JP4341925B2 - スライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器 - Google Patents

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    • H02G11/00Arrangements of electric cables or lines between relatively-movable parts
    • H02G11/003Arrangements of electric cables or lines between relatively-movable parts using gravity-loaded or spring-loaded loop

Description

本発明は、スライド装置並びにスライド装置を用いた携帯電話,モバイルなどの電子機器に関するものである。
例えば、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を本体部の上側面に設け、所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を、前記本体部に重合する重合部の上側面に設け、この本体部と重合部とを前後方向に相対的に移動する構造のスライド式の携帯電話が従来からある。
これは、重合部に左右に間隔を置いてスライドガイド部としてのガイドレール部を設け、この左右のガイドレール部にスライド係合するスライド部を本体部に設け、ガイドレール部に対してスライド部が相対的にスライド移動することで、重合部と本体部とをスライド移動自在に連結する構成としている。
このようなスライド式の携帯電話のスライド構造を実現するスライド装置は、前述のように左右に設けたスライドガイド部間にスライド部をその両端部をスライド自在に係合させて、スライドガイド部に対してスライド部をスライド自在に係合する構成である。
即ち例えば、互いにスライド自在に係合させたい一方の第一部材と他方の第二部材のうち一方の第一部材には、二本のガイドレール部を対向状態に並設し、両端部にスライド係合部を設けたスライド部を他方の第二部材に設け(両端部に各ガイドレール部にスライド自在に係合させるスライド係合部を設けて他方の第二部材自体をスライド部として構成しても良い。)、このスライド部をその両端部のスライド係合部を前記第一部材のスライドガイド部にスライド係合させ、スライドガイド部間にスライド部をスライド係合して第一部材に対して第二部材をスライド移動自在にスライド係合する構成である。
ところで、このように本体部と重合部とをスライド移動自在に連結するスライド装置を用いたスライド式の携帯電話は、本体部の操作部を重合部で隠蔽した重合閉塞位置と、重合部を位置ズレするように前後方向へスライド移動させて操作部を露出させたスライド開放位置とで位置決め保持(閉じ付勢や開き付勢あるいはクリック係合)するように構成することが望ましい。
そこで、このような要望に応えるべく、弾性部の一端を第一部材に連結し他端を第二部材に連結し、この弾性部の弾圧付勢によって第一部材と第二部材との間にスライド方向の付勢を生ずるように構成したスライド装置がある。
即ち例えば、線材の両端部間の途中部にてこの線材をコイル状に多重巻回しこのコイル状部を頂部にして全体視ヘ字状に形成したトーションバネを弾性部とし、このトーションバネの一端を第一部材に連結し、他端を第二部材に連結し、このトーションバネの両端の連結部が互いに離れようとする弾性付勢(拡角付勢)により第一部材と第二部材との間にスライド方向の付勢を生ずるように構成したもの(以下、「トーションバネ型」と呼ぶ)がある。
また例えば、図10に図示したように、複数本のコイル状の抗縮バネ14を枠状のユニット基体部15に並列して成るスプリングユニットを弾性部4とし、このスプリングユニットの一端を第一部材に連結し、他端を第二部材に連結し、このスプリングユニットの両端の連結部が互いに離れようとする弾性付勢により第一部材と第二部材との間にスライド方向の付勢を生ずるように構成したもの(以下、「スプリングユニット型」と呼ぶ)がある。
このように弾性部の弾性付勢から生ずるスライド方向の付勢を利用することで、例えばスライド式の携帯電話の本体部に対して重合部を閉じ付勢してこの重合部を重合閉塞位置に位置決め保持する,或いは本体部に対して重合部を開き付勢してこの重合部をスライド開放位置に位置決め保持するといった位置決め保持機能を実現できる。
特開2005−291315号公報
しかしながら、上述のような従来装置には夫々様々な問題点がある。
即ち、例えば図10に図示したスプリングユニット型のスライド装置は、その構造上、スプリングユニットを構成する各抗縮バネ14の自由長と密着長の長さに応じて第一部材と第二部材とのスライド量が制限され、スライド量の小さいスライド構造のものにしか採用できない。
また、弾性部、即ちスプリングユニットの製造には複数本のシャフト(図示省略)と抗縮バネ14を使用し、抗縮バネ14を撓ませながら枠状のユニット基体部15にこの複数本の抗縮バネ14とシャフトとを組み込むという非常に手間のかかる作業を要し、これが製造の困難性やコスト高の大きな要因となっている。
