以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳細に説明する。
図1に、本発明の実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、本体部12の前面側(遊技者側)に開閉可能に設けられた前面扉14とによって構成されている。この前面扉14のほぼ中央部には、フロントパネル20が設けられ、図2に示すように、その略中央には表示窓21が形成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられ、表示窓21から各リールの図柄を視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに停止表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
3つのリールが停止したときに何らかの役が入賞したか否かは、上述した9つの図柄のうち、所定の停止表示位置に停止表示された図柄の組合せ(以下、「図柄組合せ」という。)によって判断され、これらの停止表示位置を結ぶ線を入賞ラインという。本実施形態では、規定数が「3」であり、3枚のメダルが賭けられた(3枚のメダルがベットされた)状態で遊技が行われると、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの下段D(入賞ラインLa)に停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。ただし、後述する複数のボーナス役のうち、1BB−Aが入賞したことによって開始されるボーナス遊技(ボーナスゲームともいう。)中は規定数が「2」となり、2枚のメダルが賭けられた(2枚のメダルがベットされた)状態で遊技が行われると、左リール40Lの上段U、中リール40Cの下段D及び右リール40Rの上段U(入賞ラインLb)に停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。このように、入賞ラインは、ベットされた遊技媒体の枚数に応じて予め定められたラインに変更可能に構成されている。
なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄組合せが揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された(すなわち、役が入賞した)ことを意味する。また、入賞ラインとなっている停止表示位置のことを、「入賞停止位置」ともいう。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓21の左側には後述するART中に点灯するARTランプARTLP(ATランプATLPともいう。)が設けられている。ARTランプARTLPの発光源は、フロントパネル20の背面に設けられた2つのLED29a,29b(後述する)であり、これらLEDの光が図1および図2中、破線で示す透光領域を透過することによって発光する。
図2において、表示窓21の下側には、左から順に、遊技開始表示ランプ25(以下、「遊技開始表示LED25」という。)、投入表示ランプ26a,26b,26c(以下、「投入表示LED26a,26b,26c」という。)、クレジット数表示器27(以下、「クレジット枚数表示器27」、「貯留枚数表示器27」ともいう。)、獲得枚数表示器28(以下、「払出枚数表示器28」ともいう。)、投入可能表示ランプ24(以下、「投入可能表示LED24」という。)、再遊技表示ランプ23(以下、「再遊技表示LED23」という。)、および、清算表示ランプ22(以下、「清算表示LED22」という。)が設けられている。遊技開始表示LED25は、図1に示すスタートスイッチ36の操作を受け付け可能な状態のときに点灯し、それ以外の状態のときに消灯する。投入表示LED26a,26b,26cは、ベットされているメダルの枚数を表示するものである。ここでは、1枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26aが点灯し、2枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26aおよび2枚投入表示LED26bが点灯し、3枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26a、2枚投入表示LED26bおよび3枚投入表示LED26cが点灯する。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。スロットマシン10は、規定数のメダルがベットされると1回の遊技が可能となる。本実施形態における規定数は基本的に3枚であるが、複数のボーナス遊技のうち、1BB−A遊技(後述する)中のみ規定数が2枚になる。
クレジット数表示器27は、2桁の8セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(以下、「貯留」ともいう。)されている(より具体的には、後述する記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている)メダルの枚数(上限は50枚)を表示する。ここで、8セグメント表示器は、図4(a)に示すように、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる表示器である。セグメントa〜gの形状は線状になっており、セグメントDP(セグメントDPの発光面)の形状は、直径が1mmの円形になっている。なお、クレジット数表示器27の下位桁のセグメントDPは、後述する有利区間ランプ(以下、「有利区間LED」、「有利区間表示器」、「区間表示器」ともいう。)として使用される。なお、セグメントa~gを7セグメント表示部、セグメントDPをドットセグメント表示部ともいう。
また、図4(a)では、クレジット数表示器27の下位桁のみセグメントa〜gおよびセグメントDPの符号を図示しているが、他の8セグメント表示器における各セグメントについても同様の符号が付されているものとする。獲得枚数表示器28は、2桁の8セグメント表示器からなり、遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。もちろん、セグメントDPを何かしらの用途に使用する場合は、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる8セグメント表示器を採用する必要があるが、セグメントDPを使用しない場合には、セグメントa〜gからなる7セグメント表示器を採用してもよい。また、8セグメント表示器、7セグメント表示器の総称として「セグメント表示器」ともいう。
図2において、投入可能表示LED24は、スロットマシン10がメダルの投入を受け付けているときに点灯し、メダルの投入を受け付けていないときに消灯する。再遊技表示LED23は、次の遊技が再遊技であるときに点灯し、当該再遊技が終了したときに消灯する。清算表示LED22は、図1に示す清算スイッチ33が操作されたことにより、クレジットされていたメダルが払い出されている間点灯する。
図1に戻り、上述したフロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の前面右側には、本体部12に対して前面扉14を施錠または開錠するドアキー31が設けられている。本実施形態では、ドアキー31に台鍵(図示略)を差し込み、時計回りに回す(前面扉14に向かって右に回転させる)と前面扉14が開錠され、反時計回りに回す(前面扉14に向かって左に回転させる)と異常状態(以下、「エラー状態」ともいう。)の解除(リセット)を行うことができる。
操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、投入されたメダルを選別する為のセレクタ80(後述する)が設けられ、セレクタ80内のメダルセンサ(投入センサ)が、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常の検出(以下、「エラーの検出」ともいう。)を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定数)までのメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。また、規定数のメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジット(RWMに記憶)される。なお、規定数のメダルがベットされ、かつ、クレジット(RWMに記憶)された枚数が上限(50枚)に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と、最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ38および決定スイッチ39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられている。また、決定スイッチ39の上面(操作面)には“PUSH”の文字が印刷されている。
操作パネル部30の正面左側には、リールを回転させるためのスタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(入賞した)ときは、次の遊技(再遊技)において、再遊技役(「リプレイ役」ともいう。)が入賞した遊技でベットされていたメダルの枚数と同数分、自動的にベットされ、投入表示LED26a,26b,26cがベットされた枚数分だけ点灯し、次の遊技を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、上限(50枚)に達するまでクレジットするようにしてもよい。
また、再遊技役が入賞した場合において、次の遊技に自動的にベットされるメダルの枚数は、遊技状態に応じて決定されるようにしてもよい。例えば、第1の遊技状態(SB遊技の規定数を「2」とする)において2枚のベットで遊技が実行され、当該遊技で再遊技役が入賞した場合、次の遊技においては、第2の遊技状態(通常遊技の規定数を「3」とする)であるので3枚分の自動ベット処理が実行される。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、フリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。フリーズ演出は、遊技の進行が遅延している状態において実行される演出であり、特に、スタートスイッチが操作された直後に遊技の進行を遅延させる場合は、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるフリーズ演出(以下、「リール演出」ともいう。)を実行することができる。リール演出としては、例えば、通常の回転方向(上から下)とは逆方向(下から上)にリールを回転させたり、リールを所定の図柄数分だけ上から下または下から上に回転させて特定の図柄組合せを停止表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止させたまま、他のリールを回転させたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりしてもよい。
操作パネル部30の正面中央部には、リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。すなわち、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられており、遊技者によって操作されたストップスイッチに対応するリールに対して停止制御を行う。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受け付けられない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効(受け付け可能な状態)になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lの停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cの停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rの停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、ストップスイッチを操作することを「停止操作」といい、全リールが回転を開始してから最初の停止操作を第1停止操作、2番目の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27の表示も「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。上述した受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作がなされたときまでの間とする。
上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが払い戻されるようになっている。これに限らず、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことが可能な状態になったときに、清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の左側には左サイドランプ52Lが、右側には右サイドランプ52Rが設けられている。サイドランプ52L,52Rは、遊技待機中(以下、「非遊技中」ともいう。)や遊技の結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。
例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが入賞役(「小役」ともいう。)に対応していた場合、その入賞役に対応した枚数のメダルがクレジット(RWMに記憶)されるか、または後述するホッパー83(具体的にはホッパーモータ46)が作動して、ホッパー83に貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中や非遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、総遊技回数(総ゲーム数ともいう)やボーナス役の総当選回数等を表示するための遊技履歴用の画像(いわゆる遊技履歴画面)や、パスワードの入力後からの遊技回数(ゲーム数ともいう)やボーナス役の当選回数等を含んだ二次元コードを表示するための二次元コード用の画像(いわゆる二次元コード画面)や、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面)、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像(いわゆる演出画面)、スロットマシンの遊技の進行(メダルをベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リールの回転停止)に応じた演出画像(いわゆる演出画面)等を表示することができる。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、メダルが払い出されやすい状態(例えば、ボーナス遊技中やART中のように、遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅(または点灯)する演出用ランプ72が設けられている。演出用ランプ72の左側には、左装飾ランプ72Lが、右側には右装飾ランプ72Rが設けられている。装飾ランプ72L,72Rは、サイドランプ52L,52Rと同様、遊技待機中や遊技結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。
<スロットマシンの内部構造の説明>
次に、図3を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図3において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図3は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図3において、前面扉14の上方、図1に示した画像表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出の実行を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述する副制御基板と画像制御基板とによって構成される。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。図3中、表示窓21の右側には、複数のLEDが設けられており、そのうちLED29a,29bは、図1および図2に示したARTランプARTLPの発光源になっている。LED29a,29bの発光面の形状は、図4(b)に示すように長方形の形状であり、発光面の寸法は縦1.2mm×横4mmになっている。したがって、ARTランプARTLPの発光面の面積は、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP(有利区間LED)の発光面の面積よりも大きくなっている。
また、図2に示したARTランプARTLPの発光領域(同図中、破線部分)は、有利区間LEDとして使用されるクレジット数表示器27のセグメントDPの発光領域よりも大きくなっており、有利区間LEDよりもARTランプARTLPの方が、より遊技者に視認され易くなっている。なお、有利区間LEDよりもARTランプARTLPを視認されやすくする方法としては、発光面や発光領域の面積を大きくする代わりに、有利区間LEDよりもARTランプARTLPをより明るく点灯させるようにしてもよい。この場合、有利区間LEDよりも、ARTランプARTLPの発光面や発光領域の面積を小さくしてもよいし、双方の発光面や発光領域の面積を同じにしてもよい。
このように、有利区間LEDは、ARTランプARTLPよりも目立たなくなっている。すなわち、ART中に移行したことは、遊技者に分かり易いが、有利区間へ移行したこと(有利区間へ移行すること)は、遊技者に分かりにくくなっている。有利区間LEDを設けた理由が、有利区間へ移行することを、遊技者に分かりやすくするためでない場合には、効果的である。例えば、有利区間へ移行することを、遊技場のスタッフに分かり易くするために設けた場合などである。ただし、有利区間LEDを設けた理由が、有利区間へ移行することを、遊技者に分かりやすくするためである場合は、この限りではない。そのような場合は、有利区間LEDをARTランプARTLPよりも目立たせる(またはARTランプARTLPと同じくらい目立たせる)ことが好ましい。
従来のスロットマシンは、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技を開始するか否かを決定する抽選(以下、「AT抽選」ともいう)に当選しても、AT抽選に当選した遊技の次の遊技から所定回数の遊技が行われたことを契機として、AT抽選に当選したことを報知するものが大半であった。なぜなら、AT抽選に当選した遊技で報知すると、遊技者のAT遊技への期待感を長期間に亘って煽ることができないと考えていたからである。
このため、遊技者の中には、AT抽選に当選しているのにもかかわらず、そのことに気が付かずに(AT抽選に当選したことを報知する前に)遊技を止めてしまう者がいた。特に、初心者にその傾向が見られた。その一方で、端から自身の力でAT抽選に当選させる気がなく、所定回数の遊技だけを行うことで既にAT抽選に当選しているスロットマシンを見つけ出して遊技を行う者もいる。このような状況において、AT抽選に当選したときに遊技を行っていた者(AT抽選に当選させた者)がAT遊技を行わず、AT抽選の当選に何等寄与していない第三者がAT遊技を行うのは不条理ではないかという声があった。
このような声に応えるため、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能な有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽選に当選したことに気付かずに、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくすることができるスロットマシンを提供する必要があった。
一般に、大半の遊技者は遊技をやめる際に、クレジットにメダルが残っていないか確認をする。そして、クレジットにメダルが残っていたときは、清算スイッチ33を操作することになる。そこで、本実施形態では、有利区間移行抽選に当選したときは、清算スイッチ33の操作が有効になる前に、有利区間LEDを点灯させるようにしている。ただし、次の遊技から有利区間ではなく、後述する待機区間に移行させる場合は除く。これにより、遊技者が清算スイッチ33を操作する(遊技をやめる)前に、有利区間移行抽選に当選したことを報知できるため、誤って(有利区間移行抽選に当選していることに気が付かず)遊技をやめてしまうことを抑止できる。
また、本実施形態は、クレジット数表示器27の未使用セグメント(セグメントDP)を有利区間LEDとして利用するようにしている。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、同時に有利区間移行抽選に当選しているか否かを確認できるようになっている。さらに、クレジット数表示器27の未使用セグメントを利用することで、別途LEDを設ける必要がなく、コストが増えることもない。
近年、設定値により高確(ART中に移行しやすい状態)やART中に移行する確率が異なるスロットマシンが急増しているが、遊技場に設置されたスロットマシンの大半が低い設定値に設定されており、なかなか高確やART中に移行しないといった苦情が挙がっていた。また、一部のスロットマシンでは、高い設定値に設定されていると、稀にではあるが1回のART中に1万枚以上のメダルが払い出されていることがあり、射幸心を煽っているとの声が挙がっていた。
そこで、高確やART中に移行する確率を設定値によって偏りにくくするため、高確やART中に移行するための条件となる役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率は設定値によって同一となるように定めることとするとともに、決定された役に対応する高確やART中に移行するための移行抽選の当選確率も設定値によって同一となるように定めることとした。また、高確やART中等のATに関する特別な状態に滞在している状況が多くなり過ぎ、一連の遊技によって過度にメダルが払い出されることを防止するため、高確やART中等のATに関する特別な状態に滞在できる限度を定めることとした。
これらを踏まえ、高確やART中等のATに関する特別な状態とその他の状態を区分するため、本実施形態における遊技区間として「通常区間」、「有利区間」、及び「待機区間」を備える。
「通常区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御基板に送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間をいう。また、役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率が設定値によって同一である予め定められた役に基づいて、後述する有利区間(又は待機区間)に移行するか否かを決定できる遊技区間である。
「有利区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御基板に送信することが可能な遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様を報知可能な区間をいう。また、有利区間の終了条件の一つとして有利区間における遊技が予め定められた遊技回数(本実施形態では1500ゲーム)に達したことを条件に、「通常区間」に移行するように定められた遊技区間である。
「待機区間」とは、「通常区間」から「有利区間」に移行する権利を有しているものの、未だ「有利区間」に移行していないときの遊技区間をいう。具体的には、ボーナス役(本実施形態では1BB−A〜Fなど、当選情報(または、条件装置の作動状態)が次の遊技以降にも持ち越される役)が当選したときに、さらに「通常区間」から「有利区間」に移行する抽選に当選した場合に限り移行可能な遊技区間であって、予め定められた条件を満たした場合(例えば、当選していたボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されたこと)に、「待機区間」が終了し、次の遊技から「有利区間」が開始されることとなる。
また、待機区間は、通常区間と同様に、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御基板に送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間でもある。「待機区間」は、本来は「有利区間」に移行すべきであるが、「有利区間」に移行させてしまうと、不都合な事象が発生してしまう可能性があるため、「有利区間」へ移行させることを猶予されている遊技区間といえる。そのため、不都合な事象が発生する可能性がなければ、「待機区間」に移行させることなく、「有利区間」に移行させてもよい。ちなみに、不都合な事象とは、有利区間LEDを点灯させることで、当選番号が意図しないタイミングで判別できてしまうことなどである。
なお、有利区間LEDとして、獲得枚数表示器28の8セグメント表示器におけるセグメントDPを使用してもよい。この場合、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することを決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間LEDを点灯させることが好ましい。これにより、例えば非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、遊技履歴画面を画像表示装置70に表示するスロットマシン10では、遊技者が有利区間LEDの点灯を見落としにくくなる。
具体的には、非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面を画像表示装置70に表示する。そして、メニュー画面が表示されている状況下では、選択スイッチ38の操作により、遊技履歴画面、パスワード入力するためのパスワード入力画面、二次元コード画面のうち、次にどの画面を表示するか選択可能となっている。すなわち、遊技者は、遊技を終えるときに、携帯端末に備わっている二次元コードリーダーを起動させ、二次元コードを取得するため、決定スイッチ39を操作することになる。
そして、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設けていることにより、決定スイッチ39を操作する際に、その視界には獲得枚数表示器28が入っているため、有利区間LEDが点灯していれば、点灯に気づかないことは稀であると言える。すなわち、次の遊技から有利区間に移行することに気付かず遊技を終えてしまうことを抑制することができる。もちろん、クレジット数表示器27のセグメントDPを、有利区間LEDとして使用する場合も、クレジット数表示器27は決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することが決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間LEDを点灯させることが好ましい。
表示窓21の下側には、前述したセレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルの中から正規のメダルを選別する。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。一方、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するホッパー83のメダル貯留部83a(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。
また、セレクタ80は、第1投入センサ48a、第2投入センサ48bおよびメダル通路センサ49を備えており、これらのセンサによって受入通路81bへ導かれるメダルの検出や、メダルの投入に関する異常を検出している。例えば、第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bによってメダルが検出される時間差や検出される順序などに基づいて、投入されたメダルに関する異常を判断している。また、メダル通路センサ49が所定時間以上、メダルを検出し続けた場合は、セレクタ80内でメダル詰まりが発生したと判断している。前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lの位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
次に本体部12の内部において、正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図3ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。本体部12の内部、背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100のハードウェア部分を構成する主制御基板101を収容した主制御基板ケース102が取り付けられている。
ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールの基準位置(後述する)を検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。
本体部12内の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、ホッパー83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常(一部の異常は除く)が検知されたことによって遊技の進行(制御処理)が強制的に停止された場合に、再び遊技の進行(制御処理)を開始させる際に操作されるものである。
なお、図1に示したドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、設定/リセットスイッチ82cを操作した場合と同様の作用を呈する。また、上述したキースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、いずれもオフ状態(第1の状態)とオン状態(第2の状態)とに切り替え可能な切替手段に相当する。また、ドアキー30についても、台鍵が中立している状態(第1の状態)と、台鍵を左に回してエラーを解除する状態(第2の状態)とに切り替え可能な切替手段に相当する。また、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12内に設けられた電源ユニット82に取り付けられているが、前面扉14の裏側に取り付けてもよい。このように、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12および前面扉14からなる筐体の内部に設けられているため、前面扉14が閉じられた状態では操作が困難になっている。また、「操作が困難」とは、例えば、前面扉14が閉められた状態では、針金や棒状の部材等を使った不正行為によって操作しなければならない、または、前面扉14が開いていることを不正行為によってドアスイッチ44が検出できない状態にした上で、前面扉14を開けて操作しなければならない、といった意味合いも含んでいる。
ホッパー83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、メダルを払い出す装置である。具体的には、図5に示すように、ホッパーモータ46によって回転円盤83bが回転すると、メダル貯留部83aに貯留されたメダルが、排出口83cから一枚ずつ飛び出すようになっている。そして、前面扉14の裏面には、メダル払出口61につながっている払出通路81cが設けられており、排出口83cから飛び出したメダルが、払出通路81cに穿設されたメダル孔81dに飛び込むことで、受け皿61へメダルが払い出される。ホッパー83内において、排出口83cの近傍には、排出されるメダルを検知する第1払出センサ47aおよび第2払出センサ47bが設けられている。主制御手段100は、これら払出センサの出力信号に基づいて、払い出したメダルを計数すると共に、メダルの払い出しに関する異常を検出する。
ホッパー83のメダル貯留部83aは、約700枚のメダルを貯留することができるが、許容量以上のメダルが蓄積されるとメダル貯留部83a内に設けられたオーバーフローシュート83dからメダルが溢れ、図3メダル補助収容庫84内に収容される。メダル補助収容庫84は、図3に示すように上面に開口Kを有する箱状の部材であり、図3に示すように、メダル補助収容庫84の奥側の垂直壁面には、開口Kの近くに2つ、底面の近くに1つ、計3つの丸穴84aが穿設されている。そして、メダル補助収容庫84を、本体部12内の所定位置に置いたときに、本体部12に取り付けられている2本の棒状電極85aと、1本の棒状電極85bとが、各々対応する丸穴84aを通して、メダル補助収容庫84内に貫入される。
これにより、メダル補助収容庫84内にメダルが蓄積されていって、メダルが棒状電極85aの位置まで蓄積されると、メダル自身の導電性によって棒状電極85aと85bとの間が電気的に導通する。主制御手段100は、この導通を検知することで、貯留されているメダルが上限に達したことを検知している。なお、図3に示した棒状電極は、開口Kの近くに2本、底面の近くに1本の計3本になっているが、これに限らず、開口Kの近くに1本、底面の近くに1本の計2本であってもよいし、開口Kの近くに2本、底面の近くに2本の計4本であってもよい。
<主制御基板ケースについて>
次に図6を参照して主制御基板ケース102の外観について説明する。なお、図6(a)は主制御基板ケース102の正面図、図6(b)は図6(a)に示すA−A線において矢印の方向から見た断面図、図6(c)は主制御基板ケース102の斜視図である。
図6(a)において、正面右側に形成された突起部104aを、本体部12の背板に固定されているブラケット16(図3参照)に形成されたツメに係合(または、取付穴に挿入)させた状態で、主制御基板ケース102の左側に設けられた固定具105aおよび105b(図6(c)参照)をブラケット16側に押し込む。これにより、固定具105aおよび105bの先端がブラケット16に設けられた取付穴(図示略)に嵌合して、主制御基板ケース102がブラケット16に仮固定される。換言すると、ブラケット16とは、主制御基板ケース102をスロットマシン10に取り付ける際の支持部である。
主制御基板ケース102は、透明なプラスチック部材からなるケース本体102aとケース蓋体102bとで構成され、図6(b)に示すように、その内部に主制御基板101を収容している。また、主制御基板ケース102の正面には、後述する役比モニタ103の表示窓YMと、かしめ使用記録シール108を貼付する領域が形成されている。表示窓YMは、役比モニタ103の設置位置(実装位置)に形成された凹部であり、凹部の底面は矩形になっている。これは、役比モニタ103の表示面と、主制御基板ケース102の表面とを、できるだけ接近させることで、役比モニタ103の表示を視認するときに、外来光が主制御基板ケース102の表面に反射して役比モニタ103の表示が見にくくなるのを避けるためである。
ただし、表示窓YMと、役比モニタ103の表示面との間隔が少なすぎると、不正行為によって(例えば、主制御基板ケース102の表示窓YMが押されて)役比モニタ103が壊されてしまったり、不正行為によって主制御基板ケース102に静電気を流されて、役比モニタ103に悪影響を及ぼされてしまったりする虞がある。このため、表示窓YMと、役比モニタ103の表示面との間隔は、最小でも0.5mmであることが望ましい。また、表示窓YMの水平方向における寸法は、役比モニタ103の横幅に対して左右1mmずつ広い寸法であることが望ましい。これは、水平方向における寸法が、役比モニタ103の横幅と同じ寸法であると、役比モニタ103を視認する角度によっては、役比モニタ103の表示が見にくくなる可能性があるからである。
図6(b)に示すように、表示窓YMの短辺側壁は、同図中、左側の側壁アが垂直になっているのに対して、右側の側壁イには傾斜θが設けられている。これは、前面扉14のヒンジが筐体正面の左側にあるため前面扉14の正面右側が開くことから、主制御基板ケース102がブラケット16に取り付けられたままの状態だと、主制御基板ケース102の正面右側から役比モニタ103を視認することになる。したがって、側壁イに傾斜θを設けることで、表示窓YMの縁ウによって役比モニタ103の表示が隠されにくくすることができる。
もちろん、ブラケット16は、どの位置にあってもよいため、主制御基板ケース102の正面左側から役比モニタ103を視認することになる場合(ブラケット16が本体部12の左側板に固定されている場合)は、左側の側壁に傾斜を設けることが好ましく、主制御基板ケース102の正面上側または正面下側から役比モニタ103を視認することになる場合(ブラケット16が本体部12の背板下方または上方に固定されている場合)は、上側または下側の側壁に傾斜を設けることが好ましい。なお、1つ以上(最大4つ)の側壁に傾斜を設けていてもよい。ここで、傾斜θの適切な角度としては、25度〜60度の範囲内の値であることが望ましい。25度未満の場合には、前面扉14を開いた状態で役比モニタ103を確認する場合において視認性が落ちてしまう。また、60度を超える場合には、図6(a)をもとに説明すると、かしめ使用記録シール108の貼付位置がより右側になるため、マイコンチップZ1やスイッチモニタMLの配置位置(実装位置)にも影響を及ぼしてしまう(かしめ使用記録シール108の貼付位置の下に配置(実装)させないようにするため)。
また、主制御基板ケース102には、かしめ部材(図示略)を収容するための、かしめ収納部が複数設けられている。かしめ部材は、主制御基板ケース102を開けたり、主制御基板ケース102をブラケット16から取り外したりした場合に、その痕跡を残すためのものである。また、各かしめ収容部は、一旦かしめ部材を収容すると、かしめ収容部自体を破壊しなければ、かしめ部材を取り外せないようになっている。図6(a),(c)において、ケース蓋体102bに設けられたかしめ収容部107aは、主制御基板ケース102のケース本体102aとケース蓋体102bとをかしめる、かしめ部材を収容する。
具体的には、ケース本体102aには、かしめ部材をスライドして取り付けるかしめ取付部(図示略)が設けられており、かしめ部材をかしめ取付部に取り付けた後、ケース蓋体102bに設けられたかしめ収容部107aにかしめ部材を収容すると、かしめ部材に形成されたツメが、かしめ収容部107aに形成された穴に嵌合することにより、ケース本体102aとケース蓋体102bとがかしめられる。これにより、主制御基板ケース102を開けて中の主制御基板101を取り出すには、かしめ収容部107aを破壊する必要がある。
以下では、かしめ収容部107aに収容されるかしめ部材をかしめ部材A(図示略)といい、同様に、かしめ収容部107b,107c,107fに収容されるかしめ部材を、かしめ部材B(図示略)という。
ケース蓋体102bに設けられたかしめ収容部107b,107f(図中、「B」,「F」と表記)は、主制御基板ケース102とブラケット16とをかしめる、かしめ部材を収容する。具体的には、ブラケット16には、かしめ部材をスライドして取り付けるかしめ取付部(図示略)が設けられており、かしめ部材をかしめ取付部に取り付けた後、ケース蓋体102bに設けられたかしめ収容部107b,107fにかしめ部材を収容すると、かしめ部材に形成されたツメが、かしめ収容部107b,107fに形成された穴に嵌合することにより、ケース蓋体102bとブラケット16とがかしめられる。
これにより、主制御基板ケース102をブラケット16から取り外すには、ドライバーなどの工具を用いて、かしめ収容部107b,107fを破壊する必要がある。また、ケース蓋体102bに設けられたかしめ収容部107c(図中、「C」と表記)は、主制御基板ケース102を回収する際に、取り外されたかしめ部材Bを収容する。したがって、かしめ収容部を破壊する際に誤って役比モニタ103も破壊してしまうのを避けるために、かしめ収容部の近傍には役比モニタ103が実装されていないことが好ましい。実際に、図6(a),(b),(c)に示すように、かしめ収容部107aの近傍には、役比モニタ103を実装しておらず、かしめ収容部107b,107c,107fの近傍には、主制御基板側コネクタCN1を実装し、役比モニタ103を実装していない。
すなわち、「かしめ収容部の近傍」とは、かしめ収容部と役比モニタ103との間の距離が近すぎて、別の部品(主制御基板側コネクタCN1などであって、極小の部品は除く)が1つも実装できない状態などをいう。
また、主制御基板側コネクタCN1に嵌合するハーネス側コネクタのワイヤーハーネスは、役比モニタ103の表示を隠さないようにするため、かしめ収容部107b,107c,107fの方向(左側)に取り回され(コネクタカバーを用いてもよい)、その結果、かしめ収容部107b,107c,107fの視認性が低くなっている。かしめ収容部が破壊されていることは、大問題である(不正行為が行われた恐れがある)ため、少なくとも、かしめ部材Bの視認性が低くならないよう、かしめ収容部107bの位置は、他のかしめ収容部よりも図中、上方に設けられていることが好ましい。このようにすることで、ワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス自体の重みにより下側に垂れ下がるため、かしめ収容部107bが見えないといったことがなくなる。
また、いずれのかしめ収容部が使用されたかの履歴を残すために、主制御基板ケース102の正面、略中央には、かしめ使用記録シール108が貼付される。図6(a),(c)に示すかしめ使用記録シール108では、かしめ収容部の種別(「B」,「C」,「F」)ごとに、かしめ収容部を使用した年月日およびかしめ作業を行った担当者名の記入欄が設けられている。スロットマシン10の製造後(工場出荷時)は、最初にかしめ収容部107bが使用される。そして、遊技場に設置後の立入検査時に、かしめ収容部107bが破壊されるとともに、検査後は、次にかしめ収容部107fが使用される。
なお、図示は省略しているが、主制御基板ケース102のケース本体102aとケース蓋体102bとに跨って封印シールが貼付されている。封印シールは、突起部104aおよび突起部104bが形成された封印シールカバーに覆われている。この封印シールは、主制御基板ケース102が開けられた場合に、その痕跡を残すためのものであるが、例えば、製造者において間違って封印シールを貼付してしまった場合等や、悪意を有する者が主制御基板101に対して不正行為を行う場合等に、封印シールを剥離するために溶剤を用いることがある。この際に、溶剤が主制御基板ケース102内にまで入ってきてしまうことが稀にあるため、主制御基板101上には、ケース内に浸入した溶剤が及ぶ虞がある範囲を示す「溶剤危険エリア」が設けられている。本実施形態では、図7にハッチングで示すように、溶剤危険エリアDEは主制御基板101上に実装されているマイコンチップZ1よりも右側に設けられている。
<主制御基板の実装部品について>
次に図7を参照して、主制御基板ケース102内に収納される主制御基板101に実装される部品のうち、主要なものについて説明する。図7に示すように、主制御基板101上には、マイコンチップZ1(以下、「マイクロプロセッサZ1」ともいう。)、発振器G1,G2、8セグメント表示器で構成された設定値表示器87および役比モニタ103、各種8セグメント表示器の駆動用ICであるセグメントドライバSD、デジットドライバDD1およびDD2が実装されている。また、この他にも各種IC、複数の抵抗R、コンデンサCおよびツェナーダイオードZD、デジタル信号のオン/オフをチェックするためのスイッチモニタML、主制御基板側コネクタCN1などの各種部品が実装されている。
マイコンチップZ1は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ)、RWM(リード・ライト・メモリ)、乱数回路(乱数生成手段)およびタイマ回路(タイマカウント手段)、I/Oポート等を有しており、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいてスロットマシン10の各部を制御する。以下、特に断りなく単にCPU、ROM、RWM、乱数回路またはタイマ回路と記す場合、または主制御手段100のCPU、ROM、RWM、乱数回路またはタイマ回路と記す場合は、マイコンチップZ1内に備えられたものを指す。図3および図7から解るように、マイコンチップZ1は主制御基板101上において、スロットマシン10の正面中央よりも前面扉14の開放側(図3及び図7中、右側)に実装される。
これは、後述するように役比モニタ103や主制御基板側コネクタCN1が、正面中央よりも前面扉14のヒンジ側に実装されるためである。すなわち、マイコンチップZ1から出力される各種信号は、そのままでは他のデバイス(例えば、8セグメント表示器等)を駆動することができないものが多く、ほとんどの信号は、外付けのICによって出力先のデバイスに適した仕様(電圧値や電流値など)の信号に変換する必要がある。このため、少なくともマイコンチップZ1と役比モニタ103との間には、役比モニタ103の駆動用ICを実装するためのスペースを設けるために、マイコンチップZ1と役比モニタ103との間に距離を置く必要がある。また、マイコンチップZ1は、スロットマシン10が遊技場に設置された後に、正規のマイコンチップZ1が実装されているか否かを目視によって確認されるため、前述したかしめ使用記録シール108に隠されてしまう位置に実装することはできない。したがって、これらの条件を満たすようにマイコンチップZ1を実装しようとすると、正面中央より前面扉14の開放側が最適な位置となる。
図7に戻り、発振器G1およびG2は、マイコンチップZ1に対して各種クロック信号を出力する。具体的には、発振器G1はマイコンチップZ1内で生成される乱数を更新するための乱数更新用クロック信号を発生し、発振器G2はマイコンチップZ1内のCPUを作動させるためのシステムクロック信号を発生する。なお、マイコンチップZ1内で生成される全ての乱数の更新を、更新用クロック信号に基づいて行わなければならないものではなく、システムクロック信号に基づいて行われてもよい。例えば、役抽選に用いられる乱数の更新は、乱数更新用クロック信号に基づいて行われるが、それ以外の抽選に用いられる乱数の更新は、システムクロック信号に基づいて行われてもよい。また、発振器G1を実装せず、マイコンチップZ1内で生成される全ての乱数の更新を、システムクロック信号に基づいて行ってもよい。これらの発振器G1およびG2は、出力するクロック信号にノイズが載りにくくなるようにするため、できるだけマイコンチップZ1の近傍に実装して発振器G1およびG2とマイコンチップZ1との間の配線をできるだけ短くするのが好ましい。
スイッチモニタMLは20個のLEDで構成され、各LEDは、予め対応づけられたデジタル信号(スタートスイッチ36が操作されたときに出力される信号など)のオン/オフ状態に応じて点灯または消灯する。これにより、各デジタル信号の経路上における部品や配線、さらにはデジタル信号のオン/オフ状態が正常か否かをチェックすることができる。したがって、スイッチモニタMLは、主制御基板101上において、前述したかしめ使用記録シール108によって隠されない位置に実装されている。また、スイッチモニタMLを構成する各LEDの光が強い場合、その光によって後述する役比モニタ103の視認性が低下してしまう虞がある。このため、スイッチモニタMLは、役比モニタ103の近傍に実装しないことが好ましい。
ここでいう「役比モニタの近傍」とは、スイッチモニタMLの光が役比モニタ103まで届く距離である状態、および/または役比モニタ103とスイッチモニタMLとの間に、別の部品(ただし、ICなどであって、極小(光を遮ることができない大きさ)の部品は除く。以下同様。)が1つも実装されていない状態(別の部品により光が遮られない状態)をいう。ただし、スイッチモニタMLの光が役比モニタ103の視認性を低下させる虞がなければ、スイッチモニタMLを役比モニタ103の近傍に実装してもよい。この場合、役比モニタ103およびスイッチモニタMLの表示を同時に視野に収めることができるため、例えば遊技場に設置されたスロットマシン10の確認作業の手間を軽減することができる。
役比モニタ103は、スロットマシン10の設置後に、スロットマシン10が不正に改造されていないことを確認しやすくするために設けられたものであり、スロットマシン10の稼働実績によるメダルの払出枚数や遊技状態に関する複数の情報を表示するものである。具体的には、図8(a)に示すように4つの8セグメント表示器からなり、下位2桁(図8(a)中、右側の2つ)の8セグメント表示器は、各種の比率(後述する)を表す数値を表示する比率表示部RAであり、上位2桁(図8(a)中、左側2つ)の8セグメント表示器は、比率表示部RAに表示された比率の種類(以下、「識別子」ともいう。)を表示する識別子表示部IDになっている。そして、役比モニタ103の表示面の面積は、縦の寸法をN、横の寸法をMとした場合、M×N÷4≧36mm2の関係が満たされるようになっている。
このように、役比モニタ103は、必要に応じていつでもその表示内容を視認することができるように、主制御基板101上において、前述したかしめ使用記録シール108によって隠されない位置に実装されている。さらに、役比モニタ103の表示を視認するときは、前面扉14の開放側(図7の正面図右側(マイコンチップZ1側))から確認することになるため、かしめ使用記録シール108の貼付位置の真横に役比モニタを実装してしまうと、見る角度によっては役比モニタ103の表示の一部が、かしめ使用記録シール108に隠れてしまう虞がある。このため、役比モニタ103は、かしめ使用記録シール108の貼付位置から離して実装することが好ましい。
なお、図8(a)に示した役比モニタ103の外観は、4つの8のセグメント表示器を横一列に配置して、識別子表示部IDと比率表示部RAとを横方向に並べているが、これに限らず、たとえば図8(b)に示すように、2つの8のセグメント表示器を横二列(2×2)に配置して、上側2つの8のセグメント表示器を識別子表示部ID、下側2つの8のセグメント表示器を比率表示部RAとして使用してもよい。この場合、上側2つの8のセグメント表示器のうち、下位桁側のセグメントDPを点灯させる。
また、後述する主制御基板側コネクタCN1が、主制御基板101の中央よりも前面扉14のヒンジ側(図7中、左側)実装されるため、それに応じて役比モニタ103も、主制御基板101の中央より前面扉14のヒンジ側に実装される。これは、主制御基板101の配線を効率良く形成するためである。具体的には、役比モニタ用の駆動ICと主制御基板側コネクタCN1との配線の経路上に、役比モニタ103を実装することで、基板上に形成する配線の経路を効率良くすることができる。
したがって、役比モニタ103は、主制御基板側コネクタCN1と役比モニタ用の駆動ICとの近傍に実装するのが好ましい。ここで、「主制御基板側コネクタCN1と役比モニタ用の駆動ICとの近傍」とは、役比モニタ103と主制御基板側コネクタCN1との間に、および、役比モニタ103と役比モニタ用の駆動ICとの間に、別のICが1つも実装されていない状態をいう(ただし、抵抗R、コンデンサCは実装されていてもよい。)。また、役比モニタ103は再利用可能な部品(取り外して、別の主制御基板に実装してよい部品)であるため、前述した封印シールを剥離する際に使用する溶剤がかからないように、主制御基板101上において、溶剤危険エリア外に実装されている。
なお、役比モニタ103は、主制御基板101上に実装するための領域が確保できない場合は、例えば、役比モニタ103そのもの、または役比モニタ103を実装した小型のプリント基板を、主制御基板101に対して垂直に実装してもよい。このようにすることで、役比モニタ103を実装するための領域を小さくするとともに、役比モニタ103の表示内容を遊技者等に見られにくくすることができる。垂直に実装することにより、表示が正面を向かなくなるためである。また、役比モニタ103を主制御基板101以外の場所(ただしスロットマシン10の筐体内部)に実装してもよい。さらに、役比モニタ103を構成する8セグメント表示器を点灯させるための駆動信号のデューティ比を変化できるように構成してもよい。このように構成することで、役比モニタ103の表示の明るさが調整可能となり、役比モニタ103の表示内容を、遊技者に見られにくくすることができる。
なお、部品以外にも役比モニタ103の近傍にない方が好ましいものとして、主制御基板101上にシルク印刷、エッチング、又はレーザーマーキングなどによって表示される基板製造者名がある。一般に、主制御基板101には不正な基板ではないことを証明するため基板製造者名が表示されており、基板製造者名は、主制御基板101上において視認性が高い場所に表示されていることが好ましい。役比モニタ103の本体は、ある程度の高さを有しているため、役比モニタ103の近傍に基板製造者名を表示するようにしてしまうと、見る角度によっては役比モニタ103に隠れてしまう可能性がある。そのため、基板製造者名の表示は、役比モニタ103の近傍にない方が好ましい。特に、レーザーマーキングで基板製造者名を表示する場合は、すべての部品を実装後に行うことになるため、役比モニタ103の近傍でない方が好ましい。レーザーマーキングの際に、役比モニタ103を壊してしまう可能性があるからである。
また、複数の基板製造者が共通の主制御基板を使用する場合もある。この場合の主制御基板(図7とは別のもの)は、複数の基板製造者名が表示され、各基板製造者名が自分以外の基板製造者名の表示を切除可能になっている。具体的には、主制御基板の一部を切除可能にしておき、そこにそれぞれの基板製造者名を表示しておく。このような場合であっても、基板製造者名の表示は、役比モニタ103の近傍にない方が好ましい。これにより、他の基板製造者名の表示を切除する際に、役比モニタ103が邪魔になることが無く、また、切除の際に、役比モニタ103を半田付けしている部分に負荷がかかって、役比モニタ103が基板から取れてしまう虞を少なくすることができる。
設定値表示器87は1つの8セグメント表示器からなり、設定値を表示するための表示器である。この設定値は後述する役抽選において、所定役の当選確率を設定するものであり、一般に、「1」から「6」までの6通りの設定が可能になっている。ここで、設定値表示器87および役比モニタ108に同じ8セグメント表示器が使用される場合、それらの表示器を駆動するための駆動ICを共通して使う可能性が高くなる。このような場合、設定値表示器87を役比モニタ108の近傍に実装すると、主制御基板101の配線を効率良く形成することが可能となる。ただし、各表示器による表示内容の誤認を避けるため、役比モニタ103と設定値表示器87とを、水平に並べて実装しない方がよい。なお、「役比モニタ108の近傍」とは、役比モニタ103と設定値表示器87との間に、別のICが1つも実装されていない状態をいう。
設定値表示器87は、主制御基板101上ではなく、例えば前面扉14の裏側に設定値表示器87を実装したプリント基板を取り付けてもよい。また、図1に示したクレジット表示器27や獲得枚数表示器28に、設定値が表示できるように構成してもよい。
上述した設定値表示器87および役比モニタ103や、図1に示したクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28に英数字を表示するための駆動用ICとしては、セグメントドライバSD、デジットドライバDD1およびDD2がある。セグメントドライバSDは、上述した各種表示器を構成している8セグメント表示器の、各セグメントa〜gおよびDPに対する駆動信号を出力する駆動用ICであり、セグメントドライバSDの出力は、各8セグメント表示器に対して並列に出力される。すなわち、セグメントドライバSDは、設定値表示器87、役比モニタ103、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28で共通して使用されるものである。
デジットドライバDD1は、役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器のうち、表示を行う8セグメント表示器を表示可能状態にするためのアクティブ信号を出力する駆動用ICである。デジットドライバDD2は、設定値表示器87、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を構成する各8セグメント表示器のうち、表示を行う8セグメント表示器を表示可能状態にするためのアクティブ信号を出力する駆動用ICである。以下、セグメントドライバSDから出力される駆動信号と、デジットドライバDD1およびデジットドライバDD2から出力されるアクティブ信号をまとめて、単に駆動信号ともいう。
図7において、主制御基板側コネクタCN1は、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28に対して、セグメントドライバSDおよびデジットドライバDD2からの駆動信号を出力するためのコネクタである。具体的には、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28は、前面扉14の裏面に設置されている中央表示基板(図示略)に実装されているため、この中央表示基板に実装されているコネクタと、主制御基板側コネクタCN1とは、複数の電線を束ねたワイヤーハーネス(以下、「ハーネス」という。)によって接続される。もちろん、主制御基板と中継用の基板をハーネスで接続するとともに、中継用の基板と中央表示基板をハーネスで接続するものであってもよい。
ハーネスの両端には各々ハーネス側コネクタが取り付けられており、ハーネスの一方端に取り付けられたハーネス側コネクタは、主制御基板側コネクタCN1に嵌合し、他方端に取り付けられたハーネス側コネクタは、前面扉14の裏面に設けられた中央表示基板のコネクタに嵌合する。そして、ハーネス自体は前面扉14のヒンジ側に引き回される。このため、主制御基板側コネクタCN1は、主制御基板101の正面中央よりも前面扉14のヒンジ側に実装されるのが望ましい。
また、主制御基板側コネクタCN1は、役比モニタ103よりも上方に実装しない方が好ましい。すなわち、主制御基板側コネクタCN1にハーネス側コネクタが接続されるため、役比モニタ103よりも上方に主制御基板側コネクタCN1が実装されてしまうと、垂れ下がってきたハーネスが役比モニタ103に覆いかぶさってしまう虞がある。なお、役比モニタ103よりも下方に主制御基板側コネクタCN1が実装された場合でも、弛んだハーネスが役比モニタ103に覆いかぶさってしまう虞がある場合は、その位置には主制御基板側コネクタCN1を実装しないことが好ましい。ただし、コネクタカバー等を用いて、役比モニタ103に覆いかぶさらないようにハーネスを引き回せる場合は、この限りではない。
(役比モニタの表示内容について)
次に、役比モニタ103に表示される情報について、図8(c)を参照して説明する。まず、有利区間比率は、総ゲーム数に対する有利区間中のゲーム数の割合を2桁の百分率で表した値であり、識別子は「7U」である。中期間連役比は、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物(いわゆるRB)の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値であり、識別子は「6y」である。
中期間役比は、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物(いわゆるCB)および普通役物(いわゆるSB)の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値であり、識別子は「7y」である。本実施形態では、第二種特別役物は搭載されていない。累計連役比は、総ゲーム数で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値であり、識別子は「6A」である。累計役比は、総ゲーム数で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物および普通役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値であり、識別子は「7A」である。本実施形態では、第二種特別役物は搭載されていない。
ここで、各情報を表示しているときは、識別子表示部IDの下位桁側の8セグメント表示器において、小数点を表すセグメントDPを点灯させる。図8(c)に示す比率表示部RAの表示態様は、一例として有利区間比率(7U)が70%、中期間連役比(6y)が60%、中期間役比(7y)が70、累計連役比(6A)が60%、累計役比(7A)が70%であるときの表示態様を図示している。なお、比率表示部RAに表示される百分率の値は小数点以下を切り捨てた値であり、比率を算出した結果が100%であるときには、比率表示部RAに「99」が表示されるように制御する。
上述した各種情報は、有利期間比率→中期間連役比→中期間役比→累計連役比→累計役比という順で、循環的に表示され、各情報の表示時間は各々5秒間(許容差±10%)ずつになっている。したがって、識別子表示部IDの表示態様は「7U.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「7U.」→……と遷移し、このとき、比率表示部RAには各識別子に対応する百分率の値が表示される。なお、役比モニタ103の表示は、スロットマシン10の電源が投入されたことを契機に(具体的には、後述するタイマ割込処理の実行を契機に)開始される。なお、工場出荷時(1回も遊技されていない状況)においては、識別子表示部IDの表示態様が「7U.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「7U.」→……と遷移しているとき、比率表示部RAには「00」が表示されるように制御している。
また、中期間連役比および中期間役比を表示する際に、たとえば稼働を開始してから日が浅いなどして、総ゲーム数が6000回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「6y」,「7y」)を点滅させる。また、有利期間比率、累計連役比および累計役比を表示するときに、総ゲーム数が175000回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「7U」,「6A」,「7A」)を点滅させる。これらの場合における点滅表示は、点灯期間と消灯期間の合計時間が0.6秒間(許容差±10%)であり、点灯期間のデューティ比は50%である。すなわち、点灯期間が約0.3秒、消灯期間が約0.3秒となるように制御している。
なお、スロットマシン10では、普通役物および第一種特別役物に係る役物連続作動装置を搭載しているため、役比モニタ103に中期間連役比、中期間役比、累計連役比および累計役比を表示するが、例えば第一種特別役物、第二種特別役物、普通役物および第一種特別役物に係る役物連続作動装置を搭載していないスロットマシンでは、これらの情報が存在しないことになる。この場合、識別子表示部IDに表示する識別子は上述したように「7U.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「7U.」→……と遷移するが、情報が存在しない識別子に対応する比率表示部RAの表示態様は「−−」とする。また、この代わりに、存在しない情報に関する表示が一切行われないようにしてもよい。例えば、普通役物は備えているが、第一種特別役物、第二種特別役物および第一種特別役物に係る役物連続作動装置を搭載していないスロットマシンの場合、役比モニタ103の表示内容が「7U.」→「7y.」→「7A.」→「7U.」→…と遷移して、有利期間比率、中期間役比および累計役比の3種類の情報だけを表示するようにしてもよい。
(役比モニタの表示に用いる記憶領域について)
次に図8(d)を参照して、役比モニタ103に表示する情報を算出するために用いるマイコンチップZ1が有するRWM(リード・ライト・メモリ)の記憶領域について説明する。このRWMは、まず、総払出枚数、役物払出枚数(第一種特別役物、第二種特別役物および普通役物の作動中の払出枚数)および連役払出枚数(第一種特別役物の作動中の払出枚数)の各々について、400ゲームを1セットとして、1セット中(400ゲーム中)に払い出されたメダル枚数の累計値を記憶するために2バイトの情報を記憶する記憶領域が、15セット分、設定されている。これら15セット分の記憶領域はリングバッファとして機能する。すなわち、各種払出枚数の計数を開始し、第1セットから第15セットまで(400ゲーム×15セット=6000ゲーム)の累計値が記憶されると、次の1セット(6001ゲーム目〜6400ゲーム目)における払出枚数の累計値は、第1セットから順次記憶される。
例えば、第1ゲームから第6000ゲームまでの各種累計値が、第1セットから第15セットまで記憶されると、次の第6001ゲームから第6400ゲームまでの累計値は第1セットに記憶し、第6401ゲームから第6800ゲームまでの累計値は第2セットに記憶する、というように最先の累計値が記憶されているセットから順に上書きされていく。
また、総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数の各々について、15セット分の累計値を記憶するために3バイトの情報を記憶する記憶領域が設定されている。ここで、図8(d)では、総払出枚数の6000ゲーム累計値をa、役物払出枚数の6000ゲーム累計値をb、連役払出枚数の6000ゲーム累計値をcと表記している。これら各累計値a〜cは、1セット分の累計値が求まるごと(換言すると400ゲームごと)に6000ゲームの累積値が算出されて更新される。
また、RWMには中期間役比および中期間連役比の値を各々記憶する1バイトの記憶領域が設定されており、6000ゲームの累積値が更新されるごとに、中期間役比(役物払出枚数の6000ゲーム累積値b/総払出枚数の6000ゲーム累積値a)および中期間連役比(連役物払出枚数の6000ゲーム累積値c/総払出枚数の6000ゲーム累積値a)が算出され、各記憶領域に記憶されている中期間役比および中期間連役比の値が更新される。このように、中期間役比および中期間連役比の算出は、400ゲームの各種累積値(総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数)を1セットとして、15セットからなるリングバッファに記憶されている6000ゲームの累積値に基づいて算出される。
このように、本実施形態における「直近の6000ゲーム」とは、400ゲームを1セットとして算出されるものであり、例えば6001ゲームから6400ゲームの間においては、1〜6000ゲームが直近の6000ゲームとなり、例えば6401ゲームから6800ゲームの間においては401〜6400ゲームが直近の6000ゲームとなる。なお、1セットのゲーム数として400ゲームを例示したが、500ゲームや1000ゲームなど、任意のゲーム数であればよい。
また、RWMには、上述した中期間役比および中期間連役比を算出するための記憶領域とは別に、累積役比および累積連役比を算出するための記憶領域が設定されている。まず、総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数の各々について、総累計値を記憶する3バイトの記憶領域が設定されている。これら累計払出枚数A、累計役物払出枚数Bおよび累計連役払出枚数Cの値は、メダル(遊技媒体)の払い出しが行われる毎に更新される。また、累計払出枚数A、累計役物払出枚数Bおよび累計連役払出枚数Cの値に基づいて、累計役比(B/A)および累計連役比(C/A)が算出され、その結果が各々1バイトの記憶領域に記憶される。これら累計役比および累計連役比の値は、1セットのゲーム数(例えば400ゲーム)が実行される毎に算出され更新される。
さらにRWMには、有利区間比率を算出するための記憶領域が設定されている。まず実行されたゲーム数(総ゲーム数)と、有利区間中に実行されたゲーム数(有利区間ゲーム数)とを計数するために、それぞれ3バイトの記憶領域がRWMに設定されている。これら総ゲーム数Dおよび有利区間ゲーム数Eの値は、1ゲームが行われる毎に更新され得る。換言すると、有利区間ゲーム数Eの値は、有利区間中でなければ更新されない。また、総ゲーム数Dおよび有利区間ゲーム数Eの値に基づいて、有利区間比率(E/D)が算出され、その結果が1バイトの記憶領域に記憶される。有利区間比率の値も1ゲームが行われる毎に算出され更新される。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図9を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図9(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。なお、図9(a)に示す矢印は、遊技中(ただしフリーズ演出中を除く)にリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図9(b)に示すように、数字の7を白色、青色および赤色で表した「白7」図柄、「青7」図柄および「赤7」図柄と、円形の図柄の上半分の部分を示す「上半円」図柄と、同じく円形の図柄の下半分の部分を示す「下半円」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄とがある。上述した「上半円」図柄と「下半円」図柄とは、両者を合わせて1つの円形の図柄として認識することもできるため、これら2つの図柄を合わせて二連図柄ともいう。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図9(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図9(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
[図柄組合せと条件装置との対応の説明]
次に、上述した図柄配列の各リールが停止したときに、入賞ライン上に表示された図柄組合せと、条件装置との対応について図10〜図15を参照して説明する。図10〜図15に示す図柄組合せは、それらの図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、遊技者に対して特典が付与されるものを図示している。遊技者に対して付与される特典には、再遊技、入賞(メダルの払い出し)およびボーナス遊技の3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。ここで、図10および図11に示す図柄組合せは再遊技を付与可能な再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せに対応し、図12〜図14に示す図柄組合せは入賞を付与可能な小役の図柄組合せに対応し、図15に示す図柄組合せはボーナス遊技としてBB遊技またはSB遊技を付与可能なボーナス役の図柄組合せに対応している。ここで、BB遊技を付与可能なボーナス役をBB役、SB遊技を付与可能なボーナス役をSB役という。
上述した特典のうち、再遊技は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技)を行うことができる特典である。入賞は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される特典である。BB遊技(ビッグボーナス遊技ともいう)は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技が繰り返し行われる特典である。すなわち、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する。SB遊技(シングルボーナス遊技)は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技において小役が入賞する可能性が高くなる特典である。すなわち、普通役物が作動する。以下では、BB遊技およびSB遊技以外の遊技を通常遊技という。
BB遊技中に実行されるRB遊技は、極めて高確率で小役が入賞する遊技であり、RB遊技中に8回を超えない回数のうち予め定められた回数の入賞、またはRB遊技が開始してから12回の遊技を超えない遊技回数のうち予め定められた遊技回数が行われると終了する。スロットマシン10においては、RB−A遊技とRB−B遊技の2種類のRB遊技が存在する。RB−A遊技とRB−B遊技とでは、小役が入賞したときの払出枚数や、入賞し得る小役の種類が異なっている。RB遊技が終了すると、BB遊技の終了条件が成立していなければ、そのまま次の遊技からRB遊技が開始される。なお、RB遊技中にBB遊技の終了条件が成立した場合は、RB遊技の途中であってもそのRB遊技およびBB遊技は終了する。
なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図10に示す再遊技01に対応する図柄組合せは「ベル−リプレイ−ベル」と記す。
図10〜図15に示す図柄組合せには、各々条件装置が対応付けられている。条件装置は、対応付けられた図柄組合せを入賞ライン上に揃えるために必要な条件とされている装置であり、条件装置が作動すると、その条件装置に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能となる。どの条件装置が作動するかは、後述する役抽選によって定められる。再遊技役に係る条件装置は、図10および図11に示すように「再遊技01」〜「再遊技16」の16個あり、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。
小役に係る条件装置は、図12〜図14に示すように「入賞01」〜「入賞20」の20個あり、再遊技役と同様に、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。ここで、図12〜図14の「払出枚数」欄のうち、「ア」は通常遊技中およびSB遊技中の払出枚数、「イ」はRB−A遊技中の払出枚数、「ウ」はRB−B遊技中の払出枚数を示している。これにより、入賞01、入賞02または入賞13に対応する図柄組合せが揃った場合は、通常遊技中、SB遊技中またはRB−B遊技中であれば、12枚のメダルが払い出されるが、RB−A遊技中だった場合は7枚のメダルが払い出されることになる。
これに対して、入賞05、入賞11または入賞12に対応する図柄組合せが揃った場合は、通常遊技中、SB遊技中またはRB−B遊技中であれば、3枚のメダルが払い出されるが、RB−A遊技中だった場合は7枚のメダルが払い出されることになる。また、入賞03または入賞04に対応する図柄組合せが揃った場合は、遊技の種類に関係なく3枚のメダルが払い出され、入賞06〜入賞10に対応する図柄組合せが揃った場合は、遊技の種類に関係なく1枚のメダルが払い出される。さらに、入賞14〜入賞19はRB−A遊技中のみ入賞する可能性が有り、対応する図柄組合せが揃った場合は7枚のメダルが払い出される。入賞20は、RB−B遊技中のみ入賞する可能性が有り、対応する図柄組合せが揃った場合は12枚のメダルが払い出される。
ボーナス役に係る条件装置は、図15に示すように「1BB−A」〜「1BB−F」という6個のBB役に係る条件装置と、「SB」という1個のSB役に係る条件装置とがある。1BB−Aに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技から1BB−A遊技というBB遊技が開始される。1BB−A遊技中は、RB−A遊技が連続して実行され、1BB−A遊技中に払い出されたメダル枚数が84枚を越えると1BB−A遊技が終了する。より詳細には、1BB−Aに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技からRB−A遊技が開始され、RB−A遊技中に小役が2回入賞するか2ゲームが行われると、RB−A遊技が終了する。そして、そのときに1BB−A遊技の終了条件が成立していなければ引き続き次の遊技でRB−A遊技が開始される。このようにして繰り返しRB−A遊技が行われ、この間に払い出されたメダルの枚数が84枚を越えると1BB−A遊技が終了する。
1BB−Bに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技から1BB−B遊技が開始される。1BB−B遊技中は、RB−B遊技が連続して実行され、1BB−B遊技中に払い出されたメダル枚数が348枚を越えると1BB−B遊技が終了する。ここで、RB−B遊技も、RB−A遊技と同様に、小役が2回入賞するか2ゲームが行われると終了条件が成立する。したがって、1BB−Bに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技からRB−B遊技が開始され、RB−B遊技中に小役が2回入賞するか2ゲームが行われると、RB−B遊技が終了する。そして、そのときに1BB−B遊技の終了条件が成立していなければ引き続き次の遊技でRB−B遊技が開始される。このようにして繰り返しRB−B遊技が行われ、この間に払い出されたメダルの枚数が348枚を越えると1BB−B遊技が終了する。
1BB−C〜Fに対応する図柄組合せが揃うと、揃った図柄組合せに応じて次の遊技から1BB−C〜F遊技のいずれかが開始される。1BB−C〜F遊技中も、1BB−B遊技と同様にRB−B遊技が連続して実行されるが、1BB−C〜F遊技中に払い出されたメダル枚数が60枚を越えると1BB−C〜F遊技が終了する。また、SBに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技に限ってSB遊技が開始される。
このように、本実施形態では6種類の1BBに関する条件装置を設けることで、例えば、いわゆるリーチ目が表示されてボーナス役の当選が遊技者に察知されても、特定のボーナス役に狙いを絞らせないようにすることができる。これに対して、1BBに関する条件装置の種類が少ないと、例えばボーナス役の当選時に連続演出のようなインパクトの強い演出を行う場合、連続演出の途中でボーナス役が入賞してしまう可能性が高くなり、連続演出が終わる前にボーナス役が入賞してしまうと、遊技の興趣が損なわれてしまうことになる。そのため、1BBに関する条件装置の数が、連続演出の最大ゲーム数よりも多いことが好ましい。
[制御手段の説明]
次に、図8に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出の実行を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、図7に示した主制御基板101によって実現される。ここで、マイコンチップZ1が備えるCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、所定の演算(LD命令)を行ったときに「1」となるフラグである。
前述したように、マイコンチップZ1は、CPU、ROM、RWM、乱数回路およびタイマ回路、I/Oポート等を有している。乱数回路は、図7の発振器G1から供給されるクロック信号に基づいて各種抽選を行う際に使用される乱数を更新し、タイマ回路は、図7の発振器G2から供給されるクロック信号に基づいて割込要求信号を生成する。また、I/Oポートは、操作手段300、各種ランプおよび表示器、ステッピングモータ42L,42C,42R、回胴センサ43L,43C,43R、ドアスイッチ44、ブロッカ45、ホッパーモータ46、払出センサ47a,47b、投入センサ48a,48b、メダル通路センサ49および外部集中端子基板86といった各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。各種ランプおよび表示器には、図2に示したものの他、例えば主制御基板101に実装された設定値表示器87や役比モニタ103が含まれている。
ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。回胴センサ43L,43C,43Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの検出位置を基準としてステッピングモータのステップ数をカウントし、そのカウント値に基づいて、リールの回転位置(ひいては表示窓21に表示されている図柄)を判断することができる。
本実施形態ではステッピングモータの駆動制御をタイマ割込処理で行っているため、ステッピングモータのステップ数をタイマ割込処理の実行回数に基づいてカウントしてもよい。例えば、本実施形態では、ステッピングモータが定速で回転しているときには、タイマ割込処理を1回実行するごとにステッピングモータを1ステップだけ回動させている。したがって、上述した基準位置を検出するごとにタイマ割込処理の実行回数のカウント値をクリアした場合、ステッピングモータが定速で回転しているときは、タイマ割込処理の実行回数が基準位置からのステップ数と同じ値になる。
ホッパーモータ46は、ホッパー83(図5参照)に設けられ、メダル貯留部83a内のメダルを主制御手段100から出力される駆動信号にしたがってメダル払出口60から排出させる。払出センサ47a,47bは、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、セレクタ80(図3参照)内に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。なお、ブロッカ45がオンのときはメダル流路が形成され、メダル投入口32から投入されたメダルはホッパー83のメダル貯留部83aに貯留される。一方、ブロッカ45がオフのときはメダル流路が形成されず、メダル投入口32から投入されたメダルはメダル払出口60から排出される。ドアスイッチ44は前面扉14の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板86は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置や、いわゆるホールコンピュータなどの外部装置に対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。ここで、外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、小役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述する有利区間中にオン状態となる有利区間信号等がある。有利区間信号に代えて、ART中にオン状態となるART中信号としてもよい。
外部集中端子基板86は、出力する各信号ごとにリレー回路を設け、これらリレー回路を開閉することで対応する信号のオン/オフ状態を切り替えているが、リレー回路の代わりに例えばフォトカプラを用いてもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、図3に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cを含む。電源スイッチ82aはスロットマシン10内の各装置に供給する電力をオン/オフするスイッチである。キースイッチ82bは鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。設定/リセットスイッチ82cはエラーが検出されたときにそのエラーを解除(リセット)したり、設定変更中において設定値を変更したりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。ここで、設定変更中に設定/リセットスイッチ82cが操作されたときは、後述する設定値データは変更せず、設定値表示器87に表示されている値を変更させるように構成することも可能である。ちなみに、電源スイッチ82aをオフ状態とした後、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させ、オン状態にした状況下で、電源スイッチ82aをオン状態とすると、設定変更中となる。
この場合、設定値表示器87に表示させるための記憶領域としてアドレスF011(獲得枚数表示データ。図36参照)のデータを利用する。例えば、設定変更中において、設定/リセットスイッチ82cが操作されたときアドレスF011に記憶されている情報を更新し、スタートスイッチ36の操作によってアドレスF011に記憶された情報に対応した情報をアドレスF000(設定値データ。図36参照)に記憶するようにすることができる。なお、スタートスイッチ36の操作ではなくキースイッチ82bがオンからオフとなったことに基づいてアドレスF011に記憶された情報に対応した情報をアドレスF000に記憶することもできる。
