[パチスロの機能フロー]
本発明に係る遊技機の一実施形態について、以下に図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(内部当籤役決定手段ともいう。後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役(単に当籤役ともいう)を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン(入賞判定ライン、入賞ラインともいう)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(例えば、後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施形態では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに最初に行われるリール3L,3C,3Rの停止操作(ストップボタン7L,7C,7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作に伴う停止制御を第1停止といい、第2停止操作及び第3停止操作に伴う停止制御を、それぞれ第2停止及び第3停止という。
パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述のスピーカ9L,9R、液晶表示装置5)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態の移行]
本実施形態のパチスロ1では、遊技者にとって有利さが異なる複数の遊技状態のいずれかが作動し、所定の契機に応じて一の遊技状態から他の遊技状態に移行する。遊技状態が異なる場合、抽出された乱数値が同一であっても、決定される内部当籤役が異なることがある。
ここで、図2を用いて、遊技状態の移行について説明する。図2に示すように、本実施形態のパチスロ1は、主制御手段(後述のメインCPU31)により制御される複数の遊技状態(メイン)として、RT0遊技状態(一般遊技状態)、RT1遊技状態、RT2遊技状態(高RT遊技状態)、MBB(MB1又はMB2)遊技状態、MBR(MB3)遊技状態を有する(図2の破線ブロックを参照)。MBB遊技状態及びMBR遊技状態は、総称してボーナス遊技状態又は単にボーナスという。RT0〜RT2遊技状態は、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる態様がそれぞれ異なる遊技状態である。具体的にいうと、RT1遊技状態及びRT2遊技状態では、再遊技役に相当する複数のリプレイ(図15に例示する「通常リプ(リプレイ)」、「上げリプレイ」、「チャンスリプ(チャンスリプレイ)」、「ドン制御リプ(ドン揃いリプレイ)」参照)のうち、内部当籤役として決定される確率がRT0遊技状態よりも高確率となるものがある。RT2遊技状態は、総じてリプレイの当籤確率が最も高い遊技状態になっている。
MBB遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態においてMB1又はMB2が内部当籤役として決定され、決定されたMB1又はMB2に対応する図柄の組合せ(図7に例示する「ドン−ドン−ドン」又は「赤7−赤7−赤7」)が表示されると作動し、メダルの払い出しが250枚を超えると、その作動が終了して一般遊技状態に移行する遊技状態である。MBR遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態においてMB3が内部当籤役として決定され、このMB3に対応する図柄の組合せ(図7に例示する「赤7−赤7−BAR」)が表示されると作動し、メダルの払い出しが72枚を超えるとその作動が終了して一般遊技状態に移行する遊技状態である。
本実施形態のパチスロ1はまた、副制御手段(後述のサブCPU81)により制御される複数の遊技状態(サブ)として、ナビ遊技状態0〜4を有する(図2の実線ブロックを参照)。ナビ遊技状態0〜4は、遊技者にとって有利な報知演出が実行されるアシストタイムやそれに関連する遊技状態であって、報知演出の態様がそれぞれ異なる遊技状態であり、遊技状態(メイン)との対応関係、実行契機、後述のARTストック(ATストック、ART上乗せともいう)等によってそれぞれ区別される。
RT0〜RT2遊技状態は、互いに移行先となる。RT0遊技状態において、ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態に移行する。また、RT2遊技状態において、ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態に移行する。ベルこぼし目は、内部当籤役として「ベル」が決定されているにもかかわらず、遊技者の停止操作のタイミングによって「ベル」に対応しない図柄の組合せとして停止表示されるものである(図14に例示するベルこぼし目01〜42参照)。RT1遊技状態において、RT1移行リプが表示されると、RT0遊技状態に移行する。また、RT1遊技状態において、RT2移行リプが表示されると、RT2遊技状態に移行する。RT1移行リプは、RT1遊技状態への移行の契機となる図柄の組合せであり(図18に例示する「ベル1−ベル1−リプ1」など参照)、RT2移行リプは、RT2遊技状態への移行の契機となる図柄の組合せである(図17に例示する「リプ1−リプ1−氷1」など参照)。
ナビ遊技状態0は、ARTストックがない状態で後述の通常モードとして実行される遊技状態(サブ)である。ナビ遊技状態0は、RT0〜RT2遊技状態に連動して実行され得る。ナビ遊技状態1は、ナビ遊技状態0でARTストックが発生するのに伴い、ナビ遊技状態0からナビ遊技状態2〜4に移行する際にのみ実行される遊技状態(サブ)である。ナビ遊技状態2は、ARTストックがある状態でRT0遊技状態に連動し、後述の準備モードとして実行される遊技状態(サブ)である。ナビ遊技状態3は、ARTストックがある状態でRT1遊技状態に連動し、後述のARTモードとして実行される遊技状態(サブ)である。ナビ遊技状態4は、ARTストックがある状態でRT2遊技状態に連動し、後述のARTモードとして実行される遊技状態(サブ)である。上記ボーナス遊技状態が終了した際、ARTストックがない場合は、ナビ遊技状態0に移行し、ARTストックがある場合は、ナビ遊技状態2に移行する。
[パチスロの構造]
次に、図3を参照して、本実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。図3は、本実施形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機である。以下において、パチスロ1は、メダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1aと、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2と、フロントドア2の前面側にパネル部となるフロントパネル8とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられる。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成される。
フロントドア2は、ドア本体の部分であり、フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントドア2の前面側であって、フロントドア2とフロントパネル8との間に設けられる。液晶表示装置5は、取付枠により、フロントドア2の上側の部分に固定される。
また、液晶表示装置5は、図柄表示領域21L,21C,21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられる。図柄表示領域21L,21C,21Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備える。
つまり、図柄表示領域21L,21C,21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施形態では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。さらに、本実施形態では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面全体において、後述するメニュー操作画面(図119参照)の表示も可能である。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L,21C,21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(有効ライン)として定義する。なお、本実施形態では、有効ラインは、中段ライン8cの1ラインのみである。
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられる。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。なお、本実施形態のパチスロ1では、クレジット機能により内部に預けることが可能なメダルの限度枚数が例えば50枚に設定されている。
スタートレバー6は、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、今回の遊技(単位遊技)に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してそれぞれデジタル表示するための払出枚数表示部13A、投入枚数表示部13B、クレジット枚数表示部13Cを有する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L,9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。また、スピーカ9L,9Rは、メダルの払い出しに伴いそれに応じた払出音を出力する。メダル払出口15は、排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。なお、本実施形態のパチスロ1では、クレジット機能により内部に預けられたメダルの枚数が限度枚数(50枚)に達すると、その余のメダルがメダル払出口15から自動的に排出されるようになっている。
特に図示しないが、フロントドア2を開放して見えるキャビネット1aの内部には、主制御回路71、メダル払出装置としての後述のホッパー40等が配置されている(図4参照)。また、キャビネット1aの内部には、ホール係員が各種の設定操作を行うための設定用の鍵穴やリセットボタンが設けられている。ホール側が管理する設定キーが設定用の鍵穴に差し込まれて所定の方向に回動されると、設定スイッチがオンとなり、パチスロ1の電源が投入された状態(初期状態)となる。リセットボタンが操作されると、いわゆる設定値(単に設定ともいう)が1〜4の4段階で移行する。設定値は、7セグ表示器13に表示され、所望の設定値が表示された状態でスタートレバー6の操作を行うと、当該設定値に決定される。
また、電源投入時には、液晶表示装置5にメニュー操作画面(図119参照)が表示される。メニュー操作画面が表示された状態でベットボタン11やストップボタン7L,7C,7Rを操作することにより、そのメニュー操作画面に表示されたメニュー項目の選択や設定変更可能な各種数値の変更を行うことができる。設定変更可能な各種数値には、パチスロ1で管理される現在時刻の基準となる初期設定時刻や、後述するリミット数及び予告数がある。所望とする設定値に決定され、また、所望とする初期設定時刻やリミット数及び予告数に変更され、その後、所定の方向とは逆方向に設定キーが回動されて引き抜く操作が行われると、変更された設定値、初期設定時刻、リミット数、予告数が管理情報として設定され、遊技可能な状態となる。
[遊技機の機能構成]
次に、本実施形態における遊技機1が有する機能構成について説明する。本実施形態における遊技機1は、キャビネット1aの内部上側位置に、主制御回路71を構成する基板(主制御基板)、副制御回路72を構成する基板(副制御基板)、及びこれらと電気的に接続される周辺装置(各種デバイスなど)が設けられている。
[主制御回路]
図4は、パチスロの主制御回路の構成を示す図である。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32およびメインRAM33などを含む。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、各種のデータテーブル、副制御回路72に対して送信される各種制御指令(コマンドなど)のデータ等が記憶される。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。例えば、メインRAM33には、クレジットカウンタとして機能することでクレジット枚数を格納する領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36サンプリング回路37、およびメインRTC(リアルタイムクロック回路)38が接続される。クロックパルス発生回路34および分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)から1つの乱数を発生させる。メインRTC38は、初期状態からの現在時刻を計時する。メインCPU31は、メインRTC38から現在時刻を取得することにより、遊技終了時刻や電断発生時刻等を管理情報として取り扱うことができる。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、各種のスイッチなどからの入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどの周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rが遊技者により、リール3L,3C,3Rの回転を停止させるために押下されたことを検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により、リール3L,3C,3Rの回転を開始させるために操作されたことを検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルを検出する。ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押下されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13、及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、回転速度がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を含む。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比のギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度を管理する。メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転角度を管理することにより、リール3L,3C,3Rの表面に配置された複数の図柄の各位置を管理する。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。ホッパー40は、時間的に後述の払出間隔をあけつつメダルを1枚ずつ繰り出す動作(払出動作)を行うように構成されている。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R、ランプ14が接続されており、主制御回路71から送信されたコマンドに応じてこれらを制御する。また、副制御回路72は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、ROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行うCPU81を有する。
本実施形態において、ホッパー40は、複数の図柄表示手段(リール3L,3C,3R)において停止表示される図柄の組合せに応じて遊技媒体(メダル)を払い出す払出手段を実現している。液晶表示装置5は、内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役を報知する報知手段を実現している。スピーカ9L,9Rは、音を出力する出音手段を実現している。メインCPU31は、開始操作手段(スタートレバー6)が操作されたことに応じて、複数の役から内部当籤役を抽籤により決定する内部当籤役決定手段、複数の図柄表示手段において複数の図柄を変動表示させる図柄変動手段、内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と複数の停止操作手段(ストップボタン7L,7C,7R)が操作されたこととに応じて、複数の図柄表示手段において複数の図柄を停止表示させる停止制御手段、払出手段による遊技媒体の払出間隔を調整したり払出動作を遅延させる払出制御手段を実現している。サブCPU81は、出音手段を制御する出音制御手段を実現している。
[副制御回路]
図5は、本実施形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示す。
副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89及びA/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、副制御回路72全体を管理するためのリアルタイムOSや、当該リアルタイムOSに起動要求されるマザータスク等が含まれる。マザータスクには、メインタスク起動要求や主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスク起動要求、液晶表示装置5による映像の表示を制御するためのアニメタスク起動要求、さらには差枚数が関係する後述のリミット処理タスク起動要求等が含まれる。
また、制御プログラムには、ソフトウェアロジックによってRTCを実現するためのプログラムが含まれる。これにより、サブCPU81は、サブRTC81aとしての機能を有する。サブRTC81aは、初期状態においてホール係員により任意に設定された時刻を基準として現在時刻を計時する。サブCPU81は、サブRTC81aから現在時刻を取得することにより、遊技終了時刻や電断発生時刻等を管理情報として取り扱うことができる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音、払出音等に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R及びランプ14が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファ86を含む)85及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMや払出音等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図44を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに図柄表示領域21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として図柄表示領域21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
図7〜図14を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施形態では、有効ラインに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図7〜図10は、3枚掛け時の図柄組合せテーブルを示す図である。図11〜図13は、2枚掛け時の図柄組合せテーブルを示す図である。図14は、RT作動図柄の図柄組合せテーブルを示す図である。つまり、図7〜図10は、3枚掛け時に参照される図柄組合せテーブルであり、図11〜図13は、2枚掛け時に参照される図柄組合せテーブルである。また、図14は、RT作動図柄が表示された場合に参照される図柄組合せテーブルを示す図である。
各図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、入賞作動フラグとを規定している。3枚掛け時の図柄組合せテーブルおよび2枚掛け時の図柄組合せテーブルでは、入賞作動フラグとして、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別する1バイトのデータと、該データを格納する後述の内部当籤役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられた格納領域識別データと、表示役の内容(名称)と、配当枚数とを規定している。また、RT作動図柄の図柄組合せテーブルでは、入賞作動フラグとして、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別する1バイトのデータと、該データを格納する後述のRT作動図柄格納領域をメインCPU31が識別するために設けられた格納領域識別データと、表示役の内容(名称)と、配当枚数(払出枚数)とを規定している。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施形態では、表示役としてベル、氷、中チェリー、角チェリー、特殊役またはドン制御役のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、予め定められた上限を限度に払い出される。例えば、投入枚数が3枚(3枚掛け)の場合におけるメダルの払出枚数は、表示役がベル、ドン制御役で9枚、氷で5枚、チェリー、特殊役で1枚となる(図8〜図10参照)。投入枚数が2枚(2枚掛け)の場合におけるメダルの払出枚数は、表示役がベル、氷、チェリー、特殊役、ドン制御役で10枚となる(図11〜図13参照)。有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
また、表示役としてリプレイ(通常リプレイ、上げリプレイ、チャンスリプレイ、ドン制御リプレイ)のいずれかが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。また、表示役としてMBB、MBRのいずれかが決定されたとき、ボーナスゲームの作動がそれぞれ行われる。MBBのボーナスゲームは、250枚を超える払い出しで終了し、MBRのボーナスゲームは、72枚を超える払い出しで終了する。MBB、MBRのボーナスゲーム終了後は、一般遊技状態(RT0遊技状態)へ移行する。
また、上げリプレイが内部当籤し、かつ、遊技者の停止操作の順序(押し順)が正解した場合などには、RT2リプレイ01〜08に対応する図柄の組合せが表示されるとともに、遊技状態をRT2遊技状態へ移行する。また、上げリプレイが内部当籤し、かつ、遊技者の停止操作の順序(押し順)が不正解であった場合等には、RT0リプレイ01〜08に対応する図柄の組合せが表示されるとともに、遊技状態をRT0遊技状態へ移行する。また、押し順役であるベル(左ベルA〜D、中ベルA〜D、右ベルA〜D)のうち何れかが内部当籤し、かつ、遊技者の停止操作の順序が不正解の場合には、ベルこぼし目01〜42が表示されるとともに、遊技状態をRT1遊技状態へ移行する。この押し順役であるベルは、いわゆるAT対象役に相当する。すなわち、パチスロ1は、停止操作の押し順を遊技者に知らしめることによって内部当籤役としてベルが決定されていることを報知する。
[内部抽籤テーブル]
図15を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。図15は、内部抽籤テーブルを示す図である。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。本実施形態では、投入枚数が3枚(3枚掛け)の場合、AT対象役(押し順役)であるベル(左ベルA〜D、中ベルA〜D、右ベルA〜D)の当籤確率が16755/65536、ベルより払出枚数が少なくてAT対象役に該当しない氷及びチェリーの当籤確率がそれぞれ854/65536、1163/65536になっている。なお、変形例としては、AT対象役(押し順役)で当籤確率が相対的に高いベルの払出枚数を少なく規定し、AT対象役に該当せずに当籤確率が相対的に低い氷及びチェリーの払出枚数が多くなるように規定してもよい。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図16を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。
遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。抽籤回数は、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
具体的には、図16に示すように、RT0遊技状態〜RT2遊技状態では、抽籤回数が「63」回であり、また、MBB、MBR内部当籤遊技状態では、抽籤回数が「60」回である。また、MBB、MBR遊技状態では、全ての小役の入賞作動フラグがオンとなり、かつ、抽籤回数が「17」回であり、リプレイ(通常リプレイ(RT2中)、通常リプレイ(RT0中)、上げリプレイ(押し順4通り)、チャンスリプレイA、B、ドン制御リプレイA、B、C、MB1+通常リプレイ、MB2+通常リプレイ、MB3+通常リプレイ、MB1+チャンスリプレイ、MB2+チャンスリプレイ、MB3+チャンスリプレイ)のみ内部抽籤を行う。
[抽籤フラグコンビネーション]
図17〜図20を用いて、決定された内部当籤役と該内部当籤役が決定した場合に表示される可能性がある図柄の組合せとの関係(抽籤フラグコンビネーション)について説明する。図17〜20は、抽籤フラグコンビネーションを示す図である。
例えば、図20に示すように、内部当籤役が特殊役Xに決定された場合には、図柄の組合せとして「ベル2−赤7−ベル2」が表示される可能性がある。また、図17に示すように、「リプ1−リプ1−氷1」などの図柄の組合せは移行群Cの図柄の組合せであり、通常リプレイ(RT2中、RT0中)、押し順リプレイ(4通り)、チャンスリプレイB、ドン制御リプレイA〜Cが内部当籤役として決定した場合に、表示される可能性がある。また、図18に示すように、「ベル1−ベル1−リプ1」などの図柄の組合せは移行群Aの図柄の組合せであり、通常リプレイ(RT2中、RT0中)、押し順リプレイ(4通り)、チャンスリプレイA、ドン制御リプレイA〜Cが内部当籤役として決定した場合に、表示される可能性がある。なお、上述しように、移行群Cの図柄の組合せが表示されると、RT2遊技状態へ移行し、移行群Aの図柄の組合せが表示されると、一般遊技状態へ移行する。
[各ロックのリールアクション]
図21を用いて、各ロックのリールアクションについて説明する。図21は、各ロックのリールアクションを示す図である。
図21に示すように、ロック演出の種別に対応付けて、リールアクションが規定されている。ここで、リールアクションとして、リールが動作する時間(タイミング)と、その時間におけるリールの状態が規定されている。
例えば、図21の例を用いて説明すると、ロック演出の種別として、ショート、ミドル1、ミドル2、ミドル3、ロングの5種類が存在する。また、ショート、ミドル1、ミドル2、ミドル3、ロングの順番に演出時間が長く、複数種類の演出が行われる。また、演出時間が長く、複数種類の演出が行われるロック演出ほど、遊技者にとって有利な状態である期待が高い演出であるものとする。
例えば、ショートの場合には、リール3L,3C,3Rをリールアップさせた後に、リール3L,3C,3Rの正回転を開始させることが規定されている。ここで、リールアップとは、一定の角度で断続的にリール3L,3C,3Rを回転させる演出であり、リール3L,3C,3Rの回転に伴って図柄表示領域21L,21C,21Rに表示される図柄を変動させる。また、ミドル1の場合には、リール3L,3C,3Rをリールアップ、動作停止、振動動作、動作停止の順に動作させ、その後リール3L,3C,3Rの正回転を開始させることが規定されている。
本実施形態では、主制御回路71のメインRAM33において、リールアクションの内容に係るデータを格納する領域(以下、演出内容格納領域という)を有する。演出内容格納領域では、リールアクションとして実行された演出内容が対応する領域に格納される。例えば、主制御回路71のメインCPU31は、リールアクションとして、リールアップが実行されると、演出内容格納領域における演出内容「リールアップ」に対応するビットを「0」から「1」に更新する。そして、メインCPU31は、所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込処理の通信データ送信処理(図95のS344参照)において、演出内容格納領域をチェックし、ビットが「1」である演出内容があるか否かを判別する。この結果、メインCPU31は、ビットが「1」である演出内容があると判別した場合には、ビットが「1」である演出内容を送信コマンドの演出指定フラグにセットし、送信コマンドを副制御回路72に送信する。そして、副制御回路72は、送信コマンドを受信すると、送信コマンドに含まれる演出内容に基づいて、演出を切り替える。このため、リールアクションと液晶等による演出にズレが生じることなく、リールアクションと液晶等を同期させた豊富な演出を行うことができる。なお、送信コマンドには、演出内容をセットするとともに、リールが動作する時間(タイミング)もセットして送るようにしてもよい。
[回胴停止初期設定テーブル]
図22、図23を用いて、回胴停止初期設定テーブルについて説明する。図22、図23は、回胴停止初期設定テーブルを示す図である。回胴停止初期設定テーブルは、リール3L,3C,3Rを停止させるための情報であり、当籤役に応じて予め定められている。主制御回路71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役に対応する回胴停止用番号を取得し、初期データ(変更ステータス等)を取得する。
具体的には、回胴停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対応付けて、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)と、テーブル番号選択値(変更ステータス、ランダム用停止データ番号)と、第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)と、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)と、当籤役と、ボーナスの当否を規定している。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリール3L,3C,3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
「引込優先順位テーブル番号」は、図29に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、図25に示す引込優先順位選択テーブルを選択するための番号である。テーブル番号選択値の「変更ステータス」は、リール3L,3C,3Rを左から停止させなかった場合に(つまり第一停止リールが左リール3L以外である場合に)、参照されるデータである。「ランダム用停止データ番号」は、最初に停止させるリール3L,3C,3Rが左リール3L以外の場合に、第二停止目に参照するランダム用停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、ランダム用停止データ番号に対応する変更ステータスが「0」の場合には、ランダム用停止データテーブルをそのまま参照し、「2」の場合には、停止テーブル番号のBラインを参照する。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、図27、図28に示す左第1停止用停止テーブルを選択するための番号である。本実施形態では、ボーナス非当籤時であるかボーナス当籤時(またはボーナス持越し時)であるか否かに応じて、選択される第一回胴停止データテーブル選択データが異なるようにしている。例えば、左ベルA〜Dが当籤役として決定された場合に、MB1〜MB3が持越し状態でなければ、第一回胴停止データテーブル選択データとして「2」が選択され、MB1〜MB3が持越し状態でなければ、第一回胴停止データテーブル選択データとして「8」が選択される。このため、ボーナス非当籤時であるかボーナス当籤時(またはボーナス持越し時)であるか否かに応じて、滑り駒数決定データが異なることとなり、最終的に選択される滑り駒数が異なる。つまり、ボーナス当籤時(またはボーナス持越し時)であるか、非ボーナス非当籤時であるかに応じて、リール3L,3C,3Rの停止制御を変化させている。
第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値の「変更ステータス」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に参照されるデータであり、変更ステータスが、「0」の場合は、停止テーブル番号をそのまま参照し、変更ステータスが「2」の場合は、停止テーブル番号のBラインを参照し、変更ステータスが「3」の場合は、停止データテーブル番号のCラインを参照する。
[引込み優先順位選択データ選択テーブル]
図24を用いて、引込み優先順位選択データ選択テーブルについて説明する。図24は、引込み優先順位選択データ選択テーブルを示す図である。引込み優先順位選択データ選択テーブルは、図22に示す回胴停止初期設定テーブルの引込優先順位テーブル番号または引込優先順位選択テーブル番号として、テーブル番号「PLVL00〜07」のいずれかが選択された場合に、参照されるテーブルである。
具体的には、引込み優先順位選択データ選択テーブルは、テーブル番号に対応付けて、一般遊技中の引込優先順位テーブル番号および引込優先順位選択テーブル番号と、フラグ間中の引込優先順位テーブル番号および引込優先順位選択テーブル番号とを規定する。つまり、本実施形態では、一般遊技中であるかフラグ間中であるかに応じて、参照される引込優先順位テーブルを異なるようにし、ボーナス非当籤時は、リールの停止順序の正否に応じて表示され得る図柄の組合せを異ならせ、ボーナス当籤時は、リールの停止順序の正否とは関係なく予め規定された図柄の組合せのみが優先される優先順位テーブルに切り替える。
[引込み優先順位選択テーブル]
図25を用いて、引込み優先順位選択テーブルについて説明する。図25は、引込み優先順位選択テーブルを示す図である。引込み優先順位選択テーブルは、引込優先順位選択テーブル番号と押下順序に応じて、引込優先順位テーブル番号を選択するための番号を規定している。
具体的には、引込み優先順位選択テーブルは、図25に示すように、引込優先順位選択テーブル左、中、右1st停止に対応付けて、押下順序、引込優先順位テーブル番号(押下順序(該当、不該当))が規定されている。ここで、引込優先順位選択テーブル左、中、右1st停止とは、図22に示す回胴停止初期設定テーブルまたは図23に示す引込み優先順位選択データ選択テーブルを参照した際に選択された引込優先順位選択テーブル番号と押下順序に応じて、選択される番号である。例えば、第一停止リールが左リール3Lであり(3桁目が「1」となる)、選択された引込優先順位選択テーブル番号が「15」の場合には、引込優先順位選択テーブル左1st停止「115」が参照される。
また、引込み優先順位選択テーブルは、押下順序に規定されている押下順序通りに、停止操作が行われた場合には、引込優先順位テーブル番号の押下順序(該当)のテーブル番号が選択され、押下順序に規定されている押下順序以外の順序で、停止操作が行われた場合には、引込優先順位テーブル番号の押下順序(不該当)のテーブル番号が選択される。主制御回路71は、ここで選択した番号に対応する引込優先順位テーブルを参照する。押下順序として、例えば、「1−×−2」と規定されている場合には、第一停止リールが左リール3Lであり、第二停止リールが右リール3Rであれば、押下順序が「該当」となり、それ以外の停止操作が行われると押下順序が「不該当」となる。
[検索順序データテーブル]
図26を用いて、検索順序データテーブルについて説明する。図26は、検索順序データテーブルを示す図である。検索順序データテーブルは、停止データ用滑り駒数として予め定められた数値の範囲(すなわち0〜4)の中から適用可能な数値を優先的に適用する順序(以下、優先順序という)を規定する。この検索順序テーブルでは、優先順序が上位1から下位5までの順に各数値の検索を行い、検索の結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用される。検索順序テーブルは、引込優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられており、優先順序がより上位である滑り駒数が適用される。
検索順序データテーブルは、停止データ用滑り駒数に基づいて優先順序を規定している。つまり、停止データ用滑り駒数に該当する数値が最も上位となるように優先順序が規定されている。この結果、停止データ用滑り駒数は他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、停止テーブルの開発の際に意図されていた図柄の表示が優先される。なお、図26に示すように、本実施形態では、MB以外の制御においては、検索順序データテーブル00を使用して滑り駒数を決定し、MB中の制御においては、検索順序データテーブル01を使用して滑り駒数を決定する。
[左第1停止用停止テーブル]
図27、図28を用いて、左第1停止用停止テーブルについて説明する。図27、図28は、左第1停止用停止テーブルを示す図である。左第1停止用停止テーブルは、第一停止リールが左リール3Lである場合に選択されるテーブルであり、図22、図23に示した回胴停止初期設定テーブルの第一回胴停止データテーブル選択データにおいて選択された番号1〜14に対応する左第一停止用停止テーブル番号1〜14のテーブルが選択される。
左第1停止用停止テーブルは、左リール3Lの図柄位置「0」〜「20」のそれぞれに対応して、滑り駒数決定データとチェンジステータスとを規定する。ここで、滑り駒数決定データとは、停止テーブルに基づいて決定される仮の滑り駒数を示すデータである。また、チェンジステータスは、停止開始位置が特定のものであるか否かを識別するデータである。このチェンジステータスと前述した第一回胴第一停止用テーブル変更データとを加算した値に基づいて、第一停止の後に続く第二停止操作時及び第三停止操作時において参照する停止データテーブルが決定される。チェンジステータスによって、第一停止をした後にラインを変更するか否かが決定される。
[引込優先順位テーブル]
図29を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。本実施形態では、リール3L,3C,3Rの回転中に図柄位置毎に表示してよい図柄であるか否か判定されるところ、引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄が複数ある場合にどの図柄を優先して引き込むか決定する際に用いられる。
引込優先順位テーブルは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。引込優先順位データは、引込みの優先順位に対応する全リプレイ、全小役、及びMB1〜MB3の各々をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。引き込みは、基本的に、最大滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を有効ラインに沿って表示するように、リール3L,3C,3Rの回転を停止させることをいう。
また、本実施形態では、ボーナス非当籤時であるかボーナス当籤時(またはボーナス持越し時)であるか否かに応じて、参照される引込優先順位テーブルが異なる。ここで、左ベルBが当籤役であって、かつ、ボーナス持越し時でない場合と、左ベルBが当籤役であって、かつ、ボーナス持越し時である場合とを比較して、引込停止制御について説明する。
まず、左ベルBが当籤役であって、かつ、ボーナス持越し時でない時に、第一停止リールが左リール3Lであって左リール3Lにおける押下位置が図柄位置「5」であり、第二停止リールが中リール3Cであって中リール3Cにおける押下位置が図柄位置「5」であり、第三停止リールが右リール3Rであって右リール3Rにおける押下位置が図柄位置「5」である場合の例を用いて説明する。
この例では、まず、メインCPU31は、図22に示した回胴停止初期設定テーブルの回胴停止用番号「14」を参照し、引込優先順位テーブル番号「PLVL04」を取得する。そして、メインCPU31は、図24に示した引込み優先順位選択データ選択テーブルのテーブル番号「PLVL04」を参照し、一般遊技中の引込優先順位選択テーブル番号「15」を取得する。そして、引込優先順位選択テーブルの「115」を参照し、引込優先順位テーブル番号「02」を取得する。そして、引込優先順位テーブルの引込優先順位テーブル番号「02」を参照し、ベルX27〜34(左リールの図柄がリプ1、リプ2)が他のベルよりも優先順位が高いため、左リール3Lに左「リプ1」が停止する。また、中リール3C、右リール3Rについても、同様の処理を行い、引込優先順位テーブル番号「02」を参照し、中リール3Cに「ベル1」が停止し、右リール3Rに「氷1」が停止して、結果として「ベルX27」の図柄の組合せ「リプ1−ベル1−氷1」が停止する。なお、左ベルBが当籤役であって、かつ、ボーナス持越しでない場合には、第一停止リールが左リール3Lであれば、押下位置がどこであっても、ベル役が当籤する。
次に、左ベルBが当籤役であって、かつ、ボーナス持越し時に、第一停止リールが左リール3Lであって左リール3Lにおける押下位置が図柄位置「5」であり、第二停止リールが中リール3Cであって中リール3Cにおける押下位置が図柄位置「5」であり、第三停止リールが右リール3Rであって右リール3Rにおける押下位置が図柄位置「5」である場合の例を用いて説明する。
この例では、メインCPU31は、図22に示した回胴停止初期設定テーブルの回胴停止用番号「14」を参照し、引込優先順位テーブル番号「PLVL04」を取得する。そして、メインCPU31は、図24に示した引込み優先順位選択データ選択テーブルのテーブル番号「PLVL04」を参照し、フラグ間中の引込優先順位選択テーブル番号「16」を取得する。そして、引込優先順位選択テーブルの「116」を参照し、引込優先順位テーブル番号「00」を取得する。そして、引込優先順位テーブルの引込優先順位テーブル番号「00」を参照し、ベルX01〜08(左リールの図柄がベル1、ベル2)がベルX27〜34(左リールの図柄がリプ1、リプ2)などの他のベルよりも優先順位が高いため、左リール3Lに左「ベル1」が停止する。また、中リール3C、右リール3Rについても、同様の処理を行い、中リール3Cに「ベル1」が停止し、右リール3Rに「氷1」が停止して、結果としてベル役の図柄の組合せが停止しない。
また、左ベルB当籤時に、表示可能となるベル役の図柄の組合せは、図18、19に示した抽籤フラグコンビネーションのNo.80〜No.113における「○」が付された図柄の組合せの15通りのみである。さらに、引込優先順位テーブルの引込優先順位テーブル番号「00」を参照することで、ベルX01〜08が高くなり、表示できる図柄の組合せが2パターン(図8に示すベル02、07、図18のNo.81、86)のみとなる。このため、左ベルBが内部当籤役であって、かつ、ボーナス持越し時には、第一停止リールが左リール3Lであっても、押下位置がベル02、07を引き込めない図柄位置であれば、ベル役の図柄の組合せが停止しない。
つまり、本実施形態では、一般遊技中であるかフラグ間(ボーナス役内部当籤後、ボーナス役の図柄の組合せ表示までの間)中であるかに応じて、参照される引込優先順位テーブルを異なるようにし、ボーナス非当籤時は、リールの停止順序の正否に応じて表示され得る図柄の組合せを異ならせ、ボーナス当籤時は、リールの停止順序の正否とは関係なく予め規定された図柄の組合せのみが優先される優先順位テーブルに切り替える。このため、ボーナス役が内部当籤した後のボーナスフラグ間遊技において、ボーナス図柄を揃えてボーナス遊技状態に移行させずに、特定の図柄組合せを表示させることを防止する結果、ボーナスフラグ間遊技において遊技店側に損失が発生してしまうことを防止することができる。
[第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル]
図30、図31を参照して、第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルについて説明する。第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止データテーブルを使用するか変更後の左第一停止後停止テーブルを使用するかを示すデータである。
第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルは、図柄位置と第一回胴第一停止用テーブル変更データ+チェンジステータスの値とに対応付けて、変更後の左第一停止後停止テーブル番号を変更ステータスごとに記憶する。
例えば、主制御回路71は、図柄位置が「03」、第一回胴第一停止用テーブル変更データ+チェンジステータスの値が「30」の場合には、変更後の左第一停止後停止テーブル番号として、「18」を取得し、左第一停止後停止テーブル番号「18」に対応する左第一停止後停止データテーブルを参照する。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止以降の停止テーブルを選択する。
[左第1停止後停止データテーブル]
図32および図33〜図43を参照して、左第1停止後停止データテーブルについて説明する。図32は、左第1停止後停止データテーブルの構成例を示す図である。図33〜図43は、左第1停止後停止データテーブルを示す図である。
図32に示すように、左第1停止後停止データテーブルの構成は、図柄位置「0」〜「20」の各々に対応して、1バイトの停止データを規定している。図32に示す左第1停止後停止データテーブルの例では、1バイトの停止データは、bit0が「第三回胴Bラインデータ」であり、bit1が「第三回胴Bラインデータ」であり、bit2が「第三
回胴Cラインデータ」であり、bit3が「第二回胴Bラインデータ」であり、bit4が「第二回胴Aラインデータ」であり、bit5が「第二回胴ライン変更ビット」であり、bit6が「第一、第三回胴の順に停止時 第二停止以降ライン変更ビット、又は第三回胴Cラインデータ」であり、bit7が「第一、第二回胴の順に停止時 第二停止以降ライン変更ビット、又は第二回胴Cラインデータ」である。
図33〜図43の例では、左第1停止後停止データテーブルの一部を例示しているが、実際は、左第1停止後停止データテーブル番号00〜30に対応するテーブルが用意されている。そして、停止データは、リールが停止する位置として図柄位置が適切か否かを示すデータである。停止データが「0」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切でないことを示し、停止データが「1」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切であることを示す。
左第1停止後停止データテーブルが規定する停止データには、「Aライン」の列に対応するビット、「Bライン」の列に対応するビット、「Cライン」の列に対応するビットがある。また、例えば、第一停止リールが左リール3L、第二停止リールが中リール3C、第三停止リールが右リール3Rである場合には、ラインの組合せとして、「Aライン→Aライン→Aライン」の順、「Aライン→Aライン→Bライン」の順、「Aライン→Bライン→Bライン」の順、「Aライン→Cライン→Cライン」の順の4通りがある。すなわち、滑り駒数決定データの決め方を4通り備えている。したがって、同じ停止開始位置であっても、「Aライン」、「Bライン」又は「Cライン」に応じて異なる停止予定位置を決定できる。停止データは、これらのうちの何れを選択すべきかの情報を、「ライン変更ビット」の列に対応するビットを割り当てることによって規定している。
[ラインマスクデータテーブル]
図44は、ラインマスクデータテーブルを示す図である。ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に対応してラインマスクデータを規定している。遊技者によって操作されたストップボタンが左ストップボタン7Lである場合には、ラインマスクデータ「10000000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが中ストップボタン7Cである場合には、ラインマスクデータ「00010000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが右ストップボタン7Rである場合には、ラインマスクデータ「00000010」が選択される。
[サブROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図45〜図63を参照して、サブCPU81により制御される遊技状態及びナビモード、並びにサブROM82に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[ナビ遊技状態一覧]
まず、図45を参照してナビ遊技状態について説明する。図45は、ナビ遊技状態一覧を示す図である。ナビ遊技状態0〜4は、報知演出(ナビ)の態様やARTストックの有無等に応じてそれぞれ区別される。ナビ遊技状態0は、ARTストックがない状態でナビが発生しない(報知演出が実行されない)遊技状態である。ナビ遊技状態1は、ARTストックの発生に応じてナビ遊技状態0から移行する時にのみ発動する遊技状態である。ナビ遊技状態1においては、実質的にはナビが発生しない。ナビ遊技状態2は、ARTストックがある状態でナビ準備モード(前兆)として実行される遊技状態である。ナビ遊技状態2においても、実質的にはナビが発生しない。ナビ遊技状態3は、ARTストックがある状態で押し順リプ(上げリプ)のナビが発生する遊技状態である。押し順リプ(上げリプ)とは、停止操作の順序が遊技者に対して報知され、その順序が正解の場合に「上げリプレイ」に対応する図柄の組合せが揃う一方、不正解の場合には「上げリプレイ」に対応する図柄の組合せが揃わないことを意味する。ナビ遊技状態4は、ARTストックがある状態で実質的なアシスト機能による指示(ナビゲーム)が発生し、その発生毎にナビゲーム数の減算を行う遊技状態である。ナビゲーム数は、ARTストックが1個(セット)当たり例えば30回として与えられるものである。すなわち、ARTストックは、ナビゲームが許容されるセット数として与えられるものである。ARTストックは、以下に説明するナビモードに応じて各種のAT抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される。
[ナビモード一覧]
図46を参照してナビモードについて説明する。図46は、ナビモード一覧を示す図である。パチスロ1は、ナビモードとして、ナビモード0〜8を有する。ナビモード0〜8は、後述の図47〜図50に示すナビモード移行抽籤テーブルや、図51〜図59に示すATストック抽籤テーブルに規定されるものであって、ナビ遊技状態0〜4において当籤役毎にARTストック数の抽籤確率に変化を生じさせるためのものである。ナビモード0は、ストックなしのナビモードである。ナビモード1〜8は、ARTストックの発生時において、それぞれストック発生レベル1〜8となるナビモードである。ストック発生レベル1〜8は、番号が大きくなるほど基本的にARTストックの当籤確率が高くなることを意味しており、すなわち番号が大きくなるほどARTストックが発生しやすいことを意味している。
[ボーナス非当籤ナビモード移行抽籤テーブル]
図47は、ボーナス非当籤ナビモード移行抽籤テーブルを示す図である。ボーナス非当籤ナビモード移行抽籤テーブルは、設定1〜4毎に、当籤役に対してナビモードの移行先を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。当籤役としては、「ハズレ」及び複数の小役(「共通ベル」、「氷A」、「氷B」、「チャンスリプB」、「チェリーA〜C」)が規定されている。ナビモードの移行先としては、ナビモード0,1が規定されている。本実施形態では、各種のナビモード移行抽籤テーブルにおいて、ナビモードの移行先に対して分母の32768に対する分子としての係数によって抽籤確率を規定している。例えば、設定1の場合であって、ボーナス非当籤時に当籤役が「ハズレ」の場合、ナビモードの移行先は、100%の確率でナビモード0に決定される。また、設定1の場合であって、ボーナス非当籤時に当籤役が「共通ベル」の場合、ナビモードの移行先は、100%の確率でナビモード1に決定される。また、設定1の場合であって、ボーナス非当籤時に当籤役が「氷A」の場合、ナビモードの移行先は、略98%の確率でナビモード0に決定され、略2%の確率でナビモード1に決定される。
[ボーナス終了時ナビモード移行抽籤テーブル]
図48は、ボーナス終了時ナビモード移行抽籤テーブルを示す図である。ボーナス終了時ナビモード移行抽籤テーブルは、設定1〜4毎に、MB終了時のナビモード0,1と終了MB種(MB1,MB2、MB3)とに対してナビモードの移行先を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ナビモードの移行先としては、ナビモード0,1が規定されている。例えば、設定1の場合であって、ボーナス遊技状態がMB1又はMB2でその終了時にナビモード0の場合、ナビモードの移行先は、50%の確率でナビモード0に決定され、50%の確率でナビモード1に決定される。また、設定1の場合であって、ボーナス遊技状態がMB3でその終了時にナビモード0の場合、ナビモードの移行先は、100%の確率でナビモード1に決定される。
[ナビゲーム数セット時ナビモード移行抽籤テーブル]
図49は、ナビゲーム数セット時ナビモード移行抽籤テーブルを示す図である。ナビゲーム数セット時ナビモード移行抽籤テーブルは、設定1〜4毎に、ドンリプカウンタ(ドン制御リプ揃いカウンタ)の計数値に対してナビモードの移行先を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ドンリプカウンタは、MB1,MB2中に「ドン制御リプレイ(ドン揃いリプレイ)」が当籤するたびに「1」加算され、最大「3」まで加算されるカウンタである。ドンリプカウンタは、ドン制御リプレイの非当籤時、及びMB1,MB2終了時にクリアされる。すなわち、ドンリプカウンタは、「ドン制御リプB」及び「ドン制御リプC」に対応する図柄の組合せ(ドン−ドン−ドン)が有効ラインに沿って何回連続して表示されたかを実質的に計数するカウンタであり、計数結果として1〜3の数値をクリアするまで保持する。ナビモードの移行先としては、ナビモード4〜8が規定されている。例えば、設定1の場合であって、ナビゲーム数セット時にドンリプカウンタの値が1の場合、ナビモードの移行先は、略74%の確率でナビモード4に決定され、略11%の確率でナビモード5に決定され、略13.5%の確率でナビモード6に決定され、略1%の確率でナビモード7に決定され、略0.5%の確率でナビモード8に決定される。また、設定1の場合であって、ナビゲーム数セット時にドンリプカウンタの値が2の場合、ナビモードの移行先は、ナビモード4,5に決定されることはなく、略95%の確率でナビモード6に決定され、略4.5%の確率でナビモード7に決定され、略0.5%の確率でナビモード8に決定される。また、設定1の場合であって、ナビゲーム数セット時にドンリプカウンタの値が3の場合、ナビモードの移行先は、ナビモード4〜7に決定されることはなく、100%の確率でナビモード8に決定される。
[ナビゲーム数0時ナビモード移行抽籤テーブル]
図50は、ナビゲーム数0時ナビモード移行抽籤テーブルを示す図である。ナビゲーム数0時ナビモード移行抽籤テーブルは、設定1〜4毎に、ナビゲーム数が0となった時点でナビモードの移行先を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ナビモードの移行先としては、ナビモード0,1が規定されている。例えば、設定1の場合であって、ナビゲーム数が0となった場合、ナビモードの移行先は、略90%の確率でナビモード0に決定され、略10%の確率でナビモード1に決定される。また、設定2の場合であって、ナビゲーム数が0となった場合、ナビモードの移行先は、略89%の確率でナビモード0に決定され、略11%の確率でナビモード1に決定される。また、設定3の場合であって、ナビゲーム数が0となった場合、ナビモードの移行先は、略88%の確率でナビモード0に決定され、略12%の確率でナビモード1に決定される。また、設定4の場合であって、ナビゲーム数が0となった場合、ナビモードの移行先は、略87%の確率でナビモード0に決定され、略13%の確率でナビモード1に決定される。
[ボーナス非当籤時ATストック抽籤テーブル]
図50〜57は、ボーナス非当籤時ATストック抽籤テーブルを示す図である。ボーナス非当籤時ATストック抽籤テーブルは、設定1〜4毎に、ボーナス非当籤時における移行先のナビモードと当籤役とに対してATストック数(ARTストック数)を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ボーナス非当籤時のナビモードとしては、ナビモード0〜8が規定されている。当籤役としては、「ハズレ」又は次に列挙する以外の役、「氷B」、「チェリーB」、「チェリーC」、「チャンスリプB」が規定されている。ATストック数とは、ナビゲームのゲーム数30回を1個(セット)として付与されるものであり、1個、2個、3個、5個、7個が規定されている。本実施形態では、各種のATストック抽籤テーブルにおいて、ナビモードの移行先に対して分母の32768に対する分子としての係数によって抽籤確率を規定している。例えば、図51に示すように、設定1の場合であって、ナビモード0で当籤役が「ハズレ」の場合、ATストック数は決定されることがなく、ナビモード0で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略8%の確率で1個、略2%の確率で2個、略1.5%の確率で3個、略0.75%の確率で5個、略0.75%の確率で7個に決定される。また、図52に示すように、設定1の場合であって、ナビモード1〜3で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略32%の確率で1個、略14%の確率で2個、略2%の確率で3個、略1%の確率で5個、略1%の確率で7個に決定される。また、図53に示すように、設定1の場合であって、ナビモード4で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略39.5%の確率で1個、略0.5%の確率で2個、略0.5%の確率で3個、略0.5%の確率で5個に決定され、7個に決定されることがない。また、図54に示すように、設定1の場合であって、ナビモード5で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略66%の確率で1個、略8%の確率で2個、略0.5%の確率で3個、略0.5%の確率で5個に決定され、7個に決定されることがない。また、図55及び図56に示すように、設定1の場合であって、ナビモード6やナビモード7で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略75%の確率で1個に決定され、2個、3個、5個、7個に決定されることがない。また、図57に示すように、設定1の場合であって、ナビモード8で当籤役が「氷B」の場合、ATストック数は、略50%の確率で1個、略45%の確率で2個、略3%の確率で3個、略2%の確率で5個に決定され、7個に決定されることがない。
[ボーナス当籤時ATストック数抽籤テーブル]
図58及び図59は、ボーナス当籤時ATストック数抽籤テーブルを示す図である。ボーナス当籤時ATストック数抽籤テーブルは、ボーナス当籤時における移行先のナビモード1〜8(MODE0〜8)毎に、ボーナス当籤時の当籤役及び演出内容に対してATストック数(ARTストック数)を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ボーナス当籤時の当籤役及び演出内容としては、「MB3」、「MB1」、「MB2」、「MB1+チェリーD」、「MB2+チェリーD」、「MB1+ロック演出」、「MB2+ロック演出」が規定されている。ATストック数は、1〜5個が規定されている。例えば、図58に示すように、ナビモード0の場合であって、当籤役が「MB3」、「MB2」、「MB1」のうちのいずれか単独である場合、ATストック数は、略1%の確率で1個、略0.5%の確率で2個、略0.3%の確率で3個、略0.2%の確率で5個に決定され、4個に決定されることがない。また、図59に示すように、ナビモード0の場合であって、当籤役が「MB1+チェリーD」又は「MB2+チェリーD」の場合、ATストック数は、略94%の確率で1個、略5%の確率で2個、略0.5%の確率で3個、略0.5%の確率で5個に決定され、4個に決定されることがない。ナビモード0の場合であって、当籤役及び演出内容が「MB1+ロック演出」又は「MB2+ロック演出」の場合、ATストック数は、100%の確率で3個に決定され、1個、2個、4個、5個に決定されることがない。
[ボーナス中ATストック数抽籤テーブル]
図60は、ボーナス中ATストック数抽籤テーブルを示す図である。ボーナス中ATストック数抽籤テーブルは、ボーナス中におけるドン制御リプカウンタ(ドンリプカウンタ)の計数値に対してATストック数(ARTストック数)を抽籤により決定するための抽籤確率を規定している。ドン制御リプカウンタの計数値としては、1〜3が規定されている。ATストック数は、1〜3個が規定されている。例えば、ドン制御リプカウンタの計数値が1〜3のいずれかの場合、ATストック数は、略99.988%の確率で1個、略0.006%の確率で2個、略0.006%の確率で3個に決定される。
[サブ用各遊技状態用内部抽籤テーブル]
図61〜図63は、サブ用各遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。サブ用各遊技状態用内部抽籤テーブルは、図15に示す内部抽籤テーブルと同様の内容として、各遊技状態毎に当籤番号と抽籤値とを規定しており、さらに、各遊技状態毎に計算用配当枚数に応じて当籤役別期待値を規定している。当籤役別期待値とは、当該当籤役の抽籤確率に計算用配当枚数を乗算して求められる値、すなわち当籤役毎に実質的に獲得できる見込みのメダルの純増枚数である。つまり、各遊技状態毎に全ての当籤役(当籤番号1〜63)に対応する当籤役別期待値を総計することにより、各遊技状態のナビゲーム時における推計値としてのメダルの純増枚数を求めることができる。
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
次に、図64〜図70を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。なお、各種格納領域は、メインRAM33に設けるとともに副制御回路72のサブRAM83にも設けるようにしてもよい。
[内部当籤役格納領域]
図64は、内部当籤役(当たり要求フラグ)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域31を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。
[持越役格納領域]
図65は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてMB1が決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
[遊技状態フラグ格納領域]
図66は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、RT0遊技状態である場合には、ビット0に「1」が格納される。ここで、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグを示すデータに応じて、前述した図15に示す内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。例えば、ビット0に「1」が格納された場合には、RT0用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。
[RT作動図柄格納領域]
図67は、RT作動図柄を示すデータが格納されるRT作動図柄格納領域を示す。表示されたRT作動図柄が対応する領域に格納される。例えば、RT0リプレイに対応する図柄の組合せ「ベル1−ベル1−リプ1」が停止表示された場合には、RT作動図柄格納領域1のビット1を「1」に更新する。
[押下順序格納領域]
図68は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット6及び7に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット6及び7のうち、ビット6を「0」に更新し、ビット7を「1」のまま維持する。
[作動ストップボタン格納領域]
図69は、今回押されたストップボタン7L,7C,7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。なお、作動ストップボタン格納領域には、押す操作が有効なストップボタン7L,7C,7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータも格納される。本実施形態では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット5〜7に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rを識別する。また、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット1〜3に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L、7C、7Rを識別する。
[引込優先順位データ格納領域]
図70は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が有効ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである。
また、メインRAM33及びサブRAM83には、特に図示しないが、その他の格納領域として、表示役格納領域の他、後述の遊技終了時刻保存領域、電断発生時刻保存領域、起動時刻保存領域、各種カウンタの値を格納する領域が設けられている。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図71〜図96を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行される処理の内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図71を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示すメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、後述の図72に示す電源投入時の初期化処理を行い(S1)、S2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更や数値変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
次に、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等に格納されたデータをクリアする。そして、メインCPU31は、後述の図73に示すメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S4)。このS4の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図74参照)において使用される。続いて、メインCPU31は、後述の図74に示す内部抽籤処理を行う(S5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納するリール停止初期設定処理(後述の図75参照)を行う(S6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて各種の演出を行うことができる。
次に、メインCPU31は、ウェイト処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、前回の遊技開始から所定の時間(例えば、4.1秒)経過するまで待機する。続いて、メインCPU31は、リール回転開始処理を行う(S9)。このリール回転開始処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
そして、メインCPU31は、引込優先順位格納処理(後述の図76参照)を行う(S10)。この処理では、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU31は、後述の図79に示すリール停止制御処理を行う(S11)。続いて、メインCPU31は、入賞検索処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU31は、後述の図87に示すメダル払出処理を行う(S13)。このメダル払出処理において、メインCPU31は、S12で決定された払出枚数等に基づいてメダルの払出動作を制御することをホッパー駆動回路41に対して要求する。続いて、メインCPU31は、表示コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
次に、メインCPU31は、後述の図91に示す差枚数算出処理(メイン)を行う(S14)。続いて、メインCPU31は、払出終了コマンド送信処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、払出終了コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。払出終了コマンドは、S13のメダル払出処理を経てホッパー40による払出枚数分のメダルの払出動作が終了したことを示すコマンドであり、メダルの払出枚数に加え、S14において算出された差枚数(メイン)等の情報を含む。通信データ格納領域に格納された払出終了コマンドは、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、差枚数(メイン)を用いた各種の演算を行うことができる。また、副制御回路72は、払出音の出力等を制御することができる。
次に、メインCPU31は、後述の図92に示すボーナス終了チェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU31は、後述の図93に示すボーナス作動チェック処理を行い(S17)、続いて、メインCPU31は、後述の図94に示すRT制御処理を行う(S18)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。
次に、メインCPU31は、メインRTC38から現在時刻を取得し、当該現在時刻をメインRAM33の遊技終了時刻保存領域へ保存する(S19)。遊技終了時刻領域に保存された現在時刻は、メダル受付・スタートチェック処理(後述の図73参照)において使用される。続いて、メインCPU31は、S2に戻って一連の処理を繰り返し行う。
[電源投入時の初期化処理]
図72を参照して、メインCPU31による電源投入時の初期化処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、出力ポートの初期化を行う(S21)。次に、メインCPU31は、例えば6000.40ms経過するまで副制御回路72の立ち上がりを待ち(S22)、その後、メインRAM33のサム値チェックを行う(S23)。
次に、メインCPU31は、メインRAM33のサム値に異常がないか否か、設定スイッチがオンか否か、電断発生フラグがオフか否かといった事項についてチェックを行う(S23)。電断発生フラグは、後述の図96に示す電断割込処理においてオンとなる。なお、電断発生フラグは、工場出荷前のヴァージン状態で最初に電断が検知されるまではオフであるが、基本的に一旦オンになるとオフになることがない。
S23のチェックを行った結果、メインRAM33のサム値に異常がなく、設定スイッチがオンであり、かつ、電断発生フラグがオフの場合、すなわち、正常な状態でホール係員により設定値の変更操作が行われ場合、メインCPU31は、S25に移る。一方、メインRAM33のサム値に異常がある場合、又は、設定スイッチがオフの場合、若しくは、電断発生フラグがオンの場合、メインCPU31は、S30に移る。
S25において、メインCPU31は、設定値変更処理を行う。この処理では、メインRAM33の設定値格納領域にセットされた設定値が更新される。
次に、メインCPU31は、設定変更時の領域初期化処理を行う(S26)。この処理では、メインRAM33における設定値格納領域以外の格納領域が初期化される。
