以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.制御の概要:
B−1.一般遊技処理:
B−2.一般遊技中抽選処理:
B−3.回胴回転始動処理:
B−4.回胴回転停止処理:
B−5.レギュラーボーナス遊技処理:
B−6.ビッグボーナス遊技処理:
C.本実施例のメダル払出処理:
D.変形例:
D−1.第1変形例のメダル払出処理:
D−2.第2変形例の一般遊技中抽選処理およびメダル払出処理:
D−3.第3変形例のメダル払出処理:
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す斜視図である。図2は、遊技機1の前面構造を示す説明図である。この図1及び図2を参照しつつ、以下に、遊技機1の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、遊技機1の全体的形状は筐体3により構成されており、この筐体3の正面部には、表示窓5、操作パネル部7、遊技メダル払出口9などが設けられている。
表示窓5は、遊技者に対して図柄を表示するための窓であり、遊技機1の上段部分に設けられている。この表示窓5は透明なパネルで覆われており、このため、この表示窓5を介して筐体3の内部を目視することが可能となっている。
表示窓5の内側(筐体3の内部)には、回転可能な複数個(本実施例では、3個)の回胴(リール)13L,13C,13Rが横一列に設けられている。各回胴13L〜13Rの外周面には、複数種類の図柄からなる図柄列が回転方向に沿って描かれているが、表示窓5を通して観察することができるのは、外周面の一部のみである。そのため、これらの回胴13L〜13Rを回転させれば、表示窓5内の複数の領域で図柄を変動表示させることができる。また、回胴13L〜13Rの回転を停止させれば、各領域で図柄を停止表示させることができる。なお、以下では左端の回胴13Lを「第1回胴13L」と記し、中央の回胴13Cを「第2回胴13C」と記し、右端の回胴13Rを「第3回胴13R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「回胴13」と記すものとする。
表示窓5の左側には、1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17が設けられている。1メダルラインランプ15aは、1枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が中央の入賞ラインL1の上で揃ったことを表示するランプである。次に、一対の2メダルラインランプ15bは、2枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が上段または下段の入賞ラインL2の上で揃ったことを表示するランプである。また、一対の3メダルラインランプ15cは、3枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が斜めの入賞ラインL3の上で揃ったことを表示するランプである。そして、遊技開始表示ランプ17は、回胴13L〜13Rの回転が開始可能となったことを示すランプである。
表示窓5の右側には、打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a,23b,23c、遊技メダル投入ランプ25が設けられている。打止め表示ランプ19は、遊技機1がいわゆる打ち止め状態となったことを表示するランプである。次に、再遊技ランプ21は、遊技メダルを使用することなく実行可能な遊技(再遊技)が行われることを示すランプである。また、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23cは、遊技機1がビッグボーナス遊技状態に移行したこと(すなわちビッグボーナス期間中であること)を示すランプである。そして、遊技メダル投入ランプ25は、遊技メダルのベットを受け入れ可能であることを示すランプである。
表示窓5の下側には、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31が設けられている。役物回数表示器27は、レギュラーボーナス役の入賞可能回数や、後述するリプレイタイム遊技の残りゲーム数などを表示する。また、払出枚数表示器29は、遊技機1から払い出される遊技メダルの枚数を表示し、貯留枚数表示器31は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数を表示する。
操作パネル部7は、遊技機1の中段部に設けられている。操作パネル部7は、手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面部には、遊技メダル投入口33、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39が設けられている。遊技メダル投入口33は、遊技メダルを遊技機1に投入するための投入口である。次に、1枚投入ボタン35は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち1枚をベットするためのボタンであり、また、3枚投入ボタン37は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち3枚をベットするためのボタンである。そして、精算ボタン39は、遊技機1に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に押されるボタンである。なお、遊技メダルは、遊技において入賞が成立した場合や、1回の遊技に必要な枚数(規定数)を越えて余分な枚数の遊技メダルが遊技メダル投入口33から投入された場合などには、遊技機1の内部に貯留される。なお、この貯留とは、後述する主制御基板101のRAM115に遊技メダルの数を記憶することであり、いわゆるクレジットのことである(図3参照)。本実施例では、貯留可能な枚数の上限が、50枚となっている。
操作パネル部7の前面には、スタートレバー41、停止ボタン43L,43C,43R、返却ボタン45などが設けられている。スタートレバー41は、回胴13の回転を開始させるためのものである。停止ボタン43L〜43Rは、各回胴13に対応して複数個(本実施例では、3個)設けられており、対応する回胴の回転を停止させるためのものである。返却ボタン45は、投入された遊技メダルが遊技機1内部で詰まった場合に、この詰まりを解消する際に押されるボタンである。なお、以下では、第1回胴13Lに対応する停止ボタン43Lを「第1停止ボタン43L」と記し、第2回胴13Cに対応する停止ボタン43Cを「第2停止ボタン43C」と記し、第3回胴13Rに対応する停止ボタン43Rを「第3停止ボタン43R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「停止ボタン43」と記すこととする。
なお、遊技メダル払出口9は、遊技機1の下部に設けられている。遊技機1の下部には、遊技メダル払出口9のほか、遊技メダル払出口9から払い出される遊技メダルを受け止めるための受け皿部47が設けられている。
A−2.電気的構成 :
図3は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図3に示すように、遊技機1には、主制御基板101を中心として、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107、電源基板109等が設けられている。
主制御基板101は、遊技機1で行われる遊技の進行や演出を司る基板である。この主制御基板101には、CPU111、ROM113、RAM115などをバス117で互いに接続して構成される周知のコンピュータが搭載されている。こうしたCPU111を中心として構成されるコンピュータが作動することによって、遊技機1における遊技の進行や演出が制御される。
主制御基板101に接続された副制御基板105には、更に、各種の照明用基板119、各種のスピーカ121などが接続されている。副制御基板105は、主制御基板101からの信号に基づき、各種のスピーカ121に音声信号を出力することによって、これらスピーカ121からの音声出力を制御する。また、副制御基板105からは、各種の照明用基板119に対しても信号が出力される。照明用基板119においては、この副制御基板105からの信号に基づいて、照明類123のon/offが行われる。
