以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
そして遊技結果は表示窓DW内の5本の入賞判定ラインL1〜L5のうち有効な入賞判定ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて5本の入賞判定ラインL1〜L5の全てが有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(回転開始操作手段)SL、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100(制御基板)によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー(回転開始操作手段)SLに対する第1リールR1〜第3リールR3の回転開始操作を許可する処理を行う。
本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態、リプレイタイム状態(RT状態)、第1ボーナス成立状態(第1BB成立状態)、第2ボーナス成立状態(第2BB成立状態)、およびビッグボーナス状態(BB状態:ボーナス状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、内部抽選テーブル記憶手段191には、図3に示すように、各遊技状態における内部抽選のための内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEが記憶されている。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、内部抽選テーブルAが選択され、遊技状態がRT状態である場合には、内部抽選テーブルBが選択され、遊技状態が第1BB成立状態である場合には、内部抽選テーブルCが選択され、遊技状態が第2BB成立状態である場合には、内部抽選テーブルDが選択され、遊技状態がBB状態である場合には、内部抽選テーブルEが選択される。
そして内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(入賞に伴い次回の遊技に際してメダルが自動投入される役)、小役(入賞に伴いメダルが払い出される役:ベル、スイカ、チェリー(特定の役の一例:赤チェリー、黒チェリー、白チェリー)、特殊小役(特定の役の一例:特殊小役1〜特殊小役3)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。なお本実施形態の遊技機では、各内部抽選テーブルにおいて、内部抽選の対象となっている3種類の特殊小役(特殊小役1〜特殊小役3)が互いに重複して当選することがないように役と乱数値との対応関係が設定されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230の作動に伴って入力されるスタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち本実施形態の遊技機では、内部抽選でBBに当選すると、BBの抽選フラグの当選状態を、BBが入賞するまで持ち越すようになっている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作(回転開始操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動して、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンB1〜B3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタン(停止操作手段)B1〜B3に対する押下操作(停止操作)が有効化された状態(第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態)において遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンB1〜B3の各ボタンの押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の位置(押下検出位置)と、第1リールR1〜第3リールR3の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態毎に第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。そして停止制御テーブルでは、内部抽選の結果に応じて設定される抽選フラグの設定状態が同一であるとともに、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様(操作態様:例えば、押下タイミングおよび押下順序)が同一である場合には、第1リールR1〜第3リールR3について同一の停止位置が指定されている。すなわち、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様と、内部抽選手段120による内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止態様で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また停止制御テーブルでは、2種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ>ビッグボーナス(BB)>小役」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段130は、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお複数種類の小役に対応する抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各小役に対応づけられている配当に従って優先順位が決定され、リール制御手段130は、配当が高いほど優先順位が高い小役の入賞が優先されるようにリールを停止させる制御を行う。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは入賞判定ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。
