以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明されている構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。また図2は、本発明の実施の形態に係る遊技機の内部構成(リールユニット及び制御基板を除く)を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また収納箱BX内のリールユニット収納スペースSSの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチ、設定変更スイッチ、エラー解除スイッチ等の各種スイッチが備えられた電源ユニット及びメダルの払出装置としてのホッパーユニット320が収められている。ホッパーユニット320は、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステップモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。またホッパーユニット320は、メダル貯蔵タンクMTにおけるメダルの貯蔵量が一定に達すると、余剰メダルが余剰メダル貯蔵タンクBTに送り出されるようになっている。また本実施形態の遊技機では、収納箱BX内の例えば、リールユニット上部に、CPU、ROM、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板が収められている。
第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転可能であって、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによってコマ単位(所定の回転角度単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち3個分(3コマ分)の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。各リールR1〜R3の停止状態において、表示窓DWから観察される図柄は、5本の有効ラインL1〜L5上のいずれかの位置に停止表示される。遊技者の遊技結果は表示窓DW内に停止表示された図柄の組合せによって判断され、有効ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
なお5本の有効ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数(ベット数)に応じて有効化されるラインが決定される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して1枚〜3枚の範囲でメダルを投入可能とされており、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚のメダルを投入した場合、1本の有効ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルを投入した場合、3本の有効ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルを投入した場合、5本の有効ラインL1〜L5が全て有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルの内部貯留枚数(クレジット数)、1回の遊技におけるメダルの払出枚数(又は獲得枚数)、ボーナス遊技の残り回数、エラー種別情報等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出などを行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)などが表示される。また前面上扉UDや前面下扉DDには、遊技演出などを行うためのスピーカSPが複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(内部貯留)されたメダルを投入状態にする操作を行うためのベットボタンB0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL、ステップモータにより回転駆動されている複数のリールR1〜R3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3が設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始し、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し、かつ所定の待機時間(ウェイトタイム)を経過したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を開放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び開放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出される。
