JP3600760B2 - ラケットフレーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テニスラケット等のスポーツ用のラケットフレームに関し,特に,繊維強化樹脂からなり軽量ラケットにおいて、その軽量性と高強度性を両立するラケットフレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,ラケットフレームは繊維強化樹脂製が,その軽量性,高剛性,高強度,耐久性等の特徴を生かして主流となっている。これは、近年のカーボン繊維の高強度,高弾性率化の発展により、カーボン繊維を主体とした強化繊維が、軽量ラケットの実現に大きく貢献しているためである。よって、ラケットフレームは、具体的には、カーボン繊維で強化された熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)からラケットフレームが一体的に成形されている。
【0003】
ラケットフレームの重量が軽減されればされる程、その繊維強化樹脂におけるカーボン繊維の割合を増加し、繊維強化樹脂の割合を減少して、成形されるフレームの肉厚も低減しなければならないが、その場合には、強度・耐久性の低下が大きな問題となる。
【0004】
カーボン繊維の割合が増加すると、カーボン繊維強化樹脂は強度が大きく、弾性率も高いが、破断するまでの伸びが小さいため、所定の応力、あるいは歪が発生すると突然に破損する現象が生じる。とりわけ、圧縮方向の歪が発生する箇所で、破損が起きやくなる。例えば、打球面を囲むフェイス部分では、面内方向の力(ボールの衝撃によるストリングを引張る力)により、打球面を時計面として、12時の位置のトップや、3時(9時)の位置に応力が集中し、破損しやすい。より具体的には、トップの外側や3時(9時)の内側に応力が集中する。また、面内方向以外にも応力が集中する部分があり、ボールの衝撃による面外方向の力により、4時(8時)からスロート(シャフト)にかけて捻れの力がかかり、破損が発生しやすい。そのため、繊維強化樹脂製のラケットフレームでは、破損を抑制する設計が必要となってきている。
【0005】
この種の繊維強化樹脂製のラケットフレームにおいて、特開平11−89973号において、繊維強化樹脂よりなるラケットフレーム本体と、該ラケットフレーム本体の一部に設けられた金属体とを備え、金属体は繊維強化樹脂部分を包囲するように設けられ、かつ繊維強化樹脂と一体化されているラケットフレームが提案されている。
【0006】
また、特開平5−8224号において、繊維強化樹脂層の一側に箔状エキスパンドメタル層が積層されたプリプレグが提案されており、該プリプレグを用いて、圧縮強度、衝撃強度、捩り破壊強度が優れてたゴルフクラブシャフト等が成形されることが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特開平11−89973号のラケットフレームでは、金属体で包囲された部分の剛性を、金属体で包囲していない繊維強化樹脂のみからなる部分よりも高いものとすることができる。しかしながら、繊維強化樹脂のみの部分は比重が1.4〜1.6の範囲であり、金属体で包囲した場合は比重が大となり、重量の多大な増加が起こり、ラケットの軽量化を図るには全く不適切である。さらに本発明者が実験した結果、肉厚が小さい軽量ラケットに適応した場合、金属体の端面部分に応力集中が発生し、耐久性・強度が非常に低いことを確認した。
【0008】
一方、後記した特開平5−8224号で提案された繊維強化樹脂層の一側に箔状エキスパンドメタル層が積層されたプリプレグを用いた場合、本出願人の研究結果では、この箔状エキスパンドメタル層では、高強度化には不十分であることが判明した。即ち、上記箔状エキスパンドメタルは、金属箔に切り目を入れ、この切り目と直交する方向に引張されて形成されているため、金属箔は均一に引張されず、金属箔の一部分は伸び、捩れて、さらに折れ重なって加工されている。そのため、実際に、この金属箔からなるエキスパンドを扱った場合、僅かな力を与えるだけで、引張時に起点となる部分の金属箔が簡単に切断し、金属の利点である強度、延伸性を有効に活用されていないことが判明した。
【0009】
よって、切断を発生させないようにするには、金属箔の厚さを大としたり、切れ目を小さくして空隙を小さくしたり、あるいは、箔状エキスパンドメタルの複数枚積層することが必要となる。しかしいずれもの場合も、金属量を多くなり、その場合には、下記の問題が発生する。
