以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1〜図3>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯を有しており、これら回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組合せにより遊技結果が導出表示されるようになっている。これらの回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより各図柄が変動表示および停止表示される。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われるような演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、何個配設されていても良い。
図2に、本実施形態に係る各回胴における図柄配列帯を示す。なお図示の「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、役に関する抽選(内部抽選)により当選した役(当選役)に対応した図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。本実施形態の図柄には、赤7(参照符号31)、青7(参照符号32)、BAR(参照符号33)、ベルA(参照符号34)、ベルB(参照符号35)、リプレイA(参照符号36)、リプレイB(参照符号37)、チェリー(参照符号38)、スイカ(参照符号39)、ブランク(参照符号40)の計10種類の図柄が含まれる。これらの図柄は、回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
図1を再び参照して、回胴視認部3には、複数本の入賞ライン3aが施されている。図3は、本実施形態の回胴式遊技機における入賞ラインを例示した図である。この回胴視認部3には、左上から右下に斜めに横断する入賞ライン(同図(A))と、左下から右上に斜めに横断する入賞ライン(同図(B))と、逆V字型(谷型)の入賞ライン(同図(C))と、V字型(山型)の入賞ライン(同図(D))の計4本の入賞ラインが施されており、所謂、4ライン機の構成となっている。
これらの入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数(所謂、「ベット数」)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せと一致した場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技媒体などの遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルの払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
また、第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。液晶表示装置6(液晶画面6a)は、演出手段として機能し、遊技に関する演出を画像により表示する。なお画像表示装置として、たとえばプラズマディスプレイ(PDP)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD)などを採用しても良い。また画像表示装置に限らず、7セグメントやLEDなどを利用した表示装置を採用しても良い。
また回胴視認部3の左右両側には、遊技に関する演出を光の装飾により現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、LED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(所謂「クレジット機能」):図示せず)にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数(最大賭数)。本実施形態は、遊技メダル3枚が最大賭数となっている)まで遊技メダルを一度に擬似投入し得るMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10などが設けられている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。また、メダル投入口13の内部には、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(メダル検出センサ7a:図3参照)が設けられている。
また操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
また装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500(図4参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。
なお図示はしていないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置)に、または遊技機1の適所に、現在の賭け数(遊技メダル投入枚数)を表示する遊技メダル投入枚数表示部、クレジット数を表示する遊技メダル貯留枚数表示部、回胴回転始動レバー11の操作が有効な状態になったことを報知する遊技開始表示部、遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する遊技メダル払出枚数表示部、遊技メダルの投入の受付可能状態であるか否かを報知する遊技メダル投入表示部、再遊技が作動中である旨を報知する再遊技表示部などが設けられている。これらの表示部は、主制御部(主制御基板)400(図3参照)により表示制御される。
本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ部13やLEDなどの光発生手段、演出表示手段、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。なお上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。本発明の演出手段は、広義には演出を現出する演出装置として機能するが、狭義にはAT遊技中において回胴の停止操作手順を報知しうる手段(アシスト報知手段)としても機能する。
<制御装置:図4、図5>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図4は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1〜図3と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御手段として機能する主制御基板(以下、「主制御部」と称する)400と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)を統括的に司る演出制御手段として機能する演出制御部410と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440とを中心に構成される。上記の演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、MAXベットボタン8、1ベットボタン9、または貯留メダル精算ボタン10には、その内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600とが接続されている。
ホッパーユニット500は遊技媒体払出装置として機能するものであり、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520とが設けられている。主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)450に送信可能となっている。払出制御基板450は、主制御部400から払出制御コマンドを受信すると、その内容に基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、指定された枚数分の遊技メダルの払い出し処理を行う。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御部400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチ(図示せず)や、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)などが設けられ、回胴設定基板430は上記各スイッチの操作を検出した場合、その検出信号を主制御部400に出力する。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選や液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプ13、LEDの発光制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図5を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図5は図4に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としない遊技機の制御には最適である。またメインCPU401cは、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備える。
またメインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータとして、回胴の停止制御用の停止データを記述した停止テーブル(図示せず)、内部抽選を行うための役抽選テーブル(図5)、内部抽選結果に基づき、当選役に対応した当選フラグを設定するための設定テーブル(図示せず)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)などのデータが格納されている。
またメインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、当選役を決定するための役の抽選(内部抽選)に利用される内部抽選用乱数値、抽選結果情報(当選番号情報や当選フラグ)、遊技状態情報など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで、本実施形態では、CTC401dを利用して、CPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路とその乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成されている。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得し、その乱数値を役に関する抽選(内部抽選)に利用する。主制御部400(メインCPU401c)は、各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技(1ゲーム)ごとに、後述の役抽選テーブル(図6参照)を参照して、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを決定し、その抽選結果情報(所謂、「当選(内部当選)フラグ」)を、所定の処理が終了するまでメインRAM401bの当選情報設定領域に格納する。この当選フラグは、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御部400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部400に送信される。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件となる賭数(本実施形態では、1枚〜3枚の遊技メダルの投入を条件としている)が設定され、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づき、遊技開始条件となる規定枚数の遊技メダルが投入されたことを確認した場合、遊技開始条件を成立させる。そして、この遊技開始条件成立中に回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、各回胴を略一定速度で回転させるように制御する。このようにして、各回胴を回転させる回転動作を実現している。
回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(「枠内下段」)に相当する位置)に存在する図柄番号(停止操作図柄番号)を取得し、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを停止テーブル(図示せず)を参照して割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。上記特定位置に存在する図柄番号は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視することにより把握される。
上述の「停止テーブル」には、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれ、たとえば、左回胴5aの滑りコマ数を定めた左回胴用停止テーブル、中回胴5bの滑りコマ数を定めた中回胴用停止テーブル、右回胴5cの滑りコマ数を定めた右回胴用停止テーブルなどの複数種類の停止テーブルが含まれる。これらの停止テーブルは、内部抽選結果の他、停止操作タイミング(停止操作番号)や回胴の停止操作順番(押し順)や応じても選択されうる。斯様な停止テーブルにより、有効入賞ライン上に、特定の図柄を停止させたり、特定の図柄を停止させないようにしたりする、所謂、「引き込み制御」が実現される。
「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄:当選役の構成要素図柄)を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能となる当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれる。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数を定めれば、当選役に対応する図柄の組合せに関し、回胴の停止操作タイミングにかかわらず有効入賞ライン上に必ず停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(「取りこぼし」を可能にする)にしたりすることもできる。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ(当選番号0:図5参照)」当選の場合、いずれの役(当選番号1〜12:図5参照)に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。なお、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
なお、本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)には、特にスイカの図柄39、リプレイAの図柄36、およびリプレイBの図柄37の各図柄に関しては、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、その図柄を有効入賞ライン上に引き込むことが可能なように配置されている。つまり、上記の引き込み制御下において、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されている。しかし他の図柄に関しては、上記引き込み制御下において、回胴の停止操作タイミングによっては、必ずしも有効入賞ライン上に引き込めないように当該図柄が配置されている。つまり、停止操作タイミングによっては、所謂「取りこぼし」が発生するようになっている。ただし、この図柄配置構成や有効入賞ラインについては、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されず、適宜設定することができる。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶制御基板460に対し、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
演出制御基板420は、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を必要なタイミングで上記音響発生装置(図示せず)や光表示装置(図示せず)に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。これにより、時系列的に種々の演出パターンが展開されていくことにより、広義の意味での演出シナリオ(位遊技中に現出される種々の予告演出(演出シナリオを構成する演出要素)を含めた広義の演出パターン)が現出される。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420から送られてくる液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6に対する画像表示制御である。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
またサブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<役抽選テーブル:図6>
次に図6を参照して、内部抽選を行う際に利用される役抽選テーブルについて説明する。図6は、通常遊技中、RT(リプレイタイム)遊技中、およびボーナス遊技中に用いられる役抽選テーブルを代表的に示したものである。
図示の役抽選テーブルには、複数種類の当選役種別(当選種別)ごとに対応した当選領域を有する抽選領域(本実施形態の抽選領域の大きさは、65536となっている)が定められている。具体的には、各役抽選テーブルには、当選役を決定するための当選領域(判定値)と、内部抽選用乱数値とが関連付けて定められており、内部抽選用乱数値がいずれの当選領域(判定領域(判定値))に属するか否かにより、ハズレを含む当選役の種別が決定されるようになっている。主制御部400は、遊技状態に応じた役抽選テーブルを選択参照して、取得した内部抽選用乱数値がどの当選領域に属するかを判定して、いずれの役に当選したのか、またはハズレであるのかを決定する。