次に、メインCPU31は、メインRTC38の初期設定を行う(S27)。この処理では、メインRTC38に対して予め定められたデフォルト値としての基準時刻、例えば1012/01/01 00:00:00がセットされる。
次に、メインCPU31は、メインRAM33における遊技終了時刻保存領域及び電断発生時刻保存領域の初期化を行う(S28)。この処理では、メインRTC38にセットされたものと同じ基準時刻が遊技終了時刻保存領域及び電断発生時刻保存領域にセットされる。
その後、メインCPU31は、設定変更コマンド送信処理を行う(S29)。この処理において、メインCPU31は、設定変更コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。設定変更コマンドは、更新された設定値等の情報を含み、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、設定値に応じた報知演出等を行うことができる。その後、メインCPU31は、S34に移る。
S23において、チェックを行った結果、メインRAM33のサム値が正常で、設定スイッチがオフであり、かつ、電断発生フラグがオンの場合、メインCPU31は、メインRTC38から現在時刻を取得する(S30)。続いて、メインCPU31は、メインRAM33の電断発生時刻保存領域に保存されている時刻を電断発生時刻として電断発生時刻保存領域から取得する(S31)。
次に、メインCPU31は、取得した現在時刻から電断発生時刻を減算して求めた時間と、予め定められた規定の電源OFF時間とを比較し、減算して求めた時間が規定の電源OFF時間を超えるか否かを判定する(S32)。ここで、電源OFF時間は、ホールの営業終了時に電源をオフとしてから翌日に電源オンとされるまでに相当する比較的長い時間継続して電源オフであったか否かを判定するために規定されたものである。電源OFF時間は、例えば5時間程度として規定されている。すなわち、現在時刻から電断発生時刻を減算して求めた時間が電源OFF時間を超える場合は、CPU31により通常の運用開始時において電源投入された状態と判断される。
S32において、現在時刻から電断発生時刻を減算して求めた時間が電源OFF時間を超える場合、すなわち通常の運用開始時に電源投入された状態と判断した場合、メインCPU31は、メインRAM33の差枚数カウンタをクリアするとともに(S33)、メインRAM33の電断発生フラグをクリアする(S34)。
S32において、現在時刻から電断発生時刻を減算して求めた時間が電源OFF時間を超えていない場合、メインCPU31は、S34に移る。すなわち、例えば営業中の比較的短い時間内(例えば5時間以内)に電源オフから電源オンに切り替えられたような場合があって、これによりメインCPU31が通常の運用開始時とは異なる時点で電源投入されたと判断した場合は、差枚数カウンタの値がクリアされることなくそのまま維持される。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図73を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入要求があるか否かについてチェックを行う(S41)。これは、メインRAM33の自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別することによって行われる。自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、リプレイ入賞となった単位遊技において投入されたメダルの投入枚数と同じ数が自動投入カウンタに計数される。すなわち、自動投入カウンタの値が「0」とは、前遊技にてリプレイが入賞せず、自動投入要求がなかったことを意味する。一方、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外で自動投入要求がある場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入処理を行い(S42)、その後S53に移る。
S42において、メインCPU31は、自動投入処理を行う。この処理において、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。投入枚数カウンタは、自動投入あるいは遊技者による投入操作を経て投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
S41において、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」で自動投入要求がなかった場合、メインCPU31は、メダル受付を許可し(S43)、続いて、S44の処理を行う。
S44において、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態において、メインCPU31は、全ての遊技状態で投入枚数の最大値を「3」にセットする。
次に、メインCPU31は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(S45)。この判別がYESの場合、メインCPU31は、次にS46の処理を行い、NOの場合、メインCPU31は、S53に移る。
S46において、メインCPU31は、メインRTC38から現在時刻を取得する。続いて、メインCPU31は、メインRAM33の遊技終了時刻保存領域から遊技終了時刻を取得し、取得した遊技終了時刻を現在時刻から減算した算出時間を求める(S47)。そして、メインCPU31は、算出時間と、予め定められた規定の無操作時間とを比較し、算出時間が無操作時間を超えるか否かを判定する(S48)。ここで、無操作時間は、電源オン状態で遊技者による操作がある程度の時間継続して無かったか否かを判定するために規定されたものである。無操作時間は、前述の電源OFF時間よりも短い時間として、例えば1〜3時間程度として規定されている。すなわち、算出時間が無操作時間を超える場合は、CPU31により遊技者が遊技を初めて開始した状態と判断される。
S48において、算出時間が無操作時間を超える場合、すなわち遊技者が遊技を初めて開始した状態と判断した場合、メインCPU31は、メインRAM33の差枚数カウンタをクリアし(S49)、その後、S50に移る。
S48において、算出時間が無操作時間を超えていない場合、メインCPU31は、S45に戻る。すなわち、すなわち継続して遊技が行われているような場合は、差枚数カウンタの値がクリアされることなくそのまま維持される。
S50において、メインCPU31は、メダル投入チェック処理を行う。この処理において、メインCPU31は、メダルセンサ42Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンド送信処理を行う(S51)。この処理では、メインCPU31は、メダル投入コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。メダル投入コマンドは、メダルの投入枚数等の情報を含み、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。
続いて、メインCPU31は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(S52)。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」であるか否かを判別する。本実施形態では、遊技開始可能枚数として、2枚または3枚が設定されている。これは、メダルの投入枚数が2枚または3枚で、遊技を開始させることが可能であることを意味している。このとき、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」である場合、メインCPU31は、次にS53の処理を行い、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」でない場合、メインCPU31は、S45の処理に戻る。
S53において、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的に、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合、メインCPU31は、メダル受付を禁止し(S54)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。S53において、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合、メインCPU31は、S45に戻る。
[内部抽籤処理]
図74を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンでない場合には、遊技状態と掛け枚数に応じた内部抽籤テーブルをセットし(S61)、S62に移る。続いて、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S62)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S63)。続いて、メインCPU31は、減算結果が「0」未満(負)であるか否かを判別する(S64)。このとき、減算結果が負である場合、メインCPU31は、当籤番号に対応する小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(S68)、次にS69の処理を行う。減算結果が負でない場合には、メインCPU31は、次にS65の処理を行う。
S65において、メインCPU31は、乱数値を更新するとともに当籤番号を更新する。具体的に、メインCPU31は、乱数値をS63で減算した後の値に更新するとともに、未だチェックしていない当籤番号に更新する。続いて、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(S66)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合、メインCPU31は、データポインタに「0」をセットし(S67)、S69に移る。全ての当籤番号をチェックしていない場合、メインCPU31は、S63に移る。
S69において、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納する(S70)。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域が「0」であるか判別する(S71)。この結果、持越役格納領域が「0」である場合、メインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S72)。
次に、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納し(S73)、その後S74に進む。S71において、持越役格納領域が「0」でない場合、メインCPU31は、S74に移る。S74において、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する。その後、メインCPU31は、回胴ロック演出抽籤処理を行い(S75)、内部抽籤処理を終了する。回胴ロック演出抽籤処理では、当籤役に応じてロック演出のパターンが選択決定される。ロック演出中には、遊技の操作を受け付けない期間に、リール3L,3C,3Rの回転による演出を行う。
[リール停止初期設定処理]
図75を参照して、メインCPU31が内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納する処理の手順を示したリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて回胴停止用番号を取得する(S81)。なお、回胴停止用番号選択テーブルとは、データポインタに対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S82)。例えば、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号等を取得する。
そして、メインCPU31は、図柄コード格納領域に回転中の識別子を格納する(S83)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットをオンする。その後、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S84)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L,7C,7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納される。
[引き込み優先順位格納処理]
図76を参照して、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する処理の手順を示した引込優先順位格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(S91)。続いて、メインCPU31は、検索対象リール決定処理を行う(S92)。この処理では、回転中のリール3L,3C,3Rのうちで最も左側のリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU31は、後述の図77に示す引込優先順位テーブル選択処理を行う(S93)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数に「21」、検索図柄位置に「0」をセットする(S94)。次に、メインCPU31は、後述の図78に示す図柄コード格納処理を行う(S95)。
次に、メインCPU31は、S95において取得された図柄コードと図柄コード格納領域とに基づいて、表示役格納領域を更新する(S96)。続いて、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を行う(S97)。この処理において、メインCPU31は、表示役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役であって、内部当籤役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役について、S93で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(S98)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数を「1」減算し、検索図柄位置を「1」加算する(S99)。
次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(S100)。この判別がYESの場合、メインCPU31は、S101の処理を行い、NOの場合、S95の処理に戻る。この処理では、図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。S101において、メインCPU31は、検索回数分検索したか否か判別する。この判別がYESの場合、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了し、NOの場合、S92の処理に戻る。この処理では、全リールについて検索が行われたかを判別している。
[引き込み優先順位テーブル選択処理]
図77を参照して、引込優先順位を選択するための引込優先順位テーブルを選択する引込優先順位テーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号がセットされているか否か判別する(S111)。この判別がNOの場合、メインCPU31は、続いて、S112の処理を行い、YESの場合、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
S112において、メインCPU31は、押下順序格納領域、作動ストップボタン格納領域を参照し、対応する引込優先順位テーブル番号をセットし、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
[図柄コード格納処理]
図78を参照して、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(S121)。本実施形態では、有効ラインが1ラインのみであるため、1ライン(「中段−中段−中段」)をセットする。そして、メインCPU31は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(S122)。続いて、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(S123)、図柄コード格納処理を終了する。
[リール停止制御処理]
図79を参照して、メインCPU31が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されたか否かを判別する(S131)。このとき、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押された場合、メインCPU31は、続いて、S132の処理を行う。有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されていない場合、メインCPU31は、再びS131の処理を行う。
S132において、メインCPU31は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(S133)。続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S134)。
次に、メインCPU31は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する(S135)。続いて、メインCPU31は、後述の図80に示す滑り駒数決定処理を行う(S136)。この処理において、メインCPU31は、停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する。
続いて、メインCPU31は、リール停止コマンド送信処理を行う(S137)。この処理において、メインCPU31は、リール停止コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数とに基づいて、検索対象リールの停止予定位置を決定し、当該停止予定位置を格納する(S138)。続いて、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットし(S139)、図78で説明した図柄コード格納処理を行う(S140)。そして、メインCPU31は、S140において取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S141)。
続いて、メインCPU31は、特定の停止位置であった場合に、リール停止制御情報群を更新する制御変更処理(後述の図85参照)を行う(S142)。次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるか否か判別する(S143)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合(第3停止時でない場合)、メインCPU31は、図76で説明した引込優先順位格納処理を行い(S144)、その後S81の処理に戻る。
すなわち、パチスロ1では、次のリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だに回転しているリール3L,3C,3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。一方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合、メインCPU31は、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。
[滑り駒数決定処理]
図80を参照して、メインCPU31が停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する処理の手順を示した滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、作動ストップボタンに基づいて、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータを選択する処理を行う(S151)。そして、メインCPU31は、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が2)であるか否かを判別する(S152)。このとき、第1停止時である場合、メインCPU31は、続いて、S153の処理を行い、第1停止時でない場合、メインCPU31は、続いて、S154の処理を行う。
S153において、メインCPU31は、後述の図81に示す第2・第3停止処理を行い、その後S161の処理を行う。また、S154において、メインCPU31は、操作されたストップボタンが左ストップボタンであるか否かを判別する。このとき、操作されたストップボタンが左ストップボタンである場合、左第1停止用停止テーブル及び図柄カウンタを取得する(S155)。そして、メインCPU31は、対応する左第1停止用停止テーブルを参照し、図柄カウンタに基づいて、滑り駒数決定データ及びチェンジステータスを取得し(S156)、その後S161の処理を行う。
S154において、操作されたストップボタンが左ストップボタンでない場合、メインCPU31は、テーブル番号選択値を取得し、対応するランダム用停止データ番号をセットし(S157)、後述の図82に示すライン変更ビットチェック処理を行う(S158)。そして、メインCPU31は、後述の図83に示すラインマスクデータ変更処理を行い(S159)、セットされたランダム用停止データ番号を参照し、ラインマスクデータに基づいて、滑り駒数決定データを取得し(S160)、その後S161の処理を行う。S161において、メインCPU31は、後述の図84に示す優先引込制御処理を行い、滑り駒数決定処理を終了する。
[第2・第3停止処理]
図81を参照して、第2停止操作の検出及び第3停止操作の検出に基づいた滑り駒数決定データ(仮の滑り駒数)を決定する処理の手順を示した第2・第3停止処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、第2停止操作時であるか否か、すなわち、ストップボタン未作動カウンタが1であるか否かを判断する(S171)。メインCPU31は、S171の判断処理で、第2停止操作時であると判別したとき、さらに、順押しであるか否か、すなわち、第1停止操作時の作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであるか否かを判断する(S172)。
メインCPU31は、S172の判断処理で、順押しであると判別したとき、図82に示すライン変更ビットチェック処理を実行する(S173)。このライン変更ビットチェック処理では、S171及びS172の判別結果から、順押しかつ第2停止操作時に行われ、左第1停止後停止データテーブルが参照される。また、ライン変更ビットチェック処理は、「Aライン」から「Bライン」に変更するか否かを判断するための処理である。
そして、メインCPU31は、S171の判断処理で第2停止操作時でないと判別したとき、S172の判断処理で順押しでない判別したとき、又はS173の処理を実行したとき、図83に示すラインマスクデータ変更処理を実行する(S174)。その後、メインCPU31は、滑り駒数検索処理を実行し(S175)、第2・第3停止処理を終了する。具体的に、メインCPU31は、選択されている左第1停止後停止データテーブルや変則押し時停止テーブル(図示省略)を参照して、滑り駒数決定データを決定する。なお、上述したS107の判断処理で順押しでないと判別したとき、すなわち、変則押しであると判別したときには、変則押し時停止テーブルがセットされる。
[ライン変更ビットチェック処理]
図82を参照して、図柄位置データと停止操作順をチェックするライン変更ビットチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、Cラインビットがオンであるか判断する(S181)。この結果、Cラインがオンである場合、メインCPU31は、Cラインステータスをセットし(S182)、ライン変更ビットチェック処理を終了する。Cラインステータスとは、順押し時の第3停止時において参照する停止データのビットを「Cライン」の列に変更することを指定するためのデータである。