図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット(払出装置)320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、乱数発生手段110、抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLを押下することで作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定するための内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態、ビッグボーナス状態(BB状態:特別状態の一例)、リプレイタイム状態(RT状態:特別状態の一例)などの複数種類の遊技状態が設定可能とされており、記憶手段190には、各遊技状態における内部抽選のための抽選テーブルが記憶されている。そして各遊技状態用の抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(再遊技)、小役(入賞に伴い所定枚数のメダルが払い出される役)、ビッグボーナス(BB)、などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、各遊技状態用の抽選テーブルにおいて、各遊技状態で実行される内部抽選の対象となる役の種類が異なっている。例えば、通常状態やRT状態では、ビッグボーナス(BB)、小役、及びリプレイが内部抽選の対象となっているが、BB状態では、リプレイは内部抽選の対象となっておらず、小役は内部抽選の対象となっている。なおビッグボーナス状態(BB状態)でも、リプレイを内部抽選の対象としてもよい。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて1回の遊技につき乱数発生手段110から1の乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。フラグの設定情報は、記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者のフラグ(持越可能フラグ)が対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ等)は後者のフラグ(持越不可フラグ)に対応づけられている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLを押下(開始操作の一例)することにより作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動する制御を行うとともに、遊技者がストップボタンB1〜B3(操作手段の一例)を押下(停止操作の一例)することにより作動するストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(役の当否)に応じて停止させる制御を行う。
またリール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる際には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3が停止するようにリールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより各リールを停止させる制御を行う。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは有効ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、各リールが停止するまでに要するコマ数が5コマを上限として設定されており、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理において、ストップボタンB1〜B3の停止契機となる操作が行われた時点で表示窓DW内に位置するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため第1リールR1〜第3リールR3については、各リールに複数配列される特定の図柄(例えば、リプレイ図柄など)に関して、その間隔が5コマ以内となるように配列しておけば、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なく特定の図柄を有効ライン上に引き込むことができるような図柄配列を有するリールユニット310を構成することも可能である。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって有効ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、メダルの払い出しをするための制御、リプレイ処理、遊技状態を移行させる制御のいずれを行うかが決定される。例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によりメダルの払出制御が行われ、リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段160によりリプレイ処理が行われ、BBが入賞した場合などには遊技状態移行制御手段170により遊技状態を移行させる制御が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する制御を行う。具体的には、何らかの小役に入賞した場合に、ホッパー駆動手段322を制御して入賞した小役に対応する配当数に相当するメダルをホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