▲1▼箔状エキスパンドメタルは、繊維強化樹脂よりも比重が大きくなるため、軽量ラケットを実現できない。
▲2▼箔状エキスパンドが集中的に配置されると、その途切れる端部に応力集中が発生し、破損しやすい現象が生じる。
▲3▼金属量が増加すると、箔状エキスパンドメタルの有無により、フレーム主成分である繊維強化樹脂のカーボン繊維にクリンプ(蛇行)が起こり、カーボン繊維の一方向強化性能が低下する。
【0010】
また、上記箔状エキスパンドメタルでは、箔の間の寸法(空隙の大きさ)を任意に変えることができない。そのため、内層となるカーボン繊維にも悪影響を及ぼすことが判明した。即ち、通常、フレームの主成分となる繊維強化樹脂は、一方向繊維強化のプリプレグを適正な角度に重ね合わせて成形されている。しかしながら、金属箔の空隙が小さいと、この箔状エキスパンドメタルとカーボン繊維強化樹脂とを重ね合わせて成形した場合、成形金型の型面は平滑であるため、箔状エキスパンドメタルの厚さ分、カーボン繊維は3次元的に蛇行する(クリンプが生じる)ことが判明した。よって、箔状エキスパンドメタルを繊維強化樹脂と積層して強化する場合には、このクリンプを抑制する設計が必要となる問題が生じる。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、金属素材を用いて高強度化をはかる場合において、上記したような問題が無く、軽量と高強度を両立したラケットフレームを提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、繊維強化樹脂製のラケットフレームにおいて、
少なくとも両側のスロート部の外面側に金属繊維強化プリプレグを配置し、
上記金属繊維強化プリプレグは、一方向に引き揃えた隣接する金属繊維の距離を2600μm以上15000μm以下とされ、1カ所当たりの配置される金属繊維強化プリプレグは幅5mm〜60mm、長8mm〜500mmで1平方cm以上150平方cm以下とされ、かつ、断面における厚みに対する幅の比(幅/厚み)を1.2以上15.0以下としていることを特徴とするラケットフレームを提供している。
【0013】
具体的には、上記金属繊維は、圧縮方向の歪みで破損が発生しやすいスロート部、打球面を囲むフェイス部のトップあるいは/および打球面を時計面と見てトップを12時とするとフェイス部の3時から5時の位置(9時から7時の位置)において、カーボン繊維強化樹脂層の外層に配置することが好ましいが、前記したように、少なくとも両側のスロート部の外面側に金属繊維強化プリプレグを配置している。前記のように、圧縮方向の歪みが発生しやすい部分では、ラケットフレームの断面において、断面の外側が、断面2次モーメントに大きく寄与するためである。さらに、カーボン繊維の圧縮による亀裂発生は、断面の外側で発生するため、破断伸度の大きい金属繊維を有効に活用するためには、カーボン繊維よりも外層に配置することが好ましい。
【0014】
上記のように、金属繊維をラケットフレームの破損が生じやすい部分にのみ配置し、当該部分において、所要方向に金属繊維を一方向に引き揃えることで、その延伸性の利点を有効活用して破断の発生を防止し、高強度化を図ることができる。そのためには、平行配置して一方向に引き揃えてた金属繊維の距離を800μm〜20000μm、好ましくは、2600μm〜15000μmとしている。これは、800μm以下の場合は金属量が多くなり、上記(1)〜(3)の問題が発生し、応力集中を緩和することができず、軽量ラケットを実現できず、20,000μmを越える場合、金属繊維による補強有効を有効に活用できないためである。このように、金属繊維を用いた場合は高強度化を図れるため、前記箔状エキスパンドメタルと比較して、強度を同等とする場合には、使用金属量を非常に少なくすることが可能となり、ラケットフレームの軽量化を両立させることができる。
【0015】
上記金属繊維は、金属繊維強化プリプレグとして用い、カーボン繊維強化プリプレグ等からなる繊維強化プリプレグと積層して一体で成形している。
上記金属繊維強化プリプレグを配置する箇所では、1カ所当たりの金属繊維強化プリプレグの面積を1平方cm以上150平方cm以下としている。これは1平方cm未満であると補強効果が小さくなり過ぎ、また、150平方cmを越えるとフレーム形状に成形した時に、ラケットフレームの外形の曲率および断面形の曲率に沿わせると、金属繊維に捩れる部分が発生し、補強効果が低減することによる。なお、該1カ所当たりの金属繊維強化プリプレグの面積を、2平方cm以上90平方cm以下とすることがより好ましい。また、この1カ所当たりの金属繊維強化プリプレグは幅を5mm〜60mm、長さを8mm〜500mmとすることが好ましく、この幅および長さを、上記下限数値および上限数値に規定しているのは、上記面積の下限および上下数値を規定した理由と同様である。