中央表示ランプ基板107には、前述のように主制御基板101が接続されているほか、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39、第1停止ボタン43L、第2停止ボタン43C、第3停止ボタン43Rなどが接続されている。これらの各ボタン35,37,39,43L〜43Rが遊技者によって操作されると、その操作結果を示す信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。主制御基板101においては、この入力信号に基づいて、各ボタン35、37,39,43L〜43Rに対する操作状態が判断される。
中央表示ランプ基板107には、そのほか、左表示ランプ基板125、右表示ランプ基板127、スタートレバーユニット129、メダルセレクター131なども接続されている。
左表示ランプ基板125は、表示窓5の左側に設けられた1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17のon/off制御などを行うための基板である。それらのon/off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、左表示ランプ基板125に対して所定の信号を入力することによって行われる。
また、右表示ランプ基板127は、表示窓5の右側に設けられた打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23c、遊技メダル投入ランプ25のon/off制御などを行うための基板である。それらのon/off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、右表示ランプ基板127に所定の信号を入力することによって行われる。
スタートレバーユニット129は、前述のスタートレバー41と、このスタートレバー41の操作を検出するための回胴回転始動センサー(図示せず)とを備えている。スタートレバー41が遊技者により操作されると、その操作が回胴回転始動センサーによって検出され、その検出結果を示す回胴回転始動信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、スタートレバー41に対する操作状態を判断することができる。
メダルセレクター131は、遊技メダル投入口33より投入された遊技メダルを寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルのみを受け付けるための装置である。メダルセレクター131には、こうした遊技メダルを選別する機能のほか、投入された遊技メダルの通過をメダルセンサー(図示せず)によって検出する機能や、電磁ソレノイド(図示せず)によって作動するブロッカー(図示せず)によって遊技メダルを受け付けずに返却する機能なども設けられている。遊技メダルの通過がメダルセンサーにより検出されると、その検出結果を示すメダル検出信号が、中央表示ランプ基板107を介し、メダルセレクター131から主制御基板101に出力されることになる。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、遊技メダル投入口33から遊技メダルが投入されたか否かを判断することができる。
回胴基板103には、主制御基板101のほか、ステッピングモータ133L,133C,133Rや回胴センサー135L,135C,135Rなどが接続されている。
ステッピングモータ133L〜133Rは、各回胴13の回転または停止を行うためのモータである。これらのステッピングモータ133L〜133Rは各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では、3個)設けられていると共に、各ステッピングモータ133L〜133Rの軸は、対応する各回胴13の回転軸として用いられている。そして、これらのステッピングモータ133L〜133Rの回転または停止動作は、回胴基板103を介し、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに信号を送ることにより制御することができる。したがって、主制御基板101からの制御信号でステッピングモータ133L〜133Rを回転または停止させることによって、各回胴13を回転または停止させることができる。
回胴センサー135L〜135Rは、各回胴13に設けられたインデックス部(図示せず)の通過を検出するためのものであり、各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では、3個)設けられている。各回胴13のインデックス部が回胴センサー135L〜135Rを通過し、その通過が各回胴センサー133L〜133Rによって検出されると、この検出結果を示す回胴インデックス信号が、回胴基板103を介して、各回胴センサー133L〜133Rから主制御基板101に入力される。このため、主制御基板101により、各回胴13の回転角度(延いては、回胴13の外周面に描かれた図柄の位置)を制御することができる。なお、各回胴13のインデックス部は回胴13が1回転する度に回胴センサーを通過するため、回胴インデックス信号は回胴13が1回転する度に、回胴センサー133L〜133Rから主制御基板101に出力される。
電源基板109には、主制御基板101のほか、メダル払出装置137などが接続されている。電源基板109は、主制御基板101を介して、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107などへ電力の供給を行うほか、メダル払出装置137へ電力の供給も行っている。
また、電源基板109は、主制御基板101とメダル払出装置137との間で行われる信号の送受を中継する機能も担っている。遊技メダルを払い出す旨の信号が主制御基板101から出力されると、その信号は、電源基板109を介してメダル払出装置137に入力され、その結果、メダル払出装置137から前述の遊技メダル払出口9に、遊技メダルが排出される。そして、払い出された遊技メダルの数はメダル払出装置137により計数され、その結果を示す遊技メダル払出信号が、電源基板109を介して主制御基板101に入力される。このような構成によって、CPU111は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数や、遊技者に払い出される遊技メダルの枚数などを管理することができる。
B.制御の概要 :
上記のように構成された遊技機1における遊技動作の基本的な流れは、以下の通りである。まず、遊技開始に先立って遊技メダルがベットされると、そのベット数に応じて、入賞ラインL1〜L3を有効化する。次に、遊技者によってスタートレバー41が操作されると、回胴13の回転を開始させることによって遊技を開始し、その後、遊技者によって停止ボタン43が操作されると、回胴13の回転を停止させることによって一回の遊技を終了する。こうした遊技が一回行われると、遊技機1は、有効な入賞ラインの上に、所定の入賞図柄組合せが揃ったか否かを判断する。その結果、有効な入賞ラインの上に所定の入賞図柄組合せが揃った(入賞が成立した)と判断すると、その入賞態様に応じて、遊技者への遊技メダルの払い出しなどが行われる。こうした遊技を実現するため、本実施例の遊技機1においては、前述のCPU111等からなるコンピュータが、以下のような制御処理を実行する。
B−1.一般遊技処理 :
図4は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技処理を示すフローチャートである。この一般遊技処理は、遊技機1に電源が投入され、さらにROM113のサムチェックやRAM115のクリアなど、初期化処理が行われた後に実行される処理である。
図4に示すように、一般遊技処理においては、まず、遊技メダルがベットされているか否かを判断する(ステップ10。以下「ステップ」を「S」と略記)。すなわち、遊技メダル投入口33からの遊技メダルの投入、1枚投入ボタン35や3枚投入ボタン37の操作、或いは再遊技役の入賞成立に基づく自動再投入によって、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S10)。