一方、トーションバネ型のスライド装置は、線材の撓みによってトーションバネの両端の連結部間の距離を大きく拡狭できる構成である為、前述のスプリングユニット型のスライド装置に比してスライド量を大きく設定するに適した構造と言える。しかし、トーションバネの応力及び荷重を考慮すると、やはりスライド量には制限がある(大きいスライド範囲で十分大きいスライド方向の付勢が生ずるように、強いトーションバネを採用した場合、それだけ応力が大きくなりこのトーションバネの弾性付勢に抗する方向へのスライド操作が重くなるなど操作性が犠牲になる。)。
また、このトーションバネ型は、トーションバネの両端部間の途中部に形成されるコイル状部において、線材を3重から4重に多重巻回している為、どうしてもそれだけ厚みによってスペースが嵩張る。しかも、このようなスライド装置を携帯電話などの電子機器に組み込む場合、トーションバネのコイル状部が位置する近辺に、ちょうどFPC(フレキシブルプリント基板)が配される場合が多々ある。よって、このトーションバネのコイル状部の厚みが、FPCなどの電子部品の配設の邪魔となり、ひいてはこの種の電子機器の薄型化・コンパクト化の妨げとなっている。
本発明は、弾性部の弾性付勢によってスライド方向の付勢を生ずるこの種のスライド装置について更なる研究・開発を進め、大きなスライド量に設定でき、厚みによってスペースが嵩張る問題も回避でき、弾性部の弾性付勢の強度設定の容易に図り得、尚且つ量産性やコスト性にも秀れた画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器を提供することを課題とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
本発明は、第一部材1として設けた若しくは第一部材1に設けたスライドガイド部1A間に、第二部材2として設けた若しくは第二部材2に設けたスライド部2Aをスライド自在に係合して、第一部材1と第二部材2とを重合面方向にスライド自在に重合連結し、一端を前記第一部材1に連結し他端を前記第二部材2に連結する弾性部4を備え、この弾性部4の弾性付勢により前記第一部材1と第二部材2との間にスライド方向の付勢が生ずるように構成したスライド装置において、
前記弾性部4は、屈曲弾性自在なバネ線材4Aを複数有し、この各バネ線材4Aは、線材の両端部間の途中部にこの線材をコイル状に多重巻回したコイル状部を有する形状ではなく、弓状に屈曲弾性自在な弓状屈曲部を有する所定の屈曲線形状にして扁平なバネ線材4Aとし、この複数のバネ線材4Aが自らの弾性に抗して屈曲弾性変形した状態で前記第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に複数並設されるように、この複数のバネ線材4Aの各一端部を第一の連結部5を介して前記第一部材1に連結し、且つこの複数のバネ線材4Aの各他端部を第二の連結部6を介して前記第二部材2に連結した構成とし、
前記バネ線材4Aは、前記第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に屈曲若しくは湾曲した係止端部8を有するとともに、この係止端部8を有するバネ線材4Aの両端部は左右対称な形状に構成し、
この複数のバネ線材4Aの弾性によって前記連結部5,6同士を離反する方向に弾性付勢が生じ前記第一部材1と第二部材2との間にスライド方向の付勢が生ずるように前記弾性部4を構成し、
前記連結部5,6は、前記複数のバネ線材4Aの各端部を所定の並設間隔をおいてこの連結部5,6に抜け止め状態に係合する抜け止め係合部7を有する構成とし、
前記第一及び第二の連結部5,6は、共に同一の組み付け部材5A,6Aと共に同一の重合部材5B,6Bをそれぞれ別部品で形成するとともに、当該組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に組み付け固定して成る構成とし、
この組み付け部材5A,6A、重合部材5B,6Bの少なくともいずれか一方の重合面には前記バネ線材4Aの前記係止端部8と略合致する溝形状を有し且つ当該係止端部8を嵌め込む溝部7aを複数形成してこの複数の溝部7aを前記抜け止め係合部7として構成し、
この抜け止め係合部7の各溝部7a内に前記バネ線材4Aの端部を嵌め込んだ状態で前記組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に組み付け固定することで複数のバネ線材4Aの各端部を所定の並設間隔を置いて連結部5,6に抜け止めした構成とし
更に、前記組み付け部材5A,6A、重合部材5B,6Bの一方には重合位置決め用の凸部10を設けるとともに他方には当該凸部10が嵌合する凹部11を設け、且つ、前記組み付け部材5A,6A、重合部材5B,6Bの一方の外縁部には外方突出状態に係止凸部13Aを設けるとともに他方には当該係止凸部13Aが係合する係合部13Bを設けたことを特徴とするスライド装置に係るものである。
また、本発明は、前記弾性部4の前記連結部5,6間のバネ線材4Aの中央部を覆う保護部材9を備えている