【0016】
上記金属繊維の配向方向は、面内方向の圧縮歪みが発生しやすいフエイス部のトップや3時から5時(9時から7時)等の位置では、フレーム鉛直方向に対して略0度とすることが好ましい。一方、面外方向の圧縮歪みが発生しやすいスロート部等では略0度に配置しても良いが、捩れを考慮すると±10〜60度に配向することが好ましい。即ち、略0度あるいは/および±10〜60度の配向角度としている。0度を外す場合には、金属繊維プリプレグを2層以上積層して同一配向角度の+、−を積層することが好ましい。また、一方向強化金属繊維を2層以上積層する場合には、前記クリンプを抑制するためにも、金属繊維を後述するように偏平断面とすることが好ましい。
【0017】
上記金属繊維は、その比重が1.5g/cm以上10g/cm以下のものが好適に用いられる。即ち、全ての金属が有効ではなく、廷伸性が高く、比重が1.5g/cm以上10g/cmの小さいものが好ましい。その理由は、比重が1.5g/cm未満の金属は扱いが困難であり、10g/cmを越える金属は少量の使用でもフレームに与える重量増加が大きいことによる。なお、比重は1.7cm以上8g/cm以下がより好ましい。
【0018】
また、上記金属繊維は、その比重に対する引張強度(引張強度(g/mm)÷比重(g/mm))が、20×10mm以上160×10mm以下の範囲であることが好ましい。即ち、金属繊維となる金属は、軽量な金属だけでなく、さらに強度も大きい程良く、従って、所謂、比強度が大きいことが好ましく、具体的には、上記20×10〜160×10mmの範囲であることが好ましい。上記範囲は、20×10mm未満であると補強効果が小さく、160×10mmを越えると、延伸性が小さくなるか、比弾性率が小さくなる傾向となるためである。
【0019】
さらに、金属繊維は、その比弾性率が1.5×10mm以上2.0×10mm以下であることが好ましい。これは、比弾性率が1.5×10mm未満であると補強効果が小さいばかりでなく、ラケットの剛性に対する寄与も低下し、軽量ラケットとしては好ましくない傾向となるからである。一方、2.0×10mmを越えて比弾性率が高くなりすぎと、フレームを成形する際に、ラケットフレームの外形の曲率および断面形の曲率に沿わせて成形することが困難となり、かつ、引張強度も低下する理由による。
また、金属繊維の破断伸度が1.5%以上であることが好ましく、1.5%未満であるとカーボン繊維の破断伸度を補うことができにくい。
【0020】
尚、金属繊維は、その強度・弾性率を、金属試験方法JISZ2241に則り測定して、上記した範囲の物性を有する金属繊維を選択して用いている。
【0021】
具体的には、金属繊維は、チタン、マグネシウム、タングステン及びそれらの合金からなる金属繊維、非晶質金属繊維、炭素繊維にボロンを析出させたボロン繊維、炭素鋼系繊維のサイファー繊維(神戸製鋼株式会社製)等が用いられる。より好適な金属繊維は、Co−Fe−Cr−Si−B系やCo−Fe−Cr−Mo−Si−B系等の非晶質金属(アモルファス金属)からなる繊維である。
【0022】
上記金属繊維は、その断面における厚み対する幅の比(幅/厚み)を、1.2以上15.0以下の範囲とし、幅を大きくした偏平な断面とすることが好ましく、より好適には、3以上12以下の範囲である。このように扁平断面とする事が好ましい理由は、前記▲3▼のカーボン繊維のクリンプを低減することにあり、かつ、金属繊維を重ね合わせて用いた場合には、金属繊維自身にクリンプが発生するのを抑制する点からも上記比率範囲とすることが好ましい。る。また、この比率が大きくなりすぎた場合、事実上、金属割合が増加することとなり、ラケットフレームの重量が増加しやすくなる。
【0023】
上記金属繊維を用いて補強する場合、実使用においては、ドラムワインデイグ装置を用い、金属繊維を所要の距離をあけて一方向に引き揃えた金属繊維プリプレグとして用いている。即ち、ドラムワインディング装置のドラム外周面に予め樹脂を含浸した目付量の小さい樹脂含浸クロスあるいは不織布を配置し、その外周面に金属繊維を所要の距離をあけて巻き付けた後、再度、樹脂含浸クロスあるいは不織布を重ねて金属繊維強化プリプレグを形成している。このプリプレグは裁断方向を調整することにより、金属繊維の角度を調整することが可能となる。また、樹脂含浸クロスあるいは不織布は金属繊維の片側のみに配置することも可能であるが、金属繊維の両側に配置して金属繊維を挟むサンドイッチ状とすると金属繊維のづれの抑制効果が大きく、有効である。
