以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下の実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
そして遊技結果は表示窓DW内の4本の入賞判定ラインL1〜L4のうち有効な入賞判定ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚あるいは2枚に設定され、2枚以上のメダルが投入されたことに基づいて4本の入賞判定ラインL1〜L4の全てが有効化される。なお本実施形態の遊技機では、通常遊技のみを実行可能な状態では規定投入数が3枚に設定され、また通常遊技とビッグボーナス遊技等の特典遊技との双方が実行可能な状態では規定投入数が2枚(特定の投入数)および3枚に設定される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、特典遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(回転開始操作手段)SL、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100(制御基板)によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、カウンタ更新手段145、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、特典遊技実行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー(回転開始操作手段)SLに対する第1リールR1〜第3リールR3の押下操作(回転開始操作)を有効化(許可)する処理を行う。
本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
また本実施形態の遊技機では、BBカウンタ196、第1RBカウンタ197A、第2RBカウンタ197B、SBカウンタ198、およびRTカウンタ199の各カウンタの値に基づいて、ビッグボーナス遊技等の特典遊技を実行可能であるか否かを判断できるようになっており、投入受付手段105は、通常遊技のみが実行可能である場合には、遊技に際して3枚のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLの押下操作を有効化し、通常遊技および特典遊技の双方が実行可能である場合には、2枚以上のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLの押下操作を有効化する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図3に示すように、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている抽選テーブルA〜抽選テーブルEのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルA〜抽選テーブルEでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(入賞に伴い次回の遊技に際してメダルが自動投入される役)、小役(入賞に伴いメダルが払い出される役:ベル、スイカ、チェリー、特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3、特殊小役4(特定役の一例))、シングルボーナス(SB:特定役の一例)、レギュラーボーナス(RB:特定役の一例)およびビッグボーナス(BB:特定役の一例)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
また本実施形態の遊技機では、通常遊技と、複数種類の特典遊技(ビッグボーナス遊技(BB遊技)、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)、シングルボーナス遊技(SB遊技)、リプレイタイム遊技(RT遊技))とが実行可能とされており、BBおよびRBの抽選フラグが非当選状態に設定されている通常遊技を実行する際には、抽選テーブルAが選択され、BBあるいはRBの抽選フラグが当選状態に設定されている通常遊技を実行する際には、抽選テーブルBが選択され、特典遊技であるBB遊技あるいはRB遊技を実行する際には、抽選テーブルCが選択され、特典遊技であるSB遊技を実行する際には、抽選テーブルDが選択され、特典遊技であるRT遊技を実行する際には、抽選テーブルEが選択される。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230の作動に伴って入力されるスタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)とがあり、それ以外の役(例えば、シングルボーナス(SB)、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。
そして本実施形態の遊技機では、通常遊技、SB遊技、あるいはRT遊技における内部抽選でBBやRBに当選すると、当選したBBやRBが入賞するまでは通常遊技のみが実行可能となり、抽選フラグ設定処理では、BBやRBの抽選フラグの当選状態を、BBやRBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、BBやRBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている通常遊技において、抽選テーブルBを参照することによって、BB、RB、およびSB以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、BBやRBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている通常遊技において、内部抽選でBB、RB、およびSB以外の役が当選した場合には、BBやRBの抽選フラグと内部抽選で当選したBB、RB、およびSB以外の役の抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