そして本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3が、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置(上段、中段、下段)に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態の遊技機では、図4に示す第1リールR1〜第3リールR3の図柄配列によれば、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」に関して、その間隔が4コマ以内となるように図柄が配列されており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができるようになっている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって入賞判定ラインL1〜L5の各入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
本実施形態では、図4に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、黒7図柄「黒7」、白7図柄「白7」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、赤チェリー図柄「赤CH」、黒チェリー図柄「黒CH」、白チェリー図柄「白CH」、リプレイ図柄「RP」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図5に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ、ベル、スイカ、赤チェリー、黒チェリー、白チェリー、特殊小役1、特殊小役2、および特殊小役3の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図5に示す赤チェリー、黒チェリー、および白チェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ANY」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
すなわち本実施形態では、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが表示された場合、BBが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「BL・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「WM・WM・WM」の図柄組合せが表示された場合、スイカが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤CH・ANY・ANY」(ANYは図柄の種類を問わない)の図柄組合せが表示された場合、赤チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「黒CH・ANY・ANY」(ANYは図柄の種類を問わない)の図柄組合せが表示された場合、黒チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白CH・ANY・ANY」(ANYは図柄の種類を問わない)の図柄組合せが表示された場合、白チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役1が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「黒7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役2が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役3が入賞したと判定される。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、図5に示す役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお複数の小役が1回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計を、遊技におけるメダルの払出数として決定することができる。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイあるいはビッグボーナス(RB)が入賞した場合には、図5に示すように、リプレイおよびビッグボーナスに対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、リプレイタイム状態(RT状態)、第1ボーナス成立状態(第1BB成立状態)、第2ボーナス成立状態(第2BB成立状態)、およびビッグボーナス状態(BB状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態である。通常状態では、BBが内部抽選の対象として設定された内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われ、通常状態でBBに当選すると、遊技状態を第1BB成立状態へ移行させる制御が行われる。
RT状態は、後述するBB状態の終了を契機として移行する遊技状態である。RT状態では、BBが内部抽選の対象として設定され、かつ通常状態よりもリプレイの当選確率が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われ、RT状態でBBに当選すると、遊技状態を第2BB成立状態へ移行させる制御が行われる。またRT状態では、赤チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「赤CH・ANY・ANY」、黒チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「黒CH・ANY・ANY」、あるいは白チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「白CH・ANY・ANY」のいずれかが入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態を通常状態へ移行させる制御が行われる。
第1BB成立状態は、通常状態における内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。第1BB成立状態では、BBが内部抽選の対象から除外され、かつ小役およびリプレイの当選確率が通常状態と等しくなるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