【0024】
上記樹脂含浸クロスあるいは不織布としては、ガラス繊維を不織布状としたガラススクリムクロスが好適に用いられる。該ガラススクラムクロスは成形時に透明となるため、金属繊維をラケットフレーム断面の最外面に配置すると、金属繊維を外観可能となり、金属繊維が用いられいることがユーザーに容易に認識させることができる。
【0025】
テニスラケットフレームの場合においては、そのラケットフレームの全重量(グリップレザー、バンパー、クロメット等の必要な付属品を取り付けているが、ガットは張架していない状態での重量)を180g以上280g以下、好ましくは250g以下、フレーム全長を27.5インチ以上、フレームの最大厚みを26mm以上36mm以下と厚幅とし、かつ、フェイス部に囲まれる打球面の面積を110平方インチ以上130平方インチ以下としている。
【0026】
テニスラケットフレームでは、近時は長寸化したラケットフレームが好まれているため、この長寸のラケットフレームにおいて、軽量化と高強度化を両立させる必要がある。例えば、競技者向けのテニスラケットであっても、最近は、全長が27.5インチ以上と長尺化し、重量も280g以下に軽量化する傾向にある。上記の仕様としたテニスラケットフレームでは、高強度カーボン繊維あるいは高強度・高弾性カーボン繊維を使用する量が多くなり、肉厚も小さいため、金属繊維補強の効率的活用が有効となる。また、競技者がハードヒットする場合においても、軽量化ラケットフレームを金属繊維で補強することは非常に有効となる。
【0027】
なお、上記金属繊維で補強するラケットフレームの形状は限定されず、テニスラケットフレームの他、バトミントン、スカッシュ等のラケットフレームにも好適に適用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるテニス用のラケットフレームについて詳述する。
図1に示すラケットフレーム1は繊維強化プリプレグを積層して形成した繊維強化樹脂製の連続したパイプ状のフレームから形成しており、打球面Sを囲むフェイス部2、スロート部3、シャフト部4およびグリップ部5からなり、打球面Sのボトム位置にはヨーク6を取り付けている。
【0029】
上記ラケットフレーム1は、その全長を27.5インチ以上、打球面Sの面積が110平方インチ以上130平方インチ以下、フレームの最大厚みが26mm以上36mm以下、全重量を180g以上280g以下としている。
【0030】
上記ラケットフレーム1には、面内方向の応力集中により圧縮歪みが発生しやすいフェイス部2のトップ2a、最大横幅位置の3時(9時)からヨーク連結位置の5時(7時)の部分、面外方向の応力集中により圧縮歪みが発生しやすいスロート部3等において、図2に示すように、最外周層に金属繊維プリプレグ10を1層あるいは複数層配置している。金属繊維プリプレグ10の内層側はカーボン繊維プリプレグ20を積層している。図1中では、スロート部3に配置した金属繊維プリプリグ10を図示しているが、スロート部3以外に、フェイス部のトップおよびサイド部の3箇所に配置してもよいし、いずれか1カ所でもよい。1カ所に配置する場合には、両側のスロート部3の外面側に配置することが好ましい。
【0031】
上記金属繊維プリプレグ10としては、例えば、アモルファス金属繊維やチタン繊維等の金属繊維11をガラススクリムクロス12で挟持した構成のものを用いており、金属繊維11は一方向に引き揃えられ、平行配列される隣接の金属繊維11間の距離を2600μm以上15000μm以下としている。
【0032】
上記金属繊維11としては、その比重が1.5g/cm以上10g/cm以下、その比重に対する引張強度が、20×10以上160×10mm以下、比弾性率が1.5×10mm以上2.0×10mm以下、破断伸度が1.5%以上、その断面における厚みに対する幅の比が、1.2以上15.0以下のものを用いている。
【0033】
(実施例1)