S10の処理において、遊技メダルがベットされていない場合には(S10:NO)、当該判断処理(S10)を繰り返し行うことによって、遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、遊技メダルがベットされると、以下に説明する一連の処理が開始される。まず、遊技メダルがベットされていると判断され(S10:YES)、その結果、図5に示す一般遊技中抽選処理が実行される(S20)。
B−2.一般遊技中抽選処理 :
図5は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。この一般遊技中抽選処理は、図6に示す抽選テーブルを用いることによって、内部的な抽選処理(以下、「内部抽選」という)を行う処理である。すなわち、[0]〜[65535]の範囲までの間で採り得る乱数値を1つ取得し、この取得した乱数値に基づいて図6の抽選テーブルを参照することによって、各種の"入賞態様(役)"または"ハズレ"のうちの何れか一つを選択するのである。なお、回胴式遊技機においては、抽選テーブルを用いた内部抽選によって所定の役に当選(以下「内部当選」という)しただけでは、当該役の入賞は成立(確定)しない。入賞が成立するためには、内部当選した役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃った状態で停止表示される必要がある。
図6は、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルを示す説明図である。図6に示すように、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルには、「一般遊技中抽選テーブル」、「内部当選中抽選テーブル」、「RT(リプレイタイム)中抽選テーブル」などがある。これらの抽選テーブルは、何れも、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。例えば、「一般遊技中抽選テーブル」においては、"9340〜9539"の範囲の乱数値に、"スズの小役"が対応付けられている。
一般遊技中抽選処理においては、図5に示すように、まず、ビッグボーナス役(BB役)またはレギュラーボーナス役(RB役)に内部当選中か否かを判断する(S210)。「内部当選中」とは、過去の回に行われた遊技で内部当選したが、その内部当選した役に応じた図柄組合せが有効ライン上で未だ揃っていないため、その内部当選した状態が今回の遊技に持ち越された状態にあることをいう。例えば、前回の遊技においてBB役またはRB役に内部当選したとしても、このBB役またはRB役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃わなかった場合には、BB役またはRB役に内部当選した状態が今回の遊技に持ち越されることとなる。なお、小役および再遊技役については、内部当選した状態が持ち越されることはない。
S210の処理において、BB役またはRB役に内部当選した状態(内部当選中)である場合には(S210:YES)、「内部当選中抽選テーブル」に基づいて抽選を行い(S220)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、BB役またはRB役に内部当選した状態(内部当選中)でない場合には(S210:NO)、RTフラグがONであるか否かを判断する(S230)。ここで、RT(リプレイタイム)フラグとは、遊技機1が、RT遊技と呼ばれる特別な遊技状態にあるか否かを示すフラグであり、RAM115の所定領域に設定されている。また、RT遊技とは、簡単に言えば、再遊技の当選確率が一般遊技よりも高い遊技状態である。再遊技役が成立すれば、遊技メダルを新たに投入することなく遊技を行うことができる。従って、RT遊技中は、遊技メダルを殆ど減らすことなく遊技を続行することができ、RT遊技中にBB役、RB役や小役が成立すれば、成立した役に応じて遊技メダルの払い出しを受けることができることから、遊技者にとって有利な遊技状態と言うことができる。詳細には後述するが、本実施例の遊技機1では、BB遊技が終了すると、RT遊技のゲーム数を抽選によって決定し、RTフラグがセットされる。そこで、図5のS230の処理では、RTフラグがONにセットされているか否かを判断しているのである。そして、RTフラグがONになっていれば、現在の遊技状態が通常の一般遊技ではなく、RT遊技中に行われる一般遊技であると言うことになる。
RTフラグがONでない場合には(S230:NO)、図6に示した「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行う(S240)。すなわち、[0]〜[65535]の範囲までの間で採り得る乱数値を一つ取得し、その取得した乱数値に基づいて「一般遊技中抽選テーブル」を参照することによって、各種の入賞態様(役)、またはハズレのうちの何れか一つを選択する。この処理において、例えば[9350]の乱数値を取得した場合、"スズの小役"が選択される(内部当選する)ことになる。このように「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行うと(S240)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
S230の処理において、RTフラグがONである場合には(S230:YES)、「RT中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行う(S250)。前述したように、RT遊技中は再遊技役の当選確率が一般遊技よりも高く設定された特別な遊技状態である。このため、RTフラグがONであった場合は、専用に設定された「RT中抽選テーブル」を用いて内部抽選を行うのである。図6に示すように、「RT中抽選テーブル」は、「一般遊技中抽選テーブル」と比較すると、再遊技役の当選確率が一般遊技よりも高く設定されている。つまり、RT中には、再遊技役に当選し易くすることにより、遊技メダルの消費を抑制しつつ、BB役、RB役や小役に当選すれば、一般遊技中と同様に遊技メダルが払い出される。
S250の処理において、「RT中抽選テーブル」に基づいて内部抽選が行われると、RTゲーム数をカウントするためにRTゲーム数をインクリメントする(S260)。ここで、本実施例の遊技機1では、RTゲーム数をカウントするためのRTゲーム数カウンタをRAM115の所定領域に設けてあり、このRTゲーム数カウンタをインクリメントするものとしている。
RTゲーム数をインクリメントした後(S260)、RTゲーム数が上限値に達したか否かを判断する(S270)。ここで、上限値は、後述するBB遊技処理におけるRT抽選処理で設定される(図12に示すS700)。RTゲーム数が上限値に達した場合には(S270:YES)、遊技者にとって有利な遊技状態であるRT遊技が終了するため、RTフラグを解除する(S290)。一方、RTゲーム数が上限値に達していない場合には(S270:NO)、ビッグボーナス役(BB役)またはレギュラーボーナス役(RB役)に内部当選中か否かを判断する(S280)。
そして、これらBB役またはRB役に内部当選している場合には(S280:YES)、RTフラグを解除する(S290)。これは、BB役またはRB役によって開始される遊技がRT遊技よりも遊技者にとって有利であり、敢えてRT遊技を続行する必要はないと考えられるからである。一方、BB役またはRB役のいずれにも内部当選していない場合には(S280:NO)、そのまま一般遊技中抽選処理を終了して、図4に示す一般遊技処理に戻る。
尚、図6に示すように、一般遊技中抽選処理の中で用いられる「内部当選中抽選テーブル」は、「一般遊技中抽選テーブル」と比較すると、BB役およびRB役に対応する乱数値が設定されてない。これは、BB役またはRB役に内部当選している状態では、BB役またはRB役に重複して内部当選しないようにするためである。
B−3.回胴回転始動処理 :