第2BB成立状態は、RT状態における内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。第2BB成立状態では、BBが内部抽選の対象から除外され、かつ小役およびリプレイの当選確率がRT状態と等しくなるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。また第2RB成立状態では、赤チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「赤CH・ANY・ANY」、黒チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「黒CH・ANY・ANY」、あるいは白チェリーの入賞形態を示す図柄組合せ「白CH・ANY・ANY」のいずれかが入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態を第1RB成立状態へ移行させる制御が行われる。
BB状態(ボーナス状態)は、第1BB成立状態あるいは第2BB成立状態においてBBの入賞形態を示す図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB状態では、リプレイが内部抽選の対象から除外され、ベルおよび特殊小役(特殊小役1〜特殊小役3)の当選確率が通常状態やRT状態よりも高く設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちBB状態は、通常状態やRT状態よりも小役の入賞確率が高く、短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。またBB状態では、所定数(例えば、465枚)メダルが払い出されたことを契機としてBB状態を終了させて、遊技状態をRT状態へ移行させる制御が行われる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させており、遊技状態がRT状態あるいは第2RB成立状態であるとともに、演出状態が第1アシストタイム状態(第1AT状態:第1特別演出状態)あるいは第2アシストタイム状態(第2AT状態:第2特別演出状態)である場合に、内部抽選で特殊小役(特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3)あるいはチェリー(赤チェリー、黒チェリー、白チェリー)が当選すると、当選した小役の種類を報知する報知演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。報知演出としては、種々の演出を採用することができ、内部抽選で当選した小役の種類を示唆する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、内部抽選で当選した小役の種類を示唆する音声をスピーカから出力させたり、内部抽選での当選した小役の種類を示唆するランプを点灯させたりすることができる。
このように本実施形態の遊技機では、報知演出によって特殊小役の種類が報知されることによって特殊小役の入賞確率を上昇させてメダルの獲得率を上昇させることができるとともに、報知演出によってチェリーの種類が報知されることによって、チェリーの入賞に伴いRT状態が終了することを回避することができるようになっている。すなわち本実施形態の遊技機では、演出状態を第1AT状態あるいは第2AT状態に設定することによって、特殊小役1〜特殊小役3の入賞確率を高めるとともに、赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリーの入賞によるRT状態から通常状態への遊技状態の転落を、遊技者の意思に基づいて回避することができるようになっている。
また演出制御手段180は、内部抽選でBBが当選した遊技からBBの入賞に伴って移行するBB状態が終了する遊技までの特定遊技区間における予め定められた契機においてAT抽選(演出抽選)を行っている。本実施形態では、図6に示すように、AT抽選テーブル記憶手段197に複数種類のAT抽選テーブル(AT抽選テーブルA〜AT抽選テーブルC)が記憶されており、演出制御手段180は、通常状態における遊技でBBに当選したことにより開始される特定遊技区間では、後述のAT発動制御カウンタ(第3のカウンタ)198Dの記憶値に応じて、AT抽選テーブルAあるいはAT抽選テーブルBのいずれかを参照してAT抽選を行い、RT状態における遊技でBBに当選したことにより開始される特定遊技区間では、AT抽選テーブルCを参照してAT抽選を行っている。そして本実施形態の遊技機では、演出制御手段180は、通常状態での遊技におけるBBの当選により開始される特定遊技区間では、AT抽選において第1AT状態への移行の当否のみを決定しており、RT状態での遊技におけるBBの当選により開始される特定遊技区間ではAT抽選において第2AT状態への移行の当否のみならず、第2AT状態の継続セット数も決定している。
また演出制御手段180は、AT発動制御カウンタ198Dの更新処理を行っている。AT発動制御カウンタ198Dについては、通常状態での遊技における内部抽選で赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリーのいずれかが当選したことを契機として、演出制御手段180が、カウンタ更新抽選テーブル記憶手段199に記憶されているカウンタ更新抽選テーブルを参照して、所定確率で当選するカウンタ更新抽選を行い、カウンタ更新抽選に当選したことに基づいて記憶値に所定の加算値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。なおAT発動制御カウンタ198Dの記憶値は、初期値(例えば、0)から最大値(例えば、30)の範囲で変動するようになっている。
そして演出制御手段180は、通常状態での遊技においてBBに当選することにより開始される特定遊技区間でのAT抽選の実行契機においてAT発動制御カウンタ198Dの記憶値がしきい値(例えば、17)に達しているか否かを判定して、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値がしきい値未満である場合には、AT抽選テーブルAを選択し、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値がしきい値以上である場合には、AT抽選テーブルAよりも当選確率が高いAT抽選テーブルBを選択する。
また演出制御手段180は、RT状態での遊技におけるBBの当選により開始される特定遊技区間でのAT抽選の実行契機においては、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値に関わらずAT抽選において参照するテーブルとしてAT抽選テーブルCを選択する。