内部抽選の対象となる役には、ハズレ、小役1、小役2、AT1〜AT12、RPa1〜RPa3、RPb1〜RPb3、BB1+小役2の計22種類が設けられている。ハズレを含み22種類設けてある(各役についての詳細は後述する)。なお、図中の当選役種別には、当選番号に対応する役名称を表記してある。
図6を参照すれば、通常遊技中に選択される通常遊技用役抽選テーブル(図6の「通常遊技中」の欄参照)と、RT遊技中に選択されるRT遊技1またはRT遊技2用役抽選テーブル(同図の「RT遊技1」、「RT遊技2」の欄参照)とでは、リプレイ(後述するRPa1〜RPa3およびRPb1〜RPb3の当選確率を合算した合算当選確率)の当選確率が異なる。RT遊技中は、通常遊技中よりもリプレイの当選確率(当選確率=「当選領域の大きさ/抽選領域の大きさ」)が高確率に設定されている。なお、RPa1〜RPa3およびRPb1〜RPb3は再遊技(リプレイ)の作動に係る役であり、その当選により再遊技の作動に起因する図柄の組合せが遊技結果として導出表示されることを許容する役である。したがってRT遊技1、2中は、リプレイの当選確率が高確率に変動され、通常遊技中よりも再遊技が高確率で作動することから、通常遊技よりも1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が通常遊技よりも増加しうる、といった遊技者に有利な遊技状態(再遊技高確率抽選状態)に置かれる。なお、このRT遊技は、主制御部400がその機能部を担う「再遊技高確率遊技制御手段」によりその発生および終了が管理制御される。
また、各遊技状態に応じて、内部抽選の対象となる役種別が異なるようになっており、たとえば、通常遊技中では、RPa1〜RPa3およびRPb1〜RPb3は抽選対象外とされるが、RT遊技2中では、RPa1〜RPa3およびRPb1〜RPb3が抽選対象とされる。これにより、遊技状態に応じて、入賞しうる役を異ならせることが可能になっている。
また上記ボーナス遊技中に選択されるボーナス遊技中役抽選テーブル(図示の「ボーナス遊技中」の欄参照)を参照して、本実施形態のボーナス遊技中においては、ハズレ、小役2、およびRPb1〜RPb3のみが内部抽選対象の役として定められており、小役2が超高確率で当選するようになっている。なお詳細は後述するが、この小役2は、その当選により所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う図柄の組合せが遊技結果として導出表示されることを許容する役である。したがって上記ボーナス遊技中においては、小役2がほぼ毎ゲーム当選し、短期間で多量の遊技メダルを獲得することができ、遊技者に有利な遊技状態(特別遊技状態)に置かれることになる。
<内部抽選対象となる役の種類(当選役種別)、入賞となる図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当の関係:図7A〜図7B、図7C>
次に図7Aおよび図7Bを参照しながら、内部抽選の対象となる役の種類(当選役種別)、入賞となる図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当(遊技価値)の関係について説明する。なお、図中の「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。
本実施形態において、内部抽選対象となる役には、小役1、小役2、AT1〜AT12、RPa1〜RPa3、RPb1〜RPb3、およびBB+小役2(以下、「SBB」と略す)が設けられている。これらの役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応する当選フラグが成立して、遊技結果として、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際に、図示の図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止した場合、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与される。本明細書中では、遊技者に有利・不利を問わず、何らかの遊技価値を伴う特定の図柄の組合せを「入賞役」と称し、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することを、特に「入賞」と称する。
(小役1)
まず当選番号1の「小役1」について説明する。
小役1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「ANY(「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である)」−「チェリー」−「ANY」の図柄の組合せ(チェリー役)となっている。このチェリー役が入賞した場合には、配当として、たとえば2枚の遊技メダルが払い出されるようになっている。ただし、通常遊技中にチェリー役が入賞した場合、その配当は、2枚の遊技メダルの付与とRT遊技への移行となっている(遊技状態の移行制御に関する詳細は後述する)。つまりチェリー役は、遊技状態の移行契機となる「遊技状態移行契機役」としての性質を有し、本実施形態においては、RT遊技への移行契機役(RT遊技移行契機役)として働く。
(小役2)
次に、当選番号2の「小役2」について説明する。
小役2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(スイカ役)となっている。このスイカ役が入賞した場合、配当として、たとえば12枚の遊技メダルが払い出されるようになっている。小役2は、単なる遊技メダルの払い出しを伴う役であるという点で、上述の小役1ように遊技状態移行契機役として働きうる役とは性質を異にする。
また上記の小役1と小役2は、その当選により、押し順にかかわらず、特定の入賞役の入賞を許容する役(押順不問役)となっている。この点、後述のAT1〜AT6や、RPa1〜RPb3などのように、少なくとも押し順に応じて異なる役が入賞し得る押順規定役とは性質を異にする。
(AT役1〜12)
次に、当選番号3〜14の「AT1〜AT12」について説明する。
AT1〜AT12は、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なるように定められている役(押順規定役)である。上記AT1〜AT4は第1番目に停止操作された回胴(以下、「第1停止操作回胴」と称する)が左回胴5aである場合に、AT5〜AT8は第1停止操作回胴が中回胴5bである場合に、AT9〜AT12は第1停止操作回胴が右回胴5cである場合に、遊技価値が相対的に高い入賞役が有効入賞ライン上に停止するように定められている(図7Aおよび図7Bの「押し順」の欄参照)。以下では重複記載を避けるため、第1停止操作回胴が同回胴の役に着目して、「AT1」、「AT5」、および「AT9」を例にとって説明する。
(AT1)
まず、AT1(当選番号3)について説明する。AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(スイカ役)、(2)「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル1)、(3)「ベルA」−「ベルB」−「ベルB」の図柄の組合せ(ベル4)、の計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、AT1は、その当選によりスイカ役の入賞を許容する役(本実施形態においては、上記小役1に相当)と、ベル1の入賞を許容する役と、ベル4の入賞を許容する役とに重複当選可能な役、つまり1回(1ゲーム)の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
また上述したスイカ役、ベル1、およびベル4のうち、スイカ役の配当は遊技メダル12枚の払い出し、ベル1およびベル4はそれよりも少ない遊技メダル6枚(ベル2、ベル3、およびベル5〜8も同様)の払い出しとなっており、スイカ役は、ベル1やベル4よりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。これは、押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役、または不利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役が遊技結果として導出表示され得ることを意味する(AT2〜AT12についても同様)。
またAT1当選により入賞が許容される上記の3種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上記引き込み制御の下、押し順と回胴の停止操作タイミングとに基づき、有効入賞ライン上の停止図柄が決定されるようになっている。各回胴5a、5b、5cのいずれが第1〜第3停止操作回胴に該当するか否かは、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により把握される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目の停止操作であるかを把握する。以下、図7Aを参照しながら、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(第1停止操作回胴が左回胴5aである場合)
図7Aに示すように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、スイカ役が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。ここで、既に説明したように‘スイカ’の図柄39は、上記引き込み制御下において、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されている。これにより、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、スイカ役が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(第1停止操作回胴が左回胴5a以外の場合)
これに対し、第1停止操作回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合には、ベル1またはベル4のいずれかが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。ここで、ベル1とベル4とは、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になっている。これは、ベル1またはベル4の構成要素図柄が、最大引きコマ数分回胴を移動させても有効入賞ライン上に引き込み不可能とされる停止操作位置が存在するように配置されているからである(図2参照)。このため、第1停止操作回胴が左回胴5aでなく、かつ、ベル1またはベル4の構成要素図柄を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合には、入賞役として扱われない図柄の組合せ、すなわち配当を得ることができない図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止し、その結果、AT1に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。
この「取りこぼし」が発生し得る回胴の停止操作が行なわれた場合、2つの回胴の有効入賞ライン上には‘ベルA’または‘ベルB’を、1つの回胴の有効入賞ライン上には‘リプレイA’または‘リプレイB’を停止するように回胴の停止制御が行われ、これが上記取りこぼし発生時の遊技結果(取りこぼし目)として導出表示されるようになっている(後述するAT2〜AT12についても、取りこぼしの際はAT1と同事象の引き込み制御が行われる)。たとえば、第1停止操作回胴が中回胴5b、第2停止操作回胴が左回胴5aの順で停止操作が行われた後の有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様が「ベルA」−「ベルA」−「↓↓(回転中)」である場合において、最終(第3)停止操作回胴の右回胴5cの有効入賞ライン上にベル1が入賞し得る‘ベルA’を引き込み不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合(たとえば、右回胴5cの停止操作図柄番号が図柄番号4の‘BAR’であれば、‘ベルA’は引き込むことができない)、その‘ベルA’の替わりに‘リプレイA’または‘リプレイB’を引き込んで回胴を停止制御し、「ベルA」−「ベルA」−「リプレイAまたはリプレイB」という図柄の組合せを遊技結果(取りこぼし目)として導出表示する(右回胴5cの停止操作図柄番号が図柄番号4の‘BAR’の場合、替わりに図柄番号8の‘リプレイA’を有効入賞ライン上に停止させ「ベルA」−「ベルA」−「リプレイA」をAT1の取りこぼし目として導出表示する)。
(AT5)
次に、AT5(当選番号7)について説明する。AT5の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(スイカ役)、(2)「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル1)、(3)「ベルB」−「ベルA」−「ベルB」の図柄の組合せ(ベル6)、の計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、AT5も上記AT1と同様に、その当選によりこれら複数種類の役の入賞を許容する「重複役」としての性質を有する。
上記AT5についても上述したAT1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順と停止操作タイミングとにより決定され、図7Aに示すように、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には、スイカ役が必ず有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が左回胴5aまたは右回胴5cである場合には、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、ベル1またはベル6のいずれかが有効入賞ライン上に停止するようになっている。また第1停止操作回胴が中回胴5aでなく、かつベル1またはベル6が有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴を停止操作した場合には、配当を得ることができない図柄の組合せが停止し、AT5に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。
(AT9)
次に、AT9(当選番号11)について説明する。AT9の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(スイカ役)、(2)「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル1)、(3)「ベルB」−「ベルB」−「ベルA」の図柄の組合せ(ベル7)、の計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、AT9も上記AT1と同様に、その当選によりこれら複数種類の役の入賞を許容する「重複役」としての性質を有する。
上記AT9についても上述したAT1やAT5と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するかは、押し順と停止操作タイミングとにより決定されるようになっている。具体的には、図7Bに示すように、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には、スイカ役が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。しかし第1停止操作回胴が左回胴5aまたは中回胴5bである場合には、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、ベル1またはベル7のいずれかが有効入賞ライン上に停止するようになっている。また第1停止操作回胴が右回胴5cでなく、かつベル1またはベル7が有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴を停止操作した場合には、配当を得ることができない図柄の組合せが停止し、AT9に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。
(RPa1〜RPa3)
次に、当選番号15〜17の「RPa1〜RPa3」について説明する。なお、回胴の停止制御の説明に関しては、上記AT1〜AT12と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
(RPa1)
まず、RPa1(当選番号15)について説明する。RPa1(当選番号15)の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)と、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイB」の図柄の組合せ(パンクリプレイ)の計2種類の図柄の組合せとなっている。したがって、RPa1は、その当選により通常リプレイの入賞を許容する役と、パンクリプレイの入賞を許容する役とに重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
RPa1の当選により許容される図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。この点で、押し順だけでなく停止操作タイミングも関係するAT1〜AT12とは異なる。
具体的には、図7Bに示すように、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には、停止操作タイミングにかかわらず「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合には、停止操作タイミングにかかわらず「パンクリプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。つまりRPa1が当選した場合、上記引き込み制御の関係上、「通常リプレイ」または「パンクリプレイ」のいずれか一方が有効入賞ライン上に停止され、いずれのリプレイが有効入賞ライン上に停止するか否かは、そのときの押し順により決定される。したがって、このRPa1も、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なる「押順規定役」に属するものといえる(後述のRPa2、RPa3も同様)。