本実施形態の遊技機では、ホッパー駆動手段322が、例えば、ステップモータ(払出モータ)によって構成されており、払出制御手段150は、払出信号(払出モータの駆動パルス)の状態をオン状態とオフ状態との間で切り替えることによって、ホッパー駆動手段322を動作状態(メダルの払い出しが行われている状態)と非動作状態(メダルの払い出しが行われていない状態)とに制御する。すなわちホッパーユニット320は、払出制御手段150から出力される払出信号がオン状態である場合には一定速度で払出モータが回転駆動されてメダルの払い出し動作を行い、払出信号がオフ状態である場合にはメダルの払い出し動作を行わないように構成されている。
また本実施形態の遊技機では、ホッパーユニット320が払い出されたメダルを検知するメダル払出スイッチ324を内蔵しており、払出制御手段150は、メダル払出スイッチ324からの払出検出信号によってメダルの払出枚数を監視している。そして払出制御手段150は、メダルの払出枚数が入賞した小役の配当数に達したことを条件に1回の入賞に対するホッパー駆動手段322の駆動制御を終了する。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によってメダルの払い出しを行う代わりに記憶手段190の図示しないクレジット数記憶領域に記憶されているクレジット数(内部貯留されたメダルの枚数)に対して、クレジット数がクレジット上限数(例えば、50枚)に達していない場合に限り小役の入賞により払い出されるべきメダルの枚数を加算するクレジット処理(内部貯留処理)を行う。
また本実施形態では、払出制御手段150が、払出条件設定手段151、通常払出制御手段152、特殊払出制御手段153を含む。
払出条件設定手段151は、小役が入賞した場合に、その入賞に対して行われるホッパーユニット320によるメダルの払い出し動作の条件(払出条件)を設定する処理を行う。具体的には、払出条件として通常条件と特殊条件とを設定することができるようになっており、遊技状態や内部抽選の結果などに応じて通常条件と特殊条件とを切り替えることによって、1回の小役の入賞に関して小役に予め対応づけられた配当数(小役毎のメダルの払出枚数)に相当するメダルの払い出しが完了するまでの期間を可変する。特に本実施形態では、ホッパーユニット320のホッパー駆動手段322が払出信号のオン状態に基づいて定速動作することによって、払出条件が通常条件の場合と特殊条件の場合とにおいて、メダルの払出速度をソフトウェア的に可変することができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、払出条件設定手段151が、BB状態(特別状態)への移行条件の成立に基づいて特殊条件を設定するようになっている。すなわち払出条件設定手段151は、フラグ記憶手段192に記憶されているビックボーナス(BB)のフラグの設定状態を監視しており、通常状態やRT状態における内部抽選においてBBに当選したことに基づいて、当選したBBが入賞するまでの遊技において払出条件を特殊条件に設定可能にする制御を行っている。
なお通常条件と特殊条件との間の払出条件の切り替えは、内部抽選とは別に実行される払出条件設定抽選によって行ってもよいし、遊技状態や内部抽選の結果などに応じて払出条件が一義的に定められていてもよい。
通常払出制御手段152は、払出条件設定手段151によって払出条件が通常条件に設定された場合に、通常条件に従ってホッパーユニット320のホッパー駆動手段322を制御する通常制御を実行する。
特殊払出制御手段153は、払出条件設定手段151によって払出条件が特殊条件に設定された場合に、特殊条件に従ってホッパーユニット320のホッパー駆動手段322を制御する特殊制御を実行する。
特に本実施形態では、通常制御手段152と特殊払出制御手段153とが以下のように払出信号の出力状態を可変させてホッパー駆動手段322の駆動制御を実行することができる。
例えば、通常条件では、通常払出制御手段152が、ホッパーユニット320から払い出されたメダルの枚数が配当数に達するまで払出信号をオン状態に維持する制御を通常制御として行い、特殊条件では、特殊払出制御手段153が、配当数に相当する枚数のメダルが払い出されるまでの期間において、払出信号をオン状態とオフ状態との間で交互に切り替える制御を特殊制御として行うようにしてもよい。
また例えば、通常条件では、通常払出制御手段152が、ホッパーユニット320から払い出されたメダルの枚数が配当数に達するまで払出信号がオン状態とオフ状態との間で交互に切り替えられる制御を通常制御として行い、特殊条件では、配当数に相当する枚数のメダルが払い出されるまでの期間において、払出信号がオン状態である期間及び払出信号がオフ状態である期間の少なくとも一方を通常制御時に対して変更して払出信号をオン状態とオフ状態との間で交互に切り替える制御を特殊制御として行うようにしてもよい。
リプレイ処理手段160は、リプレイ(再遊技)が入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合、遊技者によるメダルの投入(ベット)を要さずに自動的に前回の遊技と同じ有効ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、リプレイタイム状態(RT状態:特別状態の一例)、およびビックボーナス状態(BB状態:特別状態の一例)の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち、1の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させるようにしてもよいし、複数の条件の全てが成立したことに基づいて遊技状態を別の遊技状態へ移行させるようにしてもよい。