そして本実施形態の遊技機では、AT抽選に当選すると、演出制御手段180が、BB状態の終了を契機として演出状態を第1AT状態あるいは第2AT状態のいずれかに設定する。特に本実施形態では、演出制御手段180が、遊技状態が通常状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選した場合には、BB状態の終了を契機としてATフラグ記憶手段196に第1ATフラグを設定することによって演出状態を第1AT状態に設定し、遊技状態がRT状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選した場合には、BB状態の終了を契機としてATフラグ記憶手段196に第2ATフラグを設定することによって演出状態を第2AT状態に設定する。
ここで、本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、第1AT状態で所定回数(例えば、100回)の遊技が行われる毎にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第1の減算値(例えば、2)を減算するデクリメント更新を行うとともに、遊技状態がRT状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選する毎にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第2の減算値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行っている。そして演出制御手段180は、遊技状態が通常状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選した場合、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値が初期値(例えば、0)でないことを条件に、第1ATフラグの設定を許可し、遊技状態がRT状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選した場合、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値が初期値(例えば、0)でないことを条件に、第2ATフラグの設定を許可する制御を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、AT抽選に当選しても、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値が初期値である場合には、AT抽選における当選の結果が破棄される。このように本実施形態の遊技機では、AT発動制御カウンタ198Dが、AT抽選の当選確率を調整することによってメダルの獲得率が良好でない遊技者を救済するためのカウンタとして機能するばかりでなく、メダルの獲得率が過度に上昇することがないようにAT状態への移行回数を抑制するカウンタとしても機能するようになっている。
また、本実施形態の遊技機は、第1AT状態を終了させるか否かを判定するための第1AT終了判定カウンタ(第1のカウンタ)198Aと、第2AT状態を終了させるか否かを判定するための第2AT終了判定カウンタ(第2のカウンタ)198Bとを備え、演出制御手段180は、通常状態でBBに当選することにより開始される特定遊技区間で行われたAT抽選で当選した場合には、第1AT終了判定カウンタ198Aに所定回数(例えば、100回)の遊技に相当する値(例えば、100)を設定し、RT状態でBBに当選することにより開始される特定遊技区間で行われたAT抽選で当選した場合には、第2AT終了判定カウンタ198BにAT抽選の結果に応じたセット数(例えば、3セット、5セット、7セット、あるいは10セット)に相当する値(例えば、3、5、7、あるいは10)を設定するとともに、1セット分の遊技回数(例えば、50回)に相当する値(例えば、50)をセット終了判定カウンタ198Cに設定する。なお本実施形態では、第2AT状態での1セットあたりの遊技回数が50回に設定されており、第2ATフラグの設定の当否を決めるAT抽選では、少なくとも3セット以上のセット数が選択されるようになっていることから、第2AT状態は、最低限150回の遊技が行われるまで継続可能となっており、100回の遊技で終了する第1AT状態に比べて終了しにくい演出状態(終了条件が成立しにくい演出状態)となっている。
そして演出制御手段180は、演出状態が第1AT状態に設定されている場合には、遊技が行われる毎に(第1の更新条件が成立する毎に)、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値を一定値ずつ(例えば、1ずつ)減算するデクリメント更新を行い、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値(例えば、0)になったことに基づいて、第1ATフラグをクリアすることによって第1AT状態を終了させる制御を行う。
一方、演出制御手段180は、演出状態が第2AT状態に設定されている場合には、遊技が行われる毎に、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値を一定値ずつ(例えば、1ずつ)減算するデクリメント更新を行い、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値が初期値(例えば、0)になったことに基づいて、1セットに相当する所定回数(例えば、50回)の遊技が行われたと判断する。そして演出制御手段180は、1セットに相当する所定回数の遊技が行われたと判断される毎に(第2の更新条件が成立する毎に)、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値を一定値ずつ(例えば、1ずつ)減算するデクリメント更新を行い、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値(例えば、0)になったことに基づいて、第2ATフラグをクリアすることによって第2AT状態を終了させる制御を行う。
また演出制御手段180は、演出状態が第1AT状態に設定されている場合に、チェリー(赤チェリー、黒チェリー、白チェリー)あるいはBBのいずれかが入賞すると、強制終了条件が成立したと判断し、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値になっていなくても、第1ATフラグをクリアして第1AT状態を終了させるとともに、強制終了条件の成立時点における第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値を次回のBB状態が終了するまで保持する制御を行う。そして演出制御手段180は、次回のBB状態を含む特定遊技区間において行われたAT抽選で当選したか否かに関わらず次回のBB状態が終了した後に第1ATフラグを復帰設定して演出状態を第1AT状態に移行させ、保持されていた第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値の更新を再開する。