ここで、アドレスF011のデータを利用する場合には、設定値を表示する表示器として設定値表示器87よりも獲得枚数表示器28の方が好適である。これは、アドレスF011が、獲得枚数やストップスイッチの操作態様(指示番号)、エラーの種類(エラーコード)を獲得枚数表示器28に表示するためのデータを記憶する記憶領域であるためである。よって、通常時(設定変更中や後述する設定確認中以外)のときには、アドレスF011には獲得枚数やストップスイッチの操作態様、エラーの種類を表示するための情報が記憶され、設定変更中や設定確認中のときには設定値を表示するための情報が記憶されるように構成されることにより、RWMのアドレスを兼用することができる。そして、設定値を表示する表示器として獲得枚数表示器28を兼用する場合には、設定値を表示する表示器として設定値表示器87は不要となり、コストを削減することができる。なお、設定値表示器87に表示させるための記憶領域としてアドレスF011を例として挙げたが、別のアドレスであってもよい。また、本実施形態では、リセットと設定値の変更とを、1つの押しボタン式スイッチで可能としていたが、リセットと、設定値の変更とを別々のスイッチによって可能にしてもよい。
<主制御手段の機能ブロック>
主制御手段100は、当選役決定手段110と、リール制御手段115と、抽選状態制御手段120と、遊技区間制御手段125と、フリーズ制御手段130と、報知遊技制御手段140と、役比モニタ制御手段145と、入賞判定手段150と、異常検出手段155と、LED表示制御手段160と、制御コマンド送信手段165と、外部信号送信手段170と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、マイコンチップZ1が備えるCPUが、ROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)に基づく抽選(役抽選)によって当選役を決定する。決定された当選役を、「当選役決定手段に基づく抽選結果」や、「役抽選の結果」ともいう。図17および図18に、当選役の種類(換言すると、役抽選の抽選対象)の一覧を示す。ここで、図17はボーナス役を含まない当選役の種類を示し、図18はボーナス役を含む当選役の種類を示している。また、図17に示す一覧表においては、各当選役が決定されたときに作動する条件装置の種類も示している。
図17および図18の一覧表において、Wは当選番号、Aは入賞・再遊技当選番号、Bは演出グループ番号、Yは役物当選番号(図18のみ)を示している。なお、入賞・再遊技当選番号は、小役または再遊技役の当選番号を示し、役物当選番号は、ボーナス役の当選番号を示している。当選番号Wは、ボーナス役を含まない図17の当選役に対しては1〜47が付与され、ボーナス役を含む図18の当選役に対してはその連番である48〜88が付与されている。役抽選においては、まず当選番号が決定され、決定された当選番号に基づいて入賞・再遊技当選番号Aが(図18に示す当選役については役物当選番号Yも)決定される。なお、図17に示すボーナス役を含まない当選役については、当選番号Wと、入賞・再遊技当選番号Aとが、同じ値になっている。また、図17に示すように、入賞・再遊技当選番号Aには、それぞれ演出グループ番号Bが対応付けられている。
そして、当選役決定手段110によって当選番号が決定されると、決定された当選番号に基づいて、入賞・再遊技当選番号A、役物当選番号Yおよび演出グループ番号Bがそれぞれ決定され、このうち、役物当選番号Yおよび演出グループ番号Bが役抽選の結果を示す情報として副制御手段200へ送信される。
ここで、入賞・再遊技当選番号1〜6(再遊技−A1〜A6)に対しては、いずれも演出グループ番号1が対応付けられ、入賞・再遊技当選番号24〜29(入賞−A1〜A6)に対しては、いずれも演出グループ番号19が対応付けられている。これは、役抽選で入賞・再遊技当選番号1〜6のいずれかが決定された場合、決定された入賞・再遊技当選番号に応じて、特定の条件装置に対応する図柄組合せが揃う押し順が異なっているためである。より詳細には、特定の押し順でストップスイッチを操作したときは、特定の条件装置に対応する図柄組合せが揃い、特定の押し順以外の押し順でストップスイッチを操作したときは、特定の条件装置以外の条件装置に対応する図柄組合せが揃うようなリールの停止制御が行われる。そして、特定の条件装置に対応する図柄組合せが揃ったときには、多くのメダルが払い出されたり、遊技者にとって有利な状態が維持されたりする。
このため、例えば入賞・再遊技当選番号をそのまま副制御手段200へ送信した場合、何らかの不正行為によって入賞・再遊技当選番号が取得されてしまうと、その値から特定の条件装置に対応する図柄組合せが揃う押し順(以下、「有利な押し順」ともいう。)が判別可能になってしまう。このため、有利な押し順が判別できないように、副制御手段200に対しては、入賞・再遊技当選番号ではなく、演出グループ番号を送信するようにし、入賞・再遊技当選番号1〜6に対しては、同じ値の演出グループ番号1を対応づけるようにしている。また同様の理由から、入賞・再遊技当選番号24〜29に対しても、同じ値の演出グループ番号19が対応づけられている。他にも、押し順により異なる条件装置に対応する図柄組合せが揃う入賞・再遊技当選番号はあるが、それらは特定の押し順で操作されたときと、特定の押し順以外の押し順で操作されたときとで、払い出されるメダルの枚数が異なったりするものではなく、かつ、一方は有利な状態を維持し、他方は有利な状態を維持しないというようなものでもないため、同じ値の演出グループ番号を対応づける必要はない。
また、図17および図18では、各当選役について設定差の有無を示している。ここで、設定値1〜6の間で当選確率が変化する当選役については設定差が「有り」と記し、設定値1〜6の間で当選確率が一定(変化しない)当選役については設定差が「無し」と記している。
図17において、再遊技役に関する当選番号1〜23(入賞・再遊技当選番号1〜23)の各々に対して、図10および図11に示した再遊技01〜16の条件装置のうち、いずれかが対応付けられており、役抽選で当選番号1〜23のいずれかに決定されたときは、決定された当選役に対応する条件装置が作動する。例えば、当選番号11(入賞・再遊技当選番号11)が決定された場合、再遊技−D1(2連リプレイ5)が当選したことになり、再遊技01,02,05,07,09の5つの条件装置が作動する。これにより、遊技者によるストップスイッチの操作に応じて、作動した条件装置のうち、いずれかに対応する図柄組合せが揃うことになる。
また、小役に関する当選番号24〜47(入賞・再遊技当選番号24〜47)の各々に対して、図12〜図14に示した入賞01〜20の条件装置のうち、いずれかが対応付けられており、役抽選で当選番号24〜47のいずれかに決定されたときは、決定された当選役に対応する条件装置が作動する。
なお、入賞・再遊技当選番号30(共通ベルA)と、入賞・再遊技当選番号31(共通ベルB)とを設けたのは、設定差が有る当選番号31や当選番号62(入賞・再遊技当選番号31が決定される)を設けることで設定値によりメダルの払い出されやすさ(入賞01(12枚のメダルの払い出し)の作動しやすさ)に大きな変化をもたせることを可能にすると共に、設定差の無い当選番号61(入賞・再遊技当選番号30が決定される)を設けることで、これを有利区間移行抽選等の契機とすることが可能になる(設定差が有る当選番号31や当選番号62は契機にすることができない)ためである。
さらに、本実施形態では、当選番号31、当選番号62、当選番号61のいずれが決定された場合であっても、リールの停止制御を同一にしている(必ず入賞01が揃うようにしている)。このようにすることにより、入賞01に対応する図柄組合せが揃った遊技において、いずれの当選番号が決定されたかを特定することができないので、当該遊技においても有利区間移行抽選等が行われたかもしれないという期待を持つことができる。
次に図18において、ボーナス役を含む当選番号48〜88については、図15に示したボーナス役の条件装置のいずれかと、図17に示した当選役の一部とが対応付けられている。ただし、当選番号48,57,68,73,78,83,88に対しては、ボーナス役のみが対応付けられている。これにより、例えば役抽選で当選番号48が決定された場合は、1BB−Aの条件装置のみが作動する。これに対して、例えば当選番号49が決定された場合は、1BB−Aの条件装置および再遊技01および02の作動装置(図17の入賞・再遊技当選番号16参照)が作動する。また、ボーナス役(ただしSB役を除く)を含む当選番号のいずれかが決定されて、ボーナス役の条件装置が作動したときは、そのボーナス役の条件装置に対応する図柄組合せが揃うまで、次のゲーム以降もボーナス役の条件装置が作動し続ける。この状態を「内部中」または「ボーナス役の持越中」という。なお、再遊技役、小役およびSB役の条件装置が作動した場合は、少なくとも次の遊技が開始されるまでに作動状態が終了させられる。
図17および図18の一覧表は、当選役決定手段110による役抽選の対象となり得るすべての当選役について示したものであり、これらの当選役のうち、役抽選の対象となる当選役の種類(換言すると当選番号の種類)および各当選役の当選確率は、抽選状態によって異なっている。スロットマシン10には、通常遊技中の抽選状態として、非RT(RT0)、RT1、RT2、RT3の4つ、ボーナス遊技中の抽選状態として、1BB−A遊技(RB−A遊技)、1BB−B〜F遊技(RB−B遊技)の2つあり、合わせて6つの抽選状態がある。
次に図19〜図26に示す役抽選テーブルを参照して、各抽選状態における役抽選の対象となる当選役の種類と当選確率について説明する。図19は非RTで使用される役抽選テーブル、図20および図21はRT1で使用される役抽選テーブル、図22および図23はRT2で使用される役抽選テーブル、図24はRT3で使用される役抽選テーブル、図25は1BB−A遊技中(厳密に言うとRB−A遊技中)と1BB−B〜F遊技中(厳密に言うとRB−B遊技中)で使用される役抽選テーブルの内容を示している。また、図26は非RT、RT1およびRT2において、SB役が入賞したことによって開始されるSB遊技で使用される役抽選テーブルである。
図19〜図26に示す役抽選テーブルは、マイコンチップZ1の乱数回路が生成する0〜65535の乱数の値(乱数値ともいう。65536通り)のうち、各当選役について当選と判断される乱数の数(以下、「置数」ともいう。)を示したものである。これにより、当選役に対応する置数を65536で割った値が、その当選役の当選確率となる。なお、役抽選の結果、いずれの当選役にも当選しなかった場合はハズレとなって当選番号が0となる。また、各役抽選テーブルには設定1〜設定6における置数が示されているが、これら設定の選択は、図3に示したキースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cによって行われる。なお、選択中および選択した設定値は、図7に示した設定値表示器87に数字で表示される。
非RTにおいては図19の役抽選テーブルに示すように、ボーナス役を含まない当選役については当選番号16,20〜22,24〜29,31,33,35が抽選対象になっており、ボーナス役を含まない当選役については当選番号48〜88が抽選対象になっている。RT1においては図20および図21の役抽選テーブルに示すように、ボーナス役を含まない当選役については当選番号1〜15,18,20〜22,24〜29,31,33,35が抽選対象になっており、ボーナス役を含まない当選役については当選番号48〜88が抽選対象になっている。
RT2においては図22および図23の役抽選テーブルに示すように、ボーナス役を含まない当選役については当選番号1〜6,18〜22,24〜29,31,33,35が抽選対象になっており、ボーナス役を含まない当選役については当選番号48〜88が抽選対象になっている。RT3においては図24の役抽選テーブルに示すように、ボーナス役を含まない当選役である当選番号16,17,20〜22,24〜36が抽選対象になっている。
前述したように、1BB−A遊技中は終了条件が成立するまでRB−A遊技が連続して行われ、1BB−B〜F遊技中は各々RB−B遊技が連続して行われる。したがって、1BB−A遊技中(RB−A遊技中)は図25(a)の役抽選テーブルに示すように、当選番号37〜46のうち、いずれか1つが必ず決定される。また、1BB−B〜F遊技中(RB−B遊技中)は図25(b)の役抽選テーブルに示すように、当選番号47が必ず決定される。
非RT、RT1およびRT2でSB役が入賞した場合、次の遊技がSB遊技となる。SB遊技中は図26の役抽選テーブルに示すように、図19に示した非RT中に使用される役抽選テーブルとほぼ同じ内容の役抽選が行われる。より詳細には、図26の役抽選テーブルにおける当選番号33(共通3枚ベルB)の置数だけ、図19の役抽選テーブルよりも各設定値において「2」ずつ大きくなっている。
図19〜図26の各役抽選テーブルに示すように、非RT、RT1、RT2およびSB遊技中は、ボーナス役を含む当選番号48〜87の当選確率が互いに同じ値になっている。ここで、非RT、RT1、RT2およびSB遊技において、当選番号48〜56,58,60,61,63,65,67については、設定1〜6における当選確率に差が無いため、これらの当選番号に含まれるボーナス役を「設定差の無いボーナス役」ともいう。これに対して当選番号57,59,62,64,66,68〜87については、設定1〜6において当選確率に差があるため、これらの当選番号に含まれるボーナス役を「設定差の有るボーナス役」ともいう。
また、非RT中と、SB遊技中とは、ほぼ同様の役抽選が行われ、RT1およびRT2においては、抽選対象となる再遊技役の種類が一部異なるものの、再遊技役の合成当選確率は双方とも同じ値(約1/1.378〜約1/1.354。ただしボーナス役と同時当選する再遊技役の当選確率を除く。)で極めて高くなり、ハズレとなる確率が極端に低下するため、遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT3における再遊技役および小役の合成当選確率は、非RTの合成当選確率よりも高く設定されている。1BB−A遊技中(RB−A遊技中)および1BB−B〜F遊技中(RB−B遊技中)は、どちらの遊技においても必ず小役が当選するため、遊技者にとって有利な状態となる。
当選役決定手段100によって役抽選が行われて1つの当選番号が決定されると、決定された当選番号に基づいて入賞・再遊技当選番号および演出グループ番号(当選番号48〜88については役物当選番号も)決定され、主制御手段100のRWMに設けられた所定の記憶領域に、役物当選番号、入賞・再遊技当選番号および演出グループ番号が保存される。そして、RWMに保存された役物当選番号および演出グループ番号が役抽選の結果を示す情報として副制御手段200へ送信される。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段115は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。これにより、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことに基づいてリール40L,40C,40Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達した後は、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させる場合は、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させる。ただし、リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインに係る停止表示位置(以下、「入賞停止位置」という。)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させないようにステッピングモータを制御する。
したがって、停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段115は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号が決定されると、その当選番号に対応する当選役の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
図10〜図15に示した各図柄組合せにおいて、例えば再遊技01の図柄組合せ「ベル−リプレイ−ベル」については、図9に示す各リールの図柄配列および停止制御範囲の関係上、必ず入賞ライン上に揃えることができるため、いわゆる「取りこぼし」は無い。これに対して、例えば、1BB−Aの図柄組合せ「青7−青7−青7」については、停止制御範囲に「青7」図柄が存在しないタイミングで停止操作が行われた場合、入賞停止位置に「青7」図柄を停止させることができず、1BB−Aに対応する図柄組合せを揃えることができず、取りこぼすことになる。
また、例えば再遊技12の図柄組合せのうち、中リールにおける「ブランク」図柄および「スイカ」図柄は、個々の図柄として見ると停止操作のタイミングによっては入賞停止位置に停止させることはできない。しかしながら、中リールにおいて、「スイカ」図柄同士の配置間隔と、「ブランク」図柄から「スイカ」図柄までの図柄間隔とを考慮すると、停止操作のタイミングに関わらず、「ブランク」図柄と「スイカ」図柄のいずれかは入賞停止位置に停止させることができる。したがって、再遊技12に対応する図柄組合せ(「ベル−ブランク−ベル」または「ベル−スイカ−ベル」)は必ず揃えることができる。
また、リール制御手段115は、所定の当選役については、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御を行う図柄組合せを異ならせている。具体的には、当選番号1〜6(押し順リプ1〜6)のいずれかが決定された場合、特定の押し順で停止操作されたときは再遊技01の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、それ以外の押し順で停止操作がされたときは、再遊技03または04の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。特定の押し順は、再遊技−A1が決定されたときは左→中→右、再遊技−A2が決定されたときは左→右→中、再遊技−A3が決定されたときは中→左→右、再遊技−A4が決定されたときは中→右→左、再遊技−A5が決定されたときは右→左→中、再遊技−A6が決定されたときは右→中→左、となる。
また、当選番号7〜15(2連リプレイ1〜9)のいずれかが決定された場合、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると再遊技01の図柄組合せ、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると再遊技02の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、当選番号に応じた条件装置の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
具体的には、当選番号7(2連リプレイ1)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、05または06のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。当選番号8(2連リプレイ2)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、05または06のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。当選番号9(2連リプレイ3)が決定されたときは、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、05または09のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
ここで、当選番号7が決定されたときに再遊技05の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「上半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技05の図柄組合せのうち奇数の番号)について引込制御を行い、当選番号8が決定されたときに再遊技05の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「下半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技05の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
また、当選番号9(2連リプレイ3)または当選番号11(2連リプレイ5)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、07または09のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、当選番号9が決定されたときに再遊技07の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「上半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技07の図柄組合せのうち奇数の番号)について引込制御を行い、当選番号11が決定されたときに再遊技07の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「下半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技07の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
また、当選番号10(2連リプレイ4)または当選番号12(2連リプレイ6)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、08または09のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、当選番号10が決定されたときに再遊技08の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「上半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技08の1番の図柄組合せ)について引込制御を行い、当選番号12が決定されたときに再遊技08の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「下半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技08の2番の図柄組合せ)について引込制御を行う。
また、当選番号13(2連リプレイ7)または当選番号14(2連リプレイ8)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、09または10のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、当選番号13が決定されたときに再遊技10の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「上半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技10の図柄組合せのうち奇数の番号)について引込制御を行い、当選番号14が決定されたときに再遊技10の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「下半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技10の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
また、当選番号15(2連リプレイ9)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて再遊技02、09、10または11のいずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、再遊技10の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(下段D)に「下半円」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す再遊技10の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
また、当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)のいずれかが決定された場合、特定の押し順で停止操作されたとき、第1停止操作だけ特定の押し順と一致したとき、および、第1停止操作も特定の押し順と一致しなかったときとで、引込制御の対象となる図柄組合せが異なっている。例えば当選番号24(押し順ベル1)が決定されたときに左→中→右という押し順で停止操作が行われたときは、入賞01の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、左→右→中という押し順で停止操作が行われたときは、入賞03の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、入賞07または入賞08の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
当選番号25(押し順ベル2)が決定されたときに左→右→中という押し順で停止操作が行われたときは、入賞01の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、左→中→右という押し順で停止操作が行われたときは、入賞03の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、入賞07または入賞08の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
当選番号26(押し順ベル3)が決定されたときに中→左→右という押し順で停止操作が行われたときは、入賞02の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、中→右→左という押し順で停止操作が行われたときは、入賞04の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、入賞06または入賞10の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
当選番号27(押し順ベル4)が決定されたときに中→右→左という押し順で停止操作が行われたときは、入賞02の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、中→左→右という押し順で停止操作が行われたときは、入賞04の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、入賞06または入賞10の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
当選番号28(押し順ベル5)が決定されたときに右→左→中という押し順で停止操作が行われたときは、入賞01の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、右→中→左という押し順で停止操作が行われたときは、入賞05の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、入賞06または入賞08の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
当選番号29(押し順ベル6)が決定されたときに右→中→左という押し順で停止操作が行われたときは、入賞01の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、右→左→中という押し順で停止操作が行われたときは、入賞05の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、入賞06または入賞10の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
また、当選番号37(2連入賞1)が決定された場合、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると入賞14の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、停止操作のタイミングに応じて入賞14または入賞15の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、当選番号38(2連入賞2)が決定された場合、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると入賞14の図柄組合せが揃うような引込制御を行い、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると停止操作のタイミングに応じて入賞14、18または19のうち、いずれかの図柄組合せが揃うような引込制御を行う。さらに、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、停止操作のタイミングに応じて入賞14または入賞15の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
ここで、当選番号37が決定されたときに入賞15の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「ベル」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞15の図柄組合せのうち奇数の番号)について引込制御を行い、当選番号38が決定されたときに入賞15の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「チェリー」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞15の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
また、当選番号39〜45(2連入賞3〜9)が決定された場合、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、入賞14の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。また、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、当選番号に応じた条件装置の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。
具体的には、当選番号39(2連入賞3)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて入賞05または入賞14の図柄組合せを引込制御する。当選番号40(2連入賞4)または当選番号42(2連入賞6)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて入賞14または入賞16の図柄組合せを引込制御する。ここで、当選番号40が決定されたときに入賞16の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「ベル」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞16の図柄組合せのうち奇数の番号)について引込制御を行い、当選番号42が決定されたときに入賞16の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「チェリー」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞16の図柄組合せのうち偶数の番号)について引込制御を行う。
当選番号41(2連入賞5)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて入賞14または入賞17の図柄組合せを引込制御する。また、当選番号43(2連入賞7)または当選番号44(2連入賞8)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて入賞14または入賞18の図柄組合せを引込制御する。ここで、当選番号41が決定されたときに入賞18の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「ベル」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞18の1番または3番の図柄組合せ)について引込制御を行い、当選番号43が決定されたときに入賞18の図柄組合せを引込制御する場合は、右リールの入賞停止位置(上段U)に「チェリー」図柄が表示される図柄組合せ(図10に示す入賞18の2番または4番の図柄組合せ)について引込制御を行う。
当選番号45(2連入賞9)が決定されたときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、停止操作のタイミングに応じて入賞14、18または19の図柄組合せを引込制御する。当選番号46(入賞ALL−A)が決定されたときは、ストップスイッチの押し順および操作タイミングに関わらず、メダルの払出枚数が最も多い図柄組合せについて引込制御を行う。同様に、当選番号47(入賞ALL−B)が決定されたときも、メダルの払出枚数が最も多い図柄組合せについて引込制御を行う。
なお、RB−A遊技中は当選番号37〜46のいずれかが必ず決定されることとなり、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御が行われる条件装置の図柄組合せが異なるものの、メダルの払出枚数が7枚の図柄組合せが必ず揃うような引込制御が行われる。また、RB−B遊技中は当選番号47が必ず決定されることとなり、メダルの払出枚数が12枚の図柄組合せが必ず揃うような引込制御が行われる。
(抽選状態制御手段の説明)
図8に戻り、抽選状態制御手段120は、前述した抽選状態(RT0〜RT3、1BB−A遊技(RB−A遊技)および1BB−B〜F遊技(RB−B遊技))の移行を制御する。具体的には、RT状態番号、作動状態フラグ、作動種別によって抽選状態を管理している。抽選状態の初期状態はRT0(非RT)であり、各抽選状態において所定の移行条件を満たすと、他の抽選状態へ移行させる。具体的には、図27に示すように、RT0のときに役抽選で当選番号48〜87(すなわち、1BB−A〜F)のいずれかが決定されると、RT3へ移行する(図27,矢印D)。また、RT3において、条件装置1BB−Aに対応する図柄組合せが揃うと1BB−A遊技(RB−A遊技)へ移行し(同図,矢印E)、条件装置1BB−B〜Fのいずれかに対応する図柄組合せが揃うと1BB−B〜F遊技(RB−B遊技)へ移行する(同図,矢印F)。
1BB−A遊技(RB−A遊技)において1BB−A遊技の終了条件が成立すると、または、1BB−B〜F遊技(RB−B遊技)のいずれかにおいて対応する終了条件が成立すると、RT2へ移行する(同図,矢印G)。RT2において、再遊技09または12に対応する図柄組合せが揃うと、RT1へ移行する(同図,矢印C)。RT1またはRT2において、当選番号48〜87のいずれかが決定されるとRT3へ移行し(同図,矢印D)、SB、再遊技03、再遊技04、または、入賞06〜08のいずれかに対応する図柄組合せが揃うと、RT0へ移行する(同図,矢印B)。以下では図27の矢印Cの移行を「昇格」、矢印Bの移行することを「降格」ともいう。
なお、上述した各抽選状態のいずれかにおいて、主制御手段100のRWMが初期化されたときはRT0へ移行する(同図,矢印A)。主制御手段100のRWMの初期化は、キースイッチ82bがオンの状況下で電源スイッチ82aをオフからオンにすることで、実行される。なお、当該RWMの初期化が終了すると、設定値データを変更可能な設定変更中(設定変更モードともいう。)となる。設定変更中では、設定/リセットスイッチ82cの操作に基づいて設定値データを「0」〜「5」の範囲内の値で選択可能となる。
また、設定変更中は、スタートスイッチ36が操作された後に、キースイッチ82bをオンからオフに切り替えることで設定変更中を終了し、遊技が実行可能な状態に移行する。なお、設定/リセットスイッチ82cの操作によって、設定値データを「0」〜「5」の範囲内で選択可能な状況は、スタートスイッチ36が操作されるまでであって、スタートスイッチ36が操作された後は、設定/リセットスイッチ82cが操作された場合であっても設定値データを選択することができないようになっている。
ここで、設定変更中における設定値データと設定値表示器87による表示態様ついて例を挙げて説明する。
例1)設定変更中に設定/リセットスイッチ82cが操作されることによって、設定値データ(アドレス:F000(H))を更新する。例えば設定値データが「0」のときに設定/リセットスイッチ82cが操作されると設定値データを「1」にする。また、設定値データが「5」のときに設定リセットスイッチ82cが操作されると設定値データを「0」にする。換言すると、設定変更中において設定値データは「0」〜「5」の範囲内で循環的に更新される。
このとき、設定値データが「0」のときには、後述するタイマ割込処理によるLED表示制御処理によって設定値表示器に設定値を表示する条件を満たしたとき、設定値データに+1加算したデータをオフセット値とし、図31(a)に記載のLEDセグメントテーブルAを用いて点灯させる表示態様に対応するアドレスを指定する。具体的には、LEDセグメントテーブルAの先頭アドレス1211(H)にオフセット値を加算する演算を行い、アドレスを指定する。そして、指定したアドレスに記憶されているデータ(セグメントデータ)に基づいて、点灯させるセグメントが決定され、決定したセグメントデータを図34等に記載の出力ポート3から出力する。
例2)設定変更中に設定/リセットスイッチ82cが操作されることによって、設定値データ(アドレス:F000(H))を更新すると共に、設定値を表示するための表示用設定値データ(アドレス:F0XX(H))の情報も更新する。例えば設定値データが「0」のときに設定/リセットスイッチ82cが操作されると設定値データを「1」にするとともに、表示用設定値データに「2」を記憶する。また、設定値データが「5」のときに設定/リセットスイッチ82cが操作されると設定値データを「0」にすると共に、表示用設定値データに「1」を記憶する。このように、設定変更中において設定値データは「0」〜「5」の範囲内で循環的に更新される。
このとき、設定値データが「0」のときには、後述するタイマ割込処理によるLED表示制御処理によって設定値表示器に設定値を表示する条件を満たしたとき、表示用設定値データからオフセット値を生成し(取得し)、図31(a)に記載のLEDセグメントテーブルAを用いて点灯させる表示態様に対応するアドレスを指定する。具体的には、LEDセグメントテーブルAの先頭アドレス1211(H)にオフセット値を加算する演算を行い、アドレスを指定する。そして、指定したアドレスに記憶されているデータ(セグメントデータ)に基づいて、点灯させるセグメントが決定され、決定したセグメントデータを図34等に示す出力ポート3から出力する。
(遊技区間制御手段の説明)
図16に戻り、遊技区間制御手段125は、通常区間から有利区間への移行および有利区間における性能の変更(移行)を行う。ここで、通常区間はストップスイッチの押し順を報知することができない区間(副制御手段200に対して、有利な押し順を特定可能な情報を送信してはいけない区間)であり、有利区間はストップスイッチの押し順を報知することができる区間(副制御手段200に対して、有利な押し順を特定可能な情報を送信してもよい区間)である。また、有利区間へ移行した場合、遊技区間制御手段125は、原則として押し順ベル1〜6のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることはない。
例えば、有利区間へ移行し、さらに有利区間においてART中に移行し、ART中の状態で50ゲームが行われると通常区間へ移行する仕様であった場合でも、有利区間中に入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順を少なくとも1回は報知しないうちは、ART中に移行してから50ゲームが行われていても通常区間へ移行させないようにする。この場合、ART中の状態をそのまま継続させてよいし、ART中から有利区間内の他の状態へ移行させてもよい。これは、有利区間へ移行したにも関わらず、何の恩恵もなく、再び通常区間へ移行させてしまっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れがあるからである。従来は、ART遊技が開始しても、遊技者の運が悪ければ(押し順が報知されるはずの当選役に当選しなければ)、一度も押し順を報知することなく、ART遊技が終了してしまうこともあり、遊技者の遊技意欲は低下する一方であった。
ただし、有利区間中に当選番号48〜87のいずれかが決定され(当選番号48〜56、58、60、61、63、65,67のいずれかが決定されたときに、有利区間へ移行することが決定されたときも含む)、かつ、決定された当選番号のボーナス遊技(1BB−A〜F遊技のいずれか)が終了している場合は、有利区間中に押し順が一度も報知されなくても通常区間へ移行させることができる。例えば、ART中の途中で、ボーナス役に当選し、そのボーナス遊技が開始し、終了したときは、有利区間中に1回も入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順を報知していなかったとしても、ART中の残り遊技回数の遊技を行ったときに、ART中の状態(有利区間)を終了させる。これは、ボーナス遊技によって、遊技者には恩恵が与えられているのであるから、このような場合にまで、少なくとも1回は押し順を報知されなければならないとするのは、逆に遊技の興趣を低下させるおそれがあるからである。
また、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲーム行われても、押し順ベル1〜6のいずれも決定されなかったために押し順(指示番号)を報知することができなった場合は、有利区間中に押し順が一度も報知されなくても通常区間へ移行させることができる。これは、有利区間中に1500ゲームも行い、一度も押し順の報知がなされなかった遊技者が、1回だけ押し順を報知されても、遊技の興趣が向上するとはいえないためである。
なお、有利区間に滞在中は、クレジット数表示器27の下位桁の8セグメント表示器におけるセグメントDP(以下、「有利区間LED」ともいう。)が点灯する。上述したように、有利区間に移行すると、少なくとも1回は入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順が報知されるため、遊技者にやめどきではないことを教えるために点灯させている。
遊技区間制御手段125は、遊技区間の移行や有利区間内の性能の変更(移行)を制御する。遊技区間の種類(通常区間または有利区間)および有利区間の性能は、遊技状態番号によって管理している。すなわち、通常区間には遊技状態番号0が対応付けられ、有利区間には性能に応じて遊技状態番号1〜10が対応付けられている。有利区間の性能には「ガセ高確」(遊技状態番号1)、「高確」(遊技状態番号2)、「ガセ高確中ボーナス」(遊技状態番号3)、「高確中ボーナス」(遊技状態番号4)、「ART中」(遊技状態番号5)、「上乗せ特化ゾーン中」(遊技状態番号6)、「ART中ボーナス」(遊技状態番号7)、「ART復帰準備」(遊技状態番号8)、「チャンスゾーン中」(遊技状態番号9)、および、「エンディング状態」(遊技状態番号10)がある。
換言すると、有利区間に対応した遊技状態番号1〜10の状態で遊技場の営業時間が終了した場合であっても、遊技場のスタッフが設定値を変更するための操作を行なうことにより、主制御手段100のRWMの初期化が行なわれ、RWMのアドレス(F021)が「0」になることから、通常区間に対応した遊技状態番号0が記憶される。また、遊技状態番号1〜10の何れかの状態にいることは、有利区間LEDを視認することによって可能である。したがって、翌朝、有利区間中の状態から遊技場の営業を開始させたくない場合には、スタッフが有利区間LEDを確認し、設定値を変更するための操作をすればよい。
なお、従来のスロットマシンには有利区間LEDに相当するようなランプが備えられていなかったため、現在の状態が遊技者にとって有利な状態なのか否かをスタッフが判別できず、同じ設定値を翌日も使いたい場合であっても、すべてのスロットマシンのRWMを初期化することによって、翌朝、有利な状態から開始されることを防止していた。これに対して、本実施形態は、有利区間LEDを備えることで、同じ設定値(設定値データ)を翌日も使いたい場合において、有利区間LEDが消灯している場合は設定値を変更するための操作を行う必要がないことが分かるため、スタッフの作業の手間を省くことができる。本実施形態では、通常区間で遊技している遊技数が特定の遊技数(例:1000遊技)に達したことに基づいて有利区間へ移行とするような機能(所謂、従来の天井機能)を設けていないため、通常区間において、どの遊技数から遊技を始めても遊技者にとって有利度が変わることはない。
初期状態は通常区間であり、通常区間において、役抽選で当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが決定されると、遊技区間制御手段125は有利区間移行抽選を行う。この有利区間移行抽選では、ハズレ、高確抽選非当選(以下、「中確抽選当選」または「ガセ高確抽選当選」ともいう。)または高確抽選当選という抽選結果となり、ハズレになった場合は、引き続き通常区間に滞在する。また、高確抽選非当選になった場合は、次の遊技からガセ高確(遊技状態番号1)へ移行可能であり(図28,矢印ア)、高確抽選当選になった場合は、次の遊技から高確(遊技状態番号2)へ移行可能である(同図,矢印イ)。
ここで、有利区間移行抽選の契機となる当選役は、当選番号20〜22に限らず、設定1〜設定6(設定値データ「0」〜「5」)で、当選確率が変わらない役(換言すると、設定差の無い当選役)であれば、適宜設定することができる。また、当選番号20〜22のうち、決定された当選番号に応じて、ハズレ、高確抽選非当選または高確抽選当選のいずれかとなる確率を異ならせてもよい。例えば、役抽選で当選番号20〜22のいずれかが決定されたときは、必ず高確抽選非当選または高確抽選当選のいずれかとなるようにしてもよく、その際、高確抽選非当選と高確抽選当選との振り分け確率は、決定された当選番号に応じて異ならせてもよい。
ガセ高確において1BB−B〜Fのいずれかの役物当選番号を含む設定差のある当選番号に当選し、その1BB−B〜Fのいずれかに入賞すると、ガセ高確中ボーナス(遊技状態番号3)へ移行可能であり(同図,矢印エ)、入賞したボーナス役に対応するボーナス遊技が終了すると、再びガセ高確へ移行可能である(同図,矢印オ)。なお、ガセ高確において1BB−Aの役物当選番号を含む当選番号が当選し、その1BB−Aに入賞すると、高確中ボーナス(遊技状態番号4)へ移行可能であるが、後述するチャンスゾーン中(遊技状態番号9)へ移行可能としてもよい。さらに、ガセ高確において1BB−Bの役物当選番号を含む設定差の無い当選番号が当選し、その1BB−Bに入賞すると高確中ボーナス(遊技状態番号4)に移行可能となる。
また、高確において1BB−A〜Fのいずれかに入賞すると、高確中ボーナス(遊技状態番号4)へ移行可能であり(同図,矢印エ)、入賞したボーナス役に対応するボーナス遊技が終了すると、再び高確へ移行可能である(同図,矢印オ)。ガセ高確および高確において、例えば、役抽選で設定差の無い当選番号である当選番号16(リプレイA1)が決定されると、転落抽選を行い、転落抽選に当選すると通常区間へ移行可能とする(同図,矢印ウ)。
ここで、本実施形態においては、一旦、高確またはガセ高確へ移行すると、8ゲームの間は、たとえ当選番号16が決定されても通常区間への転落抽選は行わず、9ゲーム以降に行うようにしている。これにより、一旦、高確またはガセ高確へ移行すると最低でも8ゲームの間はその状態が維持される。また、高確またはガセ高確中に、何らかのボーナス役が当選(換言すると当選番号48〜87のいずれかが決定)したことによってRT3に滞在している間は、たとえ当選番号16が決定された場合であっても、通常区間への転落抽選は行わないようにしている。
本実施形態では、遊技の興趣を向上させるため、ボーナス役が当選しても、その当選をすぐに報知せず、連続演出の終了後などに報知している。このような期間においても、転落抽選を行うようにすることは、ボーナス役を当選させた遊技者にとって酷なことであると考えたからである。なお、転落抽選の当選確率は適宜定めればよく、例えば当選確率を100%にしてもよい。また、当選番号16が決定されると転落抽選を行うことなく、通常区間へ移行可能としてもよい。
さらに、当選番号16を例にして転落抽選を行っているが、設定差の無い当選番号であればよく、適宜、転落抽選の当選番号を定めることができる。なお、上述した通り、有利区間を終了させるには、原則、有利区間中に遊技者のストップスイッチの操作態様によって最大の払出し枚数が得られる場合(所謂、正解の押し順で操作された場合)と最大の払出し枚数が得られない場合(所謂、不正解の押し順で操作された場合)とを有する当選番号24〜29が当選したときにおいて、少なくとも1回、遊技者にとって有利なストップスイッチの操作態様(所謂、正解の押し順)を報知するように構成されている。
これによって、有利区間に移行したときに、何の恩恵もなく通常区間に移行することを防止するようにしている。そのため、遊技者にとって有利なストップスイッチの操作態様を報知したか否かを示す指示済みフラグ(図37,アドレスF022参照)を設けている。これにより、指示済みフラグ(アドレスF022)に記憶されている情報が「押し順報知済み」に対応する情報ではなかった(押し順非報知)ときには、転落抽選を実行しないように制御している。
なお、転落抽選を実行して転落抽選に当選したとしてもその当選結果を反映させないことにより、通常区間へ移行しないように制御してもよい。この場合は、転落抽選に当選する確率を、当選番号24〜29に決定される確率よりも低くなるようにしていてもよい。もしくは、転落抽選を実行する契機となる当選番号が決定される確率を当選番号24〜29に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
本実施形態では、ガセ高確および高確において、当選番号16(リプレイA1)が決定されると、転落抽選を行うようにしているが、当選番号49(1BB−A+リプレイA1)が決定されても、転落抽選は行わないようになっている。ちなみに、ガセ高確および高確において、当選番号49が決定された場合、1BB−A遊技の終了後は、高確かつRT2となる。RT2中は、当選番号16が決定されることがないため、転落抽選が行われることはない。また、RT2中は、当選番号19(リプレイC)が決定されることがあり、高確中に当選番号19が決定されると、後述するようにART抽選が行われる。すなわち、ガセ高確および高確において、当選番号49が決定されることは、遊技者にとって喜ばしいことであるといえる。
また、本実施形態では、当選番号16(リプレイA1)が決定されたときと、当選番号49(1BB−A+リプレイA1)が決定されたときとで、リールの停止制御を同一にしている(必ず再遊技01が揃うようにしている)。すなわち、再遊技01が揃ったとしても、いずれの当選番号が決定されたか特定することができないようになっている。
このようにすることで、ガセ高確および高確において、再遊技01が揃ったとしても、必ず転落抽選が行われるわけではないため(当選番号49が決定されたかもしれないため)、期待感を持って遊技できるようになっている(遊技者の興趣が低下しない。)。
ガセ高確において、役抽選で当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが決定されると、昇格抽選を行い、昇格抽選に当選した場合は次の遊技から高確へ移行可能とする(同図,矢印カ)。この昇格抽選の当選確率は、決定された当選番号に応じて異ならせてもよく、1つまたは複数の当選番号について当選確率を100%に設定してもよい。また、当選確率を100%にする代わりに昇格抽選を行うことなく高確へ移行可能にするようにしてもよい。なお、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)に限らず、設定差の無い当選番号であれば、適宜昇格抽選の契機となる当選番号として定めることができる。
ここで、遊技区間制御手段125は、通常区間において、当選番号50〜52のいずれかが決定されたときは、有利区間(チャンスゾーン中)へ移行可能である。このとき、当選番号50〜52が決定された場合には、1BB−Aではなくチャンス目A〜Cに対応する図柄組合せを停止表示させる。そして、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)が当選した遊技の次遊技を開始するスタートスイッチ36が操作される前、及び当選番号50〜52が当選した遊技の次遊技を開始するスタートスイッチ36が操作される前に、有利区間LEDを点灯させる。
さらに、通常区間で当選番号20〜22(チャンス目A〜C)が当選し、有利区間(ガセ高確)へ移行した後の次遊技において、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)に当選することにより、昇格抽選(ATに関する所定の抽選)を実行可能とする。これに対して、当選番号50〜52(1BB−A+チャンス目A〜C)が当選し、有利区間(チャンスゾーン中)へ移行した場合は、移行後の次遊技において、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)に当選したとしても昇格抽選(ATに関する所定の抽選)を実行しない(高確へ移行可能としない)。ここで、第1の遊技状態(例えばRT0)で当選番号50〜52が当選した次遊技では、再遊技役の当選確率がより高く設定された第2の遊技状態(例えばRT3)で当選番号を抽選する。
つまり、当選番号50が当選したときにおいては当選番号20が当選したときと同一の図柄組合せ(チャンス目A)、当選番号51が当選したときにおいては当選番号21が当選したときと同一の図柄組合せ(チャンス目B)、当選番号52が当選したときにおいては当選番号22が当選したときと同一の図柄組合せ(チャンス目C)が停止表示されるようにリールを制御することにより、有利区間移行役の図柄組合せが停止表示する当選番号が当選した場合に、ボーナス役に当選しているか否かを把握できなくすることができる。また、また、従来は、ボーナス内部中の遊技でATに関する抽選等の特典を付与することが可能に構成されることによって、遊技者が敢えてボーナス役の図柄組合せを揃えないで遊技を行う等、攻略要素となり得るおそれがあったが、ボーナス役に当選している状況下(内部中)では、ATに関する所定の抽選を実行しないことにより、遊技者が意図的にボーナス役を揃えないといった状態を回避することができる。
換言すると、当選番号20〜22の何れかが当選した次の遊技においてはATに関する抽選等の特典を付与することが可能に構成され、当選番号50〜52の何れかが当選した次の遊技(ボーナス役の図柄組合せが停止表示されていない状況:ボーナス内部中)においてはATに関する抽選等の特典を付与することができないように構成されている。また、高確において、役抽選で当選番号19(リプレイC)が決定されると、ART抽選を行い、ART抽選に当選した場合は次の遊技からART中(遊技状態番号5)へ移行可能である(同図,矢印キ)。
このART抽選の当選確率は適宜定めればよく、例えば当選確率を100%にしてもよい。また、当選番号19が決定されるとART抽選を行うことなく、ART中へ移行可能としてもよい。さらに、ART前兆(図示せず)やART準備(図示せず)などの遊技状態を設けて、これらの状態を経てからART中へ移行可能としてもよい。この場合、ART前兆(図示せず)やART準備(図示せず)を管理する新たな遊技状態番号を設ける必要がある。なお、当選番号19に限らず、設定差の無い当選番号であれば、適宜ART抽選の契機となる当選番号として定めることができる。
ART中に移行してから所定ゲーム数が行われると、有利区間から通常区間へ移行可能である(同図,矢印ク)。ここで、所定ゲーム数(以下、「ARTゲーム数」ともいう。)の初期値は50ゲームである。ART中において、役抽選で当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが決定されると、特化ゾーン移行抽選を行い、当選した場合は上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)へ移行可能である(同図,矢印ケ)。上述した特化ゾーン移行抽選の当選確率は、決定された当選番号に応じて異ならせてもよく、1つまたは複数の当選番号について当選確率を100%に設定してもよい。また、当選確率を100%にする代わりに特化ゾーン移行抽選を行うことなく上乗せ特化ゾーン中へ移行可能としてもよい。なお、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)に限らず、設定差の無い当選番号であれば、適宜特化ゾーン移行抽選の契機となる当選番号として定めることができる。
遊技区間制御手段125は、上乗せ特化ゾーン中に役抽選で当選番号7〜15(2連リプレイ1〜9)のいずれかが決定されると上乗せ抽選を行い、その抽選結果に応じて「ARTゲーム数」の値を増加させる。ここで、上乗せ抽選の当選確率は、当選番号7(2連リプレイ1)が決定されたときは0%、当選番号8〜10(2連リプレイ2〜4)が決定されたときは5%、当選番号11〜13(2連リプレイ5〜7)が決定されたときは25%、当選番号14または15(2連リプレイ8,9)が決定されたときは100%である。また、上乗せ抽選に当選したときに増加させるゲーム数を、決定された当選番号に応じて異ならせてもよい。なお、上乗せ抽選に当選したときに増加させるゲーム数は、上乗せゲーム数抽選によって決定してもよい。ここで、上乗せ抽選の当選確率は0%〜100%の間で適宜定めればよく、例示した値に限定されない。上乗せ抽選、及び上乗せゲーム数抽選の契機となる当選番号は、設定差の無い当選番号であれば適宜設定することができる。
上乗せ特化ゾーン中に移行してから5ゲームが行われると、役抽選で当選番号1〜6(押し順リプ1〜6)のいずれかが決定されるごとに特化ゾーン転落抽選を行い、当選するとART中へ移行可能である(同図,矢印コ)。なお、特化ゾーン転落抽選の契機となる当選番号は、設定差の無い当選番号であれば適宜設定することができる。ART中および上乗せ特化ゾーン中に1BB−A〜Fのいずれかに入賞すると、ART中ボーナス(遊技状態番号7)へ移行可能となる(同図,矢印エ)。
ここで、ART中に何らかのボーナス役が当選した場合において、設定差の無いボーナス役(当選番号48〜56,58,60,61,63,65)が当選したときは、ART中であっても上乗せ抽選が行われる。この上乗せ抽選では、複数の上乗せゲーム数(例えば、10,30,50,100)の中からいずれかの上乗せゲーム数が決定される。そして、決定された上乗せゲーム数の分だけARTゲーム数を増加させる。ここで、上乗せ抽選における各上乗せゲーム数の当選確率は0%〜100%の間で適宜定めればよい。上乗せゲーム数として0ゲームが決定される場合があってもよい。これに対して、設定差のあるボーナス役(当選番号57,59,62,64,66,68〜87)が当選したときは、上述した上乗せ抽選が行われない。入賞したボーナス役に対応するボーナス遊技が終了すると、ART復帰準備(遊技状態番号8)へ移行可能である(同図,矢印オ)。
ART復帰準備において、当選番号19(リプレイC)が決定されると復帰抽選を行い、当選するとボーナス遊技を行う前に滞在していた遊技状態番号へ移行可能である(同図,矢印サ)。すなわち、ART中からART中ボーナスへ移行したときはART中へ移行可能であり、上乗せ特化ゾーン中からART中ボーナスへ移行したときは上乗せ特化ゾーン中へ移行可能である。ここで、復帰抽選の当選確率は適宜定めればよく、例えば当選確率を100%にしてもよい。また、当選番号19が決定されると復帰抽選を行うことなく、ボーナス遊技を行う前に滞在していた遊技状態番号へ移行可能としてもよい。なお、復帰抽選の契機となる当選番号は、設定差の無い当選番号であれば適宜設定することができる。
また、ART中において、設定差のあるボーナス役が当選したことにより、ART中ボーナスへ移行し、ART復帰準備を経てART中に戻った場合は、ART復帰準備からART中へ移行するときに上乗せ抽選が行われる。当選番号19が決定されると当選確率が100%の復帰抽選を行う場合やそもそも復帰抽選を行わない場合であれば、当選番号19が決定されたときに上乗せ抽選が行われるようにしてもよい。この上乗せ抽選は、設定差の無いボーナス役が当選したときに行う上乗せ抽選と同様の抽選を行ってもよいが、本実施形態では、所定の上乗せゲーム数が必ず当選する(当選確率が100%)抽選を行うものとする。
ここで、所定の上乗せゲーム数としては、例えば設定差の無いボーナス役が当選したときに行われる上乗せ抽選によって決定される最小の上乗せゲーム数(10ゲーム)であってもよいし、最大の上乗せゲーム数(100ゲーム)であってもよいし、中間の上乗せゲーム数(30ゲームや50ゲーム)であってもよいし、最も決定されやすい(当選確率が最大に設定されている)上乗せゲーム数であってもよい。なお、設定差の無いボーナス役に当選したときに、設定差の有るボーナス役が当選したときと同じタイミングで上乗せ抽選が行われるようにしてもよい。
通常区間において1BB−A(当選番号48〜56)に当選すると、遊技区間制御手段125は有利区間移行抽選を行う。この有利区間移行抽選では、ハズレ、チャンスゾーン抽選当選という抽選結果となり、ハズレになった場合は、引き続き通常区間に滞在する。ここで、有利区間移行抽選の当選確率は適宜定めればよく、例えば当選確率を100%にしてもよい。また、1BB−A(当選番号48〜56)に当選すると、有利区間移行抽選を行うことなく、チャンスゾーン抽選当選とするようにしてもよい。
そして、1BB−Aに当選し、かつチャンスゾーン抽選当選となると、次の遊技からチャンスゾーン中(遊技状態番号9)へ移行可能である(同図,矢印シ)。チャンスゾーン中において、遊技区間制御手段125は、役抽選で当選番号37〜45(2連入賞1〜9)のいずれかが決定されるごとにART昇格抽選を行う。ここで、ART昇格抽選の当選確率は、当選番号37(2連入賞1)が決定されたときは0%、当選番号38〜40(2連入賞2〜4)が決定されたときは5%、当選番号41〜43(2連入賞5〜7)が決定されたときは25%、当選番号44または45(2連入賞8,9)が決定されたときは100%である。また、ART昇格抽選は、1BB−A遊技中のゲーム数が特定のゲーム数以上になったときに、または、特定のゲーム数になるまでの期間に限って行うようにしてもよい。
なお、1BB−Aに当選し、かつチャンスゾーン抽選当選となると、次の遊技からチャンスゾーン準備(有利区間)へ移行可能とし、1BB−Aが入賞したときに、チャンスゾーン中(有利区間)に移行可能としてもよい。
そして、1BB−A遊技中にART昇格抽選に当選していたときは、1BB−A遊技が終了すると、ART中へ移行可能である(同図,矢印ス)。これに対して、ART昇格抽選に当選していなかったときは、1BB−A遊技が終了すると、再び通常区間へ移行可能である(同図,矢印セ)。
遊技区間制御手段125は、通常区間から有利区間へ移行すると、有利区間(遊技状態番号1〜9)中に実行されたゲーム数のカウントを開始する。このカウント値は、有利区間から通常区間に戻るとクリアされる。有利区間中に実行されたゲーム数が1450ゲームになると、現在の遊技状態番号からエンディング状態(遊技状態番号10)へ移行可能である(同図,矢印ソ)。そして、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームになると、通常区間へ移行可能である(同図,矢印タ)。このように、有利区間における遊技回数に1500ゲームという上限を設けたことにより、1回の有利区間中に何万枚ものメダルが払い出されて、遊技者の射幸心を著しく煽ることがないようにしている。ここで、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときにボーナス遊技中であったとしても、通常区間へ移行可能となる。もちろん、この場合であってもボーナス遊技の終了条件が満たされていなければ、ボーナス遊技は継続して行われる。
なお、図28に示す高確(遊技状態番号6)で実行されるART抽選およびチャンスゾーン中(遊技状態番号9)で実行されるART昇格抽選のようにART中へ移行(換言すると、ART遊技の開始)するか否かを決定する抽選や、上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)で実行される上乗せ抽選のようにART中の滞在期間を延長するか否かを決定する抽選は、「報知遊技に関する所定の抽選」に該当する。また、本実施形態では、ART中の終了条件を所定ゲーム数の消化としていたが、例えばART中を終了させるか否かを決定するART終了抽選を行う場合は、この抽選も「報知遊技に関する所定の抽選」に該当する。さらに、いわゆるループ抽選を行うことにって、ART中の滞在期間を延長するか否かを決定する場合、このループ抽選も「報知遊技に関する所定の抽選」に該当する。
有利区間から通常区間へ移行するときにRWMの記憶領域のうち、アドレスF020〜F028の一連のアドレスをクリア(0に)する。換言すると、アドレスF000の設定値データ、アドレスF005のRT状態番号、F010の貯留枚数表示データ等はクリアされない。これにより、有利区間に関する情報だけクリアされることになるので、有利区間が終了し通常区間に移行した場合であっても、正常に遊技が実行可能となる。
遊技区間制御手段125は、図28に示す移行制御に加え、次のような移行制御を行う。まず、通常区間において、役抽選で当選番号65(1BB−B+スイカA)が決定されると通常区間から待機区間へ移行可能である。この待機区間は、有効区間への移行が確定しているものの、通常区間と同様ストップスイッチの押し順を報知することができない(副制御手段200に対して、有利な押し順を特定可能な情報を送信してはいけない)区間である。また、待機区間では、有利区間移行抽選が行われることはない。また、待機区間中は有利区間LEDを点灯させる必要がない。
待機区間へ移行した後、1BB−Bに入賞すると、待機区間から有利区間の高確中ボーナス(遊技状態番号4)へ移行可能である。また、遅くとも1BB−Bに対応する図柄組合せ(「白7−白7−白7」)が揃ってから次の遊技を行うためのメダルが投入可能な状態になるまでに有利区間LEDを点灯させる。そして、1BB−B遊技が終了すると、高確(遊技状態番号4)へ移行可能であり、それ以降は図28に示した遷移図に従って移行制御を行う。ここで、通常区間から待機区間を経て有利区間へ至る経路を「特殊ルート」という。
なお、遊技区間制御手段125が行う移行制御では、通常区間から有利区間へ移行しても、一度もART中(遊技状態番号5)へ昇格(移行)することなく通常区間へ戻る(移行する)パターンA(例えば、ガセ高確や高確のみ)と、少なくとも一度はART中(遊技状態番号5)へ昇格(移行)してから通常区間へ戻る(移行する)パターンBとの比率が約7:3になるように設定されている。また、パターンAの場合において有利区間中に獲得できる(払い出される)期待メダル枚数(以下、「期待獲得枚数」ともいう。)は約10枚、パターンBの場合における有利区間中の期待獲得枚数は約460枚となるように設計されているものとする。これにより、一旦、有利区間へ移行したときの期待獲得枚数は、460×0.3+10×0.7=145枚となる。
このように、有利区間へ移行したときの期待獲得枚数(145枚)が、ホッパー83のメダル貯留部83aの貯留許容枚数(700枚)の1/2(350枚)以下に設定されているため、例えば、遊技場のスタッフは、営業開始時点に貯留許容枚数の半分程度、例えば350枚のメダルを補充しておけば(メダルを補充しないということはないし、メダル貯留部83aを満杯にしておくこともなく、半分程度補充しておくことが一般的である。)、すぐに有利区間移行抽選に当選したとしても、その有利区間中にメダル貯留部83a内のメダルが空になる可能性が低く(すなわち、メダルを補充しにいかなくて済む)、かつ、しばらく有利区間移行抽選に当選しなかったとしても、すぐにメダル補助収容庫84が満杯になることもない(すなわち、メダルを回収しにいかなくて済む)ので、遊技場の営業開始後におけるスタッフの作業負担を軽減する(スタッフの数が少なくても、遊技者に不満を与えることがなくなる。)ことができる。まとめると、有利区間へ移行したときの期待獲得枚数は、メダル貯留部83aの貯留許容枚数の半分以下に設定することが好ましい。もしくは、有利区間へ移行したときの期待獲得枚数の2倍以上の枚数を貯留可能なメダル貯留部83aを有するホッパーを設けることが好ましい。
さらに、有利区間移行抽選の当選確率を1/(700÷規定数(通常遊技における規定数「3」))未満とすることにより、1回目の有利区間の終了時にメダル貯留部83a内のメダルがほとんど無くなっていたとしても(例えば、350−145=105枚)、次に有利区間が開始するまでには、メダル貯留部83aが満杯または満杯近くになっている可能性が高くなり、2回目の有利区間中もメダル貯留部83aが空になる可能性は低くなる(すなわち、メダルを補充しにいかなくて済む)。これに対して、有利区間移行抽選の当選確率を1/(700÷規定数(通常遊技における規定数「3」))以上にした場合は、1回目の有利区間の終了時にメダル貯留部83a内のメダルが、ほとんど無くなっている可能性が高いため(例えば、350−145=105枚)、次に有利区間が開始されるまでに、メダル貯留部83aが満杯になっている可能性が低く、メダル補助収容庫84が満杯になることもない(すなわち、メダルを回収しにいかなくて済む)。
同様の理由から、1回のボーナス遊技で払い出されるメダルの枚数を350枚以下に設定するのが望ましく、例えば本実施形態のように、1回のボーナス遊技で払い出されるメダルの枚数が1BB−A遊技および1BB−B遊技よりも少ない1BB−C〜F遊技がある場合は、1BB−C〜Fの当選確率を、1BB−Aおよび1BB−Bの当選確率よりも高く設定するのが望ましい。ボーナス役に当選しても、それが1BB−C〜Fであれば、そのボーナス遊技中にメダル貯留部83a内のメダルが空になる可能性が低い(すなわち、メダルを補充しにいかなくて済む)からである。
(フリーズ制御手段の説明)
図16において、フリーズ制御手段130は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達したことによって有利区間の終了条件が成立し、次の遊技から通常区間となる場合に、遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行する。ただし、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときにボーナス遊技中であり、かつ、ボーナス遊技の終了条件が満たされていないときは、その時点で遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行せず、ボーナス遊技は継続して行われる。このように、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときにボーナス遊技中であった場合は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達した時点ではフリーズ制御を実行せず、ボーナス遊技が終了したときにフリーズ制御を実行する。
従来のスロットマシンは、ART遊技に対して制限が設けられていなかったため、1回のART中に何万枚ものメダルが払出されることも、少なからずあり、射幸性が高すぎるのではないという意見があった。そこで、本実施形態では、有利区間における遊技回数の上限を1500ゲームとすることで、射幸性が高くなりすぎないようにしている。また、フリーズ制御手段130は、有利区間で1500ゲームの遊技を行ったときにフリーズを行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等(特に、ART中の総遊技回数や総獲得枚数、ARTの総セット数など)の表示することが可能となる。
ただし、有利区間であるボーナス遊技中に1500ゲーム目に達したときは、フリーズ制御手段130は、フリーズ制御を行わないようにしている。したがって、上述した有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等を表示することはない。これは、ボーナス遊技の途中にフリーズ制御を行ってしまうと、ボーナス遊技中の爽快感を削いでしまう可能性があるからである。また、ボーナス遊技が終了したときにフリーズ制御を行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、ボーナス遊技中の総遊技回数や総獲得枚数を表示することが可能となる。
なお、有利区間であるボーナス遊技中に1500ゲーム目に達したときは、ボーナス遊技が終了したときのフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等(特に、AT中の総遊技回数や総獲得枚数、ATの総セット数)を表示してもよい。さらに、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等に、通常区間中のボーナス遊技の総遊技回数や総獲得枚数を加算して表示してもよい。
(報知遊技制御手段の説明)
報知遊技制御手段140は、前述した有利区間に移行した場合(有利区間中のとき)には、当選役に応じて報知する押し順を決定し、報知することが可能となる。押し順の報知は、指示番号という数値を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。具体的には、指示番号1は左→中→右(順押し)の押し順(押し順1)に対応し、指示番号2は左→右→中(ハサミ押し)の押し順(押し順2)に対応し、指示番号3は中→左→右(順中押し)の押し順(押し順3)に対応し、指示番号4は中→右→左(逆中押し)の押し順(押し順4)に対応し、指示番号5は右→左→中(逆ハサミ押し)の押し順(押し順5)に対応し、指示番号6は右→中→左(逆押し)の押し順(押し順6)に対応している。また、報知遊技制御手段140によって押し順を報知しない場合には、特定の押し順を表さない指示番号0が定められている。
獲得枚数表示器28に指示番号を表示するときは、図29(a)に示すように、獲得枚数表示器28の十の位(以下、「上位桁」ともいう)の8セグメント表示器に「=」を表示し、一の位(以下、「下位桁」ともいう)の8セグメント表示器に指示番号を表示する。本実施形態では、獲得枚数表示器28を、メダルの払出枚数の表示と、エラーコードの表示(後述する)と、指示番号の表示とに兼用しているため、指示番号を表示する際には、メダルの払出枚数およびエラーコードを表示するときには表示されない「=」を表示することで、表示されている情報の種類を遊技者が判断できるようにしている。
ここで、図28に示した各区間において、報知遊技制御手段140は、通常区間(遊技状態番号0)、ガセ高確中ボーナス(遊技状態番号3)、高確中ボーナス(遊技状態番号4)およびART中ボーナス(遊技状態番号7)においては、獲得枚数表示器28に指示番号を表示させない。これに対して、ART中(遊技状態番号5)、上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)ART復帰準備(遊技状態番号8)、および、エンディング状態(遊技状態番号10)においては、当選番号24〜29の何れかが決定されたときに、入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順に対応する指示番号を表示する。
以下、このような押し順の報知内容を「全ナビ」ともいう。また、ガセ高確(遊技状態番号1)および高確(遊技状態番号2)においては、当選番号24〜29の何れかが決定されたときに少なくとも1回は、入賞01または入賞02の図柄組合せが揃う押し順に対応する指示番号の表示(全ナビ)を行う。上述した指示番号の他、左→?→?(左第1停止)の押し順(押し順7)に対応する指示番号7、中→?→?(中第1停止)の押し順(押し順8)に対応する指示番号8、右→?→?(右第1停止)の押し順(押し順9)に対応する指示番号9がある場合は、全ナビを行った後は、当選番号24〜29の何れかが決定されたときに、入賞06〜入賞08および入賞10(決定された当選番号に応じる)に対応する図柄組合せが揃わない押し順に対応する指示番号7〜9を表示する。以下、このような押し順の報知内容を「半ナビ」ともいう。
半ナビを行う理由としては、例えば高確(遊技状態番号2)かつRT2において、ART中(遊技状態番号3)に移行させるため、当選番号19が決定されるのを待っている間、当選番号24〜29の何れかが決定されることがある。このとき、RT2を維持させるため(入賞06〜8および入賞10に対応する図柄組合せが揃わないよう)、全ナビを行ってしまうと、12枚のメダルが払い出されることになるため、遊技者へ過剰にメダルが与えられてしまい好ましくない。そこで、半ナビを行うことで、RT2を確実に維持させつつ、12枚のメダルが払い出されるかは、遊技者の運にゆだねている。
その他、遊技者へ過剰にメダルが与えられてしまう(12枚のメダルの払い出し)ことが好ましくないが、メダルを減らさせてしまう(1枚のメダルの払い出し)ことも好ましくないような状況においても、半ナビを行うことにメリットがある(遊技者の運により、12枚の払い出し、または3枚の払い出し)。指示番号7〜9を定めていないスロットマシンにおいては、全ナビを行った後は指示番号を表示させないようにしてもよいし、たまに全ナビを行うようにしてもよい。なお、高確(遊技状態番号2)、ART中(遊技状態番号5)、上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)、ART復帰準備(遊技状態番号8)、および、エンディング状態(遊技状態番号10)においては、当選番号1〜6の何れかが決定されたときに、再遊技01の図柄組合せが揃う押し順に対応する指示番号を表示する。
ここで、有利区間へ移行した場合、上述した「全ナビ」が少なくとも1回は行われるように、押し順ベル1〜6の合成当選確率を考慮して、ART中の初期ゲーム数を設定するのが望ましい。上述したように、原則として、有利区間へ移行した場合、全ナビが1回も行われることなく、通常区間へ移行させることはないため、設定した初期ゲーム数によっては、所定ゲーム数(初期ゲーム数分)が行われたのにもかかわらず、通常区間へ移行させることができないという不都合が生ずる恐れがあるからである。
通常区間かつRT2において、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが決定され、次の遊技から高確(遊技状態番号2)へ移行したとする。例えば、RT1およびRT2における押し順ベル1〜6の合成当選確率を1/8.40、リプレイC(RT2からRT1へ移行する当選役)の当選確率を1/1.93とした場合、高確(遊技状態番号2)かつRT2に滞在するゲーム数は2ゲーム(リプレイCの当選確率より)と見込むことができる。また、RT2において、高確(遊技状態番号2)へ移行してから最初の「全ナビ」が行われるまでに要するゲーム数を9ゲーム(押し順ベル1〜6の合成当選確率より)と見込むことができる(途中で、ART中かつRT1へ移行している場合を含む)。
したがって、ART中の初期ゲーム数を9−2=7ゲーム以上に定めれば、通常区間へ移行させる条件が成立する前に、少なくとも1回、「全ナビ」が行われる可能性を高くすることができる。これにより、ART中の終了条件(所定ゲーム数の実行)を満たしたにもかかわらず、ART中の状態を終了できないといった不都合を生じにくくすることができる。また、リプレイCの当選確率を押し順ベル1〜6の合成当選確率よりも高くしているため、高確(遊技状態番号2)かつRT2のときに「全ナビ」が行われる可能性を低くすることができるため、「全ナビ」の報知をART中に集中させることができる。
なお、指示番号の表示態様として、指示番号0のときは「=0」を表示するようにしているが、無表示としてもよい。また、指示番号の表示態様としては、獲得枚数表示器28の上位桁に指示番号を表示し、下位桁は無表示としてもよい。ここで、無表示の態様としては、8セグメント表示器の全セグメント消灯させることなどが考えられる。また、無表示の代わりに「=」を表示してもよい。さらに、指示番号を獲得枚数表示器28の上位桁に表示し、現に操作すべきストップスイッチを示す番号(例えば、左ストップスイッチ37は1番(「1」)、中ストップスイッチ37Cは2番(「2」)、右ストップスイッチ37は3番(「3」))を下位桁に順次表示するようにしてもよい。
また、指示番号の表示態様は図29(a)に示すものに限らず、例えば図29(b)に示すように、1つの8セグメント表示器を用いて7ビットの数値(0〜127)を表示するようにしてもよい。この場合、セグメントa〜gを、後述する指示番号データにおけるBit0〜6に対応させ、各セグメントを点灯または消灯させることにより、二進法で表した(すなわち0〜127の数値範囲内)指示番号を表示する。この場合、たとえば指示番号1を表示する場合は、セグメントaのみを点灯させる。
また、当選番号(入賞・再遊技当選番号でもよい)が分かれば有利な押し順が判明するため、指示番号の代わりに当選番号を表示するようにしてもよい。例えば、当選番号28(押し順ベル5)を表示する場合は、セグメントc,d,eを点灯させる。もちろん、これらの点灯態様は獲得枚数表示器28の上位桁に表示してもよいし、下位桁に表示してもよい。現に操作すべきストップスイッチを二進法で表した番号で表示してもよい。いずれの場合も、このような表示が行えるよう、後述するセグメントデータを予め定めていてもよい。
(役比モニタ制御手段の説明)
図16に戻り、役比モニタ制御手段145は、図7および図8(a)に示した役比モニタ103に表示する有利区間比率、中期間役比、中期間連役比、累計役比および累計連役比を算出する。具体的には、図8(d)を参照して説明したように、総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数の各々について、直近の6000ゲーム中の累計値をカウントし、各カウント値に基づいて中期間役比および中期間連役比を算出する。また、これとは別に、総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数の各々について総累計値をカウントし、各カウント値に基づいて累計役比および累計連役比を算出する。さらに、総ゲーム数および有利区間ゲーム数をカウントし、これらのカウント値に基づいて有利区間比率を算出する。
(入賞判定手段の説明)
図16に戻り、入賞判定手段150は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、図10〜図15に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、1BB−A〜FのいずれかのBB役が入賞したと判定された場合は、次の遊技からBB遊技が開始され、SB役が入賞したと判定された場合は、次の遊技に限って図26に示した役抽選テーブルを用いた遊技が行われ、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、小役が入賞した場合は、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した小役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算し、クレジット枚数の上限(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段155は、非遊技中および遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示する。ここで、図30に異常検出手段155によって検出されるエラーの種類の一部を示す。