作(回転開始操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動して、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンB1〜B3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタン(停止操作手段)B1〜B3に対する押下操作(停止操作)が有効化された状態(第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態)において遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンB1〜B3の各ボタンの押下操作が検出された時点)における回転中の第1リールR1〜第3リールR3の位置を示す操作検出位置と、第1リールR1〜第3リールR3の実際の停止位置または操作検出位置からの滑りコマ数との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態毎に第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。そして停止制御テーブルでは、内部抽選の結果に応じて設定される抽選フラグの設定状態が同一であるとともに、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様(例えば、押下タイミングおよび押下順序)が同一である場合には、第1リールR1〜第3リールR3について同一の停止位置が指定されている。すなわち、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様と、抽選手段120による内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止態様で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
なお本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時における回転中のリールに関する操作検出位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
また停止制御テーブルでは、2種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、操作検出位置に対応づけて「リプレイ>ボーナス>小役」あるいは「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段130は、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各役の優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を入賞判定ライン上の表示位置に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、2種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各小役について予め定められている配当に応じて優先順位を設定することができ、例えば、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定することができる。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは入賞判定ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
そして本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3が、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転中の各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点におけるリールの位置を示す操作検出位置で入賞判定ライン上の表示位置(上段、中段、下段)に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態の遊技機では、図4に示す第1リールR1〜第3リールR3の図柄配列によれば、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」に関して、その間隔が4コマ以内となるように図柄が配列されており、第1リールR1〜第3リールR3が通常制御状態に設定されている場合には、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるようになっている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって入賞判定ラインL1〜L4の各入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
本実施形態では、図4に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、黒7図柄「黒7」、白7図柄「白7」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、チェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図5に示すように、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、シングルボーナス(SB)、リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3、特殊小役4の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図5に示すチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ANY」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