一方、演出制御手段180は、演出状態が前記第2AT状態に設定されている場合に、チェリー(赤チェリー、黒チェリー、白チェリー)あるいはBBのいずれかが入賞すると、強制終了条件が成立したと判断され、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値になっていなくても、第2ATフラグをクリアして第2AT状態を終了させるとともに、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値をクリアしつつ、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値を1セット分だけデクリメント更新してから、更新後の第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値を次回のBB状態が終了するまで保持する制御を行う。そして演出制御手段180は、次回のBB状態を含む特定遊技区間において行われたAT抽選で当選したか否かに関わらず次回のBB状態が終了した後に第2ATフラグを復帰設定して演出状態を第2AT状態に移行させ、保持されている第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値の更新を再開する。なお本実施形態の遊技機では、第1ATフラグと第2ATフラグとがともに設定されている場合には、第1AT状態の消化を優先して第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値のデクリメント更新を行い、第1AT状態の終了により第1ATフラグがクリアされた後に、第2AT状態を消化させるべく第2AT終了判定カウンタ198Aおよびセット終了判定カウンタ198Cの記憶値のデクリメント更新を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法について具体的に説明する。
本実施の形態では、通常状態での遊技において、AT抽選の当選確率を制御するAT発動制御カウンタ198Dの更新処理を行っている。以下では、図7に示すフローチャートを参照しながら、具体的に説明する。
まず遊技者がスタートレバーSLを押下して遊技が開始されると(ステップS100でY)、内部抽選の結果を取得する(ステップS101)。そして、内部抽選でチェリー(赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリー)が当選していた場合には(ステップS102でY)、所定確率で当選するカウンタ更新抽選を行い(ステップS103)、カウンタ更新抽選に当選したことに基づいて(ステップS104でY)、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値に一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う(ステップS105)。なお本実施形態の遊技機では、赤チェリー、黒チェリー、および白チェリーのそれぞれの当選確率が約1/30に設定されているとともに、カウンタ更新抽選の当選確率が約1/3に設定されている。また、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値は、0〜30の範囲で変動し、後述するAT抽選テーブルを選択する際における判定のためのしきい値を17としており、演出状態がAT状態に設定されることなく通常状態において約500回の遊技が行われると、AT状態への移行確率を高めることによってメダルの獲得状況が悪い遊技者を救済することができるようになっている。
そして本実施の形態では、BBに当選した遊技からBB状態が終了するまでの遊技における特定遊技区間においてAT状態への移行の当否を決定するAT抽選を行っており、BBの当選した遊技における遊技状態に応じてAT抽選の抽選対象を変動させることにより、遊技者のメダルの獲得状況を好適に調整することができる制御手法を採用している。以下では、図8および図9に示すフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
通常状態でBBが当選した場合には、図8に示すフローチャートに従った処理が行われる。
まず内部抽選でBBに当選し(ステップS200でY)、遊技状態が通常状態であった場合には(ステップS201でY)、BBの当選を契機として、AT抽選テーブルAあるいは抽選テーブルBのいずれかを参照してAT抽選を行う(ステップS202)。ここでは、BBに当選するまで図7に示すフローチャートに従って更新が行われていたAT発動制御カウンタ198Dの記憶値としきい値との関係に基づいて、参照先のAT抽選テーブルが選択される。
そしてAT抽選に当選すると(ステップS203でY)、所定遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値に加算する(ステップS204)。
やがてBB状態が終了すると(ステップS205でY)、第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bのそれぞれの記憶値をチェックし(ステップS205)、チェック結果に応じて第1ATフラグや第2ATフラグをATフラグ記憶手段196に設定する(ステップS207)。本実施形態では、AT終了判定カウンタに初期値以外の値が書き込まれている場合には、対応するATフラグを設定するようになっており、例えば、第1AT終了判定カウンタ198Aに初期値以外の値が書き込まれており、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値であった場合には、第1ATフラグのみを設定する。
また本実施の形態では、BB当選時に行われるAT抽選(ステップS202)に当選しなかった場合でも(ステップS203でN)、BBに入賞すると(ステップS208でY)、BB状態での遊技における内部抽選でチェリー(赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリー)が当選したことを契機として(ステップS209でY)、AT抽選が行われる(ステップS210)。ここでもステップS202と同様に、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値としきい値との関係に基づいて、AT抽選テーブルAあるいはAT抽選テーブルBが選択される。