図30において、電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をON(以下、「オン」または「投入」ともいう。)したときに、RWMの内容が正常でない(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー))ときに検出されるエラーである。出荷後、初めて電源をONしたときにも検出されるエラーである。エンプティエラー(エラーコード:CA)は、ホッパー83のメダル貯留部83aに貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cd)は、スロットマシン10の前面扉14が開放されているときに検出されるエラーである。これらのエラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段160によって獲得枚数表示器28に表示される。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、エンプティエラーおよびドア開放エラーは、遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段スロットマシン10は、遊技の進行が不可能な状態(以下、「遊技不可能状態」ともいう。)となるが、遊技不可能状態から遊技の進行を再開する方法(復帰する方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、エンプティエラーまたはドア開放エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、リセット/設定スイッチ82c(図3参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。このように、エンプティエラーおよびドア開放エラーはリセット/設定スイッチ82cの操作によって遊技の制御処理を再開(復帰)させることができるため、復帰可能エラーと称する。なお、ドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、遊技の制御処理が再開することができる。なお、ドア開放エラーは、ドアが閉じられたことに基づいて(リセット/設定スイッチ82cの操作や台鍵を反時計回りに回すことを要することなく)エラーを解除可能とすることも可能である。
これに対して、電断復帰エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させオンにした状態で、電源の再投入を行う必要がある。これにより、設定変更中の状態となり、このときRWMの所定の記憶領域がクリアされる。このように、電断復帰エラーは遊技の制御処理を再開(復帰)させることができないため、復帰不可能エラーと称する。なお、電断復帰エラーは、電源投入直後に検出され得るエラーである。
復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域(アドレスF000〜F3FF)がクリアされ、クリアされた記憶領域に記憶されていた遊技に関する情報は維持されないため、初期状態から遊技が行われることになる。なお、復帰不可能エラーが発生した場合において、アドレスF000も初期化され「0」が記憶されることになるが、本実施形態では、アドレスF000が「0」のとき、設定変更中であれば設定値表示器87には「1」が表示される。換言すると、設定値表示器87に「1」を表示するための補正処理を要しないため、容量を削減することができる。
(LED表示制御手段の説明)
図16に戻り、LED表示制御手段160は、清算表示LED22、再遊技表示LED23、投入可能表示LED24、遊技開始表示LED25、投入表示LED26a〜26c、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、設定値表示器87および役比モニタ103の表示制御を行う。ここで、LED表示制御手段160が、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28および設定値表示器87を構成する8セグメント表示器の表示制御を行う際に参照するLEDセグメントテーブルAの内容を図31(a)に示し、役比モニタ103を構成する8セグメント表示器の表示制御を行う際に参照するLEDセグメントテーブルBの内容を図31(b)に示す。
LEDセグメントテーブルA,Bは、主制御手段100に含まれるROMに記憶されている情報であり、8セグメント表示器を構成している各セグメントa〜g(図4(a)、図29(b)参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め8セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。以下、このデータをセグメントデータという。また、図4(a)および図29(b)に示すセグメントa〜gは、クレジット数表示27、獲得枚数表示器28、設定値表示器87および役比モニタ103を構成する各8セグメント表示器のセグメントa〜gを示している。
図31(a)のLEDセグメントテーブルAにおけるセグメントデータは16個あり、各セグメントデータはROMのアドレス1211H〜1220Hに記憶されている。また、図31(b)のLEDセグメントテーブルBにおけるセグメントデータは13個あり、各セグメントデータはROMのアドレス1311H〜131DHに記憶されている。各セグメントデータは1バイトのデータであり、当該データを2進法で表したときの各ビットD0〜D6は、8セグメント表示器の各セグメントa〜gに対応している。
すなわち、最下位ビットD0はセグメントaに対応し、その上位ビットD1はセグメントbに対応し、以下、ビットD2〜D6は、それぞれセグメントc〜gに対応している。そして、各ビットの値が「0」のときは対応するセグメントが消灯し、「1」のときは点灯させることを示している。ただし、「1」をハイレベルの信号(例えば+5V(ボルト))で表すか、ローレベルの信号(例えば接地電位)で表すか(換言すると、アクティブハイとするか、アクティブローとするか)については、適宜定めればよい。
以下、アクティブハイ(「1」のとき、マイコンチップZ1のデータ出力端子からハイレベルの信号を出力する)を例に説明する。なお、本実施形態にいては役比モニタ103に比率を表示しない項目はないが、例えば、有利区間が無い機種においては、有利区間比率を表示する表示部において「−−」を表示するようにするため、ROMアドレス131E(オフセット値:DH)にセグメントgのみを点灯させる(表示態様「−」)ためのセグメントデータ(40H)を記憶させたLEDセグメントテーブルBを用いてもよい。
なお、最上位ビットD7は8セグメント表示器のセグメントa〜gの点灯制御には使用されないため、各セグメントデータの最上位ビットD7の値はすべて「0」になっている。
例えば、ROMのアドレス1211Hに記憶されているセグメントデータ3FHを2進法で表すと「00111111」となるので、セグメントa〜fが点灯し、セグメントgが消灯することを示している。したがって、表示態様は「0」となる。同様に、ROMのアドレス1212H〜121AHには、それぞれ数字の「1」〜「9」の表示態様となるセグメントデータが記憶されている。また、アドレス121BH〜121FHには、それぞれアルファベットまたは記号の「A」、「=」、「C」、「d」、「E」の表示態様となるセグメントデータが記憶されている。さらに、アドレス121FHには全てのセグメントが消灯するセグメントデータが記憶されている。
一方、LEDセグメントテーブルBのうち、ROMのアドレス1311H〜131AHには、それぞれ数字の「0」〜「9」の表示態様となるセグメントデータが記憶されており、アドレス131BH〜121EHには、それぞれアルファベットまたは記号の「U」、「y」、「A」、「−」の表示態様となるセグメントデータが記憶されている。
LED表示制御手段160は、LEDセグメントテーブルから取得するセグメントデータをオフセット値によって管理している。このオフセット値は、LEDセグメントテーブルAの先頭アドレス1211H(LEDセグメントテーブルBにおいては1311H)を基準にしたときのアドレス値を示している。例えば、LEDセグメントテーブルAからセグメントデータを取得する際に、オフセット値が「0」であれば、1211H+0H=1211Hのセグメントデータ(3FH)を取得し、オフセット値が「B」であれば、1211H+BH=121CHのセグメントデータ(48H)を取得することになる。
次に、LEDセグメントテーブルAまたはBから取得したセグメントデータを用いて、各表示LEDおよび8セグメント表示器の点灯制御を行うかについて、図32〜図35を参照して説明する。図32は主制御基板101上に実装された、マイコンチップZ1と、デジットドライバDD1およびDD2と、セグメントドライバSDと、設定表示器87との間の配線等を示す配線図である。図34は、出力ポート2〜4の各ピンアサイメントを説明するための説明図である。図33は、前面扉14の裏面に設置されている中央表示基板上に実装された、各表示LEDおよび8セグメント表示器との間の配線を示す配線図である。図35は、各8セグメント表示器に入力される信号(データ)のビットと、8セグメント表示器の各セグメントおよび各表示LEDとの対応を説明するための説明図である。
図32に示す主制御基板の配線図において、マイコンチップZ1は3つのチップセレクト信号出力端子XCS1〜XCS3と、8ビットのデータ出力端子D0〜D7とを有している。デジットドライバDD1,DD2およびセグメントドライバSDは、それぞれクロック入力端子CK、データ入力端子D0〜D7およびデータ出力端子D0〜D7を備え、クロック入力端子CKへ入力された信号がオン(ハイレベルの信号)からオフ(ローレベルの信号)に変化したときに、データ入力端子D0〜D7に入力した信号を保持し、その信号に対応する信号をデータ出力端子D0〜D7から出力する。
なお、クロック入力端子CKへ入力された信号がオフ(ローレベルの信号)からオン(ハイレベルの信号)に変化したときに、データ入力端子D0〜D7に入力した信号を保持し、その信号に対応する信号を、データ出力端子D0〜D7から出力してもよい。もちろん、データ入力端子D0〜D7に入力した信号に対応する信号を保持し、データ出力端子D0〜D7から出力してもよい。
そして、チップセレクト信号出力端子XCS1はデジットドライバDD2のクロック入力端子CKと、チップセレクト信号出力端子XCS2はセグメントドライバSDのクロック入力端子CKと、チップセレクト信号出力端子XCS3はデジットドライバDD1のクロック入力端子CKと、それぞれ接続されている。また、マイコンチップZ1のデータ出力端子D0〜D7は、デジットドライバDD1,DD2および,セグメントドライバSDの各データ入力端子D0〜D7に接続されている。ただし、デジットドライバDD1のビットD4〜D7は未使用(NC)であるため、これらのデータ入力端子はグランドに接続されている。
また、デジットドライバDD2のデータ出力端子D0〜D2は、各々対応する駆動回路を介して(図示していないが主制御基板側コネクタCN1やワイヤーハーネスを介して)図34に示す中央表示基板のコネクタ(以下、「入力コネクタCN」という。)の16番ピン〜18番ピンに接続され、データ出力端子D3〜D7は、入力コネクタCNの3番ピン〜7番ピンに接続されている。さらにデータ出力端子D7は、設定値表示器87のコモン端子にも接続されている。また、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D7は、各々対応する駆動回路を介して設定値表示器87および役比モニタ103の各セグメントa〜g(より詳しくは、セグメントa〜gに対応するLEDのアノード)、並びに図34の入力コネクタCNの8番ピン〜15番ピンに接続されている。
さらに、デジットドライバDD1のデータ出力端子D0は、役比モニタ103の識別子表示部ID(上位桁)のコモン端子に、データ出力端子D1は、識別子表示部ID(下位桁)のコモン端子に、データ出力端子D2は、役比モニタ103の比率表示部RA(上位桁)のコモン端子に、データ出力端子D3は、比率表示部RA(下位桁)のコモン端子に、各々接続されている。なお、8セグメント表示器のコモン端子は、セグメントa〜gに対応する各LEDのカソードに接続されている。
セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D7は、各々対応する駆動回路に含まれるpnp型トランジスタのベースに接続されている。そして、各pnp型トランジスタのエミッタには+5Vの電圧が印加されており、コレクタは中央表示基板の入力コネクタCNに接続される。各駆動回路のpnp型トランジスタは、接続されたデータ出力端子からベースに対してローレベルの信号が供給されると、オン状態になってエミッタからコレクタへ電流が流れ、接続先にハイレベルの信号が供給(ハイレベルの電圧が印加)される。
デジットドライバDD2のデータ出力端子D0〜D2は、各々対応する駆動回路に含まれるnpn型トランジスタのベースに接続されている。また、各npn型トランジスタのエミッタは中央表示基板の入力コネクタCNに接続され、コレクタはグランドに接続されている。そして、各npn型トランジスタは、接続されたデータ出力端子からベースに対してハイレベルの信号が供給されると、オン状態になってコレクタからエミッタへ電流が流れることが可能となり、コレクタ側がローレベルになる。
上述したように、各駆動回路のpnp型トランジスタは、ベースにローレベルの信号が供給されるとオン状態になり、npn型トランジスタは、ベースにハイレベルの信号が供給されるとオン状態になる。ちなみに、デジットドライバDD2は、データ入力端子D0〜D2にハイレベル(ローレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D2からハイレベル(ローレベル)の信号を出力し、データ入力端子D3〜D7にハイレベル(ローレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D2からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。また、セグメントドライバSDは、データ入力端子D0〜D7にハイレベル(ローレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D7からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。さらに、デジットドライバDD1は、データ入力端子D0〜D3にハイレベル(ローレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D3からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。
なお、アクティブロー(「1」のとき、マイコンチップZ1のデータ出力端子からローレベルの信号が出力される)であれば、逆に、デジットドライバDD2は、データ入力端子D0〜D2にローレベル(ハイレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D2からハイレベル(ローレベル)の信号を出力し、データ入力端子D3〜D7にローレベル(ハイレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D2からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。セグメントドライバSDは、データ入力端子D0〜D7にローレベル(ハイレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D7からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。さらに、デジットドライバDD1は、データ入力端子D0〜D3にローレベル(ハイレベル)の信号が入力されていると、データ出力端子D0〜D3からローレベル(ハイレベル)の信号を出力するようになっている。
次に、図33に示す中央表示基板の配線図において、中央表示基板の入力コネクタCNの1番および2番ピンには+5V(ボルト)が供給され、1〜3枚投入表示LED26a〜26cの各アノードに接続されている。また、入力コネクタCNの3番ピン(入力信号DG1)は、クレジット数表示器27(上位桁)の8セグメント表示器におけるコモン端子に接続されている。入力コネクタCNの4番ピン(入力信号DG2)は、クレジット数表示器27(下位桁)の8セグメント表示器におけるコモン端子に接続されている。
入力コネクタCNの5番ピン(入力信号DG3)は、獲得枚数表示器28(上位桁)の8セグメント表示器におけるコモン端子に接続されている。入力コネクタCNの6番ピン(入力信号DG4)は、獲得枚数表示器28(下位桁)の8セグメント表示器におけるコモン端子に接続されている。入力コネクタCNの7番ピン(入力信号DG5)は、清算表示LED22のカソードに接続されている。なお、8セグメント表示器のコモン端子は、セグメントa〜gに対応する各LEDのカソードに接続されている。
入力コネクタCNの8番〜14番ピン(入力信号SGa〜SGg)は、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の各8セグメント表示器に含まれるセグメントa〜gに対応するLEDのアノードに接続されている。例えば、入力コネクタCNの8番(入力信号SGa)は、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の各8セグメント表示器においてセグメントaに対応するLEDのアノードに接続される。入力コネクタCNの15番ピン(入力信号SGp)は、清算表示LED22、再遊技表示LED23、投入可能表示LED24、遊技開始表示LED25およびクレジット数表示器27(下位桁)におけるセグメントDPの各アノードに接続されている。さらに、入力コネクタCNの16番〜18番ピン(入力信号IN1〜IN3)は、それぞれ、1枚投入表示LED26a、2枚投入表示LED26bおよび3枚投入表示LED26cのカソードに接続されている。
次に、図34を参照してデジットドライバDD1,DD2およびセグメントドライバSDに対して出力される信号の内容について説明する。上述した各ドライバにはマイコンチップZ1の出力ポート2〜4から出力される信号が入力される。具体的には、出力ポート2の信号はデジットドライバDD2に、出力ポート3の信号はセグメントドライバSDに、出力ポート3の信号はデジットドライバDD1に対して出力される。
マイコンチップZ1の出力ポート2から出力される8ビットの信号D0(最下位ビット)〜D7(最上位ビット)のうち、ビットD0〜D2は投入表示LED26a〜26cを点灯させるための信号であり、ビットD0は投入表示LED26a、ビットD1は投入表示LED26b、ビットD2は投入表示LED26cをそれぞれ点灯させるための信号である。また、ビットD3〜D7は、それぞれクレジット表示器27、獲得枚数表示器28および設定値表示器87のうち、点灯させる8セグメント表示器を指定する信号である。また、各種表示LED(投入表示LEDを除く)のうち、点灯させる表示LEDを指定する信号でもある。
ここで、ビットD3の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット1、ビットD4の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット2、ビットD5の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット3、ビットD6の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット4、ビットD7の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット5とする。そして、デジット1はクレジット表示器27の上位桁、デジット2はクレジット表示器27の下位桁、デジット3は獲得枚数表示器28の上位桁、デジット4は獲得枚数表示器28の下位桁、デジット5は設定値表示器87の各8セグメント表示器に対応する。
マイコンチップZ1の出力ポート3から出力される8ビットの信号D0(最下位ビット)〜D7(最上位ビット)のうち、ビットD0〜D6は、各々8セグメント表示器のセグメントa〜gを点灯させるための信号である。具体的には、ビットD0はセグメントa、ビットD1はセグメントb、ビットD2はセグメントc、ビットD3はセグメントd、ビットD4はセグメントe、ビットD5はセグメントf、ビットD6はセグメントgに対応している。また、ビットD7は、各種表示LEDまたは8セグメント表示器のセグメントDPを点灯させるための信号である。
マイコンチップZ1の出力ポート4から出力される8ビットの信号D0(最下位ビット)〜D7(最上位ビット)のうち、ビットD0〜D3は役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器のうち点灯させる8セグメント表示器を指定する信号である。具体的には、ビットD0の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット6、ビットD1の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット7、ビットD2の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット8、ビットD3の信号によって指定される8セグメント表示器をデジット9とする。そして、デジット6は識別子表示部IDの上位桁、デジット7は識別子表示部IDの下位桁、デジット8は比率表示部RAの上位桁、デジット9は比率表示部RAの下位桁の各8セグメント表示器に対応する。
なお、出力ポート4から出力されるビットD4〜D7の信号は未使用である。
LED表示制御手段160は、図32および図33に示した配線図において、タイマ割込処理を行う毎に、デジット6→デジット7→デジット8→デジット1→デジット2→デジット3→デジット4→デジット5→デジット9→デジット6→……というように、点灯する8セグメント表示器および表示LEDを循環的に切り替えることで、いわゆるダイナミック点灯制御を行う。ここで、出力ポート2から出力されるLEDデジット信号1〜5、および、出力ポート4から出力されるLEDデジット信号6〜9のうち、いずれかのLEDデジット信号がハイレベルの信号として出力されると、デジットドライバDD2のデータ出力端子D3〜D7、またはデジットドライバDD1のデータ出力端子D0〜D3のいずれかの出力端子からローレベルの信号が出力される。すなわち、ハイレベル(例えば+5V(ボルト))になっているLEDデジット信号に対応するデジットが点灯可能な状態となる。そして、点灯可能状態のデジットに対応する8セグメント表示器および表示LEDが点灯する。
図35(b)に示すように、LED表示制御手段160は、LEDデジット信号1がハイレベル(デジットドライバDD2のデータ出力端子D3からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、現在貯留(クレジット)しているメダル枚数の十の位の値を表示するためのセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。このとき、遊技開始表示LED25を点灯させるべき状態のときは、出力ポート3のD7からハイレベルの信号を出力する。ここで、クレジット数が10枚未満だった場合は、0を表示させるセグメントデータを出力してもよいし、全セグメントを消灯させてもよい。
LEDデジット信号2がハイレベル(デジットドライバDD2のデータ出力端子D4からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、現在貯留(クレジット)しているメダル枚数の一の位の値を表示するためのセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。このとき、有利区間LED(クレジット表示器27の下位桁のセグメントDP)を点灯させるべき状態のときは、出力ポート3のD7からハイレベルの信号を出力する。
LEDデジット信号3がハイレベル(デジットドライバDD2のデータ出力端子D5からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、獲得枚数表示器28の上位桁に表示すべき表示態様に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。このとき、投入可能表示LED24を点灯させるべき状態のときは、出力ポート3のD7からハイレベルの信号を出力する。獲得枚数表示器28の上位桁に表示する内容は、メダル払出枚数(獲得枚数)を表示するときはその十の位の値、指示番号を表示するときは「=」、エラーコードを表示するときは「E」または「C」となる。なお、メダル払出枚数を表示する際に、メダル払出枚数が10枚未満だったときは、出力ポート3の出力端子D0〜D6から0を表示するセグメントデータを出力してもよいし、全セグメントを消灯させるセグメントデータを出力してもよい。
LEDデジット信号4がハイレベル(デジットドライバDD2のデータ出力端子D6からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、獲得枚数表示器28の下位桁に表示すべき表示態様に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。このとき、再遊技表示LED23を点灯させるべき状態のときは、出力ポート3のD7からハイレベルの信号を出力する。獲得枚数表示器28の下位桁に表示する内容は、メダル払出枚数を表示するときはその一の位の値、指示番号を表示するときは指示番号の数値、エラーコードを表示するときは「1」、「A」または「d」のいずれかとなる。
なお、メダル払出枚数を表示する際に、メダル払出枚数が0枚だったときは、出力ポート3のD0〜D6から0を表示するセグメントデータを出力してもよいし、全セグメントを消灯させるセグメントデータを出力してもよい。また、役抽選によって小役が当選した場合に、当選した小役が入賞しなかったとき(取りこぼしたとき)には獲得枚数表示器28に「0」を表示し、役抽選でハズレの場合には、非表示にしてもよい。これにより、遊技者は小役を取りこぼしたのか、または、役抽選結果がハズレだったのかを識別することができる。
LEDデジット信号5がハイレベル(デジットドライバDD2のデータ出力端子D7からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、現在の設定値を表示するためのセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。このとき、清算表示LED22を点灯させるべき状態のときは、出力ポート3のD7からハイレベルの信号を出力する。なお、設定値の表示は、遊技場のスタッフなどによって非遊技中に予め定められた特定の操作が行われたときに行い、それ以外のときは、セグメントa〜gをすべて消灯させるセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力する。
また、図35(c)に示すように、LED表示制御手段160は、LEDデジット信号6がハイレベル(デジットドライバDD1のデータ出力端子D0からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、役比モニタ103の識別子表示部IDの上位桁に表示する表示態様(「6」または「7」)に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。LEDデジット信号7がハイレベル(デジットドライバDD1のデータ出力端子D1からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、役比モニタ103の識別子表示部IDの下位桁に表示する表示態様(「U」、「y」または「A」)に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。また、出力ポート3のD7にはハイレベルの信号を出力して識別子表示部IDの下位桁におけるセグメントDPを点灯させる。
LEDデジット信号8がハイレベル(デジットドライバDD1のデータ出力端子D2からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、役比モニタ103の比率表示部RAに表示する比率のうち十の位の値に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。また、LEDデジット信号9がハイレベル(デジットドライバDD1のデータ出力端子D3からはローレベルの信号が出力されている)になっている間は、役比モニタ103の比率表示部RAに表示する比率のうち一の位の値に対応するセグメントデータを出力ポート3のD0〜D6から出力させる。
上述したLED表示制御において、例えば、デジット1の8セグメント表示器および表示LED(クレジット数表示器27の上位桁および遊技開始表示LED25)の表示制御を行う場合、出力ポート2のD3から出力する信号をハイレベルにする。これにより、デジットドライバDD2のデータ出力端子D3からはローレベルの信号が出力される。また、出力ポート2のD4〜D7および出力ポート4のD0〜D3から出力信号をローレベルにする。
これにより、デジットドライバDD2のデータ出力端子D4〜7およびデジットドライバDD1のデータ出力端子D0〜3からはハイレベルの信号が出力される。さらに、出力ポート3のD0〜D6から、現在のクレジット数の十の位の値に対応する表示態様(0〜5のいずれか)を示すセグメントデータ(図31(a)参照)に基づく信号を出力させる。例えば十の位の値が「2」であれば、出力ポート3のD0,D1,D3,D4,D6からハイレベルの信号を出力し、D2,D5からローレベルの信号を出力する。これにより、セグメントドライバSDの出力端子D0,D1,D3,D4,D6からローレベルの信号が出力され、出力端子D2,D5からハイレベルの信号が出力される。
これにより、入力信号SGa,SGb,SGd,SGe,SGgがハイレベル(+5V)となり、デジット1〜9の各8セグメント表示器におけるセグメントa,b,d,e,gのLEDのアノードに+5Vが印加される。ただし、デジット2〜9の8セグメント表示器のコモン端子(カソード)にはハイレベルの信号が出力されていて、セグメントa,b,d,e,gのLEDに電流が流れないため、各セグメントは消灯状態となる。これに対して、デジット1の8セグメント表示器のカソードはローレベルになるため、セグメントa,b,d,e,gの各LEDに電流が流れて、数字の「2」が点灯する。
また、このとき、入力信号DG1のみがローレベルになっているため、遊技開始表示LED25のカソードがローレベルとなり、入力信号SGpのレベル(ハイ/ロー)に応じて点灯または消灯する。
なお、押し順の報知(指示番号の表示)は、専用の表示器を用いて行うようにしてもよい。この専用の表示器は、押し順を報知(指示番号等を表示)するために新たに設けられた複数桁の8セグメント表示器であって、LEDデジット信号を出力する専用のデジットドライバ(未使用のデータ出力端子D4〜D7があるためデジットドライバDD1でもよい)と、前述したセグメントドライバSDから出力されたLEDセグメント信号により点灯制御(表示制御)されるものであってもよい。
上述したように、セグメントドライバSDは、設定値表示器87、役比モニタ103、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28で共通して使用している。また、押し順を報知(指示番号の表示)するために専用の表示器(例えば、デジット10とする)を設ける場合も、共通して使用することを推奨している。これには、以下のような理由がある。複数個のセグメントドライバSDを実装することにより、並行してダイナミック点灯制御を行うことができるので(例えば、デジット1→デジット2→デジット3→デジット4→デジット5→デジット1→……と、デジット6→デジット7→デジット8→デジット9→デジット10→デジット6→……)、ちらつきを少なくすることができる。
しかし、8セグメント表示器は、スロットマシン10の製造過程で壊れてしまうこともあり、また、スロットマシン10の運搬中や運搬後に故障する(例えば、特定のセグメントが点灯しなくなる等)虞がある。さらに、セグメントドライバから8セグメント表示器との間の一部の配線が断線する(例えば、主制御基板101上の配線が断線したり、ワイヤーハーネス内で断線する等)虞もある。従来から8セグメント表示器によって表示されていたエラーコード、メダル払出枚数、または、クレジット数の表示は、仮に、故障や断線により表示が確認できなくても、遊技者に大きな不利益は生じない(遊技の結果に影響は及ぼさない)が、押し順の報知(指示番号の表示)は、故障や断線により一部でも表示が確認できなければ、遊技者に大きな不利益が生じる(遊技の結果に影響を及ぼす)可能性が高い。
例えば、押し順の報知(指示番号の表示)として、8セグメント表示器に「6」を表示しなければならないとき(例えば、RT2において、当選番号6が決定されたとき)に、セグメントeが故障するか、又はセグメントドライバの出力端子D4からの配線が断線していると、8セグメント表示器の表示は「5」になってしまう。遊技者が、この表示を信じて右→左→中の押し順で停止操作すると、再遊技04の図柄組合せが揃ってしまい、非RT(RT0)に転落してしまうことになる。
すなわち、遊技の結果に影響を及ぼすことになる。ゆえに、少なくとも押し順の報知(指示番号の表示)を行う8セグメント表示器は、故障等を起こしているか否かを確認できることが好ましい。このため、本実施形態では、押し順の報知を専用の表示器ではなく、獲得枚数表示器28で行うようにしている。さらに、セグメントドライバSDを、設定値表示器87、役比モニタ103、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28で共通して使用している。
本実施形態では、獲得枚数表示器28でエラーコードの表示も行っており、例えば、電断復帰エラー時は、獲得枚数表示器28に「E1」が表示されるようになっている。そして、電断復帰エラーは、運搬後、初めて電源をON(投入)したときにも検出されるエラーであるため、この時点で、断線していないか(例えば、主制御基板101上の配線が断線したり、ワイヤーハーネス内で断線していないか)確認することができる。
具体的には、獲得枚数表示器28の上位桁に「E」が表示されれば、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0およびD3〜D7からの配線が断線していないことを確認できる。また、下位桁に「1」が表示されれば、セグメントドライバSDのデータ出力端子D1およびD2からの配線が断線していないことを確認できる。これと同様に、ドア開放エラー時は、獲得枚数表示器28に「Cd」が表示され、エンプティエラー時は、獲得枚数表示器28に「CA」が表示されるようになっている。このため、ドア開放時や、エンプティエラー時に、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していないか(例えば、主制御基板101上の配線が断線していないか、ワイヤーハーネス内で断線していないか)を確認することができる。
本実施形態では、クレジット数表示器27も、同じセグメントドライバSDから出力されるLEDセグメント信号により点灯制御(表示制御)しているため、クレジット数が1枚の時点と6枚の時点で、クレジット数表示器27の下位桁に「1」と「6」が表示されれば、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していない(例えば、主制御基板上の配線が断線していない、ワイヤーハーネス内で断線していない)ことを確認できる。
本実施形態では、設定値表示器87も、同じセグメントドライバSDから出力されるLEDセグメント信号により点灯制御(表示制御)しているため、設定値の変更作業中に、設定値を1にした時点と、6にした時点とで、設定値表示器87に「1」と「6」が表示されれば、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していない(例えば、主制御基板上の配線が断線していない)ことを確認できる。
役比モニタ103も、8セグメント表示器に「7y」を表示しなければならないときに、セグメントgが故障するか、又はセグメントドライバの出力端子D6からの配線が断線していると、役比モニタ103の識別子表示部IDの表示は、図8(e)に示すように、下位桁において「y」の表示態様のうちセグメントgが消灯した状態になってしまう。これでは、「7y」を表示したかったのか、「7U」を表示したかったのか(すなわち、セグメントgを点灯させたかったのか、セグメントeを点灯させたかったのか)分からないため、問題がある。
本実施形態では、獲得枚数表示器28も、クレジット数表示器27も、設定値表示器87も、同じセグメントドライバSDから出力されるLEDセグメント信号により点灯制御(表示制御)しているため、電断復帰エラー時、ドア開放時、エンプティエラー時、クレジット数が1枚の時点と6枚の時点や、設定値が1の時点と6の時点で、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していない(例えば、主制御基板101上の配線が断線していない)ことを確認できる。
さらに、本実施形態では、投入可能表示LED24と、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP(有利区間LED)とが、同じセグメントドライバSDから出力されるLEDセグメント信号により点灯制御(表示制御)しているため、メダル投入可能な状態であるのに、投入可能表示LED24が点灯していなかった場合は、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP(有利区間LED)も点灯しない可能性があることを確認できる。具体的に言うと、セグメントドライバSDのデータ出力端子D7からの配線が断線している(例えば、主制御基板101上の配線が断線している、ワイヤーハーネス内で断線している)可能性があることを確認できる。
本実施形態では、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDPを有利区間LEDとして使用している。もちろん、1枚投入表示LED26aを有利区間LEDとして使用してもよい。ただし、1枚投入表示LED26aを有利区間LEDとして使用した場合は、以下のような不都合が生じる可能性がある。上述したように、中央表示基板の入力コネクタCNの1番および2番ピンには+5V(ボルト)が供給され、1枚投入表示LED26a(有利区間LED)のアノードに接続されている。さらに、入力コネクタCNの16番ピン(入力信号IN1)は、1枚投入表示LED26a(有利区間LED)のカソードに接続されている。
すなわち、マイコンチップZ1の出力ポート2から出力される1枚投入表示信号(有利区間信号)がハイレベルであれば、1枚投入表示LED26a(有利区間LED)を点灯させることができる。逆に、1枚投入表示信号(有利区間信号)がローレベルである必要があるのにもかかわらず(例えば通常区間中であるにもかかわらず)、ノイズ等の影響により、ハイレベルとなってしまうと、1枚投入表示LED26a(有利区間LED)が点灯してしまうことになる。
これに対し、クレジット数表示器27のセグメントDPを有利区間LEDとして使用した場合は、以上のような不都合が生じる可能性は低くなる。前述したように、中央表示基板の入力コネクタCNの4番ピン(入力信号DG2)は、クレジット数表示器27(下位桁)におけるセグメントDP(有利区間LED)のカソードに接続されている。さらに、入力コネクタCNの15番ピン(入力信号SGp)は、クレジット数表示器27(下位桁)におけるセグメントDP(有利区間LED)のアノードに接続されている。
すなわち、マイコンチップZ1の出力ポート2から出力されるLEDデジット信号2(有利区間信号)がハイレベルであり、かつマイコンチップZ1の出力ポート2から出力されるLEDセグメント信号p(有利区間信号)がハイレベルであれば、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP(有利区間LED)を点灯させることができる。よって、例えば通常区間中であるにもかかわらず、ノイズ等の影響により、LEDセグメント信号p(有利区間信号)がハイレベルとなってしまっても、そのとき、LEDデジット信号2(有利区間信号)がハイレベルでなければ、クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP(有利区間LED)が点灯することはない。このように、1枚投入表示LED26aを有利区間LEDとして使用するよりも、クレジット数表示器27のDPセグメントを有利区間LEDとして使用した方が、ノイズ等に強いといえる。
ARTランプARTLPも、有利区間ランプと同様に、ノイズ等に強い方がこのましい。ART中でないのにもかかわらず、ARTランプARTLPが点灯すると、遊技者が混乱してしまうためである。特に、有利区間ランプが点灯していない場合に、ARTランプARTLPが点灯してしまったとすると、遊技者が混乱する虞がある。そのため、所定のプリント基板に実装されているARTランプARTLPの発光源になっているLED29a,LED29bと、副制御基板202または画像制御基板204に実装されているマイコンチップとの間の配線は、中央表示基板に実装されている1枚投入表示LED26aと、主制御基板101に実装されているマイコンチップZ1との間の配線と同様の配線ではなく、中央表示基板に実装されているクレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDPと、主制御基板101に実装されているマイコンチップZ1との間の配線と同様な配線であることが好ましい。
具体的には、LED29a,LED29bのカソードにデジット信号(点灯させる表示器を指定する信号)が入力され、LED29a,LED29bのアノードにセグメント信号(点灯させる表示態様を示す信号)が入力されるような配線とする。これにより、ARTランプARTLPに対して出力する点灯/消灯を制御するための信号を、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段(情報送信手段)160は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。
制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信してもよい。制御コマンドを副制御手段200へ送信する処理(制御コマンド送信処理)は、図48に示すタイマ割込処理のステップS522で実行される。
主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドによって送信される情報のうち、主要なものとしては、設定値に関するもの、遊技状態に関するもの、投入されたメダルの枚数に関するもの、役抽選の結果に関するもの、遊技区間や有利区間に関するもの、各種スイッチ操作に関するもの、リールの停止制御に関するもの、遊技の結果に関するもの、発生したエラーに関するもの等がある。
遊技状態に関する情報としては、図27に示した各抽選状態を示す情報(RT状態番号、作動状態フラグ、作動種別など)および図28に示した各遊技状態番号などがある。また、役抽選の結果に関するものとしては、役物当選番号Yおよび演出グループ番号Bなどがある。また、各種スイッチ操作に関するものとしては、清算スイッチ33、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたことを示す情報などがある。リールの停止制御に関するものとしては、停止表示させる図柄およびいわゆる滑りコマ数を示す情報などがある。遊技の結果に関するものとしては、停止表示させた図柄や払い出すメダル枚数を示す情報などがある。
遊技区間や有利区間に関する情報としては、後述する図37に記載したRWMアドレスのF020〜F028に記憶された各種情報を送信する。もちろん、アドレスF022に記憶された指示済みフラグやアドレスF023に記憶された指示状態フラグ等、副制御手段200が演出を実行するうえで不要な情報は送信しなくてもよい。
(外部信号送信手段の説明)
図16に戻り、外部信号送信手段170は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、有利区間信号等を外部へ出力する。本実施形態では、BB役が入賞するとBB信号がオンになり、BB遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、有利区間が開始されると、有利区間信号がオンになり、有利区間が終了するとオフ状態となる(レベル出力)。なお、有利区間のうち予め定められた性能(例えば、ART中(遊技状態番号5))に移行したときに、有利区間信号がオンになり、通常区間に移行したときに有利区間信号をオフにしてもよい。また、上述した各種信号の出力処理(外部信号出力処理)は、図48に示すタイマ割込処理のステップS524で実行される。
<主制御手段100のRWMに記憶される情報の説明>
次に、主制御手段100のRWMに記憶される各種データの内容の一部について、図35〜図38を参照して説明する。本実施形態に用いられているRWMは、各アドレスに1バイトのデータを格納することができ、図35〜図38に示すアドレスの値は全て16進法の数で表記している。なお、図35〜図38を参照する説明において、4桁の16進法の数値を用いてアドレスを表す場合は、末尾に付与する「H」の文字を省略する。また、図35〜図38に示したデータの種類は、RWMに記憶されるデータの一部に過ぎず、これらデータの他にも遊技を制御する上で必要となるデータがRWMに記憶されることはいうまでもない。
図35において、RWMのアドレスF000には、設定値表示器87に表示される設定値に対応する値(設定値データ)が記憶されている。すなわち、設定値表示器87に表示される設定値が「1」のときは0、設定値表示器87に表示される設定値が「2」のときは1、設定値表示器87に表示される設定値が「3」のときは2、設定値表示器87に表示される設定値が「4」のときは3、設定値表示器87に表示される設定値が「5」のときは4、設定値表示器87に表示される設定値が「6」のときは5が記憶される。
そして、タイマ割込処理におけるLED表示処理(図48のステップS510参照)において、設定値表示器87に設定値を表示する条件を満たしたとき(例えば、設定変更中、設定確認中)には、アドレスF000に記憶されたデータ(設定値データ)に「1」を加算したデータをオフセット値とし、LEDセグメントテーブルAから対応するセグメントデータを取得し、「1」〜「6」の情報を表示可能に制御する。なお、設定確認中とは、設定値データは変更できないが、設定値表示器87に設定値が表示される状態である。ちなみに、遊技が実行されておらず、且つ、メダルがベットされていない状況下において、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させる(オンにする)ことで、設定確認中(設定確認モードともいう。)に制御される。
従来のスロットマシンでは、設定値が「1」〜「6」の範囲を取り得る場合、その設定値データも設定値に対応して「1」〜「6」で管理するものがあった。しかしながら、設定値データの最小値を「1」とした場合、効率の良い制御処理が実行しにくくなってしまう場合がある。そこで、設定値が「1」〜「6」の範囲を取り得る場合、設定値データの最小値を「0」とし、その数値範囲を「0」〜「5」に設定すると、少なくとも以下のような効果を奏する。
第1に、設定値のエラーチェックが容易となり、少ないプログラム容量でエラーチェックを実施することができる。例えば、設定値エラーチェックの演算処理として、設定値データから6(設定値データの最大値+1)を減算し、その演算結果に桁下がりがなかった(キャリーフラグがオフ)と判断した場合に、エラー(設定値の範囲外)と判断することができる。すなわち、設定値データが0〜5のときは桁下がりが発生するためエラーと判断しないが、それ以外の値(例えば6や100)が記憶されていたときには、桁下がりが発生しないためエラーと判断することができる。このように、キャリーフラグの値をチェックすることで、RWMに記憶されている設定値データが正常な数値範囲内にあるか否かを判断できる。
これに対して、設定値データを「1」〜「6」で記憶していた場合は、上述した減算と同様の処理ではエラーと判断することができない。すなわち、設定値データから7(設定値データの最大値+1)を減算した場合、例えば設定値データが「0」であっても桁下がりが生じるため、正常と判断されてしまう。このため、設定値データに「0」が記憶されてしまった場合にエラーとして判断するための別の処理が必要となり、プログラム容量を圧迫することとなる。なお、設定値のエラーチェックを行うタイミングとしては、スタートスイッチ36が操作された後であって役抽選を行う前や、タイマ割込処理の実行中などが挙げられる。ただし、例示したタイミングに限られない。
第2に、設定値データを「0」〜「5」で記憶することの効果として、設定値に応じて役抽選における当選確率が異なる当選役(以下、「設定差のある当選役」ともいう。)に関する抽選処理を容易にすることができる。例えば、設定差のある当選役には、RT1で使用される役抽選テーブル(図20参照)における再遊技−Gがある。このとき、再遊技−Gに当選したか否かを判断する際に参照される置数データは、以下のようにROMのアドレスXXX0〜アドレスXXXAに記憶させるとよい。
アドレスXXX0 DEFW 3625 ;(設定値データ0)
アドレスXXX2 DEFW 3547 ;(設定値データ1)
アドレスXXX4 DEFW 3329 ;(設定値データ2)
アドレスXXX6 DEFW 3172 ;(設定値データ3)
アドレスXXX8 DEFW 2970 ;(設定値データ4)
アドレスXXXA DEFW 2795 ;(設定値データ5)
ここで、上述した「アドレスXXX0」等は、説明を簡易化するためのものであり実際のアドレスとは異なる。また、DEFWは2バイトデータであることを意味し、続く値が置数データを意味する。上記の置数データは十進法の値で示しているいるが、ROMには十六進法の値で記憶されるものとする。さらにまた「;(設定値データ0)」等の表記は、どの設定値データに対応する置数データであるかの説明を記載したものであって、実際にROMに記憶されるデータではない。
また、ROMの1つのアドレスに記憶することができるデータが1バイトだった場合、置数データの上位バイトと下位バイトとに分けて2つのROMアドレスに記憶される。例えば、設定値データが「0」のときの置数データ「3625」(=0E29H)をROMに記憶する場合、アドレスXXX0に下位バイトの値29Hを記憶し、アドレスXXX1に上位バイトの値0EHを記憶させる。また、設定値データが「5」のときの置数データ「2795」(=0AEBH)をROMに記憶する場合、アドレスXXXAに下位バイトの値EBHを記憶し、アドレスXXXBに上位バイトの値0AHを記憶させる。
上述したように、各置数は設定値が昇順となるように各アドレスに記憶される。例えば、設定値データ「0」のときに、アドレスXXX0およびアドレスXXX1に記憶された2バイトデータ(0E29H)をレジスタ(例えばDEレジスタのペアレジスタ等)に取得し、乱数値と比較演算することにより再遊技−Gに当選したか否かを判定する。一方、設定値データ「5」のときには、アドレスXXXAおよびアドレスXXXBに記憶された2バイトデータ(0AEBH)をレジスタに取得し、乱数値と比較演算することにより再遊技−Gに当選したか否かを判定する。つまり、設定値データに応じて異なるアドレスから置数データを取得することとなる。
このとき、置数データとして2バイトデータが記憶されているときには、基準となるアドレス値をXXX0として、設定値データを2倍したデータをオフセット値としてアドレスを指定することにより、設定値データに対応した置数を取得することができる。例えば、設定値データが「3」だった場合は、アドレスXXX0に対して6を加算してアドレスXXX6およびアドレスXXX7から置数データ0C64H(「3172」)を取得する。なお、置数データが1バイトデータで表されるときには、設定値データを2倍することなく、設定値データそのものをオフセット値としてアドレスを指定し、対応した置数(例えばAレジスタ)を取得することができる。
これに対して、設定値データが「1」から「6」で記憶されていた場合は、上記のような置数が記憶されていたとすると、設定値データを直接オフセット値として採用することができない。この場合、オフセット値は(設定値データ−1)×2という演算を行わなければならない。このため、設定値データを「0」から「5」にした場合に比べて抽選処理が複雑になる。
また、設定値表示器87においては従来の表示方法による設定値の表示が可能である。従来、設定値として「1」〜「6」の値が設定値の表示器に表示されることが慣れ親しまれており、この値の範囲を変える(例えば「0」〜「5」にする)ことには抵抗があったが、上述した効果を発揮しつつ、これまで慣れ親しまれた値を表示することが可能となるため、例えば遊技場のスタッフが困惑することがなくなる。
このように、設定値表示器87に表示される設定値と、RWMのアドレスF000に記憶されている設定値データとは1ずつ相違していることによって有利な効果が得られるが、これに限定されることなく、設定値表示器87に表示される設定値とアドレスF000に記憶されている設定値データとが、同じ値となるようにしてもよい。例えば、設定値表示器87に表示される設定値が「3」のときは、RWMのアドレスF000に記憶されている設定値データも3としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、設定値の範囲が「1」〜「6」まで存在しているため、設定値データとして「0」から「5」までの6種類のデータをRWMに保存可能とし、設定値表示器87に「1」から「6」の6種類の表示を可能としているが、例えば、設定値の範囲を「1」〜「4」にして、設定値データとして「0」から「3」までの4種類のデータを保存可能とし、設定値表示器87に「1」から「4」の4種類の表示を可能としてもよい。
アドレスF005には、図27に示した抽選状態のうち、通常遊技中の抽選状態を管理するためのデータが記憶される。ここで、現在の抽選状態が非RT(RT0)のときは「0」、RT1のときは「1」、RT2のときは「2」、RT3のときは「3」が記憶される。
アドレスF010には、クレジット数表示器27にスロットマシン10にクレジットされているメダルの枚数を表示するための1バイトのデータが記憶される。具体的には、クレジット数表示器27の上位桁と下位桁とに、クレジットされているメダル枚数の値に対応するセグメントデータを指定するためのオフセット値(図31(a)参照)が記憶される。ここで、記憶された1バイトのデータのうち、上位4ビットがクレジット数表示器27の上位桁の表示を行うためのオフセット値に対応し、下位4ビットがクレジット数表示器27の下位桁の表示を行うためのオフセット値に対応する。
具体的には、貯留枚数が0〜9枚のときは貯留枚数表示データが00H〜09H(上位桁を消灯させる場合はF0H〜F9H)となる。貯留枚数が10〜19枚のときは貯留枚数表示データが10H〜19Hとなる。貯留枚数が20〜29枚のときは貯留枚数表示データが20H〜29Hとなる。貯留枚数が30〜39枚のときは、貯留枚数表示データが30H〜39Hとなる。貯留枚数が40〜49枚のときは貯留枚数表示データが40H〜49Hとなる。
そして、貯留枚数が50枚のときは貯留枚数表示データが50Hとなる。なお、「00H」が記憶されている場合とは、「0」(貯留枚数が0枚)が記憶されていると場合と同義の意味で使用している。換言すると、「0」が記憶されているとは、「00H」が記憶されていることと同義である。同様に「05H」が記憶されている場合とは、「5」(貯留枚数が5枚)が記憶されていると場合と同義の意味で使用している。換言すると、「5」が記憶されているとは、「05H」が記憶されていることと同義である。他も同じ意味合いで表現する場合がある。
例えば、クレジット数表示器27に「28」という値を表示する場合の貯留枚数表示データは28Hとなる。ここで、貯留枚数表示データ28Hの上位桁(2H)は、クレジット数表示器27の上位桁に「2」という表示態様を表示するためのオフセット値を示す。また、貯留枚数表示データ28Hの下位桁(8H)はクレジット数表示器27の下位桁に「8」という表示態様を表示するためのオフセット値を示す。
なお、上述した例では、貯留枚数が0枚だった場合はクレジット数表示器27の下位桁に「0」を表示するようにしていたが、上位桁および下位桁を消灯させてもよい。この場合、貯留枚数表示データはFFHとなる。
アドレスF011には、獲得枚数表示器28に、小役入賞時に払い出すメダルの枚数(以下、「払出枚数」または「獲得枚数」ともいう。)、指示番号またはエラーコードを表示するための1バイトのデータが記憶される。具体的には、獲得枚数表示器28の上位桁と下位桁とに、表示する英数字または記号に対応するセグメントデータを指定するためのオフセット値(図31(a)参照)が記憶される。ここで、記憶された1バイトのデータのうち、上位4ビットが獲得枚数表示器28の上位桁の表示を行うためのオフセット値に対応し、下位4ビットが獲得枚数表示器28の下位桁の表示を行うためのオフセット値に対応する。
獲得枚数表示器28に払出枚数を表示するときは、払い出すメダル枚数に応じて00H〜09(上位桁を消灯させる場合はF0H〜F9H)、10、11、12Hのいずれかが記憶される。また、何も表示しないとき(全セグメント消灯)はFFHの値が記憶される。また、指示番号を表示する場合は、表示する指示番号に応じてB0H〜B6Hのいずれかの値が記憶される。
また、指示番号を表示するためのデータとしては、上述したものの他に、所定の定数(例えば10H)で除算して求まった商の値を、上位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値とし、その余りの値を、下位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値としてもよい。例えば、指示番号として「=6」を表示する場合、獲得枚数表示データB6Hを記憶する。これにより、B6Hを10Hで除算すると商の値がBHとなるため、獲得枚数表示器28の上位桁には「=」が表示される。また、このときの余りの値は6Hとなるため、獲得枚数表示器28の下位桁には「6」が表示される。なお、「所定の定数」は10Hに限らず、他の値を採用してもよい。
また、前述した異常検出手段155によって異常が検出された場合は、検出された異常に対応するエラーコードを表示するためのオフセット値が記憶される。すなわち、電断復帰エラーが検出された場合はE1H、エンプティエラーが検出された場合はCAH、ドア開放エラーが検出された場合はCDHというデータが記憶される。
以上のことから、例えば、獲得枚数表示器28に払出枚数として「7」(上位桁は消灯)という値を表示する場合の獲得枚数表示データはF7Hとなる。ここで、獲得枚数表示データF7Hの上位桁(FH)は、獲得枚数表示器28の上位桁を消灯させるためのオフセット値を示す。また、獲得枚数表示データF7Hの下位桁(7H)は獲得枚数表示器28の下位桁に「7」という表示態様を表示するためのオフセット値を示す。同様に、獲得枚数表示器28に指示番号として「=2」という値を表示する場合の獲得枚数表示データはB2Hとなり、エラーコード「CA」を表示するときの獲得枚数表示データはCAHとなる。また、獲得枚数表示器28を消灯させるときの獲得枚数表示データはFFHとなる。
なお、スロットマシン10に復帰不可能エラーが生じた場合のエラーコード(番号)を表示するときには、LED表示要求フラグやLED表示要求カウンタ(後述する)を参照することはない。これに対し、復帰可能エラー(電源を一旦オフにすることなく、リセット/設定スイッチ82cの操作により復帰可能なエラー)が生じた場合は、LED表示要求フラグの値と、LED表示要求カウンタの値とをAND演算した結果、「1」であるデジットが点灯対象(点灯可能な状態)となる。
また、指示番号を獲得枚数表示器28に表示している遊技中(いずれかのリールが回転中)に復帰可能エラーが検出されたときは、指示番号の表示を維持して、全てのリールが停止してから(すなわち、全てのリールが停止するまでは、遊技不可能状態にしない。)、検出された復帰可能エラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するようにしてもよい。さらに、遊技中において、獲得枚数表示器28に指示番号を表示していないときに復帰可能エラーが発生したときは、全リールが停止する前に検出された復帰可能エラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するようにしてもよい。
アドレスF012には、LED表示カウンタの値(以下、「LED表示カウンタ値」ともいう。)が記憶される。LED表示カウンタ値は、8ビットからなる1バイトデータであり、その値は図34に示した出力ポート2のD3〜D7および出力ポート4のD0〜D3から出力されるLEDデジット信号を生成する際に参照される。LED表示カウンタ値は、タイマ割込処理が行われる毎に01H(00000001B)→02H(00000010B)→04H(00000100B)→08H(00001000B)→10H(00010000B)→20H(00100000B)→40H(01000000B)→80H(10000000B)→00H(00000000B)→01H(00000001B)→……と、循環的に変化する。
そして、LED表示カウンタ値が01Hときは、出力ポート4のD0のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D7および出力ポート4のD1〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。LED表示カウンタ値が02Hときは、出力ポート4のD1のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D7および出力ポート4のD0、D2、D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。LED表示カウンタ値が04Hときは、出力ポート4のD2のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D7および出力ポート4のD0、D1、D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。
また、LED表示カウンタ値が08Hときは、出力ポート2のD3のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD4〜D7および出力ポート4のD0〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。LED表示カウンタ値が10Hときは、出力ポート2のD4のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3、D5〜D7および出力ポート4のD0〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。LED表示カウンタ値が20Hときは、出力ポート2のD5のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3、D4、D6、D7および出力ポート4のD0〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。
LED表示カウンタ値が40Hときは、出力ポート2のD6のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D5、D7および出力ポート4のD0〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。LED表示カウンタ値が80Hときは、出力ポート2のD7のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D6および出力ポート4のD0〜D3をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。そして、LED表示カウンタ値が00Hときは、出力ポート4のD3のみをハイレベルに(ハイレベルの信号を出力)して、出力ポート2のD3〜D7および出力ポート4のD0〜D2をローレベルに(ローレベルの信号を出力)する。
これにより、LED表示カウンタ値が01Hのときは役比モニタ103の識別子表示部IDの上位桁(デジット6)の表示が行われ、LED表示カウンタ値が02Hのときは役比モニタ103の識別子表示部IDの下位桁およびセグメントDP(デジット7)の表示・点灯が行われ、LED表示カウンタ値が04Hのときは役比モニタ103の比率表示部RAの上位桁(デジット8)の表示が行われる。
また、LED表示カウンタ値が08Hのときはクレジット数表示器27の上位桁および遊技開始表示LED25(デジット1)の表示(点灯)が行われ、LED表示カウンタ値が10Hのときはクレジット数表示器27の下位桁および有利区間LED(デジット2)の表示(点灯)が行われる。さらに、LED表示カウンタ値が20Hのときは獲得枚数表示器28の上位桁および投入可能表示LED24(デジット3)の表示(点灯)が行われ、LED表示カウンタ値が40Hのときは獲得枚数表示器28の下位桁および再遊技表示LED23(デジット4)の表示(点灯)が行われる。
そして、LED表示カウンタ値が80Hのときは設定値表示器87および清算表示LED22(デジット5)の表示(点灯)が行われ、LED表示カウンタ値が00Hのときは役比モニタ103の比率表示部RAの下位桁(デジット9)の表示(点灯)が行われる。
なお、設定変更中は、獲得枚数表示器28に「88」が表示されるようにしてもよい。具体的には、設定変更中はアドレスF011(獲得枚数表示データ)に、設定変更中の表示データとして88Hが記憶されるようにしておく。このようにすることで、設定変更中に、獲得枚数表示器28が故障していないか(セグメントa〜gが故障していないか)、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していないか(例えば、主制御基板101上や中央表示基板上の配線が断線していないか、ワイヤーハーネス内で断線していないか)を確認することができる。
なお、設定値表示器87を設けない場合は、例えば、設定値の変更中(設定変更中)に獲得枚数表示器28の下位桁に設定値データに対応する設定値(1〜6)が表示されるようにしてもよい。その場合、アドレスF011に、設定値の表示データとして01H〜06H、又はF1H〜F5Hが記憶されるようにしておく。例えば、アドレスF000Hに記憶されたデータ(設定値データ)に「+1」した値を設定変更中は記憶するように制御することで実現することができる。
このようにすることで、設定変更中に、設定値を「1」(設定値データを0)にした時点と「6」(設定値データを5)にした時点とで、獲得枚数表示器28の下位桁に「1」および「6」が表示されれば、下位桁におけるすべてのセグメントが点灯したことになるため、獲得枚数表示器28が故障していないか(セグメントa〜gが故障していないか)、セグメントドライバSDのデータ出力端子D0〜D6からの配線が断線していないか(例えば、主制御基板101上や中央表示基板上の配線が断線していないか、ワイヤーハーネス内で断線していないか)、などを確認することができる。なお、獲得枚数表示器28の下位桁だけに限られるものでなく、獲得枚数表示器28の上位桁、クレジット数表示器27の下位桁、クレジット数表示器27の上位桁のうち少なくとも1つの表示器を用いて設定値を表示するようにしてもよい。
アドレスF014には、指示番号の値が2進数の値で記憶される。したがって、このアドレスに記憶されるデータの数値範囲は、00H〜06Hとなる。獲得枚数表示器28に指示番号を表示する場合、前述したアドレスF011に記憶される獲得枚数表示データは、このアドレスに記憶された指示番号に基づいて生成される。具体的には、アドレスF014に記憶されている値にB0Hを加算することで、指示番号を表示するための獲得枚数表示データが生成される。
アドレスF015には、遊技メダル管理フラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。遊技メダル管理フラグのビットD0〜D7の各ビットは、図2に示した各種表示LEDの点灯/消灯状態やスロットマシン10の状態を示す。ただし、ビットD5は未使用である。まず、ビットD0には、スタートスイッチ36の操作が許可されているか禁止されているかが記憶される。ここで、「0」であれば禁止(遊技開始表示LED25が消灯)、「1」であれば許可(遊技開始表示LED25が点灯)を示している。
ビットD1には、現在、有利区間(次の遊技から有利区間が開始される場合も含む)であるか否かが記憶され、「0」であれば通常区間または待機区間(有利区間LEDが消灯)、「1」であれば有利区間(有利区間LEDが点灯)を示している。なお、有利区間LEDは、クレジット数表示器27の下位桁(デジット2)におけるセグメントDPである。ビットD2には、メダルセレクタのブロッカのオン/オフ状態が記憶され、「0」であればメダル投入不可(投入可能表示LED24が消灯)、「1」であればメダル投入可能(投入可能表示LED24が点灯)を示している。
また、ビットD3には再遊技表示LED23の点灯/消灯状態が記憶され、「0」であれば再遊技表示LED23が消灯、「1」であれば点灯を示している。ビットD4には、清算表示LED22の点灯/消灯状態が記憶され、「0」であれば清算表示LED22が消灯、「1」であれば点灯を示している。ビットD6には、設定値を変更することができる状態か否かを示す値が記憶され、「0」であれば変更可能、「1」であれば変更ができない状態であることを示している。ビットD7には、遊技を行うために投入されたメダル枚数が前述した規定数(例えば3枚)に達した(限界に達した)か否かを示す値が記憶され、「0」であれば限界に達していないことを、「1」であれば限界に達したことを示している。
なお、出力ポート3のD7のLEDセグメント信号p(SGp)は、当該アドレスに記憶されているデータのビットD0〜D4の値に基づいて生成される。
上述したように、LED表示制御手段160は、RWMに記憶された各種データに基づいてデジット1〜9の各8セグメント表示器および表示LEDの表示制御を行っている。
次に、図37において、アドレスF016には、作動状態フラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。作動状態フラグは、役物が作動しているか否かを示すフラグであり、本実施形態では、作動状態フラグのビットD2で1BB−A〜F遊技の何れかが実行中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中)であるか否かを示し、ビットD3でRB−A遊技またはRB−B遊技の何れかが実行中(第一種特別役物が作動中)であるか否かを示している。
また、ビットD5は、SB遊技が実行中(普通役物の作動中)であるか否かを示している。具体的には、1BB−A〜F遊技の何れかが実行中のときはビットD2の値は「1」となり、実行中でなければ「0」となる。また、RB−A遊技またはRB−B遊技の何れかが実行中のときはビットD3の値が「1」となり、実行中でなければ「0」となる。さらに、SB遊技が実行中のときはビットD5の値が「1」となり、実行中でなければ「0」となる。なお、ビットD0,D1,D4,D6,D7は未使用である。
アドレスF017には、ボーナス遊技の作動種別が1バイトのデータとして記憶される。ビットD0が1BB−A遊技、ビットD1が1BB−B遊技、ビットD2が1BB−C遊技、ビットD3が1BB−D遊技、ビットD4が1BB−E遊技、ビットD5が1BB−F遊技、ビットD6がSB遊技に対応している。具体的には、ボーナス遊技を実行しているとき、実行しているボーナス遊技に対応するビットが「1」となり、実行していないボーナス遊技に対応するビットは「0」となる。以上のことから、非ボーナス遊技中(通常遊技中)は、当該アドレスには「0」が記憶されている。これにより、どのボーナス遊技が作動しているかを識別することが可能となり、ボーナス遊技中に使用する役抽選テーブル等を決定することが可能となる。
アドレスF020には、遊技区間フラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。遊技区間フラグは現在の遊技区間の種類を示すものであり、ビットD0の値が1のときは有利区間であることを示し、0であるときは有利区間以外の区間であることを示している。また、ビットD1の値が1のときは待機区間であることを示し、0であるときは待機区間以外の区間であることを示している。なお、ビットD0およびD1の値が共に0であるときは、通常区間であることを示す。また、ビットD2〜D7は未使用である。
アドレスF021には、遊技状態番号が1バイトのデータとして記憶される。遊技状態番号は、図28に示した遊技状態番号と同様に、遊技区間が通常区間のときは遊技状態番号が00Hになる。また、遊技区間が有利区間の「ガセ高確」であるときは遊技状態番号が01Hとなり、「高確」であるときは遊技状態番号が02Hとなる。遊技区間が有利区間の「ガセ高確中ボーナス」であるときは遊技状態番号が03Hとなり、「高確中ボーナス」であるときは遊技状態番号が04Hとなる。遊技区間が有利区間の「ART中」であるときは遊技状態番号が05Hとなり、「上乗せ特化ゾーン中」であるときは遊技状態番号が06Hとなる。
遊技区間が有利区間の「ART中ボーナス」であるときは遊技状態番号が07Hとなり、「ART復帰準備」であるときは遊技状態番号が08Hとなる。そして、遊技区間が有利区間の「チャンスゾーン中」であるときは遊技状態番号が09Hとなり、「エンディング状態」であるときは遊技状態番号が0AHとなる。
アドレスF022には、指示済みフラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。指示済みフラグは、有利区間中に当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)のいずかれが決定されたときに有利な押し順を報知(指示番号を表示)したか否かを示すフラグである。ここで、有利区間へ移行してから押し順が報知されていない状態では、指示済みフラグの値が0(指示済みフラグがオフ)になっており、入賞01または入賞02に対応する図柄組合せが揃う押し順が報知されると、指示済みフラグの値がFFH(指示済みフラグがオン)となる。そして、指示済みフラグの値が一旦FFHになると、通常区間へ移行するまでその値が維持される。
なお、指示済みフラグは、入賞01または入賞02に対応する図柄組合せが揃う押し順が報知されるとオンになるのであって、そのときに、入賞01または入賞02の図柄組合せが揃ったか否かについては問わない。
なお、有利区間中に当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)のいずかれが決定されたときに押し順を報知(指示番号を表示)しなくても、1BB−A〜1BB−Fのいずれかのボーナス役が当選し、ボーナス遊技が実行されたことに基づいて指示済みフラグの値をFFHにしてもよい。換言すると、有利区間中にボーナス役が当選した場合には、一度も押し順を報知しなくても通常区間に移行可能とすることができる。例えば、ガセ高確(遊技状態番号1)に移行した後、当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)のいずかれが決定される前に1BB−A〜1BB−Fのいずれかのボーナス役に当選し、その後、当選したボーナス役に対応したボーナス遊技が終了した後のガセ高確において当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)が当選した場合であっても、押し順を報知することなく通常区間に移行可能とすることができる。
なお、ガセ高確の場合を例に挙げて説明をしたが、高確(遊技状態番号2)、ART中(遊技状態5)等においても同様であり、当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)が当選したときに正解の押し順(有利な押し順)を一度も報知しなくても、又は当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)が一度も当選しなくても通常区間に移行可能とすることができる。
アドレスF023には、指示状態フラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。指示状態フラグは、有利区間中に当選番号24〜29(押し順ベル1〜6)のいずかれが決定されたときに、どのような報知態様で報知を行うかを示すフラグである。ここで、指示状態フラグの値が00Hのときは、当選番号24〜29のいずかれが決定されても押し順の報知は行われない。また、当選番号24〜29のいずかれが決定されたときに、指示状態フラグの値が01Hのときは半ナビを行い、指示状態フラグの値が02Hのときは全ナビを行う。
アドレスF024およびF025には、有利区間中に実行されたゲーム数を示す有利区間カウンタの値が2バイトのデータとして記憶される。ここで、アドレスF024には、有利区間カウンタの値の下位1バイトのデータが記憶され、アドレスF025には、有利区間カウンタの値の上位1バイトのデータが記憶される。この有利区間カウンタの値は、図28に示したエンディング状態(遊技状態番号10)への移行条件が成立したか否かを判断する際に参照される。
また、この有利区間カウンタは有利区間での遊技回数が上限(本実施形態では1500ゲーム)に達したか否かを判断する際にも参照される。具体的には、仮に、後述するART遊技回数カウンタが「0」以外の値であったときは、エンディング状態に移行させないようにしている場合において、有利区間カウンタの値に基づいて、有利区間の遊技回数が1500ゲームとなったと判断した場合には、後述するART遊技回数カウンタが「0」以外の値であったとしても(残りARTゲーム数があったとしても)有利区間を終了するように制御する。
ここで、有利区間カウンタの値に関する減算処理は、所定のレジスタ(F(フラグ)レジスタ)を用いて行われる。すなわち、1回の遊技が行われる毎に、アドレスF024及びF025に記憶されている有利カウンタを「1」減算する。その結果、キャリーフラグおよびゼロフラグが共に「0」の場合は、有利区間カウンタの値が「0」になっていないと判断する。つまり、現在の有利が有利区間中であり、且つ、有利区間での遊技回数が上限に達していないと判断することができる。
また、有利区間カウンタの値から「1」減算し、ゼロフラグが「1」の場合は、有利区間カウンタの値が「1」から「0」になったと判断する。つまり、有利区間での遊技回数が上限に達したと判断することができる。一方、有利区間カウンタを「1」減算した結果、キャリーフラグが「1」の場合は、「1」減算する前の有利区間カウンタが「0」であったと判断する。つまり、有利区間での遊技回数が元々セットされていなかった(換言すると、現在の遊技が「通常区間」)と判断することができる。
なお、有利区間カウンタの値が「0」の場合、「1」が減算されたときはキャリーフラグが「1」となり、その場合には有利区間カウンタに「0」が記憶されるように制御している。なお、このように構成した場合は、有利区間中にのみ有利区間カウンタを「1」減算する処理を実行するようにしなくてもよく、通常区間、待機区間を含む全遊技区間において、1回の遊技が行われるごとに有利区間カウンタから「1」減算処理が行われたとしても、有利区間カウンタは正常の値を記憶することが可能となる。
このように全遊技区間において有利区間カウンタを「1」減算する構成することによって、現在の遊技状態が有利区間であるか否かを確認し、有利区間であると判断した場合には有利区間カウンタを「1」減算し、有利区間ではないと判断した場合には有利区間カウンタを「1」減算しないという処理と比較して、制御プログラムの容量を軽減することができる。
アドレスF026およびF027には、ART中(遊技状態番号5)に実行されたゲーム数を管理するためのART遊技回数カウンタの値が2バイトのデータとして記憶される。ここで、本実施形態ではART遊技回数カウンタの値がART中に滞在可能な残りゲーム数(以下、「ART残りゲーム数」ともいう。)を示し、ART中にゲームが行われる毎にART遊技回数カウンタの値が1ずつ減算されるものとする。また、アドレスF026には、ART遊技回数カウンタの値の下位1バイトのデータが記憶され、アドレスF027には、ART遊技回数カウンタの値の上位1バイトのデータが記憶される。本実施形態では、基本的にART中のゲーム数は50ゲーム行われるとART中(以下、「ART遊技」ともいう。)を終了して通常区間へ移行するが(図28の矢印ク参照)、上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)へ移行した場合、ART遊技回数カウンタの値が加算される場合があるため、ART遊技回数カウンタの値を2バイトのデータにしている。
アドレスF028には、ART遊技のセット数を管理するためのARTセット数カウンタの値が1バイトのデータとして記憶される。ARTセット数カウンタの値は、通常区間から有利区間へ移行してから再び通常区間へ戻るまでの間に、ART中(遊技状態番号5)へ移行した回数を示す。したがって、ARTセット数カウンタの値は、高確(遊技状態番号2)またはチャンスゾーン中(遊技状態番号9)からART中(遊技状態番号5)へ移行したとき、上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)からART中へ移行(遊技状態番号5)したとき、および、ART復帰準備(遊技状態番号8)からART中(遊技状態番号5)へ移行したときに、各々「1」が加算される。
次に、図38において、アドレスF033には、役抽選によって決定された当選番号に対応する役物当選番号(00〜07H)が記憶される。また、アドレスF034には、役抽選によって決定された当選番号に対応する入賞・再遊技当選番号(00〜2FH)が記憶される。ここで、当選番号48〜87のいずれかが決定された場合、アドレスF033に記憶された役物当選番号の値(01〜06H)は、決定された当選番号に対応するボーナス役に入賞するまで更新されることなく維持される。ただし、当選番号88(SB単独)が決定された場合は、そのときのゲームが終了したときにアドレスF033に記憶された役物当選番号(07H)の値が00Hにクリアされる。これに対して、アドレスF034に記憶された入賞・再遊技当選番号の値は、1ゲームが終了するごとにクリアされる。
アドレスF053には、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出す際に参照されるメダル払出枚数データの値が記憶される。これにより、主制御手段100は、小役に入賞すると、ホッパー83からメダル1枚のメダルを払い出す処理(1枚払出処理)を1回実行する毎に、メダル払出枚数データの値から1を減算し、0になるまで1枚払出処理を繰り返し実行する。
アドレスF054は、入賞した小役に対応するメダル払出枚数の値を記憶するための払出枚数バッファである。すなわち、アドレスF053に記憶されるメダル払出枚数データの値は、1枚払出処理が行われる毎に更新され、最終的には0になってしまうため、払出枚数バッファを設けることで、小役が入賞したことによって払い出されたメダルの枚数を保持している。
なお、払出枚数バッファの値は、役比モニタ103に表示する中期間役比、中期間連役比、累計役比および累計連役比を算出するために参照される。
アドレスF26D〜F26Fには、図8(d)に示した3バイトの総ゲーム数Dの値(総遊技回数カウンタ値)が記憶される。ここで、総遊技回数カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF26Dに記憶され、中位バイトの値がアドレスF26Eに記憶され、最上位バイトの値がアドレスF26Fに記憶される。
アドレスF270〜F272には、図8(d)に示した3バイトの有利区間ゲーム数Eの値(有利区間遊技回数カウンタ値)が記憶される。ここで、有利区間遊技回数カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF270に記憶され、中位バイトの値がアドレスF271に記憶され、最上位バイトの値がアドレスF272に記憶される。
アドレスF273〜F275には、図8(d)に示した3バイトの(総累計)総払出枚数Aの値(総払出(累計)カウンタ値)が記憶される。ここで、総払出(累計)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF273に記憶され、中位バイトの値がアドレスF274に記憶され、最上位バイトの値がアドレスF275に記憶される。
アドレスF276〜F278には、図8(d)に示した3バイトの(総累計)総連役払出枚数Cの値(連続役物払出(累計)カウンタ値)が記憶される。ここで、連続役物払出(累計)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF276に記憶され、中位バイトの値がアドレスF277に記憶され、最上位バイトの値がアドレスF278に記憶される。
アドレスF279〜F27Bには、図8(d)に示した3バイトの(総累計)総役物払出枚数Bの値(役物払出(累計)カウンタ値)が記憶される。ここで、役物払出(累計)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF279に記憶され、中位バイトの値がアドレスF27Aに記憶され、最上位バイトの値がアドレスF27Bに記憶される。
なお、総遊技回数カウンタ値、有利区間遊技回数カウンタ値、総払出(累計)カウンタ値、連続役物払出(累計)カウンタ値および役物払出(累計)カウンタ値は、最大でFFFFFFH(十進法で16777215)までカウント可能であり、その値がFFFFFFHに達すると、主制御手段100は、その値を維持して更新されないように制御する。これにより、各カウント値が一巡したもの(FFFFFFHを越えて再び000000Hからカウントされた値)であるか否かが判別できない、という事態を避けることができる。