RT状態は、BB状態の終了を開始条件とする遊技状態である。RT状態では、遊技中にビックボーナス(BB)のフラグが内部当選状態となった場合、及びRT状態での遊技回数が所定回数(1回、5回、10回、50回、100回等)に達した場合のいずれか一方でも成立した場合には終了して他の遊技状態へ移行するように制御される。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態移行制御手段170がRT状態での遊技回数を監視している。RT状態では、BB状態からの移行時にRTゲーム数として所定の遊技回数に相当する値がセットされ、遊技状態移行制御手段170は、遊技が行われる毎にRTゲーム数を1回分ずつデクリメントする。このRTゲーム数が0になった場合には、RT状態が終了して、遊技状態が他の遊技状態へ移行する。なお所定の遊技回数分のRTゲーム数を予めセットするのではなく、RT状態への移行時にRTゲーム数をリセット(0にする)する処理を行うようにして遊技が行われる毎に1回分だけ値をカウントアップしていくようにしてもよい。
そしてRT状態の遊技では、小役及びBBの当選確率は維持されたまま、入賞により次回の遊技に際してメダルの投入が不要となるリプレイ(再遊技)の当選確率が通常状態より上昇する。すなわち、RT状態は、通常状態よりもリプレイの当選頻度が高くなることにより、通常状態よりもメダルを消費しにくくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)となっている。
BB状態は、通常状態、あるいはRT状態においてビックボーナス(BB)に内部当選した場合に、所定のビックボーナス図柄(BB図柄)を入賞の形態で停止させることを開始条件とする遊技状態である。またBB状態は、ボーナス遊技において所定枚数(例えば、465枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態がRT状態へ移行するように制御される。
またBB状態のボーナス遊技では、小役(入賞に伴い役毎の配当数(所定枚数)のメダルが払い出される役)の種類や入賞確率が上昇するように制御される。すなわち、BB状態は、通常状態よりも短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)となっている。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段195に記憶されている演出テーブルを参照して、演出テーブルを構成する演出データに基づいてランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
次に、図4〜図10を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
本実施の形態では、入賞した小役に対応づけられた配当数のメダルが払い出されるまでの期間において、払出信号がオン状態である期間、および払出信号がオフ状態である期間の少なくとも一方を通常条件と特殊条件とにおいて異ならせることにより、通常条件でメダルの払い出しが行われる通常制御と、特殊条件でメダルの払い出しが行われる特殊制御との間でメダルの払出速度が変化する制御手法を採用している。以下では、配当数が6枚に設定された小役が入賞した場合を例に取り説明を行う。
まず図4を参照しながら、本実施形態の払出制御手法の一例を説明する。
本例の通常制御では、小役の入賞を検知すると、図4(A)に示すように、配当数である6枚のメダルの払い出しが完了するまで払出信号をオン状態(ON)に維持する制御を行っている。
具体的には、入賞検知後のタイミングT1において払出信号がONにされて、払出モータが所定角度ずつ一定速度で回転して1枚目のメダルから順に払い出されていく。そして6枚目のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT2において払出信号がOFFにされる。これにより通常制御時には、期間t1において小役の配当数に相当する6枚のメダルの払い出しが実行される。
一方、特殊制御では、小役の入賞を検知すると、図4(B)に示すように、6枚のメダルの払い出しが完了するまで2枚ずつメダルが払い出されるように払出信号をオン状態(ON)とオフ状態(OFF)との間で交互に切り替える制御を行っている。
具体的には、入賞検知後のタイミングT´1において払出信号がONにされて、2枚分のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT´2において払出信号がOFFにされる。その後、払出信号をT´2〜T´3の期間においてOFFに維持してから、タイミングT´3において払出信号がONにされて、2枚分のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT´4において払出信号がOFFにされる。そして再びT´4〜T´5の期間において払出信号がOFFに維持された後、T´5〜T´6の期間において払出信号がONに維持されて残り2枚分のメダルが払い出される。これにより特殊制御時には、期間t2において小役の配当数に相当する6枚のメダルの払い出しが実行される。
このように図4に示す例によれば、特殊制御時には、配当数に相当するメダルが払い出されるまで、払出信号がオン状態(ON)とオフ状態(OFF)との間で交互に切り替えられるため、入賞した小役の配当数に相当するメダルが払い出されるまでの期間t2を、通常制御時において配当数に相当するメダルが払い出されるまでの期間t1に比べて長期化させることができるようになる。