そしてAT抽選に当選すると(ステップS211でY)、BB当選時に行われたAT抽選で当選した場合と同様に、ステップS204〜ステップS207の処理が実行される。なお本実施形態では、AT抽選に当選しなかった場合でも、BB状態が終了するまでは、チェリーの当選を契機として再度AT抽選が行われるようになっている(ステップS212でN、ステップS209〜ステップS211)。
またBB当選時のみならずBB状態においてもAT抽選で当選せずに、BB状態が終了した場合にも(ステップS212でY)、第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bのそれぞれの記憶値をチェックする(ステップS205)。このとき第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bの各記憶値が、ともに初期値であったとすると、ステップS207では、第1ATフラグおよび第2ATフラグのいずれのATフラグも設定されないまま一連の処理を終了することになる。
次に、RT状態でBBが当選した場合には、図9に示すフローチャートに従った処理が行われる。
まず内部抽選でBBに当選し(ステップS220でY)、遊技状態がRT状態であった場合には(ステップS221でY)、BBの当選を契機として、AT抽選テーブルCを参照してAT抽選を行う(ステップS222)。ここでは、通常状態でBBに当選した場合とは異なり、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値に関係なくAT抽選テーブルCを参照してAT抽選を行う。
そしてAT抽選に当選すると(ステップS223でY)、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第2の減算値(例えば、1)を減算し(ステップS224)、AT抽選で当選したセット数(例えば、3回)に相当する値(例えば、3)を、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値に加算するとともに、1セット分の遊技回数(例えば、50回)に相当する値(例えば、50)を、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値に加算する(ステップS225)。
やがてBB状態が終了すると(ステップS226でY)、第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bのそれぞれの記憶値をチェックし(ステップS227)、チェック結果に応じて第1ATフラグや第2ATフラグをATフラグ記憶手段196に設定する(ステップS228)。例えば、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値であって、第2AT終了判定カウンタ198Bに初期値以外の値が書き込まれている場合には、第2ATフラグのみを設定する。
また本実施の形態では、上述したようにBB当選時に行われるAT抽選(ステップS222)に当選しなかった場合でも(ステップS223でN)、BBに入賞すると(ステップS229でY)、BB状態での遊技における内部抽選でチェリー(赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリー)が当選したことを契機として(ステップS230でY)、AT抽選が行われる(ステップS231)。ここでもステップS222と同様に、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値に関わらずに参照先のAT抽選テーブルとしてAT抽選テーブルCが選択される。
そしてAT抽選に当選すると(ステップS232でY)、BB当選時に行われたAT抽選で当選した場合と同様に、ステップS224〜ステップS228の処理が実行される。なお本実施形態では、上述したようにAT抽選に当選しなかった場合でも、BB状態が終了するまでは、チェリーの当選を契機として再度AT抽選が行われるようになっている(ステップS233でN、ステップS230〜ステップS232)。
またBB当選時のみならずBB状態においてもAT抽選で当選せずに、BB状態が終了した場合にも(ステップS233でY)、第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bのそれぞれの記憶値をチェックする(ステップS227)。このとき第1AT終了判定カウンタ198Aおよび第2AT終了判定カウンタ198Bの各記憶値が、ともに初期値であったとすると、ステップS227では、第1ATフラグおよび第2ATフラグのいずれのATフラグも設定されないまま一連の処理を終了することになる。
そして、第1ATフラグが設定されることによって演出状態が第1AT状態に移行した場合や第第2ATフラグが設定されることによって演出状態が2AT状態に移行した場合には、図10に示すフローチャートに従って報知演出の実行制御に関する処理が行われる。
第1AT状態や第2AT状態では、遊技者がスタートレバーSLを押下することによって遊技が開始されると(ステップS300)、内部抽選の結果を取得して(ステップS301)、報知対象となるチェリー(赤チェリー、黒チェリー、あるいは白チェリー)や特殊小役(特殊小役1、特殊小役2、あるいは特殊小役3)が当選したか否かをチェックする(ステップS302)。
このときチェリーや特殊小役が当選していた場合には(ステップS302でY)、表示装置330や音響装置340により、当選したチェリーの種類を報知することによりチェリーの入賞回避を補助する報知演出や当選した特殊小役の種類を報知することにより特殊小役の入賞を補助する報知演出を実行する(ステップS303)。
また本実施形態の遊技機では、第1AT状態や第2AT状態において、図11に示すフローチャートに従って、各AT状態の終了管理を行っている。
まずスタートレバーSLが押下されることによって遊技が開始されると(ステップS400でY)、ATフラグの設定状態をチェックする(ステップS401、ステップS407)。本実施形態の遊技機では、第1ATフラグと第2ATフラグとがともに設定されている場合には、第2AT状態よりも第1AT状態の消化を優先させるべく、第1ATフラグの設定状態を先にチェックし(ステップS401)、第1ATフラグが設定されていないと判断される場合には(ステップS401でN)、第2ATフラグの設定状態をチェックするようになっている(ステップS407)。