また、本発明は、本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライド移動して重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とをスライド装置により連結し、このスライド装置には、前記本体部を前記第一部材1若しくは前記第二部材2とし、前記重合部を前記第二部材2若しくは前記第一部材1とした請求項1又は2記載のスライド装置を用いたことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、弾性部を上記従来例のようなスプリングユニットやトーションバネではなく、扁平な屈曲線形状のバネ線材を複数並設して成る構成とすることで、大きいスライド量に設定でき、また求める操作性やスライド量などを考慮してバネ線材の本数や長さ,形状を適宜設定することにより、弾性部の弾性付勢の強度を簡単に且つ多様に調整設定でき、所望のスライド方向の付勢を実現できる。その上、厚みのスペースが嵩張る問題も回避でき、薄型化やコンパクト化も容易に図り得るなど、従来のこの種のスライド装置における問題を克服し、尚且つ製造容易にして量産性やコスト性にも秀れた画期的で極めて実用性に秀れたスライド装置となる。
また設計によっては、第一部材に対して第二部材が重合状態では閉じ付勢が生じてこの第二部材が前記重合位置に位置決め保持付勢され、一方、第一部材に対して第二部材がスライド開放状態では進み付勢が生じてこの第二部材がスライド開放位置に位置決め保持付勢されるといった位置決め保持機能も実現できるから、例えばスライド式の携帯電話において、本体部に対して重合部を重合閉塞位置やスライド開放位置に位置決め保持するといった位置決め機能を具備した秀れたスライド構造を実現できる。
また、請求項記載の発明においては、例えば本発明を携帯電話などの電子機器に適用した場合に、弾性部のバネ線材と前記電子機器との接触を保護部材により確実に阻止できる。
バネ線材は、例えば後述の実施例のように強度と弾性力とを備えた金属製線材が採用される為、このバネ線材と他部材とが直接接触し互いに摺動すると、この線材により他部材に擦りキズなどを付ける懸念がある。特にバネ線材と接触する他部品に、塗装などの剥離し易い表面処理層が存在した場合、摺動によりその表面が剥離し、剥離層(ゴミ)の侵入によりスライド操作性を損ねたり、電子機器の動作不良を招いたりする懸念もある。また、擦れる音は騒音の一因にもなるなど、種々のトラブルを招く原因となる。
しかしこの点、本発明は、バネ線材を覆う保護部材により他部材との接触を阻止でき、よって前述のようなトラブルを阻止できる一層実用性に秀れたスライド装置となる。
また、請求項記載の発明においては、前記作用効果を確実且つ良好に発揮することができる極めて実用性に秀れたスライド装置を用いた電子機器となる。
以下、本発明の実施形態を作用とともに図面に基づいて説明する。
本発明は、第一部材1として設けた若しくは第一部材1に設けたスライドガイド部1A間に、第二部材2として設けた若しくは第二部材2に設けたスライド部2Aをスライド自在に係合して、第一部材1と第二部材2とを重合面方向にスライド自在に重合連結している。
また、この第一部材1に弾性部4の一端を連結し、第二部材2に弾性部4の他端を連結している。
この弾性部4は、例えば線材の両端部間の途中部にこの線材をコイル状に多重巻回したコイル状部を有する形状(所謂コイルバネ)ではなく、弓状に屈曲弾性変形自在な弓状屈曲部を有する所定の屈曲線形状にして扁平なバネ線材4Aを複数有する構成としている。
具体的には、この複数のバネ線材4Aの各一端部を第一の連結部5を介して第一部材1に連結し、各他端部を第二の連結部6を介して第二部材2に連結して、この複数のバネ線材4Aが自らの弾性に抗して屈曲弾性変形した状態で尚且つ第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向にこの複数のバネ線材4Aが並設されるように構成している。
従って、この複数のバネ線材4Aの弾性により、前記連結部5,6同志を離反する方向に弾性付勢が生じて、前記第一部材1と第二部材2との間にスライド方向に付勢が生ずることとなる。
つまり弾性部4によってスライド方向の付勢を生じさせ、この付勢により例えば第一部材1に対して第二部材2を進み付勢や戻り付勢でき、例えばスライド式の携帯電話の位置決め保持機能、つまり本体部の操作部を重合部で隠蔽した重合閉塞位置や、重合部を位置ズレするように前後方向へスライド移動させて操作部を露出させたスライド開放位置で位置決め保持するといった位置決め保持機能を実現し得るスライド装置である。
従来、このように弾性部4の弾性付勢によってスライド方向の付勢を生ずるスライド装置は種々提案されているが、例えば弾性部4の構造上、スライド量が制限されたり、弾性4の厚みが嵩張り例えばFPC配設の邪魔となったり、量産性やコスト性の問題など、夫々様々な問題を有した。
この点、本発明は、単に扁平なバネ線材4Aを複数並設して弾性部4を構成している為、この弾性部4が従来に比して厚みが嵩張らず、それだけ例えばFPC配設スペースを良好に確保でき、本スライド装置を用いた携帯電話などの電子機器の薄型化も容易に図り得ることとなる。特に後述の実施例のように、図1に図示したような全体視弓状にバネ線材4Aを形成した場合には、その円弧内部に電子機器のFPCを配設または通すなど、他の部品配設スペースとして有効利用でき、コンパクト化を良好に図り得ることとなる。