次にアドレスF27C〜F27Eには、図8(d)に示した3バイトの総払出枚数の6000ゲーム累計値aの値(払出(6000回)カウンタ値)が記憶される。ここで、払出(6000回)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF27Cに記憶され、中位バイトの値がアドレスF27Dに記憶され、最上位バイトの値がアドレスF27Eに記憶される。
アドレスF27F〜F281には、図8(d)に示した3バイトの連役払出枚数の6000ゲーム累計値cの値(連続役物払出(6000回)カウンタ値)が記憶される。ここで、連続役物払出(6000回)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF27Fに記憶され、中位バイトの値がアドレスF280に記憶され、最上位バイトの値がアドレスF281に記憶される。
アドレスF282〜F284には、図8(d)に示した3バイトの役物払出枚数の6000ゲーム累計値bの値(役物払出(6000回)カウンタ値)が記憶される。ここで、役物払出(6000回)カウンタ値のうち、最下位バイトの値がアドレスF282に記憶され、中位バイトの値がアドレスF283に記憶され、最上位バイトの値がアドレスF284に記憶される。
なお、図示はしていないが、総払出枚数、役物払出枚数および連役払出枚数の各々に対応して、直近の6000ゲームにおける値を算出するためのリングバッファ(図8(d)参照)を構成するためのアドレスが、RWMに設定されている。ここで、各リングバッファは15セットで構成され、1セットにつき400ゲーム間の払出枚数が2バイトのデータで記憶されるため、1セットあたり2つのアドレスが必要となる。したがって、15セットからなるリングバッファ(400ゲーム×15セット)を構成するには、30個のアドレスが必要となる。
また、上述した各アドレスに記憶されている総遊技回数カウンタ値、有利区間遊技回数カウンタ値、総払出(累計)カウンタ値、役物払出(累計)カウンタ値、連続役物払出(累計)カウンタ値、払出(6000回)カウンタ値、役物払出(6000回)カウンタ値および連続役物払出(6000回)カウンタ値は、設定値を変更する際に実行されるRWMのクリア(初期化)が実行された場合でも、各カウント値が維持される(クリアされない)。ただし、電源がオンになったときに、RWMに異常がある(従来のRWMのチェックサム等を用いることにより異常の有無が判定可能である。)と判断した場合には、設定値を変更する際に実行されるRWMのクリアにより各カウント値もクリアされる。
次にアドレスF285には、図8(d)に示した1バイトの有利区間比率E/Dの値(有利区間比率データ)が記憶され、アドレスF286には、1バイトの中期間連役比c/aの値(連続役物比率(6000回)データ)が記憶され、アドレスF287には、1バイトの中期間役比b/aの値(役物比率(6000回)データ)が記憶される。また、アドレスF288には、図8(d)に示した1バイトの累計連役比C/Aの値(連続役物比率(累計)データ)が記憶され、アドレスF289には、1バイトの累計役比B/Aの値(役物比率(累計)データ)が記憶される。
なお、アドレスF285〜F289に記憶されている各データに基づいて、役比モニタ103に表示する内容の略記(識別子)とその比率(図8(c)参照)が表示される。また、アドレスF285〜F289に記憶されている各データの演算は、有利区間比率については1回の遊技の終了後に行われ、中期間連役比、中期間役比、累計連役比、及び累計役比については400回(1セット)ごとの遊技の終了後に行われ、対応するアドレスに記憶されたデータが更新される。
換言すると、中期間連役比、中期間役比、累計連役比、及び累計役比を算出する遊技を定めるための「400回遊技回数カウンタ(例えば、アドレスF208(2))」というRWMの記憶領域も備えている。この記憶領域は遊技が実行される毎に1ずつ加算され、0〜399を循環する循環式インクリメントカウンタであって、中期間連役比、中期間役比、累計連役比、及び累計役比は、当該カウンタが「0」となったときに計算されるように制御している。
次に、図39において、アドレスF28Eには、点滅要求フラグの状態が1バイトのデータとして記憶される。点滅要求フラグは役比モニタ103の識別子表示部IDおよび比率表示部RAに表示される有利区間比率、中期間連役比、中期間役比、累計連役比および累計連役比について、各々の表示を点滅させるか否かを指定するフラグである。ここで、ビットD0は比率表示部RAに表示する有利期間比率の値を点滅させるか否かを指定し、有利期間比率の値が70%以上になるときはビットD0の値が1(点滅)となり、70%未満であれば0(非点滅)となる。
ビットD1は比率表示部RAに表示する中期間連役比の値を点滅させるか否かを指定し、中期間連役比の値が60%以上になるときはビットD1の値が1(点滅)となり、60%未満であれば0(非点滅)となる。ビットD2は比率表示部RAに表示する中期間役比の値を点滅させるか否かを指定し、中期間役比の値が70%以上になるときはビットD2の値が1(点滅)となり、70%未満であれば0(非点滅)となる。
ビットD3は比率表示部RAに表示する累計連役比の値を点滅させるか否かを指定し、累計連役比の値が60%以上になるときはビットD3の値が1(点滅)となり、60%未満であれば0(非点滅)となる。ビットD4は比率表示部RAに表示する累計役比の値を点滅させるか否かを指定し、累計役比の値が70%以上になるときはビットD4の値が1(点滅)となり、70%未満であれば0(非点滅)となる。
ビットD5は、スロットマシン10の稼働を開始してから、実行されたゲームが6000ゲーム未満のときは1となり、実行されたゲームが6000ゲーム以上になると0となる。そして、ビットD5の値が1のときは、識別子表示部IDにおける中期間連役比の略記(6y)および中期間役比の略記(7y)の表示を点滅させる。一方、ビットD5の値が0になると、識別子表示部IDにおける中期間連役比の略記(6y)および中期間役比の略記(7y)の表示を非点滅にする。
ビットD6は、スロットマシン10の稼働を開始してから、実行されたゲームが175000ゲーム未満のときは1となり、実行されたゲームが175000ゲーム以上になると0となる。そして、ビットD6の値が1のときは、識別子表示部IDにおける有効区間比率の略記(7U)、累計連役比の略記(6A)および累計役比の略記(7A)の表示を点滅させる。一方、ビットD6の値が0になると、識別子表示部IDにおける有効区間比率の略記(7U)、累計連役比の略記(6A)および累計役比の略記(7A)の表示を非点滅にする。
なお、ビットD7は未使用である。また、上述した各種比率が100%になるときは、比率表示部RAに表示する値を「99」にする。
アドレスF28Fには、役比モニタ103に表示させる比率を指定する比率表示番号が記憶される。比率表示番号は1バイトのデータであり、役比モニタ103に有利区間比率を表示させるときは01H、中期間連役比を表示させるときは02H、中期間役比を表示させるときは03H、累計連役比を表示させるときは04H、累計役比を表示させるときは05Hが記憶される。スロットマシン10では、役比モニタ103に表示する内容を、有利区間比率→中期間連役比→中期間役比→累計連役比→累計役比の順に繰り返し切り替えている。
アドレスF290には、アドレスF28Eにおいて点滅表示を指定されたものについて、点灯すべきときと消灯すべきときとを指定する点滅切り替えフラグの値が記憶される。すなわち、点滅表示させる場合において、点灯期間中はビットD0の値が0となり、消灯期間中はビットD0の値が1となる。なお、ビットD1〜D7は未使用である。ここで、役比モニタ103の表示を点滅させる場合は、点滅周期を0.6秒±10%とし、点灯している期間と消灯している期間との比率を1:1にする。したがって、約0.3秒間の点灯と、約0.3秒間の消灯とを、交互に繰り返す。
アドレスF291およびF292には、役比モニタ103の表示内容を切り替えるタイミングを判断するための表示切替時間の値が記憶される。表示切替時間の値は2バイトデータであり、下位バイトの値がアドレスF291に記憶され、上位バイトの値がアドレスF292に記憶される。また、表示切替時間の値は0〜08BDH(十進数で0〜2237)の数値範囲でタイマ割込処理が行われる毎に1ずつインクリメントされる。そして、「0」となったとき、アドレスF28Fの比率表示番号を切替える。これにより、例えばタイマ割込処理が2.235ミリ秒ごとに実行される場合は、2238×2.235×10−3=5.00193秒毎に、役比モニタ103の表示内容が切り替わる。
アドレスF293には、役比モニタ103の表示内容を点滅表示する際に、点灯と消灯とを切り替えるタイミングを判断するための点滅切替時間の値が記憶される。点滅切替時間の値は1バイトデータであり、0〜86H(十進数で0〜134)の数値範囲でタイマ割込処理が行われる毎に1ずつインクリメントされる。そして、「0」となったときに、アドレスF290のビットD0の値を切替える。これにより、例えばタイマ割込処理が2.235ミリ秒ごとに実行される場合は、135×2.235×10−3≒0.3017秒毎に、役比モニタ103の表示が点灯→消灯→点灯→消灯→……と切り替わっていく。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、CPU、ROM、RWM等を含んで構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する副制御基板202と、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72などの演出手段を駆動する画像制御基板204とを含んで構成されている。なお、ARTランプ29a、29bなどの演出手段の駆動を副制御基板202が担ってもよい。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽選手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、抽選状態、遊技状態番号(遊技区間の種類および有利区間の性能)、役抽選や遊技状態番号(遊技区間の種類および有利区間の性能)の移行抽選の結果などに応じた演出をいう。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における遊技状態番号0〜10に対応する演出状態(ただし、必ずしも1対1で対応していなくてよい。)を設け、遊技区間制御手段125と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(ARTランプ29a,29b、サイドランプ52L,52R、演出用ランプ72、装飾ランプ74L,74R)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
<前兆演出に関する演出抽選の説明>
次に、図40〜図44を参照して、演出抽選手段212で行われる前兆演出の内容を決定する前兆演出抽選について説明する。前兆演出は、遊技者のボーナス遊技やART遊技に対する期待感を高めるために、役抽選で所定の当選番号が決定されたときに1ゲームまたは複数のゲームに亘って実行される演出である。演出抽選手段212は、図40〜図44に示す各種演出抽選テーブルに基づく演出抽選を行うことで、前兆演出の内容を決定する。図40〜図44に示す各種演出抽選テーブル内における数値は置数を示しており、各置数を65536で割った値が、その抽選結果が得られる確率となる。
図40(a)は、前兆演出の種類を決定するための前兆種類抽選テーブルの内容を示す図である。前兆種類抽選は、前兆種類1または前兆種類2のいずれかを選択するための抽選であり、当選役決定手段110で、当選番号が65、66または35のいずれかに決定されたときに実行される(ただし、この抽選契機は一例であり、後述する同様の効果が発揮される当選番号であれば、この他の当選番号が決定されたときに実行されるものであってもよい。)。
演出抽選手段212は、主制御手段100から送信される役物当選番号と、演出グループ番号とから当選番号を判断しており、受信した役物当選番号が2で演出グループ番号が24であれば、当選番号65が決定されたと判断する。また、受信した役物当選番号が2で演出グループ番号が25であれば当選番号66が決定され、受信した役物当選番号が0で演出グループ番号が25であれば当選番号35が決定されたと判断する。
ここで、当選番号65は、設定値データ(アドレスF000)が0〜5の何れであっても当選確率が同じである、所謂「設定差の無い当選番号」であり、当選番号66は、設定値データ(アドレスF000)が0〜5に応じて当選確率が異なる、所謂「設定差の有る当選番号」であり、当選番号35は、設定値データ(アドレスF000)が0〜5に応じて当選確率が異なる、所謂「設定差の有る当選番号」である。
つまり、当選番号65は通常区間から有利区間への移行が可能な(移行抽選が可能な)当選番号であり、また、有利区間の何れかの性能から他の性能の有利区間への移行が可能な(移行抽選が実行可能な)当選番号でもある。なお、本実施形態では通常区間において当選番号65が当選した場合には待機区間に移行させ、1BB−Bに対応する図柄組合せが停止表示されると、有利区間ランプが点灯し、1BB−B遊技の1遊技目から有利区間が開始される。さらにまた、当選番号65に基づいて実行される1BB−B遊技中において、設定差の無い当選番号(本実施形態では、当選番号47)が当選した場合にARTゲーム数の上乗せ抽選等の特典を付与することが可能である。
一方、当選番号66は、設定差が有るため通常区間から有利区間への移行ができない(移行抽選ができない)当選番号であり、また、有利区間の何れかの性能から他の性能の有利区間への移行もできない(移行抽選ができない)当選番号である。さらにまた、当選番号66に基づいて実行される1BB−B遊技中において、設定差の無い当選番号(本実施形態では、当選番号47)が当選した場合であってもARTゲーム数の上乗せ抽選等の特典を付与することができない。
当選番号35は、設定差が有るため通常区間から有利区間への移行ができない(移行抽選ができない)当選番号であり、また、有利区間の何れかの性能から他の性能の有利区間への移行もできない(移行抽選ができない)当選番号である。また、当該当選番号にはボーナス役が含まれていない。
つまり、上述した当選番号を比較すると、遊技者に有利となる当選番号は「65」、「66」、「35」の順となる。
ただし、当選番号が65、66または35のいずれかに決定された遊技において、遊技者が各リールに対応するストップスイッチを操作しても入賞11〜入賞13のうち何れかの図柄組合せが停止するか、入賞11〜入賞13の取りこぼし目が停止するため、リールの停止態様からはどの当選番号が当選したか判断することは困難である。また、当選番号65が当選した場合であっても有利区間ランプが点灯しないため(待機区間に移行するため)、当選番号65が当選したか否かも有利区間ランプの点灯によって判別することができない。
図40(a)の前兆種類抽選テーブルでは、当選番号66または35が決定された場合は、非有利区間(通常区間または待機区間)中と有利区間中とに関わらず、必ず前兆種類2が選択される(置数が65536)ようになっている。これに対して、当選番号65が決定されたときは、非有利区間中と有利区間中とで、前兆種類1または前兆種類2の選択確率が異なっている。すなわち、非有利区間中であれば、前兆種類1を選択する確率が高く、有利区間中であれば、前兆種類2を選択する確率が高くなっている。具体的な演出内容については後述するが、前兆種類1の方が前兆種類2よりも、遊技者に有利である(期待度が高い)ことを示唆する演出内容が選択されやすくなっている。
図40(a)の前兆種類抽選テーブルを用いて前兆種類1または2が選択されると、次に演出抽選手段212は図40(b)の前兆ゲーム数抽選テーブルを用いて、前兆演出を実行するゲーム数(換言すると前兆演出の長さ)を決定する前兆ゲーム数抽選を行う。前兆ゲーム数抽選では、前兆演出の長さとして1〜5ゲームのうちいずれかが決定されるが、決定されるゲーム数はボーナス役が当選している場合と、当選していない場合とで異なっている。ボーナス役が当選していない場合は、ボーナス役が当選している場合に比べて1ゲームに決定される確率が高くなっている。また、ボーナス役が当選しているか否かに関わらず、前兆種類1が選択された場合は、決定されるゲーム数が多くなる(4または5ゲームに決定される)確率が高く、前兆種類2が選択された場合は、3ゲームに決定される確率が高くなっている。
図40(b)の前兆ゲーム数抽選テーブルを用いて前兆演出のゲーム数が決定されると、次に演出抽選手段212は図40(c)の前兆シナリオ抽選テーブルを用いて、前兆シナリオを決定する演出シナリオ抽選を行う。前兆シナリオは、前兆演出中の各ゲームごとに実行する演出カテゴリの種類によって構成され、前兆種類1が選択された場合と、前兆種類2選択された場合とで、異なる前兆シナリオ抽選テーブルが使用される。ここで、演出カテゴリには、「前兆」、「発展」、「連続演出」、「告知MID」および「告知HI」の5種類がある。
前兆種類1が選択された場合の前兆シナリオ抽選テーブルでは、10個のシナリオの中から1つのシナリオが選択されるようになっており、1ゲームから5ゲームの各々について2つのシナリオが用意されている。たとえば、前兆ゲーム数が5ゲームに決定された場合、図40(c)に示す(前兆種類1)の抽選テーブルにおいて、No.1またはNo.2のシナリオを選択する抽選が行われる。
同様に、前兆ゲーム数が4ゲームに決定された場合は、No.3またはNo.4のシナリオを選択する抽選が行われ、前兆ゲーム数が3ゲームに決定された場合は、No.5またはNo.6のシナリオを選択する抽選が行われ、前兆ゲーム数が2ゲームに決定された場合は、No.7またはNo.8のシナリオを選択する抽選が行われ、前兆ゲーム数が1ゲームに決定された場合は、No.9またはNo.10のシナリオを選択する抽選が行われる。また、各ゲーム数における前兆シナリオ抽選では、いずれも奇数のNo.が選択される確率が高くなっている。
前兆種類2が選択された場合の前兆シナリオ抽選テーブルでは、8個のシナリオの中から1つのシナリオが選択されるようになっており、3ゲームから5ゲームの各々については2つのシナリオが用意され、1ゲームおよび2ゲームについては各々1つのシナリオが用意されている。たとえば、前兆ゲーム数が5ゲームに決定された場合、図40(c)に示す(前兆種類2)の抽選テーブルにおいて、No.1またはNo.2のシナリオを選択する抽選が行われ、前兆ゲーム数が4ゲームに決定された場合は、No.3またはNo.4のシナリオを選択する抽選が行われ、前兆ゲーム数が3ゲームに決定された場合は、No.5またはNo.6のシナリオを選択する抽選が行われる。
また、前兆ゲーム数が2ゲームに決定された場合は必ずNo.7のシナリオが選択され、前兆ゲーム数が1ゲームに決定された場合は必ずNo.8のシナリオが選択されるようになっている。なお、前兆ゲーム数が3〜5ゲームのいずれかに決定された場合、各ゲーム数における前兆シナリオ抽選では、いずれも偶数のNo.が選択される確率が高くなっている。
図40(c)の前兆シナリオ抽選テーブルを用いて前兆シナリオが決定されると、前兆演出中の各ゲームにおいて、図40(d)に示す各抽選テーブルを用いて、選択されたシナリオにおいて指定される演出カテゴリに属する演出パターンの中から1つの演出パターンを選択する演出パターン抽選を行う。ここで、上述した前兆演出種類抽選、前兆ゲーム数抽選および前兆シナリオ抽選は、役抽選で当選番号66,65,35のいずれかが決定されたときに一度だけ行われるが、演出パターン抽選および後述する演出内容抽選は、前兆演出中、各ゲームごとに行われる。
また、図40(d)に示す各抽選テーブルでは、現在滞在している区間の種類に応じて演出パターンの選択確率が異なることはないが、前兆演出中の各ゲームで決定された役の種類(リプレイ(再遊技役のうち、リプレイA1、リプレイA2など)、共通ベル(小役のうち、共通ベルB、共通3枚ベルBなど)、スイカ(小役のうち、スイカBなど)または所定役)に応じて演出パターンの選択確率が異なる場合がある。
前述した各演出カテゴリには、「連続演出」を除き、複数の演出パターンが対応付けられている。まず、演出カテゴリ「前兆」には、「消灯演出(LOW)」、「小役ナビ演出(LOW)」、「キャラ演出(HI)」および「ルーレット演出告知」の4つの演出パターンが対応付けられている。演出カテゴリ「告知MID」には、「ルーレット演出告知」、「通常ボーナス告知」および「次回予告」の3つの演出パターンが対応付けられている。演出カテゴリ「告知HI」には、「次回予告」および「プレミア演出」の2つの演出パターンが対応付けられている。演出カテゴリ「発展」には、「消灯演出(発展)」、「小役ナビ演出(発展)」および「キャラ演出(発展)」の3つの演出パターンが対応付けられている。
なお、演出カテゴリ「連続演出」は、2ゲームに亘って実行される演出であり、演出の最後に、決定された当選番号に応じてボーナス役に当選したか否かを報知する演出である。したがって、演出カテゴリ「連続演出」には対応付けられた演出パターンは存在せず、連続演出中は演出パターン抽選が行われない。
前兆演出中のゲームにおいて、演出カテゴリ「前兆」の演出を行う場合は、図41(d−1)の演出パターン抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する。図41(d−1)の演出パターン抽選テーブルでは、ボーナス役に当選しなかった場合(ボーナス非当選)と、ボーナス役に当選したが有利区間には移行しない場合(ボーナス当選(設定差有り))と、ボーナス役に当選し、かつ有利区間へ移行する場合(ボーナス当選(設定差無し))とで、各演出パターンの選択確率が異なっている。
例えば、ボーナス非当選のときは、リプレイまたは共通ベルが当選した場合、「キャラ演出(HI)」および「ルーレット演出告知」が選択されることはなく、「消灯演出(LOW)」または「小役ナビ演出(LOW)」のいずれかが1/2ずつの確率で選択される。また、スイカまたは所定役が当選した場合は、「消灯演出(LOW)」、「小役ナビ演出(LOW)」、「キャラ演出(HI)」または「ルーレット演出告知」のいずれかが、1/4ずつの確率で選択される。
また、ボーナス当選(設定差有り)のときは、リプレイまたは共通ベルが当選した場合、「キャラ演出(HI)」または「ルーレット演出告知」のいずれかが選択される確率よりも、「消灯演出(LOW)」または「小役ナビ演出(LOW)」のいずれかが選択される確率の方が高くなっている。また、スイカまたは所定役が当選した場合は、「消灯演出(LOW)」、「小役ナビ演出(LOW)」、「キャラ演出(HI)」または「ルーレット演出告知」のいずれかが、1/4ずつの確率で選択される。これに対して、ボーナス当選(設定差無し)のときは、当選した役に関係なく、「消灯演出(LOW)」または「小役ナビ演出(LOW)」のいずれかが選択される確率よりも、「キャラ演出(HI)」または「ルーレット演出告知」のいずれかが選択される確率の方が高くなっている。
次に、前兆演出中のゲームにおいて、演出カテゴリ「告知MID」の演出を行う場合は、図41(d−2)の演出パターン抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する。図41(d−2)の演出パターン抽選テーブルでは、ボーナス非当選と、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)とで、各演出パターンの選択確率が異なっている。すなわち、ボーナス当選(設定差有り)とボーナス当選(設定差無し)とでは、各演出パターンの選択確率が同じ値になっている。
具体的には、ボーナス非当選のときは当選した役の種類に関わらず、必ず「ルーレット演出告知」が選択される。また、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)は、「ルーレット演出告知」、「通常ボーナス告知」または「次回予告」のいずれかの演出パターンが選択されるが、「ルーレット演出告知」または「通常ボーナス告知」が選択される確率は互いに同じ確率であり、「次回予告」が選択される確率よりも高くなっている。なお、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)における各演出パターンの選択確率は、当選した役の種類によって変化してもよい。
次に、前兆演出中のゲームにおいて、演出カテゴリ「告知HI」の演出を行う場合は、図41(d−3)の演出パターン抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する。なお、演出カテゴリ「告知HI」の演出が行われるのは、当選番号65が決定された場合に限られるため(図40(a)および(c)の(前兆種類1)参照)、必ずボーナス当選(設定差無し)の状態となる。図41(d−3)の演出パターン抽選テーブルでは、当選した役の種類に関わらず、「次回予告」または「プレミア演出」のいずれかが、1/2ずつの確率で選択される。
次に、前兆演出中のゲームにおいて、演出カテゴリ「発展」の演出を行う場合は、図41(d−4)の演出パターン抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する。図41(d−4)の演出パターン抽選テーブルでは、ボーナス非当選およびボーナス当選(設定差有り))と、ボーナス当選(設定差無し)とで、各演出パターンの選択確率が異なっている。すなわち、ボーナス非当選およびボーナス当選(設定差有り))では、各演出パターンの選択確率が同じ値になっている。
具体的には、ボーナス非当選およびボーナス当選(設定差有り)のときは当選した役の種類に関わらず、「消灯演出(発展)」、「小役ナビ演出(発展)」または「キャラ演出(発展)」のいずれかの演出パターンが選択されるが、「消灯演出(発展)」または「小役ナビ演出(発展)」が選択される確率は互いに同じ確率であり、かつ、「キャラ演出(発展)」が選択される確率よりも高くなっている。これに対して、ボーナス当選(設定差無し)では、「消灯演出(発展)」または「小役ナビ演出(発展)」が選択される確率は互いに同じ確率であるものの、「キャラ演出(発展)」が選択される確率よりも低くなっている。
前兆演出中の各ゲームにおいて、図41(d)の演出パターン抽選テーブルを用いて演出パターンが決定されると、次に図42〜図44に示す各演出内容抽選テーブルを用いて、決定された演出パターンにおける具体的な演出内容を決定する。ここで、図42の(e−1)〜(e−5)は、それぞれ、「消灯演出(LOW)」、「小役ナビ演出(LOW)」、「キャラ演出(HI)」、「ルーレット演出告知」および「次回予告」の各演出パターンにおける演出内容を決定するための抽選テーブルである。ここで、「消灯演出(LOW)」、「小役ナビ演出(LOW)」および「キャラ演出(HI)」に関する演出内容抽選テーブルでは、現在滞在する区間に関わらず、同じ抽選テーブルが使用される。また、「ルーレット演出告知」および「次回予告」に関する演出内容抽選テーブルでは、現在滞在する区間が非有利区間か有利区間かによって異なる抽選テーブルが使用される。
また、図43の(e−6)〜(e−9)は、それぞれ、「プレミア演出」、「消灯演出(発展)」、「小役ナビ演出(発展)」および「キャラ演出(発展)」の各演出パターンにおける演出内容を決定するための抽選テーブルである。ここで、「消灯演出(発展)」および「小役ナビ演出(発展)」に関する演出内容抽選テーブルでは、現在滞在する区間に関わらず、同じ抽選テーブルが使用される。これに対して、「プレミア演出」および「キャラ演出(発展)」に関する演出内容抽選テーブルでは、現在滞在する区間が非有利区間か有利区間かによって異なる抽選テーブルが使用される。
また、図44の(e−10)は、「通常ボーナス告知」の演出パターンにおける演出内容を決定するための抽選テーブルである。この演出内容抽選テーブルでは、現在滞在する区間が非有利区間か有利区間かによって異なる抽選テーブルが使用される。
図42(e−1)に示す演出パターン「消灯演出(LOW)」における演出内容の抽選テーブルでは、演出ランプ72を第1停止操作時に消灯させる(1停消灯)か、第2停止操作時に消灯させる(2停消灯)か、第3停止操作時に消灯させる(3停消灯)か、が決定される。これら演出内容の選択確率は、当選した役の種類よって変わらないが、ボーナス非当選においては「1停消灯」が選択される確率が高く、ボーナス当選(設定差有り)においては「3停消灯」が選択される確率が高く、ボーナス当選(設定差無し)においても「3停消灯」が選択される確率が高くなっている。
図42(e−2)に示す演出パターン「小役ナビ演出(LOW)」における演出内容の抽選テーブルでは、例えば、画像表示装置70に表示したキャラクタの色を青色にする(青ナビ)か、黄色にする(黄ナビ)か、緑色にする(緑ナビ)か、白色にする(白ナビ)か、が決定される。ここで、ボーナス非当選、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)のいずれの状態においても、当選役がリプレイになった場合は「青ナビ」が選択され、当選役が共通ベルになった場合は「黄ナビ」が選択され、当選役がスイカになった場合は「緑ナビ」が選択され、当選役が所定役になった場合は「白ナビ」が選択される。なお、例えばボーナス当選(設定差有り)のときに、当選役が共通ベルになった場合、ごく低い確率で「青ナビ」を選択するようにしてもよい。これにより、キャラクタの色と、入賞した役との対応が一致しなくなることで、遊技者に通常とは異なる状態になったことを示唆することができる。
図42(e−3)に示す演出パターン「キャラ演出(HI)」における演出内容の抽選テーブルでは、例えば、画像表示装置70に表示するキャラクタの種類を「弱キャラ」、「中キャラ」または「強キャラ」のいずれにするか、が決定される。この抽選テーブルでは、当選した役の種類に関係なく、ボーナス非当選状態であれば「弱キャラ」、「中キャラ」、「強キャラ」の順に選択される確率が高くなるように設定されている。また、ボーナス当選(設定差有り)のときは、3種類のキャラクタの選択確率がほぼ同程度であるが、「強キャラ」の選択確率が最も高くなるように設定されている。また、ボーナス当選(設定差無し)であれば「強キャラ」、「中キャラ」、「弱キャラ」の順に選択される確率が高くなるように設定されている。
次に、演出パターン「ルーレット演出告知」は、例えば、画像表示装置70に「チャンスアイコン」、「ボーナスアイコン」および「プレミアアイコン」の3つのアイコンを表示しておき、この3つのアイコンのうちいずれを選択する過程を示して、最後にどのアイコンが選択されたかを示す演出である。アイコンの選択過程は、例えばカーソルの表示位置を3つのアイコン上で順次移動させる。そして、最終的にカーソルをいずれか1つのアイコン上に停止表示させる。
図42(e−4)に示す「ルーレット演出告知」における演出内容の抽選テーブルは、非有利区間中と、有利区間中とで異なっており、非有利区間における各抽選テーブルでは、ボーナス非当選状態であれば当選した役の種類に関係なく、最後に「チャンスアイコン」を選択する演出が決定される。また、ボーナス当選(設定差有り)のときは、当選した役の種類に関係なく、最後に「ボーナスアイコン」を選択する演出が決定される。また、ボーナス当選(設定差無し)であれば、最後に「ボーナスアイコン」を選択する演出と、「プレミアアイコン」を選択する演出とのいずれかが選択されるが、「プレミアアイコン」を選択する演出の選択確率の方が高く設定されている。これに対して、有利区間中における各抽選テーブルでは、ボーナス非当選状態およびボーナス当選(設定差有り)のときは、非利区間中の抽選テーブルと同様の抽選を行うが、ボーナス当選(設定差無し)においは、最後に「ボーナスアイコン」を選択する演出よりも、「プレミアアイコン」を選択する演出の選択確率の方が高く設定されている
次に、演出パターン「次回告知」は、画像表示装置70に「次回予告」の文字を所定時間表示した後、「次回ボーナス」または「次回プレミア」のいずれかの文字を表示させる演出である。演出パターン「次回告知」は、図41(d−2)に示した演出パターン抽選テーブルから明らかなように、ボーナス非当選状態のときには選択されない演出パターンである。したがって、図42(e−5)に示す演出パターン「次回予告」における演出内容の抽選テーブルでは、ボーナス非当選状態における抽選テーブルが示されていない。
また、図42(e−5)に示す演出パターン「次回予告」における演出内容の抽選テーブルは、非有利区間中と、有利区間中とで異なっており、非有利区間中における各抽選テーブルでは、ボーナス当選(設定差有り)であれば当選した役の種類に関係なく「次回ボーナス」が必ず選択され、ボーナス当選(設定差無し)であれば当選した役の種類に関係なく「次回プレミア」が必ず選択される。これに対して、有利区間中における各抽選テーブルでは、ボーナス当選(設定差有り)のときは、当選した役の種類に関係なく「次回ボーナス」が必ず選択され、一方、ボーナス当選(設定差無し)のときは、当選した役の種類に関係なく「次回ボーナス」が選択される確率の方が圧倒的に高いものの、「次回プレミア」が選択される場合もある。
次に、図43において、演出パターン「プレミア演出」では、ボーナス役の当選が確定したことを報知する「プレミア1」演出、または、ボーナス役の当選が確定し、かつ、ART遊技の実行が確定したことを報知する「プレミア2」演出のいずれかが実行される。演出パターン「プレミア演出」は、図41(d−3)に示した演出パターン抽選テーブルから明らかなように、ボーナス当選(設定差無し)のときのみ選択され得る演出パターンである。図43(e−6)に示す演出パターン「プレミア演出」における演出内容の抽選テーブルでは、非有利区間中と、有利区間中とで異なっており、非有利区間中の抽選テーブルでは、当選した役の種類に関係なくな必ず「プレミア1」が選択される。また、有利区間中の抽選テーブルでは、当選した役の種類に関係なく「プレミア1」が選択される確率の方が圧倒的に高いものの、「プレミア2」が選択される場合もある。
図43(e−7)に示す演出パターン「消灯演出(発展)」における演出内容の抽選テーブルは、非有利区間中と、有利区間中とで同じ内容の抽選テーブルを使用し、ボーナス非当選、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)のいずれにおいても、当選した役の種類に関わらず、必ず「3停消灯&発展」が選択される。「3停消灯&発展」が選択されると、前述した「3停消灯」の演出が行われた後に、ボーナス役の当選に対する期待を高める発展演出が行われる。
図43(e−8)に示す演出パターン「小役ナビ演出(発展)」における演出内容の抽選テーブルも、非有利区間中と、有利区間中とで同じ内容の抽選テーブルを使用する。また、ボーナス非当選、ボーナス当選(設定差有り)およびボーナス当選(設定差無し)のいずれにおいても、当選した役の種類に関わらず、「青ナビ→発展」、「黄ナビ→発展」、「緑ナビ→発展」または「紫ナビ→発展」のうちいずれか1つが、均等の確率(1/4)で選択される。ここで、「青ナビ→発展」、「黄ナビ→発展」、「緑ナビ→発展」および、「紫ナビ→発展」の各演出内容は、画像表示装置70に表示するキャラクタを、対応する色(例えば「青ナビ」であれば青)で表示した後、ボーナス役の当選に対する期待を高める発展演出を行うことを示している。
図43(e−9)に示す演出パターン「キャラ演出(発展)」における演出内容の抽選テーブルは、非有利区間中と、有利区間中とで異なっており、非有利区間中における各抽選テーブルにおいて、ボーナス非当選のときの抽選テーブルでは、当選した役の種類に関わらず、「弱キャラ→発展」の演出内容の選択確率が最も高くなっている。また、「弱キャラ→発展」に次いで「中キャラ→発展」の選択確率が高くなっており、わずかな確率で「強キャラ→発展」の演出内容が選択されるように設定されている。
また、ボーナス当選(設定差有り)のときの抽選テーブルでは、当選した役の種類に関わらず、「弱キャラ→発展」、「中キャラ→発展」、「強キャラ→発展」の順に選択確率が低くなるように設定されているが、「中キャラ→発展」および「強キャラ→発展」の選択確率は、ボーナス非当選のときの抽選テーブルよりも高く設定されている。ボーナス当選(設定差無し)のときの抽選テーブルでは、他の抽選テーブルと異なり、「強キャラ→発展」、「中キャラ→発展」、「弱キャラ→発展」の順に選択確率が低くなるように設定されている。
有利区間中における各抽選テーブルでは、ボーナス非当選およびボーナス当選(設定差有り)のときの抽選テーブルは、上述した非有利区間中における抽選テーブルと同じ内容になっているが、ボーナス当選(設定差無し)のときの抽選テーブルでは、「弱キャラ→発展」、「中キャラ→発展」、「強キャラ→発展」の順に選択確率が低くなるように設定されている。ここで、「弱キャラ→発展」、「中キャラ→発展」、「強キャラ→発展」の各演出内容は、画像表示装置70に対応するキャラクタ(例えば「弱キャラ→発展」であれば「弱キャラ」)を表示した後、ボーナス役の当選に対する期待を高める発展演出を行うことを示している。
次に図44(e−10)に示す演出パターン「通常ボーナス告知」における演出内容の抽選テーブルは、非有利区間中と、有利区間中とで異なっており、非有利区間中における各抽選テーブルにおいて、ボーナス非当選のときの抽選テーブルでは、当選した役の種類に関わらず、「弱キャラ→ボーナス告知」の演出内容の選択確率が最も高くなっている。また、「弱キャラ→発展」に次いで「中キャラ→ボーナス告知」の選択確率が高くなっており、わずかな確率で「強キャラ→ボーナス告知」の演出内容が選択されるように設定されている。
ここで、「ボーナス告知」とは、ボーナス役が当選したか否かを示す結果演出であって、ボーナス非当選においては、ボーナス役が当選しなかったことを示す演出、ボーナス当選においては、ボーナス役が当選したことを示す演出を指す。また、ボーナス当選(設定差有り)のときの抽選テーブルでは、「弱キャラ→ボーナス告知」、「中キャラ→ボーナス告知」、「強キャラ→ボーナス告知」の順に選択確率が低くなるように設定されているが、「中キャラ→ボーナス告知」および「強キャラ→ボーナス告知」の選択確率は、ボーナス非当選のときの抽選テーブルよりも高く設定されている。ボーナス当選(設定差無し)のときの抽選テーブルでは、他の抽選テーブルと異なり、「強キャラ→ボーナス告知」、「中キャラ→ボーナス告知」、「弱キャラ→ボーナス告知」の順に選択確率が低くなるように設定されている。
有利区間中における各抽選テーブルでは、ボーナス非当選およびボーナス当選(設定差有り)のときの抽選テーブルは、上述した非有利区間中における抽選テーブルと同じ内容になっている。また、ボーナス当選(設定差無し)のときの抽選テーブルは、ボーナス当選(設定差有り)のときの抽選テーブルと同じ内容になっている。ここで、「弱キャラ→ボーナス告知」、「中キャラ→ボーナス告知」、「強キャラ→ボーナス告知」の各演出内容は、画像表示装置70に対応するキャラクタ(例えば「弱キャラ→ボーナス告知」であれば「弱キャラ」)を表示した後、ボーナス役が当選したか否かを示す結果演出(告知演出)を行うことを示している。
上述した前兆演出の内容をまとめると、以下のような演出が可能となる。
(1)当選番号65、66、35では、ボーナス役が当選したか否かを実行する演出まで同一の演出態様が選択される場合があるため、どの当選番号に当選したかは分からない一連の演出が実行可能となる。
(2)当選番号65、66では、ボーナスが当選したことを示す演出まで同一の演出態様が選択される場合があるため、どちらの当選番号(一方は有利区間へ移行する当選番号、もう一方は有利区間へ移行しない当選番号)でボーナスに当選したかは分からない一連の演出が実行可能となる。
(3)当選番号65と66を比較すると、当選番号65に当選した方が遊技者に与える期待度の高い演出が実行される確率が高く設定されているため、各遊技における演出は興趣が尽きないものとなる。
(4)演出抽選の結果によっては当選番号65に当選したこと(有利区間への移行する当選番号に当選したこと)が把握可能な演出が選択され得るため、各遊技における演出は興趣が尽きないものとなる。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
以下、図45〜図50に示すフローチャートを参照して、主制御手段100が実行する遊技制御の処理内容について説明する。
<遊技進行メイン処理の説明>
まず、図45に示すフローチャート参照して、スロットマシン10で実行される遊技の制御を行うための遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、遊技待機表示(いわゆるデモ画面)開始時間の設定や、副制御手段200に対する現在の設定値、遊技状況(再遊技やBB遊技中であるか否か)、現在の抽選状態、遊技状態番号などの情報の送信が行われる。
次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS12)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、キースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS14)。ちなみに、キースイッチ82bがオン状態のときは、現在の設定値(設定値データに対応する値)が設定値表示器87に表示される。設定値表示器87を設けない場合は、獲得枚数表示器28の下位桁に表示されるようにしてもよい。
ステップS12の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS14の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS16)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。そして、スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS18の判断結果がNOとなって、ステップS12の処理に戻る。
ステップS18の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80のブロッカをオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS20)。そして、図19〜図26に示した役抽選テーブルのうち、抽選状態に応じた役抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行う(ステップS22)。次いで、役抽選で決定された当選番号や、現在の遊技状態番号に応じて、図28に示した遊技区間の移行制御等を行うための各種抽選(有利区間移行抽選、昇格抽選、転落抽選、ART抽選、ART昇格抽選、特化ゾーン移行抽選、特化ゾーン転落抽選、上乗せ抽選など)を行う遊技区間抽選処理を行う(ステップS24)。
次に、役抽選によって押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せが異なる当選役(押し順によって、払い出されるメダルの枚数が異なったり、有利な状態が維持/非維持で異なったりしない役は除く)が当選したときは、現在の遊技状態番号に応じて押し順を報知するための指示番号を獲得枚数表示器28に表示するための指示表示処理を行う(ステップS26)。そして、図37に示した遊技区間フラグ(アドレスF020)、メイン遊技状態番号(アドレスF021)、有利区間カウンタ(アドレスF024)、ART遊技回数カウンタ(アドレスF026)およびARTセット数カウンタ(アドレスF028)などの遊技区間関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS28)。
次に主制御手段100は、役抽選で決定された入賞・再遊技当選番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示するための演出グループ番号を生成するマスク処理を行い(ステップS30)、役抽選の結果に応じた役物当選番号および演出グループ番号を副制御手段200へ送信する(ステップS32)。そして、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS34)、リール停止管理処理を行う(ステップS36)。このリール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。
ここで、リールの停止制御は、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号に基づいて生成された作動フラグに基づいて行われる。この作動フラグは、図10〜図15に示した各図柄組合せについて、引込制御の対象とするか否かを示すフラグ情報を対応付けたものであり、役抽選処理においてRWMの所定記憶領域に保存される。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図10〜図15に示した図柄組合せのいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い、表示判定処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS38)。入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、小役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、入賞した小役に対応するメダル払出枚数をRWMのアドレスF053(メダル払出枚数データ)およびアドレスF054(払出枚数バッファ)に記憶する。そして、ホッパーモータ46を駆動して、一致した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS40)。また、メダルの払い出し開始時と、払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
そして、現在の抽選状態に応じて、入賞した役の種類、ボーナス役が当選したか否か、ボーナス役が入賞したか否か、ボーナス遊技が終了したか否かなどに基づいて、抽選状態の移行処理(図27参照)を行う(ステップS42)。また、現在の遊技状態番号に応じて、ボーナス役の入賞の有無、ボーナス遊技の終了の有無、遊技状態番号の移行に関連する各種抽選結果などに基づいて、遊技状態番号の移行処理(図28参照)を行う(ステップS44)。
次に主制御手段100は、役比モニタ103に表示する各種比率を計算する比率計算処理を行い(ステップS46)、その後、遊技終了チェック処理を行う(ステップS48)。ステップS48の遊技終了チェック処理では、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号のオン/オフ制御や、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報の送信制御などを行う。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
<比率計算処理の説明>
次に、図45(遊技進行メイン処理)のステップS46で実行される比率計算処理の内容について、図46に示すフローチャートを参照して説明する。既に述べたように、主制御手段100は、役比モニタ103に表示する比率として、有利区間比率、中期間連役比、中期間役比、累計連役比および累計役比の5つ比率を算出する。図46のフローチャートは、有利区間比率を算出するための比率計算処理を示している。
図46のフローチャートにおいて、まず、主制御手段100は、RWMアドレスF26Dに記憶されている総遊技回数カウンタの値に1を加算する(ステップS100)。そして、現在の遊技区間が有利区間中(遊技状態番号が1以上)であるか否かを判断し(ステップS102)、有利区間中であれば判断結果がYESとなって、RWMアドレスF270に記憶されている有利区間遊技回数カウンタの値に1を加算する(ステップS104)。
ステップS102の判断処理で、有利区間中でないと判断したとき(ステップS102,NO)、または、ステップS104の処理を行うと、主制御手段100は、RWMアドレスF270に記憶されている有利区間遊技回数(被除数)の値を10倍し、その値と、RWMアドレスF26Dに記憶されている総遊技回数(除数)の値とを、各々所定のレジスタにセットする(ステップS106)。次に主制御手段100は、除数の値(ここでは総遊技回数の値)が0であるか否かを判断し(ステップS108)、0であった場合は、判断結果がYESとなって、ステップS110の比率計算実行処理を回避する。これは、被除数を0で除するのを避けるためであり、より具体的には、次に説明する比率計算実行処理で不都合が生じないようにするための処理である。
ステップS106の判断処理で、除数の値が0ではないときは、判断結果がNOとなって、有利区間遊技回数(被除数)を総遊技回数(除数)で除する演算を行う。ここで、図46に示す比率計算処理では、有利区間遊技回数÷総遊技回数の計算結果(有利区間比率の値)を百分率で示した2桁の値で算出するが、最初に、百分率の十の位の値を求めるための除算を行うための比率計算実行処理を行う(ステップS110)。この比率計算実行処理によって所定のレジスタ(1バイト)の下位4ビットに、算出された商の値がセットされる。この商の値は、百分率の十の位の値となる。
次に主制御手段100は、ステップS110の比率計算実行処理による除算の余りを求める処理を行う(ステップS112)。この処理に関する詳しい説明は後述する。そして、上述した所定のレジスタの下位4ビットにセットされた商の値を、上位4ビットに移す処理を行う(ステップS114)。次に、主制御手段100は、ステップS112の処理によって求められた余りの値(被除数)を10倍し、その値と、RWMアドレスF26Dに記憶されている総遊技回数(除数)の値とを、各々所定のレジスタにセットする(ステップS116)。なお、ステップS116の処理を行う際に、ステップS106で所定のレジスタにセットした総遊技回数の値が保持されている場合は、その総遊技回数の値を用いてもよい。
そして主制御手段100は、有利区間比率の一の位の値を算出するために比率計算実行処理を行う(ステップS118)。この比率計算実行処理では、ステップS110の比率計算実行処理と同じ内容の処理が行われる。そして、ステップS118の比率計算実行処理によって算出された商の値を、ステップS114の処理が行われた所定のレジスタに加算して、有利区間比率データとしてRWMアドレスF282に記憶する(ステップS120)。また、ステップS108の判断結果がYESになったときにステップS120の処理を行った場合は、そのまま所定のレジスタの値(この場合は0になっている)がRWMアドレスF285に記憶される。
図46に示した比率計算処理は有利区間比率を算出するためのものであるが、同様の処理を行うことで中期間連役比、中期間役比、累計連役比および累計役比を算出することも可能である。例えば中期間連役比および中期間役比を算出する場合は、まず、RWMアドレスF27C〜F27Eに記憶された払出(6000回)カウンタ、F27F〜F281に記憶された連続役物払出(6000回)カウンタ、ならびに、F282〜F284に記憶された役物払出(6000回)カウンタの値を更新しておく。
そして、中期間連役比を算出する場合は、連続役物払出(6000回)カウンタの値を被除数とし、払出(6000回)カウンタの値を除数として、ステップS106〜S120の処理を行い、その結果をRWMアドレスF286に記憶する。また、中期間役比を算出する場合は、役物払出(6000回)カウンタの値を被除数とし、払出(6000回)カウンタの値を除数として、ステップS106〜S120の処理を行い、その結果をRWMアドレスF287に記憶する。
また、累計連役比および累計役比を算出する場合は、まず、RWMアドレスF273〜F275に記憶された総払出(累計)カウンタ、F276〜F278に記憶された連続役物払出(累計)カウンタ、ならびに、F279〜F27Bに記憶された役物払出(累計)カウンタの値を更新しておく。そして、累計連役比を算出する場合は、連続役物払出(累計)カウンタの値を被除数とし、総払出(累計)カウンタの値を除数として、ステップS106〜S120の処理を行い、その結果をRWMアドレスF288に記憶する。また、累計役比を算出する場合は、役物払出(累計)カウンタの値を被除数とし、総払出(累計)カウンタの値を除数として、ステップS106〜S120の処理を行い、その結果をRWMアドレスF289に記憶する。
<比率計算実行処理の説明>
次に、図46(比率計算処理)のステップS110およびS118で実行される比率計算実行処理の内容について、図47に示すフローチャートを参照して説明する。まず、主制御手段100は、被除数の下位2バイトの値から除数の下位2バイトの値を減算する(ステップS118)。ここで、図46のステップS110で、この処理を行った場合は、被除数が有利区間遊技回数となり、除数は総遊技回数となる。図46のステップS118で、この処理を行った場合は、被除数がステップS110で実行された比率計算実行処理によって求められた余りの値であり、除数は総遊技回数となる。
次に主制御手段100は、ステップS200の減算処理により桁下がりが生じたか否かを判断する(ステップS202)。具体的にはフラグレジスタのキャリーフラグが「1」になったか否かを判断する。ステップS200の減算処理において桁下がりが生じたときは、判断結果がYESとなって、被除数の上位2バイトの値が0であるか否かを判断する(ステップS204)。被除数の上位2バイトの値が0であれば、判断結果がYESとなって、主制御手段100は図47の比率計算実行処理を終了する。これに対して、被除数の上位2バイトの値が0でなければ、判断結果がNOとなって、被除数の上位2バイトの値から1を減算する(ステップS206)。
次に主制御手段100は、被除数の上位2バイトの値から除数の上位2バイトの値を減算する(ステップS208)。ここで、ステップS202の判断結果がNO(桁下がりが生じなかった)の場合は、ステップS204およびS206を行うことなくステップS208の処理を行う。そして、ステップS208の減算処理により桁下がりが生じたか否かを判断し(ステップS210)、桁下がりが生じたときは判断結果がYESとなって、主制御手段100は図47の比率計算実行処理を終了する。これに対して、桁下がりが生じなかったときは判断結果がNOとなって、最終的に比率計算実行処理の算出結果となる比率の値に1を加算する(ステップS212)。そして、ステップS200処理に戻り、以下、ステップS204またはS210の判断結果がYESとなるまでステップS200〜S212の処理を繰り返し実行する。
ここで、ステップS200およびS208の減算処理は、2バイトのレジスタを用いて行われるが、そのレジスタの値は、ステップS204またはS210の判断結果がYESとなったときは、減算結果が0未満の値になっている。例えば0015Hから0019Hを引いた場合、FFFCHとなる。このため、図46のステップS112の処理で余りを求めるときは、図47のステップS200またはS208の減算処理において、最後に除数が減算される直前の被除数の値に戻す処理を行う。
<タイマ割込処理の説明>
次に、図48を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、各種8セグメント表示器およびLEDの表示制御、図16に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。
主制御手段100は、マイコンチップZ1内に設けられているタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されると、図48に示すタイマ割込処理を開始する。ここで、タイマ割込処理が実行されると、図45の遊技進行メイン処理等において、実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、遊技進行メイン処理などで実行していた処理の続きから処理を開始することが可能となる。
図48のタイマ割込処理が開始されると、まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、入力ポート0に入力されている電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御基板101上に設けられた電源監視回路(図示略)から出力されているものとする。主制御手段100によって電源断が検出された場合は、ステップ502の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS504)。この電源断処理では、SPレジスタをRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を55Hにセットし、RWMの所定アドレス範囲(F000〜F3FF)のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、役比モニタ103の各表示内容を点滅させるか否かを指定するための点滅要求フラグの値を生成する点滅要求フラグ生成処理を行う(ステップS506)。次に主制御手段100は、点滅要求フラグの値によって、点滅表示を行うことが指定された表示内容を点滅させるための点滅表示処理を行う(ステップS508)。そして、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、設定値表示器87および役比モニタ103の表示制御を行うLED表示制御処理を実行する(ステップS510)。
次に主制御手段100は、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS512)。このタイマ計測処理では、例えば、RWMの所定記憶領域に保存された最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を減算する。具体的には、最小遊技時間は、規定数のメダルが賭けられた状況でスタートスイッチ36が操作された後にセットされる時間であって、時間値として「1835」がRWMに記憶される。そして、このRWMの記憶領域に「0」が記憶されるまで、次の遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作があったとしても、リールを回転開始するための回転開始制御が実行されないようになっている。
また、各種センサの検出時間としては、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値やメダルがホッパー内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。また、クレジット数が上限(50枚)に達しているときに小役が入賞した場合には、小役に対応した払出し数をホッパーから払い出すが、このときメダルが払い出されていないか否かを判断するためのメダル未払い時間等がある。
次に主制御手段100は、入力ポート0〜2に入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート0〜2読み込み処理を行い(ステップS514)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、リール駆動管理処理を行う(ステップS516)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS518,YES)、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ブロッカ駆動信号、ホッパーモータ駆動信号などを、出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS520)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS522)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS524)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS526)、図48のタイマ割込処理を終了する。
<点滅要求フラグ生成処理の説明>
次に図49(a)に示すフローチャートを参照して、図48に示したタイマ割込処理のステップS506で実行される点滅要求フラグ生成処理の内容について詳しく説明する。
まず主制御手段100は、比率データ数、点滅要求フラグ用初期値、点滅判定値テーブルおよび最初に処理する比率データの値を各々対応する所定のレジスタにセットする(ステップS600)。ここで、比率データ数は、点滅表示させるか否か対象となる比率データの数であり、その値は5(有利区間比率、中期間連役比、中期間役比、累計連役比、累計役比)である。点滅要求フラグ用初期値は、RWMアドレスF28Eに記憶される点滅要求フラグの初期値であり、その値は00000000Bである。
点滅判定値テーブルは、各比率データを表示する際に点滅表示を行うか否かの判断基準となる値(判定値)を示すテーブルであり、図49(b)に示すように、累計役比に関する判定値は70、累計連役比に関する判定値は60、中期間役比に関する判定値は70、中期間連役比に関する判定値は60、有利区間比率に関する判定値は70になっている。なお、この図49(b)の点滅判定値テーブルは、ROMに記憶されている。
また、図49(a)に示す点滅要求フラグ生成処理では、累計役比→累計連役比→中期間役比→中期間連役比→有利区間比率の順に、各比率データに関する点滅要求フラグの値を生成する。したがって、最初に処理する比率データとして、RWMアドレスF289に記憶されている累計役比の値が所定のレジスタにセットされる。
次に主制御手段100は、ステップS600でセットされた比率データ(ここでは累計役比)の値から、対応する判定値(ここでは70)を減算する(ステップS602)。そして、減算を行ったときのキャリーフラグの値を、点滅要求フラグの初期値の最下位ビットにセットし、各ビットの値を1ビットずつ上位ビット側(左側)にシフトさせる(ステップS604)。そして、所定のレジスタに次の比率データ(ここでは累計連役比)の値をセットし(ステップS606)、比率データ数の回数だけステップS602〜S606の処理を行った否かを判断する(ステップS608)。具体的には、比率データ数の値から1を減算して0になると、ステップS608の判断結果をYESになる。
以上の処理によって、累計役比→累計連役比→中期間役比→中期間連役比→有利区間比率の順に、各々対応する判定値が減算され、その減算結果によるキャリーフラグの値が、順次、点滅要求フラグの初期値にセットされていく。そして、ステップS608の判断結果かYESになった時点で、点滅要求フラグの初期値のビットD4には累計役比に関するキャリーフラグの値、ビットD3には累計連役比に関するキャリーフラグの値、ビットD2には中期間役比に関するキャリーフラグの値、ビットD1には中期間連役比に関するキャリーフラグの値、ビットD0(最下位ビット)には有利区間比率に関するキャリーフラグの値がセットされている。すなわち、点滅要求フラグの初期値におけるビットD0〜D4の値は、各比率データの値が対応する判定値以下になっているものについては1に、各比率データの値が対応する判定値を越えているものについては0になっている。
ステップS608の判断結果かYESになると、主制御手段100は、RWMアドレスF26D〜F26Fに記憶されている総遊技回数カウンタの値を参照し、総遊技回数の値が6000回以上であるか否かを判断する(ステップS610)。そして、6000回以上になっていた場合は、判断結果がYESとなり、点滅要求フラグの初期値におけるビットD5の値を1にする(ステップS612)。これに対して6000回未満のときは、ステップS612の処理が行われないため、点滅要求フラグの初期値におけるビットD5の値は0のままとなる。
次に主制御手段100は、総遊技回数の値が175000回以上であるか否かを判断する(ステップS614)。そして、175000回以上になっていた場合は、判断結果がYESとなり、点滅要求フラグの初期値におけるビットD6の値を1にする(ステップS616)。これに対して175000回未満のときは、ステップS616の処理が行われないため、点滅要求フラグの初期値におけるビットD6の値は0のままとなる。
主制御手段100は、以上の処理を行うことによって生成した点滅要求フラグの値をRWMアドレスF28Eに記憶して(ステップS618)、図49に示す点滅要求フラグ生成処理を終了する。
<点滅表示処理の説明>
次に図50(a)に示すフローチャートを参照して、図48に示したタイマ割込処理のステップS508で実行される点滅表示処理の内容について詳しく説明する。なお、図50(a)に示す点滅表示処理は、役比モニタ103の点灯制御を行うタイミング(LED表示カウンタ値が0〜2および4)のときに実行される。
まず、主制御手段100は、RWMアドレスF012に記憶されているLED表示カウンタの値およびRWMアドレスF28Fに記憶されている比率表示番号の値を参照し、各値に応じた取得回数を所定のレジスタにセットする(ステップS600)。ここで、図50(b)に示すように、LED表示カウンタの値が1または2のとき(識別表示部ID点灯)に、比率表示番号の値が1(有利区間比率)であれば取得回数7が、比率表示番号の値が2(中期間連役比)であれば取得回数6が、比率表示番号の値が3(中期間役比)であれば取得回数6が、比率表示番号の値が4(累計連役比)であれば取得回数7が、比率表示番号の値が5(累計役比)であれば取得回数7がセットされる。
また、図50(c)に示すように、LED表示カウンタの値が4または0のとき(比率表示部RA点灯)に、比率表示番号の値が1(有利区間比率)であれば取得回数1が、比率表示番号の値が2(中期間連役比)であれば取得回数2が、比率表示番号の値が3(中期間役比)であれば取得回数3が、比率表示番号の値が4(累計連役比)であれば取得回数4が、比率表示番号の値が5(累計役比)であれば取得回数5がセットされる。このとき、LED表示カウンタの値が0だった場合は00001000Bに補正し、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にセットする。この処理は、図34に示した出力ポート4のD3(LEDデジット信号9)の値を「1」にするための処理である。また、LED表示カウンタの値が0以外のときは、その値をそのまま所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にセットする。
次に主制御手段100は、RWMアドレスF28Fに記憶されている比率表示番号の値に対応する各種比率の値を表示するためのセグメントデータを所定のレジスタにセットする(ステップS632)。たとえば、比率表示番号の値が1(有利区間比率)であれば、RWMアドレスF285に記憶されている有利区間比率データの値に対応するセグメントデータを、図35(c)に示した役比モニタ表示用のセグメントテーブルから取得してセットする。
また、比率表示番号の値が2(中期間連役比)であればRWMアドレスF286に記憶されている連続役物比率(6000回)データの値に対応するセグメントデータをセットする。また、比率表示番号の値が3(中期間役比)であればRWMアドレスF287に記憶されている役物比率(6000回)データの値に対応するセグメントデータをセットする。また、比率表示番号の値が4(累計連役比)であればRWMアドレスF288に記憶されている連続役物比率(累計)データの値に対応するセグメントデータをセットする。また、比率表示番号の値が5(累計役比)であればRWMアドレスF289に記憶されている役物比率(累計)データの値に対応するセグメントデータをセットする。
次に主制御手段100は、RWMアドレスF28Eに記憶されている点滅要求フラグの値を取得して、所定のレジスタにセットする(ステップS634)。そして、所定のレジスタにセットされた点滅要求フラグの値を、ステップS630で所定のレジスタ(点滅要求フラグの値がセットされているレジスタとは別のレジスタ)にセットした取得回数だけ、下位ビット側(右側)の方向へ1ビットずつシフトさせる(ステップS636)。このシフト処理では、最下位ビットの値がキャリーフラグにシフトし、そのときの最上位ビットには0がセットされる。
次に主制御手段100は、キャリーフラグの値が0であるか否かを判断する(ステップS638)。これにより、役比モニタ103の識別子表示部IDの表示を行う際に(LED表示カウンタの値が1または2)、比率表示番号が1、4または5(有利区間比率、累計連役比または累計役比)のときは、点滅要求フラグのビットD6の値が0か否かが判断される。これに対して、比率表示番号が2または3(中期間連役比または中期間役比)のときは、点滅要求フラグのビットD5の値が0か否かが判断される。
さらに、役比モニタ103の比率表示部RAの表示を行う際に(LED表示カウンタの値が4または0)、比率表示番号が1であれば点滅要求フラグのビットD0の値が、比率表示番号が2であれば点滅要求フラグのビットD1の値が、比率表示番号が3であれば点滅要求フラグのビットD2の値が、比率表示番号が4であれば点滅要求フラグのビットD3の値が、比率表示番号が5であれば点滅要求フラグのビットD4の値が、それぞれ0か否かが判断される。
ステップS638の判断処理で、キャリーフラグの値が0であれば、判断結果がYESとなって、RWMアドレスF290に記憶されている点滅切替フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS640)。点滅切替フラグが「1」であれば、判断結果がYESとなって、ステップS632で所定のレジスタ(点滅要求フラグや取得回数の値がセットされているレジスタとは別のレジスタ)にセットされているセグメントデータを0にクリアする(ステップS642)。
そして、所定のレジスタ(例えば、Eレジスタ)にセットされているセグメントデータを出力ポート3(図34参照)から出力する。換言すると、点滅切替フラグが「1」のときは点滅時の「消灯」を示しているため、出力ポート3から出力されるセグメントデータ(LEDセグメント信号)は「無灯」となるデータである。また、Dレジスタにセットされているデジットをオンにするためのデジットデータ(LEDデジット信号)を出力ポート4(図34参照)から出力して(ステップS644)、図50(a)に示した点滅表示処理を終了する。
また、ステップS638の判断結果がNOになったとき(キャリーフラグの値が1)、または、ステップS640の判断結果がNOになったとき(点滅切替フラグの値が0)は、直ちにステップS644へ進み、上述した所定のレジスタにセットされているセグメントデータを出力ポート3から出力して、図50(a)に示した点滅表示処理を終了する。
ここで、従来は全体の遊技に占める有利区間の割合等を知ることができず、さらにまた、実際の有利区間の割合を確認することで、有利区間の割合の設計値とかけ離れているか等の判断ができなかった。そこで、前述したように、まず、表示する内容を示す識別情報(略記(図8(c)参照))を役比モニタ103の第1のデジット(識別子表示部IDの上位桁)及び第2のデジット(識別子表示部IDの下位桁)に表示し、割合を示す情報(有利期間比率,中期間連役比,中期間役比,累計連役比,累計役比)を第3のデジット(比率表示部RAの上位桁)及び第4のデジット(比率表示部RAの下位桁)に表示可能としておく。そして、前述した図46の比率計算処理および図47の比率計算実行処理のような算出手段によって算出された有利区間の滞在割合が、特定値以上の場合には、図50に示す点滅表示処理を行うことで、第3のデジット及び第4のデジットを点滅態様で点灯制御する。
また、遊技回数を計数する計数手段(例えば図38のRWMアドレスF26Dの走卯木回数カウンタ)を有し、この計数手段が第1の値(175000)を超えていない場合には、有利区間の滞在割合を表示するとき、第1のデジット及び第2のデジットを点滅態様で点灯制御する。このように、有利区間の滞在割合を算出し、算出結果に基づいて点灯態様を変更させることによって実際の有利区間の滞在割合を確認しやすくすることができる。
以上の構成により、遊技場のスタッフや、立ち入り検査員等が、役比モニタ103に出力されている有利区間の割合を目視したとき、その値が異常なのかそうでないかの識別を容易にすることができる。
<通常区間からART中へ至る経路の説明>
上述した制御を行うスロットマシン10において、通常区間(非RT)から有利区間「ART中」(RT1)へ至る経路(ルート)の一例について図51を参照しつつ説明する。まず、初期状態である通常区間かつ非RTである状態(図51中(ア))から遊技を開始した場合、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが当選し、有利区間移行抽選に高確抽選当選すると、有利区間「高確」へ移行する。ただし抽選状態は非RTのままである(同図中(イ))。この状態でボーナス役(例えば、1BB−C、1BB−D、1BB−E、1BB−F)に当選すると、抽選状態はRT3へ移行し、当選したボーナス役が入賞すると、遊技区間は有利区間「高確中ボーナス」へ移行する(同図中(ウ))。
そして、ボーナス遊技が終了すると、遊技区間は再び有利区間「高確」に戻るが、抽選状態はRT2へ移行する(同図中(エ))。ここで、RT2では図22の役抽選テーブルが使用されるため、当選番号19(再遊技−H)が決定され得る状態となり、再遊技−Hが当選すると、有利区間「ART中」へ移行し、再遊技09または12に対応する図柄組合せが揃うと、抽選状態がRT1へ移行する(同図中(オ))。
次に、上述した経路と異なる経路として、通常区間でチャンス目に当選する前に、ボーナス役(例えば、1BB−C、1BB−D、1BB−E、1BB−F)に当選する経路がある。具体的には、通常区間かつ非RT状態(図51中(ア))において、ボーナス役(例えば、1BB−C、1BB−D、1BB−E、1BB−F)に当選すると抽選状態がRT3へ移行する。ただし遊技区間は通常区間のままである(同図中(カ))。そして、ボーナス遊技が終了すると通常区間のまま抽選状態がRT2へ移行する(同図中(キ))。
このとき、SB、再遊技03もしくは04または入賞06〜08のいずれかに対応する図柄組合せが揃ってしまうと、抽選状態は非RTへ転落してしまうが(同図中(ア))、当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが当選して、有利区間移行抽選に高確抽選当選すると、抽選状態がRT2のまま有利区間「高確」へ移行する(同図中(エ))。そして、再遊技−Hに当選して再遊技09または12に対応する図柄組合せが揃うと、有利区間「ART中」へ移行するとともに、抽選状態がRT1へ移行する(同図中(オ))。
ここで、図51中(ア)から(イ)への移行および(エ)から(オ)への移行は、設定差が設けられていないチャンス目A〜Cおよび再遊技−Hの当選が条件になっているため、一見すると設定値を変化させても有利区間「ART中」へ移行する確率を調整することができないように思える。しかしながら、通常区間かつ非RT状態から、有利区間「ART中」かつRT1へ至る経路で考えた場合、まず、図51中、(ア)→(イ)→(ウ)→(エ)→(オ)の経路では、(イ)から(ウ)へ移行する際に、設定差を持たせることができるボーナス役の当選も条件になっている。
換言すると、ボーナス役の当選確率によってRT2への移行確率を異ならせることができるようになっている。これにより、設定値に応じてボーナス役(例えば、1BB−C、1BB−D、1BB−E、1BB−F)の当選確率を異ならせることで、(ア)から(オ)へ至る確率を調整することができる。
また、図51中、(ア)→(カ)→(キ)→(エ)→(オ)の経路では、(ア)から(カ)へ移行する際に、設定差を持たせることができるボーナス役の当選が条件になっている。換言すると、ボーナス役の当選確率によってRT2への移行確率を異ならせることができるようになっている。これにより、有利区間へ移行する前にボーナス役(例えば、1BB−C、1BB−D、1BB−E、1BB−F)が当選する経路においても、設定値を変化させることで、(ア)から(オ)へ至る確率を調整することができる。
(変形例1)
上述したように、図27に示した抽選状態の移行態様および図28に示した遊技区間の移行態様によれば、有利区間から通常区間へ移行しときにRT2に滞在している場合がある(例えば、エンディング状態から通常区間へ移行したとき(図28の矢印タ参照))。このような場合、RT2において通常区間から高確(遊技状態番号2)へ移行し、さらに当選番号19に当選したときにART抽選に当選することで、ボーナス役の当選を経ることなくART中(遊技状態番号5)へ移行することになる(有利区間から図51の(キ)→(エ)→(オ)を辿る経路)。換言すると、有利区間が終了して通常区間へ移行したときの抽選状態によって、大量のメダルが払い出されるART中への移行しやすさが大きく変わってしまうことになる。
このような場合、短期間の間に莫大な量のメダルが払い出されてしまう可能性があり、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞が生じる。そこで、有利区間が終了して通常区間へ移行したときは、抽選状態が非RTに移行するまでは、通常区間中であっても有利区間移行抽選を行わないようにしてもよい。具体的には、非RTへ移行するまで当選番号20〜22のいずれかが当選したとしても有利区間移行抽選を行わないようにする。このようにすることで、ART中への移行に、必ずボーナス役の当選を介在させることができる。
換言すると、有利区間が終了して通常区間へ移行したときの抽選状態によって、ART中への移行しやすさが大きく変わってしまうことはない。なお、有利区間移行抽選が行われる通常区間と区別するため、有利区間移行抽選を行わない通常区間を復帰区間とも称する。復帰区間を非RTへ移行するまでとしたが、これは本実施形態において、最も滞在比率が大きい抽選状態が非RTであるからであり、非RTだけに限られるものでない。また、例えば有利区間から通常区間へ移行したときにRT2に滞在していることが、頻繁に起こり得るものでない場合は、非RTへ移行するまでも有利区間移行抽選を行うようにしてもよい。
なお、有利区間から通常区間へ移行した後、非RTへ移行するまでの間は、画像表示装置70の画面などに、有利区間移行抽選を行わない期間(以下、「非移行抽選期間」ともいう。)であることを表示して、遊技者に報知してもよい。また、非移行抽選期間中は、有利区間移行抽選の契機となる役(以下、「抽選契機役」ともいう。具体的には当選番号20〜22のいずれか)に当選しても、有利区間移行抽選が行われないため、遊技者に無用な期待感を持たせるのが好ましくない場合は、抽選契機役に当選しても有利区間への移行に対する期待が高まるような演出を行わないようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選を行う期間では行われている、画像表示装置70において抽選契機役に当選したことを想起させる表示や、サイドランプ52L,52R,演出用ランプ72,装飾ランプ72L,72Rにおいて抽選契機役に当選したことを想起させる点滅(または点灯)を行わないようにしてもよい。また、有利区間への移行に対する期待度が異なる複数の演出の中からいずれかの演出を行う場合、それら複数の演出の中で、有利区間への移行に対する期待度が高い演出は行わないようにしてもよい。
これに対して、非移行抽選期間であっても遊技者に有利区間への移行に対する期待を持たせたい場合(非移行抽選期間中であるか否かを遊技者に分からせたくない場合)は、非移行抽選期間においても抽選契機役したときに有利区間への移行に対する期待が高まるような演出を行ってもよい。換言すると、非移行抽選期間中であるか否かに関わらず、有利区間への移行に対する期待が高まるような演出を行ってもよい。
また、通常区間において後述するステージ演出(図60参照)を行う場合、遊技者に無用な期待感を持たせるのが好ましくなければ、非移行抽選期間中に抽選契機役が当選した場合であっても、より期待度が高いステージに移行しないようにしてもよい。例えば、ステージ1からステージ2に移行しないようにしてもよい。これに対して、非移行抽選期間であっても遊技者に有利区間への移行に対する期待を持たせたい場合は、抽選契機役が当選したときにより期待度が高いステージへ移行させてもよい。
また、有利区間から通常区間へ移行したときにRT2に滞在していた場合、より少ないゲーム数で非RTへ移行させるために、RT2から非RTへの移行条件を多く設定してもよい。例えば、図27に示す抽選状態の移行態様では、RT2から非RTへの移行条件がSB、再遊技03または04、入賞06〜08の入賞となっているが、さらにストップスイッチの押し順によって表示される図柄組合せが異なる役を抽選対象に加えて、所定の図柄組合せが表示されたときにも、非RTへ移行するようにしてもよい。加えて、RT2へ移行してから所定のゲーム数が行われたときに非RTへ移行するようにして、より確実に非RTへ移行させるようにしてもよい。
所定のゲーム数は適宜定めることができるが、本実施形態では、高確かつRT2において当選番号19が決定されると、ART抽選が行われるようにもなっているため、所定のゲーム数が少なすぎると、高確かつRT2に移行してもART抽選が行われる前に非RTへ移行してしまう虞が生ずる。ゆえに、本実施形態では、100ゲームなどの多めに定めることが好ましい。通常区間かつRT2においてSB、再遊技03または04、入賞06〜08が入賞しなかったときの保険である。もちろん、ART抽選が行われる前に非RTへ移行してもよいと考える場合は、10ゲームなどの少なめに定めることが好ましい。
また、通常区間であったとしても非移行抽選期間に限って、RT2において再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技03または04の図柄組合せが停止表示される押し順や、入賞A1〜A6のいずれかが当選したときに、入賞06〜08のいずれかの図柄組合せが停止表示される押し順を、報知するようにしてもよい。さらに、通常区間であったとしても非移行抽選期間に限って、抽選契機役が当選したときに、そのことを顕著に表す図柄組合せが停止表示されないような押し順を報知するようにしてもよい。
例えば、抽選契機役として、或る押し順では左リール40Lの上段U、中段M及び下段Dの少なくともいずれかに「チェリー」図柄が停止表示され得るが、他の押し順では左リール40Lの上段U、中段M及び下段Dのいずれにも「チェリー」図柄が停止表示されない役や、或る押し順では左リール40L、中リール40C及び右リール40Rに「スイカ」図柄が並んで停止表示され得るが、他の押し順では左リール40L、中リール40C及び右リール40Rに「スイカ」図柄が並んで停止表示されない役があり、その役に当選すると他の押し順を報知するようにしてもよい。これは、左リール40Lの上段U、中段M及び下段Dの少なくともいずれかに「チェリー」図柄が停止表示されたり、左リール40L、中リール40C及び右リール40Rに「スイカ」図柄が並んで停止表示されると、遊技者は抽選契機役に当選していたことに気が付きやすくなり、無用な期待が高まることになるためである。
(変形例2)
本実施形態では、設定値に応じて所定遊技回数当たりのメダルの払出枚数にある程度大きな差が生じるようにするために、ボーナス役を含む一部の当選番号が当選する確率に設定差を設けていた。そのため、自ずとRT2へ至る確率にも設定差が生じ、結果的に図51の(ア)から(オ)へ至る確率にも設定差が生じたり、上乗せ抽選が行われる確率にも設定差が生じてしまっていた。しかし、ボーナス役に当選する確率だけでなく、ART中へ至る確率などにまで設定差が生じてしまうとすると、遊技場のスタッフは高設定にすることを嫌がり、遊技場には低設定のスロットマシンしかないといった状況に陥る可能性がある。
変形例2は、図27に示した抽選状態の移行態様および図28に示した遊技区間の移行態様において、図51の(ア)から(オ)へ至る確率などに設定差が生じないようにするとともに、設定値に応じて所定遊技回数当たりのメダルの払出枚数にある程度大きな差が生じるようにするためのものである。これを実現するには、例えば、ボーナス役を含む所定の当選番号については、設定差を設けるが、ボーナス役を含む当選番号が当選する確率の合算(ボーナス役の合成当選確率)は設定値に依らず一定とすることが考えられる。
具体的には、図19〜図23および図26に示した非RT、RT1、RT2およびSB用の役抽選テーブルにおいて、当選番号48〜87(ボーナス役を含む当選役)に対する置数を、図52に示す置数に置き換える。図52に示す置数では、設定1から設定6において、いずれも当選番号48〜87までの合計(合算)置数が527になっている。また、図19〜図23および図26において設定差が無かった当選役(当選番号48〜56、58、60、61、63、65、67)については置数が変わらないが、設定差が有った当選役については、対応するボーナスゲームの終了条件に依って、設定値に応じた置数の変化が異なっている。
すなわち、より多くのメダルが払い出されることとなる1BB−B(終了条件が348枚を超える払い出し)に関連する当選番号57、59、62、64,66に対する置数は、設定値が大きくなる程その値が大きくなっている。これに対して、メダルの払い出しが少ない1BB−C〜F(終了条件が60枚を超える払い出し)に関連する当選番号68〜87に対する置数(の合計値)は、設定値が大きくなる程その値が小さくなる傾向を示している。
これにより、非RT、RT1から1BB−A遊技または1BB−B〜F遊技を経てRT2へ至る確率に設定差が生じないことから、設定差の有るボーナス役を含む当選番号が当選した場合にもARTに関する恩恵を与えられるようにする(RT2中の当選番号19の当選に基づく、ART抽選や上乗せ抽選を行えるようにするなど)と同時に、ARTによる利益(メダルの払出枚数)については設定値に応じた差を生じさせないようにすることができる。換言すれば、図51の(ア)から(オ)へ至る確率に設定差が生じたり、上乗せ抽選が行われる確率に設定差が生じてしまわないようにすることができる。一方、1BB−Bに関連する当選番号の当選確率については設定差が設けられていることから、所定遊技回数当たりのメダルの払出枚数にある程度大きな差が生じる(設定6では設定1のときよりも1BB−B遊技が行われやすい)ことになる。