マンドレルに66ナイロンチューブをかぶせ、このチューブにカーボン繊維プリプレグ(東レ(株)製T800,P2053−12 樹脂含有率30%、M40J,9052一7 樹脂含有率33%、M40J,9055−8 樹脂含有率24%)を積層して巻き付け、鉛直状の積層体としたレイアップを作成した。これらカーボン繊維プリプレグの繊維角度は0度,22度,30度,90度として積層した。ヨーク部分はナイロンチューブで被覆したポリスチレン発泡体を芯材とし、上記と同様のカーボン繊維プリプレグを積層した。該ヨーク部分を上記レイアップに加えると共に、上記レイアップのスロート部に当たる部分の外周面にアモルファス金属繊維プリプレグを積層した。
【0034】
使用したアモルファス金属繊維プリプレグは、アモルファス金属繊維の両面をガラススクリムクロスで挟持したものであり、ユニチカ(株)のCo−Fe−Cr−Sr−B系のアモルフアス金属(FElO)を使用した。その繊維断面は厚み40μm、幅400μmである。アモルファス金属繊維問の距離は2600μmとした。このアモルファス金属繊維プリプレグは幅28mm、長さ90mmとし、上記のように、スロート部に当たる部分の外側に、繊維角度をフレーム鉛直方向に対して±15度として積層した。
【0035】
上記した金属繊維プリプレグをスロート部に当たる部分の外層に積層すると共にヨーク部分を加えて、金型内に配置し、所要時間加熱保持して樹脂を硬化させ、ラケットフレームを成形した。
【0036】
成形したラケットフレームは、全長を28インチ、フェイス面積を115平方インチ、フレーム最大厚みを29mm、トップ部の厚みを26mmとした。バンパーグロメット、グリップレザー、エンドキャップをラケットフレームに付設し、ストリングなしで、重量は215g、バランス(グリップエンドから重心位置までの距離)は375mmであった。
【0037】
(参考例)
アモルファス金属繊維の断面形状を、幅48μm、厚み15μmとし、アモルファス金属繊維間の距離を900μmとした。これ以外は実施例1と同様で、アモルファス金属繊維プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0038】
(実施例3)
アモルファス金属繊維の断面形状を、幅445μm、厚み40μmとし、アモルファス金属繊維間の距離を15000μmとした。これ以外は実施例1と同様で、アモルファス金属繊維プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0039】
(実施例4)
チタン繊維プリプレグを使用し、断面形状は、幅220μm、厚み25μmとした。金属繊維間距灘は8000μmとした。
【0040】
(実施例5)
カーボン繊維プリプレグの積層枚数を変更し、実施例1と重量を減少した。さらに、実施例1と同様なアモルファス金属繊維プリプレグをフェイス部の3時と9時の位置のストリング張袈側の内面側で、かつ、積層体の外層に積層した。このアモルファス金属繊維の配向角度をフレーム鉛直方向と平行の0度とした。該アモルファス金属繊維プリプレグは幅25mm、長さ45mmとした。
【0041】
(実施例6)
フェイス部のトップの外側にアモルファス金属繊維プリプレグを配置した。このトップ部に配置する金属繊維プリプレグは幅20mm、長さ120mmとした。他は実施例1と同様でスロート部の外層にもアモルファス金属繊維プリプレグを配置した。
【0042】
さらに、下記の比較例1〜6のラケットフレームを製作した。
【0043】
(比較例1)
実施例1のアモルファス金属繊維プリプレグを除去した構造とした。
【0044】
(比較例2)
アモルファス金属繊維の断面形状を、幅10μm、厚み11μmとし、アモルファス金属繊維間の距離を910μmとした。これ以外は実施例1と同様で、アモルファス金属繊維プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0045】
(比較例3)
アモルファス金属繊維の断面形状を、幅48μm、厚み15μmとし、アモルファス金属繊維間の距離を22000μmとした。これ以外は実施例1と同様で、アモルファス金属繊維プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0046】
(比較例4)
アモルファス金属繊維の断面形状を、幅250μm、厚み73μmとし、アモルファス金属繊維間の距離を500μmとした。これ以外は実施例1と同様で、アモルファス金属繊維プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0047】
(比較例5)
