JP4355054B2 - レンジフードのオイルパック取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンジフードに装備される捕獲油脂分を回収収容するオイルパックの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
厨房のガスレンジや電気レンジなどの調理台の上方に設置されるレンジフードには、調理により発生した油煙中に含まれる油脂分を除去する為に、送風機の吸込み口の上流側にフィルタを取り付け、油煙中の油脂分を効率良く捕獲するように構成されている。
又、前記フィルタで捕獲しきれなかった油煙中の油脂分はフィルタを通り抜け、送風機の内部に吸込まれる。そして、送風機内部で高速回転するファンに衝突、接触し、ここでも油脂分が除去される。
【0003】
上記のフィルタや送風機で捕獲した油脂分は、一般的にはフードの後方下部に取り付けたオイルパックに集中的に回収するようになっている。
そして、使用者はこのオイルパックを定期的に確認し、内部に溜まった油を捨てることでフィルタや送風機内部を掃除する周期を延長することが可能となっていた。
ところで、オイルパック18は一般的に図8に示すように、フード本体17の後部下端のフランジ部17aに、上方から引っ掛けるように取り付けられており、比較的簡単に取り外しができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオイルパック取付構造は上記したように、フード本体のフランジ部に簡単に引っ掛けてあるだけである為、使用者がフード内部を拭き取り清掃を行う際に誤って手が当たったり、振動やその他の要因で簡単にフランジ部から外れ、落下するという問題を有している。
更に、オイルパックはフード本体の後部(背板)下端のフランジ部に取り付けられているので、該オイルパック周辺(フード本体の背板下部)の清掃を行おうとした場合、清掃の邪魔になる為、必要もないのにオイルパックを取り外さなければならず、面倒であるという不便さを有する。
【0005】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、捕獲した油を集中回収するオイルパックがフード内部の清掃の邪魔にならず、しかも他物の接触や振動などで簡単に外れることがなく、確実に定着保持することができる取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フード内部に送風機が収容されると共に、その送風機の吸込み口より上流側にフィルタが配置され、そのフィルタ及び送風機で捕獲された油脂分を回収収容するオイルパックを備えたレンジフードに於いて、フィルタを支持するフィルタ枠及び送風機のケーシングより排出される捕獲油脂を受け止める仕切り板の所定位置に、横幅が前記オイルパックの横幅より僅かに幅広で縦幅が前記オイルパックの縦幅より幅狭い油流通口を開設すると共に、当該油流通口の周囲で前記仕切り板の内側に、前記オイルパックの上部外周に設けた差し込み部を支持する支持部材と、前記オイルパックを前記支持部材の一方側からそれと相対峙する他方側に弾発付勢する弾性体を配設したことを特徴とする。
上記支持部材は、仕切り板と別体の枠体からなる固定枠、或いは仕切り板に開設した油流通口の口縁を折り曲げて形成した固定枠等、何れでもよく、又、弾性体は支持部材に装着しても、或いは油流通口の周囲近傍に配置されるケース部材、例えばフード内面に固定されるランプボックス、電装品を収容するケース等に取り付けてもよいものである。
【0007】
上記フィルタは、該フィルタで捕獲した油脂分を集めて仕切り板に取り付けられるオイルパックに案内する為に傾斜させて取り付けられるが、そのフィルタはフードの下面開口部を覆う如く取り付けられる仕切り板に窓穴を開設して取り付けても、或いは仕切り板と別構造のフィルタ枠に取り付けてもよい。
そして、フィルタからオイルパックへの捕獲油脂の案内は、仕切り板に案内溝を形成して一ヶ所に集め、それを案内板等を利用してオイルパックに流入する形態、或いは仕切り板の傾斜を利用して仕切り板から直接オイルパックに流入させる形態等、何れでもよい。
【0008】