なお、ARTに関する恩恵の付与に寄与するボーナス役を含む当選番号の当選確率についてのみ、それらの合成当選確率に設定差が生じないように定めればよく、寄与しないボーナス役を含む当選番号の当選確率を合成当選確率に算入させる必要は無い。例えば、図28に示す遊技状態の移行条件において、1BB−A〜Fの他に1BB−Gがあったと仮定し、この1BB−Gが入賞して1BB−G遊技が行われた後に非RTへ移行するとした場合、1BB−Gを含む当選番号の当選確率は設定値に応じて適宜定めればよく、上述した合成当選確率に算入する必要は無い。
また、図52に示した置数表(役抽選テーブル)では、1BB−A〜Fの6種類のボーナス役が示されているが、全てのボーナス役を備える必要は無く、このうち、終了条件となるメダルの払出枚数が最も多い1BB−Bと、最も少ない1BB−C〜Fのいずれか1つの、設定差が有る2種類のボーナス役のみ備えていればよい。さらに、役抽選テーブルにおいて、1BB役に関する抽選対象は、1BB−Bが単独で当選する場合と、例えば1BB−Cが単独で当選する場合との、2通りがあるだけでもよい。この場合、設定値が大きい程、1BB−Bの置数が大きくなり、1BB−Cの置数が小さくなるようにする一方で、両者の置数の合算値は設定値に関わらず一定にするとよい。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
次に、副制御手段200の演出抽選手段212によって実行される各種演出に関する制御内容について説明する。
<前兆演出の制御に関する説明>
まず、前兆演出の内容を決定するための前兆演出抽選処理の内容について図53に示すフローチャートを参照しつつ説明する。前兆演出抽選処理では、図40〜図44に示した各種演出抽選テーブルを用いて、前兆演出の内容を決定する。なお、図53〜図55、及び図53〜図55の説明に記載の役物当選番号や、演出グループ番号は、説明を簡易的にするために具体的な番号を例示しているだけであって、他の役物当選番号や演出グループ番号であっても適応できることは言うまでもない。
まず、演出抽選手段212は、副制御手段200のRWMに記憶されている前兆演出フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSs10)。前兆演出フラグは、現在、前兆演出を実行しているか否かを示すフラグであり、前兆演出フラグがオンになっているときは前兆演出中であることを示し、前兆演出フラグがオフになっているときは、前兆演出中でないことを示している。前兆演出フラグがオフになっているときは、ステップSs10の判断結果がNOとなり、演出抽選手段212は、主制御手段100から送信された役物当選番号の値が2であるか否かを判断する(ステップSs12)。
主制御手段100から送信された役物当選番号の値が2でなかったときは、ステップSs12の判断結果がNOとなり、次に役物当選番号の値が0であるか否かを判断する(ステップSs14)。主制御手段100から送信された役物当選番号の値が0でなかったときは、ステップSs14の判断結果がNOとなり、演出抽選手段212は、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。これに対して、主制御手段100から送信された役物当選番号の値が0であったときは、ステップSs14の判断結果がYESとなり、次に演出抽選手段212は、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が25であるか否かを判断する(ステップSs16)。そして、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が25でなかったときは、ステップSs16の判断結果がNOとなり、演出抽選手段212は、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。
一方、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が25であるときは、主制御手段100における役抽選で当選番号が35に決定されたことになる。この場合、ステップSs16の判断結果がYESとなり、演出抽選手段212は、前兆演出を実行するか否かを決定する前兆演出実行抽選を行う(ステップSs18)。
前述したステップSs12の判断処理において、主制御手段100から送信された役物当選番号の値が2であった場合は、判断結果がYESとなって、次に演出抽選手段212は、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が24または25であるか否かを判断する(ステップSs20)。そして、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が24または25のいずれでもなかったときは、ステップSs20の判断結果がNOとなり、演出抽選手段212は、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。
これに対して、主制御手段100から送信された演出グループ番号の値が24または25であるときは、主制御手段100における役抽選で当選番号が65または66に決定されたことになる。この場合、ステップSs20の判断結果がYESとなり、演出抽選手段212は、ステップSs18の前兆演出実行抽選を行う。ここで、前兆演出実行抽選の当選確率は、役物当選番号および演出グループ番号の値に関わらず一定であってもよいし、これらの値に応じて異ならせてもよい。
ステップSs20の前兆演出実行抽選を行うと、次に演出抽選手段212は、前兆演出実行抽選に当選したか否かを判断し(ステップSs22)、当選した場合は判断結果がYESとなって前述した前兆演出フラグをオンにする(ステップSs24)。これに対して、当選しなかった場合は判断結果がNOとなって、演出抽選手段212は、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。ステップSs24の処理で前兆演出フラグをオンにすると、次に演出抽選手段212は、図40(a)に示した前兆種類抽選テーブルを参照し、当選番号(正確には役物当選番号および演出グループ番号の値)に応じた前兆種類抽選を行う(ステップSs26)。
次いで演出抽選手段212は、図40(b)に示した前兆ゲーム数抽選テーブルを参照し、前兆種類抽選によって決定された前兆種類に応じて、前兆演出の長さ(前兆ゲーム数G)を決定する(ステップSs28)。さらに演出抽選手段212は、図40(c)に示した前兆シナリオ抽選テーブルを参照し、前兆種類と、決定された前兆ゲーム数Gの値とに応じてシナリオの内容を決定する(ステップSs30)。そして、決定された前兆ゲーム数Gの値から1を減算する(ステップSs32)。なお、前述したステップSs10の判断処理において、前兆演出フラグがオンになっていた場合は、判断結果がYESとなって、直ちにステップSs32を行う。
次に演出抽選手段212は、図41に示した各種演出パターン抽選テーブルのうち、ステップSs30の処理によって決定されたシナリオにおいて、現在の残りゲーム数に対応する演出カテゴリに対応する演出パターン抽選テーブルを参照して、演出パターン抽選を行う(ステップSs34)。この演出パターン抽選では、ボーナス役の当選状態と、当選役の種類等とに応じて1つの演出パターンが決定される。ここで、前兆ゲーム数Gの値が4であれば残りゲーム数は5、前兆ゲーム数Gの値が3であれば残りゲーム数は4、前兆ゲーム数Gの値が2であれば残りゲーム数は3、前兆ゲーム数Gの値が1であれば残りゲーム数は2、前兆ゲーム数Gの値が0であれば残りゲーム数は1であることを意味する。
次に演出抽選手段212は、図42〜図44に示した各種演出内容抽選テーブルのうち、ステップSs34の処理によって決定された演出パターンに対応する演出内容抽選テーブルを参照して演出内容抽選を行う(ステップSs36)。この演出内容抽選では、ボーナス役の当選状態と、当選役の種類等とに応じて1つの演出内容が決定される。そして、演出抽選手段212は、前兆ゲーム数Gの値が0になったか否かを判断し(ステップSs38)、前兆ゲーム数Gの値が0になった場合は、判断結果がYESとなって、前兆演出フラグをオフにし(ステップSs38)、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。これに対して、ステップSs38の判断処理で前兆ゲーム数Gの値が0にならなかった場合は、判断結果がNOとなり、ステップSs38の処理を行わずに、図53に示す前兆演出抽選処理を終了する。そして、上述した抽選処理によって決定された演出内容に従って前兆演出が実行される。
次に、図54および図55を参照して、ボーナス役が当選してから上述した前兆演出が行われ、その後、ボーナス役が入賞したときに実行される演出内容について説明する。ここで、図54は、通常区間中にボーナス役が当選し、その後ボーナス役が入賞したときに実行される演出内容を説明するための説明図である。また、図55は、有利区間中にボーナス役が当選し、その後、ボーナス役が入賞したときに実行される演出内容を説明するための説明図である。
まず、通常区間中に役抽選で当選番号65または66が決定され、図53のステップSs18による前兆演出実行抽選に当選すると、図40〜図44に示す各種演出抽選テーブルを参照して前兆演出の内容が決定される。ここで、図40(a)に示す前兆種類抽選デーブルから明らかなように、当選番号65が決定された場合は、前兆種類1または前兆種類2のいずれかが選択されることになるが、当選番号66が決定された場合は、必ず前兆種類2が選択される。また、前述したように、通常区間中に当選番号65が決定された場合は、待機区間を経て有利区間へ至る「特殊ルート」を辿ることになる。
以上を踏まえて、当選番号65または66が決定されてからボーナス役が入賞するまでの演出の流れについて、図54を参照して説明する。まず、通常区間中に当選番号65が決定されて前兆種類1の前兆演出が実行される場合、有利区間へ移行することが確定している(実質、ART中に移行することが確定している)ものの、まずは通常区間から待機区間へ移行するため有利区間LEDは点灯しない。そして、前兆種類1による前兆演出が終了した後、ボーナス役が入賞すると、特別なボーナス入賞時の演出(以下、「プレミアボーナス演出」ともいう。図54では「Special Epsode」の文字が表示される)が実行される。また、主制御手段100は、ボーナス役が入賞してから、次の遊技を開始するためのメダル投入が可能になるまでに、有利区間LEDを点灯させる。
次に、通常区間中に当選番号65が決定されて前兆種類2の前兆演出が実行される場合も、通常区間から待機区間へ移行するため、ボーナス役が入賞するまで有利区間LEDは点灯しない。そして、前兆種類2による前兆演出が終了した後、ボーナス役が入賞すると、前兆種類1の前兆演出が行われた場合と同様に、特別なボーナス入賞時の演出が実行される。また、主制御手段100は、ボーナス役が入賞してから、次の遊技を開始するためのメダル投入が可能になるまでに、有利区間LEDを点灯させる。これにより、例えば遊技場のスタッフが、次の遊技から有利区間へ移行することをいち早く認識することができ、有利区間「ART中」となる前にメダルを補充するなどの対応を取ることができる。
一方、当選番号66が決定されて前兆種類2の前兆演出が実行される場合は、当選番号66が決定されただけでは有利区間へ移行することは無いので、当然、有利区間LEDは点灯しない。そして、前兆種類2による前兆演出が終了した後、ボーナス役が入賞すると、通常のボーナス入賞時の演出(以下、「通常ボーナス演出」ともいう。図54ではキャラクタの画像が表示される)が実行される。また、ボーナス役が入賞したとしても、当然ながら、それによって有利区間LEDが点灯することはない。
このように、通常区間中に当選番号65または66が決定されたときに、前兆種類2の前兆演出が実行される場合は、いずれの場合も少なくともボーナス役が入賞するまで有利区間LEDは点灯しない。このため遊技者は、前兆種類2の前兆演出が行われている間、有利区間へ移行するか否かを判別することができないため、ボーナス役が入賞するまで、有利区間への移行について遊技者の期待感を維持させることができる。さらにまた、ボーナス役が入賞時の演出として有利区間LEDが点灯する場合と有利区間LEDが点灯しない場合とで異なる演出を実行することにより、有利区間LEDの点灯に気付かなかった遊技者であっても、演出画像等による演出により有利区間へ移行するボーナス遊技なのか否かを知らせることができる。
次に、有利区間中に役抽選で当選番号65または66が決定されたときに、前兆演出を実行することが決定されると、通常区間中と同様に、当選番号65が決定された場合は、前兆種類1または前兆種類2のいずれかが選択されることになるが、当選番号66が決定された場合は、必ず前兆種類2が選択される。しかしながら、有利区間中であるため有利区間LEDは既に点灯した状態になっている。
以上を踏まえて、当選番号65または66が決定されてからボーナス役が入賞するまでの演出の流れについて、図55を参照して説明する。まず、有利区間中(例えば、ガセ高確中)に当選番号65が決定されて前兆種類1の前兆演出が実行された場合、前兆演出の終了後にボーナス役が入賞すると、前述したプレミアボーナス演出を実行する。
これに対して、有利区間中(例えば、ガセ高確中)に当選番号65が決定されて前兆種類2の前兆演出が実行された場合、および、当選番号66が決定されて前兆種類2の前兆演出が実行された場合は、前兆演出の終了後にボーナス役が入賞すると、いずれの場合も前述した通常ボーナス演出を実行する。ただし、図54に示した通常ボーナス演出と異なり、通常ボーナス演出中に次回予告演出が行われ、その後、連続演出に発展する。そして、当選番号65が決定されていた場合は、連続演出の結末が勝利(ART中への移行に対する期待感を高める演出が行われる)となり、当選番号66が決定されていた場合は、連続演出の結末が敗北(ART中への移行を否定する演出が行われる)となる。
<連続演出の制御に関する説明>
本実施形態のスロットマシンは、何らかのボーナス役とレア役(例えば「チャンス目」や「強スイカ」など)とが同時に当選した場合や、当該レア役が単独で当選した場合に、演出抽選の結果によっては、4ゲームに亘って実行される連続演出を行う場合がある。この連続演出は、遊技者にボーナス役が当選したことへの期待を持たせるためのものである。
例えば図56(a)に示すように、通常区間から高確(遊技状態番号2)へ移行し、8ゲーム目にボーナス役とレア役とが同時に当選した場合において、副制御手段200における演出抽選で連続演出が選択された場合、次のゲームから連続演出が開始され、4ゲーム後に連続演出が終了してからボーナス役に当選したことが報知される。連続演出の最後(4ゲーム目における最後のストップスイッチが操作されたときや、離されたときなど)でボーナス役に当選したことが報知されるものであってもよい(以下においても同様である)。なお、前述した様に、一旦、高確またはガセ高確へ移行すると、8ゲームの間および内部中は、たとえ当選番号16が決定されても通常区間への転落抽選が行われない(すなわち、有利区間に滞在し続ける)。
ここで、例えば図56(b)に示すように、高確へ移行してから8ゲーム目にレア役が単独で当選し、9ゲーム目から連続演出が開始された場合において、9ゲーム目に通常区間への転落抽選に当選してしまうと、次のゲームで通常区間へ移行して、有利区間LEDが消灯することになる。これにより、たとえ連続演出によってボーナス役の当選への期待感を高めようとしても、有利区間LEDが消灯することによって遊技者にボーナス役が当選していないことが察知され、連続演出の興趣が著しく損なわれてしまう。
そこで、本実施形態においては、高確またはガセ高確において、滞在することが保証されている期間(転落抽選が行われない8ゲーム+転落抽選が行われ得る1ゲーム)を過ぎても連続演出が終了しない虞がある場合は、演出抽選において連続演出を選択しないようにしている。例えば図56(c)に示すように、高確へ移行してから8ゲーム目にレア役が単独で当選した場合は、演出抽選によって連続演出が選択されないように制御している。これにより、たとえ9ゲーム目で通常区間へ移行することが決定されたとしても、連続演出の興趣が損なわれることはない。
本実施形態においては、通常区間から高確またはガセ高確へ移行した場合、最低でも9ゲームの間は通常区間へ転落しないが、9ゲーム目から通常区間への転落抽選が可能な状態となる。したがって、4ゲームに亘って連続演出が行われることから、高確またはガセ高確へ移行してから6ゲームを経過した後(7ゲーム目以降)は、高確またはガセ高確に滞在している限り、連続演出を開始しないようにしている。
レア役が単独で当選した場合に限らず、ボーナス役とレア役とが同時に当選した場合にも、連続演出を開始しないようにしてもよいし、連続演出を開始するときと開始しないときの両方があるようにしてもよいが、常に連続演出を開始するようにすることは好ましくない。常に連続演出を開始するようにしていると、高確またはガセ高確へ移行してから5ゲーム目以降にレア役に当選したとき(レア役が入賞したとき)、次のゲームで連続演出が開始されればボーナス役も当選しているが、開始されなければボーナス役は当選していないという判別が可能になってしまうからである。
<上乗せ演出の制御に関する説明>
前述したように、本実施形態のスロットマシンは、ART中にボーナス役が当選したときに、ARTのゲーム数を上乗せしている。そこで、このような場合に上乗せされるゲーム数に対する期待感や遊技者の遊技意欲を高めるために、上乗せ演出を行っている。ここで、ART中に設定差の無いボーナス役が当選したときに実行される上乗せ演出の流れについて、図57(a)を参照しつつ説明する。
たとえば、RT1かつART中に滞在しているときに、設定差の無いボーナス役に当選すると、抽選状態はRT3へ移行し、上乗せ抽選が行われる(矢印(i))。これにより上乗せ抽選によって決定された上乗せゲーム数が画像表示装置70に表示され、遊技者に報知される(矢印(ii))。当選したボーナス役が入賞すると、遊技状態はART中(遊技状態番号5)からART中ボーナス(遊技状態番号7)へ移行してボーナス遊技が開始されるとともに、ボーナス遊技が開始されることを示す画像(以下、「ボーナス開始画像」ともいう。)が画像表示装置70に表示される(矢印(iii))。そして、ボーナス遊技が終了すると遊技状態はART中ボーナスからART復帰準備(遊技状態番号8)に移行し、抽選状態はRT2へ移行する(矢印(iv))。
RT2において、当選番号19(リプレイC)が決定され、再遊技09また12の図柄組合せが表示されると、抽選状態がRT2からRT1へ移行する(矢印(v))。また、このときに復帰抽選に当選すると、遊技状態はART復帰準備からART中へ移行するとともに、ARTが開始されることを示す画像(以下、「ART開始画像」ともいう。)が画像表示装置70に表示される(矢印(vi))。
次に、ART中に設定差のあるボーナス役が当選したときに実行される上乗せ演出の流れについて、図57(b)を参照しつつ説明する。RT1かつART中に滞在しているときに、設定差のあるボーナス役に当選すると、抽選状態はRT3へ移行するが、このときに上乗せ抽選は行われない(矢印(i))。ただし、設定差のあるボーナス役が当選したときは、その後のART遊技が開始されたときに行われる上乗せ抽選に必ず当選して所定の上乗せゲーム数(例えば10ゲーム)が決定される。したがって、設定差の有るボーナス役に当選したことを契機として、上乗せ抽選は行われないが、設定差の無いボーナス役が当選したときと同様に、設定差の有るボーナス役に当選した時点で画像表示装置70に上乗せゲーム数を表示する(矢印(ii))。
そして、当選したボーナス役が入賞すると、遊技状態はART中からART中ボーナスへ移行してボーナス遊技が開始されるとともに、画像表示装置70の画面にボーナス開始画像が表示される(矢印(iii))。そして、ボーナス遊技が終了すると遊技状態はART中ボーナスからART復帰準備に移行し、抽選状態はRT2へ移行する(矢印(iv))。RT2において、当選番号19(リプレイC)が決定され、再遊技09また12の図柄組合せが表示されると、抽選状態がRT2からRT1へ移行する。また、このとき復帰抽選に当選すると、遊技状態はART復帰準備からART中へ移行するとともに上乗せ抽選が行われる(矢印(v))。そして、ART開始画像が画像表示装置70に表示される(矢印(vi))。
このように、ART中に設定差の無いボーナス役が当選したときと、設定差の有るボーナス役が当選したときとでは、上乗せ抽選が行われるタイミングが異なっているが、上乗せゲーム数の報知タイミングが同じであるため、遊技者に違和感を与えることがない。また、上乗せゲーム数の報知タイミングによって、いずれのボーナス役が当選したかが察知されることがない。本実施形態では、ART中にボーナス役が当選したとき、当選した遊技で当選したことを報知する場合もあるが、次のゲームから2ゲームに亘る連続演出(これは、RT3(内部中)は、ART中において主に滞在するはずのRT1よりも役抽選でハズレとなる確率が高くなっているため(図24参照)、何回かゲームを行えば遊技結果がハズレとなる回数から内部中であることが遊技者に察知されることとなり、ボーナス当選の告知を遅らせる意味が薄いためである。)を開始し、その連続演出の終了後に当選したことを報知する場合もある。
すなわち、連続演出の終了後に報知する場合、いずれのボーナス役に当選したのかを遊技者が知るのは、上乗せゲーム数の報知タイミングよりも後である。なお、上乗せゲーム数の報知タイミングは、ボーナス役が当選した遊技であれば、スタートスイッチ36が操作された時点でもよいし、最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときでもよい。さらに、上乗せゲーム数の報知タイミングは、ボーナス役が当選した遊技に限られるものでなく、当選したボーナス役が入賞するまでの間であってもよい。ただし、ボーナス役が既に当選しているため、当選したボーナス役が入賞してしまう可能性があるので、早いタイミングである方が好ましい。
なお、図27に示した抽選状態の移行態様では、RT2においてSB、再遊技03または04、および入賞06〜08のいずれかの図柄組合せが表示されてしまうと、非RTへ移行してしまう。したがって、ボーナス遊技が終了してRT2へ移行したときは、これらの図柄組合せが表示され得る当選番号(具体的には当選番号1〜6(再遊技−A1〜A6)および当選番号25〜29(入賞−A1〜A6))が決定されたときは、これらの図柄組合せが表示されないような押し順を報知するようにしてもよい。
また、押し順に応じて9枚役、1枚役、または、取りこぼしとなる所定小役を設け、取りこぼしたときにRT2から非RTへ移行するように制御し、ボーナス遊技が終了してRT2へ移行したときに上記の所定小役が当選した場合は、取りこぼさない押し順を報知するようにしてもよい。このとき、所定小役が当選したときのリールの停止制御を、特定の押し順で操作したときは9枚役の図柄組合せが揃い、第1停止操作は特定の押し順と同じであるが第2停止操作が異なった場合は1枚役の図柄組合せが揃い、第1停止操作が特定の押し順と異なっていた場合は取りこぼす可能性がある(操作タイミングにより1枚役の図柄組合せが揃うことがある)ようにしておき、ボーナス遊技の終了後、RT2へ移行して上記の所定小役が当選したときに、特定の押し順の第1停止操作だけを報知するようにしてもよい。
すなわち、報知に従えば取りこぼすことはない(非RTへ移行することはない)が、9枚のメダルが払い出されるか、1枚のメダルが払い出されるかは、遊技者の第2停止操作次第となる。このようにすることで、ボーナス遊技終了後のRT2といったART中でない期間(多くのメダルが払い出されるべきでない期間)において、多くのメダルが払い出されることを抑制することが可能となる。なお、第1停止操作が特定の押し順と異なっていた場合は必ず取りこぼすようにしてもよい。
ただし、このような報知を行ったとしても、遊技者が押し順を間違えてしまった場合などは非RTへ移行してしまう虞があり、この場合、特に設定差のあるボーナス役が当選していたときは、ボーナス役の当選時に報知した上乗せゲーム数が、実際には反映されないことになる。これは、当選番号19(リプレイC)が決定されなくなるからである。ちなみに、非RTへ移行したときに、強制的にART中へ移行するようにしてもよい。
図57(b)の上乗せ演出では、ART中に設定差のあるボーナス役が当選した場合、上乗せ抽選が行われるよりも先に上乗せゲーム数の報知を行っていたが、上乗せ抽選が行われたときに、上乗せゲーム数の報知を行ってもよい。例えば、図58(a)に示すように、RT1かつART中に滞在しているときに、設定差のあるボーナス役に当選すると、抽選状態はRT1からRT3へ移行する(矢印(i))。そして、当選したボーナス役が入賞すると、遊技状態はART中からART中ボーナスへ移行してボーナス遊技が開始され、画像表示装置70にボーナス遊技開始画像が表示される(矢印(ii))。
ボーナス遊技が終了すると遊技状態はART中ボーナスからART復帰準備に移行し、抽選状態はRT2へ移行する(矢印(iii))。RT2において、当選番号19(リプレイC)が決定され、再遊技09また12の図柄組合せが表示されると、抽選状態がRT2からRT1へ移行する。また、このとき復帰抽選に当選すると、遊技状態はART復帰準備からART中へ移行するとともに上乗せ抽選が行われる(矢印(iv))。この上乗せ抽選によって所定の上乗せゲーム数が決定されると、画像表示装置70に上乗せゲーム数を表示する(矢印(v))。
上乗せゲーム数の表示は、上乗せ抽選が行われる遊技のスタートスイッチ36が操作された時点でもよいし、最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときでもよい。また、上乗せ抽選が行われた遊技の次の遊技のスタートスイッチ36が操作された時点でもよい。上乗せ抽選が行われる遊技の最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときに表示する場合や次の遊技のスタートスイッチ36が操作された時点で表示する場合は、上乗せゲーム数と一緒にART開始画像を画像表示装置70に表示してもよいし、上乗せゲーム数を表示した後に、ART開始画像を表示してもよい。また、このようにART遊技の開始時に上乗せゲーム数を報知する場合、それに合わせて、設定差が無いボーナス役が当選したときにも、ボーナス役の当選時に行った上乗せ抽選によって決定された上乗せゲーム数を、ART遊技の開始時に報知するようにしてもよい。このようにすることで、ART中に設定差の無いボーナス役が当選したときと、設定差のあるボーナス役が当選したときとでは、上乗せ抽選が行われるタイミングが異なっているが、上乗せゲーム数の報知タイミングが同じであるため、遊技者に違和感を与えることがなくなる。また、上乗せゲーム数を一定(例えば10ゲーム)とせずに、抽選によって上乗せゲーム数を決定し、決定された上乗せゲーム数を画像表示装置70に表示するようにしてもよい。
さらに、図58(a)に示した上乗せ演出の流れにおいて、ボーナス遊技を開始するときに、ボーナス開始画像を表示する代わりに、またはそれに加えて、上乗せゲーム数に対する期待を高めるような演出を行うようにしてもよい。例えば、図58(b)に示すように、RT1かつART中に滞在しているときに、設定差のあるボーナス役に当選すると、抽選状態はRT1からRT3へ移行する(矢印(i))。そして、当選したボーナス役が入賞すると、遊技状態はART中からART中ボーナスへ移行してボーナス遊技が開始され、画像表示装置70に上乗せゲーム数に対する期待を持たせるような画像を表示して、上乗せゲーム数期待演出を行う(矢印(ii))。
そして、ボーナス遊技が終了すると遊技状態はART中ボーナスからART復帰準備に移行し、抽選状態はRT2へ移行する(矢印(iii))。RT2において、当選番号19(リプレイC)が決定され、再遊技09また12の図柄組合せが表示されると、抽選状態がRT2からRT1へ移行する。また、このとき復帰抽選に当選すると、遊技状態はART復帰準備からART中へ移行するとともに上乗せ抽選が行われる(矢印(iv))。この上乗せ抽選によって所定の上乗せゲーム数が決定されると、これから上乗せゲーム数を表示することを示す画像(例えば「上乗せチャンス!宝箱の中身は何?」などのメッセージ)を画像表示装置70に表示して、上乗せゲーム数報知直前演出を行った後、上乗せゲーム数を報知する(矢印(v))。
ここで、上乗せゲーム数直前演出および上乗せゲーム数報知を実行するタイミングとしては、例えば、上乗せ抽選を行う遊技のスタートスイッチ36が操作されたときに上乗せゲーム数直前演出を行い、最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときに上乗せゲーム数報知を行うようにしてもよい。なお、上乗せ抽選を行う遊技のスタートスイッチ36が操作されたときに上乗せゲーム数直前演出を行い、次の遊技のスタートスイッチ36が操作されたときに上乗せゲーム数を報知するようにしてもよい。また、上乗せ抽選を行った遊技の次の遊技のスタートスイッチ36が操作されたときに上乗せゲーム数直前演出を行い、その遊技における最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときに上乗せゲーム数報知を行うようにしてもよい。
なお、上述した上乗せゲーム数期待演出で表示する「上乗せゲーム数に対する期待を持たせるような画像」としては、例えば宝箱の絵を表示するようにしてもよい。そして、表示する宝箱の材質や模様を木製、銀、金、キリン柄など、その時々で異ならせるようにする。ここで、設定差が無いボーナス役が当選したときは、ボーナス役の当選時に上乗せ抽選が行われるため、上乗せゲーム数期待演出を行うときに、当該上乗せ抽選で決定された上乗せゲーム数に応じて選択された宝箱を表示するようにするとよい。
たとえば、上乗せゲーム数が10ゲームに決定されたときは木製の宝箱が選択されやすく、30ゲームに決定されたときは銀の宝箱が選択されやすく、50ゲームに決定されたときは金の宝箱が選択されやすく、100ゲームに決定されたときはキリン柄の宝箱が選択されやすくなっているが、10ゲームに決定されたときでも僅かながらキリン柄の宝箱の表示を行う場合がある。これにより、設定差が有るボーナス役が当選したときの上乗せゲーム数期待演出で、例えばキリン柄の宝箱が表示された場合は、たとえ実際の上乗せゲーム数が10ゲームだったとしても、少なくとも上乗せゲーム数期待演出の時点では、遊技者に期待感を持たせることができる。
また、木製の宝箱、銀の宝箱、金の宝箱は、いずれのゲームに決定されたときにも選択され得るが、キリン柄の宝箱は、100ゲームに決定されたときにしか選択されないようにしてもよい。このようにすることで、例えばキリン柄の宝箱が表示された場合は、上乗せゲーム数期待演出の時点で100ゲームに決定されたことが分かるため、遊技者の興趣を向上させることができ、木製の宝箱が表示された場合にも、僅かながらであっても100ゲームが決定されている可能性があるため、遊技者に期待感を持たせることができる。
設定差が有るボーナス役が当選したときは、常に木製の宝箱が選択されるようになっていてもよいし、例えば、上乗せ抽選で決定される所定の上乗せゲーム数として、10ゲームと決められているならば、設定差が無いボーナス役が当選したときに行われる上乗せ抽選で10ゲームに決定されたときと同じ確率で、いずれかの宝箱を選択してもよい。もちろん、30ゲーム、50ゲーム、100ゲームのときも同様である。
ところで、前述したように、本実施形態のスロットマシンでは、RT2から非RTへ移行してしまう虞があり、非RTへ移行してしまうと、設定差のあるボーナス役が当選していた場合、上乗せ抽選が行われなくなってしまう。したがって、このような場合、上乗せゲーム数期待演出が行われていても、その後、上乗せゲーム数報知直前演出および上乗せゲーム数報知が行われないことになる。そこで、設定差のあるボーナス役が当選した後、RT2から非RTへ移行してしまった場合は、図59に示すような上乗せ演出を行ってもよい。
図59に示すように、RT1かつART中に滞在しているときに、設定差のあるボーナス役に当選すると、抽選状態はRT1からRT3へ移行する(矢印(i))。そして、当選したボーナス役が入賞すると、遊技状態はART中からART中ボーナスへ移行してボーナス遊技が開始されるとともに、上乗せゲーム数期待演出を行う(矢印(ii))。そして、ボーナス遊技が終了すると遊技状態はART中ボーナスからART復帰準備に移行し、抽選状態はRT2へ移行する(矢印(iii))。
RT2において、SB、再遊技03または04、および入賞06〜08のいずかれの図柄組合せが揃うと、抽選状態は非RTへ移行し(矢印(iv))、これにより、画像表示装置70において、上乗せされないことを示す上乗せ否定演出を実行する(矢印(v))。ここで、上乗せ否定演出としては、例えば、SB、再遊技03または04、および入賞06〜08のいずかれの図柄組合せが揃うことが確定したとき(最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときなど)、または非RTへ移行した最初の遊技でスタートスイッチ36が操作されたときに「無念」というメッセージを画像表示装置70に表示してもよい。また、非RTへ移行した最初の遊技でスタートスイッチ36が操作されたとき、上乗せゲーム数報知直前演出を行い、当該遊技が終了したとき(最後のストップスイッチが操作されたときや離されたときなど)に「無念」というメッセージを表示するようにしてもよい。
なお、一般的に遊技者は、上乗せゲーム数期待演出が行われる前に上乗せ抽選が行われていると考える(遊技者は、上乗せ抽選のタイミングを知らないため、上乗せ抽選が行われる前に上乗せゲーム数期待演出が行われているとは考えない。)。そのため、キリン柄の宝箱を表示し、その後に「無念」というメッセージが表示されたときの期待の裏切りは相当なものである。そこで、設定差が有るボーナス役が当選したときは、そもそも遊技者が大きな期待をしない木製の宝箱を常に選択するようにしておくことが好ましい。
<ステージ演出の制御に関する説明>
本実施形態のスロットマシンは、前述した前兆演出、連続演出などが行われていない状態であり、かつ、遊技状態が通常区間、ガセ高確、または、高確に滞在しているときは、画像表示装置70において、背景的な動画を常時表示している。以下では、表示している動画の表示態様を「ステージ」というが、本実施形態ではステージ1〜5の5種類のステージを用意している。たとえば、図60に示すように、ステージ1ではキャラクタの乗った戦車が野原を走行し、ステージ2では市街の中を彷徨し、ステージ3では荒野を彷徨し、ステージ4では室内で複数人が会議を行い、ステージ5では地下迷路を彷徨する表示態様となっている。
また、ステージ1〜5は、ART中(遊技状態番号5)への移行に対する期待度が異なっており、ステージ1が最も期待度が低く、ステージ5へ近づくほどART中への移行に対する期待度が高くなっている。そして、遊技中にレア役(例えば「チャンス目」や「強スイカ」など)が当選したときは、ステージ移行抽選を行い、抽選結果に応じてより高い期待度のステージへの移行、より低い期待度のステージへの移行、または、現在のステージに滞在、のいずれかが決定される。なお、ステージ移行抽選によって、より低い期待度のステージへの移行は行われないようにしてもよく、この場合は所定の条件を満たした(ステージの移行後に所定のゲーム数が経過した)ことによって、より低い期待度のステージへの移行が行われるようにしてもよい。また、必ずステージ1への移行が行われるようにしてもよい。
ただし、通常区間に滞在している間は、ステージの移行がステージ1とステージ2との間のみで行われるようになっている。これに対して、有利区間(すなわち、ガセ高確または高確)に滞在しているときはそのような制限は無く、ステージ1〜5の間で移行し得るようになっている。
これは、例えば、通常区間に滞在しているときは、ステージ1または2の間で移行し、有利区間(より正確にはガセ高確または高確)に滞在しているときは、ステージ3〜5の間で移行する、というように移行するステージを分けてしまうと、ステージ1または2に滞在しているときは、どちらも同じ通常区間に滞在していることになるので、ART中への期待度の低さに変わりがない。したがって、通常区間において複数のステージ間を移行し得るようにしても、ART中への移行に対する期待度に差をつけることができなくなってしまう。
これに対して、本実施形態のように、有利区間に滞在しているときはステージ1〜5の間を移行し得るようにしておき、例えば、有利区間に滞在しているときはステージ1へ移行する頻度よりもステージ2へ移行する頻度を多くする。これにより、ステージ2に滞在しているときのART中への移行に対する期待度を、ステージ1よりも高くすることができるため、通常区間に滞在しているときにステージ1からステージ2へ移行しても、ART中への移行に対する期待度を高めることきができる。
このようなステージ移行を行う場合において、例えば図61(a)に示すように、通常区間から高確(遊技状態番号2)へ移行し、2ゲーム目にレア役が当選した場合において、副制御手段200におけるステージ移行抽選により、より期待度の高いステージ(ステージ3以上)へ移行することが決定されたとする。なお、前述したように、一旦、高確またはガセ高確へ移行すると、8ゲームの間および内部中は、たとえ当選番号16が決定されても通常区間への転落抽選が行われない(すなわち、有利区間に滞在し続ける)。そして、例えば高確へ移行してから9ゲーム目に、通常区間への転落抽選に当選してしまった場合、前述したように、通常区間においてはステージ1またはステージ2の間でステージ移行するようになっているため、10ゲーム目に、現在のステージからステージ1または2へ移行する。また、必ずステージ1へ移行するようにしてもよい。
ここで、図61(b)に示すように、高確へ移行してから8ゲーム目にレア役が当選して、ステージ移行抽選によりステージ3以上のステージに移行した場合において、次の9ゲーム目で通常区間への転落抽選に当選してしまうと、次の10ゲーム目にステージ1または2へ移行することになる。すなわち、ステージ3以上の状態がわずか1ゲームで終了してしまい、遊技者を落胆させてしまう虞がある。
このような事態を避けるために、高確に滞在することが保証されている期間の終了間際にレア役が当選して、ステージ移行抽選によりステージ3以上のステージに移行することが決定された場合は、ステージの移行を行わないように制御する。本実施形態の場合は、通常区間から高確へ移行してから7ゲーム目以降は、より高い期待度のステージへの移行が決定されていても、ステージ移行を行わない。例えば図61(c)に示すように、高確へ移行してから8ゲーム目にレア役が当選して、ステージ3以上への移行が決定された場合でも、9ゲーム目は現状のステージを維持する。なお、ステージ2以下への移行が決定された場合は、9ゲーム目は決定されたステージへ移行してもよい。
これにより、ごく短期間で期待度の高いステージから低いステージに転落してしまうのを防ぐことができ、遊技者を糠喜びさせてしまうことが起こらないようにすることができる。
<エンディング状態における演出の説明>
図28を参照して、本実施形態における遊技区間の移行制御について説明したように、通常区間から有利区間へ移行して、ART中(遊技状態番号5)になると、画像表示装置70において、図62(a)に示す演出が開始され、当選番号22〜29(押し順ベル1〜6)のいずれかが決定されると、入賞01または入賞02に対応する図柄組合せが揃う押し順が報知される(同図中(b)参照)。そして、ART中に実行されたゲーム数が50ゲームになると、再び通常区間へ移行する。ただし、ART中から上乗せ特化ゾーン中(遊技状態番号6)へ移行して、その状態で上乗せ抽選に当選すると、ART中に滞在することができるゲーム数が加算される(同図中(c)参照)。
また、通常区間から有利区間へ移行した後、再び通常区間へ移行する条件(図28の矢印ウ、ク、セ参照)を満たすことなく有利区間に滞在し続けて、有利区間中に実行されたゲーム数が1450ゲームになると、エンディング状態(遊技状態番号10)へ移行し、エンディング演出が開始される。エンディング演出が開始されると、図62(d)に示すように、画像表示装置70の画面左上に、有利区間に滞在することができる残りゲーム数が表示される。一般的には、残りゲーム数を表示することはエンディング演出の妨げになると考えられ(ART中の演出とは異なり、演出の内容をしっかりと見せたいと考えられているため)行われることはなかったが、本実施形態では残りゲーム数を表示するようにしている。その理由は後述する。表示された残りゲーム数は、1ゲームが行われる毎(スタートスイッチの操作時であってもよいし、最後のストップスイッチが操作されたときであってもよいし、離されたときであってもよい。)に1ずつ減っていき、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームになると、残りゲーム数の表示を消去してもよいし、消去しなくてもよいが、エンディング画面を表示してから(同図中(e)参照)、通常区間へ移行して、通常演出(ステージ1またはステージ2など)を開始する(同図中(f)参照)。
次に、図63を参照して、エンディング演出中にボーナス役が当選したときの演出内容について説明する。上述したように、有利区間中のゲーム数が1450ゲームに到達すると、エンディング演出が開始され、画像表示装置70の画面左上には有利区間に滞在することができる残りゲーム数が表示される(図63中(a)参照)。このとき、ボーナス役が当選すると、エンディング演出は継続したまま、画像表示装置70の画面右下に当選したボーナス役に対応する図柄組合せを小さく表示して、遊技者に当選したボーナス役の種類を報知する(同図中(b)参照)。なお、ボーナス役が当選した遊技において、必ず報知されなければならないものではない。これに対して、通常区間中やエンディング状態以外の有利区間中にボーナス役が当選した場合は、図63(g)に示すように、当選したボーナス役に対応する図柄組合せを、画像表示装置70の画面中央に、大きく目立つように表示可能にしてもよい。なお、ボーナス役が当選した遊技において、必ず報知されなければならないものではなく、連続演出の終了後に報知するものであってもよい。
これにより、遊技者が当選したボーナス役を入賞させると、ボーナス遊技が開始される(同図中(c)参照)。このとき、ボーナス遊技が終了する前に有利区間中のゲーム数が1500ゲームに到達した場合、前述したエンディング画面を表示して(同図中(d)参照)、通常区間へ移行する。ただし、画像表示装置70に表示したエンディング画面はそのまま表示し続け、ボーナス遊技が終了すると、次の遊技から通常演出を開始する(同図中(f)参照)。
このように、ボーナス遊技中に有利区間中のゲーム数が1500ゲームに到達した場合、その時点でエンディング演出を終了させず、ボーナス遊技が終了するまでエンディング演出を継続させるので、遊技者にエンディング演出の余韻を味わわせることができる。また、ボーナス遊技の途中で、例えばエンディング演出からボーナス遊技中の演出に切り替わることがないので、遊技者に演出に関する違和感を与えてしまう虞がない。
またエンディング演出中にボーナス役が入賞してボーナス遊技が開始され(同図中(c)参照)、かつ、有利区間中のゲーム数が1500ゲームに到達する前にボーナス遊技が終了した場合は、ボーナス遊技の終了後もエンディング演出を継続させる(同図中(e)参照)。そして、有利区間中のゲーム数が1500ゲームに到達すると、エンディング画面を表示してから(同図中(e)参照)、通常区間へ移行して、通常演出開始する(同図中(f)参照)。
さらに、エンディング状態のときにボーナス役が当選した(当選報知も行われている)にも関わらず、遊技者が当選したボーナス役を入賞させないまま、エンディング状態から通常区間へ移行したときは、エンディング状態のときに行っていたボーナス役の当選報知(ボーナス役に対応する図柄組合せを小さく表示)から図63(g)に示すボーナス役の当選報知(大きく目立つように表示)へ切り替えてもよい。この場合、ボーナス役が当選していることが、より明確に遊技者へ報知されるため、遊技者がボーナス役に当選していることに気付き易くなる。したがって、遊技者が、ボーナス役が当選したことに気が付かないまま、役抽選のハズレ確率が高いRT3(内部中)における遊技を継続してしまう虞を低くすることができる。
なお、上述したエンディング演出は、いわゆるムービー演出であってもよい。この場合、エンディング演出(ムービー演出)の時間は、最短の時間(4.1秒)で遊技を行ったとしても1500ゲームに到達するまでに、最後までムービーを見ることができるような長さになっているのが好ましい。ムービー演出が終了しても1500ゲームに到達しなかった場合は、ムービー演出を、最初から、または、所定の位置から繰り返し実行してもよいし、ムービー演出の最後の場面で停止したままにしてもよい。
図62および図63に示したエンディング演出では、「エンディング状態」へ移行すると「通常区間」へ移行する(有利区間が終了する)までの残りゲーム数を表示していたが、例えば、「通常区間」から「有利区間」へ移行したときに残りゲーム数の表示を開始してもよい。この場合、表示される残りゲーム数の初期値は1500となる。また、「エンディング状態」へ移行した後、または、「通常区間」から「有利区間」へ移行した後、所定条件を満たしたときに残りゲーム数の表示を開始するようにしてもよい。ここで、「所定条件」としては、例えば遊技者によって特定の操作(例えば、上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチを所定の順番で操作など)が行われた場合などがある。
なお、特定の操作が如何なる操作であるかは、遊技中の演出(「上下左右の順番で操作すると、残りゲーム数が表示されるぞ」などのメッセージの表示)を行うことで遊技者に知らせてもよい。また、この演出が頻繁に行われないようにしておくことで、ほとんど遊技をしない遊技者よりも、たくさん遊技をしてくれている遊技者の方が、この演出を見ることができる機会が増えるようにすることができる。他にも、時期(遊技場に設置されてから1ヶ月以内など)や時間帯(遊技場の閉店時間間近など)によっては、この演出が行われやすくしてもよい。
上述したように、本実施形態では、エンディング演出が開始されると、有利区間に滞在することができる残りゲーム数が表示され、かつ、エンディング演出中にボーナス役が当選すると、当選したボーナス役が報知される。これらの情報に基づいて、遊技者は、ボーナス役を入賞させるのに、自分にとって最も望ましいと思われるタイミングを判断することができる。
たとえば、本実施形態では図28に示すように、「エンディング状態」が終了すると「通常区間」へ移行することになるが、このとき、抽選状態は非RTやRT1よりもRT2に滞在していた方が、より有利となる。なぜなら、本実施形態では、「高確」から「ART中」への移行契機となる当選番号19(再遊技−H、リプレイC)は、RT2でのみ当選する可能性があり、非RTやRT1では当選する可能性が無いからである。
例えば、「エンディング状態」から「通常区間」へ移行しときに、非RTやRT1に滞在していた場合は、仮に「通常区間」から「高確」に移行できたとしても、ボーナス役に当選しない限り、「ART中」への移行することはない(ボーナス遊技の終了後にRT2へ移行するようになっているため)。これに対して、「エンディング状態」から「通常区間」へ移行しときにRT2に滞在していた場合は、「通常区間」から「高確」へ移行すれば、ボーナス役の当選を待たずに当選番号19の当選によって「ART中」への移行することができる。
なお、ボーナス遊技の終了以外に非RTやRT1からRT2へ移行する条件があってもよく、「エンディング状態」から「通常区間」へ移行しときにRT2に滞在していた場合は、「通常区間」から「高確」へ移行すれば、その条件の成立を待たずに当選番号19の当選によって「ART中」への移行することができる。
このような状況において、「エンディング状態」から「通常区間」へ移行した後、効率良く「ART中」へ移行することに期待を賭ける遊技者であれば、「エンディング状態」のときにボーナス役に当選したときは、「エンディング状態」の終了時にボーナス遊技が終了するタイミングで、ボーナス役を入賞させることが考えられる。例えば、1BB−A遊技の終了条件は84枚を超えるメダルの払い出しである。そして、1BB−A遊技中はRB−Aが連続作動し、この間、毎遊技必ず払出枚数が7枚の図柄組合せが入賞ラインLbに停止表示される。これにより、1BB−A遊技の所要ゲーム数は84÷7+1=13ゲームとなる。したがって、「エンディング状態」の終了とともに1BB−A遊技を終了させるには、遊技者は、画像表示装置70に表示されている残りゲーム数が14になったときに、1BB−Aの図柄組合せを揃えるための停止操作を行い、次のゲーム(残り13ゲーム)から1BB−A遊技を開始させるとよい。
なお、残りゲーム数が14になったときに、必ず1BB−Aの図柄組合せを揃えることができるものではない(当選番号0以外が決定されていれば揃えることができない)が、次のゲーム以降に揃えればよい。また、ボーナス遊技が終了したときに、「通常区間」へ移行していれば、効率良く「ART中」へ移行させることができる可能性がある。
また、1BB−B遊技の終了条件は348枚を超えるメダルの払い出しである。そして、1BB−B遊技中はRB−Bが連続作動し、この間、毎遊技必ず払出枚数が12枚の図柄組合せが入賞ラインLaに停止表示される。これにより、1BB−B遊技中に行われる所要ゲーム数は348÷12+1=30ゲームとなる。したがって、「エンディング状態」の終了とともに1BB−B遊技を終了させるには、遊技者は、画像表示装置70に表示されている残りゲーム数が31になったときに、1BB−Bの図柄組合せを揃えるための停止操作を行い、次のゲーム(残り30ゲーム)から1BB−B遊技を開始させるとよい。なお、残りゲーム数が31になったときに、必ず1BB−Bの図柄組合せを揃えることができるものではない(当選番号0以外が決定されていれば揃えることができない)が、次のゲーム以降に揃えればよい。
また、1BB−C〜Fが当選した場合、各ボーナス遊技の終了条件は60枚を超えるメダルの払い出しであり、これらのボーナス遊技中はRB−Bが連続作動し、この間、毎遊技必ず払出枚数が12枚となる図柄組合せを優先的に入賞ラインLaに引き込むリール制御が行われることから、各ボーナス遊技中に行われる所要ゲーム数は60÷12+1=6ゲームとなる。したがって、「エンディング状態」の終了とともに1BB−C〜Fのいずれかの遊技を終了させるには、遊技者は、画像表示装置70に表示されている残りゲーム数が7になったときに、1BB−C〜Fの図柄組合せを揃えるための停止操作を行い、次のゲーム(残り6ゲーム)から入賞させたボーナス遊技を開始させるとよい。なお、残りゲーム数が7になったときに、必ず1BB−C〜Fの図柄組合せを揃えることができるものではない(当選番号0以外が決定されていれば揃えることができない)が、次のゲーム以降に揃えればよい。
また、「エンディング状態」の残りゲーム数に応じて、遊技者が好ましいと判断したタイミングで当選したボーナス役を入賞させることができる。たとえば、図24のRT3の役抽選テーブルに示すように、ボーナス内部中(RT3)におけるハズレ確率はRT1よりも高いため、RT3は遊技者に不利な状態であり、RT3の滞在期間が長引くのは、遊技者にとって好ましいとはいえない。このような状況において、例えば「エンディング状態」が残り40ゲームとなったときに1BB−C〜Fのいずれかが当選した場合において、前述したように、残り7ゲームとなるまで当選したボーナス役を入賞させないようにした場合、33ゲームはRT3(内部中)という不利な状態で遊技を行うことになる。したがって、遊技者がそのような事態を望まない場合は、直ちに当選したボーナス役を入賞させればよい。これに対して、「エンディング状態」が残り10ゲームとなったときに1BB−C〜Fのいずれかが当選した場合、遊技者は、当選したボーナス役を3ゲームだけ入賞させずに、残り7ゲームとなったときに入賞させる、といった選択を行うことができる。
ここで、「エンディング状態」の終了と、ボーナス遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になったときに、当選したボーナス役を入賞させるように促す報知(以下、「入賞タイミング報知」ともいう。)を行うようにしてもよい。本実施形態における「適した残りゲーム数」は、1BB−Aが当選したときは、残りゲーム数が14になったとき、1BB−Bが当選したときは、残りゲーム数が31になったとき、1BB−C〜Fが当選したときは、残りゲーム数が7になったときとなる。なお、ボーナス役が当選していることが報知されているときのみ、入賞タイミング報知を行うようにしてもよいし、未だボーナス役が当選していることが報知されていなければ、当選していることの報知と合わせて入賞タイミング報知を行うようにしてもよい。
入賞タイミング報知の報知態様としては、例えば、残りゲーム数の表示を赤く変化させる、点滅させる、または、拡大表示する、といったことが考えられる。またこれらの表示態様を適宜組み合わせることも考えられる。具体的には、残りゲーム数の表示を赤く変化させたうえで、点滅表示する、拡大表示する、または、点滅させつつ拡大表示する。また、残りゲーム数の表示色を変えることなく、点滅表示する、拡大表示する、または、点滅させつつ拡大表示するようにしてよい。
また、残りゲーム数ではなく、表示しているボーナス役に対応する図柄組合せの表示態様を変化させることで入賞タイミング報知を行ってもよい。具体的には、ボーナス役に対応する図柄組合せを点滅表示する、拡大表示する、点滅させつつ拡大表示する、ことなどが考えられる。さらに、図63(g)に示したような確定画面を表示してもよく、この場合、残りゲーム数の表示は維持したままでもよい。また、ボーナス役が当選したときは、入賞タイミング報知を行うまでのボーナス役に対応する図柄組合せの表示色を白、青、赤以外にし、入賞タイミング報知を行うときに、当選したボーナス役に対応する色に変化させるようにしてもよい。さらに、スロットマシン10の筐体に、副制御手段200によって制御される、いわゆるボーナスランプが設けられている場合、ボーナス役に当選したときにボーナスランプを明滅させ、入賞タイミング報知を行うときに点灯させるようにしてもよいし、その逆であってもよい。
ここで、入賞タイミング報知を行うタイミングは、「エンディング状態」の終了と、ボーナス遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になった時点に限らず、例えば、ボーナス遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になった以降のゲームにおいて、レア役(例えば図17に示す「チャンス目」や「強スイカ」など)が当選した時点で行うようにしてもよいし、単に適した残りゲーム数になった以降のゲームで行うようにしてもよい。
なお、「エンディング状態」においてボーナス役が当選したときは、当選したゲームや当選した次のゲームでボーナス役が当選したことを報知するのが望ましい。これは、RT3(内部中)は、「エンディング状態」において主に滞在するはずのRT1よりも役抽選でハズレとなる確率が高くなっているため(図24参照)、何回かゲームを行えば遊技結果がハズレとなる回数から内部中であることが遊技者に察知されることとなり、ボーナス当選の告知を遅らせる意味が薄いためである。
前述したように、本実施形態では、ボーナス役が当選すると、エンディング演出は継続したまま、画像表示装置70の画面右下に当選したボーナス役に対応する図柄組合せを小さく表示するようにしている。これは、図63(g)に示すように、画像表示装置70の画面中央に、大きく目立つように表示すると、仮に残りゲーム数を表示したままにしたとしても、遊技者に対して当選したボーナス役を入賞させなければならないのではないかといった印象を与えてしまう(選択の余地を失わせてしまう)虞があるからである。
[他の実施形態(1)]
次に、図64〜図76を参照して、上述した実施形態とは異なる他の実施形態(1)について説明する。以下に、上述した実施形態のスロットマシンと異なる点について説明する。なお、他の実施形態(1)のスロットマシンに関する機能ブロック図の構成は図16に示した機能ブロック図と同様であるが、以下に説明する各機能を実現し得るものとなっている。
<図柄および図柄配列の説明>
まず、他の実施形態(1)のリール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられる図柄の種類および図柄の配列について図64を参照して説明する。他の実施形態(1)においても前述した実施形態と同様、1つのリールの外周面に印刷される図柄数は20であり、図64中に示す矢印は、遊技中にリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、図64(b)に示すように、「BAR」の文字を示す「BAR」図柄、数字の7を青色および赤色で表した「青7」図柄および「赤7」図柄、青色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄、円形の図柄の上半分の部分を示す「上半円」図柄、および、同じく円形の図柄の下半分の部分を示す「下半円」図柄がある。「上半円」図柄と「下半円」とを合わせて二連図柄ともいう。
また、図64(a)に示す各図柄配列は、図柄番号「5」と「6」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「5」と「6」の図柄が連続することになる。
<図柄組合せと条件装置との対応の説明>
次に、図64に示した図柄配列の各リールが停止したときに、入賞ライン上に表示された図柄組合せと、条件装置との対応について図65〜図67を参照して説明する。図65〜図67に示す図柄組合せは、図67(b)に示す図柄組合せを除き、それらの図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、遊技者に対して特典が付与されるものを図示している。具体的には、図65に示す図柄組合せは再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せに対応し、図66および図67(a)に示す図柄組合せは小役の図柄組合せに対応し、図67(c)に示す図柄組合せはBB役の図柄組合せに対応している。なお、他の実施形態(1)における入賞ラインは、右下がりライン(図2の入賞ラインLaと同じライン)が1本のみ設定されている。
また、詳しくは後述するが、図67(b)に示す図柄組合せは、入賞−A1〜A6が当選したときに、図66および図67(a)に示した図柄組合せのうち、揃えることが可能な小役の図柄組合せをいずれも揃えることができなかった場合に表示される可能性がある図柄組合せ(いわゆる「こぼし目」)であり、抽選状態が移行することとなる図柄組合せ(「特定の図柄組合せ」や「RT移行こぼし目」ともいう。)でもある。
<当選役に関する説明>
次に、図68〜図70を参照して、他の実施形態(1)における役抽選の対象となる当選役の種類や、各当選役が決定されたときに作動する条件装置などについて説明する。図68は他の実施形態(1)におけるボーナス役である1BB役であり、役抽選で1BB役が決定されたときは、条件装置1BBが作動して(図68の「作動する条件装置」欄参照)、図67(c)に示した図柄組合せ「青7−青7−青7」を揃えることができる状態となる。
後述するように、他の実施形態(1)では抽選状態として「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」、「RT4」、および「BB中」があり、図68の「抽選対象の有無」欄で「○」印で示すように、1BB役を含む当選役が当選する可能性がある抽選状態は、「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」となっている。また、1BB役は小役や再遊技役と同時に当選するようになっており(図68の「重複」欄参照)、同時に当選する小役または再遊技役の種類に応じて設定差がある場合と無い場合とがある。換言すると、条件装置1BBと、小役または再遊技役に対応する条件装置とが同時に作動する複数の抽選対象があり、これら抽選対象には設定差があるものと無いものがある。ここで、設定差のある抽選対象については図68の「設定差」欄において「○」印が付され、設定差のない抽選対象について「×」印が付されている。1BB役が単独で当選する場合があってもよく、その場合、設定差が無いようにするか、それとも設定差が有るようにするかは任意に設定できる。
さらに、役抽選で設定差の無い抽選対象が決定された場合、通常区間から有利区間へ移行するか否かを決定する区間移行抽選が行われるが(図68の「区間移行抽選」欄に「○」で示す)、設定差の有る抽選対象が決定された場合は区間移行抽選が行われない(図68の「区間移行抽選」欄に「×」で示す)。また、有利区間内において、役抽選で設定差の無い抽選対象が決定された場合、遊技状態番号(換言すると、有利区間の性能)を移行させるか否かを決定する性能移行抽選が行われるが(図68の「性能移行抽選」欄に「○」で示す)、設定差の有る抽選対象が決定された場合は性能移行抽選が行われない(図68の「性能移行抽選」欄に「×」で示す)。
なお、「性能移行抽選」欄に「○」がある抽選対象が決定された場合、性能移行抽選を行うことなく、遊技状態番号を移行させてもよい。また、「性能移行抽選」欄に「○」がある抽選対象が決定された場合であっても、性能移行抽選を行う必要はない。さらに、性能移行抽選には、遊技状態番号を移行させるか否かを決定する抽選だけでなく、特定の遊技状態番号に滞在し続ける期間を延長させるか否かを決定する抽選なども含まれるようにしてもよい。
再遊技役は、図69に示すように、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3、再遊技−C〜Hの15種類が設けられている。役抽選で再遊技−A1〜A6の何れかが決定されると、再遊技01、04を含む複数の条件装置が作動するが(図69の「作動する条件装置」欄参照)、どの条件装置に対応する図柄組合せについて引込制御を行うかは、ストップスイッチの押し順に応じて異なっている。
具体的には、ストップスイッチが特定の押し順で操作された場合(押し順正解)は、再遊技04の図柄組合せを入賞ラインに揃えるリールの停止制御を行う。また、それ以外の押し順で操作されたときは、再遊技01の図柄組合せについて引込制御を行う。すなわち、再遊技1の図柄組合せが揃ったときは、押し順不正解だったことを意味する。ここで、「特定の押し順」は、再遊技−A1は左→中→右、再遊技−A2は左→右→中、再遊技−A3は中→左→右、再遊技−A4は中→右→左、再遊技−A5は右→左→中、再遊技−A6は右→中→左、となっている。
また、再遊技−A1〜A6はRT1のときだけ当選する可能性があり、当選確率の設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに再遊技−A1〜A6の何れかが決定されたときは、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
役抽選で再遊技−B1〜B3の何れかが決定されると、再遊技01、02を含む複数の条件装置が作動するが(図69の「作動する条件装置」欄参照)、どの条件装置に対応する図柄組合せについて引込制御を行うかは、ストップスイッチの押し順に応じて異なっている。具体的には、特定の押し順で操作されたとき(押し順正解)は再遊技02の図柄組合せについて引込制御が行われ、それ以外の押し順で操作されたとき(押し順不正解)は再遊技01の図柄組合せについて引込制御が行われる。
ここで、「特定の押し順」は、再遊技−B1は左ストップスイッチ27Lを第1停止操作(すなわち、左→中→右または左→右→中)、再遊技−B2は中ストップスイッチ27Cを第1停止操作(すなわち、中→左→右または中→右→左)、再遊技−B3は右ストップスイッチ27Rを第1停止操作(すなわち、右→中→左または右→左→中)になっている。
また、再遊技−B1〜B3はRT2のときだけ当選する可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに再遊技−B1〜B3の何れかが決定されたときは、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
再遊技−C〜Fについては、ストップスイッチの押し順に関係なく、作動した条件装置の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行う。ここで、再遊技−Cは非RTまたはRT4に滞在しているときに決定される可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに決定された場合は主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。再遊技−DはRT2〜RT4のいずれかに滞在しているときに決定される可能性があるが、設定差があるため、再遊技−Dが決定されても区間移行抽選および性能移行抽選は行われない。
再遊技−Eは単独で当選する場合(再遊技03のみ作動)と、1BBと同時に当選する場合(再遊技03および1BBが作動)とがある(図68の「重複」欄参照)。ここで、再遊技−Eの単独で当選する可能性は、非RTおよびRT1〜4の抽選状態においてあるのに対して、再遊技−Eと1BBの同時当選は、非RTおよびRT1〜3の抽選状態において可能性がある。また、再遊技−Eが単独で当選する確率には設定差が設けられておらず、有利区間に滞在しているときに再遊技−Eが単独で当選した場合は主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。これに対して、再遊技−Eと1BBとが同時に当選する確率には設定差が設けられているため、区間移行抽選および性能移行抽選は行われない。
再遊技−Fは、非RTおよびRT1〜3の抽選状態において1BBと同時に当選する場合があり(図69の「重複」欄参照)、当選確率に設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに当選した場合は、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。再遊技−Gは、RT2のときのみ単独で当選し、当選確率に設定差が設けられていないため、当選すると性能移行抽選が行われるようにしてもよい(図69の「重複」欄および「性能移行抽選」欄参照)。また、再遊技02、05、06、10の条件装置が作動し、左ストップスイッチ27Lが第1停止操作されたときは再遊技06の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、遊技者の操作タイミングによっては全リールの中段Mに「赤7」図柄が揃う(中段赤7揃い)可能性がある。
また、中ストップスイッチ27Cが第1停止操作されたときは、再遊技02の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、右下がりに必ず「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが揃うことになる。右ストップスイッチ27Rが第1停止操作されたときは、再遊技05の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、遊技者の操作タイミングによっては中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄が揃う可能性があるが、左リール40Lの中段Mには「赤7」図柄が揃わないため、「赤7」図柄のいわゆるテンパイの状態となる。
再遊技−Hも、RT2のときのみ単独で当選し、中段Mには「赤7」図柄が揃わない当選すると性能移行抽選が行われるようにしてもよい(図69の「重複」欄および「性能移行抽選」欄参照)。また、再遊技02、05、06〜10の条件装置が作動し、左ストップスイッチ27Lが第1停止操作されたときは、再遊技05の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、遊技者の操作タイミングによっては中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄が揃う可能性があるが、左リール40Lの中段Mには「赤7」図柄が揃わないため、「赤7」図柄のいわゆるテンパイの状態となる。
また、中ストップスイッチ27Cが第1停止操作されたときは、再遊技02の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、右下がりに必ず「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが揃うことになる。右ストップスイッチ27Rが第1停止操作されたときは、再遊技06の図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行い、この結果、遊技者の操作タイミングによっては全リールの中段Mに「赤7」図柄が揃う(中段赤7揃い)可能性がある。
ここで、各抽選状態における再遊技役の合成当選確率は、非RTが約1/7.3と、最も低く設定されており、RT1は非RTと同じ、またはほぼ同程度(ただし非RTよりも低くはない)の合成当選確率に設定されている。これに対して、RT2における再遊技役の合成当選確率は、他の抽選状態に比べて最も高く設定されており、役抽選の結果がハズレとなる確率が極めて低く(0であってもよい)設定されており、ほぼ毎ゲーム、何らかの役が当選している状態になる。
RT4における再遊技役の合成当選確率は、RT4に滞在しているときの期待値が1未満となる(すなわち、投入したメダル枚数よりも払い出されるメダル枚数が少なくなる)ように設定されている。また、当選したボーナス役を比較的早く入賞できるように、ハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されている。そして、全置数(65536)から全小役、1BB役およびハズレに対する置数を引いた残りが再遊技役に対する置数となる。RT3における再遊技役の合成当選確率は、非RTおよびRT1と、RT2との間の合成当選確率となるように適宜設定されているが、非RTと同じ、またはほぼ同程度に設定されていてもよい。
小役は、図70に示すように、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、入賞−C〜Pの23種類が設けられている。役抽選で入賞−A1〜A6の何れかが決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するが(図70の「作動する条件装置」欄参照)、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−A1およびA2は左→中→右および左→右→中(すなわち、左ストップスイッチ27Lを第1停止操作)、入賞−A3およびA4は中→左→右および中→右→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)、入賞−A5およびA6は、右→左→中および右→中→左(すなわち、右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)、となっている。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行うが、遊技者の操作タイミングによっては、図67(b)に示したパターン01およびパターン02のいずれかの図柄組合せ(RT移行こぼし目)が停止表示され得る。ただし、RT4に滞在しているときに入賞−A1〜A6のいずれかが決定された場合は、押し順に関係なく入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。これは、前述したように、RT4においてはハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されているため、RT4に滞在しているときであっても、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行うようにしていると、極端にメダルが払い出されない状態(遊技者に不利な状態)となってしまうからである。
また、入賞−A1,A3,A5の各当選確率は互いに同じ値になっており、入賞−A2,A4,A6の各当選確率も互いに同じ値になっているが、入賞−A1,A3,A5と、入賞−A2,A4,A6とでは、当選確率は異なるように設定されている。もちろん、全て同じ値になるようにしてもよい。このようにしているのは、ある押し順で遊技していれば、その他の押し順で遊技しているときよりも得をするといったことがないようにするためである。入賞−A1〜A6は非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに入賞−A1〜A6の何れかが決定されたときは、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
役抽選で入賞−B1〜B3の何れかが決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するが(図70の「作動する条件装置」欄参照)、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−B1は左→中→右、左→右→中、中→左→右および中→右→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)となる。入賞−B2は中→左→右、中→右→左、右→左→中および右→中→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。入賞−B3は左→中→右、左→右→中、右→左→中および右→中→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが必ず揃うようなリールの停止制御を行う。入賞−B1〜B3は非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、有利区間に滞在しているときに入賞−B1〜B3の何れかが決定されたときは、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
役抽選で入賞−Cが決定された場合は、押し順に関わらず入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。入賞−Cは非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があるが、当選確率には設定差が設けられており、入賞−Cが当選した場合は区間移行抽選および性能移行抽選を行わない。役抽選で入賞−D〜Lのいずれかが決定された場合は、作動した条件装置の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。また、入賞−D〜Lは、非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、通常区間に滞在しているときに入賞−D〜Lの何れかが当選した場合、他の実施形態(1)における主制御手段100(以下、単に「主制御手段100」という。)は区間移行抽選を行い、有利区間に滞在しているときは性能移行抽選を行うようにしてもよい。
入賞−M〜Pは、1BB遊技中に限って、いずれかが当選する小役であり、入賞−M〜Pのいずれかに当選したときは、それにより作動した条件装置のうち、10枚役(入賞20〜23)の図柄組合せが必ず揃うリールの停止制御を行う。また、特に有利区間に滞在しているときに入賞−M,Nが当選した場合は、当選確率に設定差が設けられていないため、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
ここで、複数の条件装置が作動しているときに、作動中の条件装置に対応する図柄組合せのうち、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せが異なる当選役を「押し順役」という。図68〜図70に示した各当選役の場合、再遊技−A1〜A6,再遊技−B1〜B3,再遊技−G,再遊技−H、および、入賞−A1〜A6,入賞−B1〜B3が押し順役となる。また、特に再遊技役に関する押し順役を「押し順リプレイ」、小役に関する押し順役を「押し順ベル」という。
さらに、押し順役が当選した遊技において、有利な遊技結果が得られる押し順を「正解押し順」といい、そうではない押し順を「不正解押し順」という。ここで、正解押し順とは、小役においてはメダル払出枚数が最も多い図柄組合せが揃うこととなる押し順をいい、再遊技役においては再遊技役の当選確率がより高い抽選状態へ移行(昇格)する図柄組合せが揃うこととなる押し順や、より低い抽選状態へ移行(転落)する図柄組合せが揃ってしまうのを回避できる押し順のことをいう。
<抽選状態の移行態様に関する説明>
次に図71を参照して、他の実施形態(1)における抽選状態の移行態様について説明する。抽選状態の初期状態はRT0(非RT)であり、例えば主制御手段100のRWMが初期化された場合、抽選状態はRT0となる(図71、矢印A参照)。RT0において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(同図、矢印B参照)。RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが停止表示されると、非RTへ移行する(同図、矢印D参照)。また、RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技04の図柄組合せが停止表示されると、RT2へ移行する(同図、矢印C参照)。
また、RT2において役抽選で再遊技−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが停止表示されると、非RTへ移行する(同図、矢印D参照)。また、RT2において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(同図、矢印B参照)。
上述した非RT、RT1、RT2および、後述するRT3において、役抽選で1BB役に当選すると、RT4へ移行する(同図、矢印E参照)。そして、RT4において1BB役が入賞すると、1BB遊技となり(同図、矢印F参照)、1BB遊技中にメダルの払出枚数が295枚を超えると、1BB遊技の終了条件が満たされて、RT3へ移行する(同図、矢印G参照)。したがって、1BB遊技中は入賞−M〜Pのいずれかが必ず当選して10枚役が入賞するため、1BB遊技中のゲーム数は30ゲームとなる。RT3では、役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(同図、矢印B参照)。
<遊技区間の移行態様に関する説明>
次に図72を参照して、他の実施形態(1)における遊技区間(遊技状態番号)の移行態様について説明する。他の実施形態(1)においては、遊技状態番号(図37,アドレスF021に準じるもの)、作動状態フラグ(図37,アドレスF016に準じるもの)および役物当選番号(図38,アドレスF033に準じるもの)の内容に基づいて、遊技中の状態を把握している。
遊技区間の初期状態は通常区間(遊技状態番号0)であり、通常区間において、役抽選で入賞D〜Lのいずれかに当選すると、区間移行抽選(ART抽選)が行われる。この区間移行抽選は、遊技区間の移行先を決定するための抽選であり、通常区間を維持(ハズレ)、ガセ前兆(遊技状態番号1)、またはART前兆(遊技状態番号2)のいずれかが決定される。各移行先が選択される確率は適宜定めればよいが、例えば、ハズレ、ガセ前兆、ART前兆の順に当選確率を高く設定してもよい。そして、区間移行抽選でガセ前兆への移行が決定された場合はガセ前兆に移行し(図72、矢印ア参照)、ART前兆への移行が決定された場合(ART抽選に当選)はART前兆に移行する(同図、矢印イ参照)。
ここで、ガセ前兆およびART前兆に滞在中に、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選すると、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する(指示番号等を表示する)。
ガセ前兆において、所定ゲーム数(ここでは9ゲームとする)が行われると、通常区間へ移行する(同図、矢印ウ参照)。ただし、ガセ前兆に滞在しているときに、入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役(入賞01)が入賞する押し順を一度も報知していなかった場合は、ガセ前兆に滞在し続け、押し順が報知されると通常区間へ移行して、次の遊技から通常区間で遊技が行われる。なお、ガセ前兆は、所定ゲーム数が行われると、次のゲームから転落抽選を行い、その転落抽選に当選すると、通常区間へ移行するものであってもよく、その場合も、入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役(入賞01)が入賞する押し順を一度も報知していなければ、転落抽選に当選していても、ガセ前兆に滞在し続け、押し順が報知されると通常区間へ移行する。このように、ガセ前兆において通常区間へ移行する条件(所定ゲーム数の消化)を満たしているにも関わらず、9枚役(入賞01)の図柄組合せが揃う押し順(以下、「9枚役の正解押し順」ともいう。)を一度も報知していないために、有利区間(この場合、ガセ前兆)に留まっている状態を「ナビ待ち」(「指示待ち」ともいう。)という。
また、ガセ前兆において、役抽選で再遊技−A1〜A6、B1〜B6、C、E〜H、および、入賞−A1〜A6、B1〜B6、D〜Lのいずれかが当選すると、性能移行抽選の一種である昇格抽選を行い、この昇格抽選に当選するとART前兆へ移行する(同図、矢印エ参照)。さらに、ガセ前兆に滞在しているときにRT3へ移行したときや、RT3に滞在している状態でガセ前兆へ移行したときは、ART準備(遊技状態番号3)へ移行する(同図、矢印カ参照)。また、ART前兆において、所定ゲーム数が行われるとART準備へ移行する(同図、矢印オ参照)。
ART準備において、役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかに当選したときや、RT2に滞在している状態で、ガセ前兆またはART前兆からART準備へ移行したときは、ART中(遊技状態番号4)へ移行する(同図、矢印キ参照)。なお、ART準備およびART中において、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときは、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する。また、ART中の滞在中に行われる遊技をART遊技といい、ART遊技は、基本的に50ゲームを1セットとして実行される。
ART遊技中に役抽選で図68〜図70に示した各種当選役のうち、設定差の無い当選役が当選したときは、性能移行抽選の一種であるARTストック抽選または上乗せ抽選を行う。そして、ARTストック抽選に当選したときはRWMの所定記憶領域に記憶されているARTストックの数を1つ加算する。ここで、ARTストックは、1セットのART遊技を行うことができる権利ということができ、1セットのART遊技が終了するときに、記憶されているARTストックの数が1以上であれば、ARTストックの値を1つ減算して、引き続きもう1セットのART遊技を行うことができる。このように、ART遊技が引き続き行われることを、「連チャン」という。
また、上乗せ抽選は、1セット中の残りのゲーム数に加算する上乗せゲーム数を決定するための抽選である。上乗せ抽選は、抽選によって上乗せするゲーム数の値を直接的に決定してもよいし、予め定められた上乗せゲーム数のうち、いずれかを抽選で選択してもよい。また、上乗せゲーム数の値は0であってもよく、上乗せゲーム数が0に決定された場合は、ハズレとして残りのARTゲーム数に上乗せゲーム数を加算しなくてもよい。なお、上乗せゲーム数が0に決定されたときも、上乗せゲーム数が0以外に決定されたときと同様、残りのゲーム数に加算する処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、処理負荷を軽減することができる。
そして、ART中の残りゲーム数が所定値になると、副制御手段200はバトル演出を行う。このバトル演出は、例えば画像表示装置70に表示された二人のキャラクタが対戦し、バトル演出の最後に一方のキャラクタが勝利(他方のキャラクタが敗北)した場合はART遊技の連チャンが確定していることを意味し、他方のキャラクタが勝利(一方のキャラクタが敗北)した場合は、ART遊技は連チャンせず、通常区間へ移行する可能性があることを意味する。バトル演出の実行期間は、残りARTゲーム数が所定値(ただし2以上)になってからART遊技の最終ゲームまでの複数のゲームに亘って行ってもよいし、ART遊技の最後の遊技が開始してから終了するまでの1ゲームで行うようにしてもよい。
ART遊技の連チャンが確定している場合でも、バトル演出の最後に一方のキャラクタが敗北するバトル演出を行い、その次の遊技で一方のキャラクタが逆転勝利するという復活演出を行う場合がある。復活演出を行うか否かは、主制御手段100によって抽選(復活演出抽選)で決定される。復活演出抽選の結果は副制御手段200にも送信され、復活演出を行うことが決定された場合は、副制御手段200によって復活演出が実行される(詳しくは後述する)。
ART中において、ART遊技の残りゲーム数が0になったときに、ARTストックの数が0だった場合、または、ARTストックの数は1以上あるが、復活演出抽選に当選した場合は、復活(遊技状態番号5)へ移行する(同図、矢印ク参照)。なお、ART遊技の残りゲーム数が0になったときに、ARTストックの数が1以上あり、かつ、復活演出抽選に当選しなかった場合は、そのままART中に滞在し、引き続き次の1セットのART遊技を開始する。なお、復活演出抽選は、ART遊技の残りゲーム数が0になったときに行ってもよいし、バトル演出を開始するとき(残りゲーム数が所定値になったとき)に行ってもよい。