なお、通常リプレイまたはパンクリプレイが入賞した場合には、配当として、今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を疑似的に付与して次回のゲームを開始可能とする「再遊技(所謂「リプレイ」)」が付与される。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
ここで通常リプレイに関しては、通常遊技中およびRT遊技中に入賞した場合の配当は、共に上述の「再遊技」の付与となっている。しかしパンクリプレイに関しては、通常遊技中の配当は、通常リプレイと同じく再遊技の付与となっているが、RT遊技中においてはその配当を異にし、再遊技が付与されるとともに、当該RT遊技が終了され、次回ゲームからは、通常遊技に移行されるようになっている。つまりパンクリプレイは、遊技状態移行契機役としての性質を有し、本実施形態においては、通常遊技への移行契機役(RT遊技終了契機役)として働く。この点において、上記パンクリプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役(遊技者にとって不利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役)としての位置付けとなっている。したがってRPa1は、上記AT1〜AT12と同様に、押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、通常リプレイ)、または不利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、パンクリプレイ)が遊技結果として導出表示されうる役となっている(後述のRPa2およびRPa3も同様)。
(RPa2)
次に、RPa2(当選番号16)について説明する。なお、RPa2についての図柄の組合せの種類やその配当については、上述したRPa1と同じであるので、ここでは重複記載を避けるため、RPa1と異なる点について説明する。
RPa2についても上述したRPa1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。具体的には、図7Bに示すように、RPa2においては、上述のRPa1とは異なり、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が左回胴5aまたは右回胴5cである場合には、パンクリプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(RPa3)
次に、RPa3(当選番号17)について説明する。RPa3についての図柄の組合せの種類やその配当については、上述したRPa1と同様であるので、ここでは重複記載を避けるため、RPa1と異なる点について説明する。
RPa3についても上述したRPa1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。具体的には、図7Bに示すように、RPa3においては、上記のRPa1やRPa2とは異なり、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が左回胴5aまたは中回胴5bである場合には、パンクリプレイが有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(RPb1〜RPb3)
次に、当選番号18〜20の「RPb1〜RPb3」について説明する。なお、回胴の停止制御の説明に関しては、上記AT1〜AT12やRPa1〜RPa3と実質的に同じ点は重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
(RPb1)
まず、RPb1(当選番号18)について説明する。RPb1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「青7」−「青7」−「青7」の図柄の組合せ(特殊リプレイ1:青7リプレイ)と、「スイカ」−「リプレイA」−「リプレイA」(特殊リプレイ4)と、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)との計3種類の図柄の組合せとなっている。したがって、RPb1は、その当選により特殊リプレイ1、4の入賞を許容する役と、通常リプレイの入賞を許容する役とに重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
RPb1についても上述したRPa1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。したがって、このRPb1も、上記押順規定役に属するものといえる(後述のRPb2、RPb3も同様)。
具体的には、図7Bに示すように、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には停止操作タイミングに応じて「特殊リプレイ1」が、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には停止操作タイミングにかかわらず「特殊リプレイ4」が、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には停止操作タイミングにかかわらず「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。つまりRPb1が当選した場合、上記引き込み制御の関係上、「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ4」のいずれかが有効入賞ライン上に停止されるが、どの種のリプレイが有効入賞ライン上に停止するかに関しては、そのときの押し順と停止操作タイミングとにより決定されるようになっている。ここで、「青7リプレイ(特殊リプレイ1)」については、押し順は一致したが停止操作タイミングが一致しなかった場合、特殊リプレイ4を有効入賞ライン上に必ず引き込んで停止させるようになっている。
ここで特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)は、通常遊技中に入賞した場合、配当として再遊技が付与されるが、RT遊技中においてはその配当を異にし、再遊技の付与と、遊技者に有利に作用する後述のAT遊技(AT遊技2)への移行や、ゲーム数(後述のAT遊技1の継続ゲーム数)上乗せ抽選などの実行権利付与となっている(詳細は後述する)。この特殊リプレイは、遊技者に有利に作用する遊技価値(AT遊技移行契機や上乗せ抽選の実行契機)を伴う点において、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役)としての位置付けとなっている。したがってRPb1は、上記AT1〜AT12と同様に、押し順に応じて、遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、特殊リプレイ)、または不利に作用し得る遊技価値が付与される入賞役(ここでは、通常リプレイ)が遊技結果として導出表示されうる役となっている(後述のRPb2およびRPb3も同様)。
(RPb2)
次に、RPb2(当選番号19)について説明する。なおここでは重複記載を避けるため、RPb1と異なる点について説明する(RPb3についても同様)。
RPb2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(特殊リプレイ2:赤7リプレイ)と、「スイカ」−「リプレイA」−「リプレイA」(特殊リプレイ4)と、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)との計3種類の図柄の組合せとなっている。このRPb2についても上述したRPb1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。具体的には、図7Bに示すように、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には停止操作タイミングにかかわらず「特殊リプレイ2」が、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には停止操作タイミングにかかわらず「特殊リプレイ4」が、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には停止操作タイミングにかかわらず「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。。なお「赤7リプレイ(特殊リプレイ2)」については、押し順は一致したが停止操作タイミングが一致しなかった場合、特殊リプレイ4を有効入賞ライン上に必ず引き込んで停止させるようになっている。
(RPb3)
次に、RPb3(当選番号20)について説明する。
RPb2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「BAR」−「BAR」−「BAR」の図柄の組合せ(特殊リプレイ3:BARリプレイ)と、「リプレイA」−「リプレイA」−「スイカ」(特殊リプレイ5)と、「リプレイA」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄の組合せ(通常リプレイ)との計3種類の図柄の組合せとなっている。このRPb3についても上述したRPb1と同事象のように、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定されるようになっている。具体的には、図7Bに示すように、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には停止操作タイミングにかかわらず「特殊リプレイ2」が、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には停止操作タイミングにかかわらず「特殊リプレイ4」が、第1停止操作回胴が左回胴5aである場合には停止操作タイミングにかかわらず「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。なお「BARリプレイ(特殊リプレイ3)」については、押し順は一致したが停止操作タイミングが一致しなかった場合、特殊リプレイ5を有効入賞ライン上に必ず引き込んで停止させるようになっている。
(BB(ボーナス)+小役2:SBB)
次に当選番号21の「BB+小役2(SBB)」について説明する。
SBBの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、小役2の「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せ(スイカ役)と、「赤7」−「青7」−「BAR」の図柄の組合せ(ボーナス役)となっている。したがってSBBは、その当選により小役2の入賞を許容する役と、ボーナス役の入賞を許容する役とに重複当選可能な重複役としての性質を有するものといえる。
上記SBBの当選により許容される図柄の組合せのうち、BBに対応するボーナス役については、押し順が不問の「押順不問役」となっている。具体的には、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順は関係なく、停止操作タイミングにより決定される。この点で、少なくとも押し順が関係するAT1〜AT12やリプレイ(RPa1〜RPa3、RPb1〜RPb3)とは異なる。
上記ボーナス役が入賞した場合、次回ゲームからボーナス遊技に移行される。本実施形態のボーナス遊技中においては、小役2の当選確率が著しく高まり(本実施形態では64236/65536で当選)、ほぼ毎ゲーム、小役2の当選によりスイカ役が入賞可能状態に置かれる。このため、ボーナス遊技が発生すると、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が通常遊技よりも著しく増加し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。このボーナス遊技は、規定枚数(たとえば、360枚)以上の遊技メダルの払い出しで終了する。
またボーナス遊技中には、遊技者にとり有利な特典が付与されるようになっている。ボーナス遊技中には上記特殊リプレイが当選する可能性があり、特殊リプレイの当選を契機に、特殊リプレイの入賞手順が案内されるアシスト報知演出の実行権利が貯留(特定演出報知ストック)がなされるようになっている(これについての詳細は後述する)。またボーナス遊技が終了すると、次回ゲームから後述の「前兆ART遊技」に移行され、この前兆ART遊技に特殊リプレイ(特殊リプレイ1または2)に入賞すると、遊技者にさらなる特典が付与されうる後述の「通常ART遊技」への移行が約束されるようになっている。
<BBの持ち越しについて>
上記BBは、その当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な持越役として設定されている。このため、上記SBBに当選した場合においては、ボーナス役が入賞するまでの遊技期間、BBに係る当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持される。このボーナス当選フラグが持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」と称する。一方、BB以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。なお、上記ボーナス持越遊技中においても、通常通りに各役の抽選が行われる。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生し得る。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ、パンクリプレイ)、小役(チェリー役、スイカ役、ベル1〜8)、およびボーナス役に関し、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを停止させるかを、「リプレイ>ボーナス役>小役」の順位で優先的に引き込み制御が行われるように定めてある。これにより、上述の重複当選中のゲームにおいては、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われることになる。
<遊技形態:図8および図9>
ここで、本発明の理解を容易なものとするために、各遊技状態およびこれら遊技状態の移行制御に着目しながら本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)について説明する。
<遊技状態>
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される追加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「主制御側遊技状態」と称する)には通常遊技とボーナス遊技の他に、RT遊技があり、演出制御部410側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「演出制御側遊技状態」と称する)には後述のAT(アシストタイム)遊技がある。以下に、本実施形態におけるRT遊技とAT遊技について説明する。
(RT遊技)
RT遊技とは、既に説明したように、再遊技を伴うリプレイに属する役の当選確率が通常遊技よりも上昇する再遊技高確率抽選状態である。本実施形態では、RT遊技1とRT遊技2の複数種類のRT遊技が設けられている。このRT遊技は、パンクリプレイが入賞するまで継続されるようになっている。
(AT遊技)
AT遊技は、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部(主制御部400)側で制御される遊技状態(通常遊技やRT遊技やボーナス遊技)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態である。このAT遊技は、演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御される。この演出状態管理手段は、通常の演出状態およびAT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理している。
本実施形態では、AT1〜AT12、RPa1〜RPa3、およびRPb1〜RPb3のように、遊技結果として導出表示される図柄の組合せが押し順および停止操作タイミングの少なくとも一方に応じて異なるように定めた複数種類の役が設けられている。しかし通常遊技中においては、これらの役に当選しても、遊技者に有利な図柄の組合せの入賞を案内するための情報は遊技者に報知されない。したがって上記通常遊技中は、遊技者に不利なゲーム展開がなされることになる。
これに対しAT遊技中においては、遊技者に有利な特定の図柄の組合せの入賞を案内するための情報が報知されるようになっている。たとえばAT1〜AT12のいずれかに当選した場合、スイカ役を入賞させるために、第1停止操作に選択すべき回胴が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその押し順に従い回胴を停止操作すれば、容易にスイカ役を入賞させることができる。したがって上記AT遊技中は、通常遊技よりも遊技者に有利なゲーム展開がなされることになる。
上記のような停止操作手順(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方の入賞手順)に関する報知演出(以下、「アシスト報知演出」と称する)は、AT1〜AT12、RPa1〜RPa3、およびRPb1〜RPb3のいずれかが当選役として決定された場合に現出される。本実施形態のAT遊技には、AT遊技1〜AT遊技3の複数種類のAT遊技が設けられ、上記アシスト報知演出は、そのAT遊技の種別(現在の演出状態)と当選役の種別とに基づき、現出すべきアシスト報知演出が選択されるようになっている(各AT遊技についての詳細は、後述する)。このアシスト報知演出は、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知演出制御手段」により制御される。
このようなAT遊技がRT遊技と重複発生すれば、遊技者に高利益を付与することができる。このAT遊技がRT遊技と重複発生した遊技状態を「ART(アシストリプレイタイム)遊技」と称し、特にRT遊技1と後述のAT遊技1とが重複発生する遊技状態を‘前兆ART遊技’と称し、RT遊技1と後述のAT遊技2とが重複発生する遊技状態を‘本ART遊技’と称し、RT遊技2と後述のAT遊技3とが重複発生する遊技状態を‘特別ART遊技’と称する。このART遊技は、ボーナス遊技と同様に、遊技者に高利益を付与しうることから、「疑似ボーナス遊技」とも称する。また、疑似ボーナス遊技への移行契機となる特別役を「疑似ボーナス役」とも称し、本実施形態では、特殊リプレイが「疑似ボーナス役」に相当する。