そして本実施形態では、図5に示すように、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが表示された場合、BBが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・黒7」の図柄組合せが表示された場合、RBが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・白7」の図柄組合せが表示された場合、SBが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「BL・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「WM・WM・WM」の図柄組合せが表示された場合、スイカが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「CH・ANY・ANY」(ANYは図柄の種類を問わない)の図柄組合せが表示された場合、チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役1が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「黒7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役2が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役3が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「WM・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役4が入賞したと判定される。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(ベル、スイカ、チェリー、特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3、特殊小役4)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、特定役(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、シングルボーナス(SB)、特殊小役4)が入賞した場合にはカウンタ更新手段145によって各種のカウンタの値を更新するカウンタ更新処理が行われる。
カウンタ更新手段145は、特定役であるBB、RB、SB、および特殊小役4が入賞する毎に、記憶手段190に設けられる各種のカウンタの値を加算更新し、通常遊技よりも役の入賞確率を高めた特典遊技(BB遊技、RB遊技、SB遊技、RT遊技)で所定条件が成立する毎に、各種のカウンタの値を減算更新するカウンタ更新処理を行う。
まず、BBが入賞した場合には、BBカウンタ196の値に所定の払出上限数に相当する値を加算し、BB遊技が行われて小役が入賞すると、小役の入賞に伴うメダルの払出数に応じた値をBBカウンタ196の値から減算する。例えば、払出上限数が300枚に設定されているとすると、BBの入賞時には、BBカウンタ196の値に「300」が加算され、BB遊技においてベルが入賞して10枚のメダルが払い出されたとすると、BBカウンタ196の値から「10」が減算される。
また、RBが入賞した場合には、第1RBカウンタ197Aの値に所定回数分の遊技回数に相当する値を加算すると共に、第2RBカウンタ197Bの値に所定回数分の小役の入賞回数に相当する値を加算し、RB遊技が行われる毎に第1RBカウンタ197Aの値から一定値を減算し、RB遊技で小役が入賞する毎に第2RBカウンタ197Bの値から一定値を減算する。例えば、遊技回数が12回に設定され、小役の入賞回数が8回に設定されているとすると、RBの入賞時には、第1RBカウンタ197Aの値に「12」が加算されると共に、第2RBカウンタ197Bの値に「8」が加算され、RB遊技が行われる毎に第1RBカウンタ197Aの値の値から「1」が減算され、RB遊技で小役が入賞する毎に第2RBカウンタ197Bの値から「1」が減算される。
また、SBが入賞した場合には、SBカウンタ198の値に1回分の遊技回数に相当する値を加算し、SB遊技が行われる毎にSBカウンタ198の値から一定値を減算する。例えば、SBの入賞時には、SBカウンタ198の値に「1」が加算され、SB遊技が行われる毎にSBカウンタ198の値から「1」が減算される。
また、BBおよびRBの抽選フラグが非当選状態に設定されている通常遊技において特殊小役4が入賞した場合には、RTカウンタ199の値に所定回数分の遊技回数に相当する値を加算し、RT遊技が行われるごとにRTカウンタ199の値から一定値を減算する。例えば、遊技回数が100回に設定されているとすると、BBおよびRBの抽選フラグが非当選状態に設定されている通常遊技における特殊小役4の入賞時には、RTカウンタ199の値に「100」が加算され、RT遊技が行われる毎にRTカウンタ199の値から「1」が減算される。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお複数の小役が1回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計を、遊技におけるメダルの払出数として決定することができる。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイや、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、シングルボーナス(SB)が入賞した場合には、図5に示すように、リプレイ、BB、RB、およびSBに対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技の回転開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
特典遊技実行制御手段170は、記憶手段190に設けられている各種の特典遊技用のカウンタの値と、遊技毎に受け付けられたメダルの投入数とに基づいて、特典遊技を行わせるかを遊技毎に判定し、判定結果に基づいて特典遊技を行わせる制御を行う。