復活の滞在期間は1ゲームであり、このときに副制御手段200によって復活演出が行われる(復活演出を行うことが決定されている場合に限る)。また、復活においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときのみ、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する場合がある。そして、復活において1ゲームが行われたときに、ARTストック数が1以上ある場合は、再びART中へ移行する(同図、矢印ケ参照)。このとき、復活演出の内容は、一方のキャラクタの逆転勝利となる。
これに対して、ARTストック数が0だった場合は通常区間(遊技状態番号0)へ移行し(同図、矢印コ参照)、このときは、例えば、ART準備またはART中に移行してから現在に至るまでに獲得したメダルの枚数(払い出されたメダルの枚数から賭けられたメダルの枚数を減算した枚数)などの表示が行われる。ただし、有利区間に移行してから通常区間に移行するまでに、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役(入賞01)が入賞する押し順を一度も報知していなかった場合は、復活に滞在し続け、入賞−B1〜B3が当選し、押し順が報知されると通常区間へ移行して、次の遊技から通常区間で遊技が行われる。
すなわち、ART中においても、通常区間へ移行する条件(ARTゲーム数の消化かつストック無し)を満たしているにも関わらず、有利区間へ移行してから9枚役の正解押し順が一度も報知されていない場合は、ガセ前兆と同様に、ナビ待ちの状態となる。以下、ガセ前兆でナビ待ちの状態を「ガセ前兆(ナビ待ち)」と表記し、ART中でナビ待ちの状態を「ART中(ナビ待ち)」と表記する。なお、ART中において、ARTゲーム数を消化したときにストックが無かった場合は、ART中(ナビ待ち)状態とならずに、再びガセ前兆(遊技状態番号1)へ移行するようにしてもよい。
ちなみに、有利区間に移行してから通常区間に移行するまでに、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選しており、9枚役(入賞01)が入賞する押し順が報知されていたのならば、復活において、入賞−B1〜B3が当選しても、押し順を報知しなくてもよい。また、有利区間中にボーナス遊技が行われていた場合も、復活において、入賞−B1〜B3が当選しても、押し順を報知しなくてもよい。
上述したガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中、および復活のいずれかに滞在しているときに、通常区間から有利区間へ移行してから1450ゲームが行われると、次の遊技からエンディング状態(遊技状態番号6)へ移行する(同図、矢印サ参照)。このエンディング状態では、前述した実施形態と同様のエンディング演出が実行される。また、エンディング状態において、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときは、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する。そして、エンディング状態において、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1500ゲームになると、通常区間(遊技状態番号0)へ移行する(同図、矢印シ参照)。
上述した有利区間中の各遊技状態番号(換言すると「性能」)において、ART中は役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。これは、他の実施形態(1)においては、ART中により多くのメダルが払い出されるようにして、ART中が遊技者に最も有利な状態と位置付けているためである。
また、ART準備においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。ART準備は、ART中へ移行することが確定しており(換言すると、ART中やエンディング状態以外の移行先が存在しない)、ART準備も実質的にART中の一部ということができるにも関わらず、メダルの払出枚数をART中よりも少なくしてしまうのは遊技者に酷であるという考えによるものである。
さらに、エンディング状態においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。エンディング状態は、基本的にはART中に移行した後、ARTストック抽選や上乗せ抽選に当選し続けた結果、有利区間へ移行してから1450ゲームとなったときに移行するものであり、実質的にART中の一部ということができる。また、ガセ前兆に移行した後、入賞−B1〜B3が当選しなかったため、エンディング状態に移行することもあり、その場合は、遊技者の興趣が低下しないようエンディング状態ではできるだけメダルが払い出される機会を増やそうという考えによるものでもある。
これに対して、ガセ前兆、ART前兆および復活においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している(復活においては、既に入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順が報知されていれば報知しなくてもよい)。これは、上述したように、他の実施形態(1)においては、ART中(実質的にART中の一部であるものも含む)により多くのメダルが払い出されるようにしており、ガセ前兆(ART抽選に当選したわけではない)では多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えている。しかし、ガセ前兆も有利区間であるため、ならば少なくとも一度は押し順が報知されるべきだろうという考えの下、押し順を報知することにしている。
しかしながら、入賞−A1〜A6が当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知してしまうと、押し順を報知しない通常区間(ガセ前兆と同様、ART抽選に当選したわけではない)と比べ、滞在中のメダルの払出枚数に大きな差が生じてしまう虞があった。そこで、ガセ前兆においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知するようにし、通常区間と比べ、滞在中のメダルの払出枚数に大きな差が生じないようにした。
入賞−B1〜B3はストップスイッチの全押し順(6通り)のうち4通り(入賞−A1〜A6は2通り)が正解押し順に設定されている。したがって、押し順が報知されなくても2/3(入賞−A1〜A6は1/3)の確率で9枚役が入賞することから、押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差を少なくすることができる(入賞−A1〜A6は押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差が大きくなる)。ART前兆は、ART準備と同じくART中へ移行することが確定しており、実質的にART中の一部ということができる。しかしながら、ART前兆において、入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知してしまうと、ガセ前兆のとき比べて、押し順が報知される機会が極端に多くなる。このため、画像表示装置70において、ガセ前兆とART前兆が判別できないような演出を行っていたとしても、遊技者がいずれであるか判別できてしまう虞があるため、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときは、押し順の報知を行わないようにしている。
復活は、基本的にはART遊技が終わる(連チャンしない)場合に移行する(復活演出抽選に当選したときも移行するが、圧倒的に連チャンしない場合に移行することが多い)ものであり、滞在中に多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えている。しかし、有利区間中に一度も押し順が報知されていなければ、通常区間へ移行させることができないため、押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差を少なくすることができる入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、押し順を報知するようにしている。
前述したように他の実施形態(1)では、通常区間からガセ前兆へ移行した後、そのガセ前兆から通常区間へ移行させるには、その間に少なくとも一度は入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知していることを必要としている。しかし、通常区間からART前兆へ移行した後、ART準備およびART中を経由して移行した復活から通常区間へ移行させるには、その間に一度も入賞−B1〜B3が当選していなくても、ART準備またはART中に入賞−A1〜A6のいずれかが当選し、押し順を報知していればよいものとしている。これは、入賞−A1〜A6のいずれかに当選する確率よりも、入賞−B1〜B3のいずれかに当選する確率の方が低いため、有利区間から通常区間へ移行するときは、必ず有利区間中に入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知していることを必要とするとしてしまうと、なかなか有利区間から通常区間へ移行させることができなくなってしまう虞があるからである。
すなわち、他の実施形態(1)でも、指示済みフラグを設け、指示済みフラグがFFHになっていれば、有利区間から通常区間へ移行させることができるようにしている。そして、この指示済みフラグは、ガセ前兆、ART前兆および復活においては、入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知すれば00HからFFHになり、ART準備、ART中およびエンディング状態においては、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知すれば00HからFFHになるようにしている。また、1BB遊技が開始した場合にも00HからFFHになるようにしている。
また、ガセ前兆、ART前兆や復活においては、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、押し順の報知が行われないため、仮にRT2に滞在していても、すぐにRT1へ移行することになる。
なお、他の実施形態(1)では、入賞−A1〜A6が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数と、入賞−B1〜B3が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数とは、同じ9枚となっているが、両者のメダル払出枚数に違い設けるのであれば、入賞−B1〜B3(すなわち、正解押し順の確率が高い当選役)が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数を増やす方が望ましい。
また、通常区間、ガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中および復活において、1BB役に当選したときは、1BB役が入賞するまで他の遊技状態へ移行するための処理が中断し、現在滞在している遊技状態番号が維持されるものとする。作動状態フラグおよび役物当選番号によって、遊技中の状態を把握することができるので、専用の遊技状態番号を設けなくてもよいからである。例えば、ガセ前兆、ART前兆、またはART中において、ボーナス役が当選したとき(役物当選番号が1であるとき)は、専用の遊技状態番号に移行させなくとも、各ゲーム数の減算、昇格抽選、転落抽選、ARTストック抽選、上乗せ抽選を行わないようにすることができるからである。
また、図72におけるガセ前兆の代わりに、または、ガセ前兆に加えて、1BB役に当選すると(RT3に移行すると)ART中へ移行するガセ前兆1という遊技状態と、1BB役に当選しても(RT3に移行しても)ART中へ移行しないガセ前兆2という遊技状態とを追加してもよい。この場合、通常区間からガセ前兆1またはガセ前兆2への移行は、前述した区間移行抽選によって決定し、ガセ前兆1およびガセ前兆2から通常区間への移行条件は、図72の矢印ウで示す移行条件と同じであってもよい。なお、ガセ前兆1およびガセ前兆2において、前述した昇格抽選が行われるようになっていてもよいし、一方(どちらでもよい)においては行われないようになっていてもよい。
図71に示した抽選状態の移行態様および図72に示した遊技区間の移行態様によれば、たとえば、ガセ前兆中(遊技状態番号1)に滞在しているときに1BB遊技が終了するとRT3へ移行する(図71、矢印G)。これにより、ガセ前兆からART準備(遊技状態番号3)へ移行する(1BB遊技の終了時に、RT3に移行すれば当選するART抽選を行っている)ことになり(図72、矢印カ)、ART準備において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかに当選するとART中(遊技状態番号4)へ移行することになる。すなわち、ガセ前兆中に1BB役に当選すると、必ずRT3へ移行するためART中への移行が確定する。
したがって、ガセ前兆中に1BB役に当選したときは、1BB遊技の後にART遊技が行われることを遊技者に対して事前(すなわち、ART準備に移行、RT3に移行、または、ART抽選に当選する前)に告知することができる。たとえば、図75に示すように、RT1かつガセ前兆に滞在中に1BB役に当選すると、抽選状態はRT1からRT4へ移行し(矢印(i))、このときに、後々ART遊技が開始されることを告知(ART事前告知)する(矢印(ii))。そして、当選した1BB役が入賞すると、1BB遊技が開始され、画像表示装置70の画面にボーナス開始画像が表示される(矢印(iii))。
その後、1BB遊技が終了すると抽選状態がRT3へ移行(ART抽選に当選)し(矢印(iv))、これにより、ガセ前兆からART準備に移行する(図72、矢印カ参照)。そして、RT3において、パターン01または02の図柄組合せ(図67(b)参照)が停止表示されるとRT1へ移行し(矢印(v))、RT1において再遊技04の図柄組合せ(図65参照)が停止表示されるとRT2へ移行する(矢印(vi))。また、役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかに当選したことで、ART準備からART中へ移行して(図72、矢印キ参照)、ART開始画像が画像表示装置70に表示される(矢印(vii))。
なお、ART遊技の事前告知を行うタイミングは1BB役に当選したときに限らず、1BB役に当選したことが報知されるとき(当選した遊技で報知されるときや、連続演出の終了後に報知されるとき)、当選した1BB役が入賞したとき、当選した1BB役が入賞して次の遊技で1BB遊技が開始される(すなわち、スタートスイッチ36が操作された)とき、1BB遊技中に所定の条件が満たされたとき、または、1BB遊技が終了したとき、などにしてもよい。
ここで、1BB役の当選報知時に行う事前告知の態様としては、当選した1BB役によって開始される1BB遊技が前述したノーマルビッグか、スーパービッグかを示す内容であってもよい。すなわち、この場合はスーパービッグであることが告知された場合に、ART遊技の事前告知が行われたことになる。ちなみに、通常区間において当選したときはノーマルビッグであることが告知される。また、1BB遊技の終了時に行う事前告知の態様としては、1BB遊技中に払い出されたメダルの枚数を表示しているときに、通常区間中の1BB遊技の終了時とは異なる背景画像にしてもよい。さらに、事前告知を行わず、RT3からRT1への移行条件が成立したとき(図71、矢印B)に、ARTの当選告知を行ってもよい。
なお、ART準備における画像表示装置70での演出は、事前告知が行われていれば、ART準備であることが認識できる演出が行われるが、事前告知を行っていなければ、ART準備であることが認識できる演出は行わない(例えば、ガセ前兆であったときと同じ演出(通常区間中も行われる場合がある)を行ってもよいし、ARTに当選している可能性があることを認識できる演出(通常区間中のRT3においても行われる場合がある演出)を行ってもよい。)。また、事前告知が行われているか否かに関わらず、RT3中のART準備において、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知しないようにしている。これは、RT1への移行条件を成立させるためでもあるし、事前告知が行われていない場合に、押し順が報知されてしまうと、ART準備であることが判別できてしまうからである。
ART遊技の事前告知を行う場合の副制御手段200における処理の概略としては、例えば、主制御手段100からコマンドによって送信されてきた現在の遊技状態番号と、役物当選番号とに基づいて、ガセ前兆中に1BB役が当選したか否かを判断する。そして、副制御手段200が、ガセ前兆中に1BB役が当選したと判断すると、ART遊技の事前告知タイミングを抽選によって決定し、決定されたタイミングでART遊技の事前告知を行う。
なお、上述した事前告知タイミング(1BB役に当選したとき、1BB役に当選したことが報知されるとき、当選した1BB役が入賞したとき、1BB遊技が開始されるとき、1BB遊技中に所定の条件が満たされたとき、または、1BB遊技が終了したときなど)の抽選では、「事前告知をしない」という選択肢があってもよい。また、事前告知タイミングの抽選と、事前告知を行うか否かの抽選とを別々に行い、事前告知を行うことが決定された場合に、抽選によって決定されたタイミングでART遊技の事前告知を行うようにしてもよい。なお、事前告知を行うか否かの抽選のみを行い、事前告知を行うことが決定された場合に、予め定められたタイミングでART遊技の事前告知を行うようにしてもよい。また、事前告知を行う場合も、行わない場合も、ART遊技の開始時にはART遊技の開始演出を行うようにしてもよい。
<復活(遊技状態番号5)に関する説明>
前述したように他の実施形態(1)のスロットマシンは、ART中において残りARTゲーム数が所定ゲーム数になるといわゆるバトル演出を行う。ここで、例えば図73(a)に示すように、残りARTゲーム数が8ゲームになるとバトル演出を開始し、ARTストック数が1以上であり、かつ、復活演出抽選に当選した場合、8ゲーム目(ART中の最後の遊技)で前述した一方のキャラクタが一旦は敗北する演出が行われる。そして、ART中から復活へ移行し、次の遊技(9ゲーム目)で一旦、敗北した一方のキャラクタが逆転勝利し、10ゲーム目から次のセットのART遊技が開始される。
ここで、例えばART中の最後の遊技が行われたときに、ARTストックが無かった場合はART中から通常区間へ移行する、という移行条件にした場合、図73(b)に示すように、8ゲーム目(ART中の最後の遊技)で一方のキャラクタが一旦敗北するという演出を行い、次の9ゲーム目で復活演出を行ったとしても、9ゲーム目においては通常区間に滞在しているため、有利区間LEDは消灯することになる。したがって、復活演出を行ったとしても、有利区間LEDが消灯することによって、一方のキャラクタが逆転勝利する(すなわち、ART遊技が連チャンする)可能性が無いことが遊技者に察知されてしまい、復活演出の興趣を著しく低下させてしまう。
このため、他の実施形態(1)においては、復活(遊技状態番号5)という遊技状態番号を設け、ARTストックがあるが復活演出を行う場合およびARTストックが無かった場合は、ART中から復活へ移行して有利区間に留まるようにしている。これにより、例えばARTストックが無い場合であっても有利区間LEDは点灯し続けることになるため、遊技者からすれば、8ゲーム目(ART中の最後の遊技)で一方のキャラクタが一旦は敗北する演出が行われても、次の遊技(9ゲーム目)で復活演出が行われるのではないかという期待を抱き続ける(復活演出に対する関心を維持させる)ことができる。
なお、前述した実施形態についても、図28に示した遊技区間の移行態様において、図72に示した復活という遊技状態を設けて、ARTストックがあるが復活演出を行う場合およびARTストックが無かった場合は、ART中から復活へ移行して図73(a),(c)に示したような演出制御を行ってもよい。
<連続演出の制御に関する説明>
他の実施形態(1)のスロットマシンにおいても、前述した実施形態において図56を参照しつつ説明したような連続演出を行っている。他の実施形態(1)における連続演出は、ガセ前兆、ART前兆およびART中において、ボーナス役とレア役(例えば「チャンス目」や「チャンスリプレイ」など)とが同時に当選した場合や、当該レア役が単独で当選した場合に、演出抽選の結果によって行われるものである。また、ガセ前兆やART前兆において実行される連続演出の実行期間は4ゲームであるのに対して、ART中において実行される連続演出の実行期間は2ゲームになっている。
このように、遊技状態番号に応じて連続演出の実行期間が異なるのは、ART中は主にRT2に滞在することになるため再遊技役の合成当選確率が非常に高くなっているが、1BB役に当選してRT4(内部中)へ移行すると(図71、矢印E参照)、再遊技役の合成当選確率が著しく低下することになる。したがって、ART中における連続演出の実行期間を長くしてしまうと、再遊技役が入賞する度合いの変化(具体的には減少、その分だけハズレが増加)から、1BB役に当選したことが遊技者に察知され易くなってしまう。
これに対し、ART中やエンディング状態以外の遊技状態番号(通常区間も含む)においては、RT2で遊技が行われる機会がほとんど無く、非RTまたはRT1で遊技が行われることが圧倒的に多い。そして、非RTおよびRT1における再遊技役の合成当選確率と、RT4における再遊技役の合成当選確率との差は、RT2における再遊技役の合成当選確率と、RT4における再遊技役の合成当選確率との差に比べて大差が無いため、連続演出の実行期間を4ゲームにしたとしても、1BB役に当選したことが遊技者に察知される可能性は低い。
以上の理由で、他の実施形態(1)では、ART中における連続演出の実行期間を2ゲームとし、ART中以外における連続演出の実行期間を4ゲームにしている。
次に図74を参照しつつ、他の実施形態(1)のガセ前兆(遊技状態番号1)における連続演出の実行制御について説明する。なお、ART前兆(遊技状態番号3)における連続演出の実行制御についても同様である。まず、図74(a)に示すように、通常区間からガセ前兆へ移行し、8ゲーム目に1BB役とレア役とが同時に当選した場合において、副制御手段200における演出抽選で連続演出が選択された場合、次のゲームから連続演出が開始され、4ゲーム後に連続演出が終了してから1BB役に当選したことが報知される。なお、1BB役の当選報知は、連続演出の終了後に限らず、連続演出の最後に報知してもよい。
ここで、前述した様に、ガセ前兆に滞在しているときに1BB役に当選すると、他の遊技状態へ移行するための処理を中断するため、ガセ前兆の滞在ゲーム数をカウントする処理も中断される。これにより、ガセ前兆が開始されてから9ゲームが経過しても通常区間に移行せず、有利区間LEDは点灯し続ける。したがって、連続演出の最後(または終了後)に、1BB役が当選したことが報知されることによって、遊技者は、連続演出の終了後も有利区間における遊技が継続することを知ることができる。すなわち、上述した連続演出は、その連続演出の終了後も有利区間における遊技が継続するか否かを報知するものであるといえる。
なお、他の実施形態(1)においては、ガセ前兆に滞在しているときに1BB役に当選すると、1BB遊技の終了後にRT3へ移行し(図71、矢印G)、この結果、ART準備へ移行する(図72、矢印カ)。したがって、連続演出の最後(または終了後)に、1BB役が当選したことと併せて、将来的に(より具体的には、1BB遊技の終了後に)ART遊技が開始されることを報知するようにしてもよい。これにより、遊技者は連続演出の終了後、1BB遊技を経てART中へ移行することを知ることができる。すなわち、このような報知を行う連続演出も、その連続演出の終了後も有利区間における遊技が継続するか否かを報知するものであるといえる。
これに対して、例えば図74(b)に示すように、ガセ前兆の8ゲーム目にレア役が単独当選した場合は、ガセ前兆の滞在ゲーム数のカウントは中断されないため、ガセ前兆の状態は開始されてから9ゲームで終了し、10ゲーム目から通常区間で遊技が行われることになる。これにより、レア役が単独当選した次の遊技から連続演出を開始すると、連続演出の途中で通常区間へ移行し、有利区間LEDが消灯することになる。したがって、1BB役が当選していないことが察知され、実行中の連続演出の興趣が著しく損なわれる虞がある。
そこで、他の実施形態(1)においては、ガセ前兆において、滞在期間(9ゲーム)を過ぎても連続演出が終了しない虞がある場合は、演出抽選において連続演出を選択しないようにしている。例えば、図74(c)に示すように、ガセ前兆へ移行してから8ゲーム目にレア役が単独で当選した場合は、演出抽選によって連続演出が選択されないように制御している。これにより、たとえ10ゲーム目から通常区間へ移行した場合であっても、連続演出の興趣が損なわれることはない。
他の実施形態(1)においては、ガセ前兆の滞在期間が9ゲームであるため、10ゲーム目から通常区間へ移行し得る状態となる。したがって、4ゲームに亘って連続演出が行われる場合、ガセ前兆へ移行してから5ゲームを経過した後(6ゲーム目以降)は、連続演出を開始しないようにしている。なお、これはレア役が単独当選したときだけでなく、1BB役とレア役とが同時に当選した場合においても同様である。しかし、1BB役とレア役とが同時に当選した場合においては、連続演出が開始する場合があってもよいが、開始しない場合も必要である。そうでないと、レア役が入賞した次遊技に連続演出が開始したときは1BB役の当選であり、連続演出が開始しなければ1BB役の当選でないということになり、1BB役に当選したか否かが容易に判別できてしまうからである。
<エンディング状態における演出の説明>
他の実施形態(1)のエンディング状態においても、図62および図63を参照して説明した先の実施形態におけるエンディング演出と、同様の演出を行ってもよい。これにより、他の実施形態(1)においても、エンディング演出が開始されると、有利区間に滞在することができる残りゲーム数が表示され、かつ、エンディング演出中にボーナス役が当選すると、当選したボーナス役が報知される。これにより、遊技者は、これらの情報に基づいて、ボーナス役を入賞させるのに自分にとって最も望ましいと思われるタイミングを判断することができる。
たとえば、前述したように、他の実施形態(1)における1BB遊技は、30ゲームで終了するが、エンディング状態で1BB役に当選したときは、1BB遊技が終了するタイミングとエンディング状態が終了するタイミングとを一致させた方が有利であるという考え方がある。これは、エンディング状態よりも1BB遊技の方が早く終了してしまうと、1BB遊技後のエンディング状態において、抽選状態がRT3からRT1へ移行する可能性があり、その場合、通常区間でガセ前兆に移行したとしても、ART中への移行が確定しなくなってしまうからである。換言すれば、RT3の滞在中に、通常区間からガセ前兆に移行すれば、ART中への移行が確定するようになっているためである。なお、1BB遊技が終了したときに、通常区間に移行していればよいので、1BB遊技中にエンディング状態が終了していても構わない。
これに対して、エンディング状態で1BB役に当選したときは、できるだけ早い段階で1BB遊技を開始した方が有利であるという考え方もある。例えば、エンディング状態へ移行した直後に1BB役に当選した場合、抽選状態はRT4へ移行するが、前述したように、RT4における役抽選の確率は、メダルが減少する(期待値が1未満)ように設定されている。また、エンディング状態においては、ART中と同様、入賞−A1〜A6およびB1〜B3が当選したときに、9枚役が入賞する押し順が報知される。そこで、RT4の滞在期間をできるだけ短くし、1BB遊技の終了後にエンディング状態で行う遊技回数をできるだけ確保するために、早急に1BB役を入賞させた方が有利であるという考え方もある。
したがって、エンディング状態のときに、画像表示装置70にエンディング状態(有利区間)の残りゲーム数を表示することで、遊技者が好ましいと判断したタイミングで当選した1BB役を入賞させることができる。
ここで、エンディング状態の終了と、1BB遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になったときに、当選したボーナス役を入賞させるように促す報知(以下、「入賞タイミング報知」ともいう。)を行うようにしてもよい。この「適した残りゲーム数」は、例えば、エンディング状態の残りゲーム数が31になったときである。なお、ボーナス役が当選していることが報知されているときのみ、入賞タイミング報知を行うようにしてもよいし、未だボーナス役が当選していることが報知されていなければ、当選していることの報知と合わせて入賞タイミング報知を行うようにしてもよい。
入賞タイミング報知の報知態様としては、例えば、残りゲーム数の表示を赤く変化させる、点滅させる、または、拡大表示する、といったことが考えられる。またこれらの表示態様を適宜組み合わせることも考えられる。具体的には、残りゲーム数の表示を赤く変化させたうえで、点滅表示する、拡大表示する、または、点滅させつつ拡大表示する。また、残りゲーム数の表示色を変えることなく、点滅表示する、拡大表示する、または、点滅させつつ拡大表示するようにしてよい。
また、残りゲーム数ではなく、表示している1BBの図柄組合せの表示態様を変化させることで入賞タイミング報知を行ってもよい。具体的には、1BBの図柄組合せを点滅表示する、拡大表示する、点滅させつつ拡大表示する、ことなどが考えられる。さらに、図63(g)に示したような確定画面を表示してもよく、この場合、残りゲーム数の表示は維持したままでもよい。また、スロットマシン10の筐体に、副制御手段200によって制御される、いわゆるボーナスランプが設けられている場合、1BB役に当選したときにボーナスランプを明滅させ、入賞タイミング報知を行うときに点灯させるようにしてもよいし、その逆であってもよい。
ここで、入賞タイミング報知を行うタイミングは、「エンディング状態」の終了と、1BB遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になった時点に限らず、例えば、1BB遊技の終了とを一致させるのに適した残りゲーム数になった以降のゲームにおいて、レア役(例えば図70に示す「チャンス目」、「スイカ」や「チェリー」など)が当選した時点で行うようにしてもよいし、単に適した残りゲーム数になった以降のゲームで行うようにしてもよい。
また、エンディング状態において1BB役が当選したときは、当選したゲームや当選した次のゲームで1BB役が当選したことを報知するのが望ましい。これは、RT4(内部中)は、役抽選でハズレとなる確率が高くなるように設定されているため、何回かゲームを行えば遊技結果がハズレとなる回数から内部中であることが遊技者に察知されることとなり、1BB役が当選した旨の告知を遅らせる意味が薄いためである。
なお、残りゲーム数の表示は、エンディング状態へ移行してから通常区間へ移行する(有利区間が終了する)までに限らず、例えば、通常区間から有利区間へ移行したときに残りゲーム数の表示を開始してもよい。この場合、表示される残りゲーム数の初期値は1500となる。また、エンディング状態へ移行した後、または、通常区間から有利区間へ移行した後、所定条件を満たしたときに残りゲーム数の表示を開始するようにしてもよい。ここで、「所定条件」としては、例えば遊技者によって特定の操作が行われた場合などがある。
また、エンディング状態のときに1BB役が当選した(当選報知行われている)にも関わらず、遊技者が1BB役を入賞させないまま、エンディング状態から通常区間へ移行したときは、エンディング状態のときに行っていた1BB役の当選報知(1BBの図柄組合せを小さく表示)から図63(g)に示す1BB役の当選報知(大きく目立つように表示)へ切り替えてもよい。これにより、1BB役が当選していることが、より明確に遊技者へ報知されるため、遊技者が1BB役に当選していることに気付き易くなる。したがって、遊技者が、1BB役が当選したことに気が付かないまま、期待値が低い(1未満)RT4(内部中)における遊技を継続して行ってしまう虞を低くすることができる。
≪遊技区間の移行態様に関する変形例の説明≫
前述した他の実施形態(1)では、遊技中の状態の把握を、遊技状態番号(図37,アドレスF021に準じるもの)、作動状態フラグ(図37,アドレスF016に準じるもの)および役物当選番号(図38,アドレスF033に準じるもの)の内容に基づいて行っていた。これに対して、変形例においては、図76に示すように、遊技中の状態の把握を、遊技状態番号のみに基づいて行っている。ただし、主制御手段100は、1BB役が当選したときの遊技状態番号を、RWMに設けられた固有のアドレス(以下、「バックアップ領域」という。)に保存するという制御を行うものとする。なお、バックアップ領域に保存された遊技状態番号は、次に上書きされるまで保持され、有利区間から通常区間へ移行するときにクリアされる。変形例においては、遊技中の状態を2つの情報のみで把握できるため、頻繁に遊技中の状態を把握する必要がある場合に適している。
また、図76において、ガセ前兆(遊技状態番号1)、ART前兆(遊技状態番号2)、ART準備(遊技状態番号3)、ART中(遊技状態番号4)およびエンディング状態(遊技状態番号5)に関する移行態様については、図72に示した遊技区間の移行態様とほぼ同一であるため、詳しい説明は省略する。ただし、図76に示す遊技状態には図72の復活という遊技状態が存在せず、ART中の残りARTゲーム数が0となり、かつ、ARTストックが無かった場合は、通常区間へ移行する。このとき、9枚役が揃う押し順が一度も報知されていなかった場合(入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれにも当選していなかった場合)は、入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに、9枚役が揃う押し順が少なくとも一度報知されるまで、ART中に滞在し続ける(ART中(ナビ待ち)となる)。また、ガセ前兆からART前兆へ移行するか否かを決定する昇格抽選を行う契機となる当選役は、入賞−D〜G、入賞−I〜Jとなる。
ART中の残りゲーム数が0となったということは、ART遊技が終わっているということであるため、引き続きART中に滞在していたとしても、この状態において多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えている。しかし、有利区間中に一度も押し順が報知されていなければ、通常区間へ移行させることができないため、押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差を少なくすることができる入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、押し順を報知するようにしている。すなわち、他の実施形態(1)の変形例でも、指示済みフラグを設け、指示済みフラグがFFHになっていれば、有利区間から通常区間へ移行させることができるようにしている。そして、この指示済みフラグは、ガセ前兆、ART前兆およびART中(残りゲーム数が0)においては、入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知すれば00HからFFHになり、ART準備、ART中(残りゲーム数が1以上)およびエンディング状態においては、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知すれば00HからFFHになるようにしている。また、1BB遊技が開始した場合にも00HからFFHになるようにしている。
図76に示す移行態様と、図72に示した移行態様との大きな違いは、ガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中およびエンディング状態において、1BB役に当選したときの移行態様である。すなわち、ガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中またはエンディング状態のいずれかに滞在しているときに1BB役が当選すると、そのときに滞在していた遊技状態番号を前述したバックアップ領域に保存して、有利区間中内部中(遊技状態番号6)へ移行する(図76、矢印サ参照)。
そして、有利区間中内部中において、1BB役が入賞すると、すなわち、有利区間中ボーナス(遊技状態番号7)へ移行し(同図、矢印シ参照)、さらに1BB遊技が終了すると、有利区間中ボーナス後(遊技状態番号8)へ移行する(同図、矢印ス参照)。ただし、ガセ前兆(ナビ待ち)の状態になっていたとき、または、ART中(ナビ待ち)の状態になっていたときに1BB役が当選した場合は、1BB遊技が終了すると有利区間中ボーナス後(遊技状態番号8)ではなく、通常区間へ移行する(同図、矢印タ参照)。
これは、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)の状態は、いずれも通常区間へ移行する本来の条件(ガセ前兆(ナビ待ち)は所定ゲーム数の消化、ART中(ナビ待ち)は所定のARTゲーム数の消化)を満たしているものの、有利区間へ移行したことによる利益(具体的には最も払出枚数が多い小役が入賞する押し順の報知)が一度も付与されていないために、有利区間に留まっている状態である。したがって、有利区間において、1BB遊技が行われたことによって遊技者に一定の利益が与えられたため、通常区間へ移行する本来の条件が満たされている以上、そのまま有利区間に留まり続けるのは適切ではないとの考えに基づくものである。
有利区間中ボーナス後において、入賞−A1〜A6の何れかが当選し、かつパターン01または02のいずれかの図柄組合せされると、1BB役が当選したときに滞在していた遊技状態番号(バックアップ領域に保存していた遊技状態番号)に応じて異なる遊技状態へ移行する。具体的には、バックアップ領域に記憶されていた遊技状態番号が、エンディング状態の遊技状態番号(遊技状態番号5)を示していた場合はエンディング状態へ移行する(同図、矢印ソ参照)。これに対して、バックアップ領域に記憶されていた遊技状態番号がエンディング状態以外の遊技状態番号だった場合は、ART準備(遊技状態番号3)へ移行する(同図、矢印セ参照)。なお、バックアップ領域に記憶されていた遊技状態番号がエンディング状態以外の遊技状態番号であっても、通常区間から有利区間に移行してからのゲーム数が1450ゲーム以上になっていたときは、エンディング状態へ移行させてもよい。
また、有利区間中内部中、有利区間中ボーナスまたは有利区間中ボーナス後に滞在しているときに、有利区間に移行してから1500ゲームが行われた場合は、通常区間(遊技状態番号0)へ移行する(同図、矢印コ参照)。
なお、有利区間中ボーナス(遊技状態番号7)に滞在しているときに、特定の役が当選した場合、バックアップ領域に記憶されていた遊技状態番号がART中であることを示していたときは、ARTゲーム数の上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
有利区間中は、非有利区間(通常区間)と役の抽選確率を異ならせてもよい(確率変動させてもよい)。具体的には、有利区間中はボーナス役(1BBなど)や特定の役(押し順ベルなど)が高い確率で当選する役抽選テーブルを使用したり、非有利区間中は抽選していないボーナス役や特定の役を有利区間中は高い確率で当選するように抽選を行う役抽選テーブルを使用する。すなわち、役抽選テーブルとして、RT1時の役抽選テーブル(非有利区間用)、RT1時の役抽選テーブル(有利区間用)、RT2時の役抽選テーブル(非有利区間用)、RT2時の役抽選テーブル(有利区間用)などが設けられている。
ある抽選状態時の役抽選テーブル(非有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があるとすると、ある抽選状態時の役抽選テーブル(有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率1%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率1%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよい。
そして、有利区間の終了時に有利区間に関連する情報をクリアすると共に、次遊技から元の役抽選テーブル(非有利区間用)を使用するようにする。また、有利区間中の特定の抽選状態(例えばRT2)でのみ確率変動させるようにしてもよい。このように、有利区間中のみ確率変動させることで無制限にメダルが払い出されることを防ぎつつ(1500ゲームの範囲でのみ多くのメダルが払い出される)、非有利区間と1遊技あたりのメダルの獲得期待値を異ならせることが可能となる。
有利区間に移行したことに基づき、抽選状態を移行させてもよい。例えば、RT5という新たな抽選状態を設け、有利区間に移行したときにRT5に移行させ、有利区間が終了するときに、元の抽選状態に移行させてもよいし、一律で非RTへ移行させてもよい。また、ART準備を設けることなく、ART前兆において所定ゲーム数が行われると、ART中へ移行するとともに、RT5へ移行させてもよいし、有利区間が終了するときに、元の抽選状態に移行させてもよいし、一律で非RTへ移行させてもよい。もちろん、RT5という新たな抽選状態を設けず、RT2に移行させてもよい。
<有利区間における押し順報知の説明>
(押し順報知の対象となる当選役の種類)
次に図77〜図82を参照して、有利区間における押し順報知の制御について説明する。まず、図77を参照して、有利区間における各遊技状態(遊技状態番号)において、正解押し順が報知されることとなる押し順役の種類について説明する。ART準備(遊技状態番号3)およびART中(遊技状態番号4)は、有利区間の中では1BB遊技と並んで有利な状態であり、正解押し順が報知される押し順役は、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3となる。
また、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選したときに報知される正解押し順は、入賞01(9枚役)の図柄組合せが揃う押し順となる。正解押し順の報知態様は、入賞−A1〜A6の何れかが当選した場合、第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類(左、中、右のいずれか1つ)を示すものである。また、前述したように、入賞−B1〜B3は、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順(第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類)が各々2通りあるが、このうち正解押し順として報知される第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類は一方のみである。これは、入賞−B1〜B3が当選したときも、正解押し順の報知態様を入賞−A1〜A6と同様にすることで、どちらの小役が当選したのか遊技者が判別できないようにするためである。
なお、入賞−B1〜B3が当選したときに、2通りある正解押し順のうちどちらを報知するのかについては、入賞・再遊技当選番号に応じて予め定めておいてもよいし、抽選によって決めてもよい。ただし、抽選によって報知する押し順を決定する場合は、2通りある正解押し順から一方を選択する確率は均等であることが望ましい。もちろん、2通りある正解押し順を遊技者にすべて報知するようにしてもよい。
また、RT1に滞在しているときに再遊技−A1〜A6が当選したときは、再遊技04の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知され、これにより、再遊技04の図柄組合せが揃ったときは、抽選状態がRT2へ移行(昇格)する。RT2に滞在しているときに再遊技−B1〜B3が当選したときは、再遊技02の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知される。これにより、正解押し順に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、再遊技01の図柄組合せが揃わずに、再遊技02の図柄組合せが揃い、抽選状態がRT2のまま維持(転落回避)される。
エンディング状態(遊技状態番号5)においても、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3のいずれかが当選すると、ART準備およびART中と同様に正解押し順が報知される。本実施形態のスロットマシンでは、遊技者の射幸心を著しく煽らないようにするため、想定以上にARTスクトック数が蓄積されてART遊技がどんなに連チャンがしたとしても、有利区間において1500ゲームが行われると、強制的に通常区間へ移行するようになっている。そこで、ART遊技が連チャンしているときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1450ゲームに達すると、エンディング状態へ移行して、エンディング演出を開始することで、有利区間が終了する(有利区間から通常区間へ移行する)時期が近づいていることを知らせている。したがって、この場合、ART遊技が継続しているときにエンディング状態へ移行したのであるから、正解押し順の報知についてもART中と同様であるべきである。なお、エンディング演出には、有利区間へ移行してから1500ゲームに達するまでART遊技が連チャンしたことに対して、遊技者の満足度や達成感を高める目的もある。
また、可能性としては低いが、有利区間へ移行してから1450ゲームが行われても、一度も9枚役の図柄組合せが揃う押し順が報知されなかった場合も、エンディング状態へ移行する。この場合、有利区間へ移行してしてから一度も9枚役の図柄組合せが揃う押し順が報知されることなく、通常区間へ移行してしまうのは、遊技者にとって酷である。したがって、せめて1451〜1500ゲームまでの50ゲームの間は、ART中と同様に遊技者に有利な状態の遊技を提供する、という救済的な意味合いも有する。
図77に戻り、ガセ前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)(遊技状態番号1)およびART前兆(遊技状態番号2)では、前述したように、正解押し順が報知される押し順役が入賞−B1〜B3のみとなる。なお、入賞−B1〜B3が当選したときの正解押し順の報知態様は、ART準備、ART中およびエンディング状態において入賞−B1〜B3が当選したときと同様である。
ここで、ART中であってもナビ待ち状態であるときは、入賞−B1〜B3が当選したときにしか正解押し順が報知されない。この状態は、所定のARTゲーム数(50ゲーム)は消化し、新たなART遊技を開始する条件を満たしていない(すなわち、ARTのストックがない)にも関わらず、有利区間へ移行してから9枚役の正解押し順が一度も報知されていないために、有利区間に留まっている状態である。したがって、ART遊技の終了条件を既に満たしている状態であるにも関わらず、ART中と同様の押し順報知を行うのは合理的ではないという考えに基づき、正解押し順の報知を入賞−B1〜B3の当選時に限定している。
また、ART中(ナビ待ち)の状態では、ART遊技の終了条件を満たしている(ARTゲーム数を消化し、ARTのストックもない)ため、画像表示表示70などにおいて、ART遊技が終了して通常区間と同様の演出が行われている(ただし有利区間LEDは点灯し続けている)。したがって、この状態で通常のART中と同様の押し順報知を行ってしまうと、遊技者に違和感を与える虞がある、という観点からも入賞−B1〜B3が当選したときに限って正解押し順の報知を行うようにしている。
なお、ART中(ナビ待ち)において、設定差の無い特定の当選役が当選したときにARTストック抽選を行い、当選したときには再びART遊技を開始してもよい。このとき、ARTストックの当選確率は、ART遊技を所定のARTゲーム数の間、行ったのであるから(ART遊技の終了条件を満たしているのであるから)、その後もART遊技中と同等の条件でARTストック抽選を行うのは妥当ではないという観点から、ART遊技中に行うARTストック抽選よりも当選確率を低くしてもよい。一方、ART中(ナビ待ち)になるということは、それまで9枚役の正解押し順が一度も報知されなかったということであるから、遊技者に対する救済措置の観点から、ARTストックの当選確率を、ART遊技中に行うARTストック抽選と同等またはそれよりも高くしてもよい。
次に、図77に示すように、有利区間中内部中(遊技状態番号6)および有利区間中ボーナス後(遊技状態番号8)においては、1BB当選時に滞在していた遊技状態と同様の正解押し順報知を行う。例えば、ガセ前兆に滞在しているときに1BB役に当選し、有利区間中内部中へ移行したとき、および、その後1BB遊技が終了して有利区間中ボーナス後へ移行したときは、各々の遊技状態において、ガセ前兆と同様に入賞−B1〜B3が当選したときに限って正解押し順が報知される。これに対して、例えばART準備に滞在しているときに1BB役に当選した場合は、有利区間中内部中および有利区間中ボーナス後において、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3の正解押し順が報知される。1BBが当選しても、正解押し順報知が行われるため、1BBが当選したことに気づかれないようにすることができる。なお、有利区間中内部中(遊技状態番号6)および有利区間中ボーナス後(遊技状態番号8)においては、正解押し順の報知を行わなくてもよい。
なお、有利区間中ボーナス(遊技状態番号7)においては、前述したように入賞−M〜Pが当選した場合、押し順に関係なく当選した小役が入賞するため、押し順の報知は行われない。
(ガセ前兆における押し順報知制御)
次に、図78を参照して、ガセ前兆における正解押し順の報知制御の内容について説明する。まず、図78(a)に示すように、通常区間においては役抽選で押し順役(同図中においては入賞−A1〜A6、B1〜B3のみ図示)が当選しても、正解押し順(9枚役(入賞01)の図柄組合せが揃う押し順)が報知されることは無い。そして、通常区間において区間移行抽選でガセ前兆に当選すると、有利区間内のガセ前兆へ移行し(図76の矢印ア参照)、有利期間LEDが点灯する。
ガセ前兆では、前述した様に入賞−A1〜A6のいずれかが当選しても正解押し順は報知されず、最初に入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに一度だけ正解押し順が報知される。これにより、指示済みフラグ(図37のアドレスF022を参照)の値が0(オフ)からFF(オン)に更新されると、以下、ガセ前兆においては、入賞−B1〜B3が当選したとしても正解押し順が報知されなくなる。そして、所定ゲーム数(ここでは9ゲーム)が行われたときに、指示済みフラグがオンになっていれば、ガセ前兆から通常区間へ移行し(図76の矢印ウ参照)、指示済みフラグがリセットされるとともに、有利期間LEDが消灯して、押し順役が当選しても正解押し順が報知されなくなる。
ガセ前兆へ移行してから所定ゲーム数が行われた場合、原則としては通常区間へ移行することになるが、図78(b)のように、指示済みフラグがオフになっていた(すなわち、ガセ前兆において役抽選で一度も入賞−B1〜B3が当選しなかったために、9枚役(入賞01)の図柄組合せが揃う押し順(正解押し順)が一度も報知されなかった)場合は、通常区間へ移行せずにガセ前兆に滞在し続ける。ここで、ガセ前兆へ移行してから所定ゲーム数が経過しても、正解押し順が一度も報知されていないためにガセ前兆に留まっている状態(換言すると、指示済みフラグがオフになっている状態)を、「ガセ前兆(ナビ待ち)」という。ガセ前兆(ナビ待ち)においても、役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選しても正解押し順は報知されず、入賞−B1〜B3が当選したときだけ正解押し順が報知される。そして、入賞−B1〜B3が当選したことにより、正解押し順が報知されると、次の遊技から通常区間において遊技が行われることになる。
このように、指示済みフラグは、有利区間から通常区間へ移行することができる最低条件を満たしたか否かを示すフラグであるともいえる。
なお、図78(a)では、ガセ前兆に移行した後、最初に入賞−B1〜B3の正解押し順を一度しか報知していないが、一度に限らず、ガセ前兆において所定ゲーム数を行っている間に入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときは、その都度、正解押し順を報知するようにしてもよい。
(ART前兆からART中における押し順報知制御)
次に、図79および図80を参照して、通常区間からART前兆へ移行してART中に至る過程における正解押し順の報知制御の内容について説明する。ここで、図79(a)、図79(b)、図80(a)および図80(b)は、各々、指示済みフラグがオン(FFH)になるタイミングが異なっている。
まず、図79(a)では、通常区間において区間移行抽選でART前兆に当選すると、有利区間内のART前兆へ移行し(図76の矢印イ参照)、有利期間LEDが点灯する。ART前兆では、画像表示装置70などを用いて遊技の興趣を向上させるための演出として、ガセ前兆と同様の演出を行い、遊技者にガセ前兆およびART前兆のいずれかであるのかを判別しにくくしている。すなわち、ART中へ移行することなく通常区間へ移行してしまうのか(ガセ前兆の場合)、いずれART中へ移行するのか(ART前兆の場合)、を判別困難にすることで、遊技者の期待感を高められる可能性がある。したがって、できるだけ両者の状態を同様にするため、正解押し順の報知対象となる押し順役および報知頻度についても、ART前兆では、ガセ前兆と同様に、最初に入賞−B1〜B3が当選したときに、一度だけ正解押し順を報知するようにしている。
ART前兆において、最初に入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに正解押し順が報知されると、指示済みフラグがオフからオンに更新され、それ以降は、ART前兆で入賞−B1〜B3が当選したとしても正解押し順が報知されなくなる。ただし、これに限定されずに、その後も入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに正解押し順を報知し続けるようにしてもよい。ART前兆において、所定ゲーム数(ここでは9ゲーム)が行われて、ART準備へ移行すると(図76の矢印オ参照)、図77に示したように、入賞−B1〜B3に加え、役抽選で入賞−A1〜A6、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3が当選したときも、正解押し順が報知されるようになる。
そして、ART準備へ移行した時点で、既にRT2に滞在していた場合、または、ART準備中に再遊技−A1〜A6のいずれかが当選した場合は、遊技状態がART中へ移行する(図76の矢印キ参照)。ART中においても、ART準備と同様に、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3が当選したときに、正解押し順が報知される。そして、所定のARTゲーム数(ここでは50ゲーム)の間、ART遊技が行われると、ARTストック数が1以上だった場合は、引き続き次のセットのART遊技が所定のARTゲーム数、行われる。これに対して、ARTストック数が0だった場合は、指示済みフラグがオンになっていれば、有利期間LEDが消灯し、指示済みフラグがオフになって、通常区間へ移行する(図76の矢印ク参照)。図79(a)では、ART前兆において、入賞−B1〜B3の正解押し順が報知され、指示済みフラグがオンになっているので、そのまま通常区間へ移行する。
次に、図79(b)に示すように、ART前兆の滞在中に入賞−B1〜B3が当選しなかった場合は、指示済みフラグがオフになったままART準備へ移行する。前述したように、ART準備では、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときにも正解押し順が報知される。このため、入賞−A1〜A6と、入賞−B1〜B3とのうち、ART準備への移行後、最初に当選したのが入賞−A1〜A6のいずれかであっても、その正解押し順が報知された場合は指示済みフラグがオンになる。もちろん、最初に当選したのが入賞−B1〜B3のいずれかであった場合は、その正解押し順が報知された場合に指示済みフラグがオンになる。
そして、ART準備中に再遊技−A1〜A6のいずれかが当選すると、遊技状態がART中へ移行する(図76の矢印キ参照)。ART中においても、ART準備と同様に、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3が当選したときに、正解押し順が報知される。所定のARTゲーム数(ここでは50ゲーム)の間、ART遊技が行われたときに、ARTストック数が0であり、指示済みフラグがオンになっていた場合は、有利期間LEDが消灯して、指示済みフラグがオフになり、通常区間へ移行する(図76の矢印ク参照)。
図80(a)は、ART中に指示済みフラグがオンになる場合を示すものである。このようなケースとしては、ART前兆の滞在中に指示済みフラグがオンにならず、かつ、(i)ART準備に移行した時点で、既にRT2に滞在していたために、次の遊技からART中へ移行してしまった場合、または、(ii)ART準備において、入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選するよりも先に再遊技−A1〜A6のいずれかが当選してART中へ移行してしまった場合、などが考えられる。図80(a)は、上記(ii)の場合を示している。
通常区間からART前兆へ移行し、その後、指示済みフラグがオフのままART準備を経て、ART中へ移行した場合は、ART中において最初に入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3のいずれかが当選し、その正解押し順が報知されたときに指示済みフラグがオンになる。ここで、図80(a)に示す例では、入賞−B1〜B3のいずれかが当選し、その正解押し順が報知されたことによって指示済みフラグがオンになっているが、例えば、先に入賞−A1〜A6のいずれかが当選し、その正解押し順が報知された場合は、そのタイミングで指示済みフラグがオンになる。
そして、所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われたときに、ARTストック数が0だった場合、指示済みフラグがオンになっているため、原則通りに、有利期間LEDが消灯して、指示済みフラグがオフになり、通常区間へ移行する。
図80(a)の例では、ART中に指示済みフラグがオンになる場合を示したが、図80(b)の例は、極めて低い確率ではあるが、ART中へ移行後、所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われても、一度も入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役(入賞01)の正解押し順が報知されなかった場合を示すものである。なお、所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われている間に、例えば再遊技−B1〜B3のいずれかが当選して、その正解押し順(再遊技01の図柄組合せが表示されない(非RTへの移行を回避できる)押し順)が報知されたとしても、指示済みフラグはオンにされない。
ART中へ移行してから所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われたときに、ARTストック数が0であった場合は、本来であれば通常区間へ移行するところであるが、指示済みフラグがオンになっていなかった(換言すると、一度も入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選しなかったために、9枚役(入賞01)の正解押し順が報知されていなかった)場合は、引き続きART中に留まる。この引き続きART中に留まっている状態を、「ART中(ナビ待ち)」という。ART中(ナビ待ち)は、例外的にART中に留まっている状態であるため、正解押し順の報知対象となる押し順役は、通常のART中と異なり、入賞−B1〜B3のみとなる。そして、ART中(ナビ待ち)の状態において、入賞−B1〜B3が当選して正解押し順が報知されると、次の遊技から通常区間において遊技が行われる。
ART中(ナビ待ち)においては、入賞−A1〜A6の正解押し順が報知されなくなるため、遊技者が獲得できるメダルの枚数が減少することとなる。また、例えばART中(ナビ待ち)の状態になったときにRT2に滞在していた場合、入賞−A1〜A6が当選したときに9枚役の正解押し順が報知されなくなるため、9枚役を取りこぼす可能性が高くなって、RT1へ移行することとなるパターン01または02(図67(b)および図71参照)が表示される可能性が高くなる。すなわち、ART中(ナビ待ち)において、RT2に滞在していたときは、RT1(RT2よりも再遊技役の当選確率が低い抽選状態)へ移行する可能性が高くなる。
また、ART中(ナビ待ち)の状態になったときにRT2に滞在していた場合は、再遊技−B1〜B3のいずれかが当選した場合であっても、再遊技01の図柄組合せ以外が表示される押し順、換言すると、非RTへの移行を回避できる押し順が、報知されなくなるためRT2から非RT(RT2よりも再遊技役の当選確率が低い抽選状態)へ移行してしまう可能性が高くなる。
また、ART中(ナビ待ち)の状態になったときにRT1に滞在していた場合は、再遊技−A1〜A6のいずれかが当選した場合であっても、再遊技01の図柄組合せ以外が表示される押し順、換言すると、非RTへの移行を回避できる押し順が、報知されなくなるためRT1から非RT(RT1よりも再遊技役の当選確率が低い抽選状態)へ移行してしまう可能性が高くなる。
なお、画像表示装置70などを用いた演出は、ART中からART中(ナビ待ち)へ移行する際に、ART中の演出から通常区間中の演出へと切り替えるようにしてもよい。例えば、所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われたときに、ARTストック数が0であった場合は、画像表示装置70に終了画面を表示し、次の遊技から通常区間中の演出へと切り替えるようにしてもよい。ART中は、画像表示装置70に残りARTゲーム数などを表示しているため、残りARTゲーム数が0になっているのにも関わらず、ART中の演出が続いていると、違和感を遊技者に与える虞があるからである。
また、このようにした場合であっても、ART中(ナビ待ち)のときは、最初に入賞−B1〜B3が当選したときだけ正解押し順が報知され、しかも一度正解押し順が報知されてしまえば、次の遊技から通常区間の遊技へと移行するため、通常区間と同様の演出が行われていても、違和感を遊技者に与えにくいと考えられる。また、再遊技役の当選確率(換言すると抽選状態)についても、ART中(ナビ待ち)においては、上述したように非RTへ移行する可能性が高くなるため、通常区間と同様の演出が行われていても、違和感を遊技者に与えにくいと考えられる。
図79および図80に示したように、ガセ前兆、ART前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)においては、正解押し順の報知対象となる押し順役を、入賞−B1〜B3に限定している。これは、ガセ前兆およびART前兆は、ART中への期待感を高めるための演出的な意味合いで設けられた遊技状態であり、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)は、本来は通常区間へ移行すべきところ、例外的に有利区間に留まっている遊技状態であり、いずれも遊技者に対する特典という意味合いが薄い遊技状態である。したがって、これらの遊技状態におけるメダルの払出枚数は、通常区間と同等であることが望ましいからである。
また、別の観点では、ガセ前兆、ART前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)においても、ART準備やART中と同様の押し順報知を行ってしまうと、有利区間中のメダルの払出枚数が多くなってしまい(いわゆる「ベースが上がる」)、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞が生じることとなる。すなわち、前述したように、入賞−B1〜B3は押し順が報知されなくても2/3の確率で9枚役が入賞するため、入賞−B1〜B3が当選したときのメダル払出枚数は、正解押し順の報知の有無によって差が生じにくいといえる。したがって、有利区間内に入賞−B1〜B3のみを正解押し順を報知する対象とする遊技状態を設けることで、有利区間中のベースを下げることができる。なお、、有利区間中のベースが上がると、通常区間から有利区間へ移行する確率を低くする必要がでてくる。
以上のことから、ガセ前兆、ART前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)における、正解押し順の報知対象となる押し順役は、入賞−B1〜B3のように正解押し順が4通り(正解押し順の確率が2/3)ではなく、5通り(正解押し順の確率が5/6)であってもよい。ただし、その押し順役の当選確率を高くしてしまうと、通常区間を含む全遊技状態の総合的なメダルの払出枚数が多くなってしまう(換言すると、ベースが上がってしまう)ため、当選確率を適度に抑える必要がある。
また、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)において、通常区間への移行が可能となる正解押し順の報知対象となる押し順役を、入賞−B1〜B3のいずれかにしているが、当選役となり得る小役のうち、作動する条件装置の中に、払い出されるメダルの枚数が最も多い入賞01(9枚)を含んでいる押し順役であれば、入賞−B1〜B3以外の押し順役であってもよい。そして、その押し順役の正解押し順が報知されたことによって、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)から通常区間へ移行可能となる最低条件を満たしたことにしてもよい。
例えば、図70に示した小役の当選役であれば、入賞−A1〜A6が当選すると、入賞01の条件装置が作動する。したがって、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)において、入賞−A1〜A6が当選したときに正解押し順を報知したことによって、通常区間へ移行させてもよい。
なお、入賞−A1〜A6の合成当選確率は、入賞−B1〜B3の合成当選確率よりも高くすることが望ましい。このようにすることで、ガセ前兆、ART前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)において、入賞−A1〜A6が当選したときに、9枚役を取りこぼす可能性が高くなり(パターン01または02(図67(b)参照)が、より表示され易く(すなわち、RT2からRT1へ移行させ易く)なり)、これらの遊技状態におけるメダル払出枚数を抑えることができる。
なお、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3の各当選確率には、設定差が無いことが望ましい。このようにすることで、設定値によって、RT2のような再遊技役の当選確率が高い抽選状態からRT1のような低い抽選状態へ移行する可能性が、設定値によって異なってしまうのを避けることができる。
同様に、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3の各当選確率も、設定差が無いことが望ましい。
ここで、入賞−A1〜A6の合成当選確率を、入賞−B1〜B3の合成当選確率よりも高くした場合において、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3のいずれの押し順役も、ストップスイッチ37L,37C,37Rが正解押し順で操作された場合、小役の条件装置の中で最も多い9枚のメダルを払い出している。したがって、ART準備およびART中においては、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3の正解押し順が報知されることから、有利区間から通常区間へ移行可能となる最低条件(以下、「移行最低条件」ともいう。)のクリアが容易となる。
また、ART準備およびART中以外の有利区間における遊技状態では、入賞−B1〜B3の正解押し順のみを報知対象としている。このため、入賞−A1〜A6のいずれかが当選しても、その当選役を取りこぼす可能性が高くなり、かつ、入賞−B1〜B3の当選確率は入賞−A1〜A6よりも低く設定されているので、全遊技状態における総合的なメダルの払出枚数を抑えることができる。
ここで、例えば、入賞−B1〜B3が当選したときに、正解押し順で停止操作されたときに払い出されるメダルの枚数が、入賞−A1〜A6が当選したときよりも多かったとする。例えば、入賞−B1〜B3が当選したときに、正解押し順で停止操作されると9枚のメダルが払い出され、入賞−A1〜A6が当選したときに、正解押し順で停止操作されると8枚のメダルが払い出されるとする。この場合、たとえART準備およびART中において、入賞−A1〜A6が当選したときに正解押し順を報知したとしても、メダルの払出枚数が8枚となり、最も多い9枚よりも少ないため、上述した移行最低条件をクリアすることができない。加えて、前述したように、入賞−B1〜B3の合成当選確率が入賞−A1〜A6の合成当選確率よりも低くなっているため、ART準備およびART中において上述した移行最低条件をクリアするのが容易では無くなってしまう。
これとは逆に、例えば、入賞−B1〜B3が当選したときに、正解押し順で停止操作されたときに払い出されるメダルの枚数が、入賞−A1〜A6が当選したときよりも少なかったとする。例えば、入賞−B1〜B3が当選したときに、正解押し順で停止操作されると8枚のメダルが払い出され、入賞−A1〜A6が当選したときに、正解押し順で停止操作されると9枚のメダルが払い出されるとする。この場合、入賞−A1〜A6が当選したときに正解押し順を報知しなければ、前述した移行最低条件をクリアすることができない。したがって、ガセ前兆、ART前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)において、入賞−A1〜A6の正解押し順を報知する必要がある。
ここで、入賞−A1〜A6の合成当選確率は、入賞−B1〜B3の合成当選確率よりも高くなっているため、入賞−A1〜A6の正解押し順が報知される可能性が高くなり、前述した移行最低条件をクリアし易くなるが、全遊技状態における総合的なメダルの払出枚数が多くなってしまうという問題も生じる。
(ART中にボーナス役が当選した場合における指示済みフラグのオン/オフ制御)
次に、図81を参照して、ART中にボーナス役が当選したときの、指示済みフラグのオン/オフ制御について説明する。ART中に1BB役が当選すると、遊技状態は有利区間中内部中(遊技状態番号6)へ移行し(図76の矢印サ参照)、抽選状態はRT4へ移行する(図71の矢印E参照)。ここで、図77に示したように、有利区間中内部中における正解押し順の報知は、1BB役が当選する前の遊技状態に準じるため、ART中に1BB役が当選したときの有利区間中内部中における正解押し順の報知は、ART中と同様になる。すなわち、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに、当選した押し順役の正解押し順が報知されることとなる。そして、その時点で指示済みフラグがオフになっていた場合は、正解押し順が報知されたときに指示済みフラグがオンにされる。ゆえに、次の遊技から通常区間の遊技としてもよい。
図81(a)に示す例は、有利区間中内部中に一度も入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選することなく(すなわち、指示済みフラグがオフになっている状態で)、1BBの図柄組合せが揃った場合を示している。1BBの図柄組合せが揃うと、遊技状態は有利区間中ボーナス(遊技状態番号7)へ移行し(図76の矢印シ参照)、抽選状態は1BB遊技へ移行する(図71の矢印F参照)。この場合、前述したように、それまで指示済みフラグがオフになっていたとしても、ボーナス遊技が実行されたことに基づいて指示済みフラグがオンにされる。ここで、「ボーナス遊技が実行された」とは、ボーナス遊技が少なくとも1回行われたことをいう。
1BB遊技では、入賞−M〜Pのいずれかが当選することになるが(図70参照)、これらの小役は押し順に関係なく入賞するため、押し順が報知されることはない。そして、1BB遊技の終了条件が満たされると、遊技状態は有利区間中ボーナス後(遊技状態番号8)へ移行し(図76の矢印ス参照)、抽選状態はRT3へ移行する(図71の矢印G参照)。図77に示したように、有利区間中ボーナス後における正解押し順の報知は、1BB役が当選する前の遊技状態に準じるため、ART中に1BB役が当選したときの有利区間中ボーナス後における正解押し順の報知は、ART中と同様になる。そして、入賞−A1〜A6が当選したときに9枚役を取りこぼし、パターン01または02(図67(b)参照)の図柄組合せが表示されると、遊技状態はART準備(遊技状態番号3)へ移行し(図76の矢印セ参照)、抽選状態はRT1へ移行する(図71の矢印B参照)。
なお、本変形例では、有利区間中ボーナス後からART準備への移行条件、および、RT3からRT1への移行条件が、パターン01または02の図柄組合せが表示されることとなっているため、よりART準備への移行を容易にするために、有利区間中ボーナス後入賞−A1〜A6が当選したときは、正解押し順を報知しないようにしてもよい。
次に、図81(b)は、指示済みフラグがオフのままART中(ナビ待ち)の状態となったときに、1BB役が当選した場合の例を示している。ART中(ナビ待ち)のときは、入賞−B1〜B3が当選した場合のみ正解押し順が報知されるため、この状態で有利区間中内部中へ移行した場合も、入賞−B1〜B3が当選した場合のみ正解押し順が報知される。ゆえに、次の遊技から通常区間の遊技としてもよい。また、前述したように、ART中(ナビ待ち)は、通常区間中の演出に切り替えられているため、有利区間内部中へ移行後、入賞−B1〜B3が当選しても、正解押し順を報知しなくてもよい。この後、ボーナス遊技が実行されるからである。なお、図81(b)に示す例では、有利区間中内部中に一度も入賞−B1〜B3が当選することなく(すなわち、指示済みフラグがオフになっている状態で)、1BBの図柄組合せが揃った場合を示している。
有利区間中内部中に1BBの図柄組合せが揃うと、遊技状態は有利区間中ボーナスへ移行し、抽選状態は1BB遊技へ移行する。そして、ボーナス遊技が実行されたことに基づいて指示済みフラグがオンにされ、1BB遊技の終了条件が満たされると、ART中(ナビ待ち)のときに1BB役が当選したため、遊技状態は通常区間(遊技状態番号0)へ移行し(図76の矢印タ参照)、抽選状態はRT3へ移行する。
図81に示した例では、ART中またはART中(ナビ待ち)のときに、1BB遊技が実行されたことによって指示済みフラグをオンにしているが、それ以外の有利区間における遊技状態(ガセ前兆、ART前兆およびART準備)のときに、1BB遊技が実行されたことによって指示済みフラグをオンにしてもよい。
また、有利区間中に指示済みフラグがオフになっている状態で、1BB役に当選し、1BB遊技が実行されたことによって指示済みフラグをオンにしているが、指示済みフラグをオンにすることができるボーナス遊技の種類は、1BB遊技(第一種特別役物連続作動装置が作動中の遊技)に限らず、RB遊技(第一種特別役物が作動中の遊技)や2BB遊技(第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中の遊技)であってもよい。
また、ガセ前兆(ナビ待ち)およびART中(ナビ待ち)のときに、ボーナス遊技が行われたことによって指示済みフラグがオンにされた場合は、ボーナス遊技が終了する前に遊技状態を通常区間へ移行するようにしてもよい。このようにすることで、有利区間中に払い出されるメダルの枚数を少なくすることができる。さらに、ボーナス遊技が行われたことによって指示済みフラグをオンにする代わりに、ボーナス役が入賞したときに指示済みフラグをオンにしてもよい。
(通常区間における押し順報知)
図80(b)は、ART中(ナビ待ち)の状態で入賞−B1〜B3のいずれかが当選し、その正解押し順が報知されたことによって指示済みフラグがオンとなり、通常区間へ移行する例を示したものである。この場合において、前述したように、ART中からART中(ナビ待ち)へ移行する際に、ART中の演出から通常区間中の演出へと切り替えるようにした場合、遊技者にしてみれば、通常区間へ移行したにも関わらず、正解押し順が報知されたことについて不審に思うであろうことは十分に考えられる。
そこで、通常区間においても適宜押し順報知を行う(必ずでもよいし、必ずでなくてもよい(例えば、有利区間から通常区間へ移行してから所定ゲーム数が行われるまでは必ず行うが、それ以降は行わないようにしてもよい))ことで、上述したような場合であっても、遊技者に不審に思われないようすることが考えられる。ただし、前述したように、通常区間は、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間(または遊技状態)である。したがって、通常区間で押し順を報知する場合は、ストップスイッチの操作順序によって有利・不利が発生しない役抽選の結果が決定された場合に限られる。
ここで、図68〜図70に示した当選役のうち、ストップスイッチの操作順序によって有利・不利が生じない当選役は複数あるが、ART中(ナビ待ち)の状態で報知される正解押し順は、入賞−B1〜B3(押し順ベル)であることから、同じ種類の小役(すなわちベル)であることが望ましい。したがって、通常区間においては、図70に示す入賞−C(共通9枚ベル)が当選したときに、適宜、押し順を報知するとよい。この場合、入賞−Cが当選したときに、ストップスイッチが報知された押し順で操作された場合でも、報知された押し順とは異なる押し順で操作された場合でも、入賞01の図柄組合せが揃うことはいうまでもない。
具体的には、図82に示すように、ART中へ移行後、所定のARTゲーム数の間、ART遊技が行われても、指示済みフラグがオンにならなかったため、ART中(ナビ待ち)の状態になった場合において、入賞−B1〜B3が当選すると、その正解押し順が報知される。このとき、画像表示装置70には、(a)に示すように、正解押し順が遊技者が理解しやすい報知態様で表示される。ここで、(a)の報知態様は、正解押し順が右ストップスイッチ27Rを第1停止操作する押し順であることを示している。これにより、遊技者が右ストップスイッチ27Rを第1停止操作すると、入賞01の図柄組合せが揃ってメダルが9枚払い出され、遊技状態はART中(ナビ待ち)から通常区間へ移行する。
通常区間へ移行した後は、入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選しても正解押し順が報知されることはないが、入賞−Cが当選した場合は副制御部200において、報知される押し順が適宜決定され、決定された押し順が画像表示装置70に表示される。このときに画像表示装置70に表示される押し順の報知態様は、(b)に示すように、ART中(ナビ待ち)のときに表示された(a)の報知態様と、同様の報知態様となっている。ここで、(b)の報知態様は、正解押し順が中ストップスイッチ27Cを第1停止操作する押し順であることを示している。
このように、通常区間においても押し順の報知を行うことで、有利区間であるART中(ナビ待ち)のときに、通常区間のときと同様の演出を行ったとしても、遊技者に違和感感じさせる虞がなくなる。
ここで、図82に示した例では、ART中およびART中(ナビ待ち)、または何れか一方のときに入賞−Cが当選した場合、画像表示装置70に押し順を表示していないが、副制御手段200において、入賞・再遊技当選番号などから入賞−Cが当選したと判断したときに報知する押し順を適宜決定し、決定した押し順を画像表示装置70に表示するようにしてもよい。報知する押し順は周知の方法によって決定することができるが、報知する押し順の選択確率は均等であることが望ましい。例えば、左ストップスイッチ27L,中ストップスイッチ27C,右ストップスイッチ27Rのうち、第1停止操作すべきストップスイッチを報知する場合(いわゆる三択の押し順)、各ストップスイッチが報知される確率は、各々1/3ずつであることが望ましい。
また、画像表示装置70に表示する押し順を主制御手段100で決定し、その結果を副制御手段200へ送信し、副制御手段200は、主制御手段100から送信された押し順を画像表示装置70に表示するようにしてもよい。さらに、主制御手段100で押し順を決定した場合に、その押し順に対応する指示番号を獲得枚数表示器28に表示するようにしてもよい。
[他の実施形態(2)]
以下に説明する他の実施形態(2)は、ART遊技の終了条件が、上述した他の実施形態(1)と異なっている。すなわち、他の実施形態(1)におけるART遊技は、所定のARTゲーム数が行われると終了していた。これに対して、他の実施形態(2)では、ART遊技が開始されると、画像表示装置70に敵キャラクタと、味方キャラクタとが表示されて、対戦を始める。そして、当選役に応じて、互いにダメージを与え合い、味方キャラクタのHP(ヒットポイント)が0になると、ART遊技が終了する。具体的には、所定の再遊技役が当選した遊技では、味方キャラクタにダメージが与えられ、所定の小役が当選した遊技では、敵キャラクタにダメージが与えられる。これに対して敵キャラクタのHPが0になると、次のセットのART遊技が開始され、画像表示装置70では、新たな敵キャラクタと、味方キャラクタとの対戦が開始される。なお、次のセットのART遊技が開始されるまでに、新たな敵キャラクタを選択する遊技があってもよい。その遊技も、ART遊技の一部である。
このように、ART遊技が開始されると、画像表示装置70では対戦演出が開始されるが、ART遊技中に条件を満たす(例えば、レア役が当選する、所定ゲーム数の遊技を行う)と、実行中の対戦演出において、味方キャラクタに加勢する追加キャラクタを登場させるか否かのキャラクタ追加抽選を行う。そして、キャラクタ追加抽選に当選したときは、画像表示装置70に追加キャラクタを表示する。そして、追加キャラクタが登場すると、追加キャラクタの種類に応じて、それぞれの効果を発揮する(対戦演出中に敵キャラクタに与えるダメージが増える)。
具体的には、キャラクタ1が登場していれば、敵キャラクタにダメージを与えた遊技の次の遊技も、敵キャラクタにダメージを与え(所定の小役が当選した遊技の次の遊技で所定の小役に当選していなくても、敵キャラクタにダメージを与える)、キャラクタ3が登場していれば、毎ゲーム、所定のダメージを敵キャラクタに与え、キャラクタ2またはキャラクタ4が登場していれば、味方キャラクタに対してのダメージを敵キャラクタに与える(所定の再遊技役が当選した遊技であるが、敵キャラクタにダメージを与える)などが挙げられる。また、追加キャラクタは、それぞれ継続条件(退場条件)が異なるように設定されている。具体的には、各キャラクタは、それぞれ異なる継続率を有し、効果を発揮すると継続抽選を行い、継続抽選に当選すると、もう1度効果を発揮することができるようになっている。
対戦演出に登場させる追加キャラクタは、キャラクタ1〜4の4種類が用意されており、キャラクタ1はカバ、キャラクタ2はシマウマ、キャラクタ3はダチョウ、キャラクタ4はキリンになっている。これらの追加キャラクタが対戦演出に登場しているか否かは、予め定められているMMフラグの値によって管理され、MMフラグの値は、主制御手段100が備えるRWMの所定記憶領域(アドレス:F09EH)に記憶されている。
MMフラグは、図83(a)に示すように、8ビット(ビットD0〜D7)のデータからなり、ビットD0(最下位ビット)はキャラクタ1(カバ)、ビットD1はキャラクタ2(シマウマ)、ビットD2はキャラクタ3(ダチョウ)、ビットD3はキャラクタ4(キリン)に対応している。また、各ビットの値が0のときは、対応する追加キャラクタが対戦演出に登場していないことを示し、1のときは登場していることを示している。また、ビットD4〜D7は未使用であり、それらのビットの値は0に固定されている。
MMフラグの値(変数名:MF)を8ビットのデータとして見た場合、その値によってどの追加キャラクタが対戦演出に登場しているかを判断することができる。具体的には、図83(b)に示すように、例えば、MMフラグの値MFが01Hであれば、キャラクタ1(カバ)が対戦演出に登場していることを示し、MMフラグの値MFが0AHであれば、キャラクタ2(シマウマ)およびキャラクタ4(キリン)が対戦演出に登場していることを示している。
本実施形態では、ART遊技中にレア役が当選すると、まず、対戦演出に追加キャラクタを登場させるか否かを決定し、登場させることが決定された場合は、未だ対戦演出に登場していない追加キャラクタのうち、いずれを登場させるかをキャラクタ選択抽選によって選択している。キャラクタ選択抽選では、対戦演出に未だ登場していない追加キャラクタの中から、対戦演出に登場させる追加キャラクタを抽選によって決定するが、この抽選に用いる選択抽選テーブルは、MMフラグの値MFに対応付けられている。