また、本発明はバネ線材4Aの撓み(はり)の原理で弾性付勢(バネ付勢)を生ずる構成の為、従来のスプリングユニット型のように抗縮バネの自由長と密着長との長さに応じてスライド量が制限されることなく、それだけ大きなスライド量に設計するに適した構成である。
しかも本発明の弾性部4は、複数のバネ線材4Aの各弾性の合力によって弾性付勢を発揮する構成の為、例えば操作性やスライド量などを考慮してバネ線材4Aの本数や長さ,形状を適宜設定することにより、弾性部4の弾性付勢の強度を簡単に且つ多様に適宜調整設定できる。例えば一体のバネによって長いスライド範囲において所定以上の弾性付勢を発揮する為に強いバネを採用すると、それだけ最大応力が高くなり、このバネの弾性付勢に抗する方向へスライド操作する際に力を要し(操作が重くなり)操作性が悪くなる懸念がある。この点、本発明の弾性部4は、複数のバネ線材4Aから成り個々のバネ線材4Aはそれほど強いバネを採用しなくて良く、例えばスライド操作時に個々のバネ線材4Aが最大応力を発揮するタイミングを一致させずタイミングがずれるように各バネ線材4Aの弾性付勢を設定すれば、長いスライド範囲で所定以上の弾性付勢を発揮でき且つ最大応力もそれほど高く無く操作性も良好な最適な弾性付勢となるように弾性部の設定することも容易に可能である。
その上、本発明の弾性部4は、線材をコイル状に巻線するトーションバネや抗縮バネなどを一切使用せず、バネ線材4Aを複数本使用するのみなので、非常にコスト安に製造できる。
特に、抗縮バネを撓ませながらユニット基体部に組み込む面倒な手間を要するスプリングユニット型の従来装置とは違い、本発明では単に自由長状態(フリー状態)の複数のバネ線材4Aの各端部を連結部5,6に組み付け固定するだけで簡単に弾性部4を製造でき、量産性やコスト性にも秀れる。
この連結部5,6の構造は様々採用できるが、例えば後述の実施例のように、複数の各バネ線材4Aの各端部をこの連結部5,6に所定の並設間隔を介して抜け止め状態に取り付けできれば良い。
即ち、例えば連結部5,6は、前記バネ線材4Aの端部を抜け止め状態に係合する抜け止め係合部7を有する構成とし、前記バネ線材4Aはその端部を第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に屈曲若しくは湾曲し、前記連結部5,6の抜け止め係合部7に係合する屈曲状若しくは湾曲状の係止端部8を有する扁平状に構成すれば、簡単な構造で、しかもバネ線材4Aは扁平状のまま(厚みが増すことなく)抜け止め構造を実現できることとなる。
特に、後述の実施例のように、前記連結部5,6は、組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に組み付け固定して成る構成とし、この組み付け部材5A,6A,重合部材5B,6Bの少なくともいずれか一方の重合面には前記バネ線材4Aの前記係止端部8と略合致する溝形状を有する溝部7aを形成してこの溝部7aを前記抜け止め係合部7として構成し、この抜け止め係合部7の溝部7a内に前記バネ線材4の係止端部8を嵌め込んだ状態で前記組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に組み付け固定することでバネ線材4Aの端部を連結部5,6に抜け止めした構成とした場合には、例えば図2に図示したように溝部7aを連結部5,6に所定の並設間隔をおいて形成し、この各溝部7aに各バネ線材4Aの係止端部8を嵌め込むだけで、複数のバネ線材4Aを簡単に所望の並設間隔で連結部5,6に組み付け可能となる。よって前述のように連結部5,6を介して複数のバネ線材4Aを第一部材1や第二部材2に取り付ける取り付け構造を採用することで、複数のバネ線材4Aを非常に簡単に且つ確実に所望の並設間隔となるように第一部材1及び第二部材2に良好に取り付けでき、一層製造容易にして量産面やコスト面に秀れることとなる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、第一部材1として設けた若しくは第一部材1に設けたスライドガイド部1A間に、第二部材2として設けた若しくは第二部材2に設けたスライド部2Aをスライド自在に係合して、第一部材1と第二部材2とを重合面方向にスライド自在に重合連結し、一端を前記第一部材1に連結し他端を前記第二部材2に連結する弾性部4を備え、この弾性部4の弾性付勢により前記第一部材1と第二部材2との間にスライド方向の付勢が生ずるように構成したスライド装置であり、前記弾性部4は、屈曲弾性変形自在なバネ線材4Aを複数有し、この各バネ線材4Aは、線材の両端部間の途中部にこの線材をコイル状に多重巻回したコイル状部を有する形状ではなく、弓状に屈曲弾性変形自在な弓状屈曲部を有する所定の屈曲線形状にして扁平なバネ線材4Aとし、この複数のバネ線材4Aが自らの弾性に抗して屈曲弾性変形した状態で前記第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に複数並設されるように、この複数のバネ線材4Aの各一端部を第一の連結部5を介して前記第一部材1に連結し、且つこの複数のバネ線材4Aの各他端部を第二の連結部6を介して前記第二部材2に連結した構成とし、この複数のバネ線材4Aの弾性によって前記連結部5,6同志を離反する方向に弾性付勢が生じ前記第一部材1と第二部材2との間にスライド方向の付勢が生ずるように構成したものである。