タングステン繊維プリプレグを用い、その断面形状を、幅50μm、厚み15μmとし、タングステン繊維間距離を850μmとした。これ以外は実施例1と同様で、プリプレグの大きさ、取付位置、繊維角度も実施例1と同様とした。
【0048】
(比較例6)
アモルファス金属繊維プリプレグを除去した以外は実施例5と同様とした。
【0049】
上記実施例1〜6、比較例1〜6のラケットフレームの製品重量(付属品を装着しているが、ストリングは張袈していない状態での重量)、バランス点、金属繊維間距離(μm)、金属繊維比重(g/cm)、金属繊維比強度(mm)、金属繊維断面比(厚み/幅)、および耐久テスト破損回数を下記の表1に示す。耐久テスト破損回数は、ラケットにストリングを張袈し、そのグリップ部分をゴムホースを介在させて固定し、ボール速度を80m/secの速度でトップから10cmのところに衝突させ、破損が発生するまでの回数を測定した。ストリングのテンションは縦糸は651bで、横糸は601bとした。
【0050】
【表1】
Figure 0003600760
【0051】
表1に示すように、実施例1〜6では耐久テストにおいて、破損が最も先に発生した実施例4でも846回であったが、比較例1〜6は最も破損しにくい比較例3でも147回で破損が発生した。また、実施例5はスロート部とフェイス部の3時と9時の位置に金属繊維を配置していたため、破損は1806回目であり、実施例6はスロート部とフェイス部のトップの位置に金属繊維を配置したため破損は2137回目で発生し、破損が非常に発生しにくいことが確認できた。特に、比較例1〜6はいずれもスロート部で破損が発生してことより、スロート部を金属繊維で補強することが破損防止に有効であることが確認できた。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明では、応力集中により圧縮歪みが発生し、破損が発生しやすいスロート部やフェイス部のトップや最大横幅部分に、強度を有する金属繊維を配置しているため、破損の発生を効果的に防止できる。特に、金属繊維は一方向に引き揃えているため引張強度が大で破断が発生しにくく、かつ、その平行配置される隣接の繊維間隔を適宜な間隔としているため、金属繊維量の増大による重量化を抑制できる。よって、軽量化と高強度化とを両立したラケットフレームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラケットフレームを示す概略図である。
【図2】(A)は図1のA−A線の拡大断面図、(B)は金属繊維プリプリグの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ラケットフレーム
2 フェイス部
3 スロート部
4 シャフト部
5 グリップ部
6 ヨーク
10 金属繊維プリプレグ
11 金属繊維
20 カーボン繊維プリプレグ

Claims (4)

  1. 繊維強化樹脂製のラケットフレームにおいて、
    少なくとも両側のスロート部の外面側に金属繊維強化プリプレグを配置し、
    上記金属繊維強化プリプレグは、一方向に引き揃えた隣接する金属繊維の距離を2600μm以上15000μm以下とされ、1カ所当たりの配置される金属繊維強化プリプレグは幅5mm〜60mm、長8mm〜500mmで1平方cm以上150平方cm以下とされ、かつ、断面における厚みに対する幅の比(幅/厚み)を1.2以上15.0以下としていることを特徴とするラケットフレーム。
  2. 上記金属繊維強化プリプレグを積層し、一方向に引き揃えた金属繊維の配向角度を、2方向以上としている請求項1に記載のラケットフレーム。
  3. 上記ラケットフレームの重量を180g以上280g以下、フレームの最大厚みを26mm以上36mm以下、フェイス部に囲まれる打球面の面積を110平方インチ以上130平方インチ以下とし、かつ、上記金属繊維の配置箇所は、スロート部、フェイス部の最大幅部分からヨーク取付側にかけた部分(3時から5時および9時から7時の部分)および/あるいはフェイス部のトップ部としている請求項1または請求項2に記載のラケットフレーム。
  4. 上記金属繊維の比重を、1.5g/cm 以上10g/cm 以下、該比重に対する引張強度を、20×10 以上160×10 mm以下、比弾性率を1.5×10 mm以上20×10 mm以下としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
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