上記各AT遊技中において、RPb1〜RPb3のいずれかが当選した場合、アシスト報知演出の内容が異なる場合がある。詳細は追って説明するが、特殊リプレイは、後述する本ART遊技中や特別ART遊技中において、遊技者に有利な抽選または遊技状態の移行がなされる契機役となっている。このため特殊リプレイの入賞を案内するアシスト報知演出が現出するか否かで、特殊リプレイの出現率(入賞率)が変動し、その遊技状態下の遊技性が異なることになる。その結果、AT遊技1〜3のそれぞれは、上記アシスト報知演出が現出される遊技状態でありながらも、性質の異なるゲーム性が展開されることになる。このような理由により、本実施形態のアシスト報知演出の内容は、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役の種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないものとして扱う。つまり、アシスト報知演出が現出されても、遊技者には当選役種別そのものを知ることが不可能または困難になるものとし、アシスト報知演出の内容としては、押し順に関する表示(報知)内容だけが異なるだけで、アシスト報知演出態様そのものは同一または酷似した演出態様である。これにより、たとえば、「第1番目に左回胴5aを停止せよ」という押し順が報知された時点では、遊技者側からは、AT1〜AT4、RPa1、およびRPb1(第1停止操作が左回胴5aである場合に遊技者に有利な入賞役が成立しうる役)のいずれに当選したのかということまでは知ることができない、またはその判別が困難となり、遊技者は、積極的にアシスト報知演出の内容に従うことになる。
次に図8および図9を参照して、本発明の理解を容易なものとするために、遊技状態の移行制御について説明する。図8および図9は本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。まず通常遊技を起点として、前兆ART遊技(AT遊技1+RT遊技1)から通常ART遊技(AT遊技2+RT遊技1)に移行するまでの遊技ルートに着目しながら説明する。
(前兆ART遊技(AT遊技1+RT遊技1)について)
本実施形態では、通常遊技中にチェリー役の入賞(当選であっても良い)、またはボーナス遊技が終了した場合、RT遊技1とともにAT遊技1が発生し、遊技機全体から捉えた遊技状態としては、通常遊技よりも遊技者に有利な「前兆ART遊技(RT遊技1+AT遊技1)」に移行されようになっている。
この前兆ART遊技では、AT遊技1の発生により、RPa1〜RPa3のいずれかが当選した場合には「通常リプレイ」の入賞手順が、RPb2またはRPb3が当選した場合には「特殊リプレイ」の入賞手順が報知される(RT遊技1において、RPb1は、内部抽選対象から除外されている(図6参照))。これにより、遊技者がパンクリプレイの入賞を容易に回避することができるようになっている。
ここで通常遊技中においてチェリー役の入賞を契機に「特殊リプレイ種別報知抽選」が行われる。この特殊リプレイ種別報知抽選では、RPb1の当選時に「青7リプレイ(特殊リプレイ1)」の入賞手順を報知するか(たとえば、右回胴を第1停止操作し、青7リプレイを揃えさせるように促すアシスト報知演出)、RPb2の当選時に「赤7リプレイ(特殊リプレイ2)」の入賞手順を報知するか(たとえば、右回胴を第1停止操作し、青7リプレイを揃えさせるように促すアシスト報知演出)が抽選により決定される。上記特殊リプレイ種別報知抽選は、演出制御部410がその機能部を担う「特定役種報知抽選手段」により行われる。
この特殊リプレイ種別報知抽選では、青7リプレイ(特殊リプレイ1)に係るアシスト報知演出の方が赤7リプレイ(特殊リプレイ2)に係るアシスト報知演出よりも高確率で抽選されるようになっている。これは、後述の本ART遊技に係る継続ゲーム数の抽選(本ART遊技継続ゲーム数抽選)により、青7リプレイの方が赤7リプレイよりも高確率で長期間の継続ゲーム数が選択され、青7リプレイ入賞の方が遊技者にとり有利なゲーム展開とされため、青7リプレイに係るアシスト報知演出の抽選確率を相対的に低く設定している。これにより、赤7リプレイよりも青7リプレイに係るアシスト報知演出が現出されたときの遊技者の高揚感が高まるようになっている。
なお上記特殊リプレイ種別報知抽選により、青7リプレイに係るアシスト報知演出を現出させることが予定されている場合において、当該青7リプレイに係るアシスト報知演出を一時的に秘匿状態に置き、赤7リプレイに係るアシスト報知演出を一旦現出させ、所定の秘匿解除条件の下、本来の青7リプレイに係るアシスト報知演出を現出させるように構成することができる。本実施形態の青7リプレイは、その入賞条件として、第1停止操作を右回胴5cであることを要し、パンクリプレイが伴うRPa3は、そのパンクリプレイを回避するために、当該青7リプレイの入賞条件と同じ、第1停止操作を右回胴5cであることを要する(図7B参照)。したがって、RPa3が当選した場合に「右回胴を第1停止操作し、通常リプレイを揃えさせるように促すアシスト報知演出」を一旦現出させておいて、遊技者がこれに従い回胴を停止操作した後、RPa3当選に係る通常リプレイが導出された場合、または停止操作していく段階で、青7リプレイに係るアシスト報知演出に当選した旨を報知する、といったように、あたかも赤7リプレイから青7リプレイ当選への昇格したかの如く振舞う昇格的な演出(アシスト報知昇格演出)を現出可能に構成しても良い。この場合、所定の秘匿解除条件が成立するまで、特殊リプレイ種別報知抽選の結果を秘匿状態に置くことで、RPb3が当選しても青7リプレイに係るアシスト報知演出が現出されない状況も作り出すことができるようになる。上記所定の秘匿解除条件としては、特殊リプレイ種別報知抽選が実行後、(1)所定のゲーム数(たとえば、5ゲーム)が経過した場合、(2)RPa3が当選した場合(所定回数(たとえば、2回)当選した場合でも良い)、(3)RPb1が所定回数(たとえば、2回)当選した場合、または(4)他の役が当選した場合(所定回数(たとえば、2回)当選した場合でも良い。特にAT9〜AT12(青7リプレイの入賞条件と同じ、第1停止操作が右回胴5cでスイカ役入賞)など、種々の秘匿解除条件とすることができる。
斯様な昇格演出は、特殊リプレイの停止操作手順と遊技者に不利に作用する図柄の組合せを回避しうる停止操作手順が一致する役に当選した場合に現出可能になる点で、そのような停止操作手順を全く考慮せずに現出される、単なる「ガセの演出からの昇格的な昇格演出」とは異なる。
(前兆ART遊技中の特殊リプレイ入賞)
上記前兆RT遊技中に「青7リプレイ(特殊リプレイ1)」または「赤7リプレイ(特殊リプレイ2)」が入賞するとAT遊技2が発生し、これにより遊技機全体から捉えた遊技状態としては、後述の「本ART遊技(RT遊技2+AT遊技2)」に移行される。
ここで本実施形態では、上記前兆RT遊技中の「青7リプレイ」または「赤7リプレイ」の入賞を契機として、本ART遊技の継続ゲーム数(本ART遊技継続ゲーム数)を決定する。この本ART遊技の継続ゲーム数の決定は、所定の継続ゲーム数抽選(本ART遊技継続ゲーム数抽選)により、複数種類のゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム、50ゲーム、70ゲーム、および100ゲーム)のうちからいずれかのゲーム数が抽選されるようになっている。なお上記継続ゲーム数抽選は、通常遊技中のチェリー役入賞の契機に、特殊リプレイ種別報知抽選とともに行う構成としても良い。
上記継続ゲーム数抽選は、演出制御部410がその機能部を担う「特別遊技ゲーム数抽選手段」により行われる。また、ART遊技に関する継続ゲーム数は、演出制御部410がその機能部を担う「特別遊技ゲーム数管理手段」により管理される。特別遊技ゲーム数管理手段は、ART遊技に関する継続ゲーム数(ART遊技継続ゲーム数)が決定されると、そのゲーム数をRAM421bのART遊技残余ゲーム数カウンタに設定する。このART遊技残余ゲーム数カウンタには、本ART遊技残余ゲーム数をカウント(計数)するための本ART遊技残余ゲーム数カウンタと、後述の特別ART遊技残余ゲーム数をカウントするための特別ART遊技残余ゲーム数カウンタとが含まれる。
なお本実施形態では、RPb2またはRPb3が当選した場合において、目押しに失敗し停止操作手順が不正確であった場合(押し順が一致したが停止操作タイミングが一致しない場合)、「青7リプレイ」または「赤7リプレイ」を取りこぼし、特殊リプレイ4(「リプレイA」−「リプレイA」−「スイカ」)の入賞となるが、この場合、本来、停止操作手順が正確ならば入賞するはずであった「赤7リプレイ」または「青7リプレイ」が入賞したものとみなし、これに応じた本ART遊技継続ゲーム数抽選が行われ、本ART遊技(RT遊技1+AT遊技2)に移行されるようになっている。このため、仮に「赤7リプレイ」または「青7リプレイ」を取りこぼしてしまっても、遊技者に不利なゲーム展開とはならないようになっている。
(本ART遊技(RT遊技1+AT遊技2)について)
上記のような遊技ルートを経て、本ART遊技に突入すると、原則、上記本ART遊技継続ゲーム数抽選により決定されたゲーム数が消化されるまで、「AT遊技2」が発生する。
上記本ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT遊技の継続ゲーム数ではなく、AT遊技2の継続ゲーム数である。詳述するに、AT遊技2では、AT1〜AT12のいずれかが当選した場合には「スイカ役」の入賞手順が、RPa1〜RPa3およびRPb1〜RPb3のいずれかが当選した場合には「通常リプレイ」の入賞手順がアシスト報知される。これにより、パンクリプレイが入賞することを回避しつつ、AT1〜AT12当選時のスイカ役を入賞させる獲得ことができるようになる。しかし本ART遊技継続ゲーム数が終了すると、AT遊技2が終了し(アシスト報知演出がされない「通常」の演出状態に移行される)、遊技機全体から捉えた遊技状態としては「RT遊技2」だけが発生している状態となる。このため、RPa1〜RPa3が当選した場合の「通常リプレイ」の入賞手順が報知されず、遊技者はパンクリプレイを回避するための手掛かりがなくなる。またパンクリプレイは高確率で当選するので(RPa1〜RPa3は他の役に比べ高確率で当選する)、AT遊技終了後、短期間でパンクリプレイが入賞してしまい、これによりRT遊技2も終了し、遊技機全体から捉えた遊技状態としてはAT遊技もRT遊技も発生していない「通常遊技」に移行されることになる。したがって、AT遊技2の継続ゲーム数が実質的に、本ART遊技の継続ゲーム数と捉えることもできる。このように本実施形態では、AT遊技の終了に起因してRT遊技が終了されることになるので、以下では特に必要のない限り、AT遊技継続ゲーム数とART継続ゲーム数とを等価的なものとして扱う。
(ART遊技の残余ゲーム数の報知)
ここで上述の本ART遊技の残りの継続ゲーム数(以下、「本ART遊技残余ゲーム数」と略す)は、演出手段(たとえば、液晶表示装置6)により遊技者に対して報知されるようになっている。具体的には、本ART遊技移行時に上述した本ART遊技継続ゲーム数が設定されると、まずその設定されたゲーム数を開始ゲーム数(初期値)として表示し、1ゲーム(単位遊技)が実行されるごとに、その表示ゲーム数(残余ゲーム数表示数)をカウントダウン的に減算表示していく。これにより遊技者が本ART遊技残余ゲーム数を知得することができるようになっている。このART遊技の残余ゲーム数を報知する演出を「残余ゲーム数報知演出」と称する。「残余ゲーム数報知演出」は、演出制御部410がその機能部を担う「特別遊技残余ゲーム数報知制御手段」により現出制御される。なお上記特別遊技残余ゲーム数報知制御手段は、残余ゲーム数表示数を管理し、上記本ART遊技継続ゲーム数が決定されると、そのゲーム数を本ART遊技開始時のゲーム数(初期値)として、RAM421bの残余ゲーム数表示用カウンタに設定し、このカウンタ値に基づいて、残余ゲーム数を報知制御する。
上記本ART遊技中は、AT1〜AT12当選時のスイカ役の入賞手順が報知される点で、これが報知されない上記前兆ART遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。この本ART遊技もボーナス遊技と同じく、短時間で多量の遊技メダルを獲得可能となっており、このことから、上述の前兆ART遊技は、疑似ボーナス遊技移行前の準備段階の遊技状態、本ART遊技は「疑似ボーナス遊技」としての位置付けとなっている。
特に本ART遊技中においては、特殊リプレイの入賞を契機に、本ART遊技よりも遊技者にとり高利益状態の「特別ART遊技(RT遊技2+AT遊技1)」に移行されるようになっている。詳細は後述するが、この特別ART遊技では、本ART遊技継続ゲーム数(正確には、AT遊技2の継続ゲーム数)を増加させうる「上乗せ抽選」が実行される。この上乗せ抽選により決定されたゲーム数が、基本的な継続ゲーム数(上記本ART遊技継続ゲーム数抽選により決定されたゲーム数)に対して上乗せされ、これにより本ART遊技のゲーム期間が延長されて遊技者に大きな利益をもたらすことになる。
しかし本ART遊技中は、特殊リプレイを入賞させるためには、RPb1〜RPb3のいずれかの当選を要するが、RPb1〜RPb3が当選した場合にはRPa1〜RPa3が当選したときと同じ「通常リプレイ」の入賞手順がアシスト報知される。このため、遊技者が押し順を無視し、特殊リプレイを入賞させようと試みれば、遊技者にとってはパンクリプレイ入賞の危険性が伴う。
(本ART遊技中の特殊リプレイ報知演出抽選)
そこで本ART遊技中においては、所定の報知条件に基づき、RPb1〜RPb3のいずれかが当選した場合、その当選役に対応した特殊リプレイの入賞手順を案内するアシスト報知演出(以下、「特殊リプレイ報知演出」と略す)を現出し、特殊リプレイの入賞機会を遊技者に与えるようになっている。本実施形態では、上記報知条件として、特殊リプレイ報知演出抽選に当選したことを条件としている。すなわち、上記特殊リプレイ報知演出抽選は、特殊リプレイの入賞を容易(または確定的)にするか、またはその入賞を制限するかという、特殊リプレイを入賞許容状態に置くか否かを内部的に決定するものであり、役に対応する図柄の組合せを入賞許容状態とするか否か決定をする内部抽選と等価的な役割を果たす。ここで「特殊リプレイ」は、上記したように、アシスト報知演出の有無により入賞が容易または確定的になったり、入賞が困難または不確定になったりする。すなわち、疑似ボーナス役の入賞に関しては、主制御部400側による遊技動作制御により管理されているのではなく、専ら、演出制御部410側の演出動作制御により管理されていることを意味する。また、RPb1〜RPb3のいずれかが当選して特殊リプレイ報知演出が現出されるまでは、その権利(特殊リプレイ報知演出抽選の当選権利)を消滅させずに次回ゲーム以降にも持ち越し可能にすることもできる。
上記特殊リプレイ報知演出抽選は、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知演出抽選手段」により行われる。アシスト報知演出抽選手段は、所定のタイミングで取得した演出用乱数値(乱数の大きさ:239)とアシスト報知演出抽選テーブル(図示せず)とに基づき、特殊リプレイ報知演出抽選を行う。このアシスト報知演出抽選テーブルには、当選役種別(ハズレを含む)に応じた特殊リプレイ報知演出抽選の当選確率が定められている。また特殊リプレイ報知演出抽選の当選確率は、各役の内部当選確率を考慮して定められており、内部抽選確率が低い役ほど、特殊リプレイ報知演出抽選の当選確率が相対的に高くなるように定められている。
このアシスト報知演出抽選手段は、上記のように、役抽選手段として等価的な機能を発揮するものであり、疑似ボーナス役として機能する「特殊リプレイ」の入賞を許容状態とするか否かを抽選により決定する抽選手段として働き、本発明の抽選手段は、内部抽選を行う役抽選手段と、このアシスト報知演出抽選手段とを含む概念である。
なお上記特殊リプレイ報知演出抽選の実行契機は、特定の役に当選した場合(たとえば、AT1〜AT12のいずれかに当選した場合)、特定の入賞役(特定の図柄の組合せ)が入賞した場合(たとえば、スイカ役が入賞した場合)を実行契機としても良い。また特殊リプレイ報知演出抽選の当選確率に関し、赤7リプレイまたは青7リプレイのどちらの入賞に起因して本ART遊技に移行したかに応じて、特殊リプレイ報知演出抽選確率が変化するようにしても良い。具体的には、赤7リプレイよりも青7リプレイの入賞に起因して本ART遊技に移行した方が、特殊リプレイ報知演出抽選による当選確率を遊技者に有利なように定めることができる。たとえば、赤リプレイよりも青7リプレイの入賞に起因して本ART遊技に移行した場合の方が、各当選役の特殊リプレイ報知演出抽選による合算当選確率を高くしたり、特殊リプレイ報知演出抽選が実行されることとなる特定の役に当選または入賞した場合、青7リプレイの場合は当選確定(100%当選)、赤7リプレイの場合は50%で当選するなどがあげられる。この場合、赤リプレイよりも青7リプレイの入賞に起因して本ART遊技に移行した場合の方が、本ART遊技中のゲーム展開を遊技者にとって有利なものとすることができる。
(本ART遊技中の特殊リプレイ報知演出)
本ART遊技中の特殊リプレイ報知演出は、さらに高利益が見込める特別ART遊技への橋渡しになる重要な演出である。この特殊リプレイ報知演出が現出されて特別ART遊技へ移行できるのか、現出されないまま本ART遊技が終了してしまうのかが、遊技者の最大の関心事の一つといえる。
そこで本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選の抽選結果を報知するに先立って、遊技者の特殊リプレイ入賞の期待感を煽る特別演出(連続演出)が現出可能に構成されている。
(特別演出(連続演出))
この特別演出は、通常遊技中における基本的な演出とは異なる演出であって、演出が連続する複数回のゲームにわたって連続的に現出される、所謂「連続演出」のような特殊な演出状態にあることをいう。この「連続演出」は、遊技者に特定の遊技状態(本実施形態では、特別ART遊技、またはボーナス遊技)への移行条件が成立した期待感を与える演出態様を広く包含し、その一連のゲーム期間において、内部抽選の結果や特殊リプレイ報知演出抽選の結果を演出結果として導出する。この連続演出は、演出制御部410がその機能部を担う「特別演出現出制御手段」により現出制御される。