次に図5を参照しながら、本実施形態の払出制御手法の他の例を説明する。
本例の通常制御では、小役の入賞を検知すると、図5(A)に示すように、6枚のメダルの払い出しが完了するまで2枚ずつメダルが払い出されるように払出信号をオン状態(ON)とオフ状態(OFF)との間で交互に切り替える制御を行っている。
具体的には、入賞検知後のタイミングT1において払出信号がONにされて、2枚分のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT2において払出信号がOFFにされる。その後、払出信号をT2〜T3の期間においてOFFに維持してから、タイミングT3において払出信号がONにされて、2枚分のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT4において払出信号がOFFにされる。そして再びT4〜T5の期間において払出信号がOFFに維持された後、T5〜T6の期間において払出信号がONに維持されて残り2枚分のメダルが払い出される。これにより通常制御時には、期間t1において小役の配当数に相当する6枚のメダルの払い出しが実行される。
一方、特殊制御では、図5(B)に示すように、6枚のメダルの払い出しが完了するまで3枚ずつメダルが払い出されるように払出信号をオン状態(ON)とオフ状態(OFF)との間で交互に切り替える制御を行っている。
具体的には、入賞検知後のタイミングT´1において払出信号がONにされて、3枚分のメダルが払い出されたことに応答してタイミングT´2において払出信号がOFFにされる。ここで図5(B)に示すように、特殊制御では払出信号がONに維持される期間T´1〜T´2が図5(A)に示す通常制御時における払出信号がONに維持される期間T1〜T2に比べて払い出す枚数が多い分だけ長くなっている。その後、払出信号をT´2〜T´3の期間においてOFFに維持してから、タイミングT3において払出信号がONにされる。ここで図5(B)に示すように、特殊制御時において払出信号がOFFに維持される期間T´2〜T´3が図5(A)に示す通常制御時において払出信号がOFFに維持される期間T2〜T3に比べて短くなっている。その後、T´3〜T´4の期間において払出信号がONに維持されて残り3枚分のメダルが払い出される。これにより特殊制御時には、期間t2において小役の配当数に相当する6枚のメダルの払い出しが実行される。
このように図5に示す例によれば、通常制御時および特殊制御時のいずれにおいても、小役の入賞に応答してメダルの払い出しを行う際には、払出信号がオン状態(ON)とオフ状態(OFF)との間で交互に切り替えられるが、特殊制御時には払出信号がオン状態(ON)である期間を通常制御時に対して長期間に変更するとともに、払出信号がオフ状態である期間を通常制御時に対して短期間に変更することによって、入賞した小役の配当数に相当するメダルが払い出されるまでの期間を通常制御時に対して短期化させることができるようになる。
なお図5に示す例では、特殊制御時に払出信号がオン状態(ON)である期間及び払出信号がオフ状態(OFF)である期間の双方を通常制御時に対して変更する場合を説明したが、いずれか一方の期間のみを通常制御時に対して変更するようにしてもよい。すなわち図5に示す制御手法の例によれば、入賞した小役の配当数に相当するメダルが払い出されるまでの期間を通常制御時に対して長期化させたり短期化させたりするなど自在に変更することができる。また図5に示す例では、特殊制御において所与の枚数分のメダルを払い出す期間において払出信号をオン状態(ON)に維持して、その後、払出信号をオフ状態(OFF)に維持する期間を経てから、再度、払出信号をオン状態にする制御を行う場合を説明したが、図4(A)に示すように、特殊制御時には、払出信号を小役の配当数に相当するメダルが払い出されるまでオン状態(ON)に維持するようにしてもよい。この場合、特殊制御時には、払出信号がオフ状態(OFF)である期間を通常状態時に対して0に変更した発想として本発明の範囲に含めることができる。
以上に述べたように、図4及び図5に示した各制御手法の例によれば、1回の小役の入賞に対してメダルの払い出しが完了するまでの期間が通常制御時と特殊制御時とで異なることによって、結果的に、メダルの払出速度を可変することができるようになる。従って、本制御手法によれば、ホッパーユニットの機械的構成を改変することなく制御基板での払出信号の状態制御のみによってメダルの払出速度を可変することができるようになる。
続いて図6〜図10のフローチャートを参照しながら本実施形態の手法を実現する遊技機の制御処理の例を説明する。
図6は、複数の遊技状態の関係を示したフローチャートである。
まず本実施形態の遊技機では、初期設定で通常状態に設定され、通常遊技が実行される(ステップS10)。そして通常状態中にBBに当選して(ステップS11)、BB図柄が1の有効ライン上に揃って停止することによりBBが入賞すると(ステップS12でY)、遊技状態が通常状態からBB状態に移行する(ステップS13)。
BB状態では、小役の種類や入賞率がアップし、通常状態よりも多くのメダルが短時間で獲得できるBB遊技が実行される。そして、BB遊技は、所定枚数(例えば、465枚)を超えるメダルが払い出されるまで継続され(ステップS14でN)、メダルの総払出枚数が所定枚数に達すると(ステップS14でY)、BB状態は終了する。BB状態が終了すると、RT状態のゲーム数(所定の遊技回数に相当する値)を設定してから遊技状態をRT状態に移行させる(ステップS15、S16)。