又、仕切り板に開設する油流通口は、フィルタで捕獲された油と、送風機で捕獲された油の両方を、オイルパックに案内流入させることが出来る大きさの開口で、その油流通口部分に取り付けるオイルパックの固定枠は、仕切り板の内側面(送風機が内蔵されている側)、或いは外側面の何れでもよい。
そして、仕切り板の内側面又は外側面に取り付ける固定枠は、平面形状が矩形状又は正方形状をしたオイルパックの前後側辺又は左右側辺に突出形成される差し込み部に対応して、油流通口の前後縁または左右縁に配置形成する。
【0009】
更に、固定枠の形態としては、オイルパックの上部外周に突出した差し込み部を収容し得る断面コ型、或いはオイルパックの上部周縁に外方に向けて突設した突片状の差し込み部を受けるスリット状の孔等、又はそれらの組み合わせ等、任意である。
又、上記固定枠、或いは油流通口の近傍に配置されるケース部材(ランプボックス、電装ケース等)に装備する弾性体としては、板バネ,コイルスプリング,ゴム材等が挙げられる。
捕獲した油を集中収容するオイルパックは、調理器の上方に設置されるなどの関係から、不燃性,耐熱性が求められ、その結果、鋼板、或いは不燃性,耐熱性に優れた樹脂材で成形する。
【0010】
上記手段によれば、フィルタ及び送風機で捕獲した油を収容するオイルパックは、フードの下面開口を覆う仕切り板に設けられる為、フードの内面を清掃する際、オイルパックが清掃の邪魔になるといったことがない。
そして、そのオイルパックは仕切り板に開設した油流通口の周囲に設けた支持部材と弾性体の弾発力で挾着保持される為、オイルパックはガタツキなくしっかり定着保持される。
又、オイルパックの着脱は、弾性体を圧縮する方向に該オイルパックを移動することで簡単に行うことが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るオイルパックの取付構造を備えたレンジフードを示し、図中、1は下面が開口したフード、2はフード1の下面開口部を覆う如く取り付けられる仕切り板で、この仕切り板2で送風機3の収容室aが区画形成され、その収容室aに送風機3、及びランプボックス19が収容配置されると共に、該送風機3の吐出口はフード1の天板に形成した排気口に連通接続され、その排気口に排気ダクト継手4を介して排気ダクト5が接続されている。
【0012】
フード1は、亜鉛メッキ鋼板の表面にフッ素樹脂を特殊加工したプレコート鋼板、又はラミネート鋼板を用いて、前方及び下方を開放したフード本体1aと、フード本体1aの前方開放部に着脱自在に取り付ける前板1bとからなる今日周知の形態のもので、このフード1の下面開口部に、フード1の材料と同様の材料を用いて絞り成形した仕切り板2が着脱自在に取り付けられている。
【0013】
上記仕切り板2は、平板を深絞り成形して調理器より立ち上がる油煙の捕集空間(凹所)bが区画形成され、その仕切り板2の後側周縁に引掛け部2aが形成されてフード1の背板下端のフランジに係脱自在とされ、仕切り板2の前側周縁の左右両側にはフード1を構成する前板1bに対して連結固定する止め具2bが設けられている。それにより、止め具2bを外すことで仕切り板2の前側はフード1との連結が解除され、仕切り板2は引掛け部2aを軸として下方に垂れ下げることができると共に、引掛け部2aをフード1のフランジから外すことで該仕切り板2をフード1から分離することができる。
又、仕切り板2の捕集空間(凹所)bの底面部は平坦面とすると共に、フード1に取り付けた時、該底面部が後方下向きに傾斜するように成形されている。
【0014】
更に、上記仕切り板2の底面部には吸込み口2cが開設され、その吸込み口2cの周縁裏側にフィルタ枠6が取り付けられ、そのフィルタ枠6内にグリスフィルタ7が着脱自在に装着されている。
また、この仕切り板2の底面部には吸込み口2cより後側に位置させて、前記グリスフィルタ7が捕獲した油脂分と、フード1内に収容した送風機3で捕獲される油脂分の両方を集中回収するオイルパック8が着脱自在に取り付けられている。
【0015】
グリスフィルタ7が捕獲した油脂分をオイルパック8に案内する構成は、該グリスフィルタ7が後方下向きに傾斜支持されているため、その傾斜に沿って流れる油脂分を後側のフィルタ枠で受け止めると共に一ヶ所に集め、その集合した油脂分をフィルタ枠6に開設した流出口6aからオイルパック8側へ排出するようになっている。
