JP4348758B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願発明は、遊技盤上に突出した球当接部材より空気を噴出させて、球の移動方向、移動経路、移動速度等の移動状態を変更させることができる球移動状態変更装置を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の一般的パチンコ遊技機においては、発射装置によりガイドレールから発射されたパチンコ玉は、遊技盤に打込まれた釘や、遊技盤上に設けられた風車、役物等に衝突し、パチンコ玉の移動方向、移動経路、移動速度等の移動状態が変えられるようになっていたが、衝突前の移動状態を基にして、衝突後の移動状態が予測されるため、ゲームに変化が乏しかった。
【0003】
これを改善したものとして、特開平5−7644号公報記載の発明があり、該発明では、遊技盤に沿って略水平に指向した反撥部材が、その基部を中心に上下に往復揺動自在に設けられていた。このパチンコ遊技機では、パチンコ玉と反撥部材との衝突状態は多種多様であるので、衝突後のパチンコ玉は予期しない経路をたどり、ゲーム性が高められる。
【0004】
また、特開平6−134092号公報記載のパチンコ遊技機では、遊技盤の裏面にソレノイドが配設され、該ソレノイドの可動軸が前記遊技盤を裏側から表側に貫通し、その可動軸の先端に逆円錐体状加撃片が一体に設けられ、前記可動軸を囲んで前記遊技盤の表面に同心状に円板状センサーが貼着されており、パチンコ玉が該円板状センサーに接すると、ソレノイドが通電されて前記逆円錐体状加撃片が遊技盤に接近し、パチンコ玉が該逆円錐体状加撃片の周面と遊技盤表面とに強く挟まれ、前記ソレノイド可動軸から遊技盤表面に沿い放射方向へ加撃されるようになっている。
【0005】
【解決しようとする課題】
前述のパチンコ遊技機においては、いずれも可動体でもって、パチンコ玉に衝撃力を加えるようになっているため、その反動衝撃力が遊技盤に生じ、遊技盤に沿って移動する他のパチンコ玉にもその悪影響が表われて、興趣が損なわれることがあり、しかも振動や騒音が避けられなくて、耐久性が低い難点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
本出願発明は、このような難点を克服した遊技機の改良に係り、請求項1記載の発明は、球を遊技盤面に沿って落下させ、または球を遊技盤面上に転動させて、プレイを行なう遊技機において、球が当る球当接部材を前記遊技機に設け、前記球当接部材に、噴出空気流を噴出する空気噴出孔が設けられ、前記球当接部材に向かって移動する球に噴出空気流を噴出することにより球の移動速度を減速させることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1記載の発明は、前記したように構成されているので、球が、前記球当接部材に向い移動し、または該球当接部材の空気噴出孔の開口部の付近を移動する際に、該空気噴出孔から噴出される噴出空気流からの空気力を前記球は受け、該玉の移動方向、移動経路、移動速度等の移動状態が変えられる。
このとき、球の自重に対して噴出空気流による空気力が略同程度の大きさの場合には、前記球は、前記球当接部材の上面に接し、該当接部分の両側に位置して遊技盤に沿った上向きの空気流により、左右へ転り落ちることはなく、該球当接部材に支持され、あるいは、前記上向き空気流に支持されて、空中を浮遊することができることがある。
このように、請求項1記載の発明では、目視が困難であるため、プレイヤーは、球の移動状態を予測することができず、ゲーム性が高められる。
また、前記球当接部材に向って移動する球は、該球当接部材の空気噴出孔から噴出される噴出空気流により、該球当接部材からそらされて衝突を免れ、あるいは、前記玉は前記噴出空気流により減速されて衝撃が緩和されるため、前記遊技盤の振動や騒音が避けられ、あるいは軽減され、遊技機の耐久性が損なわれない。
しかも、前記球当接部材への玉の衝突が避けられ、あるいは、衝突しても、その反動衝撃力が軽減されるため、遊技盤に沿って移動する他の玉に対し、その悪影響が小さくなり、興趣が低下しない。
【0008】