また上記「連続演出」は、複数回のゲームにわたって展開されるといった性質上、複数回のゲームにわたって相互に関連した演出を現出させることが好ましい。たとえば、ストーリー性を有する物語風演出(昔話の「桃太郎」に纏る話が進行していくさまを表現した演出内容)や、敵との対戦を模した対峙演出(所謂、対戦の勝敗により演出結果を導出する、所謂「バトル演出」)などのように観念的な関係を有する演出態様であることが好ましい。
また本実施形態における連続演出は、一般的な連続演出のように、内部抽選により当選役(たとえば、BB)が決定され、その当選ゲームにおいて当選役の当選期待感(たとえばBBの当選期待感)を煽る連続演出とは、その性質を異にする。詳述するに、本実施形態における連続演出は、その現出条件として、特殊リプレイ報知演出抽選が実行されることが条件となうるケース、つまり特殊リプレイ報知演出抽選に当選に起因して疑似ボーナス役が当選状態となった場合に連続演出が現出されるケースが存在し(後述の図21参照)、必ずしも内部抽選結果に基づいて現出されるわけではない点が、上記一般的な連続演出とは異なる(たとえば、図21の特殊リプレイ(RPb1〜RPb3)および疑似ボーナス役の欄参照)。本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選が実行され、その抽選結果に基づき連続演出が開始され(特殊リプレイ報知演出抽選当選時(疑似ボーナス役当選時))、当該連続演出の演出結果として、特殊リプレイ報知演出抽選の抽選結果を報知するからである。斯様な連続演出を可能とする理由は、特殊リプレイ(疑似ボーナス役)がアシスト報知演出が現出されて、はじめてその入賞が確定的になる点に起因する。すなわち、「疑似ボーナス役当選状態」となる特殊リプレイ報知演出抽選当選後は、所定の報知条件が成立するまで特殊リプレイ報知演出実行予定が保留された「疑似ボーナス役成立(入賞)準備状態」という特殊な遊技状態下に置かれることを意味する。
なお本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選結果が当選し、その実行が予定されている場合において、連続演出中に特殊リプレイが入賞許容状態となった場合、具体的にはRPb1〜RPb3のいずれかに当選(内部当選)した場合、これに係る特殊リプレイ報知演出は現出されず、その替わりに「通常リプレイ」に係るアシスト報知演出が現出されるようになっている。つまり連続演出中は、特殊リプレイ報知演出の実行が制限されるようになっており、その制限が解除されるのは、連続演出が終了したゲームの次回以降のゲームである。連続演出が終了したゲームの次回以降のゲームにおいて、RPb1〜RPb3のいずれかに当選した場合、特殊リプレイ報知演出が現出されることになる。このようにする理由は、連続演出の途中で特殊リプレイが入賞して特別ART遊技に移行され、実行中の連続演出が途切れてしまうことを防止するためである。
また本実施形態では、連続演出が複数回のゲーム(たとえば、3〜5ゲーム間)にわたって展開されるため、本ART遊技の残余ゲーム数が連続演出を実行するためのゲーム期間よりも少ないゲーム数である場合(「残余ゲーム数<連続演出のゲーム数」の関係を満たす場合)、連続演出中にAT遊技が終了してしまうことを回避すべく連続演出を現出されないようになっている(後述の図22および図23参照)。
(連続演出中のART遊技継続ゲーム数)
本実施形態で特に特徴的であるのは、連続演出中のART遊技継続ゲーム数を秘匿状態にするようになっている。その理由は次の通りである。
本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選結果が当選である場合、特殊リプレイ報知演出の実行が予定され、特殊リプレイの入賞が確定的な遊技状態に置かれる。そして、特殊リプレイ報知演出は、特殊リプレイの入賞を許容するRPb1〜RPb3が当選したその当選ゲームにおいて、特殊リプレイの押し順をアシスト報知する。これは、RPb1〜RPb3は持越不可能役として定められているため、基本的には、当選ゲームで報知するが、当該当選ゲームで報知しない場合、次に報知する機会が、次ゲーム以降のRPb1〜RPb3が当選まで待たなくてはならない。もしRPb1〜RPb3になかなか当選しなければ、ゲーム数が嵩んでしまう結果、特殊リプレイ報知演出が現出されないまま本ART遊技残余ゲームが消化されてしまう、といった事態もありうる。本ART遊技残余ゲームが消化されれば、AT遊技2が終了してしまい、RPa1〜RPa3が当選した場合のパンクリプレイの回避手順が報知されない状態となってしまう。これは、遊技者が本ART遊技中に獲得した特別ART遊技への移行権利を実質的に消滅させる結果となり、遊技者に著しい不利益を与え、遊技機に対する不信感を招来する。
そこで本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選結果が当選した場合、これを「疑似ボーナス役」に当選したとして、本ART遊技継続ゲーム数のカウントを停止(中断)するようになっている。ところが、本ART遊技継続ゲーム数のカウントを中断した場合、内部的に管理されるゲーム数(本ART遊技残余ゲーム数カウンタの値:真の残余ゲーム数)を正確に報知するとすれば、本ART遊技残余ゲーム数の表示も中断する必要がある。しかしこのような処理が行われてしまうと、そのときの本ART遊技残余ゲーム数の表示が中断状態となり、これを遊技者が見れば、特殊リプレイ報知演出抽選結果が当選状態であることが明白となってしまう。特に本実施形態では、特殊リプレイ報知演出抽選に当選した場合、換言すれば「疑似ボーナス役当選(疑似ボーナス役当選状態)」となった場合、当該当選ゲームにおいて高確率で連続演出が現出されるようになっており(後述の図20の非連続演出中演出管理処理中の予告演出抽選処理(ステップS655)、図21参照)、連続演出実行中において本ART遊技残余ゲーム数の表示が中断状態となっていることが暴露されてしまうと、遊技者の当選期待感を煽ることはできず、連続演出を設けた意義が失われてしまう。
このような問題に対し、本ART遊技継続ゲーム数のカウントが内部的に中断された場合であっても、残余ゲーム数報知演出によるゲーム数表示を正確に表示することはせずに、ゲーム数表示自体を隠蔽して(たとえば、当選可能性を示唆する報知態様(たとえば、「チャンスゾーン中」や「熱い?!」などの表示)に変更し、残余ゲーム数を表示しないようにする)秘匿状態とすることもできる。しかし遊技者の中には、連続演出中、残余ゲーム数表示自体が隠蔽されると、残余ゲーム数が確認できないといった不安感を抱くため、極力、残余ゲーム数を表示することが好ましい。特に本実施形態では、疑似ボーナス役当選の場合、実行ゲーム数が相対的に多い連続演出の選択率が高くなるように定めてあり(図21参照)、遊技者が残余ゲーム数をカウントしながら当選可能性を推測することが予想され、このような観点からも残余ゲーム数を表示する方が好ましい。
このような事情に鑑み、本実施形態では、本ART遊技継続ゲーム数のカウントが内部的に中断された場合であっても、残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示ついては、通常通り、ゲーム実行ごとに減算表示するようになっている。これにより、遊技者に不安感を与えることなく、連続演出中の疑似ボーナス役当否状態(特殊リプレイ報知演出抽選の結果)を秘匿可能としている。
なお、本ART遊技継続ゲーム数(真の残余ゲーム数)のカウントが内部的に中断された場合、当該中断状態の期間に発生した特殊リプレイ報知演出の内容に反して、遊技者が故意または過ちにより「通常リプレイ」を入賞させる停止操作手順を行った場合、ペナルティとして、AT遊技2からAT遊技1に移行させるようになっている。AT遊技1に移行してしまうと、AT1〜AT12が当選してもスイカ役の入賞手順が報知されないため、1ゲーム当りの遊技メダル数の平均純増枚数がマイナスになり、遊技者に不利なゲーム展開とされるようになっている。このART遊技は、「AT遊技1+RT遊技2」とい疑似的な前兆ART遊技(救済ART遊技)となる。ただしこの場合は、救済措置として、RPb1〜RPb3のいずれかが当選した場合、本来現出されるはずだった特殊リプレイ報知演出を発生させ、これに対応した特殊リプレイを入賞させることができるようになっている。
(中断された本ART遊技継続ゲーム数の再開表示)
中断された本ART遊技継続ゲーム数は、特殊リプレイ入賞による特別ART遊技移行後、再びもとの本ART遊技に再移行された場合、当該中断された内部的なゲーム数から再開表示される。具体的には、一の特別遊技状態(本ART遊技)中に特別役(疑似ボーナス役)に当選し(特殊リプレイ報知演出抽選に当選)、当該特別役の遊技結果が表示された後に移行された他の特別遊技状態(特別ART遊技)を経由し、当該一の特別遊技状態に再移行された場合(特別ART遊技から本ART遊技に再移行された場合)、中断時の当該一の特別遊技状態に係る残余ゲーム数(本ART遊技残余ゲーム数カウンタの値)を表示するようになっている。これにより、内部的に管理される残余ゲーム数(ART遊技残余ゲーム数カウンタの値:真の残余ゲーム数)と残余ゲーム数報知演出により報知される残余ゲーム数(残余ゲーム数表示用カウンタの値:偽の残余ゲーム数)とが「真の残余ゲーム数≧偽の残余ゲーム数」関係を常に満たし、残余ゲーム数表示が再開表示された場合には、中断時の残余ゲーム数表示以上のゲーム数が表示される。これにより、残余ゲーム数が再開表示された場合には、真の残余ゲーム数が表示されるので、遊技者に不信感・不安感を与えないようにしている。
(本ART遊技中の特殊リプレイ入賞→特別ART遊技移行)
上記本ART遊技中の特殊リプレイ入賞を契機に、特別ART遊技の継続ゲーム数(特別ART遊技継続ゲーム数)が抽選により決定され(複数種類のゲーム数(たとえば、30ゲーム、40ゲーム、および50ゲーム)のうちからいずれかのゲーム数が抽選される)。この特別ART遊技に移行した後は、当該抽選により決定された継続ゲーム数を消化するまで、上記特別ART遊技が継続することになる。この特別ART遊技継続ゲーム数抽選は、上記「特別遊技継続ゲーム数抽選手段」により行われる。なお、RPb1〜RPb3に対応する特殊リプレイの入賞種別ごとに、特別ART遊技継続ゲーム数の抽選確率を定めても良い。たとえば、図6を参照して、RT遊技2中のRPb1またはRPb2に係る特殊リプレイ1〜2と、RPb3に係る特殊リプレイ3〜4とを比較した場合、内部当選確率の高い特殊リプレイ1〜2(RPb1およびRPb2の合算確率=10000/65536)よりも内部当選確率が低い特殊リプレイ3〜4(RPb3の当選確率=5000/65536)の方が、相対的に多い継続ゲーム数が当選するように定めても良い(たとえば、特殊リプレイ3〜4が入賞した場合は、特殊リプレイ1〜2が入賞した場合よりも、40ゲームまたは50ゲームが選択される確率が高い)。なお、特殊リプレイ種別にかかわらず、同一の継続ゲーム数であっても良く、この場合は、特別ART遊技の継続ゲーム数を抽選する機能部(特別遊技継続ゲーム数抽選手段)は不要である。
上記本RT遊技中に特殊リプレイが入賞した場合、AT遊技3が発生し、遊技機全体から捉えた遊技状態としては「特別ART遊技(AT遊技3+RT遊技2)」に移行される。
(特別ART遊技中(RT遊技2+AT遊技3))
上記のような遊技ルートを経て、特別ART遊技に突入すると、上記抽選により決定された本ART遊技継続ゲーム数が消化されるまで「AT遊技3」が発生する。この特別ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT遊技2の継続ゲーム数ではなく、AT遊技3の継続ゲーム数である。特別ART遊技中は、特別ART遊技の継続ゲーム数を消化すると本ART遊技に移行される。具体的には、特別ART遊技の継続ゲーム数を消化されるとAT遊技3が終了し(RT遊技2はそのまま継続)、次回のゲームからAT遊技2が発生し、遊技機全体で捉えた遊技状態としては「AT遊技2+RT遊技2」の本ART遊技となる。なおAT遊技3では、基本的には、AT遊技2中のと同じ演出が現出されるので、以下では、AT遊技2と同じ内容については重複記載を避けるため、適宜省略しながら説明する。
(本ART遊技ゲーム数(AT遊技2継続ゲーム数)上乗せ抽選)
既に説明したように、特別ART遊技では、AT遊技2の継続ゲーム数を増加させうる「上乗せ抽選」が実行される。この上乗せ抽選により決定されたゲーム数が、上記本ART遊技継続ゲーム(AT遊技2継続ゲーム数)に対して上乗せされ、これにより本ART遊技のゲーム期間が延長されて遊技者に大きな利益をもたらすことができるようになっている。この上乗せ抽選は、特定の図柄の組合せが遊技結果として導出された場合に行なわれ、本実施形態では、スイカ役または特殊リプレイが入賞したことを、その抽選実行条件としている。
上記上乗せ抽選は、演出制御部410がその機能部を担う「ゲーム数上乗せ手段」により行われる。ゲーム数上乗せ手段は、所定のタイミングで取得した演出用乱数値と上乗せ抽選テーブル(図示せず)とに基づき、上乗せ(加算)するゲーム数を抽選する上乗せ抽選を行い、抽選により決定されたゲーム数を本ART遊技残余ゲーム数に対して上乗せする。上記上乗せ抽選テーブルには、複数種類の上乗せゲーム数(たとえば、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、および100ゲーム)の抽選確率が定められており、上乗せゲームが多いほど、低確率で抽選されるようになっている。また特殊リプレイが入賞した場合の方がスイカ役が入賞した場合よりも有利な抽選がなされるようになっている。たとえば、スイカ役の場合には10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、および100ゲームの抽選確率が、60%、25%、10%、および5%となっており、特殊リプレイが入賞した場合には10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、および100ゲームの抽選確率が、30%、40%、20%、および10%となっている。この上乗せ抽選により決定されたゲーム数が、現在残存している本ART遊技継続ゲーム数(本ART遊技残余ゲーム数カウンタ)に対し加算され、これにより本ART遊技残余ゲーム数が増加する。この上乗せゲーム数は、本ART遊技を延長させるための重要な要素であり、上記上乗せ抽選を行う権利を如何に多く獲得するかで、遊技者の利益が大きく左右される。なお、上乗せ抽選は、特定の図柄の組合せが遊技結果として導出されたことを条件とするのではなく、特定の役が当選したことを条件に行っても良い。
以上のように、各種ART遊技では、停止操作手順が関係する当選役のアシスト報知演出の出現形態が異なるようになっている。特に本ART遊技と特別ART遊技とは、特殊リプレイ報知演出により特殊リプレイの入賞手順が報知され、遊技者が利益状態を実行権利を獲得することができるようになっている。そのため遊技者は、特殊リプレイ報知演出が現出されたときは、積極的にその内容に従うようになり、このことは、ART遊技(AT遊技)の継続状態に関する演出が「アシスト報知演出の現出」という演出制御部の遊技制御と、「特殊リプレイの抽選」という主制御部側の遊技制御とに有機的な繋がりを持たせた遊技形態として実現されていることを意味し、遊技者の利益状態に大きく関与する特殊リプレイの出現率が、演出制御部側の演出制御により、その入賞率を変動できることを意味する。このため、遊技機の出率の自由度(機械割の自由度)が増し、ゲーム性を多彩なものとすることができる。
<ボーナス遊技について>
次に、ボーナス遊技について説明する。本実施形態に係るボーナス遊技では、小役2の超高確率状態とする他、次のような特典が設けられている。
ボーナス遊技中において小役2よりも低確率であるRPb1〜RPb3のいずれかに当選した場合、当該当選ゲームにおいて、当選したRPb1〜RPb3に対応する特殊リプレイの入賞手順を案内する特殊リプレイ報知演出が行われる。このとき、特殊リプレイが入賞すると、ボーナス遊技後に移行される前兆ART遊技において、特殊リプレイ報知演出が現出される権利を貯留(ストック)する。このストックされた権利は、前兆ART遊技中に移行したことを条件に、そのストック状態が解除され、その前兆ART遊技中において、RPb1〜RPb3のいずれかの当選すると上記ストックされた権利を放出、つまり当該ゲームにおいて特殊リプレイ報知演出が現出されるようになっている。つまり、ボーナス遊技中にストックが確定すれば、ボーナス遊技から本ART遊技(疑似ボーナス遊技)への移行が確定的となり、「特別遊技(ボーナス)連荘状態」が発生するようになっている。このストックの管理(貯留・放出制御)に関しては、演出制御部410がその機能部を担う「ストック管理手段」により管理制御される。
<各ART遊技中の「BB+小役2」(SBB)当選について>
次に、各ART遊技中に「BB+小役2」(以下、「SBB」と略す)に当選した場合について説明する。本実施形態では、SBBに当選した場合、ボーナス役の入賞が許容され、ボーナス役が入賞すれば上述のボーナス遊技に移行される。またBBは、小役やリプリイなどの持越不可能役とは異なり、持越可能役となっている。BBがこのような性質を持つ点から、各ART遊技中にSBBに当選した場合、以下のような遊技移行および演出がなされるようになっている。
(前兆ART遊技中のSBB当選)
前兆ART遊技中にSBBに当選した場合、特殊リプレイ種別報知抽選の当選による特殊リプレイに係るアシスト報知演出を現出させないようにし、SBBが当選した旨を報知するとともにBBに係るボーナス役の入賞を促す「ボーナス報知演出」を現出させる。これにより、遊技者に対し、ART遊技よりもボーナス遊技を優先して行うようにし、ボーナス遊技の利益を獲得できるようにしている。
(本ART遊技および特別ART遊技中のSBB当選)
本ART遊技または特別ART遊技中にSBBに当選した場合、上記連続演出が現出されうる(後述の図22参照)。ここで、BBは押順不問役であり、また持越可能役として設定されている。このため、SBB当選に係る連続演出と、特殊リプレイ報知演出に係る連続演出とは性格を異にする。具体的には、SBBに当選した場合は、その当選ゲームでBBが入賞許容状態に置かれるので、連続演出に関しては、SBBが当選したその当選ゲームから連続演出が開始されるようになっている。ただし、引き込み優先順位により、SBBが当選したゲームでは、小役2が入賞し、その次回ゲーム以降において、リプレイや小役などと重複当選状態でなければ(引き込み優先順位による)、持ち越されたBBに係るボーナス役が入賞可能となる。この点、疑似ボーナス役としての特殊リプレイのように、特殊リプレイ報知演出抽選を経由してから連続演出を開始させるケースとは異なる。
上記SBB当選に係る連続演出が現出された場合には、その演出結果として、SBBが当選した旨を報知する「ボーナス報知演出」を現出させる。またSBB当選しても連続演出を現出しない場合には、当該SBBに当選したゲームで上記「ボーナス報知演出」を現出させる。これにより、遊技者に対し、ART遊技よりもボーナス遊技を優先して行うように促し、ボーナス遊技の利益を獲得できるようにしている。