以下、本実施例を具体的に説明する。
本実施例は、本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライド移動して重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とをスライド装置により連結した電子機器に本発明を適用したものであり、具体的には、スライド式携帯電話に本発明を適用し、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を上面側に設けた本体部を第一部材1とし、これにスライド自在に重合して前記操作部を隠蔽・露出自在に開閉する重合部を第二部材2とし、この第二部材2には所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を上側面に設け、この第一部材1と第二部材2とを相対スライド移動自在に連結するスライド装置としている。
図4に図示したように第一部材1の上面側にはコ字型ガイドレール状に形成したスライドガイド部1Aを左右に対向状態に設けている。具体的には、第一部材1の上面側に設けたスライドガイド部形成板1Bの左右縁部を折り返して左右にスライドガイド部1Aを形成した構成である。
一方、第二部材2には前記左右のスライドガイド部1A間にスライド係合するスライド部2Aを設けている。具体的には、第二部材2の下面部に設けたスライド部形成板2Bの左右縁部に前記スライドガイド部1Aにスライド係合するスライド部2Aとしての板縁を突出形成した構成であり、このスライド部2Aとしての板縁を前記第一部材1の左右のスライドガイド部1Aに夫々スライド係合せしめて第一部材1と第二部材2とを相対スライド移動自在に連結した構成である。
そして、弾性部4の一端を第一部材1のスライドガイド部形成板2Bの上面部所定箇所に枢着連結し、他端を第二部材2のスライド形成板2Bの下面部所定箇所に枢着連結して弾性部4の両端を第一部材1及び第二部材2に夫々連結した構成である。
尚、例えばスライドガイド部1A自体を第一部材1として設けた構成とすると共に、この第一部材1としてのスライドガイド部1Aに弾性部4の一端を連結した構成としても良いし、また例えば第一部材1に設けたスライドガイド部1Aに弾性部4の一端を連結することでこの弾性部4の一端を前記スライドガイド部1Aを介して第一部材1に連結した構成としても良い。同じく、例えばスライド部2A自体を第二部材2として設けた構成とすると共に、この第二部材2としてのスライド部2Aに弾性部4の他端を連結した構成としても良いし、また例えば第二部材2に設けたスライド部2Aに弾性部4の他端を連結することでこの弾性部4の他端を前記スライド部2Aを介して第二部材2に連結した構成としても良い。
本実施例では、弾性部4を構成する複数のバネ線材4Aの各端部を第一部材1若しくは第二部材2に夫々連結する前記連結部5,6は、複数のバネ線材4Aの各端部を所定の並設間隔をおいてこの連結部5,6に抜け止め状態に取り付け係止若しくは取り付け止着する構成としている。
各バネ線材4Aは、図1及び図2に図示したように、全体視弓状に形成すると共にその左右端部をL字型に屈曲し、弓状に屈曲弾性変形自在な中央弓状屈曲部の左右端部にL字型の後述の係止端部8を設けた構成とする。また、本実施例では、弾性部4に3本のバネ線材4Aを用い、この各バネ線材4Aは互いに異なる巾寸法に設定している。
尚、本実施例では金属製の線材を前記の形状に屈曲形成してバネ線材4Aを構成しているが、例えば所定の屈曲線形状に型枠成型或いはプレス成形した構成でも良い。
また、バネ線材4Aの形状は本実施例の全体視弓状のものに限らず、例えば図5及び図6に図示したように左右の両端部間に折り返し部を複数有する蛇行状に形成した構成としても良い。このように蛇行状に形成した場合には、バネ線材4Aの左右の端部間の距離を短く設定でき、短いスライド量に設定する場合に好適である。
その他、求める操作性やスライド量などを考慮して、このバネ線材4Aの本数や長さ,形状を適宜設定することにより、弾性部4の弾性付勢の強度を簡単に且つ多様に調整設定できる。
これらのバネ線材4Aは、例えば連結部5,6に各バネ線材4Aの端部をネジで螺着したり、接着材により接着して取り付け止着した構成としても良いが、本実施例においては、図2に図示したように、前記連結部5,6に前記バネ線材4Aの端部を抜け止め状態に係合する抜け止め係合部7を設け、一方バネ線材4Aには、図2に図示したように、その各端部を第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に屈曲若しくは湾曲することにより、前記連結部5,6の抜け止め係合部7に係合する屈曲状若しくは湾曲状の係止端部8を設けた構成とし、このバネ線材4Aの各係止端部8を夫々前記連結部5,6の抜け止め係合部7に係合することによってバネ線材4Aの各端部を連結部5,6に抜け止め状態に取り付け係止する構成である。