具体的には、BBカウンタ196の値、第1RBカウンタ197Aの値、第2RBカウンタ197Bの値、SBカウンタ198の値、RTカウンタ199の値のそれぞれについて、遊技毎に各カウンタの値がしきい値以上であるか否かを判断し、カウンタの値がしきい値を超えている状態で、遊技に際して2枚(特定の投入数)のメダルが投入されてスタートレバーSLが押下された場合に、カウンタの値がしきい値以上であるカウンタに対応する特典遊技を遊技者に行わせる制御を行っている。
より詳細に説明すると、特典遊技実行制御手段170は、遊技毎に各カウンタの値がしきい値以上であるか否かを判断して、いずれかのカウンタの値がしきい値以上である場合には、投入受付手段105に対して特典遊技許可信号を送ることによって、投入受付手段105では、2枚以上のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLの押下操作を有効化する。また2枚のメダルの投入が受け付けられた状態でスターとレバーSLが押下された場合には、特典遊技実行制御手段170が、内部抽選手段120に対して特典遊技実行信号を送ることによって、内部抽選手段120では、特典遊技の種別に応じた抽選テーブルを参照して内部抽選を行って遊技者に特典遊技を行わせる。
なお本実施形態の遊技機では、BB遊技、SB遊技、RT遊技については、各特典遊技に対応するカウンタ(BBカウンタ196、SBカウンタ198、RTカウンタ199)の値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより各特典遊技を行うことができ、RB遊技については、第1RBカウンタ197Aおよび第2RBカウンタ197Bの双方の値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することによりRB遊技を行うことができるように構成されている。
また本実施形態の遊技機では、BBカウンタ196、第1RBカウンタ197A、第2RBカウンタ197B、SBカウンタ198、およびRTカウンタ199のうち、複数のカウンタの値がしきい値以上であることによって、複数種類の特典遊技を実行可能な状況が発生するが、特典遊技間に優先順位が定められており、BB>RB>SB>RTの順序で特典遊技を行うことができるようになっている。例えば、BBカウンタ196の値と、SBカウンタ198の値とがしきい値以上である場合には、BBカウンタ196値がしきい値を下回るまでは特典遊技としてBB遊技を行わせ、BBカウンタ196の値がしきい値未満となった後に、特典遊技としてSB遊技を行わせる制御を行っている。なお特典遊技間について定められる優先順位については、前述の順位に限らず、任意に定めることができる。
続いて、本実施形態の遊技機で実行可能な各種遊技について説明する。
通常遊技は、3枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより行うことができる遊技である。通常遊技は、BBおよびRBなど抽選フラグの当選状態が入賞するまで持ち越される持越可能フラグが非当選状態に設定されている場合と、当該持越可能フラグが当選状態に設定されている場合とにおいて内部抽選で使用される抽選テーブルが異なっている。BBおよびRBの抽選フラグが非当選状態に設定されている通常遊技では、BB、RB、およびSBが内部抽選の対象として設定された抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われ、BBあるいはRBのいずれかの抽選フラグが当選状態に設定されている通常遊技では、BB、RB、およびSBが内部抽選の対象から除外された抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
BB遊技は、BBカウンタ196の値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより行うことができる遊技である。BB遊技では、BB、RB、SB、およびリプレイが内部抽選の対象から除外され、ベル当選確率が通常遊技よりも高められた抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。すなわちBB遊技は、通常遊技よりもベルの当選確率が高いことによって、通常遊技よりも小役の入賞確率を高めた特典遊技として設定されている。
RB遊技は、第1RBカウンタ197Aおよび第2RBカウンタ197Bの値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより行うことができる遊技である。RB遊技では、BB遊技と同様に、BB、RB、SB、およびリプレイが内部抽選の対象から除外され、ベル当選確率が通常遊技よりも高められた抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。すなわちRB遊技も、通常遊技よりもベルの当選確率が高いことによって、通常遊技よりも小役の入賞確率を高めた特典遊技として設定されている。
SB遊技は、SBカウンタ198の値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより行うことができる遊技である。SB遊技では、通常遊技と内部抽選の対象役は同一で、ベル当選確率が通常遊技よりも高められた抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。すなわちSB遊技も、通常遊技よりもベルの当選確率が高いことによって、通常遊技よりも小役の入賞確率を高めた特典遊技として設定されている。