すなわち、Cラインステータスは、左第1停止後停止データテーブルにおいて、bit7が示す「第一、第二回胴の順に停止時 第二停止以降ライン変更ビット、又は第二回胴Cラインデータ」に変更したり、bit6が示す「第一、第三回胴の順に停止時 第二停止以降ライン変更ビット、又は第三回胴Cラインデータ」に変更したりすることを指定するためのデータである。
例えば、左ストップボタン7L、中ストップボタン7Cの順に操作された場合には、左第1停止後停止データテーブルにおけるbit7を参照し、左ストップボタン7L、中ストップボタン7Cの順に操作された場合には、左第1停止後停止データテーブルにおけるbit6を参照し、対応するビット位置に「1」がたっていたら、Cラインに変更する。また、Cラインに変更と同時に、その「1」が立っている図柄位置で停止する。
メインCPU31は、S181の判断処理で、Cラインがオンでないと判別した場合には、ライン変更ビットがオンであるか判断する(S183)。すなわち、作動ストップボタンに応じてチェック用に変更したラインマスクデータと、停止開始位置に対応する1バイト分の停止データとの論理積が1であるか否かを判断する。論理積が1である場合、メインCPU31は、S183の判断処理でライン変更ビットがオンであると判別する。一方、論理積が0である場合、メインCPU31は、S183の判断処理で、ライン変更ビットがオンでないと判別する。
この結果、メインCPU31は、ライン変更ビットがオンである場合、Bラインステータスをセットし(S184)、ライン変更ビットチェック処理を終了する。Bラインステータスは、停止データにおいて参照するビットを「Bライン」の列に変更することを指定するためのデータである。また、メインCPU31は、ライン変更ビットがオンでない場合には、直ちにライン変更ビットチェック処理を終了する。
[ラインマスクデータ変更処理]
図83を参照して、ラインマスクデータ変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ライン変更ビットがセットされているか否かを判断する(S191)。Cラインステータスは、順押し時の第3停止時において参照する停止データのビットを「Cライン」の列に変更することを指定するためのデータである。
この結果、メインCPU31は、ライン変更ビットがセットされていると判断した場合には、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであるか否か、すなわち、第1停止操作時に左ストップボタン7Lが選択され、かつ、第2停止操作時に中ストップボタン7Cが選択されたか否かを判断する(S192)。
この結果、メインCPU31は、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであると判断した場合、ラインマスクデータを右に2回ローテートし(S193)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。例えば、ラインマスクデータ「00000010」を右に2回ローテートすると、「10000000」に変更となる。この変更したラインマスクデータ「10000000」を用いることで、左第1停止後停止データテーブルのbit7「第一、第二回胴の順に停止時 第二停止以降ライン変更ビット、又は第二回胴Cラインデータ」の列を参照できる。
S122において、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cでないと判断した場合、メインCPU31は、ラインマスクデータを左に2回ローテートして(S194)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
S191において、ライン変更ビットがセットされていないと判断した場合、メインCPU31は、Bラインステータスがセットされているか判断する(S195)。この結果、Bラインステータスがセットされていると判断した場合、メインCPU31は、ラインマスクデータを右にローテートし(S196)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。また、Bラインステータスがセットされていると判断した場合には、直ちにラインマスクデータ変更処理を終了する。
[優先引込制御処理]
図84を参照して、メインCPU31が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブルをセットする(S201)。そして、メインCPU31は、検索順序カウンタ及びチェック回数に初期値をセットする(S202)。具体的に、メインCPU31は、検索順序カウンタには、「1」をセットし、チェック回数には、検索順序テーブルのデータ長を値としてセットする。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データに基づいて検索順序テーブルのアドレスを加算し(S203)、検索順序カウンタの値に対応する滑り駒数を取得する(S204)。そして、メインCPU31は、停止開始時予想アドレスに取得した滑り駒数を加算し、引込優先順位データを取得する(S205)。
続いて、メインCPU31は、先に取得された引込優先順位データを超えるか否かを判別する(S206)。このとき、先に取得した優先引込順位データを超える場合、メインCPU31は、滑り駒数を退避し(S207)、続いて、S208の処理を行う。一方、先に取得した優先引込順位データ以下である場合、メインCPU31は、続いて、S208の処理を行う。
S208において、メインCPU31は、チェック回数を「1」減算し、検索順序カウンタを1加算する。続いて、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(S209)。このとき、チェック回数が「0」である場合、メインCPU31は、退避された滑り駒数を復帰させ(S210)、優先引込制御処理を終了する。一方、チェック回数が「0」でない場合、メインCPU31は、S204の処理に戻る。
[制御変更処理]
図85を参照して、制御変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、第3停止後であるか判断する(S211)。この結果、メインCPU31は、第3停止後であると判別した場合、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値の変更ステータスとテーブル番号をセットし(S221)、制御変更処理を終了する。
また、メインCPU31は、第3停止後でないと判別した場合、第2停止後であるか判断する(S222)。この結果、メインCPU31は、第2停止後であると判別した場合、後述の図86に示す第2停止後制御変更処理を行い(S213)、その後S221の処理を行う。
また、メインCPU31は、第2停止後でないと判別した場合、順押しであるか判断する(S214)。この結果、メインCPU31は、順押しであると判別した場合、S215の処理を行う。一方、メインCPU31は、順押しでないと判別した場合、S221の処理を行う。
S215において、メインCPU31は、左第一停止用停止テーブルに応じた第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値を取得し、検索回数をセットする。そして、メインCPU31は、停止予定位置を取得し(S216)、変更対象ポジションを更新する(S217)。
続いて、メインCPU31は、第一回胴第一テーブル変更データが0であるか判別する(S218)。この結果、メインCPU31は、第一回胴第一テーブル変更データが0であると判別した場合、S221の処理を行う。また、メインCPU31は、第一回胴第一テーブル変更データが0でないと判別した場合、第一回胴第一テーブル変更データの値と左第1停止用停止テーブルのチェンジステータスの値を加算する(S219)。
そして、メインCPU31は、第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルの図柄位置に応じた、変更後の左第1停止後テーブル番号をセットし(S220)、優先引込制御処理を終了する。また、S221において、メインCPU31は、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値の変更ステータスとテーブル番号をセットし、優先引込制御処理を終了する。
[第2停止後制御変更処理]
図86を参照して、第2停止後制御変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、順押しであるか否かを判断する(S231)。この結果、メインCPU31は、順押しであると判別した場合、Cライン、又はBラインチェックデータがオンであるか否かを判断する(S232)。
そして、メインCPU31は、Cライン、またはBラインチェックデータがオンであると判別した場合、Cライン、又はBラインステータスをセットし(S233)、第2停止後制御変更処理を終了する。また、S231において、順押しでないと判別した場合、また、S232おいて、Cライン、又はBラインチェックデータがオンでないと判別した場合、メインCPU31は、直ちに第2停止後制御変更処理を終了する。
[メダル払出処理]
図87を参照して、メダル払出処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、入賞作動コマンドの送信登録を行う(S241)。入賞作動コマンドは、表示役の成立やその表示役の種類等を示すコマンドである。入賞作動コマンドは、メインRAM33の通信データ格納領域に格納され、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。
その後、メインCPU31は、入賞作動コマンドの内容、すなわち表示役の種類に基づいてメダルの払い出しがあるか否かを判別する(S242)。メダルの払い出しがないと判別した場合、メインCPU31は、メダル払出処理を終了する。この場合は、ハズレやリプレイが表示役として成立した場合である。
S242において、メダルの払い出しがあると判別した場合、すなわち払出枚数(配当枚数)が規定されたベルやチェリー等が表示役として成立した場合、メインCPU31は、払出時間計測タイマをセットする(S243)。払出時間計測タイマは、規定の払出枚数に対してホッパー40がメダルを1枚ずつ繰り出す際に残り枚数が1枚(残払出枚数1)となるまでの時間を計るためのものである。払出時間計測タイマは、例えばメインCPU31がソフトウェアタイマから計測時間を適宜取得することによって実現される。
次に、メインCPU31は、最大払出枚数に最小払出間隔を乗算することで最大払出総間隔時間を算出する(S244)。最大払出枚数とは、規定された払出枚数(配当枚数)の中で最も大きい数となるものである。最小払出間隔とは、ホッパー40が1枚ずつメダルを繰り出す際に、1枚の払出動作を終えてから次枚の払出動作を開始するまでのいわゆるマージンに相当する時間であり、ホッパー40の仕様に応じて予め定められている。すなわち、最大払出総間隔時間は、ホッパー40が規定された最も多い払出枚数のメダルを払い出す際の払出間隔(マージン)を合計した時間として求められる。なお、ホッパー40の1枚分の払出動作に要する時間(後述のホッパー可動時間)も、ホッパー40の仕様に応じて予め定められている。
続いて、メインCPU31は、算出した最大払出総間隔時間を今回の払出枚数で除算することにより払出間隔時間(T2)を算出する(S245)。払出間隔時間(T2)は、後述の図90に示す払出間隔待機処理において用いられる。ちなみに、ホッパー40による実際の払出枚数が最大払出枚数より少ない枚数となる場合、払出間隔時間(T2)は、最小払出間隔よりも間延びした長い時間となる。こうして算出された払出間隔時間(T2)は、メインRAM33の所定の領域に格納される。
次に、メインCPU31は、クレジット上限チェック処理を行う(S246)。すなわち、メインCPU31は、クレジット枚数が上限(50枚)に達しているか否かを判別する(S247)。クレジット枚数が上限に達している場合、メインCPU31は、後述のS252の払出制御処理(図90参照)に移行する。
S247において、クレジット枚数が上限に達していない場合、メインCPU31は、クレジットカウンタに1を加算し、これに対応するメインRAM33の格納領域の値を更新する(S248)。
次に、メインCPU31は、後述の図88に示すメダル払出枚数チェック処理を行い(S249)、その後、後述の図89に示す払出間隔待機処理を行う(S250)。
次に、メインCPU31は、今回の払出枚数に相当する全てのメダルの払い出しを終了したか否かを判別し(S251)、払い出しを終了している場合、メダル払出処理を終了する。
S251において、払出枚数に相当する全てのメダルの払い出しを終了していない場合、メインCPU31は、S246に戻る。
S252において、メインCPU31は、後述の図90に示す払出制御処理を行い、その後、メダル払出処理を終了する。このようなメダル払出処理では、クレジット機能やクレジット枚数に応じたメダルの払い出し準備が行われる。
[メダル払出枚数チェック処理]
図88を参照して、メダル払出枚数チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、クレジットカウンタの値をセットする(S261)。その後、メインCPU31は、精算スイッチ12Sからの信号に基づいてクレジットの精算払出時か否かを判別する(S262)。クレジットの精算払出時である場合、メインCPU31は、S267に移行する。
S262において、クレジットの精算払出時でない場合、メインCPU31は、メダルカウンタの値をセットする(S263)。メダルカウンタは、単位遊技の開始前に遊技者により投入(ベット)されたメダルの投入枚数を計数するCPU31の一機能であり、計数された値がメインRAM33の所定の領域に格納される。
次に、メインCPU31は、メダルの投入枚数の精算時か否かを判別する(S264)。これは、図示しない投入返却ボタンを遊技者が操作するのに応じて出力される信号等に基づいて判別される。メダル投入枚数の精算時である場合、メインCPU31は、S267に移行する。
メダル投入枚数の精算時でない場合、メインCPU31は、払出枚数カウンタに1を加算し、これに対応するメインRAM33の格納領域の値を更新する(S265)。払出枚数カウンタは、メダルの払出枚数を計数するものである。
次に、メインCPU31は、払出枚数を7セグ表示器13の払出枚数表示部13Aに表示させる(S266)。
次に、メインCPU31は、表示された払出枚数について減算処理を行う(S267)。この処理によれば、1枚のメダルが払い出される(クレジットされる)毎に7セグ表示器13の払出枚数表示部13Aに表示された払出枚数が1つずつ減るように表示される。このとき、ホッパー40の払出動作あるいはクレジット枚数更新表示によってメダルが1枚ずつ払い出されることとなる。なお、S262においてクレジットの精算払出時である場合や、S264においてメダル投入枚数の精算時である場合、S267の減算処理においては、クレジットカウンタやメダルカウンタの値が減算された上で、クレジットされたメダルや投入された分のメダルがホッパー40の払出動作によって払い出されることとなる。
次に、メインCPU31は、クレジット情報コマンドの送信登録を行い(S268)、メダル払出枚数チェック処理を終了する。クレジット情報コマンドは、クレジット枚数や払出枚数の他、払出音の出力要求等を含むコマンドである。クレジット情報コマンドは、メインRAM33の通信データ格納領域に格納され、後述するメインCPU31の制御による割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。
[払出間隔待機処理]
図89を参照して、払出間隔待機処理について説明する。
まず、メインCPU31は、払出間隔タイプは均等か否かを判別する(S271)。払出間隔タイプとは、メダルの払い出し(クレジット枚数更新表示)を周期的に均等な間隔で行うか、あるいは払出枚数のうちの最後の1枚を払い出す際に払出間隔を強制的に間延び(払い出しを遅延)させることを示す情報である。なお、周期的に均等な間隔で行う場合には、クレジット枚数の加算表示の途中においてクレジット枚数が上限に達することでホッパー40の払出動作に自動的に切り替えられる場合も含む。なお、このような払出間隔タイプは、遊技者の操作に応じて任意に選択可能としてもよいし、あるいは一方を既定のタイプとして予め設定しておいてもよい。また、遊技状態等に応じて払出間隔タイプを適宜切り替えるようにしてもよい。
S271において、払出間隔タイプが均等でない場合、すなわち最後の払い出し(クレジット枚数更新表示)を遅延させる場合、メインCPU31は、後述のS276に移行する。一方、払出間隔タイプが均等である場合、メインCPU31は、総払出時間を総払出枚数(今回の払出枚数)で除算することにより均等待ち時間を算出する(S272)。総払出時間とは、払出枚数とは無関係に予め定められた時間であり、払出枚数の多少を問わず一定の時間に設定されている。これにより、均等待ち時間は、メダルの払い出し周期として求められる。
次に、メインCPU31は、ホッパー40により払出動作を行うか否かを判別する(S273)。ホッパー40により払出動作を行わない場合、すなわちクレジット機能によりクレジット枚数の表示を更新する場合、メインCPU31は、後述のS275に移行する。一方、ホッパー40により払出動作を行う場合、メインCPU31は、S272で得られた均等待ち時間からメダル1枚当たりのホッパー可動時間を減算することにより、ホッパー40の払出動作に応じた均等待ち時間(払出動作時)を算出する(S274)。この均等待ち時間(払出動作時)は、今回の払出枚数に応じて調整されたホッパー40の払出間隔に相当し、今回の払出枚数が少ないほど長い時間となり、払出枚数が多くなるほど短い時間となる。
次に、メインCPU31は、S272で得られた均等待ち時間、あるいはS274で得られた均等待ち時間(払出動作時)を間隔カウントの値としてセットする(S275)。間隔カウントは、後述のS280において払出間隔待ちの時間を計時するために用いられる。
S276において、メインCPU31は、残払出枚数は1枚か否かを判別する。残払出枚数が1枚の場合、メインCPU31は、後述のS278に移行する。一方、残払出枚数が1枚でない場合、メインCPU31は、最小待ち時間を間隔カウントの値としてセットする(S277)。最小待ち時間は、先述の図87のS245において算出した払出間隔時間(T2)に相当する。その後、メインCPU31は、S280に移行する。
S278において、メインCPU31は、図87のS243でセットした払出時間計測タイマを停止させる。その後、メインCPU31は、総払出時間から払出時間計測タイマにより計時された時間を減算した時間を間隔カウントの値としてセットする(S279)。
次に、メインCPU31は、間隔カウントにセットされた値(時間)分だけ払出間隔待ちを行う(S280)。その後、メインCPU31は、払出間隔待機処理を終了する。この払出間隔待機処理では、払出間隔タイプや払出枚数に応じてメダルの払い出し(クレジット枚数更新表示)のタイミングが遅延させられ、払出枚数が少ないほど遅延時間が長くなることとなる。
[払出制御処理]
図90を参照して、払出制御処理について説明する。
まず、メインCPU31は、払出待ちタイマをセットし、ホッパードライブ(ホッパー駆動回路41)をオンに設定する(S281)。払出待ちタイマには、図89のS280においてセットされた間隔カウントの値がセットされる。
次に、メインCPU31は、ホッパードライブにセット出力を行う(S282)。そして、メインCPU31は、ホッパーカウントスイッチがオンか否かを判別する(S283)。ホッパーカウントスイッチは、ホッパー40が実際に払い出したメダルの枚数を計数するためのものである。
S283において、ホッパーカウントスイッチがオフの場合、メインCPU31は、後述のS288に移行する。一方、ホッパーカウントスイッチがオンの場合、メインCPU31は、払出待ちタイマの値を減算する(S284)。
次に、メインCPU31は、払出待ちタイマの値が0となって終了したか否かを判別する(S285)。払出待ちタイマの値が0でない場合、メインCPU31は、S283に戻る。一方、払出待ちタイマの値が0となって終了した場合、メインCPU31は、ホッパーエラーコードをセットする(S286)。
その後、メインCPU31は、エラー処理を行い(S287)、S281に戻る。
S288において、メインCPU31は、先述した図88のメダル払出枚数チェック処理を行う。このメダル払出枚数チェック処理では、ホッパー40の払出動作あるいはクレジット枚数更新表示によってメダルが1枚ずつ払い出されることとなる。
次に、メインCPU31は、今回の払出枚数に相当する全てのメダルの払い出しを終了したか否かを判別し(S289)、払い出しを終了している場合、払出制御処理を終了する。
S289において、払出枚数に相当する全てのメダルの払い出しを終了していない場合、メインCPU31は、払出待ちタイマの経過カウントの値をセットし(S290)、その後、先述した図89の払出間隔待機処理を行う(S291)。この払出間隔待機処理では、メダルの払い出し(クレジット枚数更新表示)のタイミングが遅延させられることとなる。その後、メインCPU31は、S281に戻る。
[差枚数算出処理]
図91を参照して、差枚数算出処理(メイン)について説明する。
初めに、メインCPU31は、入賞役(表示役)がリプレイか否かを判定する(S301)。入賞役は、表示役格納領域のビットをチェックすることで判定される。
S301において、入賞役がリプレイでない場合、すなわち、リプレイ以外のハズレを含む小役等に対応する図柄の組合せが表示役として表示された場合、メインCPU31は、当該表示役に対応するメダルの払出枚数をメイン差枚数カウンタに加算する(S302)さらに、メインCPU31は、表示役が成立した今回の単位遊技において投入されたメダルの投入枚数をメイン差枚数カウンタから減算する(S303)。これにより、メイン差枚数カウンタでは、メインCPU31の演算処理によって初期状態から単位遊技毎に計数された総計値としてのメダルの差枚数(メイン)が得られる。なお、S301において、入賞役がリプレイの場合、メインCPU31は、直ちに差枚数算出処理(メイン)を終了する。これは、リプレイの入賞では差枚数が生じないからである。
次に、メインCPU31は、メイン差枚数カウンタの値が0未満(負)であるか否かを判別する(S304)。このとき、メイン差枚数カウンタの値が負である場合、メインCPU31は、メイン差枚数カウンタの値を0にセットし(S305)、差枚数算出処理(メイン)を終了する。一方、メイン差枚数カウンタの値が0以上の場合、メインCPU31は、そのまま差枚数算出処理(メイン)を終了する。これにより、メイン差枚数カウンタには、メダルの差枚数(メイン)が保持される。なお、メイン差枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に計数結果を保持することにより構成される。
[ボーナス終了チェック処理]
図92を参照して、メインCPU31がボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
まず、メインCPU31は、ボーナス作動中であるか、すなわち、MB1〜MB3の遊技状態フラグがオンであるか否か判別する(S311)。この結果、メインCPU31は、ボーナス作動中でないと判別した場合、ボーナス終了チェック処理を終了する。また、メインCPU31は、ボーナス作動中である場合、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する(S312)。この結果、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さくないと判別した場合、ボーナス終了チェック処理を終了する。
また、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいと判別した場合、MB遊技状態フラグをオフにするMB終了処理を行い(S313)、MB終了時フラグをオンにする。
そして、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータを副制御回路72に送信するボーナス終了時コマンド送信処理を行い(S314)、さらにボーナス終了時の初期化処理を行い(S315)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