すなわち、前述した様にMMフラグの値MFは、対戦演出に既に登場している追加キャラクタ(以下、「既出キャラクタ」ともいう。)を示していることから、その値によって示される既出キャラクタ以外の追加キャラクタの中からいずれかを選択するための選択抽選テーブルが対応付けられている。具体的には、図83(b)に示すように、MMフラグの値MF(00H〜0EH)に対して、図83(c)に示す選択抽選テーブルA〜Oが対応付けられている。なお、選択抽選テーブルA〜Oは、主制御手段100が有するROMに記憶されているものとする。
この図に示す選択抽選テーブルA〜Oは、選択対象となる各追加キャラクタに対して割り当てられた置数を示しており、各置数を256で割った値が、対応する追加キャラクタが選択される確率となっている。ここで、例えばMMフラグの値MFが04Hだった場合、キャラクタ3(ダチョウ)が対戦演出に登場していることになるので、キャラクタ1(カバ)、キャラクタ2(シマウマ)およびキャラクタ4(キリン)の中からいずれかの追加キャラクタを選択するための選択抽選テーブルEが対応付けられている。そして、選択抽選テーブルEに基づいてキャラクタ選択抽選が行われた場合、キャラクタ1(カバ)が選択される確率が1/1.79、キャラクタ2(シマウマ)が選択される確率が1/2.485、キャラクタ4(キリン)が選択される確率が1/25.6となる。
次に、図84に示すフローチャートを参照して、ART遊技中に実行される対戦演出において、登場させる追加キャラクタを選択するための選択抽選処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、現在の遊技状態がART中(遊技状態番号4)であるか否かを判断し(ステップS300)、ART中ではなかったときは判断結果がNOとなって、図84の選択抽選処理を終了して他の処理を行う。これに対してART中だったときは、判断結果がYESとなって、次に主制御手段100は、役抽選でレア役に当選したか否かを判断する(ステップS302)。レア役は、ART中に行われる役抽選で抽選対象となっている当選役の中から適宜定めればよいが、ここでは、例えば図70に示す当選役のうち、入賞−D〜K(入賞・再遊技当選番号26〜33)をレア役とする。
ステップS302の判断処理で、レア役に当選していなかった場合は判断結果がNOとなり、図84の選択抽選処理を終了して他の処理を行う。これに対して、レア役に当選していた場合は判断結果がYESとなって、RWMのアドレスF09EHからMMフラグの値MFを読み出し(ステップS304)、MMフラグの値MFが0FH未満であるか否かを判断する(ステップS306)。ここで、MMフラグの値MFが0FHであった場合は、キャラクタ1〜4が全て対戦演出に登場していることを意味しており、これ以上追加キャラクタを登場させることができない。したがって、判断結果がNOとなり、図84の選択抽選処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、MMフラグの値MFが0FH未満であった場合は、未だ対戦演出に登場していない追加キャラクタが存在することを意味しているので、判断結果がYESとなって、キャラクタ追加抽選を行う(ステップS308)。このキャラクタ追加抽選は、実行中の対戦演出に追加キャラクタを登場させるか否かを決定するものであり、キャラクタ追加抽選に当選したときは、対戦演出に追加キャラクタを登場させることが決定される。ここで、キャラクタ追加抽選の当選確率は、常に一定であってもよいし、当選したレア役の種類に応じて異ならせてもよい。
そして、主制御手段100は、キャラクタ追加抽選に当選したか否かを判断し、当選していなければ判断結果がNOとなって、図84の選択抽選処理を終了して他の処理を行う。一方、当選していた場合は判断結果がYESとなって、基準アドレスADrefの値に、ステップS304で読み出したMMフラグの値MFを加算する(ステップS310)。ここで、基準アドレスADrefは、MMフラグの値MFに対応する選択抽選テーブルが記憶されているROMアドレスの基準となる固定値である。
次に主制御手段100は、基準アドレスADrefの値にMMフラグの値MFを加算した結果の値によって指定されるROMのアドレスからテーブル指定値TDを読み出し(ステップS314)、読み出したテーブル指定値に基づいてMMフラグの値MFに対応する選択抽選テーブルが記憶されているROMのアドレスを算出する(ステップS316)。具体的には、ステップS312で算出した基準アドレスADrefにMMフラグの値MFを加算した値に、読み出したテーブル指定値TDをさらに加算する。これにより、MMフラグの値MFに対応した選択抽選テーブルが記憶されているROMアドレスの値を求めることができる。すなわち、MMフラグの値MFに対応した選択抽選テーブルは、基準アドレスADrefと、MMフラグの値MFと、テーブル指定値TDとの合計値に対応するROMアドレスに予め記憶されている。なお、基準アドレスADrefの値にMMフラグの値MFを加算した結果の値によって指定されるROMのアドレスに、MMフラグの値MFに対応した選択抽選テーブルのROMのアドレスを直接記憶しておいてもよい。
次に主制御手段100は、ステップS316で算出した値に対応するROMアドレスから選択抽選テーブルを読み出し(ステップS318)、対戦演出に登場させる追加キャラクタを選択するキャラクタ選択抽選を行う(ステップS320)。そして、RWMアドレスF09EHに記憶されているMMフラグの値MFに対して、ステップS320のキャラクタ選択抽選によって選択された追加キャラクタに対応するビットの値を1に更新し(ステップS320)、図84の選択抽選処理を終了して他の処理を行う。
以上の構成によれば、MMフラグの値に基づいて、対戦演出に登場している追加キャラクタを管理できるだけでなく、新たに登場させる追加キャラクタを選択するための選択抽選テーブルを取得するためにも利用することができる。
なお、図84に示したフローチャートにおいて、ステップS304およびS306の処理は、ステップS308およびS310の処理が行われた後に実行するようにしてもよい。
他の実施形態(2)は、複数のキャラクタが登場しているか否かを1バイトのデータで管理しており、複数のキャラクタが登場しているか否かを複数バイトのデータで管理する(例えば、各キャラクタに1バイトが割り当てる)よりも、RWMの記憶領域が削減できる。また、1バイトのデータで管理することにより、複数バイトのデータで管理するよりも、選択抽選テーブルが記憶されているROMのアドレスを求める処理を簡略化することができる。換言すると、プログラムの容量を削減することができる。具体的には、特開2003−250953号公報に記載されているスロットマシンのように、取得可能なアイテムが複数種類存在し、そのアイテムの種類毎にアイテムカウンタを備えている(換言すると、各アイテムに1バイトが割り当てられている)とする。
さらに遊技の興趣を向上させるため、新たにアイテムを付与する際に、未だ取得していないアイテムの中からいずれかを選択して付与したいと考える可能性がある(同じアイテムが何個も付与されるよりも、別のアイテムが付与された方が、気持ちが高揚するからである)。また、既に付与されているアイテムによって、新たに付与されやすいアイテムを替えてあげたいと考える可能性もある。そのためには、既に付与されているアイテムに応じて、アイテム取得抽選テーブルを切り替える必要がある。各アイテムに1バイトが割り当てられている場合は、複数バイトを逐一チェックして、アイテム取得抽選テーブルを選択することになるため、処理が煩雑化する。
[他の実施形態(3)]
上述した他の実施形態(2)では、MMフラグをART遊技中に実行する対戦演出に登場する追加キャラクタの管理に利用していたが、本実施形態では、ART遊技を行っているときに、次の新たなセットのART遊技を開始する(すなわち、ART遊技を「継続」する)か否かを決定するのに利用している。
本実施形態では、ART中へ移行し、ART遊技を開始するときに、ART遊技を継続する条件となる小役の種類を遊技者に提示する。そして、ART遊技を開始してから所定のARTゲーム数を行うまでの間に、遊技者に提示した種類の小役が役抽選で当選した場合、当選した次の遊技から、新たなセットのART遊技が開始される(すなわち、ART遊技が「継続」する)。これに対して、所定のARTゲーム数を行うまでの間に、遊技者に提示した種類の小役が役抽選で当選しなかった場合は、所定のARTゲーム数を行った次の遊技から、通常区間での遊技が開始される。
ここで、ART遊技を開始するときに、遊技者に提示する小役の種類(継続条件)は、画像表示装置70に表示する3種類のランプの点灯/消灯によって表される。具体的には、画像表示装置70に、緑ランプ(スイカに対応)、黄ランプ(共通ベルに対応)および赤ランプ(チェリーに対応)を表示しておき、継続条件となる小役に対応するランプを点灯させることによって、継続条件が遊技者に提示される。なお、本実施形態では、ART遊技の開始時に、少なくとも1つのランプが点灯しているものとする。
本実施形態では、図85(a)に示すように、MMフラグを、上述した三種類のランプの点灯状態の管理に利用している。具体的には、ビットD0はランプ1(緑ランプ)、ビットD1はランプ2(黄ランプ)、ビットD2はランプ3(赤ランプ)に対応している。また、各ビットの値が0のときは対応するランプが消灯し、1のときは点灯していることを示している。また、ビットD3〜D7は未使用であり、それらのビットの値は0に固定されている。
MMフラグの値(変数名:MF)を8ビットのデータとして見た場合、その値によってどのランプが点灯しているかを判断することができる。具体的には、図85(b)に示すように、例えば、MMフラグの値MFが01Hであれば、ランプ1(緑ランプ)が点灯していることを示し、MMフラグの値MFが06Hであれば、ランプ2(黄ランプ)およびランプ3(赤ランプ)が点灯していることを示している。
本実施形態では、ART遊技中の当選役の種類と、MMフラグの値MFとに基づいて、ART遊技を継続するか否かを決定している。具体的には、図83(b)に示すように、MMフラグの値MF(00H〜07H)に対して、判定値指定値JD1〜JD7を対応付け、これらの値と、当選役の種類とに基づいて、ART遊技を継続するか否かを判定する判定値JGVを取得する。そして、取得した判定値JGVに基づいてART遊技を継続するか否かを決定している。
次に、図86に示すフローチャートを参照し、ART遊技中において、ランプの点灯状況と、当選役の種類とに応じてART遊技を継続させるか否かを判定する継続判定処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、現在のARTゲーム数ARTの値が0を超えているか否かを判断する(ステップS400)。ここで、ARTゲーム数ARTの値は、遊技状態がART中以外であれば0となり、ART中であれば1以上となる(後述する)。ARTゲーム数ARTの値が0であった場合は、判断結果がNOとなり、図86の継続判定処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、ARTゲーム数ARTの値が1以上であった場合は、ステップS400の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、乱数RNDを取得する(ステップS402)。ここで、乱数RNDは、数値範囲が0〜255の疑似乱数であり、主制御手段100が備える乱数発生回路によって逐次生成されているものとする。次に主制御手段100は、RWMのアドレスF09EHからMMフラグの値MFを読み出し(ステップS404)、読み出したMMフラグの値MFを基準アドレスADrefの値に加算する(ステップS406)。ここで、基準アドレスADrefは、MMフラグの値MFに対応する判定値指定値JDが記憶されているROMアドレスの基準となる固定値である。
次に主制御手段100は、基準アドレスADrefの値にMMフラグの値MFを加算した結果の値によって指定されるROMのアドレスから、判定値指定値JDを読み出し(ステップS408)、読み出した判定値指定値JDに基づいて、ART遊技を継続するか否かを判定するための判定値が記憶されているROMアドレスADを算出する(ステップS410)。ここで、ROMアドレスADは、図85(c)の備考欄における「アドレス算出式」に示す通り、基準アドレスADrefと、MMフラグの値MFと、ステップS408で読み出した判定値指定値JDとを、加算することによって算出される。
ステップS410で算出されるROMアドレスは、現在のランプの点灯状況において、当選役がスイカであった場合に、ART遊技を継続させるか否かを判定するための判定値JGVが記憶されているROMアドレスである。図85(b)および(c)から分かるように、この算出式によって求められるROMアドレスAD1〜AD7には、現在のランプの点灯状況(すなわち、MMフラグの値MF)に応じた判定値JGVであって、当選役がスイカだった場合に参照される判定値JGVが記憶されている。また、図85(c)に示すように、ROMアドレスAD1〜AD7に1を加算したアドレスには、当選役が共通ベルだった場合に参照される判定値JGVが記憶され、ROMアドレスAD1〜AD7に2を加算したアドレスには、当選役がチェリーだった場合に参照される判定値JGVが記憶され、ROMアドレスAD1〜AD7に3を加算したアドレスには、それ以外の当選役だった場合に参照される判定値JGVが記憶されている。
図86に戻り、主制御手段100は、ステップS410の処理でROMアドレスADを算出すると、次に今回の遊技の役抽選によって決定された当選役がスイカ(小役・再遊技当選番号26〜27)であるか否かを判断する(ステップS412)。当選役がスイカでなかった場合は判断結果がNOとなって、ステップS410の処理で算出したROMアドレスADの値に1を加算し(ステップS414)、次いで、決定された当選役が共通ベル(小役・再遊技当選番号25)であるか否かを判断する(ステップS416)。当選役が共通ベルでなかった場合は判断結果がNOとなって、ステップS414の処理で1が加算されたROMアドレスADの値にさらに1を加算し(ステップS418)、次いで、決定された当選役がチェリー(小役・再遊技当選番号28〜29)であるか否かを判断する(ステップS420)。
上述したステップS412の判断処理で、当選役がスイカだった場合(このときROMアドレスADの値はステップS410で算出された値)、ステップS416の判断処理で、当選役が共通ベルだった場合(このときROMアドレスADの値はステップS410で算出された値+1)、ステップS420の判断処理で、当選役がチェリーだった場合(このときROMアドレスADの値はステップS410で算出された値+2)は、各々判断結果がYESとなり、ステップS424の処理へ移行する。
また、ステップS420の判断処理で、当選役がチェリーでなかった場合は、判断結果がNOとなって、ステップS418の処理で1を加算されたROMアドレスADの値にさらに1を加算し(ステップS422)、ROMアドレスADの値が、ステップS410で算出された値に3を加えた状態で、ステップS424の処理へ移行する。なお、ステップS420の判断処理で、当選役がチェリーでなかった場合は、ステップS422、ステップS424及びステップS426の処理を行わず、ステップS428の処理へ移行するようにしてもよい。
ステップS424では、現在のROMアドレスADの値に対応するROMアドレスから判定値JGV(図85(c)参照)を読み出す。そして、ステップS402で取得した乱数RNDの値から、読み出した判定値JGVの値を減算し、0未満になるか否かを判断する(ステップS426)。乱数RNDの値から判定値JGVの値を減算した結果が0以上だった場合は、判断結果がNOとなり、ARTゲーム数ARTの値から1減算する(ステップS428)。そして、図86の継続判定処理を終了し、他の処理を行う。
これに対し、乱数RNDの値から判定値JGVの値を減算した結果が0未満だった場合は、判断結果がYESとなり、ARTゲーム数ARTの値を50にセットして(ステップS430)、新たなART遊技のセットを開始させる。そして、MMフラグの値MFを更新して(ステップS432)、図86の継続判定処理を終了し、他の処理を行う。ここで、ステップS432の処理において、更新後のMMフラグの値MFを01H〜07Hの数値範囲で任意に決めてもよいし、更新前のMMフラグの値MFに応じて、更新後のMMフラグの値MFを決めてもよい。更新前のMMフラグの値MFに応じて、更新後のMMフラグの値を決める方法としては、他の実施形態(2)のように、MMフラグの値MFに対応する選択抽選テーブルを設けておき、更新前のMMフラグの値MFから選択抽選テーブルを求め、更新後のMMフラグの値を決めることが挙げられる。
以上の構成によれば、MMフラグの値に基づいて、現在のART遊技の継続条件を管理できるだけでなく、当選役に応じてART遊技を継続させるか否かを決定することができる。
[のめり込みの対策]
まず、用語を定義する。
「画像」は、限定した場合を除き、静止画像および動画像を含むものである。
次に、図87〜図102を参照して、今まで説明してきた各実施形態に適用可能な、のめり込み対策を施したスロットマシンについて説明する。遊技機では、従来からのめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、遊技待機中に注意喚起を行っている。しかし、遊技待機中に画像表示装置70に表示されるデモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT遊技が終了するタイミング
AT遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、AT遊技が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、AT遊技の終了時には、AT遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置70に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもAT遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
(2)ボーナス遊技が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、ボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(たとえば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技の終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置70に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、前述した各実施形態に適用するのめり込み対策として、AT遊技やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る特別遊技が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。
図87は、特別遊技の終了時において、画像表示装置70で表示される終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称する)の一例である。終了画面ENDは、少なくとも特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景(図87においては3人のキャラクタを含む)とを示す画像である。なお、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称する)と別個の画像として用意してもよい。また、注意喚起画像ATNは、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」というメッセージが明記された画像である。
次に図88を参照し、特別遊技の終了時において、画像表示装置70に表示する注意喚起画像ATNの大きさについて説明する。注意喚起画像ATNは、小さすぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、大きすぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、注意喚起画像ATNを表示する画像表示装置70が7インチ未満であれば(換言すると、小型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像ATNの大きさを縦が10.00mm、横が64.12mmとしている。また、注意喚起画像ATNを表示する画像表示装置70が7インチ以上であれば(換言すると、大型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像ATNの大きさを縦が30.00mm、横が192.37mmとしている。
次に図89を参照して、画像表示装置70に終了画面ENDと注意喚起画像ATNを表示するタイミングについて説明する。図89(a),(b)は、いずれも特別遊技の最終遊技の場面を示しており、最終遊技において遊技メダルが付与される場合(小役が入賞した場合)は、図89(a)に示すように、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置70で終了画面ENDと注意喚起画像ATNとを表示する((キ)参照)。また、最終遊技において遊技メダルが付与されない場合(リプレイ役が入賞した場合など)は、図89(b)に示すように、すべてのリールの回転が停止した後(ストップスイッチから手が離された後)に画像表示装置70で終了画面ENDと注意喚起画像ATNとを表示する((キ)参照)。
次に画像表示装置70での終了画面ENDを非表示とするタイミングについて説明する。終了画面ENDを表示する理由の1つは、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を遊技者に教えるためである。すなわち、遊技者が特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を認識したと思われるタイミングであれば、終了画面ENDを非表示としても問題はないといえる。そこで、ここでは、スタートスイッチが操作されたときに終了画面ENDを非表示としている。
また、スタートスイッチ36が操作されたときに、そのときの遊技状況に応じた演出画面を画像表示装置70で表示する。たとえば、ボーナス遊技やAT遊技の終了後の遊技が通常遊技(非ボーナス遊技かつAT遊技)であり、小役の1つであるチェリー役に当選したのであれば、図90(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画面PS1が表示可能である。また、ボーナス遊技の終了後の遊技がAT準備中の遊技であり、小役の1つである押し順ベル役に当選したのであれば、図90(b)に示すような如何なる順番でストップスイッチを操作すべきかを示す押し順画像(以下、「ナビ画像」とも称する)とAT準備中の演出画面PS2が表示可能である。
次に注意喚起画像ATNを表示し続ける時間について説明する。注意喚起画像ATNを表示する時間が短すぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。また、認識できたとしても気にかけず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、長すぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、ここでは、のめり込み対策として期待されている効果を発揮でき、かつ遊技者に不快感を与えない時間だけ、注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしている。注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間については、順を追って説明していく。
まず、図91を参照して、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間について説明する。スタートスイッチ36が操作された後、リールの回転が開始してからリールの回転速度が一定となるまでに費やす時間が約180msである。また、ストップスイッチが操作されてからリールの回転が停止するまでに費やす時間が最大でも190msである(遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)イ(ト)において定められている)。さらに、付与される遊技メダルをクレジット数として加算するのに費やす時間および実際に払い出すのに費やす時間が1枚当たり約40msである。すなわち、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間は、付与される遊技メダルの枚数によって変化するものの、図91(a)に示すように、複数のストップスイッチが同時に操作できない(複数のリールを同時に停止制御できない)仕様であれば約750ms〜約1070ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)である。また、図91(b)に示すように、複数のストップスイッチがほぼ同時に操作できる(複数のリールを同時に停止制御できる)仕様であれば約370ms〜約690ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)であるといえる。
ちなみに、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間(4100ms)未満で1回の遊技を終了することはできない。これは、遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)リ(イ)とその技術上の規格の解釈基準において定められている。そこで、ここでは、図92に示すように前回の遊技が最短時間で遊技され、スタートスイッチ36が操作されたときであっても、リールの回転を開始するのは、前回の遊技におけるリールの回転を開始したときから4100msが経過してからとすることで、最小遊技時間未満で1回の遊技が終了することがないようになっている。
一般的に、ボーナス遊技の1つであるBB遊技では、目押しが不要な小役(特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作する必要がない小役)が高確率で当選する(必ず当選する仕様の場合もある)。また、AT遊技では、ストップスイッチを特定の順番で操作することが必要な押し順ベル役や押し順リプレイ役が当選するものの、どの順番で操作すべきかを教えている。さらに、ボーナス遊技中やAT遊技中は、遊技者が興奮状態にある。そのため、少なくとも特別遊技中は、多くの遊技者が最短時間で遊技している。
上述したように、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間未満で1回の遊技を終了することはできない。すなわち、図93に示すように特別遊技の最終遊技が最短時間で遊技された場合、すぐにスタートスイッチ36が操作されたとしても、リールの回転を開始するまでにはある程度の時間がある。また、リールの回転が開始してもリールの回転速度が一定となるまでにもある程度の時間がある。これらの時間は、遊技者による如何なる操作も無効となるため、注意喚起画像ATNを表示し続けていても、遊技者に不快感を与えることはないが、これらの時間を超えても注意喚起画像ATNを表示し続けていると、遊技者に不快感を与える可能性がある。なぜなら、これらの時間を超えると、少なくともストップスイッチの操作は有効となるが、図93(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画像PS1と注意喚起画像ATNが重なっているせいで、ストップスイッチを操作できなかったり(どの役を狙えばよいか分からないため)、注意喚起画像ATNが表示されているため、ストップスイッチを操作してはいけないのではないかという不安感が生じたりするからである。ゆえに、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間は、これらの時間を超えないことが好ましいといえる。
そこで、ここでは、注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間を3000ms以上、3210ms以下としている。なお、3000ms以上としているのは、長ければ長い程、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できると考えられるからである。
図94に示すように、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者も僅かながらいると思われる。その場合、注意喚起画像ATNを3210ms表示し続けると、注意喚起画像ATNの表示中に少なくともストップスイッチの操作が有効になるため、遊技者に不快感を与える可能性はある。ただし、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者であるため、最短時間で遊技を行う遊技者よりは不快感があると思わない可能性が高い。ちなみに、注意喚起画像ATNを非表示とした後に最短時間で遊技を行えば、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができる。そのため、本来であれば最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができるのに、注意喚起画像ATNが表示され続けていたせいで、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができなかった(損をした)というような苦情が寄せられることはない。
次に注意喚起画像ATNを表示する位置について説明する。基本的には、遊技者が認識し易い位置に注意喚起画像ATNが表示されることが好ましい。遊技者が認識し易い位置の1つとして、筐体の中央より上側の位置が挙げられる。これは、遊技者の目の高さが筺体の中央より上側にあるからである。
ここでは、図1に示すように画像表示装置70を筺体(前面扉14)の中央より上側に備え、図87に示すように画像表示装置70の中央より上側に注意喚起画像ATNを表示するように8している。
もちろん、画像表示装置70が筺体の中央より上側に備えられているのであれば、画像表示装置70の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像ATNを表示してもよい。
また、他の画像が表示される位置を考慮して、注意喚起画像ATNを表示する位置を決めることが好ましい。たとえば、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)や演出画面PS1内のチェリー役に当選したことを示唆する画像(チェリーの図柄)などとは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像ATNを表示することが好ましい。また、押し順を示す画像とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像ATNを表示することが好ましい。
更に、ここでは、遊技待機中においても、注意喚起を行うようにしている。図95に、遊技待機中に画像表示装置で表示されるデモ画面を示す。
遊技待機中になると、最初に製造業者を示す画像MFが表示される(図95(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像ATNが表示される(図95(b))。さらに、所定時間の経過後は、スロットマシンの題材を紹介する画像PRが表示される(図95(c))。このように、遊技待機中は、画像表示装置70に図95(a)から図95(c)が繰り返し表示されるようになっている。
上述したように、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者である。のめり込み対策として、遊技を始めようとする遊技者に、予めのめり込んではいけないということを印象づけるという方法も考えられるが、過度な注意喚起を行ってしまうと、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。そこで、ここでは、遊技待機中に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間を、特別遊技の終了時に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間よりも短くしている。換言すると、3000ms未満としている。具体的には、2000ms以下としている。ただし、これに限られるものではない。
ちなみに、注意喚起画像ATNを表示する位置と大きさは、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしている。これは、表示する位置を状況によって、変更するようにすると、副制御手段200による負担が増大する可能性があるためである。また、大きさを変更するようにすると、複数の画像を用意する必要があるためである。
次に図99を参照して、特別遊技の最終遊技でエラーが発生した場合について説明する。ここでは、スタートスイッチ36が操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようになっている。これは、遊技の進行を停止してしまうと、遊技者の集中力が切れ、ストップスイッチを操作する際にミスが起きやすくなってしまう可能性があるからである。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
そして、すべてのリールの回転が停止すると(遊技の進行が停止すると)、画像表示装置70にエラー画面ERRを表示する。これは、エラーが発生したときにエラー画面ERRを表示してしまうと、遊技者が驚いた拍子にミスしてしまう可能性があるからである。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置70に終了画面ENDと注意喚起画像ATNが表示される。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像ATNが表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示され続けることぐらいでは、遊技者に不快感を与えない可能性が高いためである。
次に図100を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合について説明する。ここでは、スタートスイッチ36が操作されるまでの間にエラーが発生したときは、エラーが発生したときに、遊技の進行が停止するようになっている。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
また、遊技の進行が停止すると、画像表示装置70では注意喚起画像ATNに重ねてエラー画面ERRを表示する。このため、注意喚起画像ATNは、エラー画面ERRによって隠されることになる(図100のエラー画面ERRにおける破線参照)。ちなみに、エラーが発生したことを速やかに遊技店員に知らせる必要があるため、エラー画面ERRは注意喚起画像ATNよりも優先度が高く設定されている。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置70ではエラー画面ERRを非表示とする。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、エラー画面ERRを表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。なお、エラー画面ERRを表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間は含めている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像ATNが表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図101を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下で電力の供給が停止した場合について説明する。ここでは、電力の供給が停止すると、最小遊技時間(4100ms)の計測も停止し、電力の供給が再開されると、最小遊技時間(4100ms)の計測も再開する。
また、電力の供給が停止すると、画像表示装置70も停止し、電力の供給が再開されると、画像表示装置70も表示を再開する。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしている。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
次に図102を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下で演出スイッチが操作された場合について説明する。他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置70にメニュー画面MNを表示するようにしている。また、画像表示装置70にメニュー画面MNが表示されているときは、パスワード入力、QRコード表示、配当表といた項目が選択できるようになっている。具体的には、十字キースイッチ及び演出スイッチを操作することで、各項目を選択できるようになっている。
演出スイッチが操作されても、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしている。これは、メニュー画面MNが表示されたときに、注意喚起画像ATNを非表示としてしまうと、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞があるからである。
ただし、注意喚起画像ATNを表示する位置は、選択されている項目が分かるような位置としている。換言すると、選択されている項目が分かる範囲であれば、重ねて表示してもよい。また、注意喚起画像ATNを表示する位置は、QRコード表示が選択された際に表示されるQRコード表示画面QDにおいて、QRコードと可能な限り重ならない位置としている。これは、注意喚起画像ATNが表示され続けることにより、遊技を終えようとする遊技者が、すぐに遊技を終えることができなくなることを防止するためである。
以上の説明では、特別遊技の終了時において、終了画面ENDとともに注意喚起画像ATNを画像表示装置70に表示するようにしたが、特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合は、特別遊技の終了時において、注意喚起画像ATNを画像表示装置70で表示しないようにしてもよい。
これは、特別遊技中に付与される遊技メダルが極端に少なければ、遊技者の気が大きくなることもないし、これまでに使用した金額に対応する遊技メダルの数よりも特別遊技中に付与された遊技メダルの数が少なくても、取り返そうという気持ちに陥り難い(取り返すことが不可能に近いため)からである。
特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合の一例としては、AT遊技中であれば300枚未満の場合、ボーナス遊技中であれば50枚以下の場合などが挙げられる。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時において、終了画面ENDとともに注意喚起画像ATNを画像表示装置70に表示するようにしたが、終了画面ENDを表示しないときは、注意喚起画像ATNも表示しないようにしてもよい。たとえば、20回連続でAT遊技が行われるときは、20回目のAT遊技中に画像表示装置70で動画像を表示するようになっている。そして、20回目のAT遊技中にボーナス役が当選しても、ボーナス遊技中でも、ボーナス遊技の終了時にも、画像表示装置70では動画像を表示し続けたいため、ボーナス遊技の終了時に画像表示装置70で終了画面ENDを表示しないようになっている。このようなときには、表示されている動画像を視認する際の妨げにもなるため、注意喚起画像ATNも表示しないようにしてもよい。ただし、20回目のAT遊技の終了時には、画像表示装置70で終了画面ENDを表示するとともに注意喚起画像ATNを表示することが好ましい。
また、以上の説明では、注意喚起画像ATNの大きさを図88に示す大きさとしたが、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できる大きさであればよく、図88に示す大きさよりも大きい注意喚起画像ATNであってもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像ATNの大きさを状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面ENDとともに表示するときの大きさと、演出画面とともに表示するときの大きさは異なる大きさであってもよい。
また、以上の説明では、遊技メダルが付与される場合は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置70で終了画面ENDと注意喚起画像ATNを表示するようにしたが、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置70で表示するようにしてもよいし、最後のストップスイッチが離されたときに画像表示装置70で表示するようにしてもよい。また、遊技メダルが付与されない場合は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置70で終了画面ENDと注意喚起画像ATNを表示するようにしたが、最後のストップスイッチが離されたとき画像表示装置70で表示するようにしてもよい。
また、以上の説明では、終了画面ENDと注意喚起画像ATNを同じタイミングで画像表示装置70に表示するようにしたが、終了画面ENDを表示した後に注意喚起画像ATNを表示するようにしてもよい。さらには、終了画面ENDを表示してから所定時間の経過後に注意喚起画像ATNを表示するようにしてもよい。
また、以上の説明では、最終遊技において遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチ36が操作されたときに終了画面ENDを非表示とするようにしたが、最終遊技において遊技メダルが付与される場合は、遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されたときに終了画面ENDを非表示としてもよい。
また、終了画面ENDを表示してから所定時間が経過したときに非表示としてもよい。これは、画像表示装置70には、終了画面ENDだけでなく、注意喚起画像ATNも表示されているため、不安を感じた遊技者がスタートスイッチ36を操作しない可能性があるからである。
また、以上の説明では、画像表示装置70を筺体の中央より上側に備えるようにしたが、画像表示装置70は筺体の中央に備えてもよい。その場合、画像表示装置70の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央に注意喚起画像ATNを表示すれば、遊技者の目の高さに近い位置に表示されることになる。なお、1つの画像表示装置70しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像ATNを表示してもよい。
また、筐体のデザインなどの影響により画像表示装置70が筺体の中央より下側に備えられることがある。なお、1つの画像表示装置70しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像ATNを表示してもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像ATNの位置を状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面ENDとともに表示するときの位置と、演出画面とともに表示するときの位置は異なる位置であってもよい。
また、以上の説明では、遊技待機中に図95(a)から図95(c)が繰り返し表示されるようにしたが、表示する順番は入れ替えてもよい。たとえば、図96(a)から図96(c)が繰り返し表示されるようにしてもよい。遊技者が遊技を始める前にデモ画面を見るのは、遊技を始めようとするスロットマシンの題材が如何なるものであるかを確認するためである。以上の説明したようにスロットマシンの題材を紹介する画像が表示される前に、注意喚起を行うための画像が表示されることにより、遊技意欲が著しく低下する虞がある場合には、表示する順番を入れ替えることが好ましい。なお、入れ替える順番は、これに限られるものではない。
また、以上の説明では、遊技待機中に注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を3000ms未満にしたが、遊技を始めようとする遊技者にも、予めのめり込んではいけないということを印象づける必要があれば、3000ms以上表示し続けるようにしてもよい。
また、以上の説明では、遊技待機中に表示される注意喚起画像ATNの位置と大きさを、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしたが、表示する位置や大きさを状況によって、変更するようにしてもよい。たとえば、図97に示すように、遊技待機中に注意喚起画像ATNを常時表示する場合には、画像表示装置70の中央より上側右隅に小さく表示してもよい。これは、注意喚起画像ATNが表示され続ける時間が長くなるため、少しでも過度な注意喚起とならないようにするための工夫である。なお、表示する位置と大きさは、これに限られるものではない。
また、以上の説明では、スタートスイッチ36が操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようにしたが、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されるまでは、遊技の進行を停止しないようにしてもよい(遊技メダルが付与されない場合は除く)。
また、以上の説明では、スタートスイッチ36が操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止すると、画像表示装置70にエラー画面ERRを表示するようにしたが、エラーが発生したときにエラー画面ERRを表示するようにしてもよい。これにより、遊技店員が駆けつけることができ、遊技の進行が停止後すぐにエラーを解除することができる。
また、以上の説明では、スタートスイッチ36が操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
また、以上の説明では、スタートスイッチ36が操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、エラーの解除までに費やした時間に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしたが、エラーの解除までに費やした時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を短くしてもよい。たとえば、エラーの解除までに60000ms以上費やしたときは、注意喚起画像ATNを1000ms表示し続けるようにしてもよい。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合、注意喚起画像ATNに重ねてエラー画面ERRを表示するようにしたが、注意喚起画像ATNを非表示とし、エラー画面ERRを表示するようにしてもよい。そして、エラーが解除されたときは、エラー画面ERRを非表示とし、注意喚起画像ATNを表示するようにしてもよい。これは、エラー画面ERRと注意喚起画像ATNの優先度を同じにしたい場合に好適である。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画面ERRを表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしたが、エラー画面ERRを表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしてもよい。エラー画面ERRを表示しているか否か(エラーが発生したか否か)に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)だけ注意喚起画像ATNを表示し続ければよいので、副制御手段200による負担を増大させなくて済む。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画面ERRを表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、エラー画面ERRを表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、エラー画面ERRが表示されることにより、遊技者の意識が注意喚起画像ATNから逸れる可能性が高い場合に好適である。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画面ERRの優先度を注意喚起画像ATNよりも高く設定したが、注意喚起画像ATNの優先度をエラー画面ERRよりも高く設定してもよい。ただし、注意喚起画像ATNによって、発生したエラーの種類が特定できなくなることは好ましくないため、注意喚起画像ATNを表示する位置は、発生したエラーの種類が明記される位置と重ならない位置にすることが好ましい。なお、発生したエラーの種類が特定できる程度であれば、重なっていても構わない。
また、この場合は、エラー画面ERRを表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしてもよい。
また、以上の説明では、特別遊技の終了時に注意喚起画像ATNが表示されている状況下で電力の供給が停止した場合、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、電力の供給が停止したことにより、遊技者の意識が注意喚起画像ATNから逸れる可能性が高い場合に好適である。
また、以上の説明では、電力の供給が再開すると、すぐに起動(表示を再開)する画像表示装置70を用いたが、起動するまでに時間がかかる画像表示装置70を用いる場合も、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像ATNを表示し続けるようにしてもよい。起動するまでの時間によっては、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像ATNが表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。ただし、遊技者に多大なる不快感を与える可能性があれば、起動するまでの時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像ATNを表示し続ける時間を短くしてもよい。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。
また、以上の説明では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置70にメニュー画面MNを表示するようにしたが、遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチ36が操作されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置70にメニュー画面MNを表示するようにしてもよい。
また、以上の説明では、注意喚起画像ATNを表示する位置を、メニュー画面MNが表示されたときに、選択されている項目が分かるような位置にしたが、選択されている項目が分からなくなるような位置にしてもよい。このようにすることで、遊技者の意識が注意喚起画像ATNから逸れることを抑制することができる。
また、以上の説明では、図93や図94に示すように、注意喚起画像ATNが表示され続けていても、スタートスイッチ36などの操作が有効となっている(遊技が進行する)が、注意喚起画像ATNが表示され続けている間は、フリーズさせてもよい。換言すると、スタートスイッチ36などの操作が無効となる(遊技の進行を停止させる)ようにしてもよい。遊技者に不快感を与えることになるが、のめり込み対策として期待される効果を最大限発揮することができる。具体的には、長時間に亘って遊技の進行が停止するため、遊技意欲をある程低下させることができる。この場合の注意喚起画像ATNが表示され続ける時間は、遊技意欲をある程度低下させることができる時間であることが適当である。しかし、過度に長すぎる(たとえば、最小遊技時間以上の時間である)と、遊技者が二度と遊技しない可能性がでてくる。ゆえに、3000ms以上、4100ms未満であることが好ましい。
また、特別遊技の終了時にフリーズさせる場合(注意喚起画像を表示する時間以上の時間、遊技者の操作を無効にする場合)であれば、図98に示すように、画像表示装置70に終了画面ENDを表示させた後、終了画面ENDを非表示とするとともに注意喚起画像ATNのみ表示するようにしてもよい。注意喚起画像ATNのみ表示することで、遊技者の意識を確実に注意喚起画像ATNに向けさせることができるため、のめり込み対策として期待される効果をより発揮することができる。なお、注意喚起画像ATNを表示してから所定時間(3000ms以上、4100未満のうち、予め定めた時間)が経過した後、注意喚起画像ATNを非表示とするとともに再び終了画面ENDを表示するようにしてもよし、注意喚起画像ATNのみを表示し続けてもよい。
また、電力の供給が停止した後、電力の供給が再開すると、画像表示装置70で図95(a)から図95(c)を順番に表示するようにしてもよい。このようにすることで、電力の供給が停止する前の画面状態を記憶しておく必要がなくなる。ちなみに、フリーズ(注意喚起画像の表示)中に電力の供給が停止し、その後に電力の供給が再開した場合、フリーズ時間に残りがあればフリーズを継続するため、その間に図95(b)が表示されることで、注意喚起を行うことができる。ゆえに、電力の供給が停止する前の画面状態に戻す必要性もない。
まず、遊技待機中は図95(b)、図95(a)、図95(c)の順番で表示されるようにしたうえで、図98(b)を表示するタイミングのときに、図95(b)を表示し続けるようにしてもよい。これにより、図98(b)を表示するための画像を用意する必要がなくなる。
また、以上の説明では、画像表示装置70で注意喚起を行うようにしたが、画像表示装置70以外でも注意喚起を行うようにしてもよい。たとえば、遊技者が認識し易い位置にある筐体のパネル部分に注意喚起画像ATNを表示してもよい。
注意喚起画像ATNは、例示したものに限られるものではない。たとえば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像であってもよい。
なお、文字の色やフォントは、遊技者が認識し難いものでなければ自由である。たとえば、注意喚起画像ATNを表示する際の背景画像と色が似ていると、遊技者が認識し難くなる恐れがあるため、背景画像の大部分を占める色とは異なる色である方が好ましい。特に、色相環で正反対に位置する色(以下、「反対色」とも称する)または反対色に近しい色である方が、色が引き立つため好ましい。
また、以上の説明では、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚のときを例に、注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間を算出したが、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚以上15以下のときも、注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。たしかに、15枚の遊技メダルが付与されるときは、8枚の遊技メダルが付与されるときよりも、費やす時間が約280ms増えるため、その分だけ、注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間を短くすれば、ストップスイッチの操作が有効になる前に、注意喚起画像ATNを非表示とすることはできる。ただし、ストップスイッチの操作が有効になってから約280ms後に、注意喚起画像ATNを非表示としても、遊技者がそれに気づく可能性は著しく低いといえる。であれば、長ければ長い程、のめり込み対策として期待される効果を発揮することができるため、注意喚起画像ATNを表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。
[その他の変形例について]
上述したスロットマシン10に対しては、以下の構成を採用してもよい。
(1)抽選状態が非RTのときは、役抽選でハズレとなる確率が高いことや、基本的にART中に滞在することがない(ただし、遊技者が報知された押し順に従わなかったときなどは、非RTへ移行する可能性はある)ため、非RT中の全再遊技役の合成当選確率を、設定値が高くなるほど高くなるようにしてもよい。また、設定値が高くなる程、特定の小役の当選確率を高くしてもよい。
この特定の小役としては、例えば、本実施形態では、当選番号31(入賞・再遊技当選番号31)の共通ベルB、当選番号33(入賞・再遊技当選番号33)の共通3枚ベルBおよび当選番号35(入賞・再遊技当選番号35)のスイカBなどが該当する。また、特定の抽選状態における全再遊技役の合成当選確率は、高設定ほど低くなるように定めてもよい。例えば本実施形態の図20に示すRT1用の役抽選テーブルおよび図22に示すRT2用の役抽選テーブルにおいて、当選番号18(入賞・再遊技当選番号18)のリプレイBの当選確率が、設定値が高くなる程、低くなっており、その他の再遊技役の当選確率は設定値に応じて変動しないため、全再遊技役の合成当選確率(以下、「リプレイ当選確率」ともいう。)は、設定値が高くなる程、低くなっている。
従来のスロットマシンは、設定値によりAT抽選に当選する確率や、当選したときのATの初期遊技回数を異ならせることで、設定値ごとの出玉率(メダルの払い出されやすさ)を変えていた。しかし、本実施形態のように設定値によりART中に移行する確率や、ARTの初期遊技回数を異ならせないようにしていると、今後は、設定値により小役やボーナス役の当選確率や、リプレイ当選確率を異ならせることだけで、設定値ごとの出玉率を変えていく必要がある。すなわち、本実施形態でも、高設定ほど出玉率が高くなるように、共通ベルBなどの払出枚数が多く、かつ遊技者の技量にかかわらず入賞させることができる小役の当選確率を高くしている。
これにより、設定値ごとの出玉率を変えることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。ARTの初期遊技回数が同じであっても、高設定ほど払い出されるメダルの枚数が多くなる。仮に、RT1中のリプレイ当選確率も高設定ほど高くなるようにしてしまうと、高設定であるときのART中での出玉率が異常に高くなりすぎてしまうことになるため、本実施形態では、少なくともRT1中のリプレイ当選確率は、高設定ほど低くなるようにしている。
ちなみに、設定値に応じて、リプレイ当選確率を変えず(一定とする)、設定値に応じてハズレ確率を変えること(高設定ほどハズレ確率を高くする)でも、高設定であるときのART中での出玉率が異常に高くなりすぎないようにすることはできるが、この場合は、設定値が容易に推測されてしまうため(ハズレのときにのみ揃う図柄組合せをカウントすることで推測されてしまうため)、最適とはいえない。
また、押し順ベルや押し順リプレイの当選確率は、設定値に応じて変えないようにしている。これは、押し順ベルや押し順リプレイを、設定値に応じて当選確率を変えてしまうと、設定値に応じて非RTへ移行しやすい/移行し難いといった不都合が生じてしまうからである。
(2)通常区間中に、役抽選で当選番号20〜22(チャンス目A〜C)のいずれかが決定されると、有利区間移行抽選を行うが、この有利区間移行抽選では、ハズレ、ART抽選当選という結果となるようにしてもよい。そして、ハズレになった場合は、引き続き通常区間に滞在する。また、ART抽選当選になった場合は、次の遊技からART中に移行可能としてもよい。ただし、このようにした場合、遊技者に対して過度にメダルが払い出されないようにするため、通常区間かつ抽選状態がRT1になっている状態で、ART中に移行することがないように、換言すると、通常区間かつ非RTになっている状態でART抽選当選となり、さらにボーナス役が当選する以外では、ART中かつRT1とならないようにするのが望ましい。すなわち、ART中かつRT1になっている状態で、ARTゲーム数を消化すると、通常区間かつRT1となるが、この状態でART抽選に当選しない、もしくは、ART抽選に当選する前に通常区間かつ非RTへ移行することが望ましい。
そのようにするためには、RT1のときに、ART中へ移行する確率よりも非RTへ移行する確率の方を高くしておけばよい。例えば、通常区間中かつRT1へ移行した場合、RT1において、再遊技03および04の条件装置が作動する押し順リプレイ1〜6の合成当選確率を1/7.31、再遊技03または再遊技04の図柄組合せが揃う確率を1/8.77、入賞06〜入賞08の条件装置が作動する押し順ベル1〜6(非RTへの移行役)の合成当選確率を1/8.40、入賞06〜入賞08のいずれかの図柄組合せが揃う確率を1/12.60とする。また、RT1におけるチャンス目A〜Cの合成当選確率を1/60にする。
このように、通常区間中かつRT1である場合、チャンス目A〜Cの合成当選確率(ART抽選当選となり得る確率)を、RT1から非RTへ移行する確率よりも低くすることで、RT1から非RTに転落しやすくなり、ボーナス役の当選を経てからRT1かつART中となるようにすることができる。例えば、初期のARTゲーム数を定める場合(常に同じ初期ゲーム数にする場合)、通常区間かつ抽選状態がRT1になっている状態で、再度ART中に移行される等のイレギュラーな事象まで考慮すると、遊技者にとって好ましくない方向に進んでしまうことの方が多い(初期のARTゲーム数を少なめに定めるなど)。変形例では、イレギュラーな事象まで考慮して、初期のARTゲーム数を定めるのではなく、そもそもイレギュラーな事象が頻繁に起こらないようにしている。
(3)有利区間中に少なくとも1回の「全ナビ」が行われるように、有利区間から通常区間へ転落する転落抽選の当選確率を設定するため、例えば、通常区間かつ非RTに滞在しているときの、押し順ベル1〜6の合成当選確率を1/8.40、リプレイA1の単独当選確率を1/.831にする。また、有利区間中における通常区間への転落抽選の当選確率を1/.831×1/2=1/16.62にする。このように、押し順ベル1〜6の合成当選確率よりも、通常区間への転落抽選に当選する確率を低く設定することで、有利区間中に少なくとも一回の「全ナビ」が行われる可能性を高くすることができる。なお、押し順ベル1〜6の合成当選確率よりも、リプレイA1の単独当選確率の方が低くなるように設定されていれば、より好ましい。
(4)有利区間中に実行できるゲーム数の上限が1500ゲームと定められている場合において、この上限値を越えないようにするため、図28におけるエンディング状態(遊技状態番号10)から通常区間への移行(同図中、矢印タ)を、有利区間中のゲーム数が1200Gになったときに行うようにしてもよい。この場合、遊技状態番号1〜9のいずれかからエンディング状態へ移行(同図中、矢印ソ)する条件を、有利区間中のゲーム数が1170Gになったとき、と定めてもよい。
このように、有利区間中のゲーム数が1500ゲームを越えないような仕様になっている場合であっても、有利区間から通常区間へ移行すべきか否かの判断を行う場合、まずは有利区間中のゲーム数が1500ゲームに到達したか否かを判断するのが好ましい。そして、1500ゲームになっていないと判断したときに、次に有利区間中のゲーム数が1200ゲームに到達したか否かを判断し、1200ゲームに到達した場合は、通常区間へ移行させるようにする。
(5)エンディング演出として、例えば、有利区間中のゲーム数が1450ゲームに到達してから、8ゲーム(40秒),8ゲーム(40秒),7ゲーム(40秒),7ゲーム(40秒)という、4つの区間からなるムービー演出を行ってもよい。なお、最後の7ゲームの区間は、4.1秒×7ゲーム=28.7秒間より短いムービー演出を行ってもよい。
この場合、例えば最初の区間(8ゲーム)が最小遊技時間(4.1秒)で遊技が行われると、4.1×8=32.8秒で終了するので、次の区間のムービー演出に移行するまで約7秒間余ることになる。このとき、画像表示装置70の画面に、「次の操作によってムービーがスキップされます」というテロップを表示させ、この間、次の操作が行われた場合は、次の区間のムービー演出を開始させるようにしてもよい。また、上述したテロップが表示されているときに、次の操作が行われなければ、最初の区間におけるムービー演出が最後まで実行される。
つまり、エンディング演出をそれぞれA、B、C、Dという4つのムービー演出によって構成したとき、A、B、C、Dのそれぞれの最初の演出については、遊技者は視認することとなる。これにより、1つのムービー演出をスキップした遊技者であっても、要所要所は確認することとなり、遊技者に見せたいエンディング演出の重要な部分は出力することが可能となる。なお、有利区間の終了を知らせるためのエンディング演出を例にして説明したが、有利区間の終了を知らせるためのエンディング演出だけでなく、ボーナス遊技中等の特定の状態において複数遊技に亘った特別な演出を実行したい場合にも適用することができる。
さらに、有利区間の最後の遊技(1500ゲーム到達)では、有利区間中(または有利区間中の一部(例えばART中など))の総遊技回数や総獲得枚数(総払出枚数)等を含む遊技の結果を画像表示装置に表示するとともに、フリーズ演出を実行するようにすることが好ましい。但し、最後の遊技(1500ゲーム到達)時がボーナス遊技中や内部中のときには、フリーズ演出や上述した遊技の結果の表示を含む演出を実行せず、当該ボーナス遊技が終了した遊技(通常区間中の遊技)で有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数(総払出枚数)等を含む遊技の結果を画像表示装置に表示するとともに、フリーズ演出を実行するようにすることが好ましい。
(6)通常区間中であっても、押し順によって利益が変化しない役が当選した場合は、押し順を報知してもよい。
(7)通常区間から有利区間への昇格抽選の当選確率は、100%でも0%でもよいが、予め定めた当選確率は一定にする。ただし、昇格抽選の契機となる当選役(以下、「抽選契機役」ともいう。)が異なる場合は、各当選役に対して個別の当選確率を定めてもよい。
(8)通常区間中に抽選状態が変動する場合において、特定の抽選状態のときだけ当選する可能性がある役を有利区間への移行抽選契機役にしないことが望ましい。これに対して、有利区間中に抽選状態が変動する場合において、特定の抽選状態のときだけ当選する可能性がある役を、遊技状態番号の移行抽選における抽選契機役にしてもよい。
(9)抽選契機役と同時当選したボーナスの種類に応じて、直接有利区間へ移行する場合と、待機区間を経て有利区間へ移行する場合とに異ならせてもよい。
(10)待機区間はボーナス役の入賞によって終了するが、その前に終了させてもよい。この場合の終了条件として、例えば待機区間が開始してから所定ゲーム数で待機区間を終了させてもよい。
(11)有利区間へ移行してから最初の1000ゲームまではARTゲーム数の上乗せを可能な状態とし、その後1500ゲームに到達するまでは、20ゲーム毎にARTゲームを継続するか否かを決定するループ抽選を行うようにしてもよい。
(12)RWMアドレスF022に記憶されている指示済みフラグ(図37参照)の状態に基づいて、有利区間を終了することができる状態になったか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、有利区間の終了判断の一つとして、指示済みフラグの値がFFHなら有利区間が終了可能であると判断し、00Hなら終了不可と判断する。
(13)エンプティエラーが起こったときに、エラー制御処理を実行するようにしてもよい。ここでエラー制御処理とは、遊技進行メイン処理の一部であって、設定/リセットスイッチ82c等の操作(エラー解除操作)を待機している状態を指す。ただし、このエラー制御処理を実行しているときであっても、タイマ割込処理は実行されるように制御する。前述した通り、タイマ割込処理によって最小遊技時間である4.1秒のタイマは計時されることから、エラー制御処理の実行中にタイマ割込処理を行うことで、エンプティエラーの発生によってエラー制御処理が実行されたときであっても、4.1秒の計時(タイマ減算)は継続して行われる。
従来は、エンプティエラーが発生してエラー制御処理が実行されると、タイマ割込処理も待機するため、エンプティエラーが発生した場合は、4.1秒のタイマ減算も一旦中断し、エンプティエラーが解除された後に、タイマ減算が再開されるように構成されていた。そのため、エンプティエラーが発生後の遊技においては、エンプティエラーが解除されるまでに経過した時間に+αの時間を要していた。しかしながら、本実施形態ではエンプティエラーが発生しているエラー制御処理中であっても4.1秒のタイマ減算処理が行われるため、エンプティエラーが解除された後、直ちに遊技が実行できるようになる。これにより、従来のエンプティエラーが発生した場合と比較して遊技が実行できるまでの時間を短縮することができる。なお、エンプティエラーを例にして挙げたが、メダル詰まりエラー等の他のエラーにおいても適用することができる。
(14)RWMのアドレス(F024)の有利区間カウンタとして、有利区間が開始される前に「1500」をセットし、有利区間での遊技が実行されるごとに「1」減算するようにし、当該カウンタが「0」になったら有利区間を終了するように制御してもよい。また、このときエンディング演出は「30」になったら有利区間を開始するように制御してもよい。
(15)当選役としてボーナス役の当選を含む当選番号であって、有利区間に移行するための有利区間移行抽選が実施される当選番号Aと、当選役としてボーナス役の当選を含む当選番号であって、有利区間に移行するための有利区間移行抽選が実施されない当選番号Bとを備えておき、当選番号Aが決定された場合と、当選番号Bが決定された場合とで、ボーナス役が当選したことを示す結果演出が出力されるまでの演出過程として、共通の演出過程が出力され得るようにし、役抽選で当選番号Aが決定され、有利区間移行抽選に当選した場合には、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示した後に有利区間ランプを点灯させるようにしてもよい。
また、当選番号Aが決定され、有利区間移行抽選に当選した場合には、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示した後に第1の演出態様で演出を出力し、当選番号Bが決定され、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示した後に第2の演出態様で演出を出力するようにしてもよい。ここで、「第1の演出態様」としては、例えば図54に示したプレミアボーナス演出のようなものであってもよく、「第2の演出態様」としては、例えば図54に示した通常ボーナス演出のようなものであってもよい。
これは、決定された当選番号に応じて、有利区間移行抽選を実行する場合と、有利区間移行抽選を実行しない場合とがあるときに、どの当選番号が決定されたのかをすぐに報知してしまうこと、遊技者は、報知された当選番号によって有利区間移行抽選が実行されたか否かが分かってしまうため、当該遊技以降の遊技に期待感等を持つことができない、ということが起こらないようにするためである。
このような構成を採用した場合、ボーナス役に対応した図柄組み合わせが停止表示されるまで、異なる当選番号が決定された場合であっても同一の演出が選択されることがあること、そして、ボーナス役に対応した図柄組合せが揃った後に有利区間移行抽選に当選したか否かが有利区間ランプ等で報知されるので、ボーナス役に対応した図柄組合せが揃って、第3停止ボタンを離すまでドキドキ感を与えることができる。
(16)有利区間の開始条件を満たした後、遊技の進行に応じて有利区間中に行われた遊技回数(以下、「有利区間遊技数」ともいう。)を更新するようにして、有利区間の終了条件を満たしたときは、所定の情報を初期値(クリア)にする。この所定の情報の中には、少なくとも有利区間遊技を示す情報(例えば、RWMアドレスF020(遊技区間フラグ)やF021(遊技状態番号)等のデータ)と、有利区間遊技数(例えば、RWMアドレスF024(有利区間カウンタ)のデータ)とが含まれている。また、有利区間の終了条件には、有利区間遊技数が特定値(0)になったことが含まれており、有利区間遊技数が特定値に近づいていることを示唆する特別演出(エンディング演出)が実行される場合があるようにする。ここで、特別演出(エンディング演出)とは、複数遊技に亘って実行される演出をいう。さらに、通常区間中に第1のボーナス役が当選したときには、当選した第1のボーナス役に対応する図柄組合せを第1の態様で表示するの対して、有利区間中の特別演出(エンディング演出)を実行中に第1のボーナス役が当選したときには、特別演出を実行しながら当選した第1のボーナス役に対応する図柄組合せを第2の態様で表示する。
なお、「第1の態様」は、例えば画像表示装置の画面中央に、ちょっと大きめに第1のボーナス役に対応する図柄組合せ(例えば「7−7−7」)を表示する態様である。また、「第2の態様」は、例えば画像表示装置の画面右端で少し小さめに第1のボーナス役に対応する図柄組合せ(例えば「7−7−7」)を表示する態様である。
特殊な演出が実行されているときにボーナス役が当選し、それによりボーナス役が当選したことを示す演出が実行されてしまうと、実行中の特殊な演出を楽しむことができなくなってしまう。このため、特殊な演出を出力しているような状況下において、特殊な演出を楽しめるようにしつつ、ボーナス役の当選を報知できるような演出を行うようにするために、上記のような構成を採用してもよい。
上記のような構成により、遊技者に有利区間の終了条件が迫ってきていることを示唆するエンディング演出中に、ボーナス役が当選した場合には、エンディング演出を邪魔しないような態様でボーナス役の当選、又はボーナス役の図柄組合せを報知することで、遊技者にボーナス役の図柄組合せを揃えることを促しつつ、エンディング演出を効果的に見せることができる。
(17)図27に示した抽選状態の遷移図では、ボーナス遊技(1BB−A遊技、1BB−B遊技〜1BB−F遊技)の終了後にRT2へ移行し、RT2からRT1へ(さらにいえば、RT3などの他のRTから)移行している。ここで、RT1であり、且つ、ART中(遊技状態番号5)である状況下において、ボーナス役が当選し、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されると、そのことを条件にボーナス遊技が実行され、ボーナス遊技の終了後には、RT2に移行することになる(この場合、抽選状態は、RT1→RT3→1BB−A遊技(または1BB−B〜F遊技)→RT2と遷移する)。このとき、RT2→RT1と移行する場合におけるRT2からRT1への移行条件、またはRT2→RTX(RT1およびRT2以外の抽選状態)→RT1と移行する場合におけるRTXからRT1への移行条件を満たす当選役に当選した場合、その遊技においてART中の遊技回数に関する上乗せを実行するようにしてもよい。
従来は、如何なる条件においてもART遊技の上乗せ抽せん等を実行することが可能であった。一方で、設定差による出玉の違いはあくまでも役の入賞によるものが望ましく、所謂AT等の指示に関する性能が設定差によって異なるのは望ましくないとされている。このため、設定差のある当選役、及び、設定差のあるボーナス役が当選したボーナス遊技においては、上乗せ抽選が実行できないような遊技機となっていた。
そこで、ART中にボーナス役が当選した場合に、ART中の遊技回数に関する上乗せ抽選を実行できるようにするために、上記の構成を採用してもよい。このような構成を採用すれば、例えば、設定差の無いRT移行役(例えば当選番号19(入賞・再遊技当選番号19)のリプレイC(再遊技−H))が当選した遊技において、ART中の遊技回数に関する上乗せ等の特典を付与することが可能となり、遊技者の興趣を向上することができる。
(18)有利区間の開始条件を満たした後、遊技の進行に応じて有利区間遊技数を更新するようにして、有利区間の終了条件を満たしたときは、所定の情報を初期値(クリア)にする。この所定の情報の中には、少なくとも有利区間遊技を示す情報(例えば、RWMアドレスF020(遊技区間フラグ)やF021(遊技状態番号)等のデータ)と、有利区間遊技数(例えば、RWMアドレスF024(有利区間カウンタ)のデータ)とが含まれている。これに対して、所定の情報の中には、少なくとも設定値データ(例えば、RWMアドレスF000(設定値データ)のデータ)、抽選状態を識別可能な情報(例えば、RWMアドレスF005(RT状態番号)のデータ)および貯留数データ(例えば、RWMアドレスF010(貯留枚数表示データ)のデータ)の情報が含まれないようにする。
従来は、例えばART中などの有利な状況が連続(または継続)することによって、所謂「一撃」で何千枚ものメダルが払い出されてしまう可能性がある仕様が主流となり、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞があった。そこで、有利区間が終了することに基づいて特定の情報は初期化し、所定の情報は初期化しないことで、有利区間終了後の遊技を適切な遊技とするようにするために、上述した構成を採用してもよい。
上記の構成においては、連続した一連の遊技において、多くの出玉を獲得できないようにするため、有利区間に関する情報は初期化する一方で、設定値データや貯留枚数データ等のデータは初期化しないことにより、有利区間が終了した後に実行される通常の遊技(通常区間の遊技)が、正常に実行できるようになる。
(19)ストップスイッチの操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの操作態様の報知が可能な有利区間と、通常区間から有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段と、清算操作が行われるとベットおよび/または貯留された遊技媒体を排出する遊技媒体排出手段と、を備え、前記移行抽選により有効区間へ移行することが決定されると、前記清算操作が可能となるまでに有効区間へ移行することを報知するようにしてもよい。
ここで、「操作態様の報知」には、ストップスイッチの押し順を報知するものや、いわゆる目押しする図柄を示すことによってストップスイッチの操作タイミングを報知するものが含まれる(以下同様)。また、「遊技媒体」は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよい。また、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。また、「清算操作」は、ベットおよび/または貯留された遊技媒体を排出させるために行う操作であり、例えば、スロットマシンに設けられた清算スイッチの操作が該当する。
従来のスロットマシンは、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技を開始するか否かを決定する抽選(以下、「AT抽選」ともいう)に当選しても、AT抽選に当選した遊技の次の遊技から所定回数の遊技が行われたことを契機として、AT抽選に当選したことを報知するものが大半であった。なぜなら、AT抽選に当選した遊技で報知すると、遊技者のAT遊技への期待感を長期間に亘って煽ることができないと考えていたからである。
このため、遊技者の中には、AT抽選に当選しているのにもかかわらず、そのことに気が付かずに(AT抽選に当選したことを報知する前に)遊技を止めてしまう者がいた。特に、初心者にその傾向が見られた。その一方で、端から自身の力でAT抽選に当選させる気がなく、所定回数の遊技だけを行うことで既にAT抽選に当選しているスロットマシンを見つけ出して遊技を行う者もいる。このような状況において、AT抽選に当選したときに遊技を行っていた者(AT抽選に当選させた者)がAT遊技を行わず、AT抽選の当選に何等寄与していない第三者がAT遊技を行うのは不条理ではないかという声があった。
そこで、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能な有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽選に当選したことに気付かずに、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくするために、上述した(19)の構成を採用することが考えられる。
上述した(19)の構成によれば、通常区間から有利区間へ移行することが決定されると、清算操作が可能となるまでに有効区間へ移行することが報知されるため、有利区間へ移行することに気付かずに、遊技を止めてしまう虞を少なくすることができる。なぜなら、大半の遊技者は遊技をやめる際に、貯留された遊技媒体が残っていないかを確認し、遊技媒体が残っていたときは清算操作を行う。したがって、有利区間への移行が決定された場合は、清算操作が可能になるまでにその旨を報知することで、遊技を止めようとして清算操作を行おうとした際に、有利区間へ移行することに気付く可能性が高くなり、有利区間へ移行することが決まっているにもかかわらず、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくすることができる。
また、上述した(19)の構成において、複数の発光体の点灯態様によって前記遊技媒体の貯留数を表示する貯留数表示手段を備え、貯留数表示手段の発光体のうち、前記貯留数の表示に使用されない発光体を点灯させることで有利区間へ移行することを報知することを特徴とする。
ここで、「貯留数表示手段」としては、8セグメント表示器(英数字などを表示する7つのセグメントa〜gと、ドット(小数点)を表示する1つのセグメントDPで構成された表示器)などがあり、この場合、セグメントDPが「貯留数の表示に使用されない発光体」に相当する。
上述した構成によれば、貯留数表示手段において貯留数の表示に使用されない発光体によって有利区間への移行が決定されたことが報知される。これにより、遊技者が貯留した遊技媒体が残っているか否かを確認するために貯留数表示手段の表示を見たときに、併せて有利区間へ移行することが報知されているか否かも視認されるため、有利区間へ移行することに気付かずに遊技を止めてしまう虞を少なくすることができる。また、既に設けられている表示手段を用いて有利区間へ移行することを報知するので、新たに専用の報知手段を設ける必要がないため、コストが増えることがない。
(20)ストップスイッチの操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの操作態様の報知が可能な有利区間と、貯留した遊技媒体の中から遊技の結果に応じた量の遊技媒体を払い出す払出手段と、通常区間と有利区間との間の移行を制御する遊技区間制御手段と、を備え、通常区間から有利区間へ移行して再び通常区間へ移行するまでに行われた遊技によって払い出される遊技媒体の期待量が、払出手段における遊技媒体の許容貯留量の半分以下となるように、設定されていてもよい。
従来のスロットマシンは、一般に、いわゆるホッパー(貯留しているメダルを払い出す装置)を備え、外部から投入されたメダルを貯留すると共に、いわゆる小役が入賞すると、貯留していたメダルの中から、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出している。従来から、ホッパーに貯留されているメダルがなくなると、スロットマシンはそのことを検知してエンプティエラー(以下、「CAエラー」ともいう。)が発生した旨、報知している。これにより、遊技場のスタッフがCAエラーの発生に気付くと、ホッパーに対してメダルの補充作業を行っている。しかしながら、一般に、遊技場に設置されているスロットマシンの台数に対してスタッフの数が少ないため、CAエラーが発生する度に行うメダルの補充作業は、遊技場のスタッフにとって過酷なものになっていた。もちろん、ホッパーのメダル貯留部に収容できるメダルの枚数が多ければ、CAエラーの発生頻度を低下させることができるが、ホッパーはスロットマシンの内部に設置されるため、メダル貯留部のサイズを大きくしてメダルの許容貯留量を増やすのにも限度がある。
一方、遊技場の営業開始時点で、ホッパーのメダル貯留部を満杯にしておくことも考えられるが、例えば、いわゆるボーナス遊技や、上述したAT遊技が行われていない状態では、遊技者が遊技を行うだけ、メダル貯留部内のメダルが増えていくことになり、程なくしてメダル貯留部のメダル許容量を大幅に超えたことを示すメダル満杯エラーが発生する虞がある。これにより、遊技場の営業開始後、程なくしてメダル満杯エラーが同時多発的に発生した場合は、遊技場のスタッフが、メダル貯留部のメダルを減らすメダル回収作業に忙殺されることになる。