このとき第1ATフラグが設定されている場合には(ステップS401でY)、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値から一定値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い(ステップS402)、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値(例えば、0)に達したか否かを判定する(ステップS403)。
このとき第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値に達していない場合には(ステップS403でN)、第1AT状態の強制終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS404)。本実施の形態では、演出状態が第1AT状態や第2AT状態に設定されている遊技においてチェリー(赤チェリー、黒チェリー、白チェリー)あるいはBBが入賞すると強制終了条件が成立したと判断される。そして強制終了条件が成立していないと判断された場合には(ステップS404でN)、ステップS400へ復帰して一連の処理を繰返し行う。
一方、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値に達した場合には(ステップS403でY)、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第1の減算値(例えば、2)を減算するデクリメント更新を行ってから(ステップS405)、第1ATフラグをクリアして第1AT状態を終了させる(ステップS406)。
また、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が初期値に達していなくても強制終了条件が成立した場合には(ステップS403でN、ステップS404でY)、第1ATフラグをクリアして第1AT状態を終了させる(ステップS406)。本実施の形態では、強制終了条件が成立した場合に、第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値を初期化することなく第1ATフラグをクリアして第1AT状態を終了させることによって、強制終了条件の成立時点における第1AT終了判定カウンタ198Aの記憶値が次回のBB状態が終了するまで保持することができる。
次に第2ATフラグが設定されている場合には(ステップS407でY)、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値から一定値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い(ステップS408)、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値が初期値(例えば、0)に達したか否かを判定する(ステップS409)。
このときセット終了判定カウンタ198Cの記憶値が初期値に達していない場合には(ステップS409でN)、第1AT状態の強制終了条件が成立したか否かを判定し(ステップS410)、強制終了条件が成立していないと判断された場合には(ステップS410でN)、ステップS400へ復帰して一連の処理を繰返し行う。
一方、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値が初期値に達した場合には(ステップS409でY)、第2AT状態における1セットが終了したことになるため、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値から一定値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い(ステップS411)、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値(例えば、0)に達したか否かを判定する(ステップS412)。
このとき第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値に達していない場合には(ステップS412でN)、1セット分の遊技回数(例えば、50回)に相当する値(例えば、50)をセット終了判定カウンタ198Cの記憶値に加算してから(ステップS414)、ステップS400へ復帰して一連の処理を繰返し行う。
また第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値が初期値に達している場合には(ステップS412でY)、第2ATフラグをクリアして第2AT状態を終了させる(ステップS413)。
また、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値が初期値に達していなくても強制終了条件が成立した場合には(ステップS409でN、ステップS410でY)、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値から一定値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行うとともに(ステップS415)、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値を初期化してから(ステップS416)、第2ATフラグをクリアして第2AT状態を終了させる(ステップS413)。本実施の形態では、強制終了条件が成立した場合に、セット終了判定カウンタ198Cの記憶値を初期化して、第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値を減算してから第2ATフラグをクリアして第2AT状態を終了させることによって、強制終了条件の成立時点における未消化分のセット数が第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値として次回のBB状態が終了するまで保持することができる。
以上に述べた本実施形態の制御手法では、演出状態が第1AT状態あるいは第2AT状態に設定されると、報知演出が実行されることによって遊技者がチェリーや特殊小役の当選を把握することができ遊技を自身に有利に進めることができるようになっている。そして本実施形態の制御手法では、通常状態でBBに当選した場合よりもRT状態でBBに当選した場合のほうが遊技者に有利な演出状態に移行するようになっている。さらに本実施形態では、第1ATフラグおよび第2ATフラグの双方が設定されている場合には、まず第1AT状態での遊技の消化を優先させて、第1AT状態が終了してから第2AT状態での遊技を行わせるようになっている。このため本実施形態の制御手法によれば、内部抽選の対象となるBBの種類を増やすことなく、段階的に遊技者に有利な状況へ導くことができるという遊技者にとって魅力のある遊技仕様を実現して、遊技者の関心を惹きつけることができる。