また、請求項2記載のように発明を構成することにより、前記球当接部材または空気噴出孔に対する前記球の相対位置あるいは相対速度に対応して、前記空気噴出孔からの空気噴出量を変化させ、該球の移動状態を各種多様に変え、ゲームの興趣を向上させることができるとともに、空気噴出量を適正に調整して噴出空気生成用ポンプの動力を節減できる。
【0009】
さらに、請求項3記載のように発明を構成することにより、前記空気噴出孔からの噴出空気流の効果を時間の経過に対応して変化させ、プレイヤーの興趣をさらに向上させることができる。
【0010】
さらにまた、請求項4記載のように発明を構成することにより、ゲームの展開に応じて前記空気噴出孔からの空気噴出流の効果が変化し、ゲームがさらに複雑化して、プレイヤーの興味が高められる。そして、球が発射されない状態とか、空気噴出を必要としない状態とかの場合に、前記空気噴出流量を低減もしくは0とし、噴出空気生成のためのポンプ等の負荷を大巾に軽減することができる。
【0011】
また、請求項5記載のように発明を構成することにより、球当接部材の頂部に落下してきた球を左右の噴出空気流によって球当接部材の頂部に保持することができる。
【0012】
さらに、請求項6記載のように発明を構成することにより、前記空気噴出孔の向きを各種多様に変えて、球の移動方向を大巾にかつ微妙に変更して、ゲームの興趣を一段と向上させることができる。
【0013】
さらにまた、請求項7記載のように発明を構成することにより、請求項1ないし請求項6記載の発明をパチンコ遊技機に適用することができる。
【0014】
しかも、請求項8記載のように発明を構成することにより、請求項1ないし請求項6記載の発明をスマートボール遊技機に適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図4に図示された本出願請求項1、2、7記載発明の一実施形態について説明する。
【0016】
パチンコ遊技機1における矩形状外枠2の前面に開閉扉3が開閉自在に設けられ、該開閉扉3の略上半部に金枠4がさらに開閉自在に取付けられ、該金枠4にガラス板5が張設され、該ガラス板5の下方に左右へ横長の打玉供給皿6が設けられるとともに、その下方に余剰玉受皿7が配設されており、打玉供給皿6の後壁の玉払出し口6aより打玉供給皿6内に払出されたパチンコ玉8が満杯になった場合に、余剰玉が余剰玉払出し口7aから余剰玉受皿7に払出されるようになっている。
【0017】
また、余剰玉受皿7の右方に略円形状の発射ハンドル9が配設され、開閉扉3の裏面の発射ハンドル9に隣接した位置に図示されない打玉モータとその上方に打玉発射機構が配設されており、発射ハンドル9が一定操作角度以上、回転操作されると、打玉モータが回転し始めて、打玉発射機構が動作を開始し、発射ハンドル9の操作回転角に対応した速度でパチンコ玉8が発射されるようになっている。
【0018】
さらに、ガラス板5の奥には、ガラス板5に対し一定の間隔を存しこれと略平行に遊技盤10が張設され、該ガラス板5と遊技盤10との間に略円形の外レール11が介在されて、該外レール11は遊技盤10に一体に取付けられ、該外レール11の下部は、図1にて右方へ延長して前記図示されない打玉発射機構の発射部に達し、該外レール11の右側部は下方へ円弧状に弯曲し、さらに前記外レール11の下部の上方に位置してこれと略平行に1/4円弧状に湾曲して、内レール12が形成されており、前記打玉発射機構により発射されたパチンコ玉8は、この外レール11と内レール12の間を外レール11に案内されながら円弧状の軌跡を描いて時計方向へ移動し、外レール11で囲まれたガラス板5と遊技盤10との間の遊技領域13内で下方へ落下しうるようになっている。
【0019】
さらにまた、遊技領域13内では、多数の釘14が所定のパターンに沿い遊技盤10に打込まれるとともに、普通のパチンコ遊技機と同様に風車15,入賞口16,始動入賞口17および大入賞口18が配設され、しかも、本発明独特の円筒形状の玉当接片20が設けられ、外レール11と内レール12との接合部分上方に位置した遊技領域13の最下部にアウト玉入口19が形成されており、入賞口16,始動入賞口17,大入賞口18に入賞しなかったパチンコ玉8は、遊技領域13の最下部のアウト玉入口19に入って回収されるようになっている。
【0020】