RT遊技は、RTカウンタ199の値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルを投入してスタートレバーSLを押下することにより行うことができる遊技である。RT遊技では、通常遊技と内部抽選の対象役は同一で、リプレイの当選確率が通常遊技よりも高められた抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちRT遊技は、通常遊技よりもリプレイの当選確率が高いことによって、通常遊技よりもリプレイの入賞確率を高めた特典遊技として設定されている。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段195に記憶されている演出テーブルを参照して選択される演出データに基づいてランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
本実施の形態では、カウンタの更新契機となる特定役が入賞する毎にカウンタの値を累積加算しておき、カウンタの値がしきい値以上である状態で、通常遊技とは異なる投入数でメダルが投入された状態でスタートレバーSLが押下されたことによって、通常遊技よりも役の入賞確率を高めた特典遊技を行わせる手法を採用している。以下では、図6に示すフローチャートに沿って、本実施形態の制御手法を説明する。
まず遊技に際してBBの抽選フラグやRBの抽選フラグといった持越可能フラグが当選状態に設定されているか否かをチェックする(ステップS100)。
持越可能フラグが当選状態に設定されている場合には(ステップS100でY)、カウンタの値に関わらず特典遊技の実行を保留させるべく、ステップS101の処理をバイパスしてステップS102へ移行する。なお本実施の形態では、持越可能フラグが当選状態に設定されている場合に、特典遊技の実行を保留させているが、持越可能フラグが当選状態に設定されていても、メダルの投入数が2枚である場合には、特典遊技を実行することができるように構成してもよい。ただし、持越可能フラグが当選状態に設定されている場合に、特典遊技としてSB遊技やRT遊技を行わせる場合には、持越可能フラグに対応づけられているBBやRBが内部抽選の対象から除外されていることが望ましい。
また、いずれの持越可能フラグも当選状態に設定されていない場合には(ステップS100でN)、BBカウンタ196、第1RBカウンタ197A、第2RBカウンタ197B、SBカウンタ198、およびRTカウンタ199のうち、少なくとも1つ以上のカウンタの値がしきい値以上であるか否かをチェックする(ステップS101)。
ここで、いずれかのカウンタの値がしきい値以上であった場合には(ステップS101でY)、特典遊技実行制御手段170が投入受付手段105に対して特典遊技許可信号を送る。すると投入受付手段105では、2枚以上のメダルが投入されたことに基づいてスタートレバーSLの押下操作を有効化する(ステップS103でY)。一方、いずれのカウンタの値も、しきい値未満であった場合には(ステップS101でN)、通常遊技のみを行わせるべく、3枚のメダルが投入されたことに基づいてスタートレバーSLの押下操作を有効化する(ステップS102)。
そしてスタートレバーSLが押下されると(ステップS104でY)、遊技に際して投入されたメダルの投入数をチェックする(ステップS105)。このときメダルの投入数が3枚であった場合には(ステップS105でN)、通常遊技を行わせる(ステップS106)。そして通常遊技においてBB、RB、SB、あるいは特殊小役4のいずれかの特定役が入賞した場合には(ステップS107でY)、入賞した特定役に対応する特典遊技用のカウンタの値をインクリメント更新する(ステップS108)。
例えば、BBが入賞した場合には、BBカウンタ196の値に所定の払出上限数に相当する値を加算し、RBが入賞した場合には、第1RBカウンタ197Aの値に所定回数分の遊技回数に相当する値を加算すると共に、第2RBカウンタ197Bの値に所定回数分の小役の入賞回数に相当する値を加算し、SBが入賞した場合には、SBカウンタ198の値に1回分の遊技回数に相当する値を加算し、BBおよびRBの抽選フラグが非当選状態に設定されている通常遊技において特殊小役4が入賞した場合には、RTカウンタ199の値に所定回数分の遊技回数に相当する値を加算する。
またメダルの投入数が2枚であった場合には(ステップS105でY)、特典遊技実行制御手段170から内部抽選手段120に特典遊技実行信号が送られることによって、遊技者に特典遊技を行わせる(ステップS109)。このとき複数種類のカウンタの値がしきい値以上であった場合には、特典遊技間において定められた優先順位に従って、カウンタの値がしきい値以上である特典遊技のうち、最も優先順位の高い特典遊技を行わせる。そして特典遊技において所定条件が成立した場合には(ステップS110でY)、行われた特典遊技に対応するカウンタの値をデクリメント更新する(ステップS111)。
例えば、BB遊技が行われた場合には、小役が入賞すると、小役の入賞に伴うメダルの払出数に応じた値をBBカウンタ196の値から減算する。また例えば、RB遊技が行われた場合には、RB遊技が1回行われると第1RBカウンタ197Aの値から一定値を減算し、RB遊技で小役が入賞すると第2RBカウンタ197Bの値から一定値を減算する。また例えば、SB遊技が行われた場合には、SB遊技が1回行われるとSBカウンタ198の値から一定値を減算する。また例えば、RT遊技が行われた場合には、RT遊技が1回行われるとRTカウンタ199の値から一定値を減算する。なお特典遊技としてSB遊技やRT遊技を行った結果、特定役として対応づけられている役が入賞した場合には、通常遊技におけるステップS107およびステップS108の処理と同様に、入賞した特定小役に関連づけられたカウンタの値をインクリメント更新することができる。
以上に述べた本実施形態の制御手法では、遊技者がメダルの投入数を選択することで、通常遊技あるいは特典遊技のいずれを行うかを選択することができる。すなわち本実施形態の制御手法によれば、遊技者の意思を反映して通常遊技と特典遊技とを選択的に実行できる遊技仕様を実現することができる。そして、かかる遊技仕様を実現できると、特典遊技を実行する権利を遊技者の意志に基づいて保留することによってメダルの獲得状況や消費状況が芳しくない時に特典遊技を連続的に実行することができるようになって、メダルを短期間でまとめて獲得することができるようになる。さらにRB遊技については、2種類のカウンタによって実行条件が管理されているため、従来の遊技仕様では、所定回数の入賞を達成することなく遊技回数が上限に達してRB遊技を行わせる遊技区間が終了してしまうという問題があったが、本実施形態の制御手法によれば、2種類のカウンタの値が累積加算されていくようになっているため、入賞回数と遊技回数とが均一的に減算されていき、RB遊技でのメダルの獲得性能を安定化させることができるという利点がある。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