また、遊技場のスタッフ数によっては、CAエラーが発生しても直ちにメダルの補充作業を行うことができないこともあり、そのような場合、遊技者は、CAエラーが発生してから遊技が再びできるようになるまで長時間待たされることになるため、CAエラーが頻繁に発生すると、遊技者の苛立ちが増していくことになる。また、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技中は、小役が入賞しやすい(すなわち、メダルが払い出される頻度が高い)有利な状態であることから、CAエラーが発生しやすくなると共に、遊技に対する遊技者の興趣が高まっている状況であるといえる。したがって、そのような状況でCAエラーが頻発すると、遊技者は遊技を頻繁に中断させられることとなり、遊技者の苛立ちをより大きくしてしまう虞がある。
そこで、スロットマシンに貯留された遊技媒体に関連する作業の負担を軽減することができるように、上述した(20)の構成を採用することが考えられる。
上述した(20)の構成によれば、例えば、遊技場の営業開始時点で払出手段における遊技媒体の許容貯留量の、半分の量の遊技媒体を払出手段に補充しておけば、営業開始直後に有利区間へ移行したとしても、有利区間中に行われた遊技によって、払出手段に貯留された遊技媒体が尽きてしまう虞を少なくすることができる。これにより、営業開始直後に有利区間へ移行した場合であっても遊技媒体の補充作業が必要となる可能性が低くなるため、スロットマシンに貯留された遊技媒体に関連する作業の負担を軽減することができる。また、営業を開始してから、しばらく有利区間へ移行しなかった場合でも、払出手段における遊技媒体の貯留量に余裕があることから、短時間のうちに払出手段に貯留された遊技媒体を回収する作業が必要となる可能性も低いため、スロットマシンに貯留された遊技媒体に関連する作業の負担を軽減することができる。
また、上述した(20)の構成において、前記遊技区間制御手段は、通常区間において、有利区間へ移行するか否かを決定する有利区間移行抽選を行い、前記有利区間移行抽選の当選確率が、払出手段の許容貯留量と同量の遊技媒体をすべて用いて遊技を行った場合に1回当選する割合を越えないように設定されていてもよい。
上述した構成によれば、有利区間移行抽選の当選確率が、払出手段の許容貯留量と同量の遊技媒体をすべて用いて遊技を行った場合に1回当選する割合を越えないように設定されているため、有利区間が終了した時に、払出手段に貯留されていた遊技媒体が尽きかけていたとしても、次に有利区間へ移行するまでには、払出手段に貯留されている遊技媒体の量が、許容貯留量に達している、または、許容貯留量に近づいている可能性が高い。このため、次の有利区間中も、払出手段に貯留された遊技媒体が尽きてしまう虞を少なくすることができるため、遊技媒体の補充作業が必要となる可能性が低くなり、スロットマシンに貯留された遊技媒体に関連する作業の負担を軽減することができる。
(21)ストップスイッチの操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの操作態様の報知が可能な有利区間と、抽選を行う抽選手段と、有利区間において所定の終了条件が成立したことに基づいて有利区間を終了させる遊技区間制御手段と、を備え、前記遊技区間制御手段は、有利区間において前記抽選手段で所定の抽選結果になったときに有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様が一度も報知されていない場合は、前記所定の終了条件が成立しても有利区間を終了させないようしてもよい。
ここで、「所定の抽選結果」は、例えば、押し順によって払出枚数が異なる役(特許文献1の「ベルグループ」など)が当選したことが該当する。
従来のスロットマシンの中には、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技が開始されてから所定回数の遊技が行われるとAT遊技を終了させるものがある。このようなスロットマシンにおいては、遊技者の運が悪くAT遊技が開始してから所定回数の遊技が行われるまでの間に一度も報知対象役が当選しなかった場合は、有利な押し順が一度も報知されていない状態であってもAT遊技を終了させていた。しかしながら、AT遊技が開始されたのにも拘わらず、その恩恵を一度も遊技者に与えることなくAT遊技を終了させてしまうのは、遊技者に対してあまりに酷といえる。
そこで、そのような事態を避けるために、AT遊技の終了条件とする遊技回数を増やして、AT遊技中に報知対象役が当選する可能性を高くすることが考えられる。しかし、運が悪い遊技者のことを考慮しすぎてAT遊技の終了条件となる遊技回数を多くし過ぎると、大半の遊技者において報知対象役の当選回数が適度な範疇を超えてしまい、AT遊技中に払い出されるメダルの数が多くなり過ぎる場合も起こり得るため、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞がある。
そこで、AT遊技の終了条件として、例えば、AT遊技中に払い出されたメダルの枚数が所定枚数になったとき(払出枚数管理)、AT遊技中に投入されたメダルの枚数と、払い出されたメダルの枚数との差が所定の値になったとき(差枚数管理)、または、有利な押し順が報知された回数が所定の回数になったとき、などの条件が考えられる。しかしながら、これらの終了条件のいずれかを採用した場合、AT遊技中に報知対象役がなかなか当選しない状況になってしまったときは、いつまでたってもAT遊技が終了しないという事態になってしまう可能性がある。
したがって、有利区間へ移行したにも拘わらず、有利区間中に恩恵がまったく得られないといった事態を避けられるようにするために、上述した(21)の構成を採用することが考えられる。
上述した(21)の構成によれば、有利区間中に少なくとも1回は有利な押し順が報知されない限り有利区間が終了しないので、遊技者が有利区間中に恩恵をまったく受けられないといったことがなく、有利区間の存在意義が否定されるのを避けることができる。
また、上述した(21)の構成において、前記抽選手段で特定の抽選結果になったことによって特別な遊技結果になった場合に特別遊技を行う特別遊技実行手段を有し、前記遊技区間制御手段は、有利区間において前記特別遊技が行われたときは、有利区間において前記抽選手段で所定の抽選結果になったときに有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様(押し順および/または操作タイミング)が一度も報知されていない場合であっても、前記所定の終了条件が成立したことに基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
ここで、「特定の抽選結果」としては、例えば役抽選でいわゆるボーナス役が当選することが該当し、「特別な遊技結果」としては、ボーナス役が入賞することが該当する。また、「特別遊技」としてはいわゆるボーナスゲームが該当する。
上述した構成によれば、有利区間中に特別遊技が行われたときは、有利区間において一度も有利な押し順が報知されなくても、所定の終了条件が成立したことに基づいて有利区間を終了する。この場合、遊技者には有利区間中に特別遊技による恩恵が与えられているため、有利区間中に恩恵がまったく得られないといった事態を避けることができている。また、ボーナスゲーム中に大量のメダルが払い出されるため、このようなときにまで、1回の有利な押し順を行うために有利区間を終了させないようにしていると、かえって遊技者の興趣を低下させてしまう虞があり、そのような事態を避けることができる。
(22)ストップスイッチの操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの押し順操作態様の報知が可能な有利区間と、有利区間中に行われた遊技回数をカウントするカウンタと、有利区間中に、前記カウント値が所定の値になると有利区間から通常区間への移行を行う遊技区間制御手段と、を備え、前記遊技区間制御手段は、有利区間で特別遊技が行われている途中で前記カウント値が所定の値になったときは、特別遊技を継続させたまま有利区間から通常区間への移行を行うようにしてもよい。なお、「特別遊技」としては例えばボーナスゲームが該当する。
従来のスロットマシンは、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技の継続(例えば上乗せ)などに制限が設けられていなかったため、極めて小さい確率ではあるものの、1回のAT遊技に過剰なメダル枚数が払い出されてしまう場合があり、遊技者の射幸心を著しく煽っているのではないかという意見があった。
そこで、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)が報知可能な有利区間中に付与される遊技媒体の量を適度に抑制することができるように、上述した(22)の構成を採用することが考えられる。
上述した(22)の構成によれば、有利区間中に行われた遊技回数が所定の値になると、有利区間から通常区間への移行が行われるので、1回の有利区間中に付与される遊技媒体の量を適正な値に抑制することが可能となり、遊技者の射幸心を著しく煽るのを避けることができる。また、特別遊技を実行している途中で有利区間中の遊技回数が所定の値になった場合は、有利区間から通常区間への移行が行われるものの、特別遊技については継続して行われる。このため、通常区間へ移行しても特別遊技を最後まで行うことができるため、遊技者に無用な損失感を与えてしまう虞がない。
また、上述した(22)の構成において、有利区間において前記カウント値が所定の値になったときに、前記特別遊技が行われていなかった場合は遊技の進行を遅らせるフリーズ状態にし、有利区間において前記カウント値が所定の値になったときに、前記特別遊技が行われていた場合は前記フリーズ状態にしないフリーズ制御手段を備えた(22’)のような構成にしてもよい。
上述した(22’)の構成によれば、有利区間中に実行された遊技回数が所定値になると、フリーズ状態になる。このため、例えば、フリーズ状態になっているときに、有利区間中に行った遊技回数や、有利区間中に付与された遊技媒体の量(例えばメダル枚数など)など、有利区間中に行われた遊技に関する情報を遊技者に提示することができ、提示された情報を確実に把握する余裕を遊技者に与えることができる。その一方で、有利区間中に実行された遊技回数が所定値になったときに特別遊技が行われていたときは、フリーズ状態にはならない。これにより、特別遊技がフリーズ状態によって途中で中断されることが無く、遊技者に特別遊技を行っているときの爽快感を損なわせる虞がない。
さらに、上述した(22’)の構成において、前記フリーズ制御手段は、前記特別遊技が終了すると前記フリーズ状態にしてもよい。このような構成にした場合、特別遊技を終了するときにフリーズ状態になるため、例えば、このフリーズ状態になっているときに、特別遊技中に実行された遊技回数や、特別遊技中に付与された遊技媒体の量など、特別遊技中に行われた遊技に関する情報を遊技者に提示することができ、提示された情報を確実に把握する余裕を遊技者に与えることができる。
なお、特別遊技の途中で、有利区間中に実行された遊技回数が所定値になった場合は、特別遊技が終了するときのフリーズ状態において、前述した有利区間中に行われた遊技に関する情報を遊技者に提示してもよい。また、このときに提示する情報として、有利区間中に行われた遊技回数に、通常区間中の特別遊技において実行された遊技回数を加算した値や、有利区間中に付与された遊技媒体の量に、通常区間中の特別遊技において付与された遊技媒体の量を加算した値を遊技者に提示してもよい。
(23)複数の設定値のうちいずれか1つを指定する指定手段と、指定手段によって指定された設定値に対応する当選確率で当選役を決定する抽選を行う抽選手段と、を備え、特定の抽選状態において行われる前記抽選の抽選対象となる役には、入賞すると遊技媒体が付与される複数の小役と、入賞すると遊技媒体を投入することなく再度遊技が可能となる複数の再遊技役とが含まれており、特定の小役の当選確率が、少なくとも2つの設定値で異なっており、特定の小役の当選確率が低く設定されている設定値のときの再遊技役の当選確率は高く設定されており、特定の小役の当選確率が高く設定されている設定値のときの再遊技役の当選確率は低く設定されているようにしてもよい。
従来のスロットマシンの中には、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技を実行するか否かをAT抽選によって決定し、AT抽選に当選した場合は、AT遊技を行うことができる遊技回数(初期遊技回数)を抽選等によって決定するものがあった。また、上述したAT抽選の当選確率や決定される初期遊技回数を設定値によって異ならせることにより出玉率(メダルの払い出されやすさ)を調整可能にしているものがあった。このような状況の下、近年では、遊技場に設置されたスロットマシンの大半が低い設定値に設定されており、なかなかAT抽選に当選しないといった苦情も挙がっていた。そこで、このような事態を避けるために、設定値によってAT抽選の当選確率や決定される初期遊技回数が変わらないようにして、小役、再遊技役やボーナス役の当選確率だけを設定値に応じて異ならせることで出玉率を調整できるようにするのが望ましい。
しかしながら、従来のように高い設定値ほど小役や再遊技役の当選確率を高くすると、設定値によって初期遊技回数が変わらないため、高い設定値になるほどAT遊技中に過剰なメダル枚数が払い出される可能性があった。とはいえ、初期遊技回数を少なく設定すると、遊技者の遊技に対する意欲を低下させてしまう虞がある。
そこで、設定値を変更することで遊技媒体が付与される割合を調整可能としつつ、高い設定値であっても過剰な量の遊技媒体が付与される虞を少なくすることができるようにするため、上述した(23)の構成を採用することが考えられる。
上述した(23)の構成によれば、特定の小役の当選確率が、少なくとも2つの設定値で異なっているため、設定値を変更することで出玉率を調整することができる。また、特定の小役の当選確率が低く設定されている設定値のときの再遊技役の当選確率が高く設定されており、特定の小役の当選確率が高く設定されている設定値のときの再遊技役の当選確率は低く設定されていることから、過剰な量の遊技媒体が付与される虞を少なくすることができる。
また、上述した(23)の構成において、前記再遊技役の中には、ストップスイッチの押し順に応じて入賞する際の図柄組合せが異なる押し順再遊技役が含まれており、所定の移行条件に従って抽選状態を変更する抽選状態制御手段を備え、前記抽選手段は、現在の抽選状態および前記指定手段によって指定された設定値に対応する当選確率で当選役を決定し、前記抽選状態移行手段は、特定の抽選状態において、特定の押し順再遊技役が当選役に決定され、入賞した際の図柄組合せが特定の図柄組合せであると、抽選状態を特定の抽選状態から他の抽選状態に変更し、前記特定の抽選状態における前記特定の押し順再遊技役の当選確率が、各設定値で異ならないようにしてもよい。
上述した構成によれば、設定値に応じて、特定の抽選状態における特定の押し順再遊技役の当選確率を変えないようにしているので、設定値が変化しても特定の抽選状態から他の抽選状態への移行のし易さが一定であるため、設定値の変化に応じて、抽選状態の変化が出玉率に影響しないようにすることができる。
(24)ストップスイッチの操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの操作態様の報知が可能な有利区間と、通常区間と有利区間との間の移行を制御する遊技区間制御手段と、複数の役の中から当選役を決定する抽選を行う抽選手段と、を備え、有利区間において前記抽選手段によって特別役が当選役に決定されると、有利な状態に移行可能であり、前記遊技区間制御手段は、有利区間において前記抽選手段によって所定役が単独で当選役に決定されたときは、通常区間へ移行するか否かを決定する移行抽選を行って、移行抽選に当選した場合は通常区間への移行を行い、前記所定役は、特別役とともに当選役に決定し得るようにしてもよい。
ここで、「特別役」は、ボーナス役(1BB−A)であり、「有利な状態は」は再遊技役(再遊技−H(リプレイC))に当選する可能性が高くなるRT2のことである。
従来のスロットマシンの中には、有利な遊技状態から有利でない遊技状態へ移行するか否かを、所定の当選役が当選したときに行う移行抽選によって決定するスロットマシンにおいて、有利な遊技状態になっているときに、上述した所定の当選役に当選したことが遊技者に気付かれてしまうと、その遊技者の遊技に対する興趣や意欲を低下させてしまう虞があった。
そこで、有利な遊技状態から有利でない遊技状態へ移行してしまう可能性がある当選役が決定された場合であっても、遊技者が期待感をもって遊技をできるようにするため、上述した(24)の構成を採用することが考えられる。
上述した(24)の構成によれば、有利区間中に所定役が当選すると、通常区間へ移行するか否かを決定する移行抽選が行われ、移行抽選に当選したときは通常区間へ移行する。したがって、所定役が当選すると有利区間から通常区間へ移行してしまう可能性があり、所定役が単独でしか当選しない場合は、所定役が当選することで、遊技区間の移行について、遊技者に損失感を招かせてしまう虞がある。しかしながら、所定役を特別役と同時に当選し得るようにし、同時に当選した場合は、有利な状態に移行可能としたことで、所定役が当選することで、遊技者に、有利な状態に対する期待感や優越感を抱かせることができる。これにより、所定役が当選した場合であっても、遊技者は期待感を持って遊技を行うことができる。
(25)ストップスイッチの有利な操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの有利な操作態様の報知が可能な有利区間と、有利区間であるか否かを示す有利区間報知手段と、当選役に関する抽選結果を決定する抽選手段と、演出を制御する演出制御手段と、を備え、前記抽選手段による抽選結果には、特別役を含む第1の抽選結果と、第1の抽選結果とは異なる抽選結果であって前記特別役を含む第2の抽選結果と、があり、前記演出制御手段による演出として、第1の抽選結果が決定された場合と、第2の抽選結果が決定された場合とで、前記特別役が当選したことを示す結果演出に至るまでの過程で同じ内容の演出を行う場合を有し、通常区間において第1の抽選結果が決定されたときには、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後に有利区間へ移行する場合を有し、通常区間において第2の抽選結果が決定されたときには、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後であっても有利区間へ移行する場合を有さず、通常区間において第1の抽選結果が決定され、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後に有利区間へ移行するときには、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後に前記有利区間報知手段を用いて報知を行うようにしてもよい。
ここで、「有利な操作態様」には、例えば、複数の小役が重複して当選したときに、最もメダル払出枚数の多い小役が入賞する操作態様、所定の当選役の当選確率が高くなる抽選状態へ移行することができる図柄組合せが停止表示される操作態様、所定の当選役の当選確率が低くなる抽選状態へ移行してしまう図柄組合せが停止表示されるのを回避できる操作態様などがある(以下同様)。「特別役」は、いわゆるボーナス役であってもよい。
最近、AT遊技が許可される状態になったときに遊技を行っていた遊技者が、そのことに気付かずにAT遊技が開始される前に遊技を止めてしまい、他の遊技者がその恩恵を受けるようなことを防止するため、AT遊技が許可された場合にはランプ等を用いて報知することが求められていた。しかしながら、このようなスロットマシンにおいてAT遊技が許可されたか否かを一律すぐに報知してしまうと、その報知によってAT遊技が許可されたか否かが明らかになってしまい、その後の遊技において期待感を持つことができなかった。
そこで、有利な遊技状態へ移行しない抽選結果になった場合であっても、その後に行われる遊技においても遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようにするために、上述した構成を採用することが考えられる。
上述した(25)の構成によれば、第1の抽選結果が決定されたときは有利区間へ移行する場合があり、第2の抽選結果が決定されたときは有利区間へ移行する場合はないが、特別役が当選したことを示す結果演出に至るまでは同じ内容の演出が行われる場合がある。このため、遊技者は特別役に対応する図柄組合せの停止表示後に行われる有利区間報知手段による報知の有無が確定するまで、有利区間への移行に対する期待を持ちつつ遊技を行うことができる。
また、上述した(25)の構成において、前記演出制御手段は、通常区間において第1の抽選結果が決定され、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後に有利区間へ移行する場合において、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示され、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された遊技において第1の演出を実行可能とし、通常区間において第2の抽選結果が決定され、前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示された遊技において第2の演出を実行可能としてもよい。
上述した構成によれば、特別役に対応する図柄組合せが停止表示された後に、有利区間へ移行する場合は第1の演出が実行可能となり、有利区間へ移行しない場合は第2の演出が実行可能となるため、実行可能となった演出の種類によって有利区間へ移行するか否かを認識することができる。
(26)ストップスイッチの有利な操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの有利な操作態様の報知が可能な有利区間と、有利区間であるか否かを示す有利区間報知手段と、当選役に関する抽選結果を決定する抽選手段と、を備え、抽選手段による抽選結果には、所定役および特別役を含む第1の抽選結果と、第1の抽選結果とは異なる抽選結果であって前記所定役を含む第2の抽選結果と、があり、抽選手段によって第1の抽選結果が決定された場合は、前記ストップスイッチの操作態様によらずに前記所定役に対応する図柄組合せを表示可能とし、抽選手段によって第2の抽選結果が決定された場合は、前記ストップスイッチの操作態様によらずに前記所定役に対応する図柄組合せを表示可能とし、通常区間において抽選手段により第1の抽選結果が決定された場合は、次遊技から有利区間に移行可能とし、有利区間に移行した場合には有利区間における遊技を開始するための所定の操作が行なわれる前に前記有利区間報知手段によって報知を行い、通常区間において抽選手段により第2の抽選結果が決定された場合は、次遊技から有利区間に移行可能とし、有利区間に移行した場合には有利区間における遊技を開始するための所定の操作が行なわれる前に前記有利区間報知手段によって報知を行い、第2の抽選結果が決定されたことによって有利区間が開始する遊技で第3の抽選結果が決定された場合は、報知遊技に関する所定の抽選を行い、第1の抽選結果が決定されたことによって有利区間が開始する遊技で第3の抽選結果が決定された場合は、報知遊技に関する抽選を行わないようにしてもよい。
ここで、「報知遊技に関する所定の抽選」は、例えば、AT遊技の開始または終了に関する抽選(遊技状態の昇格抽選や転落抽選を含む)や、AT遊技の実行期間に関する抽選(いわゆる上乗せ抽選やループ抽選を含む)であってもよい。
従来、AT遊技に関する事項(例えば、AT遊技の開始または終了に関する事項や、AT遊技の実行期間に関する事項、AT遊技による利益に関する事項等)を抽選(このような抽選を「AT関連抽選」ともいう。)によって決定する場合、AT関連抽選が行われる条件によっては、遊技者の意図的な遊技操作によって、予期せぬ利益を遊技者に与えてしまう虞がある。たとえば、いわゆるボーナス役が当選している状態になっているとき(いわゆるボーナス内部中)にAT関連抽選を行うようなスロットマシンあったとすると、遊技者は、ボーナス役が当選した後、意図的にボーナス役が入賞しないようにリール停止操作を行うことで、遊技者が望む限りAT関連抽選が行われる状態を継続させることが可能になってしまう。
そこで、遊技操作によって特定の抽選結果の状態を維持可能な状況下において、遊技者に過剰な利益を付与してしまうのを避けることができるようにするために、上述した構成を採用することが考えられる。
上述した(26)の構成によれば、第1の抽選結果が決定されたときも、第2の抽選結果が決定されたときも、所定役に対応する図柄組合せが表示されるため、特別役が当選したことを遊技者に悟られないようにすることができる。これにより、遊技者によって意図的に特別役を入賞させない停止操作が行われるのを避けることができる。また、第1の抽選結果が決定されたときは、その後、第3の抽選結果が決定されても、報知遊技に関する抽選が行われないため、遊技者の意図的な遊技操作によって報知遊技に関する抽選の機会を与え続けてしまう虞がない。
また、上述した(26)の構成において、再遊技役の当選確率が異なる第1の抽選状態と第2の抽選状態とを有し、第2の抽選状態は、第1の抽選状態よりも再遊技役の当選確率よりも高く設定されており、第1の抽選状態で第1の抽選結果が決定された場合には、第1の抽選結果が決定された遊技の次遊技から前記特別役に対応する図柄組合せが停止表示されるまで第2の抽選状態へ移行させる抽選状態移行手段を備える構成としてもよい。
上述した構成によれば、第1の抽選状態で第1の抽選結果が決定されたときは、次遊技から特別役に対応する図柄組合せが停止表示されるまで再遊技役の当選確率が高くなるため、第1の抽選結果が決定された後に報知抽選に関する抽選が行われなかったとしても、遊技者は少ない投資で多くの遊技を行うことができる。
(27)ストップスイッチの有利な操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの有利な操作態様の報知が可能な有利区間と、有利区間中に所定の終了条件が満たされると通常区間へ移行させる区間制御手段と、所定の移行条件に従って、有利区間中における遊技状態を移行させる遊技状態移行手段と、有利区間中に行われた遊技の実行に基づいて更新される有利区間遊技回数記憶手段と、有利区間になっているか否かを示す情報を記憶する遊技区間情報記憶手段と、前記所定の終了条件が満たされると、少なくとも前記有利区間遊技回数記憶手段に記憶されている情報、及び前記遊技区間情報記憶手段に記憶されている情報をクリアする初期化手段と、前記有利区間遊技回数記憶手段に記憶されている情報に基づいて特定の演出が実行可能な演出制御手段と、を備え、前記所定の終了条件には、前記有利区間遊技回数記憶手段に記憶された情報が特定値になることが含まれ、前記演出制御手段は、前記通常区間中に所定の特別役が当選したときは、前記所定の特別役に対応する図柄組合せを第1の態様で報知し、前記特定の演出を実行中に前記所定の特別役が当選したときは、前記所定の特別役に対応する図柄組合せを第2の態様で報知するようにしてもよい。
ここで、「第1の態様」は、例えば、画像によって図柄組合せを報知する場合は、報知する図柄組合せを画面の中央などの目立つ位置に大きく表示することが該当する。これに対して、「第2の態様」は、実行中の特定の演出が表示されている画面において、例えば、画面右隅に図柄組合せを小さく(特殊な演出の表示をできるだけ隠さないように)表示することが該当する。
従来のスロットマシンでは、遊技の興趣を向上させるため、様々な演出が行われている。そのような演出を行うスロットマシンの中には、遊技者の期待感、不安感、達成感、満足感、優越感などを高めるために、例えば、遊技者にとって有利な状態(いわゆるボーナス遊技やAT遊技など)へ移行する可能性が生じた場合や、有利な状態に移行しているときに、通常時には実行されることがない特殊な演出を行うものもある。このような演出を行うスロットマシンにおいては、従来、例えばAT遊技中などに特殊な演出を行っている最中にいわゆるボーナス役が当選した場合、実行中の特殊な演出を中断してボーナス役が当選したことを示す演出が実行されてしまうため、特殊な演出の興趣が損なわれてしまうとともに、遊技者が味わっている高揚感に水を差してしまう虞があった。
そこで、特殊な演出の実行中に特別役が当選した場合であっても、特殊な演出を継続して実行しながら、特別役が当選したことを報知することができるようにするために、上述した構成を採用することが考えられる。
上述した(27)の構成によれば、有利区間の終了が迫ってきていることを示唆する特殊な演出中に、特別役が当選したとしても、実行中の特殊な演出を邪魔しないような態様(第2の態様)で特別役が当選したことを報知することができるので、遊技者に特別役を入賞させることを促しつつ、特殊な演出を効果的に継続することができる。
また、上述した(27)の構成において、前記有利区間遊技回数記憶手段は、有利区間の開始条件が満たされたことに基づいて「0」とは異なる所定値が記憶され、有利区間中に行われた遊技の実行に基づいて「1」ずつ減算されるようにした(27’)の構成にしてもよい。このような構成にすれば、例えば特定値を「0」とし、CPUのレジスタを用いて有利区間遊技回数記憶手段に記憶された値を減算した場合に、ゼロフラグをチェックすることで特定値になったか否かを容易に判断できるため、CPUの処理負荷を軽減することができる。
上述した(27)または(27’)の構成において、前記所定の特別役に対応する図柄組合せの報知態様は、第2の態様の方が第1の態様よりも図柄組合せが小さく表示されるようにしてもよい。このような構成にすれば、特定の演出中に所定の特別役が当選したときは、所定の特別役に対応する図柄組合せが、通常区間中よりも小さく表示されるため、所定の特別役が当選したことを遊技者に知らせるための報知が、特定の演出の妨げとならないようにすることができる。
(28)設定値情報を記憶する設定値情報記憶手段と、当選役に関する抽選結果を抽選により決定する抽選手段と、遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知可能な報知遊技状態を、所定の終了条件を満たすまで実行する報知遊技実行手段と、を備え、前記抽選手段により抽選結果を決定する状態として、所定の抽選結果の当選確率が異なる第1の抽選状態と第2の抽選状態とを有し、第2の抽選状態であるときに、前記抽選手段により特別役を含む第1の抽選結果が決定され場合には、特別役に対応する特別遊技の終了後は第1の抽選状態へ移行させ、第1の抽選状態であって報知遊技状態であるときには、前記抽選手段により第2の抽選結果が決定されたことに基づいて報知遊技状態に関する特典を付与可能とするとともに、特定の図柄組合せが停止表示されたことに基づいて第2の抽選状態へ移行させ、第2の抽選結果が決定される確率は、前記設定値情報記憶手段に記憶されている設定値情報にかかわらず同一にしてもよい。
従来のAT遊技を行うスロットマシンの中には、AT遊技が開始してから所定の遊技回数が行われるとAT遊技を終了するものがあり、さらにAT遊技中に所定の役が当選すると、AT遊技を行うことができる遊技回数を増やす(いわゆる上乗せする)ものもあった。ここで、従来は上乗せを行う契機となる所定の役(以下、「上乗せ役」ともいう)については何等制限されていなかったため、たとえば、いわゆる設定値に応じて当選確率が異なる役を、上乗せ役にすることも可能であった。しかしながら、本来、設定値に応じて役の当選確率を異ならせているのは、当選役の入賞によって遊技者に付与される特典の多寡を調整するためである。したがって、設定値の違いがAT遊技の性能にまで影響を及ぼしてしまうと、例えば、他の設定値よりも役の当選確率が総じて低いにも拘わらず、AT遊技によって他の設定値よりも遊技者に付与される特典を多くすることが可能となり、設定値の本来の役割を果たすことができず、好ましいとはいえない。
そこで、AT遊技に関する抽選が行われる契機(以下、「ATの抽選契機」ともいう。)の発生頻度が、設定値の違いに影響されないことが望ましいが、それを実現するには、例えば設定値に応じて当選確率が異なる役をATの抽選契機にしないことや、設定値によって当選確率が異なるボーナス役が入賞したことによって開始されるボーナス遊技中は、AT遊技に関する抽選を行わないようにすることが考えられる。しかしながら、ボーナス遊技中にAT遊技に関する抽選を一切行わないようにしてしまうと、ボーナス遊技に移行しても遊技者にATに関する特典が何ら得られないため、遊技者の興趣を高めることができなかった。
そこで、有利な押し順が報知される報知遊技の実行中に特別役が当選した場合でも、報知遊技に関する特典が付与可能となり、遊技者の興趣を高めることができるようにするために、上述した(28)の構成を採用することが考えられる。
上述した(28)の構成によれば、第2の抽選状態のときに特別役を含む第1の抽選結果が決定されたことにより特別遊技が行われると、特別遊技の終了後に第1の抽選状態へ移行して、第1の抽選状態かつ報知遊技状態であるときに、第2の抽選結果が決定されると、報知遊技状態に関する特典を付与可能とする。このように、特別役の当選後に報知遊技に関する特典が付与可能となるため、遊技者の興趣を向上することができる。
さらに、上述した(28)とは異なる構成として、設定値情報を記憶する設定値情報記憶手段と、当選役に関する抽選結果を抽選により決定する抽選手段と、遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知可能な報知遊技状態を、所定の終了条件を満たすまで実行する報知遊技実行手段と、を備え、前記抽選手段により当選役を決定する状態として、所定の当選役の当選確率が異なる第1の抽選状態と第2の抽選状態、及び第3の抽選状態を有し、第3の抽選状態は、少なくとも第1の抽選状態を経由して移行可能な抽選状態であり、第2の抽選状態であるときに、前記抽選手段により特別役を含む第1の抽選結果が決定され場合には、特別役に対応する特別遊技の終了後は第1の抽選状態へ移行させ、所定の移行条件を満たすことにより第3の抽選状態に移行可能となり、第3の抽選状態であって報知遊技状態であるときには、前記抽選手段により第2の抽選結果が決定されたことに基づいて報知遊技状態に関する特典を付与可能とするとともに、特定の図柄組合せが停止表示されたことに基づいて第2の抽選状態へ移行させ、第2の抽選結果が決定される確率は、前記設定値情報記憶手段に記憶されている設定値情報にかかわらず同一にしてもよい。
上述した構成によれば、第2の抽選状態のときに特別役を含む第1の抽選結果が決定されたことにより特別遊技が行われると、特別遊技の終了後に所定の移行条件を満たすことで第1の抽選状態から第3の抽選状態へ移行して、第3の抽選状態かつ報知遊技状態であるときに、第2の抽選結果が決定されると、報知遊技状態に関する特典を付与可能とする。このように、特別役の当選後に報知遊技に関する特典が付与可能となるため、遊技者の興趣を向上することができる。
(29)ストップスイッチの有利な操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの有利な操作態様の報知が可能な有利区間と、クレジット数を記憶するクレジット数記憶手段と、設定値情報を記憶可能な設定値情報記憶手段と、設定値情報に基づいて当選役に関する抽選結果を抽選により決定する抽選手段と、前記抽選手段による抽選状態を示す抽選状態情報を記憶する抽選状態情報記憶手段と、有利区間中に所定の終了条件が満たされると通常区間へ移行させる区間制御手段と、有利区間中に行われた遊技の実行に基づいて更新される有利区間遊技回数記憶手段と、有利区間になっているか否かを示す情報を記憶する遊技区間情報記憶手段と、を備え、前記所定の終了条件が満たされると、前記有利区間遊技回数記憶手段に記憶されている情報、前記遊技区間情報記憶手段に記憶されている情報は少なくとも初期化し、前記クレジット数記憶手段に記憶されている情報、前記設定値情報記憶手段に記憶されている情報、前記抽選状態情報記憶手段に記憶されている情報は初期化せず、前記所定の終了条件には、前記有利区間遊技回数記憶手段に記憶されている情報が特定値になることが含まれるようにしてもよい。
従来のスロットマシンの中には、AT遊技が終了しても、終了したAT遊技中の遊技結果に基づいて再びAT遊技を開始させるものがあった。このようなスロットマシンにおいては、AT遊技のような有利な状況が予想を超えて継続する場合があり、そのような場合、一度のAT遊技に起因して過剰なメダル枚数が払い出されることになる。このため、遊技に過剰な投資を行っている遊技者に、一度AT遊技を開始させれば投資分を取り戻すことができるかもしれないという期待を持たせてしまい、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞があった。
そこで、有利な状況下で行われた遊技結果によって、その後の遊技で過度に有利な状況とならないようにするとともに、有利な状況が終了した後の遊技を適正な状態で継続させることができるようにするために、(29)の構成を採用することが考えられる。
上述した構成によれば、有利区間を終了するときに、有利区間に関する情報を初期化するので、一度の有利区間における遊技に起因して、遊技者に過剰な特典が付与されてしまう虞をなくすことができる。一方、クレジット数、設定値情報、抽選状態情報のように、遊技区間の種類に関わらない遊技に関する情報については初期化しないので、有利区間が終了した後に実行される通常区間における遊技を正常に実行できる。
(30)ストップスイッチの有利な操作態様の報知が行われない通常区間と、ストップスイッチの有利な操作態様の報知が可能な有利区間と、実行された総遊技回数のうち有利区間で実行された遊技回数の割合を示す有利区間比率を算出する算出手段と、4つの表示器からなる表示手段と、を備え、表示手段を構成する4つの表示器のうち、比率を示す情報を第1の表示器および第2の表示器に表示し、第1の表示器および第2の表示器に表示する比率の種別を示す識別情報を第3の表示器および第4の表示器に表示し、前記有利区間比率を表示手段に表示する際に、有利区間比率の値が特定値以上であるときは、第1の表示器および第2の表示器に表示する有利区間比率の値を点滅表示するようにしてもよい。
従来のスロットマシンでは、いわゆるボーナス遊技やAT遊技などが適正に行われ、メダルの払い出しが過剰に行われて遊技者の射幸心を著しく煽ることがないように、種々の確率を適宜設定している。また、市場に投入する前にスロットマシンの稼働試験を行い、過剰にメダルが払い出されないことを確認している。しかしながら、従来は、スロットマシンの稼働試験の結果が良好であったとしても、実際にスロットマシンが遊技場に設置されて運用が開始された後にもボーナス遊技やAT遊技などが適正に行われているか否かを確認する術が無かった。
そこで、遊技場に設置された後のスロットマシンにおいて、設計値から乖離した挙動を示しているか否かを確認できるようにするために、上述した(30)の構成を採用することが考えられる。
上述した(30)の構成によれば、第3の表示器および第4の表示器に、表示する比率の種別を示す識別情報を表示し、表示された識別情報に対応する比率の値を第1の表示器および第2の表示器に表示する。また、第1の表示器および第2の表示器に表示される比率には、総遊技回数のうち、有利区間で実行された遊技回数の割合(有利区間比率)が表示され、かつ、有利区間比率が特定値以上になっていた場合は表示された値が点滅するため、遊技場のスタッフや、立ち入り検査員等が、表示手段に表示されている有利区間比率を目視したとき、その値が設計値から乖離しているか否かを容易に判断することができる。
また、上述した(30)の構成において、前記総遊技回数をカウントするカウンタ手段を備え、カウンタ手段によるカウント値が所定値を超えていない場合は、前記有利区間比率を表示手段に表示するときに、第3の表示器および第4の表示器に表示する識別情報を点滅表示するようにしてもよい。
上述した構成によれば、総遊技回数が所定値を超えていない場合は、第3の表示器および第4の表示器に表示された識別情報が点滅するため、第1の表示器および第2の表示器に表示された有利区間比率が、十分な試行回数を経て算出されたものでは無いことを容易に理解することができる。
(31)抽選により役を決定する役抽選手段と、
決定された特定の役が入賞すると遊技者に有利な特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、
前記特別遊技が終了すると所定の抽選状態での遊技を開始する所定抽選状態遊技開始手段と、
所定の遊技状態になっている状況下で、前記所定の抽選状態での遊技が開始されると、ストップスイッチの操作態様を報知可能な報知遊技状態が開始可能となる権利を付与する権利付与手段と、
前記所定の遊技状態になっている状況下で、前記特定の役に決定されたことに基づいて前記報知遊技状態が開始されることを報知する報知手段と、
を有するようにしてもよい。
または、抽選により役を決定する役抽選手段と、
決定された特定の役が入賞すると遊技者に有利な特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、
前記特別遊技が終了すると所定の抽選状態での遊技を開始する所定抽選状態遊技開始手段と、
所定の遊技状態になっている状況下で、前記所定の抽選状態での遊技が開始されると、ストップスイッチの操作態様を報知可能な報知遊技状態が開始可能となる権利を付与する権利付与手段と、
前記所定の遊技状態になっている状況下で、前記特定の役が入賞したこと、または、前記特別遊技が開始されたことに基づいて前記報知遊技状態が開始されることを報知する報知手段と、
を有するようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されているようなAT遊技を行うスロットマシンの中には、AT遊技を行うことが決まった時に、遊技者の達成感などを高めて遊技の興趣を向上させるための演出(AT決定演出)を行うものがある。このAT決定演出は、AT遊技を行うことが決まったことを契機に実行されるものであるため、AT遊技を行うことが決まるタイミングによっては、遊技の興趣を向上させるという効果が薄れてしまう虞があった。そこで、AT遊技を行うことが決まるタイミングが意外なタイミングであっても、遊技の興趣をより向上させることができるタイミングで、AT決定演出を行えるようにする必要があった。
そこで、効果的なタイミングで正確なAT決定演出を行うことができるようにするために、上述した(31)の構成を採用することが考えられる。
上述した(31)の構成によれば、特定の役に入賞すると開始される特別遊技が終了すると、所定の抽選状態での遊技を開始し、所定の遊技状態になっている状況下で所定の抽選状態での遊技が開始されると、報知遊技状態が開始可能となる権利が付与される。これにより、特定の役が決定されたときに報知遊技状態が開始されることを報知しても、その後、報知遊技状態が開始されないことがないため、効果的なタイミングで正確なAT決定演出を行うことができる。
さらに(31)の構成において、複数の設定値のうちいずれか1つを指定する指定手段を有し、前記役抽選手段は、前記指定手段によって指定された設定値に対応する確率で前記抽選を行い、前記特定の役に決定される確率は、少なくとも2つの設定値で異なるようにしてもよい。
上述した構成によれば、設定値に応じて特定の役に決定される確率が異なるため、設定値を変更することで報知遊技状態が開始可能となる権利の付与割合を変化させることができる。
(32)抽選により役を決定する役抽選手段と、
決定された特定の役が入賞すると遊技者に有利な特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、
前記特別遊技が終了すると所定の抽選状態での遊技を開始する所定抽選状態遊技開始手段と、
少なくとも通常区間および有利区間を含む複数の区間の移行を制御する区間移行制御手段と、
前記有利区間における所定の遊技において、前記特定の役が決定されると、特定の役が決定されたことを報知する報知手段と、
前記有利区間における所定の遊技において、該有利区間に滞在可能な残り遊技回数を報知する遊技回数報知手段と、
を有し、
前記所定の抽選状態における遊技において、特定の条件を満たした場合は、次の遊技から特定の抽選状態における遊技を開始し、
前記通常区間かつ前記所定の抽選状態とは異なる特定の抽選状態における遊技よりも、前記通常区間かつ前記所定の抽選状態における遊技で、所定の条件を満たした方が、有利度が高い有利区間に移行するようにしてもよい。
例えば、特開2002−346028号公報に記載されているようなAT遊技において、過度にメダルが払い出され、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞があった。このようなことを防止するため、AT遊技が行われる遊技回数に上限を設け、上限に達すると再びAT遊技を行うための条件を満たすまで非AT遊技が行われるようにすることが考えられる。しかし、上限を設けることで、どんな状況においても、上限を超えてAT遊技が行われることがないため、遊技者の遊技の興趣が低下する虞があった。
そこで、有利な遊技状態に滞在可能な期間に上限を設けつつも、遊技の興趣を低下させないようにするために、上述した(32)の構成を採用することが考えられる。
上述した(32)の構成によれば、有利区間に滞在しているときに、当該有利区間に滞在可能な残り遊技回数が報知される。これにより、例えば、有利区間に滞在可能な残り遊技回数が、通常区間へ移行することとなる所定回数(例えば0)に近づいて来たときに、特定の役が決定されたことが報知されると、遊技者は、報知されている遊技回数を参照しつつ、残り遊技回数が所定回数に到達したときに、特別遊技が終了するようなタイミングで、決定された特定の役を入賞させることが可能となる。
なお、上述した(32)の構成において、前記報知手段は、前記有利区間における所定の遊技において決定された前記特定の役が、前記通常区間へ移行するまでに入賞しなかった場合、特定の役が決定されたことを報知する報知態様を、異なる報知態様へ切り替えるようにしてもよい。
このような構成にした場合、有利区間における所定の遊技において決定された特定の役が、通常区間へ移行するまでに入賞しなかった場合、特定の役が決定されたことを報知する報知態様が、第1の報知態様から第2の報知態様へ切り替わるので、第1の報知態様に気付かなかった遊技者でも、特定の役が決定されたことに気付く可能性を高めることができる。
また、上述した(32)の構成において、前記有利区間における所定の遊技において、決定された特定の役を入賞させる好機のタイミングを報知する入賞好機報知手段を備えるようにしてもよい。
このような構成にした場合、有利区間における所定の遊技において、決定された特定の役を入賞させる好機のタイミングが報知される。これにより、スロットマシンに詳しくない遊技者であっても、上述したように、残り遊技回数が所定回数に到達したときに、特別遊技が終了するようなタイミングで、決定された特定の役を入賞させることが可能となる。
(33)少なくとも通常区間および有利区間を含む複数の区間の移行を制御する区間移行制御手段と、
前記有利区間における遊技であることを報知する報知手段と、
所定の条件を満たしたことに基づいて、複数の遊技に亘って一連の演出を行う連続演出を開始可能とする演出制御手段と、を有し、
前記連続演出は、最終的に連続演出の終了後も前記有利区間における遊技が継続するか否かを報知するものであり、
前記演出制御手段は、
前記有利区間における遊技において、前記所定の条件を満たした場合であっても、前記連続演出が前記有利区間における遊技において終了できない可能性があるときは、前記連続演出を開始させないようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されているようなAT遊技を行うスロットマシンにおいて、特許第4382057号公報に記載されているような、複数ゲームに亘る連続演出を行うことで、演出の結末に至るまでの間に遊技者の興味と期待を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。しかしながら、連続演出を行っている途中で、あるランプが消灯してしまうことにより、連続演出を最後まで見るまでもなく、結末が判明してしまうことがあると、連続演出の興趣を著しく損なうことになってしまう。
そこで、連続演出の興趣が損なわれてしまうのを避けられるようにするため、上述した(33)の構成を採用することが考えられる。
上述した(33)の構成によれば、所定の条件を満たした場合であっても、連続演出が有利区間における遊技において終了できない可能性があるときは、連続演出が開始されない。これにより、例えば、連続演出の実行中に、報知手段による報知が終了する(すなわち、有利区間における遊技ではなくなった)ことにより、連続演出の興趣が損なわれてしまうのを避けることができる。
(34)複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を指定する設定値指定手段と、
設定値指定手段によって指定された設定値に対応する確率に従って、抽選により役を決定する役抽選手段と、
決定された特別役が入賞すると遊技者に有利な特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、
前記特別遊技が終了すると所定の抽選状態での遊技を開始する所定抽選状態遊技開始手段と、
報知遊技状態における遊技において、前記所定の抽選状態でのみ抽選対象となっている所定の役が決定されたことに基づいて該報知遊技状態に滞在可能な期間を延長する期間延長手段と、を有し、
前記特別役には、入賞後に開始される特別遊技の終了条件が異なる第1の特別役と第2の特別役とがあり、
第1の特別役が決定される確率は、少なくとも2つの設定値において異なっており、
第2の特別役が決定される確率は、少なくとも2つの設定値において異なっており、
第1の特別役が決定される確率と第2の特別役が決定される確率とを合算した確率は、設定値に関わらず一定にしてもよい。
従来のスロットマシンにおいては、複数の設定値を設け、設定値を切り替えることで、いわゆるボーナス役や小役の当選確率を変化させて、所定回数当りのメダルの払出枚数を調整していた。さらに、例えば特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンのようにAT遊技も行われる場合、設定値を切り替えることで、AT遊技が行われる確率や上乗せが行われる確率を変化させて、所定回数当りのメダルの払出枚数を調整していた。そのため、高設定であれば、過度にメダルが払い出され、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞があった。他方、遊技場の経営上の都合を勘案すれば、高設定にするスロットマシンの台数は少数に限られるのが一般的であり、場合によっては、遊技場には低設定のスロットマシンしかないといった状況に陥る可能性もあった。
そこで、設定値を切り替えることで、過度にメダルが払い出されるのを防止しつつ、所定遊技回数当りのメダルの払出枚数を適度な範囲で調整可能とするために、上述した(34)の構成を採用することが考えられる。
上述した(34)の構成によれば、第1の特別役が決定される確率と第2の特別役が決定される確率とを合算した確率が、設定値に関わらず一定であるため、特別遊技の終了後に移行する所定の抽選状態への移行確率も、設定値に関わらず一定である。従って、報知遊技状態の期間の延長についても設定値による影響は受けない。これに対して、第1の特別役および第2の特別役が決定される確率は設定値によって異なるため、これら特別役の入賞によって開始される特別遊技による利益は、設定値によって異なってくる。
また、上述した(34)の構成において、前記特別遊技の終了条件は、特別遊技中に付与された遊技媒体の数が所定値を超えたときに成立し、
第1の特別役が入賞したことによって開始する第1の特別遊技の終了条件となる第1の所定値よりも、第2の特別役が入賞したことによって開始する第2の特別遊技の終了条件となる第2の所定値の方が大きい値に定められており、
設定値に応じて第2の特別役が決定される確率が高くなる程、第1の特別役が決定される確率が低くなるようにしてもよい。
このような構成にした場合、第1の特別遊技によって遊技者に付与される遊技媒体の数よりも、第2の特別遊技によって遊技者に付与される遊技媒体の数の方が多くなる。また、設定値に応じて第2の特別役が決定される確率が高くなる程、第1の特別役が決定される確率が低くなることで、第1の特別役および第2の特別役が決定される確率の合算を設定値に関わらず一定にすることができる。このため、報知遊技状態によって払い出されるメダルの枚数を設定値に応じて変化させることなく、第2の特別遊技によってメダルが払い出される割合を調整することができる。
(35)ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
前記有利区間において、
第1の当選役および第2の当選役が当選したときに、有利な操作態様が報知される第1の遊技状態と、
前記第2の当選役が当選したときには有利な操作態様が報知されるが、前記第1の当選役が当選したときには有利な操作態様が報知されない第2の遊技状態と、を有し、
所定の移行条件に従って、前記通常区間と前記有利区間との間の移行、および、前記有利区間内の前記第1の遊技状態と前記第2の遊技状態との間の移行を制御する移行制御手段を備え、
前記第1の当選役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、前記第2の当選役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率よりも低くしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンでは、AT期間中に報知される「遊技者に有利な操作順序」として、所定の当選役グループが当選したときに、当選した当選役グループの中で最も払出枚数の多い役が、入賞することとなる押し順を報知している。具体的には、所定の当選役グループとして、「左ベル」、「中ベル」および「右ベル」の、3つの当選役グループがあり、「左ベル」が当選したときに左ストップスイッチが最初に操作されると中段ベルという小役が入賞して9枚のメダルが払い出される。また、「中ベル」が当選したときに中ストップスイッチが最初に操作されると中段ベルが入賞して9枚のメダルが払い出され、「右ベル」が当選したときに右ストップスイッチが最初に操作されると中段ベル役が入賞して9枚のメダルが払い出される。
これにより、AT期間中に「左ベル」が当選したときは、左ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知され、「中ベル」が当選したときは、中ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知され、「右ベル」が当選したときは、右ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知される。これにより、AT期間中は報知された押し順に従ってストップスイッチを操作すれば、必ず中段ベル役が入賞する。これに対して、AT期間中以外は、「左ベル」、「中ベル」および「右ベル」の当選役グループが当選しても、中段ベル役が入賞する押し順が報知されないため、中段ベル役が入賞する確率は1/3となる。換言すると、AT期間中において、「左ベル」、「中ベル」または「右ベル」が当選したときに、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作した場合、中段ベル役が入賞する確率は、AT期間中以外の3倍になる。
また、例えばAT期間が開始する前に、遊技者にAT期間が開始されることへの期待感を高めるための演出や、AT期間が開始される直前のセレモニー的な演出を行うために、「前兆」という期間を設けることが考えられる。ここで、例えば、AT期間が開始されることが確定しているときに「前兆」という期間が開始したとする。この場合、AT期間が開始されることが確定しているのであるから、「前兆」という期間が開始した段階で、AT期間と同様に操作順序を報知してもよい。
しかしながら、そのようにした場合、AT期間でない状態(前兆期間)において払い出されるメダル枚数が増えることになるため、スロットマシンに投入したメダルの枚数に対して、払い出されたメダルの枚数の割合が大幅に増大し、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞がある。
そこで、遊技者に有利な状態において遊技者に対して特典が過度に付与されるのを抑制することで、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができるようにするために、上述した(35)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、ストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、第1の当選役よりも第2の当選役の方が高くなっており、有利区間において第2の遊技状態に移行したときは、第2の当選役が当選したときのみ有利な操作態様が報知される。このため、有利区間の第2の遊技状態(例えば「前兆」の状態)においては、第1の当選役が当選したときに有利な遊技結果とならない可能性が高くなる。これにより、有利区間に移行している間に、有利な遊技結果となる割合を抑制することができるため、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができる。
(36)ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
前記有利区間において、所定の開始条件が満たされると所定役が当選したときに遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知する報知遊技を開始し、所定の終了条件が満たされると前記報知遊技を終了可能とする報知遊技開始終了手段と、
前記有利区間から前記通常区間への移行を制御する移行制御手段と、を備え、
前記所定役は、第1の所定役および第2の所定役を含み、
前記第1の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、前記第2の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率よりも低くなっており、
前記移行制御手段は、
前記報知遊技中に、前記第1の所定役または前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様が少なくとも1回報知されたことによって、前記有利区間から前記通常区間への移行を可能とし、
前記報知遊技中において、
前記所定の終了条件が満たされていない状態では、前記第1の所定役が当選したとき、および前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様を報知し、
前記所定の終了条件が満たされているにも関わらず、前記第1の所定役または前記第2の所定役の当選時における前記操作態様の報知が1回もなされていないために前記報知遊技が継続している状態では、前記第2の所定役が当選したときには前記操作態様を報知するが、前記第1の所定役が当選したときには前記操作態様を報知しないようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンでは、AT期間中に報知される「遊技者に有利な操作順序」として、所定の当選役グループが当選したときに、当選した当選役グループの中で最も払出枚数の多い役が、入賞することとなる押し順を報知している。具体的には、所定の当選役グループとして、「左ベル」、「中ベル」および「右ベル」の、3つの当選役グループがあり、「左ベル」が当選したときに左ストップスイッチが最初に操作されると中段ベルという小役が入賞して9枚のメダルが払い出される。また、「中ベル」が当選したときに中ストップスイッチが最初に操作されると中段ベルが入賞して9枚のメダルが払い出され、「右ベル」が当選したときに右ストップスイッチが最初に操作されると中段ベル役が入賞して9枚のメダルが払い出される。
これにより、AT期間中に「左ベル」が当選したときは、左ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知され、「中ベル」が当選したときは、中ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知され、「右ベル」が当選したときは、右ストップスイッチを最初に操作すべきことが報知される。これにより、AT期間中は報知された押し順に従ってストップスイッチを操作すれば、必ず中段ベル役が入賞する。これに対して、AT期間中以外は、「左ベル」、「中ベル」および「右ベル」の当選役グループが当選しても、中段ベル役が入賞する押し順が報知されないため、中段ベル役が入賞する確率は1/3となる。換言すると、AT期間中において、「左ベル」、「中ベル」または「右ベル」が当選したときに、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作した場合、中段ベル役が入賞する確率は、AT期間中以外の3倍になる。
また、例えばAT期間の終了条件が確率的に満たされる場合、AT期間が、スロットマシンの設計時における想定範囲を超えて継続してしまうことが起こり得る。このような場合、スロットマシンに投入したメダルの枚数に対して、払い出されたメダルの枚数の割合が大幅に増大し、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞がある。
そこで、遊技者に有利な状態が長期間継続してしまった場合でも、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができるようにするために、上述した(36)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、ストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、第1の所定役よりも第2の所定役の方が高くなっており、有利区間において、第1の所定役または第2の所定役の当選時における操作態様の報知が1回もなされていないために、報知遊技の終了条件が満たされていても報知遊技が継続している報知遊技継続状態のときは、第2の所定役が当選したときのみ有利な操作態様が報知される。このため、報知遊技継続状態においては、第1の所定役が当選したときに有利な遊技結果とならない可能性が高くなる。これにより、有利区間に移行している間に、有利な遊技結果となる割合を抑制することができるため、有利区間に滞在している期間が長期間に亘ってしまった場合でも、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができる。
(37)上述した(36)と同様の課題を解決するために、以下の構成を採用してもよい。
ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
前記有利区間において、所定の開始条件が満たされると所定役が当選したときに遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知する報知遊技を開始し、所定の終了条件が満たされると前記報知遊技を終了可能とする報知遊技開始終了手段と、
前記有利区間から前記通常区間への移行を制御する移行制御手段と、を備え、
前記所定役は、第1の所定役および第2の所定役を含み、
前記第1の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、前記第2の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率よりも低くなっており、
前記移行制御手段は、
前記報知遊技中に、前記第1の所定役または前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様が少なくとも1回報知されたことによって、前記有利区間から前記通常区間への移行を可能とし、
前記報知遊技中において、
前記所定の終了条件が満たされていない状態では、前記第1の所定役が当選したとき、および前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様を報知し、
前記所定の終了条件が満たされているにも関わらず、前記第1の所定役または前記第2の所定役の当選時における前記操作態様の報知が1回もなされていないために前記報知遊技が継続している状態では、前記第2の所定役が当選したときには前記操作態様を報知するが、前記第1の所定役が当選したときには前記操作態様を報知せず、
再遊技役の当選確率が最も高い抽選状態において、前記第1の所定役が当選したときに、有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様でストップスイッチが操作されなかった場合は、当該抽選状態よりも再遊技役の当選確率が低い抽選状態へ移行するようにしてもよい。
このような構成にした場合、ストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、第1の所定役よりも第2の所定役の方が高くなっており、有利区間において、第1の所定役または第2の所定役の当選時における操作態様の報知が1回もなされていないために、報知遊技の終了条件が満たされていても報知遊技が継続している報知遊技継続状態のときは、第2の所定役が当選したときのみ有利な操作態様が報知される。このため、報知遊技継続状態においては、第1の所定役が当選したときに有利な遊技結果とならない可能性が高くなる。
これに加えて、第1の所定役が当選したときに有利な操作態様が報知されないため、再遊技役の当選確率が低い抽選状態へ移行し易くなり、そのような抽選状態に移行した場合は、再遊技が行われる回数が減少する。これにより、有利区間に移行している間に、有利な遊技結果となる割合を抑制することができるため、有利区間に滞在している期間が長期間に亘ってしまった場合でも、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができる。
(38)上述した(36)および(37)と同様の課題を解決するために、以下の構成を採用してもよい。
ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
複数の設定値のうちいずれか1つを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定された設定値に対応する確率に従って抽選を行う役抽選手段と、
前記有利区間において、所定の開始条件が満たされると所定役が当選したときに遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知する報知遊技を開始し、所定の終了条件が満たされると前記報知遊技を終了可能とする報知遊技開始終了手段と、
前記有利区間から前記通常区間への移行を制御する移行制御手段と、を備え、
前記所定役は、第1の所定役および第2の所定役を含み、
前記第1の所定役の当選確率は、前記第2の所定役の当選確率よりも高く、かつ、前記第1の所定役および前記第2の所定役の各当選確率は、前記複数の設定値のいずれにおいても同じ当選確率に設定されており、
前記第1の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、前記第2の所定役が当選したときにストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率よりも低くなっており、
前記移行制御手段は、
前記報知遊技中に、前記第1の所定役または前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様が少なくとも1回報知されたことによって、前記有利区間から前記通常区間への移行を可能とし、
前記報知遊技中において、
前記所定の終了条件が満たされていない状態では、前記第1の所定役が当選したとき、および前記第2の所定役が当選したときに前記操作態様を報知し、
前記所定の終了条件が満たされているにも関わらず、前記第1の所定役または前記第2の所定役の当選時における前記操作態様の報知が1回もなされていないために前記報知遊技が継続している状態では、前記第2の所定役が当選したときには前記操作態様を報知するが、前記第1の所定役が当選したときには前記操作態様を報知せず、
再遊技役の当選確率が最も高い抽選状態において、前記第1の所定役が当選したときに、有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様でストップスイッチが操作されなかった場合は、当該抽選状態よりも再遊技役の当選確率が低い抽選状態へ移行するようにしてもよい。
このような構成にした場合、ストップスイッチが任意の操作態様で操作された場合に有利な遊技結果となる確率が、第1の所定役よりも第2の所定役の方が高くなっており、有利区間において、第1の所定役または第2の所定役の当選時における操作態様の報知が1回もなされていないために、報知遊技の終了条件が満たされていても報知遊技が継続している報知遊技継続状態のときは、第2の所定役が当選したときのみ有利な操作態様が報知される。このため、報知遊技継続状態においては、第1の所定役が当選したときに有利な遊技結果とならない可能性が高くなる。
加えて、第1の所定役が当選したときに有利な操作態様が報知されないため、再遊技役の当選確率が低い抽選状態へ移行し易くなり、そのような抽選状態に移行した場合は、再遊技が行われる回数が減少する。これにより、有利区間に移行している間に、有利な遊技結果となる割合を抑制することができるため、有利区間に滞在している期間が長期間に亘ってしまった場合でも、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができる。さらに、第1の所定役の当選確率が第2の所定役の当選確率よりも高く設定され、かつ、各当選確率が設定値に応じて変化しないため、設定値に関わらず、遊技者に有利な状態が長期間継続してしまう可能性を低くすることができる。
(39)ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
前記有利区間において、
第1の当選役および第2の当選役が当選したときに、有利な操作態様が報知される第1の遊技状態と、
前記第2の当選役が当選したときには有利な操作態様が報知されるが、前記第1の当選役が当選したときには有利な操作態様が報知されない第2の遊技状態と、を有し、
前記通常区間と前記有利区間との間の移行を制御する移行制御手段を備え、
前記移行制御手段は、
所定の移行条件が満たされている場合に、前記有利区間から前記通常区間へ移行可能とし、
前記所定の移行条件が満たされていない場合であっても、前記有利区間の上限ゲーム数に到達している場合に、前記有利区間から前記通常区間へ移行させ、
前記所定の移行条件は、前記第1の遊技状態において前記第1の当選役または前記第2の当選役の有利な操作態様が少なくとも1回は報知されたこと、または、前記第2の遊技状態において前記第2の当選役の有利な操作態様が少なくとも1回は報知されたこと、によって満たされるようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンでは、AT期間中に20ゲームが行われるとAT期間が終了するが、一般に、役抽選は乱数に基づいて行われるため、AT期間中の20ゲームの間、一度も「ベルグループ」が当選しない場合も起こり得る。この様な場合、遊技者はAT期間という有利な状態でありながら、その利益を一度も受けることなくAT期間が終了してしまうことになる。
したがって、遊技者にそのような不利益を与えないようにするために、例えば、AT期間において、「ベルグループ」が当選したときに正解押し順を報知する回数が、所定回数(1回であってもよい)に達したことを、AT期間を終了させることができる最低条件とすることが考えられる。この場合、例えば、AT期間が開始してから20ゲームが行われるまでに所定回数の正解押し順が報知された場合は、20ゲーム目でAT期間を終了するが、そうでなければ所定回数の正解押し順が報知されるまで、20ゲーム目以降もAT期間が継続することになる。
このようにすることで、遊技者に対してAT期間による一定の利益を確実に与えることができるが、場合によっては、AT期間が開始してから20ゲームを過ぎても正解押し順の報知回数が所定回数に達せず、なかなかAT期間を終了できないことも起こり得る。そこで、例えば、「ベルグループ」以外に、ストップスイッチの押し順によってメダルの払出枚数が異なる当選役を増やし、その当選役の正解押し順の報知回数も、前述したAT期間の終了に関する最低条件に加味することが考えられる。
このようにした場合、前述したAT期間の終了に関する最低条件が満たされ易くなる一方で、正解押し順が報知される当選役の種類が増えた分だけ、AT期間中におけるメダルの払出枚数が増えるため、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞がある。
そこで、有利な遊技状態において一定の利益を確実に遊技者に対して与えつつ、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができるようにするために、上述した(39)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、通常区間から有利区間へ移行すると、第1の遊技状態においては第1の当選役または第2の当選役の有利な操作態様が、第2の遊技状態においては第2の当選役の有利な操作態様が、少なくとも1回は報知されないうちは有利区間から通常区間へ移行することがないので、遊技者に対して、有利区間における最低限の利益を与えることができる。また、有利区間において、第2の遊技状態のときには、第2の当選役が当選したときにしか有利な操作態様が報知されないため、有利区間において遊技者に与える利益が抑制され、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまう虞を少なくすることができる。
(40)ストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
特別役が入賞すると、特別遊技を開始する特別遊技開始終了手段と、
前記有利区間において、所定の開始条件が満たされると所定役が当選すると遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知する報知遊技を開始し、所定の終了条件が満たされると前記報知遊技を終了可能とする報知遊技開始終了手段と、
前記有利区間から前記通常区間への移行を制御する移行制御手段と、を備え、
前記移行制御手段は、
前記報知遊技中に、前記所定役が当選したときに前記操作態様が少なくとも1回報知されたことによって、前記有利区間から前記通常区間への移行を可能とし、
前記報知遊技中において、
前記所定の終了条件が満たされていない状態で前記特別遊技が開始された場合は、前記特別遊技の終了後も前記有利区間に留まり、
前記所定の終了条件が満たされているにも関わらず、前記所定役の当選時における前記操作態様の報知が1回もなされていないために報知遊技が継続している状態で前記特別遊技が開始された場合は、前記特別遊技の終了後に前記通常区間へ移行するようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンでは、AT期間中に20ゲームが行われるとAT期間が終了するが、一般に、役抽選は乱数に基づいて行われるため、AT期間中の20ゲームの間、一度も「ベルグループ」が当選しない場合も起こり得る。この様な場合、遊技者はAT期間という有利な状態でありながら、その利益を一度も受けることなくAT期間が終了してしまうことになる。
したがって、遊技者にそのような不利益を与えないようにするために、例えば、AT期間において、「ベルグループ」が当選したときに正解押し順を報知する回数が、所定回数(1回であってもよい)に達したことを、AT期間を終了させることができる最低条件とすることが考えられる。この場合、例えば、AT期間が開始してから20ゲームが行われるまでに所定回数の正解押し順が報知された場合は、20ゲーム目でAT期間を終了するが、そうでなければ所定回数の正解押し順が報知されるまで、20ゲーム目以降もAT期間が継続することになる。
このようにすることで、遊技者に対してAT期間による一定の利益を確実に与えることができるが、場合によっては、AT期間が開始してから20ゲームを過ぎても正解押し順の報知回数が所定回数に達せず、なかなかAT期間を終了できないことも起こり得る。
そこで、有利な遊技状態において遊技者に付与する利益を確保しつつ、有利な遊技状態を必要以上に継続してしまうのを避けることができるようにするために、上述した(40)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、報知遊技の実行中に、所定の終了条件が満たされていない状態で特別遊技が開始された場合は、特別遊技の終了後も有利区間に留まるため、特別遊技が開始されたことによって報知遊技が途中で中断されてしまったことによる利益の損失を軽減することができる。また、報知遊技の実行中において、所定の終了条件が満たされているにも関わらず、所定役の当選時における有利な操作態様の報知が行われていないために、報知遊技が継続している状態で特別遊技が開始された場合は、特別遊技の終了後に通常区間へ移行する。このため、報知遊技によって得られなかった利益を、特別遊技によって補うことができるとともに、所定の終了条件が満たされているにも関わらず、報知遊技が継続している状態を終了させることができる。
(41)ストップスイッチの操作態様に応じて遊技結果が異なる所定役が当選したときに、遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様が報知されない通常区間と、
ストップスイッチの操作態様に応じて遊技結果が異なる所定役が当選したときに、遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様が報知され得る有利区間と、を有し、
演出を行う演出手段と、
前記有利区間において、所定の開始条件が満たされると前記所定役が当選すると遊技者に有利な遊技結果となるストップスイッチの操作態様を報知する報知遊技を開始し、所定の終了条件が満たされると前記報知遊技を終了可能とする報知遊技開始終了手段と、
前記報知遊技中に、前記所定役が当選したときに前記操作態様が少なくとも1回報知されたことによって、前記有利区間から前記通常区間への移行を可能とする移行制御手段と、
を備え、
前記報知遊技中に前記所定の終了条件が満たされても、前記所定役の当選時における前記操作態様の報知が1回もなされていない場合は、前記報知遊技が継続する継続状態となり、
前記継続状態において、前記演出手段により前記通常区間と同様の演出を行い、
前記継続状態のときに、前記所定役が当選して前記操作態様が報知されると、有利区間から通常区間へ移行し、
通常区間において、ストップスイッチの操作態様に応じて遊技結果が変わらない特定役が当選したときに、ストップスイッチの操作態様を報知可能とするようにしてもよい。
例えば、特開2014−150881号公報に記載されたスロットマシンでは、AT期間中に20ゲームが行われるとAT期間が終了するが、一般に、役抽選は乱数に基づいて行われるため、AT期間中の20ゲームの間、一度も「ベルグループ」が当選しない場合も起こり得る。この様な場合、遊技者はAT期間という有利な状態でありながら、その利益を一度も受けることなくAT期間が終了してしまうことになる。
したがって、遊技者にそのような不利益を与えないようにするために、例えば、AT期間において、「ベルグループ」が当選したときに正解押し順を報知する回数が、所定回数(1回であってもよい)に達したことを、AT期間を終了させることができる最低条件とすることが考えられる。この場合、例えば、AT期間が開始してから20ゲームが行われるまでに所定回数の正解押し順が報知された場合は、20ゲーム目でAT期間を終了するが、そうでなければ所定回数の正解押し順が報知されるまで、20ゲーム目以降もAT期間が継続することになる。
このようにすることで、遊技者に対してAT期間による一定の利益を確実に与えることができるが、AT期間が開始してから20ゲームを過ぎても正解押し順の報知回数が所定回数に達しなかった場合は、20ゲームが経過した後もAT期間が継続することになる。すなわち、通常であれば20ゲームでART期間が終了するのに対して、20ゲームが過ぎてもART期間が継続するため、遊技者に対して違和感を与えることになる。
そこで、20ゲームの経過後もAT期間が継続する場合、遊技者に対して行う演出としては20ゲーム目でART期間が終了したことを示す演出を行い、21ゲーム目以降は通常時(すなわちAT期間以外の遊技状態)と同様の演出を行うことで、あたかもAT期間が終了して通常時へ移行したような印象を与えるようにすることが考えられる。
しかしながら、こうような演出を行った場合、AT期間が開始してから21ゲーム目以降は、演出上は通常時(非AT期間)の遊技状態となっているが、実態としては未だAT期間中であるため、「ベルグループ」が当選したときには正解押し順が報知されることになる。したがって、遊技者の認識では、通常時の遊技状態で正解押し順が報知されたことになるため、違和感や、何か大きな特典が与えられる前兆なのではないかという期待感を、遊技者に持たせてしまう可能性がある。
そこで、有利な遊技状態において遊技者に付与する利益を確保しつつ、演出によって遊技者に違和感や誤解を与えてしまうのを避けることができるようにするために、上述した(41)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、報知遊技の実行中に、所定役が当選したときに有利な操作態様が少なくとも1回報知されなければ、有利区間から通常区間への移行することがないため、遊技者に対して有利区間における利益を最低限付与することができる。また、通常区間においても、特定役が当選したときはストップスイッチの操作態様が報知されるので、報知遊技が継続している継続状態において、通常区間と同様の演出を行いつつ、所定役が当選したときに有利な操作態様を報知したとしても、遊技者に違和感や誤解を与えてしまうのを避けることができる。
(42)少なくとも2つ以上のビットの各ビットの値が、各々遊技に関する所定の項目の状態を示すように構成された8つのビットからなる1バイトデータと、
前記1バイトデータが取り得る値毎に有する、前記遊技に関する所定の項目の状態を決定するための決定データと、
前記1バイトデータの値に基づいて、当該1バイトデータの値に対応する前記決定データが記憶されているアドレスを算出する算出手段と、
を有するようにしてもよい。
従来のスロットマシンでは、世界観を有し、遊技の興趣を向上させるため、その世界観を表現した演出を行うのが一般的である。また、その演出と齟齬がないよう遊技性が作られている。例えば、特許文献1に記載されているスロットマシンは、ダンジョンの中を進む主人公が、様々な敵と戦闘を繰り広げるという世界観を有し、その世界観を表現するためバトル演出を行っている。そして、入賞の有無によって主人公と敵がダメージを与え合うという遊技性となっている。また、遊技の興趣をさらに向上させるため、敵との対戦中に入賞したり、敵との対戦で勝利したときは、一定の確率でアイテムを取得することができ、そのアイテムを対戦中に使用すると、敵に与えるダメージを大きくすることができるようになっている。
特開2003−250953号公報に記載されたスロットマシンでは、取得可能なアイテムが複数種類存在し、現在所有しているアイテムの数を、種類毎に管理している。具体的には、アイテムの種類毎にアイテムカウンタを備えており、アイテムを取得したときに、そのアイテムの種類に対応するアイテムカウンタの値に、取得したアイテムの数を加算している。
ところで、同様のゲーム性となっている場合において、例えば1つしか存在しないというレアアイテムが複数種類あるという仕様を採用した場合、主人公にレアアイテムを付与する際に、主人公が未だ取得していないレアアイテム(換言すると、既に取得しているレアアイテム以外のレアアイテム)の中からいずれかを選択して付与することが好ましいる。この場合、各レアアイテムに対応するアイテムカウンタの値を逐一チェックして、値が0のアイテムカウンタに対応するレアアイテムを判別する必要がある。そして、値が0のアイテムカウンタに対応するレアアイテムの中からいずれかを抽選等によって選択することとなる。
さらに、主人公が既に取得しているレアアイテムの種類に応じて、新たに主人公に付与するレアアイテムの選択確率を異ならせたい場合もあるが、そのような場合も、各アイテムカウンタの値のチェック結果に応じて選択確率を切り替える必要があり、そのための処理がさらに煩雑になる。
そこで、遊技に関する処理を簡略化して、プログラムの容量を削減することができるようにするために、上述した(42)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、データの値に応じた導出情報に基づいて演出制御を行うことで、演出に関する所定の項目について現状に適した演出制御を行うことができる。これにより、遊技に関する所定の項目について各々の状態を逐一認識する必要がなくなるため、遊技に関する処理を簡略化して、プログラムの容量を削減することができる。
なお、前述した各種の実施形態を適宜組み合わせることは可能であり、また、各実施形態またはそれらの組み合わせに対して、上述した各変形例やのめり込み対策を適宜組み合わせることも可能である。さらに、本発明は、明細書および図面に記載した構成に限定されるものではなく、それらを上位概念化した態様も含む。