又、送風機3が捕獲した油脂分は、該送風機3を構成するファンケーシング3aの胴部最低部に開設した流出口3bから下方のオイルパック8に案内排出するように構成されている。
【0016】
以下、オイルパック8の取付構造について詳細に説明する。
オイルパック8は、鋼板を用いて上面が開口された矩形状の箱型に形成され、その周縁の前側上部に突片状の差し込み部8aが前方に向けて水平に突出形成され、後側周縁には階段状ならしめた差し込み部8bが後方に向けて突出形成されている。
【0017】
他方、上記オイルパック8を保持する仕切り板2側の構造は、仕切り板2における吸込み口2cより後方で、しかも送風機3のファンケーシング3aに開設した流出口3bの略真下に位置する部分に油流通口9が開設され、その油流通口9の周縁内側(仕切り板の内側)における前側と後側に、支持部材10を構成する夫々固定枠10a,10bが設けられている。
上記油流通口9は、横幅が前記したオイルパック8の横幅より僅か幅広で、縦幅がオイルパック8の縦幅より多少幅狭い矩形状に形成され、これにより該油流通口9に嵌め込まれたオイルパック8の横幅方向への動きは油流通口の口縁で規制され、縦幅方向(奥行方向)へはオイルパック8における後側の差し込み部8bの段差分だけ前後方向に移動し得るようになつている。
【0018】
そして、油流通口9の前側縁を内側に起立折り曲げて形成した固定枠10aには、オイルパック8の前側に突出形成した突片状の差し込み部8aが嵌合されるスリット状の孔11が開設され、仕切り板2とは別体の枠からなる後側の固定枠10bは、金属板を断面略クランク状に折り曲げて形成され、これを仕切り板2の内側に固着してオイルパック8の後側の差し込み部8bを収容し得る空間を確保し、且つその空間内には差し込まれるオイルパック8の差し込み部8bを前方へ付勢する弾性体12の板バネが取り付けられている。尚、弾性体12の弾発力でオイルパック8が前方へ付勢移動されても、該オイルパック8の後側の差し込み部8bは油流通口9の口縁に載置係合する状態を維持するものである。
それにより、オイルパック8は前側の差し込み部8aが固定枠10aの孔11と嵌合する方向に付勢され、弾性体12で挾着保持される。
【0019】
上記した実施の形態はオイルパック8を前後方向に移動して固定枠10a,10b間に定着保持する構造であるが、オイルパック8を着脱する操作方向は前後方向に限らず、左右方向(オイルパックの幅方向)でもよいものである。
即ち、図5に示すように、オイルパック13の左右両側に段差を有する差し込み部13a,13bを突出形成し、他方、仕切り板2に開設した油流通口9の左右口縁内側に固定枠14a,14bを対向して固定すると共に、一方の固定枠14b内に弾性体15を収容配置し、該弾性体15の弾発力でオイルパック13を固定枠14aとで挟持するようにしてもよい。
【0020】
図6及び図7は、オイルパックを挟持する弾性体12の他の取り付け形態を示し、その構成は、油流通口9の口縁後側近傍に配置されるケース部材(ランプボックス)19の前面に、弾性体12の板バネが直接取り付けられ、その弾性体12の弾発力で前側の固定枠10aの方向に押圧付勢され、油流通口9内に係合支持されている。
【0021】
次に、図1乃至図3に示した実施の形態について、オイルパック8の着脱操作を図4に基づき説明すると、先ずオイルパック8を取り付ける時は、オイルパック8の後側の差し込み部8bを油流通口9に差し込み、更に差し込んで該差し込み部8bを後側の固定枠10b内に押し込んで弾性体12を圧縮し、その状態でオイルパック8の前側の差し込み部8a側を油流通口9に通し、差し込み部8aを前側の固定枠10aに開設した孔11と対向する位置で、弾性体12の圧縮動作を解除する。それにより、オイルパック8は弾性体12の弾発力で前方に移動され、前側の差し込み部8aは固定枠10aの孔11に嵌合され、弾性体12の弾発力で挾着保持される。(図2参照)
【0022】
仕切り板2に定着保持されたオイルパック8を取り外す時は、図4(a)に示すように、オイルパック8を弾性体12の弾発力に抗して後方へ押して弾性体12を圧縮し、前側の差し込み部8aを孔11から引き抜き、更に、図4(b)に示すようにオイルパック8を後方に押しやりながら前側の差し込み部8a側を油流通口9を通して仕切り板2より下方に引き下げ、且つ手前側に引き抜くことで、仕切り板2から取り外すことが出来る。