RT状態では、リプレイの当選確率を通常状態よりも上昇させたRT遊技を実行する。そしてRT状態において、BBに当選した場合(ステップS17でY)には、RT状態を強制終了させて遊技状態をBBの入賞待機状態へ移行させる(ステップS11へ)。またRT状態において、ステップS15で設定されたゲーム数に相当する回数のRT遊技を消化した場合(ゲーム数が0になった場合:ステップS18でY)には、遊技状態を通常状態へ復帰させる(ステップS10へ)。
図7は、通常状態において行われる遊技制御処理の例を示すフローチャートである。
まず遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチが作動すると(ステップS20でY)、内部抽選が行われる(ステップS21)。このとき内部抽選において当選した役(当選役)のフラグがオン(内部当選状態)に設定される。
続いて第1リールR1〜第3リールR3を駆動するステップモータへ駆動パルスの供給が開始されて各リールが回転駆動される(ステップS22)。そして各リールの回転速度が所定速度に達すると、ストップボタンB1〜B3の操作が許可され、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下すると、各ボタンに対応したストップスイッチが作動することによってステップモータへの駆動パルスの供給を停止させることによりリールを停止させる処理が行われる(ステップ23でY、ステップS24)。
そして第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると(ステップS25でY)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS26)。入賞判定の結果、何らかの役が入賞した場合には(ステップS26でY)、入賞時処理が行われる(ステップS27)。例えば、小役が入賞した場合には、小役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、クレジットメダルとして貯留記憶されているクレジット数がクレジット上限枚数(例えば、50枚)に達していなければ、上限数に達するまでは、払出枚数の一部又は全部をクレジットメダルとして加算する処理を行う。また例えば、リプレイが入賞した場合には、0枚処理を行った上で、次回の遊技を開始するに際して、前回の遊技と同じ枚数のメダルを遊技者の手持ちのメダルを要さずに投入する自動投入処理が行われる。また例えば、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、0枚処理を行った上で、遊技状態をBB状態へ移行させる処理を行う。
図8は、小役が入賞した場合の入賞時処理の例を示すフローチャートである。
まず遊技の結果、小役が入賞すると(ステップS30でY)、BBフラグがオン(内部当選状態)であるか否かをチェックする(ステップS31)。
BBフラグがオンであった場合には(ステップS31でY)、乱数値を取得して払出条件の設定抽選を実行する(ステップS32)。
ここでBBフラグがオフであった場合(ステップS31でN)や、払出条件設定抽選で当選しなかった場合(ステップS33でN)には、払出条件が通常条件に設定され(ステップS34)、通常条件に従って払出信号を出力制御する通常払出処理が実行される(ステップS35)。
一方、払出条件設定抽選に当選した場合には(ステップS33でY)、払出条件が特殊条件に設定され(ステップS36)、特殊条件に従って払出信号を出力制御する特殊払出処理が実行される(ステップS37)。
図8に示したように、本実施の形態では、BB状態の移行条件の成立をBBフラグの設定状態によりチェックして、チェック結果に基づいて払出条件を通常条件から特殊条件へ切り替え可能にしているので、遊技者にとって関心が高いBB状態の移行条件が成立したことを、払出条件の違いに基づくメダルの払出速度の違いよって報知することができるようになっている。
続いて、図9及び図10を参照しながら、通常払出処理および特殊払出処理の具体例を説明する。
図9(A)は、図4(A)に示す払出制御手法の例に対応するフローチャートであり、図9(B)は、図4(B)に示す払出制御手法の例に対応するフローチャートである。
まず通常払出処理では、図9(A)に示すように、ホッパーユニットへ払出信号を送出すると(ステップS40)、払出信号がオフ状態からオン状態に変化することによりホッパーユニットから一定速度でメダルが払い出されていく。そして本例では、払出枚数が小役の配当数に達するまで払出信号がオン状態に維持され(ステップS41でN、ステップS40へ)、払出検出信号に基づいて払出枚数が小役の配当数に達したと判断されると(ステップS41でY)、通常払出処理を終了する。
次に特殊払出処理では、図9(B)に示すように、ホッパーユニットへ払出信号を送出すると(ステップS50)、払出信号がオフ状態からオン状態に変化することによりホッパーユニットから一定速度でメダルが払い出されていく。そして本例では、払出信号の送出開始後に定期的にタイマ割込みを発生させて、タイマーウェイト処理によって払出信号の出力を制限することによって払出信号を一定期間、オフ状態に維持する(ステップS51)。特殊払出処理では、ステップS50、S51の処理を払出枚数が配当数に達するまで実行することにより(ステップS52でN、ステップS50へ)、単位枚数(例えば、2枚)毎に払出枚数が配当数に達するまで断続的にメダルが払い出されることにより通常払出処理の時よりも時間をかけて配当数に相当する枚数のメダルを払い出すことができるようになる。