図4に示す一般遊技処理では、一般遊技中抽選処理(S20)から復帰すると、回胴回転始動処理を実行する。図7は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転始動処理を示すフローチャートである。この回胴回転始動処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を始動させる処理である。本実施例の回胴回転始動処理では、2つの条件が成立した場合、すなわち、スタートレバー41がONにされ、そして前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)以上経過した場合に回胴13の回転を開始することとしている。
回胴回転始動処理においては、図7に示すように、先ず、スタートレバー41がONになっているか否かを判断する(S310)。スタートレバー41がONになっていない場合には(S310:NO)、当該判断処理(S310)を繰り返すことによって、スタートレバー41がONされるまで待機する。一方、スタートレバー41がONになっている場合には(S310:YES)、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過したか否かを判断する(S320)。
S320の処理において、前回の遊技における回胴13の回転始動から所定時間経過していない場合には(S320:NO)、当該判断処理(S320)を繰り返し実行することによって、その所定期間が経過するまで待機する。そして、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過した場合には(S320:YES)、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに対して駆動信号を出力することによって回胴13の回転を開始し(S330)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
B−4.回胴回転停止処理 :
図4に示す一般遊技処理では、回胴回転開始処理(S30)から復帰すると、抽選結果を反映させるべく、図8に示す回胴回転停止処理を実行する(S40)。図8は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転停止処理を示すフローチャートである。この回胴回転停止処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を停止させる処理である。本実施例の回胴回転停止処理では、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間内(例えば、30秒)に停止ボタン43がONにされた場合、或いは、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合に、回胴13の回転を停止させることとしている。
そこで、回胴回転停止処理においては、図8に示すように、まず、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する(S410)。S410の処理において、停止ボタン43がONにされていない場合には(S410:NO)、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過したか否かを判断する(S420)。その結果、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過した場合には(S420:YES)、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rの停止位置(停止角度)を決定する(S430)。そして、その決定した停止位置に、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rを、順次停止させる(S440)。一方、S420の処理において、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過していない場合には(S420:NO)、S410の処理を再び実行することによって、所定時間が経過するまで待機する。
S410の処理において、停止ボタン43のうちの何れかがONにされた場合には(S410:YES)、ONにされた停止ボタン43に対応する回胴13の停止位置を決定する(S430)。停止位置の決定は、停止ボタン43の操作タイミングや内部抽選の結果に基づいて行われる。回胴13の停止位置を決定すると、その停止位置で回胴13を順次停止させる(S440)。
S440の処理において所定の回胴13を停止させると、次に、全ての回胴13の回転が停止したか否かを判断する(S450)。その結果、全ての回胴13の回転が停止した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、S450の処理の結果、全ての回胴13の回転が停止したと判断しなかった場合には(S450:NO)、S410の処理に戻り、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する。その後、全ての回胴13の回転が停止した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
図4に示すように、一般遊技処理では、回胴回転停止処理(S40)から復帰すると、次に、何れかの役への入賞が成立したか否かを判断する(S50)。前述したように、回胴式遊技機では、ある役に内部当選しても、それだけで当選した役の入賞が成立する訳ではない。内部当選した役の入賞が成立するためには、その内部当選した役に応じた図柄の組合せが有効ライン上で停止表示される必要がある。そこで、S50の処理においては、内部当選した役の入賞が成立したか否かを、上述した回胴回転停止処理(S40)で停止表示された図柄から判断する。図9は、一般遊技状態において、各入賞を成立させるために有効ライン上に停止表示させるべき図柄の組合せを示した説明図である。なお、図9では、各入賞の成立によって払い出される遊技メダルの枚数も表示されている。
例えば"BB役"の入賞が成立するためには、この図9に示すように、"7−7−7"または"火山−火山−火山"という図柄の組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。また、"スズの小役"が成立するためには、"スズ−スズ−スズ"という図柄組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。
S50における入賞が成立したか否かについての判断は、内部当選した役に対応する図柄の組合せ(図9参照)が、有効ライン上で揃った状態で停止表示されたか否かを判断することによって行われる。その結果、何れの役への入賞も成立していない場合には(S50:NO)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。
一方、何れかの役への入賞が成立した場合には(S50:YES)、成立した役が、再遊技役であるか否かを判断する(S60)。その結果、再遊技役が成立した場合には(S60:YES)、自動再投入を行った後(S70)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。ここで、自動再投入とは、前回の遊技において使用された枚数と同じ枚数の遊技メダルを自動的にベットすること、つまり前回の遊技に使用された遊技メダルが自動的にベットされることを言う。換言すれば、実質的には遊技者の遊技メダルが減ることなく、今回の遊技が実行されることを言う。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。一方、成立した役が再遊技役ではない場合には(S60:NO)、メダル払出処理を実行する(S80)。
メダル払出処理(S80)では、入賞が成立した後に、対応する枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う。また、詳細には後述するが、本実施例の遊技機1では、RT(リプレイタイム)ゲームの残りゲーム数に応じて、遊技メダルの払出速度を変更した特別な演出も行っている。このように、遊技メダルの払出速度が変化すれば、斬新な演出を行うことができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。本実施例のメダル払出処理の詳細については、後述する。