また、玉当接片20は、図3に図示されるように、中空状に形成され、図3および図4に図示されるように、遊技盤10に対し直交した鉛直面に沿い前後方向に3個並んで空気噴出孔21が形成されている。
【0021】
さらに、パチンコ遊技機1に、またはパチンコ遊技機1を多数配置している遊技場に、空気圧縮機22が設置され、該空気圧縮機22の吐出口はアキュムレータ23に接続され、該アキュムレータ23より接続管24および枝管25を介して各パチンコ遊技機1の各玉当接片20に連通されており、アキュムレータ23が稼動状態となって加圧空気がアキュムレータ23に充填されると、アキュムレータ23内の加圧空気は接続管24および枝管25を介して各玉当接片20内に供給され、空気噴出孔21より上方へ空気が噴出されるようになっている。
【0022】
図1ないし図4に図示の実施形態は前記したように構成されているので、玉当接片20の上方を落下するパチンコ玉8は、玉当接片20の空気噴出孔21から噴出される噴出空気流を受けて、移動速度および移動経路を変えられ、玉当接片20に衝突することなく、図4に図示されるような経路Aをたどって落下することもある。
【0023】
このように前記実施形態では、目に見えない噴出空気流によって、その上方を落下するパチンコ玉8は、突然向きを変えられて予期しない経路Aをたどって落下するため、興趣が著しく高められる。
【0024】
また、パチンコ玉8に衝撃を与えずにパチンコ玉8の速度および経路を換えることができるため、遊技盤10にパチンコ玉8の加撃反力が発生せず、他の落下するパチンコ玉8に対し悪影響を与える惧れがなく、かつ振動・騒音の発生も抑制され、しかも振動によるパチンコ遊技機1の耐久性低下も避けられる。
【0025】
図1ないし図4に図示の実施形態では、玉当接片20の頂部にて、遊技盤10に対し前後方向に1列に空気噴出孔21が配列形成されていたが、図5に図示するように、玉当接片20の頂部を挟み、左右に2列複数個ずつ空気噴出孔21を配設してもよく、この場合には、図5に図示されるように、玉当接片20の頂部に落下したパチンコ玉8は両空気噴出孔21からの噴出空気流で玉当接片20の頂部に保持されることもある。
【0026】
さらに、図1ないし図4に図示の実施形態において、空気噴出孔21からの噴出空気流の流速が大きい状態では、図6に図示されるように、パチンコ玉8が空中を浮遊することができる場合もある。
【0027】
さらにまた、接続管24に図示されない流量調整弁を介装し、接続管24を流れる加圧空気の流量を周期的に変動させ、あるいは前記流量調整弁を断続的に開閉させて、請求項3記載の発明のように構成してもよく、この場合には、さらにゲーム性を向上させることができる。
【0028】
そして、始動入賞口17にパチンコ玉8が入った後とか、大入賞口18が開放した大当り状態となったときには、前記流量調整弁を開閉し、またはその流量を増減し、請求項4記載の発明の如く、ゲームの展開に応じて、空気噴出孔21からの空気噴出量を変化させるようにしてもよく、ゲーム展開にさらに変化を与えることができるとともに、空気圧縮機22の負荷を軽減して、運転費を節減できる。
【0029】
また、玉当接片20の上方近傍に、パチンコ玉8の接近を検出する図示されない近接スイッチを、遊技盤10の表面に埋設し、または遊技盤10の裏面に配設し、各枝管25にそれぞれ開閉弁または流量調整弁を介装し、前記近接スイッチのオンで前記常時閉の開閉弁を開放しまたは前記流量調整弁の流量を増大させるようにして、請求項5記載のように発明を構成してもよく、このように構成することにより、パチンコ玉8の移動状態にさらに変化を与えることができ、かつ空気圧縮機22を合理的に運転して、空気圧縮機22の運転コストを低下できる。
【0030】
そして、近接スイッチを玉当接片20の上方近傍に比較的狭い間隔を存し上下左右に多数配置し、多数の近接スイッチの内のいずれかがオンしてからこれに隣接する近接スイッチのオン迄の時間間隔を計測し、パチンコ玉8の移動速度および方向を算出し、玉当接片20に対する相対速度に対応して前記流量調整弁の流量を増減させるように構成してもよく、このような構成により、パチンコ玉8の移動状態にさらに別個の変化を与えることもできる。
【0031】