また本実施形態の制御手法では、強制終了条件の成立によって第1AT状態や第2AT状態が終了した場合には、未消化分の遊技回数やセット数に相当するカウンタ値を演出状態に応じた態様で持ち越すことができるようになっており、次回のBB状態の終了後にAT抽選での当否にかかわらず演出状態を第1AT状態や第2AT状態へ設定して、持ち越されたカウンタ値の更新を再開するようになっている。このため本実施形態の制御手法によれば、強制終了条件の成立によって第1AT状態や第2AT状態が終了してしまったことによる遊技者の遊技意欲の減退を防いで、遊技機の稼働率を安定的に保つことができるようになる。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施形態では、BB当選時の遊技状態に応じて、AT抽選での抽選対象となるAT状態を変化させる場合を例に取り説明をしたが、BB当選時の演出状態に応じて、AT抽選での抽選対象となるAT状態を変化させるようにしてもよい。具体的には、演出状態が第1AT状態および第2AT状態とは異なる演出状態である場合には、図6に示すAT抽選テーブルAあるいはAT抽選テーブルBを参照してAT抽選を行い、演出状態が第1AT状態あるいは第2AT状態である場合には、図6に示すAT抽選テーブルCを参照してAT抽選を行うようにすることができる。このようにしても上記実施形態の場合と同様に、内部抽選の対象となるBBの種類を増やすことなく、段階的に遊技者に有利な状況へ導くことができるという遊技者にとって魅力のある遊技仕様を実現して、遊技者の関心を惹きつけることができる。
また上記実施形態では、BBの当選より開始される特定遊技区間においてAT抽選を行う場合を例に取り説明をしたが、遊技状態が通常状態に設定されている遊技区間や、遊技状態がRT状態に設定されている遊技区間においてもAT抽選を行うようにしてもよい。
また上記実施形態では、RT状態から通常状態への移行契機となるチェリーが、特殊小役とは重複せずに当選するように内部抽選を行っている場合を例に取り説明をしたが、通常状態やRT状態においてチェリーと特殊小役とが重複して当選するように内部抽選を行うようにしてもよい。例えば、図4に示す図柄配列によれば、特殊小役1が黒チェリーおよび白チェリーと重複して当選する場合と、特殊小役2が赤チェリーおよび白チェリーと重複して当選する場合と、特殊小役3が赤チェリーおよび黒チェリーと重複して当選する場合があるように内部抽選テーブルを設計してもよい。このとき、特殊小役の当選時に、当選した特殊小役の入賞を逃すと、重複当選したチェリーが入賞するようにリールを停止させる制御を行うことができる。このようにすれば、第1AT状態や第2AT状態において特殊小役の抽選フラグのみを監視しておくだけで報知演出を行うことができるとともに、内部抽選で当選した特殊小役の種類を報知することが、実質的にチェリーの入賞回避を補助することに相当するため、遊技者に分かりやすい遊技性を提供することができるようになる。
また上記実施形態では、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値と比較されるしきい値が予め定められている場合を例に取り説明をしたが、例えば、BB当選時などの所定契機においてしきい値を変動させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者にAT抽選の抽選状態を容易に把握されてしまうことを防止することによって、AT抽選の当選に対する遊技者の期待感を持続させて、遊技者の遊技意欲を喚起することできるようになる。
また上記実施形態では、図2に示すAT発動制御カウンタ198Dの記憶値が遊技者のメダルの獲得状況を間接的に反映したものとなっているので、遊技者がメダルの獲得状況を好転させることができるBB状態の移行契機となっているBB当選時などにおいて、AT抽選の結果に関わらずにAT発動制御カウンタ198Dの記憶値を補正するようにしてもよい。
また上記実施形態では、チェリー当選時に行われるカウンタ更新抽選に当選したことによって更新されるAT発動制御カウンタ198Dの記憶値に応じてAT抽選の抽選状態が変化する場合を例に取り説明をしたが、通常状態で所定回数の遊技が行われる毎にAT抽選の抽選状態を変化させるようにしてもよい。
また上記実施形態では、チェリー当選時にカウンタ更新抽選を行ってAT発動制御カウンタ198Dの記憶値をインクリメント更新するか否かを決定する場合を例に取り説明をしたが、通常状態やRT状態において、抽選フラグの当選状態が入賞の如何に関わらず非当選状態にリセットされ、入賞に伴い1回限りのボーナス遊技を行わせるシングルボーナスを内部抽選の対象役として設定するようにしてもよい。このとき通常状態におけるシングルボーナスの当選時にカウンタ更新抽選を行って、カウンタ更新抽選に当選したことに基づいて、AT発動制御カウンタ198Dの記憶値に所定値を加算するインクリメント更新を行うようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1AT状態で所定回数の遊技が行われる毎にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第1の減算値を減算するデクリメント更新を行う場合を例に取り説明をしたが、第1AT状態に係る第1ATフラグの設定契機となるAT抽選の当選時、あるいは第1AT状態の開始時にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第1の減算値を減算するデクリメント更新を行うようにしてもよい。
また上記実施形態では、遊技状態がRT状態に設定されている遊技においてBBが当選することにより開始される特定遊技区間において行われたAT抽選に当選する毎にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第2の減算値を減算するデクリメント更新を行う場合を例に取り説明をしたが、第2AT状態での各セットの開始時や各セットの終了時にAT発動制御カウンタ198Dの記憶値から第2の減算値を減算するデクリメント更新を行うようにしてもよい。
また上記実施形態では、BB当選時やBB状態におけるチェリー当選時に行われるAT抽選に当選すると、再度のAT抽選は行わない場合を例に取り説明をしたが、BB当選時やBB状態におけるチェリー当選時に行われるAT抽選に当選していても、BB状態においてチェリーに当選する毎にAT抽選を繰返し行うようにしてもよい。この場合にはAT抽選に当選する毎に第2AT終了判定カウンタ198Bの記憶値に当選セット数を累積して加算するようにしてもよい。