また本ART遊技または特別ART遊技中にSBBが当選したことを条件に、ボーナス遊技後の前兆ART遊技中において、特殊リプレイ報知演出が現出される権利を貯留(ストック)するようになっている。いずれの特殊リプレイ(青7リプレイまたは赤7リプレイ)を報知するかは、通常遊技中のチェリー役入賞と同じく、所定のタイミング(たとえば、SBB当選時、ボーナス遊技の開始または終了後)で特殊リプレイ種別報知抽選により決定しても良いし、固定的なアシスト報知演出、たとえば青7リプレイに係るアシスト報知演出を必ず現出させるものであっても良い。このストックされた特殊リプレイ報知演出は、ボーナス遊技後に移行される前兆ART遊技中に移行した場合、ストック状態が解除され、RPb1〜RPb3のいずれかが当選すると、特殊リプレイ報知演出が現出されるようになっている。
これにより、ART遊技中にSBBに当選した場合は、ボーナス遊技中に特殊リプレイに入賞せずとも強制的なストックの特典があるため、直ちに本ART遊技に移行することができ、実質的に、疑似ボーナス遊技の連荘状態が発生するようになっている。したがって、本ART遊技および特別ART遊技中のSBB当選は、遊技者に大きな利益をもたらすことができるようになっている。
なお本ART遊技または特別ART遊技中にSBBに当選した場合、これらART遊技の継続ゲーム数のカウントが中断される点は、既に説明した特殊リプレイの入賞に関するケースと同じであり、残余ゲーム数報知演出に関しても同じである。ここで、ボーナス役に入賞した場合、各ART遊技の継続ゲーム数のクリアして、上述の疑似ボーナス遊技の連荘状態を付与し、新たな本ART遊技への移行権利を遊技者の利益としても良いが、ART遊技継続ゲーム数が多く残存している場合にSBBに当選し、各ART遊技の継続ゲーム数がクリアされてしまうと、遊技者にとって不利益になる場合もありうる。特に、特別ART遊技のように、上乗せ抽選が実行されるART遊技が終了したり、上乗せ抽選により多数のゲーム数が加算されていた場合、不利益の度合いが高い。したがって、次のような遊技状態の移行制御とすることが好ましい。
本ART遊技または特別ART遊技中にSBBに当選した場合、これらART遊技の継続ゲーム数のカウントが中断し、その中断した継続ゲーム数をクリアせずに保留する。そして今回のSBB当選に係るボーナス遊技が終了した後の前兆ART遊技中に、特殊リプレイが入賞した場合、ボーナス遊技移行前のART遊技に再び移行させ、SBB当選時に中断された継続ゲーム数から当該ART遊技を再開させるようにしても良い。この場合、残余ゲーム数報知演出に関しては、既に説明した特殊リプレイの入賞に関するケースと同じ残余継続ゲーム数に関する演出処理を行うことができる。
また上記AT遊技またはART遊技に関する遊技形態を以下のように構成しても良い。
(ART遊技(AT遊技)中の演出モードについて)
AT遊技中の演出をなす演出モードに関し、AT遊技3中(特別ART遊技中)とAT遊技2中(本ART遊技中)とで同一または酷似する演出をなす演出モードを採用しても良い。たとえば、上記演出モードとして、現在の遊技状態が特別ART遊技中あるにもかかわらず、当該特別ART遊技中であることを秘匿して本ART遊技中であるかの如く装う演出をなす演出モード(秘匿演出モード)を採用し、これにより特別ART遊技中であることを遊技者側に秘匿して、現在滞在する内部的な演出状態を不明確にする構成としても良い。
この秘匿演出モード下においては、本ART遊技中および特別ART遊技中に、背景演出や当選役に関する情報(役の当選可能性)を報知する報知演出(アシスト報知演出を含む)などの演出を、同一または酷似した態様にする。このようなAT遊技種別を不明確にする演出モードを採用すれば、遊技者が現在滞在する遊技状態または演出状態を明確に知ることができず、初めからAT遊技種別が明らかにする演出をなす演出モードを採用した場合に比べ、特殊リプレイの出現に意外性を持たせることができる。遊技者は、特殊リプレイの出現に期待を寄せながら、楽しくART遊技を消化していくことができる。また、上記秘匿演出モードを設ける場合、現在滞在しているART遊技種別の期待度に応じた演出を現出させることが好ましい。たとえば、本ART遊技中と特別ART遊技中とで、特定の演出(期待演出)の現出率を変化させる(たとえば、本ART遊技中よりも特別ART遊技中の方が、期待演出の現出率が相対的に高い)。これにより、現在滞在する遊技状態を予測する楽しさを遊技者に与えることができる。
勿論、AT遊技種別を遊技者側に秘匿せず、現在滞在する内部的な演出状態を明確にする演出をなす演出モードを採用しても良い。この場合、上述した秘匿演出モードや期待演出モードとは異なり、遊技者は現在滞在する内部的な演出状態を確定的に知ることができる。これにより、たとえば遊技者が特別ART遊技中(AT遊技2中)であることを知れば、現在、特殊リプレイの出現率が高まるチャンス状態に滞在していることが分かる。結果、特殊リプレイ入賞による上乗せ抽選実行権利獲得への期待感を与えて、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
(ART遊技の継続ゲーム数の管理形態について)
本実施形態では、継続ゲーム数に従いAT遊技1あるいはAT遊技2を継続させる構成としているが本発明はこれに限られない。AT遊技を継続させるか否かの判断要素となる継続数に関しては、次のように構成することもできる。以下では、AT遊技1の継続数をゲーム数で管理し、AT遊技2の継続数をゲーム数以外の要素で管理する形態(第1変更形態および第2変更形態)と、AT遊技1とAT遊技2の双方の継続数をゲーム数以外の要素で管理する形態(第3変更形態および第4変更形態)を代表的に説明する。
(1)継続ゲーム数の管理に係る第1変更形態
AT遊技中の特定の演出(たとえば、スイカ役の入賞手順を案内するアシスト報知演出)の現出回数に基づき、AT遊技の継続ゲーム数を管理する構成としても良い。たとえば、AT遊技3中において、スイカ役の入賞手順を案内するアシスト報知演出の現出回数を管理する手段(現出回数管理手段)を設け、その現出回数が所定回数に達したことを条件にAT遊技3を終了させる構成としても良い。なお上記現出回数は、自由に定めることができる。この第1変更形態では、「AT遊技2の継続ゲーム数をゲーム実行回数で管理し、AT遊技3の継続ゲーム数をアシスト報知演出の現出回数で管理する」といった構成とすることができる。
(2)継続ゲーム数の管理に係る第2変更形態
また、AT遊技中の払い出し枚数に基づき、AT遊技の継続ゲーム数を管理する構成としても良い。たとえば、上記AT遊技3中の払い出し枚数を管理する手段(払出枚数管理手段)を設け、その払い出し枚数が所定枚数に達したことを条件にAT遊技3を終了させる構成としても良い。なおここで扱う「払い出し枚数」は、単に払い出された遊技メダルの枚数であっても良いし、純増枚数(払い出し枚数から投入枚数を差し引いた枚数。所謂「差枚数」とも称される)であっても良い。この第2変更形態では、「AT遊技2の継続ゲーム数をゲーム実行回数で管理し、AT遊技3の継続ゲーム数をAT遊技3中の払い出し枚数または純増枚数で管理する」といった構成とすることができる。
(RT遊技終了契機役について)
本実施形態では、パンクリプレイの入賞によりRT遊技を終了させる構成としているが本発明はこれに限らず、他の押順規定役をRT遊技を終了させるRT遊技終了契機役として機能させても良い。たとえば、パンクリプレイに加え、ベル1〜ベル8の取りこぼし目をRT遊技終了契機役として、またベル1〜ベル8の取りこぼし目をだけをRT遊技終了契機役として機能させても良い。
なお、以上に説明した変更形態を本実施形態と替えて、またはその変更形態を本実施形態に追加した構成としても良い。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図10〜図13>
まず図10〜図13を参照して、主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図10)
図10は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御部)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部(主制御部)400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図10に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が行われる。
図10おいて、まず主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS11)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、今回のゲームの遊技状態の種別(通常遊技中、RT遊技中、ボーナス持越遊技中、ボーナス遊技中)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(通常遊技フラグ、RT遊技フラグ、ボーナス間フラグ、ボーナス作動フラグ)を設定する。これにより今回のゲームの遊技状態が確定され、その遊技状態に応じた処理が行われる。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する(ステップS15)。
次に、取得した内部抽選用乱数値に基づく当選種別に関する内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブル(図6)とに基づく内部抽選を行い、内部抽選結果に基づく当選情報(当選フラグ)を設定する。そして、演出制御コマンドとして「遊技開始コマンド」を作成し設定する。この遊技開始コマンドには、内部抽選結果に関する情報(当選役種別情報(当選フラグ情報))と、現在の遊技状態に関する情報(通常遊技中、RT遊技1中、RT遊技2中、ボーナス遊技中、ボーナス持越遊技中などの主制御部側遊技状態に関する情報)とが含まれる。上記「遊技開始コマンド」が主制御部20側から演出制御部24側へと送信されると、演出制御部24側では、この遊技開始コマンドに含まれる情報に基づき、回胴始動時の演出(予告演出(当選役種別を示唆したり、役の当選期待度を示唆したりする通常の予告演出)、連続演出(特別演出)、当選役に応じたアシスト報知演出など)、特殊リプレイ報知演出抽選など、回胴始動時に要する演出制御処理を行う。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS17)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始時に必要となるデータ、たとえば、遊技開始ウェイトタイマ(4.1秒)をセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを‘全回胴回転中’にセットしたりする。その後、回胴の回転始動を行うと共に、演出制御コマンドとして回胴始動を示す「回胴起動コマンド」をセットして、各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。
その後、全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作が許容状態になる。この状態で回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合には、停止操作の対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS18)。この回胴停止処理では、上記当選情報と回胴の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)とに基づき、停止テーブル(図示せず)から滑りコマ数を算出し、これに基づく引き込み制御の下、回胴を停止制御する。
またここでは、回胴の停止制御時に係る演出制御コマンドとして、回胴の停止操作時には「停止情報受付コマンド」が、回胴の停止時には「停止結果情報コマンド」が演出制御部410に送信される。上記「停止情報受付コマンド」には、既に停止している回胴数に関する停止回胴数情報(たとえば、第1停止操作時の場合、既に停止している回胴数はないので「0個」となる)、停止操作対象となった回胴を示す停止対象回胴情報、回胴の停止操作順番(押し順)に関する停止操作順情報などが含まれる。また上記「停止結果情報コマンド」には「入賞ライン情報」が含まれ、この入賞ライン情報には、各回胴の停止毎の図柄停止情報(各回胴において、いずれの入賞ライン上に如何なる図柄番号の図柄が停止したかに関する情報)が含まれる。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS19)。この入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。またここでは、これら入賞に係わる情報を持つ演出制御コマンドとして「入賞情報コマンド」をセットする。この入賞情報コマンドには、入賞役情報(全回胴停止時の停止図柄情報)、入賞ライン情報、遊技状態情報などの全回胴停止時の停止図柄に関する停止図柄情報、すなわち、今回の遊技結果を特定しうる情報が含まれる。上記「入賞情報コマンド」が主制御部20側から演出制御部24側へと送信されると、演出制御部24側では、この入賞情報コマンドに含まれる情報に基づき、全回胴の停止時の演出、遊技結果に基づく演出状態(AT遊技)の移行制御(通常(非AT遊技)、AT遊技1〜3の間の移行制御)、上記上乗せゲーム数抽選など、遊技結果が導出されたときに要する演出制御処理を行う。
次に、メダル払出処理を行う(ステップS20)。このメダル払出処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。
次に、RT遊技管理処理を行う(ステップS21)。このRT遊技管理処理では、通常遊技とRT遊技(本実施形態では、RT遊技1〜RT遊技2)間の移行制御処理を行う。具体的には、通常遊技中またはRT遊技(RT遊技1)中であれば「RT遊技移行条件」が成立したか否か、またはRT遊技中であれば「RT遊技終了条件」が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立した場合には、RT遊技を終了させるための設定処理を行う。RT遊技移行条件またはRT遊技終了条件が成立したか否かは、各遊技状態において、遊技状態移行契機役が遊技結果として導出表示されたか否かにより判断される。これにより図8および図9に示す遊技状態遷移を実現している。なお、上記RT遊技管理処理の詳細については図12にて後述する。
続いて、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ、またはパンクリプレイのいずれか)が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS22)。リプレイが停止した場合(ステップS22:YES)、再遊技を付与するための設定処理(ステップS25)を行った後、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、リプレイが停止していない場合(ステップS22:NO)、次に、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。
ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS26)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。なお、上記ボーナス遊技作動中処理の詳細については図13にて後述する。
しかしボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する(ステップS24)。
ボーナス役が停止していない場合(ステップS24:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、ボーナス役が停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS27)。このボーナス遊技開始処理では、ボーナス役入賞によるRT遊技の終了の他、ボーナス遊技の開始に要求される設定処理を行う。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
<2.主制御側タイマ割込処理:図11>
次に図11を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図11は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図11において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメントなどの発光を制御する発光制御信号を出力する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
(3−1.RT遊技管理処理:図12)
次に図12を参照して、図10のステップS21のRT遊技管理処理の詳細について説明する。図10は、RT遊技管理処理を示すフローチャートである。
図12において、主制御部400は、現在の遊技状態を判定し(ステップS201〜S203)、通常遊技、RT遊技1、およびRT遊技2のいずれかに応じて、各遊技状態に応じた処理を行う(ステップS204〜S207)。
(3−1−1.通常遊技中遊技状態移行管理処理:ステップS204)
通常遊技中の場合は、通常遊技中遊技状態移行管理処理を行う。ここでは、遊技状態移行契機役が遊技結果として導出表示されたか否かを判定として、チェリー役が有効入賞ライン上に停止(入賞)したか否かを判定する。チェリー役が停止した場合、RT遊技1移行条件が成立したとして、遊技状態を通常遊技からRT遊技1への移行設定をし、チェリー役が停止していない場合には何もせずに、この通常遊技中遊技状態移行管理処理を抜けて、図10のステップS22の判定処理に進む。
(3−1−2.RT1遊技中遊技状態移行管理処理:ステップS205)
RT1遊技中の場合は、RT1遊技中遊技状態移行管理処理を行う。ここでは、遊技状態移行契機役が遊技結果として導出表示されたか否かを判定として、特殊リプレイまたはパンクリプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する。特殊リプレイが停止した場合、RT遊技1終了条件が成立したとして、RT遊技1からRT遊技2への移行設定する。しかしパンクリプレイが停止した場合、RT遊技終了条件が成立したとして、遊技状態をRT1遊技から通常遊技に移行設定する。特殊リプレイまたはパンクリプレイが停止していない場合には何もせずに、このRT1遊技中遊技状態移行管理処理を抜けて、図10のステップS22の判定処理に進む。