図4に示すように、一般遊技処理においてメダル払出処理(S80)から復帰すると、入賞の成立した役がRB役であるか否かを判断する(S90)。この処理において、入賞の成立した役がRB役である場合には(S90:YES)、図10に示すレギュラーボーナス遊技処理を実行し(S100)、その後、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、図4に示す一連の処理を再度実行する。
B−5.レギュラーボーナス遊技処理 :
図10は、本実施例の遊技機1において行われるレギュラーボーナス遊技処理(S100)を示すフローチャートである。前述のように、RB役の入賞が成立すると、このレギュラーボーナス遊技処理(RB遊技処理)が実行される。なお、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)とは、RB役の入賞成立によってRB遊技処理が開始された後、RB遊技処理が終了するまでに行われる遊技のことであり、このRB遊技においては、所定の役(例えば一般遊技中において入賞とはならない図柄の組合せが入賞となる役、あるいは、そのような図柄の組合せと一般遊技中において入賞となる図柄の組合せの両方が入賞となる役)に高確率で当選する。
図10に示すように、RB遊技処理が開始されると、まず、遊技メダルがベットされたか否か判断する(S510)。この処理は、図4に示す一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされた場合には(S510)、RB遊技用の抽選処理を実行する(S520)。この抽選処理では、RB遊技中抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選を行う。
RB抽選処理を終了すると、回胴回転始動処理を実行する(S530)。この処理は、図4に示す一般遊技処理で行う回胴回転始動処理(図7参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
回胴回転始動処理を終了すると、次に、回胴回転停止処理を実行する(S540)。この処理は、図4に示す一般遊技処理で行う回胴回転停止処理(図8参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
回胴回転停止処理で全ての回胴13が停止されると、次に何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S550)。入賞が成立したか否かの判断は、内部入賞した役に対応して、図11に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否かを判断することによって行われる。S550の処理の結果、何れかの役の入賞が成立した場合には(S550:YES)、所定枚数(図11参照)の遊技メダルを遊技者に払い出した後(S560)、RB遊技処理を終了するか否かを判断する(S570)。一方、何れの役への入賞も成立していない場合には(S550:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、RB遊技処理を終了するか否かを判断する(S570)。なお、図11は、RB遊技状態における賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
RB遊技処理(S570)を終了するか否かの判断は、現在実行中のRB遊技処理において行われた遊技の回数が所定回数(例えば、12回)に達した場合や、現在実行中のRB遊技処理において成立した入賞の回数が所定回数(例えば、8回)に達した場合などに基づいて行われる。こうした処理の結果、RB遊技処理を終了する場合には(S570:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、所定の終了条件が満たされておらず、RB遊技処理を終了しない場合には(S570:NO)、遊技メダルがベットされたか否かを判断するためにS510の処理に戻る。
図4に示すように、一般遊技処理において入賞の成立した役がRB役ではない場合には(S90:NO)、続いて、入賞の成立した役がBB役であるか否かを判断する(S110)。その結果、入賞の成立した役がBB役である場合には(S110:YES)、図12に示すビッグボーナス遊技処理を実行し(S120)、その後S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、入賞の成立した役がBB役ではない場合には(S110:NO)、S120の処理には移行することなくS10の処理に戻り、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、図4に示す一連の処理を再度実行する。
B−6.ビッグボーナス遊技処理 :
図12は、本実施例の遊技機1において行われるビッグボーナス遊技処理(S120)を示すフローチャートである。前述のように、BB役の入賞が成立すると、このビッグボーナス遊技処理(BB遊技処理)が実行される。なお、ビッグボーナス遊技(BB遊技)とは、BB役の入賞成立によってBB遊技処理が開始された後、BB遊技処理が終了するまでに行われる遊技をいう。
図12に示すように、BB遊技処理においては、先ず、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S610)。この処理は、図4に示す一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされた場合には(S610:YES)、BB遊技用の抽選処理を実行する(S620)。この抽選処理は、図13に示すビッグボーナス遊技中抽選テーブルを用いて内部抽選を行う処理である。
S620のBB遊技用の抽選処理を終了すると、回胴回転始動処理を実行する(S630)。この処理も、図4に示す一般遊技処理で行われる回胴回転始動処理(図7参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図13は、BB遊技用の抽選処理で用いられる抽選テーブル(BB遊技中抽選テーブル)を示す説明図である。このBB遊技中抽選テーブルは、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。図13においてカッコ内に示している数値は、夫々の役の当選確率である。図13に示すように、BB遊技中抽選処理では、RB役の当選確率(18000/65536)が、図6に示す一般遊技中抽選処理におけるRB役の当選確率(124/65536)よりも高く設定されている。このため、BB遊技中はRB役に当選してRB遊技に移行し易くなるので、遊技者は遊技メダルを獲得し易くなる。なお、図13に示すBB遊技中抽選テーブルからも明らかな通り、BB遊技中は再遊技役に当選することはない。
図12に示すBB遊技処理においては、上述の回胴回転始動処理(S630)から復帰すると、続いて回胴回転停止処理を行う(S640)。この処理は、図4に示す一般遊技処理において実行される回胴回転停止処理(図8参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
回胴回転停止処理(S640)において、全ての回胴13を停止させると、次に、何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S650)。入賞が成立したか否かの判断は、内部当選した役に対応して、図14に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否かを判断することによって行われる。図14は、ビッグボーナス(BB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
何れの役への入賞も成立していない場合には(S650:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、BB遊技を終了するか否かを判断する(S690)。