図93を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、MB作動中か否か、すなわち、MB1〜MB3の遊技状態フラグがオンであるか否か判別する(S321)。そして、メインCPU31は、MB作動中であると判別した場合、そのままボーナス作動チェック処理を終了する。また、メインCPU31は、MB作動中でないと判別した場合には、MB入賞したか否か、すなわち、MB図柄が表示されたか否かを判別する(S322)。
この結果、メインCPU31は、MBが入賞したと判別した場合、MB作動時処理を行う(S323)。具体的に、MB作動処理では、MB遊技状態フラグをオンにするとともに、MBBの場合にはボーナス終了枚数カウンタに250をセットし、MBRの場合にはボーナス終了枚数カウンタに72をセットする。そして、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアにし(S324)、ボーナス開始コマンド送信処理を行い(S325)、ボーナス作動チェック処理を終了する。ボーナス開始コマンドには、ボーナスの種別を示す情報や、ボーナスの規定終了枚数となるボーナス終了枚数カウンタにセットされた値等が含まれる。
S322において、メインCPU31は、MBが入賞していないと判別した場合、リプレイが入賞したか否かを判別する(S326)。この結果、リプレイが入賞したと判別した場合、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S327)、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方、リプレイが入賞しなかった場合、メインCPU31は、そのままボーナス作動チェック処理を終了する。
[RT制御処理]
図94を参照して、RT遊技状態を更新する処理を示すRT制御処理について説明する。
まず、メインCPU31は、MBB、MBR作動中であるか否かを判別する(S331)。この結果、メインCPU31は、MBB、MBR作動中であると判別した場合、RT制御処理を直ちに終了する。また、メインCPU31は、MBB、MBR作動中でないと判別した場合、MBB、MBR内部当籤中か判別する(S332)。この結果、メインCPU31は、MBB、MBR内部当籤中であると判別した場合、RT制御処理を直ちに終了する。つまり、図柄RT(図柄組合せの表示を契機に開始されるRT)は、ボーナス作動中及び内部当籤中において作動させることができないので、RT遊技状態を更新することなく、RT制御処理を終了させる。
S332において、メインCPU31は、MBB、MBR内部当籤中でないと判別した場合、MBB、MBR終了後であるか、または移行群Aが表示されたか判別する(S333)。この結果、メインCPU31は、MBB、MBR終了後である、又は移行群Aが表示されたと判別した場合、遊技状態をRT0遊技状態に更新して(S334)、RT制御処理を終了する。
S333において、メインCPU31は、MBB、MBR終了後でなく、且つ移行群Aが表示されていないと判別した場合、移行群Bが表示されたか判別する(S335)。この結果、メインCPU31は、移行群Bが表示されたと判別した場合、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(S336)、RT制御処理を終了する。
S335において、メインCPU31は、移行群Bが表示されていないと判別した場合、移行群Cが表示されたか判別する(S337)。この結果、メインCPU31は、移行群Cが表示されたと判別した場合、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(S338)、RT制御処理を終了する。また、メインCPU31は、移行群Cが表示されていないと判別した場合、直ちにRT制御処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
図95を参照して、所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S341)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(S342)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ14S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述の通信データ送信処理(S344)において副制御回路72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L,7C,7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
次に、メインCPU31は、リール制御処理を行う(S343)。例えば、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
次に、メインCPU31は、通信データ送信処理を行う(S344)。この処理において、メインCPU31は、通信データ格納領域に格納された各種のコマンドを副制御回路72へ送信する。本実施形態において、メインCPU31は、設定変更コマンドの他、メダルの投入枚数を含むメダル投入コマンドや、差枚数(メイン)や払出枚数を含む払出コマンド等を送信する。また、払出開始や払出終了に応じて払出音の出力要求や出力停止要求を示すコマンドも送信される。
次に、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(S345)。例えば、メインCPU31は、クレジット枚数、払出枚数等をクレジット枚数表示部13C、払出枚数表示部13B等に表示する。続いて、メインCPU31は、ソフトウェアタイマ更新処理を行う(S346)。この処理では、図71のS8のウェイト処理において用いるタイマや、図87のS243において用いる払出時間計測タイマとしてのソフトウェアタイマを更新する。その後、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(S347)、定期的に行う割込処理を終了する。
[メインCPUの制御による電断割込処理の開始(電断検知)]
図96を参照して、電断検知時に実行する割込処理の手順を示したメインCPU31の制御による電断割込処理について説明する。
電断割込処理は、主制御基板上の電断検知回路(図示略)が例えば4V以下の回路電圧を検知すると外部割込みによる電断割込信号を出力し、この電断割込信号を受信した電圧保持回路(図示略)が例えば10ms程度の時間にわたって回路電圧を保持する間にメインCPU31によって実行される。
まず、メインCPU31は、電断割込信号を受信すると、メインRTC38から現在時刻を取得し、当該現在時刻をメインRAM33の電断発生時刻格納領域に保存する(S351)。これにより、電源オフ毎に主制御基板上の管理情報として電断発生時刻が作成される。
次に、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S352)。続いて、メインCPU31は、スタックポインタの退避を行う(S353)。続いて、メインCPU31は、電断発生フラグをオンとする(S354)。
次に、メインCPU31は、メインRAM33の各格納領域のサム値を算出し、当該サム値をメインRAM33のサム値格納領域に格納する(S355)。続いて、メインCPU31は、メインRAM33の各格納領域に対してリードライトアクセスの禁止をセットし(S356)、電断割込処理を終了する。これにより、パチスロ1では、電源オフ毎に電断発生時刻が管理情報として保存される。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図97〜図118を参照して、副制御回路72により実行されるプログラムの内容について説明する。
[サブCPUの電源投入処理]
図97を参照して、サブCPU81により行われる電源投入処理について説明する。
初めに、電源が投入されると、サブCPU81は、サブCPU初期設定処理を行う。(S361)。この処理において、サブCPU81は、タスクシステムの初期化等を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期等によってスレッド単位にタスク切り替えを行うリアルタイムOSの一機能である。サブCPU81の実行単位となるタスクの種類には、後述の図99に示すマザータスクの他、図98のS425等に示す係員操作処理タスクが含まれる。各タスクは、タイマ割込や優先割込等に応じてサブCPU81により実行される。なお、特に図示説明しないが、サブCPU初期設定処理において電断時のバックアップデータを復帰させる必要がある場合、サブCPU81は、電断復帰処理を行う。
続いて、サブCPU81は、マザータスクの起動要求処理を行う(S362)。マザータスクには、後述の図99に示すように、メインタスク起動要求、主基板通信タスク起動要求、アニメタスク起動要求、リミット処理タスク起動要求等が含まれる。
次に、サブCPU81は、サブRAM83のサム値チェック処理を行い(S363)、サブRAM83のサム値に異常があるか否か確認する(S364)。サブRAM83のサム値に異常がある場合、サブCPU81は、サム値異常エラー登録処理を行い(S365)、電源投入処理を終了する。このサム値異常エラー登録処理では、液晶表示装置5にエラーメッセージ等を表示させるためのエラー表示データがセットされる。一方、サブRAM83のサム値に異常がない場合、サブCPU81は、そのまま電源投入処理を終了する。
[サブCPUの電断割込処理]
図98を参照して、サブCPU81により行われる電断割込処理について説明する。
図98に示す電断割込処理は、副制御基板上の電断検知回路(図示略)が例えば4.5V以下の回路電圧を検知すると電断検知信号を出力し、この電断検知信号がサブCPU81の外部割込ポートに入力することによって実行される。サブCPU81は、電断検知信号を受信すると、サブRTC81aから現在時刻を取得し、当該現在時刻をサブRAM83の電断発生時刻保存領域に保存する(S371)。その後、サブCPU81は、電断割込処理を終了する。これにより、電源オフ毎に副制御基板上の管理情報として電断発生時刻が作成される。
[マザータスク]
図99を参照して、サブCPU81により行われるマザータスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メインタスクの起動要求を行う(S381)。メインタスクには、ランプ制御タスクやサウンド制御タスクが含まれる。メインタスクが起動されると、サブCPU81は、例えば2ms毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージに応じてランプ14の点灯状態を制御する処理や、スピーカ9L,9Rからの出音状態を制御する処理を行う。
次に、サブCPU81は、後述の図100に示す主基板通信タスクの起動要求を行う(S382)。主基板通信タスクが起動されると、サブCPU81は、主制御回路71から送信されるコマンドデータに基づいて、演出を制御するための演出データをセットする。
次に、サブCPU81は、アニメタスクの起動要求を行う(S383)。アニメタスクは、決定した演出データ等に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御するためのタスクである。
次に、サブCPU81は、後述の図114に示すリミット処理タスクの起動要求を行う(S384)。このリミット処理タスクでは、表示用の各種データが決定される場合がある。これにより、アニメタスクでは、リミット処理タスクで決定されたデータに基づいて液晶表示装置5による映像の表示が制御される場合がある。
その後、サブCPU81は、サブRTC81aから現在時刻を取得し、当該現在時刻をサブRAM83の起動時刻保存領域に保存して(S385)、マザータスクを終了する。これにより、電源オン毎に副制御基板上の管理情報として起動時刻が作成される。
[主基板通信タスク]
図100を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。主基板通信タスクが起動されると、サブCPU81は、主制御回路71から送信されるコマンドデータをメッセージキューを介して受信する。主基板通信タスクでは、2msec毎に後述のメッセージキューへ受信データが登録されているか確認を行う。
初めに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S391)。メッセージキューは、サブRAM83に割り当てられた通信用のバッファ領域であって、主制御回路71から送信されたコマンド等に含まれる情報をメッセージとして取り込み、取り出し命令に応じてメッセージを出力する。
次に、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージがあるか否かを判別する(S392)。メッセージがある場合、サブCPU81は、取り込んだメッセージから内部当籤役、遊技状態、設定値、RTゲーム数カウンタの値、差枚数(メイン)等といった遊技情報を作成し、サブRAM83の遊技情報保存領域に当該遊技情報を複写する(S393)。
次に、サブCPU81は、後述の図97に示す演出内容決定処理を行う(S394)。その後、サブCPU81は、ランプデータ決定処理を行い(S395)、さらにサウンドデータ決定処理を行い(S396)、決定された各データをサブRAM33の所定の保存領域に登録して(S397)、主基板通信タスクを終了する。演出内容決定処理では、決定された演出内容に基づき、液晶表示装置5に表示させるための映像データが決定されてセットされる。ランプデータ決定処理では、決定された演出内容に基づき、ランプ14による光の出力を制御するためのランプデータが決定されてセットされる。サウンドデータ決定処理では、決定された演出内容に基づき、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するためのサウンドデータが決定されてセットされる。
[演出内容決定処理]
図101を参照して、サブCPU81により行われる演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、主制御回路71から初期化コマンドを受信した時であるか否かをチェックし(S401)、初期化コマンドを受信した時、サブCPU81は、S402に移る。初期化コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S403に移行する。
S402において、サブCPU81は、後述の図102に示す初期化コマンドに応じた初期化コマンド受信時処理を行う。初期化コマンド受信時処理では、初期化コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S403において、サブCPU81は、主制御回路71からメダル投入コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、メダル投入コマンドを受信した時、サブCPU81は、S404に移る。メダル投入コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S405に移行する。
S404において、サブCPU81は、後述の図103に示すメダル投入コマンドに応じたメダル投入コマンド受信時処理を行う。メダル投入コマンド受信時処理では、メダル投入コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S405において、サブCPU81は、主制御回路71からスタートコマンドを受信した時であるか否かをチェックし、スタートコマンドを受信した時、サブCPU81は、S406に移る。スタートコマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S407に移行する。
S406において、サブCPU81は、後述の図104に示すスタートコマンドに応じたスタートコマンド受信時処理を行う。スタートコマンド受信時処理では、スタートコマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S407において、サブCPU81は、主制御回路71からリール回転開始コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、リール回転開始コマンドを受信した時、サブCPU81は、S408に移る。リール回転開始コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S409に移行する。
S408において、サブCPU81は、リール回転開始コマンドに応じたリール回転開始コマンド受信時処理を行う。リール回転開始コマンド受信時処理では、リール回転開始コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S409において、サブCPU81は、主制御回路71からリール停止コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、リール停止コマンドを受信した時、サブCPU81は、S410に移る。リール停止コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S411に移行する。
S410において、サブCPU81は、リール停止コマンドに応じたリール停止コマンド受信時処理を行う。リール停止コマンド受信時処理では、リール停止コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S411において、サブCPU81は、主制御回路71からクレジット情報コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、クレジット情報コマンドを受信した時、サブCPU81は、S412に移る。クレジット情報コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S413に移行する。
S412において、サブCPU81は、後述の図110に示すクレジット情報コマンドに応じたクレジット情報コマンド受信時処理を行う。クレジット情報コマンド受信時処理では、クレジット情報コマンドに含まれる情報に応じた払出音データが作成され、この払出音データが主基板通信タスクに渡されることで対応する払出音がスピーカ9L,9Rから出力される。
一方、S413において、サブCPU81は、主制御回路71から払出終了コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、払出終了コマンドを受信した時、サブCPU81は、S414に移る。払出コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S415に移行する。
S414において、サブCPU81は、後述の図111に示す払出終了コマンドに応じた払出終了コマンド受信時処理を行う。払出終了コマンド受信時処理では、払出終了コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。また、払出終了コマンドに含まれる払出音出力停止要求に応じて、スピーカ9L,9Rによる払出音の出力が停止される。
一方、S415において、サブCPU81は、主制御回路71からボーナス開始コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、ボーナス開始コマンドを受信した時、サブCPU81は、S416に移る。ボーナス開始コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S417に移行する。
S416において、サブCPU81は、後述の図112に示すボーナス開始コマンドに応じたボーナス開始コマンド受信時処理を行う。ボーナス開始コマンド受信時処理では、ボーナス開始コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S417において、サブCPU81は、主制御回路71からボーナス終了コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、ボーナス終了コマンドを受信した時、サブCPU81は、S418に移る。ボーナス終了コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、S419に移行する。
S418において、サブCPU81は、後述の図113に示すボーナス終了コマンドに応じたボーナス終了コマンド受信時処理を行う。ボーナス終了コマンド受信時処理では、ボーナス終了コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
一方、S419において、サブCPU81は、主制御回路71から入力状態コマンドを受信した時であるか否かをチェックし、入力状態コマンドを受信した時、サブCPU81は、S420に移る。入力状態コマンドを受信した時でない場合、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了する。
S420において、サブCPU81は、入力状態コマンドに応じた入力状態コマンド受信時処理を行う。入力状態コマンド受信時処理では、入力状態コマンドに含まれる情報に応じた映像データが作成され、この映像データがアニメタスクに渡されることで対応する映像が液晶表示装置5に表示される。
[初期化コマンド受信時処理]
図102を参照して、サブCPU81により行われる初期化コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、受信した初期化コマンドに設定変更(設定値の更新)がなされた旨の情報(設定変更コマンド)が含まれるか否かをチェックする(S421)。初期化コマンドに設定変更がなされた旨の情報が含まれる場合、サブCPU81は、それに応じてサブRAM83の全保存領域(後述の設定値保存領域を含む)を初期化する(S422)。
次に、サブCPU81は、受信した初期化コマンドに含まれる設定値をサブRAM83の設定値保存領域に保存し(S423)、S426に移る。
一方、S421において、初期化コマンドに設定変更がなされた旨の情報が含まれない場合、サブCPU81は、さらに、初期化コマンドに設定変更中又は設定確認中を示す情報が含まれるか否かをチェックする(S424)。設定変更中は、リセットボタンの操作された状態で未だスタートレバー6が操作されずに設定値が確定していない状態を意味する。設定確認中は、設定スイッチがオンとなった状態でリセットボタンが操作されることなく、液晶表示装置5にメニュー操作画面(図119参照)が表示された状態を意味する。
S424において、初期化コマンドに設定変更中又は設定確認中を示す情報が含まれる場合、サブCPU81は、係員操作処理タスクの起動要求を行い(S425)、初期化コマンド受信時処理を終了する。サブCPU81が起動要求に応じて係員操作処理タスクを実行すると、液晶表示装置5には、図119に示すようなメニュー操作画面が表示される。このメニュー操作画面では、後述する報知演出を規制するための上限値としての「リミット数」や、当該規制を事前に予告表示するための「予告数」を任意に設定することができる。なお、設定された「リミット数」及び「予告数」は、サブRAM83の所定の保存領域に保存される。「予告数」は、「リミット数」を超えない値しか設定できないようになっており、一例として図119に示すように、「リミット数」は「100000枚」、「予告数」は「95000枚」に設定可能である。なお、このようなメニュー操作画面において払出間隔タイプを選択するようにしてもよい。
一方、S424において、初期化コマンドに設定変更中又は設定確認中を示す情報のいずれも含まれない場合、サブCPU81は、S426に移行し、係員操作処理タスクの終了要求を行う(S426)。これにより、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を終了する。
[メダル投入コマンド受信時処理]
図103を参照して、サブCPU81により行われるメダル投入コマンド受信時処理について説明する。
サブCPU81は、メダル投入コマンドを受信すると、当該メダル投入コマンドに含まれる情報としての投入枚数をサブRAM83の投入枚数保存領域に保存する(S431)。その後、サブCPU81は、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
[スタートコマンド受信時処理]
