物性値を示す。中段の一方向強化繊維
の物性値および複合材の物性値はビスフェノール型エポ
キシ樹脂をマトリクス樹脂とした複合材の物性値を示
し、これらの繊維含有率は60容量%としている。引張
強度はJIS−K7073の試験方法で測定し、破断伸
度はJIS−K7073で測定し、圧縮強度はJIS−
7076の試験方法で測定し、アイゾット衝撃強度はJ
IS0K7062の試験方法(エッジワイズ方式、ノッ
チなし)で測定している。表中の数値は5回の試験結果
の平均値である。
【0018】表1に示すように、アラミド繊維、芳香族
ポリアミド繊維、超高重合度ポリエチレン繊維はカーボ
ン繊維よりも、繊維のみの物性値において破断伸度が2
倍以上あり、樹脂に含浸して一方向強化繊維とした場合
において、カーボン繊維よりも引張強度が高い。よっ
て、これら高強度繊維で補強すると破損の発生を抑制で
き、特に、破断伸度が大きいため、破損しても完全に切
断されることを防止できる。また、樹脂に含浸した複合
材とした状態で、アイゾット衝撃強度がカーボン繊維と
比較して高強度繊維は非常に高いため、耐衝撃性に優れ
破損の発生を抑制できる。
【0019】さらに、上記アラミド繊維、芳香族ポリア
ミド繊維、超高重合度ポリエチレン繊維等の高強度繊維
は振動減衰性もよく、これらの高強度繊維を用いること
により、ラケットフレーム自体の振動減衰性も良くする
ことができる。
【0020】上記ラケットフレームはプリプレグからな
る繊維強化樹脂シートを積層して形成しており、上記高
強度繊維のプリプレグを、カーボン繊維のプリプレグの
外周面あるいは/および中間部に配置している。この高
強度繊維プリプレグは通常のプリプレグに樹脂を含浸し
ていない高強度繊維を張り付け、この高強度繊維プリプ
レグをカーボン繊維プリプレグと張りわせて積層してい
る。
【0021】上記高強度繊維を強化樹脂とする繊維強化
樹脂中の繊維含有率(60〜82重量%)は、上記カー
ボン繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂中の繊維含有率
(約58重量%)りも大としている。このように、繊維
強化樹脂中における高強度繊維の繊維含有率を、カーボ
ン繊維の繊維含有率よりも大としていることにより、重
量を増加させることなく、高強度繊維の物性を有効に活
用することができる。
【0022】フレームの全強化繊維中の1重量%以上1
2重量%以下を上記高強度繊維とし、他の強化繊維がカ
ーボン繊維とすることが好ましい。これは、高強度繊維
が1重量%未満では、補強および切断の防止を図ること
が出来ず、12重量%を越えると、圧縮強度が低いため
に破損が発生しやすくなるとによる。
【0023】上記高強度繊維は、特に、破損が生じやす
いスロート部とシャフト部との接合部および/あるいは
グリップ部のシャフト部側の箇所に配置し、かつ、これ
らの箇所のフレーム側面(厚さ方向面)に配置すること
が好ましい。即ち、上記表1に示すように、高強度繊維
のプリプレグはカーボン繊維のプリプレグよりも圧縮強
度が低い傾向があり、圧縮応力を発生する箇所に配置す
ると、高い切創抵抗や高い引張強度を有効活用すること
なく、圧縮破壊が生じることとなる。よって、ラケット
フレームの表裏(幅方向面)に配置するよりも、圧縮応
力が発生しにくい側面に配置した方が、高強度繊維が引
張方向に大きく寄与するために好ましい。なお、この高
強度繊維をフレームの側面に配置した方が好ましいが、
表裏両面に配置しても良いことは言うまでもない。
【0024】ラケットフレームを、テニスラケットフレ
ームに適用した場合、そのフレームの全体重量を180
g以上280g以下、フレーム全長を692mm以上7
60mm以下とすることが好ましい。上記重量範囲のラ
ケットフレームは軽量ラケットフレームの範囲に含ま
れ、上記長さ範囲のラケットフレームは長尺ラケットフ
レームの範囲に含まれる。このような長尺軽量なラケッ
トフレームでは、前記したように、通常重量および長さ
のラケットフレームに比して、スロート部からグリップ
部にかけた部分に破損が発生しやすいためである。この
部分に上記高強度繊維を配置することにより破損の発
生、さらには完全に切断するこを防止あるいは抑制する
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。本発明の実施形態のテニスラケット
フレームは、繊維強化樹脂シートのプリプレグを積層し
て成形した筒状のフレームからなり、図1に示すよう
に、前記図7と同様に、打球面Sを囲むガット張架部1
に左右のスロート部2が連続し、これら左右のスロート
部2が接合して合体してシャフト部3に連続し、シャフ
ト部3からグリップレザー(図示せず)を外装するグリ