【0023】
上記した実施の形態は、固定枠を仕切り板2の内側に取り付けた例であるが、この固定枠は仕切り板2の外側に取り付けてもよく、その場合、油流通口9の大きさはオイルパック8を抜き差しし得る大きさは必要なく、グリスフィルタ7側から流れ出る油と、送風機3側から流れ出る油の両方が通り抜けることが出来る大きさであればよい。
図中、16はフィルタ枠6から排出される油をオイルパック8側へ案内するガイド板、cはグリスフィルタ7及び送風機3で捕獲された油である。
【0024】
【発明の効果】
本発明のオイルパック取付構造は、請求項1乃至4に記載の構成により、オイルパックは弾性体の弾発力で支持部材(固定枠)に押し付けられ、ガタツキなくしっかりと固定できる。従って、フード内部の拭き取り清掃の際に誤って手がオイルパックに当たることがあっても、従来のように簡単に外れることはなく、オイルパックが落下する心配は解消できる。
しかも、支持部材(固定枠)はフード内に略水平状に取り付けられる仕切り板に取り付けられている為、フード内部の拭き取り清掃の際に邪魔にならず、いちいち取り外す必要がなく非常に便利である。
更に、オイルパックの着脱操作は該オイルパックを前後又は左右方向にスライドするだけの簡単な操作でよい為、簡単に着脱できる。
また、オイルパックを弾発挟持する板バネ(弾性体)を、請求項4に記載するようにフード内側のケース部材に取り付けた場合は、該オイルパックの取付構造を簡素化でき、コストの低減を計ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一例を示す縦断側面図である。
【図2】要部の拡大断面図である。
【図3】オイルパックを示す斜視図である。
【図4】オイルパックを取り外す工程を示し、(a)はオイルパックを後方にスライドした状態、(b)は仕切り板の油流通口からオイルパックを手前側に引き抜く状態を示す図である。
【図5】オイルパックの左右両側を支持する実施の一例を示す部分断面図である。
【図6】弾性体(板バネ)の他の取り付け構造を示す部分断面図である。
【図7】図6の構成を示す斜視図である。
【図8】従来構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フード 2…仕切り板
3…送風機 7…フィルタ
8,13…オイルパック 8a,8b…差し込み部
9…油流通口 10(10a,10b)…支持部材(固定枠)
12…弾性体 19…ケース部材
Claims (4)
- フード内部に送風機が収容されると共に、その送風機の吸込み口より上流側にフィルタが配置され、そのフィルタ及び送風機で捕獲された油脂分を回収収容するオイルパックを備えたレンジフードに於いて、
フィルタを支持するフィルタ枠及び送風機のケーシングより排出される捕獲油脂を受け止める仕切り板の所定位置に、横幅が前記オイルパックの横幅より僅かに幅広で縦幅が前記オイルパックの縦幅より幅狭い油流通口を開設すると共に、当該油流通口の周囲で前記仕切り板の内側に、前記オイルパックの上部外周に設けた差し込み部を支持する支持部材と、前記オイルパックを前記支持部材の一方側からそれと相対峙する他方側に弾発付勢する弾性体を配設したことを特徴とするレンジフードのオイルパック取付構造。 - 前記支持部材が、前記仕切り板に固定した固定枠で、その固定枠の相対峙する枠の一方に前記弾性体を装着し、前記差し込み部の一方を前記弾性体で弾発付勢し、固定枠に前記差し込み部を挾着保持するようにした請求項1記載のレンジフードのオイルパック取付構造。
- 前記弾性体が板バネである請求項2記載のレンジフードのオイルパック取付構造。
- 前記油流通路口周囲の一方側に前記オイルパックの差し込み部を支持する固定枠を設け、該固定枠に前記差し込み部の一方側を嵌合し得る孔を開設し、その固定枠に向けてオイルパックを弾発付勢する板バネが、フード内側で前記油流通路口周囲の一方側に相対峙する他方側に配設したケース部材に取り付けられた請求項3記載のレンジフードのオイルパック取付構造。
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