図104を参照して、サブCPU81により行われるスタートコマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、受信したスタートコマンドにボーナスゲーム中を示す情報が含まれるか否かをチェックする(S441)。ボーナスゲーム中を示す情報が含まれる場合、サブCPU81は、後述の図105に示すボーナスゲーム処理を行う(S442)。
S441において、ボーナスゲーム中を示す情報が含まれない場合、サブCPU81は、後述の図102に示すATストック抽籤処理を行い(S443)、その後、後述の図107に示すナビゲーム数管理処理を行う(S444)。
次に、サブCPU81は、後述の図108に示すナビモード移行抽籤処理を行い(S445)、その後、後述の図109に示すナビ遊技状態移行処理を行い(S446)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
[ボーナスゲーム処理]
図105を参照して、サブCPU81により行われるボーナスゲーム処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、スタートコマンドに含まれる情報に基づき、ドン制御リプB又はドン制御リプCの当籤があるか否かをチェックする(S451)。ドン制御リプB又はドン制御リプCの当籤があった場合、サブCPU81は、ドン制御リプ揃いカウンタを1更新し(S452)、その後、後述の図106に示すATストック抽籤処理を行う(S453)。そして、サブCPU81は、ボーナスゲーム処理を終了する。
一方、S451において、ドン制御リプB又はドン制御リプCの当籤がなかった場合、サブCPU81は、ボーナスゲーム処理を終了する。なお、ドン制御リプB又はドン制御リプCの当籤が複数の単位遊技の回数連続して生じなかった場合、サブCPU81は、ドン制御リプ揃いカウンタをクリアする。
[ATストック抽籤処理]
図106を参照して、サブCPU81により行われるATストック抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、スタートコマンドに含まれる情報に基づき、ボーナス当籤時か否かをチェックする(S461)。ボーナス当籤時の場合、サブCPU81は、図58及び図59に示すボーナス当籤時ATストック数抽籤テーブルをセットし(S462)、その後、S471に移行する。
S461において、ボーナス非当籤時の場合、サブCPU81は、ボーナスゲーム中であるか否かをチェックする(S463)。ボーナスゲーム中ではない場合、サブCPU81は、図51〜図57に示すボーナス非当籤時ATストック抽籤テーブルをセットし(S464)、その後、S471に移行する。
S463において、ボーナスゲーム中である場合、サブCPU81は、遊技数チェックカウンタに「27」をセットし(S465)、その後、S466に移る。この遊技数チェックカウンタは、単位遊技毎に値を減算するカウンタであり、セットされる値は、主としてボーナスゲームの開始から消化したゲーム数(単位遊技の回数)をチェックするためのしきい値(チェック遊技数)に相当する。
S466において、サブCPU81は、ボーナスの種別がMB3か否かを判断する。ボーナスの種別がMB3の場合、サブCPU81は、遊技数チェックカウンタに改めて「10」をセットし(S467)、その後、S468に移る。ボーナスの種別がMB3でない場合(MB1,MB2の場合)、サブCPU81は、そのままS468に移る。
S468において、サブCPU81は、遊技数チェックカウンタの値を判断することで、ボーナスゲームの開始からチェック遊技数以上のゲーム数を消化したか否かを判断する。すなわち、MB1,MB2のボーナスゲームでは、「27」ゲーム以上を消化したか否かが判断され、MB3のボーナスゲームでは、「10」ゲーム以上を消化したか否かが判断される。
S468において、ボーナスゲームの開始からチェック遊技数以上のゲーム数を未だ消化していない場合、サブCPU81は、図60に示すボーナス中ATストック数抽籤テーブルをセットし(S469)、その後、S470に移る。一方、ボーナスゲームの開始からチェック遊技数以上のゲーム数を消化している場合、サブCPU81は、そのままATストック抽籤処理を終了する。すなわち、ボーナスゲームの後半の単位遊技においては、ATストック数の抽籤が行われない。
S470において、サブCPU81は、ドン制御リプ揃いカウンタの値が0か否かをチェックする。ドン制御リプ揃いカウンタの値が0でない場合、すなわち、ドン制御リプB又はドン制御リプCが1回、又は2回以上連続して当籤した場合、サブCPU81は、S471に移り、ドン制御リプ揃いカウンタの値が0の場合は、ATストック数の抽籤を行うことなく、ATストック抽籤処理を終了する。
S471において、サブCPU81は、S462,S464,S469でセットされたAT抽籤テーブル、ナビモード、設定値、後述のART上乗せアップ率等に基づいて、ATストック数(セット数)を抽籤する。
そして、サブCPU81は、ATストック数の抽籤結果に基づいて、対応するナビモード別にATストック数をサブRAM83のナビモード別ストックカウンタに加算し(S472)、ATストック抽籤処理を終了する。このように、ナビモード別ストックカウンタに保存されたATストックは、後述の図108に示すナビモード移行抽籤処理によって決定されたナビモードに応じて放出されることとなる。なお、ナビモードは、基本的に大きい番号順に優先順位が高くなっており、この優先順位に従ってナビモード別にATストックが放出される。
[ナビゲーム数管理処理]
図107を参照して、サブCPU81により行われるナビゲーム数管理処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ナビゲーム数が0か否かをチェックする(S481)。ナビゲーム数は、サブRAM83の所定の領域をナビゲーム数カウンタとして用いることでサブCPU81により計数される。
S481において、ナビゲーム数が0の場合、サブCPU81は、最優先順位のナビモードに対応するナビモード別ストックカウンタのアドレスをセットし、サブRAM83のナビモードチェックカウンタに8をセットする(S482)。ナビモードチェックカウンタは、ナビモード0〜8の優先順にATストックの有無をチェックするために用いられる。一方、ナビゲーム数が0でない場合、すなわち1以上のナビゲーム数がある場合、サブCPU81は、S489に移行する。
次に、サブCPU81は、アドレスがセットされたストックカウンタの値に基づいて、対象となるナビモードのATストックがあるか否かをチェックする(S483)。対象となるナビモードのATストックがない場合、サブCPU81は、S484に進み、対象となるナビモードのATストックがある場合、サブCPU81は、S487に移行する。
S484において、サブCPU81は、ナビモード別ストックカウンタのアドレスを優先順位に従って更新する。これにより、次の優先順に該当するナビモードのストックカウンタのアドレスがセットされる。
次に、サブCPU81は、ナビモードチェックカウンタを1減算し(S485)、ナビモードチェックカウンタの値が0か否かをチェックする(S486)。
S486において、ナビモードチェックカウンタの値が0の場合、サブCPU81は、そのままナビゲーム数管理処理を終了する。一方、ナビモードチェックカウンタの値が0でない場合、すなわち、未だチェックをしていないナビモード別ストックカウンタがある場合、サブCPU81は、S483に戻る。
S487において、サブCPU81は、ATストックがあると判断した対象のストックカウンタからストック数を1減算し、そして、サブCPU81は、ATストック数1に相当するナビゲーム数30をナビゲーム数カウンタにセットする(S488)。その後、サブCPU81は、ナビゲーム数管理処理を終了する。
S489において、サブCPU81は、ナビゲーム数カウンタの値(ナビゲーム数)を1減算し、その後、ナビゲーム数管理処理を終了する。このようなナビゲーム数管理処理により、ナビゲームは、スタートコマンドを受信する毎に、ATストックが存在する限り実行されることとなる。また、一のナビモードのATストックがなくなっても、別のナビモードのATストックがあれば、ナビゲームは、当該別のナビモードのATストックを用いて実行されることとなる。なお、ナビゲーム数管理処理においては、初期状態から実行されたナビゲームの合計数も、「ナビゲームトータル数」として専用のカウンタを用いることで計数される。
図120に示すように、ナビゲームでは、リール3L,3C,3Rの回転中、液晶表示装置5の表示画面5aにおいて、例えば各図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する上方の領域に、正解となる停止操作の押し順を示す番号N1,N2,N3が表示される。
[ナビモード移行抽籤処理]
図108を参照して、サブCPU81により行われるナビモード移行抽籤処理について説明する。
サブCPU81は、ナビモード移行抽籤処理を呼び出したコマンド受信処理に基づき、ボーナスの終了時(ボーナス終了コマンド受信時処理から呼び出された)か否かをチェックする(S491)。ボーナスの終了時の場合、サブCPU81は、図48に示すボーナス終了時ナビモード移行抽籤テーブルをセットする(S492)。このとき、サブCPU81は、抽籤時の条件となる抽籤パラメータ1,2として、ナビモードの種別及びMBの種別もセットする。その後、サブCPU81は、S499に移行する。
S491において、ボーナスの終了時でない場合、サブCPU81は、ナビゲーム数のセット時か否かをチェックする(S493)。ナビゲーム数のセット時である場合、サブCPU81は、図49に示すナビゲーム数セット時ナビモード移行抽籤テーブルをセットする(S494)。このとき、サブCPU81は、抽籤時の条件となる抽籤パラメータ1として、ドンリプカウンタ(ドン制御リプ揃いカウンタ)の値もセットする。その後、サブCPU81は、S499に移行する。
S493において、ナビゲーム数のセット時でない場合、サブCPU81は、ナビゲーム数が0になった時か否かをチェックする(S495)。ナビゲーム数が0になった時の場合、サブCPU81は、図50に示すナビゲーム数0時ナビモード移行抽籤テーブルをセットする(S496)。このとき、サブCPU81は、抽籤時の条件となる抽籤パラメータを特にセットすることはない。その後、サブCPU81は、S499に移行する。
S495において、ナビゲーム数が0になった時でない場合、サブCPU81は、ボーナス非当籤か否かをチェックする(S497)。ボーナス非当籤の場合、サブCPU81は、図47に示すボーナス非当籤ナビモード移行抽籤テーブルをセットする(S498)。このとき、サブCPU81は、抽籤時の条件となる抽籤パラメータ1として、当籤役をセットする。その後、サブCPU81は、S499に移行する。
S499において、サブCPU81は、セットされたナビモード移行抽籤テーブル、抽籤パラメータ1,2に基づいて、移行先となるナビモードを抽籤により決定する。
そして、サブCPU81は、S499による抽籤結果としてのナビモードをサブRAM83の所定の領域に保存し(S450)、ナビモード移行抽籤処理を終了する。このようなナビモード移行抽籤処理により、ナビモードは、各種の遊技条件に応じて適切に切り替えられる。
[ナビ遊技状態移行処理]
図109を参照して、サブCPU81により行われるナビ遊技状態移行処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ナビゲーム数のセット時か否かをチェックする(S501)。ナビゲーム数のセット時である場合、サブCPU81は、次の遊技からナビ遊技状態1へ移行し(S502)、ナビ遊技状態移行処理を終了する。
S501において、ナビゲーム数のセット時でない場合、サブCPU81は、遊技情報に基づいてRT0遊技状態であるか否かをチェックする(S503)。RT0遊技状態である場合、サブCPU81は、次の遊技からナビ遊技状態2へ移行し(S504)、ナビ遊技状態移行処理を終了する。
S503において、RT0遊技状態でない場合、サブCPU81は、遊技情報に基づいてRT1遊技状態であるか否かをチェックする(S505)。RT1遊技状態である場合、サブCPU81は、次の遊技からナビ遊技状態3へ移行し(S506)、ナビ遊技状態移行処理を終了する。
S505において、RT1遊技状態でない場合、サブCPU81は、遊技情報に基づいてRT2遊技状態であるか否かをチェックする(S507)。RT2遊技状態である場合、サブCPU81は、次の遊技からナビ遊技状態4へ移行し(S508)、ナビ遊技状態移行処理を終了する。
S507において、RT2遊技状態でない場合、サブCPU81は、ナビゲーム数カウンタの値が0か否かをチェックする(S509)。ナビゲーム数カウンタの値が0の場合、サブCPU81は、次の遊技からナビ遊技状態0へ移行し(S510)、ナビ遊技状態移行処理を終了する。ナビゲーム数カウンタの値が0でない場合、サブCPU81は、そのままナビ遊技状態移行処理を終了する。このようなナビ遊技状態移行処理により、ナビ遊技状態0〜4は、RT0〜RT4の遊技状態に応じて適切に切り替えられる。
[クレジット情報コマンド受信時処理]
図110を参照して、サブCPU81により行われるクレジット情報コマンド受信時処理について説明する。
サブCPU81は、受信したクレジット情報コマンドに含まれる払出音出力要求に基づき、払出音について出音設定を登録し(S511)、クレジット情報コマンド受信時処理を終了する。このようなクレジット情報コマンド受信時処理により、スピーカ9L,9Rから払出音の出力が開始される。
[払出終了コマンド受信時処理]
図111を参照して、サブCPU81により行われる払出終了コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、受信した払出終了コマンドに含まれる情報に基づき、入賞役がリプレイか否かを判別する(S521)。入賞役がリプレイでない場合、すなわち、リプレイ以外のハズレ又は小役等が入賞役である場合、サブCPU81は、受信した払出枚数をサブRAM83の払出枚数保存領域に保存する(S522)。一方、S521において、入賞役がリプレイの場合、サブCPU81は、S528に移行する。これは、リプレイの入賞では差枚数が生じないからである。
次に、サブCPU81は、払出終了コマンドによって受信した払出枚数をサブ差枚数カウンタに加算する(S523)。続いて、サブCPU81は、メダル投入コマンドによって受信した投入枚数をサブ差枚数カウンタから減算する(S524)。これにより、サブ差枚数カウンタでは、サブCPU81の演算処理によって初期状態から単位遊技毎に計数された総計値としてのメダルの差枚数(サブ)が求められる。なお、サブ差枚数カウンタは、サブRAM83の所定の領域に計数結果を保持することにより構成される。
次に、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値が0未満(負)であるか否かを判別する(S525)。このとき、サブ差枚数カウンタの値が負である場合、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値を0にセットする(S526)。一方、サブ差枚数カウンタの値が負ではなく0以上の場合、サブCPU81は、S527に移る。
そして、サブCPU81は、払出コマンドによって主制御回路71から受信した差枚数(メイン)をサブRAM83のメイン差枚数保存領域に保存する(S527)。このメイン差枚数保存領域は、サブRAM83に割り当てられた領域であって、主制御回路71で求められた差枚数(メイン)を副制御回路72上で保持するために用いられる。なお、メイン差枚数保存領域は、後述の図115のS568においては、メインサブ差枚数カウンタともいう。
その後、サブCPU81は、サブRTC81aから現在時刻を取得し、当該現在時刻をサブRAM83の遊技終了時刻保存領域へ保存する(S528)。
次に、サブCPU81は、受信した払出終了コマンドに含まれる払出音出力停止要求に基づき、払出音について消音設定を登録し(S529)、その後、払出終了コマンド受信時処理を終了する。このような払出終了コマンド受信時処理では、単位遊技毎に副制御回路72において、主制御回路71のメイン差枚数カウンタにより得られた差枚数(メイン)が保存される一方、メイン差枚数カウンタとは連動しないサブ差枚数カウンタを用いることで差枚数(メイン)とは別に差枚数(サブ)が求められる。このようにして得られた差枚数(メイン)及び差枚数(サブ)は、基本的にシステムが正常であれば、必ず同じ値となる。また、払出終了コマンド受信時処理によれば、スピーカ9L,9Rによる払出音の出力が停止される。
[ボーナス開始コマンド受信時処理]
図112を参照して、サブCPU81により行われるボーナス開始コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドに含まれるボーナス終了枚数カウンタの値をサブRAM83のボーナス終了カウンタに保存する(S531)。
続いて、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドに含まれる情報に基づき、開始したボーナスの種別がMB1,MB2(MBB)か否かを判別する(S532)。
S532において、開始したボーナスの種別がMB1,MB2の場合、サブCPU81は、サブRAM83のボーナス種別1トータルカウンタに1を加算し(S533)、S535に移行する。一方、開始したボーナスの種別がMB1,MB2ではなくMB3の場合、サブCPU81は、サブRAM83のボーナス種別2トータルカウンタに1を加算し(S534)、S535に移行する。ボーナス種別1トータルカウンタは、規定終了枚数が多いMB1,MB2によるボーナスの開始回数を初期状態から計数するためのカウンタである。ボーナス種別2トータルカウンタは、規定終了枚数が少ないMB3によるボーナスの開始回数を初期状態から計数するためのカウンタである。ボーナス種別1トータルカウンタ及びボーナス種別2トータルカウンタは、それぞれサブRAM83の所定の領域に計数結果を保持することにより構成される。
S535において、サブCPU81は、ボーナス終了カウンタから、当該ボーナス終了カウンタの値を予め定められたMB中払出予定枚数で除算した値から予め定められたMB中投入規定枚数を乗算した値を減算することにより、ボーナス取得差枚数を算出する(S535)。その後、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を終了する。
MB中払出予定枚数は、ボーナス時における単位遊技1回当たりの想定される平均的なメダルの払出枚数であり、ボーナスの種別(MB1,MB2及びMB3の種別)に応じて規定されている。MB中投入規定枚数は、ボーナス時の単位遊技1回当たりに必要なメダルの投入枚数であり、本実施形態では3枚に定められている。すなわち、ボーナス開始コマンド受信時処理では、該当するボーナス1回当たりの遊技者の取得分として見込まれるボーナス取得差枚数が算出される。算出されたボーナス取得差枚数は、サブRAM83の所定の領域に保存される。なお、ボーナス取得差枚数は、演算処理によって求めるものではなく、予め定められた固定の数値でもよい。
[ボーナス終了コマンド受信時処理]
図113を参照して、サブCPU81により行われるボーナス終了コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、先述した図108に示すナビモード移行抽籤処理を行う(S541)。その後、サブCPU81は、ドン制御リプ揃いカウンタの値をクリアし(542)、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。このようなボーナス終了コマンド受信時処理では、ボーナスの終了毎にドン制御リプ揃いカウンタの値が0にセットされる。
[リミット処理タスク]
図114を参照して、サブCPU81により行われるリミット処理タスクについて説明する。なお、リミット処理タスクは、先述の図97に示すマザータスクの起動要求に応じて実行される。
初めに、サブCPU81は、後述の図115に示すリミット初期処理を行う(S551)。この処理は、電断復帰状態を引数として実行される。
次に、サブCPU81は、後述の図116に示す不正判定処理を行う(S552)。その後、サブCPU81は、不正判定処理による判定結果に基づいて、不正発生か否かを判断する(S553)。
S553において、不正発生がないと判断した場合、サブCPU81は、後述の図117に示すリミット事前処理を行い(S554)、続いて、後述の図118に示すリミット判定処理を行う(S555)。一方、不正発生と判断した場合、サブCPU81は、S552の処理に戻る。
その後、サブCPU81は、S552、S554、S555の各処理において決定されたデータをサブRAMの所定の領域に登録し(S556)、リミット処理タスクを終了する。このようなリミット処理タスクでは、後述のリミット数や予告数等に関連するデータや、さらには差枚数を用いた不正判定に関連するデータが得られ、それぞれの内容に応じたデータが登録される。登録されたデータは、その内容に応じてアニメタスクの実行によりメッセージ情報等として液晶表示装置5に表示される場合がある。
[リミット初期処理]
図115を参照して、サブCPU81により行われるリミット初期処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、サブRTC81aから現在時刻を取得する(S561)。その後、サブCPU81は、引数である電断復帰状態等に基づいて電断復帰時か否かを判断する(S562)。なお、電断復帰時と判断する要素には、電断復帰フラグの他、電源投入時に主制御回路71から送信されることもある初期化コマンド等も含まれる。すなわち、S562においては、いずれにしても電源をオンとされたときか否かが判断される。
S562において、電断復帰時(電源投入時)と判断した場合、サブCPU81は、現在時刻からサブRAM83の電断発生時刻保存領域に保存されている電断発生時刻を減算し、算出時間を求める(S563)。その後、サブCPU81は、判定時間として電源OFF時間をセットし(S564)、S567に移行する。この電源OFF時間は、主制御回路71に規定されているものと同様であり、ホールの営業終了時に電源をオフとしてから翌日に電源オンとされるまでに相当する比較的長い時間継続して電源オフであったか否かを判定するために規定されている。例えば、電源OFF時間は、5時間程度である。
一方、S562において、電断復帰時(電源投入時)ではないと判断した場合、サブCPU81は、現在時刻からサブRAM83の遊技終了時刻保存領域に保存されている遊技終了時刻を減算し、算出時間を求める(S565)。その後、サブCPU81は、判定時間として無操作時間をセットし(S566)、S567に移る。この無操作時間も、主制御回路71に規定されているものと同様であり、電源オン状態で遊技者による操作がある程度の時間継続して無かったか否かを判定するために規定されている。例えば、無操作時間は、1〜3時間程度である。
S567において、サブCPU81は、算出時間がS564又はS566でセットされた判定時間(電源OFF時間又は無操作時間)を超えるか否かをチェックする。算出時間が判定時間を超える場合、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタ及びメインサブ差枚数カウンタの値、並びに後述のART上乗せアップ率をクリアし(S568)、リミット初期処理を終了する。算出時間が判定時間を超えない場合、サブCPU81は、そのままリミット初期処理を終了する。すなわち、このようなリミット初期処理では、電源投入時や遊技者が初めて遊技を開始する際に、差枚数に関連する情報がリセットされる。
[不正判定処理]
図116を参照して、サブCPU81により行われる不正判定処理について説明する。なお、この不正判定処理は、特に差枚数を用いた処理であり、差枚数以外の情報を用いた不正判定は、別途行うようにしてもよいし、特に行わなくてもよい。
初めに、サブCPU81は、主制御回路71から差枚数以外に受信したエラー情報等に基づいて、不正発生中か否かをチェックする(S571)。
S571において、差枚数以外のエラー情報等から不正発生とのチェック結果が得られた場合、サブCPU81は、不正判定処理を終了する。一方、差枚数以外のエラー情報等から不正発生とのチェック結果が得られなかった場合、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値を取得し(S572)、続いて、サブCPU81は、メインサブ差枚数カウンタの値を取得する(S573)。
次に、サブCPU81は、メインサブ差枚数カウンタの値とサブ差枚数カウンタの値とを比較し、これらの値が一致するか否かをチェックする(S574)。一致しない場合、サブCPU81は、後述のS581に移行する。一致する場合、さらにサブCPU81は、ボーナス中であるか否かを判断する(S575)。