(3−1−3.RT2遊技中遊技状態移行管理処理:ステップS206)
RT2遊技中の場合は、RT2遊技中遊技状態移行管理処理を行う。ここでは、遊技状態移行契機役が遊技結果として導出表示されたか否かを判定として、パンクリプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する。パンクリプレイが停止した場合、RT遊技2終了条件が成立したとして、遊技状態をRT遊技2から通常遊技に移行設定する。パンクリプレイが停止していない場合には何もせずに、このRT2遊技中遊技状態移行管理処理を抜けて、図10のステップS22の判定処理に進む。
以上のRT遊技管理処理により、主制御部遊技状態に係る通常遊技およびRT遊技の遊技遷移を実現している。なお本実施形態では、RT遊技移行条件が成立したか否の判定要素として、、通常遊技中ではチェリー役、RT遊技1では特殊リプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定要素とし、各遊技状態において異なる遊技状態移行契機役を採用しているが本発明はこれに限られない。RT遊技移行条件を成立させうる遊技状態移行契機役は、各遊技状態において1または複数種類あっても良いし、各遊技状態において同じ遊技状態移行契機役であっても良い。
またRT遊技終了条件が成立したか否の判定要素として、パンクリプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定要素としているが本発明はこれに限られない。たとえば、RT遊技開始から所定のゲーム数を消化したことを条件としても良いし、BBが当選したことを条件としても良く、これらの条件を追加しても良い。また上述のRT遊技移行条件と同じく、RT遊技終了条件を成立させうる遊技状態移行契機役は、各遊技状態において1または複数種類あっても良いし、各遊技状態において同じ遊技状態移行契機役であっても良い。
(3−2.ボーナス遊技作動中処理:図13)
次に図13を参照して、図10のステップS26のボーナス遊技作動中処理の詳細について説明する。図13は、ボーナス遊技作動中処理を示すフローチャートである。
図13において、主制御部400は、まずボーナス遊技中の払い出し枚数(ボーナス遊技中獲得枚数)とあらかじめ規定された最大獲得枚数(ボーナス遊技終了規定枚数)とを比較する(ステップS401)。
ボーナス遊技中獲得枚数が最大獲得枚数に達していない間は(ステップS402:NO)、ステップS403の処理に移行し、ボーナス遊技継続中の各種設定を行った後(ステップS403)、ボーナス遊技作動中処理を抜ける。
一方、ボーナス遊技中獲得枚数が最大獲得枚数以上に至った場合は(ステップS402:YES)、ステップS404のボーナス終了演出待機処理に移行する。ここでは、まずボーナス遊技終了時の演出待機時間(エンディング時間)をセットし、その演出待機時間が終了するのを待つ。このとき、ボーナス終了時の演出待機時間について、その「ボーナス終了時ウエイト開始コマンド」をセットする。
上記演出待機時間が終了したならば、次にボーナス遊技終了時の各種設定を行う(ステップS405)。ここでは、主に遊技状態移行準備処理(遊技状態をボーナス遊技からRT遊技にセット)や演出制御コマンドとしてボーナス遊技が終了した旨を示す「ボーナス終了コマンド」をセットする。これらの設定処理を行った後、ボーナス遊技作動中処理を抜ける。これにより、ボーナス遊技が終了し、RT遊技発生条件を満たしたとして次回ゲームから「RT遊技1」が発生する。
なお本実施形態では、RT遊技発生条件を満たしたかどうかの判定要素の一つとして、ボーナス遊技の終了を判定要素としているが本発明はこれに限られない。たとえば、ボーナス遊技が終了した所定のゲーム数目(たとえば、10ゲーム)から発生させても良い。
<演出制御部側の処理:図14〜図18>
次に、図14〜図18を参照して、演出制御部410側における処理手順について説明する。なお、演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板460のCPUなどを含んだものであるが、主制御部400から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421c)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAMなどは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421bなどで代表させる。
(4.演出制御側メイン処理:図14)
図14は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図14に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理では、まず電源投入時の初めての処理としてステップS61が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS62〜S65の処理が行われる。
図14において、まず演出制御部410は、電源投入時の初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS61)。
続いて正常動作時の処理として、演出用乱数更新処理を行う(ステップS62)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INTなどを許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS63)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS64)。続いてウォッチドッグタイマをクリアし(ステップS65)、電断が発生しない限り、ステップS62〜ステップS65の処理を繰り返す。
(5.コマンド受信割込処理:図15)
次に、図15を参照して、演出制御部410が実行する演出制御側のメイン処理において、主制御部400からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図15は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図16)よりも優先して実行される。
図15において、まず演出制御部410は、主制御部400からの演出制御コマンドを受信しことを確認すると、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS71)。
次に、演出制御部410は、受信した演出制御コマンドをサブRAM421bの所定の演出制御コマンド格納領域(コマンド受信バッファ)に格納し(ステップS72)、レジスタの内容を復帰して(ステップS73)、コマンド受信割り込み処理を終了する。
(6.演出制御側タイマ割込処理:図16)
次に、図16を参照して、演出制御側のメイン処理に対して、2ms程度ごとに実行される演出制御側タイマ割込処理について説明する。図16は、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
図16において、まず、演出制御部410は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を行う(ステップS81)。
次に、定期更新処理を行う(ステップS82)。この定期更新処理では、演出(演出パターン)を選択するために利用される演出抽選用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を割り込みごとに更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。このタイマにより遊技中の演出において、その遊技進行の時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ(LED)やスピーカ16や液晶表示装置6などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが管理される。これにより、種々の演出パターンが、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、今回のゲームにおける演出が現出されるようになっている。
次に、コマンド対応処理を行う(ステップS83)。このコマンド対応処理では、上記コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理を行う。ここでは、上述したコマンド受信割込処理で新しいものに更新された演出制御コマンドが優先的に処理されることになる。上記演出制御コマンドの中には、遊技開始コマンド、回胴起動コマンド、停止情報受付コマンド、停止結果情報コマンド、入賞情報コマンド、ボーナス開始コマンド、ボーナス終了コマンド、ボーナス終了時ウエイト開始コマンドなどが含まれる。
次に、演出シナリオを更新させて演出を進行させる演出進行処理を行う(ステップS84)。続いて演出の進行に伴って液晶表示装置6に演出の内容を映像で表示させると共に、発光や音声を出力させるための出力処理(映像、音、光)を行う(ステップS85)。
そして、退避したレジスタの内容を復帰して(ステップS86)、演出制御側タイマ割込処理を終了する。
(7.コマンド対応処理:図17〜図20)
次に、演出制御コマンドを受信した場合の図16のコマンド対応処理について説明する。ここでは、本発明と関連の深い「遊技開始コマンド」を受信した場合について説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明については省略する。
(7−1.遊技開始コマンド受信処理:図17〜図20)
図17は、図16のコマンド対応処理(ステップS83)の一つである遊技開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。この遊技開始コマンド受信処理は、図10の内部抽選処理(ステップS16)で送信される「遊技開始コマンド」を受信した場合に行われる。
遊技開始コマンドは、当選役に関する情報である当選情報(抽選結果情報)や、遊技状態(主制御部側で管理される遊技状態:通常遊技中、RT遊技中、ボーナス遊技中、ボーナス持越遊技中など)に関する情報を含んでいる。この遊技開始コマンドを受信した場合、演出制御部410は、当該遊技開始コマンドに含まれている情報から当選役を解析して得る(ステップS601)。
次に、現在の演出状態を取得する(ステップS602)。この演出状態は、演出制御部410側で管理されている遊技状態(演出制御側遊技状態)であり、基本的には主制御側遊技状態と整合性が取られる形態で管理されている。また、演出制御側遊技状態(演出状態)は、主制御側遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド(たとえば、遊技開始コマンドや入賞情報コマンド)が送られてくる度に、必要に応じて変更され、図8および図9示す遊技状態遷移を実現するようになっている。
次に、取得した演出状態に応じた演出選択処理を行う。この演出選択処理では、今回のゲームで現出する演出態様を選択し、その選択した演出の演出データをRAM421bの演出データ格納領域に設定する。ここで設定された演出データに基づき、今回のゲームに係る演出が現出される。
演出状態がAT遊技1〜AT遊技3のいずれかである場合、各AT遊技に対応したAT遊技中用の演出選択処理を行う(ステップS603〜S605、ステップS607〜S609(AT遊技中開始コマンド受信時の演出選択処理))。なお、各AT遊技中開始コマンド受信時の演出選択処理(ステップS606)についての詳細は、後述する。
一方、演出状態がAT遊技中以外である場合(ステップS605:NO)、その他の演出状態(通常中、ボーナス遊技中、またはボーナス持越遊技中など)に対応した開始コマンド受信時の演出選択処理を行う(ステップS606)。
上記ステップS606、ステップS607〜S609の演出選択処理を終えると、コマンド対応処理に係る遊技開始コマンド受信処理を抜ける。
(7−1−1.AT遊技中開始コマンド受信時の演出選択処理)
次に、AT遊技中開始コマンド受信時の演出選択処理(ステップS607〜S609)について説明する。なお以下では、本発明の理解を容易なものとするため、本発明と関わり合いの深い、残余ゲーム数報知演出の現出やAT遊技間の移行などを主体とする「AT遊技2」に着目しながら説明し、AT遊技1およびAT遊技3については、説明の便宜上、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(AT遊技2中開始コマンド受信時の演出選択処理:図18〜図20)
図18は、AT遊技2中開始コマンド受信時の演出選択処理を示すフローチャートである。
図18において、まず演出制御部410は、連続演出中であるか否かを判定する(ステップS631)。連続演出中であるか否かは、「連続演出中フラグ」の設定状態に基づき判定される(後述の図19の非連続演出中演出管理処理のステップS657参照)。この「連続演出中フラグ」とは、連続演出中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には「連続演出中」である旨を、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には連続演出中ではない「非連続演出中」である旨を示す。
連続演出中でない場合(ステップS631:NO)、非連続演出中演出管理処理を行う(ステップS632)。この非連続演出中演出管理処理では、連続演出でない場合の単発の演出に関する演出処理を行う。なお、この非連続演出中演出管理処理の詳細は、図19にて後述する。
連続演出中である場合(ステップS631:YES)、ステップS638の連続演出中演出管理処理に進む。この連続演出中演出管理処理では、連続演出中の演出に関する演出処理を行う。なお、この連続演出管理処理の詳細は、図20にて後述する。
次に、ステップS633の処理に進むと、本ART遊技残余ゲーム数表示数(残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示)から1減算表示させる(ステップS633)。詳しくは、本実施形態では、前兆ART遊技から本ART遊技に移行した際に、本ART遊技継続ゲーム数が決定されるが、このとき、このゲーム数を残余ゲーム数表示用カウンタに設定し、このカウンタ値を、本ART遊技開始時の表示ゲーム数として演出表示(画像表示)する。そして、ゲームが実行される度、すなわち遊技開始コマンドを受ける度に、本処理において残余ゲーム数表示用カウンタから1減算し(残余ゲーム数表示用カウンタ−1)、減算後の残余ゲーム数表示用カウンタ値(偽の残余ゲーム数)に基づいて、本ART遊技の残余ゲーム数表示数を1減算表示させる、といった演出処理を行う。これにより、現在の残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示が、カウントダウン的に減算表示される。
次に、ボーナス当選状態であるか否かを判定する(ステップS634)。「ボーナス当選状態」とは、特別役として機能する役が当選状態であることを意味し、本実施形態では、「BB当選状態(ボーナス当選フラグ成立状態)」または「疑似ボーナス役当選状態(特殊リプレイ報知演出抽選当選状態)」である。この‘疑似ボーナス役当選状態’であるか否かは、後述の「疑似ボーナス当選中フラグ」の設定状態に基づき判定される(後述の図19のステップS654参照)。この「疑似ボーナス当選中フラグ」とは、疑似ボーナス役当選状態であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には疑似ボーナス役当選状態である旨を、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には疑似ボーナス役当選状態ではない旨を示す。
(ボーナス当選状態でない場合:処理ルートS634:NO〜S637)
ボーナス当選状態でない場合(ステップS634:YES)、本ART遊技残余ゲーム数カウンタから1減算し(ステップS635)、次いで、減算したカウンタ値がゼロ(ART遊技残余ゲーム数カウンタ=0)であるか否かを判定する(ステップS636)。本ART遊技残余ゲーム数カウンタには、既に説明したように、前兆ART遊技から本ART遊技に移行した際に決定される本ART遊技継続ゲーム数が設定され、この設定されたカウンタ値が本ART遊技開始時の内部的なゲーム数となる。そして、ゲームが実行される度に、つまり、遊技開始コマンドを受ける度に、本処理において本ART遊技残余ゲーム数カウンタ(真の残余ゲーム数)から1減算する(本ART遊技残余ゲーム数カウンタ−1)。これにより、本ART遊技の残余ゲーム数が管理される。
本ART遊技残余ゲーム数カウンタがゼロでない場合(ステップS636:≠0)、何もせずにAT遊技2中開始コマンド受信時の演出選択処理を抜ける。
一方、本ART遊技残余ゲーム数カウンタがゼロである場合(ステップS636:=0)、本ART遊技状態を終了させるために要する設定処理を行う(ステップS637:ART遊技状態終了設定処理)このART遊技状態終了設定処理では、本ART遊技継続ゲーム数が全部消化された場合、AT遊技を終了させるべく、現在の演出状態を、AT遊技2中から通常中に設定する。これにより、本ART遊技継続ゲーム数が消化されるとAT遊技2が終了され、遊技機全体から捉えた遊技状態は「RT遊技」に移行されることになる。この本ART遊技状態終了設定処理を終えると、AT遊技2中開始コマンド受信時の演出選択処理を抜ける。
(ボーナス当選状態である場合:処理ルートS634:YES)
ボーナス当選状態ある場合(ステップS634:YES)、何もせずに、このAT遊技2中開始コマンド受信時の演出選択処理を抜ける。上記ステップS634〜S635の処理により、ボーナス当選状態である場合は、内部的なART遊技残余ゲーム数(ここでは、本ART遊技残余ゲーム数カウンタ)は減算せず、残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示だけが、ゲームの実行ごとに減算表示されていくことになる。