3−1.変形例1
上記実施形態では、特定役が入賞した場合におけるカウンタの更新量が一定である場合を例に取り説明したが、カウンタ更新手段145が、カウンタの値がしきい値以上であるか否かに応じて、特定役が入賞した場合におけるカウンタの値の更新量を変化させるようにしてもよい。
例えば、カウンタの値がしきい値以上である場合に、カウンタの値の更新量を増加させれば、遊技者により有利な特典を与えることによって遊技者の遊技意欲の増進を期待できるようになり、また例えば、カウンタの値がしきい値以上である場合に、カウンタの値の更新量を減少させれば、メダルの払い出しが過剰になって遊技者の射幸心を徒に煽ることを防ぐことができるようになる。
3−2.変形例2
上記実施形態では特に言及しなかったが、演出制御手段180が、カウンタの値に基づいて、特典遊技を実行可能であるか否かを報知する報知演出を、表示装置330や音響装置340などの演出装置に実行させるようにしてもよい。
報知演出としては、液晶ディスプレイLCDに特典遊技の実行が可能であることを示唆する演出画像を表示させる演出、特典遊技の実行が可能であることを示唆するランプやLEDを点灯させる演出、スピーカから特典遊技の実行が可能であることを示唆する音声を出力させる演出などを採用することができる。
このようにすれば、特典遊技を行うことができるにも関わらず、そのことを認知していない遊技者が遊技を止めてしまって、遊技者が不測の不利益を被るという事態を防ぐことができる。
3−3.変形例3
上記実施形態の制御手法は、内部抽選の結果に基づいて、当選役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する機能を備えた遊技機についても等しく適用することができる。
例えば、演出制御手段180が、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、演出状態がアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)に設定されている遊技で特殊小役1〜特殊小役3のいずれかが内部抽選で当選すると、当選した特殊小役の種類を遊技者に示唆することによって、当選役の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。すると、演出状態がAT状態に設定されていない遊技と、演出状態がAT状態に設定されている遊技とでは、特殊小役1〜特殊小役3の入賞確率が変化し、演出状態がAT状態に設定されている遊技の方が小役の入賞確率が高くなる。すなわち本変形例では、演出状態がAT状態に設定されている遊技を特典遊技として設定することができる。
かかる入賞補助演出としては、液晶ディスプレイLCDに当選役の種類に対応する演出画像を表示させる演出、当選役に対応するランプやLEDを点灯させる演出、スピーカから当選役の種類に対応する音声を出力させる演出などを採用することができる。
そして本変形例では、カウンタ更新手段145は、演出状態がAT状態に設定されていない遊技における特殊小役1〜特殊小役3のいずれかの入賞を特定役の入賞として、当該入賞を契機として所定の遊技回数に相当する値を記憶手段190に設けられるATカウンタの値に加算する更新処理を行う。またカウンタ更新手段145は、演出状態がAT状態に設定されたアシストタイム遊技(AT遊技)が行われる毎に、ATカウンタの値から一定値を減算する更新処理を行う。例えば、遊技回数が100回に設定されているとすると、演出状態がAT状態に設定されていない遊技における特殊小役1〜特殊小役3のいずれかの入賞時には、ATカウンタの値に「100」が加算され、AT遊技が行われる毎にATカウンタの値から「1」が減算される。
そして特典遊技実行制御手段170は、ATカウンタの値がしきい値である「1」以上である状態で、2枚のメダルが投入されると共にスタートレバーSLが押下されると、演出制御手段180に対して特典遊技実行信号を送ることによって、演出制御手段180では、演出状態をAT状態に設定して遊技者に特典遊技であるAT遊技を行わせることができる。
なお、本変形例では、ATカウンタの更新単位を遊技回数とした場合を例に取り説明をしたが、入賞補助演出の実行回数をATカウンタの更新単位としてもよい。この場合には、AT遊技が行われる毎にATカウンタの値から一定値が減算されるのではなく、AT遊技において内部抽選で特殊小役1〜特殊小役3のいずれかが当選することによって入賞補助演出が行われた場合にATカウンタの値から一定値が減算されるように構成してもよい。
3−4.変形例4
上記実施形態におけるSB遊技に関する制御手法は、いわゆるチャレンジボーナス遊技(CB遊技)を実行する機能を備えた遊技機についても等しく適用することができる。なおCB遊技とは、内部抽選手段120が、抽選フラグ設定処理において、内部抽選の結果に関わらず全ての小役の抽選フラグを当選状態に設定し、リール制御手段130が、第1リールR1〜第3リールR3の少なくとも1つ以上のリールを75msec以内(引き込み範囲は、1コマ以内)に停止させる特典遊技である。
3−5.変形例5
上記実施形態では、同一の投入数で複数種類の特典遊技が実行可能に構成されている場合を例に取り説明をしたが、メダルの投入態様に応じて遊技者が特典遊技を選択することができるように構成してもよい。
例えば、メダル投入口MIに2枚投入した場合には、BB遊技を行わせ、ベットボタンB0によってクレジットメダルを1枚投入してからメダル投入口MIにメダルを1枚投入した場合には、RB遊技を行わせ、メダル投入口MIにメダルを1枚投入してからベットボタンB0によってクレジットメダルを1枚投入した場合には、SB遊技を行わせ、ベットボタンB0によってクレジットメダルを2枚投入した場合には、RT遊技を行わせるようにしてもよい。なおメダルの投入態様と実行される特典遊技との対応関係は、前述したものに限らず任意に定めることができる。