S575において、ボーナス中でない場合、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値が予め定められた判定開始枚数を超えるか否かをチェックする(S576)。一方、ボーナス中の場合、サブCPU81は、不正判定処理を終了する。判定開始枚数は、ボーナス中以外の遊技状態において不正判定開始の契機となるしきい値であり、例えば100〜250程度の数値が設定されている。
S576において、サブ差枚数カウンタの値が判定開始枚数を超える場合、サブCPU81は、ボーナス種別1トータルカウンタの値に該当種別のボーナス1回当たりの純増枚数(208)を乗算することで数値B1を算出する(S577)。すなわち、S577においては、初期状態から現時点までに行われたMB1,MB2による純増枚数の合計値として数値B1が求められる。サブ差枚数カウンタの値が判定開始枚数を超えない場合、サブCPU81は、不正判定処理を終了する。
続いて、ボーナス種別2トータルカウンタの値に該当種別のボーナス1回当たりの純増枚数(54)を乗算することで数値B2を算出する(S578)。すなわち、S578においては、初期状態から現時点までに行われたMB3による純増枚数の合計値として数値B2が求められる。
さらに、サブCPU81は、ボーナス中以外の遊技状態に係る数値情報として、ナビゲームトータル数に対して単位遊技1回当たりの純増枚数を乗算した値(N)を求め、この値(N)に上記数値B1,B2を加算することにより、純増枚数の合計値(TOTAL)を求める(S579)。ナビゲームトータル数は、先述のナビゲーム数管理処理で専用のカウンタを用いることにより計数されている。単位遊技1回当たりの純増枚数は、ボーナス中以外のナビゲームにおける純増枚数に相当する。サブCPU81は、図61〜図63に示すサブ用各遊技状態用内部抽籤テーブルを用い、各遊技状態毎に全ての当籤役別期待値を総計することで単位遊技1回当たりの純増枚数を求めることができる。これにより、純増枚数の合計値(TOTAL)は、初期状態からのボーナスゲームとナビゲームとを合わせた純増枚数の推計値として算出される。
そして、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値が純増枚数の合計値(TOTAL)を超えるか否かをチェックする(S580)。サブ差枚数カウンタの値が純増枚数の合計値(TOTAL)を超える場合、サブCPU81は、S581に移る。サブ差枚数カウンタの値が純増枚数の合計値(TOTAL)を超えない場合、サブCPU81は、不正判定処理を終了する。
S581において、サブCPU81は、不正発生エラー登録データをセットし、その後、不正判定処理を終了する。セットされた不正発生エラー登録データは、アニメタスクに渡され、その結果、対応するエラーメッセージ等が液晶表示装置5に表示される。このような不正判定処理では、主制御回路71で得られた差枚数(メイン)と副制御回路72で得られた差枚数(サブ)とが異なることを要因として不正発生を確実に把握することができる。また、差枚数は一致するが、ボーナスゲームとナビゲームとを合わせた純増枚数の合計値(TOTAL)が実際の差枚数を超えるような場合にあっても、それを要因として不正発生を確実に把握することができる。
[リミット事前処理]
図117を参照して、サブCPU81により行われるリミット事前処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ボーナス中か否かをチェックする(S591)。ボーナス中の場合、サブCPU81は、リミット事前処理を終了する。一方、ボーナス中でない場合、サブCPU81は、S592に移る。
S592において、サブCPU81は、遊技状態に基づいてサブ内部抽籤テーブル(図61〜図63に示すサブ用各遊技状態用内部抽籤テーブル)をセットする。
次に、サブCPU81は、セットされたサブ内部抽籤テーブルから単位遊技1回当たりの純増枚数を算出し(S593)、リミット事前処理を終了する。単位遊技1回当たりの純増枚数は、先述したように、図61〜図63に示すサブ用各遊技状態用内部抽籤テーブルを用い、各遊技状態毎に全ての当籤役別期待値を総計することで求めることができる。このようなリミット事前処理では、非ボーナス時における単位遊技1回当たりの純増枚数が得られる。
[リミット判定処理]
図118を参照して、サブCPU81により行われるリミット判定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値(差枚数(サブ))を取得する(S601)。そして、取得した差枚数(サブ)がナビゲーム(報知演出)を規制する上限値としてのリミット数以上か否かをチェックする(S602)。
S602において、差枚数(サブ)がリミット数以上の場合、サブCPU81は、リミット表示の設定し(S603)、リミット判定処理を終了する。このようなリミット表示の設定が行われた場合、図121に示すように、ナビゲーム中にあっても停止操作の押し順を示す情報が表示されることがなく、それに代わり差枚数が上限値を超えたことを示す「リミッタ表示中」といったメッセージT1が表示される。
S602において、差枚数(サブ)がリミット数未満の場合、サブCPU81は、差枚数(サブ)がリミット事前数以上か否かをチェックする(S604)。リミット事前数は、先述の「予告数」として設定された数値管理情報であり、本実施形態では、一例としてホール係員により「95000」に設定されているものとする。なお、リミット数は、リミット事前数よりも必ず大きい数値しか設定することができず、本実施形態では、一例としてホール係員により「100000」に設定されているものとする。差枚数(サブ)がリミット事前数未満の場合、サブCPU81は、S609に移行する。
S604において、差枚数(サブ)がリミット事前数以上の場合、さらにサブCPU81は、ART上乗せアップ率を算出する(S605)。このART上乗せアップ率は、ATストック数の抽籤確率を高めるためのパラメータであり、次のようにして算出される。すなわち、ART上乗せアップ率は、リミット数からリミット事前数及び残枚数を減算し、その結果に対して当該残枚数と予め定められた係数とを除算することにより得られる。ここで、残枚数は、残存するナビゲーム数を消化することで遊技者が獲得できるであろうメダルの獲得枚数であって、ナビゲーム数と図61〜図63に示すサブ用各遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤役別期待値とに基づいてサブCPU81の演算処理により求められる。係数は、予め定められた固定の数値である。これにより、ART上乗せアップ率は、例えば1.0〜2.0の数値として算出され、差枚数がリミット数に近づくにつれ、すなわち残りのゲーム数が少なくなるほど大きくなる。具体的にいうと、ART上乗せアップ率は、図51〜図59に示すストック数抽籤テーブルの各係数に乗算される。その結果、ATストック数の当籤確率が上がることとなる。こうして算出されたART上乗せアップ率は、サブRAM83の所定の領域に格納され、リミット初期処理においてクリアされる。
次に、サブCPU81は、ART中リミット予告フラグをオンとする(S606)。続いて、サブCPU81は、リミット数からサブ差枚数カウンタの値(差枚数(サブ))を減算することにより、リミット数に達するまでに実質的に獲得可能な獲得残枚数を算出する(S607)。算出された獲得残枚数は、サブRAM83の所定の領域に保存される。ART中リミット予告フラグは、ボーナス中にリミットに達することを予告する旨のメッセージを表示させるか否かを判断するために用いられる。
そして、サブCPU81は、リミット事前表示の設定を行う(S608)。このようなリミット事前表示の設定が行われた場合、図123に示すように、ナビゲーム自体による停止操作の押し順を示す番号N1〜N3の表示が許容される一方、液晶表示装置5の表示画面5aにおいて、例えば各図柄表示領域21L,21C,21Rの下方の領域に、「後500枚獲得でリミッタが発生します。」といったメッセージT3が表示される。これにより、遊技者は、ナビゲームを継続しているとナビゲームが規制されることと、リミット数に達するまでに可能な獲得残枚数とを確認することができる。
さらに、サブCPU81は、ボーナス持越し中でかつナビゲーム数が1以上残っているか否かをチェックする(S609)。ボーナス持越し中でない場合、又はナビゲーム数が1以上残っていない場合、サブCPU81は、S603に移行する。
S609において、ボーナス持越し中でかつナビゲーム数が1以上残っている場合、サブCPU81は、サブ差枚数カウンタの値(差枚数(サブ))にボーナス取得差枚数を加算することにより、ボーナス後に達するであろうボーナス後予定差枚数を算出する(S610)。ここで、ボーナス取得差枚数は、図112に示すボーナス開始コマンド受信時処理におけるS535の処理と同様の手順で求められる。
次に、サブCPU81は、算出したボーナス後予定差枚数がリミット数を超えるか否かをチェックする(S611)。すなわち、このS611では、ボーナス中にリミット数に達するか否かが判断される。ボーナス後予定差枚数がリミット数を超えない場合、サブCPU81は、リミット判定処理を終了する。
S611において、ボーナス後予定差枚数がリミット数を超える場合、サブCPU81は、ボーナス後リミット告知表示の設定を行い(S612)、リミット判定処理を終了する。このようなボーナス後リミット告知表示の設定が行われた場合、図122に示すように、ボーナスゲーム前のナビゲームによる停止操作の押し順を示す番号N1〜N3の表示中、液晶表示装置5の表示画面5aにおいて、例えば各図柄表示領域21L,21C,21Rの下方の領域に、「ボーナス終了後リミッタが発生します。」といったテキストメッセージT2が表示される。これにより、遊技者は、ナビゲーム数を残したままボーナスゲームを開始すると、リミット数に基づく規制によってナビゲーム数が無駄に消化されてしまうので、リミット数を超えることにはなるもののナビゲームを消化した後にボーナスゲームを開始すればよいことを確認することができる。
S613において、サブCPU81は、ボーナス中でかつATストック数(セット数)が1以上残っているか否かをチェックする。ボーナス中でない場合、又はATストック数(セット数)が1以上残っていない場合、サブCPU81は、リミット判定処理を終了する。
S613において、ボーナス中でかつATストック数(セット数)が1以上残っている場合、さらに、サブCPU81は、ART中リミット予告フラグがオンであるか否かをチェックする(S614)。ART中リミット予告フラグがオンでない場合、サブCPU81は、リミット判定処理を終了する。
S614において、ART中リミット予告フラグがオンの場合、サブCPU81は、ボーナス中リミット予告表示の設定を行い(S615)、リミット判定処理を終了する。このようなボーナス中リミット予告表示の設定が行われた場合、特に図示ないが、液晶表示装置5の表示画面5aにおいて、例えば各図柄表示領域21L,21C,21Rの下方の領域に、「ボーナス中にリミッタが発生します。」といったテキストメッセージが表示される。これにより、遊技者は、ボーナス中に差枚数がリミット数に達するであろうことを認識することができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチスロ1では、主制御回路71のメインCPU31が初期状態からの差枚数(メイン)を算出するとともに、副制御回路72のサブCPU81も初期状態からの差枚数(サブ)を算出する。そして、差枚数(サブ)が上限値のリミット数に達すると、ナビゲームが規制されることとなる。
ところで、正常な状態では、差枚数(メイン)と差枚数(サブ)とは常に必ず一致する。一方、例えば副制御回路72に対していわゆるゴト行為等による不正行為が行われ、差枚数(サブ)に関する情報が改ざんされた場合は、主制御回路71から得られた差枚数(メイン)と差枚数(サブ)とが一致しなくなる。
その結果、サブCPU81により差枚数(メイン)と差枚数(サブ)とが一致しない旨の判定結果が得られ(図116のS574参照)、当該判定結果に基づいてエラー処理が実行される(図116のS581参照)。
したがって、本実施形態のパチスロ1によれば、予め設定されたリミット数に基づいてメダルの獲得が促進されるナビゲームが規制されるとともに、不正行為によっても当該規制の適正な実施を担保することができる。
また、副制御回路72では、初期状態からのボーナスの作動回数に基づいて推計値としての純増数が求められるとともに(図116のS577,S578参照)、ナビゲームの実行回数に基づいて推計値としての純増数も求められ(図116のS579参照)、これらを合計した純増数を超えるほどの差枚数(サブ)が算出された場合にあっても、エラー処理が実行されることとなる(図116のS580参照)。
そのため、差枚数(メイン)と差枚数(サブ)とが一致する場合にあっても、実際の純増数(差枚数(サブ))が推計値としての純増数((図116のS579で算出されたTOTAL))を超えるような不正行為についても対応することができる。
また、差枚数(サブ)が上限値としてのリミット数に達する前に予め設定された予告数に達すると、ナビゲームの実行について規制される旨が予告表示されるので(図122、図123参照)、遊技者は、このような予告表示を実際に規制が行われる前に受けることで安心して遊技を進めることができる。
また、ナビゲームを実行する単位遊技の回数は、上乗せ可能なATストック数として抽籤により決定されるが、差枚数(サブ)が事前数を超えた場合(図118のS604参照)、差枚数(サブ)がリミット数に近づくにつれてATストック数の抽籤確率がART上乗せアップ率によって次第に高められる(図118のS605参照)。
したがって、本実施形態のパチスロ1によれば、ナビゲームの実行が規制される旨が予告された後(図123参照)、ATストック数の抽籤確率が上がるように変更されることでATストック数の抽籤において当たりやすくなることが期待できるので、そのような予告後にあっても遊技の興趣を維持させることができる。
また、ボーナスが内部当籤役として決定され、当該ボーナスに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、所定数以上のメダルが払い出されるまでの間、ボーナスゲームが作動する。
そして、ATストック数が残存している場合で、かつ、ボーナスが内部当籤役として決定されたことを条件に(図118のS609参照)、ボーナスゲームの開始に応じて遊技者の取得分として見込まれるボーナス後予定差枚数が算出される(図118のS610参照)。
算出されたボーナス後予定差枚数がリミット数を超える場合(図118のS611:NO)、ボーナスゲームの開始前にボーナス後にナビゲームの実行が規制される旨が予告される(図118のS612参照)。
したがって、本実施形態のパチスロ1によれば、ナビゲームの実行が規制される旨が予告された後、ボーナスゲームが開始することでメダルをより多く獲得することが期待できるので、そのような予告後にあっても遊技の興趣を維持させることができる。
また、本実施形態のパチスロ1では、具体的に以下に説明するような実施例が実現される。
[実施例]
図124及び図125は、メダルの払い出しと払出音のタイミングを示すタイミングチャートである。図124は、払出間隔タイプが均等である場合の例であり、図125は、払出間隔タイプが均等でない場合の例である。図中において、空白部分は、メダルの払い出し(ホッパー40の払出動作、クレジット枚数更新表示)が行われる期間を示し、ハッチング部分は、メダルの払い出しが行われない払出間隔に相当する期間(払出間隔遅延時間T1,T2)や、払出音の出力時間を示す。なお、本実施例では、一例として、AT対象役で当籤確率が相対的に高いベルの払出枚数を3枚として規定し、AT対象役に該当せずに当籤確率が相対的に低い氷の払出枚数を15枚、チェリーの払出枚数を1枚として規定している。
まず、図124の(a)に示すように、クレジット機能によりクレジット枚数が上限に達することなく15枚のメダルが全てクレジット枚数として払い出される(加算される)場合、払出間隔遅延時間T1を繰り返し待ちつつクレジット枚数の更新表示が行われる。
払出間隔遅延時間T1は、少なくとも250ms程度の時間に設定される。また、クレジット枚数の更新表示に要する時間は、払出間隔遅延時間T1に対して極めて短く、例えば100ns程度の時間である。これにより、クレジット枚数更新表示の所要時間を無視すると、15枚の払出枚数をクレジット枚数として更新表示する場合は、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてクレジット枚数がカウントアップされることで更新表示される。このとき、クレジット枚数更新表示の開始から終了するまでの間、払出音は、継続して出力される(図124の(f)参照)。すなわち、15枚分のクレジット枚数更新表示が行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される。
また、図124の(b)に示すように、クレジット枚数が上限に達している場合にあって、15枚のメダルが全てホッパー40により払い出される場合、払出間隔遅延時間T2を繰り返し待ちつつホッパー40の払出動作が行われる。
払出間隔遅延時間T2は、少なくとも50ms程度の時間に設定される。また、ホッパー40の払出動作に要する可動時間は、例えば200ms程度の時間である。これにより、15枚の払出枚数をホッパー40の払出動作によって実際に払い出す場合は、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出される。このときにおいても、15枚のメダルが全て払い出されるまでの間、払出音は、継続して出力される(図124の(f)参照)。すなわち、15枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される。
また、図124の(c)に示すように、払い出し(クレジット枚数更新表示)の途中にクレジット枚数が上限に達した場合にあっても、払出間隔遅延時間がT1からT2に切り換えられることにより、クレジット枚数の更新表示からホッパー40の払出動作に適切に切り替えられ、上記と同様に3.75sec(略4秒)程度の時間を費やして15枚のメダルが払い出される(図124の(f)参照)。このような場合にあっても、15枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される。
また、図124の(d)に示すように、3枚のメダルが全てホッパー40により払い出される場合、払出間隔遅延時間T2’を繰り返し待ちつつホッパー40の払出動作が行われる。
この場合の払出間隔遅延時間T2’は、15枚のメダル払出に要する払出間隔遅延時間T2よりも長い時間に設定される。なお、ホッパー40の払出動作に要する可動時間は、例えば200ms程度で一定の時間である。これにより、3枚の払出枚数をホッパー40の払出動作によって実際に払い出す場合にあっても、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出され、3枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図124の(f)参照)。
また、図124の(e)に示すように、1枚のメダルがホッパー40により払い出される場合、払出間隔遅延時間T2”を待ちつつホッパー40の払出動作が行われる。
この場合の払出間隔遅延時間T2”は、15枚や3枚のメダル払出に要する払出間隔遅延時間T2,T2’よりも長い時間に設定される。なお、ホッパー40の払出動作に要する可動時間は、例えば200ms程度で一定の時間である。これにより、1枚の払出枚数をホッパー40の払出動作によって実際に払い出す場合にあっても、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出され、1枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図124の(f)参照)。
一方、図125の(a)に示すように払出間隔タイプが均等でない場合であって、15枚のメダルが全てクレジット枚数として払い出される(加算される)場合、残払出枚数が1枚になるまで払出間隔遅延時間T1’を繰り返し待ちつつクレジット枚数の更新表示が行われ、その後、最後の1枚については、払出時間計測タイマを用いて算出された間隔カウントの時間分(払出間隔遅延時間T3)を待って払い出される(クレジット枚数として更新表示される)。
この場合、払出間隔遅延時間T1’は、先述の払出間隔遅延時間T1よりも短い例えば50ms程度の時間に設定される。また、クレジット枚数の更新表示に要する時間は、例えば100ns程度の時間で一定である。このように、払出間隔を均等とせずに15枚の払出枚数をクレジット枚数として更新表示する場合にあっても、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてクレジット枚数が更新表示され、最後となる15枚目のクレジット枚数更新表示が行われるまでの略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図125の(f)参照)。
また、図125の(b)に示すように、15枚のメダルが全てホッパー40により払い出される場合は、払出間隔遅延時間T1’を繰り返し待ちつつホッパー40の払出動作が行われる。
払出間隔遅延時間T1’は、50ms程度の時間であるので、この場合は、払出間隔遅延時間T3を設定せずに3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出されることとなる。このときにおいても、15枚のメダルが全て払い出されるまでの間、略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図125の(f)参照)。
また、図125の(c)に示すように、払い出し(クレジット枚数更新表示)の途中にクレジット枚数が上限に達した場合は、払出間隔遅延時間T1は変更されないが、払出間隔遅延時間T3を適当に調整することにより、クレジット枚数の更新表示からホッパー40の払出動作に切り替えられた後、最後の15枚目の払出動作が払出間隔遅延時間T3で遅延させられる。すなわち、上記と同様に3.75sec(略4秒)程度の時間を費やして15枚のメダルが払い出されることとなる。このような場合にあっても、15枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図125の(f)参照)。
また、図125の(d)に示すように、3枚のメダルが全てホッパー40により払い出される場合、2枚目までは払出間隔遅延時間T1を繰り返し待ちつつホッパー40の払出動作が行われ、最後の3枚目の払出動作が払出間隔遅延時間T3で遅延させられる。この場合も、払出間隔遅延時間T3が適当に調整されることにより、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出され、3枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図125の(f)参照)。
また、図125の(e)に示すように、1枚のメダルがホッパー40により払い出される場合、払出間隔遅延時間T3を待ってホッパー40の払出動作が行われる。この場合の払出間隔遅延時間T3も適当に調整されることにより、3.75sec(略4秒)程度の時間を費やしてメダルが払い出され、1枚分のメダルの払い出しが行われる略4秒程度の期間にわたって払出音が継続的に出力される(図125の(f)参照)。
したがって、本実施例の構成によれば、AT対象役となるベルが表示役として成立した場合に、メダルの払出枚数がAT対象役でない氷よりも少なくなるものの、氷が表示役として成立した場合と変わりないように遊技者に対して払出音を感じ取らせることができる。
すなわち、ベルが内部当籤役として決定されたことを停止操作の押し順によって報知するナビ遊技状態においては、当該のベルの入賞でも相対的に少ない枚数のメダルしか払い出されないものの、払出枚数が多い場合と同じ時間的長さで払出音が出力されるので、この払出音によって遊技者に対して物足りなさや違和感を感じさせにくくすることができ、そのようなナビ遊技状態に対する興趣の減退を特に防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したものに限られるものではない。
例えば、本実施形態のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。また、ゲームプログラムは、例えばインターネットを介したダウンロード形式のプログラムとして配布されるものであってもよい。