ップ部4へと連続する。上記左右スロート部の間には打
球面Sの下部枠を構成するヨーク部材5の両端を結合し
ている。
【0026】上記ラケットフレームでは、スロート部2
からグリップ部4にかけた領域Xの間の一部X’あるい
は全体にわたって、図2(A)に示すように、高強度繊
維10を強化繊維として樹脂に含浸させたプリプレグ1
1を、カーボン繊維12を強化繊維として樹脂に含浸さ
せたプリプレグ13の外表面中間層に配置している。ガ
ット張架部1等の他の部分は図2(B)に示すように、
カーボン繊維のプリプレグ13のみの積層体から構成し
ている。
【0027】上記高強度繊維10としては、比重0.8
g/cm3以上2.8g/cm3以下、 引張強度260kgf/mm2
上450kgf/mm2以下、破断伸度2.0%以上6.0%
以下である高強度繊維を用い、該高強度繊維を強化繊維
とする繊維強化樹脂中における高強繊維含有率を60重
量%以上82重量%以下としている。この高強度繊維と
しては、アラミド繊維を含む芳香族ポリアミド、芳香族
ポリエステル繊維、超高重合度ポリエチレン繊維、高強
度ポリビニルアルコール繊維等を用いている。また、高
強度繊維のプリプレグ11は強繊維含有率を60重量%
以上82重量%以下とする一方、カーボン繊維のプリプ
レグ13は繊維含有率を58重量%している。
【0028】上記ラケットフレームは、その全体重量を
180g以上280g以下とし、フレーム全長Lを69
2mm以上760mm以下としている。
【0029】なお、ラケットフレームの形状は図1に示
す形状に限定されず、図3に示すように、スロート部が
なく、ガット張架部1のボトム位置からシャフト部3が
連続している形状のラケットフレームに適用でき、その
場合には、ガット張架部1に接合するシャフト部3の上
端位置からグリップ部4の領域X’内に上記高強度繊維
を配置している。
【0030】上記ラケットフレームは、マンドレルに被
せたチューブに、複数枚のカーボン繊維強化プリプレグ
を繊維角度を位相させて組み合わせて積層して巻き付
け、かつ、該巻き付け時に、高強度繊維強化プリプレグ
をスロート部からグリップ部にかけた所要位置におい
て、カーボン繊維強化プリプレグの最外周面あるいは/
および中間部に積層している。其の際、ラケットフレー
ムの厚さ方向となる側面となる位置に高強度繊維強化プ
リプレグを位置するように巻き付けることが好ましい。
このように所要のプリプレグを巻き付けた後にマンドレ
ルからチューブと共に引き抜きレイアップを作成する。
このレイアップを金型内に配置し、チューブに内圧かけ
ると共に所要温度に加熱して成形している。
【0031】(実施例1)マンドレルに66ナイロンチ
ューブを被せ、樹脂含有率が50〜55重量%の複数枚
のカーボン繊維強化プリプレグを巻装した。上記プリプ
レグとしてカーボン繊維角度が0゜、22゜、30゜、
90゜のを用い、これらを組み合わせて積層した。カー
ボン繊維プリプレグは東レ(株)製のT−300グレー
ドのプリプレグを用いた。マトリクス樹脂はエポキシ樹
脂である。上記カーボン繊維強化プリプレグの巻き付け
時に、高強度繊維としてアラミド繊維を用いたアラミド
繊維強化プリプレグ10ー1を図4に示すように、断面
周長が小さくなるシャフト部3からグリップ部4にかけ
た箇所で側面に当たる位置において、積層するカーボン
繊維強化プリプレグの厚さ方向の中間位置に巻き付けて
配置した。その際、アラミド繊維の繊維角度は0°とな
るように巻き付けた。このフレームの両側に配置するア
ラミド繊維強化プリプレグ10−1はそれぞれ縦×横が
20mm×50mmで、繊維含有率を67重量%とし
た。
【0032】上記アラミド繊維の総繊維重量、カーボン
繊維の総繊維重量、全繊維重量に対するアラミド繊維の
重量%、ローフレーム重量に対する全繊維重量%は下記
の表2に示している。
【0033】上記のようにカーボン繊維強化プリプレグ
を巻装し、一部にアラミド繊維強化プリプレグを配置し
た後に、マンドレルから引き抜いてレイアップを作成し
た。このレイアップを金型内に配置し、チューブ内に7
kgf/cm2の窒素を充填して加圧しながら、 金型を145
℃に加熱し、40分間保持した。その後、金型を開いて
成形されたラケットフレームを取り出した。このように
して成形したラケットフレームは、打球面が95平方イ
ンチ、ガット張架部1、スロート部2、ヨーク部5およ
びシャフト部3の厚みを18mmの均一の厚みとし、全
長は28インチとした。このフレーム全長は通常のラケ
ットフレームの全長が27インチであることより、1イ
ンチ長くしている。金型から取り出した状態のローフレ
ーム総重量および、該ローフレームに塗料を塗布すると
共にグリップレザー、グロメット、バンパー等の通常の