続いて図10(A)は、図5(A)に示す払出制御手法の例に対応するフローチャートであり、図10(B)は、図5(B)に示す払出制御手法の例に対応するフローチャートである。
まず通常払出処理では、図10(A)に示すように、ホッパーユニットへ払出信号を送出すると(ステップS60)、払出信号がオフ状態からオン状態に変化することによりホッパーユニットから一定速度でメダルが払い出されていく。そして本例では、払出信号の送出開始してからA秒後に定期的にタイマ割込みを発生させて、タイマーウェイト処理によって払出信号の出力を制限することによって払出信号をB秒間、オフ状態に維持する(ステップS61)。本例の通常払出処理では、ステップS60、S61の処理を払出枚数が配当数に達するまで実行することにより(ステップS62でN、ステップS60へ)、単位枚数(例えば、2枚)毎に払出枚数が配当数に達するまで断続的にメダルが払い出される。
次に特殊払出処理では、図10(B)に示すように、ホッパーユニットへ払出信号を送出すると(ステップS70)、払出信号がオフ状態からオン状態に変化することによりホッパーユニットから一定速度でメダルが払い出されていく。そして本例では、払出信号の送出開始してからA+α秒後に定期的にタイマ割込みを発生させて、タイマーウェイト処理によって払出信号の出力を制限することによって払出信号をB−α秒間、オフ状態に維持する(ステップS71)。すなわち本例の特殊払出処理では、払出信号が通常払出処理の時よりも長いA+α秒の間、オン状態に維持され、通常払出処理時よりも多い単位枚数(例えば、3枚)毎に払出枚数が配当数に達するまで断続的にメダルが払い出される(ステップS72でN、ステップS70へ)。さらに本例の特殊払出処理では、タイマーウェイト処理によって払出信号の出力を制限する期間が通常払出処理の時よりも短いB−α秒となっているため、通常払出処理よりも短い期間で配当数に相当する枚数のメダルの払い出しを完了させることができるようになる。
なお、本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、遊技状態として、通常状態とRT状態とBB状態とを設定した場合を例に取り説明をしたが、これら以外の遊技状態を設定してもよい。例えば、入賞回数(例えば、8回)あるいは遊技回数(例えば、12回)について予め定められた条件が満たされるまで小役の入賞率を上昇させたボーナス遊技を継続的に行わせるレギュラーボーナス状態(RB状態:特別状態の一例)などを設定するようにしてもよい。またBB状態とRB状態の双方を設定可能にした場合や複数種類のBB状態を設定可能にした場合には、内部抽選において当選したボーナス(特別役)の種類に応じて特殊制御時の払出条件を個別に設定するようにしてもよい。
また遊技状態として特定の役に当選した場合にこれを貯留させた後、所定の条件に基づき貯留された役を放出するストックタイム状態(ST状態)や、貯留された役の放出確率が高くなる放出高確率状態を設定してもよい。このようなST状態や放出高確率状態では、貯留された役が放出される条件が成立した後の遊技においてメダルの払い出しを特殊制御によって実行するようにしてもよい。
また本実施の形態では、BB状態が、BB状態における払出枚数が所定枚数を超えたことを条件として終了するため、BB状態における払出枚数が所定枚数付近になったことを条件にメダルの払い出しを通常制御から特殊制御に切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、BB状態の終了が近いことをメダルの払出速度の違いによって遊技者に報知することができるようになる。
またBB状態では、通常状態などに比べて小役が頻繁に入賞するため、払い出しの機会が多い。このため、遊技状態に応じて払出条件を通常条件と特殊条件との間で切り替えるようにしてもよく、特にBB状態では、小役に対応する配当数に相当するメダルが払い出されるまでの期間が通常状態よりも短期間で済むように払出条件を設定することが好ましい。
また上記実施形態では特に言及をしなかったが、内部抽選において小役とボーナス(例えば、BB)とが重複当選する場合と、小役が単独当選する場合とがあるように抽選テーブルが設定されていてもよい。この場合には、小役が単独当選した遊技では、小役に対応する配当数に相当するメダルの払い出しを通常制御によって行い、小役とボーナスとが重複当選した遊技では、小役に対応する配当数に相当するメダルの払い出しを特殊制御によって行うようにしてもよい。このようにすると、同じ小役が入賞した場合でもメダルの払出速度の違いによって小役とボーナスとが重複当選しているのか否かが遊技者に報知されるため、ボーナスの当選を遊技者がいち早く把握することができるようになって遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
また上記実施の形態では、通常状態及びRT状態の各遊技状態においてボーナス(例えば、BB)に当選した際に、メダルの払い出しに関して特殊制御を実行可能にした場合を例に取り説明を行ったが、RT状態においてボーナスに当選した場合に限ってメダルの払い出しに関して特殊制御を実行可能にするようにしてもよい。特に、上記実施形態のようにボーナス終了後に遊技状態がRT状態に移行するようになっている場合には、RT状態において上述の特殊制御を実行してボーナスの当選を報知することにより、遊技者にボーナスが連荘したという達成感を与えることができるようになる。