本実施例では、上述のように全体視弓状のバネ線材4Aの左右端部をL型に屈曲して係止端部8を設けた構成であり、このように単にバネ線材4Aの両端部を屈曲若しくは湾曲して簡単にその両端部に係止端部8を設けることができると共に、第一部材1と第二部材2との重合面方向にしてスライド方向に屈曲若しくは湾曲しているので、扁平状が保持されこの係止端部8によってバネ線材4Aの厚み寸法が増すことも無い。
また、連結部5,6は、図2に図示したように、組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に組み付け固定して成る構成とする。そして、この組み付け部材5A,6A,重合部材5B,6Bの少なくともいずれか一方の重合面(本実施例では、組み付け部材5A,6Aの重合面)には前記バネ線材4Aの前記係止端部8と略合致する溝形状を有する溝部7aを形成し、この溝部7aを、前記の抜け止め係合部7として構成している。尚、これら連結部5,6の組み付け部材5A,6Aや重合部材5B,6Bは成型品とする。
この溝部7aは、図2に図示したように、バネ線材4Aの係止端部8を有する各端部と略合致する溝形状に形成している。本実施例では、係止端部8をL字型に形成しており、従って、抜け止め係合部7としての各溝部7aも夫々L字型溝に形成している。
また、連結部5,6の各組み付け部材5A,6Aの重合面には、この溝部7aを所定の並設間隔を介して3箇所,即ちバネ線材4Aの本数分だけ形成している。
従って、この組み付け部材5A,6Aの各溝部7a内に、バネ線材4Aの各係止端部8を嵌め込むことで、複数のバネ線材4Aの各端部を所望の並設間隔となるように前記溝部7a内に位置決めできる。
また、本実施例では、連結部5,6を構成する組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bのうち一方の部材には重合位置決め用の凸部10を設け、他方の部材には前記凸部10が嵌合する凹部11を設け、前記凸部10と凹部11とを凹凸嵌合することでこの組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとが位置決め状態に重合されるように構成している。
また、組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bのうち一方の部材の立ち上がり外縁部には外方突出状態に係止凸部13Aを設け、他方の部材の立ち上がり縁部には前記係止凸部13Aが引っ掛り係合する係合部13Bを設け、この組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを互いに重合配設することで前記係止凸部13Aと係合部13Bとが凹凸係合してこの重合状態が係合保持されるように構成している。
従って、本実施例は煩わしい作業は不要で、単に組み付け部材5A,6Aの各溝部7a内にバネ線材4Aの各係止端部8を嵌め込んだ上で重合部材5B,6Bを重合配設する簡単な作業だけで、組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bとを重合状態に係合保持できると共に各溝部7a内に前記バネ線材4Aの各係止端部8が抜け止め状態に取り付け係止でき、よって非常に作業性良く簡単に弾性部4を組み付け製造可能である。
また、各バネ線材4Aの係止端部8を有する両端部は互いに左右対称な形状に構成している。従って、第一及び第二の連結部5,6の組み付け部材5A,6Aは互いに同一形状とし、また第一及び第二の連結部5,6の重合部材5B,6Bも互いに同一形状とし、組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6Bの上下位置を逆転してバネ線材4Aの左右の端部に夫々取り付けている。
以上のように、本実施例の弾性部4はコストの高い部品は要さず、単に線材を屈曲形成して成る数本のバネ線材4Aと、量産性に秀れた成型部材(組み付け部材5A,6A及び重合部5B,6B)から成る連結部5,6との組み合わせにより弾性部4を構成している為、部品コストを低く抑えることができることは勿論、弾性部4の組み付けも作業性良く簡単に実施でき量産性にも秀れる。単に複数のバネ線材4Aを直接第一部材1や第二部材2に所望の並設間隔で連結することは困難であるが、本実施例では連結部5,6を用いた前述のような連結構造を採用することで、複数のバネ線材4Aを非常に簡単に第一部材1や第二部材2に連結でき、その上、各バネ線材4Aを確実に所望の並設間隔となるように良好に連結せしめることができそれだけ量産性やコスト性に秀れた構造である。
尚、各連結部5,6には夫々、組み付け部材5A,6Aの所定部位に枢着孔12を形成している。具体的には、図1及び図2に図示したように、各バネ線材4Aが側方突出する連結部5,6の一側部と反対側の他側部に夫々枢着孔12を形成する。この枢着孔12を軸に、各連結部5,6を夫々第一部材1若しくは第二部材2に枢着連結することで、前記各バネ線材4Aの各端部を連結部5,6を介して第一部材1若しくは第二部材2に相対回動自在に枢着連結した構成としている。
図3は、以上のように構成した本実施例の第一部材1に対して第二部材2をスライド移動操作した際の弾性部4の作動を示すものである。
弾性部4の左右両端の連結部5,6のうち、図3中,右側が第一部材1と枢着連結する第一の連結部5で、図3中,左側が第二部材2と枢着連結する第二の連結部6である。