付属品を取り付けた状態のフレーム総重量は下記の表2
に記載している。
【0034】(実施例2)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグ10−2をフレームの側面ではなく表裏両面
に配置したこと以外は、実施例1と同様とした。この場
合も、アラミド繊維強化プリプレグはカーボン繊維強化
プリプレグの厚み方向の中間部に配置した。即ち、繊維
含有率が67%で、縦×横が20mm×50mmのアラ
ミド繊維強化プリプレグを、図4に示すように、シャフ
ト部3とグロメット部4の連続箇所においてフレームの
表裏両面(幅方向面)に配置した。
【0035】(実施例3)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグの繊維含有率を75重量%としたこと以外は
実施例1と同様とした。即ち、縦×横が20mm×50
mmのアラミド繊維強化プリプレグを、シャフト部3と
グロメット部4の連続箇所においてフレームの両側面に
配置した。
【0036】(実施例4)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグの繊維含有率を62重量%としたこと以外は
実施例1と同様とした。
【0037】(実施例5)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグの繊維重量を全繊維量(アラミド繊維+カー
ボン繊維)の10%としたこと以外は実施例1と同様と
した。
【0038】(比較例1)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグの代わりにカーボン繊維強化プリプレグを使
用したこと以外は実施例1と同様とした。即ち、縦×横
が20mm×50mmのカーボン繊維強化プリプレグ
を、シャフト部3とグロメット部4の連続箇所において
フレームの両側面に配置した。
【0039】(比較例2)アラミド繊維強化プリプレグ
を使用していない点を除き実施例1と同様とした。即
ち、シャフト部とグリップ部にかけた部分を補強してい
ない。
【0040】(比較例3)実施例1のアラミド繊維強化
プリプレグの繊維重量を全繊維重量の15%としたこと
以外は、実施例1と同様とした。
【0041】上記実施例1〜5および比較例1〜3のテ
ニスラケットについて、図5に示す方法で、衝撃試験を
行った。この衝撃試験は、衝撃吸収性が高いゴムに気体
を封入した空気バネを介在して、ガットを張架したラケ
ットのグリップ部をチャックして吊り下げた。この吊り
下げたラケットに対して80m/secの速度でボールを
衝突させた。 この衝突位置はガット面のトップから6c
mの位置とした。ガットテンションは601bとした。
【0042】上記衝撃試験では、まず、破損が発生する
までの回数を測定し、さらに、破損発生後にフレームが
完全に破断するまでの回数を測定した。破損の発生とは
外観上でヒビ(クラック)が生じたことが確認できた状
態である。完全切断とはラケットフレームが2つ以上に
分割された場合やスロート部の片側が外れた場合を指
す。
【0043】さらに、実施例1〜5および比較例1〜3
のテニスラケットについて、図6に示す方法で、振動減
衰率を測定した。即ち、テニスラケットのヨーク部5の
中央に加速度ピックアップ30を取り付け、テニスラケ
ットのトップを紐で吊るして、加速度ピックアップと反
対面で、且つ、ヨーク部の付け根位置をインパクトハン
マー31で加振した。インパクトハンマー31に取り付
けたフォースピックアップ32で計測した入力振動
(F)と加速度ピックアップ30で計測した応答振動
(α)をアンプ33を介して周波数解析装置34(ヒュ
ーレットパッカード社製 ダイミックシグナルアナライ
ザーHP3562A)により解析した。
【0044】上記解析で得た周波数領域での伝達関数を
求めて、ラケットフレームの振動数を得た。減衰比
(ζ)は下記の式より求めた。
【0045】ζ=(1/2)×(△ω/ωn) TO=Tn/√2
【0046】上記試験はいずれもそれぞれ3回行った。
その結果の平均値を下記の表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2に示すように、実施例1〜5のテニス
ラケットは、補強をしていない比較例2およびアラミド
繊維重量を全繊維重量の15%とした比較例3よりも破
損が発生しにくかった。また、アラミド繊維強化プリプ
レグを用いた実施例1〜5および比較例3では完全破断
が容易に発生しなかったが、アラミド繊維強化プリプレ
グを用いていない比較例1、2は破損と同時に完全破断
が発生した。この結果より、アラミド繊維を用いると破