何れかの役の入賞が成立した場合には(S650:YES)、入賞の成立した役に対応する枚数(図14参照)の遊技メダルを遊技者に払い出した後(S660)、入賞した役がRB役か否かを判断する(S670)。入賞成立がRB役である場合には(S670:YES)、RB遊技処理を実行した後(S680)、BB遊技を終了するか否かを判断する(S690)。なお、BB遊技状態においてRB役に入賞することを、一般にジャックイン入賞またはジャックインという。ところで、前述したように、BB遊技中はRB役に当選し易くなるように抽選テーブルが設定されている(図13参照)。その結果、BB遊技中はRB役が多く発生するので、遊技者は遊技メダルを獲得し易くなる。このBB遊技状態におけるRB遊技処理の内容は、図4に示す一般遊技処理から呼び出されるRB遊技処理(図10参照)と同様の処理であるため、ここでは、その説明を省略する。
一方、入賞の成立した役がRB役でない場合には(S670:NO)、RB遊技処理を実行することなく、BB遊技処理を終了するか否かを判断する(S690)。このBB遊技処理を終了するか否かの判断は、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数や、BB期間中に実行したRB遊技処理の回数などに基づいて行われる。例えば、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数が上限数(例えば、465枚)に達した場合や、BB期間中に行われたRB遊技処理の回数が所定回数(例えば、3回)に達した場合には、BB遊技処理の終了条件が成立していると判断する。
BB遊技処理の終了条件が成立していない場合には(S690:NO)、遊技メダルがベットされたか否かを判断するためにS610の処理に戻る。一方、BB遊技処理の終了条件が成立している場合には(S690:YES)、RT抽選処理を行う(S700)。具体的には、50回〜200回の間で、50回刻みの値をRT(リプレイタイム)ゲーム数として設定する。そして、RT遊技になったことを示すRTフラグをセットし(S710)、図4に示す一般遊技処理に戻る。ここで、RTフラグは、RAM115の所定領域に設定されている。
以上のようにして、RT抽選処理を行って、RTゲーム数を設定し(S700)、RTフラグをセットしたら(S710)、図12に示すBB遊技処理を終了して、図4の一般遊技処理に復帰する。そして、一般遊技処理に復帰後は、以上に説明した一連の処理、すなわち、遊技メダルがベットされたことを検出して、内部抽選を行った後、回胴13を回転させ、停止した回胴13の図柄の組合せから入賞が成立していると判断した場合には、遊技メダルの払い出しを行う。ここで、本実施例のメダル払出処理では、RT遊技中に所定条件が成立すると、遊技メダルの払出速度を変更することで斬新な演出を可能としている。以下、本実施例で行われるメダル払出処理について説明する。
C.本実施例のメダル払出処理 :
図15は、本実施例の遊技機1においてRT遊技中に行われるメダル払出処理を示すフローチャートである。このメダル払出処理は、主制御基板101のCPU111に記憶されたプログラムに基づいて行われる処理で、入賞が成立した場合に、その入賞成立に基づく遊技メダルを払い出す際に行われる。このメダル払出処理によれば、入賞の成立した役に対応する枚数の遊技メダル(図9参照)が、遊技者に払い出されるとともに、前述したBB遊技処理のBB終了時に設定されたRTゲームの残りゲーム数や払出演出抽選の抽選結果に応じて、メダル払出装置137による遊技メダルの払い出し速度が変化する。従って、主制御基板101のCPU111およびメダル払出装置137は、本発明の払出速度変更手段の一具体例を示すものである。なお、本実施例の遊技機1では、クレジットの貯留数が上限(本例では50枚)を越えてない場合には、入賞によって遊技者に払い出される遊技メダルは、遊技機1内に一旦貯留(クレジット)される。
メダル払出処理においては、まず始めにRTゲームの残りゲーム数が100ゲーム以上であるか否かを判断する(S810)。残りゲーム数が100ゲーム以上でない場合、つまり残りゲーム数が100ゲーム未満である場合には(S810:NO)、払出演出抽選テーブル1を選択する(S820)。一方、残りゲーム数が100ゲーム以上である場合には(S810:YES)、払出演出抽選テーブル2を選択する(S830)。ここで、払出演出抽選テーブルとは、後述する払出演出を行うか否かの抽選に用いられるテーブルであり、乱数値と抽選の当否とが対応付けられている。具体的には、払出演出抽選テーブル1には、当選確率が20/255となるように当否の結果が設定されている。また、払出演出抽選テーブル2には、当選確率が200/255となるように当否の結果が設定されている。このため、残りゲーム数が100ゲーム未満である場合には、払出演出抽選テーブル1を用いて次処理の払出演出抽選(S840)が行われるので払出演出に当選する可能性は小さくなる。
一方、残りゲーム数が100ゲーム以上の場合には、払出演出抽選テーブル2を用いて次処理の払出演出抽選(S840)が行われるので払出演出に当選する可能性は大きくなる。
以上のようにして、払出演出抽選テーブルの選択に続いて行われる払出演出抽選処理では(S840)、遊技メダルの払出間隔を変更するか否かの抽選を行う。そして、払出演出抽選の結果が当選していない場合には(S850:NO)、通常の払出間隔で遊技メダルを払い出すための通常払出タイマをセットする(S860)。ここで、遊技メダルの払出間隔は、RAM115の所定領域に設定される。
一方、払出演出抽選の結果が当選している場合には(S850:YES)、遊技メダルを用いて払出演出を行うために演出当選払出タイマをセットする(S870)。演出当選払出タイマは、通常払出タイマよりも長い払出間隔に設定されている。このため、演出当選払出タイマがセットされた場合には、遊技メダルの払出間隔が通常の払出間隔よりも長くなり、遊技メダルが通常の払出速度よりも、遅い払出速度で払い出される。その結果、RTゲーム数が100ゲーム以上であって(S810:YES)、払出演出抽選の抽選結果が当選している場合には(S850:YES)、入賞による遊技メダルの払い出しが長期間に亘って行われることとなる。このため、遊技者は、遊技メダルの払出速度に基づいてRT遊技の抽選結果を認識することができる。換言すれば、遊技メダルの払出間隔に基づいてRT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させることができる。よって、遊技メダルの払出速度を変化させることにより、斬新な演出を行うことができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
S880の処理においては、上述のS860の処理またはS870の処理においてセットされた払出タイマに応じて、払出間隔を設定する(S880)。具体的には、セットされた払出タイマに応じて、メダル払出装置137の直流モータ(図示せず)を駆動する電圧を変更する。すなわち、演出当選払出タイマがセットされた場合には(S870)、通常払出タイマがセットされた場合よりも(S860)、駆動電圧を低くすることにより、直流モータの回転速度を低下させる。その結果、メダル払出装置137は遊技メダルをゆっくりと払い出すことになる。なお、遊技メダルの払出がステッピングモータで行われている場合には、ステッピングモータを制御するパルスの供給する間隔を長くすることにより、ステッピングモータの回転速度を低下させれば良い。
また、クレジットとして貯留可能な枚数の上限値(例えば50枚)を越えていない場合には、S860の処理またはS870の処理においてセットされた払出タイマの設定は、貯留枚数表示器31に表示される払い出しメダル数のカウントアップ表示速度に反映される。すなわち、演出当選払出タイマがセットされた場合には(S870)、通常払出タイマがセットされた場合よりも(S860)、貯留枚数表示器31のカウントアップ表示速度が低下する。
このように払出タイマに応じて、払出間隔が設定されると(S880)、その払出間隔に応じて遊技メダルの払出処理を行う(S890)。具体的には、クレジットとして貯留可能な枚数の上限値(例えば50枚)を越えている場合は、主制御基板101からメダル払出装置137のモータ駆動回路(図示せず)に対して、S880で設定された払出間隔(駆動電圧)に応じたメダル払出装置作動信号が出力され、メダル払出装置137のモータ駆動回路はメダル払出装置作動信号に基づく駆動電圧で直流モータを駆動する。これにより、遊技メダルが遊技メダル払出口9を介して受け皿部47に払い出され、このとき、遊技メダルが受け皿部47に当たって音が発生する。このため、遊技者は、発せられる音に敏感に反応して、さらに遊技意欲が掻き立てられる。すなわち、遊技メダルから発せられる音の間隔に基づいて、RT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させることができる。よって、遊技メダルの払出速度を変化させることにより、斬新な演出を行うことができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