このように本実施形態では、内部的に管理される残余ゲーム数(ART遊技残余ゲーム数カウンタの値:真の残余ゲーム数)のカウントが中断されない限り、残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示(残余ゲーム数表示用カウンタの値:偽の残余ゲーム数)とが一致した状態を保持しているが、一旦、内部的に管理される残余ゲーム数が中断されると、残余ゲーム数報知演出による残余ゲーム数表示だけがゲームの実行ごとに減算表示されていくようになっている。なお図示はしていないが、本ART遊技残余ゲーム数が中断された後、特別ART遊技に移行し、再度、本ART遊技に移行された場合、中断時の本ART遊技残余ゲーム数カウンタの値から再度、本ART遊技の残余ゲーム数のカウント(減算処理)を開始するが、このとき残余ゲーム数表示用カウンタの値を中断時の本ART遊技残余ゲーム数カウンタの値に更新するようになっている(残余ゲーム数表示用カウンタ←本ART遊技残余ゲーム数カウンタの値)。これにより、残余ゲーム数報知演出による表示ゲーム数(偽の残余ゲーム数)も中断時の本ART遊技残余ゲーム数(真の残余ゲーム数)から再開表示されるようになっている。
(7−1−2.非連続演出中演出管理処理:図19)
次に図19を参照して、図18のステップS632の非連続演出中演出管理処理の詳細について説明する。図19は、ART遊技中演出抽選処理を示すフローチャートである。
図19において、まず演出制御部420は、ボーナス当選状態であるか否かを判定し(ステップS651)、ボーナス当選状態でない場合には(ステップS651:NO)、ステップS652〜S654の特殊リプレイ報知演出抽選に係る処理を行い、ボーナス当選状態である場合には(ステップS651:YES)、特殊リプレイ報知演出抽選に係る処理は行わずに、ステップS654の予告演出抽選処理に進む。これは、ボーナス当選状態になった場合、ボーナス役または疑似ボーナス役を優先的に入賞させることを遊技者に促すため、特殊リプレイ報知演出を行う必要性がないからである(詳しくは、後述のS655のアシスト報知演出選択処理において説明する)。
一方、ボーナス当選状態でない場合(ステップS651:NO)、特殊リプレイ報知演出抽選を行う(ステップS652:特殊リプレイ報知演出抽選処理)。なお、この特殊リプレイ報知抽選は、本ART遊技中(AT遊技2中)および特別ART遊技中(AT遊技3中)の場合に行われ、前兆ART遊技中(AT遊技1)中の場合には行われない(図9参照)。
特殊リプレイ報知演出抽選の結果が非当選(ハズレ)の場合(ステップS653:NO)、ステップS655の予告演出抽選処理に進む。一方、特殊リプレイ報知演出抽選の結果が当選の場合(ステップS653:YES)、特殊リプレイ役の入賞が確定的となることから「疑似ボーナス役」に当選したとし、疑似ボーナス当選中フラグをON状態(=5AH)に設定する(ステップS654)。
次いでステップS655の処理に進むと、今回のゲームで現出する演出(予告演出)を抽選により決定する(ステップS655:予告演出抽選処理)。ここで決定される演出は、アシスト報知演出ではなく、たとえば、背景表示を変化させる演出やキャラクタを出現させる演出などの、当選役種別を予告するといった役の当選期待度に関連付けられた予告演出である。アシスト報知演出の決定に関しては、後述のステップS656のアシスト報知演出決定処理で行う。
上記予告演出抽選処理では、当選役種別と現在の遊技状態(演出状態)に基づいて、今回のゲームで現出する演出を複数種類の演出のうちから抽選により決定する。具体的には、図21および図21に示すART中演出選択テーブル1または2と所定のタイミングで取得した演出用乱数値とに基づき、複数種類の演出のうちからいずれかの演出を抽選により選択する。図示はしていないが、各ART中演出選択テーブル1、2には、当選役種別と演出種別(演出1〜5、連続演出1〜3)とが対応付けられた判定領域(判定値)が定められており、演出用乱数値が今回の当選役に対応した判定領域のいずれの判定領域に属するか否かにより、今回のゲームで現出される演出が決定されるようになっている。なお、図21および図21では、当選役に対応した各演出の選択率を示している。
本実施形態では、ART遊技残余ゲーム数に応じて、参照されるART中演出選択テーブルが異なる。具体的には、連続演出が展開される最大ゲーム数(本実施形態では、5ゲーム)以上のART遊技残余ゲーム数がある場合には(「ART遊技残余ゲーム数≧ART遊技残余ゲーム数カウンタ」の関係を満たす場合)、図21のART中演出選択テーブル1が参照され、連続演出が展開される最大ゲーム数(5ゲーム)以上のART遊技残余ゲーム数がない場合には(「ART遊技残余ゲーム数<ART遊技残余ゲーム数カウンタ」の関係を満たす場合)、図22のART中演出選択テーブル2が参照されるようになっている。ART遊技残余ゲーム数に応じて、参照する演出選択テーブルが異なる理由は次の通りである。
連続演出は、複数回のゲーム(たとえば、3〜5ゲーム間)にわたって展開されるため、ART遊技の残余ゲーム数が連続演出を実行するためのゲーム期間よりも少ないゲーム数である場合(「ART遊技残余ゲーム数<連続演出のゲーム数」の関係を満たす場合)、連続演出中にAT遊技が終了してしまう。このため、連続演出が展開される最大ゲーム数(5ゲーム)以上のART遊技残余ゲーム数がない場合には、連続演出の選択率がゼロ、つまり連続演出が選択されない「ART中演出選択テーブル2」が参照されるようになっている。これによりART遊技残余ゲーム数が5ゲーム未満になると、連続演出が選択されないようになっている。
これに対し上記「ART中演出選択テーブル1」では、連続演出が選択されうるものとなっている。本実施形態では、ボーナス当選状態である場合(ART中演出選択テーブル1の「疑似ボーナス役」および「小役2+BB(SBB)」の欄参照)、単発演出の選択率よりも連続演出の選択率が相対的に高く定められている。これにより、連続演出が現出された場合、ボーナス当選状態である可能性が高くなり、遊技者に高利益状態への移行期待感を与えることができる。
なお、図示の演出1〜演出5は、今回のゲーム限りの予告演出(単発演出)となっており、ボーナス当選状態時の単発演出、具体的には、図示の「BB+小役2」または「疑似ボーナス役」に対応する演出4または演出5が選択された場合、その演出内容は、ボーナスに当選した旨を報知する演出内容となっている。また連続演出1〜3は、3〜5ゲーム間にわたって展開される連続演出となっている。なお連続演出は、その種別に応じて、連続演出中に現出する演出シナリオ(連続演出の実行回数に対応した一連の演出)があらかじめ定められており、連続演出の実行回数に対応する演出は、後述の図20の連続演出中演出管理処理中のステップS674の処理で決定されるようになっている。本実施形態では、内部的なART遊技残余ゲーム数(本ART遊技残余ゲーム数カウンタ)に係るカウントの中断開始タイミングと、連続演出の実行開始タイミングとが一致するようになっている(ステップS655、図18のステップS634〜S635参照)。
ステップS655の予告演出抽選処理を終えると、選択された予告演出が連続演出であるか否かを判定する(ステップS656)。選択された予告演出が連続演出でない場合、つまり演出1〜演出5のいずれかである場合(ステップS656:NO)、ステップS659のアシスト報知演出決定処理に進む。
選択された予告演出が連続演出である場合、つまり連続演出1〜3のいずれかである場合(ステップS656:YES)、連続演出中フラグをON状態(5AH)に設定し(ステップS657)、選択された連続演出種別に応じた連続演出カウンタを設定する(ステップS658)。連続演出カウンタとは、連続演出が実行回数を監視するカウンタであり、後述の連続演出管理処理中において実行回数に応じた連続演出中演出を決定する際に利用される。連続演出カウンタには、たとえば、連続演出1(3ゲーム)が選択された場合、今回のゲームを除く連続演出の実行回数として、連続カウンタに残余実行回数の2回が設定される。
ステップS659の処理に進むと、今回の当選役に応じたアシスト報知演出を決定する(ステップS659:アシスト報知演出決定処理)。このアシスト報知演出決定処理では、今回の当選役種別と現在のAT遊技種別とに基づいて、アシスト報知演出が決定される。たとえば、AT遊技1の場合にAT1〜AT12に当選してもスイカ役の入賞手順を案内するアシスト報知演出は現出されないが、AT遊技2またはAT遊技3の場合にはスイカ役の入賞手順を案内するアシスト報知演出は現出する、といったアシスト報知演出の選択処理が行われるようになっている。ここでは、AT遊技2中の場合を説明しているので、当選役がAT1〜AT12の場合にはスイカ役、RPa1〜3およびRPb1〜3の場合には通常リプレイの入賞手順を案内するアシスト報知演出が選択されるようになっている(図9参照)。なおAT遊技1、3中になされるアシスト報知演出の内容については、既に説明したので、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。
またアシスト報知演出決定処理では、連続演出中の疑似ボーナス当選状態(連続演出中フラグがON状態(=5AH)、かつ疑似ボーナス当選中フラグON状態(=5AH))である場合おいて、当選役がRPb1〜RPb3のいずれかであった場合、特殊リプレイ報知演出を抑制し、通常リプレイの入賞手順を案内するアシスト報知演出が決定されるようになっている。これは、連続演出中に特殊リプレイが入賞し、連続演出の途中で特別ART遊技に移行してしまうのを回避させることで、連続演出の演出結果として、疑似ボーナス当選(特殊リプレイ報知演出抽選当選)である旨を連続演出の最終ゲームで報知させるという目的を達成させるためである。なおこの処理は、後述の連続演出管理処理中の連続演出中特殊リプレイ報知演出抑制処理(図20のステップS672)と同じ処理内容となっている。
ステップS659のアシスト報知演出決定処理を終えると、次に、予告演出抽選処理(ステップS655)およびアシスト報知演出決定処理(ステップS659)において選択した演出に係る演出データをRAM421bの演出シナリオ設定領域に設定する。これにより今回のゲームに係る一連の演出が現出される。
(7−1−3.連続演出中演出管理処理:図20)
次に図20を参照して、図18のステップS638の連続演出中演出管理処理理の詳細について説明する。図20は、連続演出中演出管理処理を示すフローチャートである。この連続演出中演出管理処理を初めて通過する場合は、前回のゲームで非連続演出中演出管理処理(ステップS632)中の予告演出抽選処理(ステップS655)において、連続演出1〜3のいずれかが決定された場合である。
図20において、まず演出制御部420は、疑似ボーナス当選状態であるか否かを判定する(ステップS671)。疑似ボーナス当選状態である場合には(ステップS672:YES)、連続演出中特殊リプレイ報知演出抑制処理を行い(ステップS672)、疑似ボーナス当選状態でない場合には(ステップS672:NO)、連続演出中通常アシスト報知演出選択処理を行う(ステップS677)。
上記連続演出中特殊リプレイ報知演出抑制処は、既に説明したステップS659のアシスト報知演出決定処理の処理内容と同じであり、当選役がRPb1〜RPb3のいずれかであった場合、特殊リプレイ報知演出を抑制し、通常リプレイの入賞手順を案内するアシスト報知演出を決定する。他方、上記連続演出中通常アシスト報知演出選択処理では、疑似ボーナス当選状態でない場合、つまり、通常通りに、当選役種別に応じたアシスト報知演出を選択する。これにより、連続演出中においては、特殊リプレイ報知演出が現出されることの無いようになっている。
次に、連続演出カウンタを1減算し(ステップS673)、実行中の連続演出に関し、連続演出の実行回数に応じた連続演出中の演出を選択する(ステップS674)。ここでは、ステップS655の予告演出抽選処理で選択された連続演出種別(連続演出1〜3)に対応した連続演出中の演出を選択する。なお今回のゲームにおける連続演出カウンタがゼロの場合、連続演出が今回のゲームで最終回目の演出(最終演出)となる。したがって、この最終回目の演出内容は、連続演出の演出結果として、ボーナス当選状態であるか否かに関する情報を報知するための演出が選択される。たとえば、連続演出が対峙演出を表現した演出態様である場合、ボーナス当選状態である場合には、ボーナス当選を報せる演出(ボーナス当選演出)として、主人公が敵を倒す勝利演出(祝福演出)が選択され、ボーナス当選状態でない場合には、ボーナス非当選を報せる演出(ボーナス非当選演出)として、敵に主人公が倒される敗北演出(残念演出)が選択される。
次に、連続演出カウンタがゼロであるか否かを判定し(ステップS674)、連続演出カウンタがゼロである場合には(ステップS674:YES)、連続連出中フラグをクリア(00H)して(ステップS675)、ステップS676の処理に進み、連続演出カウンタがゼロでない場合には、未だ連続演出中であるとして、何もせずにステップS676の処理に進む。
ステップS676の処理では、上記した連続演出中特殊リプレイ報知演出抑制処理(ステップS672)、連続演出中通常アシスト報知演出選択処理(ステップS677)、において選択した演出に係る演出データをRAM421bの演出シナリオ設定領域に設定する。これにより今回のゲームに係る一連の演出(連続演出およびアシスト報知演出)が現出される。
<変更例1>
図18のステップS637の:ART遊技状態終了設定処理では、本ART遊技継続ゲーム数が消化された場合に、演出状態をAT遊技2中から通常中に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。本ART遊技継続ゲーム数が全部消化された場合、所定の継続抽選(たとえば、50%で継続)により再度、本ART遊技継続ゲーム数を継続させても良い。また継続時の本ART遊技継続ゲーム数は、固定的なゲーム数であっても良いし、複数種類のゲーム数のうちからいずれかのゲーム数を抽選により選択しても良い。
<変更例2>
本実施形態では、ボーナス当選状態となった場合にART遊技継続ゲーム数のカウントを中断すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、ボーナス役のように、引き込み率100%でない役の場合にはART遊技継続ゲーム数のカウントを継続し、疑似ボーナス役である特殊リプレイのように引き込み率100%の役の場合にはART遊技継続ゲーム数のカウントを中断する、といったように、特別役として機能する役が複数種類ある場合は、その種類に応じて、ART遊技継続ゲーム数のカウントを中断・継続を定めることができる。また特別役として機能する役が複数種類ある場合、遊技者に付与される利益状態の高低に応じて、ART遊技継続ゲーム数のカウントを中断させるか継続させるかを定めても良い。たとえば、遊技者に付与される利益状態が相対的に高い役の場合はART遊技継続ゲーム数のカウントを継続させ、相対的に低い役の場合にはART遊技継続ゲーム数のカウントを中断させることができる。
以上に説明した本実施形態の遊技機は、次のような機能部(手段)を備える。まず本実施形態の遊技機は、
種々の図柄が配置された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する回胴手段(回胴装置210(遊技結果表示手段に相当する))と、
所定の単位開始条件下、各回胴を回転させるための始動操作手段(回胴回転始動レバー11(そのスイッチ11a))と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止操作手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(そのスイッチ12a’、12b’、12c’))と、を備える。
また主制御部400は、
単位遊技の実行ごとに役に関する抽選(内部抽選)を行い、当選役を決定する第1の役抽選手段(内部抽選手段:抽選手段の一つとして機能する手段)と、
停止操作手段の操作を契機に、少なくとも前記役抽選手段による内部抽選結果に基づき、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように前記回胴を停止制御する停止制御手段と、
複数種類の遊技状態(主制御部側遊技状態:通常遊技、ボーナス遊技、RT遊技)を管理し、所定の移行条件に基づき、複数種類の遊技状態間の移行制御を管理する遊技状態管理手段(内部遊技状態管理手段)と、を備える。
また演出制御部410は、
複数種類の演出状態(演出制御部側遊技状態:通常状態、AT遊技1〜3を管理し、所定の移行条件に基づき、複数種類の演出状態間の移行制御を管理する演出状態管理手段(演出状態管理手段)と、
現在の演出状態(演出制御部側演出状態)と前記抽選手段による抽選結果とに基づいて、前記演出手段に対し、連続する複数回の単位遊技にわたって、相互に関連した演出を連続的に行う連続演出を現出する連続演出制御手段と(たとえば、図18のS632)と、
所定の演出状態下、遊技結果を導出するための停止操作手順が規定された押順規定役に関し、その停止操作手順を案内するアシスト報知演出を現出制御するアシスト報知制御手段(たとえば、図17のS607〜S609)と、を備える。
上記の演出状態管理手段は、
第1の演出状態への移行条件が成立した場合、当該第1の演出状態が継続される継続遊技数(本ART遊技継続ゲーム数)を設定する継続遊技数設定手段と、
上記継続遊技数設定手段より設定された継続遊技数に基づき、単位遊技の実行ごとにその継続遊技数の残余遊技数を計数する(真の残余ゲーム数を計数(減算処理による)する)残余遊技数計数手段(たとえば、図18のS634〜S636)と、
上記残余遊技数計数手段に基づく計数結果に基づき、所定の演出手段(たとえば、液晶表示装置6)に対し上記残余遊技数に関する情報(残余ゲーム数表示:偽の残余ゲーム数)を報知させる残余遊技数報知制御手段(たとえば、図18のS633)と、を含み、
上記残余遊技数計数手段は、第1の演出状態への移行条件が成立した場合、単位遊技の実行にかかわらず上記残余遊技数の計数を中断し、上記残余遊技数報知制御手段は、当該中断状態における真の残余遊技数(残余遊技数計数手段に計数された残余遊技数)ではなく、上記残余遊技数計数手段が前記残余遊技数の計数を中断しなかったものとして計数される場合の偽の残余遊技数(偽の残余ゲーム数)に関する情報を報知可能に構成される。
また上記の演出状態管理手段は、第1の演出状態中に押順規定役のうちの特別役(本実施形態では、特殊リプレイ)が遊技結果として導出表示されたことを条件に、第2の演出状態(特別ART遊技)に移行制御する。また上記のアシスト報知制御手段は、上記特別役の入賞手順を案内する特殊役アシスト報知演出を現出させるか否かを抽選する特殊役アシスト報知抽選手段と、
上記特殊役アシスト報知抽選手段により当選となった場合、特別役が当選した当選状態として扱う第2の役抽選手段(疑似ボーナス当選状態管理手段::抽選手段の一つとして機能する手段)を備えることができる。
なお演出制御部410はさらに、上記第1の演出状態が継続される継続遊技数を複数種類の遊技数のうちから抽選する遊技数抽選手段を備えることができる。また第2の演出状態中、所定の上乗せ条件の下(上乗せ抽選実行)、上記第1の演出状態の残余遊技数(真の残余ゲーム数)に対して所定の遊技数を上乗せ(加算)する上乗せ手段を備えることができる。