損が生じても簡単に完全破断に至らないことが確認でき
た。
【0049】また、振動減衰率については、アラミド繊
維強化プリプレグを用いた実施例1〜5および比較例3
は、アラミド繊維強化プリプレグを用いていない比較例
1、2と比べて振動減衰率が高くなっており、振動吸収
性が良いことが確認できた。
【0050】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わるラケットフレームでは、破損が発生しやすいス
ロート部からグリップ部にかかる部分にアラミド繊維等
の引張強度、破断伸度が大きな高強度繊維を配置してい
るため、破損の発生を減少できると共に、破損が生じて
も直ちに完全破断に到ことを防止できる。よって、プレ
ーヤーが破損に気が付いた段階でラケットの使用を中止
すると、プレー時にラケットが破断して、ガット張架部
側や破断片がラケットの振り方向に飛ぶ危険性を回避す
ることができる。
【0051】特に、長尺かつ軽量なラケットは、通常の
長さおよび重量を有するラケットと比較して、スロート
部からグリップ部にかけた部分で破損および完全破断が
発生しやすいため、スロート部からグリップ部にかけて
高強度繊維を配置することが破損および完全破断を防
止、抑制する点からも好ましい。
【0052】さらに、アラミド繊維等の有機繊維からな
る高強度繊維をスロート部からグリップ部に配置する
と、振動減衰性が向上し、特に、プレーヤーの手に近接
した位置に高強度繊維を配置するとプレーヤーに振動を
伝わりにくくすることができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のテニスラケットフレームの概略図で
ある。
【図2】 (A)(B)は夫々図1の断面図である。
【図3】 変形例のテニスラケットフレームの概略図で
ある。
【図4】 高強度繊維プリプレグの配置位置を示す図面
である。
【図5】 衝撃試験方法を示す図面である。
【図6】 振動減衰率を測定する方法を示す図面であ
る。
【図7】 ラケットフレームの概略図である。
【図8】 他のラケットフレームの概略図である。
【符号の説明】 1 ガット張架部 2 スロート部 3 シャフト部 4 グリップ部 5 ヨーク部 10 アラミド繊維等の高強度繊維 11 高強度繊維のプリプレグ 12 カーボン繊維強化プリプレグ 13 カーボン繊維

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂からなる中空状のフレーム
    を備え、該繊維強化樹脂の強化繊維として、少なくとも
    スロート部、シャフト部または/およびグリップの一部
    に、比重0.8g/cm3以上2.8g/cm3以下、 引張強度2
    60kgf/mm2以上450kgf/mm2以下、破断伸度2.0%
    以上6.0%以下である高強度繊維を用い、該高強度繊
    維を強化繊維とする繊維強化樹脂中における高強繊維含
    有率を60重量%以上82重量%以下としているケット
    フレーム。
  2. 【請求項2】 記高強度繊維は、アラミド繊維を含む芳
    香族ポリアミド、芳香族ポリエステル繊維、超高重合度
    ポリエチレン繊維、高強度ポリビニルアルコール繊維か
    らなり、フレームの全強化繊維中の1重量%以上12重
    量%以下が上記高強度繊維であり、他の強化繊維がカー
    ボン繊維である請求項1に記載のラケットフレーム。
  3. 【請求項3】 上記フレームをプリプレグからなる繊維
    強化樹脂シートを積層して形成しており、上記高強度繊
    維のプリプレグを、カーボン繊維のプリプレグの外周面
    あるいは/および中間部に配置し、かつ、上記高強度繊
    維の強化繊維とする繊維強化樹脂中の繊維含有率は、上
    記カーボン繊維を強化繊維とする繊維強化樹脂中の繊維
    含有率よりも大としている請求項2に記載のラケットフ
    レーム。
  4. 【請求項4】 上記高強度繊維の配置箇所は、スロート
    部とシャフト部との接合部および/あるいはグリップ部
    のシャフト部側の部分で、かつ、これらの部分の側面
    (厚さ方向面)に上記高強度繊維のプリプレグを配置し
    ている請求項3に記載のラケットフレーム。
  5. 【請求項5】 フレームの全体重量が180g以上28
    0g以下、フレーム全長が692mm以上760mm以
    下である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の
    ラケットフレーム。
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