一方、クレジットとして貯留可能な枚数の上限値(例えば50枚)を越えていない場合は、S880で設定された出力間隔に基づいて、主制御基板101から副制御基板105に対して貯留枚数表示信号が出力され、払い出された遊技メダルの数が貯留枚数表示器31にカウントアップしながら表示される。このとき、演出当選払出タイマがセットされていれば(S870)、通常払出タイマがセットされている場合よりも(S860)、カウントアップの表示速度が低下する。このため、遊技者は、カウントアップの表示速度の低下に基づいて、RT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させることができる。よって、遊技メダルの払出速度を変化させることにより、斬新な演出を行うことができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。そして、この払出処理が終了すると(S890)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
なお、本実施例の遊技機1では、主制御基板101のROM113に、入賞役の払出枚数に対応した払出音出力指令信号(10枚払出音出力指令信号、15枚払出音出力指令信号など)を記憶している。そして、遊技メダルの払い出し(受け皿部47への払い出し、またはクレジットへの貯留)が行われる際には、主制御基板101が払出枚数に対応した払出音出力指令信号を副制御基板105に出力し、その払出音出力指令信号に基づいて、遊技メダル1枚の払い出し毎に払出音をスピーカ121から出力するものとしている。このため、払出速度(払出間隔)の変化、すなわち、前述の演出当選払出タイマに基づいた払出音出力指令信号を予め設定しておけば、払出速度(払出間隔)の変化に同期させて、払出音の出力間隔を変化させることができる。これにより、遊技者に対して払出速度の変化を認識させ易くなり、払出速度の変化による演出を効果的に行うことができる。また、クレジットの貯留数が上限を越えてない場合には、貯留枚数表示器31のカウントアップの表示に同期させて、遊技メダルが受け皿部47に当たって発生する音を擬似的にスピーカ121から効果音として鳴動させても良く、これによっても、払出速度の変化による演出を効果的に行うことができる。
前記実施例を以下のように構成しても良い。前記実施例では、RTゲーム数が100ゲーム以上である場合には、RT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させるために、遊技メダルの払出間隔が通常の払出間隔よりも長くなる確率が高くなるように構成した。しかし、これとは逆にRT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させるために、遊技メダルの払出間隔が通常の払出間隔よりも短くなる確率が高くなるように構成しても良い。
また、遊技メダルの枚数を払出枚数表示器29に表示する際には、遊技メダルの払出間隔に同期させて、表示することは言うまでもない。
D.変形例 :
D−1.第1変形例のメダル払出処理 :
以上に説明した実施例では、もっぱら払出速度の変更により演出を行っていた。これに対して、役物回数表示器27にRTゲームの残りゲーム数を表示することとして、残りゲーム数の表示と払出速度の変更とを組合せることにより、より一層の演出効果を発揮させることも可能である。以下では、このような変形例について説明する。
図16は、第1の変形例の回胴式遊技機におけるRT遊技中のメダル払出処理を示すフローチャートである。メダル払出処理においては、まず、図12に示すRT抽選処理(S700)において設定されたRTゲーム数の3割が消化されたか否かを判断する(S910)。ここで、RTゲーム数の3割が消化されたか否かの判断は、上述したRAM115のRTゲーム数カウンタを参照して行われる。RTゲーム数の3割が消化されていない場合には(S910:NO)、残りRTゲーム数のうち半分の残りRTゲーム数を役物回数表示器27に表示する(S920)とともに、通常の払出間隔で遊技メダルを払い出すための通常払出タイマをセットする(S930)。
一方、RTゲーム数の3割が消化されている場合には(S910:YES)、残りRTゲーム数を役物回数表示器27に表示する(S940)とともに、遊技メダルを用いて払出演出を行うために演出当選払出タイマをセットする(S950)。演出当選払出タイマは、通常払出タイマよりも長い払出間隔に設定されている。このため、演出当選払出タイマがセットされた場合には、通常の払出間隔よりも長くなる。従って、遊技メダルが通常の払出速度よりも、遅い払出速度で払い出される。その結果、RTゲーム数の3割が消化された段階で、本来の残りRTゲーム数を表示するとともに遊技メダルの払出速度を変化させるので、RT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させることができる。よって、遊技メダルの払出速度を変化させることにより、斬新な演出を行うことができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
S960の処理においては、上述のS930の処理またはS950の処理においてセットされた払出タイマに応じて、払出間隔を設定する(S960)。そして、払出間隔に応じて遊技メダルの払出処理を行い(S970)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
D−2.第2変形例の一般遊技中抽選処理およびメダル払出処理 :
第2変形例の回胴式遊技機は、ビッグボーナス遊技終了時にRTゲーム数として50回が設定された場合(図12のS700)、そのビッグボーナス遊技終了後のRT遊技中において上述した第1変形例では、RTゲーム数は予め決定されており、初めは一部のゲーム数を表示しておき、一定割合のゲーム数を消化した時点で残りのゲーム数を表示するとともに払出速度による演出を行った。これに対して、残りRTゲーム数を増加させるための上乗せ抽選を行うこととして、上乗せ抽選に当選した場合には、払出速度による演出を行うものである。
第2変形例の回胴式遊技機においても、BB遊技を終了すると、RTゲーム数を設定し、RTフラグをセットする。但し、上述した第1変形例とは異なり、第2変形例では、RTゲーム数は、50回に固定されている。そして、BB遊技を終了して次のゲーム開始時には、残りRTゲーム数として「50」が、役物回数表示器27に表示される。この残りRTゲーム数の表示は、RAM115のRTゲーム数カウンタによるカウントに連動して、カウントダウン表示される。
次に、第2変形例における一般遊技中抽選処理について説明する。図17および図18は、第2変形例における一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。図17に示すように、図17に示すS1010〜S1060の処理までは上述した実施例の一般遊技中抽選処理(図5参照)と同様の処理が行われ、以下に示す点が異なる。
まず、RTゲーム数をインクリメントした後(S1060)、RAM115のRTゲーム数カウンタを参照して残りRTゲーム数が「20」であるか否かを判断する(図18に示すS1070)。残りRTゲーム数が「20」である場合には(S1070:YES)、BB役またはRB役に内部当選中か否かを判断し(S1080)、BB役またはRB役に内部当選している場合には(S1080:YES)、RTフラグを解除して(S1090)、図4に示す一般遊技処理に戻る。これは、BB役またはRB役によって開始される遊技がRT遊技よりも遊技者にとって有利であり、敢えてRT遊技を続行する必要はないと考えられるからである。