さらに、図7に図示するように、玉当接片20の外周にスリーブ26が回転可能に嵌合され、玉当接片20の外周面とスリーブ26の内周面とに周方向切欠き27,28を形成し、玉当接片20の内部と周方向切欠き27とを連通する連通孔29を玉当接片20に設けるとともに、周方向切欠き28とスリーブ26の外部とを連通する空気噴出孔21をスリーブ26に設け適切な回転駆動機構(図示されず)でもって、前記スリーブ26を一方向に連続回転させ、または間欠的に回転させ、あるいは必要角度往復回転させ、またはそれらの回転速度を変えるようにすれば、請求項6記載の発明を構成することができる。
【0032】
図7に図示の実施形態では、空気噴出孔21の向きが変わるため、パチンコ玉8の移動状態がさらに多様に変化し、一段と興趣が高められる。
【0033】
以上の実施形態は、いずれもパチンコ遊技機1であったが、請求項8記載の発明のように、遊技盤10が手前側で低く奥側で僅かに高く発射したスマートボール遊技機にも勿論適用することができ、ボールの移動速度が低いため、パチンコ遊技機1に比べてより一層移動状態を容易にかつ確実に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明に係る遊技機の正面図である。
【図2】図1の要部拡大側面図である。
【図3】図2の縦断側面図である。
【図4】パチンコ玉の移動状態を図示した正面説明図である。
【図5】図4とは異なるパチンコ玉の移動状態を図示した正面説明図である。
【図6】図4、図5とはさらに異なるパチンコ玉の移動状態を図示した正面説明図で ある。
【図7】さらに他の実施形態の要部拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
1…パチンコ遊技機、2…外枠、3…開閉扉、4…金枠、5…ガラス 板、6…打玉供給皿、7…余剰玉受皿、8…パチンコ玉、9…発射ハン ドル、10…遊技盤、11…外レール、12…内レール、13…遊技領域、14 …釘、15…風車、16…入賞口、17…始動入賞口、18…大入賞口、19… アウト玉入口、20…玉当接片、21…空気噴出孔、22…空気圧縮機、23… アキュムレータ、24…接続管、25…枝管、26…スリーブ、27,28…周方 向切欠き、29…連通孔。

Claims (8)

  1. 球を遊技盤面に沿って落下させ、または球を遊技盤面上に転動させて、プレイを行なう遊技機において、
    球が当る球当接部材を前記遊技機に設け、
    前記球当接部材に、噴出空気流を噴出する空気噴出孔が設けられ
    前記球当接部材に向かって移動する球に噴出空気流を噴出することにより球の移動速度を減速させることを特徴とする遊技機
  2. 前記球当接部材の上方に球を検出する複数の近接スイッチを設け、
    該複数の近接スイッチの検出結果に基づく前記球当接部材または前記空気噴出孔に対する前記球の相対位置あるいは相対速度に対応して、前記空気噴出孔からの空気噴出量が変化することを特徴とする請求項1記載の遊技機
  3. 前記空気噴出孔からの空気噴出量が時間の経過に伴なって変化することを特徴とする請求項1記載の遊技機
  4. 前記空気噴出孔からの空気噴出量が、ゲームの展開に応じて変化することを特徴とする請求項1記載の遊技機
  5. 前記球当接部材を前記遊技盤に対して直角方向に設け、
    前記空気噴出孔は、前記球当接部材の頂部を挟み左右に配設され、
    前記球当接部材の頂部に落下してきた球を左右の噴出空気流によって前記球当接部材の頂部に保持することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  6. 前記遊技盤に対し直交した線を軸に一方向へ回転可能に、または必要角度を往復揺動可能に、あるいは色々な方向へ方向変換可能に前記空気噴出孔が構成されたことを特徴とする請求項5記載の遊技機
  7. 前記遊技機は、遊技盤面に沿って球が落下するパチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか記載の遊技機
  8. 前記遊技機は、遊技盤面上を球が転動するスマートボール遊技機であることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか記載の遊技機
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