図3中,符号P1は、図4(a)のように第一部材1(本体部)に対して第二部材2(重合部)を重合閉塞位置とした際の第一の連結部5に対する第二の連結部6の位置P1を示すものである。符号P2は、第一部材1に対して第二部材2をスライド操作し、第一の連結部5の位置と第二の連結部6の位置とがスライド方向と直交する横方向に並んだ際の前記連結部6の位置P2を示すものである。符号P3は、図4(b)に図示したように第一部材1に対して第二部材2をスライド開放位置とした際の第一の連結部5に対する第二の連結部6の位置P3を示すものである。
本実施例では、図3に図示したように、第一の連結部5に対して第二の連結部6が位置P1或いは位置P3にある状態で、各バネ線材4Aが自由長状態(フリー状態)にはならず依然として各バネ線材4Aの弾性により連結部5,6同志が離反することとなるスライド方向の付勢が生ずるように弾性部4を設定している。
従って、図4(a)に図示したように、第一部材1に対して第二部材2を重合閉塞位置とした際には前記弾性部4によりこの第二部材2が重合閉塞位置に位置決め保持付勢され、一方、図4(b)に図示したように、第一部材1に対して第二部材2をスライド開放位置とした際には前記弾性部4によりこの第二部材2がスライド開放位置に位置決め保持付勢されることとなる。
また、第一部材1に対して第二部材2をスライド移動させる際、第一部材1に対して第二部材2を所定長スライド移動させるまでは(具体的には、図3に図示したように第一の連結部5に対して第二の連結部6が位置P2に到達するまでは)、第二部材2が戻り動するスライド方向に戻り付勢が生ずることとなるが、所定長スライド移動させると逆に第二部材2が進み動するスライド方向に進み付勢が生ずることとなる。つまり、例えば第一部材1に対して第二部材2を重合閉塞位置からスライド開放位置までスライド移動操作する場合には、図3に図示したように第一の連結部5に対して第二の連結部6が位置P1から位置P2に到達するまでのスライド範囲においては戻り付勢が生じ、一方第二の連結部6が位置P2から位置P3に到達するまでのスライド範囲においては逆に進み付勢が生ずることとなる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
即ち、例えば本実施例では連結部5,6は夫々、二部品(組み付け部材5A,6Aと重合部材5B,6B)から成る構成とし、この二部品間に挟み込むように各バネ線材4Aの各端部を連結部5,6に抜け止め状態に取り付け係止する構成としているが、これに限らず、例えば連結部5,6は夫々一部品から成る構成とすると共に、これら連結部5,6は成型部品とし、各連結部5,6の成型時に前記各バネ線材4Aの各端部をインサート成型することによりこの各バネ線材4Aの各端部を所定の並設間隔をおいてこの連結部5,6に抜け止め状態に取り付け止着する構成としても良い。
この場合には、連結部5,6の成型と、この連結部5,6と各バネ線材4Aの各端部との取り付け作業とを同時に達成できる為、それだけ製造作業性に秀れ一層量産性やコスト性に秀れる。
また、必要に応じては、例えば図7,8,9に図示した本実施例の別例のように、弾性部4の前記連結部5,6間のバネ線材4Aの中央部を覆う保護部材9を備えた構成としても良い。
詳述すると、例えば図7は、保護部材9としての箱型(筒型)の成形品内に前記バネ線材4Aを通過させ、この保護部材9により弾性部4のバネ線材4Aの中央部にして上下両面側を保護する構成を示すものであり、前記バネ線材4がこの箱状の保護部材9によって弾性変形を邪魔されないように、この保護部材9はバネ線材4Aが弾性変形可能な十分なクリアランスを有する箱型(筒型)に形成する。
上述のように金属製のバネ線材4Aは、他部品と接触し摺動することで他部品にキズを付けたり表面層を剥離したりする懸念があるが、この点、本実施例においては、バネ線材4Aの上下に配される他部品と当該バネ線材4Aとの接触を前記保護部材9により確実に阻止でき(保護部材9と他部品とが接触することとなり)、よってバネ線材4Aにより他部品がキズ付いたり、他部品の表面処理層(塗装など)が剥離されその剥離層(ゴミ)が所定箇所に侵入したり溜まったりしてスライド操作性を損ねたり動作不良を招いたりするトラブルを阻止できる。
また、例えば図8は、弾性部4のバネ線材4Aの中央部にして周囲を、前記保護部材9としてのゴム性のチューブによって覆った構成を示すものであり、図7に図示した保護部材9と同様にバネ線材4Aと他部材との接触を阻止し良好な保護作用が得られる。また特に、ゴム性のチューブで保護部材9が構成されている為、保護部材9と他部品とが摺動しても摺れによる騒音がより一層生じにくい。
また、例えば図9は、弾性部4の片側,即ちバネ線材4の中央部にして片面のみを板状の保護部材9によって覆い、保護する構成を示すものである。具体的には、扁平な板材の所定箇所に、前記弾性部4のバネ線材4Aの周辺部位に被嵌係止して取り付け保持するフック状若しくは爪形状の取付係止部9aを複数設ける構成である。図示した本実施例では、弾性部4の複数のバネ線材4Aのうちの所定の一本のバネ線材4Aに対し、長さ方向に所定間隔をおいて三箇所に被嵌係止し得る三つの取付係止部9aを設けた構成としており、この保護部材9を弾性部4に確実に取り付け保持できると共に、この保護部材9が前記バネ線材4Aの弾性変形の弊害となる心配も無い。一般に、スライド装置はその構造上、バネ線材4の片面のみが外側に露出して他の部品と接触することとなるので、この他部品と接触し得る片面のみを保護部材9で保護すれば、図7や図8に図示した保護部材9と同様の良好な保護作用が得られることとなる。