一方、BB役またはRB役に内部当選していない場合には(S1080:NO)、残りRTゲーム数を増加させるか否かを抽選により決定する上乗せ抽選を行う(S1100)。この上乗せ抽選に当選した場合には(S1110:YES)、RAM115の所定領域に設定される上乗せフラグをONにセットし(S1120)、図4に示す一般遊技処理に戻る。上乗せ抽選に当選していない場合には(S1110:NO)、そのまま図4に示す一般遊技処理に戻る。このように、本変形例では、RT残りゲーム数が「20」になった時点で、BB役またはRB役に内部当選してなければ上乗せ抽選行う。そして、この上乗せ抽選に当選すれば上乗せフラグがONにセットされ、後述するようにRT残りゲーム数が「0」になった時点でRT残りゲーム数が「50」加算される。
なお、本変形例では、残りRTゲーム数が加算された後も、残りRTゲーム数が「20」になる度に、BB役またはRB役に内部当選中か否かを判断し(S1080)、BB役またはRB役に内部当選していない場合には(S1080:NO)、上述の上乗せ抽選(S1100)が行われる。そこで、RTフラグがONにセットされてから解除されるまでに行われた上乗せ抽選の実施回数を、RAM115の所定領域に記憶するものとしている。そして、上乗せ抽選(S1100)を行う際には、記憶された上乗せ抽選の実施回数に基づいて当選確率の異なる抽選テーブルを用いて抽選を行うものとしている。具体的には、記憶された上乗せ抽選の実施回数が「0」、即ち、1回目の上乗せ抽選時には当選確率「50%」の抽選テーブルを用いる。また、記憶された上乗せ抽選の実施回数が「1」、即ち、2回目の上乗せ抽選時には当選確率「25%」の抽選テーブルを用いる。さらに、記憶された上乗せ抽選の実施回数が「2」、即ち、3回目の上乗せ抽選時には当選確率「0%」(外れ)の抽選テーブルを用いる。このように3回目の上乗せ抽選では必ず当選しないようにすることにより、RTゲーム数の上限を最大「150」に制限することができ、無限にRTゲームが継続されることを防止することができる。
一方、残りRTゲーム数が「20」でない場合には(S1070:NO)、残りRTゲーム数が「0」であるか否かを判断する(S1130)。残りRTゲーム数が「0」でない場合には(S1130:NO)、BB役またはRB役に内部当選中か否かを判断し(S1140)、BB役またはRB役に内部当選している場合には(S1140:YES)、RTフラグを解除した後(S1090)、図4に示す一般遊技処理に戻り、BB役またはRB役に内部当選していない場合には(S1140:NO)、そのまま図4に示す一般遊技処理に戻る。
残りRTゲーム数が「0」である場合には(S1130:YES)、上乗せフラグがONにセットされているか否かを判断する(S1150)。この処理は、上述したS1120の処理において上乗せフラグがONにセットされたか否かを判断するものである。上乗せフラグがONにセットされてない場合には(S1150:NO)、RTフラグを解除して(S1090)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
上乗せフラグがONにセットされている場合には(S1150:YES)、上乗せ抽選に当選しているため、残りRTゲーム数を「50」加算する(S1160)。この後、上乗せフラグを解除(OFF)して(S1170)、上述したS1140の処理に進む。以上のように、上乗せ抽選に当選した場合には(S1110:YES)、残りRTゲーム数が「0」になった時点で、このRTゲーム数が再度「50」になるので、RT遊技が継続されることとなり、遊技者にとって有利な状態が継続することになる。
次に、第2変形例におけるメダル払出処理について説明する。図19は、第2変形例におけるメダル払出処理を示すフローチャートである。このメダル払出処理では、上乗せフラグがONにセットされているか否かを判断し(S1210)、上乗せフラグがONにセットされている場合には(S1210:YES)、演出当選払出タイマをセットし(S1220)、上乗せフラグがONにセットされてない場合には(S1210:NO)、通常払出タイマをセットする(S1230)。そして、上述のS1220の処理またはS1230の処理にてセットされた払出タイマに応じて、遊技メダルの払出間隔を設定し(S1240)、この払出間隔に基づいて遊技メダルの払出処理を行った後(S1250)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
以上のメダル払出処理によれば、上乗せ抽選に当選して、上乗せフラグがセットされていれば、演出当選払出タイマがセットされ、遊技メダルの払出速度が通常より遅くなる。これを遊技者側からみれば、RT遊技中にメダルの払出速度が遅くなっていることに気づくと、ひょっとしてRTゲームが上乗せされるかもしれないと思い、期待をしながら遊技を続けるうちに、RTゲームが上乗せされることになる。従って、遊技メダルの払出速度の変化を活用して、上乗せ抽選に当選したことを効果的に演出することが可能となる。
D−3.第3変形例のメダル払出処理 :
上述した各実施例では、RTゲームに係る演出を遊技メダルの払出速度の変化により行う例を示したが、遊技メダルの払出速度の変化による演出はRTゲームに限定されるものではない。例えば、図20に示すメダル払出処理のフローチャートに示すように、RB役またはBB役といったボーナス役に内部当選している場合に、演出当選払出タイマをセットするようにしてもよい。これは、ボーナス役に内部当選した状態で回胴13を停止させたときにボーナス役の入賞が成立しなかった場合、ボーナス役に内部当選した状態が次ゲーム以降に持ち越されることに基づいた態様である。
図20は、RB役またはBB役といったボーナス役に内部当選している場合のメダル払出処理のフローチャートである。このメダル払出処理では、RB役またはBB役といったボーナス役に内部当選しているか否かを判断し(S1310)、RB役またはBB役といったボーナス役に内部当選している場合には(S1310:YES)、演出当選払出タイマをセットし(S1320)、RB役またはBB役といったボーナス役に内部当選していない場合には(S1310:NO)、通常払出タイマをセットする(S1330)。そして、セットされた払出タイマに応じて、遊技メダルの払出間隔を設定し(S1340)、この払出間隔に基づいて遊技メダルの払出処理を行った後(S1350)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
このメダル払出処理に基づいた遊技メダルの払い出しを行えば、ボーナス役に内部当選した状態が持ち越されている間は、遊技メダルの払出速度が通常時の払出速度と異なるようになる。よって、遊技メダルの払出速度の変化により、ボーナス役に内部当選している状態を遊技者に報知する演出を行うことができる。
つまり、回胴式遊技機による遊技の経験が少ない初心者の遊技者にとっては、ボーナス役に内部当選していても、回胴13を停止させるタイミングがなかなか合わず、ボーナス役の入賞が成立するまでに数ゲームを費やす場合がある。そこで、ボーナス役の内部当選を持ち越している間において遊技メダルの払出速度を変化させると、ボーナス役の入賞が成立するまでの数ゲーム間に小役が何回か成立すれば、遊技者はボーナス役の内部当選前と内部当選後における払出速度の変化に気付くことになる。これにより、遊技者は、ボーナス役に内部当選していることを容易に認識でき、ボーナス役に内部当選しているにも関わらず、そのことに気付かずに遊技を止めることを防止できる。従って、このような態様は、ランプや表示装置などを用いた演出によって、ボーナス役の内部当選の報知を行わない機種に採用するのが効果的である。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、演出当選払出タイマがセットされた場合に、通常の払出間隔よりも短い間隔で遊技メダルが払い出される構成にしても良い。すなわち、遊技メダルが通常の払出速度よりも、速い払出速度で払い出される構成にしても良い。このように構成しても、RTゲーム数が100ゲーム以上である場合には、RT遊技がまだ続行することを遊技者に認識させることができる。
また、上述した実施例では、RTゲームの残りゲーム数を役物回数表示器27に表示するものとしていたが、このゲーム数を役物回数表示器27に表示することに限定されるものではない。例えば、背景や人物などの演出用画像を遊技の進行に応じて表示する液晶表示装置を遊技機1前面の表示窓5の上方に設け、この液晶表示装置にRTゲームの残りゲーム数を表示してもよい。