本実施例に係るスライド装置の弾性部4の説明斜視図である。 本実施例に係るスライド装置の要部説明分解斜視図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の作動を示す概略説明図である。 本実施例に係るスライド装置を用いた電子機器の使用状態図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の別例を示す説明平面図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の別例を示す説明平面図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の別例を示す説明図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の別例を示す説明図である。 本実施例に係るスライド装置の弾性部4の別例を示す説明図である。 従来例を示す図である。
符号の説明
1 第一部材
1A スライドガイド部
2 第二部材
2A スライド部
4 弾性部
4A バネ線材
5 連結部
5A 組み付け部材
5B 重合部材
6 連結部
6A 組み付け部材
6B 重合部材
7 抜け止め係合部
7a 溝部
8 係止端部
9 保護部材

Claims (3)

  1. 第一部材として設けた若しくは第一部材に設けたスライドガイド部間に、第二部材として設けた若しくは第二部材に設けたスライド部をスライド自在に係合して、第一部材と第二部材とを重合面方向にスライド自在に重合連結し、一端を前記第一部材に連結し他端を前記第二部材に連結する弾性部を備え、この弾性部の弾性付勢により前記第一部材と第二部材との間にスライド方向の付勢が生ずるように構成したスライド装置において、
    前記弾性部は、屈曲弾性自在なバネ線材を複数有し、この各バネ線材は、線材の両端部間の途中部にこの線材をコイル状に多重巻回したコイル状部を有する形状ではなく、弓状に屈曲弾性自在な弓状屈曲部を有する所定の屈曲線形状にして扁平なバネ線材とし、この複数のバネ線材が自らの弾性に抗して屈曲弾性変形した状態で前記第一部材と第二部材との重合面方向にしてスライド方向に複数並設されるように、この複数のバネ線材の各一端部を第一の連結部を介して前記第一部材に連結し、且つこの複数のバネ線材の各他端部を第二の連結部を介して前記第二部材に連結した構成とし、
    前記バネ線材は、前記第一部材と第二部材との重合面方向にしてスライド方向に屈曲若しくは湾曲した係止端部を有するとともに、この係止端部を有するバネ線材の両端部は左右対称な形状に構成し、
    この複数のバネ線材の弾性によって前記連結部同士を離反する方向に弾性付勢が生じ前記第一部材と第二部材との間にスライド方向の付勢が生ずるように前記弾性部を構成し、
    前記連結部は、前記複数のバネ線材の各端部を所定の並設間隔をおいてこの連結部に抜け止め状態に係合する抜け止め係合部を有する構成とし、
    前記第一及び第二の連結部は、共に同一の組み付け部材と共に同一の重合部材をそれぞれ別部品で形成するとともに、当該組み付け部材と重合部材とを重合状態に組み付け固定して成る構成とし、
    この組み付け部材、重合部材の少なくともいずれか一方の重合面には前記バネ線材の前記係止端部と略合致する溝形状を有し且つ当該係止端部を嵌め込む溝部を複数形成してこの複数の溝部を前記抜け止め係合部として構成し、
    この抜け止め係合部の各溝部内に前記バネ線材の端部を嵌め込んだ状態で前記組み付け部材と重合部材とを重合状態に組み付け固定することで複数のバネ線材の各端部を所定の並設間隔を置いて連結部に抜け止めした構成とし
    更に、前記組み付け部材、重合部材の一方には重合位置決め用の凸部を設けるとともに他方には当該凸部が嵌合する凹部を設け、且つ、前記組み付け部材、重合部材の一方の外縁部には外方突出状態に係止凸部を設けるとともに他方には当該係止凸部が係合する係合部を設けたことを特徴とするスライド装置。
  2. 前記弾性部の前記連結部間のバネ線材の中央部を覆う保護部材を備えたことを特徴とする請求項1記載のスライド装置。
  3. 本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライド移動して重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とをスライド装置により連結し、このスライド装置には、前記本体部を前記第一部材若しくは前記第二部材とし、前記重合部を前記第二部材若しくは前記第一部材とした請求項1又は2記載のスライド装置を用いたことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器
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